JP2019081710A - 毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物 - Google Patents

毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、毛髪の明度を向上するという効果に優れた毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物を提供することである。【解決手段】上記課題を解決するために、(a)分岐エステル、(b)25℃で液体の油性成分(但し、前記(a)を除く。)、(c)キレート剤を含有する、毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物であって、前記(c)の含有量が組成物全体に対して0.5〜2.0質量%であり、前記(c)の含有量に対する前記(a)および前記(b)の含有量の和の比[(a+b)/c]が0.01〜20であることを特徴とする、毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、毛髪の明度を向上する効果に優れた毛髪脱色剤組成物、毛髪脱染剤組成物又は染毛剤組成物に関する(以下、毛髪脱色剤組成物と毛髪脱染剤組成物をまとめて表記する場合には「毛髪脱色・脱染剤組成物」という。)。
毛髪化粧料組成物として、毛髪の色を脱色するための毛髪脱色剤組成物、染毛した毛髪から染料を脱染するための毛髪脱染剤組成物、毛髪を染色するための染毛剤組成物等が知られている。
毛髪脱色・脱染剤組成物は、例えばアルカリ剤及び酸化剤等を含有する組成物であり、酸化剤の作用により毛髪中のメラニンや染料を脱色・脱染するものである。毛髪の脱色・脱染処理では、毛髪中にメラニンや染料が残りやすく、十分に脱色・脱染されないことがある。そのため、毛髪脱色・脱染剤組成物では、毛髪の明度を更に向上することが求められている。
染毛剤組成物は、さらに酸化染料を含有する組成物であり、毛髪中のメラニンや染料を脱色するとともに、酸化染料により毛髪を染色するものである。例えば染料中間体とカプラーからなる酸化染料を含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤を備えた2剤型の染毛剤組成物が広く利用されており、低分子の酸化染料を毛髪中に浸透させ、髪の中で酸化染料が酸化重合することにより髪の内部に色素を生成させるものである。染毛処理では、毛髪を明度の高い色調(明るい色合い)に染めるという需要があるため、染毛剤組成物においても毛髪の明度の向上が求められている。
毛髪の明度を向上する染毛剤組成物としては、キレート剤を含有する染毛剤組成物が知られており、例えば、特許文献1には、アンモニア又はアンモニウム塩、炭酸塩、遷移金属塩およびキレート剤を特定量組み合わせて用いることにより、アンモニアの刺激臭が少なく、短時間で毛髪を明るい色調にすることができる染毛剤組成物が開示されている。また、特許文献2には、油性成分と界面活性剤とを制御された質量比で配合して好適な水中油型エマルションを構成し、一定量のキレート剤を配合することにより、毛髪に良好な明度を付与することができる酸化染毛剤組成物が開示されている。
特開2002−179539号公報 特開2012−240955号公報
本発明の課題は、毛髪の明度を向上するという効果に優れ、さらに毛髪への塗布操作性が良好な毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物を提供することである。
発明者は、上記課題に対して鋭意検討した結果、毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物において、特定の油性成分およびキレート剤を、特定の割合で含有することにより、毛髪の明度を向上するという効果に優れ、さらに毛髪への塗布操作性が良好な毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物である。
本発明の毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物は、(a)分岐エステル、(b)25℃で液体の油性成分(但し、前記(a)を除く。)、(c)キレート剤を含有する、毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物であって、前記(c)の含有量が組成物全体に対して0.5〜2.0質量%であり、前記(c)の含有量に対する前記(a)および前記(b)の含有量の和の比[(a+b)/c]が0.01〜20であることを特徴とするものである。
この毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物によれば、毛髪に良好な明度を付与し、さらに毛髪への塗布操作性を向上することができる。さらには、本発明の染毛剤組成物によれば、染毛力に優れるという効果も奏する。
さらに本発明の毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物の一実施態様としては、(a)分岐エステルは、分岐高級脂肪酸とアルコールとのエステルを含有し、(b)25℃で液体の油性成分は、炭化水素を含有するという特徴を有する。
この特徴によれば、本発明の効果をより一層発揮することができる。
さらに本発明の染毛剤組成物の一実施態様としては、(d)2,2’−[(4−アミノフェニル)イミノ]ビスエタノール(以下、「4APE」という。)及び/又はその塩を含有するという特徴を有する。
本発明の染毛剤組成物によれば、褪色抑制効果に優れた染毛剤組成物を提供することができる。
さらに本発明の染毛剤組成物の一実施態様としては、(d)4APE及び/又はその塩に対する(c)キレート剤の含有量の比(c/d)が0.01〜500.0であるという特徴を有する。
この特徴によれば、褪色抑制効果に加え、さらに均染性に優れた効果を有する染毛剤組成物を提供することができる。
本発明によれば、毛髪に良好な明度を付与することができ、毛髪への塗布操作性が良好な毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、均染性に優れた染毛剤組成物を提供することもできる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を含めて説明する。
[毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物]
毛髪脱色剤組成物は、毛髪中のメラニンを酸化分解することにより、毛髪を脱色するものであり、通常、酸化剤とアルカリ剤を備えた組成物である。また、毛髪脱染剤組成物は、さらに染毛した毛髪から染料とメラニンを脱色するものであり、通常、酸化剤とアルカリ剤の他に酸化助剤を備えた組成物である。
毛髪脱色・脱染剤組成物は、アルカリ剤を含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤からなる2剤式のものが一般的であるが、3剤以上からなる多剤式でも、1剤式でもよい。
染毛剤組成物は、酸化染料と酸化剤を備えた組成物であり、毛髪の内部又は表面で酸化染料を酸化重合することにより、毛髪に染料を染着させるものである。
代表的な染毛剤組成物としては、酸化染料を含有する第1剤と酸化剤を含有する第2剤からなる2剤式のものであるが、3剤以上からなる多剤式であってもよい。
本発明の毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物を形成する各剤の形態は、どのような形態であってもよく、例えば、固体状、水溶液や乳液等の液状、クリーム状、ジェル状等が挙げられる。また、使用時の形態としては、塗布性を考慮して適宜選択され、例えば、水溶液や乳液等の液状、クリーム状、ジェル状、泡状、ミスト状等が挙げられる。泡状とする場合には、エアゾールフォーマー容器、ノンエアゾールフォーマー容器、振とう容器等を使用すればよい。ミスト状とする場合には、噴霧器を使用すればよい。
2剤式および多剤式の毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物は、使用時に混合して毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物を調製する。混合操作は、毛髪へ適用する前でも毛髪へ適用後でもよい。例えば、毛髪へ適用する直前に混合してもよいし、第1剤と第2剤等をコーム等に取り、毛髪上でコーム等を用いて混合してもよい。
次に、本発明の毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物に使用する各成分について、詳細に説明する。なお、各成分の含有量については、特に断りがない場合には、各剤を混合した毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物中の含有量を示す。
本発明の毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物は、(a)分岐エステル、(b)25℃で液体の油性成分(但し、前記(a)を除く。)、(c)キレート剤を含有する、毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物であって、前記(c)の含有量が組成物全体に対して0.5〜2.0質量%であり、前記(c)の含有量に対する前記(a)および前記(b)の含有量の和の比[(a+b)/c]が0.01〜20であることを特徴とするものである。
<(a)分岐エステル>
エステルは、脂肪酸とアルコールとの脱水反応により得られる化合物であり、本発明の「分岐エステル」とは、分岐高級脂肪酸や分岐高級アルコールを用いて得られるエステルである。なお、分岐エステルは、合成により得られたものだけでなく、天然のロウや油脂から抽出等により得られたものでもよい。
分岐エステルとしては、例えば、脂肪酸と分岐高級アルコールとのエステル、分岐高級脂肪酸とアルコールとのエステル、分岐高級脂肪酸と分岐高級アルコールとのエステル、水酸基をもつ分岐エステル、二塩基酸の分岐エステル、ステロール類のエステル等が挙げられ、上記のうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。毛髪への塗布操作性を向上するという観点から、分岐高級脂肪酸とアルコールとのエステルを含有することが好ましい。
脂肪酸と分岐高級アルコールとのエステルとしては、例えば、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−ヘキシルデシル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸2−オクチルドデシル、リシノール酸2−オクチルドデシル等の直鎖高級脂肪酸と分岐高級アルコールとのエステルのほか、ヒドロキシステアリン酸2-エチルヘキシル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソセチル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソステアリル、酢酸ポリオキシエチレン(3)モノオキシプロピレンイソセチルエーテル等が挙げられる。毛髪への塗布操作性を向上するという観点から、好ましくは直鎖高級脂肪酸と分岐高級アルコールとのエステルであり、特に好ましくはパルミチン酸2−エチルヘキシルである。
分岐高級脂肪酸とアルコールとのエステルとしては、例えば、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル等の分岐高級脂肪酸と低級アルコールとのエステル、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸セトステアリル、2−エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、イソオクタン酸セチル等の分岐高級脂肪酸と直鎖高級アルコールとのエステル、ジ2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジ2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、テトライソステアリン酸ペンタエリスリトール、ジイソステアリン酸プロパンジオール等の分岐高級脂肪酸と多価アルコールとのエステル等が挙げられる。毛髪への塗布操作性を向上するという観点から、好ましくは分岐高級脂肪酸と低級アルコールとのエステルであり、特に好ましくは2−エチルヘキサン酸セチルである。
分岐高級脂肪酸と分岐高級アルコールとのエステルとしては、例えば、ネオペンタン酸2−オクチルドデシル、2−エチルヘキサン酸2−ヘキシルデシル、2−エチルヘキサン酸イソステアリル、イソノナン酸2−エチルヘキシル、ジメチルオクタン酸2−ヘキシルデシル、ジメチルオクタン酸2−オクチルドデシル、イソパルミチン酸2−エチルヘキシル、イソステアリン酸2−ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸2−オクチルドデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル等が挙げられる。
水酸基をもつ分岐エステルとしては、乳酸2−オクチルドデシル、クエン酸トリ2−エチルヘキシル、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリ2−オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒドロキシステアリン酸2-エチルヘキシル等が挙げられる。
二塩基酸の分岐エステルとしては、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジ2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチルオクチル等が挙げられる。
ステロール類のエステルとしては、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、イソステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル等が挙げられる。
毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物における分岐エステルの含有量は、好ましくは0.01〜10.0質量%である。下限値として、より好ましくは0.05質量%以上であり、特に好ましくは0.1質量%以上である。上限値として、より好ましくは7.0質量%以下であり、特に好ましくは5.0質量%以下である。0.01質量%以上とすることにより、明度を向上するという本発明の効果をより発揮する。染毛剤組成物の場合は、染毛力も向上する。また、10.0質量%以下とすることにより、毛髪への塗布操作性を向上することができる。(a)分岐エステルは2剤式染毛剤の場合は、第1剤または第2剤のいずれに配合してもよく、第1剤および第2剤の双方に配合してもよい。また3剤式以上の多剤式の場合は、第1剤および第2剤とは別の剤に配合してもよい。分岐エステルは、製剤安定性の観点から、第1剤に配合することがより好ましい。
分岐エステルの中でも、特に分岐高級脂肪酸とアルコールとのエステルを含有することが好ましく、毛髪への塗布操作性を向上するという観点から、具体的にはトリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリルが好ましく、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸セトステアリルがより好ましい。毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物に対する分岐高級脂肪酸とアルコールとのエステルの含有量は、好ましくは0.01〜10.0質量%である。下限値として、より好ましくは0.05質量%以上であり、更に好ましくは0.1質量%以上であり、特に好ましくは0.2質量%以上である。上限値として、より好ましくは7.0質量%以下であり、更に好ましくは5.0質量%以下であり、特に好ましくは3.0質量%以下である。
<(b)25℃で液体の油性成分>
本発明の「(b)25℃で液体の油性成分」は、25℃で流動性を有する油性成分であって、上述の「(a)分岐エステル」を除くものである。ここで、流動性を有するとは、油性成分(約20mL)を投入したビーカー(100mL容量)を25℃の恒温槽内に約1時間保持し、次いで、25℃の恒温槽内に略45°に傾けて30分間静置した際に、油性成分の気液界面が略水平となる場合を示す。(b)油性成分は、炭化水素、高級アルコール、高級脂肪酸、ロウ類・エステル類、油脂、フッ素油である。
25℃で液体の油性成分は具体的には、例えば、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、α−オレフィンオリゴマー等の炭化水素、カプリルアルコール、2−エチルヘキサノール、イソオクタノール、イソステアリルアルコール、カプリンアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、2−オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール等の高級アルコール、カプロン酸、カプリル酸、オレイン酸、リノール酸、イソステアリン酸等の高級脂肪酸、ラウリン酸メチル、オレイン酸メチル、ラウリン酸ブチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、ジ(カプリル・カプリン酸)プロパンジオール、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル等のエステル、オリーブ油、ローズヒップ油、ツバキ油、月見草油、マカデミアナッツ油、アーモンド油、茶実油、サザンカ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ハトムギ油、ブドウ種子油、アボカド油、ヒマシ油、アマニ油、アプリコット油、ホホバ油等の油脂、パーフルオロポリエーテル等のフッ素油が挙げられ、これらの油性成分から、1種又は2種以上を選んで用いることができる。
毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物における25℃で液体の油性成分の含有量は、好ましくは0.01〜10.0質量%である。下限値として、より好ましくは0.05質量%以上であり、特に好ましくは0.1質量%以上である。上限値として、より好ましくは7.0質量%以下であり、特に好ましくは5.0質量%以下である。0.01質量%以上とすることにより、明度を向上するという本発明の効果をより発揮するだけでなく染毛力も向上する。また、10.0質量%以下とすることにより、毛髪への塗布操作性を向上することができる。(b)成分は2剤式染毛剤の場合は、第1剤または第2剤のいずれに配合してもよく、第1剤および第2剤の双方に配合してもよい。また3剤式以上の多剤式の場合は、第1剤および第2剤とは別の剤に配合してもよい。25℃で液体の油性成分は、製剤安定性の観点から、第1剤に配合することがより好ましい。
25℃で液体の油性成分の中でも、高級アルコールまたは炭化水素を含有することが好ましく、特に炭化水素を含有することが好ましい。毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物に対する炭化水素の含有量は、好ましくは0.01〜10.0質量%である。下限値として、より好ましくは0.05質量%以上であり、更に好ましくは0.1質量%以上であり、特に好ましくは0.2質量%以上である。上限値として、より好ましくは7.0質量%以下であり、更に好ましくは5.0質量%以下であり、特に好ましくは3.0質量%以下である。明度向上の観点から、特に好ましい炭化水素は、α-オレフィンオリゴマー、流動パラフィンである。
<その他の油性成分>
本発明の毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物は、上記成分(a)および成分(b)以外のその他の油性成分を含有してもよい。その他の油性成分としては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等の炭化水素、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、アラキルアルコール等の高級アルコール、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ラノリン脂肪酸等の高級脂肪酸、ミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ステアリル、乳酸セチル、カプリン酸セチル等のエステル、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ラノリン、鯨ロウ、コメヌカロウ、サトウキビロウ、パームロウ、モンタンロウ、綿ロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、カポックロウ、セラックロウ等のロウ類、シア脂、ココアバター、牛脂等の油脂、フィトステロール、フィトスタノール、コレステロール、コレスタノール、ラノステロール、エルゴステロール等のステロール類、バチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、イソステアリルグリセリルエーテル等のアルキルグリセリルエーテル類、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン類、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリセリン等の多価アルコール類が挙げられる。
<(c)キレート剤>
キレート剤は、金属イオンを捕捉する物質であり、例えば、エデト酸、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム四水塩、エデト酸二カリウム二水塩、エデト酸二ナトリウムカルシウム、ジエチレントリアミン五酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム液、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム二水塩、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム液、ヒドロキシエタンジホスホン酸液、ヒドロキシエタンジホスホン酸四ナトリウム液、L−アスパラギン酸−N,N−二酢酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、L−グルタミン酸二酢酸四ナトリウム、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸、1,3−プロパンジアミン四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、アミノトリメチレンホスホン酸等が挙げられる。
本発明の効果をより発揮するためのキレート剤としては、好ましくは、カルボニル基を3つ以上有するキレート剤であり、例えば、エデト酸、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム四水塩、エデト酸二カリウム二水塩、ジエチレントリアミン五酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム液、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム二水塩、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム液、L−アスパラギン酸−N,N−二酢酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、L−グルタミン酸二酢酸四ナトリウム等が挙げられる。エデト酸二ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム液が特に好ましい。
毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物におけるキレート剤の含有量は、0.5〜2.0質量%である。下限値として、好ましくは0.7質量%以上であり、上限値として、好ましくは1.2質量%以下である。キレート剤の含有量が0.5質量%未満の場合には、明度向上効果が小さくなり、2.0質量%を超える場合には、明度向上効果と染毛力がともに低下する。(c)キレート剤は2剤式染毛剤の場合は、第1剤または第2剤のいずれに配合してもよく、第1剤および第2剤の双方に配合してもよい。また3剤式以上の多剤式の場合は、第1剤、第2剤または、第1剤および第2剤とは別の剤のいずれに配合してもよく、複数の剤に配合してもよい。キレート剤は、製剤安定性の観点から、第1剤に配合することがより好ましい。
本発明の毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物において、(c)キレート剤の含有量に対する(a)分岐エステルおよび(b)25℃で液体の油性成分の含有量の和の比[(a+b)/c]は、0.01〜20である。下限値として、好ましくは0.1以上であり、特に好ましくは0.5以上である。上限値として、好ましくは10以下であり、特に好ましくは5以下である。(a+b)/cが0.01未満の場合には、明度向上効果が少なく、20を超える場合には、毛髪への塗布操作性および染毛力が低下する。
また、(c)キレート剤の含有量に対する(b)25℃で液体の油性成分の含有量の比[b/c]は、特に制限されないが、好ましくは0.005〜10である。下限値として、より好ましくは0.05以上であり、特に好ましくは0.1以上である。上限値として、より好ましくは5以下であり、特に好ましくは3以下である。b/cを0.005以上とすることにより、明度を向上するという効果を奏し、10以下とすることにより、染毛力が向上するという効果を奏する。
<酸化染料>
酸化染料は、染毛剤組成物に使用する成分であり、酸化剤により酸化重合して発色する染料である。酸化染料には、染料中間体とカプラーがあり、染料中間体は、自身の酸化により発色する物質であり、カプラーは、染料中間体との組み合わせにより種々の色調となる物質である。
〔染料中間体〕
本発明の染毛剤組成物では、染料中間体として(d)2,2’−[(4−アミノフェニル)イミノ]ビスエタノール(以下、「4APE」という。)及び/又はその塩を含有することが好ましい。4APE及び/又はその塩を含有することにより、褪色を抑制する効果を奏する。
4APEは、以下の化学式(1)に示す化合物である。塩としては、例えば、有機酸の塩あるいは無機酸の塩、すなわち、硫酸塩、塩酸塩、リン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩等が挙げられる。
Figure 2019081710
染毛剤組成物における4APE及び/又はその塩の含有量は、特に制限されないが、好ましくは0.01〜4.0質量%である。下限値として、より好ましくは0.05質量%以上であり、特に好ましくは0.1質量%以上である。上限値として、より好ましくは3.0質量%以下であり、特に好ましくは2.0質量%以下である。
また、(d)4APE及び/又はその塩の含有量に対する(c)キレート剤の含有量の比[c/d]は、特に制限されないが、好ましくは0.0025〜1000である。下限値として、より好ましくは0.01以上であり、特に好ましくは0.2以上である。上限値として、より好ましくは500以下であり、特に好ましくは80以下である。c/dを0.005以上とすることにより、特に均染性を向上するという効果を奏し、1000以下とすることにより、褪色抑制効果がより向上するという効果を奏する。
〔その他の染料中間体〕
染毛剤組成物には、4APE及び/又はその塩以外の染料中間体を含有してもよい。染料中間体は、主としてo−又はp−のフェニレンジアミン類あるいはアミノフェノール類である染料先駆物質であり、通常、それ自体は無色か又は弱く着色した化合物である。
具体的には、p−フェニレンジアミン、p−トルイレンジアミン、N−フェニル−p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、p−メチルアミノフェノール、2−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン、o−クロル−p−フェニレンジアミン、4−アミノ−m−クレゾール、2−アミノ−4−ヒドロキシエチルアミノアニソール、2,4−ジアミノフェノール及びそれらの塩類等が例示される。
染料中間体の種類は、所望する毛髪の色調に応じて1種又は2種以上を選択して使用することができる。染料中間体の総含有量は、特に制限されないが、例えば、染毛剤組成物中に、0.001〜10質量%である。下限値として、より好ましくは0.01質量%以上であり、特に好ましくは0.05質量%以上である。上限値として、より好ましくは5質量%以下であり、特に好ましくは3質量%以下である。
〔カプラー〕
カプラーとしては、主としてm−のジアミン類、アミノフェノール類又はジフェノール類が挙げられ、具体的には、m−アミノフェノール、レゾルシン、カテコール、ピロガロール、フロログルシン、没食子酸、ハイドロキノン、5−アミノ−o−クレゾール、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、トルエン−3,4−ジアミン、α−ナフトール、2,6−ジアミノピリジン、ジフェニルアミン、3,3’−イミノジフェニール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、タンニン酸及びそれらの塩、1−ヒドロキシエチル−4,5−ジアミノピラゾール硫酸塩等が例示される。
カプラーの種類は、所望する毛髪の色調に応じて1種又は2種以上を選択して使用することができる。カプラーの含有量は、特に制限されないが、例えば、染毛剤組成物中に、0.001〜10質量%である。下限値として、より好ましくは0.01質量%以上であり、特に好ましくは0.05質量%以上である。上限値として、より好ましくは5質量%以下であり、特に好ましくは3質量%以下である。
<その他の成分>
本発明の毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物は、上記の油性成分、キレート剤、酸化染料以外にも、必要に応じて以下の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、例えば、酸化剤、アルカリ剤、直接染料、界面活性剤、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール、アスコルビン酸、無水亜硫酸ナトリウム等の酸化防止剤、フェノキシエタノール、安息香酸ナトリウム等の防腐剤、エタノール等の有機溶剤、ソルビトール、マルトース等の糖類、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー等の水溶性高分子、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム液、塩化ジアリルジメチルアンモニウム・ヒドロキシエチルセルロース等のカチオン化水溶性高分子、塩化ナトリウム等の無機塩、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、ピロリン酸、グルクロン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム等のpH調整剤、育毛成分、植物抽出物、生薬抽出物、アミノ酸・ペプチド、尿素、ビタミン類、香料、及び紫外線吸収剤が挙げられる。
<酸化剤>
酸化剤は、酸化力を有する物質であり、酸化染料を酸化して発色させる作用や、毛髪の内部のメラニンや染料を分解する作用を有するものである。具体的には、例えば、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物、過酢酸及びその塩、過ギ酸及びその塩、過マンガン酸塩、臭素酸塩等が例示される。これらの中でも、過酸化水素が好ましい。これらの酸化剤の具体例のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。また、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩等を酸化助剤として含有してもよい。
毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物における酸化剤の含有量は、特に限定されないが、例えば0.1〜15質量%である。下限値として、より好ましくは1質量%以上であり、上限値として、より好ましくは10質量%以下である。酸化剤として過酸化水素を含有する場合、その安定性を向上させる安定化剤として、スズ酸ナトリウム、エチレングリコールフェニルエーテル(フェノキシエタノール)、ヒドロキシエタンジホスホン酸、リン酸、クエン酸、又はその塩等を配合することが好ましい。
<アルカリ剤>
アルカリ剤は、毛髪を膨潤させて、染料や酸化剤の浸透を促進する作用を有するものである。アルカリ剤としては、例えば、アンモニア、アルカノールアミン、ケイ酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、メタケイ酸塩、リン酸塩、硫酸塩、塩化物、有機アミン、塩基性アミノ酸、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物等が例示される。具体的には、アルカノールアミンとしてはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、アミノメチルプロパノール、イソプロピルアミン等が例示され、ケイ酸塩としてはケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等が例示され、炭酸塩としては炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸マグネシウム、炭酸グアニジン等が例示され、炭酸水素塩としては炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が例示され、メタケイ酸塩としてはメタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム等が例示され、リン酸塩としてはリン酸第1アンモニウム、リン酸第2アンモニウム、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム等が例示され、硫酸塩としては硫酸アンモニウムなどが例示され、塩化物としては塩化アンモニウムが例示され、有機アミンとしては2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、グアニジンが例示され、塩基性アミノ酸としてはアルギニン、リジン及びそれらの塩等が例示され、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物としては水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が例示される。これらの中でも、アンモニア及びアルカノールアミンを含有することが好ましい。
毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物におけるアルカリ剤の含有量は、特に制限されないが、好ましくは0.01〜20質量%である。下限値として、より好ましくは0.1以上であり、上限値として、より好ましくは15質量%以下である。
本発明の毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物は、特にアンモニアを含有することが好ましい。アンモニアを含有することにより、明度が向上するという本発明の効果をより一層発揮することができる。更には、染毛剤組成物において、均染性を向上するという効果や、毛髪の発色を向上するという効果を奏する。上記アンモニアによる効果と染毛時の不快臭抑制を両立したい場合には、アンモニアと他のアルカリ剤を併用してもよいが、アンモニアの含有量が大きいほど、上記アンモニアによる効果をより発揮することができる。そのため、アルカリ剤として、アンモニアのみを使用することが特に好ましい。
<直接染料>
直接染料は、色を有する化合物であり、毛髪に付着又は浸透して染毛する染料である。例えば、酸性染料、塩基性染料、天然染料、ニトロ染料、HC染料、分散染料等がある。これら直接染料は単独で配合しても良く、組み合わせて配合しても良い。
上記酸性染料としては、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号の(1)、赤色105号の(1)、赤色106号、赤色227号、赤色230号の(1)、黄色4号、黄色5号、黄色202号の(1)、黄色202号の(2)、黄色203号、だいだい色205号、だいだい色207号、だいだい色402号、緑色3号、緑色204号、緑色401号、紫色401号、青色1号、青色2号、青色202号、かっ色201号、黒色401号等を例示できる。
上記塩基性染料としては、Basic Blue 3、Basic Blue 6、Basic Blue 7、Basic Blue 9、Basic Blue 26、Basic Blue 41、Basic Blue 47、Basic Blue 99、Basic Brown 4、Basic Brown 16、Basic Brown 17、Basic Green 1、Basic Green 4、Basic Orange 1、Basic Orange 2、Basic Orange 31、Basic Red 1、Basic Red 2、Basic Red 22、Basic Red 46、Basic Red 51、Basic Red 76、Basic Red 118、Basic Violet 1、Basic Violet 3、Basic Violet 4、Basic Violet 10、Basic Violet11:1、Basic Violet 14、Basic Violet 16、Basic Yellow 11、Basic Yellow 28、Basic Yellow 57、Basic Yellow 87等を例示できる。
上記天然染料としては、クチナシ色素、ウコン色素、アナトー色素、銅クロロフィリンナトリウム、パプリカ色素、ラック色素、ヘナ等を例示できる。
上記ニトロ染料としては、4−ニトロ−o−フェニレンジアミン、2−ニトロ−p−フェニレンジアミン、2−アミノ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール、ピクラミン酸、ピクリン酸、及びそれらの塩等を例示できる。
上記HC染料としては、HC Blue No.2、HC Blue No.5、HC Blue No.6、HC Blue No.9、HC Blue No.10、HC Blue No.11、HC Blue No.12、HC Blue No.13、HC Orange No.1、HC Orange No.2、HC Orange No.3、HC Red No.1、HC Red No.3、HC Red No.7、HC Red No.10、HC Red No.11、HC Red No.13、HC Red No.14、HC Violet No.1、HC Violet No.2、HC Yellow No.2、HC Yellow No.4、HC Yellow No.5、HC Yellow No.6、HC Yellow No.9、HC Yellow No.10、HC Yellow No.11、HC Yellow No.12、HC Yellow No.13、HC Yellow No.14、HC Yellow No.15等を例示できる。
上記分散染料としては、Disperse Black 9、Disperse Blue 1、Disperse Blue 3、Disperse Blue 7、Disperse Brown 4、Disperse Orange 3、Disperse Red 11、Disperse Red 15、Disperse Red 17、Disperse Violet 1、Disperse Violet 4、Disperse Violet 15等を例示できる。
毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物における直接染料の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.001〜10質量%である。下限値として、より好ましくは0.01質量%以上であり、上限値として、より好ましくは3質量%以下である。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
なお、以下の記載において、POEはポリオキシエチレン鎖、POPはポリオキシプロピレン鎖を示し、これに続くカッコ内の数字は、その付加モル数を示している。また、アルキルに続くカッコ内の数字は、脂肪酸鎖の炭素数を示している。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、POEアルキルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル類、POE・POPアルキルエーテル類、POEソルビタン脂肪酸エステル類、POEモノ脂肪酸エステル類、POEグリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、モノグリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類、アルキルポリグルコシド類等が挙げられる。POEアルキルエーテル類の具体例としては、POEラウリルエーテル、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POEラノリン、POEフィトステロール等が挙げられる。
毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物におけるノニオン性界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.001〜40質量%である。下限値として、より好ましくは0.01質量%以上であり、特に好ましくは0.05質量%以上である。上限値として、より好ましくは30質量%以下であり、特に好ましくは20質量%以下である。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、モノアルキル型4級アンモニウム塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩、トリアルキル型4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム型4級アンモニウム塩、モノアルキルエーテル型4級アンモニウム塩等のアルキル4級アンモニウム塩類、アルキルアミン塩、脂肪酸アミドアミン塩、エステル含有3級アミン塩、アーコベル型3級アミン塩等のアミン塩類、アルキルピリジニウム塩、アルキルイソキノリウム塩等の環式4級アンモニウム塩類、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
好ましくは、アルキル4級アンモニウム塩類であり、更に好ましくは、モノアルキル型4級アンモニウム塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩であり、特に好ましくは、モノアルキル型4級アンモニウム塩である。
モノアルキル型4級アンモニウム塩としては、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキル(16,18)トリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化アルキル(28)トリメチルアンモニウム、塩化ジPOE(2)オレイルメチルアンモニウム、塩化ジPOEステアリルメチルアンモニウム、塩化POE(1)POP(25)ジエチルメチルアンモニウム、塩化POPメチルジエチルアンモニウム、塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。特に好ましくは、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキル(16,18)トリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウムである。
ジアルキル型4級アンモニウム塩としては、例えば、塩化ジアルキル(12〜15)ジメチルアンモニウム、塩化ジアルキル(12〜18)ジメチルアンモニウム、塩化ジアルキル(14〜18)ジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化イソステアリルラウリルジメチルアンモニウム等が挙げられる。
毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物におけるカチオン性界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.001〜10質量%である。下限値として、より好ましくは0.01質量%以上であり、特に好ましくは0.05質量%以上である。上限値として、より好ましくは5質量%以下であり、特に好ましくは3質量%以下である。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルエーテル硫酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニル エーテルカルボン酸塩、α−スルホン脂肪酸塩、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、スルホコハク酸エステル、N−アルキロイルメチルタウリン塩及びそれらの誘導体等が例示される。これらの界面活性剤のアニオン基の対イオンは、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、及びトリエタノールアミンのいずれであってもよい。
より具体的には、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、セチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム、POEラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、POEラウリルエーテル硫酸アンモニウム、POEステアリルエーテル硫酸ナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、POEラウリルエーテルリン酸及びその塩、N−ラウロイルグルタミン酸塩類(ラウロイルグルタミン酸ナトリウム等)、N−ラウロイルメチル−β−アラニン塩、N−アシルグリシン塩、N−アシルグルタミン酸塩、N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム、高級脂肪酸であるラウリン酸、ミリスチン酸及びこれらの高級脂肪酸の塩が例示され、1又は2種以上を使用することができる。
毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物におけるアニオン性界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.001〜10質量%として、より好ましくは0.01質量%以上であり、特に好ましくは0.05質量%以上である。上限値として、より好ましくは5質量%以下であり、特に好ましくは3質量%以下である。
両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤が挙げられる。
アミノ酸型両性界面活性剤の具体例としては、例えば、N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム(ラウロアンホ酢酸Na)、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ウンデシルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N’−カルボキシエチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N’−カルボキシエトキシエチル−N’−カルボキシエチルエチレンジアミン二ナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N’−カルボキシメトキシエチル−N’−カルボキシメチルエチレンジアミン二ナトリウム、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、パーム油脂肪酸アシル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウムなどのグリシン型両性界面活性剤;ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸トリエタノールアミンなどのアミノプロピオン酸型両性界面活性剤;などが挙げられる。
ベタイン型両性界面活性剤の具体例としては、例えば、ヤシ油アルキルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルベタインナトリウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、パーム油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、リシノレイン酸アミドプロピルベタイン、ステアリルジヒドロキシエチルベタインなどのアミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤;ラウリルヒドロキシスルホベタインなどのスルホベタイン型両性界面活性剤などが挙げられる。
毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物における両性界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.001〜10質量%である。下限値として、より好ましくは0.01質量%以上であり、特に好ましくは0.05質量%以上である。上限値として、より好ましくは5質量%以下であり、特に好ましくは3質量%以下である。
毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物における全ての界面活性剤の総含有量としては、特に限定されないが、好ましくは0.01〜50質量%である。下限値として、より好ましくは0.05質量%以上であり、特に好ましくは0.1質量%以上である。上限値として、より好ましくは40質量%以下であり、特に好ましくは30質量%以下である。
[毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物の使用方法]
本発明の毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物の使用方法としては、前記毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物を毛髪に適用することを特徴とする。この毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物の使用方法によれば、毛髪の明度を向上し、明るい色調の毛髪を調製することができる。また、染毛剤組成物の使用方法においては、毛髪の明度を向上し、かつ、染毛力に優れた染毛処理方法を提供することができる。
本発明の毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物は、健常毛や、染毛処理、ブリーチ処理、脱染処理、パーマ処理等の毛髪処理剤による毛髪処理履歴のある損傷毛や、健常毛と損傷毛を有する毛髪等、いずれの状態の毛髪においても適用することができ、明度を向上する効果を奏する。また、均染性に優れるという観点で見れば、本発明の染毛剤組成物は、健常毛と損傷毛を有する毛髪により好適に使用することができる。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、これらの実施例により本発明の技術範囲が限定されるものではない。
[毛束の準備]
毛束サンプル(同一人毛、毛径;75〜95マイクロメートル)を用いて、「プロマスターEX LT」(ホーユー株式会社製、ブリーチ剤)で30℃、30分処理した後、水洗し、シャンプーを行いドライヤーにて乾かした(ブリーチ処理)。次いで、パーマ剤〔ホーユー(株)製の「ルテアTG」〕で常法によりパーマ処理した後、水洗し、シャンプーを行いドライヤーにて乾かした(パーマ処理)。
このように、上記ブリーチ処理を行い、続いて上記パーマ処理の連続工程を1回処理した毛束(損傷毛束)と、水洗、シャンプー、ドライヤー処理のみを1回施した毛束(健常毛束)を作成した。
[毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物の調製]
以下の表1に示す組成の第1剤および第2剤からなる2剤式の毛髪脱色剤組成物、以下の表2、3に示す組成の第1剤および第2剤からなる2剤式の染毛剤組成物を調製した。なお、第1剤と第2剤の混合比は、1:1で混合した。
次に、毛髪脱色剤組成物又は染毛剤組成物について、「明度向上効果」および「塗布操作性」を評価した。さらには、染毛剤組成物について、「褪色抑制効果」、「均染性」、「染毛力」を評価した。これらの評価方法を以下に示す。評価結果については、各表の下段に示した。
[評価方法]
脱色剤組成物の評価では、各例の脱色剤組成物を用いて、健常毛束を脱色処理した。染毛剤組成物の評価では、各例の染毛剤組成物を用いて損傷毛束および健常毛束を染毛処理した。脱色または染毛処理方法は、以下のとおりである。
(脱色または染毛処理方法)
各例の脱色剤組成物または染毛剤組成物3gを毛束1gに対して刷毛を用いて塗布し、25℃で20分間放置した。その後、毛束をすすいで脱色剤または染毛剤組成物を洗い流し、更にシャンプー(ホーユー(株)製 プロマスターカラーケア スタイリッシュシャンプー)で2回洗浄し、染毛剤組成物を洗い落した。次に、毛束にトリートメント(ホーユー(株)製 プロマスターカラーケア スタイリッシュヘアトリートメント)を塗布した。毛束をすすいでトリートメントを洗い流した後、毛束の水分をタオルで拭き取り、最後にドライヤーで乾燥した。
<明度向上効果>
10名のパネラーが脱色剤組成物または染毛剤組成物で処理した後の毛束の明度を標準光源下で目視にて観察した。明度の評価方法は、脱色剤組成物または染毛剤組成物で処理した各毛束の中から基準となる毛束を設定して、他の毛束と比較することにより評価した。表1の脱色剤組成物では、実施例1を基準毛束A、比較例1を基準毛束Bとした。表2の染毛剤組成物では、実施例6を基準毛束A、比較例10を基準毛束Bとし、表3〜5の染毛剤組成物では、実施例12を基準毛束A、比較例11を基準毛束Bとした。そして、基準毛束Aを5点、基準毛束Bを1点とし、各実施例または比較例の明度向上効果が基準毛束Aと同等(5点)、基準毛束Aよりやや劣るが良好(4点)、基準毛束Bよりはかなり効果が認められるが、十分とはいえない(3点)、基準毛束Bよりやや良好(2点)及び基準毛束Bと同等(1点)の5段階で採点した。各パネラーの採点結果について平均値を算出し、平均値が4.6点以上を「優れる:5」、3.6点以上4.6点未満を「良好:4」、2.6点以上3.6点未満を「可:3」、1.6点以上2.6点未満を「やや不良:2」及び1点以上1.6点未満を「不良:1」とし、評価結果とした。結果を表1〜5の「評価」欄における「明度向上効果」の項に示す。
<褪色抑制効果>
染毛剤組成物で処理した後の健常毛束をシャンプーで10回洗浄する洗浄処理を行った後、分光測色計(ミノルタ株式会社製、CM−508D型)でL*a*b*値を測定して、下記式により洗浄処理前後の色差ΔEを算出し、下記基準により褪色抑制効果を評価した。
ΔE={(ΔL)+(Δa)+(Δb)1/2
(評価基準)
5:ΔEが4未満で、褪色抑制効果が非常に優れている。
4:ΔEが4以上6未満で、褪色抑制効果が優れている。
3:ΔEが6以上8未満で、褪色抑制効果が普通である。
2:ΔEが8以上10未満で、褪色抑制効果がやや劣る。
1:ΔEが10以上で、褪色抑制効果が劣る。
上記評価結果を表3、4の「評価」欄における「褪色抑制効果」の項に示す。
<均染性>
上記のとおり染毛処理した損傷毛束および健常毛束について、分光測色計を用いて明度の測定を行った。
そして、損傷毛束(ブリーチ処理後、パーマ処理の連続工程を1回処理したサンプル)の明度(L1値)と、健常毛束(ブリーチおよびパーマ処理を施さなかったサンプル)の明度(L2値)との差(L1−L2)が、0.6未満のものを評価「5」、0.6以上1.0未満のものを評価「4」、1.0以上1.4未満のものを評価「3」、1.4以上1.8未満のものを評価「2」、1.8以上のものを評価「1」とした。尚、この測定においては、明度の差(L1−L2)が小さいほど、均染性に優れている。
上記評価結果を表3、4の「評価」の欄における「均染性」の項に示す。
<染毛力>
上記のとおり染毛処理した健常毛束について、染毛力を10名のパネラーが目視により評価した。実施例6を5点、比較例9を1点とし、各実施例または比較例の染毛力が実施例6と同等(5点)、実施例6よりやや劣るが良好(4点)、比較例9よりはかなり良好だが、十分とはいえない(3点)、比較例9よりやや良好(2点)及び比較例9と同等(1点)の5段階で採点した。各パネラーの採点結果について平均値を算出し、平均値が4.6点以上を「優れる:5」、3.6点以上4.6点未満を「良好:4」、2.6点以上3.6点未満を「可:3」、1.6点以上2.6点未満を「やや不良:2」及び1点以上1.6点未満を「不良:1」とし、評価結果とした。
上記評価結果を表2の「評価」の欄における「染毛力」の項に示す。
<塗布操作性>
各例の脱色剤組成物または染毛剤組成物60gを、何も処理していない評価用ウィッグに25℃条件下にて染毛用刷毛を用いて塗布し、10名のパネラーが操作性を評価した。評価基準は、適量をハケにとった際に、ハケからのタレ落ちがなく、かつ、髪への塗布の際に毛髪上で伸ばし易く、髪へのなじみも良い(4点)、適量をハケにとった際に、ハケからの殆どタレ落ちがなく、かつ、髪への塗布の際に毛髪上で伸ばし易く、髪へのなじみも良い(3点)、適量をハケにとった際に、ややハケからのタレ落ちがある、もしくは、やや髪への塗布の際に毛髪上で伸ばしにくい、又は、やや髪へのなじみが悪い(2点)、適量をハケにとった際に、ハケからのタレ落ちがある、もしくは、髪への塗布の際に毛髪上で伸ばしにくい、又は、髪へのなじみが悪い(1点)の4段階で採点した。各パネラーの採点結果について平均値を算出した。
5:平均点が3.5以上
4:平均点が3.0以上〜3.5未満
3:平均点が2.5以上〜3.0未満
2:平均点が2.0以上〜2.5未満
1:平均点が2.0未満
Figure 2019081710
表1中、実施例1および比較例1〜5を対比すると、(a)分岐エステル、(b)25℃で液状の油性成分および(c)キレート剤を含有することにより毛髪の明度を向上するという効果が認められた。
また、実施例2〜5に示すように、種々の(a)成分、種々の(b)成分についても実施例1と同様に、毛髪の明度を向上する効果が認められた。
Figure 2019081710
表2の実施例6〜10、比較例6〜9は、酸化染料を含有する染毛剤組成物において評価した。実施例6〜8および比較例6、7を対比すると、(c)キレート剤の含有量が0.5〜2.0質量%の範囲において、明度向上効果、染毛力に優れた効果が認められた。一方、(c)キレート剤の含有量が0.5質量%未満では、明度向上効果が大幅に低下し、2.0質量%超では、明度向上効果だけでなく、染毛力も大幅に低下した。
また、比較例8、9を見ると、(c)キレート剤の含有量を0.5〜2.0に調整したにもかかわらず、(a)分岐エステルおよび(b)25℃で液状の油性成分の含有量の和が少ない場合(比較例8)には、明度向上効果が大幅に低下し、多い場合(比較例9)には、染毛力および塗布操作性が大幅に低下した。すなわち、本発明の明度向上効果、塗布操作性、染毛力をバランスよく発揮するには、(c)キレート剤の含有量を調整するだけでなく、(a)分岐エステルおよび(b)25℃で液状の油性成分の含有量の和とのバランスも調整する必要があり、(a+b)/cが0.01〜20の範囲で優れた効果を奏するといえる。
さらに、実施例6〜8を見ると、(c)キレート剤の含有量に対する(b)25℃で液状の油性成分の含有量の比[b/c]が0.005〜10の範囲において、明度向上効果および染毛力に優れた効果が認められた。一方、b/cが0.005未満の実施例9では、明度向上効果がやや低下し、b/cが10を超える実施例10では、染毛力がやや低下する結果となった。
Figure 2019081710
表3の実施例11〜15を見ると、(d)4APEの塩の含有量に対する(c)キレート剤の含有量の比[c/d]が0.2〜80の範囲において、明度向上効果、褪色抑制効果、均染性に特に優れた効果が認められた。一方、c/dが0.2未満の実施例13では、均染性がやや低下し、c/dが80を超える実施例14では、褪色抑制効果がやや低下する結果となった。
Figure 2019081710
表4の実施例16〜20において、(d)4APEの塩を配合する染毛剤組成物に関して本発明の効果を確認したところ、種々の(a)成分、種々の(b)成分についても明度向上、塗布操作性向上効果が認められた。また褪色抑制効果および均染性についても、優れた効果が認められた。
Figure 2019081710
表5を見ると、(a)成分、(b)成分及び(c)成分は、第2剤中に含有する場合でも、第1剤中に含有する場合と同様に、明度向上効果及び塗布操作性に優れることがわかる。
本発明の毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物は、ヒトの頭髪、髭、眉毛、すね毛等の体毛を染色するための毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物として利用することができる。その他、ペット等の動物の体毛を脱色、脱染、染色するために利用してもよい。
本発明の毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物は、美容室用又は理容室用の毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物、セルフカラーリング用の毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物に利用することができる。
また、本発明の毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物は、健常毛や、染毛処理、ブリーチ処理、脱染処理、パーマ処理等の毛髪処理履歴の有する損傷毛や、健常毛と損傷毛を有する毛髪等に好適に利用することができる。
また、本発明の毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物の使用方法は、美容室や理容室等における毛髪のブリーチ処理、脱染処理、染毛処理、セルフカラーリングにおける毛髪のブリーチ処理、脱染処理、染毛処理に利用することができる。
また、本発明の毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物の使用方法は、健常毛や、損傷毛や、健常毛と損傷毛を有する毛髪等に対する処理に好適に利用することができる。


Claims (4)

  1. (a)分岐エステル、(b)25℃で液体の油性成分(但し、前記(a)を除く。)、(c)キレート剤を含有する、毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物であって、前記(c)の含有量が組成物全体に対して0.5〜2.0質量%であり、前記(c)の含有量に対する前記(a)および前記(b)の含有量の和の比[(a+b)/c]が0.01〜20であることを特徴とする、毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物。
  2. 前記(a)は、分岐高級脂肪酸とアルコールとのエステルを含有し、前記(b)は、炭化水素を含有することを特徴とする、請求項1に記載の毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物。
  3. さらに(d)2,2’−[(4−アミノフェニル)イミノ]ビスエタノール及び/又はその塩を含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の染毛剤組成物。
  4. 前記(d)に対する前記(c)の含有量の比(c/d)が0.01〜500.0であることを特徴とする、請求項3に記載の染毛剤組成物。


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