JP2019085028A - ブレーキ制御装置、ブレーキ制御方法およびブレーキシステム - Google Patents

ブレーキ制御装置、ブレーキ制御方法およびブレーキシステム Download PDF

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謙 吉原
大澤 俊哉
Toshiya Osawa
俊哉 大澤
旭 渡辺
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旭 渡辺
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Abstract

【課題】 運転者のブレーキ操作に対する制動力の応答遅れを低減できるブレーキ制御装置、ブレーキ制御方法およびブレーキシステムを提供する。【解決手段】 所定の情報が入力されると、プライマリピストン32Pが移動することにより、ブレーキ液圧を発生するマスタシリンダ3のプライマリ液圧室31Pと、P系統のホイルシリンダ8a,8dと、を接続する第1液路11Pに、運転者のブレーキペダル操作に基づくブレーキ液圧を発生させ、プライマリピストン32Pに対して最大ストローク量が短いセカンダリピストン32Sが移動することにより、ブレーキ液圧を発生するマスタシリンダ3のセカンダリ液圧室31Sと、S系統のホイルシリンダ8b,8cと、を接続する第1液路11Sに、マスタシリンダ3とは別の液圧源(ポンプ7)によってブレーキ液圧を発生させる。【選択図】 図1

Description

本発明は、ブレーキ制御装置、ブレーキ制御方法およびブレーキシステムに関する。
特許文献1には、2つのマスタシリンダピストンのうち、ストロークシミュレータと接続されたセカンダリ液圧室に圧力を発生させるセカンダリピストンの最大ストローク量が、プライマリ液圧室に圧力を発生させるプライマリピストンの最大ストローク量よりも大きく設定されたブレーキ制御装置が開示されている。
特開2016-150633号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、ブレーキ液漏れ等によりセカンダリ系統のブレーキ液圧を保持できない状態となり、ポンプによるホイルシリンダの加圧から運転者の踏力によるホイルシリンダの加圧に切り替えた場合、プライマリ系統側に圧力が発生するまでの無効ストロークが長いため、運転者のブレーキ操作に対する制動力の応答遅れが大きくなるおそれがあった。
本発明の目的の一つは、運転者のブレーキ操作に対する制動力の応答遅れを低減できるブレーキ制御装置、ブレーキ制御方法およびブレーキシステムを提供することにある。
本発明の一実施形態におけるブレーキ制御方法は、
所定の情報が入力されると、
第1ピストンが移動することにより、ブレーキ液圧を発生するマスタシリンダの第1室と、第1ホイルシリンダと、を接続する第1接続液路に、運転者のブレーキペダル操作に基づくブレーキ液圧を発生させ、
第1ピストンに対して最大ストローク量が短い第2ピストンが移動することにより、ブレーキ液圧を発生するマスタシリンダの第2室と、第2ホイルシリンダと、を接続する第2接続液路に、マスタシリンダとは別の液圧源によってブレーキ液圧を発生させる。
よって、本発明にあっては、運転者のブレーキ操作に対する制動力の応答遅れを低減できる。
実施形態1のブレーキシステム1の構成図である。 実施形態1の片系統踏力片系統倍力制御の作動状態を示す図である。 実施形態1のブレーキ液漏れ検知後動作を示すフローチャートである。 P系統の失陥時にPS両系統で踏力ブレーキのみを実行した場合のタイムチャートである。 P系統の失陥時に片系統踏力片系統倍力制御を実行した場合のタイムチャートである。 S系統の第1液路11b,11cにおける液圧ユニット6とホイルシリンダ8b,8cとの間の所定箇所にブレーキ液の外部漏れが発生している状態で片系統踏力片系統倍力制御を実行した場合のタイムチャートである。 S系統の第1液路11Aにおける液圧ユニット6とマスタシリンダ3との間の所定箇所にブレーキ液の外部漏れが発生している状態で片系統踏力片系統倍力制御を実行した場合のタイムチャートである。 吸入液路15におけるリザーバタンク4と液圧ユニット6との間の所定箇所にブレーキ液の外部漏れが発生している状態で片系統踏力片系統倍力制御を実行した場合のタイムチャートである。 実施形態2のブレーキ液漏れ検知後動作を示すフローチャートである。
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1のブレーキシステム1の構成図である。
ブレーキシステム1は、電動車両に好適な液圧式ブレーキ装置である。電動車両は、車輪を駆動する動力源として、エンジンのほかモータ・ジェネレータを備えたハイブリッド車や、モータ・ジェネレータのみを備えた電気自動車等である。なお、エンジンのみを動力源とする車両にブレーキシステム1を適用してもよい。ブレーキシステム1は、車両の各車輪FL〜RRに設置されたホイルシリンダ8にブレーキ液を供給してブレーキ液圧(ホイルシリンダ圧)を発生させる。このホイルシリンダ圧により摩擦部材を移動させ、摩擦部材を車輪側の回転部材に押付けることで、摩擦力を発生させる。これにより、各車輪FL〜RRに液圧制動トルクを付与する。ここで、ホイルシリンダ8は、ディスクブレーキにおける油圧式ブレーキキャリパのシリンダのほか、ドラムブレーキにおけるホイルシリンダであってもよい。ブレーキシステム1は、2系統すなわちP(プライマリ)系統およびS(セカンダリ)系統のブレーキ配管を有しており、例えばX配管形式を採用している。なお、前後配管等、他の配管形式を採用してもよい。以下、P系統に対応する部材とS系統に対応する部材とを区別する場合は、それぞれの符号の末尾に添字P,Sを付す。
ブレーキペダル2は、運転者のブレーキ操作の入力を受けるブレーキ操作部材である。ブレーキペダル2はいわゆる吊下げ型であり、その基端が軸201によって回転可能に支持されている。ブレーキペダル2の先端には運転者が踏込む対象となるパッド202が固定されている。ブレーキペダル2の軸201とパッド202との間における基端側には、プッシュロッド2aの一端が、軸203によって回転可能に接続されている。マスタシリンダ3は、運転者によるブレーキペダル2の操作(ブレーキ操作)により作動し、ブレーキ液圧(マスタシリンダ圧)を発生する。なお、ブレーキシステム1は、車両のエンジンが発生する吸気負圧を利用してブレーキ操作力(ブレーキペダル2の踏力F)を倍力または増幅する負圧式の倍力装置を備えていない。よって、ブレーキシステム1を小型化可能であり、かつ、負圧源(多くの場合はエンジン)を有さない電動車両に好適である。マスタシリンダ3は、プッシュロッド2aを介してブレーキペダル2に接続すると共に、リザーバタンク4からブレーキ液を補給される。リザーバタンク4は、ブレーキ液を貯留するブレーキ液源であり、大気圧に開放される低圧部である。リザーバタンク4の内部における底部側(鉛直方向下側)は、所定の高さを有する複数の仕切部材により、プライマリ液圧室用空間41P、セカンダリ液圧室用空間41Sおよびポンプ吸入用空間42に区画されている。リザーバタンク4内には、リザーバタンク4内におけるブレーキ液量のレベルを検出する液面センサ94が設置されている。液面センサ94は、リザーバタンク4内の液面低下を警報するために用いられ、液面レベルを離散的に検出する。液面センサ94は、固定部材およびフロート部材を有する。固定部材は、リザーバタンク4の内壁に固定されており、スイッチを有している。スイッチは、液面レベルと略同一の高さとなる位置に設置されている。フロート部材は、ブレーキ液に対して浮力を有しており、ブレーキ液量(液面レベル)の増減に応じて固定部材に対し上下動するように設置されている。リザーバタンク4内のブレーキ液量が減少し、フロート部材が所定液面レベルまで低下するように移動すると、固定部材のスイッチがオフ状態からオン状態に切り替わる。これにより、液面レベルの低下を検出する。なお、液面センサ94の具体的な態様は上記のように液面レベルを離散的に検出するもの(スイッチ)に限定されず、液面レベルを連続的に検出するもの(アナログ検出)であってもよい。
マスタシリンダ3は、タンデム型であり、ブレーキ操作に応じて軸方向に移動するマスタシリンダピストンとして、プライマリピストン(第1ピストン)32Pおよびセカンダリピストン(第2ピストン)32Sを有する。両ピストン32P,32Sは直列に配置されている。プライマリピストン32Pはプッシュロッド2aに接続されている。セカンダリピストン32Sはフリーピストン型である。
ブレーキペダル2には、ストロークセンサ90が取り付けられている。ストロークセンサ90は、ブレーキペダル2の変位量(ペダルストローク)を検出する。なお、ストロークセンサ90をプッシュロッド2aやプライマリピストン32Pに取り付けてピストンストロークSpを検出してもよい。このとき、ペダルストロークは、プッシュロッド2aまたはプライマリピストン32Pの軸方向変位量(ストローク量)にブレーキペダルのペダル比Kを乗じたものに相当する。Kは、プライマリピストン32Pのストローク量に対するペダルストロークの比率であり、所定の値に設定される。Kは、例えば、軸201から軸203までの距離に対する、軸201からパッド202までの距離の比により求められる。以下、プッシュロッド2aの移動方向にx軸を設定し、x軸方向のうちペダルストロークが増加する方向をx軸正方向とする。
ストロークシミュレータ5は、運転者のブレーキ操作に応じて作動する。ストロークシミュレータ5は、運転者のブレーキ操作に応じてマスタシリンダ3の内部から流出したブレーキ液がストロークシミュレータ5内に流入することにより、ペダルストロークを発生させる。マスタシリンダ3から供給されたブレーキ液によりストロークシミュレータ5のピストン52がシリンダ50内を軸方向に作動する。これにより、ストロークシミュレータ5は運転者のブレーキ操作に伴う操作反力を生成する。
液圧ユニット6は、運転者によるブレーキ操作とは独立にブレーキ液圧を発生可能な制動制御ユニットである。電子制御ユニット(以下、ECUという)100は、液圧ユニット6の作動を制御するコントロールユニットである。液圧ユニット6は、リザーバタンク4またはマスタシリンダ3からブレーキ液の供給を受ける。液圧ユニット6は、ホイルシリンダ8とマスタシリンダ3との間に配置され、各ホイルシリンダ8にマスタシリンダ圧または制御液圧を個別に供給可能である。液圧ユニット6は、制御液圧を発生するためのアクチュエータとして、ポンプ7のモータ7aおよび複数の制御弁(電磁弁26等)を有する。ポンプ7は、マスタシリンダ3以外のブレーキ液源(リザーバタンク4等)からブレーキ液を吸入し、ホイルシリンダ8に向けて吐出する。ポンプ7は、例えばプランジャポンプやギヤポンプが用いられる。ポンプ7はPS両系統で共用され、電動式のモータ7aにより回転駆動される。モータ7aとして、例えばブラシ付き直流モータやブラシレスモータ等が用いられる。電磁弁26等は、制御信号に応じて開閉動作し、液路11等の連通状態を切り替える。これにより、ブレーキ液の流れを制御する。液圧ユニット6は、マスタシリンダ3とホイルシリンダ8との連通を遮断した状態で、ポンプ7が発生する液圧によりホイルシリンダ8を加圧することが可能である。また、液圧ユニット6は、ポンプ7の吐出圧やマスタシリンダ圧等、各所の液圧を検出する液圧センサ91〜93を備える。
ECU100には、ストロークセンサ90、および各液圧センサ91〜93から出力される検出値、並びに車両側から送られる走行状態に関する情報が入力される。ECU100は、これら各種情報に基づき、内蔵されるプログラムに従って情報処理を行う。また、この処理結果に従って液圧ユニット6の各アクチュエータに指令信号を出力し、これらを制御する。具体的には、電磁弁26等の開閉動作や、モータ7aの回転数(すなわちポンプ7の吐出量)を制御する。これにより各車輪FL〜RRのホイルシリンダ圧を制御することで、各種ブレーキ制御を実現する。例えば、倍力制御や、アンチロック制御や、車両運動制御のためのブレーキ制御や、自動ブレーキ制御や、回生協調ブレーキ制御等を実現する。倍力制御は、運転者のブレーキ操作力(踏力)では不足する液圧制動トルクを発生してブレーキ操作を補助する。アンチロック制御は、制動による車輪FL〜RRのスリップ(ロック傾向)を抑制する。車両運動制御は、横滑り等を防止する車両挙動安定化制御である。自動ブレーキ制御は、先行車追従制御等である。回生協調ブレーキ制御は、回生ブレーキと協調して目標減速度を達成するようにホイルシリンダ圧を制御する。
マスタシリンダ3の両ピストン32P,32Sの間にプライマリ液圧室(第1室)31Pが画成される。プライマリ液圧室31Pには、圧縮コイルスプリング33Pが設置されている。ピストン32Sとシリンダ30のx軸正方向端部との間にセカンダリ液圧室(第2室)31Sが画成されている。セカンダリ液圧室31Sには、圧縮コイルスプリング33Sが設置されている。各液圧室31P,31Sには第1液路11が開口する。各液圧室31P,31Sは、第1液路11を介して、液圧ユニット6に接続すると共にホイルシリンダ8と連通可能である。
運転者によるブレーキペダル2の踏み込み操作によってピストン32がx軸正方向側へストロークし、液圧室31の容積の減少に応じてマスタシリンダ圧が発生する。両液圧室31P,31Sには同じマスタシリンダ圧が発生する。これにより、液圧室31から第1液路11を介してホイルシリンダ8に向けてブレーキ液が供給される。マスタシリンダ3は、プライマリ液圧室31Pに発生したマスタシリンダ圧により第1液路(第1接続液路)11Pを介してP系統のホイルシリンダ(第1ホイルシリンダ)8a,8dを加圧可能である。また、マスタシリンダ3は、セカンダリ液圧室31Sに発生したマスタシリンダ圧により第1液路(第2接続液路)11Sを介してS系統のホイルシリンダ(第2ホイルシリンダ)8b,8cを加圧可能である。
次に、ストロークシミュレータ5の構成を説明する。
ストロークシミュレータ5は、シリンダ50、ピストン52およびスプリング53を有する。図1にはストロークシミュレータ5のシリンダ50の軸心を通る断面を示している。シリンダ50は筒状であり、円筒状の内周面を有している。シリンダ50はピストン収容部501およびスプリング収容部502を有する。ピストン収容部501はスプリング収容部502よりも小径である。ピストン52は、ピストン収容部501の内周側に、その内周面に沿ってシリンダ50の軸方向を移動可能である。ピストン52は、シリンダ50内を少なくとも2室(正圧室511と背圧室512)に分離する隔壁である。シリンダ50内において、ピストン52の一方側に正圧室511が画成され、他方側に背圧室512が画成されている。正圧室511は、ピストン52およびピストン収容部501により囲まれる空間である。正圧室511には、後述する第2液路12が常時開口する。背圧室512は、ピストン52、スプリング収容部502およびピストン収容部501により囲まれる空間である。背圧室512には、後述する液路13Aが常時開口する。
ピストン52の外周には、ピストン52の軸心の周り方向(周方向)に延びるようにピストンシール54が設置されている。ピストンシール54は、ピストン収容部501の内周面に摺接し、ピストン収容部501の内周面とピストン52の外周面との間をシールする。ピストンシール54は、正圧室511と背圧室512との間をシールすることで両者を液密に分離する分離シール部材であり、ピストン52の上記分離部材としての機能を補完する。スプリング53は、背圧室512内に設置された圧縮コイルスプリングであり、ピストン52を正圧室511の容積が縮小する方向に常時付勢する。スプリング53は、ピストン52の変位量に応じて反力を発生する。スプリング53は、第1スプリング531および第2スプリング532を有する。第1スプリング531は、第2スプリング532よりも小径かつ短尺であり、線径が小さい。第1スプリング531のばね定数は第2スプリング532よりも小さい。両スプリング531,532は、ピストン52とシリンダ50(スプリング収容部502)との間に、リテーナ部材530を介して直列に配置されている。
次に、液圧ユニット6の液圧回路を説明する。
各車輪FL〜RRに対応する部材には、その符号の末尾にそれぞれ添字a〜dを付して適宜区別する。第1液路11は、マスタシリンダ3の液圧室31とホイルシリンダ8とを接続する。第1液路11Pには遮断弁(第1遮断弁)21Pが設置され、第1液路11Sには遮断弁(第2遮断弁)21Sが設置されている。遮断弁21は、第1液路11に設置された常開型の(非通電状態で開弁する)電磁弁である。第1液路11は、遮断弁21によって、マスタシリンダ3側の液路11Aとホイルシリンダ8側の液路11Bとに分離される。ソレノイドイン弁SOL/V IN25は、第1液路11における遮断弁21よりもホイルシリンダ8側(液路11B)に、各車輪FL〜RRに対応して(液路11a〜11dに)設置された常開型の電磁弁である。SOL/V IN25をバイパスして第1液路11と並列にバイパス液路110が設置されている。バイパス液路110には、ホイルシリンダ8側からマスタシリンダ3側へのブレーキ液の流れのみを許容するチェック弁250が設置されている。
吸入液路15は、リザーバタンク4(ポンプ吸入用空間42)とポンプ7の吸入部70とを接続する液路である。吸入液路15の途中であって液圧ユニット6の内部には、内部リザーバ29が設置されている。内部リザーバ29は、ブレーキ液を貯留可能な所定容積の液溜まりである。吐出液路16は、ポンプ7の吐出部71と、第1液路11Bにおける遮断弁21とSOL/V IN25との間とを接続する。チェック弁160は、吐出液路16に設置され、ポンプ7の吐出部71の側(上流側)から第1液路11の側(下流側)へのブレーキ液の流れのみを許容する。チェック弁160は、ポンプ7が備える吐出弁である。吐出液路16は、チェック弁160の下流側でP系統の液路16PとS系統の液路16Sとに分岐する。各液路16P,16SはそれぞれP系統の第1液路11PとS系統の第1液路11Sに接続している。液路16P,16Sは、第1液路11P,11Sを互いに接続する連通液路として機能する。連通弁(第1連通弁)26Pは、液路16Pに設置された常閉型の(非通電状態で閉弁する)電磁弁である。連通弁(第2連通弁)26Sは、液路16Sに設置された常閉型の電磁弁である。ポンプ7は、リザーバタンク4から供給されるブレーキ液により第1液路11に液圧を発生させてホイルシリンダ圧を発生可能な第2の液圧源である。ポンプ7は、上記連通液路(吐出液路16P,16S)および第1液路11P,11Sを介してホイルシリンダ8a〜8dと接続し、上記連通液路(吐出液路16P,16S)にブレーキ液を吐出することにより、ホイルシリンダ8を加圧可能である。
第1減圧液路17は、吐出液路16におけるチェック弁160と連通弁26との間と、吸入液路15の内部リザーバ29とを接続する。調圧弁27は、第1減圧液路17に設置された常開型の電磁弁である。なお、調圧弁27は常閉型でもよい。第2減圧液路18は、第1液路11BにおけるSOL/V IN25よりもホイルシリンダ8側と、吸入液路15とを接続する。ソレノイドアウト弁SOL/V OUT28は、第2減圧液路18に設置された常閉型の電磁弁である。なお、実施形態1では、調圧弁27よりも吸入液路15の側の第1減圧液路17と、SOL/V OUT28よりも吸入液路15の側の第2減圧液路18とが部分的に共通している。
第2液路(シミュレータ液路)12は、第1液路11Aから分岐してストロークシミュレータ5に接続する。第2液路12は、第1液路11Aと共に、マスタシリンダ3のプライマリ液圧室31Pとストロークシミュレータ5の正圧室511とを接続する。なお、第1液路11Aに代えて、プライマリ液圧室31Pと第2液路12を直接接続してもよい。第3液路13は、ストロークシミュレータ5の背圧室512と第1液路11とを接続する。具体的には、第3液路13は、第1液路11P(液路11B)における遮断弁21PとSOL/V IN25との間から分岐して背圧室512と接続する。ストロークシミュレータイン弁SS/V IN23は、第3液路13に設置された常閉型の電磁弁である。第3液路13は、SS/V IN23によって、背圧室512側の液路13Aと第1液路11側の液路13Bとに分離されている。SS/V IN23をバイパスして第3液路13と並列にバイパス液路130が設置されている。バイパス液路130は、液路13Aと液路13Bとを接続する。バイパス液路130にはチェック弁230が設置されている。チェック弁230は、背圧室512側(液路13A)から第1液路11側(液路13B)へ向うブレーキ液の流れを許容し、逆方向へのブレーキ液の流れを抑制する。
第4液路14は、ストロークシミュレータ5の背圧室512とリザーバタンク4とを接続する。第4液路14は、第3液路13における背圧室512とSS/V IN23との間(液路13A)と、吸入液路15(または調圧弁27よりも吸入液路15側の第1減圧液路17や、SOL/V OUT28よりも吸入液路15側の第2減圧液路18)とを接続する。なお、第4液路14を背圧室512やリザーバタンク4に直接的に接続してもよい。ストロークシミュレータアウト弁SS/V OUT24は、第4液路14に設置された常閉型の電磁弁である。SS/V OUT24をバイパスして、第4液路14と並列にバイパス液路140が設置されている。バイパス液路140には、チェック弁240が設置されている。チェック弁240は、リザーバタンク4(吸入液路15)側から第3液路13A側すなわち背圧室512側へ向うブレーキ液の流れを許容し、逆方向へのブレーキ液の流れを抑制する。
遮断弁21、SOL/V IN25および調圧弁27は、ソレノイドに供給される電流に応じて弁の開度が調整される比例制御弁である。他の弁、すなわちSS/V IN23、SS/V OUT24、連通弁26およびSOL/V OUT28は、弁の開閉が二値的に切り替え制御される2位置弁(オン・オフ弁)である。なお、上記他の弁に比例制御弁を用いることも可能である。第1液路11Pにおける遮断弁21Pとマスタシリンダ3との間(液路11A)には、この箇所の液圧(マスタシリンダ圧およびストロークシミュレータ5の正圧室511内の液圧)を検出する液圧センサ91が設置されている。第1液路11における遮断弁21とSOL/V IN25との間には、この箇所の液圧(ホイルシリンダ圧)を検出する液圧センサ92(プライマリ系統圧センサ92P、セカンダリ系統圧センサ92S)が設置されている。遮断弁21を開弁方向に作動させた状態で、マスタシリンダ3の液圧室31とホイルシリンダ8とを接続するブレーキ系統(第1液路11)は、第1の系統を構成する。第1の系統は、踏力Fを用いて発生させたマスタシリンダ圧によりホイルシリンダ圧を発生させることで、踏力ブレーキ(非倍力制御)を実現可能である。一方、遮断弁21を閉弁方向に作動させた状態で、ポンプ7を含み、リザーバタンク4とホイルシリンダ8を接続するブレーキ系統(吸入液路15、吐出液路16等)は、第2の系統を構成する。第2の系統は、ポンプ7を用いて発生させた液圧によりホイルシリンダ圧を発生させる、いわゆるブレーキバイワイヤ装置を構成し、ブレーキバイワイヤ制御として倍力制御等を実現可能である。ブレーキバイワイヤ制御(以下、単にバイワイヤ制御という。)時、ストロークシミュレータ5は、運転者のブレーキ操作に応じた操作反力を生成する。
ECU100は、バイワイヤ制御部101、踏力ブレーキ部102およびフェールセーフ部103を有する。バイワイヤ制御部101は、運転者のブレーキ操作状態に応じて、遮断弁21を閉じ、ポンプ7によりホイルシリンダ8を加圧する。以下、具体的に説明する。バイワイヤ制御部101は、ブレーキ操作状態検出部101a、目標ホイルシリンダ圧算出部101bおよびホイルシリンダ圧制御部101cを有する。ブレーキ操作状態検出部101aは、ストロークセンサ90が検出した値の入力を受けて、運転者によるブレーキ操作量としてのペダルストロークを検出する。また、ペダルストロークに基づき、運転者のブレーキ操作中であるか否か(ブレーキペダル2の操作の有無)を検出する。なお、踏力Fを検出する踏力センサを設置し、その検出値に基づきブレーキ操作量を検出または推定してもよい。また、液圧センサ91の検出値に基づきブレーキ操作量を検出または推定してもよい。すなわち、制御に用いるブレーキ操作量として、ペダルストロークに限らず、他の適当な変数を用いてもよい。
目標ホイルシリンダ圧算出部101bは、目標ホイルシリンダ圧を算出する。例えば、倍力制御時には、検出されたペダルストロークに基づき、所定の倍力比に応じてペダルストロークと運転者の要求ブレーキ液圧(運転者が要求する車両減速度)との間の理想の関係(ブレーキ特性)を実現する目標ホイルシリンダ圧を算出する。例えば、通常サイズの負圧式倍力装置を備えたブレーキ装置において、負圧式倍力装置の作動時に実現されるペダルストロークと制動トルクとの間の所定の関係を、目標ホイルシリンダ圧を算出するための上記理想の関係とする。
ホイルシリンダ圧制御部101cは、遮断弁21を閉弁方向に作動させることにより、液圧ユニット6の状態を、ポンプ7(第2の系統)によりホイルシリンダ圧を発生(加圧制御)可能な状態とする。この状態で、液圧ユニット6の各アクチュエータを制御して目標ホイルシリンダ圧を実現する液圧制御(例えば倍力制御)を実行する。具体的には、遮断弁21を閉弁方向に作動させ、連通弁26を開弁方向に作動させ、調圧弁27を閉弁方向に作動させると共に、ポンプ7を作動させる。このように制御することにより、リザーバタンク4側から所望のブレーキ液を吸入液路15、ポンプ7、吐出液路16、および第1液路11を経由してホイルシリンダ8に送ることが可能である。ポンプ7が吐出するブレーキ液は吐出液路16を介して第1液路11Bに流入する。このブレーキ液が各ホイルシリンダ8に流入することによって、各ホイルシリンダ8が加圧される。すなわち、ポンプ7により第1液路11Bに発生させた液圧を用いてホイルシリンダ8を加圧する。このとき、液圧センサ92の検出値が目標ホイルシリンダ圧に近づくようにポンプ7の回転数や調圧弁27の開弁状態(開度等)をフィードバック制御することにより、所望の制動力が得られる。すなわち、調圧弁27の開弁状態を制御し、吐出液路16または第1液路11から調圧弁27を介して吸入液路15へブレーキ液を適宜漏らすことで、ホイルシリンダ圧を調節できる。実施形態1では、基本的に、ポンプ7(モータ7a)の回転数ではなく調圧弁27の開弁状態を変化させることによりホイルシリンダ圧を制御する。このとき、遮断弁21を閉弁方向に作動させ、マスタシリンダ3側とホイルシリンダ8側とを遮断することにより、運転者のブレーキ操作から独立してホイルシリンダ圧を制御することが容易となる。
一方、ホイルシリンダ圧制御部101cは、SS/V OUT24を開弁方向に作動させる。これにより、ストロークシミュレータ5の背圧室512と吸入液路15(リザーバタンク4)側とが連通する。よって、ブレーキペダル2の踏み込み操作に伴いマスタシリンダ3からブレーキ液が吐出され、このブレーキ液がストロークシミュレータ5の正圧室511に流入すると、ピストン52が作動する。これにより、ペダルストロークが発生する。このとき、正圧室511に流入する液量と同等の液量のブレーキ液が背圧室512から流出する。このブレーキ液は、第3液路13Aおよび第4液路14を介して吸入液路15(リザーバタンク4)側へ排出される。なお、第4液路14はブレーキ液が流入可能な低圧部に接続していればよく、必ずしもリザーバタンク4に接続している必要はない。また、ストロークシミュレータ5のスプリング53と背圧室512の液圧等がピストン52を押す力により、ブレーキペダル2に作用する操作反力が発生する。すなわち、ストロークシミュレータ5は、バイワイヤ制御時に、ブレーキペダル2の特性(F-S特性)を生成する。
踏力ブレーキ部102は、遮断弁21を開弁方向に作動させ、マスタシリンダ3によりホイルシリンダ8を加圧する。遮断弁21を開弁方向に作動させることにより、液圧ユニット6の状態を、マスタシリンダ圧(第1の系統)によりホイルシリンダ圧を発生可能な状態とし、踏力ブレーキを実現する。このとき、SS/V OUT24を閉弁方向に作動させることにより、運転者のブレーキ操作に対してストロークシミュレータ5を非作動とする。これにより、マスタシリンダ3からブレーキ液が効率的にホイルシリンダ8に向けて供給される。したがって、運転者が踏力Fにより発生させるホイルシリンダ圧の低下を抑制できる。具体的には、踏力ブレーキ部102は、液圧ユニット6における全アクチュエータを非作動状態とする。なお、SS/V IN23を開弁方向に作動させてもよい。
次に、マスタシリンダ3の両ピストン32P,32Sの最大ストローク量について説明する。
まず、ストロークシミュレータ5の最大吸収液量、すなわち正圧室511が吸収可能なブレーキ液量をVssとする。また、踏力ブレーキ部102により目標ホイルシリンダ圧を発生させるために、プライマリ液圧室31PからP系統のホイルシリンダ8a,8dへ、およびセカンダリ液圧室31SからS系統のホイルシリンダ8b,8cへ、それぞれ供給することが必要なブレーキ液の量をVfとする。バイワイヤ制御中に失陥が発生した場合、踏力ブレーキ部102を作動させて制動力を確保する。Vfはそのために必要となるブレーキ液量である。
実施形態1では、ストロークシミュレータ5の正圧室511と連通するプライマリ液圧室31Pは、VssとVfとの合計に対応する容積を備える。一方、ストロークシミュレータ5と連通していないセカンダリ液圧室31Sは、Vfに対応する容積を備える。このため、プライマリピストン32Pの最大ストローク量Lpは、セカンダリピストン32Sの最大ストローク量Lsよりも大きく設定されている。なお、LpおよびLsの設定方法については、特開2016-150633号公報に記載された方法に準ずるものとし、詳細な説明は省略する。
フェールセーフ部103は、ブレーキシステム1における異常(失陥または故障)の発生を検出する。例えば、ブレーキ操作状態検出部101aからの信号や、各センサからの信号に基づき、液圧ユニット6におけるアクチュエータ(ポンプ7またはモータ7aや調圧弁27等)の失陥を検知する。または、ブレーキシステム1に電源を供給する車載電源(バッテリ)やECU100の異常を検知する。フェールセーフ部103は、バイワイヤ制御中に異常の発生を検出すると、異常の状態に応じて制御を切り替える。実施形態1では、いずれかの液路においてブレーキ液圧が発生できない可能性がある場合、「バイワイヤ制御」から「片系統踏力片系統倍力制御」へ移行する。片系統踏力片系統倍力制御とは、P系統を踏力ブレーキとし、S系統をバイワイヤ制御するものである。図2に片系統踏力片系統倍力制御の作動状態を示す。
片系統踏力片系統倍力制御では、遮断弁21Pを開弁方向に作動させ、遮断弁21Sを閉弁方向に作動させ、連通弁26Pを閉弁方向に作動させ、連通弁26Sを開弁方向に作動させ、SS/V OUT24を閉弁方向に作動させる。また、通常の倍力制御と同様に、ペダルストロークに応じてポンプ7を作動させると共に、調圧弁17を閉弁方向に比例制御する。これにより、図2に太線で示すように、P系統を踏力ブレーキにより加圧できる。また、図2に破線で示すように、S系統をバイワイヤ制御により加圧できる。このとき、目標ホイルシリンダ圧は、通常のバイワイヤ制御と同様に、検出されたペダルストロークに基づき算出される。
第1液路11P,11S、遮断弁21P,21S、液路16P,16S、ポンプ7、連通弁26P,26SおよびECU100は、ブレーキ制御装置を構成する。
図3は、実施形態1のブレーキ液漏れ検知後動作を示すフローチャートである。このフローチャートは、所定の演算周期で繰り返し実行される。
ステップS1では、フェールセーフ部103において、故障状態であるか否かを判定する。YESの場合はステップS3へ進み、NOの場合はステップS2へ進む。上述したように、対照とする故障状態は、いずれかの液路においてブレーキ液圧が発生できない可能性がある場合とする。具体的には、ブレーキ液の外部漏れが生じた場合であり、これはリザーバタンク4内に設置された液面センサ94の検出値が液面低下閾値を下回ることにより検知可能である。
ステップS2では、バイワイヤ制御部101において、バイワイヤ制御を実施する。
ステップS3では、フェールセーフ部103において、片系統踏力片系統倍力制御を実施する。
図4は、実施形態1の比較例として、P系統の失陥時に片系統踏力片系統倍力制御を実行せず、PS両系統を踏力ブレーキとした場合のタイムチャートである。P系統の失陥とは、例えば、P系統の第1液路11a,11dにおける液圧ユニット6とホイルシリンダ8a,8dとの間の所定箇所、P系統の第1液路11Aにおける液圧ユニット6とマスタシリンダ3との間の所定箇所から、ブレーキ液の外部漏れが発生している状態を指す。
時刻t1では、運転者がブレーキ操作を開始する。ブレーキ操作量の増加に応じてプライマリピストン32Pのストローク量が増加し、プライマリ液圧室31Pの容積は減少する。ところが、P系統の失陥によりP系統に圧力は発生しない(≒大気圧)ため、プライマリ液圧室31Pの圧力は上昇せず、セカンダリピストン32Sはストロークしない。このため、セカンダリ液圧室31Sの圧力も上昇せず、S系統にも圧力は発生しない。
時刻t2では、プライマリピストン32Pのストローク量が最大ストローク量Lpに達する。セカンダリピストン32Sはストロークを開始し、S系統の圧力が立ち上がることにより、制動力が発生する。
時刻t3では、プライマリピストン32Pおよびセカンダリピストン32Sのストローク量の和がフルストローク(Lp+Ls)に達する。
上記比較例では、運転者がブレーキ操作を開始する時刻t1から、プライマリピストン32Pが最大ストローク量Lpに達する時刻t2までの期間は、制動力が発生しない無効ストロークとなり、運転者のブレーキ操作に対する制動力の応答遅れが大きい。このため、運転者は十分な制動力を得るためにブレーキペダル2を大きく踏み込む必要があり、違和感となる。特に、Lp>Lsの場合、P系統に失陥が生じると、Lp≦Lsの場合と比べて無効ストロークが長くなるため、上記課題は顕著となる。
図5は、P系統の失陥時に片系統踏力片系統倍力制御を実行した場合のタイムチャートである。
時刻t1では、運転者がブレーキ操作を開始する。片系統踏力片系統倍力制御では、P系統を踏力ブレーキとし、S系統をバイワイヤ制御する。P系統の失陥によりプライマリ液圧室31Pの圧力は上昇しないが、S系統ではP系統の踏力ブレーキと独立してバイワイヤ制御を行うため、ポンプ7の作動によりペダルストロークに応じてS系統に圧力が発生し、S系統のホイルシリンダ8b,8cが加圧される。これにより、運転者がブレーキ操作を開始する時刻t1から制動力を発生できるため、時刻t2まで無効ストロークとなる比較例に対し、運転者のブレーキ操作に対する制動力の応答遅れを低減できる。
時刻t2では、プライマリピストン32Pのストローク量が最大ストローク量Lpに達する。
時刻t3では、プライマリピストン32Pおよびセカンダリピストン32Sのストローク量の和がフルストローク(Lp+Ls)に達する。
図6は、S系統の第1液路11b,11cにおける液圧ユニット6とホイルシリンダ8b,8cとの間の所定箇所にブレーキ液の外部漏れが発生している状態で片系統踏力片系統倍力制御を実行した場合のタイムチャートである。
時刻t1では、運転者がブレーキ操作を開始する。片系統踏力片系統倍力制御では、P系統を踏力ブレーキとするが、S系統のホイルシリンダ8b,8cは加圧不可能であるため、S系統のバイワイヤ制御は実行しない。ブレーキ操作量の増加に応じてプライマリピストン32Pのストローク量が増加するが、S系統の失陥によりセカンダリ液圧室31Sには圧力が発生しない。このため、セカンダリピストン32Sのストローク量が増加することでプライマリ液圧室31Pの容積は減少せず、P系統にも圧力は発生しない。
時刻t2では、セカンダリピストン32Sのストローク量が最大ストローク量Lsに達する。プライマリピストン32Pはストロークを開始し、P系統の圧力が立ち上がるため、制動力が発生する。時刻t1から時刻t2までの区間は制動力が発生しない無効ストロークとなる。しかしながら、セカンダリピストン32Sの最大ストローク量Lsはプライマリピストン32Pの最大ストローク量Lpよりも小さいため、運転者のブレーキ操作に対する制動力の応答遅れは、運転者に違和感を与えない程度に抑えられる。
時刻t3では、プライマリピストン32Pおよびセカンダリピストン32Sのストローク量の和がフルストローク(Lp+Ls)に達する。
図7は、S系統の第1液路11Aにおける液圧ユニット6とマスタシリンダ3との間の所定箇所にブレーキ液の外部漏れが発生している状態で片系統踏力片系統倍力制御を実行した場合のタイムチャートである。
時刻t1では、運転者がブレーキ操作を開始する。片系統踏力片系統倍力制御では、P系統を踏力ブレーキとし、S系統をバイワイヤ制御する。ブレーキ操作量の増加に応じてプライマリピストン32Pのストローク量が増加するが、S系統の失陥によりセカンダリ液圧室31Sには圧力が発生しない。このため、セカンダリピストン32Sのストローク量が増加することでプライマリ液圧室31Pの容積は減少せず、P系統には圧力は発生しない。一方、S系統では、ポンプ7の作動によりペダルストロークに応じてS系統に圧力が発生し、S系統のホイルシリンダ8b,8cが加圧される。これにより、運転者がブレーキ操作を開始する時刻t1から制動力を発生できるため、運転者のブレーキ操作に対する制動力の応答遅れを低減できる。
時刻t2では、セカンダリピストン32Sのストローク量が最大ストローク量Lsに達する。プライマリピストン32Pはストロークを開始し、P系統の圧力が立ち上がるため、P系統のホイルシリンダ8a,8dが加圧される。これにより、全ての車輪FL〜RRで制動力を発生できるため、十分な制動力が得られる。
時刻t3では、プライマリピストン32Pおよびセカンダリピストン32Sのストローク量の和がフルストローク(Lp+Ls)に達する。
図8は、吸入液路15におけるリザーバタンク4と液圧ユニット6との間の所定箇所にブレーキ液の外部漏れが発生している状態で片系統踏力片系統倍力制御を実行した場合のタイムチャートである。
時刻t1では、運転者がブレーキ操作を開始する。片系統踏力片系統倍力制御では、P系統を踏力ブレーキとし、S系統をバイワイヤ制御する。ブレーキ操作量に応じてマスタシリンダ圧が立ち上がるため、P系統に圧力が発生し、ホイルシリンダ8a,8dが加圧される。一方、S系統では、内部リザーバ29をブレーキ液の供給源および排出先としてバイワイヤ制御を継続できるため、ポンプ7の作動によりS系統に圧力が発生し、ホイルシリンダ8b,8cが加圧される。これにより、ブレーキ液漏れが生じていない通常時と同様に、運転者がブレーキ操作を開始する時刻t1から制動力を発生できるため、運転者のブレーキ操作に対する制動力の応答遅れを低減できる。
時刻t3では、プライマリピストン32Pおよびセカンダリピストン32Sのストローク量の和がフルストローク(Lp+Ls)に達する。
実施形態1にあっては、以下の効果を奏する。
(1) ブレーキ制御装置は、プライマリピストン32Pが移動することにより、ブレーキ液圧を発生するマスタシリンダ3のプライマリ液圧室31Pと、P系統のホイルシリンダ8a,8dと、を接続する第1液路11Pと、プライマリピストン32Pに対して最大ストローク量が短いセカンダリピストン32Sが移動することにより、ブレーキ液圧を発生するマスタシリンダ3のセカンダリ液圧室31Sと、S系統のホイルシリンダ8b,8cと、を接続する第1液路11Pと、第1液路11Pにある遮断弁21Pと、第1液路11Sにある遮断弁21Sと、遮断弁21Pとホイルシリンダ8a,8dとの間の第1液路11Pと、遮断弁21Sとホイルシリンダ8b,8cとの間の第1液路11Sと、を接続する液路16P,16Sと、液路16P,16Sにブレーキ液を供給するポンプ7と、液路16Pにあり、液路16Pから第1液路11P,11Sへ向うブレーキ液の流れを抑制する連通弁26Pと、液路16Sにあり、液路16Sから第1液路11Sへ向うブレーキ液の流れを抑制する連通弁26Sと、ブレーキ液漏れの疑いがあることを示す所定の情報が入力されると、遮断弁26Pを開弁方向に作動させ、連通弁26Pを閉弁方向に作動させ、遮断弁21Sを閉弁方向に作動させ、連通弁26Sを開弁方向に作動させるECU100と、を備える。
つまり、ブレーキ液漏れの疑いがある場合には、P系統を踏力ブレーキにより制動力を発生可能な状態とし、S系統をポンプ7の作動により制動力を発生可能な状態とする。これにより、ブレーキ液漏れ箇所にかかわらず、運転者のブレーキ操作に応じて速やかにPS両系統の少なくとも一方のホイルシリンダ8を加圧できる。この結果、ブレーキ液漏れ発生時において、運転者のブレーキ操作に対する制動力の応答遅れを低減でき、運転者に与える違和感を軽減できる。また、ブレーキ液漏れ箇所の検知は不要であるため、早期にフェールセーフへ移行できる。さらに、ブレーキ液漏れ箇所に依らず同じ動作を行うため、制御の簡素化を図れる。
(2) ECU100は、所定の情報が入力された際、プライマリピストン32Pおよびセカンダリピストン32Sのストローク量に関する入力情報であるペダルストローク量に基づいて、ポンプ7を駆動する。
これにより、運転者の要求ブレーキ液圧に応じたS系統のホイルシリンダ圧を実現できるため、運転者が要求する車両減速度に対して実際の車両減速度が乖離するのを抑制でき、運転者に与える違和感を軽減できる。
(3) 所定の情報は、マスタシリンダ3と接続するリザーバタンク4に貯留されたブレーキ液の液面レベルを検出する液面センサ94の検出値が、液面低下閾値を下回ったことを示す情報である。
実施形態1のブレーキシステム1は、各ホイルシリンダ8の液圧を検出する液圧センサを持たず、各系統の液圧を検出する液圧センサ92をホイルシリンダ圧センサとして用いている。ここで、バイワイヤ制御中は第1液路11Bがポンプ7により加圧されるため、PS両系統のうち一方にブレーキ液漏れが発生している場合であっても、液圧センサ92の検出値からブレーキ液漏れの有無を早期に検知するのは困難である。一方、ブレーキ液漏れが発生した場合、リザーバタンク4の液面は必ず低下するから、リザーバタンク4の液面の変化を検出することにより、ブレーキ液漏れの発生を早期かつ確実に検知できる。
(4) マスタシリンダ3のプライマリ液圧室31Pと、ブレーキペダル2の操作反力を生成するストロークシミュレータ5と、を接続する第2液路12を備える。
これにより、運転者がブレーキ操作してバイワイヤ制御によりホイルシリンダ圧を発生している状態でブレーキ液漏れが発生した場合、ストロークシミュレータ5の正圧室511がブレーキ液を最大限吸収した(ピストン52が最大ストロークした)状態であっても、プライマリ液圧室31Pにはブレーキ液が残っている状態となる。したがって、P系統を踏力ブレーキとしたとき、運転者によるブレーキペダル2の踏み込み操作に応じて、プライマリ液圧室31Pからホイルシリンダ8a,8dへブレーキ液を供給できる。
(5) ブレーキ液漏れの疑いがあることを示す所定の情報が入力されると、プライマリピストン32Pが移動することにより、ブレーキ液圧を発生するマスタシリンダ3のプライマリ液圧室31Pと、P系統のホイルシリンダ8a,8dと、を接続する第1液路11Pに、運転者のブレーキペダル操作に基づくブレーキ液圧を発生させ、プライマリピストン32Pに対して最大ストローク量が短いセカンダリピストン32Sが移動することにより、ブレーキ液圧を発生するマスタシリンダ3のセカンダリ液圧室31Sと、S系統のホイルシリンダ8b,8cと、を接続する第1液路11Sに、マスタシリンダ3とは別の液圧源(ポンプ7)によってブレーキ液圧を発生させる。
これにより、ブレーキ液漏れの疑いがある場合には、ブレーキ液漏れ箇所にかかわらず、運転者のブレーキ操作に応じて速やかにPS両系統の少なくとも一方のホイルシリンダ8を加圧できる。この結果、ブレーキ液漏れ発生時において、運転者のブレーキ操作に対する制動力の応答遅れを低減でき、運転者に与える違和感を軽減できる。また、ブレーキ液漏れ箇所の検知は不要であるため、早期にフェールセーフへ移行できる。さらに、ブレーキ液漏れ箇所に依らず同じ動作を行うため、制御の簡素化を図れる。
(6) ブレーキシステム1であって、マスタシリンダ3と、液圧ユニット6と、ECU100と、を備え、マスタシリンダ3は、プライマリピストン32Pが移動することにより、ブレーキ液圧を発生するプライマリ液圧室31Pと、プライマリピストン32Pに対して最大ストローク量が短いセカンダリピストン32Sが移動することにより、ブレーキ液圧を発生するセカンダリ液圧室31Sと、を有し、液圧ユニット6は、プライマリ液圧室31Pと、P系統のホイルシリンダ8a,8dと、を接続する第1液路11Pと、セカンダリ液圧室31Sと、S系統のホイルシリンダ8b,8cと、を接続する第1液路11Sと、第1液路11Pにある遮断弁21Pと、第1液路11Sにある遮断弁21Sと、遮断弁21Pとホイルシリンダ8a,8dとの間の第1液路11Pと、遮断弁21Sとホイルシリンダ8b,8cとの間の第1液路11Sと、を接続する液路16P,16Sと、液路16P,16Sにブレーキ液を供給するポンプ7と、液路16Pにあり、液路16Pから第1液路11Pへ向うブレーキ液の流れを抑制する連通弁26Pと、液路16Sにあり、液路16Sから第1液路11Sへ向うブレーキ液の流れを抑制する連通弁26Sと、を有し、ECU100は、ブレーキ液漏れの疑いがあることを示す所定の情報が入力されると、遮断弁21Pを開弁方向に作動させ、連通弁26Pを閉弁方向に作動させ、遮断弁21Sを閉弁方向に作動させ、連通弁26Sを開弁方向に作動させる。
つまり、ブレーキシステム1は、ブレーキ液漏れの疑いがある場合には、P系統を踏力ブレーキにより制動力を発生可能な状態とし、S系統をポンプ7の作動により制動力を発生可能な状態とする。これにより、ブレーキ液漏れ箇所にかかわらず、運転者のブレーキ操作に応じて速やかにPS両系統の少なくとも一方のホイルシリンダ8を加圧できる。この結果、ブレーキ液漏れ発生時において、運転者のブレーキ操作に対する制動力の応答遅れを低減でき、運転者に与える違和感を軽減できる。また、ブレーキ液漏れ箇所の検知は不要であるため、早期にフェールセーフへ移行できる。さらに、ブレーキ液漏れ箇所に依らず同じ動作を行うため、制御の簡素化を図れる。
〔実施形態2〕
次に、実施形態2を説明する。実施形態2の基本的な構成は実施形態1と同じであるため、異なる部分のみ説明する。
図9は、実施形態2のブレーキ液漏れ検知後動作を示すフローチャートである。このフローチャートは、所定の演算周期で繰り返し実行される。
ステップS1では、フェールセーフ部103において、故障状態であるか否かを判定する。YESの場合はステップS3へ進み、NOの場合はステップS2へ進む。判定方法は図3のステップS1と同じである。
ステップS2では、バイワイヤ制御部101において、バイワイヤ制御を実施する。
ステップS3では、フェールセーフ部103において、ブレーキ液漏れ系統が検知済みであるか否かを判定する。YESの場合はステップS6へ進み、NOの場合はステップS4へ進む。このステップでは、後述する液漏れ検知モードの判定結果が不揮発性メモリに記録されている場合に、ブレーキ液漏れ系統が検知済みであると判定する。
ステップS4では、フェールセーフ部103において、液漏れ検知モードを実施する。液漏れ検知モードは、ブレーキ液漏れ系統がP系統であるかS系統であるかを判定するもので、例えば、特開2014-151806公報や特開2015-182631号公報に記載された方法に準ずる。簡単に説明すると、前者に記載のものは、ポンプ7を作動させた状態で、連通弁26Pと連通弁26Sとを交互に複数回開閉させ、プライマリ系統圧センサ92Pおよびセカンダリ系統圧センサ92Sで検出された検出値の大きさに基づいてブレーキ液漏れ系統を判定する。後者に記載のものは、PS両系統にブレーキ液を封じ込め、一定時間経過後にプライマリ系統圧センサ92Pおよびセカンダリ系統圧センサ92Sで検出された検出値と閾値とを比較してブレーキ液漏れ系統を判定する。なお、液漏れ検知モードの開始から所定時間が経過してもブレーキ液漏れ系統を判定できない場合には、ブレーキ液漏れ箇所がPS両系統以外の箇所であると判定して液漏れ検知モードを終了する。フェールセーフ部103は、液漏れ検知モードの判定結果を不揮発性メモリに記録する。液漏れ検知モードの判定結果は、ディーラーやサービス工場等の作業者により手動でクリアされる。
ステップS5では、フェールセーフ部103において、ブレーキ液漏れ系統がP系統であるか否かを判定する。YESの場合はステップS6へ進み、NOの場合はステップS7へ進む。
ステップS6では、フェールセーフ部103において、連通弁26Pを閉弁方向に作動させてブレーキ液漏れが検知されたP系統を切り離し、ブレーキ液漏れが検知されていないS系統のみでバイワイヤ制御(片系統倍力制御)を実施する。連通弁26P以外の各アクチュエータの動作はバイワイヤ制御と同様である。
ステップS7では、フェールセーフ部103において、ブレーキ液漏れ系統がS系統であるか否かを判定する。YESの場合はステップS8へ進み、NOの場合はステップS9へ進む。
ステップS8では、フェールセーフ部103において、連通弁26Sを閉弁方向に作動させてブレーキ液漏れが検知されたS系統を切り離し、ブレーキ液漏れが検知されていないP系統のみでバイワイヤ制御(片系統倍力制御)を実施する。連通弁26S以外の各アクチュエータの動作はバイワイヤ制御と同様である。
ステップS9では、フェールセーフ部103において、片系統踏力片系統倍力制御を実施する。
P系統またはS系統の一方にブレーキ液漏れが生じている状態で、バイワイヤ制御を継続した場合、ブレーキ液漏れ箇所からPS両系統のブレーキ液が流出し、最終的に制動力が得られなくなるおそれがある。そこで、実施形態2では、ブレーキ液漏れの疑いがある場合には、液漏れ検知モードを実行してブレーキ液漏れが生じている系統を特定する。ブレーキ液漏れが生じている系統を特定できた場合は、当該失陥系統を他方の正常系統から切り離し、正常系統のみでバイワイヤ制御を継続する(片系統倍力制御)。これにより、正常系統で制動力を発生するために必要なブレーキ液を確保できるため、ポンプ7を用いた倍力制御を継続できると共に、正常系統をのみを用いることでより確実な制動力確保が可能となる。
一方、ブレーキ液漏れが生じている系統を特定できない場合は、P系統を踏力ブレーキとし、S系統をバイワイヤ制御する片系統踏力片系統倍力制御を実行する。ここで、ブレーキ液漏れ系統を特定できない理由は、以下のいずれかである。
理由1:PS両系統にブレーキ液漏れは発生しておらず、他の理由でリザーバタンク4の液面が低下している場合。「他の理由」とは、例えば、ブレーキパッドが摩耗してホイルシリンダ8の消費液量が増大しているにもかかわらず、長期間ブレーキ液の補充がなされていないために、リザーバタンク4の液面が低下している場合、S系統の第1液路11Aにおける液圧ユニット6とマスタシリンダ3との間の所定箇所にブレーキ液の外部漏れが発生している場合や、吸入液路15におけるリザーバタンク4と液圧ユニット6との間の所定箇所にブレーキ液の外部漏れが発生している場合などである。
理由2:P系統またはS系統にブレーキ液漏れが発生しているが、うまく検知できない場合。
ブレーキ液漏れが発生していない場合は問題ないが、ブレーキ液漏れ箇所を特定できない場合やブレーキ液漏れを検知できない場合はバイワイヤ制御を継続せず、片系統踏力片系統倍力制御を実行する。これにより、制動力を確保できると共に、運転者のブレーキ操作に対する制動力の応答遅れを低減できる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明を実施するための実施形態を説明したが、本発明の具体的な構成は実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、マスタシリンダ3とは別の液圧源(第2の液圧源)として、ポンプ7にアキュムレータのような蓄圧装置を組み合わせた液圧源を用いてもよい。
液圧ユニットは、マスタシリンダ3、液圧ユニット6およびストロークシミュレータ5が一体化された一体型であってもよいし、いずれか1つが分割された分割型であってもよい。さらに、液圧ユニット6を分割型としてもよい。
ストロークシミュレータ5がS系統に接続されている場合には、セカンダリピストン32Sの最大ストローク量Lsを、プライマリピストン32Pの最大ストローク量Lpよりも大きく設定する。片系統踏力片系統倍力制御では、遮断弁21Sを開弁方向に作動させ、遮断弁21Pを閉弁方向に作動させ、連通弁26Sを閉弁方向に作動させ、連通弁26Pを開弁方向に作動させ、SS/V OUT24を閉弁方向に作動させ、ポンプ7を作動させ、調圧弁17を閉弁方向に比例制御する。
1 ブレーキシステム
2 ブレーキペダル
3 マスタシリンダ
4 リザーバタンク
5 ストロークシミュレータ
6 液圧ユニット
7 ポンプ(液圧源)
8a,8d ホイルシリンダ(第1ホイルシリンダ)
8b,8c ホイルシリンダ(第2ホイルシリンダ)
11P 第1液路(第1接続液路)
11S 第1液路(第2接続液路)
12 第2液路(シミュレータ液路)
16P,16S 液路(連通液路)
21P 遮断弁(第1遮断弁)
21S 遮断弁(第2遮断弁)
26P 連通弁(第1連通弁)
26S 連通弁(第2連通弁)
31P プライマリ液圧室(第1室)
31S セカンダリ液圧室(第2室)
32P プライマリピストン(第1ピストン)
32S セカンダリピストン(第2ピストン)
94 液面センサ
100 ECU(コントロールユニット)

Claims (6)

  1. 第1ピストンが移動することにより、ブレーキ液圧を発生するマスタシリンダの第1室と、第1ホイルシリンダと、を接続する第1接続液路と、
    前記第1ピストンに対して最大ストローク量が短い第2ピストンが移動することにより、ブレーキ液圧を発生する前記マスタシリンダの第2室と、第2ホイルシリンダと、を接続する第2接続液路と、
    前記第1接続液路にある第1遮断弁と、
    前記第2接続液路にある第2遮断弁と、
    前記第1遮断弁と前記第1ホイルシリンダとの間の前記第1接続液路と、前記第2遮断弁と前記第2ホイルシリンダとの間の前記第2接続液路と、を接続する連通液路と、
    前記連通液路にブレーキ液を供給する液圧源と、
    前記連通液路にあり、前記連通液路から前記第1接続液路へ向うブレーキ液の流れを抑制する第1連通弁と、
    前記連通液路にあり、前記連通液路から前記第2接続液路へ向うブレーキ液の流れを抑制する第2連通弁と、
    所定の情報が入力されると、前記第1遮断弁を開弁方向に作動させ、前記第1連通弁を閉弁方向に作動させ、前記第2遮断弁を閉弁方向に作動させ、前記第2連通弁を開弁方向に作動させるコントロールユニットと、
    を備えるブレーキ制御装置。
  2. 請求項1に記載のブレーキ制御装置において、
    前記コントロールユニットは、前記所定の情報が入力された際、前記第1ピストンおよび第2ピストンの移動量に関する入力情報に基づいて、前記液圧源を駆動するブレーキ制御装置。
  3. 請求項2に記載のブレーキ制御装置において、
    前記所定の情報は、前記マスタシリンダと接続するリザーバタンクに貯留されたブレーキ液の液面レベルを検出する液面センサの検出値が、液面低下閾値を下回ったことを示す情報であるブレーキ制御装置。
  4. 請求項1に記載のブレーキ制御装置において、
    前記マスタシリンダの第1室と、ブレーキペダルの操作反力を生成するストロークシミュレータと、を接続するシミュレータ液路を備えるブレーキ制御装置。
  5. 所定の情報が入力されると、
    第1ピストンが移動することにより、ブレーキ液圧を発生するマスタシリンダの第1室と、第1ホイルシリンダと、を接続する第1接続液路に、運転者のブレーキペダル操作に基づくブレーキ液圧を発生させ、
    前記第1ピストンに対して最大ストローク量が短い第2ピストンが移動することにより、ブレーキ液圧を発生する前記マスタシリンダの第2室と、第2ホイルシリンダと、を接続する第2接続液路に、前記マスタシリンダとは別の液圧源によってブレーキ液圧を発生させるブレーキ制御方法。
  6. ブレーキシステムであって、
    マスタシリンダと、液圧ユニットと、コントロールユニットと、を備え、
    前記マスタシリンダは、
    第1ピストンが移動することにより、ブレーキ液圧を発生する第1室と、
    前記第1ピストンに対して最大ストローク量が短い第2ピストンが移動することにより、ブレーキ液圧を発生する第2室と、
    を有し、
    前記液圧ユニットは、
    前記第1室と、第1ホイルシリンダと、を接続する第1接続液路と、
    前記第2室と、第2ホイルシリンダと、を接続する第2接続液路と、
    前記第1接続液路にある第1遮断弁と、
    前記第2接続液路にある第2遮断弁と、
    前記第1遮断弁と前記第1ホイルシリンダとの間の前記第1接続液路と、前記第2遮断弁と前記第2ホイルシリンダとの間の前記第2接続液路と、を接続する連通液路と、
    前記連通液路にブレーキ液を供給する液圧源と、
    前記連通液路にあり、前記連通液路から前記第1接続液路へ向うブレーキ液の流れを抑制する第1連通弁と、
    前記連通液路にあり、前記連通液路から前記第2接続液路へ向うブレーキ液の流れを抑制する第2連通弁と、
    を有し、
    前記コントロールユニットは、
    所定の情報が入力されると、前記第1遮断弁を開弁方向に作動させ、前記第1連通弁を閉弁方向に作動させ、前記第2遮断弁を閉弁方向に作動させ、前記第2連通弁を開弁方向に作動させるブレーキシステム。
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