JP6810937B2 - 海洋資源揚鉱装置およびこれを用いた海洋資源の揚鉱方法 - Google Patents
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Description
一方、エアリフト方式は、水中機器が極めて少ないことから、ポンプリフト方式に比べて信頼性および耐久性に優れるものの、エネルギー効率が悪く、ポンプリフト方式以上のさらに多大なエネルギーを要するという問題がある。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、エネルギー効率を向上させ得る海洋資源揚鉱装置およびこれを用いた海洋資源の揚鉱方法を提供することを課題とする。
なお、本明細書において、「解泥」とは、海底鉱床の泥質堆積層に対するビットの掘削力と噴射流体の流体力とによって泥質堆積層のレアアース泥を解きほぐすことをいう。また、「泥質堆積層」とは、「非レアアース泥堆積層」および「レアアース泥堆積層」のいずれをも含む意味である。
これに対し、本発明に係るエマルションとして、油(例えばケロシン)に界面活性剤(例えば、ドデシルスルホン酸ナトリウム)を混ぜたエマルションを用いることは好ましい。このようなエマルションを用いれば、比重が0.8から0.85になる。そのため、海水よりも軽いので、上記混合物を自ら浮上させるためのエマルションとして好適である。
ここで、本発明の一態様に係る海洋資源揚鉱装置において、前記ライザー管内部には、前記駆動流体注入管として、海水注入管およびエマルション注入管が並列に配置されていることは好ましい。このような構成であれば、非レアアース泥堆積層の下部に分布するレアアース泥堆積層からレアアースを選鉱回収する揚鉱装置の構成として好適である。
そして、駆動流体として供給されるエマルションは、海水よりも比重が軽く、また、このエマルションとレアアース泥とが結合された混合物も海水よりも比重を軽くすることができる。そのため、ライザー管の下部に設けられた回収ホッパから当該ライザー管の内部に、エマルションにレアアース泥を吸着させた混合物を導入し、その混合物を海中で自ら浮上させてライザー管から回収できる。よって、上記特許文献1ないし2に記載の技術と比べて、エネルギー効率を向上させることができる。
なお、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。また、以下に示す各実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
まず、本発明に係る海洋資源揚鉱装置の第一実施形態について図1〜図4を適宜参照しつつ説明する。
図1に示すように、第一実施形態の海洋資源揚鉱装置100Aは、長尺な中空円筒状のライザー管101と、ライザー管101内に略同軸に支持された長尺な中空円筒状の駆動流体導入管23とを備える。この海洋資源揚鉱装置100Aは、ライザー管101の軸線を上下方向として海中に配備され、海上に停泊する海洋資源回収船1まで海水が満たされた状態で延設される。
本実施形態では、駆動流体Mとして高圧のエマルションEmが駆動流体供給路13に導入される。駆動流体供給路13が内部に形成された駆動流体導入管23は、その上端部が、不図示のエマルジョン供給ポンプを介して海洋資源回収船1のエマルション供給槽に接続され、エマルション供給部を構成している。
その装着状態において、第一シャフト支持部51は、上部ハウジング11の軸線に対して所定の偏心距離Eだけ偏心した位置に第一シャフト20の基端部21を支持するように複数の軸受51jが軸線方向に沿って配置され、複数の軸受51jを介して第一シャフト20の基端部21を回転自在に支持する。第一シャフト支持部51の複数の軸受51jの両側は、第一のシール61および第二のシール62により、第一シャフト20の基端部21の外周面と上部ハウジング11の内周面との間がシールされる。
また、下部側を支持する第二シャフト支持部53は、複数の軸受53jと、複数の軸受53jを軸方向の下方から自身鍔部で挟持するように装着される第四のブシュ44と、第四のブシュ44の内周面と第二シャフト30の外周面との間に介装された第四のシール64と、円環状のフロントキャップ81と、を有して構成されている。
その装着状態において、上下の第二シャフト支持部52、53は、下部ハウジング12の軸線に対して同軸となる位置に第二シャフト30の外周面を支持するように、複数の軸受52j、53jが軸線方向に沿って配置され、複数の軸受52j、53jを介して第二シャフト30の外周面を回転自在に支持する。
詳しくは、第一シャフト20は、上記基端部21と、基端部21の先端側に形成されたインナロータ部22とを一体に有して構成されている。基端部21の上面には、上述した駆動流体供給路13に連通して、基端部21の軸方向に沿って駆動流体導入路25が形成されている。基端部21の駆動流体導入路25は、基端部21とインナロータ部22との境となる位置まで延設されている。
攪拌部216は、所定方向に回転駆動されると、上方に配置された第一攪拌翼212は下降流を形成し、下方に配置された第二攪拌翼213は上昇流を形成するようになっている。これにより、ダウンホールモータ2が駆動されると、第二シャフト30の回転とともに、二枚の攪拌翼212、213をも同時に回転し、所期の攪拌動作が行えるようになっている。
レアアース泥Drを選鉱回収する際は、まず、海洋資源回収船1を目的とする海域の海上に停泊し、次いで、上述の海洋資源揚鉱装置100Aを海中に降ろし、海中のレアアース泥床ODの所期の位置に配置する。ライザー管101、駆動流体導入管23およびダウンホールモータ2の各配管内には、海底に配備される当初は海水Wが満たされる。
所期の位置において、図3に示すように、ライザー管101の回収ホッパ103をレアアース泥床ODに対向させる。ダウンホールモータ2は、ビット90が回収ホッパ103の下端から張り出しているので、ビット90をレアアース泥床ODに押し当てる位置に配備する。
本実施形態では、駆動流体Mとして、油としてケロシンを用いるとともに界面活性剤としてドデシルスルホン酸ナトリウムを用いてエマルションEmを作り、このエマルションEmを駆動流体導入管23からダウンホールモータ2に駆動流体Mとして供給する。
さらに、高圧の駆動流体Mは、インナロータ部22とアウタロータ部32との対向空間に画成された複数のキャビティKに順次に導入される。これにより、駆動機構部70は、キャビティKに作用する駆動流体Mの導入圧により、インナロータ部22とアウタロータ部32とが所定比率で連れ回りを開始する。
以降、ビット90の張り出し長さに応じた所定の掘削深度まで掘削後、図4に示すように、水平方向へのフィード動作Uにより、所定の掘削深度での採鉱を継続できる。本実施形態では、海上の海洋資源回収船1を所定速度で移動させることで、図4に示すようにライザー管101と共にダウンホールモータ2を一体で水平方向に平行移動させながらレアアース泥床ODからレアアース泥Drを連続的に採鉱することができる。
上述したように、第一実施形態の海洋資源揚鉱装置10によれば、海底設備としては、ライザー管101の回収ホッパ内部に一台のダウンホールモータ2を設けるだけで、流体モータ機構を有する駆動機構部70の駆動により、ビット90の回転による掘削力とエマルションEmの噴射による流体力とでレアアース泥Drを解泥しつつ、ビット90上方の攪拌部216でレアアース泥Drと海水W及びエマルションEmを混合し、アパタイト吸着エマルションを混合物Maとして生成することができる。そして、順次に生成された混合物Maを回収ホッパ103から揚鉱管部102へと移動させて混合物Maを安定させつつ、海水Wとの比重差によって自ら浮上させ、海底から船上まで延設したライザー管101にて混合物Maを揚泥することができる。
そして、第一実施形態のダウンホールモータ2によれば、従来のダウンホールモータのような、高圧の駆動流体で作り出されたロータの回転力を、ユニバーサルジョイントを介してシャフトに伝達していた構成と比べて、アウタロータ部32の回転駆動にユニバーサルジョイントが不要なので、駆動機構部70の全長を短くしてコンパクトに構成できる。
また、インナロータ部22の回転よりも減速されたアウタロータ部32の回転力をビット90に直接伝達できる。そのため、第一シャフト20のトルクよりも大きな回転トルクを、第二シャフト30の先端に設けられたビット90に効率良く伝達可能なので、より高トルクに対応できる。
例えば、上記第一実施形態では、アパタイト吸着エマルションとされた混合物Maを洋上まで、海水Wとの比重差により、混合物Ma自身の浮上力のみによって浮上させる例を示したが、これに限定されない。例えば、混合物Ma自身の浮上力に加え、ポンプによる揚液力を併用してもよい。
以下、具体例を第二実施形態として図5〜図7を適宜参照しつつ説明する。なお、第二実施形態では、ダウンホールモータを駆動する流体モータ機構が上記第一実施形態とは相違するが、その他の構成は上記第一実施形態と同様なので、以下、相違点について説明し、上記第一実施形態と同様または対応する構成については同一の符号を付すとともに、その説明を適宜省略する(以下、他の実施形態にて同様)。
図5に示すように、第二実施形態の海洋資源揚鉱装置100Bは、上記第一実施形態と同様に、揚鉱管部102と、揚鉱管部102下部に設けられた回収ホッパ103とを有するライザー管101を備える。ライザー管101の内部には、揚鉱管部102と略同軸に、駆動流体Mを供給する駆動流体導入管23が1本設けられる。駆動流体導入管23の下端に、ダウンホールモータ200が装着される。ここで、第二実施形態のダウンホールモータ200では、流体モータ機構を構成する流体モータ部130は、ステータ120が固定型であってユニバーサルジョイント185を使用して回転駆動力を伝達するように構成されている。
流体モータ部130には、円筒状のハウジング131内に、螺旋状の内周面を有するステータ120が固定されるとともに、そのステータ120内に、螺旋状の外周面を有するロータ110が回転自在に支持され、ロータ110とステータ120との間に複数のキャビティKが画成される。また、ハウジング131の上部には、駆動流体Mを導入する駆動流体導入管200が接続される。
これにより、第二実施形態の海洋資源揚鉱装置100Bは、図6に示すように、上記第一実施形態同様に海底に配置され、上記第一実施形態同様に、駆動流体MとしてエマルションEmを駆動流体導入管23からダウンホールモータ200に供給することにより、海底のレアアース泥床ODに直接露出しているレアアース泥堆積層Dからレアアース泥Drを解泥できる。
また、ビット190を駆動するためには、トルクを伝達する各部材が、高トルクに対応する必要があるところ、第二実施形態では、ユニバーサルジョイント185を構成する上下の継手部182、184および連結ロッド183の強度は、ロータ110や駆動軸140の強度に比較して劣るため、ビット190への伝達トルクは、ユニバーサルジョイント185の強度に依存する。
次に、第三実施形態について、図8〜図12を適宜参照しつつ説明する。
ここで、上記第一および第二実施形態では、海底のレアアース泥床ODにて、直接露出しているレアアース泥堆積層Dからレアアース泥Drを選鉱回収する例を説明した。これに対し、この第三実施形態は、図9にレアアース泥床ODを示すように、レアアース泥Drの堆積層Dが露出しておらず、深海の非レアアース泥堆積層DNの下部に分布するレアアース泥堆積層Dからレアアース泥Drを選鉱回収する例である。
なお、第三実施形態では、攪拌部216の複数の攪拌翼の配置位置は、第一実施形態同様に回収ホッパ103内に位置しているが、複数の攪拌翼の段数が、第一から第四攪拌翼212〜215の四段構成とされている点が相違する。この場合、例えば上方の二段の翼が下降流を形成し、下方の二段の翼が上昇流を形成するように構成することができる。その他の構成は、上記第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。
その方法としては、海上の海洋資源回収船1から深海の海底までライザー管101を延設し、そのライザー管101下部の回収ホッパ103をレアアース泥床ODに対向配置する。このとき、第三実施形態の海洋資源揚鉱装置100Cでは、ダウンホールモータ210Cのビット90が回収ホッパ103の下端から張り出しているので、ビット90をレアアース泥床ODに押し当てる位置に軸方向の位置を調整する。
これにより、第三実施形態の海洋資源揚鉱装置100Cによれば、ライザー管101下部に設けられた回収ホッパ103で、レアアース泥Drを吸着結合したアパタイト吸着エマルションである混合物Maをライザー管101内部に導き、海水よりも比重が軽い混合物Maをその比重差を利用して船上に浮上回収することができる(混合物浮上回収工程)。
そして、平行移動後に、再度、上記非レアアース泥除去工程からダウンホールモータ引き上げ工程に至る一連の工程を繰り返す。このようにして、この第三実施形態によれば、断続的に深海の非レアアース泥堆積層DNの下部に分布するレアアース泥堆積層Dからレアアース泥Drを効率良く選鉱回収することができる。
次に、第四実施形態について、図13〜図17を適宜参照しつつ説明する。
図13に示すように、第四実施形態の海洋資源揚鉱装置100Dは、上述した第二実施形態の構成に対し、第三実施形態での変更点を盛り込んで、深海の非レアアース泥堆積層DNの下部に分布するレアアース泥堆積層DからレアアースDrを第三実施形態同様の工程により回収する例である。
つまり、図13に示すように、第四実施形態では、ステータ固定型のユニバーサルジョイントを使用したダウンホールモータ200Dに対し、駆動流体Mとして、エマルションEmと海水Wを別々に注入できるように、作動流体注入管として第一駆動流体導入管23aおよび第二駆動流体導入管23bが設けられている。
これにより、この第四実施形態においても、ライザー管101下部に設けられた回収ホッパ103でレアアース泥Drを吸着結合したアパタイト吸着エマルションである混合物Maをライザー管101内部に導き、海水よりも比重が軽い混合物Maをその比重差を利用して船上に浮上回収することができる。
以上説明したように、上述した各実施形態によれば、ダウンホールモータを備える海洋資源揚鉱装置を用いることにより、海水またはエマルションを駆動流体として流体モータ機構を駆動する動力のみで、ビットでの掘削およびビットのノズルからの駆動流体の噴射により非レアアース泥またはレアアース泥を解泥できる。
さらに、ビット上部の攪拌翼をも同時に駆動し、レアアース泥と海水及びエマルションの攪拌混合に必要なエネルギーを、流体モータ機構を駆動する動力のみで賄える。そして、アパタイト吸着エマルションを比重差によって自から海上まで浮上させてライザー管から回収できるので、使用エネルギーを大幅に削減できる。
1 海洋資源回収船
2 ダウンホールモータ
10 ハウジング
11 上部ハウジング
12 下部ハウジング
13 駆動流体供給路(駆動流体流路)
20 第一シャフト
21 基端部
22 インナロータ部
23 駆動流体導入管(駆動流体流路)
24 駆動流体導出口(駆動流体流路)
25 駆動流体導入路(駆動流体流路)
30 第二シャフト
31 外筒部
32 アウタロータ部
33 ビット装着部
41 第一のブシュ
42 第二のブシュ
43 第三のブシュ
44 第四のブシュ
51 第一シャフト支持部
52 第二シャフト支持部
53 第二シャフト支持部
61 第一のシール
62 第二のシール
63 第三のシール
64 第四のシール
70 駆動機構部(流体モータ機構)
81 フロントキャップ
82 支軸部キャップ
90 ビット(レアアース泥供給部)
91 ノズル(噴射口)
101 ライザー管
102 揚鉱管部
103 回収ホッパ
200 攪拌軸
212 第一攪拌翼(攪拌翼)
213 第二攪拌翼(攪拌翼)
214 第三攪拌翼(攪拌翼)
215 第四攪拌翼(攪拌翼)
216 攪拌部
CL1 第一シャフトの回転軸線
CL2 第二シャフトの回転軸線
E 偏心距離
K キャビティ
M 駆動流体
Em エマルション(駆動流体)
Ma 混合物(移送流体:アパタイト吸着エマルション)
D レアアース泥堆積層(泥質堆積層)
Dr (解泥された)レアアース泥
DN 非レアアース泥堆積層(泥質堆積層)
Dx (解泥された)非レアアース泥
W 海水(駆動流体)
OD レアアース泥床(海底鉱床)
Claims (6)
- 海上の海洋資源回収船から海底まで海水が満たされた状態で延設される揚鉱管部と該揚鉱管部の下端に開口するとともに下方に向けて拡径する回収ホッパとを有するライザー管と、
駆動流体として海水よりも比重が軽いエマルションを注入可能に前記ライザー管内に設けられた駆動流体注入管と、
該駆動流体注入管の下部に配置されて前記駆動流体で駆動される流体モータ機構を有するとともに前記駆動流体を噴射するノズルが形成されたビットが自身回転部の先端に装着されるダウンホールモータと、
該ダウンホールモータの外周面であって前記ビット上部の位置に前記回転部と一体で回転するように設けられた攪拌翼と、
を備えることを特徴とする海洋資源揚鉱装置。 - 前記ライザー管内部には、前記駆動流体注入管として、海水注入管およびエマルション注入管が並列に配置されている請求項1に記載の海洋資源揚鉱装置。
- 前記ダウンホールモータは、
前記駆動流体が導入されるハウジングと、
該ハウジングの内部に固定されたステータと、
該ステータの内部に配置されて前記駆動流体が導入されることによりねじポンプの原理で回転するロータと、
ユニバーサルジョイントおよび連結ロッドを介して前記ロータの下端に連結されるとともに前記ハウジング内に軸受で支承されて前記ロータの回転に伴い回転する前記回転部を構成するシャフトと、
前記シャフトの先端に前記ハウジングの端部から張り出すように延設されて自身外周面に前記ビットが装着されるビット装着部と、
前記シャフトの内部に設けられて前記駆動流体をシャフト上部の開口から導入するとともにシャフト下部の開口から前記ノズルに導出するように形成された駆動流体流路と、
を有する請求項1または2に記載の海洋資源揚鉱装置。 - 前記ダウンホールモータは、
前記駆動流体が導入されるハウジングと、
前記ハウジング内に自身基端が回転自在に支承された第一シャフトと、
前記第一シャフトの先端側に軸方向に沿って延設されて雄ねじ状の外周面を有するインナロータ部と、
前記インナロータ部に外挿され且つ前記ハウジング内に回転自在に支承された第二シャフトと、
前記第二シャフトの内周面に雌ねじ状に設けられて前記インナロータ部との協働によって画成されたキャビティに前記駆動流体が導入されることによりねじポンプの原理で前記第一シャフトおよび前記第二シャフト相互を所定比率で回転させる前記流体モータ機構を構成するアウタロータ部と、
前記第二シャフトの先端に前記ハウジングの端部から張り出すように延設されて自身外周面に前記ビットが装着されるビット装着部と、
前記第一シャフトの内部に設けられて前記駆動流体を第一シャフトの上部の開口から導入し第一シャフトの下部の開口からアウタロータ部の上部に導出するように形成された駆動流体流路と、
を備える請求項1または2に記載の海洋資源揚鉱装置。 - 海上の海洋資源回収船から海底まで延設されたライザー管および駆動流体注入管と、前記駆動流体注入管の下部に配置されるとともに駆動流体により回転部が回転駆動される流体モータ機構を有するとともに前記回転部先端に装着されるビットのノズルから前記駆動流体を噴射可能に構成され且つ該ビットの上部に前記回転部と一体に設けられた攪拌翼を有するダウンホールモータと、を用いて海洋資源を揚鉱する方法であって、
前記海洋資源の揚鉱工程は、
前記駆動流体注入管の内部に前記海洋資源回収船から海水よりも比重が軽いエマルションを圧送供給する圧送供給工程と、
前記ビットの回転と前記ビットのノズルから噴射されるエマルションの流体力とによってレアアース泥を解泥する解泥工程と、
解泥されたレアアース泥と前記噴射されたエマルションとを前記攪拌翼で攪拌してビット上部に浮上させつつ相互を混合して前記レアアース泥を前記エマルションに吸着結合させて海水よりも比重が軽い混合物にする攪拌混合工程と、
前記ライザー管の下部に設けられた回収ホッパから当該ライザー管の内部に前記混合物を導入する混合物導入工程と、
前記混合物をその海水との比重差を利用して前記ライザー管を介して船上まで浮上回収する浮上回収工程と、
を含むことを特徴とする海洋資源の揚鉱方法。 - 請求項2に記載の海洋資源揚鉱装置を用い、
レアアース泥の上に堆積している非レアアース泥堆積層を掘削する際は、前記海洋資源の揚鉱工程の前に、海水圧送ポンプの運転により海水注入管を通して高圧の海水を駆動流体として前記ダウンホールモータに注入することでビットを回転させて非レアアース泥堆積層を掘削して非レアアース泥を除去する非レアアース泥除去工程を含み、
前記海洋資源の揚鉱工程は、レアアース泥堆積層に到達後に当該レアアース泥堆積層を掘削する工程であり、前記海水圧送ポンプの運転を停止するとともにエマルション圧送ポンプを起動させ、エマルション注入管を通して高圧のエマルションを駆動流体として注入する請求項5に記載の海洋資源の揚鉱方法。
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