JP2017141593A - メタンハイドレートの移送 - Google Patents

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Abstract

【課題】海底に存在する表層及び堆積物中に存在するメタンハイドレートを効率よく海上へ輸送する方法を提供する。
【解決手段】メタンハイドレートの特質を生かしながら輸送カプセル装置を用いて、海上あるいはメタンガスのパイプ移送が可能な海面下1〜3百メートルのステージまで輸送して、輸送カプセル装置の内圧・温度をコントロールしてガス化したメタンガスを海上の積出装置へ移送する輸送カプセル装置・メタンハイドレート輸送システム。
【選択図】図3

Description

本発明は、海底に存在する表層及び堆積物中に存在するメタンハイドレートを効率よく海上へ輸送・移送する方法に関する。
日本近海に莫大な埋蔵量の表層型メタンハイドレートが存在することが確認されており、これを効率的に採掘すれば、エネルギーの心配を無くすることができる。
現在考案されている表層型メタンハイドレートの回収方法においては、海底での採掘・粉砕技術、洋上でのメタンガスの取り扱いについては既に開発されているが、海底から洋上までの輸送・移送方法について確立されたものはない。
そこで、本願発明は、海底で採掘・粉砕されたメタンハイドレートを海上の浮体式メタンガス貯蔵積出し装置へ輸送する方法についてのものである。
海底から洋上までの輸送・移送方法について確立されないのはメタンハイドレート固有の特質があり、この対策ができないからである。
メタンハイドレートはメタンと水が低温・高圧状態で結晶化した氷状の固体物質で、大気圧下で−80度、0度では23気圧で氷状を保つが、該物質が存在するところは、海底下水深数百〜千m、水温は3〜4度の所である。
このため、採掘場に於いては氷状の固体物質であるが、洋上へ輸送・移送途中でメタンガスと水に分解してしまい、その対応に苦慮している。
本願発明の概要は、メタンハイドレートの特質を生かしながら輸送カプセル装置を用いて、海上あるいはメタンガスのパイプ移送が可能な海面下1〜3百メートルまで輸送し、装置の内圧・温度をコントロールしてガス化し、海上の積出し設備へ移送する方法で、
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、
海底で採掘・破砕され粒状化したメタンハイドレートをカプセル容器に収納し、ガス分解を起こさない状態を維持して海上のメタンガス貯蔵積出し装置へ輸送し、該カプセル容器内でガス化させたメタンガスを前記メタンガス貯蔵積出し設備へ移送する輸送カプセル装置で、
該輸送カプセル装置は、高耐内圧と断熱性を有し、粒状化したメタンハイドレート及び海水を導入する導入口、海水を排出する排水口、及び、ガス分解したメタンガスをメタンガス貯蔵積出し装置へ移送するメタンガス排出口で構成され、
該輸送カプセル装置は、海底で採掘・粉砕されたメタンハイドレートを収納後、前記導入口および前記排水口を解放した状態にして、メタンハイドレートが分解する圧力・温度の限界領域まで海中を上昇させ、この場において前記導入口および排水口を密閉し、圧力・温度を保持した状態で、該輸送カプセル装置と海中の圧力差が該輸送カプセル装置の耐内圧に収まる領域まで再上昇させ、該領域に設けられたメタンガス貯蔵積出し装置または該メタンガス貯蔵積出し装置から垂下されたメタンガス移送パイプ装置とメタンガス排出口を接続して、該輸送カプセル装置内の圧力や海水温を調整してメタンハイドレートをメタンガスと水に分解し、該メタンガスを前記メタンガス貯蔵積出し装置へ移送することを特徴とする。
本発明の第2の態様は、輸送カプセル装置を海底から洋上への浮上は、ロープ或はパイプによる浮上ガイド体によりガイドし、空気等の浮力、あるいは動力源により浮上させることを特徴とする。
本発明の第3の態様は、輸送カプセル装置には、メタンハイドレートの分解に伴う吸熱現象によって生じた温度低下を、前記輸送カプセル装置内の冷却装置として利用することを特徴とする。
本発明の第4の態様は、輸送カプセル装置には、内圧を所定圧力に維持する圧力維持装置を設けたことを特徴とする。
本発明の第5の態様は、輸送カプセル装置を、陸上の貯蔵タンクに近く、メタンハイドレートが分解する境界圧より小さい海中圧の海上に設けた前記メタンガス貯蔵・積み出し設備へ輸送し、メタンガスを海底パイプラインにより陸上の貯蔵タンクへ移送することを特徴とする。
上述したように本発明の輸送カプセル装置とその運用方法により、これまでのメタンハイドレートが結晶状にあるときと、メタンガスと水に分解する境界を明確にして、それに対応した気圧・温度を制御することで輸送〜分解〜移送方法を確立でき、輸送カプセル装置の耐内圧がメタンガスと水に分解する境界圧力より小さい場合であっても、海中の深度水圧を利用して輸送〜分解〜移送を可能とした。
図1は輸送カプセル装置の正面断面図。 図2は内耐圧が50気圧の輸送カプセル装置の運用システムズ概略図である。 図3は内耐圧が30気圧の輸送カプセル装置の運用システムズ概略図である。 図4は「海洋環境におけるメタンハイドレート安定領域」である。(201 0年、メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアムより)
以下、本発明の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。以下に示す実施形態は本発明の技術思想を具体化するための海底資源採掘システムを例示するものであって、本発明をこれらに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適応し得るものである。
なお、引用する気圧等の数値は、技術内容が理解され易いように、限界に近い数値を用いており、安全(余力)や運用上得られる得失を考慮した数値でない。
また、メタンハイドレートは分解して吸熱反応を起こした時に生成される水は氷の薄膜を形成するため、常圧下−20度程度でも長く保存できる自己保存性があり、運用面において考慮する必要がある。
続いて、図面を参照しながら本発明に係る実施の形態にについて説明する。
図1は、メタンハイドレート輸送システムの中心となる輸送カプセル装置1の正面断面図で、装置の概要は断熱性の高耐内圧の圧力容器となっている。
この輸送カプセル装置1は、耐内圧を50気圧で粒状化したメタンハイドレート2及び海水3を導入する導入口111、海水3を排出する排水口112、及び、ガス分解したメタンガス21をメタンガス貯蔵積出し装置5へ移送するメタンガス排出口113で構成されている。
また、輸送カプセル装置1を海面下500メートルの場所で導入口111および排水口112を密閉し、圧力・温度を保持した状態で海上まで再上昇させるが、輸送カプセル装置内の圧力はコンプレッサー等で加圧したものでなく、容器を密閉しただけのものであることから、装置外の圧力が低くなった時に圧力低下が懸念され、圧力維持を確実に行うために圧力維持装置12を設ける。
これは、後述する実施例2についても同様である。
また、前記輸送カプセル装置1を海上まで上昇させるとき海中水温が高くなり、メタンハイドレート2がガス分解することが考えられ、これに伴う吸熱現象によって起こす温度低下を輸送カプセル装置内1の冷却に利用した冷却装置13を設ける。
これは、後述する実施例2についても同様である。
また、輸送カプセル装置1の海底と海上間の昇降については、海底のメタンハイドレート積込みステージ4と海上のメタンガス貯蔵積出し装置5とをロープ或はパイプで連結したガイド体7によりガイドさせ、空気の浮力により浮上、海水3注入による沈下、あるいは推進装置14により下降、上昇を行う。
次に、図2により輸送カプセル装置1の具体的作業内容等を説明する。
(1)具体的な作業工程は、海低でドーザー・クラッシャーにより採掘し・塊または 粒状に粉砕したメタンハイドレート2を、フレキシブルチューブ41からメタン ハイドレート積出し装置4に繋留されている移送カプセル装置1へ導入する。導 入が終わった後も、移送カプセル装置1の導入口111、排出口112は解放状 態に置く。
(2)次に、ロープやパイプのガイド体7をガイドにして空気等の浮力或は推進装置 14により浮上を始め、浮上途中の500メートル時点(50気圧)で、移送カ プセル装置1の全ての導入口111、排出口を112密閉する。
ここでは、移送カプセル装置内1は50気圧、水温が3〜5度で結晶状に維持 された状態である。
(3)この状態を保ったまま海上まで上昇させ、海面に到達した時に移送カプセル装 置のメタンガス排出口を海上のメタンガス貯蔵積出し装置5に連結する。
(4)次に、移送カプセル装置内1の気圧を減圧又は解除してメタンハイドレート2 をガス分解させ、メタンガス貯蔵積出し装置5へ移送する。
(5)メタンガス21の移送終了後、移送カプセル装置1を海上に繋留するときは、 メタンハイドレート投入口111等を密閉して空気を注入し浮力を保持する。使 用するときはメタンハイドレート投入口111等を解放状態にして海水3を注入 し自然降下、あるいは推進装置により下降を行う。
次に、本実施例2は、メタンハイドレート輸送システムの中心となる輸送カプセル装置1は実施例1と同じ構成であるが、輸送カプセル装置の耐内圧が50気圧未満(理論的には1気圧以上50気圧未満)であっても輸送を可能としたシステムであり、事例では耐内圧が30気圧の場合について記述している。
その方法の概要は、輸送カプセル装置1の耐内圧(30気圧)がメタンハイドレート2の分解圧(50気圧)より小さい分(20気圧)は海中圧(200メートルで20気圧)を利用する方法で、耐内圧の小さい分に相当(20気圧)する海面下の深度の場所(200メートル)に、メタンガス貯蔵積み出し装置5から垂下させたメタンガス移送パイプ装置51に接続し、当該場所でガス分解させて移送する方法である。
次に、図3により輸送カプセル装置の具体的作業内容等を説明する。
(1)具体的な作業工程は、海低でドーザー・クラッシャーにより採掘し・塊または 粒状に粉砕したメタンハイドレート2を、フレキシブルチューブ41からメタン ハイドレート積出し装置4に繋留されている移送カプセル装置1へ導入する。導 入が終わった後も、移送カプセル装置1の導入口111、排出口112は解放状 態に置く。
(2)次に、ロープやパイプのガイド体7をガイドにして空気等の浮力或は推進装置 14により浮上を始め、浮上途中の500メートル時点(50気圧)で、移送カ プセル装置1の全ての導入口111、排出口を112密閉する。ここでは、移送 カプセル装置内1は50気圧、水温が3〜5度で結晶状に維持された状態である 。
(3)この状態を保ったまま耐内圧の小さい分に相当(20気圧)する海面下の深度 (200メートル)まで上昇させ、メタンガス貯蔵積み出し装置5から垂下され たメタンガス移送パイプ装置51に繋留して、メタンガス排出口113を接続す る。
メタンガス移送パイプ装置51は海面下200メートルの深度の海中に設けら れることになるが、メタンガス貯蔵積み出し装置5を半潜水式プラットフォーム 型として、その海面下200メートルに繋留ステージを設けると良い。
(4)次に、移送カプセル装置内1の気圧を減圧又は解除してメタンハイドレート2 をガス分解させ、メタンガス移送パイプ装置1を経由してメタンガス貯蔵積出し 装置5へ移送する。
(5)メタンガス21の移送終了後、移送カプセル装置1を海上に繋留するときは、 メタンハイドレート投入口111等を密閉して空気を注入し浮上させて保持する 。使用するときはメタンハイドレート投入口111等を解放状態にして海水3を 注入し自然降下、あるいは推進装置14により下降を行う。
次に、図示していないが、メタンガス貯蔵積出し装置5を、陸上の貯蔵タンクに近く、且つ、メタンハイドレート2が分解する境界圧より小さい海中圧の海上に設けて、輸送カプセル装置1をここまで搬送し、メタンガスを分解・移送し、これを海底パイプラインにより陸上の貯蔵タンクへ直接移送する方法もある。
1 輸送カプセル装置
111 メタンハイドレート導入口
112 海水排出口
113 メタンガス排出口
12 圧力維持装置
13 冷却装置
14 推進装置(動力源)
19 断熱壁
2 メタンハイドレート
21 メタンガス
3 海水
4 メタンハイドレート積込みステージ
41 メタンハイドレート積込み用フレキシブルチューブ
5 メタンガス貯蔵積出し装置
(半潜水式プラットフォーム型)
51 メタンガス移送パイプ装置
7 ガイド体(ロープ又はパイプ)
本発明は、海底に存在する表層及び堆積物中に存在するメタンハイドレートを効率よく海上へ輸送・移送する方法に関する。
日本近海に莫大な埋蔵量の表層型メタンハイドレートが存在することが確認されており、これを効率的に採掘すれば、エネルギーの心配を無くすることができる。
現在考案されている表層型メタンハイドレートの回収方法においては、海底での採掘・粉砕技術、洋上でのメタンガスの取り扱いについては既に開発されているが、海底から洋上までの輸送・移送方法について確立されたものはない。
そこで、本願発明は、海底で採掘・粉砕されたメタンハイドレートを海上の浮体式メタンガス貯蔵積出し装置へ輸送する方法についてのものである。
海底から洋上までの輸送・移送方法について確立されないのはメタンハイドレート固有の特質があり、この対策ができないからである。
メタンハイドレートはメタンと水が低温・高圧状態で結晶化した氷状の固体物質で、大気圧下で−80度、0度では23気圧で氷状を保つが、該物質が存在するところは、海底下水深数百〜千m、水温は3〜4度の所である。
このため、採掘場に於いては氷状の固体物質であるが、洋上へ輸送・移送途中でメタンガスと水に分解してしまい、その対応に苦慮している。
本願発明の概要は、メタンハイドレートの特質を生かしながら輸送カプセル装置を用いて、海上あるいはメタンガスのパイプ移送が可能な海面下1〜3百メートルまで輸送し、装置の内圧・温度をコントロールしてガス化し、海上の積出し設備へ移送する方法で、
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、
海底で採掘・破砕され粒状化したメタンハイドレートをカプセル容器に導入し、ガス分解を起こさない状態を維持してメタンガス貯蔵積出し装置に付帯したメタンガス移送パイプ装置へ輸送し、
前記カプセル容器内でガス化させたメタンガスを海上または海中に備えられた前記メタンガス移送パイプ装置へ移送する輸送カプセル装置で、該輸送カプセル装置は、高耐内圧と断熱性を有し、粒状化したメタンハイドレート及び海水を導入する導入口、海水を排出する排水口及び、ガス分解したメタンガスをメタンガス移送パイプ装置へ移送するメタンガス排出口で構成され、
前記輸送カプセル装置は、海底で採掘・粉砕されたメタンハイドレートを導入後、前記導入口および前記排水口を解放した状態にして、メタンハイドレートが分解する圧力・温度の限界領域まで海中を上昇させ、前記導入口および排水口を密閉し、圧力・温度を保持した状態で、該輸送カプセル装置と海中の圧力差が該輸送カプセル装置の耐内圧に収まる領域まで再上昇させ、該領域に設けられたメタンガス貯蔵積出し装置から垂下されたメタンガス移送パイプ装置にメタンガス排出口を接続して、
前記輸送カプセル装置内の圧力や海水温を調整してメタンハイドレートをメタンガスと水に分解し、該メタンガスを前記メタンガス移送パイプ装置経由で海上のメタンガス貯蔵積出し装置へ移送することを特徴とする。
本発明の第2の態様は、輸送カプセル装置を海底からメタンガス移送パイプ装置までの浮上は、ロープ或はパイプによる浮上ガイド体によりガイドし、空気等の浮力、あるいは動力源により浮上させることを特徴とする。
本発明の第3の態様は、輸送カプセル装置には、メタンハイドレートの分解に伴う吸熱現象によって生じた温度低下を、前記輸送カプセル装置内の冷却装置として利用することを特徴とする。
本発明の第4の態様は、輸送カプセル装置には、内圧を所定圧力に維持する圧力維持装置を設けたことを特徴とする。
上述したように本発明の輸送カプセル装置とその運用方法により、これまでのメタンハイドレートが結晶状にあるときと、メタンガスと水に分解する境界を明確にして、それに対応した気圧・温度を制御することで輸送〜分解〜移送方法を確立でき、輸送カプセル装置の耐内圧がメタンガスと水に分解する境界圧力より小さい場合であっても、海中の深度水圧を利用して輸送〜分解〜移送を可能とした。
図1は輸送カプセル装置の正面断面図。 図2は内耐圧が50気圧の輸送カプセル装置の運用システムズ概略図である。 図3は内耐圧が30気圧の輸送カプセル装置の運用システムズ概略図である。 図4は「海洋環境におけるメタンハイドレート安定領域」である。( 2010年、メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアムより)
以下、本発明の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。以下に示す実施形態は本発明の技術思想を具体化するための海底資源採掘システムを例示するものであって、本発明をこれらに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適応し得るものである。
なお、引用する気圧等の数値は、技術内容が理解され易いように、限界に近い数値を用いており、安全(余力)や運用上得られる得失を考慮した数値でない。
また、メタンハイドレートは分解して吸熱反応を起こした時に生成される水は氷の薄膜を形成するため、常圧下−20度程度でも長く保存できる自己保存性があり、運用面において考慮する必要がある。
続いて、図面を参照しながら本発明に係る実施の形態にについて説明する。
図1は、メタンハイドレート輸送システムの中心となる輸送カプセル装置1の正面断面図で、装置の概要は断熱性の高耐内圧の圧力容器となっている。
この輸送カプセル装置1は、耐内圧を50気圧で粒状化したメタンハイドレート2及び海水3を導入する導入口111、海水3を排出する排水口112、及び、ガス分解したメタンガス21をメタンガス移送パイプ装置51を経由してメタンガス貯蔵積出し装置5へ移送するメタンガス排出口113で構成されている。
また、輸送カプセル装置1を海面下500メートルの場所で導入口111および排水口112を密閉し、圧力・温度を保持した状態で海上まで再上昇させるが、輸送カプセル装置内の圧力はコンプレッサー等で加圧したものでなく、容器を密閉しただけのものであることから、装置外の圧力が低くなった時に圧力低下が懸念され、圧力維持を確実に行うために圧力維持装置12を設ける。
これは、後述する実施例2についても同様である。
また、前記輸送カプセル装置1を海上まで上昇させるとき海中水温が高くなり、メタンハイドレート2がガス分解することが考えられ、これに伴う吸熱現象によって起こす温度低下を輸送カプセル装置内1の冷却に利用した冷却装置13を設ける。
これは、後述する実施例2についても同様である。
また、輸送カプセル装置1の海底と海上間の昇降については、海底のメタンハイドレート積込みステージ4と海上のメタンガス貯蔵積出し装置5に付帯するメタンガス移送パイプ装置51とを、ロープ或はパイプで連結したガイド体7によりガイドさせ、空気の浮力により浮上、海水3注入による沈下、あるいは推進装置14により下降、上昇を行う。
次に、図2により輸送カプセル装置1の具体的作業内容等を説明する。
(1)具体的な作業工程は、海低でドーザー・クラッシャーにより採掘し・塊または粒状に粉砕したメタンハイドレート2を、フレキシブルチューブ41からメタンハイドレート積出し装置4に繋留されている移送カプセル装置1へ導入する。導入が終わった後も、移送カプセル装置1の導入口111、排出口112は解放状態に置く。
(2)次に、ロープやパイプのガイド体7をガイドにして空気等の浮力或は推進装置14により浮上を始め、浮上途中の500メートル時点(50気圧)で、移送カプセル装置1の全ての導入口111、排出口を112密閉する。
ここでは、移送カプセル装置内1は50気圧、水温が3〜5度で結晶状に維持された状態である。
(3)この状態を保ったまま海上まで上昇させ、海面に到達した時に移送カプセル装置のメタンガス排出口を海上のメタンガス貯蔵積出し装置5に付帯するメタンガス移送パイプ装置51に連結する。
(4)次に、移送カプセル装置内1の気圧を減圧又は解除してメタンハイドレート2をガス分解させ、メタンガス移送パイプ装置51を経由してメタンガス貯蔵積出し装置5へ移送する。
(5)メタンガス21の移送終了後、移送カプセル装置1を海上に繋留するときは、メタンハイドレート投入口111等を密閉して空気を注入し浮力を保持する。使用するときはメタンハイドレート投入口111等を解放状態にして海水3を注入し自然降下、あるいは推進装置により下降を行う。
次に、本実施例2は、メタンハイドレート輸送システムの中心となる輸送カプセル装置1は実施例1と同じ構成であるが、輸送カプセル装置の耐内圧が50気圧未満(理論的には1気圧以上50気圧未満)であっても輸送を可能としたシステムであり、事例では耐内圧が30気圧の場合について記述している。
その方法の概要は、輸送カプセル装置1の耐内圧(30気圧)がメタンハイドレート2の分解圧(50気圧)より小さい分(20気圧)は海中圧(200メートルで20気圧)を利用する方法で、耐内圧の小さい分に相当(20気圧)する海面下の深度の場所(200メートル)に、メタンガス貯蔵積み出し装置5から垂下させたメタンガス移送パイプ装置51に接続し、当該場所でガス分解させて移送する方法である。
次に、図3により輸送カプセル装置の具体的作業内容等を説明する。
(1)具体的な作業工程は、海低でドーザー・クラッシャーにより採掘し・塊または粒状に粉砕したメタンハイドレート2を、フレキシブルチューブ41からメタンハイドレート積出し装置4に繋留されている移送カプセル装置1へ導入する。導入が終わった後も、移送カプセル装置1の導入口111、排出口112は解放状態に置く。
(2)次に、ロープやパイプのガイド体7をガイドにして空気等の浮力或は推進装置14により浮上を始め、浮上途中の500メートル時点(50気圧)で、移送カプセル装置1の全ての導入口111、排出口を112密閉する。ここでは、移送カプセル装置内1は50気圧、水温が3〜5度で結晶状に維持された状態である。
(3)この状態を保ったまま耐内圧の小さい分に相当(20気圧)する海面下の深度
(200メートル)まで上昇させ、メタンガス貯蔵積み出し装置5から垂下されたメタンガス移送パイプ装置51に繋留して、メタンガス排出口113を接続する。
メタンガス移送パイプ装置51は海面下200メートルの深度の海中に設けられることになるが、メタンガス貯蔵積み出し装置5を半潜水式プラットフォーム型として、その海面下200メートルに繋留ステージを設けると良い。
(4)次に、移送カプセル装置内1の気圧を減圧又は解除してメタンハイドレート2をガス分解させ、メタンガス移送パイプ装置51を経由してメタンガス貯蔵積出し装置5へ移送する。
(5)メタンガス21の移送終了後、移送カプセル装置1を海上に繋留するときは、メタンハイドレート投入口111等を密閉して空気を注入し浮上させて保持する。使用するときはメタンハイドレート投入口111等を解放状態にして海水3を注入し自然降下、あるいは推進装置14により下降を行う。
1 輸送カプセル装置
111 メタンハイドレート導入口
112 海水排出口
113 メタンガス排出口
12 圧力維持装置
13 冷却装置
14 推進装置(動力源)
19 断熱壁
2 メタンハイドレート
21 メタンガス
3 海水
4 メタンハイドレート積込みステージ
41 メタンハイドレート積込み用フレキシブルチューブ
5 メタンガス貯蔵積出し装置
(半潜水式プラットフォーム型)
51 メタンガス移送パイプ装置
7 ガイド体(ロープ又はパイプ)

Claims (5)

  1. 海底で採掘・破砕され粒状化したメタンハイドレートをカプセル容器に導入し、ガス分解を起こさない状態を維持して海上のメタンガス貯蔵積出し装置へ輸送し、
    該カプセル容器内でガス化させたメタンガスを前記メタンガス貯蔵積出し装置へ移送する輸送カプセル装置で、該輸送カプセル装置は、高耐内圧と断熱性を有し、粒状化したメタンハイドレート及び海水を導入する導入口、海水を排出する排水口及び、ガス分解したメタンガスをメタンガス貯蔵積出し装置へ移送するメタンガス排出口で構成され、
    該輸送カプセル装置は、海底で採掘・粉砕されたメタンハイドレートを導入後、前記導入口および前記排水口を解放した状態にして、メタンハイドレートが分解する圧力・温度の限界領域まで海中を上昇させ、前記導入口および排水口を密閉し、圧力・温度を保持した状態で、該輸送カプセル装置と海中の圧力差が該輸送カプセル装置の耐内圧に収まる領域まで再上昇させ、該領域に設けられたメタンガス貯蔵積出し装置または該メタンガス貯蔵積出し装置から垂下されたメタンガス移送パイプ装置にメタンガス排出口を接続して、
    該輸送カプセル装置内の圧力や海水温を調整してメタンハイドレートをメタンガスと水に分解し、該メタンガスを前記メタンガス貯蔵積出し装置へ移送することを特徴とする輸送カプセル装置・メタンハイドレート輸送システム。
  2. 前記輸送カプセル装置を海底から洋上への浮上は、ロープ或はパイプによる浮上ガイド体によりガイドし、空気等の浮力、あるいは動力源により浮上させることを特徴とする請求項1に記載の輸送カプセル装置・メタンハイドレート輸送システム。
  3. 前記輸送カプセル装置には、メタンハイドレートの分解に伴う吸熱現象によって生じた温度低下を、前記輸送カプセル装置内の冷却装置として利用することを特徴とする請求項1に記載の輸送カプセル装置・メタンハイドレート輸送システム。
  4. 前記輸送カプセル装置には、内圧を所定圧力に維持する圧力維持装置を設けたことを特徴とする請求項1に記載の輸送カプセル装置・メタンハイドレート輸送システム。
  5. 前記輸送カプセル装置を、陸上の貯蔵タンクに近く、メタンハイドレートが分解する境界圧より小さい海中圧の海上に設けた前記メタンガス貯蔵積出し装置へ搬送し、メタンガスを分解・移送し、これを海底パイプラインにより陸上の貯蔵タンクへ直接移送することを特徴とする請求項1に記載の輸送カプセル装置・メタンハイドレート輸送システム。
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