JP2012229402A - ポリアミドイミドフィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリアミドイミド樹脂B1を原料とするポリアミドイミドフィルムの製造方法であって、ポリアミドイミド樹脂A1が金属材料の表面の一部または全部に積層されてなる金属積層体を用いて、ポリアミドイミド樹脂A1が積層されている部位に、ポリアミドイミド樹脂B1を塗布し、乾燥し、フィルム化した後、該フィルムのみを金属積層体から剥離することを特徴とするポリアミドイミドフィルムの製造方法を提供する。
【選択図】なし
Description
(1)エンドレスベルトやドラム等の支持体上に、ポリアミドイミド樹脂の
溶液を塗布し乾燥させる。
(2)ポリアミドイミド樹脂の塗膜が支持体に固着する前に剥離する。
(3)さらに熱処理する。
例えば、手順(2)〜(3)において一定の溶剤を残した状態で該支持体よりフィルムを剥離し、ピンテンター方式などによりフィルムの両端を把持したまま再度熱処理することにより形成される(特許文献1、2、3)。
(1)透明性、表面平滑性、及び光学特性を満足するポリアミドイミドフィルムは、
製造しにくい。
(2)薄いポリアミドイミドフィルムは製造しにくい。
(3)フィルムにしわや傷が入りやすく、透明性、表面平滑性、及び光学特性を妨げる。(4)1サイクル目終了後に剥離面の濡れ性が大きくなり(接触角が小さくなり)、
表面状態を回復させるために高温での熱処理が必要となるため生産効率が良くない。
ポリアミドイミドフィルムの原料となるポリアミドイミド樹脂(ポリアミドイミド樹脂B1)を塗布し、乾燥し、フィルム化した後、該フィルムを該金属積層体から剥離する、
JIS B−0601に従い測定した算術平均粗さ(Ra)が0.3μm以下のポリアミドイミドフィルムの製造方法。
(項1)
ポリアミドイミド樹脂A1が金属材料の表面の一部または全部に積層された金属積層体を準備し、
前記金属積層体のポリアミドイミド樹脂A1が積層されている部位に、
ポリアミドイミド樹脂A1とは異なるポリアミドイミド樹脂B1の溶液を塗布し、乾燥し、フィルム化した後、該フィルムを該金属積層体から剥離する、
JIS B−0601に従い測定した算術平均粗さ(Ra)が0.3μm以下のポリアミドイミドフィルムの製造方法。
(項2)
ポリアミドイミド樹脂A1が、以下の(i)の性質を有することを特徴とする項1に記載のポリアミドイミドフィルムの製造方法。
(i)ポリアミドイミド樹脂A1を構成する酸成分が、無水トリメリット酸、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、及びビフェニル−3,3’,4, 4’−テトラカルボン酸二無水物からなる群より選ばれた少なくとも1種又は2種以上の化合物を主成分とすること
(項3)
ポリアミドイミド樹脂A1が、さらに以下の(ii)または/および(iii)の性質を有することを特徴とする項2に記載のポリアミドイミドフィルムの製造方法。
(ii)ポリアミドイミド樹脂A1を構成するジアミン成分が、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、又はこれに対応するジイソシアネートである3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートビフェニル(o―トリジンジイソシアネート)を主成分とすること
(iii)N−メチル−2−ピロリドン中(ポリマー濃度0.5g/dl)30℃での対数粘度にして、0.3dl/g以上3.5dl/g以下に相当する分子量であること
(項4)
ポリアミドイミド樹脂A1が、以下の一般式(1)、一般式(2)、及び一般式(3)からなる群より選ばれた少なくとも1種又は2種以上の構造を構成単位として含むことを特徴とする項1〜3のいずれかに記載のポリアミドイミドフィルムの製造方法。
ポリアミドイミド樹脂A1がエポキシ樹脂により架橋されていることを特徴とする項1〜4のいずれかに記載のポリアミドイミドフィルムの製造方法。
(項6)
金属積層体にポリアミドイミド樹脂A1が積層されてなる部位を、JIS B−0601に準じて測定した算術平均粗さ(Ra)が、0.3μm以下であることを特徴とする項1〜5のいずれかに記載のポリアミドイミドフィルムの製造方法。
(項7)
ポリアミドイミド樹脂B1が、以下の(1)の性質を有することを特徴とする項1〜6のいずれかに記載のポリアミドイミドフィルムの製造方法。
(1)ポリアミドイミド樹脂B1を構成する酸成分が、シクロへキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物を主成分とすること
(項8)
ポリアミドイミド樹脂B1が、下記一般式(4)を構成単位として含むことを特徴とする項1〜7のいずれかに記載のポリアミドイミドフィルムの製造方法。
ポリアミドイミド樹脂B1が、さらに以下の(2)または/および(3)の性質を有する項7または項8に記載のポリアミドイミドフィルムの製造方法。
(2)ポリアミドイミド樹脂B1を構成するジアミン成分が、
3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル及びジシクロへキシルメタン−4,4’−ジアミン(トランス体、シス体、トランス/シス混合物)からなる群より選ばれた少なくとも1種又は2種の化合物、または、
3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートビフェニル(o−トリジンジイソシアネート)、ジシクロへキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、及び2, 4−トリレンジイソシアネートからなる群より選ばれた少なくとも1種又は2種以上の化合物、
を主成分とすること
(3)N−メチル−2−ピロリドン中(ポリマー濃度0.5g/dl)30℃での対数粘度にして、0.3dl/g以上3.5dl/g以下に相当する分子量であること
(項10)
ポリアミドイミド樹脂B1が、下記一般式(5)、一般式(6)及び一般式(7)からなる群より選ばれた少なくとも1種又は2種以上を構成単位として含むことを特徴とする項1〜9のいずれかに記載のポリアミドイミドフィルムの製造方法。
まず、第1の重要な開示である金属積層体、及び金属積層体を構成し金属積層体の表面の一部または全部に積層されるポリアミドイミド樹脂A1について説明する。
「金属積層体」とは、金属材料の表面の一部または全部に、ポリアミドイミド樹脂A1を積層したものをいう。金属材料が板状、箔状の場合は、金属材料の片面(片面の一部を含む)、両面(両面の一部を含む)または全面に、ポリアミドイミド樹脂A1を積層したものをいう。ここで「剥離性に優れる」とは、金属積層体を構成するポリアミドイミド樹脂であるポリアミドイミド樹脂A1と金属材料間の「剥離性」を意味するものではない。金属積層体の表面から、後述するポリアミドイミド樹脂B1のフィルムを剥離する場合の「剥離性」を意味する。すなわち、金属積層体の表面を構成するポリアミドイミド樹脂A1上に、後述するポリアミドイミド樹脂B1を積層し、乾燥し、フィルム化後、当該フィルムを剥離する場合の「剥離性」を意味する。
金属積層体に用いる「金属材料」は、特に限定されないが、銅、SUS、アルミニウム、スチール、ニッケルなどを使用することができる。また、これらを複合した複合金属、亜鉛やクロム化合物など他の金属で処理した金属についても用いることができる。形状は、特に限定はないが、ロールtoロール加工等の連続生産性等から、板状、箔状等が好ましい。
ポリアミドイミド樹脂A1は、フィルム化するプロセスでの熱履歴に耐えうるもので平滑性、及び剥離性に優れるポリアミドイミド樹脂であれば、特に限定はない。金属積層体の加工性、耐熱性、及び耐久性に優れていればよい。好ましくは、積層後、イミド化反応を伴わない溶剤可溶型のポリアミドイミド樹脂である。積層後にイミド化反応を伴わない溶剤可溶型のポリアミドイミド樹脂を使用することにより、及び剥離面の濡れ性の変化が少なく、2サイクル以上行う場合においても、再び熱処理を行う必要もなく、生産効率が向上できる。
本発明において、ポリアミドイミド樹脂A1の製造は、溶媒中、酸成分とジアミン成分を、酸クロリド法、低温溶液重合法、室温溶液重合法、イソシアネート法、など通常の方法で重合することができる。製造コストなどの観点から、特に好ましい製造法は、脱炭酸反応により金属材料へそのまま塗布できるポリマー溶液が得られるイソシアネート法である。
「酸成分」としては、無水トリメリット酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,3’,4’−トリカルボン酸、ジフェニルスルホン−3,3’,4’−トリカルボン酸などの一無水物、二無水物、エステル化物、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸、ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸、アルキレングリコールビス(トリメリテート)、ビスフェノールビス(トリメリテート)、ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸等の一無水物、二無水物、エステル化物、イソフタル酸、テレフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸などのジカルボン酸成分が、単独、或いは、2種以上の混合物として用いることができる。
無水トリメリット酸、
ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、
ビフェニル−3,3’,4, 4’−テトラカルボン酸二無水物、
ピロメリット酸、
ジフェニルエーテル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸が、
単独、或いは、2種以上の混合物を酸成分として用いることができる。
無水トリメリット酸、
ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、
ビフェニル−3,3’,4, 4’−テトラカルボン酸二無水物、
ピロメリット酸が、
単独、或いは、2種以上の混合物を酸成分として用いることができる。
無水トリメリット酸、
ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、
ビフェニル−3,3’,4, 4’−テトラカルボン酸二無水物が、
単独、或いは、2種以上の混合物を酸成分として用いることができる。
また、「ジアミン成分」としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3, 4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3, 4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノベンゾフエノン、3,3’−ジアミノベンゾフエノン、3, 4’−ジアミノベンゾフエノン、2, 6−トリレンジアミン、2, 4−トリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、P−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、1,4−ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレンジアミン、2, 2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエトキシ−4,4’−ジアミノビフェニルなどの単独、或いは、2種以上の混合物、或いは、
これらに対応するジイソシアネートなどの単独、或いは、2種以上の混合物をジアミン成分として用いることができる。
3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、
2,4−トリレンジアミン、
4,4’−ジアミノジフェニルメタン、
などの単独、或いは、2種以上の混合物、或いは、これらに対応するジイソシアネートなどの単独、或いは、2種以上の混合物をジアミン成分として用いることができる。
3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、
2,4−トリレンジアミン、
などの単独、或いは、2種の混合物、或いは、これらに対応するジイソシアネートなどの単独、或いは、2種の混合物をジアミン成分として用いることができる。
3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、
或いは、これらに対応するジイソシアネートである3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートビフェニル(本発明では「o―トリジンジイソシアネート」と称することがある)をジアミン成分として用いることができる。
酸成分として、
無水トリメリット酸、
ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、
及びビフェニル−3,3’,4, 4’−テトラカルボン酸二無水物、
からなる群より選ばれた1種又は2種以上の化合物を用いることができる。これらを酸性分とするポリアミドイミド樹脂A1を用いることで、本発明の効果を奏する。
ジアミン成分として、
3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、
又はこれに対応するジイソシアネートである3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートビフェニル(o―トリジンジイソシアネート)を用いることができる。これらをジアミン成分とするポリアミドイミド樹脂A1を用いることで、本発明の効果を奏する。
酸成分として、
無水トリメリット酸、
ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、及び
ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物混合物を、
用いることができる。
ジアミン成分として、
3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、或いは、これに対応するジイソシアネート(o―トリジンジイソシアネート)を用いることができる。
ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物/ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物=1/99〜99/1モル%比がよい。
さらに好ましくは、ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物/ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物=30/70〜70/30モル%比である。
{ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物+ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物}/無水トリメリット酸=50/50〜5/95モル%比がよい。
さらに好ましくは、{ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物+ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物}/無水トリメリット酸=40/60〜10/90モル%比がよい。
前述のポリアミドイミド樹脂A1を、金属材料の片面、或いは、両面に積層されるのが好ましい。より好ましくは、前述の酸成分の混合物の比率、及び酸成分とジアミン成分の比率で共重合したポリアミドイミド樹脂A1を、金属材料の片面、或いは、両面に積層されるのが好ましい。なお、ポリアミドイミド樹脂A1はワニス状であっても良い。
また、これらの一部をトルエン、キシレンなどの炭化水素系有機溶剤、ジグライム、トリグライム、テトラヒドロフランなどのエーテル系有機溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系有機溶剤で置き換えることも可能である。
本発明で用いられる金属積層体は、金属材料の片面、或いは両面に直接、上記ポリアミドイミド樹脂A1溶液を塗布し、乾燥する。塗布方法としては、特に限定されるものではなく、従来からよく知られている方法を適用することができる。例えば、ロールコーター、ナイフコーター、ドクタ、ブレードコーター、グラビアコーター、ダイコーター、リバースコーターなどにより、塗工液であるポリアミドイミド樹脂A1溶液の粘度を調整後、金属材料に直接塗布することができる。
熱処理に要する時間は、前述の温度条件下で、塗膜中の溶媒残存率が無くなる程度になる有効な時間とすればよいが、数分間〜数十分程度である。
絶乾後の厚さで5μm以上1000μm以下であれば、機械的性質やハンドリング性がよく、表面平滑性、及び光学特性にも有利であり、かつ加工性(乾燥性、塗工性、及び搬送性等)等も向上する。
又、必要に応じて、表面処理を施してもよい。例えば、加水分解、コロナ放電、低温プラズマ、物理的粗面化等の表面処理を施すことができる。
しかし、本発明の効果を損なわない範囲で、フィルム化するプロセスでの熱履歴に耐えうる樹脂であれば使用しても良い。例示するならば、ポリイミド、ポリエステルイミド、ポリベンズイミダゾール、芳香族ポリエステル及びポリパラバン酸等からなる群から選ばれた1種または2種以上の化合物等を使用しても良い。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリイミド、ポリエステルイミド、ポリベンズイミダゾール、芳香族ポリエステル及びポリパラバン酸等からなる群から選ばれた1種または2種以上の化合物とポリアミドイミド樹脂を混合して使用しても良い。
次に、第2の重要な開示である、従来より、耐熱性、透明性、表面平滑性、光学特性、及び剥離性に優れ、より薄いポリアミドイミドフィルムの原料となるポリアミドイミド樹脂B1を説明する。
本発明においては、金属材料の片面、或いは、両面にポリアミドイミド樹脂A1を積層した後、更に、金属材料の樹脂が積層されている片面、或いは、両面に耐熱性、透明性、光学特性、及び剥離性に優れるポリアミドイミド樹脂B1を積層し、フィルム化する。
酸成分としては、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,3’,4’−トリカルボン酸、ジフェニルスルホン−3,3’,4’−トリカルボン酸、トリメリット酸などの一無水物、二無水物、エステル化物、或いはヘキサヒドロトリメリット酸など、上記モノマーの水素添加物、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸、ビフェニル−3,3’,4、4’−テトラカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸、アルキレングリコールビス(トリメリテート)、ビスフェノールビス(トリメリテート)、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、ナフタレン−2, 3, 6, 7−テトラカルボン酸、ナフタレン−1, 2, 4, 5−テトラカルボン酸、ナフタレン−1, 4, 5, 8−テトラカルボン酸、ピロメリット酸等の一無水物、二無水物、エステル化物、或いはヘキサヒドロピロメリット酸などの上記モノマーの水素添加物、イソフタル酸、テレフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸のジカルボン酸成分、或いはシクロヘキサンジカルボン酸等、上記モノマーの水素添加物が単独、或いは、2種以上の混合物として用いることができる。
シクロへキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物、
ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、
ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、
が、単独、或いは、2種以上の混合物を酸成分として用いることができる。
より好ましくは、
シクロへキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物、
ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物が、
単独、或いは、2種の混合物を酸成分として用いることができる。
また、ジアミン成分としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4
’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3, 4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノベンゾフエノン、3,3’−ジアミノベンゾフエノン、3, 4’−ジアミノベンゾフエノン、2, 6−トリレンジアミン、2, 4−トリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、P−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、1,4−ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレンジアミン、2, 2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、トランス−1, 4−ジアミノシクロヘキサン、シス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン(トランス/シス混合物)、1,3−ジアミノシクロヘキサン、ジシクロへキシルメタン−4,4’―ジアミン(トランス体、シス体、トランス/シス混合物)、イソホロンジアミン、1,4−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕へプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕へプタン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロ〔5.2.1.0〕デカン、1,3−ジアミノアダマンタン、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロへキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2−エチルシクロへキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルシクロへキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルシクロへキシルアミン)、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−プロパンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,7−ヘプタメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミンなどの単独、或いは、2種以上の混合物、或いは、これらに対応するジイソシアネートなどの単独、或いは、2種以上の混合物をジアミン成分として用いることができる。
3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、
ジシクロへキシルメタン−4,4’−ジアミン(トランス体、シス体、トランス/シス混合物)、
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、
p−フェニレンジアミン、
2, 4−トリレンジアミン
などの単独、或いは、2種以上の混合物、或いは、これらに対応するジイソシアネートなどの単独、或いは、2種以上の混合物をジアミン成分として用いることができる。
3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、
ジシクロへキシルメタン−4,4’―ジアミン(トランス体、シス体、トランス/シス混合物)、
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、
2, 4−トリレンジアミン
などの単独、或いは、2種以上の混合物、或いは、これらに対応するジイソシアネートなどの単独、或いは、2種以上の混合物をジアミン成分として用いることができる。
3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、
ジシクロへキシルメタン−4,4’−ジアミン(トランス体、シス体、トランス/シス混合物)、
2, 4−トリレンジアミン
などの単独、或いは、2種以上の混合物、或いは、これらに対応するジイソシアネートなどの単独、或いは、2種以上の混合物をジアミン成分として用いることができる。
酸成分として、シクロへキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物を用いることができる。シクロへキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物を酸成分とするポリアミドイミド樹脂B1を用いることで、本発明の効果を奏する。
ジアミン成分として、
3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、ジシクロへキシルメタン−4,4’−ジアミン(トランス体、シス体、トランス/シス混合物)、及び2, 4−トリレンジアミンからなる群より選ばれた少なくとも1種又は2種以上の化合物、または、
3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートビフェニル(o−トリジンジイソシアネート)、ジシクロへキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、及び2, 4−トリレンジイソシアネートからなる群より選ばれた少なくとも1種又は2種以上の化合物
を用いることができる。これらをジアミン成分とするポリアミドイミド樹脂B1を用いることで、本発明の効果を奏する。
本発明で用いるポリアミドイミド樹脂B1は、ワニス状であっても良い。本発明で用いるポリアミドイミド樹脂B1溶液を製造するための溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N, N’−ジメチルホルムアミド、N, N’−ジメチルアセトアミド、1, 3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、テトラメチルウレア、スルホラン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなどを単独、または、混合溶媒として使用できる。好ましくは1, 3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチル−2−ピロリドン、N, N’−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、またはこれらの組み合わせである。
たとえば、滑剤(シリカ、タルク、シリコーン等)、難燃剤(リン系やトリアジン系、水酸化アルミ等)、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤等)、メッキ活性化剤、有機や無機の充填剤(タルク、酸化チタン、フッ素系ポリマー微粒子、顔料、染料、炭化カルシウム等)、その他、シリコーン化合物、フッ素化合物、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂のような樹脂や有機化合物、或いはこれらの硬化剤、酸化珪素、酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化鉄などの無機化合物をこの発明の目的を阻害しない範囲で併用することができる。
ポリアミドイミド樹脂B1の適切な組み合わせの開示>>
ポリアミドイミド樹脂A1とポリアミドイミド樹脂B1のそれぞれに関する詳細な各種条件等は上述にあるとおりである。次に、第3の重要な開示であるポリアミドイミド樹脂A1とポリアミドイミド樹脂B1の適切な組み合わせを説明する。
酸成分として、無水トリメリット酸、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、及びビフェニル−3,3’,4, 4’−テトラカルボン酸二無水物からなる群より選ばれた1種又は2種以上の化合物、
ジアミン成分として、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、またはこれに対応するジイソシアネートである3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートビフェニル(o―トリジンジイソシアネート)を用いたポリアミドイミド樹脂である。
なお、エポキシ樹脂やイソシアネート樹脂などの硬化性樹脂を本発明のポリアミドイミド樹脂を架橋させる目的で混合、或いは、反応させてもよい。
酸成分として、シクロへキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物、
ジアミン成分として、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、ジシクロへキシルメタン−4,4’−ジアミン(トランス体、シス体、トランス/シス混合物)、及び2, 4−トリレンジアミンからなる群より選ばれた少なくとも1種又は2種以上の化合物、または、
3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートビフェニル(o−トリジンジイソシアネート)、ジシクロへキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、及び2, 4−トリレンジイソシアネートからなる群より選ばれた少なくとも1種又は2種以上の化合物を用いたポリアミドイミド樹脂である。
次に、第4の重要な開示であるポリアミドイミド樹脂A1を積層する金属積層体を用いて、ポリアミドイミド樹脂B1を原料とし、従来より耐熱性、透明性、表面平滑性、光学特性、及び剥離性に優れ、より薄いポリアミドイミドフィルムを製造するための詳細な各種条件について説明する。
塗布方法としては、特に限定されるものではなく、従来からよく知られている方法を適用することができる。例えば、ロールコーター、ナイフコーター、ドクタ、ブレードコーター、グラビアコーター、ダイコーター、リバースコーターなどにより、塗工液であるポリアミドイミド樹脂溶液の粘度を調整後、金属積層体に直接塗布することができる。
熱処理に要する時間は、上記温度条件下で、塗膜中の溶媒残存率が無くなる程度になる有効な時間とすればよいが、数分間〜数十分程度である。
又、必要に応じて、表面処理を施してもよい。例えば、加水分解、コロナ放電、低温プラズマ、物理的粗面化、易接着コーティング処理等の表面処理を施すことができる。
特に、従来の製膜方法では、表面平滑性そのものが劣り、又、傷、しわ、或いは、基材由来の打痕等が入り易く、光学用途では使用できなかった薄膜でも容易に製造することができる。
本発明により得られるポリアミドイミドフィルムは、従来のフィルムより、耐熱性、透明性、表面平滑性、及び光学特性に優れる。
酸成分として、シクロへキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物を主成分、
ジアミン成分として、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、ジシクロへキシルメタン−4,4’−ジアミン(トランス体、シス体、トランス/シス混合物)、及び2, 4−トリレンジアミンからなる群より選ばれた少なくとも1種又は2種以上の化合物、または、
3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートビフェニル(o−トリジンジイソシアネート)、ジシクロへキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、及び2, 4−トリレンジイソシアネートからなる群より選ばれた少なくとも1種又は2種以上の化合物を主成分とするポリアミドイミドフィルムである。
(1)樹脂B
・酸成分
シクロへキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物:100モル%
・ジアミン成分
3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートビフェニル
(o−トリジンジイソシアネート):100モル%
(2)樹脂C
・酸成分
シクロへキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物:100モル%
・ジアミン成分
ジシクロへキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート:100モル%
(3)樹脂F
・酸成分
シクロへキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物:100モル%
・ジアミン成分
3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートビフェニル
(o−トリジンジイソシアネート):80モル%
2,4−トリレンジイソシアネート:20モル%
(4)樹脂G
・酸成分
シクロへキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物:100モル%
・ジアミン成分
3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートビフェニル
(o−トリジンジイソシアネート):60モル%
ジシクロへキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート:40モル%
耐熱性は、ガラス転移点によって示されるが、得られるポリアミドイミドフィルムのガラス転移点は220℃以上350℃以下であった。
表面平滑性は算術平均粗さ(Ra)によって示されるが、得られるポリアミドイミドフィルムの算術平均粗さ(Ra)は0.3μm以下であり、0.01μm以上0.3μm以下であった。さらには0.05μm以上0.2μm以下であり、0.08μm以上0.11μm以下であった。算術平均粗さ(Ra)が0.3μm以下であれば、ポリアミドイミドフィルムの表面平滑性、透明性、及び光学特性がよくなり、光学材料等への適用が特に容易である。
また、本発明の特徴として、支持基材と接触する基材接触面及び支持基材と接触しない基材非接触面ともに、得られるポリアミドイミドフィルムの算術平均粗さ(Ra)は0.3μm以下であり、0.01μm以上0.3μm以下であった。
透明性や光学特性は光線透過率によって示される。得られるポリアミドイミドフィルムの光線透過率は400nmの波長で60%以上90%以下であり、さらには65%以上90%以下である。また、得られたポリアミドイミドフィルムのヘイズ値は、2.0以下となった。さらには、0.1以上2.0以下であった。
ポリアミドイミド樹脂A1が積層されてなる金属積層体から、ポリアミドイミド樹脂B1を原料とするポリアミドイミドフィルムを剥離する場合の剥離性は、接着強度によって示される。得られるポリアミドイミドフィルムと金属積層体との接着強度は、0.01N/cm以上1N/cm以下であり、さらには0.1N/cm以上0.5N/cm以下であった。従って、金属積層体からポリアミドイミドフィルムを容易に剥離することができた。
本発明により得られるポリアミドイミドフィルムの厚さは、広い範囲から選択できるが、フィルム強度等の機械的性質を保持できる範囲であれば、数μm単位まで薄くすることが可能である。具体的には、5μm程度で薄くできるが、本発明はこれに限定されない。
ポリマー濃度が0.5g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、その溶液の溶液粘度及び溶媒粘度を30℃で、ウベローゼ型の粘度管により測定して、下記の式で計算した。
対数粘度(dl/g)=[In(V1/V2)]/V3
TMA(熱機械分析)(商品名「EXSTAR TMA/SS 6000」、セイコーインスツル(株)製)引張荷重法により、得られたフィルムについて以下の条件で測定した。熱膨張係数(CTE)は100℃から200℃までの平均値とした。
荷重:1g
サンプルサイズ:4(幅)×20(長さ)mm
昇温速度:10℃/分
雰囲気:窒素
JIS B 0601に従い、表面粗さ測定機 (商品名「E−35B」、東京精密(株)製)を用いて、算術平均粗さ(Ra)を測定した。
示差熱熱重量同時測定装置(商品名「EXSTAR TG / DTA 6000」、セイコーインスツル(株)製)を用いて100℃〜350℃までの重量減少により、ポリアミドイミドフィルム中の残留溶剤濃度を求めた。
剥離性(接着強度)の測定は、次にように行った。
(1)金属材料にポリアミドイミド樹脂A1が積層された金属積層体(A1/金属箔)のポリアミドイミド樹脂A1面側に、ポリアミドイミド樹脂B1溶液を塗布、乾燥し、フィルム化した。この金属積層体(A1/金属箔)とポリアミドイミド樹脂B1からなるフィルムの複合体(縦150mm×横5mm)を、試験用サンプルとした。
(2)前記試験用サンプルの非フイルム面側の全面に、両面テープ(商品名「NW−K10」、ニチバン(株)製)を貼り付けた。
(3)前記試験用サンプルを、ステンレス板(SUS板)上に、前記試験用サンプルのフィルム面が上になるよう同両面テープを用いて1kgローラーで1往復して貼りあわせた。
(4)ポリアミドイミド樹脂B1からなるフィルムを、引張速度50mm/minの速度で、かつ90°の角度で金属積層体(A1/金属箔)から剥離し、そのときの応力を接着力(N/cm)=接着強度とした。
JIS K 7105に従い、分光光度計(商品名「UV−3150」、島津製作所(株)製)にて200nmから800nmの波長の光線透過率を測定し、400nmの光線透過率を比較した。
JIS K 7136に従い、ヘイズメーター(商品名「NDH2000」、日本電色工業
(株)製)を用いて測定した。
評価は、ヘイズ値1.0以下を◎、1.0〜2.0を○、2.0〜を△、それ以上を×とした。
10cm×10cmに切り取ったサンプルを、25℃×65%RHの条件下で1時間静置した後、平坦な面からの反り具合を測定した。
IPC−TM−650,2.2.4(b)に基づいて回路加工前後の寸法変化(B法)を、IPC−TM−650,2.2.4(c)に基づいて熱処理前後(150℃×30分)の寸法変化(C法)を、各MD方向について測定した。
ここでいうMD(Machine Direction)方向とはフィルムの流れ方向のことであり、TD(Transverse Direction)方向とはフィルムの流れに対して垂直方向のことである。
反応容器に以下の組成物を加え、窒素気流下、100℃まで昇温し、100℃で8時間反応させた。
1)無水トリメリット酸:153.7g(80モル%)
2)ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物
:40.3g(12.5モル%)
3)ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物
:22.1g(7.5モル%)
4)3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートビフェニル
(o−トリジンジイソシアネート):264.3g(100モル%)
5)ジアザビシクロウンデセン(触媒):1.0g
6)N−メチル−2−ピロリドン(純度99.9%):2500g
次いで、N−メチル−2−ピロリドン1031g(ポリマー濃度10重量%)を加え、室温まで冷却した。得られたポリマーの対数粘度は、1.9dl/gであり、25℃での溶液粘度(B型粘度計にて10回転で測定)は250ポイズであった。
反応容器に以下の組成物を加え、窒素気流下、150℃まで昇温し、150℃で6時間反応させた。
1)シクロへキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物:198.2g(100モル%)
2)3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートビフェニル
(o−トリジンジイソシアネート):264.3g(100モル%)
3)トリエチレンジアミン(触媒):2.2g
4)1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(純度99.9%):795.7g
次いで、γ−ブチロラクトン702.1g(ポリマー濃度20重量%)を加え、室温まで冷却した。得られたポリマーの対数粘度は、0.8dl/gであり、25℃での溶液粘度(B型粘度計にて10回転で測定)は500ポイズであった。
反応容器に以下の組成物を加え、窒素気流下、110℃で30分、150℃で30分、次いで190℃まで昇温し、190℃で6時間反応させた。
1)シクロへキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物:198.2g(100モル%)
2)ジシクロへキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート
:262.4g(100モル%)
3)フッ化カリウム(触媒):0.58g
4)1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(純度99.9%):691.8g
その後、γ−ブチロラクトン798.3g(ポリマー濃度20重量%)を加え、室温まで冷却した。得られたポリマーの対数粘度は、0.7dl/gであり、25℃での溶液粘度(B型粘度計にて10回転で測定)は500ポイズであった。
反応容器に4,4’−ジアミノジフェニルエーテル170g(85モル%)、及び、p−フェニレンジアミン16g(15モル%)をN,N−ジメチルアセトアミド1600gに溶解し、5℃付近まで冷却し、完全に溶解するまで攪拌した。次いで、ピロメリット酸二無水物218g(100モル%)を徐々に加え、窒素雰囲気下で約10時間攪拌した。その後、室温になるまで攪拌し、ポリアミド酸の溶液を得た。得られたポリアミド酸の対数粘度は、1.2dl/gであり、25℃での溶液粘度(B型粘度計にて10回転で測定)は300ポイズであった。
反応容器に2,2,4,4−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジアミン14g(100モル%)を入れ、N−メチル−2−ピロリドン203gに溶解した後、窒素気流下、撹拌しながらピロメリット酸二無水物の粉末21.8g(100モル%)を徐々に加え、35℃で15時間反応させることにより、透明で粘稠なポリアミド酸溶液を得た。得られたポリアミド酸の対数粘度は1.6dl/gであり、25℃での溶液粘度(B型粘度計にて10回転で測定)は350ポイズであった。
反応容器に以下の組成物を加え、窒素気流下、150℃まで昇温し、150℃で6時間反応させた。
1)シクロへキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物:198.2g(100モル%)
2)3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートビフェニル
(o−トリジンジイソシアネート):211.4g(80モル%)
3)2,4−トリレンジイソシアネート:34.85g(20モル%)
4)トリエチレンジアミン(触媒):2.2g
5)1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(純度99.9%):757.5g
次いで、γ−ブチロラクトン668.4g(ポリマー濃度20重量%)を加え、室温まで冷却した。得られたポリマーの対数粘度は、0.8dl/gであり、25℃での溶液粘度(B型粘度計にて10回転で測定)は400ポイズであった。
反応容器に以下の組成物を加え、窒素気流下、110℃で30分、150℃で30分、次いで190℃まで昇温し、190℃で6時間反応させた。
1)シクロへキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物:198.2g(100モル%)
2)3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートビフェニル
(o−トリジンジイソシアネート):158.6g(60モル%)
2)ジシクロへキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート
:104.9g(40モル%)
3)フッ化カリウム(触媒):0・58g
4)1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(純度99.9%):694.0g
その後、γ−ブチロラクトン800.8g(ポリマー濃度20重量%)を加え、室温まで冷却した。得られたポリマーの対数粘度は、0.7dl/gであり、25℃での溶液粘度(B型粘度計にて10回転で測定)は400ポイズであった。
合成例1で得られた樹脂Aの樹脂溶液を厚み18μm、巾540mmの電解銅箔(日本電解(株)製USLP−SE−18)の処理面(M面)にダイコーターを用いて、脱溶剤後の厚みが25μmになるように連続的にコーティングした。次いで、100℃に設定された長さ20mのフローティング方式の乾燥炉に、5m/分の速度で連続的に通過させ巻き取った。得られた金属積層板の残存溶剤率は25重量%であった。
このようにして得られた金属積層体を更に、窒素下、100ppmの酸素濃度で200℃30分、250℃30分、300℃30分の加熱条件で連続的に熱処理した。
得られた金属積層体の塗膜中の溶剤は完全に除去されており、特性は表1に示すごときものであった。
合成例1で得られた樹脂Aの樹脂溶液を、厚み30μm、巾540mmのアルミ箔(日本製箔(株)製AIN30H−H−30RT)の処理面(M面)にダイコーターを用いて、脱溶剤後の厚みが25μmになるように連続的にコーティングした。次いで、100℃に設定された長さ20mのフローティング方式の乾燥炉に、5m/分の速度で連続的に通過させ巻き取った。得られた金属積層板の残存溶剤率は25重量%であった。
このようにして得られた金属積層体を更に、窒素下、100ppmの酸素濃度で200℃30分、250℃30分、300℃30分の加熱条件で連続的に熱処理した。
得られた金属積層体の塗膜中の溶剤は完全に除去されており、特性は表2に示すごときものであった。
支持基材として作製例1の金属積層体樹脂面に、合成例2で得た樹脂Bを乾燥後の厚みが30μmになる様、均一に塗布し、100℃以下の温度で加熱乾燥した。その後、遠赤外方式((株)ノリタケエンジニアリング製RtoR式熱処理装置熱)の加熱炉内を連続的に搬送させた。加熱炉内の温度(金属積層体表面温度)は第1、第2、第3ゾーンが180℃、第4ゾーンが250℃、第5、第6、第7ゾーンが330℃(N2流量500L/分、酸素濃度100ppm、遠赤外プレートヒーター上面、下面配置、照射距離100mm、波長5.6〜1000μm、容量225kW、ヒーター寸法150mm×700mm)とし、搬送速度は乾燥時間がそれぞれ10分、5分、10分になるようにした。結果は表3に示した。ヘイズ値は、0.53であった。
実施例1の温度条件を第1ゾーンから第7ゾーンまで全て350℃とした以外は実施例1と同様にしてポリアミドイミドの成膜を行った。結果は表3に示した。ヘイズ値は、0.31であった。
支持基材として作製例1の金属積層体の樹脂面に、合成例3で得た樹脂Cを乾燥後の厚みが30μmになる様、均一に塗布し、実施例1の温度条件を第1ゾーンから第7ゾーンまで全て250℃とした以外は実施例1と同様にしてポリアミドイミドの成膜を行った。結果は表3に示した。ヘイズ値は、0.42であった。
支持基材として合成例1で得られた樹脂溶液の固形分に対し、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、jER154(三菱化学(株)製)を5%添加した樹脂溶液を用いた以外は作製例1と同様にして金属積層体を作製した。このようにして得られた金属積層体の樹脂面に合成例2で得た樹脂Bを乾燥後の厚みが30μmなる様に均一に塗布し、実施例1と同様にしてポリアミドイミドの成膜を行った。結果は表3に示した。ヘイズ値は、0.28であった。
支持基材として厚み15μmの電解銅箔(三井金属(株)製DFF)を用いた以外は作製例1と同様にして金属積層体を作製した。次いで実施例1と同様にしてポリアミドイミドの成膜を行った。結果は表3に示した。ヘイズ値は、1.18であった。
支持基材として作製例2の金属積層体を用いた。次いで実施例1と同様にしてポリアミドイミドの成膜を行った。結果は表4に示した。ヘイズ値は、0.4であった。
合成例1で得られた樹脂Aの樹脂溶液を厚み30μm、巾540mmのアルミ箔(日本製箔(株)製AIN30H−H−30RT)の処理面(M面)にダイコーターを用いて、脱溶剤後の厚みが10μmになるように連続的にコーティングした以外は作製例2と同様にして金属積層体を作製した。次いで実施例1と同様にしてポリアミドイミドの成膜を行った。結果は表4に示した。ヘイズ値は、0.3であった。
合成例1で得られた樹脂Aの樹脂溶液を厚み30μm、巾540mmのアルミ箔(日本製箔(株)製AIN30H−H−30RT)の処理面(M面)にダイコーターを用いて、脱溶剤後の厚みが5μmになるように連続的にコーティングした以外は作製例2と同様にして金属積層体を作製した。次いで実施例1と同様にしてポリアミドイミドの成膜を行った。結果は表4に示した。ヘイズ値は、0.4であった。
合成例1で得られた樹脂Aの樹脂溶液を厚み30μm、巾540mmのアルミ箔(日本製箔(株)製AIN30H−H−30RT)の処理面(M面)にダイコーターを用いて、脱溶剤後の厚みが5μmになるように連続的にコーティングした以外は作製例2と同様にして金属積層体を作製した。次いで合成例6で得られた樹脂Fの樹脂溶液を塗工し、実施例1と同様にしてポリアミドイミドの成膜を行った。結果は表4に示した。ヘイズ値は、0.4であった。
合成例1で得られた樹脂Aの樹脂溶液を厚み30μm、巾540mmのアルミ箔(日本製箔(株)製AIN30H−H−30RT)の処理面(M面)にダイコーターを用いて、脱溶剤後の厚みが5μmになるように連続的にコーティングした以外は作製例2と同様にして金属積層体を作製した。次いで合成例7で得られた樹脂Gの樹脂溶液を塗工し、実施例1と同様にしてポリアミドイミドの成膜を行った。結果は表4に示した。ヘイズ値は、0.3であった。
支持基材として、厚さ50μmのスチール箔(東洋鋼鈑(株)製)を使用した以外は実施例1と同様にしてポリアミドイミドフィルムの成膜を行った。結果は表3に示した。表3において、「−」は剥離不可能のため測定できなかったことを意味する。
支持基材として、厚さ50μmのスチール箔(東洋鋼鈑(株)製)に、合成例1で得られた樹脂溶液の固形分に対し、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、jER154(三菱化学(株)製)を5%添加した樹脂溶液を塗布した以外は作製例1と同様にして金属積層体を作製した。このようにして得られた金属積層体の樹脂面に合成例4で得た樹脂D(ポリアミド酸)を乾燥後の厚みが30μmになる様に均一に塗布し、実施例1と同様にしてポリイミドフィルムの成膜を行った。結果は表3に示した。ヘイズ値は、2.04であった。
支持基材として、厚み18μm、巾540mmの電解銅箔(日本電解(株)製USLP−SE−18)を使用し、未処理面(S面)に合成例2で得た樹脂Bを均一に塗布した以外は実施例1と同様にしてポリアミドイミドフィルムの成膜を行った。結果は表3に示した。ヘイズ値は、3.62であった。なお、電解銅箔の未処理面(S面)には、ポリアミドイミド樹脂層は存在しない。
支持基材として、厚み18μm、巾540mmの電解銅箔(日本電解(株)製USLP−SE−18)を使用し、処理面(M面)に合成例2で得た樹脂Bを均一に塗布した以外は実施例1と同様にしてポリアミドイミドフィルムの成膜を行った。なお、電解銅箔の処理面(M面)には、ポリアミドイミド樹脂層は存在しない。結果は表3に示した。表3において、「−」は剥離不可能のため測定できなかったことを意味する。
支持基材として、厚み18μm、巾540mmの電解銅箔(日本電解(株)製USLP−SE−18)に厚み25μmのポリイミドフィルム(商品名「カプトンEN」、東レ・デュポン(株)製)を接着剤で貼り合わせた基材を使用した以外は実施例1と同様にしてポリアミドイミドフィルムの成膜を行った。結果は表3に示した。表3において、「−」は剥離不可能のため測定できなかったことを意味する。
支持基材として作製例1の金属積層体の樹脂面に、合成例4で得た樹脂D(ポリアミド酸)を乾燥後の厚みが30μmになる様に均一に塗布し、100℃の温度で加熱乾燥した。次いで、遠赤外方式((株)ノリタケエンジニアリング製RtoR式熱処理装置熱)の加熱炉内を連続的に搬送させた。加熱炉内の温度(金属積層体表面温度)は360℃(N2流量500L/分、酸素濃度100ppm、遠赤外プレートヒーター上面、下面配置、照射距離100mm、波長5.6〜1000μ、容量225kW、ヒーター寸法150mm×700mm)とし、搬送速度は乾燥時間が10分になるようにした。結果は表3に示した。表3において、「−」は剥離不可能のため測定できなかったことを意味する。
支持基材として作製例1の金属積層体の樹脂面に、合成例5で得た樹脂E(ポリアミド酸)を均一に塗布した以外は比較例4と同様にしてポリイミドフィルムの成膜を行った。結果は表3に示した。表3において、「−」は剥離不可能のため測定できなかったことを意味する。
支持基材として、厚み30μm、巾540mmのアルミ箔(日本製箔(株)製AIN30H−H−30RT)を使用し、光沢面(S面)に合成例2で得た樹脂Bを均一に塗布した以外は実施例1と同様にしてポリアミドイミドフィルムの成膜を行った。結果は表4に示した。表4において、「−」は剥離不可能のため測定できなかったことを意味する。
支持基材として、厚み30μm、巾540mmのアルミ箔(日本製箔(株)製AIN30H−H−30RT)を使用し、艶消し面(M面)に合成例2で得た樹脂Bを均一に塗布した以外は実施例1と同様にしてポリアミドイミドフィルムの成膜を行った。結果は表4に示した。ヘイズ値は、62.2であった。なお、電解銅箔の艶消し面(M面)には、ポリアミドイミド樹脂層は存在しない。
比較例5は銅箔にポリイミドフィルムを接着した金属積層体を支持基材として用いたが、基材であるポリイミドと塗工するポリアミドイミドとの接着性が高く、良好な剥離性が得られなかった。
Claims (10)
- ポリアミドイミド樹脂A1が金属材料の表面の一部または全部に積層された金属積層体を準備し、
前記金属積層体のポリアミドイミド樹脂A1が積層されている部位に、
ポリアミドイミド樹脂A1とは異なるポリアミドイミド樹脂B1の溶液を塗布し、乾燥し、フィルム化した後、該フィルムを該金属積層体から剥離する、
JIS B−0601に従い測定した算術平均粗さ(Ra)が0.3μm以下のポリアミドイミドフィルムの製造方法。 - ポリアミドイミド樹脂A1が、以下の(i)の性質を有することを特徴とする請求項1に記載のポリアミドイミドフィルムの製造方法。
(i)ポリアミドイミド樹脂A1を構成する酸成分が、無水トリメリット酸、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、及びビフェニル−3,3’,4, 4’−テトラカルボン酸二無水物からなる群より選ばれた少なくとも1種又は2種以上の化合物を主成分とすること - ポリアミドイミド樹脂A1が、さらに以下の(ii)または/および(iii)の性質を有することを特徴とする請求項2に記載のポリアミドイミドフィルムの製造方法。
(ii)ポリアミドイミド樹脂A1を構成するジアミン成分が、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、又はこれに対応するジイソシアネートである3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートビフェニル(o―トリジンジイソシアネート)を主成分とすること
(iii)N−メチル−2−ピロリドン中(ポリマー濃度0.5g/dl)30℃での対数粘度にして、0.3dl/g以上3.5dl/g以下に相当する分子量であること - ポリアミドイミド樹脂A1が、以下の一般式(1)、一般式(2)、及び一般式(3)からなる群より選ばれた少なくとも1種又は2種以上の構造を構成単位として含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミドイミドフィルムの製造方法。
- ポリアミドイミド樹脂A1がエポキシ樹脂により架橋されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリアミドイミドフィルムの製造方法。
- 金属積層体にポリアミドイミド樹脂A1が積層されてなる部位を、JIS B−0601に準じて測定した算術平均粗さ(Ra)が、0.3μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリアミドイミドフィルムの製造方法。
- ポリアミドイミド樹脂B1が、以下の(1)の性質を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポリアミドイミドフィルムの製造方法。
(1)ポリアミドイミド樹脂B1を構成する酸成分が、シクロへキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物を主成分とすること - ポリアミドイミド樹脂B1が、下記一般式(4)を構成単位として含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のポリアミドイミドフィルムの製造方法。
- ポリアミドイミド樹脂B1が、さらに以下の(2)または/および(3)の性質を有する請求項7または請求項8に記載のポリアミドイミドフィルムの製造方法。
(2)ポリアミドイミド樹脂B1を構成するジアミン成分が、
3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル及びジシクロへキシルメタン−4,4’−ジアミン(トランス体、シス体、トランス/シス混合物)からなる群より選ばれた少なくとも1種又は2種の化合物、または、
3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートビフェニル(o−トリジンジイソシアネート)、ジシクロへキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、及び2, 4−トリレンジイソシアネートからなる群より選ばれた少なくとも1種又は2種以上の化合物、
を主成分とすること
(3)N−メチル−2−ピロリドン中(ポリマー濃度0.5g/dl)30℃での対数粘度にして、0.3dl/g以上3.5dl/g以下に相当する分子量であること - ポリアミドイミド樹脂B1が、下記一般式(5)、一般式(6)及び一般式(7)からなる群より選ばれた少なくとも1種又は2種以上を構成単位として含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のポリアミドイミドフィルムの製造方法。
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