JP2019078311A - 管継手構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】Cu系合金製フレア継手本体をそのまま残して、アルミニウムの袋ナットとアルミニウムのパイプを接続できる管継手構造を提供する。【解決手段】フレア継手本体(20)と袋ナット(15)との境界に、フレア継手本体(20)の雄ネジ部(20A)の基端近傍(21)を外周側から被覆する円環状の絶縁パッキン(2)を、具備する。【選択図】図2

Description

本発明は、管継手構造に関する。
管継手の一種として、フレア継手が広く知られている。このフレア継手は、図17に示すように、パイプP´の端部にフレア加工部fを特別な治具で塑性加工して形成し、このフレア加工部fを、フレア継手本体hのテーパ部aに当てて、袋ナットnにて締付けて、袋ナットnのテーパ面tとフレア継手本体hのテーパ部aにて挾圧し、金属面の相互圧接にて密封性を確保する構成である(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−42858号公報
しかしながら、家庭用(住宅用)エアコンの冷媒配管にあっては、引越しのたびに、室外機・室内機を取外し、その際にフレア継手本体hから袋ナットnを脱着せねばならないので、硬度が低くネジ山が潰れ易いアルミニウム(Al)に置換することができず、しかも、JIS規格に於ては、上述のような優れた特性を根拠としてフレア継手本体hの材質を真鍮(黄銅)が規定されている(JIS B 8607)。
また、既設の配管の修理・交換の際に於て、機器側の真鍮(黄銅)―――以下Cu系合金という―――から成るフレア継手本体hに対して、軽量かつ安価であるAl製袋ナット及びAl製パイプを、使用したいという要望が家庭用(住宅用)エアコンの冷媒配管の業界内にあっては、かなり古くから、聞かれるにもかかわらず、ほとんど実用化が進んでいない。
実用化が難しい原因は、異種金属による接触腐食(電蝕)が発生するためである。
図17に示すように、外部から水がフレア加工部fの挾圧部位に浸入して、異種金属による接触腐食(電蝕)が発生し、さらに、袋ナットnとフレア継手本体hのネジ螺合部k―――特に、ネジ螺合部kの基端開口端部m―――に、接触腐食(電蝕)が発生し易いという問題がある。
そこで、本発明は、このような問題を解決して、Al製袋ナット及びAl製パイプを用いても、異種金属の接触による腐食(電蝕)を生ずることがなくなり、冷媒配管等に特に好適な管継手構造を、提供することを目的とする。
そこで、本発明に係る管継手構造は、雄ネジ部と先端縮径テーパ部を有するフレア継手本体と、上記雄ネジ部に螺着される雌ネジ部を有する袋ナットとを、備え;上記袋ナットの基端部には、上記フレア継手本体の上記雄ネジ部の基端近傍に設けられた段付面部に対して弾発的に圧接して上記雄ネジ部の基端近傍を外周側から被覆する円環状の絶縁パッキンが、付設されている。
また、上記袋ナットの基端面には円形凹溝が設けられ;かつ、上記絶縁パッキンは;上記凹溝に嵌着される円環状嵌込凸部と;上記段付面部に弾発的に圧接可能な円環状リップ部と;ラジアル外方へ延伸する円環状外フランジ部とを、有し;絶縁性を有するゴム又はプラスチックをもって、一体形成されている。
本発明によれば、従来から至難と考えられていたパイプと袋ナットの材質に(比較的安価であって)軽量のAlを用いることが可能となる。
本発明の実施の一形態を示す接続作業途中の状態の断面図である。 接続完了状態を示す断面図である。 絶縁パッキンの拡大断面図である。 他の実施形態を示す接続完了状態の断面図である。 図4に用いられている絶縁パッキンの拡大断面図である。 別の実施形態を示す接続作業途中の状態の断面図である。 接続完了状態を示す断面図である。 本発明のさらに他の実施形態を示す断面図である。 図8を異なる切断面をもって切断した断面図である。 接続作業を順に示す斜視説明図である。 その後に続く接続作業を順に示す斜視説明図である。 要部を説明する分解斜視図である。 袋ナット付設リングを示し、(A)は背面図、(B)は側面図、(C)は正面図である。 回転阻止部材を示し、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は底面図、(D)は左側面図である。 先端拡径管部の形成作業工具の要部と拡径方法を説明する断面図である。 古くから現在まで実施されているロウ付け作業の説明と、ロウ付けされたパイプ接続部を説明するための断面図である。 従来例を示す断面図である。
以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
図1と図2に示す実施形態に於て、被接続用パイプPは、先端面3から所定軸心寸法L5 に渡って先端拡径管部5が形成されている。
この先端拡径管部5と、パイプ本来の基本径D0 を有する基本径管部6との境界には、テーパ状段付部10が形成されている。
20は、フレア継手本体であって、雄ネジ部20Aと先端縮径テーパ部20Bを有し、JIS B 8607に規定されたフレア管継手が該当する。
15は袋ナットであって、フレア継手本体20の上記雄ネジ部20Aに螺着される雌ネジ部15Aを有する。
袋ナット15の孔部16には、基端から先端に渡って、大径の雌ネジ部15A,第1勾配部15B,中径部15C,シール凹溝15D,第2勾配部15E,先端小径部15Fが、順次形成されている。
袋ナット15の孔部16内の第2勾配部15Eに、パイプPのテーパ状段付部10が(図2に示すように)当接する。また、袋ナット15の孔部16内の第1勾配部15Bに、フレア継手本体20の先端縮径テーパ部20Bが(図2に示した接続完了状態で)当接する。また、シール凹溝15Dに内装されたOリング等のシール材7が、パイプPの先端拡径管部5の外周面に当接する。
図1,図2に於て、袋ナット15の基端と、継手本体20との間を、図2に示した接続完了状態下で、包囲(被覆)して、水の外部からの浸入を阻止し、電蝕を防止する絶縁パッキン2が設けられる。
具体的には、袋ナット15の基端部15Gには、接続完了状態下で、フレア継手本体20の雄ネジ部20Aの基端近傍21に設けられた段付面部20Dに対して、弾発的に圧接して、雄ネジ部20Aの基端近傍21を外周側から被覆するように、絶縁パッキン2が設けられている。
円環状の絶縁パッキン2は、絶縁性を有するゴム材又はプラスチックから成り、例えば、耐寿命性、耐候性に優れるEPDMやNBR等のゴムが望ましい。かつ、撥水性のある材質が好ましい。
ところで、袋ナット15の基端面15Hには円形凹溝8が形成され、絶縁パッキン2は、この凹溝8に密に嵌着される円環状嵌込凸部11を有する。
このパッキン2について、さらに具体的に説明すれば、図3(と図1,図2)に例示の横断面に於て、2点鎖線と実線をもって囲んだような矩形状パッキン本体部12と、この本体部12の基端(右側)面から突設された矩形状の前記嵌込凸部11と、上記段付面部20Dに弾発的に圧接可能な円環状リップ部13と、ラジアル外方R2 へ延伸する円環状外フランジ部14とを、一体に有する。
リップ部13は、本体部12の先端(左側)面の下部から突設され、リップ部13の先端はやや小さく形成して段付面部20Dに対して弾性的に圧縮しやすく、密封性が高い。
外フランジ部14は、本体部12の外周面の先端寄りから、ラジアル外方R2 へ大きく突出状であり、しかも、剣先型として、肉薄に形成される。
次に、図4に於て、接続完了状態の他の実施形態を示す。この図4に於て、パイプPの先端拡径管部5の内周面に対応して、インサート4を内装している。
このインサート4は、基本径D0 のパイプ素材を輪切りすれば簡単に作製でき、しかも、パイプPの先端拡径管部5を補強し、後述の耐引抜力を増強することができ、さらに、流体通過抵抗を減少させる機能を備える。
図4,図5を、既説の図2,図3と比較すれば判るように、図4,図5の実施形態では、絶縁パッキン2が相違する。
即ち、図5と図4に示すように、2点鎖線と実線をもって囲んだような矩形状パッキン本体部12の基端(右側)面と先端(左側)面から、一体に、嵌込凸部11,リップ部13が各々突設されている点は、図3,図2の実施形態と同様である。
しかしながら、ラジアル外方R2 へ延伸する外フランジ部14は、その肉厚寸法(アキシャル方向寸法)が大きく設定されており、本体部12の上辺と同一である。そして、外フランジ部14の断面形状は、競技トラック状の長円形を短軸にて切断した半長円形である。つまり、先端部は、円弧状に形成される。
図4に於て、その他の構成は図1,図2と同一符号は同様の構成である。
次に、図6,図7は別の実施形態を示し、各々、既述の図1,図2の実施形態に対応する未接続状態;接続完了状態を示す断面図である。
特に、絶縁パッキン2の形状と弾性変形のしかた等が相違している。
つまり、袋ナット15の基端面15Hに凹設された円形凹溝8に、パッキン2の固定端の短円筒部2Aが差込状に固着され、継手本体20の方向へ弾性変形可能として、延伸している。この延伸部2Bは、図6に示す断面が丘陵形状から、図7の急峻山型に折畳まれるように弾性変形する。つまり、継手本体20の段付面部20Dに延伸部2Bの先端が弾発的に当接する。
それ以外の図6,図7における構成については、図1,図2と同一符号は同様の構成を示すので、重複説明を省略する。
次に、図8〜図14に於て、本発明のさらに別の実施形態について説明する。
継手本体20は、図1〜図7で既に説明したものと同じであるが、袋ナット15が以下のように、相違する。
即ち、図8,図9に示すように、継手本体20の雄ネジ部20Aに螺着される雌ネジ部15Aを有する袋ナット基部17と、この袋ナット基部17に対して連結保持手段Zによって連結自在な袋ナット付設リング18とに、袋ナット15が分割組立(連結)自在構造となっている。
被接続用パイプPの先端領域の構成と形状は、図1〜図7の場合と同様である。つまり、先端拡径管部5とテーパ状段付部10等が形成されている。
そして、連結保持手段Zによって連結された袋ナット基部17と付設リング18によって形成された軸心L15方向に貫通する孔部16には、基端から先端に渡って、雌ネジ部15A,第1勾配部15B,小径部15Y,中径部15C,シール凹溝15D,第2勾配部15E,先端小径部15Fが、順次形成されている。
特に、第2勾配部15Eは、付設リング18に形成される。さらに、孔部16の軸心L15方向の中間位置に於て、内鍔部9が形成され、第1勾配部15Bのラジアル方向寸法が、図1〜図7に比べて十分大きく設定されている。なお、図8,図9では、内鍔部9によって大きく設定可能となった第1勾配部15Bを、アール曲面状(断面弧状)に形成している。前記小径部15Yとは、この内鍔部9の内周端面が該当する。図1〜図7に比べて、このような内鍔部9を形成できるのは、パイプPの挿入方向を、図1〜図7と図8,図9とでは、逆になっているからである。
即ち、図1〜図7では、パイプPの先端拡径管部5の外径寸法よりも僅かに大き目の中径部15Cの基端側角部を面取りして第1勾配部15Bとせねばならず、小さ目の勾配部15Bであっても段付面部20Dと高い面圧力にて圧接することで十分な(メタルタッチとしての)密封性能を得ることができる。しかしながら、図8,図9の実施形態では、付設リング18と共にパイプPを矢印X2 方向から袋ナット基部17に挿入できるため、小径部15Yの内周端に有する内鍔部9を形成可能となって、大き目の第1勾配部15Bをテーパ部20Bに圧接でき、安定して一層良好な密封性能が発揮される。
図8,図9に示すように、付設リング18に形成した上記第2勾配部15Eに対し、パイプPのテーパ状段付部10が当接し、袋ナット基部17の第1勾配部15Bに継手本体20の先端縮径テーパ部20Bが当接する。また、シール凹溝15Dに内装されたシール材7がパイプPの先端拡径管部5の外周面に当接する。
連結保持手段Zについて説明すると、図10(A)から(B)に示すように、付設リング18と袋ナット基部17の相互のアキシャル方向X3 ,X4 の接近による嵌合を行い、次に、図11(A)に示すラジアル方向小角度回転Mを行って、相互に係止する係止構造100 を有している。
図10〜図12に示すように、袋ナット基部17の先端の外周部には、第1小凸部31・第2小凸部32から成る4つの突条対を、周方向に90°のピッチをもって配設する。4つの突条対の各間隔部位は、先端円筒部の外周部17Aがそのまま残される。また、各突条対に於て、第1・第2小凸部31,32の間に、係止溝部23が形成される。他方、付設リング18の内周面には、4個の円弧状突条片24が設けられる。
図10(A)のパイプ未接続状態から、図10(B)のように、矢印X3 ,X4 方向に、袋ナット基部17と付設リング18を相対的に接近させると、第1・第2小凸部31,32と隣りの第1・第2小凸部31,32の間に於て、外周部17Aに摺接しつつ、円弧状突条片24が突入する。
そこで、図10(B)から図11(A)のように、矢印Mで示す小角度回転を付設リング18に加えると、図8に示すように、円弧状突条片24が係止溝部23に係止する。
このように、係止溝部23と円弧状突条片24をもって、係止構造100 が構成されている。
つまり、連結保持手段Zは、袋ナット基部17と付設リング18の相互のアキシャル方向X3 ,X4 の接近による嵌合、及び、ラジアル方向小角度回転Mにて、相互に係止する4つの係止構造100, 100, 100, 100をもって、構成された場合を、図8〜図14の実施形態では示している。
なお、係止構造100 の数は、2個〜6個程度の範囲で、増減(選定)自由である。
次に、図14、及び、図8,図9,図10,図11,図12に於て、30は、上記係止構造100 において、その係止状態を維持するために、袋ナット基部17と付設リング18の相対的回転を阻止する回転阻止部材である。この回転阻止部材30は、付設リング18の4本の円弧状スリット25に差込まれる脚片30Aを4枚有している。
具体的には、この回転阻止部材30は、一箇所に切れ目33を有するC型リング部34と、このリング部34からアキシャル方向へ突設された(横断面)円弧状の脚片30Aを有する。
各脚片30Aには小爪片30Bが一体に設けられている。袋ナット基部17の第1・第2小凸部31,32の小凸部対と隣りの小凸部対の間の外周部17Aに沿った円弧状空間部35と、付設リング18の円弧状スリット25を、串挿し状となるように、脚片30Aは、差込まれる。
その差込みの最中において、小爪片30Bは、弾性変形して、小爪片30Bを含む脚片30Aの円弧長さ(周方向幅寸法)を減少させるように、小凹部30Cが脚片30Aに切欠状として設けられている。
図11(A)から図11(B)に示すように、脚片30Aが円弧状空間部35に差込んでゆけば、小爪片30Bが小凹部30Cに逃げ込むように弾性変形し、スムーズな差込み作業が可能であると共に、差込完了状態では、小爪片30Bが弾発的復元力によって小凹部30Cから飛び出して、袋ナット基部17の第2小凸部32等に係止する。
図2,図4又は図7,図8,図9に示した接続完了状態において、パイプPは、継手本体20と袋ナット15に対して、第2勾配部15Eとテーパ状段付部10との相対的周方向摺動によってパイプ軸心Lp 廻りに回転可能に、しかも、第2勾配部15Eとテーパ状段付部10との相互圧接によって、引抜阻止されている。
図示の実施形態では、先端拡径管部5を被接続用パイプPに設けることが基本的な一構成要件である。そこで、先端拡径管部5に関して、以下、説明する。
図15に示すように、被加工パイプP0 の先端を分割金型26の孔部26Aに挿入し、4個(又はそれ以上)に分割された横断面扇型の拡径片27をパイプP0 に対して所定深さに挿入する。矢印E方向にテーパ状雄金型28を、分割された拡径片27によって形成されたテーパ状孔部29に、押込めば、図15(A)から(B)のように拡径片27がラジアル外方向Rへ移動し、先端拡径管部5が形成(加工)される。
なお、テーパ状段付部10を形成するために、拡径片27にはテーパ部27Aが設けられ、金型26の孔部26Aには、テーパ部26Bが設けられている。
その後、金型26を拡径方向に分割作動し、加工されたパイプP0 を引抜けば、図2,図4,図6,図7,図8,図9に示すような先端拡径管部5付の被接続用パイプPが製作される。
古くから、図15に示した拡径用手動作業具は、広く知られている。その理由は、図16に示すようなロウ付け管接続63が、古くから、冷媒配管や家庭用給湯(水)配管に使用されているためである。つまり、古くから実施されてきたロウ付け管接続63のために、一方のパイプ61には、図1〜図9に示した先端拡径管部5を予め加工する必要があったためである。(なお、他方のパイプ62は加工せずにそのまま拡径管部5に挿入され、相互嵌合面部X5 がロウ付けされる。)
このように、ロウ付けによるパイプ接続作業に広く用いられていた拡径作業工具、及び、それによって簡単に加工可能な先端拡径管部に、本発明者は着眼し、図1〜図9に示したような独自の形状と構造を結合させて、ロウ付け等の熱を用いずに安全に作業ができ、しかも、アキシャル(軸心)方向にコンパクトであると共に、パイプ接続作業性についても優れる。
なお、本発明はその要旨を変更しない限り、上述の実施形態に限定されず、設計変更自由であって、例えば、回転阻止部材30の形状は変更可能であり、各脚片30Aを、中央に係止爪の無い横断面円弧型挿入片部と、その左右に沿った係止爪を先端に有する細杆状やヤリ型杆部とを、もって構成する。あるいは、ラジアル外方(又は内方)へ弾性変形する小引掛爪を脚片30Aに形成する。
本発明の管継手構造が適用できる流体は、冷媒,ガス,空気,水,湯等自由であるが、パイプP及び袋ナット15は拡径加工が容易で軽量かつ安価なアルミニウム(Al)とする。そして、フレア継手本体20は真鍮(黄銅)である。流体が冷媒,ガス,塩素ガスを含む水や湯等の場合には、シール材7の材質は耐腐食性ゴムが望ましい。最近の耐腐食性ゴム材料の進歩はめざましいため、本発明のようにシール材7,7を備えた管継手構造の適用可能流体は、冷媒,腐食性ガス,塩素ガスを含んだ水・湯等にも拡大される可能性が高いといえる。
図示の実施形態で説明したように、雄ネジ部20Aと先端縮径テーパ部20Bを有するフレア継手本体20と、上記雄ネジ部20Aに螺着される雌ネジ部15Aを有する袋ナット15とを、備え;該袋ナット15の孔部16には、基端から先端に渡って、上記雌ネジ部15A,第1勾配部15B,中径部15C,シール凹溝15D,第2勾配部15E,先端小径部15Fが、順次形成され;さらに、被接続用パイプPは、先端面3から所定軸心寸法L5 に渡って先端拡径管部5が形成されると共に、上記先端拡径管部5と基本径管部6との境界には、テーパ状段付部10が形成され;上記袋ナット15の上記第2勾配部15Eに上記パイプPの上記テーパ状段付部10が当接し、上記第1勾配部15Bに上記フレア継手本体20の先端縮径テーパ部20Bが当接し、かつ、上記シール凹溝15Dに内装されたシール材7が上記パイプPの先端拡径管部5の外周面に当接するよう構成したので、図13,図14に示したような従来の管継手構造に比較すると、超精密の部品を省略して、優れた密封性能を発揮できる。アキシャル方向にもコンパクト化を図り得ると共に、製作も容易となり、コストダウンも達成できる。しかも、パイプPが回転したとしても、大きい耐引抜阻止力を発揮する。
また、図示の実施形態で説明したように、雄ネジ部20Aと先端縮径テーパ部20Bを有するフレア継手本体20と、上記雄ネジ部20Aに螺着される雌ネジ部15Aを有する袋ナット基部17と、上記袋ナット基部17に対して連結保持手段Zによって連結自在な袋ナット付設リング18とを、備え;被接続用パイプPは、先端面3から所定軸心寸法L5 に渡って先端拡径管部5が形成されると共に、上記先端拡径管部5と基本径管部6との境界には、テーパ状段付部10が形成され;上記連結保持手段Zによって連結した上記袋ナット基部17と袋ナット付設リング18によって形成された軸心L15方向に貫通する孔部16には、基端から先端に渡って、上記雌ネジ部15A,第1勾配部15B,中径部15C,シール凹溝15D,第2勾配部15E,先端小径部15Fが、順次形成され;上記袋ナット付設リング18に形成の上記第2勾配部15Eに上記パイプPの上記テーパ状段付部10が当接し、上記袋ナット基部17に形成の上記第1勾配部15Bに上記フレア継手本体20の先端縮径テーパ部20Bが当接し、かつ、上記シール凹溝15Dに内装されたシール材7が上記パイプPの先端拡径管部5の外周面に当接するよう構成したので、超精密部品が不要となり、アキシャル方向のコンパクト化を図ることができる。また、パイプPが回転したとしても、大きい耐引抜阻止力を発揮する。また、継手本体20に対して、まず、袋ナット基部17を取着し、その後、袋ナット付設リング18と共にパイプPを接近させて、袋ナット基部17へ挿入し、作業者は手動で付設リング18を小角度だけ回転させて、取着できる。従って、高所や狭小作業空間に於て、接続作業を迅速かつ簡単に行い得る。
しかも、パイプPの先端拡径管部5の外径寸法よりも十分に小さい内径にまで、内鍔部9を形成可能となり、第1勾配部15Bのラジアル方向寸法を十分に大きくできて、継手本体20のテーパ部20Bに対して、大きい接触部位で安定的に圧接状態となり、密封性能も安定して良好となる。
また、上記連結保持手段Zは、上記袋ナット付設リング18と袋ナット基部17の相互のアキシャル方向X3 ,X4 の接近による嵌合及びラジアル方向小角度回転Mにて、相互に係止する係止構造100 を有しているので、作業者の手にて容易かつ迅速に、配管接続作業を行うことができる。特に、高所や狭小空間内での配管接続作業を、能率的に、簡単・迅速に行うことができる。
また、接続完了状態において、上記フレア継手本体20と袋ナット15に対して上記パイプPは、上記第2勾配部15Eとテーパ状段付部10との相対的周方向摺動によってパイプ軸心Lp 廻りに回転可能に、かつ、上記第2勾配部15Eとテーパ状段付部10との相互圧接によって引抜阻止されるように、構成されているので、パイプPの他端側から回転トルクが伝達されたとしても、巧妙にその回転トルクの伝達を吸収(遮断)して、袋ナット15の緩みの発生を防止でき、シール材7の摩耗も防止できる。逆に、配管接続作業中、袋ナット15を回転させたときに、パイプPを介して、他端側の管継手にまで回転トルクが伝達されて他端管継手の袋ナットを緩めて流体漏洩事故を生ずる等の悪影響を与えることも防止できる。
図1〜図7の各実施形態に於て、絶縁パッキン2は、袋ナット15の基端面15Hの凹溝8に取着されているので、袋ナット15を雄ネジ部20Aに螺進させる作業中、パッキン2が不安定姿勢となることが防止できて、確実に継手本体20の段付面部20Dに圧接できる。袋ナット15の材質をAlとした場合に、既存(既設)のCu系合金の継手本体20の雄ネジ部20Aの基端近傍21が最も異種金属の接触による腐食を発生し易い部位であるにかかわらず、水等の電解質の浸入を確実に防止することで、腐食(電蝕)を防止できる。
軽量で、比較的安価で入手が確実なAlを、袋ナット15及びパイプPに、使用可能となり、冷媒配管等の業界に大きく貢献できる発明であるといえる。
また、図1〜図7に示した各実施形態に於て、凹溝8の断面形状を開口部よりも溝内部の幅寸法を大とした、いわゆる蟻溝とすると共に、その蟻溝状とした凹溝8内に、絶縁パッキン2の嵌込凸部11を弾性的に圧縮しつつ圧入固着し、(あるいは接着剤等を付着して、強固にパッキン2を袋ナット15に取着するのも好ましい(図示省略)。
また、図1〜図7の各実施形態における接続完了状態(図2,図4,図7)に於て、絶縁パッキン2の外フランジ部14の最外周端縁14Aが、六角形等の袋ナット15の外周包絡円の外径寸法よりも、大に設定するのが望ましい。
その理由は、図3,図5,図7に於て、符号L14をもって示す距離(寸法)が大きくできるからであって、この距離L14が大きいことで、Al製袋ナット15の基端面15Hと、Cu系合金製フレア継手本体20の段付面部20Dの間に、水等の電解質の付着被膜を介して、通電状態となることを、防止できるからである。つまり、雨水が外フランジ部14に付着して電解質被膜が形成され、それを介して異種金属間の電位差で微弱電流が流れて、電蝕を発生する虞があるが、距離L14を増加させた寸法・形状であるので、上記微弱電流を抑制できる。
特に、ゴム又はプラスチックから成る絶縁パッキン2を撥水性を有する材質とするのが、一層、望ましい。即ち、雨水が外フランジ部14に付着しにくくなり、例えば、海辺近くでは塩分を含んだ水(海水)が付着すると、その後、乾燥して、外フランジ部14の表面に固体の塩が膜状に形成される。そうなると、僅かの雨水であっても、袋ナット15の基端面15Hと継手本体20の段付面部20Dの間に微弱電流が流れて、電蝕が発生し易いが、これを有効防止できる。
しかも、図1〜図3に示す如く、外フランジ部14の断面形状が、外周端縁に向かってしだいに肉薄となり、かつ、全体の肉厚も薄いため、上述の塩分を含んだ水(海水)が付着することを抑制しつつ、電蝕を一層有効に防止できる。
また、図1〜図3、及び、図4,図5の各実施形態では、小さなリップ部13を圧縮させる小さ目の弾性圧縮力を受けて、保持される構造であるので、長期間に渡って、絶縁パッキン2が永久変形を生じないという利点がある。また、パイプPは実際は数mmと小さい場合が多いので、パイプPと袋ナット15の先端部との間に、(仮に)絶縁パッキンが必要であれば、その寸法精度が厳しく要求され、品質上問題を生ずる虞が高いが、本発明では、パイプP及び袋ナット15を共にAl製としたので、そのような絶縁パッキンが省略できる。しかも、比較的径寸法が大きい絶縁パッキン2で良いので、それ自身の寸法精度も荒目で済み、袋ナット15の基端面15Hと、継手本体20の段付面部20Dとの(接続完了状態における)間隔寸法にバラツキが存在しても、絶縁パッキン2は常に確実に適正な圧縮量をもって圧縮して、密封性を発揮し、水等の電解質が雄ネジ部20Aの基端近傍21へ浸入することを阻止できる。
本発明は、以上詳述したように、雄ネジ部20Aと先端縮径テーパ部20Bを有するフレア継手本体20と、上記雄ネジ部20Aに螺着される雌ネジ部15Aを有する袋ナット15とを、備え;上記袋ナット15の基端部15Gには、上記フレア継手本体20の上記雄ネジ部20Aの基端近傍21に設けられた段付面部20Dに対して弾発的に圧接して上記雄ネジ部20Aの基端近傍21を外周側から被覆する円環状の絶縁パッキン2が、付設されている構成であるので、既設の真鍮(黄銅)のフレア継手本体20をそのまま残して、省資源にも寄与し、軽量かつ安価なAlの袋ナット15とパイプPを用いることができる。即ち、異種金属の接触による腐食を確実に防止できる。
さらに、家庭(住宅)用エアコン配管のように、フレア継手本体20に対して複数回にわたって袋ナット15を着脱作業が行われる用途(冷媒配管)にあっては、JIS規格のフレア継手本体20を使用して、Cu系合金の雄ネジ部20Aが潰れ難い利点をそのまま活用しつつ、袋ナット15とパイプPをAlに置換できる。このように、本発明の用途は広大なものといえる。
また、本発明に係る管継手構造は、上記袋ナット15の基端面15Hには円形凹溝8が設けられ;かつ、上記絶縁パッキン2は;上記凹溝8に嵌着される円環状嵌込凸部11と;上記段付面部20Dに弾発的に圧接可能な円環状リップ部13と;ラジアル外方R2 へ延伸する円環状外フランジ部14とを、有し;絶縁性を有するゴム又はプラスチックをもって、一体形成されている構成としたので、袋ナット15に対して常に一定の安定姿勢を保ちつつ螺進作業が可能であり、絶縁パッキン2は損傷を受けず、雄ネジ部20Aの基端近傍21を包囲して、水等の電解質の浸入を防いで、電蝕を防止できる。
また、段付面部20Dに圧接するリップ部13を有するので、リップ部13の軟らかい弾性圧縮変形にて密封性が十分発揮でき、かつ、パッキン2全体が過大な圧縮変形せずに済み、長期使用期間後も(永久変形することなく)弾発力を維持できる。また、外フランジ部14によって、Al製袋ナット15の基端面15Hと、Cu系合金製フレア継手本体20の段付面部20Dの間の距離L14(図3,図5,図7参照)を大きくすることが可能となり、水等の電解質の付着被膜を介して通電状態となることを防止できる。これによって、電蝕を一層確実に防止できる。
2 絶縁パッキン
3 先端面
5 先端拡径管部
6 基本径管部
7 シール材
8 円形凹溝
10 テーパ状段付部
11 嵌込凸部
12 パッキン本体部
13 リップ部
14 外フランジ部
15 袋ナット
15A 雌ネジ部
15B 第1勾配部
15C 中径部
15D シール凹溝
15E 第2勾配部
15F 先端小径部
15G 基端部
15H 基端面
16 孔部
17 袋ナット基部
18 袋ナット付設リング
20 フレア継手本体
20A 雄ネジ部
20B 先端縮径テーパ部
20D 段付面部
21 基端近傍
100 係止構造
P パイプ
5 所定軸心寸法
15 軸心
M 小角度回転
2 ラジアル外方
Z 連結保持手段
本発明は、管継手構造に関する。
管継手の一種として、フレア継手が広く知られている。このフレア継手は、図17に示すように、パイプP´の端部にフレア加工部fを特別な治具で塑性加工して形成し、このフレア加工部fを、フレア継手本体hのテーパ部aに当てて、袋ナットnにて締付けて、袋ナットnのテーパ面tとフレア継手本体hのテーパ部aにて挾圧し、金属面の相互圧接にて密封性を確保する構成である(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−42858号公報
しかしながら、家庭用(住宅用)エアコンの冷媒配管にあっては、引越しのたびに、室外機・室内機を取外し、その際にフレア継手本体hから袋ナットnを脱着せねばならないので、硬度が低くネジ山が潰れ易いアルミニウム(Al)に置換することができず、しかも、JIS規格に於ては、上述のような優れた特性を根拠としてフレア継手本体hの材質を真鍮(黄銅)が規定されている(JIS B 8607)。
また、既設の配管の修理・交換の際に於て、機器側の真鍮(黄銅)―――以下Cu系合金という―――から成るフレア継手本体hに対して、軽量かつ安価であるAl製袋ナット及びAl製パイプを、使用したいという要望が家庭用(住宅用)エアコンの冷媒配管の業界内にあっては、かなり古くから、聞かれるにもかかわらず、ほとんど実用化が進んでいない。
実用化が難しい原因は、異種金属による接触腐食(電蝕)が発生するためである。
図17に示すように、外部から水がフレア加工部fの挾圧部位に浸入して、異種金属による接触腐食(電蝕)が発生し、さらに、袋ナットnとフレア継手本体hのネジ螺合部k―――特に、ネジ螺合部kの基端開口端部m―――に、接触腐食(電蝕)が発生し易いという問題がある。
そこで、本発明は、このような問題を解決して、Al製袋ナット及びAl製パイプを用いても、異種金属の接触による腐食(電蝕)を生ずることがなくなり、冷媒配管等に特に好適な管継手構造を、提供することを目的とする。
そこで、本発明に係る管継手構造は、雄ネジ部と先端縮径テーパ部を有する真鍮製のフレア継手本体と、上記雄ネジ部に螺着される雌ネジ部を有するAl製袋ナットとを、備え;上記袋ナットの基端部には、上記フレア継手本体の上記雄ネジ部の基端近傍に設けられた段付面部に対して弾発的に圧接して上記雄ネジ部の基端近傍を外周側から被覆する円環状の絶縁パッキンが、付設されて;しかも、上記袋ナットの基端面には円形凹溝が設けられ;かつ、上記絶縁パッキンは;矩形状パッキン本体部と;上記パッキン本体部から突出状に設けられて、上記凹溝に嵌着される円環状嵌込凸部と;上記パッキン本体部から突出状に設けられて、上記段付面部に弾発的に圧接可能な円環状リップ部と;上記パッキン本体部から突出状に設けられて、ラジアル外方へ延伸する円環状外フランジ部とを、有し;絶縁性を有するゴム又はプラスチックをもって、一体形成されている。
また、上記外フランジ部は、断面形状が、剣先型として肉薄に形成されている。
また、上記外フランジ部は、断面形状が、競技トラック状の長円形を短軸で切断した半長円形として、先端部は円弧状に形成されている。
本発明によれば、従来から至難と考えられていたパイプと袋ナットの材質に(比較的安価であって)軽量のAlを用いることが可能となる。
本発明の実施の一形態を示す接続作業途中の状態の断面図である。 接続完了状態を示す断面図である。 絶縁パッキンの拡大断面図である。 他の実施形態を示す接続完了状態の断面図である。 図4に用いられている絶縁パッキンの拡大断面図である。 参考例を示す接続作業途中の状態の断面図である。 参考例の接続完了状態を示す断面図である。 本発明のさらに他の実施形態を示す断面図である。 図8を異なる切断面をもって切断した断面図である。 接続作業を順に示す斜視説明図である。 その後に続く接続作業を順に示す斜視説明図である。 要部を説明する分解斜視図である。 袋ナット付設リングを示し、(A)は背面図、(B)は側面図、(C)は正面図である。 回転阻止部材を示し、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は底面図、(D)は左側面図である。 先端拡径管部の形成作業工具の要部と拡径方法を説明する断面図である。 古くから現在まで実施されているロウ付け作業の説明と、ロウ付けされたパイプ接続部を説明するための断面図である。 従来例を示す断面図である。
以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
図1と図2に示す実施形態に於て、被接続用パイプPは、先端面3から所定軸心寸法L5 に渡って先端拡径管部5が形成されている。
この先端拡径管部5と、パイプ本来の基本径D0 を有する基本径管部6との境界には、テーパ状段付部10が形成されている。
20は、フレア継手本体であって、雄ネジ部20Aと先端縮径テーパ部20Bを有し、JIS B 8607に規定されたフレア管継手が該当する。
15は袋ナットであって、フレア継手本体20の上記雄ネジ部20Aに螺着される雌ネジ部15Aを有する。
袋ナット15の孔部16には、基端から先端に渡って、大径の雌ネジ部15A,第1勾配部15B,中径部15C,シール凹溝15D,第2勾配部15E,先端小径部15Fが、順次形成されている。
袋ナット15の孔部16内の第2勾配部15Eに、パイプPのテーパ状段付部10が(図2に示すように)当接する。また、袋ナット15の孔部16内の第1勾配部15Bに、フレア継手本体20の先端縮径テーパ部20Bが(図2に示した接続完了状態で)当接する。また、シール凹溝15Dに内装されたOリング等のシール材7が、パイプPの先端拡径管部5の外周面に当接する。
図1,図2に於て、袋ナット15の基端と、継手本体20との間を、図2に示した接続完了状態下で、包囲(被覆)して、水の外部からの浸入を阻止し、電蝕を防止する絶縁パッキン2が設けられる。
具体的には、袋ナット15の基端部15Gには、接続完了状態下で、フレア継手本体20の雄ネジ部20Aの基端近傍21に設けられた段付面部20Dに対して、弾発的に圧接して、雄ネジ部20Aの基端近傍21を外周側から被覆するように、絶縁パッキン2が設けられている。
円環状の絶縁パッキン2は、絶縁性を有するゴム材又はプラスチックから成り、例えば、耐寿命性、耐候性に優れるEPDMやNBR等のゴムが望ましい。かつ、撥水性のある材質が好ましい。
ところで、袋ナット15の基端面15Hには円形凹溝8が形成され、絶縁パッキン2は、この凹溝8に密に嵌着される円環状嵌込凸部11を有する。
このパッキン2について、さらに具体的に説明すれば、図3(と図1,図2)に例示の横断面に於て、2点鎖線と実線をもって囲んだような矩形状パッキン本体部12と、この本体部12の基端(右側)面から突設された矩形状の前記嵌込凸部11と、上記段付面部20Dに弾発的に圧接可能な円環状リップ部13と、ラジアル外方R2 へ延伸する円環状外フランジ部14とを、一体に有する。
リップ部13は、本体部12の先端(左側)面の下部から突設され、リップ部13の先端はやや小さく形成して段付面部20Dに対して弾性的に圧縮しやすく、密封性が高い。
外フランジ部14は、本体部12の外周面の先端寄りから、ラジアル外方R2 へ大きく突出状であり、しかも、剣先型として、肉薄に形成される。
次に、図4に於て、接続完了状態の他の実施形態を示す。この図4に於て、パイプPの先端拡径管部5の内周面に対応して、インサート4を内装している。
このインサート4は、基本径D0 のパイプ素材を輪切りすれば簡単に作製でき、しかも、パイプPの先端拡径管部5を補強し、後述の耐引抜力を増強することができ、さらに、流体通過抵抗を減少させる機能を備える。
図4,図5を、既説の図2,図3と比較すれば判るように、図4,図5の実施形態では、絶縁パッキン2が相違する。
即ち、図5と図4に示すように、2点鎖線と実線をもって囲んだような矩形状パッキン本体部12の基端(右側)面と先端(左側)面から、一体に、嵌込凸部11,リップ部13が各々突設されている点は、図3,図2の実施形態と同様である。
しかしながら、ラジアル外方R2 へ延伸する外フランジ部14は、その肉厚寸法(アキシャル方向寸法)が大きく設定されており、本体部12の上辺と同一である。そして、外フランジ部14の断面形状は、競技トラック状の長円形を短軸にて切断した半長円形である。つまり、先端部は、円弧状に形成される。
図4に於て、その他の構成は図1,図2と同一符号は同様の構成である。
次に、図6,図7は参考例を示し、各々、既述の図1,図2の実施形態に対応する未接続状態;接続完了状態を示す断面図である。
特に、絶縁パッキン2の形状と弾性変形のしかた等が相違している。
つまり、袋ナット15の基端面15Hに凹設された円形凹溝8に、パッキン2の固定端の短円筒部2Aが差込状に固着され、継手本体20の方向へ弾性変形可能として、延伸している。この延伸部2Bは、図6に示す断面が丘陵形状から、図7の急峻山型に折畳まれるように弾性変形する。つまり、継手本体20の段付面部20Dに延伸部2Bの先端が弾発的に当接する。
それ以外の図6,図7における構成については、図1,図2と同一符号は同様の構成を示すので、重複説明を省略する。
次に、図8〜図14に於て、本発明のさらに別の実施形態について説明する。
継手本体20は、図1〜図7で既に説明したものと同じであるが、袋ナット15が以下のように、相違する。
即ち、図8,図9に示すように、継手本体20の雄ネジ部20Aに螺着される雌ネジ部15Aを有する袋ナット基部17と、この袋ナット基部17に対して連結保持手段Zによって連結自在な袋ナット付設リング18とに、袋ナット15が分割組立(連結)自在構造となっている。
被接続用パイプPの先端領域の構成と形状は、図1〜図7の場合と同様である。つまり、先端拡径管部5とテーパ状段付部10等が形成されている。
そして、連結保持手段Zによって連結された袋ナット基部17と付設リング18によって形成された軸心L15方向に貫通する孔部16には、基端から先端に渡って、雌ネジ部15A,第1勾配部15B,小径部15Y,中径部15C,シール凹溝15D,第2勾配部15E,先端小径部15Fが、順次形成されている。
特に、第2勾配部15Eは、付設リング18に形成される。さらに、孔部16の軸心L15方向の中間位置に於て、内鍔部9が形成され、第1勾配部15Bのラジアル方向寸法が、図1〜図7に比べて十分大きく設定されている。なお、図8,図9では、内鍔部9によって大きく設定可能となった第1勾配部15Bを、アール曲面状(断面弧状)に形成している。前記小径部15Yとは、この内鍔部9の内周端面が該当する。図1〜図7に比べて、このような内鍔部9を形成できるのは、パイプPの挿入方向を、図1〜図7と図8,図9とでは、逆になっているからである。
即ち、図1〜図7では、パイプPの先端拡径管部5の外径寸法よりも僅かに大き目の中径部15Cの基端側角部を面取りして第1勾配部15Bとせねばならず、小さ目の勾配部15Bであっても段付面部20Dと高い面圧力にて圧接することで十分な(メタルタッチとしての)密封性能を得ることができる。しかしながら、図8,図9の実施形態では、付設リング18と共にパイプPを矢印X2 方向から袋ナット基部17に挿入できるため、小径部15Yの内周端に有する内鍔部9を形成可能となって、大き目の第1勾配部15Bをテーパ部20Bに圧接でき、安定して一層良好な密封性能が発揮される。
図8,図9に示すように、付設リング18に形成した上記第2勾配部15Eに対し、パイプPのテーパ状段付部10が当接し、袋ナット基部17の第1勾配部15Bに継手本体20の先端縮径テーパ部20Bが当接する。また、シール凹溝15Dに内装されたシール材7がパイプPの先端拡径管部5の外周面に当接する。
連結保持手段Zについて説明すると、図10(A)から(B)に示すように、付設リング18と袋ナット基部17の相互のアキシャル方向X3 ,X4 の接近による嵌合を行い、次に、図11(A)に示すラジアル方向小角度回転Mを行って、相互に係止する係止構造100 を有している。
図10〜図12に示すように、袋ナット基部17の先端の外周部には、第1小凸部31・第2小凸部32から成る4つの突条対を、周方向に90°のピッチをもって配設する。4つの突条対の各間隔部位は、先端円筒部の外周部17Aがそのまま残される。また、各突条対に於て、第1・第2小凸部31,32の間に、係止溝部23が形成される。他方、付設リング18の内周面には、4個の円弧状突条片24が設けられる。
図10(A)のパイプ未接続状態から、図10(B)のように、矢印X3 ,X4 方向に、袋ナット基部17と付設リング18を相対的に接近させると、第1・第2小凸部31,32と隣りの第1・第2小凸部31,32の間に於て、外周部17Aに摺接しつつ、円弧状突条片24が突入する。
そこで、図10(B)から図11(A)のように、矢印Mで示す小角度回転を付設リング18に加えると、図8に示すように、円弧状突条片24が係止溝部23に係止する。
このように、係止溝部23と円弧状突条片24をもって、係止構造100 が構成されている。
つまり、連結保持手段Zは、袋ナット基部17と付設リング18の相互のアキシャル方向X3 ,X4 の接近による嵌合、及び、ラジアル方向小角度回転Mにて、相互に係止する4つの係止構造100, 100, 100, 100をもって、構成された場合を、図8〜図14の実施形態では示している。
なお、係止構造100 の数は、2個〜6個程度の範囲で、増減(選定)自由である。
次に、図14、及び、図8,図9,図10,図11,図12に於て、30は、上記係止構造100 において、その係止状態を維持するために、袋ナット基部17と付設リング18の相対的回転を阻止する回転阻止部材である。この回転阻止部材30は、付設リング18の4本の円弧状スリット25に差込まれる脚片30Aを4枚有している。
具体的には、この回転阻止部材30は、一箇所に切れ目33を有するC型リング部34と、このリング部34からアキシャル方向へ突設された(横断面)円弧状の脚片30Aを有する。
各脚片30Aには小爪片30Bが一体に設けられている。袋ナット基部17の第1・第2小凸部31,32の小凸部対と隣りの小凸部対の間の外周部17Aに沿った円弧状空間部35と、付設リング18の円弧状スリット25を、串挿し状となるように、脚片30Aは、差込まれる。
その差込みの最中において、小爪片30Bは、弾性変形して、小爪片30Bを含む脚片30Aの円弧長さ(周方向幅寸法)を減少させるように、小凹部30Cが脚片30Aに切欠状として設けられている。
図11(A)から図11(B)に示すように、脚片30Aが円弧状空間部35に差込んでゆけば、小爪片30Bが小凹部30Cに逃げ込むように弾性変形し、スムーズな差込み作業が可能であると共に、差込完了状態では、小爪片30Bが弾発的復元力によって小凹部30Cから飛び出して、袋ナット基部17の第2小凸部32等に係止する。
図2,図4又は図7,図8,図9に示した接続完了状態において、パイプPは、継手本体20と袋ナット15に対して、第2勾配部15Eとテーパ状段付部10との相対的周方向摺動によってパイプ軸心Lp 廻りに回転可能に、しかも、第2勾配部15Eとテーパ状段付部10との相互圧接によって、引抜阻止されている。
図示の実施形態では、先端拡径管部5を被接続用パイプPに設けることが基本的な一構成要件である。そこで、先端拡径管部5に関して、以下、説明する。
図15に示すように、被加工パイプP0 の先端を分割金型26の孔部26Aに挿入し、4個(又はそれ以上)に分割された横断面扇型の拡径片27をパイプP0 に対して所定深さに挿入する。矢印E方向にテーパ状雄金型28を、分割された拡径片27によって形成されたテーパ状孔部29に、押込めば、図15(A)から(B)のように拡径片27がラジアル外方向Rへ移動し、先端拡径管部5が形成(加工)される。
なお、テーパ状段付部10を形成するために、拡径片27にはテーパ部27Aが設けられ、金型26の孔部26Aには、テーパ部26Bが設けられている。
その後、金型26を拡径方向に分割作動し、加工されたパイプP0 を引抜けば、図2,図4,図6,図7,図8,図9に示すような先端拡径管部5付の被接続用パイプPが製作される。
古くから、図15に示した拡径用手動作業具は、広く知られている。その理由は、図16に示すようなロウ付け管接続63が、古くから、冷媒配管や家庭用給湯(水)配管に使用されているためである。つまり、古くから実施されてきたロウ付け管接続63のために、一方のパイプ61には、図1〜図9に示した先端拡径管部5を予め加工する必要があったためである。(なお、他方のパイプ62は加工せずにそのまま拡径管部5に挿入され、相互嵌合面部X5 がロウ付けされる。)
このように、ロウ付けによるパイプ接続作業に広く用いられていた拡径作業工具、及び、それによって簡単に加工可能な先端拡径管部に、本発明者は着眼し、図1〜図9に示したような独自の形状と構造を結合させて、ロウ付け等の熱を用いずに安全に作業ができ、しかも、アキシャル(軸心)方向にコンパクトであると共に、パイプ接続作業性についても優れる。
なお、本発明はその要旨を変更しない限り、上述の実施形態に限定されず、設計変更自由であって、例えば、回転阻止部材30の形状は変更可能であり、各脚片30Aを、中央に係止爪の無い横断面円弧型挿入片部と、その左右に沿った係止爪を先端に有する細杆状やヤリ型杆部とを、もって構成する。あるいは、ラジアル外方(又は内方)へ弾性変形する小引掛爪を脚片30Aに形成する。
本発明の管継手構造が適用できる流体は、冷媒,ガス,空気,水,湯等自由であるが、パイプP及び袋ナット15は拡径加工が容易で軽量かつ安価なアルミニウム(Al)とする。そして、フレア継手本体20は真鍮(黄銅)である。流体が冷媒,ガス,塩素ガスを含む水や湯等の場合には、シール材7の材質は耐腐食性ゴムが望ましい。最近の耐腐食性ゴム材料の進歩はめざましいため、本発明のようにシール材7,7を備えた管継手構造の適用可能流体は、冷媒,腐食性ガス,塩素ガスを含んだ水・湯等にも拡大される可能性が高いといえる。
図示の実施形態で説明したように、雄ネジ部20Aと先端縮径テーパ部20Bを有するフレア継手本体20と、上記雄ネジ部20Aに螺着される雌ネジ部15Aを有する袋ナット15とを、備え;該袋ナット15の孔部16には、基端から先端に渡って、上記雌ネジ部15A,第1勾配部15B,中径部15C,シール凹溝15D,第2勾配部15E,先端小径部15Fが、順次形成され;さらに、被接続用パイプPは、先端面3から所定軸心寸法L5 に渡って先端拡径管部5が形成されると共に、上記先端拡径管部5と基本径管部6との境界には、テーパ状段付部10が形成され;上記袋ナット15の上記第2勾配部15Eに上記パイプPの上記テーパ状段付部10が当接し、上記第1勾配部15Bに上記フレア継手本体20の先端縮径テーパ部20Bが当接し、かつ、上記シール凹溝15Dに内装されたシール材7が上記パイプPの先端拡径管部5の外周面に当接するよう構成したので、図13,図14に示したような従来の管継手構造に比較すると、超精密の部品を省略して、優れた密封性能を発揮できる。アキシャル方向にもコンパクト化を図り得ると共に、製作も容易となり、コストダウンも達成できる。しかも、パイプPが回転したとしても、大きい耐引抜阻止力を発揮する。
また、図示の実施形態で説明したように、雄ネジ部20Aと先端縮径テーパ部20Bを有するフレア継手本体20と、上記雄ネジ部20Aに螺着される雌ネジ部15Aを有する袋ナット基部17と、上記袋ナット基部17に対して連結保持手段Zによって連結自在な袋ナット付設リング18とを、備え;被接続用パイプPは、先端面3から所定軸心寸法L5 に渡って先端拡径管部5が形成されると共に、上記先端拡径管部5と基本径管部6との境界には、テーパ状段付部10が形成され;上記連結保持手段Zによって連結した上記袋ナット基部17と袋ナット付設リング18によって形成された軸心L15方向に貫通する孔部16には、基端から先端に渡って、上記雌ネジ部15A,第1勾配部15B,中径部15C,シール凹溝15D,第2勾配部15E,先端小径部15Fが、順次形成され;上記袋ナット付設リング18に形成の上記第2勾配部15Eに上記パイプPの上記テーパ状段付部10が当接し、上記袋ナット基部17に形成の上記第1勾配部15Bに上記フレア継手本体20の先端縮径テーパ部20Bが当接し、かつ、上記シール凹溝15Dに内装されたシール材7が上記パイプPの先端拡径管部5の外周面に当接するよう構成したので、超精密部品が不要となり、アキシャル方向のコンパクト化を図ることができる。また、パイプPが回転したとしても、大きい耐引抜阻止力を発揮する。また、継手本体20に対して、まず、袋ナット基部17を取着し、その後、袋ナット付設リング18と共にパイプPを接近させて、袋ナット基部17へ挿入し、作業者は手動で付設リング18を小角度だけ回転させて、取着できる。従って、高所や狭小作業空間に於て、接続作業を迅速かつ簡単に行い得る。
しかも、パイプPの先端拡径管部5の外径寸法よりも十分に小さい内径にまで、内鍔部9を形成可能となり、第1勾配部15Bのラジアル方向寸法を十分に大きくできて、継手本
体20のテーパ部20Bに対して、大きい接触部位で安定的に圧接状態となり、密封性能も安定して良好となる。
また、上記連結保持手段Zは、上記袋ナット付設リング18と袋ナット基部17の相互のアキシャル方向X3 ,X4 の接近による嵌合及びラジアル方向小角度回転Mにて、相互に係止する係止構造100 を有しているので、作業者の手にて容易かつ迅速に、配管接続作業を行うことができる。特に、高所や狭小空間内での配管接続作業を、能率的に、簡単・迅速に行うことができる。
また、接続完了状態において、上記フレア継手本体20と袋ナット15に対して上記パイプPは、上記第2勾配部15Eとテーパ状段付部10との相対的周方向摺動によってパイプ軸心Lp 廻りに回転可能に、かつ、上記第2勾配部15Eとテーパ状段付部10との相互圧接によって引抜阻止されるように、構成されているので、パイプPの他端側から回転トルクが伝達されたとしても、巧妙にその回転トルクの伝達を吸収(遮断)して、袋ナット15の緩みの発生を防止でき、シール材7の摩耗も防止できる。逆に、配管接続作業中、袋ナット15を回転させたときに、パイプPを介して、他端側の管継手にまで回転トルクが伝達されて他端管継手の袋ナットを緩めて流体漏洩事故を生ずる等の悪影響を与えることも防止できる。
図1〜図の各実施形態に於て、絶縁パッキン2は、袋ナット15の基端面15Hの凹溝8に取着されているので、袋ナット15を雄ネジ部20Aに螺進させる作業中、パッキン2が不安定姿勢となることが防止できて、確実に継手本体20の段付面部20Dに圧接できる。袋ナット15の材質をAlとした場合に、既存(既設)のCu系合金の継手本体20の雄ネジ部20Aの基端近傍21が最も異種金属の接触による腐食を発生し易い部位であるにかかわらず、水等の電解質の浸入を確実に防止することで、腐食(電蝕)を防止できる。
軽量で、比較的安価で入手が確実なAlを、袋ナット15及びパイプPに、使用可能となり、冷媒配管等の業界に大きく貢献できる発明であるといえる。
また、図1〜図に示した各実施形態、又は、図6,図7の参考例に於て、凹溝8の断面形状を開口部よりも溝内部の幅寸法を大とした、いわゆる蟻溝とすると共に、その蟻溝状とした凹溝8内に、絶縁パッキン2の嵌込凸部11を弾性的に圧縮しつつ圧入固着し、(あるいは接着剤等を付着して、強固にパッキン2を袋ナット15に取着するのも好ましい(図示省略)。
また、図1〜図の各実施形態、又は、図6,図7の参考例における接続完了状態(図2,図4,図7)に於て、絶縁パッキン2の外フランジ部14の最外周端縁14Aが、六角形等の袋ナット15の外周包絡円の外径寸法よりも、大に設定するのが望ましい。
その理由は、図3,図5に於て、符号L14をもって示す距離(寸法)が大きくできるからであって、この距離L14が大きいことで、Al製袋ナット15の基端面15Hと、Cu系合金製フレア継手本体20の段付面部20Dの間に、水等の電解質の付着被膜を介して、通電状態となることを、防止できるからである。つまり、雨水が外フランジ部14に付着して電解質被膜が形成され、それを介して異種金属間の電位差で微弱電流が流れて、電蝕を発生する虞があるが、距離L14を増加させた寸法・形状であるので、上記微弱電流を抑制できる。
特に、ゴム又はプラスチックから成る絶縁パッキン2を撥水性を有する材質とするのが、一層、望ましい。即ち、雨水が外フランジ部14に付着しにくくなり、例えば、海辺近くでは塩分を含んだ水(海水)が付着すると、その後、乾燥して、外フランジ部14の表面に固体の塩が膜状に形成される。そうなると、僅かの雨水であっても、袋ナット15の基端面15Hと継手本体20の段付面部20Dの間に微弱電流が流れて、電蝕が発生し易いが、これを有効防止できる。
しかも、図1〜図3に示す如く、外フランジ部14の断面形状が、外周端縁に向かってしだいに肉薄となり、かつ、全体の肉厚も薄いため、上述の塩分を含んだ水(海水)が付着することを抑制しつつ、電蝕を一層有効に防止できる。
また、図1〜図3、及び、図4,図5の各実施形態では、小さなリップ部13を圧縮させる小さ目の弾性圧縮力を受けて、保持される構造であるので、長期間に渡って、絶縁パッキン2が永久変形を生じないという利点がある。また、パイプPは実際は数mmと小さい場合が多いので、パイプPと袋ナット15の先端部との間に、(仮に)絶縁パッキンが必要であれば、その寸法精度が厳しく要求され、品質上問題を生ずる虞が高いが、本発明では、パイプP及び袋ナット15を共にAl製としたので、そのような絶縁パッキンが省略できる。しかも、比較的径寸法が大きい絶縁パッキン2で良いので、それ自身の寸法精度も荒目で済み、袋ナット15の基端面15Hと、継手本体20の段付面部20Dとの(接続完了状態における)間隔寸法にバラツキが存在しても、絶縁パッキン2は常に確実に適正な圧縮量をもって圧縮して、密封性を発揮し、水等の電解質が雄ネジ部20Aの基端近傍21へ浸入することを阻止できる。
本発明は、以上詳述したように、雄ネジ部20Aと先端縮径テーパ部20Bを有するフレア継手本体20と、上記雄ネジ部20Aに螺着される雌ネジ部15Aを有する袋ナット15とを、備え;上記袋ナット15の基端部15Gには、上記フレア継手本体20の上記雄ネジ部20Aの基端近傍21に設けられた段付面部20Dに対して弾発的に圧接して上記雄ネジ部20Aの基端近傍21を外周側から被覆する円環状の絶縁パッキン2が、付設されている構成であるので、既設の真鍮(黄銅)のフレア継手本体20をそのまま残して、省資源にも寄与し、軽量かつ安価なAlの袋ナット15とパイプPを用いることができる。即ち、異種金属の接触による腐食を確実に防止できる。
さらに、家庭(住宅)用エアコン配管のように、フレア継手本体20に対して複数回にわたって袋ナット15を着脱作業が行われる用途(冷媒配管)にあっては、JIS規格のフレア継手本体20を使用して、Cu系合金の雄ネジ部20Aが潰れ難い利点をそのまま活用しつつ、袋ナット15とパイプPをAlに置換できる。このように、本発明の用途は広大なものといえる。
また、本発明に係る管継手構造は、上記袋ナット15の基端面15Hには円形凹溝8が設けられ;かつ、上記絶縁パッキン2は;上記凹溝8に嵌着される円環状嵌込凸部11と;上記段付面部20Dに弾発的に圧接可能な円環状リップ部13と;ラジアル外方R2 へ延伸する円環状外フランジ部14とを、有し;絶縁性を有するゴム又はプラスチックをもって、一体形成されている構成としたので、袋ナット15に対して常に一定の安定姿勢を保ちつつ螺進作業が可能であり、絶縁パッキン2は損傷を受けず、雄ネジ部20Aの基端近傍21を包囲して、水等の電解質の浸入を防いで、電蝕を防止できる。
また、段付面部20Dに圧接するリップ部13を有するので、リップ部13の軟らかい弾性圧縮変形にて密封性が十分発揮でき、かつ、パッキン2全体が過大な圧縮変形せずに済み、長期使用期間後も(永久変形することなく)弾発力を維持できる。また、外フランジ部14によって、Al製袋ナット15の基端面15Hと、Cu系合金製フレア継手本体20の段付面部20Dの間の距離L14(図3,図5,図7参照)を大きくすることが可能となり、水等の電解質の付着被膜を介して通電状態となることを防止できる。これによって、電蝕を一層確実に防止できる。
2 絶縁パッキン
3 先端面
5 先端拡径管部
6 基本径管部
7 シール材
8 円形凹溝
10 テーパ状段付部
11 嵌込凸部
12 パッキン本体部
13 リップ部
14 外フランジ部
15 袋ナット
15A 雌ネジ部
15B 第1勾配部
15C 中径部
15D シール凹溝
15E 第2勾配部
15F 先端小径部
15G 基端部
15H 基端面
16 孔部
17 袋ナット基部
18 袋ナット付設リング
20 フレア継手本体
20A 雄ネジ部
20B 先端縮径テーパ部
20D 段付面部
21 基端近傍
100 係止構造
P パイプ
5 所定軸心寸法
15 軸心
M 小角度回転
2 ラジアル外方
Z 連結保持手段

Claims (2)

  1. 雄ネジ部(20A)と先端縮径テーパ部(20B)を有するフレア継手本体(20)と、上記雄ネジ部(20A)に螺着される雌ネジ部(15A)を有する袋ナット(15)とを、備え、
    上記袋ナット(15)の基端部(15G)には、上記フレア継手本体(20)の上記雄ネジ部(20A)の基端近傍(21)に設けられた段付面部(20D)に対して弾発的に圧接して上記雄ネジ部(20A)の基端近傍(21)を外周側から被覆する円環状の絶縁パッキン(2)が、付設されていることを特徴とする管継手構造。
  2. 上記袋ナット(15)の基端面(15H)には円形凹溝(8)が設けられ、
    かつ、上記絶縁パッキン(2)は、
    上記凹溝(8)に嵌着される円環状嵌込凸部(11)と、
    上記段付面部(20D)に弾発的に圧接可能な円環状リップ部(13)と、
    ラジアル外方(R2 )へ延伸する円環状外フランジ部(14)とを、有し、
    絶縁性を有するゴム又はプラスチックをもって、一体形成されている請求項1記載の管継手構造。
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