JP6936989B2 - 海洋資源揚鉱システムおよび海洋資源の揚鉱方法 - Google Patents
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Description
一方、エアリフト方式は、水中機器が極めて少ないことから、ポンプリフト方式に比べて信頼性および耐久性に優れるものの、エネルギー効率が悪く、ポンプリフト方式以上のさらに多大なエネルギーを要するという問題がある。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、その目的は、海上から海底までの揚鉱用配管の延設を不要とし得る海洋資源揚鉱用バルーンを備えた海洋資源揚鉱システムおよび海洋資源揚鉱システムを用いた海洋資源の揚鉱方法を提供することにある。
本発明の一態様に係る海洋資源揚鉱システム及び別の態様に係る海洋資源の揚鉱方法によれば、レアアース泥を吸着結合したエマルションの混合物を貯留した海洋資源揚鉱用バルーンを海水と前記混合物との比重差で海底から海上まで浮上させ、吸引回収装置により当該混合物を回収することができる。このため、海上から海底までの揚鉱用配管を設置することなく、レアアース泥を吸着結合したエマルションの混合物(アパタイト吸着エマルション)を回収することができる。
これに対し、本発明を完成する過程での研究によれば、レアアース泥中のアパタイトには、高品位にレアアースが吸着されている。そこで、上記エマルションにアパタイトを吸着させることにより、レアアース泥から不要な脈石を除き、高品位にレアアースが吸着されているアパタイトを効率良く液分離できる。そのため、エネルギー効率を向上させる上でより好適である。
また、本発明の別の態様に係る海洋資源揚鉱システムにおいて、前記ダウンホールモータを囲う位置に配設された集鉱装置であって、上部及び下部が海中に開口している集鉱管と、該集鉱管の下部に設けられ、下方に向けて拡径して海中に開口している集鉱ホッパとを有する集鉱装置を備えていることが好ましい。
更に、本発明の別の態様に係る海洋資源揚鉱システムにおいて、前記ダウンホールモータは、その基端部が前記集鉱装置に支持されるとともに前記基端部に前記エマルションの導入口が設けられ、該導入口に前記エマルションを供給可能に海上のエマルション供給船にエマルション供給ホースで連結されることが好ましい。
また、本発明の別の態様に係る海洋資源揚鉱システムにおいて、前記集鉱装置は、クローラ走行体に支持され、該クローラ走行体は、海上の前記エマルション供給船から水中ケーブルを介して電源が供給されるように構成されることが好ましい。
また、本発明の別の態様に係る海洋資源揚鉱システムにおいて、前記吸引回収装置は、海上の混合物回収船に配置されており、海上に浮上した前記バルーン本体の前記カップラに接続される吸引カップラを先端に設けた混合物吸引ホースと、該混合物吸引ホースに接続され、前記バルーン本体内に貯留された前記混合物を吸引回収する吸引ポンプとを備えていることが好ましい。
また、本発明の別の態様に係る海洋資源揚鉱システムにおいて、前記ロボットアーム付き無人潜水機は、遠隔操作型の無人潜水機であり、海上の前記混合物回収船から水中ケーブルを介して動力が供給されるように構成されることが好ましい。
また、本発明の別の態様に係る海洋資源揚鉱システムにおいて、前記ロボットアーム付き無人潜水機は、海底に到達した前記海洋資源揚鉱用バルーンのカップラを開から閉に切り替えることが好ましい。
これにより、混合物が吸引回収されたバルーン本体を回収し、回収されたバルーン本体にウェイトを装着して再度利用することができる。
なお、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。また、以下に示す各実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
図1乃至図6に示すように、海洋資源揚鉱用バルーン1は、海面C上から海底Dに沈められて、レアアース泥Drを吸着結合したエマルションEmの混合物Maを貯留するものであり、海中で混合物Maを内部に貯留するバルーン本体10を備えている。海洋資源揚鉱用バルーン1は、混合物回収船B上に設置されたバルーン投入装置58から海底Dに向けて投入される。
次に、この海洋資源揚鉱用バルーン1を用いた海洋資源揚鉱システムの一実施形態について、図1乃至図12を適宜参照しつつ説明する。
ここで、ダウンホールモータ2は、海上のエマルション供給船Aから海中の採鉱位置に投入されて稼働することにより、レアアース泥床OD(図6参照)の泥質堆積層中のレアアース泥Drを解泥するとともに、解泥したレアアース泥DrとエマルションEmとを混合してレアアースを吸着結合したエマルションの混合物Maとするものである。
その装着状態において、第1シャフト支持部51は、上部ハウジング16の軸線に対して所定の偏心距離Eだけ偏心した位置に第1シャフト20の基端部21を支持するように複数の軸受51jが軸線方向に沿って配置され、複数の軸受51jを介して第1シャフト20の基端部21を回転自在に支持する。第1シャフト支持部51の複数の軸受51jの両側は、第1のシール61および第2のシール62により、第1シャフト20の基端部21の外周面と上部ハウジング16の内周面との間がシールされる。
第2シャフト30の外周面には、軸方向の中央部に、凸の段部31mが形成されており、上下の軸受52j、53jの凸の段部31m側の側面が、凸の段部31mの側面に当接するように装着されるとともに、下部ハウジング17の下部開口部に装着されたフロントキャップ81の装着によって軸方向に挟圧されることにより、装着状態が保持される。なお、フロントキャップ81は、図示しない複数の埋め込みボルトにより下方から固定される。
また、第2シャフト支持部52、53の複数の軸受52j、53jの上下の側は、第3のシール63および第4のシール64により、第2シャフト30の外周面と下部ハウジング17の内周面との間がシールされる。なお、本実施形態では、各シャフト20、30を支持する複数の軸受51j、52j、53jに、スラスト荷重およびラジアル荷重を受ける深溝玉軸受を使用しているが、これに限定されず、種々の軸受を用いることができる。
詳しくは、第1シャフト20は、基端部21と、基端部21の先端側に形成されたインナロータ部22とを一体に有して構成されている。基端部21の上面には、前述したエマルション供給路18に連通して、基端部21の軸方向に沿ってエマルション導入路25が形成されている。基端部21のエマルション導入路25は、基端部21とインナロータ部22との境となる位置まで延設されている。
攪拌部218は、所定方向に回転駆動されると、上方に配置された第1から第3の攪拌翼212〜214は下降流を形成し、下方に配置された第4から第6の攪拌翼215〜217は上昇流を形成するようになっている。これにより、ダウンホールモータ2が駆動されると、第2シャフト30の回転とともに、6枚の攪拌翼212〜217をも同時に回転し、所期の攪拌動作が行えるようになっている。なお、第1の攪拌翼212が上昇流を形成するように構成してもよい。
ダウンホールモータ2の基端部、即ちハウジング15から一体に延びる連結ハウジング23は、集鉱装置101の集鉱管102に支持されている。
クローラ走行体6は、図2に示すように、海上のエマルション供給船A上に配置された巻き揚げ機29から滑車28aを介して延びるワイヤロープ28によって吊り下げられ、ダウンホールモータ2とともに海中に投入されるようになっている。
次に、回収ホース3は、図5及び図6に示すように、掘削装置としてのダウンホールモータ2及び海洋資源揚鉱用バルーン1のホース接続口11に接続され、レアアースを吸着結合したエマルションの混合物Maを通過させてバルーン本体10内に貯留するものである。回収ホース3は、具体的には、図6に示すように、一端が集鉱管102の上端に接続され、他端が、後述するように、ロボットアーム付き無人潜水機4により、海洋資源揚鉱用バルーン1のホース接続口11に接続されるとともに、その接続状態が解除される。
また、ロボットアーム付き無人潜水機4は、海上の混合物回収船Bから海中に投入されて、図3に示すように、海底Dに到達した海洋資源揚鉱用バルーン1のカップラ12を開から閉に切り替える。
更に、ロボットアーム付き無人潜水機4は、レアアースを吸着結合したエマルションの混合物Maをバルーン本体10内に貯留した後、図8に示すように、海洋資源揚鉱用バルーン1のホース接続口11に接続した回収ホース3の接続状態を解除する。
このロボットアーム付き無人潜水機4は、遠隔操作型の無人潜水機であり、海上の混合物回収船Bの動力供給装置46から水中ケーブル45を介して動力が供給されるように構成される。混合物回収船B上には、動力供給装置46の駆動をオペレータの操作に応じて制御するコントローラ(図示せず)が設けられている。
次に、吸引回収装置5は、図10及び図11に示すように、ウェイト13が切り離されたバルーン本体10が海水と混合物Maとの比重差で海上まで浮上した後、バルーン本体10内に貯留された混合物Maを吸引回収するものである。
また、回収アーム57は、海上の混合物回収船Bに設置され、その先端に吸引カップラ55を取り付けている。そして、回収アーム57は、吸引回収装置5がバルーン本体10内に貯留された混合物Maを吸引回収した後、先端に取り付けた吸引カップラ55及びカップラ12を介してバルーン本体10を混合物回収船B上に回収する。
海洋資源としてのレアアース泥Drを吸着結合したエマルションEmの混合物Maを揚鉱するには、先ず、エマルション供給船A及び混合物回収船Bを目的とする海域の海上に停泊させる。
このバルーン沈下工程においては、海洋資源揚鉱用バルーン1のカップラ12は開いた状態となっており、バルーン本体10内に海水が入り込む。
次いで、図2に示すように、掘削装置としてのダウンホールモータ2をクローラ走行体6とともに海上のエマルション供給船Aから海中の採鉱位置に投入する(掘削装置投入工程)。
なお、ダウンホールモータ2の投入に際し、図2及び図6に示すように、回収ホース3の一端を、ダウンホールモータ2を支持する集鉱管102の上端に接続しておく。
そして、図2に示すように、ダウンホールモータ2の海中への投入と同時にロボットアーム付き無人潜水機4を海上の混合物回収船Bから海中に投入する(無人潜水機投入工程)。
次いで、図4に示すように、オペレータが混合物回収船B上からロボットアーム付き無人潜水機4を操作し、ダウンホールモータ2(集鉱管102)に一端が接続された回収ホース3の他端を、海洋資源揚鉱用バルーン1のホース接続口11にロボットアーム付き無人潜水機4により接続する(回収ホース接続工程)。
そして、回収ホース接続工程の後、図5及び図6に示すように、掘削装置としてのダウンホールモータ2を稼働して、泥質堆積層中のレアアース泥Drを解泥するとともに、解泥したレアアース泥DrとエマルションEmとを混合してレアアースを吸着結合したエマルションの混合物Maとするとともに、混合物Maを回収ホース3を通して海洋資源揚鉱用バルーン1のバルーン本体10内に貯留する(混合物貯留工程)。
つまり、駆動機構部70において、エマルションEmの導入圧が第2シャフト30の回転駆動力に変換される。駆動機構部70で第2シャフト30が回転駆動すると、第2シャフト30の先端に設けられたビット90が共に回転する。エマルション供給路18から導入されたエマルションEmは、駆動機構部70の下部の位置31sを経て(図7の符号M2)、ビット90先端のビットノズル91から装置外に噴射される(図7の符号M3)。
さらに、集鉱ホッパ103下部の複数の攪拌翼215〜217が上昇流を形成しているので、集鉱ホッパ103の下部に導かれたレアアース泥Drは、攪拌されつつ集鉱ホッパ103の上方に移動していく。一方、集鉱ホッパ103上部の複数の攪拌翼212〜214が下降流を形成しているので、集鉱ホッパ103上部のエマルションEmは、攪拌されつつ集鉱ホッパ103の下方に移動していく。
そのため、上部の集鉱管102にて集鉱ホッパ103から一定の距離を超えて移動した混合物Maは、海水Wとの比重差によって自ら集鉱管102内で浮上を開始する。なお、第1の攪拌翼212が上昇流を形成するように構成すれば、浮上を開始させるタイミングを調整することができる。そして、集鉱管102の上部には、回収ホース3が接続されているため、図5及び図6に示すように、浮上を開始した混合物Maを、回収ホース3を通して海洋資源揚鉱用バルーン1のバルーン本体10内に貯留することができる。
そして、図11に示すように、ウェイト13が切り離されたバルーン本体10が海水と混合物Maとの比重差で海上まで浮上した後、混合物回収船B上の吸引回収装置5でバルーン本体10内に貯留された混合物Maを吸引回収する(混合物吸引回収工程)。
そして、混合物回収船B上に回収されたバルーン本体10にウェイト13を装着し、再度海底Dへ投入して上記一連のバルーン沈下工程、掘削装置投入工程、無人潜水機投入工程、カップラ閉鎖工程、回収ホース接続工程、混合物貯留工程、回収ホース及びウェイト接離工程、混合物吸引回収工程、及びバルーン本体回収工程を繰り返し、海洋資源の揚鉱工程が終了する。
これに対し、本発明を完成する過程での研究によれば、レアアース泥Dr中のアパタイトには、高品位にレアアースが吸着されている。そこで、上記エマルションEmにアパタイトを吸着させることにより、レアアース泥Drから不要な脈石を除き、高品位にレアアースが吸着されているアパタイトを効率良く液分離できる。そのため、エネルギー効率を向上させる上でより好適である。
これにより、集鉱ホッパ103内で順次生成された混合物Maを集鉱ホッパ103から集鉱管102へと移動させて混合物Maを安定させつつ、海水Wとの比重差によって混合物Ma自ら集鉱管102内を浮上させ、混合物Maを集鉱管102に接続された回収ホース3内を通過させてバルーン本体10内で海水と置換させて充填させることができる。
また、従来のポンプリフト方式では、深海からの揚泥には水深分の揚程を圧送する多大なエネルギーが必要となり、エアリフト方式では、エネルギー効率が悪く、ポンプリフト方式以上のさらなる多大なエネルギーが必要となるところ、本実施形態に係る海洋資源揚鉱用バルーン1、海洋資源揚鉱システム100及び海洋資源の揚鉱方法によれば、前述したように、安定した運転性能を確保するとともに、揚鉱に要するエネルギーを大幅に削減可能なので、エネルギー効率を向上させることができる。
また、本実施形態に係る海洋資源揚鉱システム100において、ダウンホールモータ2は、その基端部が集鉱装置101に支持されるとともに基端部にエマルションEmの導入口(エマルション供給路18)が設けられ、導入口にエマルションEmを供給可能に海上のエマルション供給船Aにエマルション供給ホース26で連結されている。これにより、海上のエマルション供給船Aからエマルション供給ホース26を介してエマルションEmをダウンホールモータ2の導入口に供給することができる。
また、インナロータ部22の回転よりも減速されたアウタロータ部32の回転力をビット90に直接伝達できる。そのため、第1シャフト20のトルクよりも大きな回転トルクを、第2シャフト30の先端に設けられたビット90に効率良く伝達可能なので、より高トルクに対応できる。
また、本実施形態に係る海洋資源揚鉱システム100において、ロボットアーム付き無人潜水機4は、遠隔操作型の無人潜水機であり、海上の混合物回収船Bから水中ケーブル45を介して動力が供給されるように構成される。
また、本実施形態に係る海洋資源揚鉱システム100において、混合物Maが吸引回収されたバルーン本体10を回収する回収アーム57を備えている。これにより、混合物Maが吸引回収されたバルーン本体10を回収し、回収されたバルーン本体10にウェイト13を装着して再度利用することができる。
例えば、掘削装置としてダウンホールモータ2を用いた例について説明したが、電動機を用いたビットや攪拌翼を用いた掘削装置であったり、電動ポンプや水流を利用したジェットポンプと攪拌翼を使用した掘削装置であってもよい。
また、エマルション供給船Aと混合物回収船Bとを別の船で構成しているが、一つの船で構成してもよい。
また、ロボットアーム付き無人潜水機4は、エマルション供給船A上からオペレータが操作するようにしてもよい。
1 海洋資源揚鉱用バルーン
2 ダウンホールモータ(掘削装置)
3 回収ホース
3a 浮力体
4 ロボットアーム付き無人潜水機
5 吸引回収装置
6 クローラ走行体
10 バルーン本体
11 ホース接続口
12 カップラ
13 ウェイト
13a 連結ロープ
14 浮力体
15 ハウジング
16 上部ハウジング
17 下部ハウジング
18 エマルション供給路(エマルションの導入口)
20 第1シャフト
21 基端部
22 インナロータ部
23 連結ハウジング
23a 駆動流体供給路
24 エマルション導出口
25 エマルション導入路
26 エマルション供給ホース
27 ホースリール
28 ワイヤロープ
28a 滑車
29 巻き揚げ機
30 第2シャフト
31 外筒部
32 アウタロータ部
33 ビット装着部
41 第1のブッシュ
42 第2のブッシュ
43 第3のブッシュ
44 第4のブッシュ
45 水中ケーブル
46 動力供給装置
51 第1シャフト支持部
52 第2シャフト支持部
53 第2シャフト支持部
54 混合物吸引ホース
55 吸引カップラ
56 吸引ポンプ
57 回収アーム
58 バルーン投入装置
61 第1のシール
62 第2のシール
63 第3のシール
64 第4のシール
65 水中ケーブル
65a 滑車
66 起立ポスト
67 ケーブルリール
70 駆動機構部
81 フロントキャップ
82 支軸部キャップ
90 ビット
91 ビットノズル(噴射口)
101 集鉱装置
102 集鉱管
103 集鉱ホッパ
200 攪拌軸
212〜217 攪拌翼
218 攪拌部
A エマルション供給船
B 混合物回収船
C 海面
D 海底
CL1 第1シャフトの回転軸線
CL2 第2シャフトの回転軸線
E 偏心距離
K キャビティ
Em エマルション(駆動流体、噴射流体)
Ma 混合物(移送流体:アパタイト吸着エマルション)
Dr (解泥された)レアアース泥
W 海水
OD レアアース泥床
Claims (12)
- 海底に沈められて、レアアース泥を吸着結合したエマルションの混合物を貯留する海洋資源揚鉱用バルーンであって、海中で前記混合物を内部に貯留し、下部にホース接続口を有するとともに、上部にカップラを備えたバルーン本体と、該バルーン本体の下部に装着されたウェイトと、前記バルーン本体の上部に装着された浮力体とを備え、海中で前記混合物を前記バルーン本体の内部に貯留した後、前記ウェイトを前記バルーン本体から切り離すことにより、前記バルーン本体が前記混合物と海水との比重差で海上まで浮上する海洋資源揚鉱用バルーンを備えた海洋資源揚鉱システムであって、
海上から海中の採鉱位置に投入されて稼働することにより、泥質堆積層中のレアアース泥を解泥するとともに、解泥したレアアース泥とエマルションとを混合してレアアースを吸着結合したエマルションの混合物とする掘削装置と、
該掘削装置及び前記海洋資源揚鉱用バルーンのホース接続口に接続され、前記混合物を通過させて前記バルーン本体内に貯留する回収ホースと、
海上から海中に投入されて、前記掘削装置に接続された前記回収ホースを前記海洋資源揚鉱用バルーンのホース接続口に接続するとともにその接続状態を解除し、さらに、前記ウェイトを前記バルーン本体から切り離すロボットアーム付き無人潜水機と、
前記ウェイトが切り離されて海水と前記混合物との比重差で海上まで浮上した前記バルーン本体内に貯留された前記混合物を吸引回収する吸引回収装置とを備えたことを特徴とする海洋資源揚鉱システム。 - 前記掘削装置は、海水よりも比重が軽いエマエルションで駆動するダウンホールモータであり、該ダウンホールモータには、前記ダウンホールモータを駆動するエマルションを噴射するビットノズルが形成されるとともに前記ダウンホールモータを駆動することにより回転する掘削用のビットが装着されていることを特徴とする請求項1に記載の海洋資源揚鉱システム。
- 前記ダウンホールモータには、前記ビットの上部の位置に前記ビットとともに回転する攪拌翼が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の海洋資源揚鉱システム。
- 前記ダウンホールモータを囲う位置に配設された集鉱装置であって、上部及び下部が海中に開口している集鉱管と、該集鉱管の下部に設けられ、下方に向けて拡径して海中に開口している集鉱ホッパとを有する集鉱装置を備えていることを特徴とする請求項2又は3に記載の海洋資源揚鉱システム。
- 前記回収ホースは、前記集鉱管の上端に接続されることを特徴とする請求項4に記載の海洋資源揚鉱システム。
- 前記ダウンホールモータは、その基端部が前記集鉱装置に支持されるとともに前記基端部に前記エマルションの導入口が設けられ、該導入口に前記エマルションを供給可能に海上のエマルション供給船にエマルション供給ホースで連結されることを特徴とする請求項4又は5に記載の海洋資源揚鉱システム。
- 前記集鉱装置は、クローラ走行体に支持され、該クローラ走行体は、海上の前記エマルション供給船から水中ケーブルを介して電源が供給されるように構成されることを特徴とする請求項6に記載の海洋資源揚鉱システム。
- 前記吸引回収装置は、海上の混合物回収船に配置されており、海上に浮上した前記バルーン本体の前記カップラに接続される吸引カップラを先端に設けた混合物吸引ホースと、該混合物吸引ホースに接続され、前記バルーン本体内に貯留された前記混合物を吸引回収する吸引ポンプとを備えていることを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか一項に記載の海洋資源揚鉱システム。
- 前記ロボットアーム付き無人潜水機は、遠隔操作型の無人潜水機であり、海上の前記混合物回収船から水中ケーブルを介して動力が供給されるように構成されることを特徴とする請求項8に記載の海洋資源揚鉱システム。
- 前記ロボットアーム付き無人潜水機は、海底に到達した前記海洋資源揚鉱用バルーンのカップラを開から閉に切り替えることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の海洋資源揚鉱システム。
- 前記混合物が吸引回収された前記バルーン本体を回収する回収アームを備えていることを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の海洋資源揚鉱システム。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載の海洋資源揚鉱システムを用いた海洋資源の揚鉱方法であって、
請求項1記載の海洋資源揚鉱用バルーンを海上から海底に沈めるバルーン沈下工程と、
前記掘削装置を海上から海中の採鉱位置に投入する掘削装置投入工程と、
前記ロボットアーム付き無人潜水機を海上から海中に投入する無人潜水機投入工程と、
前記掘削装置に接続された前記回収ホースを前記海洋資源揚鉱用バルーンのホース接続口に前記ロボッットアーム付き無人潜水機により接続する回収ホース接続工程と、
該回収ホース接続工程の後、前記掘削装置を稼働して、泥質堆積層中のレアアース泥を解泥するとともに、解泥したレアアース泥とエマルションとを混合してレアアースを吸着結合したエマルションの混合物とするとともに、該混合物を前記回収ホースを通して前記海洋資源揚鉱用バルーンの前記バルーン本体内に貯留する混合物貯留工程と、
該混合物貯留工程の後、前記ロボットアーム付き無人潜水機により、前記回収ホースの前記ホース接続口に対する接続状態を解除するとともに、前記ウェイトを前記バルーン本体から切り離す回収ホース及びウェイト接離工程と、
前記ウェイトが切り離された前記バルーン本体が海水と前記混合物との比重差で海上まで浮上した後、前記吸引回収装置で前記バルーン本体内に貯留された前記混合物を吸引回収する混合物吸引回収工程とを含むことを特徴とする海洋資源の揚鉱方法。
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