JP2019073417A - 透明部材 - Google Patents

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万江美 増田
Maemi MASUDA
万江美 増田
晋平 森田
Shinpei Morita
晋平 森田
平社 英之
Hideyuki Hirakoso
英之 平社
加賀谷 修
Osamu Kagaya
修 加賀谷
龍太 園田
Ryuta Sonoda
龍太 園田
剛 富澤
Takeshi Tomizawa
剛 富澤
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Abstract

【課題】赤外線反射透明膜の耐摩耗性に優れた、透明部材の提供。【解決手段】透明基材と、前記透明基材の主表面に形成され、誘電体および前記誘電体の内部に分散する赤外線反射粒子を含む赤外線反射透明膜とを有し、ヘイズ率が0%以上2%未満であり、赤外線反射率が10%以上100%以下であり、前記赤外線反射透明膜の面方向における比誘電率が0よりも大きく3×106未満である、透明部材。【選択図】図1

Description

本発明は、透明部材に関する。
近年、車両や建物の窓ガラスとして、可視光を透過すると共に赤外線を反射する低放射率ガラスが開発されている(特許文献1参照)。赤外線を反射することにより、車両や建物の内部に流入する熱量を低減でき、車両や建物の内部の温度上昇を抑制できる。
特許第3732349号公報
従来、スパッタリング法などによりAg膜などを成膜することで、可視光を透過すると共に赤外線を反射する低放射率膜が作製されていた。
しかしながら、従来の低放射率膜は、電波透過性が悪いという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、可視光透過性、赤外線反射性、および電波透過性に優れた、透明部材の提供を主な目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様によれば、
透明基材と、
前記透明基材の主表面に形成され、誘電体および前記誘電体の内部に分散する赤外線反射粒子を含む赤外線反射透明膜とを有し、
ヘイズ率が0%以上2%未満であり、
赤外線反射率が10%以上100%以下であり、
前記赤外線反射透明膜の面方向における比誘電率が0よりも大きく3×10未満である、透明部材が提供される。
本発明の一態様によれば、可視光透過性、赤外線反射性、および電波透過性に優れた、透明部材が提供される。
一実施形態による透明部材を示す図である。 一実施形態による周波数が1GHzである電波の透過率と、赤外線反射透明膜の面方向における比誘電率との関係を示す図である。 一実施形態による周波数が2.4GHzである電波の透過率と、赤外線反射透明膜の面方向における比誘電率との関係を示す図である。 一実施形態による周波数が5.2GHzである電波の透過率と、赤外線反射透明膜の面方向における比誘電率との関係を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。各図面において、同一の又は対応する構成には、同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。
<透明部材>
図1は、一実施形態による透明部材を示す図である。透明部材10は、例えば車両や建物の開口部に設置される窓として用いられる。透明部材10は、高い可視光透過性(例えばヘイズ率2%未満)と高い赤外線反射性(例えば赤外線反射率10%以上)とを兼ね備えたものである。
透明部材10のヘイズ率は、例えば0%以上2%未満である。ヘイズ率は、透明部材10を透過する透過光のうち、前方散乱によって入射光から2.5°以上それた透過光の百分率として求められる。透明部材10のヘイズ率が2%未満であると、透明部材10の可視光透過性が良好であり、透明部材10を通して背景が明瞭に視認できる。透明部材10のヘイズ率は、好ましくは1.8%以下、より好ましくは1.5%以下である。
透明部材10の赤外線反射率は、例えば10%以上100%以下である。透明部材10の赤外線反射率が10%以上であると、車両や建物の内部に流入する熱量を低減でき、車両や建物の内部の温度上昇を抑制できる。透明部材10の赤外線反射率は、好ましくは12%以上、より好ましくは15%以上である。
透明部材10は、透明基材20と、透明基材20の第1主表面21に形成される赤外線反射透明膜30とを有する。透明基材20の第1主表面21は、車両や建物の室内側の主表面であってよい。風や埃などによる赤外線反射透明膜30の劣化を抑制できる。
尚、透明基材20の第1主表面21が、室外側の主表面でもよい。また、赤外線反射透明膜30は、透明基材20の第1主表面21と、透明基材20の第2主表面22の両方に形成されてもよい。第2主表面22は、第1主表面21とは反対側の主表面である。
透明基材20は、ガラス板、または樹脂板を含む。ガラス板は、未強化ガラス、強化ガラスのいずれでもよい。透明基材20は、単層構造、複数層構造のいずれでもよい。複数層構造の透明基材20としては、合わせガラスや複層ガラスなどが挙げられる。
合わせガラスは、第1ガラス板、第2ガラス板、および第1ガラス板と第2ガラス板とを接着する中間膜を有する。尚、合わせガラスを構成するガラス板の枚数は3枚以上でもよく、中間膜の枚数は2枚以上でもよい。
複層ガラスは、第1ガラス板、第2ガラス板、および第1ガラス板と第2ガラス板との間に形成される中空層を有する。中空層は、空気層、真空層のいずれでもよい。尚、複層ガラスを構成するガラス板の枚数は3枚以上でもよく、中空層の層数は2層以上でもよい。
透明基材20は、板状に形成される。透明基材20は、図1では平板状に形成されるが、湾曲板状に形成されてもよい。透明基材20の形状は、用途に応じて適宜選択される。例えば、自動車のフロントガラスに用いられる透明基材20は、湾曲板状に形成される。
赤外線反射透明膜30は、誘電体40、および赤外線反射粒子50を含む。赤外線反射粒子50は、マトリックスである誘電体40の内部に分散される。尚、赤外線反射透明膜30は、紫外線透過率を低減するため、紫外線吸収粒子をさらに含んでもよい。
誘電体40は、シリカなどの無機材料、樹脂などの有機材料のいずれでもよく、有機材料と無機材料の複合材料でもよい。誘電体40としてのシリカは、例えばオルトケイ酸テトラエチル(「TEOS」とも呼ばれる。)を焼成して得られる。
赤外線反射粒子50は、可視光を透過すると共に赤外線を反射するものであればよく、特に限定されないが、高い可視光透過率と高い赤外線反射率とを兼ね備えるため、平板状に形成されてよい。平板状の赤外線反射粒子50は、例えば、スパッタリング法などで形成される単層膜または積層膜を破砕することにより得られる。
赤外線反射粒子50は、銀、アルミニウム、銅、金、パラジウム、亜鉛、チタン、クロム及びケイ素から選ばれる少なくとも1つの元素を含む。
赤外線反射粒子50は、例えば、少なくとも金属膜を含む。赤外線反射粒子50が金属膜を含むことで、赤外線反射性に優れた透明部材10が得られる。金属膜は、例えば、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)、および銅(Cu)の少なくとも1つの金属元素を含む単体または合金で形成され、好ましくはAg単体で形成される。一の金属膜の膜厚は、例えば1nm以上30nm以下である。尚、赤外線反射粒子50を構成する金属膜の数は複数でもよい。複数の金属膜は、異なる材料で形成されてもよいが、好ましくは同一の材料で形成される。
赤外線反射粒子50は、金属膜の他に、誘電体膜を有してもよい。誘電体膜は、例えば、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、または酸化アルミニウム(Al)で形成される。一の誘電体膜の膜厚は、例えば5nm以上100nm以下である。尚、赤外線反射粒子50を構成する誘電体膜の数は複数でもよい。複数の誘電体膜は、異なる材料で形成されてもよいが、好ましくは同一の材料で形成される。誘電体膜と金属膜とは交互に積層されてよく、金属膜を挟んで両側に誘電体膜が存在することが好ましい。つまり、積層方向両端の層は、誘電体膜であることが好ましい。
赤外線反射粒子50は、金属膜の他に、導電性酸化物膜を有してもよい。導電性酸化物膜は、例えば酸化インジウムスズ(ITO)などで形成される。導電性酸化物膜の膜厚は、例えば5nm以上200nm以下である。尚、赤外線反射粒子50を構成する導電性酸化物膜の数は複数でもよい。複数の導電性酸化物膜は、異なる材料で形成されてもよいが、好ましくは同一の材料で形成される。導電性酸化物膜と金属膜とは交互に積層されてよく、金属膜を挟んで両側に導電性酸化物膜が存在することが好ましい。つまり、積層方向両端の層は、導電性酸化物膜であることが好ましい。
赤外線反射粒子50の具体例としては、(1)TiO膜/Ag膜/TiO膜の3層膜、(2)TiO膜/Ag膜/TiO膜/Ag膜/TiO膜の5層膜、(3)TiO膜/Ag膜/TiO膜/Ag膜/TiO膜/Ag膜/TiO膜の7層膜、(4)ZnO膜/Ag膜/ZnO膜/Ag膜/ZnO膜の5層膜、(5)Al膜/Ag膜/Al膜/Ag膜/Al膜の5層膜、(6)ITO膜/Ag膜/ITO膜/Ag膜/ITO膜の5層膜が挙げられる。上記(1)〜(6)の中で、特に好ましいのは、(1)TiO膜/Ag膜/TiO膜の3層膜である。
赤外線反射粒子50が平板状である場合、赤外線反射粒子50の主表面の大きさLの平均値は例えば50nm以上3μm以下である。赤外線反射粒子50の主表面の大きさLは、透明基材20の第1主表面21に対し垂直な断面の写真(例えばSEM写真)を用いて測定する。具体的には、断面写真において、赤外線反射粒子50の長手方向両端51、52を結ぶ直線距離を、赤外線反射粒子50の主表面の大きさLとする。その大きさLの平均値は、30個の平均値として算出する。赤外線反射粒子50の主表面の大きさLの平均値は、好ましくは50nm以上1μm以下である。
赤外線反射粒子50の主表面の大きさLの平均値が50nm以上であると、後述の赤外線反射粒子50の被覆率が30%以上になりやすく、高い赤外線反射率が得られやすい。一方、赤外線反射粒子50の主表面の大きさLの平均値が3μm以下であると、赤外線反射粒子50による可視光の乱反射が抑制され、ヘイズ率が2%未満になりやすい。
赤外線反射透明膜30の膜厚dは、例えば50nm以上20μm以下である。赤外線反射透明膜30の膜厚dが50nm以上であると、高い赤外線反射性が得られる。また、赤外線反射透明膜30の膜厚dが20μm以下であると、高い可視光透過性が得られる。
透明基材20の第1主表面21に対し直交する方向(図1において矢印A方向)から見たときに、赤外線反射透明膜30に占める赤外線反射粒子50の割合(以下、「赤外線反射粒子50の被覆率」とも呼ぶ。)は、30%以上100%以下である。赤外線反射粒子50の被覆率が30%以上であると、高い赤外線反射率が得られる。
全ての赤外線反射粒子50のうち矢印A方向から見たときに互いに重なり合わずに隙間を形成する赤外線反射粒子50の隙間の大きさGの平均値は、例えば1nm以上である。矢印A方向から見たときに互いに重なり合わずに隙間を形成する赤外線反射粒子50の隙間の大きさGは、透明基材20の第1主表面21に対し垂直な断面の写真を用いて測定する。隙間の大きさGは、透明基材20の第1主表面21に対し平行な方向に計測する。
全ての赤外線反射粒子50のうち矢印A方向から見たときに互いに重なり合わずに隙間を形成する赤外線反射粒子50の隙間Gの平均値が1nm以上であると、電波が赤外線反射粒子50同士の隙間を通って赤外線反射透明膜30を透過しやすい。
赤外線反射透明膜30の面方向における比誘電率は、例えば0よりも大きく3×10未満である。本明細書において赤外線反射透明膜30の面方向とは、赤外線反射透明膜30の第1主表面31に対し平行な方向である。
赤外線反射透明膜30は面方向に広がるため、電波が赤外線反射透明膜30に垂直方向から入射した際に、赤外線反射粒子50間に生ずる電界結合が電波透過性に影響を与える。特に、赤外線反射粒子50が平板状に形成され透明基材20の第1主表面21に対し平行とされる場合、赤外線反射粒子50間に生ずる面方向の電界結合が電波透過性に影響を与える。赤外線反射粒子50の形状が球形以外の場合、誘電異方性を生ずることが知られている。特に、赤外線反射粒子50が平板状粒子であり面方向に配列されている赤外線反射透明膜30は、面方向と垂直方向の比誘電率の異なる誘電異方性を有する。
赤外線反射透明膜30の面方向における比誘電率が3×10未満であると、高い電波透過性が得られる。
図2は、一実施形態による周波数が1GHzである電波の透過率と、赤外線反射透明膜の面方向における比誘電率との関係を示す図である。図3は、一実施形態による周波数が2.4GHzである電波の透過率と、赤外線反射透明膜の面方向における比誘電率との関係を示す図である。図4は、一実施形態による周波数が5.2GHzである電波の透過率と、赤外線反射透明膜の面方向における比誘電率との関係を示す図である。
図2〜図4に示す電波の透過率は、公知文献(電磁導波論入門、日刊工業新聞社、1985年5月発行)に記載の計算式を用いて算出した。透過率の算出では、透明基材20は、比誘電率が6.8、誘電正接が0.02、板厚が3mmであるとした。また、透過率の算出では、赤外線反射透明膜30は、面方向における比誘電率が図2〜図4に黒丸で示す値、誘電正接が0、膜厚が20nmであるとした。さらに、透過率の算出では、電波は、平面波とし、赤外線反射透明膜30に対し透明基材20とは反対側から、赤外線反射透明膜30に対し垂直に入射させた。電波の透過率とは、赤外線反射透明膜30に入射する前の電波の電力に対する、透明基材20を透過した後の電波の電力の割合(百分率)のことである。
図2〜図4に示すように、赤外線反射透明膜30の面方向における比誘電率が3×10未満であると、1GHz〜5.2GHzの周波数帯において十分な電波透過性が得られることがわかる。1GHz付近の周波数帯は、例えば700MHz〜900MHz携帯電話の通信規格の一つであるLTE(Long Term Evolution)の周波数である。2.4GHzおよび5.2GHzは、無線LANの規格の一つであるWi−Fi(登録商標)の周波数である。
図2〜図4を比較すれば明らかなように、赤外線反射透明膜30の面方向における比誘電率が同じ場合、電波の周波数が小さいほど、電波の透過率が大きくなる。そのため、電波の周波数が1GHzよりも小さい場合にも、赤外線反射透明膜30の面方向における比誘電率が3×10未満であると、十分な電波透過性が得られる。
尚、透明基材20の比誘電率は、赤外線反射透明膜30の面方向における比誘電率に比べて、電波の透過率の算出結果に対する影響が小さい。そのため、透明基材20の比誘電率、が変動しても、赤外線反射透明膜30の面方向における比誘電率が3×10未満であると、1GHz〜5.2GHzの周波数帯において十分な電波透過性が得られる。
<透明部材の製造方法>
透明部材10の製造方法は、透明基材20の第1主表面21に塗布液を塗布する塗布工程と、塗布工程で塗布した塗布液の液膜を固化させることにより、赤外線反射透明膜30を形成する固化工程とを有する。
塗布液の塗布方法は、特に限定されない。例えば、塗布液の塗布方法は、スピンコート法などでもよい。
塗布液は、好ましくは、赤外線反射透明膜30を構成する誘電体40と赤外線反射粒子50の質量比率(誘電体/赤外線反射粒子)が30/70〜75/25になるように調製される。上記質量比率(誘電体/赤外線反射粒子)が30/70より小さいと、赤外線反射透明膜のヘイズ値が高くなる。上記質量比率(誘電体/赤外線反射粒子)が75/25より大きいと、赤外線反射性能が低下する。
固化工程では、例えば、透明基材20の第1主表面21に塗布した塗布液の液膜を、加熱処理によって固化する。この場合、塗布液は、沸点の異なる複数種類の溶剤を含むことが好ましい。塗布液の液膜を固化させるときに、複数種類の溶剤を段階的に揮発できる。これにより、塗布液を緩やかに固化でき、赤外線反射粒子50の凝集を防止できる。
例1〜例6について説明する。例1〜例3が実施例、例4〜例6が比較例である。
(1)透明部材の製造
[例1]
例1では、透明基材としてガラス板(旭硝子製、高透過ソーダライムガラス、板厚3mm、主表面の大きさ(縦100mm、横100mm))を用意し、透明基材の第1主表面に塗布する塗布液として表1に示す組成の塗布液を用意した。尚、表1は、例1〜例3および例5〜例6で用いた塗布液の組成等を示す。
Figure 2019073417
表1に示すように、塗布液は、溶媒であるメチルエチルケトンを76.48質量%、誘電体の材料であるTEOSを12.00質量%、添加剤である硝酸水溶液(硝酸の含有量:60質量%)を0.52質量%、分散液を11.25質量%を含むように調製した。分散液は、水を60質量%含み、赤外線反射粒子を40質量%含むように調製した。
赤外線反射粒子としては、TiO膜/Ag膜/TiO膜/Ag膜/TiO膜の5層膜を用いた。TiO膜の膜厚の平均値は25nm、Ag膜の膜厚の平均値は12nm、赤外線反射粒子の主表面の大きさLの平均値は0.5μmであった。赤外線反射透明膜を構成する誘電体と赤外線反射粒子との質量比率は44/56とした。尚、誘電体と赤外線反射粒子との質量比率は、TEOSを酸化物換算して算出した。
先ず、表1に示す組成の塗布液をスピンコート法で透明基材の第1主表面全体に塗り広げた。その際の透明基板の回転数は、500rpmとした。
次いで、透明基材の第1主表面に塗布した塗布液の液膜を200℃で30分間加熱して、液膜から溶剤を蒸発させ、液膜を固化させ、膜厚250nmの赤外線反射透明膜を形成した。このようにして、透明基材と赤外線反射透明膜とからなる透明部材を製造した。
[例2]
例2では、赤外線反射透明膜を構成する誘電体と赤外線反射粒子との質量比率が38/62になるように塗布液を調製した以外、例1と同様にして透明部材を製造した。
[例3]
例3では、Lの平均値が0.6μmである赤外線反射粒子を用いた以外、例1と同様にして透明部材を製造した。
[例4]
例4では、特許文献1の段落0038〜段落0040に記載のスパッタリング法で透明部材を製造した。具体的には、先ず1パス目として、成膜室の雰囲気を酸化性雰囲気(O:Ar=8:2)に保持し、第1層の第1層目としてのSnO層を12.5nm、第1層の第2層目としてのZnO層を20.1nm成膜した。次に2パス目として雰囲気をAr100質量%の還元性雰囲気に保持し、第2層としてのAg層を10.0nm、第3層のZnAl合金層を6.5nm成膜した。3パス目として成膜室の雰囲気を再び酸化性雰囲気(O:Ar=8:2)に保持し、第4層の第1層目としてのSnO層を12.0nm、第2層目としてのZnO層を51.3nmを順次成膜し、さらに4パス目として3パス目と同じ雰囲気で第3層目としてのSnO層を7.1nm、第4層目としてのZnO層を3.0nm成膜した。次いで、5パス目として雰囲気をAr100質量%の還元性雰囲気に保持し、第5層としてのAg層を12.0nm、第6層のZnAl合金層を6.7nm成膜した。さらに、6パス目として成膜室の雰囲気を再び酸化性雰囲気(O:Ar=8:2)に保持し、第7層の第1層目としてのSnO層を5.5nm、第2層目としてのZnO層を17.8nmを順次成膜し、さらに8パス目として7パス目と同じ雰囲気で第7層の第3層目としてのSnO層を2nm成膜した。次いで、ガラスを成膜室より排出した。なお、銀層の上層の第4層ZnAl合金層6.5nm及び第7層のZnAl合金層6.7nmの一部は酸化し、それぞれのZnAl合金層は約5nmが酸化物層に変化していた。第2層のAg層と第5層のAg層間の酸化物層の厚さは、合計78.4nmであり、第7層の酸化物層の厚さは、30.4nmであった。
[例5]
例5では、赤外線反射透明膜を構成する誘電体と赤外線反射粒子との質量比率が12/88になるように塗布液を調製した以外、例1と同様にして透明部材を製造した。
[例6]
例6では、Lの平均値が5μmである赤外線反射粒子を用いた以外、例1と同様にして透明部材を製造した。
(2)評価方法
例1〜例6で製造した透明部材の評価方法について説明する。
[赤外線反射率]
透明部材の赤外線反射率は、U−4100分光光度計(日立ハイテクサイエンス社製)を用いての反射率を測定した。反射率を測定する赤外線の波長は、1500nmとした。
[ヘイズ率]
透明部材のヘイズ率は、ヘイズガードプラス(BYK社製)を用いて測定し、3点の測定値の平均値を採用した。光源としては、日本工業規格(JIS Z8720:2012)に記載のD65光源を用いた。
[比誘電率]
透明部材の電波透過率は、自由空間法(マイクロウェーブファクトリー社製)で測定した。透過率を測定する電波の周波数は60GHzとした。
赤外線反射透明膜の面方向における比誘電率は、上記自由空間法(マイクロウェーブファクトリー社製)により測定した電波透過率および電波反射率と、公知文献(電磁導波論入門、日刊工業新聞社、1985年5月発行)に記載されている計算式とを用いて算出した。
具体的には、ガラス板の板厚を3mm、赤外線反射透明膜の膜厚を250nmとし、電波透過率および電波反射率が自由空間法による測定結果と合致するように、ガラス板の比誘電率を6.8、ガラス板の誘電正接を0.02、赤外線反射透明膜の誘電正接を0とし、赤外線反射透明膜の面方向における比誘電率を算出した。尚、赤外線反射透明膜の誘電正接は、上記厚みにおいては、透明部材の電波透過率の周波数特性にほとんど影響しないことがわかっているため、上述の如く、0とした。
[電波透過率]
上記で得られた比誘電率から、5.2GHzにおける電波透過率を算出した結果を表20に示す。
(3)評価結果
例1〜例6で製造した透明部材の評価結果を、表1に示す。
Figure 2019073417
表2から明らかなように、例1〜例3では、赤外線反射率の面方向における比誘電率が3×10未満であったため、電波透過率が高かった。一方、例4では、赤外線反射率の面方向における比誘電率が3×10を超えたため、電波透過率が低かった。また、例5では、赤外線反射率が低いという問題があった。また、例6では、ヘイズ率が高いという問題があった。
<変形、改良>
以上、透明部材の実施形態などについて説明したが、本発明は上記実施形態などに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、改良が可能である。
10 透明部材
20 透明基材
21 第1主表面
22 第2主表面
30 赤外線反射透明膜
31 第1主表面
32 第2主表面
40 誘電体
50 赤外線反射粒子

Claims (3)

  1. 透明基材と、
    前記透明基材の主表面に形成され、誘電体および前記誘電体の内部に分散する赤外線反射粒子を含む赤外線反射透明膜とを有し、
    ヘイズ率が0%以上2%未満であり、
    赤外線反射率が10%以上100%以下であり、
    前記赤外線反射透明膜の面方向における比誘電率が0よりも大きく3×10未満である、透明部材。
  2. 前記赤外線反射粒子は平板状であって、平板状の前記赤外線反射粒子の主表面の大きさの平均値は50nm以上3μm以下である、請求項1に記載の透明部材。
  3. 平板状の前記赤外線反射粒子は、銀、アルミニウム、銅、金、パラジウム、亜鉛、チタン、クロム及びケイ素から選ばれる少なくとも1つの元素を含む、請求項2に記載の透明部材。
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