JP2020090144A - ブレーキ制御装置 - Google Patents

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卓大 河上
Takahiro Kawakami
卓大 河上
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Abstract

【課題】 ペダルフィールの悪化を抑制できるブレーキ制御装置を提供する。【解決手段】 ブレーキ制御装置1は、マスタシリンダ3と、ブレーキ液圧に応じて前輪FL,FRに制動力を付与するホイルシリンダ8と、を接続する接続液路11と、接続液路11に設けられた遮断弁21と、接続液路11のうちの遮断弁21とホイルシリンダ8との間の液路11Bに接続する吐出液路16と、吐出液路16にブレーキ液を供給するポンプ7と、マスタシリンダ3と接続される正圧室511と、正圧室511とピストン52により仕切られる背圧室512と、を備えるストロークシミュレータ5と、背圧室512と、吐出液路16と、を接続する第1シミュレータ液路13と、第1シミュレータ液路13に設けられたSS/V IN23と、を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、ブレーキ制御装置に関する。
特許文献1には、マスタシリンダと、ブレーキペダルの操作反力を生成するストロークシミュレータと、を接続する液路に、電磁弁が設けられたブレーキ制御装置が開示されている。
米国特許第2015/0020520号明細書
上記従来技術では、ストロークシミュレータのピストンに対してセット荷重が付与された状態でバネが配置されている。そのため、ブレーキペダルの踏み込みの際にセット荷重分の液圧が発生するまでブレーキペダルの進みが遅くなり、ペダルフィールが悪化するおそれがあった。
本発明の目的は、ペダルフィールの悪化を抑制できるブレーキ制御装置を提供することにある。
本発明の一実施形態に係るブレーキ制御装置では、マスタシリンダと接続される第1室と、第1室とピストンにより仕切られる第2室と、を備えるストロークシミュレータと、第2室と、吐出液路と、を接続する第1シミュレータ液路と、第1シミュレータ液路に設けられたシミュレータイン弁と、を備える。
よって、本発明によれば、ペダルフィールの悪化を抑制できる。
実施形態1のブレーキ制御装置1の構成図である。 実施形態1におけるW/C液圧制御とS/SIMピストン戻し制御との切り替え判断処理の流れを示すフローチャートである。 実施形態1のS/SIMピストン戻し制御処理の流れを示すフローチャートである。 ペダル踏力に対するペダルストロークの特性図である。 ペダルストロークに対するマスタシリンダ液圧の特性図である。 実施形態2のブレーキ制御装置1Aの構成図である。 実施形態2のW/C液圧制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施形態2のS/SIMピストン戻し制御処理の流れを示すフローチャートである。
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1のブレーキ制御装置1の構成図である。
ブレーキ制御装置1は、特に電動車両に好適な液圧式ブレーキと電動式ブレーキで構成されている。電動車両は、車輪を駆動する駆動力源として、エンジン(内燃機関)の他にモータジェネレータを備えたハイブリッド車や、モータジェネレータのみを備えた電気自動車等である。なお、ブレーキ制御装置1を、エンジンのみを駆動力源とする車両に適用してもよい。図1の各部において、符号の末尾Pは、マスタシリンダ3のプライマリ系統(P系統)に対応することを示す。符号の末尾Sは、マスタシリンダ3のセカンダリ系統(S系統)に対応することを示す。P,S系統を区別しない場合にはP,Sの記載は省略する。また、符号の末尾aは、左前輪(第1系統車輪部)FLに対応することを示す。符号の末尾bは、右前輪(第2系統車輪部)FRに対応することを示す。符号の末尾cは、左後輪RLに対応することを示す。符号の末尾dは、右後輪RRに対応することを示す。各車輪FL〜RRを区別しない場合には、a〜dの記載は省略する。
ブレーキ制御装置1は、車両の各車輪FL〜RRに対応して車体側に設けられたブレーキパッドを、車輪側に設けられたブレーキディスクに押し付けることにより、各車輪FL〜RRに制動トルクを付与する。前輪(車輪部)FL,FR側では、液圧式ブレーキを用いてホイルシリンダ(制動力付与部)8にブレーキ液圧(ホイルシリンダ液圧)を発生させることにより、ブレーキパッドを移動させる。後輪RL,RR側では、電動ブレーキユニット9を用いてモータ推力を発生させることにより、ブレーキパッドを移動させる。ディスクブレーキに代えてドラムブレーキを用いてもよい。
ブレーキペダル2は、ドライバのブレーキ操作の入力を受けるブレーキ操作部材である。ブレーキペダル2は、いわゆる吊下げ型であり、その基端が軸201によって回転自在に支持されている。ブレーキペダル2の先端にはドライバが踏み込む対象となるパッド202が設けられている。ブレーキペダル2の軸201とパッド202との間における基端側には、プッシュロッド204の一端が、軸203により回転可能に接続されている。
マスタシリンダ3は、ドライバによるブレーキペダル2の操作(ブレーキ操作)により作動して、ブレーキ液圧(マスタシリンダ液圧)を発生する。なお、ブレーキ制御装置1は、車両のエンジンが発生する吸気負圧を利用してブレーキ操作力(ブレーキペダル2の踏力)を倍力ないし増幅する負圧式の倍力装置を備えていない。これにより、ブレーキ制御装置1の小型化を可能にしている。
マスタシリンダ3は、プッシュロッド204を介してブレーキペダル2に接続されると共に、リザーバタンク4からブレーキ液が補給される。リザーバタンク4は、ブレーキ液を貯留するブレーキ液源であり、大気圧に開放される低圧部である。リザーバタンク4の内部における底部側(鉛直方向下側)は、所定の高さを有する複数の仕切り部材により、プライマリ液圧室用空間41P、セカンダリ液圧室用空間41Sおよびポンプ吸入用空間42に区画されている。マスタシリンダ3は、タンデム型であり、ブレーキ操作に応じて軸方向に移動するマスタシリンダピストンとして、プライマリピストン32Pとセカンダリピストン32Sとを直列に備えている。プライマリピストン32Pは、プッシュロッド204に接続されている。セカンダリピストン32Sは、フリーピストン型である。
ブレーキペダル2には、ストロークセンサ90が設けられている。ストロークセンサ90はブレーキペダル2の変位量(ペダルストローク)を検出する。なお、ストロークセンサ90をプッシュロッド204やプライマリピストン32Pに設けてペダルストロークを検出してもよい。ペダルストロークは、プッシュロッド204またはプライマリピストン32Pの軸方向変位量(ストローク量)にブレーキペダルのペダル比Kを乗じたものに相当する。ペダル比Kは、プライマリピストン32Pのストローク量に対するペダルストロークの比率であり、所定の値に設定される。ペダル比Kは、例えば、軸201から軸203までの距離に対する、軸201からパッド202までの距離の比により算出できる。
ストロークシミュレータ5は、ドライバのブレーキ操作に応じて作動する。ストロークシミュレータ5は、ドライバのブレーキ操作に応じてマスタシリンダ3の内部から流出したブレーキ液がストロークシミュレータ5内に流入することで、ペダルストロークを発生させる。ストロークシミュレータ5のピストン52は、マスタシリンダ3から供給されたブレーキ液により、シリンダ50内を軸方向に作動する。これにより、ストロークシミュレータ5はドライバのブレーキ操作に伴う操作反力を生成する。
液圧制御ユニット6は、ドライバによるブレーキ操作とは独立に前輪FL,FRに制動トルクを付与可能である。電子制御ユニット(コントロールユニットであり、以下、ECUという。)100は、液圧制御ユニット6の作動を制御する。液圧制御ユニット6は、ホイルシリンダ8とマスタシリンダ3との間に設けられており、各ホイルシリンダ8にマスタシリンダ液圧または制御液圧を個別に供給可能である。
電動ブレーキユニット9は、ドライバによるブレーキ操作とは独立に後輪RL,RRに制動トルクを付与可能である。ECU200は、電動ブレーキユニット9の作動を制御する。ECU100とECU200は通信線101を経由して通信を行う。
液圧制御ユニット6は、制御液圧を発生するためのアクチュエータとして、ポンプ(第1液圧源)7のモータ73および複数の制御弁(遮断弁21等)を有している。ポンプ7は、リザーバタンク4からブレーキ液を吸入し、ホイルシリンダ8に向けて吐出する。ポンプ7は、5つのプランジャポンプである。モータ73は、例えばブラシ付きモータである。遮断弁21等は、制御信号に応じて開閉動作し、接続液路(接続液路部)11等の連通状態を切り替えることにより、ブレーキ液の流れを制御する。液圧制御ユニット6は、マスタシリンダ3およびホイルシリンダ8間の連通を遮断した状態で、ポンプ7が発生するブレーキ液圧によりホイルシリンダ8を昇圧する。また、液圧制御ユニット6は、マスタシリンダ液圧、ホイシリンダ液圧を検出する圧力センサ91,92を備える。
ECU100には、ストロークセンサ90、圧力センサ91,92から送られる検出値に加え、車両側から送られる走行状態に関する情報(車輪速等)が入力される。ECU100は、入力された各種情報に基づき、内蔵されるプログラムに従って情報処理を行い、ホイルシリンダ(第1系統制動力付与部)8aおよびホイルシリンダ(第2系統制動力付与部)8bの目標ホイルシリンダ液圧および電動ブレーキユニット9の目標モータ推力を演算する。ECU100は、ホイルシリンダ8a,8bのホイルシリンダ液圧が目標ホイルシリンダ液圧となるように液圧制御ユニット6の各アクチュエータに指令信号を出力する。また、ECU100は、電動ブレーキユニット9のモータ推力を目標モータ推力にする要求をECU200へ出力する。ECU200は、電動ブレーキユニット9のモータ推力が目標モータ推力となるように電動モータを制御する。これにより、各種ブレーキ制御(倍力制御、アンチロック制御、車両運動制御のためのブレーキ制御、自動ブレーキ制御および回生協調ブレーキ制御等)を実現できる。倍力制御は、ドライバのブレーキ踏力では不足するブレーキ液圧を発生してブレーキ操作を補助する。アンチロック制御は、各車輪FL〜RRの制動スリップ(ロック傾向)を抑制する。車両運動制御は、横滑り等を防止する車両挙動安定化制御である。自動ブレーキ制御は、先行車追従制御や自動緊急ブレーキ等である。回生協調ブレーキ制御は、回生ブレーキと協調して目標減速度を達成するようにホイルシリンダ液圧およびモータ推力を制御する。
マスタシリンダ3の両ピストン32P,32S間には、プライマリ液圧室31Pが画成されている。プライマリ液圧室31Pには、圧縮コイルスプリング33Pが設置されている。セカンダリピストン32Sおよびシリンダ30の底部間には、セカンダリ液圧室31Sが画成されている。セカンダリ液圧室31Sには、圧縮コイルスプリング33Sが設置されている。各液圧室31P,31Sには、マスタシリンダ配管10P,10Sが開口する。各液圧室31P,31Sは、マスタシリンダ配管10P,10Sを介して液圧制御ユニット6の接続液路11と接続すると共に、ホイルシリンダ8と連通可能に設けられている。
ドライバによるブレーキペダル2の踏み込み操作によってピストン32がストロークし、液圧室31の容積の減少に応じてマスタシリンダ液圧が発生する。両液圧室31P,31Sには略同じマスタシリンダ液圧が発生する。これにより、液圧室31からマスタシリンダ配管10P,10Sおよび接続液路11を介してホイルシリンダ8に向けてブレーキ液が供給される。マスタシリンダ3は、プライマリ液圧室31Pに発生したマスタシリンダ液圧によりP系統の液路(マスタシリンダ配管10P、接続液路11P)を介してP系統のホイルシリンダ8aを昇圧可能である。また、マスタシリンダ3は、セカンダリ液圧室31Sに発生したマスタシリンダ液圧によりS系統の液路(マスタシリンダ配管10S、接続液路11S)を介してS系統のホイルシリンダ8bを昇圧可能である。
ストロークシミュレータ5は、シリンダ50、ピストン52、第1コイルスプリング53、第2コイルスプリング54およびダンパ55を有する。シリンダ50は円筒状の内周面を有する。シリンダ50は、ピストン収容部501およびスプリング収容部502を有する。ピストン収容部501はスプリング収容部502よりも小径である。スプリング収容部502の内周面には、後述する第1シミュレータ液路13(13A)が常時開口する。
ピストン52は、ピストン収容部501内をピストン収容部501の軸方向に移動可能である。ピストン52は、シリンダ50内を正圧室(第1室)511と背圧室(第2室)512とに分離する。正圧室511には、正圧液路12が常時開口する。背圧室512には、第1シミュレータ液路13Aが常時開口する。ピストン52の外周には、ピストン52の軸心の周り方向(周方向)に延びるようにピストンシール56が設置されている。ピストンシール56は、ピストン収容部501の内周面に摺接し、ピストン収容部501の内周面およびピストン52の外周面間をシールする。ピストンシール56は、正圧室511および背圧室512間をシールすることでこれらを液密に分離する分離シール部材であり、ピストン52の機能を補完する。第1コイルスプリング53および第2コイルスプリング54は、背圧室512内に設置された圧縮コイルスプリングであり、ピストン52を背圧室512側から正圧室511側へ向かって付勢する。第1コイルスプリング53および第2コイルスプリング54は、圧縮量に応じて反力を発生する。第1コイルスプリング53は、第2コイルスプリング54よりも小径かつ短尺であり、線径が小さい。第1コイルスプリング53のばね定数は第2コイルスプリング54のばね定数よりも小さい。第1コイルスプリング53および第2コイルスプリング54は、ピストン52およびスプリング収容部502間に、リテーナ部材57を介して直列に配置されている。ダンパ55は、背圧室512内に設置され、リテーナ部材57を介してピストン52を背圧室512側から正圧室511側へ向かって付勢する。
接続液路11は、ホイルシリンダ配管10a,10bを介してホイルシリンダ8と接続する。遮断弁(遮断弁部)21は、接続液路11に設けられた常開型の(非通電状態で開弁する)比例制御弁である。比例制御弁は、ソレノイドに供給される電流に応じて開度を調整可能である。遮断弁(第1遮断弁)21PはP系統の接続液路11Pに設けられ、遮断弁(第2遮断弁)21SはS系統の接続液路11Sに設けられている。接続液路11は、遮断弁21によって、マスタシリンダ3側の接続液路11Aとホイルシリンダ8側の接続液路11Bとに分離されている。
ソレノイドイン弁(SOL/V IN)25は、接続液路11における遮断弁21よりもホイルシリンダ8側(接続液路11B)に、各車輪FL,FRに対応して(接続液路11a,11b)設けられた常開型の比例制御弁である。接続液路11には、SOL/V IN25をバイパスするバイパス液路110が設けられている。バイパス液路110には、ホイルシリンダ8側からマスタシリンダ3側へのブレーキ液の流れのみを許容するチェック弁250が設けられている。
吸入液路15は、内部リザーバ29およびポンプ7の吸入部70間を接続する。内部リザーバ29は、ブレーキ液を貯留可能な所定容積の液溜まりである。サクションホース10Xは、内部リザーバ29およびリザーバタンク4のポンプ吸入用空間42間を接続する。吐出液路16は、ポンプ7の吐出部71および接続液路11B間を接続する。吐出部71には、ブレーキ液の逆流を防止するためのチェック弁(不図示)が設けられている。吐出液路16は、P系統の吐出液路16PとS系統の吐出液路16Sとに分岐する。各吐出液路16P,16SはそれぞれP系統の接続液路(第1系統接続液路)11PとS系統の接続液路(第2系統接続液路)11Sに接続する。吐出液路16P,16Sは、接続液路11P,11Sを互いに接続する連通液路として機能する。連通弁26は、吐出液路16に設けられた常閉型の(非通電状態で閉弁する)オンオフ弁である。オンオフ弁は、開閉が2値的に切り替え制御される。P系統の吐出液路16Pには連通弁(第1連通弁)26Pが設けられ、S系統の吐出液路16Sには連通弁(第2連通弁)26Sが設けられている。
第1減圧液路17は、吐出液路16における両吐出液路16P,16Sの分岐点および吸入液路15間を接続する。第1減圧液路17には、調圧弁27が設けられている。調圧弁27は、常開型の比例制御弁である。第2減圧液路18は、接続液路11BにおけるSOL/V IN25よりもホイルシリンダ8側と、吸入液路15とを接続する。ソレノイドアウト弁(SOL/V OUT)28は、第2減圧液路18に設けられた常閉型のオンオフ弁である。なお、実施形態1では、調圧弁27よりも吸入液路15の側の第1減圧液路17と、SOL/V OUT28よりも吸入液路15の側の第2減圧液路18とが、部分的に共通している。正圧液路12は、プライマリ系統の接続液路11Aから分岐してストロークシミュレータ5の正圧室511に接続する。なお、正圧液路12が、接続液路11Bを介さずにプライマリ液圧室31Pと正圧室511とを直接的に接続するようにしてもよい。
第1シミュレータ液路13は、ストロークシミュレータ5の背圧室512と、吐出液路16における両背圧液路16P,16Sの分岐点よりも吐出部71側の位置とを接続する。ストロークシミュレータイン弁(SS/V IN)23は、第1シミュレータ液路13に設けられた常閉型のオンオフ弁である。第1シミュレータ液路13は、SS/V IN23によって、背圧室512側の第1シミュレータ液路13Aと吐出液路16側の第1シミュレータ液路13Bとに分離されている。SS/V IN23をバイパスして第1シミュレータ液路13と並列にバイパス液路130が設けられている。バイパス液路130は、第1シミュレータ液路13Aおよび第1シミュレータ液路13B間を接続する。バイパス液路130にはチェック弁230が設けられている。チェック弁230は、背圧室512側(第1シミュレータ液路13A)から吐出液路16側(吐出液路16B)へ向うブレーキ液の流れを許容し、逆方向へのブレーキ液の流れを抑制する。
第2シミュレータ液路14は、第1シミュレータ液路13における背圧室512とSS/V IN23との間(第1シミュレータ液路13A)と、吸入液路15(ないし、調圧弁27よりも吸入液路15側の第1減圧液路17や、SOL/V OUT28よりも吸入液路15側の第2減圧液路18)とを接続する。なお、第2シミュレータ液路14を背圧室512や内部リザーバ29と直接的に接続してもよい。
ストロークシミュレータアウト弁(SS/V OUT)24は、第2シミュレータ液路14に設けられた常閉型のオンオフ弁である。SS/V OUT24をバイパスして、第2シミュレータ液路14と並列にバイパス液路140が設けられている。バイパス液路140には、リザーバタンク4(吸入液路15)側から第1シミュレータ液路13A側すなわち背圧室512側へ向うブレーキ液の流れを許容し、逆方向へのブレーキ液の流れを抑制するチェック弁240が設けられている。
接続液路11Pにおける遮断弁21Pとマスタシリンダ3との間(接続液路11A)には、この箇所の液圧(マスタシリンダ液圧およびストロークシミュレータ5の正圧室511内の液圧)を検出するマスタシリンダ液圧センサ(第1の圧力センサ)91が設けられている。
接続液路11Bには、この箇所の液圧(ホイルシリンダ液圧)を検出するホイルシリンダ液圧センサ92が設けられている。
ECU100は、ブレーキペダル2が踏み込まれると、遮断弁21を閉じ、ペダルストロークSに応じてポンプ7を作動させることにより、ホイルシリンダ8を昇圧する。ECU100は、ストロークセンサ90からのペダルストロークに基づき、所定の倍力比に応じてペダルストロークとドライバが要求する車両減速度との間の理想の関係を実現する各車輪FL〜RRの制動トルクを求め、当該制動トルクを実現するための前輪FL,FRの目標ホイルシリンダ液圧および後輪RL,RRの目標モータ推力を算出する。目標モータ推力は、ECU200に出力される。ECU100は、遮断弁21を閉弁方向に作動させることで、液圧制御ユニット6の状態を、ポンプ7によりホイルシリンダ液圧を発生(昇圧制御)可能な状態とする。この状態で、液圧制御ユニット6の各アクチュエータを制御して目標ホイルシリンダ液圧を実現するホイルシリンダ液圧制御(W/C液圧制御)を実行する。具体的には、遮断弁21を閉弁方向に作動させ、連通弁26を開弁方向に作動させ、調圧弁27を閉弁方向に作動させると共に、ポンプ7を作動させる。このように制御することで、リザーバタンク4側から所望のブレーキ液を吸入液路15、ポンプ7、吐出液路16および接続液路11を経由してホイルシリンダ8に送ることが可能である。
ポンプ7が吐出するブレーキ液は吐出液路16を介して接続液路11Bに流入する。このブレーキ液が各ホイルシリンダ8に流入することによって、各ホイルシリンダ8が昇圧される。すなわち、ポンプ7により接続液路11Bに発生させた液圧を用いてホイルシリンダ8を昇圧する。このとき、ホイルシリンダ液圧センサ92により検出されるホイルシリンダ液圧が目標ホイルシリンダ液圧に近づくようにポンプ7の回転数や調圧弁27の開弁状態(開度等)をフィードバック制御することで、所望の制動力が得られる。すなわち、調圧弁27の開弁状態を制御し、吐出液路16ないし接続液路11から調圧弁27を介して吸入液路15へブレーキ液を適宜排出させることで、ホイルシリンダ液圧を調節できる。遮断弁21を閉弁方向に作動させ、マスタシリンダ3側とホイルシリンダ8側とを遮断することで、ドライバのブレーキ操作から独立したホイルシリンダ液圧の制御が容易となる。
ホイルシリンダ液圧が目標ホイルシリンダ液圧を実現した後に連通弁26を閉弁方向に作動させることでホイルシリンダ液圧を保持する。その後にポンプ7(モータ73)を停止、調圧弁27を開弁方向に作動させる。これによりホイルシリンダ液圧を増減する必要が無い場合の消費電力が抑えられる。
一方、ECU100は、ブレーキペダル2が踏み込まれると、SS/V OUT24を開弁方向に作動させる。これにより、ストロークシミュレータ5の背圧室512と吸入液路15(リザーバタンク4)側とが連通する。よって、ブレーキペダル2の踏み込み操作に伴いマスタシリンダ3からブレーキ液が吐出され、このブレーキ液がストロークシミュレータ5の正圧室511に流入する。正圧室511の液圧が第1コイルスプリング53によって与えられるセット荷重を超えると、ピストン52がストロークを開始する。これにより、ペダルストロークが発生する。正圧室511に流入する液量と同等の液量のブレーキ液が背圧室512から流出する。このブレーキ液は第1シミュレータ液路13Aおよび第2シミュレータ液路14を介して吸入液路15(リザーバタンク4)側へ排出される。ピストン52のストロークが増加すると、第1コイルスプリング53、第2コイルスプリング54、ダンパ55の順に圧縮される。このとき、各スプリング(第1コイルスプリング53、第2コイルスプリング54、ダンパ55)のばね力がピストン52を押す力により、ブレーキペダル2に作用する操作反力(ペダル反力)が発生する。すなわち、ストロークシミュレータ5は、バイワイヤ制御時に、ブレーキペダル2の特性(ペダル踏力に対するペダルストロークの関係であるF-S特性)を生成する。
実施形態1では、ペダルフィールの悪化を抑制することを狙いとし、ECU100は、ブレーキペダル2が踏み戻される際に、ストロークシミュレータ・ピストン戻し制御(S/SIMピストン戻し制御)を実施する。図2は、ECU100で実行される、W/C液圧制御とS/SIMピストン戻し制御との切り替え判断処理の流れを示すフローチャートである。ECU100は、この処理を所定の周期で繰り返し実行する。
ステップS1では、ペダルストロークLが閾値L0よりも大きかを判定する。YESの場合はステップS2へ進み、NOの場合は本処理を終了する。閾値L0は、正の値であり、ブレーキペダル2が踏み込まれていると判断可能なペダルストロークである。
ステップS2では、W/C液圧制御の実行を指令する。W/C液圧制御は、以下では倍力制御を例にとって説明するが、ブレーキ操作に応じてストロークシミュレータ5を作動させる制御であればよく、倍力制御に限らない。上記のように、倍力制御では、ECU100は、遮断弁21を閉弁方向に作動させ、連通弁26を開弁方向に作動させ、調圧弁27の開閉を調節し、SS/V OUT24を開弁方向に作動させ、モータ73を駆動する。SS/V IN23その他の電磁弁を非通電状態とする。
ステップS3では、ペダルストロークLが閾値(所定操作量)L1よりも小さいかを判定する。YESの場合はステップS4へ進み、NOの場合はステップS2へ戻る。閾値L1は、正の値であり、マスタシリンダ3の両液圧室31P,31Sが大気開放されるペダルストローク(無効ストローク)である。
ステップS4では、S/SIMピストン戻し制御の実行を指令する。
図3は、ステップS4におけるS/SIMピストン戻し制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS11では、マスタシリンダ液圧Pmcが閾値P1よりも高いかを判定する。YESの場合はステップS12へ進み、NOの場合はステップS3へ戻る。P1は、マスタシリンダ液圧Pmcが大気圧以下であると判断できる値(大気圧よりも少し高い値)である。
ステップS12では、調圧弁27を閉弁方向に作動させ、連通弁26を閉弁方向に作動させ、SS/V IN23を開弁方向に作動させ、SS/V OUT24を閉弁方向に作動させ、SOL/V OUT24を開弁方向に作動させる。
ステップS13では、モータ73を駆動する。
ステップS14では、ステップS13を実行してから経過した時間Tが所定時間T1よりも大きいかを判定する。YESの場合はステップS15へ進み、NOの場合はステップS16へ進む。所定時間T1は、ストロークシミュレータ5のピストン52を初期位置に戻すために必要なポンプ7の吐出時間である。
ステップS15では、モータ73を停止し、SS/V OUT24を開弁方向に作動させる。
ステップS16では、ペダルストロークLが閾値L1よりも小さいかを判定する。YESの場合はステップS14へ戻り、NOの場合はステップS2へ戻る。
ステップS17では、ホイルシリンダ液圧Pwcが閾値P2よりも低いかを判定する。YESの場合はステップS18へ進み、NOの場合はステップS19へ進む。閾値P2は、ホイルシリンダ液圧Pwcが大気圧であると判断できる値(大気圧よりも少し高い値)である。
ステップS18では、全ての電磁弁を非通電とする。
ステップS19では、ペダルストロークLが閾値L1よりも小さいかを判定する。YESの場合はステップS17へ戻り、NOの場合はステップS2へ戻る。
次に、実施形態1のブレーキ制御装置1の作用を説明する。
図4は、ペダル踏力に対するペダルストロークの特性図(F-S特性図)である。ブレーキペダル2が初期位置から踏み込まれ、ペダル踏力がマスタシリンダ3の圧縮コイルスプリング33によって与えられるセット荷重F0を超えると、ブレーキペダル2がストロークを開始し、ペダルストロークはペダル踏力に比例して増加する。ペダル踏力が所定値F1になると、ストロークシミュレータ5の第1コイルスプリング53によって与えられるセット荷重F2により、ペダル踏力が増加してもペダルストロークが進まなくなる。ペダル踏力がセット荷重F2を超えると、ペダルストロークはペダル踏力に比例して増加する。このように、第1コイルスプリング53のセット荷重に起因して、ペダル踏力が増大してもペダルストロークが変化しない、いわゆる「横走り」が生じる。この横走り区間が長いほどドライバの違和感となるため、横走り区間を短くして欲しいとのニーズがあり、そのためには、第1コイルスプリング53のセット荷重を小さくする必要がある。ところが、第1コイルスプリング53のセット荷重を小さくすると、ブレーキペダル2が踏み戻される際、ピストン52が初期位置へ戻らなくなる(ピストン戻り不良)おそれがある。
図5は、ペダルストロークに対するマスタシリンダ液圧の特性図である。ブレーキペダル2が初期位置から踏み込まれて無効ストロークを超えると、マスタシリンダ液圧が発生し、マスタシリンダ液圧はペダルストロークの増加に応じて上昇する。ブレーキペダル2が踏み戻されると、マスタシリンダ液圧はペダルストロークの減少に応じて低下するが、ペダルストロークがある値まで戻ると、マスタシリンダ液圧は負圧状態となる。マスタシリンダ液圧が負圧状態のとき、ストロークシミュレータ5のピストン52の戻りは、マスタシリンダ3のピストン32に対して遅れが生じる。この遅れがピストン戻り不良の原因となる。その後、ペダルストロークが無効ストロークまで戻ると、液圧室31が大気開放されることでマスタシリンダ液圧はゼロとなる。
次に、ピストン戻り不良について説明する。ブレーキペダル2が踏み戻される際、ストロークシミュレータ5のピストン52には、ピストン52を初期位置に戻す力として、第1コイルスプリング53のバネ力が作用する。このとき、ピストン52には、正圧室511および背圧室512間の差圧と、ピストンシール56のフリクションとが抗力として作用する。つまり、差圧+シールフリクションがばね力よりも小さくなるまでブレーキペダル2を戻し、正圧室511の液圧が減少すると、ピストン52がストロークを開始するため、ピストン52はピストン32に対して遅れて戻る。さらにブレーキペダル2を戻してマスタシリンダ液圧が大気圧となると、シールフリクション<ばね力である場合、ピストン52は戻る。さらにブレーキペダル2を戻すと、ばね力が弱まり、ピストン32に対してピストン52の戻りが遅くなり(またはピストン52が止まる)、正圧室511の負圧が進む。これにより、差圧はピストン52を初期位置に戻す方向に作用し、ピストン52の戻りが早くなるため、正圧室511の負圧は緩和される。正圧室511の負圧が緩和されると、差圧が小さくなり、再度ピストン52が遅れて正圧室511の負圧が進む。この正圧室511における負圧の進行と緩和とが繰り返されることにより、ピストン戻り不良が生じる。ピストン32がリザーバタンク4と連通すると、正圧室511は大気圧となる。このとき、シールフリクション<ばね力である場合、ピストン52は戻るが、ばね力が弱いとブレーキペダル2が初期位置に戻るのに対し、ピストン52は初期位置に戻らない。このため、次回ドライバがブレーキペダル2を踏み込むたびに、ピストン52のストロークが変動するため、ペダルフィールが悪化する。
そこで、実施形態1のブレーキ制御装置1では、背圧室512と吐出液路16とを接続する第1シミュレータ液路13と、第1シミュレータ液路13に設けられたSS/V IN23と、を備える。ECU100は、ブレーキペダル2が踏み戻される際、ペダルストロークLが閾値L1よりも小さくなり、正圧室511が大気圧と略同圧となったことを確認すると、W/C液圧制御からS/SIMピストン戻し制御に移行する。S/SIMピストン戻し制御では、SS/V OUT24、調圧弁27、連通弁26を閉弁方向に作動させ、SS/V IN23を開弁方向に作動させる。これにより、吐出液路16と背圧室512とが第1シミュレータ液路13を介して連通する。このとき、ホイルシリンダ液圧が十分に減圧されていない場合、SS/V OUT28を開弁方向へと作動させてホイルシリンダ液圧の減圧を続行する。その後、所定時間T1だけモータ73を駆動させ、ポンプ7の吐出圧によって背圧室512を昇圧する。これにより、ピストン52は初期位置に戻されるため、ピストン戻り不良を抑制できる。
実施形態1のブレーキ制御装置1にあっては、以下に列挙する効果を奏する。
(1) マスタシリンダ3と、ブレーキ液圧に応じて前輪FL,FRに制動力を付与するホイルシリンダ8と、を接続する接続液路11と、接続液路11に設けられた遮断弁21と、接続液路11のうちの遮断弁21とホイルシリンダ8との間の液路11Bに接続する吐出液路16と、吐出液路16にブレーキ液を供給するポンプ7と、マスタシリンダ3と接続される正圧室511と、正圧室511とピストン52により仕切られる背圧室512と、を備えるストロークシミュレータ5と、背圧室512と、吐出液路16と、を接続する第1シミュレータ液路13と、第1シミュレータ液路13に設けられたSS/V IN23と、を備える。
よって、ブレーキペダル2が踏み戻される際、SS/V IN23を開弁方向に作動させることにより、吐出液路16のブレーキ液、すなわちポンプ7により加圧されたブレーキ液が、第1シミュレータ液路13を介して背圧室512に供給されるため、背圧室512を昇圧できる。これにより、ストロークシミュレータ5において第1コイルスプリング53のセット荷重を、例えば、ピストン52等のガタツキが抑えられる程度まで小さくした場合であっても、ピストン52の戻り不良を抑制できる。第1コイルスプリング53のセット荷重を小さくすることで、ブレーキペダル2の踏み込みの際に生じるF-S特性での横走り区間を短くできるため、ペダルフィールの悪化を抑制できる。
(2) 接続液路11は、左前輪FLに制動力を付与するホイルシリンダ8aに接続する接続液路11Pと、右前輪FRに制動力を付与するホイルシリンダ8bに接続する接続液路11Sと、を備え、遮断弁21は、接続液路11Pに配置される遮断弁21Pと、接続液路11Sに配置される遮断弁21Sと、を備え、接続液路11Pのうち遮断弁21Pに対しホイルシリンダ8aの側に位置する部分11Bと、接続液路11Sのうち遮断弁21Sに対しホイルシリンダ8bの側に位置する部分11Bと、を接続する吐出液路16P,16Sを介して、吐出液路16は接続液路11Bに接続する。
ここで、仮に第1シミュレータ液路13がS系統の接続液路11Sに接続されている場合、ストロークシミュレータ5の背圧室512は、S系統の接続液路11S、S系統の吐出液路16Sを介して吐出液路16と連通することとなる。このため、S/SIMピストン戻し制御の実行時には、ホイルシリンダ8が昇圧されないよう、SOL/V IN25を閉弁方向に作動させる必要がある。なお、第1シミュレータ液路13がP系統の接続液路11Pに接続されている場合も同様である。実施形態1のブレーキ制御装置1では、第1シミュレータ液路13が接続液路11Sおよび吐出液路16Sを介すことなく吐出液路16と直接的に接続されているため、S/SIMピストン戻し制御の実行時、SOL/V IN25を閉じる必要がない。よって、通電する電磁弁の数を低減でき、消費電力を抑えられる。
(3) 連通液路のうち、吐出液路16Pに設けられた連通弁26Pと、吐出液路16Sに設けられた連通弁26Sと、連通液路26P26Sと、リザーバタンク4と、を接続する第1減圧液路17、内部リザーバ29およびサクションホース10Xと、第1減圧液路17に設けられた調圧弁27と、を備える。
ここで、仮に第1シミュレータ液路13がS系統の接続液路11Sに接続されている場合、S/SIMピストン戻し制御の実行時には、連通弁26Sを開弁方向に作動させ、調圧弁27を閉弁方向に作動させる必要がある。なお、第1シミュレータ液路13がP系統の接続液路11Pに接続されている場合も同様である。実施形態1のブレーキ制御装置1では、第1シミュレータ液路13が連通弁26Sを介することなく吐出液路16と直接的に接続されているため、S/SIMピストン戻し制御の実行時、連通弁26Sを開く必要がない。よって、通電する電磁弁の数を低減でき、消費電力を抑えられる。
(4) 背圧室512と、リザーバタンク4と、を接続する第2シミュレータ液路14と、第2シミュレータ液路14に設けられたSS/V OUT24と、を備える。
よって、W/C液圧制御にSS/V OUT24を開弁方向に作動させることにより、背圧室512からブレーキ液が排出されてマスタシリンダ3で発生したブレーキ液圧を内部リザーバ29で吸収できるため、ペダルストロークが可能となる。
(5) SS/V IN23およびポンプ7を制御するECU100を備え、ECU100は、ブレーキペダル2のペダルストロークLが閾値L1以下に踏み戻されたときに、SS/V IN23を開弁方向に制御し、ポンプ7を駆動させる。
つまり、マスタシリンダ3の液圧室31が大気開放されてからS/SIMピストン戻し制御を開始することにより、ピストン52のストロークが変化してもマスタシリンダ液圧は変化しないため、ポンプ7の作動に伴うペダルフィールへの影響を抑えられる。
〔実施形態2〕
図6は、実施形態2のブレーキ制御装置1Aの構成図である。
実施形態2のブレーキ制御装置1Aは、第1液圧制御ユニット6Aおよび第2液圧制御ユニット6Bにより、液圧制御ユニットが冗長系を構成する。マスタシリンダ3および第1液圧制御ユニット6A間は、マスタシリンダ配管10P,10Sで接続されている。第1液圧制御ユニット6Aおよび第2液圧制御ユニット6B間は、外部配管10V,10W,10Yで接続されている。第2液圧制御ユニット6Bおよびホイルシリンダ8a,8b間は、ホイルシリンダ配管10a,10bで接続されている。リザーバタンク4および第1液圧制御ユニット6A間は、サクションホース10Xで接続されている。リザーバタンク4および第2液圧制御ユニット6B間は、サクションホース10Xで接続されている。
実施形態1の液圧制御ユニット6の構成要素のうち、SOL/V IN25、SOL/V OUT28、ホイルシリンダ液圧センサ92、バイパス液路110、チェック弁250、第2減圧液路18は第2液圧制御ユニット6Bに設けられ、その他の構成要素は第1液圧制御ユニット6Aに設けられている。実施形態1と同じ構成要素については、実施形態1と同一の符号を付して説明は省略する。以下、第1液圧制御ユニット6Aと第2液圧制御ユニット6Bとが同一名称である場合、第1液圧制御ユニット6Aの各アクチュエータに「第1」、第2液圧制御ユニット6Bの各アクチェエータに「第2」を付して区別する。
まず、第1液圧制御ユニット6Aの構成を説明する。
接続液路11Bには、この箇所の液圧を検出する系統液圧センサ93が設けられている。接続液路11P,11Sは、外部配管10V,10Wを介して第2液圧制御ユニット6Bの接続液路20P,20Sと接続する。
連通液路210は、第1シミュレータ液路13Aおよび外部配管10Y間を接続する。
ECU100は、ストロークセンサ90、マスタシリンダ液圧センサ91および系統液圧センサ93の検出信号を直接受信する。また、ECU100は、ECU102を介してホイルシリンダ液圧センサ92、マスタシリンダ液圧センサ94の検出信号を受信する他、図外のCANバスドライバを介して車速等の情報を受信する。ECU100とECU102は通信線103を経由して通信を行う。ECU100は、内蔵するプログラムに基づき、受信した各信号や各情報を用いて第1液圧制御ユニット6Aの各アクチュエータを駆動制御する。
次に、第2液圧制御ユニット6Bの構成を説明する。
接続液路20は、ホイルシリンダ配管10a,10bを介してホイルシリンダ8と接続する。第2遮断弁211は、接続液路20に設けられた常開型の比例制御弁である。接続液路20は、第2遮断弁211によって、第1液圧制御ユニット6A側の接続液路20Aとホイルシリンダ8側の接続液路20Bとに分離されている。P系統の接続液路20Aには、第1液圧制御ユニット6Aの失陥時、この箇所(マスタシリンダ液圧)の液圧を検出するマスタシリンダ液圧センサ94が設けられている。
SOL/V IN25は、接続液路20における遮断弁211よりもホイルシリンダ8側に設けられている。接続液路20には、SOL/V IN25をバイパスするバイパス液路110が設けられている。バイパス液路110には、第2チェック弁250が設けられている。
吸入液路212は、内部リザーバ213および第2ポンプ(第2液圧源)214の吸入部2140間を接続する。内部リザーバ213は、ブレーキ液を貯留可能な所定容積の液溜まりである。サクションホース10Xは、内部リザーバ29およびリザーバタンク4のポンプ吸入用空間42間を接続する。吐出液路215は、第2ポンプ214の吐出部2141および接続液路20B間を接続する。第2ポンプ214は、5つのプランジャポンプである。第2ポンプ214を駆動する第2モータ2143は、例えばブラシ付きモータである。吐出部2141には、ブレーキ液の逆流を防止するためのチェック弁(不図示)が設けられている。吐出液路215は、P系統の吐出液路215PとS系統の吐出液路215Sとに分岐する。各吐出液路215P,215SはそれぞれP系統の接続液路(第1系統接続液路)20PとS系統の接続液路(第2系統接続液路)20Sに接続する。吐出液路215P,215Sは、接続液路20P,20Sを互いに接続する連通液路として機能する。連通弁216は、吐出液路215に設けられた常閉型のオンオフ弁である。P系統の吐出液路215Pには連通弁(第1連通弁)216Pが設けられ、S系統の吐出液路215Sには連通弁(第2連通弁)215Sが設けられている。
第1減圧液路217は、吐出液路215における両吐出液路215P,215Sの分岐点および吸入液路212間を接続する。第1減圧液路217には、第2調圧弁218が設けられている。第2調圧弁218は、常開型の比例制御弁である。第2減圧液路18は、接続液路20BにおけるSOL/V IN25よりもホイルシリンダ8側と、吸入液路212とを接続する。ソレノイドアウト弁(SOL/V OUT)28は、第2減圧液路18に設けられた常閉型のオンオフ弁である。
連通液路219は、外部配管10Yおよび吸入液路212間を接続する。ストローク弁220は、連通液路219に設けられた常閉のオンオフ弁である。連通液路219には、ストローク弁220をバイパスするバイパス液路221が設けられている。バイパス液路221には、吸入液路212側から外部配管10Y側へのブレーキ液の流れのみを許容するチェック弁222が設けられている。
ECU102は、ストロークセンサ90、ホイルシリンダ液圧センサ92およびマスタシリンダ液圧センサ94の検出信号を直接受信する。また、ECU102は、ECU100を介してマスタシリンダ液圧センサ91および系統液圧センサ93の検出信号を受信する他、図外のCANバスドライバを介して車速等の情報を受信する。ECU102は、内蔵するプログラムに基づき、受信した各信号や各情報を用いて第2液圧制御ユニット6Bの各アクチュエータを駆動制御する。
実施形態2では、図2のステップS2およびステップS4、すなわちW/C液圧制御およびS/SIMピストン戻し制御が実施形態1と相違する。
図7は、W/C液圧制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS21では、ECU100は、第1遮断弁21を閉弁方向に作動させ、SS/V IN23を開弁方向に作動させ、SS/V OUT24を開弁方向に作動させる。また、ECU102は、第2調圧弁218を閉弁方向に作動させ、第2連通弁216を開弁方向に作動させる。
ステップS22では、第2モータ2143を駆動する。
ステップS23では、ホイルシリンダ液圧Pwcが目標ホイルシリンダ液圧に達したかを判定する。YESの場合は本処理を終了し、NOの場合はステップS24へ進む。
ステップS24では、ホイルシリンダ液圧Pwcが目標ホイルシリンダ液圧となるように、第2調圧弁218の開度を制御する。
図8は、S/SIMピストン戻し制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS31では、ECU100は、第1調圧弁27を閉弁方向に作動させ、SS/V OUT24を閉弁方向に作動させる。また、ECU102は、第2調圧弁218を開弁方向に作動させる。
次に、実施形態2のブレーキ制御装置1Aの作用を説明する。
実施形態2のW/C液圧制御では、SS/V IN23およびSS/V OUT24を共に開弁方向に作動させる。これにより、ストロークシミュレータ5の背圧室512に貯留されたブレーキ液を、第1シミュレータ液路13と第2シミュレータ液路14とから排出できる。よって、SS/V OUT24のみを開弁方向に作動させて背圧室512からブレーキ液を排出する場合と比べて、背圧室512で生じる圧力損失を低減できるため、ブレーキペダル2の踏み込み速度が高い場合であっても、ブレーキペダル2が重くなることがない。この結果、ブレーキペダル2の踏み込み速度の違いによるペダル踏力の変動を抑制でき、ブレーキペダル2の踏み込み時におけるペダルフィールを改善できる。
実施形態2のS/SIMピストン戻し制御では、第1液圧制御ユニット6Aの第1調圧弁27およびSS/V OUT24を閉弁方向に作動させ、第2液圧制御ユニット6Bの第2調圧弁218を開弁方向に作動させた状態で、第1モータ73を駆動する。これにより、吐出液路16と背圧室512とが第1シミュレータ液路13を介して連通し、第1ポンプ7の吐出圧によって背圧室512が昇圧されるため、ピストン戻り不良を抑制できる。
実施形態2のブレーキ制御装置1Aでは、液圧制御ユニットおよびECUを冗長系としているため、第1液圧制御ユニット6Aが電源失陥等により故障した場合であっても、W/C液圧制御を継続できる。具体的には、ECU102は、第1液圧制御ユニット6Aの故障を検知すると、第2遮断弁211を閉弁方向に作動させることにより、マスタシリンダ3および第2液圧制御ユニット6A間のブレーキ液の流通を遮断する。同時に、ストローク弁220を開弁方向に作動させることにより、背圧室512と内部リザーバ213とを連通させる。これにより、SS/V OUT24が開弁不能であっても、背圧室512からブレーキ液が排出されてマスタシリンダ3で発生したブレーキ液圧を内部リザーバ213で吸収できるため、ペダルストロークが可能となる。
実施形態2にあっては、以下に列挙する効果を奏する。
(6) SS/V IN23およびSS/V OUT24を制御するECU100を備え、ECU100は、ブレーキペダル2が踏み込まれたときに、SS/V IN23およびSS/V OUT24を開弁方向に制御する。
よって、背圧室512からブレーキ液を排出する際の圧力損失を低減できるため、ブレーキペダル2の踏み込み速度の違いによるペダル踏力の変動を抑制でき、ペダルフィールを改善できる。
(7) 接続液路20にブレーキ液を供給する第2ポンプ214を備える。
ポンプを冗長構成とすることにより、一方のポンプが失陥した場合、他方のポンプを用いてホイルシリンダ8を昇圧でき、W/C液圧制御の継続が可能となる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明を実施するための実施形態を説明したが、本発明の具体的な構成は実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施形態では、液圧制御ユニットが前輪に液圧制動力を付与する例を示したが、後輪のみまたは全ての車輪に液圧制動力を付与する構成としてもよい。
FL,FR 前輪(車輪部)
FL 左前輪(第1系統車輪部)
FR 右前輪(第2系統車輪部)
1 ブレーキ制御装置
3 マスタシリンダ
4 リザーバタンク
5 ストロークシミュレータ
7 ポンプ(第1液圧源)
8 ホイルシリンダ(制動力付与部)
8a ホイルシリンダ(第1系統制動力付与部)
8b ホイルシリンダ(第2系統制動力付与部)
11 接続液路(接続液路部)
11P 接続液路(第1系統接続液路)
11S 接続液路(第2系統接続液路)
13 第1シミュレータ液路
14 第2シミュレータ液路
16 吐出液路
16P 吐出液路(連通液路)
16S 吐出液路(連通液路)
17 第1減圧液路
21 遮断弁(遮断弁部)
21P 遮断弁(第1遮断弁)
21S 遮断弁(第2遮断弁)
23 ストロークシミュレータイン弁
24 ストロークシミュレータアウト弁
26P 連通弁(第1連通弁)
26S 連通弁(第2連通弁)
27 調圧弁
100 ECU(コントロールユニット)
214 第2ポンプ(第2液圧源)
511 正圧室(第1室)
512 背圧室(第2室)

Claims (7)

  1. マスタシリンダと、ブレーキ液圧に応じて車輪部に制動力を付与する制動力付与部と、を接続する接続液路部と、
    前記接続液路部に設けられた遮断弁部と、
    前記接続液路部のうちの前記遮断弁部と前記制動力付与部との間の液路に接続する吐出液路と、
    前記吐出液路にブレーキ液を供給する第1液圧源と、
    前記マスタシリンダと接続される第1室と、前記第1室とピストンにより仕切られる第2室と、を備えるストロークシミュレータと、
    前記第2室と、前記吐出液路と、を接続する第1シミュレータ液路と、
    前記第1シミュレータ液路に設けられたシミュレータイン弁と、
    を備えるブレーキ制御装置。
  2. 請求項1に記載のブレーキ制御装置において、
    前記接続液路部は、
    前記車輪部が備える第1系統車輪部と第2系統車輪部のうちの前記第1系統車輪部に制動力を付与する、前記制動力付与部が備える第1系統制動力付与部と第2系統制動力付与部のうちの前記第1系統制動力付与部に接続する第1系統接続液路と、
    前記第2系統制動力付与部に接続する第2系統接続液路と、
    を備え、
    前記遮断弁部は、
    前記第1系統接続液路に配置される第1遮断弁と、
    前記第2系統接続液路に配置される第2遮断弁と、
    を備え、
    前記第1系統接続液路のうちの、前記第1遮断弁に対し前記第1系統制動力付与部の側に位置する部分と、前記第2系統接続液路のうちの、前記第2遮断弁に対し前記第2系統制動力付与部の側に位置する部分と、を接続する連通液路を介して、前記吐出液路は前記接続液路部に接続するブレーキ制御装置。
  3. 請求項2に記載のブレーキ制御装置において、
    前記連通液路のうち、前記吐出液路と前記連通液路との接続部に対し前記第1系統接続液路の側の液路に設けられた第1連通弁と、
    前記連通液路のうち、前記吐出液路と前記連通液路との接続部に対し前記第2系統接続液路の側の液路に設けられた第2連通弁と、
    前記連通液路と、リザーバタンクと、を接続する減圧液路と、
    前記減圧液路に設けられた調圧弁と、
    を備えるブレーキ制御装置。
  4. 請求項1に記載のブレーキ制御装置において、
    前記第2室と、リザーバタンクと、を接続する第2シミュレータ液路と、
    前記第2シミュレータ液路に設けられたシミュレータアウト弁と、
    を備えるブレーキ制御装置。
  5. 請求項4に記載のブレーキ制御装置において、
    前記シミュレータイン弁および前記シミュレータアウト弁を制御するコントロールユニットを備え、
    前記コントロールユニットは、
    ブレーキペダルが踏み込まれたときに、前記シミュレータイン弁および前記シミュレータアウト弁を開弁方向に制御するブレーキ制御装置。
  6. 請求項1に記載のブレーキ制御装置において、
    前記シミュレータイン弁および前記第1液圧源を制御するコントロールユニットを備え、
    前記コントロールユニットは、
    ブレーキペダルが所定操作量以下に踏み戻されたときに、前記シミュレータイン弁を開弁方向に制御し、前記第1液圧源を駆動させるブレーキ制御装置。
  7. 請求項1に記載のブレーキ制御装置において、
    前記接続液路部にブレーキ液を供給する第2液圧源を備えるブレーキ制御装置。
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