JP6810937B2 - 海洋資源揚鉱装置およびこれを用いた海洋資源の揚鉱方法 - Google Patents

海洋資源揚鉱装置およびこれを用いた海洋資源の揚鉱方法 Download PDF

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Description

本発明は、海洋資源を揚鉱するための装置および方法に係り、特に、海洋に存在するレアアース泥等の海洋資源の揚鉱用に好適な装置並びにこれを用いた海洋資源の揚鉱方法に関する。
2012年、南鳥島の排他的経済水域の深海で極めて高濃度なレアアースを含む泥(以下、「レアアース泥」という)が発見された。ここで、海底石油の人工採油技術や深海のレアアース泥の回収技術としては、高揚程多段スラリーポンプを複数ヵ所で直列に連結して回収するポンプリフト方式や、船上の空気圧縮機から各水深層数か所に高圧空気を注入するエアリフト方式が考えられている。ポンプリフト方式としては、例えば、特許文献1(ターボ形)や特許文献2(斜流形インペラ)が開示されている。
特許第5490582号公報 特開昭51−72902号公報
しかし、従来のポンプリフト方式は、装置の構造が複雑であり、軽量化が困難なことから、安定した運転を確保する上で課題が多く、水中機器の信頼性、特に、高圧水深下での水中モータの軸シールの耐久性と信頼性に問題がある。また、深海からのレアアース泥の揚泥には、水深分の揚程を圧送するための多大なエネルギーが必要となる。
一方、エアリフト方式は、水中機器が極めて少ないことから、ポンプリフト方式に比べて信頼性および耐久性に優れるものの、エネルギー効率が悪く、ポンプリフト方式以上のさらに多大なエネルギーを要するという問題がある。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、エネルギー効率を向上させ得る海洋資源揚鉱装置およびこれを用いた海洋資源の揚鉱方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る海洋資源揚鉱装置は、海上の海洋資源回収船から海底まで海水が満たされた状態で延設される揚鉱管部と該揚鉱管部の下端に開口するとともに下方に向けて拡径する回収ホッパとを有するライザー管と、駆動流体として海水よりも比重が軽いエマルションを注入可能に前記ライザー管内に設けられた駆動流体注入管と、該駆動流体注入管の下部に配置されて前記駆動流体で駆動される流体モータ機構を有するとともに前記駆動流体を噴射するノズルが形成されたビットが自身回転部の先端に装着されるダウンホールモータと、該ダウンホールモータの外周面であって前記ビット上部の位置に前記回転部と一体で回転するように設けられた攪拌翼と、を備えることを特徴とする。
本発明の一態様に係る海洋資源揚鉱装置によれば、ライザー管と駆動流体注入管とにより、二重管構造が構成され、駆動流体注入管から駆動流体としてエマルションを供給してダウンホールモータを駆動するとともに、ビット先端のノズルからエマルションを噴射して海底鉱床の泥質堆積層のレアアース泥を解泥できる。そして、ライザー管の回収ホッパに、ダウンホールモータのビット側で解泥されたレアアース泥を供給可能であり、さらに、回収ホッパ内には、回転部と一体で回転する攪拌翼が配置されているので、エマルションとレアアース泥とを回収ホッパ内で混合することができる。
なお、本明細書において、「解泥」とは、海底鉱床の泥質堆積層に対するビットの掘削力と噴射流体の流体力とによって泥質堆積層のレアアース泥を解きほぐすことをいう。また、「泥質堆積層」とは、「非レアアース泥堆積層」および「レアアース泥堆積層」のいずれをも含む意味である。
そして、駆動流体として供給されるエマルションは、海水よりも比重が軽く、また、このエマルションとレアアース泥とが結合された混合物も海水よりも比重が軽いものにすることができる。そのため、本発明の第一の態様に係る海洋資源揚鉱装置によれば、エマルションにレアアース泥を吸着させた混合物を海中で自ら浮上させ、ライザー管から回収することができる。よって、上記特許文献1ないし2に記載の技術と比べて、エネルギー効率を向上させることができる。
ここで、レアアース泥に含まれるレアアースの品位はppmオーダーである。そのため、揚鉱前に海底で選鉱を行い、不要な脈石を予め取り除くことができれば、揚泥にかかるコストを大幅に減らす上でより好ましい。
これに対し、本発明に係るエマルションとして、油(例えばケロシン)に界面活性剤(例えば、ドデシルスルホン酸ナトリウム)を混ぜたエマルションを用いることは好ましい。このようなエマルションを用いれば、比重が0.8から0.85になる。そのため、海水よりも軽いので、上記混合物を自ら浮上させるためのエマルションとして好適である。
特に、本発明を完成する過程での研究によれば、レアアース泥中のアパタイトには、高品位にレアアースが吸着されている。そこで、上記エマルションにアパタイトを吸着させることにより、レアアース泥から不要な脈石を除き、高品位にレアアースが吸着されているアパタイトを効率良く液液分離できる。そのため、エネルギー効率を向上させる上でより好適である。
ここで、本発明の一態様に係る海洋資源揚鉱装置において、前記ライザー管内部には、前記駆動流体注入管として、海水注入管およびエマルション注入管が並列に配置されていることは好ましい。このような構成であれば、非レアアース泥堆積層の下部に分布するレアアース泥堆積層からレアアースを選鉱回収する揚鉱装置の構成として好適である。
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る海洋資源の揚鉱方法は、海上の海洋資源回収船から海底まで延設されたライザー管および駆動流体注入管と、前記駆動流体注入管の下部に配置されるとともに駆動流体により回転部が回転駆動される流体モータ機構を有するとともに前記回転部先端に装着されるビットのノズルから前記駆動流体を噴射可能に構成され且つ該ビットの上部に前記回転部と一体に設けられた攪拌翼を有するダウンホールモータと、を用いて海洋資源を揚鉱する方法であって、前記海洋資源の揚鉱工程は、前記駆動流体注入管の内部に前記海洋資源回収船から海水よりも比重が軽いエマルションを圧送供給する圧送供給工程と、前記ビットの回転と前記ビットのノズルから噴射されるエマルションの流体力とによってレアアース泥を解泥する解泥工程と、解泥されたレアアース泥と前記噴射されたエマルションとを前記攪拌翼で攪拌してビット上部に浮上させつつ相互を混合して前記レアアース泥を前記エマルションに吸着結合させて海水よりも比重が軽い混合物にする攪拌混合工程と、前記ライザー管の下部に設けられた回収ホッパから当該ライザー管の内部に前記混合物を導入する混合物導入工程と、前記混合物をその海水との比重差を利用して前記ライザー管を介して船上まで浮上回収する浮上回収工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の一態様に係る海洋資源の揚鉱方法によれば、ビットの回転とビットのノズルから噴射されるエマルションの流体力とによってレアアース泥を解泥できる。さらに、解泥されたレアアース泥と噴射されたエマルションとを攪拌翼で攪拌してビット上部に浮上させつつ、相互を混合してレアアース泥をエマルションに吸着結合させて海水よりも比重が軽い混合物にすることができる。
そして、駆動流体として供給されるエマルションは、海水よりも比重が軽く、また、このエマルションとレアアース泥とが結合された混合物も海水よりも比重を軽くすることができる。そのため、ライザー管の下部に設けられた回収ホッパから当該ライザー管の内部に、エマルションにレアアース泥を吸着させた混合物を導入し、その混合物を海中で自ら浮上させてライザー管から回収できる。よって、上記特許文献1ないし2に記載の技術と比べて、エネルギー効率を向上させることができる。
ここで、本発明の一態様に係る海洋資源の揚鉱方法において、本発明の一態様に係る海洋資源揚鉱装置として、前記ライザー管内部に、前記駆動流体注入管として、海水注入管およびエマルション注入管が並列に配置されている海洋資源揚鉱装置を用い、レアアース泥の上に堆積している非レアアース泥堆積層を掘削する際は、前記海洋資源の揚鉱工程の前に、海水圧送ポンプの運転により海水注入管を通して高圧の海水を駆動流体として前記ダウンホールモータに注入することでビットを回転させて非レアアース泥堆積層を掘削して非レアアース泥を除去する非レアアース泥除去工程を含み、前記海洋資源の揚鉱工程は、レアアース泥堆積層に到達後に当該レアアース泥堆積層を掘削する工程であり、前記海水圧送ポンプの運転を停止するとともにエマルション圧送ポンプを起動させ、エマルション注入管を通して高圧のエマルションを駆動流体として注入することは好ましい。このような揚鉱方法であれば、非レアアース泥堆積層の下部に分布するレアアース泥からレアアースを選鉱回収する方法として好適である。
上述のように、本発明によれば、エマルションにレアアース泥を吸着させた混合物を自ら浮上させてライザー管から回収できる。よって、高いエネルギー効率でレアアース泥等の海洋資源を揚鉱できる。
本発明の一態様に係る海洋資源揚鉱装置の第一実施形態の全体構成を説明する模式図である。 第一実施形態の海洋資源揚鉱装置の要部構成を説明する図であり、同図では軸線に沿った断面を示している。 第一実施形態の海洋資源揚鉱装置による揚鉱方法の説明図である。 第一実施形態の海洋資源揚鉱装置による揚鉱方法の説明図である。 第二実施形態の海洋資源揚鉱装置の要部構成を説明する図であり、同図では軸線に沿った断面を示している。 第二実施形態の海洋資源揚鉱装置による揚鉱方法の説明図である。 第二実施形態の海洋資源揚鉱装置による揚鉱方法の説明図である。 第三実施形態の海洋資源揚鉱装置の要部構成を説明する図であり、同図では軸線に沿った断面を示している。 第三実施形態の海洋資源揚鉱装置による揚鉱方法の説明図である。 第三実施形態の海洋資源揚鉱装置による揚鉱方法の説明図である。 第三実施形態の海洋資源揚鉱装置による揚鉱方法の説明図である。 第三実施形態の海洋資源揚鉱装置による揚鉱方法の説明図である。 第四実施形態の海洋資源揚鉱装置の要部構成を説明する図であり、同図では軸線に沿った断面を示している。 第四実施形態の海洋資源揚鉱装置による揚鉱方法の説明図である。 第四実施形態の海洋資源揚鉱装置による揚鉱方法の説明図である。 第四実施形態の海洋資源揚鉱装置による揚鉱方法の説明図である。 第四実施形態の海洋資源揚鉱装置による揚鉱方法の説明図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。各実施形態は、深海に存在するレアアース泥等の海洋資源の揚鉱技術として、従来のポンプリフト方式やエアリフト方式に替わる、海洋資源揚鉱装置およびこれを用いたに海洋資源の揚鉱方法の例である。
なお、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。また、以下に示す各実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
[第一実施形態]
まず、本発明に係る海洋資源揚鉱装置の第一実施形態について図1〜図4を適宜参照しつつ説明する。
図1に示すように、第一実施形態の海洋資源揚鉱装置100Aは、長尺な中空円筒状のライザー管101と、ライザー管101内に略同軸に支持された長尺な中空円筒状の駆動流体導入管23とを備える。この海洋資源揚鉱装置100Aは、ライザー管101の軸線を上下方向として海中に配備され、海上に停泊する海洋資源回収船1まで海水が満たされた状態で延設される。
図2に要部を拡大図示するように、本実施形態のライザー管101は、下端部が、下方に向けて拡径する回収ホッパ103とされている。回収ホッパ103は下方が開口しており、この開口部分が、後述するレアアース泥Drの吸込口になっている。回収ホッパ103の上部は揚鉱管部102に連通している。揚鉱管部102は、長尺な中空円筒状の管路であり、複数の管路が略同軸に連接されて構成されている。図1に示したように、揚鉱管部102は、その上端部が、海上に停泊する海洋資源回収船1の揚鉱設備に接続され、後述する混合物Maを海上まで揚鉱する混合物回収部を構成する。
図2に示すように、回収ホッパ103内には、駆動流体導入管23の先端に、掘削用のビット90が装着されたダウンホールモータ2が略同軸に配置される。ビット90は、回収ホッパ103の下端からハウジング10の途中部分まで張り出す位置に設けられている。ダウンホールモータ2は、中空円筒状のハウジング10を備える。本実施形態では、駆動流体導入管23の先端部分は、ダウンホールモータ2のハウジング10の上部を構成している。そのため、以下、駆動流体導入管23の先端部分を「上部ハウジング11」と呼称する。
ダウンホールモータ2は、その先端側が回収ホッパ103の下部開口に臨むように、自身基端部が上部ハウジング11先端(つまり、駆動流体導入管23の先端部分)に接続されている。ビット90の位置は、回収ホッパ103の下端から張り出している。これにより、ダウンホールモータ2は、上部ハウジング11の駆動流体供給路13に高圧の駆動流体Mが供給されると、ビット90でレアアース泥床ODを掘削しつつ、レアアース泥床ODから掘削したレアアース泥Drを海水Wとともに回収ホッパ103内に導くようになっている。
詳しくは、本実施形態のハウジング10は、上部ハウジング11と、上部ハウジング11の下端に同軸に装着された中空円筒状の下部ハウジング12とを有する。ダウンホールモータ2は、使用時には、ハウジング10の軸線を上下方向として海中に配備される。ハウジング10は、内部が軸方向に沿って貫通しており、上端部および下端部にそれぞれ開口を有している。ハウジング10の上部開口に連通する駆動流体流路が、駆動流体Mをダウンホールモータ2に導入する駆動流体供給路13になっている。
本実施形態では、駆動流体Mとして高圧のエマルションEmが駆動流体供給路13に導入される。駆動流体供給路13が内部に形成された駆動流体導入管23は、その上端部が、不図示のエマルジョン供給ポンプを介して海洋資源回収船1のエマルション供給槽に接続され、エマルション供給部を構成している。
上部ハウジング11の下端には、インロー凸部11tが設けられ、下部ハウジング12の上端には、インロー凹部12dが設けられている。インロー凸部11tとインロー凹部12dとは、インロー嵌合され、その状態で相互が連結されている。そして、上部ハウジング11には、第一シャフト20が回転自在に支持され、下部ハウジング12には、第二シャフト30が回転自在に支持されている。
上部ハウジング11は、軸方向での下部の位置に、第一シャフト支持部51が設けられている。第一シャフト支持部51は、複数の軸受51jと、複数の軸受51jを上下の軸方向から自身の鍔部で挟持するようにそれぞれ装着される第一のブシュ41および第二のブシュ42と、第一のブシュ41の内周面と第一シャフト20の基端部21の外周面との間に介装された第一のシール61と、第二のブシュ42の内周面と第一シャフト20の基端部21の外周面との間に介装された第二のシール62と、下部開口に装着される円環状の支軸部キャップ82と、を有する。
第一シャフト支持部51は、上記インロー嵌合による連結時に、上部ハウジング11内の凹の段部に装着された複数の軸受51jおよびその両側の二つのブシュ41、42が、上部ハウジング11の下部開口部に装着された支軸部キャップ82によって軸方向に挟圧されることにより、装着状態が保持される。
その装着状態において、第一シャフト支持部51は、上部ハウジング11の軸線に対して所定の偏心距離Eだけ偏心した位置に第一シャフト20の基端部21を支持するように複数の軸受51jが軸線方向に沿って配置され、複数の軸受51jを介して第一シャフト20の基端部21を回転自在に支持する。第一シャフト支持部51の複数の軸受51jの両側は、第一のシール61および第二のシール62により、第一シャフト20の基端部21の外周面と上部ハウジング11の内周面との間がシールされる。
下部ハウジング12には、軸方向の上下に離隔して、二つの第二シャフト支持部52、53が設けられている。上部側を支持する第二シャフト支持部52は、複数の軸受52jと、複数の軸受52jを軸方向の上方から自身鍔部で挟持するように装着される第三のブシュ43と、第三のブシュ44の内周面と第二シャフト30の外周面との間に介装された第三のシール63と、を有して構成されている。
また、下部側を支持する第二シャフト支持部53は、複数の軸受53jと、複数の軸受53jを軸方向の下方から自身鍔部で挟持するように装着される第四のブシュ44と、第四のブシュ44の内周面と第二シャフト30の外周面との間に介装された第四のシール64と、円環状のフロントキャップ81と、を有して構成されている。
第二シャフト30の外周面には、軸方向の中央部に、凸の段部31mが形成されており、上下の軸受52j、53jの凸の段部31m側の側面が、凸の段部31mの側面に当接するように装着されるとともに、下部ハウジング12の下部開口部に装着されたフロントキャップ81の装着によって軸方向に挟圧されることにより、装着状態が保持される。なお、フロントキャップ81は、図示しない複数の埋め込みボルトにより下方から固定される。
その装着状態において、上下の第二シャフト支持部52、53は、下部ハウジング12の軸線に対して同軸となる位置に第二シャフト30の外周面を支持するように、複数の軸受52j、53jが軸線方向に沿って配置され、複数の軸受52j、53jを介して第二シャフト30の外周面を回転自在に支持する。
また、第二シャフト支持部52、53の複数の軸受52j、53jの上下の側は、第三のシール63および第四のシール64により、第二シャフト30の外周面と下部ハウジング12の内周面との間がシールされる。なお、本実施形態では、各シャフト20、30を支持する複数の軸受51j、52j、53jに、スラスト荷重およびラジアル荷重を受ける深溝玉軸受を使用しているが、これに限定されず、種々の軸受を用いることができる。
ここで、本実施形態のダウンホールモータ2は、上述した下部ハウジング12内に、流体モータ機構を構成する駆動機構部70が設けられている。
詳しくは、第一シャフト20は、上記基端部21と、基端部21の先端側に形成されたインナロータ部22とを一体に有して構成されている。基端部21の上面には、上述した駆動流体供給路13に連通して、基端部21の軸方向に沿って駆動流体導入路25が形成されている。基端部21の駆動流体導入路25は、基端部21とインナロータ部22との境となる位置まで延設されている。
そして、基端部21とインナロータ部22との境となる位置には、複数の駆動流体導出口24が、駆動流体導入路25の先端部と下部ハウジング12の内部とを連通するように径方向に形成されている。つまり、第一シャフト20には、駆動流体供給路13側から順に連通形成された、第一の駆動流体導入路23、第二の駆動流体導入路25および駆動流体導出口24によって、自身基端側の第一の駆動流体導入路23から導入された駆動流体Mを自身先端側の駆動流体導出口24から吐出可能な駆動流体流路が設けられている。
さらに、インナロータ部22は、第一シャフト20の基端部21の先端から軸方向に沿って同軸に下方に向けて垂下された状態で延設され、その延設された部分に、雄ねじ状の外周面を有している。一方、第二シャフト30は、金属製で中空円筒状をなす外筒31と、外筒31内に配置されたゴム製のアウタロータ部32とを一体にして構成され、アウタロータ部32は、雌ねじ状の内周面を有している。
本実施形態の駆動機構部70は、内周面に(N+1)条雌ねじを有するアウタロータ部32と、外周面にN条雄ねじを有するインナロータ部22とを備える。そして、アウタロータ部32の回転軸線CL2に対し、インナロータ部22の回転軸線CL1は、相互の軸心が所定の偏心距離Eだけ離れた平行な2軸となるように配置され、インナロータ部22とともにアウタロータ部32が、N/(N+1)の回転角度で連れ回り駆動可能に構成されている。但し、Nは1以上の自然数である。
本実施形態の例では、駆動機構部70は、インナロータ部22の螺旋部22rが、左巻き2条雄ねじになっており、アウタロータ部32の螺旋部32rの形状が、120度間隔の頂点を有する横断面が3角リング形状の左巻き3条雌ねじになっている。そしてインナロータ部22外周面の螺旋部22rがアウタロータ部32の螺旋部32rに内装され、相互の隙間には、駆動に応じて独立した密閉空間とされるキャビティKが軸方向の複数個所に画成されている。
第二シャフト30の先端には、掘削用のビット90が装着される。本実施形態では、第二シャフト30の外筒部31の先端は、フロントキャップ81よりも下部ハウジング12の下方に張り出してビット装着部33とされている。ビット装着部33の外周面には、ビット90を接続可能な雄ねじが形成され、ビット90は、自身基端部が第二シャフト42先端のビット装着部33に接続される。なお、ビット90の下面には、駆動流体Mを吐出するノズル91が、中央部から放射状に複数に分岐して開口しており、複数のキャビティKを経た高圧の駆動流体Mをノズル91から噴射可能になっている。
これにより、このダウンホールモータ2は、インナロータ部22とアウタロータ部32とが、インナロータ部22の回転軸線CL1とアウタロータ部32の回転軸線CL2とを並列に且つ所定の偏心距離Eだけ離してそれぞれ回転自在に支承される。そして、このダウンホールモータ2を駆動するときは、インナロータ部22と一体の第一シャフト22内部に連通形成された駆動流体流路を介して駆動機構部70の上部の位置31uに駆動流体Mを導入し、インナロータ部22とアウタロータ部32とで画成されるキャビティKに高圧の駆動流体Mを流し込む。
これにより、このダウンホールモータ2は、ねじポンプの原理(逆作動)でインナロータ部22とアウタロータ部32とが所定比率で回転され、アウタロータ部32と一体の第二シャフト30を駆動軸として回転駆動し、その外筒部31を延設してなるビット装着部33に装着されたビット90を回転しつつ、ビット90の回転による掘削力と、ビット90のノズル91から噴射されるエマルションEmの流体力とによってレアアース泥床ODの泥質堆積層を解泥可能になっている。
さらに、ダウンホールモータ2の外周には、複数の攪拌翼212、213を有する攪拌部216が設けられている。本実施形態の攪拌部216は、ビット90の基端部と一体に形成された中空円筒状の攪拌軸200を有する。攪拌軸200は、下部ハウジング12の外周面を囲繞するように下部ハウジング12と同軸に配置される。攪拌軸200は、下部ハウジング12との間に軸受201が介装され、下部ハウジング12と干渉することなく、回転部である第二シャフト30と一体で回転するように構成されている。
本実施形態の攪拌部216は、複数の攪拌翼として、二枚の攪拌翼212、213を有する。二枚の攪拌翼212、213は、各攪拌翼の中心部が、それぞれ攪拌軸200と一体に設けられ、相互が軸方向上下に離隔配置されている。各攪拌翼212、213は、攪拌軸200の中心から径方向に放射状に延びる複数の羽根を有する。
攪拌部216は、所定方向に回転駆動されると、上方に配置された第一攪拌翼212は下降流を形成し、下方に配置された第二攪拌翼213は上昇流を形成するようになっている。これにより、ダウンホールモータ2が駆動されると、第二シャフト30の回転とともに、二枚の攪拌翼212、213をも同時に回転し、所期の攪拌動作が行えるようになっている。
次に、第一実施形態の海洋資源揚鉱装置100Aの動作並びにこれを用いた海洋資源の揚鉱方法について説明する。なお、第一実施形態の揚鉱方法は、図3に示すように、泥質堆積層として、レアアース泥Drを多く含有するレアアース泥堆積層Dが海底に直接露出しているレアアース泥床ODからレアアース泥Drを選鉱回収する例である。
レアアース泥Drを選鉱回収する際は、まず、海洋資源回収船1を目的とする海域の海上に停泊し、次いで、上述の海洋資源揚鉱装置100Aを海中に降ろし、海中のレアアース泥床ODの所期の位置に配置する。ライザー管101、駆動流体導入管23およびダウンホールモータ2の各配管内には、海底に配備される当初は海水Wが満たされる。
所期の位置において、図3に示すように、ライザー管101の回収ホッパ103をレアアース泥床ODに対向させる。ダウンホールモータ2は、ビット90が回収ホッパ103の下端から張り出しているので、ビット90をレアアース泥床ODに押し当てる位置に配備する。
本実施形態では、駆動流体導入管23の基端部は、駆動流体導入部として海洋資源回収船1に装備された、不図示のエマルジョン供給ポンプを介してエマルジョン供給槽に接続される。ライザー管101の上端部は、海洋資源回収船1に装備された揚鉱設備に接続される。そして、海洋資源回収船1から、海洋資源揚鉱装置100Aに対し、駆動流体導入管23から駆動流体Mとして高圧のエマルションEmを導入する。
本実施形態では、駆動流体Mとして、油としてケロシンを用いるとともに界面活性剤としてドデシルスルホン酸ナトリウムを用いてエマルションEmを作り、このエマルションEmを駆動流体導入管23からダウンホールモータ2に駆動流体Mとして供給する。
上記のように配置された海洋資源揚鉱装置100Aにおいて、作業時には、ダウンホールモータ2には、高圧の駆動流体Mが駆動流体供給路13から導入され、第一シャフト20の駆動流体導入路25を介して駆動流体導出口24から導出されて駆動機構部70の上部の位置31uに供給される(図2の符号M1)。
さらに、高圧の駆動流体Mは、インナロータ部22とアウタロータ部32との対向空間に画成された複数のキャビティKに順次に導入される。これにより、駆動機構部70は、キャビティKに作用する駆動流体Mの導入圧により、インナロータ部22とアウタロータ部32とが所定比率で連れ回りを開始する。
つまり、駆動機構部70において、駆動流体Mの導入圧が第二シャフト30の回転駆動力に変換される。駆動機構部70で第二シャフト30が回転駆動すると、第二シャフト30の先端に設けられたビット90が共に回転する。駆動流体供給路13から導入された駆動流体Mは、駆動機構部70の下部の位置31sを経て(図2の符号M2)、ビット90先端のノズル91から装置外に噴射される(図2の符号M3)。
これにより、この海洋資源揚鉱装置100Aは、図3に示すように、ビット90の回転による掘削力と、ビット90のノズル91から噴射されるエマルションEmの流体力とによってレアアース泥床ODのレアアース泥Drを解泥できる。そして、この海洋資源揚鉱装置100Aでは、ビット90が回転駆動されると、ビット90の上部の位置にビット90と一体に設けられた複数の攪拌翼212、213が共に回転する。
これにより、ビット90および複数の攪拌翼212、213の回転による流れに導かれ、解泥されたレアアース泥Drおよびその周囲の海水WがエマルションEmとともに回収ホッパ103内に送り込まれる。さらに、回収ホッパ103下部の第二攪拌翼213が上昇流を形成しているので、回収ホッパ103の下部に導かれたレアアース泥Drは、攪拌されつつ回収ホッパ103の上方に移動していく。一方、回収ホッパ103上部の第一攪拌翼212が下降流を形成しているので、回収ホッパ103上部のエマルションEmは、攪拌されつつ回収ホッパ103の下方に移動していく。
回収ホッパ103内に導入されたレアアース泥DrとエマルションEmは、回収ホッパ103内で相互に混合される。そして、レアアース泥DrがエマルションEmに接触することにより、レアアース元素が濃集したアパタイトがエマルションEmに吸着される。これにより、海中で液液分離された混合物Maとしてアパタイト吸着エマルションが生成される。
海洋資源揚鉱装置100Aが引き続き駆動されると、回収ホッパ103内の混合物Ma(アパタイト吸着エマルション)は、次第に回収ホッパ103上部の揚鉱管部102の端部まで満たされていく。回収ホッパ103から揚鉱管部102の上部に行くほど、第一攪拌翼212による下降流の力が弱くなる。そのため、上部の揚鉱管部102にて回収ホッパ103から一定の距離を超えて移動した混合物Maは、海水Wとの比重差によって自ら浮上を開始する。
なお、レアアース泥Dr中のアパタイトを吸着したエマルションEmは、海水W中でエマルション油滴が合体し、揚鉱管部102において油滴径が大きくなるところ、海水Wとの比重差により、油滴径が1mmになれば海底下6000mから海上まで約13.6時間で自然に浮上し、油滴径が5mmになれば33分で浮上し、油滴径が10mmになれば8分で浮上し、海水との液比重差により自然に海上まで上昇させ混合物Maを船上に浮上回収することができる。
そして、ライザー管101の上部は、揚鉱管部102を介して船上まで延設されているため、本実施形態の海洋資源揚鉱装置100Aによれば、浮上を開始した混合物Maを、ライザー管101の揚鉱管部102から回収設備に回収して、洋上の海洋資源回収船1に移送することができる。
以降、ビット90の張り出し長さに応じた所定の掘削深度まで掘削後、図4に示すように、水平方向へのフィード動作Uにより、所定の掘削深度での採鉱を継続できる。本実施形態では、海上の海洋資源回収船1を所定速度で移動させることで、図4に示すようにライザー管101と共にダウンホールモータ2を一体で水平方向に平行移動させながらレアアース泥床ODからレアアース泥Drを連続的に採鉱することができる。
なお、本実施形態では、掘削・解泥に伴う海洋資源揚鉱装置100Aの軸方向および水平方向へのライザー管101のフィードは、海洋資源回収船1から行うが、これに限定されず、例えば、海中作業機のブームの起伏作動によって海洋資源揚鉱装置100Aのフィードを行ったり、ライザー管101に対してダウンホールモータ2を軸方向にフィード可能なスライドガイド装置を有する送り機構等を用いたりするなど、軸方向または水平方向への機器のフィード動作は、種々のフィード手法を採用できる。
次に、第一実施形態の海洋資源揚鉱装置10およびこれを用いた海洋資源の揚鉱方法の作用効果について説明する。
上述したように、第一実施形態の海洋資源揚鉱装置10によれば、海底設備としては、ライザー管101の回収ホッパ内部に一台のダウンホールモータ2を設けるだけで、流体モータ機構を有する駆動機構部70の駆動により、ビット90の回転による掘削力とエマルションEmの噴射による流体力とでレアアース泥Drを解泥しつつ、ビット90上方の攪拌部216でレアアース泥Drと海水W及びエマルションEmを混合し、アパタイト吸着エマルションを混合物Maとして生成することができる。そして、順次に生成された混合物Maを回収ホッパ103から揚鉱管部102へと移動させて混合物Maを安定させつつ、海水Wとの比重差によって自ら浮上させ、海底から船上まで延設したライザー管101にて混合物Maを揚泥することができる。
そのため、従来のポンプリフト方式では、深海からの揚泥には水深分の揚程を圧送する多大なエネルギーが必要となり、また、エアリフト方式では、エネルギー効率が悪く、ポンプリフト方式以上のさらなる多大なエネルギーが必要となるところ、第一実施形態の海洋資源揚鉱装置100Aによれば、安定した運転性能を確保するとともに、揚鉱に要するエネルギーを大幅に削減可能なので、エネルギー効率を向上させることができる。
また、特許文献1に記載されるようなターボ形のポンプの場合、機器はかなり複雑な形状のため、深海(例えば水深6000m)の高圧下では、局部的形状や各部の肉厚に強度的に十分な考慮が必要となる。これに対し、本実施形態の海洋資源揚鉱装置100Aであれば、ライザー管101およびダウンホールモータ2が円筒形状のシンプルな形状のため、深海の高圧下での強度的対応に優位な形状である。よって、安定した運転性能を確保する上で好適である。
さらに、特許文献1に記載されるようなターボ形のポンプの場合、機器はかなり大型かつ複雑な形状のため、複数のポンプの、各号機相互の接続に大きな横幅を必要とする。これに対し、本実施形態の海洋資源揚鉱装置100Aであれば、ライザー管101およびダウンホールモータ2が円筒形状のため、シンプルな配管接続が可能である。
そして、第一実施形態のダウンホールモータ2によれば、従来のダウンホールモータのような、高圧の駆動流体で作り出されたロータの回転力を、ユニバーサルジョイントを介してシャフトに伝達していた構成と比べて、アウタロータ部32の回転駆動にユニバーサルジョイントが不要なので、駆動機構部70の全長を短くしてコンパクトに構成できる。
また、第一実施形態のダウンホールモータ2によれば、アウタロータ部32の回転駆動にユニバーサルジョイントが不要なので、ユニバーサルジョイントやその連結用ロッドも不要なことから、これらの強度に依存するという問題も解消される。
また、インナロータ部22の回転よりも減速されたアウタロータ部32の回転力をビット90に直接伝達できる。そのため、第一シャフト20のトルクよりも大きな回転トルクを、第二シャフト30の先端に設けられたビット90に効率良く伝達可能なので、より高トルクに対応できる。
さらに、第一実施形態のダウンホールモータ2によれば、インナロータ部22の外径よりも大きなアウタロータ部32の外筒部31を支承する大きな軸受52j、53jを有する第二シャフト支持部52、53によって、ビット90に加わる負荷を受けることができる。そのため、駆動機構部70の全長をコンパクトに構成しつつも、より信頼性の高い海洋資源揚鉱装置100Aを提供できる。
なお、本発明に係る海洋資源揚鉱装置およびこれを用いた海洋資源の揚鉱方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能である。
例えば、上記第一実施形態では、アパタイト吸着エマルションとされた混合物Maを洋上まで、海水Wとの比重差により、混合物Ma自身の浮上力のみによって浮上させる例を示したが、これに限定されない。例えば、混合物Ma自身の浮上力に加え、ポンプによる揚液力を併用してもよい。
また、例えば上記第一実施形態では、ダウンホールモータ2は、ねじポンプを流体モータ機構に使用し、その出力を、ユニバーサルジョイントを介することなく出力軸に出力し、これにより、省スペース化を実現し、流体モータ機構での駆動力を効率良く伝達する構成例を示したが、これに限らず、流体モータ機構での出力を、ユニバーサルジョイントを介して出力軸に出力する構成としてもよい。
以下、具体例を第二実施形態として図5〜図7を適宜参照しつつ説明する。なお、第二実施形態では、ダウンホールモータを駆動する流体モータ機構が上記第一実施形態とは相違するが、その他の構成は上記第一実施形態と同様なので、以下、相違点について説明し、上記第一実施形態と同様または対応する構成については同一の符号を付すとともに、その説明を適宜省略する(以下、他の実施形態にて同様)。
[第二実施形態]
図5に示すように、第二実施形態の海洋資源揚鉱装置100Bは、上記第一実施形態と同様に、揚鉱管部102と、揚鉱管部102下部に設けられた回収ホッパ103とを有するライザー管101を備える。ライザー管101の内部には、揚鉱管部102と略同軸に、駆動流体Mを供給する駆動流体導入管23が1本設けられる。駆動流体導入管23の下端に、ダウンホールモータ200が装着される。ここで、第二実施形態のダウンホールモータ200では、流体モータ機構を構成する流体モータ部130は、ステータ120が固定型であってユニバーサルジョイント185を使用して回転駆動力を伝達するように構成されている。
詳しくは、第二実施形態のダウンホールモータ200は、同図に示すように、駆動流体導入管23の下端に位置する流体モータ部130と、流体モータ部130の下部に設けられた動力伝達部180と、動力伝達部180の下部に設けられた駆動軸支持部160とを有する。
流体モータ部130には、円筒状のハウジング131内に、螺旋状の内周面を有するステータ120が固定されるとともに、そのステータ120内に、螺旋状の外周面を有するロータ110が回転自在に支持され、ロータ110とステータ120との間に複数のキャビティKが画成される。また、ハウジング131の上部には、駆動流体Mを導入する駆動流体導入管200が接続される。
駆動軸支持部160には、円筒状のハウジング170内に、スラスト荷重およびラジアル荷重を受ける軸受150を介して駆動軸140が回転自在に支持されている。駆動軸140の先端は、ビット装着部140sとされている。ビット装着部140sは、ハウジング170の下方に張り出し且つ回収ホッパ103の下端よりも下方に張り出している。ビット装着部140sの外周面には、掘削用のビット190を接続可能な雄ねじが形成されている。
また、駆動軸140の上部には、動力伝達部180のハウジング181内に連通する連通口141が形成されている。連通口141は、駆動軸140の軸方向に沿って形成された連通路142を介してビット190の先端に形成されたノズル191に駆動流体流路として連通している。そして、ロータ110の下端と駆動軸140の上端とは、動力伝達部180のハウジング181内にそれぞれ張り出しており、ロータ110の下端と駆動軸140の上端相互は、ユニバーサルジョイント185を介してハウジング181内で回転駆動力を伝達可能に接続されている。
このような構成により、第二実施形態のダウンホールモータ200によれば、駆動流体導入管23から流体モータ部130のキャビティKに高圧の駆動流体Mを導入することで、流体モータ部130は、一軸偏心ねじポンプの作動原理の逆作動により、回転部であるロータ110に回転力を与えることができる。そして、流体モータ部130は、ロータ110の下端を出力軸とし、ロータ110の回転をユニバーサルジョイント185を介して駆動軸140に伝達する。
よって、このダウンホールモータ200によれば、駆動軸140先端に装着されたビット190によってレアアース泥床ODを掘削できる。そして、流体モータ部130を経た駆動流体Mは、駆動流体流路としての、ハウジング181内を通り、連通口141から連通路142を順に介してビットのノズル191から噴射され、その流体力によってビット190による掘削力との協働により効率良くレアアース泥Drを解泥することができる。
これにより、第二実施形態の海洋資源揚鉱装置100Bは、図6に示すように、上記第一実施形態同様に海底に配置され、上記第一実施形態同様に、駆動流体MとしてエマルションEmを駆動流体導入管23からダウンホールモータ200に供給することにより、海底のレアアース泥床ODに直接露出しているレアアース泥堆積層Dからレアアース泥Drを解泥できる。
さらに、第二実施形態の海洋資源揚鉱装置100Bは、その解泥されたレアアース泥Drを周囲の海水WおよびエマルションEmとともに回収ホッパ103内に送り込み、攪拌翼212、213の回転にて攪拌して海中で液液分離された混合物Maとしてアパタイト吸着エマルションを生成し、海水Wとの比重差によって自ら浮上させて揚鉱管部102から選鉱回収することができる。そして、図7に示すように、上記第一実施形態同様に、以降、ビット190の張り出し長さに応じた所定の掘削深度まで掘削後、水平方向へのフィード動作Uにより、所定の掘削深度での採鉱を継続できる。
但し、第二実施形態のダウンホールモータ200では、ロータ110の回転力を、動力伝達部180のユニバーサルジョイント185を介して駆動軸140に伝達するので、ユニバーサルジョイント185の介在により、駆動機構の全長が長くなる。
また、ビット190を駆動するためには、トルクを伝達する各部材が、高トルクに対応する必要があるところ、第二実施形態では、ユニバーサルジョイント185を構成する上下の継手部182、184および連結ロッド183の強度は、ロータ110や駆動軸140の強度に比較して劣るため、ビット190への伝達トルクは、ユニバーサルジョイント185の強度に依存する。
[第三実施形態]
次に、第三実施形態について、図8〜図12を適宜参照しつつ説明する。
ここで、上記第一および第二実施形態では、海底のレアアース泥床ODにて、直接露出しているレアアース泥堆積層Dからレアアース泥Drを選鉱回収する例を説明した。これに対し、この第三実施形態は、図9にレアアース泥床ODを示すように、レアアース泥Drの堆積層Dが露出しておらず、深海の非レアアース泥堆積層DNの下部に分布するレアアース泥堆積層Dからレアアース泥Drを選鉱回収する例である。
詳しくは、図8に示すように、第三実施形態の海洋資源揚鉱装置100Cは、駆動流体として、エマルションEmと海水Wを別々に注入できるように、駆動流体を駆動流体導入路25に注入する駆動流体導入管23が2本配管されている点が上記第一実施形態と相違する。つまり、第三実施形態の例では、駆動流体導入路25に連通する駆動流体導入管23として、海水注入用の第一駆動流体導入管23aと、エマルション注入用の第二駆動流体導入管23bとが、ダウンホールモータ210Cの第一シャフト20の軸線と並行に所定距離離隔してライザー管101内部に設けられている。
また、第三実施形態では、回収ホッパ103の下端からのビット90の張り出し長さが上記第一実施形態と相違する。つまり、第三実施形態では、非レアアース泥堆積層DNの見込み厚さの分だけ、第一実施形態よりもビット90の張り出し長さが長く設定される。さらに、第三実施形態では、ダウンホールモータ210Cの軸方向の位置を調整可能になっている。これにより、回収ホッパ103の下端からのビット90の張り出し長さを調整可能に構成されている。
なお、第三実施形態では、攪拌部216の複数の攪拌翼の配置位置は、第一実施形態同様に回収ホッパ103内に位置しているが、複数の攪拌翼の段数が、第一から第四攪拌翼212〜215の四段構成とされている点が相違する。この場合、例えば上方の二段の翼が下降流を形成し、下方の二段の翼が上昇流を形成するように構成することができる。その他の構成は、上記第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。
第三実施形態の海洋資源揚鉱装置100Cでの揚鉱は、図9に示すように、深海の非レアアース泥堆積層DNの下部に分布するレアアース泥堆積層Dからレアアース泥を選鉱回収する。
その方法としては、海上の海洋資源回収船1から深海の海底までライザー管101を延設し、そのライザー管101下部の回収ホッパ103をレアアース泥床ODに対向配置する。このとき、第三実施形態の海洋資源揚鉱装置100Cでは、ダウンホールモータ210Cのビット90が回収ホッパ103の下端から張り出しているので、ビット90をレアアース泥床ODに押し当てる位置に軸方向の位置を調整する。
第三実施形態では、海上の海洋資源回収船1には、海水圧送ポンプとエマルション圧送ポンプの2台の圧送ポンプが設置され、海水圧送ポンプには、海水注入用の第一駆動流体導入管23aが連結され、エマルション圧送ポンプには、エマルション注入用の第二駆動流体導入管23bが連結される。第三実施形態の海洋資源揚鉱装置100Cでの揚鉱作業では、駆動流体Mとして、まず、海水圧送ポンプの駆動により、海水注入管である第一駆動流体導入管23aからダウンホールモータ210Cに海水Wが注入される。
これにより、図9に示すように、高圧の海水Wをダウンホールモータ210Cに注入することでビット90を回転させ、レアアース泥堆積層Dの上に堆積している非レアアース泥堆積層DNを掘削して非レアアース泥Dxを除去することができる(非レアアース泥除去工程)。なお、同図に示す符号F1の矢印は、ビット90を回転させつつ、海洋資源揚鉱装置100C全体の軸方向のフィード位置を調整して非レアアース泥Dxを除去するイメージを示している。
そして、レアアース泥堆積層Dにビット90が到達した後は、海水圧送ポンプを停止するとともにエマルション圧送ポンプを起動させ、エマルション注入管である第二駆動流体導入管23bを通して高圧のエマルションEmを駆動流体としてダウンホールモータ210Cに注入する。その際、回収ホッパ103でビット90の周囲を覆うように、ライザー管101の軸方向の位置を調整する。これにより、図10に示すように、ビット90を回転させるとともにノズル91からエマルションEmを噴射してレアアース泥Drを解泥することができる(レアアース泥解泥工程)。なお、同図に示す符号F2の矢印は、ライザー管101の軸方向の位置を調整して解泥されたレアアース泥Drを収容するイメージを示している。
引き続き、高圧のエマルションEmをダウンホールモータ210Cに注入することでビット90を回転させ、レアアース泥堆積層Dにてレアアース泥Drの掘削および解泥作業を継続する(レアアース泥解泥工程)。なお、図11に示す符号F3の矢印は、ビット90を回転させつつ、ダウンホールモータ210Cの軸方向の位置を掘削方向にフィードしてレアアース泥Drの解泥作業を継続するイメージを示している。
さらに、ビット90と一体になったビット上部の複数の攪拌翼212〜215により、解泥されたレアアース泥DrとエマルションEmとを攪拌しつつ、回収ホッパ103の内部で、ビット上部に浮上したレアアース泥DrとエマルションEmとを混合する(攪拌混合工程)。
これにより、第三実施形態の海洋資源揚鉱装置100Cによれば、ライザー管101下部に設けられた回収ホッパ103で、レアアース泥Drを吸着結合したアパタイト吸着エマルションである混合物Maをライザー管101内部に導き、海水よりも比重が軽い混合物Maをその比重差を利用して船上に浮上回収することができる(混合物浮上回収工程)。
以降は、ダウンホールモータ210Cを海底面の上方へ引き上げ(ダウンホールモータ引き上げ工程)、その後、図12に示すように、海上の海洋資源回収船1の所定速度での移動により、ライザー管101とライザー管下部に設置された回収ホッパ103およびダウンホールモータ210Cを全体的に平行移動させる(平行移動工程)。
そして、平行移動後に、再度、上記非レアアース泥除去工程からダウンホールモータ引き上げ工程に至る一連の工程を繰り返す。このようにして、この第三実施形態によれば、断続的に深海の非レアアース泥堆積層DNの下部に分布するレアアース泥堆積層Dからレアアース泥Drを効率良く選鉱回収することができる。
ここで、従来のポンプリフト方式やエアリフト方式では、深海の非レアアース泥堆積層の下部に分布するレアアース泥堆積層からレアアース泥を船上まで揚泥する場合、レアアース泥堆積層上部に堆積している非レアアース泥も船上まで揚泥するか、クローラドリル等で非レアアース泥堆積層を掘削排除した後に、レアアース泥を船上まで揚泥する必要があった。
これに対し、この第三実施形態によれば、海上の海洋資源回収船1から深海の海底まで延設配置されたライザー管101の下部に回収ホッパ103を配置し、このライザー管内部に海上の海洋資源回収船1に設置された海水圧送ポンプとエマルション圧送ポンプの2台の圧送ポンプに連結された第一駆動流体導入管23a(海水注入管)と第二駆動流体導入管23b(エマルション注入管)の2本の流体注入管を並列配置し、2本の流体注入管の下部にダウンホールモータ210Cを配置した海洋資源揚鉱装置100Cを用いたので、クローラドリル等の設備も不要であり、深海の非レアアース泥堆積層DNの下部に分布するレアアース泥堆積層Dから効率的なレアアースDrの回収が可能となる。
[第四実施形態]
次に、第四実施形態について、図13〜図17を適宜参照しつつ説明する。
図13に示すように、第四実施形態の海洋資源揚鉱装置100Dは、上述した第二実施形態の構成に対し、第三実施形態での変更点を盛り込んで、深海の非レアアース泥堆積層DNの下部に分布するレアアース泥堆積層DからレアアースDrを第三実施形態同様の工程により回収する例である。
つまり、図13に示すように、第四実施形態では、ステータ固定型のユニバーサルジョイントを使用したダウンホールモータ200Dに対し、駆動流体Mとして、エマルションEmと海水Wを別々に注入できるように、作動流体注入管として第一駆動流体導入管23aおよび第二駆動流体導入管23bが設けられている。
そして、第四実施形態においても、上記第三実施形態同様に、海上の海洋資源回収船1から深海の海底まで延設配置されたライザー管101の下部に回収ホッパ103を配置し、このライザー管内部に海上の海洋資源回収船1に設置された海水圧送ポンプとエマルション圧送ポンプの2台の圧送ポンプにそれぞれが連結された第一駆動流体導入管23a(海水注入管)と第二駆動流体導入管23b(エマルション注入管)との2本の駆動流体導入管23a、23bを並列配置する。
このように、第四実施形態によれば、上記第三実施形態同様に、これら2本の駆動流体導入管23a、23bの下部にダウンホールモータ200Dを配置し、海水WおよびエマルションEmを選択的に駆動流体Mとして供給可能に構成したので、レアアース泥堆積層Dの上部に非レアアース泥が堆積したレアアース泥床ODであっても、クローラドリル等の設備を不要とし、上記第三実施形態同様の工程により、深海の非レアアース泥堆積層DNの下部に分布するレアアース泥堆積層Dから効率的なレアアース泥Drの回収が可能となる。
つまり、図14に示すように、深海の非レアアース泥堆積層DNに対しては、駆動流体Mとして、第一駆動流体導入管23aからダウンホールモータ200Dに海水Wを注入して非レアアース泥Dxを除去する(非レアアース泥除去工程)。次いで、図15に示すように、非レアアース泥Dxを除去後には、駆動流体Mとして、第二駆動流体導入管23bからダウンホールモータ200DにエマルションEmを注入し、ビット90を回転させるとともにノズル91からエマルションEmを噴射してレアアース泥Drを解泥する。
そして、これと同時に、同図に示すように、回収ホッパ103でビット90の周囲を覆うように、ライザー管101の軸方向の位置を調整し、レアアース泥Drを解泥しつつ、解泥されたレアアース泥DrとエマルションEmとをビット上部の複数の攪拌翼212〜215により攪拌し、回収ホッパ103の内部で、ビット上部に浮上したレアアース泥DrとエマルションEmとを混合する。以降、図16に符号F3で示すように、ビット90を回転させつつ、ダウンホールモータ200Dの軸方向のフィード位置を調整して所定深度までのレアアース泥Drの掘削・解泥作業を行う。
これにより、この第四実施形態においても、ライザー管101下部に設けられた回収ホッパ103でレアアース泥Drを吸着結合したアパタイト吸着エマルションである混合物Maをライザー管101内部に導き、海水よりも比重が軽い混合物Maをその比重差を利用して船上に浮上回収することができる。
以降は、ダウンホールモータ200Dを海底面の上方へ引き上げ(ダウンホールモータ引き上げ工程)、図17に符号Uで示すように、海上の海洋資源回収船1の所定速度での移動により、ライザー管101とライザー管下部に設置された回収ホッパ103およびダウンホールモータ200Dを全体的に平行移動させる。平行移動後に、再度、上記非レアアース泥除去工程からダウンホールモータ引き上げ工程に至る一連の工程を繰り返す。このようにして、この第四実施形態においても、断続的に深海の非レアアース泥堆積層DNの下部に分布するレアアース泥堆積層Dからレアアース泥を効率良く選鉱回収することができる。
[総括]
以上説明したように、上述した各実施形態によれば、ダウンホールモータを備える海洋資源揚鉱装置を用いることにより、海水またはエマルションを駆動流体として流体モータ機構を駆動する動力のみで、ビットでの掘削およびビットのノズルからの駆動流体の噴射により非レアアース泥またはレアアース泥を解泥できる。
さらに、ビット上部の攪拌翼をも同時に駆動し、レアアース泥と海水及びエマルションの攪拌混合に必要なエネルギーを、流体モータ機構を駆動する動力のみで賄える。そして、アパタイト吸着エマルションを比重差によって自から海上まで浮上させてライザー管から回収できるので、使用エネルギーを大幅に削減できる。
そして、レアアース泥に含まれるレアアースの品位はppmオーダーであるところ、上述した各実施形態によれば、レアアース泥をエマルションに接触させて、レアアース元素が濃集したアパタイトをエマルションに吸着させた「アパタイト吸着エマルション」をライザー管から浮上回収させるので、海底で選鉱を行い不要な脈石を取り除くことができる。そのため、レアアース泥を海底から船上にすべて揚泥して、そのあとで選鉱する揚鉱方法と比較して、レアアース回収にかかるコストを大幅に削減できる。
100A 海洋資源揚鉱装置
1 海洋資源回収船
2 ダウンホールモータ
10 ハウジング
11 上部ハウジング
12 下部ハウジング
13 駆動流体供給路(駆動流体流路)
20 第一シャフト
21 基端部
22 インナロータ部
23 駆動流体導入管(駆動流体流路)
24 駆動流体導出口(駆動流体流路)
25 駆動流体導入路(駆動流体流路)
30 第二シャフト
31 外筒部
32 アウタロータ部
33 ビット装着部
41 第一のブシュ
42 第二のブシュ
43 第三のブシュ
44 第四のブシュ
51 第一シャフト支持部
52 第二シャフト支持部
53 第二シャフト支持部
61 第一のシール
62 第二のシール
63 第三のシール
64 第四のシール
70 駆動機構部(流体モータ機構)
81 フロントキャップ
82 支軸部キャップ
90 ビット(レアアース泥供給部)
91 ノズル(噴射口)
101 ライザー管
102 揚鉱管部
103 回収ホッパ
200 攪拌軸
212 第一攪拌翼(攪拌翼)
213 第二攪拌翼(攪拌翼)
214 第三攪拌翼(攪拌翼)
215 第四攪拌翼(攪拌翼)
216 攪拌部
CL1 第一シャフトの回転軸線
CL2 第二シャフトの回転軸線
E 偏心距離
K キャビティ
M 駆動流体
Em エマルション(駆動流体)
Ma 混合物(移送流体:アパタイト吸着エマルション)
D レアアース泥堆積層(泥質堆積層)
Dr (解泥された)レアアース泥
DN 非レアアース泥堆積層(泥質堆積層)
Dx (解泥された)非レアアース泥
W 海水(駆動流体)
OD レアアース泥床(海底鉱床)

Claims (6)

  1. 海上の海洋資源回収船から海底まで海水が満たされた状態で延設される揚鉱管部と該揚鉱管部の下端に開口するとともに下方に向けて拡径する回収ホッパとを有するライザー管と、
    駆動流体として海水よりも比重が軽いエマルションを注入可能に前記ライザー管内に設けられた駆動流体注入管と、
    該駆動流体注入管の下部に配置されて前記駆動流体で駆動される流体モータ機構を有するとともに前記駆動流体を噴射するノズルが形成されたビットが自身回転部の先端に装着されるダウンホールモータと、
    該ダウンホールモータの外周面であって前記ビット上部の位置に前記回転部と一体で回転するように設けられた攪拌翼と、
    を備えることを特徴とする海洋資源揚鉱装置。
  2. 前記ライザー管内部には、前記駆動流体注入管として、海水注入管およびエマルション注入管が並列に配置されている請求項1に記載の海洋資源揚鉱装置。
  3. 前記ダウンホールモータは、
    前記駆動流体が導入されるハウジングと、
    該ハウジングの内部に固定されたステータと、
    該ステータの内部に配置されて前記駆動流体が導入されることによりねじポンプの原理で回転するロータと、
    ユニバーサルジョイントおよび連結ロッドを介して前記ロータの下端に連結されるとともに前記ハウジング内に軸受で支承されて前記ロータの回転に伴い回転する前記回転部を構成するシャフトと、
    前記シャフトの先端に前記ハウジングの端部から張り出すように延設されて自身外周面に前記ビットが装着されるビット装着部と、
    前記シャフトの内部に設けられて前記駆動流体をシャフト上部の開口から導入するとともにシャフト下部の開口から前記ノズルに導出するように形成された駆動流体流路と、
    を有する請求項1または2に記載の海洋資源揚鉱装置。
  4. 前記ダウンホールモータは、
    前記駆動流体が導入されるハウジングと、
    前記ハウジング内に自身基端が回転自在に支承された第一シャフトと、
    前記第一シャフトの先端側に軸方向に沿って延設されて雄ねじ状の外周面を有するインナロータ部と、
    前記インナロータ部に外挿され且つ前記ハウジング内に回転自在に支承された第二シャフトと、
    前記第二シャフトの内周面に雌ねじ状に設けられて前記インナロータ部との協働によって画成されたキャビティに前記駆動流体が導入されることによりねじポンプの原理で前記第一シャフトおよび前記第二シャフト相互を所定比率で回転させる前記流体モータ機構を構成するアウタロータ部と、
    前記第二シャフトの先端に前記ハウジングの端部から張り出すように延設されて自身外周面に前記ビットが装着されるビット装着部と、
    前記第一シャフトの内部に設けられて前記駆動流体を第一シャフトの上部の開口から導入し第一シャフトの下部の開口からアウタロータ部の上部に導出するように形成された駆動流体流路と、
    を備える請求項1または2に記載の海洋資源揚鉱装置。
  5. 海上の海洋資源回収船から海底まで延設されたライザー管および駆動流体注入管と、前記駆動流体注入管の下部に配置されるとともに駆動流体により回転部が回転駆動される流体モータ機構を有するとともに前記回転部先端に装着されるビットのノズルから前記駆動流体を噴射可能に構成され且つ該ビットの上部に前記回転部と一体に設けられた攪拌翼を有するダウンホールモータと、を用いて海洋資源を揚鉱する方法であって、
    前記海洋資源の揚鉱工程は、
    前記駆動流体注入管の内部に前記海洋資源回収船から海水よりも比重が軽いエマルションを圧送供給する圧送供給工程と、
    前記ビットの回転と前記ビットのノズルから噴射されるエマルションの流体力とによってレアアース泥を解泥する解泥工程と、
    解泥されたレアアース泥と前記噴射されたエマルションとを前記攪拌翼で攪拌してビット上部に浮上させつつ相互を混合して前記レアアース泥を前記エマルションに吸着結合させて海水よりも比重が軽い混合物にする攪拌混合工程と、
    前記ライザー管の下部に設けられた回収ホッパから当該ライザー管の内部に前記混合物を導入する混合物導入工程と、
    前記混合物をその海水との比重差を利用して前記ライザー管を介して船上まで浮上回収する浮上回収工程と、
    を含むことを特徴とする海洋資源の揚鉱方法。
  6. 請求項2に記載の海洋資源揚鉱装置を用い、
    レアアース泥の上に堆積している非レアアース泥堆積層を掘削する際は、前記海洋資源の揚鉱工程の前に、海水圧送ポンプの運転により海水注入管を通して高圧の海水を駆動流体として前記ダウンホールモータに注入することでビットを回転させて非レアアース泥堆積層を掘削して非レアアース泥を除去する非レアアース泥除去工程を含み、
    前記海洋資源の揚鉱工程は、レアアース泥堆積層に到達後に当該レアアース泥堆積層を掘削する工程であり、前記海水圧送ポンプの運転を停止するとともにエマルション圧送ポンプを起動させ、エマルション注入管を通して高圧のエマルションを駆動流体として注入する請求項5に記載の海洋資源の揚鉱方法。
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