JP2019082126A - エンジンの潤滑装置、及び、携帯型作業機 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンの姿勢が変化してもオイル溜め室内でオイルミストを良好に生成する。【解決手段】エンジン1の潤滑装置50は、ピストン11の往復動によって内部の圧力が変動するクランク室3と、潤滑用のオイルを貯留するオイル溜め室32と、クランク室3とオイル溜め室32とを仕切る第1仕切壁33と、第1仕切壁33を貫通してクランク室3とオイル溜め室32とを連通する第1開口部35と、を有する。オイル溜め室32は、オイル溜め室32の底面(オイルケース7の底面85)から立ち上がって先端開口部101が第1開口部35に相対する筒状部100と、クランク室3内の正圧時にクランク室3内から第1開口部35を通ってオイル溜め室32内に噴射された気体を、筒状部100内から筒状部100外の案内対象部150(オイル注入口部80)へ案内可能なガイド部103と、を備える。【選択図】図10
Description
本発明は、エンジン(内燃機関)の潤滑装置、及び、この潤滑装置を備える携帯型作業機に関する。
特許文献1に開示のエンジンの潤滑装置は、ピストンの上下動によって内部の圧力が変動するクランク室と、クランク室の下方に配置されて潤滑用のオイルを貯留するオイル溜め室と、クランク室とオイル溜め室とを仕切る第1仕切壁と、第1仕切壁を貫通してクランク室とオイル溜め室とを連通する第1開口部と、を有している。特許文献1に開示のエンジンの潤滑装置では、クランク室内の正圧時にクランク室内から第1開口部を通ってオイル溜め室内に気体が噴射されることにより、オイル溜め室内にてオイルミストが生成され得る。
前述のオイル溜め室は、その内部にオイルを注入するためのオイル注入口部を有する。このオイル注入口部には、例えば、特許文献2に開示のようなオイル補給管(オイル補給パイプ)が取り付けられ得る。
しかしながら、前述のエンジンにおいて、オイル注入口部及びオイル補給管を下側とするように姿勢を傾けると、オイル溜め室内のオイルの一部がオイル注入口部及びオイル補給管に流れ込み、それに応じて、前述の第1開口部に相対するオイル面(油面)が低下する。ゆえに、クランク室内の正圧時にクランク室内から第1開口部を通ってオイル溜め室内に噴射される気体の勢いがオイル溜め室内のオイルに十分に作用せず、その結果、オイル溜め室内でのオイルミストの生成効率が低下するという問題があった。
本発明は、このような実状に鑑み、エンジンの姿勢が変化してもオイル溜め室内にてオイルミストの生成を良好に行うことが可能な、エンジンの潤滑装置を提供することを目的とする。
そのため本発明の第1態様では、エンジンの潤滑装置は、ピストンの往復動によって内部の圧力が変動するクランク室と、潤滑用のオイルを貯留するオイル溜め室と、クランク室とオイル溜め室とを仕切る第1仕切壁と、第1仕切壁を貫通してクランク室とオイル溜め室とを連通する第1開口部と、を有する。オイル溜め室は、オイル溜め室の底面から立ち上がって先端開口部が第1開口部に相対する筒状部と、クランク室内の正圧時にクランク室内から第1開口部を通ってオイル溜め室内に噴射された気体を、筒状部内から筒状部外の案内対象部へ案内可能なガイド部と、を備える。
本発明の第2態様では、エンジンの潤滑装置は、ピストンの往復動によって内部の圧力が変動するクランク室と、潤滑用のオイルを貯留するオイル溜め室と、クランク室とオイル溜め室とを仕切る第1仕切壁と、第1仕切壁を貫通してクランク室とオイル溜め室とを連通する第1開口部と、を有する。オイル溜め室は、オイル溜め室の底面から立ち上がって先端開口部が第1開口部に相対する筒状部と、一端が筒状部内に連通して他端が筒状部外の案内対象部に臨む流体通路と、を備える。
本発明の第1態様によれば、オイル溜め室は、クランク室内の正圧時にクランク室内から第1開口部を通ってオイル溜め室内に噴射された気体を、筒状部内から筒状部外の案内対象部へ案内可能なガイド部を備える。ゆえに、仮に、前述の案内対象部を前述のオイル注入口部として、エンジンの姿勢を、オイル注入口部及びオイル補給管を下側とするように傾けて、第1開口部に相対するオイル面が低下しても、クランク室内の正圧時にクランク室内から第1開口部を通ってオイル溜め室内に噴射された気体が前述のガイド部によってオイル注入口部側に向けて案内され得るので、当該気体の勢いがオイル溜め室内のオイルに十分に作用し得る。それゆえ、オイル溜め室内でオイルミストを良好に生成することができる。
本発明の第2態様によれば、オイル溜め室は、一端が筒状部内に連通して他端が筒状部外の案内対象部に臨む流体通路を備える。ゆえに、仮に、前述の案内対象部を前述のオイル注入口部として、エンジンの姿勢を、オイル注入口部及びオイル補給管を下側とするように傾けて、第1開口部に相対するオイル面が低下しても、クランク室内の正圧時にクランク室内から第1開口部を通ってオイル溜め室内に噴射された気体が前述の流体通路によってオイル注入口部側に向けて案内され得るので、当該気体の勢いがオイル溜め室内のオイルに十分に作用し得る。それゆえ、オイル溜め室内でオイルミストを良好に生成することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態における携帯型作業機の一例である刈払機200の外観を示す図である。図2は、本実施形態におけるエンジン(内燃機関)1の上面図である。図3は、図2のA−A断面図である。ここで、図3は、ピストン11が上死点に位置した状態にあるときのエンジン1を示している。尚、本実施形態において、上側とは、エンジン1が最も長く使用される状態(正立状態)における鉛直上側と略一致する。
図1に示すように、刈払機200は、操作棹202と動力ユニット203と作業工具部204(ギヤヘッド204a及び刈刃204b)とハンドル部205とグリップ部206とを有する。動力ユニット203は操作棹202の後端部に設けられている。作業工具部204は操作棹202の前端部に設けられている。ハンドル部205は操作棹202の中間部に取り付けられている。グリップ部206は、操作棹202における動力ユニット203の手前に取り付けられている。
操作棹202は、中空パイプ形状を有して直線状に延びている。操作棹202の内部には、ドライブシャフト(図示せず)が収容されている。このドライブシャフトは、動力ユニット203(具体的にはエンジン1)の出力(回転及びトルク)を作業工具部204のギヤヘッド204aに伝達し、これにより刈刃204bを回転させる。グリップ部206には、動力ユニット203(具体的にはエンジン1)ひいては刈刃204bの回転数を調整するために操作されるレバー206aが設けられている。作業者は、通常、一方の手(主に左手)でハンドル部205を握ると共に、他方の手(主に右手)でグリップ部206を握って刈払機200を操作する。
動力ユニット203は、エンジン1を含む。エンジン1は、OHV(Over Head Valve)形式の4ストロークエンジン(4サイクルエンジン)であり、空冷式である。エンジン1は、刈払機200の駆動源を構成している。すなわち、作業工具部204(特に刈刃204b)は、エンジン1によって駆動される。
エンジン1は、シリンダブロック2とクランクケース4とシリンダヘッド6とを備える。クランクケース4は、シリンダブロック2の長手方向の一端側(下端側)に配置されてクランク室3を形成する。シリンダヘッド6は、シリンダブロック2の長手方向の他端側(上端側)に配置されてシリンダブロック2と共に燃焼室5を形成する。本実施形態では、シリンダブロック2、クランクケース4及びシリンダヘッド6は、それぞれ別体で構成され、ボルトにより連結されている。クランクケース4の下端には、潤滑用のオイル(以下、単に「オイル」と称する)を貯留するオイルケース7が連結されている。すなわち、オイルケース7はクランクケース4の下方に配置されている。
本実施形態では、クランク軸9のうちクランク室3から突出した両端部がシリンダブロック2及びクランクケース4により挟まれて回転可能に支持されている。尚、本実施形態では、クランク軸9の一方の端部(後述するバルブ駆動室30側の端部)が、シリンダブロック2とクランクケース4とにより、後述するベアリング40を介して回転可能に支持されている。この詳細については、図11を用いて後述する。
シリンダブロック2内には、円柱状の空間を有するシリンダ10が設けられている。シリンダ10にはピストン11が上下方向に往復移動可能に挿入されている。ピストン11は、クランク室3のクランク軸9にクランクウェブ12とコンロッド13とを介して連接されている。これにより、ピストン11の往復移動がクランク軸9の回転運動に変換されている。また、ピストン11の往復移動によって、クランク室3内の圧力(気圧)が変動する。
シリンダヘッド6には吸気ポート15及び排気ポート16が設けられている。吸気ポート15は気化器(図示せず)に連通している。排気ポート16はマフラ17に連通している。また、シリンダヘッド6には、吸気ポート15を開閉する吸気バルブ18と、排気ポート16を開閉する排気バルブ19とが設けられている。
また、シリンダヘッド6には、吸気バルブ18及び排気バルブ19を収容する動弁室20が形成されている。動弁室20は、シリンダヘッド6と動弁室カバー21とにより形成されている。
吸気バルブ18及び排気バルブ19には、これら吸気バルブ18及び排気バルブ19を駆動するための動弁機構25(図12参照)が設けられている。動弁機構25は、バルブ駆動ギヤ26とカムギヤ27とカム28と一対のカムフォロア(図示せず)と一対のロッカーアーム(図示せず)と一対のプッシュロッド(図示せず)と弁ばね(図示せず)とを含む。バルブ駆動ギヤ26はクランク軸9に固着されている。カムギヤ27はバルブ駆動ギヤ26によって駆動される。カム28はカムギヤ27の一端部に設けられている。一対のカムフォロアはカム28により揺動され、シリンダブロック2に回動可能に支持されている。一対のロッカーアームは、シリンダブロック2の頭部に設けられたロッカー軸(図示せず)に支持されて一端側が吸気バルブ18及び排気バルブ19の弁頭に当接する。プッシュロッドは、ロッカーアームの他端側にカムフォロワを連接させる。弁ばねは吸気バルブ18及び排気バルブ19のそれぞれを閉弁方向に付勢する。
動弁機構25を構成する各部のうち、バルブ駆動ギヤ26、カムギヤ27及びカム28は、バルブ駆動室30内に収容されている。バルブ駆動室30は、クランク室3の側方に配置されている。ここで、バルブ駆動室30は、シリンダブロック2、クランクケース4及びバルブ駆動室カバー(図示せず)により形成されている。動弁機構25を構成する各部のうち、ロッカーアーム及び弁ばねは、動弁室20内に収容されている。動弁室20は、燃焼室5の上方に配置されている。
ここで、動弁機構25が、本発明の「吸気及び排気の各バルブ機構」に対応する。また、バルブ駆動ギヤ26、カムギヤ27及びカム28が、本発明の「吸気及び排気の各バルブ機構の駆動部品」に対応する。
クランクケース4にオイルケース7を装着することで、クランクケース4とオイルケース7とにより、オイル溜め室32が形成されている。オイル溜め室32にはオイルが貯留される。オイル溜め室32は、クランク室3の下方に配置されている。
図3に示すように、クランクケース4のうち、クランク軸9を回転可能に収容する半円筒状の部分が、クランク室3とオイル溜め室32とを仕切る第1仕切壁33となる。
クランク室3とオイル溜め室32とは、第1仕切壁33によって仕切られている。第1仕切壁33は、半筒形状をなして形成されている。すなわち、第1仕切壁33は、クランク室3側で、このクランク室3内に収容されたクランクウェブ12を回転可能に収容する役目を果たし、これに伴い、オイル溜め室32側に突出する曲面部ができる。そして、この曲面部の中央部34が、オイル溜め室32側に最も突出している。
半円筒形状の第1仕切壁33の中央部34には、クランク室3とオイル溜め室32とを連通する第1開口部35が貫通形成されている。第1開口部35は、第1仕切壁33におけるピストン11の投影面内に位置している。すなわち、燃焼室5側から第1仕切壁33を見たときに、ピストン11によって隠れる領域内に、第1開口部35が貫通形成されている。
第1開口部35は、ピストン11の中心部の真下に位置することが好ましい。換言すれば、第1開口部35の中心軸と、ピストン11の中心軸とが、同一軸線上に位置することが好ましい。
尚、本実施形態では、第1開口部35の断面形状が円形状であるが、第1開口部35の断面形状はこれに限らず、例えば矩形状であってもよい。また、本実施形態では、第1開口部35は、1つの貫通孔により構成されているが、この他、2つ以上の貫通孔により構成されてもよい。
半円筒形状の第1仕切壁33の下面には、第1開口部35の周囲を囲むように筒状部36が設けられている。筒状部36は、第1仕切壁33の下面より下方に向けて張り出している。尚、本実施形態では、筒状部36が円筒状であるが、筒状部36の形状はこれに限らず、例えば矩形筒状であってもよい。
ここで、オイル溜め室32を構成するオイルケース7について、図4〜図10を用いて説明する。図4はオイルケース7の上面図である。図5は、図4のB矢視図である。図6は、オイルケース7を斜め上方から見た、オイルケース7の斜視図である。図7は、オイルケース7を斜め下方から見た、オイルケース7の斜視図である。図8は、オイル補給管90が取り付けられたオイルケース7の上面図である。図9及び図10は、オイル補給管90が取り付けられたオイルケース7の斜視図であり、オイル補給管90が取り付けられたオイルケース7を斜め上方から見た図である。ここで、図3に示したオイルケース7は、図4のC−C断面に対応し得る。尚、オイルケース7に関して、説明の便宜上、図4〜図10に示すように上下・前後・左右を規定して以下説明する。
オイルケース7は例えば金属製であり、例えばアルミニウム製である。オイルケース7は、上面開口の略矩形の箱形形状である。オイルケース7は、前側壁81、後側壁82、左側壁83、右側壁84、及び底面85を備える。
オイルケース7の前側壁81には、案内対象部150の一例であるオイル注入口部80が設けられている。オイル注入口部80は、オイル溜め室32内(オイルケース7内)にオイルを注入するためにオイルケース7の前側壁81に設けられている。オイル注入口部80は、取付基部86と、取付基部86に貫通形成された連通路87とを含む。取付基部86は、オイルケース7の前側壁81に形成されており、前側壁81から前方かつ外方に突出している。連通路87は、オイルケース7の内外を連通する。連通路87の断面形状は円形状である。取付基部86には、連通路87を挟んで左右両側に雌ねじ部88a,88bが形成されている。雌ねじ部88a,88bには、オイルケース7にオイル補給管90を取り付けるための取付ボルト98の雄ねじ部(図示せず)が螺合する。
オイル補給管90は、断面形状が円形状であり、例えば樹脂製である。オイル補給管90は、その基端部91から先端部92に至る途中に屈曲部93を有している。オイル補給管90は、前面視で、基端部91側から先端部92側に向かうほど上方かつ右側方に向かうように傾斜するように形成されている。尚、オイル補給管90の先端部92には、図示しないオイルキャップが取り付けられ得る。
オイル補給管90は、その基端部91にて全周にわたってオイル補給管90の径方向外方に張り出す外フランジ部95を有する。外フランジ部95をオイルケース7の取付基部86に当接させた状態で、2本の取付ボルト98の各々の雄ねじ部(図示せず)を外フランジ部95の貫通孔(図示せず)に挿入し、かつ、取付基部86の雌ねじ部88a,88bに螺合させることで、オイル補給管90の基端部91(外フランジ部95)が、オイルケース7の取付基部86に取り付けられる。
以上のようにして、オイルケース7のオイル注入口部80には、オイル補給管90が、オイルケース7内と連通するように接続された状態で、取付ボルト98により固定されている。また、オイルケース7のオイル注入口部80(連通路87)は、オイル補給管90とオイルケース7内とを連通する。
オイルケース7は筒状部100を備える。筒状部100は、オイルケース7の底面85(すなわち、オイル溜め室32の底面)から立ち上がって先端開口部101が第1開口部35に間隔を空けて相対する。尚、本実施形態では、筒状部100をオイルケース7に取り付ける構成としたが、この他、筒状部100をオイルケース7の一部として一体的に形成してもよい。また、本実施形態では、筒状部100が矩形筒状であるが、筒状部100の形状はこれに限らず、例えば円筒状であってもよい。
筒状部100には、筒状部100の内外を連通する複数(本実施形態では5つ)の連通部102a〜102eが、筒状部100の周方向に間隔を空けて形成されている。本実施形態では、連通部102a〜102eは、それぞれ、筒状部100の上端から下端まで延びるスリット状である。尚、本実施形態では、連通部102a〜102eがスリット状であるが、連通部102a〜102eの構成はこれに限らない。例えば、連通部102a〜102eが、筒状部100の内外を連通するように筒状部100に貫通形成された貫通孔であってもよい。また、本実施形態では、筒状部100に5つの連通部102a〜102eが形成されているが、これは当該連通部の個数を限定するものではなく、当該連通部の個数は任意である。
オイルケース7は、クランク室3内の正圧時にクランク室3内から第1開口部35を通ってオイル溜め室32内に噴射された気体を、筒状部100内からオイル注入口部80側(連通路87側)に向けて案内可能なガイド部103を有する。換言すれば、オイルケース7は、クランク室3内の正圧時にクランク室3内から第1開口部35を通ってオイル溜め室32内に噴射された気体を、筒状部100内から筒状部100外の案内対象部150へ案内可能なガイド部103を有する。ガイド部103は流体通路104を含む。流体通路104は、その一端104aが筒状部100内に連通して他端104bがオイル注入口部80(連通路87)に臨む。換言すれば、流体通路104は、その一端104aが筒状部100内に連通して他端104bが筒状部100外の案内対象部150に臨む。流体通路104は一対の壁部105a,105bを含む。壁部105a,105bは、オイルケース7の底面85(すなわちオイル溜め室32の底面)から立ち上がっている。尚、本実施形態では、壁部105a,105bをオイルケース7に取り付ける構成としたが、この他、壁部105a,105bをオイルケース7の一部として一体的に形成してもよい。
オイルケース7は、その左前の角部と、右前の角部と、左後の角部とに、それぞれ、底上げ部107,108,109を有している。底上げ部107,108,109は、各々が対応する角部にて、上端が扇頂(扇の要)となり、下端が、底面85に連続する弧状の扇端となる扇状の斜面107a,108a,109aにより構成されている。ゆえに、本実施形態では、オイル溜め室32は、オイル溜め室32におけるオイル注入口部80側(連通路87側)の部分(換言すれば、オイル溜め室32における案内対象部150側の部分)に底上げ部107,108を備えている。また、オイルケース7内の中央部から前側壁81に向かう方向で見て、底上げ部107,108間に連通路87が位置している。換言すれば、連通路87の左右両隣りに底上げ部107,108が位置している。すなわち、案内対象部150の左右両側に底上げ部107,108が位置している。
本実施形態では、第1開口部35は、第1仕切壁33における筒状部100の投影面内に位置する。すなわち、オイルケース7の底面85側から第1仕切壁33を見たときに、筒状部100によって囲まれる領域内に第1開口部35が貫通形成されている。
本実施形態では、エンジン1が正立状態であるときに、筒状部100の上端部(先端開口部101)が、オイル溜め室32内(オイルケース7内)のオイル面より上方に露出している。しかしながら、筒状部100については、その上面がオイル面と同等又はオイル面より下方に位置するようにして、筒状部100の略全体がオイル溜め室32内(オイルケース7内)のオイル中に入るようにしてもよい。
尚、クランク室3内の正圧時にクランク室3内から第1開口部35を通ってオイル溜め室32内に噴射される気体については、エンジン1の回転数が高くなるほど、オイル面への衝突面積が広がる傾向がある。この点を考慮して、筒状部100の寸法が決められることが好ましい。
筒状部100は、第1開口部35及びピストン11の真下に位置することが好ましい。換言すれば、筒状部100の中心軸と、第1開口部35の中心軸と、ピストン11の中心軸とが、同一軸線上に位置することが好ましい。
図11は、本実施形態のエンジン1のクランク軸9を回転可能に支持するベアリング40を示す図である。
クランク室3とバルブ駆動室30とは、第2仕切壁42によって仕切られている。第2仕切壁42は、シリンダブロック2とクランクケース4とにより構成される。第2仕切壁42のうち、シリンダブロック2の下端部には、半円状の断面形状をなす上側開口部43が形成されている。第2仕切壁42のうち、クランクケース4の上端部には、半円状の断面形状をなす下側開口部44が形成されている。
第2開口部45は、半円状の上側開口部43と、半円状の下側開口部44とにより構成されて、断面形状が円形状である。第2開口部45は、第2仕切壁42を貫通して、クランク室3とバルブ駆動室30とを連通する。
第2仕切壁42の第2開口部45にはベアリング40が挿入されている。すなわち、第2仕切壁42の第2開口部45内にはベアリング40が設けられている。ベアリング40は、その内輪と外輪との間に間隙を有し、かつ、その複数のボール間に間隙を有する、開放型のボールベアリングである。それゆえ、ベアリング40は、オイルミスト(ミスト状のオイル)の通過を許容する。
ベアリング40は、その内輪にクランク軸9の一方の端部(バルブ駆動室30側の端部)が挿入されて、クランク軸9を回転可能に支持する。それゆえ、クランク軸9の一方の端部(バルブ駆動室30側の端部)は、シリンダブロック2とクランクケース4とにより、ベアリング40を介して回転可能に支持される。ここで、クランク軸9の一方の端部のうち、バルブ駆動室30内に位置する部分には、バルブ駆動ギヤ26が固着されている。尚、図11では、バルブ駆動ギヤ26によって駆動されるカムギヤ27の図示を省略している。
次に、本実施形態におけるエンジン1の潤滑装置50について、図12を用いて説明する。図12は、本実施形態におけるエンジン1の潤滑装置50の概略説明図である。
エンジン1の潤滑装置50は、ピストン11の往復動によるクランク室3内の圧力変動を利用して、オイル溜め室32に貯留されたオイルを循環させて、エンジン1の各部を潤滑する。
オイル溜め室32と動弁室20との間には、オイルを循環させる循環経路61が設けられている。この循環経路61は、第1開口部35、第2開口部45、バルブ駆動室30、動弁室20、送油通路62、及び、クランク室3により構成されている。
ピストン11の上死点側への移動に起因してクランク室3内が負圧状態になると、オイル溜め室32内のオイルミストは、第1開口部35を通って、クランク室3に供給される。この後、ピストン11の下死点側への移動に起因してクランク室3内が正圧状態になると、クランク室3内のオイルミストが、第2開口部45を通って、バルブ駆動室30及び動弁室20に供給される。
ここで、第2開口部45内にはベアリング40が設けられている(図11参照)。これにより、クランク室3内のオイルミストのうち、粒径が比較的大きなオイルミストは、ベアリング40にて掻き落とされるので、クランク室3からバルブ駆動室30への流通が規制される。一方、クランク室3内のオイルミストのうち、粒径が比較的小さなオイルミストは、ベアリング40の内輪と外輪との間の間隙、及び、複数のボール間の間隙を通って、バルブ駆動室30に供給される。動弁機構25を構成するバルブ駆動ギヤ26、カムギヤ27、カム28、ロッカーアーム、プッシュロッド及び弁ばねは、循環経路61を流れるオイルミストにより潤滑される。
動弁室20の内側には、動弁室20内に滞留するオイルを吸引する吸引通路64が設けられている。吸引通路64とクランク室3との間には、送油通路62が設けられている。送油通路62は、その一端側の開口端部が吸引通路64に接続されて、他端側がクランク室3に接続されている。ここで、送油通路62の他端側の開口端部は、ピストン11が上死点に達する際、全開する位置に配置されている。
動弁室20に滞留するオイルミストは、ピストン11の上死点への移動に起因してクランク室3内が負圧状態になるときに、送油通路62の開口より吸い込まれて、吸引通路64及び送油通路62を介してクランク室3へ送られる。クランク室3内に送られたオイルは、第1開口部35を介してオイル溜め室32に戻る。
動弁室20の内側には、オイルの循環経路中に含まれるブローバイガスを燃焼室5に排出するための排出通路65が設けられている。排出通路65は、その一端側66が動弁室20内に設けられて、他端側がエアクリーナ67に接続されている。ここで、エアクリーナ67は、前述の気化器の上流側に設けられており、空気中のごみ等を除去する機能を有する。
エアクリーナ67に送られた、オイル分を含むブローバイガスは、エアクリーナ67内に設けられたオイルセパレータ68により、ブローバイガスとオイルとに気液分離される。分離されたオイルは、エアクリーナ67とクランク室3とを連通する還流通路70を通ってクランク室3に送られる。ここで、還流通路70のクランク室3側の開口端部は、ピストン11が上死点に達する際、全開する位置に配置されている。それゆえ、オイルセパレータ68で分離されたオイルは、ピストン11の上死点への移動に起因してクランク室3内が負圧状態になるときに、還流通路70を介して吸い込まれて、クランク室3へ送られる。一方、オイルセパレータ68で分離されたブローバイガスは、燃焼室5で燃焼されてからマフラ17を介して外部へ排出される。
ピストン11の下死点側への移動に起因してクランク室3内が正圧状態になると、クランク室3内の高圧の気体が、第1開口部35からオイル溜め室32内に噴射される。換言すれば、ピストン11の下死点側への移動に伴って押し出されるクランク室3内の気体が、第1開口部35からオイル溜め室32内に噴射される。この噴射された気体が、オイル溜め室32内のオイルに衝突するなどして、オイル溜め室32内でオイルミストが発生する。
図13は、本実施形態における、第1開口部35からオイル溜め室32内に噴射された気体の流れF1〜F3と、オイル溜め室32内のオイル面OSとの関係の一例を示す図である。ここで、図13は、オイル注入口部80側(オイル補給管90側)を下側とするようにエンジン1の姿勢が傾いた状態であって、かつ、オイル溜め室32内(オイルケース7内)のオイルの貯留量が、図3及び図12に示した状態よりも少ない状態を示している。
図13に示す状態では、第1開口部35からオイル溜め室32内に噴射された気体が、オイルケース7の底面85(オイル溜め室32の底面)のうち筒状部100に囲まれた部分85aに衝突するなどした後、当該気体の一部が、筒状部100内から連通部102d,102eを通ってオイル面OSに向かう(図13における気体の流れF1,F2参照)。また、当該気体の別の一部は、筒状部100内からガイド部103(流体通路104)を通ってオイル面OSに向かう(図13における気体の流れF3参照)。図13に図示の気体の流れF1〜F3により、オイル溜め室32内でのオイルミストの生成が促進されることにより、図13に示すような状態であっても、オイル溜め室32内でオイルミストを良好に生成することができる。
本実施形態によれば、エンジン1の潤滑装置50は、ピストン11の往復動によって内部の圧力が変動するクランク室3と、潤滑用のオイルを貯留するオイル溜め室32と、クランク室3とオイル溜め室32とを仕切る第1仕切壁33と、第1仕切壁33を貫通してクランク室3とオイル溜め室32とを連通する第1開口部35と、を有する。オイル溜め室32は、オイル溜め室32の底面(オイルケース7の底面85)から立ち上がって先端開口部101が第1開口部35に相対する筒状部100と、クランク室3内の正圧時にクランク室3内から第1開口部35を通ってオイル溜め室32内に噴射された気体を、筒状部100内から筒状部100外の案内対象部150へ案内可能なガイド部103と、を備える。本実施形態において、案内対象部150は、オイル溜め室32に備えられてオイル溜め室32内にオイルを注入するためのオイル注入口部80である。ゆえに、仮に、エンジン1の姿勢を、オイル注入口部80及びオイル補給管90を下側とするように傾けて、第1開口部35に相対するオイル面が低下しても、クランク室3内の正圧時にクランク室3内から第1開口部35を通ってオイル溜め室32内に噴射された気体がガイド部103によってオイル注入口部80側に向けて案内され得るので、当該気体の勢いがオイル溜め室32内のオイルに十分に作用し得る。それゆえ、オイル溜め室32内でオイルミストを良好に生成することができる。
また本実施形態によれば、エンジン1の潤滑装置50は、ピストン11の往復動によって内部の圧力が変動するクランク室3と、潤滑用のオイルを貯留するオイル溜め室32と、クランク室3とオイル溜め室32とを仕切る第1仕切壁33と、第1仕切壁33を貫通してクランク室3とオイル溜め室32とを連通する第1開口部35と、を有する。オイル溜め室32は、オイル溜め室32内にオイルを注入するためのオイル注入口部80と、オイル溜め室32の底面(オイルケース7の底面85)から立ち上がって先端開口部101が第1開口部35に相対する筒状部100と、クランク室3内の正圧時にクランク室3内から第1開口部35を通ってオイル溜め室32内に噴射された気体を、筒状部100内からオイル注入口部80側に向けて案内可能なガイド部103と、を備える。ゆえに、仮に、エンジン1の姿勢を、オイル注入口部80及びオイル補給管90を下側とするように傾けて、第1開口部35に相対するオイル面が低下しても、クランク室3内の正圧時にクランク室3内から第1開口部35を通ってオイル溜め室32内に噴射された気体がガイド部103によってオイル注入口部80側に向けて案内され得るので、当該気体の勢いがオイル溜め室32内のオイルに十分に作用し得る。それゆえ、オイル溜め室32内でオイルミストを良好に生成することができる。
また本実施形態によれば、ガイド部103は、一端104aが筒状部100内に連通して他端104bがオイル注入口部80(案内対象部150)に臨む流体通路104を含む。すなわち、オイル溜め室32は、一端104aが筒状部100内に連通して他端104bがオイル注入口部80に臨む流体通路104を備える。これにより、クランク室3内の正圧時にクランク室3内から第1開口部35を通ってオイル溜め室32内の筒状部100内に噴射された気体を、筒状部100内から流体通路104を介して、オイル注入口部80側に向けて案内することができる。
また本実施形態によれば、流体通路104は、オイル溜め室32の底面(オイルケース7の底面85)から立ち上がる一対の壁部105a,105bを含む。これにより、簡素な構成で、流体通路104及びガイド部103を構成することができる。
また本実施形態によれば、筒状部100には、筒状部100の内外を連通する複数の連通部102a〜102eが、筒状部100の周方向に間隔を空けて形成されている。ゆえに、仮にエンジン1の姿勢が傾いても、クランク室3内の正圧時にクランク室3内から第1開口部35を通ってオイル溜め室32内の筒状部100内に噴射された気体を、連通部102a〜102eのいずれかからオイル面に向かわせることができる。すなわち、マルチポジションに対応することができる。
また本実施形態によれば、オイル注入口部80(案内対象部150)がオイル溜め室32の側壁(オイルケース7の前側壁81)に形成されている。ゆえに、オイル溜め室32の側方からオイル溜め室32内にオイルを注入することができる。
また本実施形態によれば、オイル溜め室32は、オイル溜め室32におけるオイル注入口部80側の部分(オイル溜め室32における案内対象部150側の部分)に底上げ部107,108を備える。ゆえに、仮に、エンジン1の姿勢を、オイル注入口部80及びオイル補給管90を下側とするように傾けて、オイル溜め室32内のオイルの一部がオイル注入口部80及びオイル補給管90に流れ込んでも、底上げ部107,108により、オイル溜め室32内のオイル面の低下を抑制することができる。
また本実施形態によれば、クランク室3内の正圧時にクランク室3内から第1開口部35を通ってオイル溜め室32内に気体が噴射されることにより、オイル溜め室32内にてオイルミストが生成される。ゆえに、簡素な構成で、オイル溜め室32内でオイルミストを生成することができる。
また本実施形態によれば、エンジン1の潤滑装置50は、吸気及び排気の各バルブ機構の駆動部品を収容するバルブ駆動室30と、クランク室3とバルブ駆動室30とを仕切る第2仕切壁42と、第2仕切壁42を貫通してクランク室3とバルブ駆動室30とを連通する第2開口部45と、を有する。エンジン1の潤滑装置50では、クランク室3内の負圧時に、オイル溜め室32内のオイルミストが第1開口部35を通ってクランク室3に供給される。また、エンジン1の潤滑装置50では、クランク室3内の正圧時に、クランク室3内のオイルミストが第2開口部45を通ってバルブ駆動室30に供給される。これにより、簡素な構成で、オイル溜め室32内で生成されたオイルミストを、クランク室3内及びバルブ駆動室30内に供給することができる。
また本実施形態によれば、第1仕切壁33は、第1開口部35の周囲を囲むように第1仕切壁33の下面より下方に張り出す筒状部36を有する。これにより、エンジン1の倒立運転時などに、オイル溜め室32内のオイルが第1開口部35を通ってクランク室3内に過剰に流入することを抑制することができる。
また本実施形態によれば、第2開口部45内には、クランク軸9を回転可能に支持するベアリング40が設けられる。ベアリング40は、オイルミストの通過を許容する開放型のボールベアリングである。これにより、クランク室3内のオイルミストのうち、粒径が比較的小さなオイルミストが、ベアリング40の内輪と外輪との間の間隙、及び、複数のボール間の間隙を通って、バルブ駆動室30に供給されるので、バルブ駆動室30及び動弁室20へのオイルの過度の供給を抑制することができる。
また本実施形態によれば、携帯型作業機の一例である刈払機200は、エンジン1の潤滑装置50を備える。ゆえに、様々な姿勢で使用され得るエンジン1において、マルチポジションに対応して、オイル溜め室32内で良好にオイルミストを生成することができる。
尚、本実施形態では、第1開口部35が1つである例を示したが、第1開口部35は複数であってもよい。また、本実施形態では第1開口部35がピストン11の上下移動軸に位置する例を示したが、第1開口部35は、ピストン11の上下移動軸から所定角度傾いた位置にあってもよい。
また、本実施形態では、オイルケース7のオイル注入口部80にオイル補給管90が取り付けられているが、この他、オイル補給管90の替わりとしてオイル注入口部80を管状に形成し、この管状のオイル注入口部80によってオイル補給管90の機能を実現してもよい。
また、本実施形態では、案内対象部150の一例としてオイル注入口部80を挙げて説明したが、案内対象部150はオイル注入口部80に限らない。エンジン1の姿勢を傾けたときに、オイル溜め室32内のオイルの一部が流れ込み得る任意の部分(例えばオイルケース7の窪みなど)を、案内対象部150としてもよい。
また、本実施形態では、本発明における携帯型作業機の一例として刈払機を用いて説明したが、携帯型作業機は刈払機に限らない。携帯型作業機は、例えば、穴掘機、コンクリートカッター、送風作業機、スプレイヤ(噴霧機)などであってもよい。これら携帯型作業機は様々な姿勢で使用されるため、これら携帯型作業機に搭載されるエンジンの潤滑装置として、本発明に係るエンジンの潤滑装置を採用することにより、マルチポジションに良好に対応することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて更なる変形や変更等が可能であることはもちろんである。
1…エンジン、2…シリンダブロック、3…クランク室、4…クランクケース、5…燃焼室、6…シリンダヘッド、7…オイルケース、9…クランク軸、10…シリンダ、11…ピストン、12…クランクウェブ、13…コンロッド、15…吸気ポート、16…排気ポート、17…マフラ、18…吸気バルブ、19…排気バルブ、20…動弁室、21…動弁室カバー、25…動弁機構、26…バルブ駆動ギヤ、27…カムギヤ、28…カム、30…バルブ駆動室、32…オイル溜め室、33…第1仕切壁、34…中央部、35…第1開口部、36…筒状部、40…ベアリング、42…第2仕切壁、43…上側開口部、44…下側開口部、45…第2開口部、50…潤滑装置、61…循環経路、62…送油通路、64…吸引通路、65…排出通路、67…エアクリーナ、68…オイルセパレータ、70…還流通路、80…オイル注入口部、81…前側壁、82…後側壁、83…左側壁、84…右側壁、85…底面、85a…部分、86…取付基部、87…連通路、88a,88b…雌ねじ部、90…オイル補給管、91…基端部、92…先端部、93…屈曲部、95…外フランジ部、98…取付ボルト、100…筒状部、101…先端開口部、102a〜102e…連通部、103…ガイド部、104…流体通路、104a…一端、104b…他端、105a,105b…壁部、107,108,109…底上げ部、107a,108a,109a…斜面、150…案内対象部、200…刈払機、202…操作棹、203…動力ユニット、204…作業工具部、204a…ギヤヘッド、204b…刈刃、205…ハンドル部、206…グリップ部、206a…レバー、F1〜F3…気体の流れ、OS…オイル面
Claims (11)
- ピストンの往復動によって内部の圧力が変動するクランク室と、
潤滑用のオイルを貯留するオイル溜め室と、
前記クランク室と前記オイル溜め室とを仕切る第1仕切壁と、
前記第1仕切壁を貫通して前記クランク室と前記オイル溜め室とを連通する第1開口部と、
を有するエンジンの潤滑装置であって、
前記オイル溜め室は、
前記オイル溜め室の底面から立ち上がって先端開口部が前記第1開口部に相対する筒状部と、
前記クランク室内の正圧時に前記クランク室内から前記第1開口部を通って前記オイル溜め室内に噴射された気体を、前記筒状部内から前記筒状部外の案内対象部へ案内可能なガイド部と、
を備える、エンジンの潤滑装置。 - 前記ガイド部は、一端が前記筒状部内に連通して他端が前記案内対象部に臨む流体通路を含む、請求項1に記載のエンジンの潤滑装置。
- ピストンの往復動によって内部の圧力が変動するクランク室と、
潤滑用のオイルを貯留するオイル溜め室と、
前記クランク室と前記オイル溜め室とを仕切る第1仕切壁と、
前記第1仕切壁を貫通して前記クランク室と前記オイル溜め室とを連通する第1開口部と、
を有するエンジンの潤滑装置であって、
前記オイル溜め室は、
前記オイル溜め室の底面から立ち上がって先端開口部が前記第1開口部に相対する筒状部と、
一端が前記筒状部内に連通して他端が前記筒状部外の案内対象部に臨む流体通路と、
を備える、エンジンの潤滑装置。 - 前記流体通路は、前記オイル溜め室の底面から立ち上がる一対の壁部を含む、請求項2又は請求項3に記載のエンジンの潤滑装置。
- 前記筒状部には、前記筒状部の内外を連通する複数の連通部が、前記筒状部の周方向に間隔を空けて形成されている、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載のエンジンの潤滑装置。
- 前記案内対象部が前記オイル溜め室の側壁に形成されている、請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載のエンジンの潤滑装置。
- 前記オイル溜め室は、前記オイル溜め室における前記案内対象部側の部分に底上げ部を更に備える、請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載のエンジンの潤滑装置。
- 前記クランク室内の正圧時に前記クランク室内から前記第1開口部を通って前記オイル溜め室内に気体が噴射されることにより、前記オイル溜め室内にてオイルミストが生成される、請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載のエンジンの潤滑装置。
- 吸気及び排気の各バルブ機構の駆動部品を収容するバルブ駆動室と、
前記クランク室と前記バルブ駆動室とを仕切る第2仕切壁と、
前記第2仕切壁を貫通して前記クランク室と前記バルブ駆動室とを連通する第2開口部と、
を更に有し、
前記クランク室内の負圧時に、前記オイル溜め室内のオイルミストが前記第1開口部を通って前記クランク室に供給され、
前記クランク室内の正圧時に、前記クランク室内のオイルミストが前記第2開口部を通って前記バルブ駆動室に供給される、
請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載のエンジンの潤滑装置。 - 前記案内対象部は、前記オイル溜め室に備えられて前記オイル溜め室内にオイルを注入するためのオイル注入口部である、請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載のエンジンの潤滑装置。
- 請求項1〜請求項10のいずれか1つに記載のエンジンの潤滑装置を備える、携帯型作業機。
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JP2017209074A JP2019082126A (ja) | 2017-10-30 | 2017-10-30 | エンジンの潤滑装置、及び、携帯型作業機 |
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ID=66670231
Family Applications (1)
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JP2017209074A Pending JP2019082126A (ja) | 2017-10-30 | 2017-10-30 | エンジンの潤滑装置、及び、携帯型作業機 |
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2017
- 2017-10-30 JP JP2017209074A patent/JP2019082126A/ja active Pending
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