JP2019078311A - 管継手構造 - Google Patents
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Abstract
Description
また、既設の配管の修理・交換の際に於て、機器側の真鍮(黄銅)―――以下Cu系合金という―――から成るフレア継手本体hに対して、軽量かつ安価であるAl製袋ナット及びAl製パイプを、使用したいという要望が家庭用(住宅用)エアコンの冷媒配管の業界内にあっては、かなり古くから、聞かれるにもかかわらず、ほとんど実用化が進んでいない。
実用化が難しい原因は、異種金属による接触腐食(電蝕)が発生するためである。
そこで、本発明は、このような問題を解決して、Al製袋ナット及びAl製パイプを用いても、異種金属の接触による腐食(電蝕)を生ずることがなくなり、冷媒配管等に特に好適な管継手構造を、提供することを目的とする。
また、上記袋ナットの基端面には円形凹溝が設けられ;かつ、上記絶縁パッキンは;上記凹溝に嵌着される円環状嵌込凸部と;上記段付面部に弾発的に圧接可能な円環状リップ部と;ラジアル外方へ延伸する円環状外フランジ部とを、有し;絶縁性を有するゴム又はプラスチックをもって、一体形成されている。
図1と図2に示す実施形態に於て、被接続用パイプPは、先端面3から所定軸心寸法L5 に渡って先端拡径管部5が形成されている。
この先端拡径管部5と、パイプ本来の基本径D0 を有する基本径管部6との境界には、テーパ状段付部10が形成されている。
15は袋ナットであって、フレア継手本体20の上記雄ネジ部20Aに螺着される雌ネジ部15Aを有する。
袋ナット15の孔部16には、基端から先端に渡って、大径の雌ネジ部15A,第1勾配部15B,中径部15C,シール凹溝15D,第2勾配部15E,先端小径部15Fが、順次形成されている。
袋ナット15の孔部16内の第2勾配部15Eに、パイプPのテーパ状段付部10が(図2に示すように)当接する。また、袋ナット15の孔部16内の第1勾配部15Bに、フレア継手本体20の先端縮径テーパ部20Bが(図2に示した接続完了状態で)当接する。また、シール凹溝15Dに内装されたOリング等のシール材7が、パイプPの先端拡径管部5の外周面に当接する。
具体的には、袋ナット15の基端部15Gには、接続完了状態下で、フレア継手本体20の雄ネジ部20Aの基端近傍21に設けられた段付面部20Dに対して、弾発的に圧接して、雄ネジ部20Aの基端近傍21を外周側から被覆するように、絶縁パッキン2が設けられている。
ところで、袋ナット15の基端面15Hには円形凹溝8が形成され、絶縁パッキン2は、この凹溝8に密に嵌着される円環状嵌込凸部11を有する。
リップ部13は、本体部12の先端(左側)面の下部から突設され、リップ部13の先端はやや小さく形成して段付面部20Dに対して弾性的に圧縮しやすく、密封性が高い。
外フランジ部14は、本体部12の外周面の先端寄りから、ラジアル外方R2 へ大きく突出状であり、しかも、剣先型として、肉薄に形成される。
このインサート4は、基本径D0 のパイプ素材を輪切りすれば簡単に作製でき、しかも、パイプPの先端拡径管部5を補強し、後述の耐引抜力を増強することができ、さらに、流体通過抵抗を減少させる機能を備える。
即ち、図5と図4に示すように、2点鎖線と実線をもって囲んだような矩形状パッキン本体部12の基端(右側)面と先端(左側)面から、一体に、嵌込凸部11,リップ部13が各々突設されている点は、図3,図2の実施形態と同様である。
しかしながら、ラジアル外方R2 へ延伸する外フランジ部14は、その肉厚寸法(アキシャル方向寸法)が大きく設定されており、本体部12の上辺と同一である。そして、外フランジ部14の断面形状は、競技トラック状の長円形を短軸にて切断した半長円形である。つまり、先端部は、円弧状に形成される。
図4に於て、その他の構成は図1,図2と同一符号は同様の構成である。
特に、絶縁パッキン2の形状と弾性変形のしかた等が相違している。
つまり、袋ナット15の基端面15Hに凹設された円形凹溝8に、パッキン2の固定端の短円筒部2Aが差込状に固着され、継手本体20の方向へ弾性変形可能として、延伸している。この延伸部2Bは、図6に示す断面が丘陵形状から、図7の急峻山型に折畳まれるように弾性変形する。つまり、継手本体20の段付面部20Dに延伸部2Bの先端が弾発的に当接する。
それ以外の図6,図7における構成については、図1,図2と同一符号は同様の構成を示すので、重複説明を省略する。
継手本体20は、図1〜図7で既に説明したものと同じであるが、袋ナット15が以下のように、相違する。
即ち、図8,図9に示すように、継手本体20の雄ネジ部20Aに螺着される雌ネジ部15Aを有する袋ナット基部17と、この袋ナット基部17に対して連結保持手段Zによって連結自在な袋ナット付設リング18とに、袋ナット15が分割組立(連結)自在構造となっている。
被接続用パイプPの先端領域の構成と形状は、図1〜図7の場合と同様である。つまり、先端拡径管部5とテーパ状段付部10等が形成されている。
特に、第2勾配部15Eは、付設リング18に形成される。さらに、孔部16の軸心L15方向の中間位置に於て、内鍔部9が形成され、第1勾配部15Bのラジアル方向寸法が、図1〜図7に比べて十分大きく設定されている。なお、図8,図9では、内鍔部9によって大きく設定可能となった第1勾配部15Bを、アール曲面状(断面弧状)に形成している。前記小径部15Yとは、この内鍔部9の内周端面が該当する。図1〜図7に比べて、このような内鍔部9を形成できるのは、パイプPの挿入方向を、図1〜図7と図8,図9とでは、逆になっているからである。
連結保持手段Zについて説明すると、図10(A)から(B)に示すように、付設リング18と袋ナット基部17の相互のアキシャル方向X3 ,X4 の接近による嵌合を行い、次に、図11(A)に示すラジアル方向小角度回転Mを行って、相互に係止する係止構造100 を有している。
そこで、図10(B)から図11(A)のように、矢印Mで示す小角度回転を付設リング18に加えると、図8に示すように、円弧状突条片24が係止溝部23に係止する。
つまり、連結保持手段Zは、袋ナット基部17と付設リング18の相互のアキシャル方向X3 ,X4 の接近による嵌合、及び、ラジアル方向小角度回転Mにて、相互に係止する4つの係止構造100, 100, 100, 100をもって、構成された場合を、図8〜図14の実施形態では示している。
なお、係止構造100 の数は、2個〜6個程度の範囲で、増減(選定)自由である。
具体的には、この回転阻止部材30は、一箇所に切れ目33を有するC型リング部34と、このリング部34からアキシャル方向へ突設された(横断面)円弧状の脚片30Aを有する。
各脚片30Aには小爪片30Bが一体に設けられている。袋ナット基部17の第1・第2小凸部31,32の小凸部対と隣りの小凸部対の間の外周部17Aに沿った円弧状空間部35と、付設リング18の円弧状スリット25を、串挿し状となるように、脚片30Aは、差込まれる。
その差込みの最中において、小爪片30Bは、弾性変形して、小爪片30Bを含む脚片30Aの円弧長さ(周方向幅寸法)を減少させるように、小凹部30Cが脚片30Aに切欠状として設けられている。
図2,図4又は図7,図8,図9に示した接続完了状態において、パイプPは、継手本体20と袋ナット15に対して、第2勾配部15Eとテーパ状段付部10との相対的周方向摺動によってパイプ軸心Lp 廻りに回転可能に、しかも、第2勾配部15Eとテーパ状段付部10との相互圧接によって、引抜阻止されている。
図15に示すように、被加工パイプP0 の先端を分割金型26の孔部26Aに挿入し、4個(又はそれ以上)に分割された横断面扇型の拡径片27をパイプP0 に対して所定深さに挿入する。矢印E方向にテーパ状雄金型28を、分割された拡径片27によって形成されたテーパ状孔部29に、押込めば、図15(A)から(B)のように拡径片27がラジアル外方向Rへ移動し、先端拡径管部5が形成(加工)される。
その後、金型26を拡径方向に分割作動し、加工されたパイプP0 を引抜けば、図2,図4,図6,図7,図8,図9に示すような先端拡径管部5付の被接続用パイプPが製作される。
このように、ロウ付けによるパイプ接続作業に広く用いられていた拡径作業工具、及び、それによって簡単に加工可能な先端拡径管部に、本発明者は着眼し、図1〜図9に示したような独自の形状と構造を結合させて、ロウ付け等の熱を用いずに安全に作業ができ、しかも、アキシャル(軸心)方向にコンパクトであると共に、パイプ接続作業性についても優れる。
本発明の管継手構造が適用できる流体は、冷媒,ガス,空気,水,湯等自由であるが、パイプP及び袋ナット15は拡径加工が容易で軽量かつ安価なアルミニウム(Al)とする。そして、フレア継手本体20は真鍮(黄銅)である。流体が冷媒,ガス,塩素ガスを含む水や湯等の場合には、シール材7の材質は耐腐食性ゴムが望ましい。最近の耐腐食性ゴム材料の進歩はめざましいため、本発明のようにシール材7,7を備えた管継手構造の適用可能流体は、冷媒,腐食性ガス,塩素ガスを含んだ水・湯等にも拡大される可能性が高いといえる。
しかも、パイプPの先端拡径管部5の外径寸法よりも十分に小さい内径にまで、内鍔部9を形成可能となり、第1勾配部15Bのラジアル方向寸法を十分に大きくできて、継手本体20のテーパ部20Bに対して、大きい接触部位で安定的に圧接状態となり、密封性能も安定して良好となる。
軽量で、比較的安価で入手が確実なAlを、袋ナット15及びパイプPに、使用可能となり、冷媒配管等の業界に大きく貢献できる発明であるといえる。
また、図1〜図7の各実施形態における接続完了状態(図2,図4,図7)に於て、絶縁パッキン2の外フランジ部14の最外周端縁14Aが、六角形等の袋ナット15の外周包絡円の外径寸法よりも、大に設定するのが望ましい。
特に、ゴム又はプラスチックから成る絶縁パッキン2を撥水性を有する材質とするのが、一層、望ましい。即ち、雨水が外フランジ部14に付着しにくくなり、例えば、海辺近くでは塩分を含んだ水(海水)が付着すると、その後、乾燥して、外フランジ部14の表面に固体の塩が膜状に形成される。そうなると、僅かの雨水であっても、袋ナット15の基端面15Hと継手本体20の段付面部20Dの間に微弱電流が流れて、電蝕が発生し易いが、これを有効防止できる。
しかも、図1〜図3に示す如く、外フランジ部14の断面形状が、外周端縁に向かってしだいに肉薄となり、かつ、全体の肉厚も薄いため、上述の塩分を含んだ水(海水)が付着することを抑制しつつ、電蝕を一層有効に防止できる。
さらに、家庭(住宅)用エアコン配管のように、フレア継手本体20に対して複数回にわたって袋ナット15を着脱作業が行われる用途(冷媒配管)にあっては、JIS規格のフレア継手本体20を使用して、Cu系合金の雄ネジ部20Aが潰れ難い利点をそのまま活用しつつ、袋ナット15とパイプPをAlに置換できる。このように、本発明の用途は広大なものといえる。
また、段付面部20Dに圧接するリップ部13を有するので、リップ部13の軟らかい弾性圧縮変形にて密封性が十分発揮でき、かつ、パッキン2全体が過大な圧縮変形せずに済み、長期使用期間後も(永久変形することなく)弾発力を維持できる。また、外フランジ部14によって、Al製袋ナット15の基端面15Hと、Cu系合金製フレア継手本体20の段付面部20Dの間の距離L14(図3,図5,図7参照)を大きくすることが可能となり、水等の電解質の付着被膜を介して通電状態となることを防止できる。これによって、電蝕を一層確実に防止できる。
3 先端面
5 先端拡径管部
6 基本径管部
7 シール材
8 円形凹溝
10 テーパ状段付部
11 嵌込凸部
12 パッキン本体部
13 リップ部
14 外フランジ部
15 袋ナット
15A 雌ネジ部
15B 第1勾配部
15C 中径部
15D シール凹溝
15E 第2勾配部
15F 先端小径部
15G 基端部
15H 基端面
16 孔部
17 袋ナット基部
18 袋ナット付設リング
20 フレア継手本体
20A 雄ネジ部
20B 先端縮径テーパ部
20D 段付面部
21 基端近傍
100 係止構造
P パイプ
L5 所定軸心寸法
L15 軸心
M 小角度回転
R2 ラジアル外方
Z 連結保持手段
また、既設の配管の修理・交換の際に於て、機器側の真鍮(黄銅)―――以下Cu系合金という―――から成るフレア継手本体hに対して、軽量かつ安価であるAl製袋ナット及びAl製パイプを、使用したいという要望が家庭用(住宅用)エアコンの冷媒配管の業界内にあっては、かなり古くから、聞かれるにもかかわらず、ほとんど実用化が進んでいない。
実用化が難しい原因は、異種金属による接触腐食(電蝕)が発生するためである。
そこで、本発明は、このような問題を解決して、Al製袋ナット及びAl製パイプを用いても、異種金属の接触による腐食(電蝕)を生ずることがなくなり、冷媒配管等に特に好適な管継手構造を、提供することを目的とする。
また、上記外フランジ部は、断面形状が、剣先型として肉薄に形成されている。
また、上記外フランジ部は、断面形状が、競技トラック状の長円形を短軸で切断した半長円形として、先端部は円弧状に形成されている。
図1と図2に示す実施形態に於て、被接続用パイプPは、先端面3から所定軸心寸法L5 に渡って先端拡径管部5が形成されている。
この先端拡径管部5と、パイプ本来の基本径D0 を有する基本径管部6との境界には、テーパ状段付部10が形成されている。
15は袋ナットであって、フレア継手本体20の上記雄ネジ部20Aに螺着される雌ネジ部15Aを有する。
袋ナット15の孔部16には、基端から先端に渡って、大径の雌ネジ部15A,第1勾配部15B,中径部15C,シール凹溝15D,第2勾配部15E,先端小径部15Fが、順次形成されている。
袋ナット15の孔部16内の第2勾配部15Eに、パイプPのテーパ状段付部10が(図2に示すように)当接する。また、袋ナット15の孔部16内の第1勾配部15Bに、フレア継手本体20の先端縮径テーパ部20Bが(図2に示した接続完了状態で)当接する。また、シール凹溝15Dに内装されたOリング等のシール材7が、パイプPの先端拡径管部5の外周面に当接する。
具体的には、袋ナット15の基端部15Gには、接続完了状態下で、フレア継手本体20の雄ネジ部20Aの基端近傍21に設けられた段付面部20Dに対して、弾発的に圧接して、雄ネジ部20Aの基端近傍21を外周側から被覆するように、絶縁パッキン2が設けられている。
ところで、袋ナット15の基端面15Hには円形凹溝8が形成され、絶縁パッキン2は、この凹溝8に密に嵌着される円環状嵌込凸部11を有する。
リップ部13は、本体部12の先端(左側)面の下部から突設され、リップ部13の先端はやや小さく形成して段付面部20Dに対して弾性的に圧縮しやすく、密封性が高い。
外フランジ部14は、本体部12の外周面の先端寄りから、ラジアル外方R2 へ大きく突出状であり、しかも、剣先型として、肉薄に形成される。
このインサート4は、基本径D0 のパイプ素材を輪切りすれば簡単に作製でき、しかも、パイプPの先端拡径管部5を補強し、後述の耐引抜力を増強することができ、さらに、流体通過抵抗を減少させる機能を備える。
即ち、図5と図4に示すように、2点鎖線と実線をもって囲んだような矩形状パッキン本体部12の基端(右側)面と先端(左側)面から、一体に、嵌込凸部11,リップ部13が各々突設されている点は、図3,図2の実施形態と同様である。
しかしながら、ラジアル外方R2 へ延伸する外フランジ部14は、その肉厚寸法(アキシャル方向寸法)が大きく設定されており、本体部12の上辺と同一である。そして、外フランジ部14の断面形状は、競技トラック状の長円形を短軸にて切断した半長円形である。つまり、先端部は、円弧状に形成される。
図4に於て、その他の構成は図1,図2と同一符号は同様の構成である。
特に、絶縁パッキン2の形状と弾性変形のしかた等が相違している。
つまり、袋ナット15の基端面15Hに凹設された円形凹溝8に、パッキン2の固定端の短円筒部2Aが差込状に固着され、継手本体20の方向へ弾性変形可能として、延伸している。この延伸部2Bは、図6に示す断面が丘陵形状から、図7の急峻山型に折畳まれるように弾性変形する。つまり、継手本体20の段付面部20Dに延伸部2Bの先端が弾発的に当接する。
それ以外の図6,図7における構成については、図1,図2と同一符号は同様の構成を示すので、重複説明を省略する。
継手本体20は、図1〜図7で既に説明したものと同じであるが、袋ナット15が以下のように、相違する。
即ち、図8,図9に示すように、継手本体20の雄ネジ部20Aに螺着される雌ネジ部15Aを有する袋ナット基部17と、この袋ナット基部17に対して連結保持手段Zによって連結自在な袋ナット付設リング18とに、袋ナット15が分割組立(連結)自在構造となっている。
被接続用パイプPの先端領域の構成と形状は、図1〜図7の場合と同様である。つまり、先端拡径管部5とテーパ状段付部10等が形成されている。
特に、第2勾配部15Eは、付設リング18に形成される。さらに、孔部16の軸心L15方向の中間位置に於て、内鍔部9が形成され、第1勾配部15Bのラジアル方向寸法が、図1〜図7に比べて十分大きく設定されている。なお、図8,図9では、内鍔部9によって大きく設定可能となった第1勾配部15Bを、アール曲面状(断面弧状)に形成している。前記小径部15Yとは、この内鍔部9の内周端面が該当する。図1〜図7に比べて、このような内鍔部9を形成できるのは、パイプPの挿入方向を、図1〜図7と図8,図9とでは、逆になっているからである。
連結保持手段Zについて説明すると、図10(A)から(B)に示すように、付設リング18と袋ナット基部17の相互のアキシャル方向X3 ,X4 の接近による嵌合を行い、次に、図11(A)に示すラジアル方向小角度回転Mを行って、相互に係止する係止構造100 を有している。
そこで、図10(B)から図11(A)のように、矢印Mで示す小角度回転を付設リング18に加えると、図8に示すように、円弧状突条片24が係止溝部23に係止する。
つまり、連結保持手段Zは、袋ナット基部17と付設リング18の相互のアキシャル方向X3 ,X4 の接近による嵌合、及び、ラジアル方向小角度回転Mにて、相互に係止する4つの係止構造100, 100, 100, 100をもって、構成された場合を、図8〜図14の実施形態では示している。
なお、係止構造100 の数は、2個〜6個程度の範囲で、増減(選定)自由である。
具体的には、この回転阻止部材30は、一箇所に切れ目33を有するC型リング部34と、このリング部34からアキシャル方向へ突設された(横断面)円弧状の脚片30Aを有する。
各脚片30Aには小爪片30Bが一体に設けられている。袋ナット基部17の第1・第2小凸部31,32の小凸部対と隣りの小凸部対の間の外周部17Aに沿った円弧状空間部35と、付設リング18の円弧状スリット25を、串挿し状となるように、脚片30Aは、差込まれる。
その差込みの最中において、小爪片30Bは、弾性変形して、小爪片30Bを含む脚片30Aの円弧長さ(周方向幅寸法)を減少させるように、小凹部30Cが脚片30Aに切欠状として設けられている。
図2,図4又は図7,図8,図9に示した接続完了状態において、パイプPは、継手本体20と袋ナット15に対して、第2勾配部15Eとテーパ状段付部10との相対的周方向摺動によってパイプ軸心Lp 廻りに回転可能に、しかも、第2勾配部15Eとテーパ状段付部10との相互圧接によって、引抜阻止されている。
図15に示すように、被加工パイプP0 の先端を分割金型26の孔部26Aに挿入し、4個(又はそれ以上)に分割された横断面扇型の拡径片27をパイプP0 に対して所定深さに挿入する。矢印E方向にテーパ状雄金型28を、分割された拡径片27によって形成されたテーパ状孔部29に、押込めば、図15(A)から(B)のように拡径片27がラジアル外方向Rへ移動し、先端拡径管部5が形成(加工)される。
その後、金型26を拡径方向に分割作動し、加工されたパイプP0 を引抜けば、図2,図4,図6,図7,図8,図9に示すような先端拡径管部5付の被接続用パイプPが製作される。
このように、ロウ付けによるパイプ接続作業に広く用いられていた拡径作業工具、及び、それによって簡単に加工可能な先端拡径管部に、本発明者は着眼し、図1〜図9に示したような独自の形状と構造を結合させて、ロウ付け等の熱を用いずに安全に作業ができ、しかも、アキシャル(軸心)方向にコンパクトであると共に、パイプ接続作業性についても優れる。
本発明の管継手構造が適用できる流体は、冷媒,ガス,空気,水,湯等自由であるが、パイプP及び袋ナット15は拡径加工が容易で軽量かつ安価なアルミニウム(Al)とする。そして、フレア継手本体20は真鍮(黄銅)である。流体が冷媒,ガス,塩素ガスを含む水や湯等の場合には、シール材7の材質は耐腐食性ゴムが望ましい。最近の耐腐食性ゴム材料の進歩はめざましいため、本発明のようにシール材7,7を備えた管継手構造の適用可能流体は、冷媒,腐食性ガス,塩素ガスを含んだ水・湯等にも拡大される可能性が高いといえる。
しかも、パイプPの先端拡径管部5の外径寸法よりも十分に小さい内径にまで、内鍔部9を形成可能となり、第1勾配部15Bのラジアル方向寸法を十分に大きくできて、継手本
体20のテーパ部20Bに対して、大きい接触部位で安定的に圧接状態となり、密封性能も安定して良好となる。
軽量で、比較的安価で入手が確実なAlを、袋ナット15及びパイプPに、使用可能となり、冷媒配管等の業界に大きく貢献できる発明であるといえる。
また、図1〜図5の各実施形態、又は、図6,図7の参考例における接続完了状態(図2,図4,図7)に於て、絶縁パッキン2の外フランジ部14の最外周端縁14Aが、六角形等の袋ナット15の外周包絡円の外径寸法よりも、大に設定するのが望ましい。
特に、ゴム又はプラスチックから成る絶縁パッキン2を撥水性を有する材質とするのが、一層、望ましい。即ち、雨水が外フランジ部14に付着しにくくなり、例えば、海辺近くでは塩分を含んだ水(海水)が付着すると、その後、乾燥して、外フランジ部14の表面に固体の塩が膜状に形成される。そうなると、僅かの雨水であっても、袋ナット15の基端面15Hと継手本体20の段付面部20Dの間に微弱電流が流れて、電蝕が発生し易いが、これを有効防止できる。
しかも、図1〜図3に示す如く、外フランジ部14の断面形状が、外周端縁に向かってしだいに肉薄となり、かつ、全体の肉厚も薄いため、上述の塩分を含んだ水(海水)が付着することを抑制しつつ、電蝕を一層有効に防止できる。
さらに、家庭(住宅)用エアコン配管のように、フレア継手本体20に対して複数回にわたって袋ナット15を着脱作業が行われる用途(冷媒配管)にあっては、JIS規格のフレア継手本体20を使用して、Cu系合金の雄ネジ部20Aが潰れ難い利点をそのまま活用しつつ、袋ナット15とパイプPをAlに置換できる。このように、本発明の用途は広大なものといえる。
また、段付面部20Dに圧接するリップ部13を有するので、リップ部13の軟らかい弾性圧縮変形にて密封性が十分発揮でき、かつ、パッキン2全体が過大な圧縮変形せずに済み、長期使用期間後も(永久変形することなく)弾発力を維持できる。また、外フランジ部14によって、Al製袋ナット15の基端面15Hと、Cu系合金製フレア継手本体20の段付面部20Dの間の距離L14(図3,図5,図7参照)を大きくすることが可能となり、水等の電解質の付着被膜を介して通電状態となることを防止できる。これによって、電蝕を一層確実に防止できる。
3 先端面
5 先端拡径管部
6 基本径管部
7 シール材
8 円形凹溝
10 テーパ状段付部
11 嵌込凸部
12 パッキン本体部
13 リップ部
14 外フランジ部
15 袋ナット
15A 雌ネジ部
15B 第1勾配部
15C 中径部
15D シール凹溝
15E 第2勾配部
15F 先端小径部
15G 基端部
15H 基端面
16 孔部
17 袋ナット基部
18 袋ナット付設リング
20 フレア継手本体
20A 雄ネジ部
20B 先端縮径テーパ部
20D 段付面部
21 基端近傍
100 係止構造
P パイプ
L5 所定軸心寸法
L15 軸心
M 小角度回転
R2 ラジアル外方
Z 連結保持手段
Claims (2)
- 雄ネジ部(20A)と先端縮径テーパ部(20B)を有するフレア継手本体(20)と、上記雄ネジ部(20A)に螺着される雌ネジ部(15A)を有する袋ナット(15)とを、備え、
上記袋ナット(15)の基端部(15G)には、上記フレア継手本体(20)の上記雄ネジ部(20A)の基端近傍(21)に設けられた段付面部(20D)に対して弾発的に圧接して上記雄ネジ部(20A)の基端近傍(21)を外周側から被覆する円環状の絶縁パッキン(2)が、付設されていることを特徴とする管継手構造。 - 上記袋ナット(15)の基端面(15H)には円形凹溝(8)が設けられ、
かつ、上記絶縁パッキン(2)は、
上記凹溝(8)に嵌着される円環状嵌込凸部(11)と、
上記段付面部(20D)に弾発的に圧接可能な円環状リップ部(13)と、
ラジアル外方(R2 )へ延伸する円環状外フランジ部(14)とを、有し、
絶縁性を有するゴム又はプラスチックをもって、一体形成されている請求項1記載の管継手構造。
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