JP2019078017A - 海洋資源揚鉱装置および海洋資源の揚鉱方法並びに海洋資源の集鉱方法 - Google Patents
海洋資源揚鉱装置および海洋資源の揚鉱方法並びに海洋資源の集鉱方法 Download PDFInfo
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Abstract
Description
さらに、いずれのリフト方式の場合も、レアアース泥のスラリー液を船上に回収する際は、海上から海底までライザー管等の揚鉱用配管を延設する必要があり、この種の揚鉱用配管の敷設には、多大な費用と多大な作業時間を要するという問題がある。そのため、集鉱効率を向上させる上で検討すべき課題が残されている。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、集鉱効率を向上させ得る海洋資源揚鉱装置および海洋資源の揚鉱方法並びに海洋資源の集鉱方法を提供することを課題とする。
そのため、バルンや揚鉱管を用いてこの混合物を自らの比重差を利用して、海底で採掘された鉱物を容易に揚鉱させることができる。したがって、使用エネルギーの大幅な削減が可能であり、また、多大な費用と時間を要した海上から深海の海底までの揚鉱用配管の設置を不要とすることができる。
これに対し、本発明を完成する過程での研究によれば、レアアース泥中のアパタイトには、高品位にレアアースが吸着されている。そこで、このアパタイトを上記エマルションに吸着させることにより、レアアース泥から不要な脈石を除き、高品位にレアアースが吸着されているアパタイトを効率良く液液分離できるため、集鉱および揚鉱に際するエネルギー効率を向上させる上でより好適である。
なお、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記実施形態に特定するものではない。
まず、本発明に係る海洋資源揚鉱システムの第一実施形態の全体構成について説明する。
図1に示すように、第一実施形態の海洋資源揚鉱システムは、目的とする海域の海上Cに停泊される採鉱母船A及び回収船Bと、海洋資源揚鉱装置100(以下、単に「揚鉱装置」ともいう)と、ロボットアーム104a付きの無人潜水機104と、を備える。回収船Bには、吸引回収装置105が装備されている。
さらに、吸引回収装置105は、バルン本体10内に貯鉱された混合物Maを回収船Bに回収した後に、吸引カップラ55で上部カップラ12を保持しつつ回収アーム57の駆動によりバルン本体10を回収船B上に回収可能になっている。
なお、無人潜水機104の電源は、採鉱母船Aの動力供給装置46から水中ケーブル45を介して電力を供給する構成に限定されず、無人潜水機104内に内蔵したバッテリから供給してもよいし、採鉱母船Aからの水中ケーブル45とは別途の水中ケーブルにより供給してもよい。
第一実施形態の揚鉱装置100は、図1に示すように、海底Dで採掘された鉱物を集鉱する集鉱装置3と、集鉱装置3に着脱可能に設けられる複数の海洋資源揚鉱用バルン1(以下、単に「バルン」ともいう)と、集鉱装置3と一体に採掘装置として装備されるとともに複数機のダウンホールモータを併設してなる複列ダウンホールモータ2と、を備える。
以下、第一実施形態の揚鉱装置100の各装置の構成について詳しく説明する。なお、本明細書において、「解泥」とは、泥質堆積層の泥を解きほぐすことをいう。また、「泥質堆積層」とは、「非レアアース泥堆積層」および「レアアース泥堆積層」のいずれをも含む意味である。
第一実施形態の集鉱装置3は、図2に拡大図示するように、平面視が円形のベースプレート4と、ベースプレート4に基端部が固定されるとともに、下方に向けて拡径する円錐台状枠体である集鉱ホッパ5と、集鉱ホッパ5の集鉱口5mから垂下された可撓性の集鉱スカート7と、ベースプレート4の上面に基端部が接続されるとともに上方に向かって張り出すように設けられた複数の集鉱管6と、を備える。
スカート本体7aは、可撓性を有するとともに水および油が漏れないように構成された化学繊維等のシートから円筒状に形成されている。スカート本体7aの上縁部7uは、円形の集鉱口5m全周に亘って隙間なく固定されている。スカート本体7aの下縁部7sには、上記スカート縁部8が下縁部7s全周に亘って隙間なく固定されている。
なお、複数の集鉱管6相互の配置は、装着された隣り合うバルン1相互の集鉱時の拡充状態において、隣接する他のバルン1に干渉しないように配置され且つ適所にて屈曲して形成されている。なおまた、複数のバルン1に対する集鉱および揚鉱時に、隣接する他のバルン1に干渉しないように揚鉱スケジュールが設定される。
第一実施形態の海洋資源揚鉱用バルン1は、集鉱装置3とともに海上Cから海底Dに沈められて、集鉱装置3により海底Dで採掘された鉱物としてのレアアース泥Drを、レアアース泥Drと吸着結合したエマルションEmの混合物Maとして貯鉱するとともに、海上まで揚鉱するものである。
バルン本体10は、その内部に混合物Maが貯鉱されていない沈降時には、略紡錘状(同図左端の形状)をなす萎縮状態とされ、内部に混合物Maが貯鉱された浮上時には、上部に向けて拡径する円錐状(同図右端の形状)をなす拡充状態に変形可能に形成されている。
これにより、下部カップラ11とバルン本体10とが、複数の連結ワイヤ10wで相互に繋がれ、バルン本体10の下部の開口部10sが海中に開口するように構成されている。また、下部カップラ11は、上記集鉱装置3の集鉱管6に着脱可能な接続口を有しており、上述した、集鉱管6上部のカップラ6cに着脱可能に装着されるように構成されている。
また、上部カップラ12は、内部流路が閉状態のときには、バルン本体10の内部と外部との連通状態を遮断するとともに、上述した吸引カップラ55と接続可能となる。なお、吸引カップラ55と接続された状態では、上部カップラ12の内部流路が開状態となる。
第一実施形態の複列ダウンホールモータ2は、図2に示すように、上記ベースプレート4の下面中央に下方に向けて垂下された姿勢で固定される。この複列ダウンホールモータ2は、全体を支持するための採掘装置支持筐体73を有する。採掘装置支持筐体73は、上下に延びる鋼製フレームから形成された筐体構造を有し、その上端がベースプレート4の下面中央に固定され、下端側が下方に垂下された状態で保持される。
これにより、本実施形態の複列ダウンホールモータ2は、複列ダウンホールモータ全体の中心位置と同軸上に上記集鉱ホッパ5が位置し、集鉱ホッパ5下部が下方に向けて拡径して海中に開口している姿勢で、複列ダウンホールモータ2を囲うように集鉱ホッパ5および集鉱スカート7が配設される。
そして、駆動流体供給管72の上端がベースプレート4の位置で、不図示のカップラを介して駆動流体供給ホース26に接続される。なお、集鉱ホッパ5の内周面と駆動流体供給管72の外周面との間には、複数のサポートリブ5rが水平方向に張り渡されており、駆動流体供給管72の垂下姿勢が高剛性で保持されている。
特に、複数のダウンホールモータ2A〜2L相互は、隣り合うダウンホールモータとは、回転方向が逆になるように構成されており、複列ダウンホールモータ2全体として、駆動時の反力が相殺されるようになっている。なお、以下、複列ダウンホールモータ2を構成する複数のダウンホールモータ2A〜2Lのうち、任意の一のダウンホールモータについては、「符号2X」を付して説明する。
詳しくは、第1シャフト20は、基端部21と、基端部21の先端側に形成されたインナロータ部22とを一体に有して構成されている。基端部21の上面には、上述した駆動流体供給路18に連通して、基端部21の軸方向に沿って駆動流体導入路25が形成されている。基端部21の駆動流体導入路25は、基端部21とインナロータ部22との境となる位置まで延設されている。
海洋資源としてのレアアース泥Drを吸着結合したエマルションEmの混合物Maを揚鉱するには、先ず、採鉱母船A及び回収船Bを目的とする海域の海上に停泊させる。
そして、図6に示すように、複数のバルン1を集鉱装置3に装着した状態の揚鉱装置100を、海上の採鉱母船A上に配置されたウインチ29から滑車28aを介して延びるワイヤロープ28によって海底Dのレアアース泥床ODに向けて沈める(揚鉱装置沈下工程)。
集鉱管6に接続された状態では、複数のリード用浮力体13fおよび上部の浮力体14の作用により、萎縮状態のバルン本体10の上端が海中で浮遊して紡錘状の沈降姿勢が安定している。このため、無人潜水機104による下部カップラ11の開閉作業を容易に行うことができる。
そこで、本実施形態では、複列ダウンホールモータ2の掘進に際し、図8に示す、非レアアース泥堆積層NDを掘進するときには、あらかじめ入手されている非レアアース泥堆積層NDの層厚さのデータに基づき、エマルションEmに替えて海水を駆動流体として複列ダウンホールモータ2を駆動する。なお、圧送ポンプでの海水圧送からエマルション圧送への切り替えは、エマルションおよび海水を注入する駆動流体供給ホース26の容積分も考慮して、運転切り替えのタイミングが決定される。
さらに、図10に示すように、集鉱ホッパ5の下部に導かれたレアアース泥Drは、各攪拌部218の複数の攪拌翼212〜217の回転により攪拌されつつ集鉱ホッパ5の上方に移動していく。
そして、複列ダウンホールモータ2が引き続き駆動されると、集鉱ホッパ5内の混合物Ma(アパタイト吸着エマルション)は、次第に集鉱ホッパ5上部の安定室部分5sを経て集鉱管6の端部まで満たされていく。
そして、図1に示すように、切り離されたバルン本体10が海水Wと混合物Maとの比重差で海上Cまでワイヤロープ28に沿って浮上した後、洋上で待機している回収船Bの吸引回収装置105でバルン本体10内に貯鉱された混合物Maを吸引して回収する(混合物回収工程)。
本実施形態のバルン回収工程では、図13に示すように、アーム型ロボット106を搭載した補助作業船Fを用い、補助作業船Fの作業者がアーム型ロボット106を操作して、ガイド用浮力体13gの着脱構造の係合部を解除する。これにより、ガイド用浮力体13gを分割された二つの分割体とすることにより、ワイヤロープ28からリードワイヤ13を取り外して回収船B上に回収する。そして、回収船B上に回収されたバルン本体10を、他の集鉱装置3に再度装着し、図6に示した状態で海底Dに再度投入して上記一連の工程を繰り返すことにより、海上から海底までの揚鉱用配管の延設することなく、海洋資源を連続的に揚鉱することができる。
また、第一実施形態に係る海洋資源揚鉱システムによれば、混合物Maが吸引回収されたバルン本体10を回収する回収アーム57を備えるので、混合物Maが吸引回収されたバルン本体10を効率良く回収し、回収されたバルン本体10を他に用意した集鉱装置3に装着して再度利用することができる。
そのため、第一実施形態に係る海洋資源揚鉱装置100のように、アンカー等の保持手段で保持することなく、海中にて浮いた状態に維持しつつ採鉱、集鉱および揚鉱を行う集鉱装置3であっても、集鉱装置3の掘削時の姿勢がより安定するとともに、複数のダウンホールモータ2Xによる同時掘削により、採鉱効率を大幅に向上させることができる。また、集鉱装置3の掘削時の姿勢を保持するための、特段の姿勢制御装置およびプログラム等の制御手段が不要な上、そのような姿勢制御のためのエネルギーを消費するという問題もないという優れた効果を奏する。
ここで、本実施形態では、集鉱ホッパ5をレアアース鉱床OD表面と対向配置するところ、集鉱ホッパ5は、剛性が高い大型部材なので、深海での鉱床表面との対向距離の洋上での精密な管理が困難(例えば水深6000m下)である。また、鉱床表面も平坦とは限らず凹凸があるため、鉱床表面との対向距離が近い場合には、集鉱ホッパ5の衝突による破損のおそれがあり、また、鉱床表面との対向距離が遠い場合には、集鉱ホッパ5と鉱床表面との対向方向での離隔部間からエマルションEMが流出する懸念がある。
つまり、本発明は、海水よりも比重の軽い(小さい)エマルションと海底で採掘された鉱物とを含む混合物とし、この混合物をバルンに貯鉱するとともに、混合物を貯鉱した状態のバルン自身と海水との比重差で海底から海上まで当該バルンを浮上させ得るものであれば、海底で採掘された種々の鉱物を揚鉱対象とすることができる。
この場合、揚鉱装置100は、深海にレアアース泥が存在する海域で、アンビリカブルケーブルによって垂下された状態で海中に配備される。ここで、このアンビリカブルケーブルは、ダウンホールモータ2に駆動流体を供給する供給ホースとしての駆動流体供給管の他、その管路に沿って設けられた電力線および信号線が一体形成された複合ケーブルであり、設置深度等に応じて垂下に必要な強度を保てるように、鋼線や炭素繊維等を用いた複合強化構造を有して構成されることが好ましい。このような構成であれば、一のアンビリカブルケーブルにより、揚鉱装置100を垂下するとともに、ダウンホールモータ2に駆動流体を供給する他、必要な電力の供給および信号の授受が可能となる。
しかし、本発明に係る海洋資源揚鉱システムの構成はこれに限定されず、海洋資源揚鉱用バルン1および無人潜水機104を用いずに、ポンプやエアリフトを用いて揚鉱するライザー管や、エマルションによる比重差を利用した揚鉱管を用いて揚鉱してもよいし、また、回収船Bを用いずに、採鉱母船Aに揚鉱設備を装備して揚鉱してもよいし、さらに、他の支援船を用いてもよい。
以下、本発明に係る海洋資源揚鉱システムの他の構成例として、本発明の第二実施形態について説明する。なお、第二実施形態に係る海洋資源揚鉱システムは、上述した第一実施形態に係る海洋資源揚鉱システムに対し、回収船Bに替えて、採鉱母船Aに揚鉱設備を装備して揚鉱する点、並びに、無人潜水機104および海洋資源揚鉱用バルン1に替えて、エマルションEm自体による比重差を利用して揚鉱管を用いて揚鉱する点が相違する以外は、第一実施形態に係る海洋資源揚鉱システムと同様の構成を有する。そのため、以下の説明では、相違点について説明し、第一実施形態と同一または対応する構成については、同一の符号を付すとともに、詳細な説明は適宜省略する。
採鉱母船Aの船内には、吸引ホース54の基端部に接続されて吸引ホース54の洋上の位置まで揚鉱された混合物Maを吸引回収する吸引ポンプ56が設けられている。吸引ポンプ56で吸引回収された混合物Maは、採鉱母船Aに設けられた図示しない回収器に収容可能に構成されている。
ここで、同図に示すように、海底Dの表層部分の非レアアース泥層NDとなる鉱床面の口切部分では、上記第一実施形態同様に、海水を駆動流体として複列ダウンホールモータ2を駆動して掘削する。その後、図17に示すように、海底下の4〜6m程度の所定深さでは、エマルションを駆動流体として複列ダウンホールモータ2を駆動して採鉱する。
また、第二実施形態に係る海洋資源揚鉱装置100においても、集鉱ホッパ5の集鉱口から垂下されるとともに集鉱時に集鉱口と海底D表面との対向方向での離隔部を囲繞する可撓性の集鉱スカート7を有するので、集鉱ホッパ5とレアアース鉱床OD表面との間を塞ぐことができる。
さらに、この集鉱スカート7は可撓性を有するので、集鉱ホッパ5と鉱床表面との対向距離が所定範囲で変化した場合でも、その変位量に追従して容易に変形できる。よって、海上での集鉱ホッパ5の位置管理が容易となる上、集鉱スカート7で集鉱性をより向上させることができる。さらに、エマルションEmの不意の流出が防止または一層抑制されるとともに、集鉱ホッパ5の衝突による破損のおそれも防止または一層抑制される。
なお、本発明に係る採掘装置についても、上述した第一ないし第二実施形態の構成例に限らず、種々の変更、改良を行うことができる。
例えば上記実施形態では、レアアース泥床ODの泥質堆積層を解泥する採掘装置は、単位となるダウンホールモータ2Xとして、駆動流体により駆動するダウンホールモータを例に示したが、採掘装置はこれに限定されない。
但し、駆動流体として海水よりも比重の軽いエマルションを海上から供給して駆動するダウンホールモータを採用することは、レアアース泥を採掘しつつ、レアアース泥、エマルションおよび海水を混合攪拌し、高品位にレアアースが吸着されているアパタイトを吸着結合したエマルションの混合物を前記採鉱機器本体により揚鉱する上で好適である。
1 バルン(海洋資源揚鉱用バルン)
2 複列ダウンホールモータ(採掘装置)
2A〜2L ダウンホールモータ
2X いずれか一のダウンホールモータ
3 集鉱装置(採鉱機器本体)
4 ベースプレート
5 集鉱ホッパ
5m 集鉱口
6 集鉱管
7 集鉱スカート
7a スカート本体
7b 蛇腹折目
8 スカート縁部
9 下部アンカー
10 バルン本体
11 下部カップラ
12 上部カップラ
13 リードワイヤ
13f リード用浮力体
13g ガイド用浮力体
14 浮力体
15 ハウジング
16 上部ハウジング
17 下部ハウジング
18 駆動流体供給路(エマルションの導入口)
20 第1シャフト
21 基端部
22 インナロータ部
23 連結ハウジング
23a 駆動流体供給路
24 駆動流体導出口
25 駆動流体導入路
26 駆動流体供給ホース
27 ホースリール
28 ワイヤロープ
28a 滑車
29 ウインチ
30 第2シャフト
31 外筒部
32 アウタロータ部
33 ビット装着部
41 第1のブッシュ
42 第2のブッシュ
43 第3のブッシュ
44 第4のブッシュ
45 水中ケーブル
46 動力供給装置
51 第1シャフト支持部
52 第2シャフト支持部
53 第2シャフト支持部
54 混合物吸引ホース
55 吸引カップラ
56 吸引ポンプ
57 回収アーム
61 第1のシール
62 第2のシール
63 第3のシール
64 第4のシール
65 水中ケーブル
65a 滑車
66 起立ポスト
67 ケーブルリール
70 駆動機構部
71 駆動流体分岐室
72 駆動流体供給管
73 採掘装置支持筐体
81 フロントキャップ
82 支軸部キャップ
90 ビット
91 ビットノズル(噴射口)
104 無人潜水機
105 吸引回収装置
107 水中照明機
108 水中カメラ
200 攪拌軸
212〜217 攪拌翼
218 攪拌部
A 採鉱母船
B 回収船
C 海上
D 海底
CL1 第1シャフトの回転軸線
CL2 第2シャフトの回転軸線
E 偏心距離
K キャビティ
Em エマルション(駆動流体、噴射流体)
Ma 混合物(移送流体:アパタイト吸着エマルション)
Dr (解泥された)レアアース泥(海洋資源:海底で採掘された鉱物)
W 海水
OD レアアース泥床
ND 非レアアース泥堆積層
Claims (9)
- 海底で採掘された鉱物を集鉱する集鉱装置と、該集鉱装置に着脱可能に設けられる海洋資源揚鉱用バルンと、を備え、
前記集鉱装置は、海上の母船上のウインチで昇降可能に垂下手段にて吊り下げられるとともに海中で前記鉱物がエマルションに混合された混合物を自身下部に設けられた集鉱口から集鉱する集鉱ホッパと、前記海洋資源揚鉱用バルンのバルン本体を前記集鉱ホッパに着脱可能に支持する集鉱管と、前記集鉱ホッパ内に前記集鉱口から自身の掘削部が突出するように設けられるとともに海上から供給ホースを介して供給されて海水よりも比重の軽いエマルションを駆動流体として駆動する採掘装置と、前記集鉱ホッパの集鉱口から垂下されるとともに集鉱時に該集鉱口と海底表面との対向方向での離隔部を囲繞する可撓性の集鉱スカートと、を有し、
前記海洋資源揚鉱用バルンは、前記集鉱装置で集鉱した前記混合物を自身内部に貯鉱するとともに、前記混合物を貯鉱した状態での自身と海水との比重差で浮上するように構成されていることを特徴とする海洋資源揚鉱装置。 - 前記海洋資源揚鉱用バルンは、前記バルン本体の下部に設けられて前記集鉱管に着脱可能に接続されるカップラと、前記バルン本体と前記垂下手段とを繋ぐとともに当該バルン本体の浮上時に前記垂下手段に沿って当該バルン本体を案内するリードワイヤと、を有する請求項1に記載の海洋資源揚鉱装置。
- 前記集鉱ホッパには、前記集鉱管が複数接続されており、各集鉱管それぞれに、前記バルン本体が前記カップラを介して着脱可能に接続される請求項2に記載の海洋資源揚鉱装置。
- 海底で採掘された鉱物がエマルションに混合された混合物を自身下部に設けられた集鉱口から集鉱する集鉱ホッパと、該集鉱ホッパ内に前記集鉱口から自身の掘削部が突出するように設けられた採掘装置と、前記集鉱ホッパおよび前記採掘装置を海上の母船上のウインチで昇降可能に海底に吊り下げる垂下手段と、前記採掘装置にその駆動流体として海水よりも比重の軽いエマルションを海上から供給する駆動流体供給管と、前記採掘装置で採掘されるとともに前記集鉱ホッパ内に集鉱されて前記鉱物を吸着した前記エマルションの混合物を揚鉱する混合物揚鉱管と、前記集鉱ホッパの集鉱口から垂下されるとともに集鉱時に該集鉱口と海底表面との対向方向での離隔部を囲繞する可撓性の集鉱スカートと、を備えることを特徴とする海洋資源揚鉱装置。
- 前記採掘装置は、前記集鉱ホッパ内に、互いの軸線を並行にして支持された偶数基のダウンホールモータを有し、
前記偶数基のダウンホールモータは、隣り合うダウンホールモータ相互のビットの回転方向が、互いに逆方向に設定されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の海洋資源揚鉱装置。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の海洋資源揚鉱装置を用い、
海上の母船の移動操作および母船上でのウインチの昇降操作の繰り返しにより、前記海洋資源揚鉱装置を海底で繰り返して移動および昇降させて前記採掘装置によりレアアース泥を採掘することを特徴とする海洋資源の揚鉱方法。 - 集鉱ホッパおよびこの集鉱ホッパの下部に開口する集鉱口を囲繞する可撓性の集鉱スカートを有する集鉱装置と、該集鉱装置内に装備されて海水よりも比重の軽いエマルションを駆動流体として駆動する採掘装置と、を備える装置を用い、
前記集鉱ホッパの前記集鉱口を海中のレアアース泥床の上方に対向配置するとともに、前記集鉱スカートにより前記レアアース泥床表面と前記集鉱口との対向方向での離隔部を囲繞した状態で前記採掘装置を駆動して、前記集鉱装置内での前記エマルションによる液液分離によりレアアース泥を集鉱することを特徴とする海洋資源の集鉱方法。 - 前記集鉱装置は、海上の母船上でのウインチの昇降操作により垂下手段を介して昇降可能に海底に吊り下げられ、前記採掘装置の給進動作は、前記集鉱装置の昇降動作によるものであり、
前記集鉱装置は、前記採掘装置の掘削開始時は、前記集鉱スカートが伸長状態となる離隔高さに吊り下げられ、
前記採掘装置の掘進時は、前記ウインチによる前記垂下手段の繰り出し操作により前記集鉱装置が降下して、前記集鉱スカートを折り畳みつつ前記採掘装置の掘削を進行させる請求項7に記載の海洋資源の集鉱方法。 - 前記レアアース泥床は、表層部に形成されてレアアース泥の含有量が相対的に少ない非レアアース泥堆積層と、該非レアアース泥堆積層よりも深い位置に形成されてレアアース泥の含有量が相対的に多いレアアース泥堆積層と、を有するものであり、
前記採掘装置の掘進は、前記非レアアース泥堆積層を掘進するときには、前記エマルションに替えて海水を駆動流体として前記採掘装置を駆動し、前記レアアース泥堆積層を掘進するときには、前記エマルションを駆動流体として前記採掘装置を駆動する請求項8に記載の海洋資源の集鉱方法。
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