JP2019074546A - 荷電粒子線露光用マスク及びその製造方法 - Google Patents

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尚平 山田
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Abstract

【課題】表裏面における開口部の開口寸法が実質的に同一であり、かつ開口部の形成されている薄板部が十分な強度を有する荷電粒子線露光用マスク及びその製造方法を提供する。【解決手段】荷電粒子線露光用マスクは、第1面及びそれに対向する第2面を有し、第1面上に設定されたパターン領域内に厚さ方向に貫通する開口部が形成されてなる薄板部と、薄板部の第1面におけるパターン領域の外側を支持する枠形状の支持部とを備え、薄板部は、開口部の周囲を取り囲む薄肉部と、薄肉部の外側を取り囲み、薄肉部よりも厚さの大きい厚肉部と、薄肉部及び厚肉部の間を連続する連続部を有し、連続部は、湾曲面により構成される。【選択図】図2

Description

本開示は、荷電粒子線露光用マスク及びそれを製造する方法に関する。
半導体装置等の集積回路の微細化及び高集積化に伴い、フォトリソグラフィ法に替わって、電子線やイオンビーム等の荷電粒子線を用いた荷電粒子線リソグラフィ法がパターン形成に使用されている。荷電粒子線リソグラフィ法としては、従来、荷電粒子線露光装置を用いて露光対象物に荷電粒子線を直接描画する方式、荷電粒子線露光装置と露光対象物との間にステンシル型の荷電粒子線露光用マスクを介在させてパターン露光する方式等が知られている。
ステンシル型の荷電粒子線露光用マスクとしては、一般に、荷電粒子線を透過しない薄板部に所望の開口部が形成されてなるマスクが使用されている。このようなマスクにおける開口部は、通常数μm程度の厚みの薄板部に形成されることで当該開口部の内壁がテーパー状に構成されるため、薄板部の一方面(表面)側における開口部の開口寸法と、他方面(裏面)側における開口部の開口寸法とが相違してしまう。その結果として、露光対象物に設計寸法通りのパターンを形成することが困難となってしまう。
このような課題を解決することを目的として、従来、薄板部における開口部が形成される領域を薄肉部とし、その周囲を厚肉部としてなるステンシル型の荷電粒子線露光用マスク等が提案されている(特許文献1参照)。
特開2013−74272号公報
上記特許文献1に記載のステンシル型の荷電粒子線露光用マスクは、薄板部における開口部の形成される予定の領域に、ドライエッチングにより所望の深さの凹部を形成することで薄肉部とし、当該薄肉部に開口部を形成することで製造される。このような荷電粒子線露光用マスクにおいて、凹部の底面の厚み(薄肉部の厚み)が薄いことで、表裏面の開口寸法が実質的に同一の開口部が形成される。
しかしながら、凹部がドライエッチングにより形成されるため、凹部の周壁と開口部の形成される底面とは、角部を介して略直交している。そのため、製造過程や使用時、また荷電粒子線露光用マスクの洗浄時等に応力が上記角部に集中し、薄板部、特に開口部が形成されている凹部が変形したり、破損したりするという問題がある。
このような実情を鑑みて、本開示は、表裏面における開口部の開口寸法が実質的に同一であり、かつ開口部の形成されている薄板部が十分な強度を有する荷電粒子線露光用マスク及びその製造方法を提供することを一目的とする。
上記課題を解決するために、本開示の一実施形態として、第1面及び当該第1面に対向する第2面を有し、前記第1面上に設定されたパターン領域内に厚さ方向に貫通する開口部が形成されてなる薄板部と、前記薄板部の前記第1面における前記パターン領域の外側を支持する枠形状の支持部とを備え、前記薄板部は、前記開口部の周囲を取り囲む薄肉部と、前記薄肉部の外側を取り囲み、前記薄肉部よりも厚さの大きい厚肉部と、前記薄肉部及び前記厚肉部の間を連続する連続部とを有し、前記連続部は、湾曲面により構成される荷電粒子線露光用マスクが提供される。
前記薄肉部の厚さと前記厚肉部の厚さとの差が3μm〜20μmであればよく、前記薄肉部の厚さが3μm以下であればよい。前記第1面側において、前記薄肉部と前記厚肉部とが面一になっていてもよいし、前記第2面側において、前記薄肉部と前記厚肉部とが面一になっていてもよいし、前記薄肉部は、前記第1面と前記第2面との間に位置し、前記第1面側及び前記第2面側のいずれにおいても、前記薄肉部と前記厚肉部とが面一になっていなくてもよい。
前記第1面側における前記開口部の開口寸法と、前記第2面側における前記開口部の開口寸法とが、互いに異なっていてもよく、前記第1面側における前記開口部の開口寸法と前記第2面側における前記開口部の開口寸法との差が、150nm未満であればよい。
前記連続部は、前記薄肉部側に連続する第1連続部と、前記厚肉部側に連続する第2連続部とを含み、前記第1連続部及び前記第2連続部は、前記湾曲面により構成されればよく、前記薄板部は、シリコンを含むシリコン層により構成されており、前記支持部は、酸化シリコンを含む酸化シリコン層とシリコンを含むシリコン層との複合体により構成され、前記薄板部側に前記酸化シリコン層を位置させることができる。
本開示の一実施形態として、第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する基板を準備する工程と、前記基板の前記第1面側の所定の領域に第1窪み部を形成する工程と、前記第1窪み部内に有底筒状の孔部を形成する工程と、前記基板の前記第2面側に、前記孔部を厚さ方向に貫通させるように第2窪み部を形成する工程とを有し、前記基板の平面視において、前記第1窪み部の大きさは、前記第2窪み部の大きさよりも小さく、かつ前記第2窪み部に物理的に包含される大きさであり、前記第2窪み部を形成することで、前記第1窪み部により構成される薄肉部と、前記薄肉部の外側を取り囲み、前記薄肉部よりも厚さの大きい厚肉部と、前記薄肉部及び前記厚肉部の間を連続し、湾曲面により構成される連続部とを有する薄板部、及び前記薄板部を支持する枠形状の支持部を形成する荷電粒子線露光用マスクの製造方法が提供される。
前記基板の前記第1面側に前記所定の領域に対応する開口部を有するマスクパターンを形成し、前記マスクパターンをエッチングマスクとして前記基板の前記第1面をエッチングすることで前記第1窪み部を形成することができる。
前記基板の前記第1面側には、少なくとも、シリコンを含むシリコン層が位置しており、前記マスクパターンが形成された前記基板を酸素の存在する雰囲気下にて加熱することで、前記シリコン層における前記開口部から露出する露出部を熱酸化させ、熱酸化させた前記露出部をエッチングすることで前記第1窪み部を形成することができる。
前記マスクパターンをエッチングマスクとして前記基板の前記第1面を等方性エッチングすることで前記第1窪み部を形成すればよく、前記薄肉部の厚さと前記厚肉部の厚さとの差が3μm〜20μmとなるように、前記第1窪み部及び前記第2窪み部を形成することができ、前記薄肉部の厚さが3μm以下となるように前記第1窪み部及び前記第2窪み部を形成することができる。
前記第1面側における前記孔部の開口寸法と、前記第2面側における前記孔部の開口寸法とを互いに異ならせるように、前記孔部及び前記第2窪み部を形成することができ、前記第1面側における前記開口部の開口寸法と前記第2面側における前記開口部の開口寸法との差が150nm未満となるように、前記孔部及び前記第2窪み部を形成することができる。
本開示の一実施形態として、第1面及び当該第1面に対向する第2面を有し、前記第1面側にシリコンを含むシリコン層が少なくとも位置してなる第1基板、並びに第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する第2基板を準備する工程と、前記第1基板を酸素の存在する雰囲気下にて加熱することで、前記第1面側に位置する前記シリコン層の所定の領域を熱酸化させる工程と、前記シリコン層の所定の領域を熱酸化させた前記第1基板の前記第1面側に、前記第2基板の前記第1面を接合させることで積層基板を作製する工程と、前記積層基板における前記第1基板の前記第2面側に有底筒状の孔部を形成する工程と、前記積層基板における前記第2基板の前記第2面側に、前記熱酸化させた前記シリコン層の所定の領域を露出させるように窪み部を形成する工程と、前記窪み部から露出する前記シリコン層の所定の領域をエッチングする工程とを有する荷電粒子線露光用マスクの製造方法が提供される。
本開示の一実施形態として、第1面及び当該第1面に対向する第2面を有し、シリコンにより構成される第1基板、並びに第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する第2基板を準備する工程と、前記第1基板を酸素の存在する雰囲気下にて加熱することで、前記第1面側の第1領域を熱酸化させる工程と、前記第1領域を熱酸化させた前記第1基板の前記第1面側に、前記第2基板の前記第1面を接合させることで積層基板を作製する工程と、前記積層基板を酸素の存在する雰囲気下にて加熱することで、前記第1基板の前記第2面前記積層基板における前記第1基板の前記第2面側の所定の領域であって、前記第1面側における前記第1領域に対向する第2領域を熱酸化させる工程と、前記積層基板の前記第1基板の前記第2面側における前記第2領域をエッチングする工程と、前記積層基板の前記第1基板の前記第2面側におけるエッチングされた前記第2領域に、前記第1基板の前記第1面側の前記第1領域に至る有底筒状の孔部を形成する工程と、前記積層基板における前記第2基板の前記第2面側に、前記第1基板の前記第1領域を露出させるように窪み部を形成する工程と、前記窪み部から露出する前記第1領域をエッチングする工程とを有する荷電粒子線露光用マスクの製造方法が提供される。
本開示によれば、表裏面における開口部の開口寸法が実質的に同一であり、かつ開口部の形成されている薄板部が十分な強度を有する荷電粒子線露光用マスク及びその製造方法を提供することができる。
図1は、本開示の一実施形態に係る荷電粒子線露光用マスクの概略構成を示す平面図である。 図2は、本開示の一実施形態に係る荷電粒子線露光用マスクの概略構成を示す切断端面図である。 図3は、本開示の一実施形態に係る荷電粒子線露光用マスクの薄板部の概略構成を示す部分拡大切断端面図である。 図4は、本開示の一実施形態に係る荷電粒子線露光用マスクの開口部の概略構成を示す部分拡大切断端面図である。 図5は、本開示の一実施形態に係る荷電粒子線露光用マスクの他の態様の概略構成を示す切断端面図である。 図6は、本開示の一実施形態に係る荷電粒子線露光用マスクの他の態様の概略構成を示す切断端面図である。 図7は、本開示の一実施形態に係る荷電粒子線露光用マスクの他の態様の概略構成を示す切断端面図である。 図8は、本開示の一実施形態に係る荷電粒子線露光用マスクの他の態様の概略構成を示す切断端面図である。 図9は、本開示の一実施形態に係る荷電粒子線露光用マスクの製造方法の第1態様の各工程を切断端面にて示す工程フロー図である。 図10は、本開示の一実施形態に係る荷電粒子線露光用マスクの製造方法の第2態様の各工程を切断端面にて示す工程フロー図である。 図11は、本開示の一実施形態に係る荷電粒子線露光用マスクの製造方法の第3態様の各工程を切断端面にて示す工程フロー図である。
以下、本開示の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
当該図面においては、理解を容易にするために、各部の形状、縮尺、縦横の寸法比等を、実物から変更したり、誇張したりして示している場合がある。本明細書等において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値のそれぞれを下限値及び上限値として含む範囲であることを意味する。本明細書等において、「フィルム」、「シート」、「板」等の用語は、呼称の相違に基づいて相互に区別されない。例えば、「板」は、「シート」、「フィルム」と一般に呼ばれ得るような部材をも含む概念である。
[荷電粒子線露光用マスク]
図1は、本実施形態に係る荷電粒子線露光用マスクの概略構成を示す平面図であり、図2は、本実施形態に係る荷電粒子線露光用マスクの概略構成を示す切断端面図であり、図3は、本実施形態に係る荷電粒子線露光用マスクの概略構成を示す部分拡大切断端面図である。
本実施形態に係る荷電粒子線露光用マスク1は、第1面2A及び当該第1面2Aに対向する第2面2Bを有する薄板部2と、薄板部2の第1面2Aを支持する枠形状の支持部3とを備える。薄板部2の第1面2Aに設定されるパターン領域PA内に、当該薄板部2の厚さ方向に貫通する開口部4が形成されている。なお、本実施形態においては、1つの開口部4が形成されてなる態様を例に挙げているが、この態様に限定されるものではなく、薄板部2に複数の開口部4が形成されていてもよい。
薄板部2は、開口部4の周囲を取り囲む薄肉部21と、薄肉部21の外側を取り囲む厚肉部22とを有する。厚肉部22は、薄肉部21よりも厚さが大きく、薄肉部21の厚さT21と厚肉部22の厚さT22との差は、3μm〜20μm程度であればよく、好適には3μm〜5μm程度であればよい。
より具体的には、薄肉部21の厚さT21は、3μm以下であればよく、好適には1μm〜3μmであればよい。また、厚肉部22の厚さT22は、4μm〜23μm程度であればよく、好適には4μm〜6μmであればよい。
本実施形態において、図2に示すように、薄板部2の第1面2A側において、薄肉部21と厚肉部22とが面一になっている。すなわち、薄板部2の第2面2B側に凹部5が形成されることで、薄肉部21が構成されている。薄板部2の第1面2A側において、薄肉部21と厚肉部22とが面一になっている荷電粒子線露光用マスク1であれば、シリコン基板等の単一基板やSOI基板等の接合基板等の一つの基板から製造することができるため、製造プロセスの単純化、容易化が実現され得る。なお、図2においては、薄板部2の第1面2A側において、薄肉部21と厚肉部22とが面一になっている態様を例に挙げているが、このような態様に限定されるものではない。例えば、図5に示すように、薄板部2の第2面2B側において、薄肉部21と厚肉部22とが面一になっていてもよいし、図6に示すように、薄肉部21が、厚肉部22の厚さ方向において第1面2Aと第2面2Bの間に位置し、薄板部2の第1面2A側及び第2面2B側のいずれにおいても、薄板部21と厚肉部22とが面一になっていなくてもよく、好ましくは薄肉部21が、厚肉部22の厚さ方向(薄板部2の厚さ方向)における略中間に位置していてもよい。図5に示す態様によれば、開口部4を形成する際に、薄板部2の第2面2B側が平滑面であることで、開口部4をエッチングにより形成する場合には高精度な開口寸法にて当該開口部4を形成することができる。また、図6に示す態様によれば、図2及び図5に示す態様との対比において薄肉部21の厚さT21や凹部5の深さを変更しなければ、厚肉部22の厚さT22をより厚くすることができ、薄肉部21の厚さT21及び厚肉部22の厚さT22を変更しなければ、凹部5の深さを浅くすることができ、荷電粒子線露光用マスク1の強度や設計マージンを向上させ得る。
本実施形態に係る荷電粒子線露光用マスク1は、例えば、単結晶シリコン基板上に酸化シリコン層(埋め込み酸化シリコン層、ボックス層ともいう。)及び単結晶シリコン層がこの順に位置してなるSOI(Silicon on Insulator)基板を使用して製造され得る(図9参照)。この場合において、SOI基板の単結晶シリコン層が、本実施形態における薄板部2に相当する。したがって、荷電粒子線露光用マスク1の薄板部2の材質は単結晶シリコンとなる。一方、本実施形態に係る荷電粒子線露光用マスク1は、SOI基板以外の基板を使用しても製造され得る。この場合において、当該基板としては、例えば、シリコン基板;窒化シリコン基板、炭化シリコン基板、酸化シリコン基板等のシリコン化合物基板;ガリウム砒素基板等の化合物半導体基板;ダイヤモンドライクカーボン基板等の炭素基板;サファイア基板;ステンレス基板、アルミニウム基板、クロム基板等の金属基板等や、これらのうちから任意に選択された2種以上の基板を積層してなる積層基板等が挙げられる。
本実施形態に係る荷電粒子線露光用マスク1において、薄板部2の薄肉部21と厚肉部22との間には連続部23が介在している。図3に示すように、連続部23は、薄肉部21の外縁に連続する第1連続部231と、薄肉部21側に位置する厚肉部22の外縁に連続する第2連続部232と、第1連続部231及び第2連続部232の間に位置し、第1連続部231から厚肉部22に向かうに従い薄板部2の厚さを徐々に増大させるようにして第1面2Aに対して傾斜する傾斜部233とを含む。第1連続部231は湾曲面により構成される。すなわち、断面視において第1連続部231はラウンド形状を有する。第1連続部231がラウンド形状を有することで、荷電粒子線露光用マスク1の製造過程や使用時、洗浄時等にかかる応力が、第1連続部231に集中するのを防止することができる。第2連続部232は、湾曲面(断面視ラウンド形状)により構成されていてもよい。第2連続部232が湾曲面により構成されていることで、第1連続部231と同様に、荷電粒子線露光用マスク1の製造過程や使用時、洗浄時等にかかる応力が、第2連続部232に集中するのを防止することができる。なお、湾曲面により構成される第1連続部231及び第2連続部232の曲率半径(断面視における曲率半径)は、特に限定されるものではないが、例えば、1μm〜20μm程度、好ましくは3μm〜5μm程度の範囲で適宜設定され得る。
本実施形態に係る荷電粒子線露光用マスク1は、平面視略矩形の外郭形状を有し、また、薄肉部21(パターン領域PA)は平面視略角丸矩形状であるが、これらの形状に限定されるものではない。また、薄肉部21(パターン領域PA)に形成されている開口部4の開口形状、位置(薄肉部21における位置)等は、本実施形態に係る荷電粒子線露光用マスク1の用途等に応じて適宜設定することができる。
図4に示すように、本実施形態において、第1面2A側における開口部4の開口寸法W41と、第2面2B側における開口部4の開口寸法W42とは、互いに同一であるのが好ましいが、相違していてもよい。両開口寸法W41,W42が互いに相違する場合、大きい方の開口寸法(例えば第2面2B側における開口寸法W42)と小さい方の開口寸法(例えば第1面2A側における開口寸法W41)との差が、150nm未満であればよく、好適には80nm未満であればよい。両者の比が上記範囲内であれば、露光対象物としての例えば電子線感応性樹脂に設計寸法通りのパターンを容易に形成することができる。
荷電粒子線露光用マスク1の支持部3は、パターン領域PAの外側を囲むようにして、薄板部2の第1面2Aを支持可能な枠形状により構成される。本実施形態に係る荷電粒子線露光用マスク1が例えばSOI基板を用いて製造されるものである場合、支持部3はSOI基板を構成する単結晶シリコン層31と酸化シリコン層32との複合体により構成される。支持部3を構成する酸化シリコン層32が、薄板部2の第1面2Aであって、薄肉部21(パターン領域PA)の外側(厚肉部22)に固着しており、これにより薄板部2が支持部3に支持される。
なお、荷電粒子線露光用マスク1がSOI基板以外の基板、例えばシリコン基板;窒化シリコン基板、炭化シリコン基板、酸化シリコン基板等のシリコン化合物基板;ガリウム砒素基板等の化合物半導体基板;ダイヤモンドライクカーボン基板等の炭素基板;サファイア基板;ステンレス基板、アルミニウム基板、クロム基板等の金属基板等から製造されてなるものである場合、図7に示すように、薄板部2と支持部3とが一体的に構成されていてもよい。このような荷電粒子線露光用マスク1は、例えば、第1面及びそれに対向する第2面を有する上記基板の当該第1面側にエッチング処理を施すことで凹部5(薄肉部21)及び開口部4を形成し、第2面側にエッチング処理又は切削加工処理を施すことで支持部3を形成することで製造され得る。
また、荷電粒子線露光用マスク1は、上記基板(シリコン基板;窒化シリコン基板、炭化シリコン基板、酸化シリコン基板等のシリコン化合物基板;ガリウム砒素基板等の化合物半導体基板;ダイヤモンドライクカーボン基板等の炭素基板;サファイア基板;ステンレス基板、アルミニウム基板、クロム基板等の金属基板等)から選択された2種以上の基板を積層してなる積層基板から製造されてなるものであってもよい。この場合において、積層基板を構成する、薄板部2を形成するための第1基板と、支持部3を形成するための第2基板とが、それぞれ、選択性のあるエッチングを行い得る材質により構成されていれば、上記SOI基板における酸化シリコン層32に相当する部材が存在していなくてもよく(図8参照)、荷電粒子線露光用マスク1は、上記積層基板として2種の基板を積層してなるものから製造され得る。
また、薄板部2を形成するための第1基板と支持部3を形成するための第2基板との間にエッチング選択性をもたせるために、上記積層基板を、第1基板と第2基板との間に第3基板を介在する、3種の基板を積層してなるものとしてもよい。積層基板が3種の基板を積層してなるものである場合、薄板部2に相当する第1基板と酸化シリコン層32に相当する第3基板との間にエッチング選択性が存在するとともに、単結晶シリコン層31に相当する第2基板と酸化シリコン層32に相当する第3基板との間にエッチング選択性が存在するように、第1〜第3基板の組み合わせを設定することができる。なお、本開示において、互いに異なる層や材料間においてエッチング選択性が存在するとは、同一条件でエッチングを行ったときに、エッチング速度に相違が生じる場合があることを意味する。
したがって、支持部3の材質は、支持部3を構成する基板に対応したものとなる。このような支持部3の厚みは、支持部3の材質、枠形状の平面視の寸法等を考慮して設定することができ、例えば、300μm〜800μm程度、好ましくは400μm〜500μm程度の範囲で適宜設定され得る。
本実施形態に係る荷電粒子線露光用マスク1は、ステンシル型の荷電粒子線露光用マスク1として荷電粒子線露光装置と露光対象物との間に介在させてパターン露光に供することができるが、荷電粒子線露光用マスク1の外郭寸法、形状、及びパターン領域の寸法、形状、開口部の寸法、形状等を適切なものとすることにより、荷電粒子線露光装置の鏡筒内に配設するアパーチャとして使用することも可能である。したがって、本実施形態に係る荷電粒子線露光用マスク1は、荷電粒子線露光装置と露光対象物との間にステンシル型の荷電粒子線露光用マスク1とともに、荷電粒子線露光装置を構成するアパーチャをも包含する。
上述した構成を有する本実施形態に係る荷電粒子線露光用マスク1によれば、薄板部2のうち、開口部4が形成されている領域(パターン領域PA)が、その周囲の領域よりも厚みの薄い薄肉部21により構成されていることで、第1面2A側における開口部4の開口寸法W41と第2面2B側における開口部4の開口寸法W42とを実質的に同一にすることができる。したがって、露光対象物に設計寸法通りのパターンを形成することができる。その一方で、開口部4の形成されている領域(パターン領域PA)が薄肉部21により構成されることで、荷電粒子線露光用マスク1に印加される応力が、薄板部2と厚肉部22とを連続する連続部23(第1連続部231及び第2連続部232)に集中しやすくなるが、当該連続部23(第1連続部231及び第2連続部232)が湾曲面(断面視ラウンド形状)により構成されていることで、当該応力が連続部23(第1連続部231及び第2連続部232)に集中するのを防止することができ、薄板部2の変形や破損等が発生するのを防止することができる。
[荷電粒子線露光用マスクの製造方法]
次に、本実施形態に係る荷電粒子線露光用マスクの製造方法について説明する。図9は、本実施形態に係る荷電粒子線露光用マスクの製造方法の第1態様であって、図2に示す荷電粒子線露光用マスクの製造方法の各工程を切断端面にて示す工程フロー図である。
本実施形態では、荷電粒子線露光用マスクを製造するための基板10として、単結晶シリコン基板11上に、酸化シリコン層(ボックス層)12と、厚みが4μm〜23μm程度の範囲内である単結晶シリコン層13とがこの順に存在してなるSOI基板を準備する。基板10の第1面10A(単結晶シリコン層13の表面)及びこれに対向する第2面10B(単結晶シリコン基板11の裏面)のそれぞれに、応力の発生を緩和し、単結晶シリコン層13及び単結晶シリコン基板11のそれぞれの表面を保護するための厚み0.2μm〜0.4μm程度のパッド酸化膜61,62を形成する(図9(A)参照)。次に、パッド酸化膜61,62上に、窒化シリコン等により構成される厚み0.1μm〜0.3μm程度の第1ハードマスク層71,72をCVD等により形成する(図9(B)参照)。
基板10の厚みは、特に制限はないが、例えば、300μm〜800μmの範囲であればよく、基板の加工性当を考慮すると、基板10の厚みは300μm〜500μmの範囲であるのが好ましい。
次に、単結晶シリコン層13側のパッド酸化膜61上に形成されている第1ハードマスク層71に、所定の開口を有するレジストパターンを形成し、当該レジストパターンをマスクとして第1ハードマスク層71及びパッド酸化膜61をエッチングすることで、所定の開口74を有する第1マスクパターン73を形成する(図9(C)参照)。第1マスクパターン73の開口74は、薄肉部21(パターン領域PA)に応じた寸法で形成される。
第1ハードマスク層71のエッチングは、ウェットエッチング又はドライエッチングによって行われ得る。ウェットエッチングによって窒化シリコンからなる第1ハードマスク層71をエッチングする場合、エッチャントとしてリン酸、フッ酸等を使用することができる。一方、ドライエッチングによって窒化シリコンからなる第1ハードマスク層71をエッチングする場合、四フッ化メタン(CF4)、トリフルオロメタン(CHF3)等がエッチングガスとして使用され得る。異方性を有するドライエッチングによれば、略設計通りのサイズの開口74を有する第1マスクパターン73を形成することができる。
続いて、第1マスクパターン73が形成された基板10に熱酸化処理を施すことで、単結晶シリコン層13のうち、第1マスクパターン73の開口74から露出する部分を酸化して酸化シリコン部を形成する。この熱酸化処理によるシリコンの酸化は、開口74から露出する単結晶シリコン層13の表面から等方的に単結晶シリコン層13の厚さ方向に進行する。そのため、断面視における酸化シリコン部の外郭形状は、底面の端部からラウンド状に上方に向かうような形状をなす。
熱酸化処理においては、酸化シリコン部の下方における単結晶シリコン層13の厚みが3μm以下、好ましくは1μm〜3μm程度となるように、当該酸化シリコン部を形成する。基板10に対する熱酸化処理としては、例えば、酸素ガスと、水蒸気又は水素ガスとを用いたウェット酸化処理を、例えば800℃〜1200℃の温度雰囲気下にて行う方法等が挙げられる。その後、当該酸化シリコン部をエッチングにより除去する(図9(D)参照)。これにより、単結晶シリコン層13に凹部5を形成することができ、凹部5における単結晶シリコン層13の厚みを3μm以下、好ましくは1μm〜3μm程度とすることができる。
次に、凹部5が形成された単結晶シリコン層13を被覆するように、酸化シリコン等からなる第2ハードマスク層75を形成し(図9(E)参照)、当該第2ハードマスク層75をエッチングすることで、荷電粒子線露光用マスク1の開口部4に対応する開口77を凹部5内に有する第2マスクパターン76を形成する(図9(F)参照)。
第2ハードマスク層75のエッチングは、ウェットエッチング又はドライエッチングによって行われ得る。ウェットエッチングによって酸化シリコンからなる第2ハードマスク層75をエッチングする場合、エッチャントとしてフッ化水素酸、又はフッ化水素酸を含む薬液等を使用することができる。一方、ドライエッチングによって酸化シリコンからなる第2ハードマスク層75をエッチングする場合、トリフルオロメタン(CHF3)ガス、六フッ化エタン(C26)ガス等がエッチングガスとして使用され得る。異方性を有するドライエッチングによれば、略設計通りのサイズの開口77を有する第2マスクパターン76を形成することができる。
次いで、第2マスクパターン76をマスクとして単結晶シリコン層13をエッチングする(図9(G)参照)。このエッチングにおいては、ボックス層12がエッチングストッパとして作用し、これにより単結晶シリコン層13に開口部4が形成される。この開口部4は、単結晶シリコン層13に形成された凹部5内に形成される。凹部5における単結晶シリコン層13の厚みは1μm〜3μm程度であるため、表裏における開口寸法W41,W42が互いに実質的に同一(同一又は相違する場合であっても、両開口寸法W42,W41の差が150nm程度)の開口部4が形成される。
単結晶シリコン層13のエッチングは、ウェットエッチング又はドライエッチングによって行われ得る。ウェットエッチングによって単結晶シリコン層13をエッチングする場合、KOH水溶液、エチレンジアミン・ピロカテコール(EDP)又は4メチル水酸化アンモニウム(TMAH)等がエッチャントとして使用され得る。一方、ドライエッチングによって単結晶シリコン層13をエッチングする場合、4フッ化炭素(CF4)、六フッ化硫黄(SF6)、臭化水素(HBr)等をエッチングガスとして使用することができる。
次に、開口部4を有する単結晶シリコン層13被覆するようにレジスト層78を形成するとともに、パッド酸化膜62上に所定の開口を有するパターンを形成する(図9(H)参照)。
レジスト層78は、開口部4を保護するとともに、単結晶シリコン基板11をエッチングする際に歪みが発生するのを抑制する目的で形成される。したがって、レジスト層78は一定の剛性を得るのに十分な厚みで形成することが好ましく、具体的にはレジスト層78の厚みは10μm〜50μmの範囲で適宜設定され得る。本実施形態において、レジスト層78は、図9(H)に示すように、単結晶シリコン層13全域に亘って形成されているが、少なくとも開口部4を有する凹部5を被覆するように形成されていればよい。レジスト層78は、従来公知のレジスト材料により構成されていればよく、レジスト材料の溶液をスピンコート法等により塗布し、熱処理を行うことによりレジスト層78を形成することができる。レジスト層78の厚みは、レジスト材料や添加剤の濃度を調整することにより、レジスト材料の溶液の粘度を調整し、さらに当該溶液を塗布するときの基板の回転速度を調整することで制御され得る。一度の塗布で所望の厚みのレジスト層78が形成され得ない場合には、レジスト層78が所望の厚みになるまで、レジスト材料の溶液の塗布と硬化とを複数回繰り返してもよい。
パッド酸化膜62上に形成されるパターンは、レジスト材料により構成されるレジストパターンであってもよいし、ハードマスク材料により構成されるハードマスクパターンであってもよい。当該パターンは、単結晶シリコン基板11をエッチングして枠形状の支持部3を形成するためのエッチングマスクとして用いられる。したがって、パターンの開口は、エッチング方法、エッチング条件等を考慮して、支持部3を形成するのに適する開口寸法、開口形状等にて形成される。
次いで、パターンをマスクとして単結晶シリコン基板11をエッチングする(図9(I)参照)。このエッチングにおいても、単結晶シリコン層13のエッチング時(図9(G)参照)と同様に、ボックス層12がエッチングストッパとして作用する。これにより、薄板部2の第1面2Aにおけるパターン領域PAの外側を支持する枠形状の支持部3が形成される。単結晶シリコン基板11のエッチングは、単結晶シリコン層13のエッチングと同様に、ウェットエッチング又はドライエッチングによって行われ得る。
次に、レジスト層78とパターンとを除去し、ボックス層12をエッチングして開口部4を露出させる(図9(J)参照)。これにより、本実施形態に係る荷電粒子線露光用マスク1(図2参照)が製造される。
レジスト層78とパターンとの除去は、有機溶媒を用いて行われてもよいし、酸素プラズマ処理等のアッシングを用いて行われてもよい。有機溶媒としては、例えば、レジストリムーバを使用することができる。レジストリムーバを用いてレジスト層78とパターンを除去した後に、開口部4内に露出するボックス層12の表面に残留した有機物等を除去するためにSPM洗浄が行われてもよい。SPM洗浄は、硫酸過酸化水素水洗浄とも言われる、強力な酸化作用を利用して有機物の除去に効果がある洗浄方法である。当該SPM洗浄においては、例えば、H22:H2SO4=3:1で混合した薬液を70℃〜80℃に加熱して使用することができる。SPM洗浄の後はIPA乾燥によって基板10を乾燥してもよい。レジスト層78とパターンとの除去は、同一工程で行われてもよいし、それぞれ別の工程で行われてもよい。
続いて、本実施形態に係る荷電粒子線露光用マスクの製造方法の第2態様を説明する。
図10は、本実施形態に係る荷電粒子線露光用マスクの製造方法の第2態様であって、図5に示す態様の荷電粒子線露光用マスクの製造方法の各工程を切断端面にて示す工程フロー図である。なお、以下の説明において、図9に示す荷電粒子線露光用マスクの製造方法と同様の構成には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略するものとする。
第1面13A’及びそれに対向する第2面13B’を有し、第1面13A’及び第2面13B’のそれぞれにパッド酸化膜61,62及び窒化シリコンからなる第1ハードマスク層71,72がこの順に積層形成されてなるシリコン基板13’を準備する(図10(A)参照)。そして、第1ハードマスク層71にレジストパターンRを形成し、このレジストパターンRをマスクとして第1ハードマスク層71及びパッド酸化膜61をエッチングして第1マスクパターン73を形成する(図10(B)参照)。
次に、第1マスクパターン73を有するシリコン基板13’に熱酸化処理を施すことで、シリコン基板13’のうち、第1マスクパターン73の開口74から露出する部分を酸化して酸化シリコン部131を形成する(図10(C)参照)。そして、第1マスクパターン73、並びに第2面13B’側のパッド酸化膜62及び第1ハードマスク層71を除去し(図10(D)参照)、シリコン基板13’を第2面13B’側から研磨する。このとき、酸化シリコン部131の下方に位置する部分におけるシリコン基板13’の厚みが3μm以下、好ましくは1μm〜3μm程度になるように、シリコン基板13’を研磨する。
このようにして研磨され、厚みが低減されたシリコン基板13’の第1面13A’を、支持部3を形成するためのシリコン基板11’に接合し、接合基板10’を形成する(図10(E)参照)。シリコン基板13’の第1面13A’とシリコン基板11’とを接合する方法としては、例えば、SOI基板の作製に一般的に用いられているシリコン基板の直接接合技術(シリコン基板13’の第1面13A’とシリコン基板11’とを接触させた状態で熱処理(1000℃〜1200℃程度)を施して両者を接合する技術)等が挙げられる。
この接合基板10’におけるシリコン基板13’上に、荷電粒子線露光用マスク1の開口部4に対応する開口77を有する第2マスクパターン76を形成する(図10(F)参照)。そして、第2マスクパターン76をマスクとしてシリコン基板13’をエッチングする(図10(G)参照)。このエッチングにおいては、酸化シリコン部131がエッチングストッパとして作用し、これによりシリコン基板13’に開口部4が形成される。
続いて、開口部4を有するシリコン基板13’被覆するようにレジスト層78を形成し(図10(H)参照)、所望とする開口を有するパターンをマスクとしてシリコン基板11’をエッチングする(図10(I)参照)。その後、レジスト層78とパターンとを除去し、露出する酸化シリコン部131及びパッド酸化膜61をエッチングして開口部4を露出させる(図10(J)参照)。これにより、本実施形態に係る荷電粒子線露光用マスク1(図5参照)が製造される。
続いて、本実施形態に係る荷電粒子線露光用マスクの製造方法の第3態様を説明する。
図11は、本実施形態に係る荷電粒子線露光用マスクの製造方法の第3態様であって、図6に示す態様の荷電粒子線露光用マスクの製造方法の各工程を切断端面にて示す工程フロー図である。なお、以下の説明において、図9及び図10に示す荷電粒子線露光用マスクの製造方法と同様の構成には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略するものとする。
第1面13A’及びそれに対向する第2面13B’を有し、第1面13A’及び第2面13Bのそれぞれにパッド酸化膜61,62及び窒化シリコンからなる第1ハードマスク層71,72がこの順に積層形成されてなるシリコン基板13’を準備する(図11(A)参照)。そして、第1ハードマスク層71,72に第1レジストパターンR1を形成し、第1レジストパターンR1をマスクとして第1ハードマスク層71及びパッド酸化膜61をエッチングして第1マスクパターン73を形成する(図11(B)参照)。
次に、第1マスクパターン73を有するシリコン基板13’に熱酸化処理を施すことで、シリコン基板13’のうち、第1マスクパターン73の開口74から露出する部分を酸化して第1酸化シリコン部131を形成する(図11(C)参照)。このとき、第1酸化シリコン部131の厚みが3μm〜20μm程度になるように、シリコン基板13’に熱酸化処理を施す。そして、第1マスクパターン73、並びに第2面13B’側のパッド酸化膜62及び第1ハードマスク層72を除去し、シリコン基板13’を第2面13B’側から研磨する。このとき、シリコン基板13’の厚みが7μm〜43μm程度になるように、シリコン基板13’を研磨する。
このようにして研磨され、厚みが低減されたシリコン基板13’の第1面13A’を、支持部3を形成するためのシリコン基板11’に接合し、接合基板10’を形成する(図11(D)参照)。そして、接合基板10’の両面(シリコン基板13’側の表面及びシリコン基板11’側の表面)にパッド酸化膜61’,62’及び窒化シリコン等により構成される厚み0.3μm〜0.7μm程度の第2ハードマスク層71’,72’をこの順に積層形成する(図11(E)参照)。
次に、シリコン基板13’側のパッド酸化膜61’上に形成されている第2ハードマスク層71’に、所定の開口を有する第2レジストパターンR2を形成し、第2レジストパターンR2をマスクとして第2ハードマスク層71’及びパッド酸化膜61’をエッチングすることで、所定の開口74’を有する第2マスクパターン73’を形成する(図11(F)参照)。第2マスクパターン73’の開口74’は、薄肉部21(パターン領域PA)に応じた寸法で形成される。
第2ハードマスク層71’のエッチングは、ウェットエッチング又はドライエッチングによって行われ得る。ウェットエッチングによって窒化シリコンからなる第2ハードマスク層71’をエッチングする場合、エッチャントとしてリン酸、フッ酸等を使用することができる。一方、ドライエッチングによって窒化シリコンからなる第2ハードマスク層71’をエッチングする場合、四フッ化メタン(CF4)、トリフルオロメタン(CHF3)等をエッチングガスとして使用され得る。異方性を有するドライエッチングによれば、略設計通りのサイズの開口74’を有する第2マスクパターン73’を形成することができる。
続いて、第2マスクパターン73’を有する接合基板10’に熱酸化処理を施すことで、シリコン基板13’のうち、第2マスクパターン73’の開口74’から露出する部分を酸化して第2酸化シリコン部を形成する。このとき、第1酸化シリコン部131及び第2酸化シリコン部に挟まれるシリコン基板13’の厚みが3μm以下、好ましくは1μm〜3μm程度となるように、当該第2酸化シリコン部を形成する。
その後、第2酸化シリコン部をエッチングにより除去することで凹部5を形成し(図10(G)参照)、シリコン基板13’を被覆するように、酸化シリコン等からなる第3ハードマスク層を形成し、当該第3ハードマスク層をエッチングすることで、荷電粒子線露光用マスク1の開口部4に対応する開口77’を凹部5内に有する第3マスクパターン76’を形成する(図11(H)参照)。
第3ハードマスク層のエッチングは、ウェットエッチング又はドライエッチングによって行われ得る。ウェットエッチングによって酸化シリコンからなる第3ハードマスク層をエッチングする場合、エッチャントとしてフッ化水素酸、又はフッ化水素酸を含む薬液等を使用することができる。一方、ドライエッチングによって酸化シリコンからなる第3ハードマスク層をエッチングする場合、トリフルオロメタン(CHF3)ガス、六フッ化エタン(C26)ガス等がエッチングガスとして使用され得る。異方性を有するドライエッチングによれば、略設計通りのサイズの開口77’を有する第3マスクパターン76’を形成することができる。
次いで、第3マスクパターン76’をマスクとしてシリコン基板13’をエッチングする(図11(I)参照)。このエッチングにおいては、第1酸化シリコン部131がエッチングストッパとして作用し、これによりシリコン基板13’に開口部4が形成される。この開口部4は、シリコン基板13’に形成された凹部5内に形成される。凹部5におけるシリコン基板13’の厚みは3μm以下程度であるため、表裏における開口寸法W41,W42が互いに実質的に同一(同一又は相違する場合であっても、両開口寸法W42,W41の差が150nm未満程度)の開口部4が形成される。
続いて、開口部4を有するシリコン基板13’被覆するようにレジスト層78を形成し(図11(I)参照)、所望とする開口を有するパターンをマスクとしてシリコン基板11’をエッチングする(図11(J)参照)。その後、レジスト層78とパターンとを除去し、露出する第1酸化シリコン部131及びパッド酸化膜61をエッチングして開口部4を露出させる(図11(K)参照)。これにより、本実施形態に係る荷電粒子線露光用マスク1(図6参照)が製造される。
上述したように、本実施形態に係る荷電粒子線露光用マスクの製造方法によれば、熱酸化処理によ形成される酸化シリコン部(第1酸化シリコン部、第2酸化シリコン部)の断面視における外郭形状が、底面の端部からラウンド状に上方に向かうような形状をなすため、当該酸化シリコン部(第1酸化シリコン部、第2酸化シリコン部)をエッチングすることにより形成される、荷電粒子線露光用マスク1の薄板部2における薄肉部21と厚肉部22との間を連続する連続部23を、湾曲面(断面視ラウンド形状)に形成することができる。したがって、応力が印加されても薄板部2の変形や破損等が発生するのを防止可能な荷電粒子線露光用マスク1を製造することができる。
以上説明した実施形態は、本開示の理解を容易にするために記載されたものであって、本開示を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本開示の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
1…荷電粒子線露光用マスク
2…薄板部
2A…第1面
2B…第2面
21…薄肉部
22…厚肉部
23…連続部
231…第1連続部
232…第2連続部
3…支持部
4…開口部

Claims (20)

  1. 第1面及び当該第1面に対向する第2面を有し、前記第1面上に設定されたパターン領域内に厚さ方向に貫通する開口部が形成されてなる薄板部と、
    前記薄板部の前記第1面における前記パターン領域の外側を支持する枠形状の支持部と
    を備え、
    前記薄板部は、前記開口部の周囲を取り囲む薄肉部と、前記薄肉部の外側を取り囲み、前記薄肉部よりも厚さの大きい厚肉部と、前記薄肉部及び前記厚肉部の間を連続する連続部とを有し、
    前記連続部は、湾曲面により構成される
    荷電粒子線露光用マスク。
  2. 前記薄肉部の厚さと前記厚肉部の厚さとの差が、3μm〜20μmである
    請求項1に記載の荷電粒子線露光用マスク。
  3. 前記薄肉部の厚さが、3μm以下である
    請求項1又は2に記載の荷電粒子線露光用マスク。
  4. 前記第1面側において、前記薄肉部と前記厚肉部とが面一になっている
    請求項1〜3のいずれかに記載の荷電粒子線露光用マスク。
  5. 前記第2面側において、前記薄肉部と前記厚肉部とが面一になっている
    請求項1〜3のいずれかに記載の荷電粒子線露光用マスク。
  6. 前記薄肉部は、前記第1面と前記第2面との間に位置し、
    前記第1面側及び前記第2面側のいずれにおいても、前記薄肉部と前記厚肉部とが面一になっていない
    請求項1〜3のいずれかに記載の荷電粒子線露光用マスク。
  7. 前記第1面側における前記開口部の開口寸法と、前記第2面側における前記開口部の開口寸法とが、互いに異なる
    請求項1〜6のいずれかに記載の荷電粒子線露光用マスク。
  8. 前記第1面側における前記開口部の開口寸法と前記第2面側における前記開口部の開口寸法との差が、150nm未満である
    請求項1〜7のいずれかに記載の荷電粒子線露光用マスク。
  9. 前記連続部は、前記薄肉部側に連続する第1連続部と、前記厚肉部側に連続する第2連続部とを含み、
    前記第1連続部及び前記第2連続部は、前記湾曲面により構成される
    請求項1〜8のいずれかに記載の荷電粒子線露光用マスク。
  10. 前記薄板部は、シリコンを含むシリコン層により構成されており、
    前記支持部は、酸化シリコンを含む酸化シリコン層とシリコンを含むシリコン層との複合体により構成され、前記薄板部側に前記酸化シリコン層を位置させてなる
    請求項1〜9のいずれかに記載の荷電粒子線露光用マスク。
  11. 第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する基板を準備する工程と、
    前記基板の前記第1面側の所定の領域に第1窪み部を形成する工程と、
    前記第1窪み部内に有底筒状の孔部を形成する工程と、
    前記基板の前記第2面側に、前記孔部を厚さ方向に貫通させるように第2窪み部を形成する工程と
    を有し、
    前記基板の平面視において、前記第1窪み部の大きさは、前記第2窪み部の大きさよりも小さく、かつ前記第2窪み部に物理的に包含される大きさであり、
    前記第2窪み部を形成することで、前記第1窪み部により構成される薄肉部と、前記薄肉部の外側を取り囲み、前記薄肉部よりも厚さの大きい厚肉部と、前記薄肉部及び前記厚肉部の間を連続し、湾曲面により構成される連続部とを有する薄板部、及び前記薄板部を支持する枠形状の支持部を形成する
    荷電粒子線露光用マスクの製造方法。
  12. 前記基板の前記第1面側に前記所定の領域に対応する開口部を有するマスクパターンを形成し、前記マスクパターンをエッチングマスクとして前記基板の前記第1面をエッチングすることで前記第1窪み部を形成する
    請求項11に記載の荷電粒子線露光用マスクの製造方法。
  13. 前記基板の前記第1面側には、少なくとも、シリコンを含むシリコン層が位置しており、
    前記マスクパターンが形成された前記基板を酸素の存在する雰囲気下にて加熱することで、前記シリコン層における前記開口部から露出する露出部を熱酸化させ、
    熱酸化させた前記露出部をエッチングすることで前記第1窪み部を形成する
    請求項12に記載の荷電粒子線露光用マスクの製造方法。
  14. 前記マスクパターンをエッチングマスクとして前記基板の前記第1面を等方性エッチングすることで前記第1窪み部を形成する
    請求項12に記載の荷電粒子線露光用マスクの製造方法。
  15. 前記薄肉部の厚さと前記厚肉部の厚さとの差が3μm〜20μmとなるように、前記第1窪み部及び前記第2窪み部を形成する
    請求項11〜14のいずれかに記載の荷電粒子線露光用マスクの製造方法。
  16. 前記薄肉部の厚さが3μm以下となるように前記第1窪み部及び前記第2窪み部を形成する
    請求項11〜15のいずれかに記載の荷電粒子線露光用マスクの製造方法。
  17. 前記第1面側における前記孔部の開口寸法と、前記第2面側における前記孔部の開口寸法とを互いに異ならせるように、前記孔部及び前記第2窪み部を形成する
    請求項11〜16のいずれかに記載の荷電粒子線露光用マスクの製造方法。
  18. 前記第1面側における前記開口部の開口寸法と前記第2面側における前記開口部の開口寸法との差が150nm未満となるように、前記孔部及び前記第2窪み部を形成する
    請求項11〜17のいずれかに記載の荷電粒子線露光用マスクの製造方法。
  19. 第1面及び当該第1面に対向する第2面を有し、前記第1面側にシリコンを含むシリコン層が少なくとも位置してなる第1基板、並びに第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する第2基板を準備する工程と、
    前記第1基板を酸素の存在する雰囲気下にて加熱することで、前記第1面側に位置する前記シリコン層の所定の領域を熱酸化させる工程と、
    前記シリコン層の所定の領域を熱酸化させた前記第1基板の前記第1面側に、前記第2基板の前記第1面を接合させることで積層基板を作製する工程と、
    前記積層基板における前記第1基板の前記第2面側に有底筒状の孔部を形成する工程と、
    前記積層基板における前記第2基板の前記第2面側に、前記熱酸化させた前記シリコン層の所定の領域を露出させるように窪み部を形成する工程と、
    前記窪み部から露出する前記シリコン層の所定の領域をエッチングする工程と
    を有する
    荷電粒子線露光用マスクの製造方法。
  20. 第1面及び当該第1面に対向する第2面を有し、シリコンにより構成される第1基板、並びに第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する第2基板を準備する工程と、
    前記第1基板を酸素の存在する雰囲気下にて加熱することで、前記第1面側の第1領域を熱酸化させる工程と、
    前記第1領域を熱酸化させた前記第1基板の前記第1面側に、前記第2基板の前記第1面を接合させることで積層基板を作製する工程と、
    前記積層基板を酸素の存在する雰囲気下にて加熱することで、前記第1基板の前記第2面前記積層基板における前記第1基板の前記第2面側の所定の領域であって、前記第1面側における前記第1領域に対向する第2領域を熱酸化させる工程と、
    前記積層基板の前記第1基板の前記第2面側における前記第2領域をエッチングする工程と、
    前記積層基板の前記第1基板の前記第2面側におけるエッチングされた前記第2領域に、前記第1基板の前記第1面側の前記第1領域に至る有底筒状の孔部を形成する工程と、
    前記積層基板における前記第2基板の前記第2面側に、前記第1基板の前記第1領域を露出させるように窪み部を形成する工程と、
    前記窪み部から露出する前記第1領域をエッチングする工程と
    を有する
    荷電粒子線露光用マスクの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114481085A (zh) * 2020-10-28 2022-05-13 佳能株式会社 气相沉积掩模和使用气相沉积掩模制造装置的方法

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CN114481085A (zh) * 2020-10-28 2022-05-13 佳能株式会社 气相沉积掩模和使用气相沉积掩模制造装置的方法

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