JP7261407B2 - トンネル覆工コンクリートの打設管理方法 - Google Patents

トンネル覆工コンクリートの打設管理方法 Download PDF

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特許法第30条第2項適用 ・平成30年度土木学会全国大会予稿集DVD版 (平成30年8月1日発行 公益社団法人土木学会発行) ・平成30年度土木学会全国大会、第73回年次学術講演会(平成30年8月29日~31日、北海道大学札幌キャンパスにて開催) ・株式会社奥村組自社ホームページ (平成30年8月22日ウェブサイトに掲載、http://www.okumuragumi.co.jp/newsrelease/data/180822.pdf) ・日刊建設工業新聞 (平成30年8月23日 日刊建設工業新聞社発行) ・日刊建設産業新聞 (平成30年8月23日 日刊建設産業新聞社発行) ・建設通信新聞 (平成30年8月23日 株式会社日刊建設通信新聞社発行) ・大阪建設工業新聞 (平成30年8月24日 株式会社大阪建設工業新聞社発行) ・日刊工業新聞 (平成30年8月27日 日刊工業新聞社発行) ・建設新聞 (平成30年9月3日 日刊建設新聞社発行) ・覆工コンクリート高速打設システムの実規模施工実験の公開実証実験の案内状の配布(平成30年8月28日 株式会社奥村組により配布) ・覆工コンクリート高速打設システムの実規模施工実験(平成30年9月25日~平成30年9月26日 施工技術総合研究所) ・奥村組技術研究年報 No.44 (平成30年9月1日 株式会社奥村組発行) ・日経コンストラクション 第696号 (平成30年9月24日 日経BP社発行) ・日刊建設工業新聞 (平成30年9月26日 日刊建設工業新聞社発行) ・建設通信新聞 (平成30年9月26日 株式会社日刊建設通信新聞社発行) ・日刊建設産業新聞 (平成30年9月27日 日刊建設産業新聞社発行)
本発明は、トンネル覆工コンクリートの打設管理方法に関し、特に、トンネルの側壁部分からアーチ形状部分のクラウン部に至るまでの覆工空間にコンクリートを打設する際に用いるトンネル覆工コンクリートの打設管理方法に関する。
例えば山岳トンネル工法等のトンネル工法において、掘削したトンネルの内周面の地山を覆って構築されるトンネル覆工コンクリートを形成するための方法として、セントルと呼ばれるトンネル覆工用型枠を用いる工法が一般的に採用されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。トンネル覆工用型枠50は、例えば図4に示すように、例えば馬蹄形等のアーチ形状部分52を含む形状のトンネル53の内周面54に沿って、トンネル53の側壁部55から上部に亘って設置されるものであり、設置されたトンネル覆工用型枠50と、トンネル53の内周面54の吹き付けコンクリート56によって覆われる地山との間の覆工空間61に、好ましくは無筋コンクリートを打設して硬化させることにより、トンネル底部のインバート部51のコンクリートと連続させるようにして、覆工コンクリートが形成されることになる。
また、トンネル覆工用型枠50としては、例えばパラセントルと呼ばれる組立式のトンネル覆工用型枠の他、スライドセントルと呼ばれる移動式のトンネル覆工用型枠が知られており、トンネル53の掘削作業の進行に伴なって、例えば10.5m程度の所定の施工スパン毎にトンネル覆工用型枠50を据え付け直しながら、トンネル53の掘進方向の後方から前方に向かって、トンネル覆工用型枠50を用いてトンネル53の側部及び上部の覆工コンクリートを順次打設して形成して行くことになる。
そして、トンネル覆工用型枠50を用いてトンネルの側部及び上部の覆工コンクリートを打設するには、例えば図5(a)~(d)に示すように、設置したトンネル覆工用型枠50に設けられた検査窓56からコンクリートを打設可能な高さ領域として、例えばトンネル53の側壁部55からアーチ形状部分52の肩部までの領域に対しては、検査窓56を介してコンクリート57を供給すると共に、バイブレータ58を検査窓56から挿入し、供給されたコンクリート57を締固めながらコンクリート57を打設する(図5(a)~(c)参照)。しかる後に、検査窓56からコンクリート57を供給しながらバイブレータ58によって締固めることが困難な高さ領域として、トンネル53の冠部(クラウン部)59(図4参照)の領域に対しては、トンネル覆工用型枠50の天端部に設けた吹き上げ投入口60から、コンクリートを吹き上げ方式で圧入して打ち込み、直接バイブレータを用いて締固めを行うことなく冠部59のコンクリート57を形成するパターンが採用されている(図5(d)参照)。
より具体的には、所定位置にトンネル覆工用型枠50を設置した後に、例えば側壁部55の下部より、下段の検査窓56を介してコンクリート57を流し込みながらバイブレータ58を用いて締固める工程(図5(a)参照)と、さらに側壁部55の上部のアーチ形状部分52に向かって、中段の検査窓56を介してコンクリート57を流し込みながらバイブレータ58を用いて締固める工程(図5(b)参照)と、さらにアーチ形状部分52の冠部59の手前まで、上段の検査窓56及び必要に応じて吹き上げ投入口60を介してコンクリート57を流し込みながら、バイブレータ58を用いて締固める工程(図5(c)参照)と、冠部59の既設の覆工コンクリート62側の部分から吹き上げ投入口60を介してコンクリート57を吹き上げ方式で圧入し、直接バイブレータを用いて締固めを行うことなく、妻型枠63までコンクリートを充填する工程(図5(d)参照)とによって、覆工コンクリートが打設されることになる。
特開2001-280094号公報 特開2003-262096号公報 特開2015-67949号公報
一方、近年のトンネル工法では、掘削技術の改良によって、コンクリートの打設から養生及びトンネル覆工用型枠の脱型までの、覆工コンクリートを形成するための工程の進捗が、トンネルの切羽面を掘削する工程の進捗に追随できなくなっている。このため、例えばトンネル覆工用型枠を組み立ててからコンクリートを打設するまでの工程と、打設したコンクリートの養生の後にトンネル覆工用型枠を脱型するまでの工程とを、別々の日に行っていたものを、トンネル覆工用型枠の脱型、移動、及び組立から、コンクリートの打設までの工程を、1日のうちに終わらせて、翌日は専らコンクリートの養生期間とするといった施工方法を採用したり、或いはトンネル覆工用型枠の延長を長くしたりするなどによって、覆工コンクリートの形成するための工程の進捗を早めるようにすることが検討されている。
また、トンネル覆工用型枠を用いて形成される覆工コンクリートの打設空間にコンクリートを打設する際に、複数のコンクリートポンプを用いることによって、覆工コンクリートの品質の向上を図ることができるようにした打設方法も開発されている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3に記載の覆工コンクリートの打設方法では、複数のコンクリートポンプから圧送されるコンクリートを、トンネル覆工用型枠の前後方向に複数箇所に設けられた各々の打設口から、覆工空間に同時に打設すると共に、トンネル覆工用型枠の左右方向の両側に設けられた各々の打設口から、覆工空間に同時に打設するようになっており、これによって、例えばトンネルの側壁部分からアーチ形状部分のクラウン部に至るまでの覆工空間に、材料分離の少ない品質の良好なコンクリートを、効率良く打設することが可能になる。
しかしながら、特許文献3に記載の覆工コンクリートの打設方法では、トンネル覆工用型枠の前後方向及び左右方向の複数箇所に設けられた打設口から、コンクリートを同時に打設することで、好ましくは均等な打設高さとなるようにしつつ、トンネルの側壁部分からアーチ形状部分のクラウン部に至るまでの覆工空間に、コンクリートを効率良く打設してゆくことが可能になるが、例えば前後左右の特定の部分の覆工空間にコンクリートが偏って打設されると、設置したトンネル覆工用型枠がバランスを崩すことになるために、その打設高さを連続して細かく管理して、調整できるようにすることが望ましい。また、覆工空間に打設されたコンクリートの締固め時期を適切に判断したり、コンクリートの打設口の切替え時期を適切に判断したりするためにも、コンクリートの打設高さを連続して細かく管理できるようにすることが望ましい。
本発明は、トンネル覆工用型枠を用いて覆工コンクリートを形成するトンネル覆工コンクリートの施工方法において、トンネルの側壁部分からアーチ形状部分のクラウン部に至るまでの覆工空間にコンクリートを打設する際に、打設されるコンクリートの打設高さを連続して細かく管理することのできるトンネル覆工コンクリートの打設管理方法を提供することを目的とする。
本発明は、トンネル覆工用型枠を用いて覆工コンクリートを形成するトンネル覆工コンクリートの施工方法において、トンネルの側壁部分からアーチ形状部分のクラウン部に至るまでの覆工空間にコンクリートを打設する際に用いるトンネル覆工コンクリートの打設管理方法であって、前記側壁部分から前記アーチ形状部分のクラウン部に至るまでの覆工空間に臨ませて、圧力計を、下段の当該圧力計からの上下方向のピッチが1.0~2.5mとなるように、上下方向に所定の間隔をおいてトンネル覆工用型枠に複数段に取り付けておき、下段に配置された圧力計の高さ位置を越えるまでコンクリートを打設したら、次の上段の圧力計の高さ位置に至るまでのコンクリートの打設高さを、前記下段の圧力計による、型枠に負荷される側圧の計測値をコンクリートの単位重量で除した値が、前記下段の圧力計の高さ位置からのコンクリートの打設高さであるとして、コンクリートの打設高さを管理するトンネル覆工コンクリートの打設管理方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
そして、本発明のトンネル覆工コンクリートの打設管理方法は、前記下段の圧力計による計測値をコンクリートの単位重量で除した値に、前記覆工空間の底部からの前記下段の圧力計が配置された高さを加えた値が、前記覆工空間の底部からのコンクリートの打設高さであるとして、コンクリートの打設高さを管理することが好ましい。
さらに、トンネル覆工コンクリートの打設管理方法は、トンネルの側壁部分からアーチ形状部分のクラウン部に至るまでの、トンネルの中央部を挟んだ両側部分の前記覆工空間に、コンクリートを同時に打設するようになっており、両側部分の前記覆工空間におけるコンクリートの打設高さが、同様の高さとなるように、複数段に取り付けられた前記圧力計による計測値を介して、コンクリートの打設高さを管理することが好ましい。
さらにまた、本発明のトンネル覆工コンクリートの打設管理方法は、前記側壁部分から前記アーチ形状部分のクラウン部に至るまでのトンネル覆工用型枠に、コンクリートポンプから延設する圧送配管を接続させる開閉可能な圧入接続口が、上下方向に間隔をおいて複数段に設けられており、 下段に配置された圧入接続口に圧送配管を接続して、当該圧入接続口に至るまでの下方の覆工空間に、当該圧入接続口からコンクリートを流し込むことで供給した後に、引き続いて当該圧入接続口の上方の覆工空間に、当該圧入接続口からコンクリートを圧入することで供給するコンクリート流し込み圧入工程を、下段の圧入接続口から上段の圧入接続口に前記圧送配管を接続する接続口を切り換えながら、複数回繰り返して、前記側壁部分から前記アーチ形状部分のクラウン部に至るまでの覆工空間にコンクリートが打設されるようになっていることが好ましい。
また、本発明のトンネル覆工コンクリートの打設管理方法は、前記トンネル覆工用型枠の天頂部に、天頂部圧力計が取り付けられており、該天頂部圧力計による計測値をコンクリートの単位重量で除した値が、天頂部における覆工コンクリートの厚さを超えることで、天頂部における覆工空間にコンクリートが充填されたとして、コンクリートの打設高さを管理するようになっていることが好ましい。
本発明のトンネル覆工コンクリートの打設管理方法によれば、トンネル覆工用型枠を用いて覆工コンクリートを形成するトンネル覆工コンクリートの施工方法において、トンネルの側壁部分からアーチ形状部分のクラウン部に至るまでの覆工空間にコンクリートを打設する際に、打設されるコンクリートの打設高さを連続して細かく管理することができる。
(a)~(c)は、本発明の好ましい一実施形態に係る打設管理方法が採用されるトンネル覆工コンクリートの打設方法を説明する略示横断面図である。 (a)~(c)は、本発明の好ましい一実施形態に係る打設管理方法が採用されるトンネル覆工コンクリートの打設方法を説明する略示縦断面図である。 覆工空間における圧力計の取り付け位置を説明する要部断面図である。 従来のトンネル覆工コンクリートの打設方法において、トンネル覆工用型枠をトンネルの内周面に沿って設置した状態を説明する略示横断面図である。 (a)~(d)は、従来のトンネル覆工コンクリートの打設方法の作業手順を説明する、一部を断面図として示す略示側面図である。 実証実験の結果を示すチャートである。
本発明の好ましい一実施形態に係るトンネル覆工コンクリートの打設管理方法は、例えば山岳トンネル工法等のトンネル工法で採用されるトンネル覆工コンクリートの施工方法において、図1(a)~(c)に示すように、掘削したトンネル40の内周面を覆って構築される覆工コンクリート20(図1(c)参照)を、セントルと呼ばれるトンネル覆工用型枠10を用いて形成する際に、トンネル40の側壁部分40aからアーチ形状部分40bのクラウン部40cに至るまでの覆工空間21に打設されるコンクリート22の打設高さを、連続して細かく管理できるようにする管理方法として採用されたものである。
すなわち、本実施形態のトンネル覆工コンクリートの打設管理方法は、トンネル覆工用型枠10を用いて覆工コンクリート20を形成するトンネル覆工コンクリートの施工方法において、トンネル40の側壁部分40aからアーチ形状部分40bのクラウン部40cに至るまでの覆工空間21にコンクリート22を打設する際に用いる打設管理方法であって、図3に示すように、側壁部分40aからアーチ形状部分40bのクラウン部40cに至るまでの覆工空間21に、上下方向に所定の間隔をおいて圧力計10a~10dを複数段に取り付けておき、下段に配置された圧力計10a~10cの高さ位置を越えるまでコンクリート22を打設したら、次の上段の圧力計10b~10dの高さ位置に至るまでのコンクリート22の打設高さを、下段の圧力計10a~10cによる計測値Pをコンクリートの単位重量Wcで除した値が、下段の圧力計10a~10cの高さ位置からのコンクリートの打設高さΔhであるとして、コンクリート22の打設高さを管理するようになっている。
また、本実施形態では、好ましくは、トンネル40の側壁部分40aからアーチ形状部分40bのクラウン部40cに至るまでの、トンネル40の中央部を挟んだ両側部分の覆工空間21に、コンクリート22を同時に打設するようになっており(図1(a)~(c)参照)、両側部分の覆工空間21におけるコンクリート22の打設高さが、同様の高さとなるように、複数段に取り付けられた圧力計10a~10dによる計測値Pを介して、コンクリート22の打設高さを管理するようになっている。
さらに、本実施形態では、図1(a)~(c)に示すように、好ましくは、トンネル40の側壁部分40aからアーチ形状部分40bのクラウン部40cに至るまでのトンネル覆工用型枠10に、コンクリートポンプ30(図2(a)~(c)参照)から延設する圧送配管31の分岐管31bを接続させる開閉可能な圧入接続口11a,11bが、上下方向に間隔をおいて複数段(本実施形態では、2段)に設けられており、下段に配置された圧入接続口11aに圧送配管31の分岐管31bを接続して、当該圧入接続口11aに至るまでの下方の覆工空間21に、当該圧入接続口11aからコンクリート22を流し込むことで供給した後に(図1(a)のドット部参照)、引き続いて当該圧入接続口11aの上方の覆工空間21に、当該圧入接続口11aからコンクリート22を圧入することで供給する(図1(a)の斜線部参照)、コンクリート流し込み圧入工程を含んでいる。下段の圧入接続口11aから上段の圧入接続口21bに、圧送配管31の分枝管31bを接続する接続口11a,11bを切り換えながら(図1(b)参照)、コンクリート流し込み圧入工程を複数回繰り返して、トンネル40の側壁部分40aからアーチ形状部分40bのクラウン部40cに至るまでの覆工空間21に、コンクリートを打設するようになっている(図1(c)参照)。
さらにまた、本実施形態では、好ましくは、トンネル覆工用型枠10の天頂部に、天頂部圧力計10eが取り付けられており、天頂部圧力計10eによる計測値Pをコンクリートの単位重量Wcで除した値が、天頂部における覆工コンクリート20の厚さtを超えることで、天頂部における覆工空間21にコンクリート22が充填されたとして、コンクリート22の打設高さを管理するようになっている。
本実施形態では、トンネル覆工用型枠10は、図1(a)~(c)及び図2(a)~(c)に示すように、トンネル40の掘進方向Xに移動可能なスライドセントルとなっており、好ましくは18m程度の延長を有するロングスパンのセントルとなっている。トンネル覆工用型枠10は、ロングスパンのセントルとなっていること以外は、例えば特開2015-67949号公報に記載されたトンネル覆工用型枠と、略同様の構成を備えている。
すなわち、トンネル覆工用型枠10は、図1(a)~(c)に示すように、トンネル40の掘進方向Xに連結一体化された(図2(a)~(c)参照)、複数の門型台車13と、これらの一体化された門型台車13によって支持されると共に、例えば吹付けコンクリートによる一次覆工23によって覆われた、例えば横幅が11mm程度、高さが8m程度の大きさの中空断面を備えるトンネル40の内周面に沿って配置されて、覆工空間21の内側の型枠面を形成する型枠本体14とを含んで構成されている。門型台車13は、基台部13aと、基台部13aを支持する支柱脚部13bとを備えている。支柱脚部13bの下端には、トンネル40の床面に敷設されたレール24に沿って走行可能な走行部13cが設けられており、これによってトンネル覆工用型枠10は、トンネル40の掘進方向Xに移動できるようになっている。
型枠本体14は、一次覆工23によって覆われたトンネル40の内周面に沿った形状を備えるように組み付けられており、トンネル40の内周面との間に所定の間隔をおいて配置されることにより、所定の厚さの覆工空間21を形成する。また、型枠本体14は、トンネル40のアーチ形状部分40bの上部の覆工空間21を形成する上部型枠14aと、アーチ形状部分40bの下部及び両側の側壁部分40aの覆工空間21を形成する一対の側部型枠14bと、一対の下端部型枠14cとを含んで構成されている。上部型枠14aは、門型台車13の基台部13aに設けられた複数の昇降ジャッキ15aによって、上下方向に昇降可能に支持されている。一対の側部型枠14bは、上部型枠14aの両側の下端部に各々回転可能に接続されており、一対の下端部型枠14cは、各々の側部型枠14bの下端部に回転可能に接続されている。側部型枠14b及び下端部型枠14cは、一端部が門型台車13に連結された伸縮ジャッキ15b,15cの他端部と連結しており、これらの伸縮ジャッキ15b,15cを伸縮することで、側部型枠14bや下端部型枠14cを、上部型枠14aや側部型枠14bに対して、回動できるようになっている。
これらによって、トンネル覆工用型枠10は、昇降ジャッキ15aや伸縮ジャッキ15b,15cを伸縮させることで、型枠本体14を展開したり内側にまとめたりすることが可能になって、トンネル40の内周面に沿うように型枠本体14を組み付けたり、型枠本体14を脱型した後にトンネル40の内部で掘進方向Xに移動させたりできるようになっている。
本実施形態では、トンネル覆工用型枠10は、18m程度の延長を有するロングスパンの型枠としたことにより施工スパンを増大させて、工期の短縮を図ることができるようになっていることに加えて、好ましくは、前後方向(トンネルの掘進方向)Xの一方及び他方に2分割した状態となるように、分離可能な構成を備えている。トンネル覆工用型枠10を一方及び他方に分離可能な構成としたことで、トンネル覆工用型枠10の移動及びセットをロングスパンのまま一体として行えるようにして、移動及びセットの時間の短縮を図りつつも、例えばトンネル40の坑口部分や断面拡幅部分等の、異なる断面部分の覆工コンクリート20を施工する際に、これらの異なる断面部分の型枠の組み立てや打設したコンクリートの養生などのために、トンネル覆工用型枠10を、移動することなく通常よりも長い期間、同じ位置に保持しておく必要がある場合でも、例えば一方の部分をそのまま保持しておき、異なる断面部分から外れた他方の部分を分離することで、分離した他方の部分を用いることによって、覆工コンクリート20を形成する作業を進めることが可能になる。これによって、覆工コンクリート20を形成するための工程が、異なる断面部分の影響によって長引くことになるのを、効果的に回避することが可能になる。
本実施形態では、トンネル覆工用型枠10によって形成された、一次覆工23で覆われたトンネル40の内周面との間の覆工空間21には、2系統のコンクリートポンプ(コンクリートポンプ車)30及び圧送配管31を介して、コンクリート22が供給されるようになっている。すなわち、本実施形態では、コンクリートポンプ30は、図2(a)~(c)に示すように、セットされたトンネル覆工用型枠10を挟んだトンネルの掘進方向Xの前方及び後方に、2台配置されており、各々のコンクリートポンプ30のホッパー部に、コンクリートミキサー車32からコンクリート22が投入されるようになっている。前後2台のコンクリートポンプ30には、圧送配管31が各々接続されている。これらの2系統の圧送配管31を介して、2台のコンクリートポンプ30から覆工空間22に、コンクリート22を同時に圧送して、供給できるようになっている。2系統のコンクリートポンプ20及び圧送配管31を用いることにより、覆工コンクリート20を形成するための工程の進捗を、より効果的に早めることが可能になる。
2台のコンクリートポンプ20に接続されてコンクリートを圧送する2系統の圧送配管31は、各々、一端部がコンクリートポンプ30に接続されて、セットされたトンネル覆工用型枠10の内側に至るまで、トンネル覆工用型枠10の前後方向(トンネルの掘進方向)Xに延設して設けられた主配管31aと、主配管31aの他端部からトンネル50の幅方向の両側に枝分かれして設けられた分岐管31bとを含んで形成されている。分岐管31bは、曲折可能な可撓性を備える部分を有しており、可撓性を備える部分で適宜曲折させたり湾曲させたりすることによって、当該分岐管31bを、下段の圧入接続口11aから上段の圧入接続口11bに切り換えて接続したり、上段の圧入接続口11bから天頂部圧入接続口12に切り換えて接続したり、各段の圧入接続口11a,11bや天頂部圧入接続口12において、前後方向Xの位置が異なる別の接続口11a,11b,12に、切り換えて接続したりすることができるようになっている。
そして、本実施形態では、トンネル覆工コンクリートの打設方法は、図1(a),(b)に示すように、分岐管31bが接続された圧入接続口11a,11bに至るまでの、当該圧入接続口11a,11bの下方の覆工空間21に、コンクリート22を流し込むことで供給した後に(図1(a),(b)のドット部参照)、引き続いて当該圧入接続口11a,11bの上方の覆工空間21に、当該圧入接続口11a,11bからコンクリート22を圧入することで供給する(図1(a),(b)の斜線部参照)、コンクリート流し込み圧入工程を含んでいる。下段の圧入接続口11aから上段の圧入接続口11bに、圧送配管31の分岐管31bを接続する接続口11a,11bを切り換えながら、コンクリート流し込み圧入工程を繰り返して、トンネル40の側壁部分40aからアーチ形状部分40bのクラウン部40cに至るまでの覆工空間21に、コンクリート22を打設するようになっている。
すなわち、本実施形態では、トンネル40の側壁部分40aからアーチ形状部分40bのクラウン部40cに至るまでの、天頂部よりも下方のトンネル覆工用型枠10には、コンクリートポンプ30から延設する圧送配管31の分岐管31bを接続させる開閉可能な圧入接続口11a,11bが、上下方向に間隔をおいて複数段(2段)に設けられており、先ず下段に配置された圧入接続口11aに圧送配管31の分岐管31bを接続して、当該圧入接続口11aに至るまでの下方の覆工空間21に、当該圧入接続口11aからコンクリート22を流し込むことで供給する(図1(a)のドット部参照)。下段の圧入接続口11aから流し込んだコンクリート22が、当該圧入接続口11aの高さ位置に至ったら、接続口を切り替えることなく、そのまま続けて下段の圧入接続口11aからコンクリート22を圧入することで、当該圧入接続口11aの上方の覆工空間21に、好ましくは上段の圧入接続口11bとの間の中間部分の高さ位置に至るまで、コンクリート22を供給する(図1(a)の斜線部参照)。これらによって、下段の圧入接続口11aにおける、コンクリート流し込み圧入工程が実施される。
下段の圧入接続口11aにおけるコンクリート流し込み圧入工程によって、下段の圧入接続口11aと上段の圧入接続口11bとの間の中間部分の高さ位置に至るまで、下段の圧入接続口11aからコンクリート22を圧入したら、分岐管31bを接続させる接続口を、下段の圧入接続口11aから上段の圧入接続口11bに切り換えて分岐管31bを接続して、上段の圧入接続口11bにおいて、同様にしてコンクリート流し込み圧入工程を繰り返す。すなわち、上段に配置された圧入接続口11aに接続された圧送配管31の分岐管31bから、当該圧入接続口11bに至るまでの下方の覆工空間21に、当該圧入接続口11bからコンクリート22を流し込むことで供給する(図1(b)の上段のドット部参照)。上段の圧入接続口11bから流し込んだコンクリート22が、当該圧入接続口11bの高さ位置に至ったら、接続口を切り替えることなく、そのまま続けて上段の圧入接続口11bからコンクリート22を圧入することで、当該圧入接続口11bの上方の覆工空間21である、トンネル40のアーチ形状部分40bのクラウン部40cに至るまでの覆工空間21に、コンクリート22を供給する(図1(b)の上段の斜線部参照)。これらによって、上段の圧入接続口11bにおける、コンクリート流し込み圧入工程が実施される。
また、本実施形態では、最上段の接続口である上段の圧入接続口11bにおいてコンクリート流し込み圧入工程を実施して、トンネル40のアーチ形状部分40bのクラウン部40cに至るまでの覆工空間21に、コンクリート22を供給したら、引き続いて天頂部充填工程を実施することにより、側壁部分20aからアーチ形状部分20bのクラウン部20cの頂部に至るまでの覆工空間21の全体に、コンクリート22を充填することができる。すなわち、天頂部充填工程では、圧送配管31の分岐管31bを、トンネル覆工用型枠10の天頂部に設けられた天頂部圧入接続口12に接続して、天頂部圧入接続口12からコンクリート22を吹上げ方式で圧入することにより、覆工空間21の天頂部まで、コンクリート22を密な状態で容易に充填することが可能になる(図1(c)の網掛け部参照)。
本実施形態では、天頂部圧入接続口12は、トンネル覆工用型枠10の前後方向(トンネルの掘進方向)Xに間隔をおいて複数箇所に設けられており(図2(c)参照)、天頂部充填工程において、これらの複数箇所の天頂部圧入接続口12に2系統の圧送配管31の分岐管31aを各々接続して、2系統のコンクリートポンプ20から天頂部の覆工空間21に同時にコンクリート22を供給するようになっているので、覆工コンクリート20を形成するための工程の進捗を、より効果的に早めることが可能になる。
そして、本実施形態のトンネル覆工コンクリートの打設管理方法は、上述の施工方法によって、好ましくはトンネル40の中央部を挟んだ両側部分における、トンネル40の側壁部分40aからアーチ形状部分40bのクラウン部40cに至るまでの覆工空間21にコンクリート22を同時に打設する際に、打設されるコンクリートの打設高さを連続して細かく管理するための打設管理方法であって、図3に示すように、側壁部分40aからアーチ形状部分40bのクラウン部40cに至るまでの両側部分の覆工空間21に、上下方向に所定の間隔をおいて複数段に圧力計10a~10dを各々取り付けておき、下段に配置された圧力計10a~10cの高さ位置を越えるまでコンクリート22を打設したら、次の上段の圧力計10b~10dの高さ位置に至るまでのコンクリート22の打設高さを、下段の圧力計10a~10cによる計測値Pをコンクリートの単位重量Wcで除した値が、下段の圧力計10a~10cの高さ位置からのコンクリートの打設高さΔhであるとして、両側部分のコンクリート22の打設高さを各々管理するようになっている。
すなわち、本実施形態では、例えば土木学会発行の「コンクリート標準示方書(施工編)」において、例えば18cm程度の大きなスランプ値のコンクリートを打設した場合に、打ち上がり高さ(打設高さ)が1.5m以下では、液圧相当の側圧が型枠に作用し、打ち上がり高さがこれを超える場合は、例えば壁構造物においては、側圧の上昇は極めて緩やかになるとされている。また本願の発明者等は、覆工コンクリートを打設する際に、打設した時点から打設高さが1.0~2.5mまでの範囲では、周知の計算式に基づく高さに比例して、打設したコンクリートによる圧力が上昇することを、実証実験によって確認している。
すなわち、実証実験では、巻厚が40cmの覆工コンクリートを想定して、厚さが40cm、高さが3.5m、延長が1.8mの模擬型枠を2基、左右に並べて設置し、コンクリートポンプにより、分岐管を介して各々の圧入接続口から、左右の模擬型枠に同時にコンクリートを圧入打設した。コンクリートとして中流動コンクリートを使用し、打ち上がり速さを1.5m/hとした、圧入接続口の近傍において、コンクリート打設時における打設高さ500mm毎に、模擬型枠に負荷される側圧を計測した。計測結果を、図6において「Case3」として示す。また、同様の模擬型枠に、コンクリートポンプにより、ブームを用いてコンクリートを流し込みによって打設した。「Case3」と同様に、コンクリートとして中流動コンクリートを使用し、圧入接続口の近傍において、コンクリート打設時における打設高さ500mm毎に、模擬型枠に負荷される側圧を計測した。計測結果を、図6において「Case4-2」として示す。図6に示す計測結果によれば、「Case3」及び「Case4-2」のいずれの場合も、打設高さが1.0~2.5mの範囲で、計測された側圧は、液圧(圧力計による計測値Pをコンクリートの単位重量Wcで除した値)として算出した側圧理論値とほぼ一致しており、またコンクリートの打設方法による顕著な差異は認められなかった。
このようなことから、例えば覆工空間21の内側面を形成するトンネル覆工用型枠10の型枠本体14の外周面に固定して、型枠10の高さ方向に所定のピッチで、覆工空間21に臨ませて複数段に圧力計10a~10cを取り付けておけば、各々の圧力計10a~10cの中間部分においても、圧力計10a~10cによって計測された圧力の数値から、その時点でのコンクリートの打ち上がり高さ(打設高さ)を連続して細かく算出することにより、コンクリートの打設高さを容易にモニタリングしながら管理することが可能になる。またこれによって、例えば打設されるコンクリート中に埋設されたか否かを検知可能な複数のセンサを、上下方向に密な間隔で設置して、覆工空間21に打設されたコンクリートの打ち上がり高さを検出できるようにしていた従来の管理方法と比較して、圧力計10a~10cを上下方向に密な間隔で配置しなくても、その間の打ち上がり高さを、圧力計10a~10cで計測された圧力の数値から容易に算出することで、連続して細かく管理することが可能になる。
このような観点から、複数段の圧力計10a~10cは、覆工空間21の上下方向に、2.5m以下の所定のピッチで配置されていることが好ましく、2.0m以下の所定のピッチで配置されていることがより好ましく、1.5m以下の所定のピッチで配置されていることがさらに好ましい。打設されるコンクリートのスランプロスが少なく、打設速度が著しく遅くなければ、このような上下方向のピッチで複数段の圧力計10a~10cを配置することにより、打ち上がり高さを正確にモニタリングすることが可能になる。本実施形態では、トンネル40の中央部を挟んだ両側部分における、トンネル40の側壁部分40aからアーチ形状部分40bのクラウン部40cに至るまでの覆工空間21に、各々4段の圧力計10a~10dが、上下方向に例えば1240mmのピッチで配置されて取り付けられている。最下段の第1圧力計10aは、トンネル覆工用型枠10によって形成された覆工空間21の底部から、例えば2190mmの高さ位置に取り付けられている。
ここで、4段の圧力計10a~10c及び後述する天頂部圧力計10eは、コンクリートが打設される型枠内に取り付けられて、打設されたコンクリートによって型枠に負荷される側圧を計測することが可能な、公知の種々の圧力計を用いることができる。より具体的には、商品名「土圧計KDD-PA」((株)東京測器研究所製)を用いることができる。
本実施形態では、上述の施工方法によって、好ましくはトンネル40の中央部を挟んだ両側部分の覆工空間21に、コンクリート22を打設して、打設したコンクリート22の高さが、最下段の第1圧力計10aの高さを越えたら、第1圧力計10aによって圧力を計測し、以下の式によって第1圧力計10aからの打設高さΔhを、第1圧力計10aによる圧力の計測値Pをコンクリートの単位重量Wcで除した値として、リアルタイムで計測し、例えばモニタに表示させることができる。
Δh≒P÷Wc
また、コンクリート22の打設高さは、第1圧力計10aによる圧力の計測値Pをコンクリートの単位重量Wcで除した値Δhに、覆工空間21の底部からの第1圧力計10aが配置された高さである例えば2190mmを加えた値が、覆工空間21の底部からのコンクリートの打設高さH=2190+Δhであるとして、例えばモニタに表示させて、コンクリートの打設高さHを管理することもできる。
本実施形態では、打設したコンクリート22の高さが、2段目の第2圧力計10aの高さを越えたら、第2圧力計10bに切り替えて圧力を計測し、第1圧力計10aの場合と同様に、第2圧力計10bからの打設高さΔhを、第2圧力計10bによる圧力の計測値Pをコンクリートの単位重量Wcで除した値として、リアルタイムで計測し、例えばモニタに表示させる。
また、コンクリート22の打設高さは、第1圧力計10aの場合と同様に、第2圧力計10bによる圧力の計測値Pをコンクリートの単位重量Wcで除した値Δhに、覆工空間21の底部からの第2圧力計10bが配置された高さである例えば3430mmを加えた値が、覆工空間21の底部からのコンクリートの打設高さH=3430+Δhであるとして、例えばモニタに表示させて、コンクリートの打設高さHを管理することもできる。
以後、打設されたコンクリート22の高さが覆工空間21で高くなってゆくのに伴って、上段の第3圧力計10cや第4圧力計10dに順次に切り替えながら圧力を計測し、第1圧力計10aの場合と同様に、第3圧力計10cや第4圧力計10dからの打設高さΔhを、第3圧力計10cや第4圧力計10dによる圧力の計測値Pをコンクリートの単位重量Wcで除した値として、リアルタイムで計測して例えばモニタに表示させたり、第3圧力計10cや第4圧力計10dからの打設高さΔhに、覆工空間21の底部からの第3圧力計10cや第4圧力計10dが配置された高さを加えた値が、覆工空間21の底部からのコンクリートの打設高さHであるとして、例えばモニタに表示させて、コンクリートの打設高さHを管理することができる。
これらによって、本実施形態のトンネル覆工コンクリートの打設管理方法によれば、トンネル覆工用型枠10を用いて覆工コンクリート20を形成するトンネル覆工コンクリートの施工方法において、トンネル40の側壁部分40aからアーチ形状部分40bのクラウン部40cに至るまでの覆工空間21にコンクリート22を打設する際に、打設されるコンクリート22の打設高さを連続して細かく管理することが可能になる。
またこれによって、例えばトンネル覆工用型枠10の前後方向及び左右方向の複数箇所に設けられた打設口(圧入接続口)11a,11bから、コンクリートを同時に打設することで、好ましくは均等な打設高さとなるようにしつつ、覆工空間21にコンクリート22を効率良く打設してゆく際に、例えば前後左右の特定の部分の覆工空間21にコンクリートが偏って打設されて、トンネル覆工用型枠10がバランスを崩すことにならないように、コンクリートの打設高さを連続して細かく管理して、調整することが可能なると共に、覆工空間21に打設されたコンクリート22の締固め時期を適切に判断したり、コンクリートの打設口(圧入接続口)11a,11bの切替え時期を適切に判断したりすることが可能になる。
また、本実施形態では、図3に示すように、好ましくはトンネル覆工用型枠10の天頂部に、天頂部圧力計10eが取り付けられている。上述のように、この天頂部圧力計10による圧力の計測値Pをコンクリートの単位重量Wcで除した値が、天頂部における覆工コンクリート20の厚さtを超えることで、天頂部における覆工空間21にコンクリート22が充填されたとして、コンクリートの打設高さを管理できるようになっている。
すなわち、本実施形態では、打設したコンクリート22の高さが、天頂部圧力計10eの高さ位置に達したら、天頂部圧力計10eに切り替えて、圧力を計測することが可能になる。天頂部圧力計10eによる圧力の計測値Pをコンクリートの単位重量Wcで除した値である、天頂部圧力計10eからの打設高さΔhが、天頂部の覆工コンクリート20の巻厚として、例えば最低30cmの厚さtに達するまでは、例えば「コンクリート到達、未充填」といった表示を、例えばモニタに表示させることが可能になる。Δhが厚さtを越えた際に、「コンクリート充填」といった表示に換えることで、天頂部の覆工空間21に打設されるコンクリート22の充填状況を、容易に管理することが可能になる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、打設高さが管理されるコンクリートは、トンネルの側壁部分からアーチ形状部分のクラウン部に至るまでの、トンネルの中央部を挟んだ両側部分の覆工空間に、同時に打設されるものである必要は必ずしも無く、中央部を挟んだ片側部分に、先行して打設されるものであっても良い。打設高さが管理されるコンクリートは、2系統の圧送配管やコンクリートポンプから送れられるものである必要は必ずしもなく、1系統又は3系統以上の圧送配管やコンクリートポンプから送れられるものであっても良い。
また、側壁部分からアーチ形状部分のクラウン部に至るまでの覆工空間に、上下方向に所定の間隔をおいて複数段に取り付けられる圧力計は、覆工空間におけるトンネルの軸方向に間隔をおいた複数箇所の断面に設けられていることが好ましい。これによって、覆工空間に打設されるコンクリートの打設高さを、複数箇所の断面における高さとして面的に表示させることが可能になって、コンクリートの打設高さを、より効果的に管理することが可能になる。
さらに、側壁部分からアーチ形状部分のクラウン部に至るまでの覆工空間に、上下方向に所定の間隔をおいて複数段に取り付けられる圧力計を用いて、例えばコンクリートの圧入時における、覆工空間でコンクリートの閉塞が生じたこと等による異常を、検知できるようにしても良い。すなわち、複数段に取り付けられる圧力計10a~10dによる圧力の計測値から算定される、コンクリートの打設高さから、例えば最下段の圧力計10aによって計測される圧力の理論値を、リアルアイムで算定し、算定した理論値に対して、最下段の圧力計10aによって計測される実際の圧力値が、例えば1.3倍を超えている場合には、コンクリートの圧入時における異常と判断して、警報を発するようにすることもできる。
10 トンネル覆工用型枠
10a 第1圧力計
10b 第2圧力計
10c 第3圧力計
10d 第4圧力計
10e 天頂部圧力計
11a 下段の圧入接続口
11b 上段の圧入接続口
12 天頂部圧入接続口
13 門型台車
13a 基台部
13b 支柱脚部
13c 走行部
14 型枠本体
14a 上部型枠
14b 側部型枠
14c 下端部型枠
15a 昇降ジャッキ
15b,15c 伸縮ジャッキ
20 覆工コンクリート
21 覆工空間
22 コンクリート
23 一次覆工
24 レール
30 コンクリートポンプ(コンクリートポンプ車)
31 圧送配管
31a 主配管
31b 分岐管
40 トンネル
40a 側壁部分
40b アーチ形状部分
40c クラウン部
X トンネル覆工用型枠の前後方向(トンネルの掘進方向)

Claims (5)

  1. トンネル覆工用型枠を用いて覆工コンクリートを形成するトンネル覆工コンクリートの施工方法において、トンネルの側壁部分からアーチ形状部分のクラウン部に至るまでの覆工空間にコンクリートを打設する際に用いるトンネル覆工コンクリートの打設管理方法であって、
    前記側壁部分から前記アーチ形状部分のクラウン部に至るまでの覆工空間に臨ませて、圧力計を、下段の当該圧力計からの上下方向のピッチが1.0~2.5mとなるように、上下方向に所定の間隔をおいてトンネル覆工用型枠に複数段に取り付けておき、
    下段に配置された圧力計の高さ位置を越えるまでコンクリートを打設したら、次の上段の圧力計の高さ位置に至るまでのコンクリートの打設高さを、前記下段の圧力計による、型枠に負荷される側圧の計測値をコンクリートの単位重量で除した値が、前記下段の圧力計の高さ位置からのコンクリートの打設高さであるとして、コンクリートの打設高さを管理するトンネル覆工コンクリートの打設管理方法。
  2. 前記下段の圧力計による計測値をコンクリートの単位重量で除した値に、前記覆工空間の底部からの前記下段の圧力計が配置された高さを加えた値が、前記覆工空間の底部からのコンクリートの打設高さであるとして、コンクリートの打設高さを管理する請求項1記載のトンネル覆工コンクリートの打設管理方法。
  3. トンネルの側壁部分からアーチ形状部分のクラウン部に至るまでの、トンネルの中央部を挟んだ両側部分の前記覆工空間に、コンクリートを同時に打設するようになっており、両側部分の前記覆工空間におけるコンクリートの打設高さが、同様の高さとなるように、複数段に取り付けられた前記圧力計による計測値を介して、コンクリートの打設高さを管理する請求項1又は2記載のトンネル覆工コンクリートの打設管理方法。
  4. 前記側壁部分から前記アーチ形状部分のクラウン部に至るまでのトンネル覆工用型枠に、コンクリートポンプから延設する圧送配管を接続させる開閉可能な圧入接続口が、上下方向に間隔をおいて複数段に設けられており、
    下段に配置された圧入接続口に圧送配管を接続して、当該圧入接続口に至るまでの下方の覆工空間に、当該圧入接続口からコンクリートを流し込むことで供給した後に、引き続いて当該圧入接続口の上方の覆工空間に、当該圧入接続口からコンクリートを圧入することで供給するコンクリート流し込み圧入工程を、下段の圧入接続口から上段の圧入接続口に前記圧送配管を接続する接続口を切り換えながら、複数回繰り返して、前記側壁部分から前記アーチ形状部分のクラウン部に至るまでの覆工空間にコンクリートが打設されるようになっている請求項1~3のいずれか1項記載のトンネル覆工コンクリートの打設管理方法。
  5. 前記トンネル覆工用型枠の天頂部に、天頂部圧力計が取り付けられており、該天頂部圧力計による計測値をコンクリートの単位重量で除した値が、天頂部における覆工コンクリートの厚さを超えることで、天頂部における覆工空間にコンクリートが充填されたとして、コンクリートの打設高さを管理する請求項1~4のいずれか1項トンネル覆工コンクリートの打設管理方法。
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