JP2019085467A - 付加硬化型シリコーン組成物、硬化物、光学素子 - Google Patents

付加硬化型シリコーン組成物、硬化物、光学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】高い耐熱変色性かつ高い耐硫化性を有する硬化物を与える付加硬化型シリコーン組成物、及びその硬化物によって封止された光学素子の提供。【解決手段】(A−1)平均組成式(1)で表される分岐状オルガノポリシロキサンで、平均組成式(1)における(R2R12SiO1/2)単位として、一分子中に少なくともアルケニル基を二つ以上有するオルガノポリシロキサンと、(A−2)直鎖状オルガノポリシロキサンとの質量比(A−1):(A−2)が100:0〜50:50となる量と、(B)シロキサン単位を一分子中に少なくとも二つ以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、(C)白金族金属を含むヒドロシリル化触媒と、を含む付加硬化型シリコーン組成物。(R13SiO1/2)a(R2R12SiO1/2)b(R2R1SiO)c(R12SiO)d(R2SiO3/2)e(R1SiO3/2)f(SiO4/2)g・・・(1)【選択図】なし

Description

本発明は、付加硬化型のシリコーン組成物、その硬化物、及び該硬化物で封止された光学素子に関する。
光半導体素子として発光ダイオード(LED)を有するデバイスは、一般的に基板に実装されたLEDを透明な樹脂からなる封止材料で封止した構成である。この封止材料としては、従来からエポキシ樹脂が使用されていたが、近年の半導体パッケージの小型化や、LEDの高輝度化に伴う発熱量の増大や光の短波長化によって樹脂にクラッキングや黄変が発生し、信頼性の低下を招いていた。
そこで、耐熱性・耐熱変色性の観点から、封止材料としてシリコーン樹脂組成物が着目され、また、付加反応硬化型のシリコーン樹脂組成物は加熱により短時間で硬化可能であるため生産性が高く、LEDの封止材料として使用されている(特許文献1)。
反面、シリコーン樹脂はエポキシ樹脂に比べて気体透過性が高いため、空気中に存在する硫黄化合物によるLEDの銀基板の腐食を引き起こす場合があった。ジメチルシロキサン単位とジフェニルシロキサン単位からなる主鎖、又は、メチルフェニルシロキサン単位からなる主鎖を有するシリコーン組成物(特許文献2)を用いた場合は、耐熱変色性に優れ、銀基板の腐食をある程度抑制することが可能であるが、この耐硫化性は未だ不充分なものであった。
一方、多環式炭化水素骨格含有成分を含む有機変性オルガノポリシロキサン組成物を用いた光半導体素子用封止材料が提案されている(特許文献3、4)。このような組成物は一般的にフェニル系シリコーンを用いた封止材料よりも耐硫化性に優れ、銀基板の腐食を抑えることが可能であるが、高温に曝された場合の変色が大きく、耐熱変色性が不十分なものであった。このように、透明性及び機械的強度に優れ、耐硫化性および耐熱変色性を共に満足するような光半導体素子用封止材料が求められている。
特開2004−292714号公報 特開2010−132795号公報 特開2008−069210号公報 特開2012−046604号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、高い耐熱変色性かつ高い耐硫化性を有する硬化物を与える付加硬化型シリコーン組成物、及びその硬化物によって封止された信頼性の高い光学素子を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、本発明では、(A−1)下記平均組成式(1)で表される分岐状オルガノポリシロキサン
(R SiO1/2(R SiO1/2(RSiO)(R SiO)(RSiO3/2(RSiO3/2(SiO4/2 ・・・(1)
(式中、Rはアルケニル基を含まない同種又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、全Rの少なくとも10モル%はアリール基であり、Rはアルケニル基である。但し、a、b、c、d、e、f、gはそれぞれ、a≧0、b>0、c≧0、d≧0、e≧0、f≧0及びg≧0を満たす数であり、但し、e+f+g>0であり、かつ、a+b+c+d+e+f+g=1を満たす数)であって、前記平均組成式(1)における(R SiO1/2)単位として、一分子中に少なくとも下記式(2)で表されるシロキサン単位を二つ以上有するオルガノポリシロキサン、
Figure 2019085467
(式中、Rは前記と同様である。)
(A−2)下記式(3)で表される直鎖状オルガノポリシロキサン:質量比(A−1):(A−2)が100:0〜50:50となる量(但し、(A−2)成分は0質量部より多い)。
Figure 2019085467
(式中、R1’はアルケニル基を含まない同種又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、Rはメチル基又はフェニル基、hは0〜50の整数であり、iは0〜100の整数であり、各シロキサン単位の配列順は任意である。但し、hが0の時、Rはフェニル基であり、かつ、iは1〜100の整数であり、括弧が付されたシロキサン単位の配列はランダムであってもブロックであってもよい。)
(B)下記式(4)で表されるシロキサン単位を一分子中に少なくとも二つ以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A−1)及び(A−2)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1個に対して(B)成分中のケイ素原子結合水素原子の数が、0.1〜5.0個となる量
Figure 2019085467
及び、
(C)白金族金属を含むヒドロシリル化触媒
を含む付加硬化型シリコーン組成物を提供する。
このような付加硬化型シリコーン組成物であれば、高い耐熱変色性かつ高い耐硫化性を有する硬化物を与えることができるものとなる。
また、前記式(2)におけるR及び前記式(3)におけるR1’がフェニル基又はメチル基であることが好ましい。
このようなものであれば、(A−1)成分として好適に用いることができる。
また、前記(B)成分の配合量が、前記(A−1)及び前記(A−2)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基1個に対する前記(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の数が1.0〜3.0個となる量であることが好ましい。
このような配合量であれば、組成物の硬化物に高い強度と耐硫化性を付与することができる。
前記(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが、下記式(5)又は(6)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンであることが好ましい。
Figure 2019085467
(式中、各シロキサン単位の配列順はランダムであってもブロックであってもよい。)
Figure 2019085467
このようなものであれば、(B)成分として好適に用いることができる。
また、本発明は、上記付加硬化型シリコーン組成物を硬化したものである硬化物を提供する。
このような硬化物であれば、強度特性が良好であり、高い耐硫化性、高い耐熱変色性、高い屈折率を有するものとなる。
さらに、本発明は、上記硬化物で封止されたものである光学素子を提供する。
本発明の硬化物は、強度特性が良好であり、高い耐硫化性、高い耐熱変色性、高い屈折率を有する。従って、このような硬化物で封止された光学素子は、信頼性の高いものとなる。
以上のように、本発明の付加硬化型シリコーン組成物は、高透明、高屈折率、高耐硫化性を有し、かつ耐熱変色性に優れる硬化物を与えることができる。従って、このような本発明の硬化物は、光学素子封止材料に好適に使用することができる。
上述のように、高い耐熱変色性かつ高い耐硫化性を有する硬化物を与える付加硬化型シリコーン組成物、及びその硬化物によって封止された信頼性の高い光学素子の開発が求められていた。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、後述する(A−1)、(A−2)、(B)、及び(C)成分を含む付加硬化型シリコーン組成物であれば、上記課題を達成できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、(A−1)下記平均組成式(1)で表される分岐状オルガノポリシロキサン
(R SiO1/2(R SiO1/2(RSiO)(R SiO)(RSiO3/2(RSiO3/2(SiO4/2 ・・・(1)
(式中、Rはアルケニル基を含まない同種又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、全Rの少なくとも10モル%はアリール基であり、Rはアルケニル基である。但し、a、b、c、d、e、f、gはそれぞれ、a≧0、b>0、c≧0、d≧0、e≧0、f≧0及びg≧0を満たす数であり、但し、e+f+g>0であり、かつ、a+b+c+d+e+f+g=1を満たす数)であって、前記平均組成式(1)における(R SiO1/2)単位として、一分子中に少なくとも下記式(2)で表されるシロキサン単位を二つ以上有するオルガノポリシロキサン、
Figure 2019085467
(式中、Rは前記と同様である。)
(A−2)下記式(3)で表される直鎖状オルガノポリシロキサン:質量比(A−1):(A−2)が100:0〜50:50となる量(但し、(A−2)成分は0質量部より多い)。
Figure 2019085467
(式中、R1’はアルケニル基を含まない同種又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、Rはメチル基又はフェニル基、hは0〜50の整数であり、iは0〜100の整数であり、各シロキサン単位の配列順は任意である。但し、hが0の時、Rはフェニル基であり、かつ、iは1〜100の整数であり、括弧が付されたシロキサン単位の配列はランダムであってもブロックであってもよい。)
(B)下記式(4)で表されるシロキサン単位を一分子中に少なくとも二つ以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A−1)及び(A−2)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1個に対して(B)成分中のケイ素原子結合水素原子の数が、0.1〜5.0個となる量
Figure 2019085467
及び、
(C)白金族金属を含むヒドロシリル化触媒
を含む付加硬化型シリコーン組成物である。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[付加硬化型シリコーン組成物]
本発明の付加硬化型シリコーン組成物は、下記の(A−1)、(A−2)、(B)、及び(C)成分を含有するものである。以下、各成分について詳細に説明する。
<(A−1)分岐状オルガノポリシロキサン>
(A−1)成分は下記平均組成式(1)で表される分岐状オルガノポリシロキサン
(R SiO1/2(R SiO1/2(RSiO)(R SiO)(RSiO3/2(RSiO3/2(SiO4/2 ・・・(1)
(式中、Rはアルケニル基を含まない同種又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、全Rの少なくとも10モル%はアリール基であり、Rはアルケニル基である。但し、a、b、c、d、e、f、gはそれぞれ、a≧0、b>0、c≧0、d≧0、e≧0、f≧0及びg≧0を満たす数であり、但し、e+f+g>0であり、かつ、a+b+c+d+e+f+g=1を満たす数)であって、前記平均組成式(1)における(R SiO1/2)単位として、一分子中に少なくとも下記式(2)で表されるシロキサン単位を二つ以上有する。
Figure 2019085467
(式中、Rは前記と同様である。)
(A−1)成分は、シリコーン組成物の補強性を得るために必要な成分であり、SiO3/2単位及びSiO4/2単位のいずれか又はその両方を含有する。
(A−1)成分は上記式(2)で表されるシロキサン単位を一分子中に二つ以上有する。上記式(2)で表されるシロキサン単位を有することにより、シリコーン組成物の硬化物に高強度、高屈折率、高耐硫化性を付与することが可能となる。
上記Rとしては、アルケニル基を含まないものであれば特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等の、通常、炭素原子数が1〜12、好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜8の、非置換又はハロゲン置換の一価炭化水素基が挙げられ、特にメチル基が好ましい。
全R中の少なくとも10モル%がアリール基である。アリール基が10モル%未満であると、硬化物に、より高硬度と高い耐硫化性を付与することができない。アリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられ、特にフェニル基が好ましい。
上記Rはアルケニル基であり、ビニル基、アリル基、エチニル基等の炭素数2〜10のものが好ましく、より好ましくは炭素数2〜6のアルケニル基であり、特にビニル基が好ましい。
(A−1)成分中、式(2)で表されるシロキサン単位の含有量は(A−1)成分100g当たり、0.01〜1molの範囲であることが好ましく、0.05〜0.5molの範囲であることがより好ましい。上記範囲を満たすことで、高硬度及び高い耐硫化性を有する硬化物が得られる。
(A−1)成分は、23℃において蝋状もしくは固体である三次元網状のオルガノポリシロキサン樹脂であることが好ましい。「蝋状」とは、23℃において、10,000Pa・s以上、特に100,000Pa・s以上の、自己流動性を示さないガム状(生ゴム状)であることを意味する。
(A−1)成分は一種単独でも二種以上を併用してもよい。
<(A−2)直鎖状オルガノポリシロキサン>
(A−2)成分は、下記式(3)で表され、主鎖が側鎖にフェニル基を持つ単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がビニル基とフェニル基を含有する、トリオルガノシロキシ基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンである。
Figure 2019085467
(式中、R1’はアルケニル基を含まない同種又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、Rはメチル基又はフェニル基、hは0〜50の整数であり、iは0〜100の整数であり、各シロキサン単位の配列順は任意である。但し、hが0の時、Rはフェニル基であり、かつ、iは1〜100の整数であり、括弧が付されたシロキサン単位の配列はランダムであってもブロックであってもよい。)
(A−2)成分において、式(3)中のR1’は(A−1)成分中のRと同じものが例示される。
式(3)中のhは0〜50の整数であり、iは0〜100の整数であり、hが0の時Rはフェニル基で、iは1〜100である。h及びiが上記範囲外であると、組成物の硬化物に高い硬度と耐硫化性を付与することができない。
(A−2)成分の25℃における粘度は10〜100,000mPa・sが好ましく、より好ましくは10〜10,000mPa・sの範囲である。粘度が上記範囲内であれば、本成分が必要以上にソフトセグメントとして働く恐れがなく、目標とする高硬度を得ることができる。また、組成物の粘度が著しく高くなり作業性に劣るといった問題が生じる恐れがない。
(A−2)成分の分子鎖両末端は、ビニル基とフェニル基を含有するトリオルガノシロキシ基で封鎖されている。これにより、硬化物に高い強度と耐硫化性を付与することが可能となる。(A−2)成分の具体例としては、両末端メチルフェニルビニル基封鎖ジフェニルシロキサン、片末端メチルフェニルビニル基片末端ジフェニルビニル基封鎖ジフェニルシロキサン、両末端ジフェニルビニル基封鎖ジフェニルシロキサン、両末端ジフェニルビニル基封鎖ジフェニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等が挙げられる。(A−2)成分は一種単独でも二種以上を併用してもよい。
(A−1)成分の(A−2)成分に対する比率も、本発明の組成物の重要なファクターの一つである。(A−1)成分の配合量は、質量比(A−1):(A−2)が100:0〜50:50となる量であり(但し、(A−2)成分は0質量部より多い)、好ましくは(A−1):(A−2)が80:20〜60:40となる量である。(A−1)成分の配合量が上記範囲未満であると、高硬度及び高い耐硫化性を有する硬化物を得ることが困難となる。
<(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン>
(B)成分は、(A−1)及び(A−2)成分とヒドロシリル化反応を起こし、架橋剤として作用する、下記式(4)で表されるシロキサン単位を少なくとも一分子中に二つ以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。これを有することで、(B)成分を含むシリコーン組成物の硬化物に高硬度と高い耐硫化性を付与することが可能となる。
Figure 2019085467
(B)成分の分子構造に特に制限はなく、例えば、直鎖状、環状、分岐鎖状、三次元網状(樹脂状)構造等の、各種のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用することができる。更に、(B)成分は23℃で液状であっても蝋状又は固体であってもよい。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に少なくとも2個、好ましくは3〜300個、特に好ましくは3〜100個のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、ヒドロシリル基(SiH基))を有する。(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが直鎖状構造である場合、これらのSiH基は、分子鎖末端及び末端以外のどちらか一方にのみ位置していても、その両方に位置していてもよい。
(B)成分の1分子中のケイ素原子の数(重合度)は、好ましくは2〜300個、より好ましくは3〜200個、更に好ましくは4〜150個である。
(B)成分としては、例えば、下記平均組成式(7)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを用いることができる。
SiO(4−j−k)/2 (7)
(式中、Rは、アルケニル基を含まない、互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の、炭素原子数が好ましくは1〜12、より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜8の、ケイ素原子に結合した一価炭化水素基であり、(A−1)成分中のR及び(A−2)成分中のR1’と同様のものが例示される。また、j及びkは、好ましくは0.7≦j≦2.1、0.001≦k≦1.0であり、かつ0.8≦j+k≦3.0を満たす正数であり、より好ましくは1.0≦j≦2.0、0.01≦k≦1.0であり、かつ1.55≦j+k≦2.5を満足する正数である。)
(B)成分の具体的な例としては、例えば、両末端ジメチルフェニルシロキシ基封鎖メチルフェニルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端メチルフェニルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジフェニルポリシロキサン、両末端メチルフェニルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、等が挙げられる。
より具体的には、(B)成分として、下記式(5)又は(6)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。
Figure 2019085467
(式中、各シロキサン単位の配列順はランダムであってもブロックであってもよい。)
Figure 2019085467
(B)成分の配合量は、(A−1)及び(A−2)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1個に対して(B)成分中のケイ素原子結合水素原子の数が、0.1〜5.0個、好ましくは0.5〜3.0の範囲内となる量であり、より好ましくは1.0〜3.0の範囲内となる量である。(B)成分の配合量が上記範囲外であると、組成物の硬化物に高い硬度と耐硫化性を付与することができない。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
<(C)白金族金属を含むヒドロシリル化触媒>
(C)成分の白金族金属を含むヒドロシリル化触媒は、付加反応触媒として働き、(A−1)及び(A−2)成分中のアルケニル基と(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子との付加反応を促進するものである。その具体例としては、白金、パラジウム、ロジウム等や塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィン類、ビニルシロキサン又はアセチレン化合物との配位化合物、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等の、白金族金属又はそれらの化合物が挙げられるが、特に好ましくは白金系化合物である。
(C)成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
(C)成分の配合量は、触媒としての有効量でよいが、(A−1)、(A−2)成分及び(B)成分の合計量に対して、触媒金属元素に換算して質量基準で1〜500ppmの範囲であることが好ましく、1〜100ppmの範囲であることがより好ましい。かかる範囲を満たすと、付加反応の反応速度が適切なものとなり、高い強度を有する硬化物を得ることができる。
<(D)その他の成分>
上記の成分以外にも、本発明の組成物には樹脂に対する接着性を高めるために、接着性向上剤を添加してもよい。
接着性向上剤としては、付加反応硬化型である本発明の組成物に自己接着性を付与する観点から、接着性を付与する官能基を含有するシラン、シロキサン等の有機ケイ素化合物、非シリコーン系有機化合物等が用いられる。
接着性を付与する官能基の具体例としては、ケイ素原子に結合したビニル基、アリル基等のアルケニル基、水素原子;炭素原子を介してケイ素原子に結合したエポキシ基(例えば、γ−グリシドキシプロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基等)や、アクリロキシ基(例えば、γ−アクリロキシプロピル基等)もしくはメタクリロキシ基(例えば、γ−メタクリロキシプロピル基等);アルコキシシリル基(例えば、エステル構造、ウレタン構造、エーテル構造を1〜2個含有してもよいアルキレン基を介してケイ素原子に結合したトリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基等のアルコキシシリル基等)等が挙げられる。
接着性を付与する官能基を含有する有機ケイ素化合物は、シランカップリング剤、アルコキシシリル基と有機官能性基を有するシロキサン、反応性有機基を有する有機化合物にアルコキシシリル基を導入した化合物等が例示される。
また、非シリコーン系有機化合物としては、例えば、有機酸アリルエステル、エポキシ基開環触媒、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物等が挙げられる。
本発明の組成物には補強性を向上させるために微粉末シリカを配合してもよい。この微粉末シリカは、好ましくは比表面積(BET法)が50m/g以上であり、より好ましくは50〜400m/g、特に好ましくは100〜300m/gである。比表面積が50m/g以上であれば、硬化物に十分な補強性を付与できる。
本発明において、このような微粉末シリカとしては、従来からシリコーンゴムの補強性充填剤として使用されている公知のものが使用可能であり、例えば、煙霧質シリカ(乾式シリカ)、沈降シリカ(湿式シリカ)等が挙げられる。微粉末シリカはそのまま使用してもよいが、組成物に良好な流動性を付与するため、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン等のメチルクロロシラン類、ジメチルポリシロキサン、ヘキサメチルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザン、ジメチルテトラビニルジシラザン等のヘキサオルガノジシラザン等の有機ケイ素化合物で処理したものを使用することが好ましい。補強性シリカは一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
また、本発明の組成物には、(C)成分の付加反応触媒に対して硬化抑制効果を持つ反応抑制剤を使用することができる。この反応抑制剤としては、トリフェニルホスフィン等のリン含有化合物;トリブチルアミンやテトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾール等の窒素含有化合物;硫黄含有化合物;アセチレン系化合物;ハイドロパーオキシ化合物;マレイン酸誘導体等が例示される。
反応抑制剤による硬化抑制効果の度合いは、反応抑制剤の化学構造によって大きく異なるため、反応抑制剤の配合量は、使用する反応抑制剤ごとに最適な量に調整することが好ましい。反応抑制剤の配合量が最適な量であれば、室温での組成物の長期貯蔵安定性が得られない恐れや、組成物の硬化が阻害される恐れがない。通常は、(A−1)成分、(A−2)成分及び(B)成分のオルガノポリシロキサンの合計100質量部に対して0.001〜5質量部であることが好ましい
更に、その他の任意の成分としては、例えば、結晶性シリカ、中空フィラー、シルセスキオキサン等の無機質充填剤、及びこれらの充填剤をオルガノアルコキシシラン化合物、オルガノクロロシラン化合物、オルガノシラザン化合物、低分子量シロキサン化合物等の有機ケイ素化合物により表面疎水化処理した充填剤等;シリコーンゴムパウダー、シリコーンレジンパウダー等が挙げられる。
[硬化物]
また、本発明は、上記付加硬化型シリコーン組成物を硬化したものである硬化物を提供する。
本発明の付加硬化型シリコーン組成物の硬化方法、条件は、公知の硬化方法、条件を採用することができる。一例としては100〜180℃において10分〜5時間の条件で硬化させることができる。
本発明の付加硬化型シリコーン組成物を硬化させて得られる上記硬化物は、強度及び屈折率が高く、耐硫化性に優れ、特に、光透過率が高いことから、半導体素子の封止材、光学部材や電気・電子用の保護コーティング材として使用することができる。
[光学素子]
さらに、本発明は、上記硬化物で封止されたものである光学素子を提供する。
上述のように、本発明の硬化物は、強度及び屈折率が高く、耐硫化性に優れ、特に、光透過率が高い。従って、このような硬化物で封止された光学素子は、信頼性の高いものとなる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、実施例中の粘度は25℃において回転粘度計を用いて測定した値である。
[実施例1〜3、比較例1〜3]
表1に示す配合比で下記の各成分を混合し、付加硬化型シリコーン組成物を調製した。なお、表1において、部は質量部を示す。
(A−1)成分:
(CH=CH(CH)(C)SiO1/2((CSiO)3.8(SiO4.3で表される分岐状シリコーンレジン
(A−2)成分:
(A−2−a)(CH=CH(CH)(C)SiO1/2((CSiO)で表される、粘度2,000mPa・sの直鎖状シリコーンオイル
(A−2−b)(CH=CH(CH)(C)SiO1/2((CSiO)で表される、粘度240mPa・sの直鎖状シリコーンオイル
(A−2−c)(CH=CH(CHSiO1/2((CSiO)で表される、粘度700mPa・sの直鎖状シリコーンオイル
(B)成分:
(B−a)下記式(8)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン
Figure 2019085467
(式中、各シロキサン単位の配列順は任意である。)
(B−b)下記式(9)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン
Figure 2019085467
(B−c)下記式(10)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン
Figure 2019085467
(B−d)下記式(11)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン
Figure 2019085467
(式中、各シロキサン単位の配列順は任意である。)
(B−e)下記式(12)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン
Figure 2019085467
(C)成分
白金触媒:六塩化白金酸と1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体を、白金含有量1.0質量%となるように粘度600mPasのジメチルオルガノポリシロキサンで稀釈したもの。
その他の成分:
(D)エチニルシクロヘキサノール
(E−a)下記式(13)で表される接着付与成分
Figure 2019085467
(E−b)下記式(14)で表される接着付与成分
Figure 2019085467
実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた付加硬化型シリコーン組成物について、下記の評価を行い、結果を表2に示した。また、比較例4には、上記式(2)で表されるシロキサン単位を有しない有機変性シリコーン材料として、信越化学工業社製 SCR−1016を用いた。
(硬さ)
組成物を2mm厚になるよう型に流し込み、150℃×4時間の条件で硬化させた。硬化物のTypeD硬度をJIS K6253 に準拠して測定した。TypeD硬度50以上であれば、硬度が十分に高い材料と判断できる。
(屈折率)
屈折率はATAGO製デジタル屈折系RX−5000を用いて、測定波長589nmの屈折率を25℃で測定した。屈折率が1.5以上であれば、十分に高屈折の材料となる。
(光半導体パッケージ(PKG)の作製)
LED用パッケージ基板として、光半導体素子を載置する凹部を有し、その底部に銀メッキされた第1のリードと第2のリードが設けられたLED用パッケージ基板[SMD5050(I−CHIUN PRECISION INDUSTRY CO.,社製)]、光半導体素子として、EV−B35A(SemiLEDs社製)を、それぞれ用意した。
ダイボンダー(ASM社製 AD−830)を用いて、パッケージ基板の銀メッキされた第1のリードに、信越化学工業社製のダイボンド材KER−3000−M2をスタンピングにより定量転写し、その上に光半導体素子を搭載した。次にパッケージ基板をオーブンに投入し、ダイボンド材を加熱硬化させ(150℃、2時間)、光半導体素子の下部電極と第1のリードを電気的に接続した。次いでワイヤーボンダーを用いて、該光半導体素子が搭載された該LED用パッケージ基板を光半導体素子の上部電極と第2のリードに対して金ワイヤー(田中電子工業社製 FA 25μm)を用いて電気的に接続し、光半導体素子が搭載されたLED用パッケージ基板各1枚を得た。
(硫化試験)
組成物を所定のPKGに封入し、150℃×4時間の条件で硬化させた。次に100g瓶に硫黄粉末0.1gを入れ、樹脂を封入したPKGを入れたのちに密閉した。70℃×48時間後にPKGを取り出し、銀基板の色を目視観察することにより、耐硫化性とした。PKGの銀基板が黒く変色していれば×、変色していなければ○とし、○であれば耐硫化性が優れていることを示す。
(酸素透過率)
組成物を外径100mmΦ、1mm厚になるように型に流し込み、150℃×4時間の条件で硬化させた。その硬化物をイリノイ社製 酸素透過率測定装置8000シリーズを用いて、酸素透過率を測定した。数値が低いほど、ガスバリア性に優れ、耐硫化性の高い材料となる。
(光透過率)
組成物を2mm厚になるように型に流し込み、150℃×4時間の条件で硬化させた。その硬化物の波長400nmにおける透過率を測定した。80%以上であれば透明性が十分に高い材料となる。
(耐熱変色性)
組成物を2mm厚になるよう型に流し込み、150℃×4時間の条件で硬化させた。硬化物を180℃×100時間の条件下に暴露した後、波長400nmにおける透過率を測定した。初期の光透過率との差が小さいほど、耐熱変色性に優れた材料と評価される。
Figure 2019085467
1)(A−1)成分及び(A−2)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1個に対する(B)成分中のケイ素原子結合水素原子の数
Figure 2019085467
表2に示すように、実施例1〜3のシリコーン硬化物は高い硬度を有し、高強度、高屈折率であり、かつ酸素透過率が低いため耐硫化性に優れるものであった。さらに、高温時での変色も少なく、耐硫化性・耐熱変色性を両立させた信頼性の高い材料であった。
一方、本発明の(B)成分を含有しない比較例1では強度に劣り、かつ酸素透過率が250ccと高く、これに伴い硫化試験において銀基板が黒く変色しており、耐硫化性に劣るものであった。本発明の(A)成分又は(B)成分を含有しない比較例2、3では耐熱変色性が高いものの、酸素透過率が高く耐硫化性に劣るものであることが確かめられた。さらに、従来の有機変性シリコーンである比較例4では、耐硫化性に優れるものの、耐熱変色性に劣ることがわかった。
以上のことから、本発明の付加硬化型シリコーン組成物は、屈折率が高く、高強度に加え、従来のフェニル系シリコーン(比較例1〜3)よりも高い耐硫化性を有しかつ従来の有機変性シリコーン(比較例4)よりも耐熱変色性に優れる、LED用途に好適な硬化物を与えることが実証された。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (6)

  1. (A−1)下記平均組成式(1)で表される分岐状オルガノポリシロキサン
    (R SiO1/2(R SiO1/2(RSiO)(R SiO)(RSiO3/2(RSiO3/2(SiO4/2 ・・・(1)
    (式中、Rはアルケニル基を含まない同種又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、全Rの少なくとも10モル%はアリール基であり、Rはアルケニル基である。但し、a、b、c、d、e、f、gはそれぞれ、a≧0、b>0、c≧0、d≧0、e≧0、f≧0及びg≧0を満たす数であり、但し、e+f+g>0であり、かつ、a+b+c+d+e+f+g=1を満たす数)であって、前記平均組成式(1)における(R SiO1/2)単位として、一分子中に少なくとも下記式(2)で表されるシロキサン単位を二つ以上有するオルガノポリシロキサン、
    Figure 2019085467
    (式中、Rは前記と同様である。)
    (A−2)下記式(3)で表される直鎖状オルガノポリシロキサン:質量比(A−1):(A−2)が100:0〜50:50となる量(但し、(A−2)成分は0質量部より多い)。
    Figure 2019085467
    (式中、R1’はアルケニル基を含まない同種又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、Rはメチル基又はフェニル基、hは0〜50の整数であり、iは0〜100の整数であり、各シロキサン単位の配列順は任意である。但し、hが0の時、Rはフェニル基であり、かつ、iは1〜100の整数であり、括弧が付されたシロキサン単位の配列はランダムであってもブロックであってもよい。)
    (B)下記式(4)で表されるシロキサン単位を一分子中に少なくとも二つ以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:前記(A−1)成分及び(A−2)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1個に対して前記(B)成分中のケイ素原子結合水素原子の数が、0.1〜5.0個となる量
    Figure 2019085467
    及び、
    (C)白金族金属を含むヒドロシリル化触媒
    を含むことを特徴とする付加硬化型シリコーン組成物。
  2. 前記式(2)におけるR及び前記式(3)におけるR1’がフェニル基又はメチル基であることを特徴とする請求項1に記載の付加硬化型シリコーン組成物。
  3. 前記(B)成分の配合量が、前記(A−1)及び前記(A−2)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基1個に対する前記(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の数が1.0〜3.0個となる量であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の付加硬化型シリコーン組成物。
  4. 前記(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが、下記式(5)又は(6)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の付加硬化型シリコーン組成物。
    Figure 2019085467
    (式中、各シロキサン単位の配列順はランダムであってもブロックであってもよい。)
    Figure 2019085467
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の付加硬化型シリコーン組成物を硬化したものであることを特徴とする硬化物。
  6. 請求項5に記載の硬化物で封止されたものであることを特徴とする光学素子。
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