JPH11236819A - 内燃エンジン及び携帯型動力作業機 - Google Patents

内燃エンジン及び携帯型動力作業機

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JPH11236819A
JPH11236819A JP4196698A JP4196698A JPH11236819A JP H11236819 A JPH11236819 A JP H11236819A JP 4196698 A JP4196698 A JP 4196698A JP 4196698 A JP4196698 A JP 4196698A JP H11236819 A JPH11236819 A JP H11236819A
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combustion engine
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 頭部1バルブ式ユニフロー2サイクルもしく
は4サイクル内燃エンジンにおいて、大きな改造を施す
ことをできるだけ避けながら、給油ポンプをクランク軸
近傍の狭いスペースに合理的に組み込むことができて、
保守点検等を容易に行うことができるとともに、製造及
び組み込みコストを可及的に抑えることができるように
する。 【解決手段】 クランク軸(27)に前記排気バルブ
(51)を開閉する動弁機構(70)のカム駆動歯車
(72)及びポンプ駆動歯車(115)が外嵌固定され
るとともに、前記クランク軸(27)における前記両歯
車(72、115)より外端側に歯車ケース蓋(11
0)が蓋装され、該歯車ケース蓋(110)に前記ポン
プ駆動歯車(115)により回転せしめられるとともに
軸方向に往復動せしめられるプランジャ型の往復摺動部
材(130)を内蔵した給油ポンプ(120)のポンプ
ケース(122)が一体的に設けられてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリンダの頭部に
排気バルブが配設されてなる比較的小型の空冷2サイク
ル又は4サイクルの内燃エンジン、及びそれが搭載され
たチェーンソー等の携帯型動力作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】チェーンソー、エンジンカッター、ヘッ
ジトリマー等の携帯型動力作業機にあっては、その動力
源として、通常、汎用空冷4サイクル内燃エンジンに比
して構造が簡単で製造コストが安くて済み、また、小型
軽量で重量対比出力も大きい空冷2サイクル内燃エンジ
ン(以下、単に2サイクルエンジンと称す)が搭載され
る場合が多い。
【0003】従来よりチェーンソー等の携帯型動力作業
機に使用されている一般的な2サイクルエンジンは、例
えば、実公平3−13527号公報等にも所載のよう
に、通常、シリンダの頭部には点火プラグが配設され、
シリンダの胴部にはピストンにより開閉される吸気ポー
ト、掃気ポート、排気ポートが形成され、吸気、排気の
ためだけの独立した行程はなく、前記ピストンの2行程
で1サイクルを完了するようになっている。
【0004】より詳細には、前記ピストンの上昇動作に
より前記吸気ポートから前記ピストン下方のクランク室
に混合気を吸入するとともに、該混合気を前記ピストン
の下降動作により予圧縮し、燃焼ガスの排気ポートへの
排出を、前記掃気ポートから前記予圧縮された混合気を
前記ピストン上方の燃焼作動室(燃焼室、作動室、シリ
ンダ室等とも呼ばれるが、本明細書ではこれらを総称し
て燃焼作動室とする)に吹き出すことにより行う、言い
換えれば、混合気のガス流動を利用して燃焼ガスの掃気
を行うようになっている関係上、燃焼廃ガス(排ガス)
中に未燃混合気が混入しやすく、燃焼に供せられること
なく排出される混合気量、いわゆる吹き抜け損出が大き
く、4サイクルエンジンに比して燃費が悪いだけでな
く、排ガス中に、有害成分であるHC(燃料の未燃成
分)やCO(燃料の不完全燃焼成分)等が多く含まれ、
小型とはいえ、環境汚染が懸念されている。
【0005】そこで、本発明の出願人は、前記携帯型動
力作業機に前記した従来の一般的な2サイクルエンジン
に代えて搭載することのできる、小型軽量で燃費の向上
及び有害成分排出量の低減化等を図り得るエンジンの開
発を進めており、これまでにも一応の成果が得られてい
る。
【0006】その一つは、ユニフロー式の2サイクルエ
ンジンであって、特公平3−9288号公報、同じく特
公平3−37007号公報、及び特公平3−38408
号公報等にも所載のように、シリンダの頭部に点火プラ
グを配設することに加えて、排気ポートを形成するとと
もに、これを開閉する排気バルブを配設し、空気ないし
混合気供給系のポート(吸気ポート、掃気ポート等)は
ピストン等により開閉すべく前記シリンダの頭部以外の
部位に形成し、例えば、クランク室に吸入された流体
(空気又は混合気)を該クランク室内でピストンの下降
動作によって加圧し、該加圧流体を前記シリンダの胴部
の全周に設けた環状掃気室に圧送してそこで蓄圧すると
ともに、前記ピストンの下降行程の終期において前記排
気バルブを開くとともに、前記環状掃気室から前記蓄圧
流体を掃気流体として前記シリンダの胴部に形成された
複数の掃気ポートから前記ピストン上方の燃焼作動室に
吐出させて旋回を伴うユニフロー流れを生成することに
より、燃焼廃ガスを排気ポートを通じて効率良く外部に
追い出すようにしたものである。
【0007】このように、シリンダの頭部に排気バルブ
が設けられた頭部1バルブ式ユニフロー2サイクルエン
ジンにおいては、前記排気バルブは、通常、クランク軸
により回転駆動されるカムを有する動弁機構により開閉
するようになっており、前記排気バルブを開くタイミン
グを適切に設定することにより、前記従来の2サイクル
エンジンに比して、掃気効率が高められて吹き抜け損出
が低減され、燃費の向上及び有害成分排出量の低減化等
が図られる。しかも、前記した従来の2サイクルエンジ
ンと略同程度の重量、大きさで所要の出力が得られるの
で、前記携帯型動力作業機に従来の一般的な2サイクル
エンジンに代えて搭載することが可能となる。
【0008】一方、本発明の出願人が開発している他の
一つのエンジンは、前記頭部1バルブ式ユニフロー2サ
イクルエンジンに類似した構造を持つが、ピストンの4
行程で1サイクルが完了するものであって、特願平9−
65362号の出願明細書にも所載のように、シリンダ
の頭部に点火プラグを配設することに加えて、排気ポー
トを形成するとともにこれを開閉する排気バルブを配設
し、前記シリンダの胴部にピストンにより開閉される吸
入ポート(第一ポート)及び混合気吐出ポート(第二ポ
ート)を形成し、例えば、ピストンの上昇動作により前
記吸入ポートからクランク室に混合気を吸入する一方、
前記ピストン上方の燃焼作動室内の混合気を圧縮すると
ともに点火して爆発燃焼させ、その燃焼ガスの膨張作用
により下降せしめられる前記ピストンの下降行程の終期
において前記排気バルブを開き、続く前記ピストンの上
昇動作により燃焼廃ガスを前記排気ポートへ押し出すと
ともに、前記クランク室に混合気を吸入し、最後に前記
ピストンの次回の下降動作により前記燃焼作動室に前記
クランク室で予圧縮された混合気を前記混合気吐出ポー
トから燃焼作動室内へ噴出させるようにしたものであ
る。
【0009】この頭部1バルブ式4サイクルエンジンに
おいては、排気行程には、実質的に排気ポートのみが開
けられて他のポート(吸入ポート、混合気吐出ポート)
は閉じられ、燃焼ガスをガス流動ではなくピストンによ
り機械的に排気ポートから外部へ押し出すようにされて
いるので、燃焼廃ガス(排ガス)中に未燃混合気が混入
しにくく、燃焼廃ガスのみを略完全かつ確実に外部に排
出することができる。このため、前記従来の一般的な2
サイクルエンジンはおろか前記頭部1バルブ式ユニフロ
ー2サイクルエンジンに比しても、燃費が向上するとと
もに、有害成分排出量が大幅に低減される。しかも、前
記した従来の一般的な2サイクルエンジンと略同程度の
重量、大きさで所要の出力が得られるので、前記携帯型
動力作業機に従来の2サイクルエンジンに代えて搭載す
ることが可能となる。
【0010】また、上に述べた如くの頭部1バルブ式の
ユニフロー2サイクルエンジン及び4サイクルエンジン
は、それぞれシリンダの頭部に排気ポート、排気バルブ
を備えること以外は、従来の一般的な2サイクルエンジ
ンと大きさ(寸法形状)及び重量が同一排気量のもとで
は略同じとなり、共通ないし類似の部品を使用すること
ができるので、既存の製造ラインをそのまま流用するこ
とが可能となり、それらを新たに設計して製造する場合
に比して開発コスト・製造コストを大幅に低くすること
ができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した携
帯型動力作業機にあっては、例えば、チェーンソーを例
にとると、通常、エンジンが搭載されている本体ハウジ
ングに作業部としてのソーチェーンとガイドバーとから
なるソーチェーンセットが取り付けられるが、前記ソー
チェーンは前記ガイドバーの外周案内面を摺動せしめら
れるので、その摺接面に潤滑油を供給することが必要と
される。そのため、従来の携帯型動力作業機において、
前記のように作業部に潤滑油を供給することが必要とさ
れる場合には、本体ハウジング内に給油ポンプを配置
し、この給油ポンプを、当該作業機に搭載されている前
記した従来の一般的な2サイクルエンジンで駆動するよ
うにされている。
【0012】具体的には、通常は、前記エンジンのクラ
ンク軸にポンプ駆動歯車を取り付け、このポンプ駆動歯
車を介して給油ポンプに前記クランク軸の回転駆動力を
伝達し、それに給油動作、つまり、本体ハウジングに設
けられている潤滑油タンクから潤滑油を吸い込んで所要
の場所(作業部)に吐出して供給する動作を行わせるよ
うにされており、したがって、前記給油ポンプは、その
駆動上の必要性から前記クランク軸の近傍に配備されて
いる。ここで、前記したように、携帯型動力作業機に従
来の一般的な2サイクルエンジンに代えて前記頭部1バ
ルブ式ユニフロー2サイクルもしくは4サイクルエンジ
ンを搭載する場合、前記給油ポンプをクランク軸近傍に
如何にして組み込むかが問題となる。
【0013】すなわち、前記頭部1バルブ式ユニフロー
2サイクルもしくは4サイクルエンジンにおいては、従
来の一般的な2サイクルエンジンと異なり、排気バルブ
を開閉する動弁機構が必要とされ、この動弁機構は、通
常、前記した公報にも所載のように、クランク軸に外嵌
固定されたカム駆動歯車を介して回転駆動されるカムを
備えており、また、前記クランク軸における前記カム駆
動歯車より外端側に、前記カム駆動歯車や前記カム等を
覆うように歯車ケース蓋が蓋装されている。この場合、
前記クランク軸の軸方向の長さは、前記本体ハウジング
の大きさ(通常は左右方向の幅)により制限されるの
で、前記クランク軸に前記カム駆動歯車を外嵌固定する
とともに前記歯車ケース蓋を蓋装した状態では、通常の
やり方では、スペース的に前記給油ポンプを前記クラン
ク軸の近傍に配備することが難しい。そのため、前記頭
部1バルブ式ユニフロー2サイクルもしくは4サイクル
エンジンを携帯型動力作業機に搭載する場合には、本体
ハウジングに大きな改造を施すことをできるだけ避けな
がら、給油ポンプをクランク軸近傍の狭いスペースに如
何にして組み込むかに格別の工夫が必要とされる。
【0014】本発明は、上述した如くの問題に鑑みてな
されたもので、その目的とするところは、動弁機構を備
えた頭部1バルブ式ユニフロー2サイクルもしくは4サ
イクル内燃エンジン及びそれが搭載された携帯型動力作
業機において、大きな改造を施すことをできるだけ避け
ながら、給油ポンプをクランク軸近傍の狭いスペースに
合理的に組み込むことができて、保守点検等を容易に行
うことができるとともに、製造及び組み込みコストを可
及的に抑えることができるようにすることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成すべ
く、本発明に係る内燃エンジンは、基本的には、シリン
ダの頭部に排気ポートが形成されるとともに、該排気ポ
ートを開閉する排気バルブが配設されてなり、クランク
軸に前記排気バルブを開閉する動弁機構のカム駆動歯車
及びポンプ駆動歯車が外嵌固定されるとともに、前記ク
ランク軸における前記両歯車をより外端側に歯車ケース
蓋が蓋装され、該歯車ケース蓋に前記ポンプ駆動歯車に
より回転せしめられるとともに軸方向に往復動せしめら
れるプランジャ型の往復摺動部材を内蔵した給油ポンプ
のポンプケースが一体的に設けられる。
【0016】本発明の内燃エンジンの好ましい態様で
は、前記往復摺動部材は、前記クランク軸に対して直交
する方向に配置され、また、前記往復摺動部材に、前記
ポンプ駆動歯車に噛合するとともに軸方向の滑動を許容
し得る従動歯車が設けられる。さらに好ましい態様で
は、前記往復摺動部材は、その先端部が前記ポンプケー
スに装着されたストローク調節部材に当接する方向に付
勢され、かつ、前記往復摺動部材の前記先端部及び前記
ストローク調節部材のうちの一方に、前記往復摺動部材
の回転運動に伴って該往復摺動部材を軸方向に往復摺動
させるべくカム面が形成される。
【0017】また、他の好ましい態様では、前記ストロ
ーク調節部材は、前記ポンプケースに所定角度範囲内に
おいてその中心軸線回りに回動可能に装着されるととも
に、前記往復摺動部材の前記先端部が当接せしめられる
偏心輪部が設けられる。一方、本発明に係る携帯型動力
作業機は、作業部を駆動するための動力源として前記構
成の内燃エンジンが搭載されてなるもので、好ましい例
としては、前記作業部が、ソーチェーンとガイドバーと
からなるソーチェーンセットであり、前記給油ポンプか
ら吐出された潤滑油を前記ソーチェーンと前記ガイドバ
ーとの摺接面に供給するようにされる。
【0018】このような構成とされた本発明に係る内燃
エンジン及び携帯型動力作業機においては、歯車ケース
蓋に、クランク軸に外嵌固定されたポンプ駆動歯車によ
り回転せしめられるとともに軸方向に往復動せしめられ
るプランジャ型の往復摺動部材を内蔵した給油ポンプの
ポンプケースを一体的に設けたので、クランク軸の軸方
向の長さは従来の一般的な2サイクルエンジンと略同じ
でよく、大きな改造を施すことを要しないで給油ポンプ
をクランク軸近傍の狭いスペースに合理的に組み込むこ
とができる。また、歯車ケース蓋と給油ポンプとを一体
化したことにより、保守点検等を容易に行うことができ
るとともに、製造及び組み込みコストを可及的に抑える
ことができる。
【0019】また、本発明の頭部1バルブ式ユニフロー
2サイクルもしくは4サイクル内燃エンジン及びそれが
搭載された携帯型動力作業機は、従来の一般的な2サイ
クルエンジン及びそれが搭載された携帯型動力作業機と
大きさ(寸法形状)及び重量が略同じとなり、共通ない
し類似の部品を使用することができるので、既存の製造
ラインをそのまま流用することが可能となり、それらを
新たに設計して製造する場合に比して開発コスト・製造
コストを格段に低くすることができる。その他の作用効
果は、以下に述べる本発明の好ましい実施形態の説明か
ら明らかにされよう。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して本発明
の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係る内
燃エンジン及びそれが搭載された携帯型動力作業機の一
例であるチェーンソーの一実施形態を示している。図示
のチェーンソー10は、動力源として、頭部1バルブ式
4サイクルエンジン20が、合成樹脂からなる本体ハウ
ジング12の中央部付近にシリンダ縦置きで搭載されて
いる。前記本体ハウジング12の右側部12R(図2)
の前部側に、ガイドバー101と、これに摺動自在に掛
け回されるソーチェーン102と、からなるソーチェー
ンセット100が作業部として取り付けられ、前記ソー
チェーン102を、後述するように前記エンジン20に
より回転駆動するようにされている。
【0021】前記本体ハウジング12の後部には、前記
エンジン20を制御するためのトリガー15、16が配
置された後ハンドル14が配設され、前記本体ハウジン
グ12の中央部付近外周には概略C字ないしループ状の
前ハンドル17が、そのグリップ部17aを前記エンジ
ン20の前寄り斜め上方に位置させた状態で配設されて
いる。この前ハンドル17の前記グリップ部17aは、
前記本体ハウジング20をその後方から見て左右方向に
略水平に横断するようになっており、当該チェーンソー
10を使用するときの作業性、操作性を考慮して、機体
全体の重心位置等に基づいてその位置が設定されてい
る。ここでは、前記グリップ部17aの周囲には、図1
において仮想線で示される如くの円柱状の握り空間Kが
必要とされることから、前記本体ハウジング12におけ
る前記エンジン20上方の上面部12Aを形成する、前
カバー部12aと、気化器35とエアークリーナ37部
を覆う後カバー部12bの前端側部分と、は断面逆
「へ」の字状に連接されている。
【0022】前記本体ハウジング12内にシリンダ縦置
きで搭載された前記頭部1バルブ式4サイクルエンジン
20は、排気量20cc〜60cc程度の比較的小型の
空冷ガソリンエンジンであり、アルミダイキャストによ
り胴部22と頭部23が一体成型されたシリンダ21
と、その下部に気密的に連結された半円筒状のクランク
ケース25と、を備えており、該クランクケース25が
前記本体ハウジング12の半円筒状据え付け部12Uに
載置固定されている。
【0023】前記シリンダ21の前記胴部22内にはピ
ストン30が摺動自在に嵌挿され、また、前記シリンダ
21と前記クランクケース25との境目部分を通るよう
にベアリング106、107(図2参照)を介してクラ
ンク軸27が軸支され、該クランク軸27に連接ロッド
29を介して前記ピストン30が連結されている。
【0024】また、前記シリンダ21の胴部22におけ
る中心軸線Oより前記クランク軸27に直交する一方の
側、言い換えれば、前記本体ハウジング12の後部側
に、前記気化器35からの混合気を前記ピストン30下
方のクランク室26に導入するための吸入ポート33を
含む吸入通路32が形成され、前記シリンダ21の前記
胴部22における前記吸入ポート33とは反対側、言い
換えれば、前記本体ハウジング12の前部側に、前記ピ
ストン30により前記クランク室26内で予圧縮された
混合気を前記ピストン30上方の燃焼作動室50に導く
混合気通路40が設けられている。
【0025】なお、前記気化器35には、前記本体ハウ
ジング12の前記上面部12Aを形成する前記後カバー
部12bの後部寄りの下方に配置された前記エアークリ
ーナ37から接続管36を介して清浄化された空気が導
かれるとともに、前記本体ハウジング12の後部側の底
部に設けられた燃料タンク38から潤滑油を混入した燃
料が供給され、この潤滑油を混入した燃料が前記気化器
35により霧化され、混合気となって前記吸入通路32
を通じて前記クランク室26に導かれるようになってい
る。したがって、本実施形態の前記エンジン20におい
ては、潤滑油が燃料と一緒に前記クランク室26に供給
され、この潤滑油によりエンジン内部の潤滑が行われる
ので、4サイクルエンジンで一般的なオイルパンが不要
となる。
【0026】前記混合気通路40は、前記シリンダ21
の前記胴部22と、これに気密的に取り付けられた断面
コ字状の通路形成用カバー部材45と、により画成され
ており、その下端に位置する導出ポート41は、前記ク
ランク室26に開口せしめられ、また、その上端に位置
する混合気吐出ポート42は、前記ピストン30が下死
点近傍まで下降せしめられたとき前記燃焼作動室50に
開口せしめられるようになっている(図2参照)。
【0027】また、前記燃焼作動室50内の燃焼ガス
と、前記クランク室26に待機する混合気と、を機械的
に隔離すべく、前記混合気通路40内には、図1に示さ
れる如くに、その導出ポート41を内外の圧力差に応じ
て開閉するように、ゴム等の弾性材料からなる舌状のリ
ードバルブ47が設けられている。このリードバルブ4
7は、その上端部がすり割り付き丸子ネジ等により前記
シリンダ21の前記胴部22に固定されており、全体が
平板状となる自然状態では、その下半分で前記導出ポー
ト41を閉じ、前記燃焼作動室50側の圧力が前記クラ
ンク室26側の圧力より小さくなったとき、全体が外方
に湾曲して前記導出ポート41を開くようになってい
る。そして、前記シリンダ21の前記頭部23には、キ
ャップ44付きの点火プラグ43が配設されることに加
えて、排気ポート53を含む排気通路52が形成される
とともに、前記排気ポート53を開閉する排気バルブ5
1が所定の態様で配設されている。
【0028】ここでは、前記点火プラグ43と前記排気
バルブ51の全部もしくは大部分は、前記シリンダ21
の頭部23における前記中心軸線Oより前記クランク軸
27に直交する一方の側、言い換えれば、前記本体ハウ
ジング12の後部側に偏って配設されており、後方から
見て前記中心軸線Oより左側に前記点火プラグ43が配
設されるとともに、前記中心軸線Oより右側に前記排気
バルブ51が配設されており、また、前記点火プラグ4
3は、従来と同様に後方側に傾斜した姿勢で前記燃焼作
動室50に臨むように配設されている。
【0029】前記排気バルブ51により開閉される前記
排気ポート53を含む前記排気通路52は、前記本体ハ
ウジング12の前端側に向けて略水平に伸びており、前
記排気通路52の下流側端部には、下向きL字状の排気
管55が接続されている。前記排気管55の後半分は、
前記本体ハウジング12の前部側の底部に設けられたソ
ーチェーン用の潤滑油タンク65の上方に配置されたマ
フラー60内に挿入されて、該マフラー60に溶接等に
より一体的に接合されている。
【0030】一方、前記排気バルブ51は、その上端部
に取り付けられたバネ受け58と前記シリンダ21の前
記頭部23上面との間に縮装されたコイルバネ78の付
勢力により常時閉じる方向(上方)に付勢されており、
前記クランク軸27により回転駆動されるカム75を有
する動弁機構70により、前記コイルバネ78の付勢力
に抗して所定のタイミングで開かれるようになってい
る。
【0031】前記動弁機構70は、図2を参照すればよ
くわかるように、前記排気バルブ51を下方に押し下げ
るべく、前記シリンダ21の頭部23上において支軸8
2に揺動自在に支持されたロッカーアーム80と、この
ロッカーアーム80の反バルブ側端部に螺合せしめられ
た調節ねじ81にその上端が当接せしめられた、上下方
向に伸び、前記シリンダ21の前記胴部22と後述する
歯車ケース蓋110とで挟持されたブッシング108に
案内されて上下摺動自在とされるプッシュロッド79
と、前記クランク軸27の中央部より右側の部位に外嵌
固定された小径歯車72と、この小径歯車72に噛合す
るように支軸73に回転自在に支持された、前記小径歯
車72の二倍の歯数を持つ大径歯車74と、該大径歯車
74に一体的に設けられて前記支軸73に回転自在に支
持されたカム75と、このカム75のカム面に従って上
下方向に揺動するように支軸84(図4参照)に支持さ
れた従動部材77と、を備えており、前記クランク軸2
7の1/2の回転速度で回転せしめられる前記カム75
のカム面の動きを、前記従動部材77、前記プッシュロ
ッド79、及び前記ロッカーアーム80を介して前記排
気バルブ51に伝達することによって、前記排気バルブ
51を開く方向に所定のタイミングで押し下げるように
なっている。
【0032】なお、本実施形態においては、前記ロッカ
ーアーム80と前記支軸82等の部材を覆うようにロッ
カーアームカバー83が取り付けられ、その内部に潤滑
油(グリース)を入れられるようになっている。また、
前記クランク軸27の右端部には、図2に示される如く
に、遠心クラッチ105と、これに一体回転可能に取り
付けられたスプロケットホイール109と、が配設され
ており、該スプロケットホイール109には、前記ソー
チェーン102が掛け回されている。前記遠心クラッチ
105、前記スプロケットホイール109、前記ソーチ
ェーンセット100の基端部は、ガード部材95により
覆われている。
【0033】さらに、前記クランク軸27の左端部に
は、フライホイールを兼ねる冷却ファン63が取り付け
られ、この冷却ファン63の左側にはリコイルスタータ
85が配設されている。このような構成とされた本実施
形態の頭部1バルブ式4サイクルエンジン20において
は、前述した従来の一般的な2サイクルエンジンと同様
に、前記ピストン30の上昇動作により、前記吸入ポー
ト33から前記クランク室26に混合気を吸入する一
方、前記ピストン30上方の前記燃焼作動室50内の混
合気を圧縮するとともに点火して爆発燃焼させ、その燃
焼ガスの膨張作用により下降せしめられる前記ピストン
30の下降行程の終期において前記排気バルブ51を開
き、続く前記ピストン30の上昇動作により燃焼廃ガス
を前記排気ポート53へ押し出すとともに、前記クラン
ク室26に混合気を吸入し、最後に前記ピストン30の
下降動作により、前記クランク室26で予圧縮された混
合気を前記混合気通路40の吐出ポート42から前記燃
焼作動室50内へ吐出させるようになされる。
【0034】この頭部1バルブ式4サイクルエンジン2
0においては、排気行程時には、実質的に排気ポート5
3のみが開けられて他のポート(吸入ポート33、吐出
ポート42)は閉じられ、燃焼廃ガスをガス流動ではな
く前記ピストン30により機械的(強制的)に排気ポー
ト53へ押し出すようにされているので、燃焼廃ガス
(排ガス)中に未燃混合気が混入しにくく、燃焼廃ガス
を略完全かつ確実に外部に排出することができる。この
ため、前記した従来の一般的な2サイクルエンジンはお
ろか、前記した頭部1バルブ式2サイクルエンジンに比
しても、燃費が向上するとともに、有害成分排出量が大
幅に低減される。
【0035】そして、前記構成に加え、本実施形態で
は、図2に加えて図3を参照すればよくわかるように、
前記クランク軸27における右端側の前記ベアリング1
07と前記スプロケットホイール109との間に、前記
カム駆動歯車72と一体のポンプ駆動歯車115が外嵌
されてピン117により、前記クランク軸27の回転方
向に対して固定されており、このポンプ駆動歯車115
と前記スプロケットホイール109との間に、前記歯車
ケース蓋110が蓋装されている。該歯車ケース蓋11
0は、図4及び図5も参照すればよくわかるように、そ
の外周部の五ヵ所で前記シリンダ21の前記胴部22
と、前記クランクケース25と、にそれぞれ跨がった状
態で、止めねじ161、162、163、164、16
5により取付固定されており、その上半部は前記動弁機
構70の前記大径歯車74や前記カム75等を覆い、そ
の下半部は前記ポンプ駆動歯車115を覆うように、オ
イルシール108を介して、前記クランク軸27に気密
的に外嵌されている。
【0036】そして、前記歯車ケース蓋110の下端部
には、前記本体ハウジング12に取り付けられた前記ソ
ーチェーン102と前記ガイドバー102との摺接面1
01a等の潤滑を行うための給油ポンプ120のポンプ
ケース122が一体的に設けられている。このポンプケ
ース122内には、図5を参照すればよくわかるよう
に、前記クランク軸27に直交する方向に伸びる、その
左端部が盲蓋128により塞がれた段付き凹所124が
形成されており、この凹所124に、前記ポンプ駆動歯
車115により回転せしめられるとともに軸方向(前記
クランク軸27に直交する方向)に往復動せしめられる
プランジャ型の往復摺動部材130が内蔵されている。
【0037】この往復摺動部材130は、図5において
左側に位置する先端部から右側へと順次、先端凸部13
2、大径摺動部131、従動歯車135、及び、小径摺
動部136となっており、前記従動歯車135と前記段
付き凹所124の中央段部との間に縮装されたコイルバ
ネ140により、前記ポンプケース122の左端側に装
着された後述するストローク調節部材150に当接する
方向に付勢されている。
【0038】前記往復摺動部材130に一体に設けられ
た従動歯車135は、前記クランク軸27に外嵌固定さ
れた前記ポンプ駆動歯車115に噛合するとともに、軸
方向の滑動を許容し得る比較的傾斜角度の小さなはす歯
が刻まれており、前記ポンプ駆動歯車115との関係で
みれば、通常のウォームホイール歯車とは逆に、径の小
さな前記従動歯車135にウォールホイールと同様な歯
が刻まれ、径の大きな前記ポンプ駆動歯車115にウォ
ームと同様な歯が刻まれている。
【0039】また、前記往復摺動部材130の先端部の
形状は、図7を参照すればよくわかるように、前記大径
摺動部131の先端中央に所定高さ(例えば約1mm)
の円柱状の先端凸部132が突設され、この先端凸部1
32を除く先端面部分が、軸方向に高低差のある曲斜面
からなるカム面133となっている。このカム面133
は、径方向一端側が前記先端凸部132と略同一面の頂
面部133Aとされ、その180度反対側が低面部13
3Bとなっている。
【0040】また、前記往復摺動部材130の前記小径
摺動部136の右端側には、図5に加えて図9を参照す
ればよくわかるように、断面三日月状の切欠部137が
形成されており、この切欠部137に対面し得る前記ポ
ンプケース122の右端側の上下にそれぞれ吐出口12
6と吸入口125が設けられている。なお、該吸入口1
25には、前記潤滑油タンク65内の潤滑油を吸入する
ためのフレキシブルパイプ141(図4)が接続され、
前記吐出口126には潤滑油を前記ソーチェーンセット
100における前記ガイドバー101と前記ソーチェー
ン102との前記摺接面101a(図1)に導くための
フレキシブルパイプ142(図4)が接続されている。
一方、前記ポンプケース122の左端側下部に形成され
た貫通穴129には、前記往復摺動部材130の先端部
が当接せしめられるストローク調節部材150が回動可
能に嵌挿されている。
【0041】このストローク調節部材150は、概略段
付き円柱形状をしており、図5に加えて図6、図7、及
び図8を参照すればよくわかるように、下から順次、回
動用横溝151a付きの頭部151、フランジ部15
2、下部大径嵌挿部153、Oリング174が装着され
た環状溝155、前記段付き凹所124内に挿入された
大径ストッパ部156、この大径ストッパ部156の中
心線C(全体の中心軸線)から所定の偏心距離(例えば
約1mm)だけ偏心した位置に中心線C’(図6)を持
つ偏心輪部157、及び、前記段付き凹所124上方に
形成された挿入穴127に挿入された上部小径嵌挿部1
58からなっており、前記下部大径嵌挿部153には、
横方向に抜け止め及び回動角度範囲規制用リミッターを
兼ねるピン172が嵌挿される切欠凹部154が形成さ
れている。
【0042】なお、前記ストローク調節部材150は、
図10(A)に示される如くに、前記ピン172に前記
大径嵌挿部153における一方の切欠端153aが当接
した回転位置から他方の切欠端153bが前記ピン17
2に当接するまでの回転角度範囲、つまり、前記切欠凹
部154の形状に応じた回転角度範囲α(例えば92
度)内で回動可能とされ、前記大径嵌挿部153におい
て前記ピン172が嵌挿されている部位の強度が不足す
るおそれがある場合や前記回転角度範囲を増減させたい
場合等においては、前記切欠凹部154の形状を例えば
図10(B)や(C)の如くに変更すればよい。
【0043】前記の如くの構成とされた本実施形態の給
油ポンプ120においては、前記クランク軸27の回転
が前記ポンプ駆動歯車115を介して前記往復摺動部材
130の前記従動歯車135に伝達されると、前記往復
摺動部材130が回転する。この場合、前記往復摺動部
材130の先端部に設けられている前記カム面133の
うちの前記低面部133Bが図5において下側に位置し
ているときは、前記先端凸部132が前記ストローク調
節部材150の前記偏心輪部157に当接し、前記往復
摺動部材130が図5において最左行位置(図5の位
置)をとる。それに対し、前記カム面133のうちの前
記低面部133Bが図5において下側から上側に回転移
行するときは、前記カム面133のうちの前記頂面部1
33A付近が前記ストローク調節部材150の前記大径
ストッパ部156に摺接し、前記往復摺動部材130が
右行して前記先端凸部132が前記偏心輪部157から
離れ、続いて、前記カム面133のうちの前記頂面部1
33Aが図5において下側に位置したとき、前記往復摺
動部材130が図5において最右行位置をとる。
【0044】したがって、前記往復摺動部材130が回
転せしめられるときは、該往復摺動部材130が図5の
左右方向へ往復動し、その小径摺動部136における前
記切欠部137が設けられている後端部の回転による開
閉弁作用と、往復動によるポンプ作用により、前記吸入
口125から潤滑油が吸入されるとともに、前記吐出口
126から潤滑油が前記ガイドバー101と前記ソーチ
ェーン102との前記摺接面101a(図1)に向けて
吐出される。この場合、前記ストローク調節部材150
を任意角度回転させると、前記偏心輪部157と前記先
端凸部132との軸方向の当接位置が変化し、それによ
って、前記往復摺動部材130の往復動のストロークが
変えられるので、前記ストローク調節部材150によ
り、当該給油ポンプ120における単位時間当たりの潤
滑油吐出量を調節できる。
【0045】なお、前記大径ストッパ部156に、前記
往復摺動部材130の前記カム面133が摺接するが、
前記大径ストッパ部156と前記カム面133との接触
形態が点接触であると、該カム面133に偏摩耗等の不
具合が生じるおそれがあるので、前記カム面133の形
状を、前記接触形態が線接触(径方向に伸びる線)とな
るように設定することが好ましい。なお、前記偏心輪部
157と前記先端凸部132との接触形態は線接触とな
る。
【0046】そして、前記のような構成とされた本実施
形態の頭部1バルブ式4サイクル内燃エンジン20及び
チェーンソー10においては、歯車ケース蓋110に、
クランク軸27に外嵌固定されたポンプ駆動歯車115
により回転せしめられるとともに軸方向に往復動せしめ
られるプランジャ型の往復摺動部材130を内蔵した給
油ポンプ120のポンプケース122を一体的に設けた
ので、前記クランク軸27の軸方向の長さは従来の一般
的な2サイクルエンジンと略同じでよく、大きな改造を
施すことを要しないで給油ポンプ120をクランク軸2
7近傍の狭いスペースに合理的に組み込むことができ
る。また、歯車ケース蓋110と給油ポンプ120とを
一体化したことにより、保守点検等を容易に行うことが
できるとともに、製造及び組み込みコストを可及的に抑
えることができる。
【0047】また、本実施形態の内燃エンジン20及び
チェーンソー10は、従来の一般的な2サイクルエンジ
ン及びそれが搭載されたチェーンソー10と大きさ(寸
法形状)及び重量が略同じとなり、共通ないし類似の部
品を使用することができるので、既存の製造ラインをそ
のまま流用することが可能となり、それらを新たに設計
して製造する場合に比して開発コスト・製造コストを格
段に低くすることができる。
【0048】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明は前記実施形態に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に記載されている発明の精神を逸脱
しない範囲で、設計において適宜変更できるものであ
る。例えば、前記実施形態においては、頭部1バルブ式
4サイクルエンジンをチェーンソーに搭載した場合を説
明したが、内燃エンジンとして頭部1バルブ式ユニフロ
ー2サイクルエンジン等を搭載する場合も本発明を同様
に適用でき、また、携帯型動力作業機としてエンジンカ
ッターやヘッジトリマー等にも本発明を同様に適用でき
る。
【0049】また、前記実施形態においては、歯車ケー
ス蓋110に設けられた給油ポンプ120は、作業部
(ガイドバー101とソーチェーン102との摺接面1
01a等)に潤滑油を供給するためのものであるが、本
発明においては、給油ポンプは前記用途に限られる訳で
はなく、例えば、分離潤滑方式でエンジン各部の潤滑を
行う場合には、エンジン潤滑用の給油ポンプとして利用
できる。
【0050】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発
明に係る内燃エンジン及びそれが搭載された携帯型動力
作業機は、歯車ケース蓋に、クランク軸に外嵌固定され
たポンプ駆動歯車により回転せしめられるとともに軸方
向に往復動せしめられるプランジャ型の往復摺動部材を
内蔵した給油ポンプのポンプケースを一体的に設けたの
で、クランク軸の軸方向の長さは従来の一般的な2サイ
クルエンジンと略同じでよく、大きな改造を施すことを
要しないで給油ポンプをクランク軸近傍の狭いスペース
に合理的に組み込むことができる。また、歯車ケース蓋
と給油ポンプとを一体化したことにより、保守点検等を
容易に行うことができるとともに、製造及び組み込みコ
ストを可及的に抑えることができる。また、従来の一般
的な2サイクルエンジン及びそれが搭載された携帯型動
力作業機と大きさ(寸法形状)及び重量が略同じとな
り、共通ないし類似の部品を使用することができるの
で、既存の製造ラインをそのまま流用することが可能と
なり、それらを新たに設計して製造する場合に比して開
発コスト・製造コストを格段に低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内燃エンジンの一実施形態を搭載
したチェーンソーの一実施形態を示す部分切欠左側面
図。
【図2】図1に示されるチェーンソーを後方から見た中
央部縦断面図。
【図3】図2に示されるチェーンソーの要部を拡大して
示す図。
【図4】図1に示されるチェーンソーに搭載された内燃
エンジンの右側面周辺を示す拡大図。
【図5】図4に示される内燃エンジンの歯車ケース蓋部
分を示す部分切欠拡大図。
【図6】図5に示される歯車ケース蓋に設けられた給油
ポンプのストローク調節部材を示す水平断面図。
【図7】図6に示される給油ポンプの往復摺動部材とス
トローク調節部材を示す分解斜視図。
【図8】図5のVIII−VIII矢視断面図。
【図9】図5のIX−IX矢視断面図。
【図10】(A)は図8のX−X矢視断面図、(B)、
(C)は(A)部分の変形例を示す断面図。
【符号の説明】
10 チェーンソー(携帯型動力作業機) 20 頭部1バルブ式4サイクルエンジン(内燃エンジ
ン) 21 シリンダ 23 頭部 27 クランク軸 51 排気バルブ 53 排気ポート 70 動弁機構 72 カム駆動歯車 100 ソーチェーンセット(作業部) 101 ガイドバー 101a 摺接面 102 ソーチェーン 110 歯車ケース蓋 115 ポンプ駆動歯車 120 給油ポンプ 122 ポンプケース 130 往復摺動部材 132 先端凸部(先端部) 133 カム面 135 従動歯車 150 ストローク調節部材 157 偏心輪部 C 中心軸線

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ(21)の頭部(23)に排気
    ポート(53)が形成されるとともに、該排気ポート
    (53)を開閉する排気バルブ(51)が配設されてな
    る内燃エンジン(20)において、 クランク軸(27)に前記排気バルブ(51)を開閉す
    る動弁機構(70)のカム駆動歯車(72)及びポンプ
    駆動歯車(115)が外嵌固定されるとともに、前記ク
    ランク軸(27)における前記両歯車(72、115)
    より外端側に歯車ケース蓋(110)が蓋装され、該歯
    車ケース蓋(110)に前記ポンプ駆動歯車(115)
    により回転せしめられるとともに軸方向に往復動せしめ
    られるプランジャ型の往復摺動部材(130)を内蔵し
    た給油ポンプ(120)のポンプケース(122)が一
    体的に設けられていることを特徴とする内燃エンジン。
  2. 【請求項2】 前記往復摺動部材(130)は、前記ク
    ランク軸(27)に対して直交する方向に配置されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の内燃エンジン。
  3. 【請求項3】 前記往復摺動部材(130)に、前記ポ
    ンプ駆動歯車(115)に噛合するとともに軸方向の滑
    動を許容し得る従動歯車(135)が設けられているこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃エンジン。
  4. 【請求項4】 前記往復摺動部材(130)は、その先
    端部(132)が前記ポンプケース(122)に装着さ
    れたストローク調節部材(150)に当接する方向に付
    勢され、かつ、前記往復摺動部材(130)の前記先端
    部(132)及び前記ストローク調節部材(150)の
    うちの一方に、前記往復摺動部材(130)の回転運動
    に伴って該往復摺動部材(130)を軸方向に往復摺動
    させるべくカム面(133)が形成されていることを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の内燃エ
    ンジン。
  5. 【請求項5】 前記ストローク調節部材(150)は、
    前記ポンプケース(122)に所定角度範囲内において
    その中心軸線(c)回りに回動可能に装着されるととも
    に、前記往復摺動部材(130)の前記先端部(13
    2)が当接せしめられる偏心輪部(157)が設けられ
    ていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項
    に記載の内燃エンジン。
  6. 【請求項6】 作業部(100)を駆動するための動力
    源として請求項1に記載の内燃エンジン(20)が搭載
    されてなる携帯型動力作業機。
  7. 【請求項7】 前記作業部が、ソーチェーン(102)
    とガイドバー(101)とからなるソーチェーンセット
    (100)であり、前記給油ポンプ(120)から吐出
    された潤滑油を前記ソーチェーン(102)と前記ガイ
    ドバー(101)との摺接面(101a)に供給するよ
    うにされていることを特徴とする請求項6に記載の携帯
    型動力作業機。
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