JP2019081814A - 先天性副腎皮質過形成の処置のためのcrf1レセプターアンタゴニスト - Google Patents

先天性副腎皮質過形成の処置のためのcrf1レセプターアンタゴニスト Download PDF

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    • A61P5/38Drugs for disorders of the endocrine system of the suprarenal hormones

Abstract

【課題】必要性のある被験体に、有効量のCRFアンタゴニストを投与する工程(就寝時投与が挙げられる(が、これらに限定されない))によって、CAHを処置するための方法を提供すること。
【解決手段】CRFレセプターアンタゴニストは、CAHを有する患者においてACTH放出を直接阻害し、それによって、ヒドロコルチゾンのより低い、より生理学的な用量を使用しながらアンドロゲン生成の正常化を可能にし、従って、処置関連の副作用を低減する能力を有する。一実施形態において、必要性のある被験体に、有効量のCRFアンタゴニストを投与する工程(就寝時投与が挙げられる(が、これらに限定されない))によって、CAHを処置するための方法が提供される。
【選択図】なし

Description

(背景)
(技術分野)
先天性副腎皮質過形成を処置するための組成物および方法が、本明細書で記載される。
(関連技術の説明)
先天性副腎皮質過形成(CAH)は、コルチゾール生合成をほとんどもしくは全く生じ
ない常染色体劣性遺伝障害の一群である。上記疾患の最も頻度の高い形態は、CAH症例
のうちの約95%を占める、染色体6p21に位置するCYP21A2遺伝子における変
異によって引き起こされる21−ヒドロキシラーゼ欠損である(総説に関しては、例えば
、Speiser et al., Int. J. Pediatr. Endocr
inol. 2010:494173 (2010)を参照のこと)。これら変異は、特
定の変異の直接的結果である疾患重症度を生じる、副腎皮質におけるコルチゾール合成に
必要とされる酵素活性の完全な喪失からある範囲の部分的喪失までの範囲に及び得る。2
1−ヒドロキシラーゼ欠損のこの連続型は、塩類喪失形態および単純男性化形態(古典的
CAHとしてグループ分けされる)、ならびに非古典的CAH(NCCAH)もしくは「
遅発性」CAHとして公知の、より軽度の形態(これは通常、後期小児期もしくは早期成
人期に診断される)へと広く分類されてきた。非古典的CAH患者は、ホモ接合性もしく
はしばしば、古典的CAH対立遺伝子を伴って、複合ヘテロ接合体のいずれかを有する。
これら患者は、十分な酵素活性(正常の>20〜50%)を有し、その結果、彼らは塩類
喪失もしくはコルチゾール欠損を有さず、誕生時に正常な外性器を有し、そして多くは、
生涯を通じて無症候性のままである(Trapp et al., Steroids
77(4):342−46 (2012))。上記疾患の頻度の少ない形態(これは症例
のうちの5%を占める)では、11β−ヒドロキシラーゼ遺伝子CYP11B1の変異が
、CAH(11β−OH CAH)を生じる。
両方の遺伝的変異は、アンドロゲンの過剰生成とともに、先天性副腎皮質過形成、コル
チゾール欠損および過剰な副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)生成を生じる。これら患者
には、グルココルチコイドでの終生の管理およびこのような処置と関連して付随する問題
が要求される。よって、健康状態、幸福、クオリティ・オブ・ライフを改善するために、
およびCAHを有する患者における関連障害を管理するために、処置レジメンが非常に必
要である。
Speiser et al., Int. J. Pediatr. Endocrinol. 2010:494173 (2010) Trapp et al., Steroids 77(4):342−46 (2012)
(要旨)
副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)は、クラスB Gプロテイン共役レセプター
(GPCR)であるCRFレセプターを活性化する。CRFアンタゴニストは、CA
Hを有する患者におけるACTH放出を直接阻害し、それによって、ヒドロコルチゾンの
より低い、より生理学的な用量を使用しながらアンドロゲン生成の正常化を可能にし、処
置関連副作用を低減する能力を有する。
一実施形態において、必要性のある被験体に、有効量のCRFアンタゴニストを投与
する工程(就寝時投与が挙げられる(が、これらに限定されない))によって、CAHを
処置するための方法が提供される。
より具体的な実施形態において、上記CRFアンタゴニストは、30分間を超える、
および別の実施形態では40分間を超える、および別の実施形態では50分間を超える解
離半減期(t1/2)を有する。
実施形態1 30分間を超える解離半減期を有するCRFレセプターアンタゴニスト
を必要性のある被験体に投与する工程によって、先天性副腎皮質過形成(CAH)を処置
するための方法。
実施形態2 前記CRFレセプターアンタゴニストは、40分間を超える解離半減期
を有する、実施形態1に記載の方法。
実施形態3 前記CRFレセプターアンタゴニストは、50分間を超える解離半減期
を有する、実施形態1に記載の方法。
実施形態4 前記CRFレセプターアンタゴニストは、化合物I(NBI−7786
0; 2,5−ジメチル−3−[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−N−[
(1S)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)プロピル]ピ
ラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン)である、実施形態1〜3のいずれか1つ
に記載の方法。
実施形態5 前記CRFレセプターアンタゴニストは、NBI−30775、NBI
−34041、SSR−126374、SSR−125543、アンタラルミン(N−ブ
チル−N−エチル−2,5,6−トリメチル−7−(2,4,6−トリメチルフェニル)
ピロロ[3,2−e]ピリミジン−4−アミン)、もしくはDMP904である、実施形
態1〜3のいずれか1つに記載の方法。
実施形態6 前記CRFレセプターアンタゴニストは、就寝時に投与される、実施形
態1〜5のいずれか1つに記載の方法。
実施形態7 前記CRFレセプターアンタゴニストは、予測される概日リズムによる
ACTH放出の時にもしくはその前に投与される、実施形態1〜6のいずれか1つに記載
の方法。
実施形態8 前記CRFレセプターアンタゴニストは、予測される概日リズムによる
ACTH放出の3〜4時間前に投与される、実施形態7に記載の方法。
実施形態9 先天性副腎皮質過形成(CAH)を有する被験体における17−OHPお
よびACTHのレベルを低下させるための方法であって、該方法は、該被験体に、CRF
レセプターアンタゴニストを就寝時に投与する工程を包含する、方法。
実施形態10 前記CRFレセプターアンタゴニストは、予測される概日リズムによ
るACTH放出の時にもしくはその前に投与される、実施形態9に記載の方法。
実施形態11 前記CRFレセプターアンタゴニストは、予測される概日リズムによ
るACTH放出の3〜4時間前に投与される、実施形態9または実施形態10に記載の方
法。
実施形態12 前記CRFレセプターアンタゴニストは、化合物I(NBI−778
60; 2,5−ジメチル−3−[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−N−
[(1S)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)プロピル]
ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン)である、実施形態9〜11のいずれか
1つに記載の方法。
実施形態13 前記CRFレセプターアンタゴニストは、NBI−30775、NB
I−34041、SSR−126374、SSR−125543、アンタラルミン(N−
ブチル−N−エチル−2,5,6−トリメチル−7−(2,4,6−トリメチルフェニル
)ピロロ[3,2−e]ピリミジン−4−アミン)、もしくはDMP904である、実施
形態9〜11のいずれか1つに記載の方法。
実施形態14 先天性副腎皮質過形成(CAH)を処置するにあたって使用するための
CRFレセプターアンタゴニストであって、ここで該CRFレセプターアンタゴニス
トは、30分間を超える解離半減期を有する、CRFレセプターアンタゴニスト。
実施形態15 前記CRFレセプターアンタゴニストは、40分間を超える解離半減
期を有する、14に記載のCRFレセプターアンタゴニスト。
実施形態16 前記CRFレセプターアンタゴニストは、50分間を超える解離半減
期を有する、実施形態14に記載のCRFレセプターアンタゴニスト。
実施形態17 前記CRFレセプターアンタゴニストは、化合物I(NBI−778
60; 2,5−ジメチル−3−[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−N−
[(1S)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)プロピル]
ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン)である、実施形態14〜16のいずれ
か1つに記載のCRFレセプターアンタゴニスト。
実施形態18 前記CRFレセプターアンタゴニストは、NBI−30775、NB
I−34041、SSR−126374、SSR−125543、アンタラルミン(N−
ブチル−N−エチル−2,5,6−トリメチル−7−(2,4,6−トリメチルフェニル
)ピロロ[3,2−e]ピリミジン−4−アミン)、もしくはDMP904である、実施
形態14〜16のいずれか1つに記載のCRFレセプターアンタゴニスト。
実施形態19 前記CRFレセプターアンタゴニストは、就寝時に投与するために適
している、実施形態14〜18のいずれか1つに記載のCRFレセプターアンタゴニス
ト。
実施形態20 前記CRFレセプターアンタゴニストは、予測される概日リズムによ
るACTH放出の時にもしくはその前に投与するために適している、実施形態14〜19
のいずれか1つに記載のCRFレセプターアンタゴニスト。
実施形態21 前記CRFレセプターアンタゴニストは、予測される概日リズムによ
るACTH放出の3〜4時間前に投与するために適している、実施形態14〜20のいず
れか1つに記載のCRFレセプターアンタゴニスト。
他の実施形態において、上記でおよび本明細書で記載される方法および使用は、グルコ
コルチコイドもしくは鉱質コルチコイドの量を、CAHを有する成熟した(full g
rown)被験体(例えば、ヒト被験体)に投与されるGC(例えば、ヒドロコルチゾン
(HC)、プレドニゾン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、もしくはフルドロコルチゾ
ン)の推奨される1日用量から、少なくとも10%、15%、20%、30%、40%、
50%、60%低減する工程をさらに包含する。他の実施形態において、上記でおよび本
明細書で記載される方法および使用は、グルココルチコイドもしくは鉱質コルチコイドの
量を、CAHを有する成長中の被験体(例えば、ヒト被験体)に投与されるGC(例えば
、ヒドロコルチゾン)もしくは鉱質コルチコイド(例えば、フルドロコルチゾン)の推奨
される1日用量から、少なくとも10%、15%、20%、30%、40%、50%、6
0%低減する工程をさらに包含する。
これらおよび他の実施形態は、以下の詳細な説明を参照すれば明らかである。この目的
に向けて、ある種の背景情報、手順、化合物および組成物をより詳細に記載する種々の参
考文献は、本明細書で示され、それらの全体において各々が本明細書に参考として援用さ
れる。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
30分間を超える解離半減期を有するCRF1レセプターアンタゴニストを必要性のある被験体に投与する工程によって、先天性副腎皮質過形成(CAH)を処置するための方法。
(項目2)
前記CRF1レセプターアンタゴニストは、40分間を超える解離半減期を有する、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記CRF1レセプターアンタゴニストは、50分間を超える解離半減期を有する、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記CRF1レセプターアンタゴニストは、化合物I(NBI−77860; 2,5−ジメチル−3−[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−N−[(1S)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)プロピル]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン)である、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記CRF1レセプターアンタゴニストは、NBI−30775、NBI−34041、SSR−126374、SSR−125543、アンタラルミン(N−ブチル−N−エチル−2,5,6−トリメチル−7−(2,4,6−トリメチルフェニル)ピロロ[3,2−e]ピリミジン−4−アミン)、もしくはDMP904である、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記CRF1レセプターアンタゴニストは、就寝時に投与される、項目1〜5のいずれか1項に記載の方法。
(項目7)
前記CRF1レセプターアンタゴニストは、予測される概日リズムによるACTH放出の時にもしくはその前に投与される、項目1〜5のいずれか1項に記載の方法。
(項目8)
前記CRF1レセプターアンタゴニストは、予測される概日リズムによるACTH放出の3〜4時間前に投与される、項目7に記載の方法。
(項目9)
先天性副腎皮質過形成(CAH)を有する被験体における17−OHPおよびACTHのレベルを低下させるための方法であって、該方法は、該被験体に、CRF1レセプターアンタゴニストを就寝時に投与する工程を包含する、方法。
(項目10)
前記CRF1レセプターアンタゴニストは、予測される概日リズムによるACTH放出の時にもしくはその前に投与される、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記CRF1レセプターアンタゴニストは、予測される概日リズムによるACTH放出の3〜4時間前に投与される、項目9に記載の方法。
(項目12)
前記CRF1レセプターアンタゴニストは、化合物I(NBI−77860; 2,5−ジメチル−3−[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−N−[(1S)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)プロピル]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン)である、項目9〜11のいずれか1項に記載の方法。(項目13)
前記CRF1レセプターアンタゴニストは、NBI−30775、NBI−34041、SSR−126374、SSR−125543、アンタラルミン(N−ブチル−N−エチル−2,5,6−トリメチル−7−(2,4,6−トリメチルフェニル)ピロロ[3,2−e]ピリミジン−4−アミン)、もしくはDMP904である、項目9〜11のいずれか1項に記載の方法。
(項目14)
先天性副腎皮質過形成(CAH)を処置するにあたって使用するためのCRF1レセプターアンタゴニストであって、ここで該CRF1レセプターアンタゴニストは、30分間を超える解離半減期を有する、CRF1レセプターアンタゴニスト。
(項目15)
前記CRF1レセプターアンタゴニストは、40分間を超える解離半減期を有する、項目14に記載のCRF1レセプターアンタゴニスト。
(項目16)
前記CRF1レセプターアンタゴニストは、50分間を超える解離半減期を有する、項目14に記載のCRF1レセプターアンタゴニスト。
(項目17)
前記CRF1レセプターアンタゴニストは、化合物I(NBI−77860; 2,5−ジメチル−3−[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−N−[(1S)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)プロピル]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン)である、項目14に記載のCRF1レセプターアンタゴニスト。
(項目18)
前記CRF1レセプターアンタゴニストは、NBI−30775、NBI−34041、SSR−126374、SSR−125543、アンタラルミン(N−ブチル−N−エチル−2,5,6−トリメチル−7−(2,4,6−トリメチルフェニル)ピロロ[3,2−e]ピリミジン−4−アミン)、もしくはDMP904である、項目14に記載のCRF1レセプターアンタゴニスト。
(項目19)
前記CRF1レセプターアンタゴニストは、就寝時に投与するために適している、項目14〜18のいずれか1項に記載のCRF1レセプターアンタゴニスト。
(項目20)
前記CRF1レセプターアンタゴニストは、予測される概日リズムによるACTH放出の時にもしくはその前に投与するために適している、項目14〜18のいずれか1項に記載のCRF1レセプターアンタゴニスト。
(項目21)
前記CRF1レセプターアンタゴニストは、予測される概日リズムによるACTH放出の3〜4時間前に投与するために適している、項目14〜18のいずれか1項に記載のCRF1レセプターアンタゴニスト。
本明細書で具体的に定義されない用語は、本開示および状況に鑑みて、当業者によって
上記用語に与えられる意味が与えられるものとする。しかし、本明細書で使用される場合
、それとは逆に特定されなければ、上記用語は、示される意味を有する。本明細書全体を
通じて「一実施形態」もしくは「ある(一)実施形態」への言及は、上記実施形態に関連
して記載される特定の特徴、構造もしくは特性が少なくとも一実施形態に含まれることを
意味する。従って、本明細書全体を通じて種々の場所における語句「一実施形態において
」もしくは「ある(一)実施形態において」との出現は、全てが必ずしも同じ実施形態を
いうわけではない。さらに、上記特定の特徴、構造、もしくは特性は、1以上の実施形態
において任意の適切な様式で組み合わされ得る。
また、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a(1つの、
ある)」、「an(1つの、ある)」および「the(上記、この、その、)」とは、状
況が明らかに別のことを指し示さなければ、複数形への言及をも含む。従って、例えば、
「a non−human animal(ある非ヒト動物)」への言及は、1以上の非
ヒト動物、もしくは複数のこのような動物に言及し得、「a cell(1つの細胞)」
もしくは「the cell(上記細胞)」への言及は、1以上の細胞および当業者に公
知のその均等物(例えば、複数の細胞)への言及を含むなど。方法の工程が記載されるか
もしくは特許請求され、上記工程が特定の順序で起こると記載される場合、第2の工程「
より前に」(すなわち、その前に)起こる(もしくは行われる)第1の工程の記載は、上
記第2の工程が上記第1の工程に「引き続いて」起こる(もしくは行われる)という状態
に書き換えられる場合には同じ意味を有する。用語「about(約、およそ)」とは、
数もしくは数値範囲に言及する場合、この言及される数もしくは数値範囲が、実験上の変
動性の内にある(もしくは統計上の実験誤差の内にある)近似値であり、従って、その数
字もしくは数値範囲が、述べられた数もしくは数値範囲の1%〜15%の間で変動し得る
ことを意味する。用語「or(あるいは、または、もしくは)」は一般に、状況が明らか
に別のことを指し示さなければ、「and/or(および/または)」を含むその意味で
使用されることにも注意するものとする。用語「at least one(少なくとも
1)」とは、例えば、少なくとも1種の化合物もしくは少なくとも1種の組成物に言及す
る場合、用語「one or more(1以上)」と同じ意味および理解を有する。
図1は、副腎におけるステロイド合成経路の模式図を示す。CAHの最も一般的な形態は、21−ヒドロキシラーゼ(21−αヒドロキシラーゼともいわれる)欠損によって引き起こされ、コルチゾールの減少およびアンドロゲン(例えば、テストステロンおよびエストロゲン)の増大を生じる。古典的CAHのより希なタイプは、11β−ヒドロキシラーゼ欠損である。
図2は、副腎摘出ラットにおけるACTH濃度に対する化合物I(NBI−77860)の効果を図示するグラフを表す。ラットに、30mg/kgの化合物I(NBI−77860)を経口的に与えた。データを、ACTHの平均血漿濃度(±SEM)として表す。
図3A〜Cは、CRFレセプターアンタゴニストの、副腎摘出ラットにおけるACTH濃度に対する効果(それらの解離半減期によって区別される)を図示するグラフを表す。
図4は、NBI−77860の安全性、寛容性および血漿曝露を評価するために設計された、実施例6に記載される臨床試験の研究デザイン模式図、ならびにHPA(視床下部−下垂体−副腎)系ホルモンの内因性レベルに対するこの化合物の効果を表す。
図5は、実施例6に記載される臨床試験の間の、投与後24時間期間の間中の平均17−OHP(上のパネル)およびACTHレベル(下のパネル)のデータを表す。
図6は、300mgおよび600mgのNBI−77860ならびにプラセボの投与後の経時的な17−OHP(上パネル)およびACTHレベル(下パネル)に関する具体的な個々の被験体の応答を表す。
(詳細な説明)
本明細書で記載されるように、CRFレセプターアンタゴニストは、CAHを有する
患者におけるACTH放出を直接阻害し、それによって、アンドロゲン生成の正常化を可
能にすることが見出された。CRFレセプターアンタゴニストの投与は、CAHを有す
る被験体においてヒドロコルチゾンのより低い、より生理学的な用量の使用を可能にし、
従って、処置関連副作用を低減する。
CAHの新生児スクリーニングは、生後72時間以内に得られるヒールスティック毛細
管血液標本において17−OHPレベルを測定するイムノアッセイによって行われる。上
記血液サンプルを、市販の解離増強ランタニド蛍光イムノアッセイ(DELFIA; P
erkinElmer, Waltham Massachusetts) (Whit
e et al., J. Pediatr. 163:10−12 (2013))に
よって、17−OHPについて分析する。
生化学的試験法および分子遺伝学的試験法を利用して生後8〜14日間の間に行われる
二番手のスクリーニング試験は、米国の9つの州が使用しており、さらに5つの州が強く
推奨している。上記生化学的方法としては、有機溶媒抽出物を用いたイムノアッセイもし
くは液体クロマトグラフィー、続いて、コルチゾールに対する17−OHP、アンドロス
テンジオン、および21−デオキシコルチゾールのステロイド比を測定するためのタンデ
ム質量分析法が挙げられる(例えば、Speiser et al., Int. J.
Pediatr. Endocrinol. 2010:494173, 2010を
参照のこと)。遺伝子スクリーニングは、CAHと関連するCYP21A2変異を調べる
。米国で広く使用されているわけではないが、第2のスクリーニングを追加することで、
スクリーニングプロセス全体の感度(ここで第1のスクリーニングのみでは約72%であ
る)を潜在的に改善できた。
新生児スクリーニングの結果がなければ、古典的CAHを有する幼い女児は、代表的に
は、性別が曖昧な外性器の存在に起因して同定される。男性は、生まれたときに正常な外
性器を有するので、新生児スクリーニングが行われなければ、または他の医学的合併症に
気づかなければ、診断されない。CAHと最初に診断されず、この疾患の塩類喪失形態を
経験する幼児は、生後数週間以内に体重増大が不十分、嘔吐、高カリウム血症および低ナ
トリウム血症という状況の中で後に診断される。
CAHの処置は、幼年期から成人期における診断から種々の薬物療法を使用するホルモ
ンおよびステロイドレベルの正常化に基づく。グルココルチコイドは、CAHでは現在標
準的な処置であり、内因性コルチゾール欠損を矯正する、および下垂体からのACTHレ
ベル上昇(これは、アンドロゲン生成増大を駆動する)を低減する、両方のために使用さ
れる。コルチゾール補充(cortisol replacement)が十分であるア
ジソン病(副腎機能低下)の処置とは異なり、CAHの処置は、ACTH生成も低減して
、その後のアンドロゲン過剰をも制御しなければならない。従って、グルココルチコイド
処置の目標は、女性においては男性化および月経障害を防止するために、ならびに男性に
おいては精巣副腎残存腫瘍(testicular adrenal rest tum
or)を阻害するために、コルチゾール補充およびACTHの抑制を含む。鉱質コルチコ
イド補充は、CAHの塩類喪失形態を有するそれら患者において通常血圧、電解質バラン
ス、および容積状態の維持のための正常の血漿レニン活性を達成するために必要とされる
グルココルチコイド処置のレジメンは、正常な生理機能を支援し、そしてまた、強いス
トレス応答(例えば、併発疾患、運動、低血圧)を誘発し得る事象の間に十分なコルチゾ
ールが利用可能であることを担保しなければならない。アンドロゲン生成を十分に抑制し
ようとしてグルココルチコイド過剰処置になることに起因する医原性クッシング症候群、
または処置不十分に起因するアジソン症候群の発生を回避するためには、注意深いモニタ
リングもまた必要である。鉱質コルチコイドでの過剰処置は、高血圧症を引き起こし得る
一方で、処置不十分は、低血圧、塩類喪失、疲労およびグルココルチコイドの要求の増大
をもたらし得る。処置の効力をモニターするための代表的な実験室での検査としては、1
7−OHP、アンドロステンジオン、テストステロン、レニン活性、および電解質の血漿
濃度の測定が挙げられる。
CAHを有する成人患者は、肥満、高血圧症、およびインスリン抵抗性を含む心血管疾
患のリスク因子の増大した保有率を有する(例えば、Kim et al., Semi
n. Reprod. Med. 27(4):316−21 (2009)を参照のこ
と)。小児および成人のCAH患者(n=244)の大コホート研究から、患者は、種々
のグルココルチコイド処置レジメンを処方されるにも関わらず、不十分なホルモン制御お
よび前述の有害転帰を頻繁に経験していることが示された(例えば、Finkielst
ain et al., J. Clin. Endocrinol Metab. 9
7(12):4429−38 (2012)を参照のこと)。
CAHの処置は、グルココルチコイド(通常は、小児ではヒドロコルチゾンであるが、
成人では、デキサメタゾンのような、しばしば治療指数の狭いより強力な薬剤)、および
塩類喪失に必要であれば、鉱質コルチコイド(通常はフルドロコルチゾン)でのコルチゾ
ール欠損を正常化する試みを含む。しかし、過剰なアンドロゲンの十分な抑制を達成する
ために必要とされるグルココルチコイド用量は、通常は、アジソン病を有する患者におけ
るように、コルチゾール補充のみに使用される通常の生理学的用量を十分に上回っている
。グルココルチコイドへのこの増大した曝露は、CAH患者において、医原性クッシング
症候群、心血管リスク因子の増大、耐糖能障害、および骨密度(bone minera
l density)の低下をもたらし得る(例えば、Elnecave et al.
, J. Pediatr. Endocrinol. Metab. 21:1155
−62 (2008); King et al., J. Clin. Endocr
inol. Metab. 91(3):8656−59 (2006); Migeo
n et al., Endocrinol. Metab. Clin. North
Am. 30:193−206 (2001)を参照のこと)。
副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)を、ヒツジ視床下部から単離し、41アミノ
酸のペプチドとして同定した。CRFは、内分泌系、神経系、および免疫系の機能におい
て顕著な変化を生じることが見出された。CRFは、副腎皮質刺激ホルモン(「ACTH
」)、β−エンドルフィン、および他のプロオピオメラノコルチン(「POMC」)(下
垂体前葉由来ペプチド)の基底の放出およびストレス誘発性の放出の主要な生理学的調節
因子であると考えられる(例えば、Vale et al., Science 213
:1394−1397, 1981を参照のこと)。CRFの分泌は、Gプロテイン共役
レセプターのクラスBファミリーのメンバーであるCRFレセプターへの結合を介して
、下垂体前葉における副腎皮質刺激ホルモン生成細胞(corticotroph)から
のACTH放出を引き起こす。
CRFの生理学的重要性に起因して、顕著なCRFレセプター結合活性を有しかつ上
記CRFレセプターに拮抗できる生物学的に活性な低分子の開発は、未だに望まれる目
標であり、不安、鬱病、過敏性腸症候群、心的外傷後ストレス障害、および物質乱用の処
置のために進行中の研究および開発の主題であり続けている。
下垂体ホルモンACTHは、視床下部の副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)の制
御下にあり、コレステロールの取り込みを刺激し、副腎におけるステロイド生成を開始す
るプレグネノロンの合成を駆動する(図1を参照のこと)。副腎皮質は、3つのゾーンか
ら構成され、これらは、ホルモンの別個のクラスを生成し、そのうちの多くは、この経路
を介してコレステロールを動員させるACTHによって駆動される。変異もしくは欠失の
結果としてのこれら酵素の欠損は、基質濃度の増大を引き起こす。21−ヒドロキシラー
ゼ遺伝子(CYP21A2)における変異もしくは欠失から生じるCAHの最も一般的な
形態では、ステロイド前駆体である、プロゲステロンおよび17−ヒドロキシプロゲステ
ロン(17−OHP)の蓄積が原因で、強力なアンドロゲンが副腎によって生成される。
17−OHPの血漿レベルは、これら症例において正常濃度の10〜1000倍にも達し
得る。これら増大は、アンドロゲン、具体的には、アンドロステンジオン、テストステロ
ン、およびジヒドロキシテストステロンの過剰生成を生じ、女性において男性化を引き起
こす。さらに、CAHにおける21−ヒドロキシラーゼ欠損は、グルココルチコイドおよ
び鉱質コルチコイド、具体的にはコルチゾールおよびアルドステロンの不十分な生合成を
引き起こす。コルチゾールは、視床下部のCRF分泌および下垂体のACTH放出の重要
なネガティブフィードバック調節因子である。グルココルチコイド合成および放出の欠如
は、視床下部および下垂体に対する抑制を排除し、このことは、ACTHレベルを増大さ
せる。過剰なACTH刺激は、索状帯および網状帯の肥大を引き起こし、副腎過形成を生
じる。
一実施形態において、CAHの処置に有用なCRFレセプターアンタゴニストは、N
BI−77860、2,5−ジメチル−3−[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニ
ル]−N−[(1S)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)
プロピル]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン(本明細書で「化合物I」と
もいわれる)であり、これは、以下の構造を有する。
Figure 2019081814
化合物Iは、結合pKi=8.2を有する強力なCRFアンタゴニストである(例え
ば、Tellew et al., Bioorg. Med. Chem. Lett
. 20:7259, 2010および国際特許出願公開番号WO 2006/0449
58(これらはともに、それらの全体において本明細書に参考として援用される)を参照
のこと)。本明細書で記載されるとおり、化合物Iは、副腎摘出ラットにおいて示される
ように強力なACTH低下効果を有する。
別の実施形態において、CAHの処置に有用なCRFレセプターアンタゴニストは、
米国特許第6,586,456号、同第6,806,282号、同第6,531,475
号、同第6,664,261号、同第6,610,678号、WO 98/08846、
WO 98/11075、WO 99/10350、WO 2000/059888、W
O 2006/044821、WO 2006/102194、WO 2006/107
784、WO 2006/116412、WO 2006/126718、WO 200
7/069565、WO 2007/069671、WO 2008/036541、W
O 2008/036579、WO 2008/051533、WO 2008/082
003、WO 2008/083070、WO 2008/136377、WO 200
9/008552、WO 2009/144632、WO 2010/014280、W
O 2010/014687、WO 2010/015628、WO 2010/015
655、WO 2010/062718、WO 2010/096426、WO 201
1/043387、WO 2011/092293、WO 2011/095450、W
O 2011/092290、およびWO 2011/043381に記載されるとおり
の低分子アンタゴニストである。
さらに別の実施形態において、上記CRFレセプターアンタゴニストは、NBI−3
0775、CP−316,311、ペキサセルホント、エミセルホント(emicerf
ont)、SSR−125543[4−(2−クロロ−4−メトキシ−5−メチルフェニ
ル)−N−[(1S)−2−シクロプロピル−1−(3−フルオロ−4−メチルフェニル
)エチル]−5−メチル−N−(2−プロピン−1−イル)−2−チアゾールアミン]、
SSR−126374、ONO−2333、NBI−34041、JNJ−195674
70、GSK586529、PF−00572778、CP−376395、アンタラル
ミン(N−ブチル−N−エチル−2,5,6−トリメチル−7−(2,4,6−トリメチ
ルフェニル)ピロロ[3,2−e]ピリミジン−4−アミン)、およびDMP904であ
る。
なお別の実施形態において、上記CRFレセプターアンタゴニストは、30分間を超
える、および別の実施形態では40分間を超える、および別の実施形態では50分間を超
える解離半減期(t1/2)を有する。特定のCRFレセプターアンタゴニストの解離
半減期は、実施例3で開示される技術によって決定される。これら実施形態の代表的CR
レセプターアンタゴニストとしては、化合物I、NBI−30775、NBI−34
041、SSR−125543A、アンタラルミン(N−ブチル−N−エチル−2,5,
6−トリメチル−7−(2,4,6−トリメチルフェニル)ピロロ[3,2−e]ピリミ
ジン−4−アミン)、およびDMP904が挙げられる。
本明細書で記載される化合物に関しては、特定の位置が水素と指定される場合、そのよ
うな水素(H)は、重水素(D)で置換され得ることもまた、理解されるものとする。水
素の代わりに重水素を組み込むことは、その置換された化合物の生理学的活性および薬理
学的活性に対して顕著な効果を生じることが公知である。この目的に向けて、水素の重水
素置換は、その位置における重水素存在量(abundance)が天然の重水素存在量
より実質的に大きいことを意味するということは、理解されるはずである。よって、一実
施形態において、代表的化合物としては、以下が挙げられる。
Figure 2019081814

Figure 2019081814

Figure 2019081814

Figure 2019081814

Figure 2019081814

Figure 2019081814

Figure 2019081814

Figure 2019081814

Figure 2019081814

Figure 2019081814
別の実施形態において、前述の化合物のうちのいずれも、安定なもしくは放射活性な同
位体を組み込み得る。よって、本明細書で記載されるものに同一な同位体標識された化合
物の使用もまた企図され、ここで1個以上の原子は、天然において通常見出されるある原
子質量もしくは質量数とは異なる原子質量もしくは質量数を有する原子によって置換され
る。これら化合物へと組み込まれ得る同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リ
ン、フッ素および塩素の同位体、例えば、それぞれ、上記で考察されるとおりの重水素(
H)、ならびにH、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、
S、18F、および36Clが挙げられるが、それに限定されない。ある種の同位体標
識された化合物、例えば、Hおよび14Cのような放射活性同位体が組み込まれている
ものはまた、薬物もしくは基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム水素(
H)および炭素14(14C)同位体は、それらの準備および検出可能性の容易さのた
めに特に好ましい。より重い同位体(例えば、重水素(H))での置換は、より大きな
代謝安定性、例えば、インビボ半減期の増大もしくは用量要求の低下から生じるある種の
治療的利点を提供し得、従って、いくつかの環境では好ましい可能性がある。同位体標識
した化合物は一般に、当該分野で慣用的に実施される手順を行うことによって調製され得
る。
(副腎摘出ラットにおける血漿ACTHに対する効果)
副腎摘出は、ラットにおいて循環コルチコステロン(主なグルココルチコイド)を排除
し、視床下部および下垂体(副腎皮質ホルモン生成細胞)両方のレベルにおいてHPA系
のネガティブフィードバック制御を除去し、従って、血漿ACTHを慢性的に上昇させる
(例えば、Mims et al., J. Natl. Med. Assoc. 6
9:145−47 (1977)を参照のこと)。ペプチドCRFレセプターアンタゴ
ニストの静脈内注射は、副腎摘出(ADX)ラットにおける高い血漿ACTHレベルを低
下させることが示された(例えば、Rivier et al., J. Med. C
hem. 12:42:3175−82 (1999)を参照のこと)。これら知見は、
上記低分子NBI−77860(化合物I)で再現された。副腎摘出ラットにおいて、化
合物Iは、ACTH低下に関する強力な能力を有する。ACTHにおける最大の低減は、
NBI−77860のピーク血漿濃度と相関した;しかし、ACTH低下効果の持続時間
は、薬物血漿曝露を超えていた。従って、副腎摘出ラットにおいて、NBI−77860
の統合された血漿曝露と経口投与後のインビボ効力との間に推定可能な関係が存在する。
CRFレセプターアンタゴニストとしての化合物の有効性は、種々のアッセイ法によっ
て決定され得る。本明細書で記載されるCRFアンタゴニストは、CRFの、そのレセプ
ターへの特異的結合を阻害し得、結果として、CRFと関連する活性を拮抗し得る。ある
化合物は、1種以上の一般に受け入れられているアッセイ(実施例中に記載されるアッセ
イが挙げられる)によって、CRFアンタゴニストとしての活性について評価され得る。
本明細書で記載される方法に有用なCRFアンタゴニストは、CRFレセプターに対する
親和性を示す化合物を含む。
理論に拘束されることは望まないが、CAHの処置において、CRFレセプターアンタ
ゴニストは、下垂体副腎皮質刺激ホルモン生成細胞からのACTH放出を潜在的にブロッ
クし(それによって、アンドロゲンの生成を低下させる)、コルチゾールの補充のための
より洗練された処置方法論を可能にする。動物およびヒトでの研究は、ACTH放出に対
する化合物I(NBI−77860)の薬理学的効果を示した。処置効力をモニターする
場合に内分泌学者が使用する標準的な生体マーカー評価は、このCRFレセプターアン
タゴニストの効果をモニターするために使用され得る。17−OHP、アンドロステンジ
オン、テストステロン、コルチゾールおよびACTHの血漿レベル、ならびにこれらステ
ロイドの尿代謝産物は、小児および成人の両方において容易に測定され、処置の影響に関
する迅速かつ有意義なデータを与える。
(処置についての薬学的組成物および方法)
本開示は、本明細書で記載されるCRFアンタゴニスト化合物のうちのいずれか1種お
よび薬学的に受容可能な賦形剤を含む、CAHを処置するための方法において使用するた
めの薬学的組成物をさらに提供する。薬学的に受容可能な賦形剤は、活性成分の活性に干
渉しない、生理学的におよび薬学的に適した、非毒性でかつ不活性な物質もしくは成分で
ある;賦形剤はまた、キャリアともいわれ得る。上記CRFアンタゴニスト化合物は、処
置もしくは防止的(もしくは予防的)処置(例えば、CAH疾患の増悪、または上記疾患
の1以上の症状の発生もしくは再発を低減する)において使用するための薬学的組成物に
製剤化され得る。本明細書で記載される方法および賦形剤は例示であり、決して限定では
ない。薬学的に受容可能な賦形剤は、薬学分野において周知であり、例えば、Rowe
et al., Handbook of Pharmaceutical Excip
ients: A Comprehensive Guide to Uses, Pr
operties, and Safety, 5th Ed., 2006, および
Remington: The Science and Practice of P
harmacy (Gennaro, 21st Ed. Mack Pub. Co.
, Easton, PA (2005))に記載される。薬学的に受容可能な賦形剤の
例としては、滅菌生理食塩水および生理学的pHのリン酸緩衝化生理食塩水が挙げられる
。保存剤、安定化剤、色素、緩衝化剤などは、上記薬学的組成物の中に提供され得る。さ
らに、抗酸化剤および懸濁剤もまた、使用され得る。
治療的および/もしくは予防的利益としては、例えば、改善された臨床転帰(治療的処
置および予防的もしくは防止的手段の両方)が挙げられ、ここでその目的は、望ましくな
い生理学的変化もしくは障害を防止するもしくは遅らせるもしくは遅延させる(減らす)
こと、またはこのような障害の拡大もしくは重篤度を防止するもしくは遅らせるもしくは
遅延させる(減らす)ことである。本明細書で考察される場合、被験体を処置することか
らの有益なもしくは望ましい臨床結果としては、以下が挙げられるが、これらに限定され
ない:処置される予定の疾患、状態もしくは障害から生じるかもしくはこれらと関連する
症状の減退、減少、もしくは緩和;症状の発生の減少;クオリティ・オブ・ライフの改善
;疾患がない状態(すなわち、被験体が症状(これに基づいて、疾患の診断が行われる)
を示す見込みもしくは傾向を減少させること)が長くなる;疾患の程度の縮小;疾患の安
定した(すなわち、悪化していない)状態;疾患進行の遅滞もしくは遅れ;上記疾患状態
の改善もしくは軽減;ならびに検出可能であろうと検出不能であろうと、退縮(部分的で
あろうが全体であろうが);ならびに/または全生存。「Treatment(処置)」
はまた、被験体が処置を受けなかった場合に予測される生存と比較したときに、生存を長
期化することを意味し得る。処置の必要性のある被験体としては、上記状態もしくは障害
を既に有している人々、ならびに上記疾患、状態もしくは障害を有する傾向にあるかまた
は発生させるリスクのある被験体、ならびに上記疾患、状態もしくは障害が防止される(
すなわち、上記疾患、障害もしくは状態の発生の見込みを減少させる)べきである人々が
挙げられる。被験体は、ヒトもしくは非ヒト哺乳動物(例えば、ラット、マウス、イヌ、
ネコ、家畜、動物園動物)であり得る。
至適用量は、一般に、実験モデルおよび/もしくは臨床試験を使用して決定され得る。
上記至適用量は、上記被験体のボディーマス、体重、もしくは血液容積に依存し得る。一
般に、ある用量の中に存在する、本明細書で記載される化合物の量は、約0.1mg〜約
30mg/kg被験体体重の範囲に及ぶ。ある種の実施形態において、単一用量は、約5
0〜1000mgである。有効な治療を提供するために十分である最少用量の使用は、通
常好ましい。被験体は、一般に、臨床評価によって、および処置もしくは防止されている
状態に適したアッセイを使用して、治療有効性についてモニターされ得る。このアッセイ
は、当業者が精通しており、本明細書に記載される。被験体に投与される化合物のレベル
は、生物学的流体中の、例えば、血液、血液画分(例えば、血清)および/もしくは尿中
の、ならびに/または上記被験体に由来する他の生物学的サンプル中の上記化合物のレベ
ルを決定することによってモニターされ得る。上記化合物を検出するために当該分野で実
施される任意の方法は、治療レジメンの経過の中で化合物のレベルを測定するために使用
され得る。
本明細書で記載される化合物のうちの少なくとも1種を含む、CAHまたは関連疾患も
しくは障害を処置するための組成物の用量は、上記被験体の状態、すなわち、上記疾患の
ステージ、上記疾患によって引き起こされる症状の重篤度、全身の健康状態、ならびに年
齢、性別および体重、ならびに医療分野の当業者に明らかな他の因子に依存し得る。同様
に、上記化合物の用量は、医療分野の当業者によって理解されるパラメーターに従って決
定され得る。
本明細書で記載されるCRFアンタゴニスト化合物のうちの少なくとも1種を含む本
明細書で記載される薬学的組成物は、上記化合物の有効量を効率的に送達するいくつかの
経路のうちのいずれか1つによって、必要性のある被験体に投与され得る。このような投
与経路としては、例えば、経口、非経口、腸、直腸、鼻内、口内、舌下、筋肉内、および
経皮が挙げられる。これら投与経路などによって投与される組成物は、本明細書でより詳
細に記載される。
開示される化合物もしくは組成物の投与は、夜間投与もしくは寝る前の投与(すなわち
、就寝時投与)を含む。本明細書で使用される場合、就寝時投与とは、予測される概日リ
ズムによるACTH放出の時にもしくはその前に(例えば、2〜5時間前)、上記CRF
アンタゴニストの臨床的に関連する濃度を送達するように意図された投与をいう。この
ACTH放出は、代表的には午前1〜2時であるので、そして大部分の経口投与された薬
物は数時間というTmaxを有するので、例えば、予測される概日リズムによるACTH
放出の3〜4時間前である午後10時の投与は、望ましい。この同じプレパルス就寝時投
与は、シフト労働者(例えば、夜間に働いて日中に睡眠をとる人々)のために適合させら
れ得、この場合には、投与は、必ずしも夜間に起こらなくてもよい。従って、投与は、予
測される概日リズムによるACTH放出に依存し、個体の(すなわち、被験体、患者の)
特定の労働および睡眠パターンに依存して変動し得る。ある種の実施形態において、本明
細書で記載されるCRFレセプターアンタゴニスト(例えば、NBI−77860、ま
たはNBI−30775、NBI−34041、SSR−126374、SSR−125
543、アンタラルミン(N−ブチル−N−エチル−2,5,6−トリメチル−7−(2
,4,6−トリメチルフェニル)ピロロ[3,2−e]ピリミジン−4−アミン)、もし
くはDMP904のうちのいずれか1種)は、予測される概日リズムによるACTH放出
前(すなわち、先に、先だって)の約2〜5時間の間に投与される。他の実施形態におい
て、上記CRFレセプターアンタゴニストは、予測される概日リズムによるACTH放
出前の約2〜4時間の間もしくは3〜5時間の間に、上記被験体に投与される。より具体
的な実施形態において、CRFレセプターアンタゴニストは、予測される概日リズムに
よるACTH放出前の約3〜4時間の間に上記被験体に投与される。
CAHを有する被験体(すなわち、患者、個体)における17−OHPおよび/もしく
はACTHレベルを、CRFレセプターアンタゴニストを投与する工程によって低下さ
せるための方法もまた、本明細書で提供される。ある種の実施形態において、上記アンタ
ゴニストは、予測される概日リズムによるACTH放出の時にもしくはその前に投与され
る。他のある種の実施形態において、上記CRFレセプターアンタゴニストは、予測さ
れる概日リズムによるACTH放出の前の約2〜4時間の間もしくは約3〜5時間の間に
投与される。より具体的な実施形態において、CRFレセプターアンタゴニストは、予
測される概日リズムによるACTH放出の前の約3〜4時間の間に上記被験体に投与され
る。
CRFレセプターアンタゴニストを必要性のある女性被験体に、上記被験体において
ACTHおよび17−OHPのレベルの低下を引き起こす本明細書で記載される様式で投
与する工程を包含する本明細書で記載される方法は、アンドロゲン(例えば、テストステ
ロンおよびアンドロステンジオンの放出の低下を生じ得る。グルココルチコイドの用量は
、臨床的に有意な量によって付随して低下させられ得、これは、翻って副作用の低下を生
じる。
CAHを有する患者および若く成長中である患者における維持療法のための、ならびに
成熟した患者における維持療法のためのグルココルチコイド(GC)および鉱質コルチコ
イド(MC)の量は、当業者に公知である。例えば、ガイドラインは、Speiser
et al. (J. Clin. Endocrinol. Metab. 95:4
133−60 (2010)(その全体において参考として援用される)に記載され、そ
の中の表1および表2に示される。特に、CAHを有する若く成長中である患者に関して
は、当業者は、GCでの高すぎる投与が上記患者において身長の成長(statural
growth)を妨げ得ることを認識する。よって、CRFレセプターアンタゴニス
トで患者を処置するための本明細書で記載される方法は、臨床的に有意な様式でGCの用
量を低下させる工程を包含し得る。
ある種の実施形態において、CRFレセプターアンタゴニストを投与する工程によっ
てCAHを処置するための方法は、CAHを有する被験体を処置するために現在推奨され
るGC用量より低い用量で、GCを投与する工程をさらに包含し得る。上記被験体が成熟
した患者である場合、GCの用量(例えば、成熟した被験体における維持療法のために推
奨されるヒドロコルチゾン(HC)、プレドニゾン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、
もしくはフルドロコルチゾンの用量)は、15〜25mg/日 HC;5〜7.5mg/
日 プレドニゾン、4〜6 mg/日 プレドニゾロン;0.25〜0.5mg/日 デ
キサメタゾン、もしくは0.05〜0.2mg/日 フルドロコルチゾンという推奨用量
から、約10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%以上の程度、低下さ
せられ得る。CAHを有する成長中である被験体において、GC(例えば、HC)の推奨
用量は、10〜15mg/m/日という合計推奨用量から低下させられ得、そして/ま
たは0.05〜0.2mg/日のフルドロコルチゾンという合計用量は、各々、本明細書
で記載されるとおりのCRFレセプターアンタゴニストを受ける被験体において約10
%、15%、20%、30%、40%、50%、60%以上の程度低下させられ得る。一
実施形態において、必要性のある被験体に有効量のCRFアンタゴニストを投与する工
程を包含する本明細書で記載される方法は、プラセボと比較して、ACTHレベルの臨床
的に有意な低下を生じる。具体的実施形態において、必要性のある被験体に有効量のCR
アンタゴニストを投与する工程は、プラセボと比較して、ACTHレベルの臨床的に
有意な低下を生じ、ここでその低下は、少なくとも25%である。別の実施形態において
、必要性のある被験体に有効量のCRFアンタゴニストを投与する工程は、プラセボと
比較して、ACTHレベルの臨床的に有意な低下を生じ、ここでその低下は、少なくとも
50%である。グルココルチコイドおよび鉱質コルチコイドの投与に関するガイドライン
については、Speiser et al.(前出)を参照のこと。
別の実施形態において、必要性のある被験体に有効量のCRFアンタゴニストを投与
する工程を包含する本明細書で記載される方法は、プラセボと比較して、17−OHPレ
ベルの臨床的に有意な低下を生じる。別の具体的実施形態において、必要性のある被験体
に有効量のCRFアンタゴニストを投与する工程は、プラセボと比較して、17−OH
Pレベルの臨床的に有意な低下を生じ、ここでその低下は、少なくとも25%である。さ
らに別の実施形態において、必要性のある被験体に有効量のCRFアンタゴニストを投
与する工程は、プラセボと比較して、17−OHPレベルの臨床的に有意な低下を生じ、
ここでその低下は、少なくとも50%である。
一実施形態において、必要性のある被験体に有効量のCRFアンタゴニストを投与す
る工程を包含する本明細書で記載される方法は、プラセボと比較して、ACTHレベルお
よび17−OHPレベルの両方の臨床的に有意な低下を生じる。ある種の実施形態におい
て、必要性のある被験体に有効量のCRFアンタゴニストを投与する工程は、プラセボ
と比較して、ACTHレベルおよび17−OHPレベルの両方の臨床的に有意な低下を生
じ、ここで上記低下は、少なくとも25%である。別の具体的実施形態において、必要性
のある被験体に有効量のCRFアンタゴニストを投与する工程は、プラセボと比較して
、ACTHレベルおよび17−OHPレベルの両方の臨床的に有意な低下を生じ、ここで
上記低下は、少なくとも50%である。
上記薬学的組成物は、液剤の形態にあり得る。あるいは、それらは、固体(例えば、散
剤、錠剤など)の形態にあり得る。本明細書で記載される化合物のうちのいずれか1種を
含む組成物は、徐放性もしくは緩慢な放出のために製剤化され得る。このような組成物は
、一般に、周知の技術を使用して調製され得、例えば、経口、直腸もしくは皮下移植によ
って、または所望の標的部位での移植によって、投与され得る。徐放性製剤は、キャリア
マトリクスの中に分散された、および/もしくは速度制御膜によって囲まれたレザバ内に
含まれた化合物を含み得る。このような製剤内で使用するための賦形剤は、生体適合性で
あり、生分解性でもあり得る;好ましくは、上記製剤は、活性成分放出の比較的一定なレ
ベルを提供する。徐放性製剤内に含まれる活性化合物の量は、移植部位、放出の速度およ
び予測される持続時間、ならびに処置もしくは防止される予定の状態の性質に依存する。
経口製剤に関しては、本明細書で記載される化合物のうちの少なくとも1種は、単独で
使用されるかまたは適切な添加剤と併用されて、例えば、従来の添加剤(例えば、ラクト
ース、マンニトール、コーンスターチもしくはジャガイモデンプン)とともに;結合剤と
ともに;崩壊剤とともに;滑沢剤とともに;および望ましい場合には、希釈剤、緩衝化剤
、湿潤剤、保存剤、着色剤、および矯味矯臭剤とともに、錠剤、散剤、粒剤もしくはカプ
セル剤を作製し得る。上記化合物は、胃の環境の低pHからの上記化合物の保護を提供す
るための緩衝化剤および/もしくは腸溶性コーティングとともに製剤化され得る。上記組
成物に含まれる化合物は、例えば、液体、固体もしくは半固体の製剤の中で矯味矯臭剤と
ともに、および/または腸溶性コーティングとともに、経口送達のために製剤化され得る
。経口製剤は、粉末化キャリア(例えば、ラクトース、デンプン、セルロース誘導体、ス
テアリン酸マグネシウム、ステアリン酸など)とともに上記活性化合物を含み得るゼラチ
ンカプセルとして提供され得る。類似のキャリアおよび希釈剤は、圧縮された錠剤を作製
するために使用され得る。
実施例1:CRFレセプター結合活性
本明細書で記載される方法において使用されるとおりのCRFアンタゴニストは、Gr
igoriadis et al.(例えば、Mol. Pharmacol vol
50, pp 679−686, 1996を参照のこと)およびHoare et a
l.(例えば、Mol. Pharmacol 63: 751−765, 2003を
参照のこと)によって一般に記載されるとおりの標準的放射性リガンド結合アッセイによ
って、上記CRFレセプターへの結合活性について評価され得る。放射性標識したCRF
リガンドを利用することによって、上記アッセイは、本明細書で記載される化合物と任意
のCRFレセプターサブタイプとの結合活性を評価するために使用され得る。
簡潔には、上記結合アッセイは、放射性標識したCRFリガンドを上記CRFレセプタ
ーから置き換えることを包含する。より具体的には、上記結合アッセイは、ヒトCRFレ
セプターで安定してトランスフェクトされた細胞に由来する1〜10μg 細胞膜を使用
して、96ウェルアッセイプレートの中で行われる。各ウェルは、目的の化合物もしくは
参照リガンド(例えば、ソーバジン、ウロコルチンI、もしくはCRF)、0.05mL
の[125I]チロシン−ソーバジン(終濃度約150pMもしくはスキャッチャード分
析によって決定される場合のほぼK)および上記CRFレセプターを含む細胞膜懸濁物
0.1mLを含む、約0.05mL アッセイ緩衝液(例えば、ダルベッコのリン酸緩衝
化生理食塩水、10mM 塩酸マグネシウム、2mM EGTA)を受容する。上記混合
物を、2時間、22℃でインキュベートし、続いて、ガラス繊維フィルタでの迅速濾過に
よって、結合した放射性リガンドと遊離の放射性リガンドとを分離する。3回洗浄した後
、上記フィルタを乾燥させ、放射活性(125Iのオージェ電子)を、シンチレーション
カウンターを使用して計数する。全ての放射性リガンド結合データを、非線形最小自乗曲
線フィッティングプログラムPrism(GraphPad Software Inc
)もしくはXLfit (ID Business Solutions Ltd)を使
用して分析し得る。
実施例2:CRFレセプターアゴニスト活性
Fleck et al.(J. Pharmacology and Experi
mental Therapeutics, 341(2):518−531, 201
2)(本明細書中以降「Fleck et al.」、その全体において参考として援用
される)に報告されるように、以前同定されたCRFレセプターアンタゴニストの活性
が示される。このような活性は、以下の式によって、会合速度定数(k)および解離速
度定数(k−1)から計算される、速度論的に導出される親和性(K)として報告され
る:
=k−1/k
また、Fleck et al.で報告されるように、以下の表1に列挙される上記C
RFレセプターアンタゴニストの速度論的Kが報告された:
Figure 2019081814

Figure 2019081814
この同じ技術によって、化合物I(NBI−77860)の速度論的Kiは、以下のと
おりであることが見出された:
Figure 2019081814

実施例3:CRFレセプターアンタゴニストの解離半減期(t1/2
本明細書で記載される方法において使用されるとおりのCRFレセプターアンタゴニ
ストの解離半減期(t1/2)を、Fleck et al.に記載される技術によって
評価する。その中で記載されるように、標識されたおよび標識されていないリガンドに関
する解離速度定数は、k−1と表される一方で、上記レセプターの薬物解離の半減期(t
1/2)(これは、滞留時間中央値(median residence time)に
等しい)は、以下の式によって、解離速度定数(k−1)から計算される:
1/2=0.693/k−1
Fleck et al.において報告されるように、以下の表2に列挙されるCRF
レセプターアンタゴニストの解離半減期(t1/2)が報告された。
Figure 2019081814
この同じ技術によって、化合物I(NBI−77860)の解離半減期は、以下のとお
りであることが見出された:
Figure 2019081814
よって、30分間を超える解離半減期(t1/2)を有するCRFレセプターアンタ
ゴニストとしては、アンタラルミン、NBI−34041、DMP904、NBI−30
775、SSR125543A、およびNBI−77860(化合物I)が挙げられる(
が、これらに限定されない)。これら同じ化合物はまた、40分間を超える解離半減期(
1/2)および50分間を超える解離半減期(t1/2)を有するCRFレセプター
アンタゴニストの代表である。
実施例4:副腎摘出ラットにおけるACTHの低下
化合物I(NBI−77860)(例えば、Tellew et al., Bioo
rg. Med. Chem. Lett. 2010, 20:7259; WO20
06044958を参照のこと)は、結合pKi 8.2、速度論的Ki 49nM(上
記の表1)、および解離t1/2 58分(上記の表2)を有する強力なCRFアンタ
ゴニストである。
ペプチドCRFレセプターアンタゴニストの静脈内注射は、副腎摘出(ADX)ラッ
トにおいて高い血漿ACTHレベルを低下させることが示された(例えば、Rivier
et al., J. Med. Chem. 12:42:3175−82 (19
99)を参照のこと)。これら知見は、上記低分子NBI−77860で再現された。A
DXラット(n=6/群)に経口投与された場合、NBI−77860の30mg/kg
単一用量は、最大5時間にわたって血漿ACTHレベルを有意に低下させた(図2を参
照のこと)。効力の持続時間は、薬物血漿曝露を超える時間経過とともに、ピーク血漿濃
度と相関した。副腎摘出ラットにおいて、NBI−77860の統合された血漿曝露(i
ntegrated plasma exposure)と経口投与後のインビボ効力と
の間には、推定可能な関係が存在する。
Fleck et al.はまた、副腎摘出ラットにおける血漿ACTHレベルに対す
る、それらの解離半減期によって区別されるCRFレセプターアンタゴニスト;すなわ
ち、NBI 30775、NBI 34041およびNBI 35965の効果を報告す
る。最高用量(10mg/kg)では、3種全てのリガンドがACTHを急激に低下させ
た(注射後1時間、図3A〜C)。より長い持続時間の後、明らかな差異が、NBI 3
5965と他の2種のリガンドとの間に出てきた。上記ACTHレベルは、NBI 35
965に関しては2時間までにビヒクルレベルへと戻った(図3C)のに対して、その応
答は、NBI 30775およびNBI 34041に関しては、4〜6時間にわたって
持続した(図3Aおよび図3B)。
実施例5:ヒトにおける化合物Iの薬力学的効果
この研究において、ヒト被験体に対するNBI−77860(化合物I)の薬力学的効
果を、プラセボおよび単一用量のアルプラゾラム(0.75mg)に関して、メチラポン
(0.04g/kg)によって生成されるHPA系応答に対する単一経口用量の効果を観
察することによって評価した。メチラポンは、副腎におけるコルチゾール合成をブロック
し(それによって、CAHのコルチゾール欠損を摸倣する)、ACTHレベルの急激な反
射上昇と関連する。
一次分析を、投与後30分〜4時間の間のACTH値(AUC(30分〜4時間))を
決定することによって行った。この分析において、プラセボと比較して、以下の観察がな
された。ACTH AUC(30分〜4時間)の有意な低下を、アルプラゾラムおよびN
BI−77860、400mg処置で観察した。ACTH AUC(30分〜4時間)の
有意でない低下は、NBI−77860、50mg処置で認められた。AUC(30分〜
4時間)の増大は、NBI−77860、10mg処置で認められた。
投与後2時間〜4時間の間のACTH値(AUC(2時間〜4時間))(曝露がCma
値に達した場合の期間)に対して行った分析では、プラセボ処置期間と比較して、NB
I−77860、400mgおよび50mg処置期間においてACTHレベルが有意に低
下した;しかし、上記低下は、10mg用量のNBI−77860では認められなかった

実施例6:臨床研究
この研究において、NBI−77860(化合物I)を、標題「先天性副腎皮質過形成
を有する成人女性におけるNBI−77860の安全性および寛容性を評価するためのフ
ェーズ1、単盲検のプラセボ対照固定順単一用量研究(Phase 1, Single
−Blind, Placebo−Controlled, Fixed−Sequen
ce, Single−Dose Study)」(IND 117,388)という臨
床研究において評価した。上記研究は、成人女性の古典的CAH患者における単盲検のプ
ラセボ対照単一施設固定順単一用量臨床試験であった。これを、NBI−77860の安
全性、寛容性、および血漿曝露、ならびにHPA系ホルモンの内因性レベルに対するこの
化合物の効果を評価するためにデザインした。
古典的な21−ヒドロキシラーゼ欠損CAHと医学的に診断された合計8名の女性被験
体(年齢19〜58歳)に、3つの別個の処置期間の間に、NBI−77860 300
mg、600mg、およびプラセボの単一就寝時用量(hs)を投与した(図4の研究デ
ザイン模式図を参照のこと)。投与後16時間の血液サンプルが集められるまで(すなわ
ち、約1400時間まで)、上記被験体の、同時のステロイド処置の通常の朝の用量を遅
らせた。
この研究に関するPDエンドポイントは、この患者集団における目的のHPA系生体マ
ーカー;すなわち、17−ヒドロキシプロゲステロン(17−OHP;主要なPDエンド
ポイントとして)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、アンドロステンジオン、テスト
ステロン、および血清コルチゾールのレベルを含んだ。PD変数の初期分析は、各生体マ
ーカーに関するグループ分けされた被験体データの調査であった(プラセボ条件と比較し
て、上記2種の活性物質(active)投与条件に関する投与前レベルからの平均%変
化として表される)。投与後24時間の期間全体の平均17−OHPおよびACTHのレ
ベルのデータを、図5に提供する。
17−OHPおよびACTHの両方の投与前レベルからの一貫したかつ臨床的に有意義
な低下を、これらCAH患者において、プラセボと比較して、NBI−77860の投与
後の投与後期間全体で観察した。群平均データに加えて、個々の応答を評価し、処置「応
答者」を、朝のピーク期間の間にプラセボと比較して、活性なNBI−77860の下で
17−OHPおよびACTHにおいて少なくとも50%低下を有するそれら被験体として
控えめに定義した。この応答者分析から、上記研究において50%というかなり大きな応
答者割合が得られた(これら患者のうちのいずれも、最初のプラセボ処置期間の間には応
答者でなかった)。さらに、上記300mg用量は、上記600mg用量とほぼ同一の、
17−OHPおよびACTHに対する効果を生じた。これら生体マーカーに関する個々の
被験体の応答の例を、図6に提供する。
上記の種々の実施形態は、さらなる実施形態を提供するために組み合わされ得る。本明
細書中で言及されるおよび/または出願データシート中に列挙される全ての米国特許、米
国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願および非特許刊行物は、米国仮
特許出願第61,929,941号(2014年1月21日出願);同第61,981,
033号(2014年4月17日出願);および同第62/069,155号(2014
年10月27日出願)を含め、それらの全体において本明細書に参考として援用される。
上記実施形態の局面は、上記種々の特許、出願および公開の概念を使用するために必要で
あれば、なおさらなる実施形態を提供するために改変され得る。
これらおよび他の変更は、上記の詳細な説明に鑑みて上記実施形態に対して行われ得る
。一般に、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は、特許請求の範囲を、本明
細書および特許請求の範囲の中で開示される具体的実施形態に限定すると解釈されるもの
とするのではなく、均等物の全範囲(上記範囲に対して、このような特許請求項の範囲が
権利付与される)とともに、全ての考えられる実施形態を含むと解釈されるものとする。
よって、特許請求の範囲は、上記開示によって限定されない。

Claims (1)

  1. 本明細書に記載の発明。
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