JP2019073893A - 覆工コンクリート打設システム - Google Patents

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Abstract

【課題】覆工コンクリートの打設に要する作業員の数を減らすことができ、覆工コンクリートの品質を向上し得るシステムを提供する。【解決手段】覆工コンクリート打設システム10は、1次切替装置20の複数の出口から複数の側壁窓群16に向けて延びる複数の1次分配管21と、複数の1次分配管21のそれぞれの下流端に設けられ、コンクリートの圧送先として選択的に切り替えられる複数の出口を有する複数の2次切替装置22と、各2次切替装置22の複数の出口から対応する側壁窓群16の複数の側部打設窓15Aに向けて延びる複数の2次分配管23と、コンクリートポンプ18、1次切替装置20及び複数の2次切替装置22の動作を制御する制御装置30とを備える。制御装置30が複数の2次切替装置22を切り替えた後に、作業員が高い側の2次分配管23をセットする必要がない。【選択図】図1

Description

本開示は、トンネルの覆工コンクリートを打設するための覆工コンクリート打設システムに関する。
トンネル工事においては、覆工コンクリートを構築するためにセントル(移動式型枠)が用いられる。セントルには、覆工空間にコンクリートを打設するために複数の打設窓が設けられており、側圧の偏りを避けるために、作業員はコンクリートの高さが左右均等に高くなるように左右の打設窓から交互に覆工空間の側壁部にコンクリートを打設する。また、コンクリートの横移動(横流し)による骨材の分離を抑制するため、作業員はトンネル軸方向に配置された複数の打設窓から順番にコンクリートを打設する。更に、コンクリートの打設高さ(配管からの落下高さ)が大きくなることを避けるために、作業員は低い位置の打設窓からコンクリートの打設を開始し、コンクリートが打ち上がってくると、低い位置の打設窓を閉じてそれよりも高い位置の打設窓へとコンクリートの打設位置を移動してゆく。天端部については、トンネル軸方向に間隔を空けて吹上方式にてコンクリートを打設するための複数の吹上打設窓(シャッター付き打設孔)がセントルの天端に設けられており、コンクリートの横移動を抑止し且つエア溜まりが生じることを避けるために、作業員は構築済みの覆工コンクリート側の吹上打設窓から順にコンクリートを打設する。
天端部におけるコンクリート品質を高めるために、コンクリートの流動距離を短くすることができる分岐切替システムが公知である(特許文献1)。この分岐切替システムは、コンクリート圧送機と、コンクリート圧送機の下流側に設けられる2つの出口を有する1台の前段切替機と、前段切替機の下流側に並列に設けられる4つの出口を有する2台の後段切替機と、各後段切替機の出口から、セントルの天端にトンネル軸方向に等間隔に配列された複数の吹上打設孔に至る複数の配送管(分配管)とを備えている。この分岐切替システムでは、コンピュータがこれらの切替機の駆動を制御することにより、コンクリートの圧送先が複数の吹上打設孔の間で選択的に切り替えられる。
特開2015−94167号公報
しかしながら、特許文献1記載の分岐切替システムは、覆工空間の天端部に打設されるコンクリートのトンネル長手方向への流動距離を小さく抑えることのみを目的としており、打設空間のうち、天端空間を除く下部空間(覆工空間の側壁部)にコンクリートを打設する際には、従来の方法によってコンクリートを打設する必要がある。従って、コンクリート打設時の作業員の作業量はあまり少なくならない。
具体的に説明すると、作業員は、低い位置から順に、左右及びトンネル軸方向に分散して配置された複数の打設窓からコンクリートを打設し、コンクリートが所定の高さまで打設されると、低い位置の打設窓に挿入された配送管を撤去して打設窓を閉め、それら打設窓の上方の打設窓に挿入するように配送管を切り回した後にコンクリートの打設を再開する。同じ高さに複数の打設窓があることから、打設が終わった打設窓からその上の打設窓に配送管を切り回す間に、他の打設窓からコンクリートの打設を行うことは可能である。しかしながら、コンクリートの打設場所には打設作業(締め固めや監視等)を行う作業員が必要であるため、打設準備作業である配管切り回し作業を行う作業員が別途必要である。しかも、一定の打設速度を維持するために所定の時間内に、重い配送管を狭いセントル内で切り回す作業を完了するためには、多くの作業員が必要になる。また、そのような作業がコンクリートの打設と並行して行われると、打設作業が影響を受けて覆工コンクリートの品質低下に繋がりかねない。
本発明は、このような背景に鑑み、覆工コンクリートの打設に要する作業員の数を減らすことができ、覆工コンクリートの品質を向上し得る覆工コンクリート打設システムを提供することを課題とする。
このような課題を解決するために、本発明のある態様は、覆工コンクリート打設システム(10)であって、高さが異なる複数の打設窓(15)からなる複数の窓群(16)がトンネル軸方向に異なる複数の位置にて左右の側壁(11A)のそれぞれに形成されたセントル(11)と、コンクリートを配送管(19)に圧送するコンクリートポンプ(18)と、前記配送管の下流端に設けられ、コンクリートの圧送先として選択的に切り替えられる複数の出口を有する1次切替装置(20)と、前記1次切替装置の前記複数の出口から前記複数の窓群に向けて延びる複数の1次分配管(21)と、前記複数の1次分配管のそれぞれの下流端に設けられ、コンクリートの圧送先として選択的に切り替えられる複数の出口を有する複数の2次切替装置(22)と、各2次切替装置の前記複数の出口から対応する窓群の前記複数の打設窓に向けて延びる複数の2次分配管(23)と、前記コンクリートポンプ、前記1次切替装置及び前記複数の2次切替装置の動作を制御する制御装置(30)とを備え、前記制御装置は、前記複数の1次分配管が所定の順に複数回に亘ってコンクリートの圧送先になるように前記1次切替装置を切り替え、前記複数の2次分配管が低い側から順にコンクリートの圧送先になるように前記複数の2次切替装置を切り替え、前記1次切替装置を切り替えている間、前記コンクリートポンプの圧送を停止する。
この構成によれば、各窓群にて複数の打設窓に向けて延びる複数の2次分配管が設けられているため、低い側の2次分配管からのコンクリートの打設作業が完了した後に、作業員が高い側の2次分配管をセットする必要がない。また、2次分配管の切り回し作業が不要なため、コンクリートの打設作業を確実に行うことができ、覆工コンクリートの品質を向上することができる。
また、上記構成において、前記セントル(11)における前記複数の窓群(16)に対応する位置に設けられ、打設されたコンクリートの高さを検出する複数のコンクリートセンサ(26)を更に備え、前記制御装置(30)は、前記複数のコンクリートセンサの検出信号に基づいて、前記複数の窓群が設けられた部分のコンクリートの高さが概ね均等に高くなるように前記1次切替装置(20)を切り替えるとよい。
この構成によれば、コンクリートの打設場所において、作業員が打設窓からコンクリートの高さを監視する必要がない。また、コンクリートセンサの検出信号に基づいて、コンクリートの高さが概ね均等に高くなるように1次切替装置が切り替えられるため、セントルに作用する側圧の偏りが防止される。
また、上記構成において、前記制御装置(30)は、前記複数のコンクリートセンサ(26)の検出信号に基づいて、コンクリートの落下高さが大きくなることを抑制し且つコンクリートが前記複数の打設窓(15)から溢れないように前記2次切替装置(22)を切り替えるとよい。
この構成によれば、落下高さが大きくなることによるコンクリートの材料分離が抑制される上、作業員が打設窓からコンクリートの高さを監視する必要がない。
また、複数のコンクリートセンサを備える構成において、前記複数の窓群(16)に対応する位置に高さ変更可能に設けられた複数のバイブレータ(27)を更に備え、前記制御装置(30)が、前記複数のコンクリートセンサ(26)の検出信号に基づいて、前記複数のバイブレータの動作及び高さを制御するとよい。
この構成によれば、コンクリートの打設場所において、作業員がコンクリートの締め固め作業を行う必要がない。また、バイブレータの動作及び高さが制御装置によって制御されるため、締め固めに多寡が生じず、覆工コンクリートの品質が安定する。
また、上記構成において、前記セントル(11)には、天端(11B)におけるトンネル軸方向の異なる位置に設けられた複数の吹上打設窓(15B)からなる吹上窓群(17)が更に形成され、前記複数の1次分配管(21)が、前記1次切替装置(20)から前記吹上窓群に向けて延びる1次吹上分配管(21B)を含み、前記1次吹上分配管上に、互いに隣接する1対の吹上打設窓に対応して直列に設けられた複数の2次吹上切替装置(24)と、前記複数の2次吹上切替装置から対応する吹上打設窓に向けて延びる複数の2次吹上分配管(25)とを更に備え、前記制御装置(30)は、前記1次吹上分配管が最後にコンクリートの圧送先になるように前記1次切替装置(20)を切り替え、前記複数の2次吹上分配管が構築済みの覆工コンクリート(4)側から順にコンクリートの圧送先になるように前記複数の2次吹上切替装置を切り替えるとよい。
この構成によれば、覆工空間の側壁部だけでなく天端部へのコンクリートの打設についても、2次吹上分配管の切り回し作業が不要になる。また、複数の2次吹上切替装置が直列に設けられるため、1次吹上分配管及び2次吹上分配管の延長が短くなる。更に、1次吹上分配管の本数が少なくなることで作業スペースの確保が容易になる。
また、上記構成において、前記1次切替装置(20)及び前記複数の2次切替装置(22)の切替状態、前記コンクリートポンプ(18)の作動状態、並びに、コンクリートが圧送されている配管ルートを表示する表示装置(34)を更に備えるとよい。
この構成によれば、コンクリートが圧送されている配管ルートや複数の切替装置の切替状態が確認できるため、作業の進捗や状況を把握して準備や片付け、指示等を行い易い。
このように本発明によれば、覆工コンクリートの打設に要する作業員の数を減らすことができ、覆工コンクリートの品質を向上し得る覆工コンクリート打設システムを提供することができる。
実施形態に係る覆工コンクリート打設システムの正面図 実施形態に係る覆工コンクリート打設システムの側断面図 実施形態に係る覆工コンクリート打設システムの平面図 覆工コンクリート打設システムのブロック図 覆工コンクリート打設における(A)制御装置による処理手順、(B)作業員による作業手順を示すフロー図 制御装置による1次分配管切替打設処理の手順を示すフロー図 制御装置による2次吹上分配管切替打設処理の手順を示すフロー図
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は、実施形態に係る覆工コンクリート打設システム10の正面図である。なお、図1は、図2、図3中のI−I断面図に相当する。図1に示されるように、本実施形態のトンネル1は、地山Gを掘削してなる山岳トンネルであり、トンネル1の底部には、鉄筋コンクリートからなる湾曲形状のインバート2が構築されている。トンネル1のアーチ部の内面には吹付コンクリート3からなる1次覆工が形成されている。1次覆工の内側に鉄筋コンクリートからなる2次覆工である覆工コンクリート4(図2参照)を構築するために、覆工コンクリート打設システム10が用いられる。他の実施形態では、覆工コンクリート打設システム10がシールドトンネル等の他の工法で構築されるトンネル1の覆工コンクリート4の構築に用いられてもよい。
覆工コンクリート打設システム10は、トンネル覆工用の移動型枠であるセントル11を備えている。セントル11は、トンネル1内に敷設されたレール5上を走行可能な門型形状のガントリー12により支持されている。セントル11は、概ね半円形のアーチ形状をしており、インバート2から湾曲形状をなして立ち上がる左右の側壁11Aと、湾曲形状をなして左右の側壁11Aの上端同士を連結する天端11Bとからなっている。セントル11は、トンネル1の周方向に分割された複数の型枠によって形成され、ガントリー12に取り付けられた油圧シリンダ13によって展開、縮小可能とされている。なお、セントル11は周方向の適宜の位置で分割されてよく、型枠分割位置によって左右の側壁11Aと天端11Bとの境界が定まるものではない。
図2は、実施形態に係る覆工コンクリート打設システム10の側断面図である。なお、図2ではガントリー12は図示省略されている。図2に示されるように、セントル11は、トンネル1の軸方向に分割された複数の型枠パネルを結合して形成されており、覆工コンクリート4の1スパン(例えば、10m)よりも若干長い軸方向長さを有している。
セントル11は、あるスパンの覆工コンクリート4の打設後、縮小されて切羽側に移動し、坑口側が構築済みの覆工コンクリート4にオーバーラップする、次のスパンに対応する所定の位置に配置された後、径方向外側に展開される。セントル11の切羽側の端部には、セントル11の裏側(1次覆工側)に形成される覆工空間6の切羽側の端部を塞ぐために妻型枠14が設けられる。以下、トンネル軸方向のうち、構築済みの覆工コンクリート4の側である坑口側をラップ側といい、覆工コンクリート4が構築されていない切羽側を妻側ということがある。左右の方向は、坑口側から切羽側を見た時(図1の左右とは逆)を基準とする。
セントル11は、覆工空間6にコンクリートを打設するための複数の打設窓15(15A、15B)を備えている。図示例では、図1に示されるようにトンネル周方向に11列、図2に示されるようにトンネル軸方向に8列、合計88個の打設窓15が形成されている。トンネル周方向の打設窓15は、覆工空間6の側壁部6Aに自然落下方式でコンクリートを打設できるように左右の側壁11Aに形成され、周方向に概ね等間隔に配置された左右それぞれ5列の側部打設窓15Aと、覆工空間6の天端部6Bに吹上式でコンクリートを打設できるように天端11Bのトンネル中心に形成された1列の吹上打設窓15Bとを含んでいる。
吹上打設窓15Bの左右に隣接する列の側部打設窓15Aは、吹上打設窓15Bの高さとさほど変わらない高さにあり、本実施形態の打設計画では、これら2列以外の打設窓15を用いてコンクリートが打設される。即ち、左右の下側それぞれ4列の側部打設窓15Aと1列の吹上打設窓15Bとの9列の打設窓15がコンクリートの打設に使用される。
図3は、実施形態に係る覆工コンクリート打設システム10の平面図である。なお、図3では、トンネル1は図示省略され、セントル11は模式的に想像線で示されており、作業台となるガントリー12が簡略的に示されている。図2及び図3に示されるように、本実施形態の打設計画では、左右の側部打設窓15Aのうち、ラップ側から2列目及び妻側から2列目の側部打設窓15Aが側壁部6Aへのコンクリートの打設に使用される。また、吹上打設窓15Bのうち、ラップ側から1列目、4列目及び6列目の吹上打設窓15Bが天端部6Bへのコンクリートの打設に使用される。
コンクリートの打設に使用される側部打設窓15Aは、トンネル軸方向の位置及び左右方向の位置に応じ、4つの側壁窓群16(16A〜16D)に分類される。即ち、平面視(図3)において、ラップ側の左右に位置する、それぞれ4つの側部打設窓15Aからなる2つのラップ側の側壁窓群16A、16Bと、妻側の左右に位置する、それぞれ4つの側部打設窓15Aからなる2つの妻側の側壁窓群16C、16Dとである。また、天端11Bに設けられる3つの吹上打設窓15Bは、左右方向の中央に同じ高さに位置しており、1つの吹上窓群17として分類される。
コンクリートは、コンクリートポンプ18(図4参照)によって配送管19に圧送され、上記のように計画された打設窓15から覆工空間6に打設される。コンクリートポンプ18は、トンネル1内のセントル11の近傍、一般的にはセントル11の坑口側に配置され、ミキサー車(図4)からコンクリートを供給される。覆工工事の初期には、トンネル1の坑口の外にコンクリートポンプ18が配置されてもよい。コンクリートポンプ18は、公知の構成を有するものでよく、ピストン式であってもスクイーズ式であってもよく、また、コンクリートポンプ車搭載式のものでも固定式のものでもよい。コンクリートポンプ18は、運転・停止(コンクリートの圧送・非圧送)を切替可能であると共に、コンクリートの時間当たり吐出量(圧送量)を変更可能である。
覆工コンクリート打設システム10は、上記のように計画された打設窓15からのコンクリートの打設作業を少ない作業員で行えるように、覆工コンクリート4の打設前に配備される次の設備を備えている。
図1〜図3に示されるように、ガントリー12のラップ側には、配送管19の下流端に接続され、コンクリートの圧送先である配管ルートを切り替える1次切替装置20が設けられている。1次切替装置20は、5つの貫通孔を有しており、配送管19の下流端を1つの貫通孔に連通させることにより、選択された貫通孔の出口からコンクリートを吐出する。即ち、1次切替装置20は、コンクリートの圧送先として選択的に切り替えられる5つの出口(左から順に第1〜第5とする)を備えている。1次切替装置20は、図示例では油圧でスライド駆動される形式であるが、電動式であってもよく、回転駆動式であってもよい。
配送管19は、鋼管により構成されており、下流端の位置を変更できるように、下流端の近傍部分がジョイントによって接続される複数のベント管によってループ形状にされている。
1次切替装置20の出口には、5本の1次分配管21(21A、21B)が接続されている。第1出口には、左のラップ側の側壁窓群16Aに向けて延びる1次側壁分配管21Aが接続されている。第2出口には、左の妻側の側壁窓群16Cに向けて延びる1次側壁分配管21Aが接続されている。第3出口には、右の妻側の側壁窓群16Dに向けて延びる1次側壁分配管21Aが接続されている。第4出口には、右のラップ側の側壁窓群16Bに向けて延びる1次側壁分配管21Aが接続されている。第5出口には、吹上窓群17に向けて延びる1次吹上分配管21Bが接続されている。
ガントリー12における左右のラップ側及び左右の妻側には、対応する1次側壁分配管21Aの下流端に接続され、コンクリートの圧送先である配管ルートを切り替える4つの2次切替装置22が設けられている。各2次切替装置22は、4つの貫通孔を有しており、対応する1次側壁分配管21Aの下流端を1つの貫通孔に連通させることにより、選択された貫通孔の出口からコンクリートを吐出する。即ち、2次切替装置22は、コンクリートの圧送先として選択的に切り替えられる4つの出口(妻側から順に第1〜第4とする)を備えている。2次切替装置22は、図示例では油圧でスライド駆動される形式であるが、電動式であってもよく、回転駆動式であってもよい。
各2次切替装置22の出口には、4本の2次分配管23(23A、23B、23C、23D)が接続されている。第1出口には、最も低い側部打設窓15Aに向けて延びる第1の2次分配管23Aが接続されている。第2出口には、2番目に低い側部打設窓15Aに向けて延びる第2の2次分配管23Bが接続されている。第3出口には、3番目に低い側部打設窓15Aに向けて延びる第3の2次分配管23Cが接続されている。第4出口には、4番目に低い側部打設窓15Aに向けて延びる第4の2次分配管23Dが接続されている。
1次吹上分配管21Bは、1次切替装置20から妻側に向けて延びている。1次吹上分配管21B上の、ラップ側から1列目及び4列目の吹上打設窓15Bに対応する位置には、コンクリートの圧送先である配管ルートを切り替える2つの2次吹上切替装置24が直列に設けられている。2次吹上切替装置24は、2つの貫通孔を有しており、1次吹上分配管21Bの下流端を1つの貫通孔に連通させることにより、選択された貫通孔の出口からコンクリートを吐出する。即ち、2次吹上切替装置24は、コンクリートの圧送先として選択的に切り替えられる2つの出口(右から順に第1、第2とする)を備えている。2次吹上切替装置24は、図示例では油圧でスライド駆動される形式であるが、電動式であってもよく、回転駆動式であってもよい。2次吹上切替装置24の貫通孔は2つだけであるため、1次吹上分配管21Bは可撓性を有するホースにより構成され、ループ形状部を有していない。
ラップ側の2次吹上切替装置24の第1出口には、第1の2次吹上分配管25Aが接続され、第2出口には、1次吹上分配管21Bの下流側部分が接続されている。第1の2次吹上分配管25Aは、ラップ側から1列目の吹上打設窓15Bに向けて延びている。妻側の2次吹上切替装置24の第1出口には、第2の2次吹上分配管25Bが接続され、第2出口には、第3の2次吹上分配管25Cが接続されている。第2の2次吹上分配管25Bは、ラップ側から4列目の吹上打設窓15Bに向けて延びている。第3の2次吹上分配管25Cは、ラップ側から6列目の吹上打設窓15Bに向けて延びている。
図1に示されるように、セントル11における4つの側壁窓群16に対応する位置には、打設されたコンクリートの高さを検出する複数のコンクリートセンサ26がセントル11の外面に周方向に沿って設けられている。コンクリートセンサ26は、高さ50cmごとに設けられた複数の検出部を備えており、コンクリートが打ち上がって検出部に達すると検出部がこれを検出することによってコンクリート打ち上がり高さを50cm単位で検出する。各コンクリートセンサ26の検出結果は制御装置30(図4参照)に入力される。
図4は、覆工コンクリート打設システム10のブロック図である。図4に示されるように、ガントリー12における4つの側壁窓群16に対応する左右のラップ側及び左右の妻側には、巻き取り式の4つのバイブレータ27(図1〜図3では図示省略)が設けられる。バイブレータ27は、コンクリートの打設に使用されない一番上の側部打設窓15Aを通って覆工空間6に配置され、キャプタイヤがリール28により巻き取られることによって上昇する。バイブレータ27のオン・オフ及びリール28の駆動は制御装置30によってコンクリートセンサ26の検出信号に基づいて制御される。具体的には、制御装置30は、コンクリートセンサ26の検出信号に基づいてコンクリートの打設(打設場所、打設速度)を制御し、コンクリートの打設に適合するようにバイブレータ27及びリール28の駆動を制御する。
ガントリー12には、1次切替装置20、4つの2次切替装置22及び2つの2次吹上切替装置24を駆動するための油圧ユニット32が搭載されている。油圧ユニット32は、これらの切替装置に設けられた油圧シリンダ33に対して油圧の供給・排出することにより、これらの切替装置におけるコンクリートの圧送先を切り替える。油圧ユニット32の動作、即ちこれらの切替装置の動作は、制御装置30によって制御される。また、コンクリートポンプ18の動作も制御装置30によって制御される。
図2及び図4に示されるように、セントル11の天端11Bには、打設されたコンクリートが天端部6Bに充填されたことを検出する複数のコンクリート充填検出センサ29がセントル11の外面にトンネル軸方向に沿って設けられている。コンクリート充填検出センサ29は、コンクリートの打設に使用する3つの吹上打設窓15Bに対応して3つ設けられている。各コンクリート充填検出センサ29は、対応する吹上打設窓15Bから打設されるコンクリートが到達するべき位置に配置されている。最も妻側の吹上打設窓15Bに対応するコンクリート充填検出センサ29は、妻型枠14の近傍に配置されている。コンクリート充填検出センサ29の検出結果は制御装置30に入力される(図4では、トンネル軸方向の真ん中に配置された検出部のみに、制御装置30に接続する線が示されている)。
制御装置30は、CPU、RAM、ROM等を含む電子回路ユニットにより構成されたコンピュータであり、操作表示装置34によって入力された各種データ及びコンクリートセンサ26の検出結果に基づいて、覆工コンクリート打設処理を実行するように構成されている。なお、制御装置30が覆工コンクリート打設処理を実行するように構成されているとは、制御装置30を構成する演算処理装置(CPU)が、操作表示装置34からの実行指令に従って、ROMに格納されたアプリケーションソフトウェアを読み込んで当該ソフトウェアに従って所定の処理を実行するようにプログラムされていることを意味する。
操作表示装置34は、制御装置30に対する各種データの入力、覆工コンクリート打設処理の実行指令、停止指令、変更指令等を行えるように構成されている。また、操作表示装置34は、図4と同等の画面を表示し、コンクリートポンプ18の作動状態や、1次切替装置20、2次切替装置22及び2次吹上切替装置24の動作状況及び圧送先(切替状態)、コンクリートが圧送されている配管ルート、バイブレータ27の動作状況及びリール28の巻き取り量に基づくバイブレータ27の配置高さ、コンクリートセンサ26の検出結果に基づく覆工コンクリート4の打設進捗状況等を表示するように構成されている。
図5は、覆工コンクリート打設における(A)制御装置30による処理手順、(B)作業員による作業手順を示すフロー図である。まず、図5(A)を参照して、制御装置30による処理手順を説明する。
制御装置30は、操作表示装置34の実行指令に従って、図5(A)に示される覆工コンクリート打設処理を実行する。なお、制御装置30は、覆工コンクリート打設処理の開始前の準備として、コンクリートポンプ18を停止状態にし、1次切替装置20のコンクリートの圧送先を、左のラップ側の側壁窓群16Aに繋がる第1出口に切り替え、4つの2次切替装置22のコンクリートの圧送先を、最も低い側部打設窓15Aに繋がる第1出口に切り替え、2つの2次吹上切替装置24のコンクリートの圧送先を、ラップ側の吹上打設窓15Bに繋がる第1出口に切り替える。また、制御装置30は、バイブレータ27を停止状態にし、リール28を、バイブレータ27が覆工空間6の最も低い高さに位置するように調整する。
覆工コンクリート打設処理の準備が整った後、制御装置30は、1次切替装置20のコンクリートの圧送先を第1〜第4出口間で切り替えながらコンクリート打設する1次分配管切替打設処理を行う(ステップST1)。本実施形態では、コンクリートの打設高さ(層厚)を50cmとし、1層分の1次分配管切替打設処理を行う。以下、1次分配管切替打設処理の具体的手順について図6を参照して説明する。
図6は、制御装置30による1次分配管切替打設処理の手順を示すフロー図である。制御装置30は、図6に示される手順に従って次の処理を実行する。なお、ステップST1では、2次切替装置22のコンクリートの圧送先が第1出口になっているため、各側壁窓群16では、第1の2次分配管23Aから最も低い側部打設窓15Aにコンクリートが圧送される。
制御装置30は、コンクリートポンプ18の圧送(運転)を開始する(ステップST21)。これにより、左のラップ側の側壁窓群16Aにコンクリートが圧送される。左のラップ側のコンクリートセンサ26が1層分のコンクリートの打ち上がりを検出すると、制御装置30は、コンクリートポンプ18の圧送を停止し(ステップST22)、1次切替装置20のコンクリートの圧送先を第1出口から第4出口に切り替える(ステップST23)。
その後、制御装置30は、コンクリートポンプ18の圧送を開始する(ステップST24)。これにより、右のラップ側の側壁窓群16Bにコンクリートが圧送される。右のラップ側のコンクリートセンサ26が1層分のコンクリートの打ち上がりを検出すると、制御装置30は、コンクリートポンプ18の圧送を停止し(ステップST25)、1次切替装置20のコンクリートの圧送先を第4出口から第2出口に切り替える(ステップST26)。
その後、制御装置30は、コンクリートポンプ18の圧送を開始する(ステップST27)。これにより、左の妻側の側壁窓群16Cにコンクリートが圧送される。左の妻側のコンクリートセンサ26が1層分のコンクリートの打ち上がりを検出すると、制御装置30は、コンクリートポンプ18の圧送を停止し(ステップST28)、1次切替装置20のコンクリートの圧送先を第2出口から第3出口に切り替える(ステップST29)。
その後、制御装置30は、コンクリートポンプ18の圧送を開始する(ステップST30)。これにより、右の妻側の側壁窓群16Dにコンクリートが圧送される。右の妻側のコンクリートセンサ26が1層分のコンクリートの打ち上がりを検出すると、制御装置30は、コンクリートポンプ18の圧送を停止し(ステップST31)、1次切替装置20のコンクリートの圧送先を第3出口から第1出口に切り替え(ステップST32)、本処理が終了する。このようにして、1層分のコンクリートの打設が完了する。
図5に戻って説明を続ける。ステップST1の1次分配管切替打設処理の後、制御装置30は、各2次切替装置22のコンクリートの圧送先を第1出口から第2出口に切り替える(ステップST2)。コンクリートの圧送先を第1出口から他の出口に切り替えるのは、コンクリートが各側壁窓群16の最も低い側部打設窓15Aから溢れるのを防止するためである。コンクリートの圧送先を第2〜第5出口のうち第2出口に切り替えるのは、コンクリートの落下高さが大きくなることを抑制するためである。なお、各2次切替装置22の圧送先の切替は、図6に示される1次分配管切替打設処理の全ての処理が行われた後に行う必要はなく、対応する側壁窓群16に対するコンクリートポンプ18の圧送が停止された後、速やかに行われるのが好ましい。
続いて、制御装置30は、1次分配管切替打設処理を行う(ステップST3)。本実施形態では、コンクリートの打設高さ(層厚)を50cmとし、複数回に亘って1次分配管切替打設処理を行い、3層分のコンクリートを打設する。2次切替装置22のコンクリートの圧送先が第2出口になっているため、各側壁窓群16では、第2の2次分配管23Bから2番目に低い側部打設窓15Aにコンクリートが圧送され、3層のコンクリートが打設される。これにより、合計で4層分のコンクリートの打設が完了する。
その後、制御装置30は、各2次切替装置22のコンクリートの圧送先を第2出口から第3出口に切り替える(ステップST4)。この切替も、ステップST2と同様の目的で行われ、ステップST2と同様に、対応する側壁窓群16に対する4層目のコンクリートポンプ18の圧送が停止された後、速やかに行われるのが好ましい。続いて、制御装置30は、1次分配管切替打設処理を行う(ステップST5)。本実施形態では、コンクリートの打設高さ(層厚)を50cmとし、複数回に亘って1次分配管切替打設処理を行い、3層分のコンクリートを打設する。2次切替装置22のコンクリートの圧送先が第3出口になっているため、各側壁窓群16では、第3の2次分配管23Cから3番目に低い側部打設窓15Aにコンクリートが圧送され、3層のコンクリートが打設される。これにより、合計で7層分のコンクリートの打設が完了する。
その後、制御装置30は、各2次切替装置22のコンクリートの圧送先を第3出口から第4出口に切り替える(ステップST6)。この切替も、ステップST2と同様の目的で行われ、ステップST2と同様に、対応する側壁窓群16に対する7層目のコンクリートポンプ18の圧送が停止された後、速やかに行われるのが好ましい。続いて、制御装置30は、1次分配管切替打設処理を行う(ステップST7)。本実施形態では、コンクリートの打設高さ(層厚)を50cmとし、複数回に亘って1次分配管切替打設処理を行い、4層分のコンクリートを打設する。2次切替装置22のコンクリートの圧送先が第3出口になっているため、各側壁窓群16では、第4の2次分配管23Dから4番目に低い側部打設窓15Aにコンクリートが圧送され、4層のコンクリートが打設される。これにより、合計で11層分のコンクリートの打設(覆工空間6の側壁部6Aのコンクリートの打設)が完了する。
その後、制御装置30は、1次切替装置20のコンクリートの圧送先を第5出口に切り替える(ステップST8)。この切替も、ステップST2と同様の目的で行われる。この処理は、11層目の1次分配管切替打設処理(図6)において、1次切替装置20のコンクリートの圧送先を第3出口から第1出口ではなく第5出口に切り替えることで置き換えてもよい。
最後に、制御装置30は、2次吹上切替装置24のコンクリートの圧送先を切り替えながらラップ側から2次吹上分配管25を用いてコンクリート打設する2次吹上分配管切替打設処理を行い(ステップST9)、本処理を終了する。以下、図7を参照して2次吹上分配管切替打設処理の具体的手順について説明する。
図7は、制御装置30による2次吹上分配管切替打設処理の手順を示すフロー図である。制御装置30は、図7に示される手順に従って次の処理を実行する。なお、ステップST9では、2つの2次吹上切替装置24のコンクリートの圧送先が第1出口になっているため、吹上窓群17では、第1の2次吹上分配管25Aから最もラップ側の吹上打設窓15Bにコンクリートが圧送される。
制御装置30は、コンクリートポンプ18の圧送を開始する(ステップST41)。これにより、最もラップ側の吹上打設窓15Bにコンクリートが圧送される。最もラップ側のコンクリート充填検出センサ29がコンクリートの充填を検出すると、制御装置30は、コンクリートポンプ18の圧送を停止し(ステップST42)、ラップ側の2次吹上切替装置24のコンクリートの圧送先を第1出口から第2出口に切り替える(ステップST43)。
その後、制御装置30は、コンクリートポンプ18の圧送を開始する(ステップST44)。これにより、トンネル軸方向真ん中の吹上打設窓15Bにコンクリートが圧送される。トンネル軸方向真ん中のコンクリート充填検出センサ29がコンクリートの充填を検出すると、制御装置30は、コンクリートポンプ18の圧送を停止し(ステップST45)、妻側の2次吹上切替装置24のコンクリートの圧送先を第1出口から第2出口に切り替える(ステップST46)。
その後、制御装置30は、コンクリートポンプ18の圧送を開始する(ステップST47)。これにより、妻側の吹上打設窓15Bにコンクリートが圧送される。妻側のコンクリート充填検出センサ29がコンクリートの充填を検出すると、制御装置30は、コンクリートポンプ18の圧送を停止し(ステップST48)、本処理を終了する。
その後は、作業員が妻型枠14からコンクリートの充填状況を確認しながら、操作表示装置34を用いてコンクリートポンプ18を操作し、天端部6Bが充填されるまでコンクリートを圧送する。或いは、妻側のコンクリート充填検出センサ29がコンクリートの充填を検出した時点から、所定量のコンクリートを圧送した後に、制御装置30がコンクリートポンプ18の圧送を停止してもよい。
次に、図5(B)を参照して、作業員による作業手順を説明する。作業員は、図5(A)のステップST2において各2次切替装置22のコンクリートの圧送先が第1出口から第2出口に切り替えられた後、各2次切替装置22の第1出口に接続する4本の第1の2次分配管23Aを撤去して側部打設窓15Aを閉める(ステップST11)。各第1の2次分配管23Aは、付着したコンクリートを取り除くために洗浄し、次のスパンのコンクリートの打設前に再び第1出口に接続する必要があるため近傍に仮置きする。
その後、作業員は、図5(A)のステップST4において各2次切替装置22のコンクリートの圧送先が第2出口から第3出口に切り替えられた後、各2次切替装置22の第2出口に接続する4本の第2の2次分配管23Bを撤去して側部打設窓15Aを閉める(ステップST12)。各第2の2次分配管23Bも、洗浄した後に近傍に仮置きする。
作業員は、図5(A)のステップST6において各2次切替装置22のコンクリートの圧送先が第3出口から第4出口に切り替えられた後、各2次切替装置22の第3出口に接続する4本の第3の2次分配管23Cを撤去して側部打設窓15Aを閉める(ステップST13)。各第3の2次分配管23Cも、洗浄した後に近傍に仮置きする。
作業員は、図5(A)のステップST7において各2次切替装置22に対するコンクリートの圧送が完了した後、各2次切替装置22の第4出口に接続する4本の第4の2次分配管23Dを撤去して側部打設窓15Aを閉める(ステップST14)。各第4の2次分配管23Dも、洗浄した後に近傍に仮置きする。
作業員は、図5(A)のステップST9の作業と並行して、吹上打設窓15Bを閉め、2次吹上分配管25の一部を順次撤去する(ステップST15)。具体的には、図7に示される2次吹上分配管切替打設処理のうち、ステップST43にてラップ側の2次吹上切替装置24のコンクリートの圧送先が切り替えられた後、作業員は、ラップ側の吹上打設窓15Bを閉め、第1の2次吹上分配管25Aを撤去する。また、ステップST46にて妻側の2次吹上切替装置24のコンクリートの圧送先が切り替えられた後、作業員は、軸方向真ん中の吹上打設窓15Bを閉め、第2の2次吹上分配管25Bを撤去する。更に、全てのコンクリートの打設が完了した後、作業員は、妻側の吹上打設窓15Bを閉め、第3の2次吹上分配管25Cを撤去する。各2次吹上分配管25Bも、洗浄した後に近傍に仮置きする。
これにより、覆工コンクリート4の打設時における作業員の作業が完了する。なお、全てのコンクリートの打設が完了した後には当然に、作業員は、コンクリートポンプ18や配送管19、1次切替装置20、1次分配管21、2次切替装置22、2次吹上切替装置24等を洗浄する。
コンクリートの養生期間の経過後、作業員は、セントル11の脱型、移動、展開、上記撤去した各種分配管の接続等の作業を行う。各側壁窓群16において、作業員は、第1〜第4の4本の2次分配管23(23A〜23D)を予め接続する。
以下、このように構成された覆工コンクリート打設システム10の作用効果について説明する。
図1〜図3に示されるように、1次切替装置20から延びる複数の1次分配管21の下流端に複数の2次切替装置22が設けられ、各2次切替装置22から対応する複数の側部打設窓15Aに向けて複数の2次分配管23が延びている。そのため、制御装置30が、図5のステップST1、ステップST3、ステップST5、ステップST7において、コンクリートポンプ18の圧送を停止させている間に1次切替装置20を切り替えながらコンクリートを打設した後、ステップST2、ステップST4、ステップST6、ステップST8において、複数の2次分配管23の低い側から高い側へ順にコンクリートが圧送されるように複数の2次切替装置22を切り替えた後に、作業員が高い側の2次分配管23をセットする必要がない。また、作業員による2次分配管23の切り回し作業が不要なため、コンクリートの打設作業が確実に行われ、覆工コンクリート4の品質が向上する。
図6に示されるように、制御装置30は、ステップST22、ステップST25、ステップST28、ステップST31において、複数のコンクリートセンサ26の検出信号に基づいて、コンクリートの打設を停止し、ステップST23、ステップST26、ステップST29、ステップST32において、複数の側壁窓群16が設けられた部分のコンクリートの高さが概ね均等に高くなるように1次切替装置20を切り替える。そのため、コンクリートの打設場所において、作業員が打設窓15からコンクリートの高さを監視する必要がない。また、コンクリートセンサ26の検出信号に基づいて、コンクリートの高さが概ね均等に高くなるように1次切替装置20が切り替えられるため、セントル11に作用する側圧の偏りが防止される。
また、制御装置30は、ステップST31においてコンクリートセンサ26の検出信号に基づいてコンクリートの打設を停止した後、図5のステップST2、ステップST4、ステップST6、ステップST8において、2次切替装置22を切り替える。このように、制御装置30が、コンクリートセンサ26の検出信号に基づいて、コンクリートの落下高さが大きくなることを抑制し且つコンクリートが打設窓15から溢れないように2次切替装置22を切り替えることにより、コンクリートの材料分離が抑制される上、作業員が打設窓15からコンクリートの高さを監視する必要がない。
図4に示されるように、覆工コンクリート打設システム10は、複数の側壁窓群16に対応する位置に高さ変更可能に設けられた複数のバイブレータ27を更に備え、制御装置30は、複数のコンクリートセンサ26の検出信号に基づいて、複数のバイブレータ27の動作及び高さを制御する。そのため、コンクリートの打設場所において、作業員がコンクリートの締め固め作業を行う必要がない。また、バイブレータ27の動作及び高さが制御装置30によって制御されるため、締め固めに多寡が生じず、覆工コンクリート4の品質が安定する。
図2及び図3に示されるように、1次切替装置20から吹上窓群17に向けて延びる1次吹上分配管21Bが1次切替装置20に接続され、互いに隣接する1対の吹上打設窓15Bに対応して複数の2次吹上切替装置24が1次吹上分配管21B上に直列に設けられ、複数の2次吹上切替装置24から対応する吹上打設窓15Bに向けて複数の2次吹上分配管25が延びている。そして、制御装置30は、図5のステップST8において、1次吹上分配管21Bが最後にコンクリートの圧送先になるように1次切替装置20を切り替え、図7のステップST43、ステップST46において、複数の2次吹上分配管25が構築済みの覆工コンクリート4側であるラップ側から順にコンクリートの圧送先になるように複数の2次吹上切替装置24を切り替える。そのため、覆工空間6の側壁部6Aだけでなく天端部6Bへのコンクリートの打設についても、2次吹上分配管25の切り回し作業が不要になる。また、図3に示されるように、複数の2次吹上切替装置24が直列に設けられるため、1次吹上分配管21B及び2次吹上分配管25の延長が短くなる。更に、1次吹上分配管21Bの本数が少なくなることで作業スペースの確保が容易になる。
図4に示されるように、覆工コンクリート打設システム10は、1次切替装置20及び複数の2次切替装置22の切替状態、コンクリートポンプ18の作動状態、並びに、コンクリートが圧送されている配管ルートを表示する操作表示装置34を備えている。そのため、操作者或いは作業員は、コンクリートが圧送されている配管ルートや複数の切替装置の切替状態が確認でき、作業の進捗や状況を把握して準備や片付け、指示等を行い易い。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記実施形態では、覆工空間6の側壁部6Aにコンクリートを打設するために4つの側壁窓群16が用いられているが、6つや8つ、5つ、7つ等の側壁窓群16が用いられてもよい。この他、各部材や部位の具体的構成や配置、数量、手順など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。一方、上記実施形態に示した各構成要素は必ずしも全てが必須ではなく、適宜選択することができる。
4 覆工コンクリート
10 覆工コンクリート打設システム
11 セントル
11A 側壁
11B 天端
15 打設窓
15A 側部打設窓
15B 吹上打設窓
16(16A、16B、16C、16D) 側壁窓群
17 吹上窓群
18 コンクリートポンプ
19 配送管
20 1次切替装置
21 1次分配管
21A 1次側壁分配管
21B 1次吹上分配管
22 2次切替装置
23(23A、23B、23C、23D) 2次分配管
24 2次吹上切替装置
25(25A、25B、25C) 2次吹上分配管
26 コンクリートセンサ
27 バイブレータ
28 リール
30 制御装置
34 操作表示装置

Claims (6)

  1. 高さが異なる複数の打設窓からなる複数の窓群がトンネル軸方向に異なる複数の位置にて左右の側壁のそれぞれに形成されたセントルと、
    コンクリートを配送管に圧送するコンクリートポンプと、
    前記配送管の下流端に設けられ、コンクリートの圧送先として選択的に切り替えられる複数の出口を有する1次切替装置と、
    前記1次切替装置の前記複数の出口から前記複数の窓群に向けて延びる複数の1次分配管と、
    前記複数の1次分配管のそれぞれの下流端に設けられ、コンクリートの圧送先として選択的に切り替えられる複数の出口を有する複数の2次切替装置と、
    各2次切替装置の前記複数の出口から対応する窓群の前記複数の打設窓に向けて延びる複数の2次分配管と、
    前記コンクリートポンプ、前記1次切替装置及び前記複数の2次切替装置の動作を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記複数の1次分配管が所定の順に複数回に亘ってコンクリートの圧送先になるように前記1次切替装置を切り替え、前記複数の2次分配管が低い側から順にコンクリートの圧送先になるように前記複数の2次切替装置を切り替え、前記1次切替装置を切り替えている間、前記コンクリートポンプの圧送を停止することを特徴とする覆工コンクリート打設システム。
  2. 前記セントルにおける前記複数の窓群に対応する位置に設けられ、打設されたコンクリートの高さを検出する複数のコンクリートセンサを更に備え、
    前記制御装置は、前記複数のコンクリートセンサの検出信号に基づいて、前記複数の窓群が設けられた部分のコンクリートの高さが概ね均等に高くなるように前記1次切替装置を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の覆工コンクリート打設システム。
  3. 前記制御装置は、前記複数のコンクリートセンサの検出信号に基づいて、コンクリートの落下高さが大きくなることを抑制し且つコンクリートが前記複数の打設窓から溢れないように前記2次切替装置を切り替えることを特徴とする請求項2に記載の覆工コンクリート打設システム。
  4. 前記複数の窓群に対応する位置に高さ変更可能に設けられた複数のバイブレータを更に備え、
    前記制御装置が、前記複数のコンクリートセンサの検出信号に基づいて、前記複数のバイブレータの動作及び高さを制御することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の覆工コンクリート打設システム。
  5. 前記セントルには、天端におけるトンネル軸方向の異なる位置に設けられた複数の吹上打設窓からなる吹上窓群が更に形成され、
    前記複数の1次分配管が、前記1次切替装置から前記吹上窓群に向けて延びる1次吹上分配管を含み、
    前記1次吹上分配管上に、互いに隣接する1対の吹上打設窓に対応して直列に設けられた複数の2次吹上切替装置と、
    前記複数の2次吹上切替装置から対応する吹上打設窓に向けて延びる複数の2次吹上分配管とを更に備え、
    前記制御装置は、前記1次吹上分配管が最後にコンクリートの圧送先になるように前記1次切替装置を切り替え、前記複数の2次吹上分配管が構築済みの覆工コンクリート側から順にコンクリートの圧送先になるように前記複数の2次吹上切替装置を切り替えることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の覆工コンクリート打設システム。
  6. 前記1次切替装置及び前記複数の2次切替装置の切替状態、前記コンクリートポンプの作動状態、並びに、コンクリートが圧送されている配管ルートを表示する表示装置を更に備えることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の覆工コンクリート打設システム。
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