JP2024052391A - 積層板の製造方法、及び保護フィルム付き積層体のロール - Google Patents

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【課題】支持体とポリアミド酸の樹脂層との積層体のロールを得る工程を経由しながらも、当該ポリアミド酸の樹脂層や、イミド化後のポリイミド層のカールや折れの発生が無く、しかもこれらの塗膜面の損傷や光学特性の悪化が防止された支持体及びポリイミド層の積層板の製造方法を提供する。【解決手段】支持体と、ポリイミド層とを備えた積層板の製造方法であって、支持体上に、少なくとも一層のポリアミド酸の樹脂層を積層する工程I、工程Iで積層されたポリアミド酸の樹脂層のうちの最外層のポリアミド酸の樹脂層の表面に保護フィルムを配置して巻芯に巻き取り、保護フィルム付き積層体のロールを得る工程II、巻芯から保護フィルム付き積層体のロールを巻き出しながら保護フィルムを剥離する工程III、工程IIIの後に、ポリアミド酸の樹脂層をイミド化してポリイミド層を形成する工程IV、を含むことを特徴とする積層板の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、支持体上にポリイミド層が形成された積層板の製造方法、及び当該製造方法の過程で得られる保護フィルム付き積層体のロールに関する。
近年、電子機器の小型化、軽量化、省スペース化の進展に伴い、薄く軽量で、可撓性を有し、屈曲を繰り返しても優れた耐久性を持つフレキシブルプリント配線板(FPC;Flexible Printed Circuits)の需要が増大している。FPCは、限られたスペースでも立体的かつ高密度の実装が可能であるため、例えば、HDD、DVD、スマートフォン等の電子機器の可動部分の配線や、ケーブル、コネクター等の部品にその用途が拡大しつつある。FPCの多くは、金属箔などを用いた金属層と、絶縁性を持った樹脂基材(例えば、ポリイミド樹脂層)とを積層した金属張積層板(特にFlexible Cupper Clad Laminate:FCCL)の金属層に回路を形成することで製造される。
前記FPC(FCCL)のような支持体上にポリイミド樹脂層を有する積層板を製造する方法としては、従来から、ラミネート法やキャスト法がある。キャスト法は、ポリイミド前駆体樹脂溶液を支持体(例えば、銅箔などの金属箔)上に塗布した後、乾燥・硬化することによりポリイミド層を形成する方法であり、支持体とポリイミド層との間に高接着力が得られるとともに、寸法安定性や、耐熱性の向上や、層構成の調整等に優れる。
支持体とポリイミド層との積層板をキャスト法で製造する方法としては、生産性の観点などから、ロール状の支持体に連続的にポリイミド前駆体樹脂溶液を塗布し、得られたシート状基板を、フローティング形式にて熱風気流中で連続的に浮遊した状態で走行させつつ乾燥処理し、その後にロール状に巻き取るロール・ツゥ・ロールで行うことが行われている(特許文献1、2を参照)。かかる特許文献1、2による方法では、当該ロール状への巻き取りの際に、少なくとも樹脂層側の通気性を良くするために不織布やステンレス製の金網等の通気性を有する所定のシート状材料を介在させて、当該シート状材料と前記シート状基板とを伴巻きで円筒体に巻き取り、通気性の多重層円筒体を形成する。そして、かかる多重円筒体を加熱硬化炉に移動させて、ポリイミド前駆体樹脂層を加熱硬化(イミド化)させるようにしている。同じように、キャスト法による製造方法として、金属箔などの支持基材上に、ポリイミドの前駆体樹脂溶液であるポリアミド酸を塗布し、所定の固形分濃度(残存溶媒量)になるまで乾燥した後に、基材と乾燥塗膜との間に所定の隙間を設けるようにスペーサーと伴巻きし、巻き状態でポリイミドを熱硬化してポリイミドフィルムを得る方法も知られている(特許文献3、4を参照)。
また、ポリイミドなどの高分子を含有するワニスを支持体上に塗布した後に、熱重量-示差熱測定によって求められる120℃から250℃にかけての重量減少率を所定の範囲になるように溶媒の一部を除去し(第一の乾燥工程)、残存した溶媒を含有する透明樹脂フィルムを有する支持体(積層板)を形成し、次いで、当該積層体をロール状に巻き取って積層体のロールを得たのちに、当該ロールを巻き出しながら支持体から透明樹脂フィルムを剥離しながら残存する溶媒の一部又は全部を除去することにより(第二の乾燥工程)、透明樹脂フィルムを得る方法が開示されている(特許文献5を参照)。
特開2005-271374号公報 特開2005-259791号公報 特開2005-131918号公報 特開2009-233944号公報 特許第6170224号公報 特開2007-302003号公報
このように、キャスト法を用いて支持体上に形成されたポリイミドの前駆体樹脂溶液の加熱硬化を、ロール体を経由するか、ロール体の状態で行って、支持体上にポリイミド層が形成された積層板やそれから剥離されたポリイミドフィルムを得る方法が従来から行われていた。
しかしながら、特許文献1~4で開示されたように支持体とポリイミド前駆体樹脂溶液の乾燥塗膜との間にスペーサーを設ける方法では、依然として、ロール体(多重層円筒体)の内部まで均一に加熱硬化(イミド化)できない場合がある。また、伴巻きするスペーサーによっては、加熱硬化の際にスペーサーの表面特性や形状がポリイミドの乾燥塗膜側に転写されて、硬化後のポリイミド層の表面に不具合の発生が懸念される。また、これらの文献に記載の方法では、ポリイミド前駆体樹脂溶液の乾燥を、比較的残存溶媒が残らないように行っているため、場合によっては支持基材に固定された状態のポリイミド前駆体の樹脂溶液(乾燥塗膜)との熱収縮の違いに起因して、製造工程中において樹脂層側にカールや折れなどの発生も懸念される。
また、特許文献5に記載の方法では、支持体上に塗布した高分子含有ワニスの溶媒を一部残した状態で乾燥(第一の乾燥工程)して巻き取った積層体のロールとすることから、この文献に記載の方法においても、やはり巻き取り時において、支持体の表面特性や形状がポリイミドの乾燥塗膜側に転写されて、硬化後のポリイミド層の表面に不具合の発生が懸念される。
そこで、従来技術の上記課題を踏まえて本願の発明者らが鋭意検討したところ、ポリイミド前駆体樹脂溶液であるポリアミド酸を支持体上に塗布してポリアミド酸の樹脂層の積層体とし、当該積層体を巻き取ってロールとして得る工程を経由しながら、その後の加熱硬化(イミド化)により支持体上でポリイミド層が形成された積層板を得るに際しても、前記樹脂層ないしイミド化後のポリイミド層の塗膜面を適切に保護して損傷の発生や光学特性の悪化を防止する方法を新たに見出して、本発明を完成させた。
したがって、本発明の目的は、支持体とポリアミド酸の樹脂層との積層体のロールを得る工程を経由しながらも、当該ポリアミド酸の樹脂層や、加熱硬化(イミド化)後のポリイミド層のカールや折れの発生が無く、しかもこれらの塗膜面を適切に保護して損傷の発生や光学特性の悪化を防止しながら、支持体上にポリイミド層を備えた積層板を製造する方法を提供することである。
また、本発明の他の目的は、前記の製造方法の過程で得られる、支持体とポリアミド酸の樹脂層とを備えた積層体のロールにおいて、樹脂層の塗膜面が適切に保護された積層体のロールを提供することである。
なお、従来から、例えば金属箔などの支持体にイミド化後のポリイミド層が形成された積層体において、そのポリイミド層の面を保護する目的で保護フィルムを貼り付ける技術が開示されているが(例えば、特許文献6の段落0035などの記載)、製造過程における樹脂層の面を適切に保護したり、その後のイミド化後におけるポリイミド層の光学特性などの悪化防止に着目されたものではなかった。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)支持体と、ポリイミド層とを備えた積層板の製造方法であって、
下記の工程I~IV;
I)支持体上に、少なくとも一層のポリアミド酸の樹脂層を積層する工程、
II)前記工程Iで積層されたポリアミド酸の樹脂層のうちの最外層のポリアミド酸の樹脂層の表面に保護フィルムを配置して巻芯に巻き取り、保護フィルム付き積層体のロールを得る工程、
III)前記巻芯から前記保護フィルム付き積層体のロールを巻き出しながら保護フィルムを剥離する工程、
IV)前記工程IIIの後に、前記ポリアミド酸の樹脂層をイミド化してポリイミド層を形成する工程、
を含むことを特徴とする積層板の製造方法。
(2)前記工程IIIとIVとの間に、さらに、下記の工程I’~III’;
I’)少なくとも一層のポリアミド酸の樹脂層を積層する工程、
II’)前記工程I’で積層された最外層のポリアミド酸の樹脂層の表面に保護フィルムを配置して巻芯に巻き取り、保護フィルム付き積層体のロールを得る工程、
III’)前記II’における巻芯から前記保護フィルム付き積層体のロールを巻き出しながら保護フィルムを剥離する工程、
を含むことを特徴とする(1)に記載の積層板の製造方法。
(3)前記ポリイミド酸の樹脂層のいずれか又は全部は、残存溶剤量が当該樹脂層に対して30~45質量%の範囲内であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の積層板の製造方法。
(4)前記保護フィルムは、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリイミド及びポリエチレンナフタレートからなる群から選択されるいずれか1種以上であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の積層板の製造方法。
(5)前記ポリイミド層の全光線透過率が75%以上であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の積層板の製造方法。
(6)前記ポリイミド層のHAZEが10%以下であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の積層板の製造方法。
(7)前記ポリイミド層の主たる層を構成するポリイミドが、フッ素原子を含む芳香族ジアミン化合物、フルオレン構造を含む芳香族ジアミン化合物及び脂環族構造を含む脂環族ジアミン化合物からなる群から選択されるいずれか1種以上から誘導されるジアミン残基と、フッ素原子を含む芳香族テトラカルボン酸二無水物、フルオレン構造を含む芳香族テトラカルボン酸二無水物及び脂環族構造を含む脂環族テトラカルボン酸二無水物からなる群から選択されるいずれか1種以上から誘導される酸無水物残基とのいずれか又は両方を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の積層板の製造方法。
(8)前記支持体と前記ポリイミド層との180°ピール強度が0.5kN/m以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層板の製造方法。
(9)(1)又は(2)に記載の積層板の製造方法において得られる保護フィルム付き積層体のロールであって、
支持体上に少なくとも一層のポリアミド酸の樹脂層が積層され、前記積層されたポリアミド酸の樹脂層のうちの最外層のポリアミド酸の樹脂層の表面に保護フィルムが配置され、
前記ポリアミド酸の樹脂層はいずれもその残存溶剤量が当該樹脂層に対して30~45質量%の範囲内であることを特徴とする保護フィルム付き積層体のロール。
本発明によれば、支持体とポリアミド酸の樹脂層との積層体のロールを得る工程を経由しながらも、当該ポリアミド酸の樹脂層や、加熱硬化(イミド化)後のポリイミド層のカールや折れの発生が無く、しかもこれらの塗膜面の損傷や光学特性の悪化が防止された支持体及びポリイミド層の積層板を製造することができる。本発明の方法は、とりわけ、前記積層体のロールを得る工程を経由しながらも、光学特性に優れて透明性が比較的高いポリイミド層を支持体上で形成する上でとくに有用性が高い。
図1は、本発明の積層板の製造方法の一部の一例を模式的に示した模式図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の積層板の製造方法は、支持体と、ポリイミド層とを備え、下記の工程I~IV;
I)支持体上に、少なくとも一層のポリアミド酸の樹脂層を積層する工程、
II)前記工程Iで積層されたポリアミド酸の樹脂層のうちの最外層のポリアミド酸の樹脂層の表面に保護フィルムを配置して巻芯に巻き取り、保護フィルム付き積層体のロールを得る工程、
III)前記巻芯から前記保護フィルム付き積層体のロールを巻き出しながら保護フィルムを剥離する工程、
IV)前記工程IIIの後に、前記ポリアミド酸の樹脂層をイミド化してポリイミド層を形成する工程、
を含むことを特徴とする。
<工程I>
本発明における工程Iでは、支持体上に少なくとも一層のポリアミド酸の樹脂層を積層(以下、「形成」と記載する場合がある)させる。
〔支持体〕
本発明の製造方法で使用される支持体は、当該支持体上に形成されるポリアミド酸の樹脂層のイミド化(加熱硬化)に耐え得るものであれば限定されず、金属、テフロン(登録商標)、ポリイミドフィルム、ガラス繊維織物などが挙げられる。フレキシブルプリント配線板(FPC)では金属層が好適に用いられ、例えば銅、ステンレス、鉄、ニッケル、ベリリウム、アルミニウム、亜鉛、インジウム、銀、金、スズ、ジルコニウム、タンタル、チタン、鉛、マグネシウム、マンガン及びこれらの合金等が挙げられる。この中でも、銅、鉄又はニッケルの金属元素、または酸化インジウムスズ(ITO)が好ましく、銅(銅箔)であることがより好ましい。銅箔としては、電解銅箔及び圧延銅箔のいずれも使用することができる。なお、金属層の選定にあっては、導電性やポリイミド層の光透過性、ポリイミド層との接着性など、使用目的で必要とされる特性を発現するように選択することになる。金属層の形状に特に制限はないが、用途に応じて適宜加工などが施されてよい。長尺状に形成されたロール状のものが好適に用いられる。
〔ポリアミド酸の樹脂層の積層方法〕
支持体上にポリアミド酸(後述)の樹脂層を積層する方法としては、制限されないが、好適には、支持体上にポリアミド酸の溶液を塗布し乾燥させることにより行われる。すなわち、当該塗布されたポリアミド酸の溶液中の溶剤濃度(固形分濃度)が所定の範囲になるまで乾燥させることにより、ポリアミド酸の樹脂層(以下、単に「樹脂層」と記載する場合がある)として形成させるようにする。
ポリアミド酸の溶液の塗布方法は制限されず、公知の方法で行うことできる。例えば、コンマ、ダイ、ナイフ、リップ等のコーターにて塗布することが可能である。当該工程Iにおいて多層のポリアミド酸の樹脂層を形成してもよく、その場合はポリアミド酸の溶液を支持体に塗布し乾燥する一連の操作を、複数回繰り返す方法が挙げられる。或いは、多層押出により、同時にポリアミド酸の多層構造体を塗布・乾燥して、多層のポリアミド酸の樹脂層を支持体上に形成させてもよい(多層押出法)。
支持体上に塗布されたポリイミド酸の溶液の乾燥方法としては、制限されず任意の方法や装置を用いて行うことできる。好適には、特許文献1などにおいても開示されているような、フローティング形式の方法を採用することが好ましい。すなわち、図1に例示したように、ポリアミド酸の溶液が塗布された支持体を熱風気流中で連続的に浮遊した状態で走行させるようにすることが好ましい。
乾燥条件は、揮発させる溶剤量(すなわち、ポリイミド酸の固形分濃度)等を目安に適宜設定することができる。通常、温度が150℃以下、好ましくは60℃~130℃の範囲内で行うことができるが、ポリアミド酸の組成によっては、乾燥の程度が多くなるにしたがって支持体と積層された樹脂層との収縮応力の差などに起因した端部のカールや折れが発生する場合があることから、これを防止するように乾燥条件を設定することが好ましい。すなわち、そのような支持体と樹脂層との収縮応力の差を緩和するために、積層させるポリアミド酸の樹脂層のいずれか又は全部において、溶剤が一定量残存させるように乾燥条件を設定することが好ましい。
より好ましい乾燥の程度は、積層させるポリアミド酸の樹脂層のいずれか又は全部の層の残存溶剤量が、30~45質量%の範囲内となるようにすることがよい。残存溶剤量を前記の範囲の量とすることが好ましい樹脂層については、ポリアミド酸の組成などに応じて適宜決めることができる。つまり、前記の範囲外の残存溶剤量を有する樹脂層と、前記の残存溶剤量まで乾燥された樹脂層とが積層されるようにしてもよい。本発明においては、前記のカールや折れの発生を可及的に防止するために、少なくとも主たる樹脂層(後述)の残存溶剤量を前記の範囲となるように乾燥することが好ましい。より好ましくは、主たる樹脂層とその直上に積層される樹脂層の残存溶剤量が前記の範囲となるように乾燥することが好ましい。
前記の残存溶剤量の範囲とする場合の乾燥条件については適宜設定できるが、例えば、乾燥温度が60~90℃であることが好ましく、より好ましくは65~85℃であることがよい。乾燥時間は、乾燥装置の構成やラインの長さ等に応じて設定することができ、滞留時間なども考慮されるが、3~10分程度であることが好ましい。
また、ポリアミド酸の樹脂層の乾燥の程度については、前記の残存溶剤量以外においても、例えば、当該樹脂層の癒着の程度を確認することや、動的粘弾性測定(DMA)による貯蔵弾性率E’から確認することができる。癒着の程度の具体的な確認方法としては、後述の実施例の記載のとおり、乾燥後のポリアミド酸の樹脂層どうしで貼り合わせて所定の圧力及び時間で保持した際に、貼り合わせ面において接着が無いことや、外観模様変化が無いことなどを確認することで乾燥の程度を確認する方法が挙げられる。また、DMAによる確認については、後述の実施例の記載のとおり、ポリアミド酸の樹脂層を動的熱機械分析装置にて20℃から200℃まで10℃/分で昇温させたときの動的粘弾性を測定し、30℃における貯蔵弾性率E’が3GPa以下であることが好ましく、より好ましくは1GPa以上3GPa以下である範囲となるように乾燥させることがポリイミド収縮による金属積層板のカール抑制の観点で好ましい。
<工程II>
工程IIでは、前記工程Iにおいて得られた支持体とポリアミド酸の樹脂層との積層体に対して、ポリアミド酸の樹脂層のうちの最外層の樹脂層の表面に、保護フィルムを配置する。また、工程IIでは、前記保護フィルムが配置された積層体(保護フィルム付き積層体)を巻芯に巻き取り、保護フィルム付き積層体のロールを得る。
保護フィルムは、前記最外層の樹脂層を保護し、その後の巻き取り時の支持体との接触による損傷や、支持体の表面特性が樹脂層の塗膜面に転写されること等を防止するものであれば、その配置の範囲や材質は限定されない。保護フィルムは、前記最外層の樹脂層が露出された主面側の一部又は全部を覆って保護されればよく、より好ましくは当該主面側の全部が覆われるようにすることが好ましい。製造効率の観点から、複数層のポリイミド層を積層する場合には、前記の工程Iにおける方法によりポリアミド酸の樹脂層を多層積層したのちに、その最外層に対して保護フィルムを配置することが好ましい。
また、保護フィルムの材質として、好ましくは樹脂フィルムが用いられる。樹脂フィルムとしては、限定されないが、平滑性、柔軟性、弾性率、支持性、透明性等の観点で好ましくは、ポリエステル、ポリチレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリイミド、ポリエチレンナフタレートなどを挙げることができる。このなかでも、平滑性、透明性、柔軟性の観点からすると、ポリエチレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタラートを用いることがより好ましい。
また、保護フィルムとしては、粘着性が調整されたものであってもよい。保護フィルムと、これを配置する前記樹脂層との粘着力が弱すぎると、その後の巻き取り時において保護フィルムが剥離するおそれがある。他方、前記粘着力が強すぎると、後述の工程IIIにおいて保護フィルムを剥離する際に、剥離し難くなり、樹脂層側に破れやスジやしわなどを発生させるおそれがある。そのため、保護フィルムを配置する樹脂層との粘着力が、0.01~0.2N/25mmである保護フィルムを用いることが好ましい。
また、保護フィルムは複数層から構成されていてもよく、例えば、前記の樹脂フィルムを基材として、基材に剥離層や粘着剤層などの別の層が設けられたものであってよく、制限されない。また、保護フィルムは、通常その厚みが10~100μm程度であればよいが、取扱い性等の観点から20~50μmであることがより好ましい。
保護フィルムを配置する方法としては制限されないが、図1に例示されるように、工程中に保護フィルムが巻き取られたロール体などを予め準備しておき、製造ラインにおけるロールからロールに走行されて来る乾燥後の積層体(支持体と樹脂層との積層体)の動きに合わせて、当該保護フィルムを巻き出しながら前記樹脂層の主面に圧着させる方法等を用いることができる。また、粘着層を持つ保護フィルムの場合は温度をかけないコールドドライラミネートが有効である。ラミネート条件は基材にシワが入らない方法であれば特に限定しないが、支持体厚み、樹脂層厚み及び保護フィルム厚みの合計厚みのクリアランスを開けてラミネートすることで外観良好な積層体を得ることができる。
次いで、前記のように保護フィルムが配置された保護フィルム付きの積層体を得た後には、当該保護フィルム付き積層体を巻芯に巻き取ることによって、保護フィルム付き積層体のロールを得る。巻き取りは、前記での例示のように製造ラインにおけるロール上で走行させながら行われることが好適である。なお、巻芯はとくに限定されず、当該分野で通常使用されるような形状又は材質のものであればよく、形状としては、中実又は中空の円柱形状(すなわち、円筒形状)又は多角柱状などが用いられる。また、材質としては、プラスチック製、金属製、又は紙(紙管)製等が挙げられる。
保護フィルム付きの積層体を巻芯に巻き取ってロールを得る方法については、限定されないが、少なくとも樹脂層や支持体にスジやシワなどの損傷やカールなどの変形が生じない方法であることが好ましい。例えば、巻き取り状態を確認しながら、巻取張力を調整することが好ましく、例えば、50~100N程度の範囲、好ましくは70~90Nの巻取張力で巻き取ってロールをすることがよい。巻き取り張力を調整することにより、過度な張力の際のシワの発生や、逆に、低張力の際の巻きほどけの発生や次工程での巻き出し時の巻き締まりの発生などを抑えることができるため好ましい。
また、巻き取り時の巻き方向(巻き取り面の向き)については制限されないが、樹脂層側に向けて発生しがちであるカールの矯正や、保護フィルムの剥がれ等の発生を抑えるためには、支持体が外側(保護フィルム付き樹脂層が内側)になるように巻き取ることが好ましい。
このような方法により得られた保護フィルム付き積層体のロールについては、各樹脂層のいずれか又は全部が前記の残存溶剤量を満足することが好ましい。また、当該ロールは、前記のような樹脂層の癒着の発生が無いことや、また、樹脂層のDMAによる貯蔵弾性率E’が前記の範囲であることが好ましい。
<工程III>
工程IIIでは、前記工程IIにおいて得られた保護フィルム付き積層体のロールを巻き出しながら、保護フィルムを剥離する。
前記ロールを巻き出す方法については限定されないが、前記巻き取りの場合と同様に、少なくとも樹脂層や支持体にスジやシワなどの損傷が生じない方法であることが好ましい。
保護フィルムの剥離の方法についても制限されないが、前記同様に少なくとも樹脂層や支持体にスジやシワなどの損傷が生じない方法であることが好ましい。例えば、ロールから巻き出された状態のものをロール上で走行させながら、保護フィルム付き積層体のうちの保護フィルムとそれ以外の積層体との端部をそれぞれ異なる巻芯に粘着テープなどで固定しつつ、別々の巻芯に巻き取っていくことにより、巻き取りと同時に保護フィルムを剥離する方法が挙げられる。また、テンションコントロールが可能な剥離装置を用いる方法等が挙げられる。
なお、保護フィルムが剥離された積層体については、この工程IIIにおいて巻き取らずにそのまま次の工程IVに供してもよい。或いは、保護フィルムを剥離した状態の積層体を一次的に保管してもよい。さらには、保護フィルム剥離後の積層体に対して、前記したポリアミド酸の樹脂層を積層する工程を繰り返して行う場合には、一旦積層体(保護フィルム無し)のロールとして保管してもよく、或いは、ロール体とせずに、そのままポリアミド酸の樹脂層を積層させてもよい。
前記ロールから巻き出して保護フィルムが剥離された後の積層体に対して、さらに、ポリアミド酸の樹脂層を積層させる場合には、前記した工程I及び工程IIに準ずる下記の工程I’及び工程II’を行うことができる。
すなわち、当該工程IIIにおいて保護フィルムが剥離された積層体の樹脂層側に対して、前記工程Iと同様の方法にて少なくとも一層のポリアミド酸の樹脂層を積層する工程(工程I’)を行うことができる。次いで、前記工程IIと同様に、この工程I’で積層された最外層のポリアミド酸の樹脂層の表面に保護フィルムを配置して巻芯に巻き取り、保護フィルム付き積層体のロールを得る工程を行うことができる(工程II’)。
さらに、このような工程II’を経て得られた保護フィルム付き積層体のロールに対しては、さらに、当該工程IIIと同じように、工程II’後の巻芯から巻き出すことにより、保護フィルムを剥離し、保護フィルムが剥離された積層体(支持体とポリアミド酸の樹脂層(複数層))として得ることができる(工程III’)。この工程III’後に得られた積層体に対しても、前記と同様に、その樹脂層に対してさらにポリアミド酸の樹脂層を積層することも可能である。
<工程IV>
そして、これまでの工程IIIや、或いはそれにさらに工程I’~III’を行って得られた支持体とポリアミド酸の樹脂層に対して、当該樹脂層が支持体上に積層された状態でイミド化を行って、当該樹脂層をポリイミド層に変換する。それにより、支持体上に、単層又は複数層のポリイミド層が積層された積層板を得ることができる。
当該イミド化の方法は制限されず、公知の方法を用いることができる。例えば、保護フィルムが剥離された支持体とポリアミド酸の樹脂層との積層体を、ロール上で走行させながら加熱乾燥炉を通過させて、80~400℃程度、好ましくは120~370℃の範囲内の温度条件で5分~24時間程度、好ましくは5分~1時間かけて加熱するといった熱処理が好適に採用される。加熱時間は樹脂層の厚み、残存溶剤量(固形分濃度)、溶剤の種類などに応じて適宜設定することができ、ポリイミド化の完了は、例えばIRスペクトルによるポリアミド酸のピークの有無に基づいて判断することができる。
得られた積層板については、支持体の種類やポリイミドの組成に応じて適宜変更可能であるが、本発明の方法は、光学特性に優れて透明性が比較的高いポリイミド層を支持体上で形成することができる点で特に有用である。すなわち、前記のとおり本発明の方法では製造過程の適切な箇所において、樹脂層の表面に保護フィルムを配置することから、途中で積層体のロールを経由しても、樹脂層側の損傷が発生したり、樹脂層に支持体の表面プロファイルが転写されたりすることが防止され、光学特性が損なわれないポリイミド層を支持体上で形成することができる。ポリイミド層の光学特性については、製造工程での影響を除いた場合、ポリアミド酸を構成する原料(後述の酸無水物、ジアミン)に応じて適宜調整することができる。
光学特性に優れたポリイミド層としては、好適には可視光域の全光線透過率が75%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは85%以上である。また、当該ポリイミド層のHAZEが好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは3%以下である。さらに、当該ポリイミド層の黄色度は、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、さらに好ましくは3.5以下である。
本発明で得られた積層板の好ましい実施形態として、支持体が金属層(例えば、銅箔)である金属張積層板は前記FPCとして好適に用いられる。金属張積層板の場合はとくに、支持体とポリイミド層との180°ピール強度が0.5kN/m以上であることが好ましい。
なお、工程IVで得られた積層板については、そのポリイミド層側に対して、直接又は必要に応じて光学特性などを阻害しない接着層を形成した後、支持体(例えば、金属層)を加熱圧着等の手段で積層することにより、最外層の両方に支持体が積層された積層板として得ることもできる。
〔ポリアミド酸の樹脂層、ポリイミド層の組成〕
ここで、本発明で使用される前記ポリアミド酸は、ポリイミドの前駆体であり、テトラカルボン酸二無水物(以下、単に「酸無水物」ということがある)成分から誘導される4価の基である酸無水物残基と、ジアミン化合物(以下、単に「ジアミン」ということがある)成分から誘導される2価の基であるジアミン残基とを有して構成され、これらの構成成分が連結したものを1つの繰り返し単位としてみた場合に、その繰り返し単位の重合物から構成される。酸無水物成分とジアミン成分との仕込み量(モル比)を調整することで構成を制御することが可能である。
通常、ポリアミド酸は所定の酸無水物成分とジアミン成分とをほぼ等モルで有機溶剤中に溶解させ、通常0~100℃の範囲の温度で30分から24時間攪拌して重合反応させることで得られる。この反応にあたっては、生成する前駆体が有機溶剤(前記の残存溶剤における溶剤に同じ)中に通常5~30重量%の範囲内、好ましくは10~20重量%の範囲内となるように反応成分を溶解する。当該有機溶剤としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAC)、N-メチル-2-ピロリドン、2-ブタノン、ジメチルスルホキシド、硫酸ジメチル、シクロヘキサノン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライム、γ‐プチロラクトン等が挙げられる。これらの溶媒を2種以上併用して使用することもでき、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の併用も可能である。
ポリアミド酸及びポリイミドの合成において、酸無水物成分及びジアミン成分はそれぞれ、その1種のみを使用してもよく2種以上を併用して使用することもでき、また、それぞれのモル比を選定することにより、例えば、熱伝導性、熱膨張性、接着性、光学特性(透明性など)、ガラス転移温度、引き裂き伝播抵抗、端裂抵抗、引張伸度等の物性を制御することができる。
また、ポリアミド酸には、末端封止剤を用いてもよい。末端封止剤としてはモノアミン類あるいはジカルボン酸類が好ましい。導入される末端封止剤の仕込み量としては、酸無水物成分1モルに対して0.0001モル以上0.1モル以下の範囲内が好ましく、特に0.001モル以上0.05モル以下の範囲内が好ましい。モノアミン類末端封止剤としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ベンジルアミン、4-メチルベンジルアミン、4-エチルベンジルアミン、4-ドデシルベンジルアミン、3-メチルベンジルアミン、アニリン、4-メチルアニリン等が推奨される。これらのうち、ベンジルアミン、アニリンが好適に使用できる。ジカルボン酸類末端封止剤としては、ジカルボン酸類が好ましく、その一部を閉環していてもよい。例えば、フタル酸、無水フタル酸、4-クロロフタル酸、テトラフルオロフタル酸、シクロペンタン-1,2-ジカルボン酸、4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸等が推奨される。これらのうち、フタル酸、無水フタル酸が好適に使用できる。
また、ポリアミド酸は、制限されないが、濃度や重量平均分子量Mwの調整により粘度が1,000~200,000cPの範囲とすることが好ましい。粘度が高い場合は、溶剤を加えて希釈すればよい。ポリアミド酸の重量平均分子量Mwは、例えば10,000以上500,000以下の範囲内が好ましく、50,000以上500,000以下の範囲内がより好ましい。重量平均分子量が10,000未満であると、フィルムの強度が低下して脆化しやすい傾向となる。一方、重量平均分子量が500,000を超えると、過度に粘度が増加して塗工作業の際にフィルム厚みムラ、スジ等の不良が発生しやすい傾向になる。
ここで、本発明において使用されるポリアミド酸を構成する酸無水物成分及びジアミン成分は制限されず、公知の全ての酸無水物成分及びジアミン成分を用いることができる。そして、本発明の方法は、以下のような組成を有するポリアミド酸の樹脂層、ポリイミド層を積層するに際して、とくに好適である。
(主たる層について)
すなわち、前記ポリアミド酸の樹脂層及びそれから成るポリイミド層の主たる層を構成するポリイミドは、フッ素原子を含む芳香族ジアミン化合物、フルオレン構造を含む芳香族ジアミン化合物及び脂環族構造を含む脂環族ジアミン化合物からなる群から選択されるいずれか1種以上から誘導されるジアミン残基と、フッ素原子を含む芳香族テトラカルボン酸二無水物、フルオレン構造を含む芳香族テトラカルボン酸二無水物及び脂環族構造を含む脂環族テトラカルボン酸二無水物からなる群から選択されるいずれか1種以上から誘導される酸無水物残基とのいずれか又は両方を含むことが好ましい。
これらのジアミン化合物及び酸無水物は、嵩高いフッ素原子を含有する構造やフルオレン構造を有するか、脂環族構造を有するため、高分子鎖間のπ-πスタッキング等の相互作用を減少させ、分子内及び分子間での電荷移動錯体の形成を抑制することができるため、光学特性に優れたポリイミドが得られる点で好ましい。
ここで、「主たる層」とは、複数のポリアミド酸の樹脂層及びポリイミド層を備える場合において最も大きな厚みを有することを意味し、好ましくは、全ての層の合計厚みに対して60%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上の厚みを有する層のことをいう。主たるポリイミド層は、非熱可塑性ポリイミドで構成することが好ましい。
(主たる層の酸無水物成分)
ここで、本発明のポリアミド酸に用いられる酸無水物成分としては、前記のとおり、主たる層において、フッ素原子を含む芳香族テトラカルボン酸二無水物、フルオレン構造を含む芳香族テトラカルボン酸二無水物及び脂環族構造を含む脂環族テトラカルボン酸二無水物からなる群から選択されるいずれか1種以上から誘導される酸無水物を含有することが好ましい。主たる層の酸無水物成分において、これらのテトラカルボン酸二無水物は、全ての酸無水物成分の合計100モル部に対して10モル部以上50モル部未満であることが好ましい。これらのテトラカルボン酸二無水物を含めて、主たる層においては、以下の式(1)で表される及び/又は脂環構造を有する脂環族テトラカルボン酸二無水物を含有することが好ましい。
Figure 2024052391000002
〔式(1)において、Xは独立に、単結合、-O-、-C(CF-又は置換基を有してもよい9,9-フルオレンジイル基から選ばれる2価の基を示す。ここで、「独立に」とは、Xが、同一でもよいし、異なっていてもよいものの混合物であってもよいことを意味する。他の構造式においても同様の意味である。〕
このような式(1)で表される化合物としては、例えば、4,4’-オキシジフタル酸二無水物(ODPA)、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)、9,9-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物等が挙げられる。
脂環族構造を含む脂環族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸ニ無水物、シクロアルカノンビススピロノルボルナンテトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。
主たる層の残りの酸無水物成分は限定されないが、寸法安定性(熱膨張係数(CTE))の観点から、下記式B1で表されるピロメリット酸二無水物(PMDA)から誘導される4価の酸無水物残基(以下、「PMDA残基」と記すことがある)を含有することが好ましい。PMDA残基は、主たる層における全酸無水物成分の合計100モル部に対して、50モル部以上含有することが好ましく、60モル部以上90モル部以下の範囲内で含有することがより好ましい。PMDA残基が50モル部未満では、当該主たる層のCTEが高くなって寸法安定性が低下する場合がある。
Figure 2024052391000003
また、主たる層には、一般にポリイミドの合成に使用される前記以外の他のいずれの酸無水物成分を含んでいてもよい。
(主たる層のジアミン成分)
また、主たる層におけるジアミン成分としては、フッ素原子を含む芳香族ジアミン化合物、フルオレン構造を含む芳香族ジアミン化合物及び脂環族構造を含む脂環族ジアミン化合物からなる群から選択されるいずれか1種以上から誘導されるジアミン残基からなる群から選択されるいずれか1種以上から誘導されるジアミンを含有することが好ましい。主たる層のジアミン成分において、これらのジアミン化合物は、全てのジアミン成分の合計100モル部に対して50モル部以上100モル部以下であることが好ましい。これらのジアミン化合物を含めて、主たる層においては、以下の式(2)で表されるか又は脂環構造を有する脂環族ジアミン化合物を含有することが好ましい。
Figure 2024052391000004
(式(2)中、連結基Zは独立に単結合、エステル結合〔-C(=O)-O-〕、アミド結合〔-NH-C(=O)-〕、-C(CF-又は9,9-フルオレンジイル基から選ばれる2価の基を示す。置換基Yは独立にフッ素原子で置換されている炭素数1~3のアルキル素基を示し、p及びqは独立に0~4の整数を示す。なお、末端の二つのアミノ基における水素原子は置換されていてもよく、例えば-NR(ここで、R,Rは、独立してアルキル基などの任意の置換基を意味する)であってもよい。他のジアミン化合物についても同様である。)
このような式(2)で表される化合物としては、例えば、テレフタル酸ビス(4-アミノフェニル)、4、4’-ジアミノベンズアニリド(DABA)、4、4’-ジアミノ-2’-メトキシベンズアニリド(MABA)、4-アミノフェニル-4-アミノベンゾエート(APAB)、4,4’-ジアミノ-2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル(TFMB)、3,4-ジアミノ-2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン等のジアミン化合物が挙げられる。
脂環族構造を含む脂環族ジアミン化合物としては、例えば、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン、1,6-シクロヘキサンジアミン、ピペラジンなどを挙げることができる。
また、主たる層には、一般にポリイミドの合成に使用され他のるいずれのジアミン化合物を含んでいてもよい。これらの他のジアミン化合物は、全てのジアミン成分の合計100モル部に対して50モル部未満であることが好ましい。
(主たる層以外の層について)
本発明におけるポリアミド酸の樹脂層及びそれから成るポリイミド層については、前述のとおり、複数層として備えてもよい。複数層の場合は、最終的に形成される積層板として、支持体(例えば、金属層)に直接積層されるポリイミド層P1と支持体に直接積層されないポリイミド層P2との二層構造でもよい。下に例示される構成1~4やそれ以外の構成も可能であり制限はされないが、好ましくは三層であり、より好ましくは、第三のポリイミド層P3を含んで、P1/P2/P3の順に積層していることが好ましい。M1、M2は支持体を表し、M1とM2が同じであっても異なってもよい。支持体に直接積層されるポリイミド層P1と第三のポリイミド層P3は同一組成であってもよい。例えば、複数のポリイミド層を前記した工程I~IV(I’~III’を含む)によってキャスト法で形成する場合では、キャスト面から支持体に直接積層されるポリイミド層P1及び支持体に直接積層されないポリイミド層P2がこの順序で積層された二層構造とすることでもよいし、キャスト面側から支持体に直接積層されるポリイミド層P1、支持体に直接積層されないポリイミド層P2、第三のポリイミド層P3がこの順序で積層された三層構造とすることでもよい。ここで言う「キャスト面」とは、ポリアミド酸の樹脂層(ポリイミド層)を形成する際における、支持体側の面のことを示す。なお、当該キャスト面と反対側の面はラミネート面と言われるが、前記のとおり、本発明で得られる積層板においては、ラミネート面に支持体を積層することもできる。
構成1;M1/P1/P2
構成2;M1/P1/P2/P1(又はP3)
構成3;M1/P1/P2/P1(又はP3)/M2(又はM1)
構成4;M1/P1/P2/P1(又はP3)/P2/P1(又はP3)/M2(又はM1)
ポリイミド層P1とポリイミド層P3を構成するポリイミドは熱可塑性ポリイミドとすることが好ましく、ポリイミド層の接着性を向上させ、支持体との接着層としての適用が好適となる。
本発明で積層されるポリイミド層の好ましい実施形態は、熱可塑性のポリイミド層P1と、非熱可塑性ポリイミドから構成される非熱可塑性ポリイミド層P2(主たる層)とを有し、この非熱可塑性ポリイミド層P2の少なくとも一方に熱可塑性ポリイミド層となるポリイミド層P1を有するものがよい。すなわち、ポリイミド層P1は、非熱可塑性ポリイミド層の片面又は両面に設けるとよい。
また非熱可塑性ポリイミド層は低熱膨張性のポリイミド層を構成し、熱可塑性ポリイミド層は高熱膨張性のポリイミド層を構成する。ここで、低熱膨張性のポリイミド層とは、熱膨張係数(CTE)が好ましくは1ppm/K以上25ppm/K以下の範囲内、より好ましくは3ppm/K以上25ppm/K以下の範囲内のポリイミド層をいう。また、高熱膨張性のポリイミド層は、CTEが好ましくは35ppm/K以上、より好ましくは35ppm/K以上80ppm/K以下の範囲内、更に好ましくは35ppm/K以上70ppm/K以下の範囲内のポリイミド層をいう。ポリイミド層は、使用する原料の組合せ、厚み、乾燥・硬化条件を適宜変更することで所望のCTEを有するポリイミド層とすることができる。
本発明において積層されるポリイミド層全体の熱膨張係数(CTE)としては、10~30ppm/Kの範囲内であることが好ましい。このような範囲に制御することで、カール等の変形を抑制でき、また高い寸法安定性を担保できる。ここで、CTEは、絶縁樹脂層のMD方向及びTD方向の熱膨張係数の平均値である。
ここで、非熱可塑性ポリイミドとは、一般に加熱しても軟化、接着性を示さないポリイミドのことであるが、本発明においては、動的粘弾性測定装置(DMA)を用いて測定した30℃における貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上であり、350℃における貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上であるポリイミドをいう。また、熱可塑性ポリイミド(「TPI」ともいう。)とは、一般にガラス転移温度(Tg)が明確に確認できるポリイミドのことであるが、本実施の形態では、DMAを用いて測定した、30℃における貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上であり、300℃における貯蔵弾性率が1.0×10Pa未満であるポリイミドをいう。
ポリイミド層のうち、支持体に接するポリイミド層P1の厚みをT1、主たるポリイミド層の厚みをT2とした際に、T1の厚みは1μm以上4μm以下の範囲内が好ましく、T2の厚みは4μm以上30μm以下の範囲内が好ましい。別の観点から、T1の厚みは、全体の厚みに対して20%以下とすることが好ましい。なお、「主たる」については、前記のとおりである
このように例示される好適な実施形態においては、例えば、支持体上にポリイミド層P1~P3を形成するポリアミド酸の樹脂層の各層を、前記の工程I~III(工程I’~III’を含む)のように、保護フィルムの配置やロールを経由しながら積層させていく手順であってもよく、或いは前記のとおり、例えば一層目の樹脂層と二層目の樹脂層との間に保護フィルムの配置やロールへの巻き取りの工程を含まなくてもよい。他の層間についても同様である。とくに、支持体に熱可塑性ポリイミドP1のためのポリアミド酸の樹脂層を積層し、次いで、非熱可塑性ポリイミドP2(主たる層)のためのポリアミド酸の樹脂層を積層する場合には、保護フィルムの配置を行わずに、次のP2にかかる樹脂層の積層を行ってもよい。当該P1にかかる樹脂層は通常薄くて溶剤を揮発させやすく、乾燥しやいため、巻き取る際に巻き取る面への転写が少ないからである。さらには、前記の工程Iで記載したように逐次塗工又は多層押出により複数層のポリアミド酸の樹脂層として積層したのちに、工程II~IVを行って積層板として形成してもよい。製造効率の観点では、後者の方法を行うことが好ましい。
(主たる層以外の層の酸無水物成分)
主たる層以外の層は、支持体に直接積層される層に好適であり、前記ポリイミド層P1及びP3に相当する層を含む層として好適であるが、これらの層については前記のとおり熱可塑性ポリイミド層として形成されることが好ましい。すなわち、これらの層においては、好適には、全酸無水物成分に対し、下記一般式(3)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物を50モル%以上用いることが好ましく、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上がよく、このような範囲にすることで形成されるポリイミド層に柔軟性、耐熱性及び低リタデーションを発現しやすい。また、全ジアミン成分に対し、一般式(4)で表わされる芳香族ジアミン化合物を50モル%以上含有することが好ましく、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上である。
下記一般式(3)で表される芳香族テトラカルボン酸無水物は、ポリイミドに柔軟性を付与するとともに、高分子鎖間のπ-πスタッキング等の相互作用を減少させ、ポリイミド層において、芳香族テトラカルボン酸残基と芳香族ジアミン残基との間の電荷移動(CT)を起こりにくくするため、得られるポリイミドを無色透明に近づけることができると考えられる。また、一般式(4)で表される芳香族ジアミン化合物は2つ以上のベンゼン環を有し、少なくとも2つのベンゼン環に直結したアミノ基と2価の連結基Zがあることで、ポリイミド分子鎖が有する自由度が増加して高い屈曲性を有しており、ポリイミド分子鎖の柔軟性の向上に寄与し、高靭性化を促すと考えられる。
ポリイミド層P1やP3に好適なポリイミド層の形成に用いられる酸無水物成分は、下記一般式(3)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物であることが好ましい。
Figure 2024052391000005
式(3)において、Xは単結合、-O-、又は-C(CF-から選ばれる2価の基を示す。
式(3)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば4,4’-オキシジフタル酸二無水物(ODPA)、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)が挙げられる。これらの芳香族テトラカルボン酸無水物は、ポリイミドフィルムに強度と柔軟性を与えることが可能であり、耐熱性、透明性に優れ、CTEを適切な範囲に制御できることから好ましい。この中でも特に好ましくは、ODPA、6FDAがよい。
(主たる層以外の層のジアミン成分)
ポリイミド層P1やP3に好適なポリイミド層の形成に用いられるジアミン成分は、下記一般式(4)で表される芳香族ジアミン化合物であることが好ましい。
Figure 2024052391000006
式(4)において、Zは独立に-O-、-S-、-CH-、-CH(CH)-、-C(CH)-、-CO-、-COO-、-SO-、-NH-又は-NHCO-から選ばれる2価の基を示し、好ましくは-O-又は-SO-である。nは0~4の整数を示し、好ましくは0又は1である。Rは置換基であり、独立に、ハロゲン原子、又は炭素数1~6のハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基若しくはアルコキシ基、又は炭素数1~6の1価の炭化水素基若しくはアルコキシ基で置換されてもよいフェニル基若しくはフェノキシ基を示す。nは独立に0~3の整数を示し、好ましくは0又は1である。
式(4)で表される芳香族ジアミン化合物としては、例えば、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジアミノジフェニルプロパン、3,3’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、ビス[4-(アミノフェノキシ)フェニル]スルホン(BAPS)、3,3-ジアミノジフェニルエーテル、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,4’-ジアミノジフェニルプロパン、3,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’-ジアミノベンゾフェノン、(3,3’-ビスアミノ)ジフェニルアミン、1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン(APB)、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE-R)、3-[4-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ]ベンゼンアミン、3-[3-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ]ベンゼンアミン、4,4'-[2-メチル-(1,3-フェニレン)ビスオキシ]ビスアニリン、4,4'-[4-メチル-(1,3-フェニレン)ビスオキシ]ビスアニリン、4,4'-[5-メチル-(1,3-フェニレン)ビスオキシ]ビスアニリン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)]ベンゾフェノン、ビス[4,4'-(3-アミノフェノキシ)]ベンズアニリド、4-[3-[4-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ]フェノキシ]アニリン、4,4’-[オキシビス(3,1-フェニレンオキシ)]ビスアニリン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル(BAPE)、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ケトン(BAPK)、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)]ビフェニル、2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン(BAPP)、4,4’‐ジアミノジフェニルエーテルなどが挙げられる。これらの中でも、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン(APB)、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE-R)、ビス[4-(アミノフェノキシ)フェニル]スルホン(BAPS)が好ましい。
ただし、これらのポリイミド層の形成においても、本発明の目的を阻害しない限り、前記式(3)以外の他の公知の酸無水物を用いてもよい。他の酸無水物を用いる場合は、全酸無水物成分の50モル%以下であり、好ましくは30モル%未満、より好ましくは10モル%未満である。
同様に、前記式(4)以外の他のジアミン化合物を用いてもよい。他の公知のジアミン化合物を用いる場合は、全ジアミン成分の50モル%以下であり、好ましくは30モル%未満、より好ましくは10モル%未満である。
(その他の成分)
本発明で使用されるポリアミド酸の樹脂層及びそれから成るポリイミドは、本発明の目的を阻害しない限りにおいて、必要に応じて、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、フッ化アルミニウム、フッ化カルシウム、有機ホスフィン酸の金属塩などのフィラーやその他の成分が用いられてもよい。これらの成分は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明の内容を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例の範囲に限定されるものではない。なお、以下の実施例において、特にことわりのない限り各種測定、評価は下記によるものである。
[光透過率、YI(黄色度)の算出]
ポリイミド層(50mm×50mm)を、島津製作所社製のUV-3600分光光度計にて光透過率及び(YI)を測定した。
1)光透過率
JIS Z 8722に準拠して、波長が400nm、430nm及び450nmの光におけるそれぞれの光透過率(T400、T430及びT450)を算出した。
2)YI
JIS Z 8722に準拠して、下記式(1)で表される計算式に基づいて算出した。
YI=100×(1.2879X-1.0592Z)/Y ・・・(1)
X、Y及びZ:試験片の三刺激値
[熱膨張係数(CTE)の測定]
ポリイミド層(3mm×15mm)を、熱機械分析(TMA)装置にて5.0gの荷重を加えながら10℃/minの昇温速度で30℃から280℃まで昇温し、次いで、250℃から100℃までの降温し、降温時における伸び量(線膨張)から熱膨張係数を測定した。
[全光線透過率(T.T.)及びHAZE(濁度)の算出]
ポリイミド層(50mm×50mm)を、日本電色工業社製のHAZE METER NDH500にて、全光線透過率(T.T.)及びHAZE(濁度)をJIS K 7136に準拠して測定した。
[粘度の測定]
粘度は、恒温水槽付のコーンプレート式粘度計(トキメック社製)にて、合成例で得られたポリアミド酸溶液について25℃で測定した。
[ガラス転移温度(Tg)の測定]
ポリイミド層(5mm×22.6mm)を動的熱機械分析装置にて20℃から350℃まで5℃/分で昇温させたときの動的粘弾性を測定し、ガラス転移温度(Tanδ極大値:℃)を求めた。
[ピール強度の測定]
テンションテスターを用い、支持体である銅箔とポリイミド層との積層板(以下、「銅張積層板」と呼ぶ。)から得られた幅1mmの回路を有する試験サンプルのポリイミド層側を両面テープによりアルミ板に固定し、銅を180°方向に50mm/minの速度で剥離して、ピール強度を求めた。
[塗工乾燥後ポリアミド酸フィルムの厚みと残存溶剤測定]
離形PETフィルムの上にポリアミド酸の樹脂溶液の塗工を行う。所定温度(70℃~120℃)で所要時間(5分~20分)の乾燥後、PETフィルムから乾燥後のポリアミド酸の樹脂層を剥がしてポリアミド酸フィルムとし、10min以内にポリアミド酸フィルムの厚みと熱重量-示差熱測定(TG-DTA)による残存溶剤量の測定を行った。
(厚み測定)
塗工乾燥後ポリアミド酸フィルムの厚みは、ダイヤルゲージを用いて測定した。
〔TG-DTA(残存溶剤量)〕
窒素雰囲気下で10~20mgの重さの前記ポリアミド酸フィルムを、SEIKO社製の熱重量分析(TG)装置TG/DTA6200にて一定の速度で30℃から300℃まで10℃/minの速度で昇温させ、300℃で10分保持させたときの重量変化を測定し、測定開始時の重量をゼロとし、300℃で10分間保持後の重量減少率を残存溶剤量(wt%)とした。
[塗工乾燥時の積層体の折れ込み]
塗工乾燥時において、銅箔とポリアミド酸の樹脂層との積層体(以下、単に「積層体」と呼ぶ。)が加熱炉から出る加熱炉の内部付近のところでの、積層体の折れ込みの程度を評価した。積層体端部にカールが発生し、後の工程で巻き取る際に、積層体の両側端部が折れ込みとなって巻き取りが不可となる場合は「×」とする。このような現象が起きない場合は「〇」とする。
[塗工乾燥時の積層体の癒着]
塗工乾燥時に加熱炉から出てきた積層体を15cm×15cmで切り取り、2枚の積層体のポリイミド酸の樹脂層面どうしで貼り合わせ、上から2kgの荷重を5時間かける。荷重を解除してから、2枚のサンプルを別々に引きはがし、癒着箇所があったり、外観模様変化があったりする場合は「×」とした。癒着箇所はなく、外観変化もない場合は「〇」とする。
[塗工乾燥時の積層体のMDスジ]
塗工乾燥時に積層体が加熱炉から出る加熱炉の内部付近のところにおいて、ポリイミド酸の樹脂層の表面状態を目視で観察する。長さ方向(MD)に線状模様のスジが発生する場合は「×」とし、発生しない場合は「〇」とする。
[硬化後積層板のMDスジ]
硬化後、銅張積層板が加熱炉から出る加熱炉内部付近のところにおいて、ポリイミド層の表面状態を目視で観察する。長さ方向(MD)に線状模様のスジが発生する場合は「×」とし、発生しない場合は「〇」とする。
[ハンダ耐熱性の測定]
実施例および比較例で得られた各銅張積層板の銅箔層側に、市販のフォトレジストフィルムをラミネートし、所定のパターン形成用マスクで露光(365nm、露光量500J/m程度)し、銅箔層側に直径20mm、15mm、10mm、5mm、3mm、1mm及び0.55mmの円形となるパターンにレジスト層を硬化形成した。
次に、硬化レジスト箇所を現像(現像液は1%NaOH水溶液)し、塩化第二鉄水溶液を用いて所定のパターン形成に不要な銅箔層をエッチング除去し、さらに、硬化レジスト層をアルカリ液にて剥離除去することにより、鉛フリーはんだに対応した耐熱性を評価するためのパターンが形成されたサンプル(各金属張積層板の銅箔層側に、直径1mmの円形パターンが形成された積層板)を得た。
サンプルを温度の異なる溶融ハンダ浴槽に10sec浸積して、銅箔層箇所における変形、膨れの有無を観察した。銅箔層箇所に変形や膨れ、剥がれが発生しない、ハンダ浴槽の最高温度をハンダ耐熱温度とした。
[貯蔵弾性率E’の測定]
塗工乾燥後の前記ポリアミド酸フィルム(10mm×22.6mm)を動的熱機械分析装置にて20℃から200℃まで10℃/分で昇温させたときの動的粘弾性を測定し、30℃における貯蔵弾性率E’(GPa)を求めた。
実施例等に用いた略号は、以下の化合物を示す。
APB:1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン
TFMB:2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル
BAPS:ビス[4-(アミノフェノキシ)フェニル]スルホン
ODPA:4,4’-オキシジフタル酸二無水物
PMDA:ピロメリット酸二無水物
6FDA:2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-ヘキサフルオロプロパン二無水物
BPDA:3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
BAPP:2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン
m-TB:2,2'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニル
DMAc:N,N-ジメチルアセトアミド
保護フィルムは以下の2種を用いた。
パック:ポリエチレンフィルム(サンエー化研社製、商品名;PACタイプ PAC-3J-30H、 厚み;30μm、微粘着、粘着力0.05N/25mm)
ルミラー:ポリエステルフィルム(東レ社製、商品名;ルミラー25S28L、厚み;25μm、無粘着)
合成例1
ポリアミド酸溶液Aを合成するため、窒素気流下で、200mlのセパラブルフラスコの中に、15wt%固形分濃度となるように溶剤のDMAcを加え、表1に示したジアミン成分及び酸無水物成分を室温で攪拌しながら添加し溶解させた。その後、溶液を室温で8時間攪拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸の粘稠な溶液Aを調製した。その後、溶剤DMAcで12wt%に希釈した。希釈後の粘度は3000cPであった。
合成例2
ポリアミド酸溶液Bを合成するため、窒素気流下で、200mlのセパラブルフラスコの中に、表1で示した固形分濃度となるように溶剤のDMAcを加え、表1に示したジアミン成分及び酸無水物成分を攪拌しながら40℃、1時間加熱し溶解させた。その後、溶液を室温で2日間攪拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸の粘稠な溶液Bを調製した。粘度は27000cPであった。
合成例3
ポリアミド酸溶液Cは、モノマー種類を表1に示したように変更し、合成例1と同様な方法で重合を行った。ポリアミド酸の粘稠な溶液Cを調製した。粘度は1600cPであった。
合成例4
ポリアミド酸溶液Dを合成するため、窒素気流下で、200mlのセパラブルフラスコの中に、表1で示した固形分濃度となるように溶剤のDMAcを加え、表1に示したジアミン成分及び酸無水物成分を攪拌しながら溶解させた。その後、溶液を室温で1日間攪拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸の粘稠な溶液Dを調製した。粘度は23000cPであった。
Figure 2024052391000007
実施例1
銅箔I(電解銅箔、福田金属箔粉工業社製、商品名;CF-T9DA-SV、厚み;12μm)の上に、ポリアミド酸溶液Aを硬化後の厚みが1.5μmとなるように均一に塗布した後、120℃までの温度範囲で段階的に加熱乾燥し、溶剤を除去した。次に、その上にポリアミド酸溶液Bを硬化後の厚みが22.5μmとなるように均一に塗布した後、70℃までの温度範囲で段階的に加熱乾燥し溶剤を除去した。加熱乾燥により溶剤が除去されたポリアミド酸の樹脂層A及びBがそれぞれ積層された積層板1A-1を巻芯のプラスチックコアに巻き取った。積層体1A-1を観察し、乾燥時折れ込みの有無を確認した。更に、一部カットしサンプルを取り出し、癒着を測定した。
一方、上記と同様に、銅箔Iの上に、ポリアミド酸溶液Aを硬化後の厚みが1.5μmとなるように均一に塗布した後、120℃までの温度範囲で段階的に加熱乾燥し、溶剤を除去した。次に、その上にポリアミド酸溶液Bを硬化後の厚みが22.5μmとなるように均一に塗布した後、70℃までの温度範囲で段階的に加熱乾燥し溶剤を除去した。加熱乾燥により溶剤が除去されたポリアミド酸の樹脂層A及びBがそれぞれ積層された積層板を巻芯のプラスチックコアに巻き取り、巻き取る際に、保護フィルムルミラーを樹脂層B面に貼り付けながら巻芯に共巻きを行った(保護フィルム付き積層体のロール1)。
続いて、加熱乾燥を行うために、前記で得られた保護フィルム付き積層体のロール1を巻き出しながら、保護フィルムを剥離した。それと共に、保護フィルム剥離後且つ巻き出し最中の積層体において、ポリアミド酸の樹脂層Bの上に、さらにポリアミド酸溶液Cを硬化後の厚みが1.5μmとなるように均一に塗布した。その後、120℃までの温度範囲で段階的に加熱乾燥し溶剤を除去した。溶剤除去後のポリアミド酸の樹脂層A/B/Cが積層された積層体を巻き取る際に、前記同様に保護フィルムルミラーを樹脂層Cに貼り付けながら共巻きして、前記巻芯に巻き取った(保護フィルム付き積層体のロール2)。このようにして、ポリアミド酸溶液A、B及びCに係る3層のポリアミド酸の樹脂層A、B及びCをそれぞれ形成した。更にその後、加熱硬化前、保護フィルム付き積層体のロール2から保護フィルムを剥がしながら巻き出し、保護フィルムが除去されたの積層体の状態で、これを125℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結し、銅箔上に、順にポリイミド層A/ポリイミド層B/ポリイミド層Cからなる厚みが25.5μmのポリイミド層を形成し、片面銅張積層板1Aを調製した。
得られた片面銅張積層板1Aを、塩化第二鉄水溶液を用いて、銅箔をエッチング除去して、ポリイミドフィルム1aを調製した。ポリイミドフィルム1aについて、HAZE、T.T.、YI、CTE及びTgを求めた。これらの測定結果を表2に示す。得られた片面金属張積層板1Aについて、硬化後のMDスジを評価し、また、1mm配線に加工したポリアミド層塗布面のピール強度は、1.2kN/mであった。また、ハンダ耐熱性が250℃以上であった。
実施例1-2
また、塗工基材として、50μmの離型PETフィルムを用いた。ポリアミド酸溶液Bを硬化後の厚みが22.5μmとなるように均一に塗布した後、70℃までの温度範囲で上記と同様に段階的に加熱乾燥し溶剤を除去した。加熱乾燥により溶剤が除去されたポリアミド酸の樹脂層Bを離型フィルムから剥がし、塗工乾燥後の厚み、残存溶剤量、前記弾性率E’を測定した。測定結果を表3にまとめた。
Figure 2024052391000008
Figure 2024052391000009
実施例2~3、実施例2-2~3-2
表2及び表3に示す銅箔及びポリアミド酸溶液を使用した。保護フィルムをパックに変更し且つ下記に記載する保護フィルムの貼合方法とした以外は、実施例1と同様にして、積層体2A-1~3A-1、片面金属張積層板2A~3Aを調製し、ポリイミドフィルム2a~3aを調製した。なお、保護フィルムの貼合方法は、実施例2~3では粘着層を持つパックを用いたため、実施例1とは異なり、ドライラミネート法により積層体主面へ貼合した。ラミネート条件は、支持体厚み、樹脂層厚み及び保護フィルム厚みの合計厚みのクリアランスを開けて実施し、外観良好な積層体を得た。ポリイミドフィルム2a~3aについて、HAZE、T.T.、YI、CTE、及びTgを求めた。また、積層体2A-1~3A-1(又は各ポリアミド酸フィルム)について、前記同様にして、折れ込みの有無、癒着、塗工乾燥後の厚み、残存溶剤量、前記弾性率E’を測定した。また、片面金属張積層板2A~3Aについて、ピール強度、MDスジ、ハンダ耐熱性を求めた。測定結果を表2~3にまとめた。
比較例1
銅箔Iの上に、ポリアミド酸溶液Aを硬化後の厚みが1.5μmとなるように均一に塗布した後、120℃までの温度範囲で段階的に加熱乾燥し、溶剤を除去した。次に、その上にポリアミド酸溶液Dの溶液を硬化後の厚みが22.5μmとなるように均一に塗布した後、70℃までの温度範囲で段階的に加熱乾燥し溶剤を除去した。ポリアミド酸の樹脂層Dは、癒着が発生し、塗工しようとしていたポリアミド酸溶液Cを塗工する際に、巻き出しできなかった。ポリアミド酸の樹脂層A/D(ポリアミド酸フィルムA/D)をカットし取り出し、折れ込みの有無、塗工乾燥後の厚みを測定した。また、癒着を評価し×であった。測定結果を表4にまとめた。
比較例1-2
また、塗工基材として、50μmの離型PETフィルムを用いた。ポリアミド酸溶液Dを硬化後の厚みが22.5μmとなるように均一に塗布した後、70℃までの温度範囲で上記と同様に段階的に加熱乾燥し溶剤を除去した。加熱乾燥により溶剤が除去されたポリアミド酸の樹脂層Dを離型フィルムから剥がし、塗工乾燥後の厚み、残存溶剤量、前記弾性率E’を測定した。測定結果を表5にまとめた。
比較例2
銅箔Iの上に、ポリアミド酸溶液Aを硬化後の厚みが1.5μmとなるように均一に塗布した後、120℃までの温度範囲で段階的に加熱乾燥し、溶剤を除去した。次に、その上にポリアミド酸溶液Bを硬化後の厚みが22.5μmとなるように均一に塗布した後、120℃までの温度範囲で段階的に加熱乾燥し溶剤を除去した。この時、積層体が加熱中にカールが発生し、加熱炉から出てきて、巻き取りの際に、折れ込みが発生し、ロールサンプルを作製できなかった。測定結果を表4にまとめた。
比較例2-2
また、塗工基材として、50μmの離型PETフィルムを用いた。ポリアミド酸溶液Bを硬化後の厚みが22.5μmとなるように均一に塗布した後、120℃までの温度範囲で上記と同様に段階的に加熱乾燥し溶剤を除去した。加熱乾燥により溶剤が除去されたポリアミド酸の樹脂層Bを離型フィルムから剥がし、塗工乾燥後の厚み、残存溶剤量、前記弾性率E’を測定した。測定結果を表5にまとめた。
比較例3
銅箔Iの上に、ポリアミド酸溶液Aを硬化後の厚みが1.5μmとなるように均一に塗布した後、120℃までの温度範囲で段階的に加熱乾燥し、溶媒を除去した。次に、その上にポリアミド酸溶液Bを硬化後の厚みが22.5μmとなるように均一に塗布した後、80℃までの温度範囲で段階的に加熱乾燥し溶媒を除去した。更に、その上にポリアミド酸溶液Cを硬化後の厚みが1.5μmとなるように均一に塗布した後、120℃までの温度範囲で段階的に加熱乾燥し溶剤を除去した。このようにして、3層のポリアミド酸の樹脂層を形成した後、125℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結し、銅箔上に、順にポリイミド層A/ポリイミド層B/ポリイミド層Cからなる厚みが25.5μmのポリイミド層を形成し、片面銅張積層板6Aを調製した。
得られた片面銅張積層板6Aを、塩化第二鉄水溶液を用いて、銅箔をエッチング除去して、ポリイミドフィルム6aを調製した。ポリイミドフィルム6aについて、HAZE、T.T.、YI、CTE、及びTgを求めた。これらの測定結果を表4に示す。
得られた片面銅張積層板6Aについて、硬化後にはMDスジ模様があった。また、1mm配線を加工したポリアミド酸塗布面のピール強度は、1.2kN/mであった。また、ハンダ耐熱性が250℃以上であった。
比較例3-2
実施例3-2と同様に行った、測定結果を表5にまとめた。
Figure 2024052391000010
Figure 2024052391000011

Claims (9)

  1. 支持体と、ポリイミド層とを備えた積層板の製造方法であって、
    下記の工程I~IV;
    I)支持体上に、少なくとも一層のポリアミド酸の樹脂層を積層する工程、
    II)前記工程Iで積層されたポリアミド酸の樹脂層のうちの最外層のポリアミド酸の樹脂層の表面に保護フィルムを配置して巻芯に巻き取り、保護フィルム付き積層体のロールを得る工程、
    III)前記巻芯から前記保護フィルム付き積層体のロールを巻き出しながら保護フィルムを剥離する工程、
    IV)前記工程IIIの後に、前記ポリアミド酸の樹脂層をイミド化してポリイミド層を形成する工程、
    を含むことを特徴とする積層板の製造方法。
  2. 前記工程IIIとIVとの間に、さらに、下記の工程I’~III’;
    I’)少なくとも一層のポリアミド酸の樹脂層を積層する工程、
    II’)前記工程I’で積層された最外層のポリアミド酸の樹脂層の表面に保護フィルムを配置して巻芯に巻き取り、保護フィルム付き積層体のロールを得る工程、
    III’)前記II’における巻芯から前記保護フィルム付き積層体のロールを巻き出しながら保護フィルムを剥離する工程、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の積層板の製造方法。
  3. 前記ポリアミド酸の樹脂層のいずれか又は全部は、残存溶剤量が当該樹脂層に対して30~45質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層板の製造方法。
  4. 前記保護フィルムは、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリイミド及びポリエチレンナフタレートからなる群から選択されるいずれか1種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層板の製造方法。
  5. 前記ポリイミド層の全光線透過率が75%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層板の製造方法。
  6. 前記ポリイミド層のHAZEが10%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層板の製造方法。
  7. 前記ポリイミド層の主たる層を構成するポリイミドが、フッ素原子を含む芳香族ジアミン化合物、フルオレン構造を含む芳香族ジアミン化合物及び脂環族構造を含む脂環族ジアミン化合物からなる群から選択されるいずれか1種以上から誘導されるジアミン残基と、フッ素原子を含む芳香族テトラカルボン酸二無水物、フルオレン構造を含む芳香族テトラカルボン酸二無水物及び脂環族構造を含む脂環族テトラカルボン酸二無水物からなる群から選択されるいずれか1種以上から誘導される酸無水物残基とのいずれか又は両方を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の積層板の製造方法。
  8. 前記支持体と前記ポリイミド層との180°ピール強度が0.5kN/m以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層板の製造方法。
  9. 請求項1又は2に記載の積層板の製造方法において得られる保護フィルム付き積層体のロールであって、
    支持体上に少なくとも一層のポリアミド酸の樹脂層が積層され、前記積層されたポリアミド酸の樹脂層のうちの最外層のポリアミド酸の樹脂層の表面に保護フィルムが配置され、
    前記ポリアミド酸の樹脂層はいずれもその残存溶剤量が当該樹脂層に対して30~45質量%の範囲内であることを特徴とする保護フィルム付き積層体のロール。
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