本発明は、列状の複数のワークから1個のワークを順次切り出すワーク切り出し装置に関するものである。特に、複数台のワーク切り出し装置のパラレル運転等を可能としたワーク切り出し装置に関するものである。
従来から、コンベアやベルトコンベア等によって搬送されてくるダンボール箱、合成樹脂箱、組み付け部品等のワークを、コンベアの終端でロボット、人手等にワークを渡し、把持したとき、必要に応じて、搬送の形態を変更している。ロボットハンドまたは人手によって、ワークを把持するには、ロボットハンドの把持用の爪等がワークの底部に入るスペースが必要となる。しかし、ワークが互いに近接、密着している部分に爪が入らなかったり、把持できなかったりすると、ワークを破損する可能性がある。故に、先頭にあるワークの1個だけを切り離し、それを持ち出す切り出し操作が必要不可欠となる。
このようなワークの切り出しを行う装置として、下流のローラほど回転速かが速くなるようにし、ローラ上を搬送されるワークに速度差を与え、ワーク間に自動的に間隔が空くようにしたワーク相互間の間隔を空けて確実に切り出すコンベアが特許文献1で公知である。
そこで、上記問題点を解消するものとして、簡単な構成により、確実にワークを切り出すことができ、かつ、下流の工程との連携を容易に実現できるワーク切り出し装置を特許文献2として公知である。
即ち、特定のワークを順次個別に次工程に供給する複数のワークの列から、先頭のワークを分離して切り出すワーク切り出し装置にあって、ワークを載置すると共に駆動力によってワークを移動させる駆動部を複数配設したコンベアと、前記コンベアの途中に配置され、前記コンベア上のワークの通過と停止とを切り替えるために開閉されるゲートと、前記駆動部の駆動動作と前記ゲートの開閉動作とを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記ゲートを開き、先頭ワークの下の駆動部を駆動して当該先頭のワークのみを前方に移動させ、該ワークが前記ゲートを通過した後に該ストッパーを閉じることによりワークを切り出す技術を開示している。
特許文献2によれば、例えば、他のワークの形態や、ワークサイズの混入によりワークに変化があったり、ワークの1個の切り出しに失敗して2個切り出しとなったりした場合等に、距離の測定結果に基づいてその失敗を検知することができ、例えば、ロボットハンドによるワーク把持等の動作を停止させて、ロボットハンドの破損を防止したり、異品種の混合等の不具合を防止したりすることができる。
また、特許文献2は、ワークがコンベアで搬送可能であれば、特に、個々のワークに分離できるものであれば、箱状のワークに限らず、任意形状のワークを対象とすることができる。
特開平7−149413号公報
特開2011−111256号公報
このように、特許文献1に示されるようなワーク切り出し装置においては、コンベア上の複数のワーク間に速度差が設定されているから、下流におけるワークに対する個別処理との連携調整が難しくなる。また、複数台を複数並行運転するには、調和に欠くから困難性が高い。
そして、特許文献2に示されるようなワーク切り出し装置においては、先頭のワークの駆動部を駆動して、当該先頭のワークのみを前方に移動させるので、簡単な構成により、確実にワークを切り出すことができ、かつ、下流工程との連携を容易に実現でき、例えば、複数のワークが切り出しのために連続的に移動しているのでないので、次の工程による切り出し要求に従ってワークの切り出しを行うことになる。しかし、当該先頭のワークのみを前方に移動させるという選択事項が、言葉では明確に説明できても、2番手を停止したまま、または、動かしながら、当該先頭のワークのみを前方に移動させることは容易ではない。
特に、上流位置にあるワークを先頭のワークに対して互いに反対方向の回転を付与するものであるからワークを毀損したり、先頭のワークまで傾斜した下り坂の位置であるときには、この技術が使用できなくなる。
そこで、本発明は、かかる従来の問題点を解消し、先頭のワークと続くワークとの分離を容易にし、しかも、先頭のワークまで傾斜した下り坂の位置で使用でき、他の装置と同期が取り易いワーク切り出し装置の提供を課題とするものである。
請求項1の発明にかかるワーク切り出し装置は、複数のコンベア列でワークの下面を支承したコンベアはワークを搬送し、前記ワークが搬送される最下流ワーク位置を除き、前記複数のコンベア列が形成する仮想面に対して垂直方向に移動自在とした上下動移動子と、前記コンベアの前記ワークが搬送される前記最下流ワーク位置は、前記上下動移動子を使用することなく、常に特定のワーク位置で停止させるストッパーとする。また、前記ワークの搬送方向で、かつ、前記上下動移動子相互間には、回動自在に軸支されたシーソー機構を有し、しかも、前記シーソー機構の長さ方向に嵌合し、回動自在とした回動垂直変換機構と、一端が前記回動自在な回転軸に軸支され、他端にベアリングが配設され、前記ワークの存在を前記ワークの底面が前記ベアリングと接触するか否かにより、前記上下動移動子の上昇または下降を決定する基準レバーと、前記ワークが搬送される最下流方向の前記上下動移動子と係合回動自在とした補助レバーとを具備する。
ここで、上記コンベアは、複数のコンベア列で前記ワークの下面を支承し、ワークを搬送するもので、複数のコンベア列は1列でも、2列でも、3列以上でもよい。勿論、玉軸受またはころ軸受等のベアリングの使用が可能である。ここでコンベア列はワークの搬送方向を左右するもので、コンベアはワークの搬送方向を左右しないものであり、実質的に両者は区別しなくてもよい。
また、上記上下動移動子は、前記複数のコンベア列間に配設し、前記ワークが搬送される最下流方向のみを除き、前記複数列のコンベアの平面に対して垂直方向に移動自在に結合されたものである。前記上下動移動子は、各々のワークを止めるのに1個づつとしてもよいし、両側に2個1対としてもよい。また、仮想面に対して垂直方向に移動自在とした上下動移動子は、必ずしも正確な直角を意味するものでなく、概略、複数のコンベア列が描く仮想面に対して垂直となっておればよい。そして、上記上下動移動子は、下側に配設したが、当然、上側に配設してもよい。
更に、上記ストッパーは、前記ワークの下面を支承する前記コンベアの前記ワークが搬送される最下流端部のみ、前記上下動移動子をなくして常に前記ワークの下面を支承した状態で停止させるストッパーである。
更にまた、上記回動垂直変換機構は、前記上下動移動子の前記ワークの搬送方向間で回動自在に軸支されており、また、前記シーソー機構の長さ方向に移動自在として、上下動移動子の上下動を自在としたものである。例えば、上記回動垂直変換機構は、上下動移動子のワークの搬送方向間で、回動自在に軸支された基準レバー及び補助レバー、シーソー機構等のレバーは、基準レバー、補助レバー、シーソー機構等のレバーが支軸の長さ方向に移動自在な円柱部材及びそれを嵌合するU字状連結部によって、回転を直線運動に変換するものである。
加えて、上記基準レバーは、一端が前記回動自在な回転軸に堅固に取付けられて、軸支され、他端にベアリングが配設され、前記ワークの存在を前記ワークの底面が前記ベアリングと接触するか否かにより、連結した前記上下動移動子の上昇または下降を決定するものである。即ち、ベアリングに押圧力が加わっているか否かを判断している。
また、上記一端が前記回動自在な回転軸に軸支された基準レバーは、他端にベアリングを配設し、前記ワークの存在を前記ベアリングの前記ワークの底面に接触、非接触により前記ワークの取出し、持上げの有無を判断するものである。
そして、上記補助レバーは、前記ワークが搬送される最下流方向の前記上下動移動子と嵌合または係合して回動自在としたものである。
請求項2の発明のワーク切り出し装置は、前記基準レバーと前記補助レバーとの重心位置の調節に代えて、前記上下動移動子にスプリングの弾性力を与えるものである。
ここで、前記上下動移動子にスプリングの弾性力の付与は、ワークの荷重によって確実に補助レバーのベアリングが沈むように設定できるものであればよく、前記基準レバーと前記補助レバーとの重心位置、即ち、荷重位置の調節、また、前記基準レバーと前記補助レバーとのレバーの長さを調節してもよい。
請求項3の発明のワーク切り出し装置の前記回動垂直変換機構は、前記上下動移動子のワークの搬送方向間で、回動自在に軸支された基準レバー及び補助レバー、シーソー機構からなる各レバーは、基準レバー、補助レバー、シーソー機構からなる各種レバーが支軸の長さ方向に移動自在な円柱部材及びそれを把持するU字状の切り欠きによって、回転を直線運動に変換する構成としたものである。
請求項1の発明のワーク切り出し装置は、複数のコンベア列が形成する仮想面に対して垂直方向に移動自在な上下動移動子と、前記ワークの下面を支承する前記コンベアに前記ワークが搬送され、最下流ワーク位置の前記上下動移動子をなくして常に前記ワーク位置で停止させるストッパーと、前記上下動移動子の前記ワークの搬送方向間で、回動自在に軸支されたレバーを有し、かつ、前記レバーの長さ方向に移動自在な回動垂直変換機構と、前記ワークが搬送される最下流ワーク位置の前記上下動移動子が垂直方向に移動自在に結合され、かつ、回動自在に固着された回転軸に軸支した基準レバーと、一端が前記回動自在な回転軸に軸支された基準レバーに取付けられ、他端にベアリングを配設し、前記ワークの存在を前記ベアリングの前記ワークの底面とに接触、非接触により先頭ワークの存在、非存在を判断するものである。
したがって、人手またはロボットのマジックハンドで最下流ワーク位置からワークが運ばれたこと、持上げられたことを検出すると、基準レバーはそれに応じて前記上下動移動子の上昇または下降を決定する。前記ワークの搬送方向の上流側ワーク位置の前記上下動移動子の偶数側と奇数側を逆に上下動させるから、最下流ワーク位置からワークを取り除くと、前記ワークの存在が前記ベアリングの非接触から判断し、しかも、最下流ワーク位置からワークを取り除くと、前記基準レバーに配設されたベアリングが上昇し、それによって、最下流ワーク位置の前記上下動移動子の下降となる。このとき、補助レバーが基準レバーよりも質量が大きく、両者の長さは補助レバーが基準レバーよりも若干長く形成されている。したがって、ワークが最下流ワーク位置にないとき、ベアリングが上昇し、それに伴い補助レバーのベアリングが上昇する。すると、基準レバーに接続されている上下動移動子が下降し、次の川上(ワークの搬送方向の逆)にある上下動移動子が上昇し、その次の川上にある上下動移動子が下降する。
上下動移動子が上昇すると、ワークがそれ以上進行しないように停止させ、上下動移動子が下昇すると、前記ワークが進行し、川下(ワークの搬送方向)にある上下動移動子に衝突して停止する。
即ち、上下動移動子が上昇したとき、到来するワークと衝突し、ワークの移動を停止させる。しかし、上下動移動子が下降したとき、ワークの移動を許容し、ワークの移動を上下動移動子で停止させるまで進行する。ワークは基準レバーのベアリングに支承されているから、最下流ワーク位置にワークが存在していないとき、基準レバーのベアリングがベアリング列で形成する仮想面から突出し、ワーク移動を自在とすべく、上下動移動子が下降する。
したがって、基準レバーのベアリングがベアリング列で形成する平面から突出し、ワークの下面で規制されるものがないから、基準レバーが上方に回動し、最下流(これを第1)とする及び奇数の上下動移動子が下降し、奇数番目の上下動移動子が下降しワークの移動を許容する。
請求項2の発明のワーク切り出し装置は、請求項1の発明の効果に加えて、基準レバーと補助レバーとの重心位置調節には限界があるから、スプリングの弾性力を上下動移動子に与え、ワークの荷重によって確実に基準レバーのベアリングが沈むように設定し、前記基準レバーと前記補助レバーとの重心位置、即ち、荷重の調節、或いは前記基準レバーと前記補助レバーとのレバーの長さを用いてもよい。しかし、スプリングの弾性力を変更すると、ワークの荷重に従って、スプリングの強さを変化させれば、ワークの荷重に対応した装置となる。
請求項3の発明のワーク切り出し装置の前記回動垂直変換機構は、請求項1または請求項2の発明の効果に加えて、前記上下動移動子のワークの搬送方向間で、回動自在に軸支された基準レバー及び補助レバー、シーソー機構等からなるレバーは、基準レバー、補助レバー、シーソー機構等からなるレバーが支軸の長さ方向に移動自在な円柱部材のU字状連結部に対する嵌合によって、回転を前記上下動移動子の直線運動に変換している。
図1は本発明の実施の形態のワーク切り出し装置の全体斜視図である。
図2は本発明の実施の形態のワーク切り出し装置の要部斜視図である。
図3は本発明の実施の形態のワーク切り出し装置のワークの搬送を示す斜視図である。
図4は図2の切断線A−Aによる要部断面図である。
図5は本発明の実施の形態のワーク切り出し装置の基準レバーと補助レバーを示す拡大要部断面図である。
図6は本発明の実施の形態のワーク切り出し装置の最下流ワークの無い状態を示す要部断面図である。
図7は本発明の実施の形態のワーク切り出し装置の最下流ワークの正面図である。
図8は本発明の実施の形態のワーク切り出し装置のスプリングの配設状態を示す要部正面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態において、図示の同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここではその重複する説明を省略する。
[実施の形態]
まず、本発明の実施の形態についてワーク切り出し装置の図1乃至図8を参照して構成について説明する。
搬送するワークW0,W1,W2,W3は、合成樹脂で形成された箱で、上面が開口しており、底面の段差との嵌合によって山積できるものである。ワークW0,W1,W2,W3の内部には、機械部品、電子部品等が収容されている。ワークW0,W1,W2,W3は、機械部品、電子部品自体とすることもできる。本実施の形態のワークW0,W1,W2,W3は合成樹脂で形成されているが、木箱、ダンボール箱等でもよい。
また、本実施の形態のワーク切り出し装置は、2台併設し、ワークW0の停止タイミングで両者を同期させているものである。
左右のコンベア列6a,6bは、そのコンベアの外周の最上部が仮想面を形成するもので、両側の左コンベア列6aと右コンベア列6bは、その周囲の高さが形成する面を同一面としている。ワークW0,W1,W2,W3は、左右のコンベア列6a,6bの上を搬送する。また、左右の案内板7a,7bは、ワークW0,W1,W2,W3が左右のコンベア列6a,6bで形成された軌道を逸脱しないようにガイドするものである。本実施の形態の左右コンベア列6a,6bで形成した列は、ワークW0,W1,W2,W3の下面を支承する玉軸受またはころ軸受等からなるコンベアで形成している。
ストッパー10a,10bは、左右のコンベア列6a,6bの端部に、左右のコンベア列6a,6bの面に対して垂直に形成されたもので、左右のコンベア列6a,6bの面から、常に離脱しないようになっている。即ち、ワークW0,W1,W2,W3の下面を支承するコンベア列6a,6bのワークW0,W1,W2,W3が搬送される最下流ワーク位置21には上下動移動子11,12,13を割り振ることなく、常に特定のワークW0位置で停止させるストッパー10a,10bを配設している。
複数列のコンベア列6a,6bの上面に対して垂直方向に移動して結合自在とした上下動移動子11,12,13は、複数のコンベア列6a,6bの間に配設され、ワークW0,W1,W2,W3が搬送される最下流ワーク位置21を除き、上下動移動子11,12,13は内部ピストン11a,12a,13aが、コンベア列6a,6bの高さ以上に移動したとき、本体フレーム9に取付けたシリンダ11b,12b,13b内を上下動するようになっている。なお、本体フレーム9は本体の形状を特定するものである。
シリンダ11b,12b,13bは、コンベア列6a,6b相互間に接続した支持フレーム11c,12c,13cに接続されている。即ち、上下動移動子11,12,13はコンベア列6a,6bの複数の列間に配設され、ワークW0,W1,W2,W3が搬送される複数列のコンベア列6a,6bが形成する仮想面に対して垂直方向(略垂直方向)に移動して結合自在としている。
ストッパー10a,10bと複数のコンベアからなるコンベア列6a,6b間で支承され、支持フレーム11cに配設した上下動移動子11とで最下流ワーク位置21を構成している。また、コンベア列6a,6b間で支承し、支持フレーム11c及び支持フレーム12cに配設した上下動移動子11及び上下動移動子12とでワーク位置22を構成している。そして、コンベア列6a,6b間で支承し、支持フレーム12及び支持フレーム13に配設したワーク位置23を構成している。コンベア列6a,6b間で支承し、上下動移動子13及び図示しない上下動移動子14とでワーク位置24を構成している。
なお、複数のコンベアからなるコンベア列6a,6bは、上流側を高く、下流側を低くし、ワークW0,W1,W2,W3が自然に搬送されるようにポテンシャルエネルギを得ている。
ここで最下流ワーク位置21が、ワーク位置22、ワーク位置23よりも容積が大きいのは、作業員Mの人手またはロボットのマジックハンドでワークW0が持上げられるか、移動されるものであるから、ワークW0,W1,W2,W3の用途を特定することのない汎用性を高くしたものである。
最下流ワーク位置21の下部に配設した回転軸31は、両端を軸受31a,31bで回動自在に軸支している。回転軸31に対して基準レバー2及び補助レバー3が一体に、堅固に配設されている。即ち、回転軸31に対して基準レバー2及び補助レバー3の基部が回動しないように堅固に、かつ、一体に固着されている。
基準レバー2の自由端は、玉軸受またはころ軸受等からなるベアリング2aの何れかが配設されており、基準レバー2のベアリング2aから回転軸31までの長さがL1とし、その重心の位置にGR[kg]が加わっているとする。
また、補助レバー3のU字状の切り欠きの自由端は、上下動移動子11の内部ピストン11aの下部に圧入係合させた円柱部材3cが固着されたものが、補助レバー3のU字状連結部3bに嵌合している。基準レバー2及び補助レバー3の回動は、上下動移動子11の内部ピストン11aの下部の円柱部材3cが補助レバー3の端部のU字状連結部3bを移動しながら回動する。これにより、基準レバー2及び補助レバー3のシーソ運動等の回動は上下動移動子11の内部ピストン11aの上下運動になる。上下動移動子11は上下運動を、補助レバー3は回動するから、円柱部材3cが補助レバー3の端部のU字状連結部3bを往復道することになる。補助レバー3の自由端は、このU字状の端部、即ち、U字状連結部3bとなっている。補助レバー3の端部の円柱部材3cから回転軸31までの長さがL2であり、その重心の位置にGL[kg]が加わっている。
したがって、基準レバー2及び補助レバー3の重心には、GR×L1/2よりもGL×L2/2が大であり、式的には、GL×L1/2>GR×L2/2で現される。
GL×L1/2がGR×L2/2よりも大きいから、補助レバー3が下がり、基準レバー2の自由端に配設されているベアリング2aが上昇し、ワークW0の存在があれば両者が当接し、また、ワークW0の存在がないときには、基準レバー2の自由端に配設されたベアリング2aが最上昇する。
したがって、基準レバー2及び補助レバー3の重心で調節するとき、「GR×L1/2」と「GL×L2/2」では、「GR」が「GL」の2倍であるとき、レバーの長さの違いを、前者が2分の1の「L1/2」とすることができる。
ワーク位置22の下部に配設した回転軸32は、両端を回動自在に配設した軸受32a,32bで回動自在に軸支している。回転軸32に対してはシーソー機構4が一体に配設されている。即ち、回転軸32に対してシーソー機構4の基部が回動しないように堅固に、かつ、一体に固着されている。シーソー機構4の両端は、U字状連結部4a,4bの端部となっており、上下動移動子11を構成する内部ピストン11aの下部の円柱部材3cと嵌合している。回転軸32はシーソー機構4の中心位置に配設しており、U字状連結部4aとU字状連結部4bとの距離は、均衡が取れるように長さL2を設定している。
シーソー機構4のU字状連結部4aは、上下動移動子11の内部ピストン11aの下部の円柱部材3cと嵌合し、また、U字状連結部4bは上下動移動子12の内部ピストン12aの下部のU字状連結部4aと嵌合している。
また、ワーク位置23の下部に配設した回転軸33は、両端を回動自在に配設した軸受33a,33bで回動自在に軸支している。回転軸33に対してはシーソー機構5が一体に配設されている。即ち、回転軸33に対してシーソー機構5の基部が回動しないように堅固に、かつ、一体に固着されている。シーソー機構5の両端は、U字状連結部5a,5bとなっており、上下動移動子12の内部ピストン12aの下部の円柱部材4cと嵌合している。回転軸33はシーソー機構5の中心位置に配設しており、U字状連結部5aとU字状連結部5bまでの距離は、均衡が取れるように長さを設定している。
シーソー機構5のU字状連結部5aは、上下動移動子12の内部ピストン12aの下部の円柱部材5cと嵌合し、また、U字状連結部5bは上下動移動子13の内部ピストン13aの下部の円柱部材5cと嵌合している。
このように、上下動移動子11,12,13のワークW0,W1,W2,W3の搬送方向の間で、回動自在に軸支された基準レバー2及び補助レバー3、シーソー機構4,5のレバーは、基準レバー2、補助レバー3、シーソー機構4,5のレバーが回転軸31,32,33の長さ方向に移動自在な円柱部材3c,4c,5c及びU字状連結部3b,4b,5bによって、回転を直線運動に変換する回動垂直変換機構を構成している。
また、シーソー機構4,5は、上下動移動子11,12,13の設定条件によって均一距離としているが、基準レバー2と補助レバー3の重心位置によっては、シーソー機構4,5と同一比率としてもよいし、逆に、特定の比率に設定してもよい。
基準レバー2と補助レバー3の一体化は、基準レバー2が回動角度αに設定している。この回動角度αは任意に設定できるが、通常、10〜60度程度に設定される。
補助レバー3は、ワークW0,W1,W2,W3が搬送される最下流ワーク位置21の上下動移動子11が垂直方向に移動自在に結合され、かつ、回動自在に固着された回転軸31の回転軸に軸支したものである。このワークW0,W1,W2,W3は、通常、同一規格化された形状のものを搬送するものであるから、複数のスプリングを用意しておき、ワークW0,W1,W2,W3の荷重に応じて、上下動移動子11及び上下動移動子13に対して下方に荷重をかけてもよい。勿論、変位させる距離が少ないから、図8のスプリング52のように、回動自在としても大きな誤差が生じないので使用上のトラブルは生じない。
また、基準レバー2は、一端が回動自在な回転軸31に軸支された補助レバー3に取付けられ、他端にベアリング2aを配設し、ワークW0,W1,W2,W3の存在をベアリングのワークW0,W1,W2,W3の底面に接触、非接触の判断をするものであるこれにより、上下動移動子11,12,13の上昇または下降を決定している。
このように、本実施の形態のワーク切り出し装置は、ワークW0,W1,W2,W3の搬送に対して、ワークW0,W1,W2,W3の下面を支承する玉軸受またはころ軸受等からなるコンベアと、複数のコンベア列6a,6b間に配設され、ワークW0,W1,W2,W3が搬送される最下流ワーク位置21を除き、複数列のコンベア面に対して垂直方向に移動して結合自在とした上下動移動子11,12,13と、ワークW0,W1,W2,W3の下面を支承するコンベアのワークW0,W1,W2,W3が搬送される最下流ワーク位置21を上下動移動子11,12,13をなくして常に特定のワークW0,W1,W2,W3の位置で停止させるストッパー10と、上下動移動子11,12,13のワークW0,W1,W2,W3の搬送方向の間で、回動自在に軸支された基準レバー2及び補助レバー3、シーソー機構4,5等のレバー有し、かつ、基準レバー2及び補助レバー3、シーソー機構4,5等のレバーの長さ方向に移動自在な回動垂直変換機構と、ワークW0,W1,W2,W3が搬送される最下流ワーク位置21の上下動移動子11,12,13が垂直方向に移動自在に結合され、かつ、回動自在に固着された回転軸に軸支した基準レバーと、一端が前記回動自在な回転軸に軸支された補助レバー3に取付けられ、他端にベアリング2aを配設し、ワークW0,W1,W2,W3の存在を前記ベアリングのワークW0,W1,W2,W3の底面に接触、非接触することにより、上下動移動子11,12,13の上昇または下降を決定する基準レバー2を具備するものである。
したがって、本実施の形態のワーク切り出し装置に、ワークW0,W1,W2,W3が載せられていない状態では、図1に示すように、本体フレーム9の上部に位置する複数のコンベア列6a,6bの外周のトップで形成する平面に、ワークW0,W1,W2,W3が載せられるように最下流ワーク位置21を最下部位置とし、ワーク位置22、ワーク位置23、ワーク位置24と特定の傾斜で配設されている。故に、上下動移動子11,12,13が配設されていなければ、ワークW0,W1,W2,W3は、図1の左側から右側に搬送される。また、ストッパー10a,10b側には、ロボットまたは作業員Mの人間が配置される。次の工程に合わせて、その高さ調節等がなされる。
図3に示すように、上下動移動子11,12,13が配設されていると、上下動移動子11,13が上昇しているとき、上下動移動子12が下降する。逆に、上下動移動子11,13が下降しているとき、上下動移動子12が上昇する。通常、各ワークW0,W1,W2,W3の長さは、上下動移動子11,12,13の配設間隔よりも長く形成されている。したがって、上下動移動子11,12,13が同時にワークW0,W1,W2,W3を停止させるのは、ストッパー10a,10bがワークW0、上下動移動子11がワークW1、上下動移動子13がワークW2を各々停止させる。このとき、上下動移動子12は下降しており、ワークW1の底面と接触している。
したがって、ベアリング2aがワークW0,W1,W2,W3の底面と衝突しているとき、上下動移動子11,13によるワークW0,W1の移動が停止されている。
ここで、最下流ワーク位置21の空間からワークW0,W1,W2,W3を取り上げると、コンベア列6a,6bの平面からベアリング2aが突出し、コンベア列6a,6bの平面よりもベアリング2aが高い位置となり、補助レバー3はその上下動移動子11側を左回転方向に回動する。これによって、上下動移動子11は垂直方向を下方向に移動させ、上下動移動子11に止められているワークW1を解放し、ワークW1が最下流ワーク位置21側に移動する。このとき、基準レバー2の上下動移動子11は、上下動移動子12と同様、円柱部材3cがU字状連結部4aとの間の嵌合で、摺動自在の状態となっている。
なお、上下動移動子12の上昇はワークW1の移動が同時に行われるから支障になるまで変化していない。しかし、上下動移動子12の上昇は上下動移動子13の下降により、ワークW2の移動が行われるとき、衝突によって、ワークW2の移動止めとなり、ワークW2の移動停止となる。
上下動移動子11が最下流ワーク位置21の領域に搬送すると、ワークW1が上下動移動子11を越えて搬送され、ワークW1の先端が基準レバー2のベアリング2aを押し下げる。この押し下げは、上下動移動子11の内部ピストン11aの上昇となる。上下動移動子11の内部ピストン11aの上昇により、ワークW2の移動がそれによって停止され、ワークW0,W1,W2,W3が1段づつ移動したことになる。
したがって、先頭のワークW0と続くワークW1の分離は物理的に、基準レバー2のベアリング2aに検出させ、それによって、ワークW0,W1,W2,W3の停止位置を上下動移動子11,13で定め、しかも、先頭のワークW0まで傾斜下り坂の位置で使用できる装置することができる。
本実施の形態のように、最下流ワーク位置21の領域に先頭のワークW0の有無を判断し、最下流ワーク位置21の領域に先頭のワークW0がないときのみ、ワークW0,W1,W2,W3が1段づつ降下するものであるから、最下流ワーク位置21の領域に先頭のワークW0が存在するときには、搬送されないので、信頼性の高い装置となる。
本実施の形態のワーク切り出し装置は、基準レバー2と補助レバー3との重心位置の設定に代えて、上下動移動子11,12,13の内部ピストン11a,12a,13aとシリンダ11b,12b,13bとの間に、図8のスプリングボックス50のように、直接スプリング52を介在させることができ、内部ピストン11a,12a,13aとシリンダ11b,12b,13bとの間に、弾性力を付与することができる。
殊に、図8に示すように、回転軸32に弾性付与アーム51を配設して本体フレーム9と一体に取付けた固定金具54との間に、調整ねじ53を介してスプリング52が配設されている。したがって、上下動移動子11,12,13と基準レバー2とのトータル荷重を測定し、上下動移動子11,12,13が上下動する荷重のバランスを調整し、基準レバー2のベアリング2aの上昇する力の調節を行うことができる。
上記実施の形態のワーク切り出し装置は、複数列の玉軸受またはころ軸受等からなるコンベアが形成されてなるコンベア列6a,6bの仮想面に対して垂直方向に移動自在な上下動移動子11,12,13と、ワークW0,W1,W2,W3の下面を支承するコンベアにワークW0,W1,W2,W3が搬送され、最下流ワーク位置21の上下動移動子11,12,13をなくして常にワークW0,W1,W2,W3の位置で停止させるストッパー10a,10bと、上下動移動子11,12,13のワークW0,W1,W2,W3の搬送方向間で、回動自在に軸支された基準レバー2及び補助レバー3、シーソー機構4,5等のレバーを有し、かつ、基準レバー2及び補助レバー3、シーソー機構4,5等のレバーの長さ方向に移動自在な回動垂直変換機構と、ワークW0,W1,W2,W3が搬送される最下流ワーク位置21の上下動移動子11,12,13が垂直方向に移動自在に結合され、かつ、回動自在に固着された回転軸31に軸支した基準レバー2と、一端が回動自在な回転軸に軸支された基準レバー3の他端にベアリング2aを配設し、ワークW0,W1,W2,W3の存在をベアリング2aのワークW0,W1,W2,W3の底面とにベアリング2aが接触、非接触により判断するワーク判別機構とを具備するものである。
作業員Mの人手またはロボットのマジックハンドでワークW0,W1,W2,W3が持上げられたことを検出すると、補助レバー2は上下動移動子11,12,13の上昇または下降を決定する。ワークW0,W1,W2,W3の搬送方向の上流側ワーク位置22,23,24の上下動移動子11,12,13の偶数側と奇数側を逆に上下動させるから、最下流ワーク位置21からワークW0,W1,W2,W3を取り除くと、ワークW0,W1,W2,W3の存在がベアリング2aの非接触から判断し、しかも、最下流ワーク位置21からワークW0,W1,W2,W3を取り除くと、補助レバー3のベアリングが上昇し、それによって、最下流ワーク位置21の上下動移動子11,12,13の下降となる。このとき、基準レバー2が補助レバー3よりも質量が大きく、両者の長さは基準レバー2が補助レバー3よりも若干長く形成されている。したがって、ワークW0,W1,W2,W3が最下流ワーク位置21にないとき、ベアリング2aが上昇し、それに伴いベアリング2aが上昇する。すると、基準レバー2に接続されている上下動移動子が下降し、次の川上にある上下動移動子11,12,13が上昇し、次の川上にある上下動移動子11,12,13が下降する。
上下動移動子11,12,13が上昇すると、ワークW0,W1,W2,W3がそれ以上進行しないように停止させ、上下動移動子11,12,13が下昇すると、ワーク位置が進行し、川下にある上下動移動子11,12,13に衝突して停止する。
即ち、上下動移動子11,12,13が上昇したとき、到来するワークW0,W1,W2,W3と衝突し、ワークW0,W1,W2,W3の移動を停止させる。しかし、上下動移動子11,12,13が下降したとき、ワークW0,W1,W2,W3の移動を許容し、ワークW0,W1,W2,W3の移動を上下動移動子11,12,13で停止させるまで進行する。
ワークW0,W1,W2,W3は基準レバー2のベアリング2aに支承されているから、最下流ワーク位置21にワークW0,W1,W2,W3が存在していないとき、基準レバー2のベアリング2aが複数のコンベア列6a,6bで形成する平面から突出し、最下流ワーク位置21の移動を自在とすべく、上下動移動子11,12,13が下降する。
したがって、基準レバー2のベアリング2aが複数のコンベア列6a,6bで形成する平面から突出し、ワークW0,W1,W2,W3の下面で規制されるものがないから、基準レバー2が上方に回動し、奇数の上下動移動子11,12,13が下降し、奇数番目の上下動移動子11,12,13が下降し、ワークW0,W1,W2,W3の移動を許容する。
上記実施の形態のワーク切り出し装置は、基準レバー2と補助レバー3との重心位置の設定に代えて、上下動移動子11,12,13にスプリングの弾性力を与えるものであるから、基準レバー2と補助レバー3との重心位置の設定を荷重のみで行うには限界があるが、スプリングの弾性力を上下動移動子11,12,13に与え、ワークW0,W1,W2,W3の荷重によって確実に基準レバー2のベアリング2aが沈むように設定できる。
また、本体フレーム9の複数のコンベア列6a,6bは、本実施の形態においては、図7の角度θが、0〜30度での使用が好適である。但し、本実施の形態において、コンベア列6a,6bが0〜10度の場合には、コンベア列6a,6bに駆動用ローラを配設し、それによる駆動源が存在していることを意味する。
本実施の形態のコンベア列6a,6bは、電気的な制御を行う場合にも、基準レバー2のベアリング2aの揺動をマイクロスイッチ等のスイッチング信号とすれば、電気的制御にも使用することができる。また、ワークW0の制御として、作業員Mが上記実施の形態のワーク切り出し装置から人為的に取り出す工程を前提として説明したが、本発明を実施する場合には、ワークW0の検出からロボットに処理させることもできる。
また、本実施の形態のコンベア列6a,6bの外側に、左右の案内板7a,7bを取付けているが、本発明を実施する場合には、必ずしも必要とするものではない。
そして、本実施の形態のワーク切り出し装置は、上下動移動子11,13と上下動移動子12とがコンビで移動するものワークW0,W1,W2,W3としては、ワークW0,W1,W2,W3の搬送方向の長さ変化が、0.2〜1.8倍程度に大きさが変化しても、それを処理することができる。結果、このとき、ワークW0,W1,W2,W3の大きさは、最下流ワーク位置21の大きさに左右されるので、最下流ワーク位置21の大きさを1.8倍程度に設定するのが望ましい。
M 作業員
W0,W1,W2,W3 ワーク
2 基準レバー
3 補助レバー
4,5 シーソー機構
3b U字状連結部
4a,4b U字状連結部
5a,5b U字状連結部
6a,6b コンベア列
9 本体フレーム
10a,10b ストッパー
11,12,13 上下動移動子
11a,12a,13a 内部ピストン
11b,12b,13b シリンダ
11c,12c,13c 支持フレーム
21 最下流ワーク位置
22,23,24 ワーク位置
31,32,33 回転軸
50 スプリングボックス
本発明は、列状の複数のワークから1個のワークを順次切り出すワーク切り出し装置に関するものである。特に、複数台のワーク切り出し装置のパラレル運転等を可能としたワーク切り出し装置に関するものである。
従来から、コンベアやベルトコンベア等によって搬送されてくるダンボール箱、合成樹脂箱、組み付け部品等のワークを、コンベアの終端でロボット、人手等にワークを渡し、把持したとき、必要に応じて、搬送の形態を変更している。ロボットハンドまたは人手によって、ワークを把持するには、ロボットハンドの把持用の爪等がワークの底部に入るスペースが必要となる。しかし、ワークが互いに近接、密着している部分に爪が入らなかったり、把持できなかったりすると、ワークを破損する可能性がある。故に、先頭にあるワークの1個だけを切り離し、それを持ち出す切り出し操作が必要不可欠となる。
このようなワークの切り出しを行う装置として、下流のローラほど回転速かが速くなるようにし、ローラ上を搬送されるワークに速度差を与え、ワーク間に自動的に間隔が空くようにしたワーク相互間の間隔を空けて確実に切り出すコンベアが特許文献1で公知である。
そこで、上記問題点を解消するものとして、簡単な構成により、確実にワークを切り出すことができ、かつ、下流の工程との連携を容易に実現できるワーク切り出し装置を特許文献2として公知である。
即ち、特定のワークを順次個別に次工程に供給する複数のワークの列から、先頭のワークを分離して切り出すワーク切り出し装置にあって、ワークを載置すると共に駆動力によってワークを移動させる駆動部を複数配設したコンベアと、前記コンベアの途中に配置され、前記コンベア上のワークの通過と停止とを切り替えるために開閉されるゲートと、前記駆動部の駆動動作と前記ゲートの開閉動作とを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記ゲートを開き、先頭ワークの下の駆動部を駆動して当該先頭のワークのみを前方に移動させ、該ワークが前記ゲートを通過した後に該ストッパーを閉じることによりワークを切り出す技術を開示している。
特許文献2によれば、例えば、他のワークの形態や、ワークサイズの混入によりワークに変化があったり、ワークの1個の切り出しに失敗して2個切り出しとなったりした場合等に、距離の測定結果に基づいてその失敗を検知することができ、例えば、ロボットハンドによるワーク把持等の動作を停止させて、ロボットハンドの破損を防止したり、異品種の混合等の不具合を防止したりすることができる。
また、特許文献2は、ワークがコンベアで搬送可能であれば、特に、個々のワークに分離できるものであれば、箱状のワークに限らず、任意形状のワークを対象とすることができる。
特開平7−149413号公報
特開2011−111256号公報
このように、特許文献1に示されるようなワーク切り出し装置においては、コンベア上の複数のワーク間に速度差が設定されているから、下流におけるワークに対する個別処理との連携調整が難しくなる。また、複数台を複数並行運転するには、調和に欠くから困難性が高い。
そして、特許文献2に示されるようなワーク切り出し装置においては、先頭のワークの駆動部を駆動して、当該先頭のワークのみを前方に移動させるので、簡単な構成により、確実にワークを切り出すことができ、かつ、下流工程との連携を容易に実現でき、例えば、複数のワークが切り出しのために連続的に移動しているのでないので、次の工程による切り出し要求に従ってワークの切り出しを行うことになる。しかし、当該先頭のワークのみを前方に移動させるという選択事項が、言葉では明確に説明できても、2番手を停止したまま、または、動かしながら、当該先頭のワークのみを前方に移動させることは容易ではない。
特に、上流位置にあるワークを先頭のワークに対して互いに反対方向の回転を付与するものであるからワークを毀損したり、先頭のワークまで傾斜した下り坂の位置であるときには、この技術が使用できなくなる。
そこで、本発明は、かかる従来の問題点を解消し、先頭のワークと続くワークとの分離を容易にし、しかも、先頭のワークまで傾斜した下り坂の位置で使用でき、他の装置と同期が取り易いワーク切り出し装置の提供を課題とするものである。
請求項1の発明にかかるワーク切り出し装置は、複数のコンベア列でワークの下面を支承したコンベアはワークを搬送し、前記ワークが搬送される最下流ワーク位置を除き、前記複数のコンベア列が形成する仮想面に対して垂直方向に移動自在とした上下動移動子と、前記コンベアの前記ワークが搬送される前記最下流ワーク位置は、前記上下動移動子を使用することなく、常に特定のワーク位置で停止させるストッパーとする。また、前記ワークの搬送方向で、かつ、前記上下動移動子相互間には、回動自在に軸支されたシーソー機構を有し、しかも、前記シーソー機構の長さ方向に嵌合し、回動自在とした回動垂直変換機構と、一端が前記回動自在な回転軸に軸支され、他端にベアリングが配設され、前記ワークの存在を前記ワークの底面が前記ベアリングと接触するか否かにより、前記上下動移動子の上昇または下降を決定する基準レバーと、前記ワークが搬送される最下流方向の前記上下動移動子と係合回動自在とした補助レバーとを具備する。
ここで、上記コンベアは、複数のコンベア列で前記ワークの下面を支承し、ワークを搬送するもので、複数のコンベア列は1列でも、2列でも、3列以上でもよい。勿論、玉軸受またはころ軸受等のベアリングの使用が可能である。ここでコンベア列はワークの搬送方向を左右するもので、コンベアはワークの搬送方向を左右しないものであり、実質的に両者は区別しなくてもよい。
また、上記上下動移動子は、前記複数のコンベア列間に配設し、前記ワークが搬送される最下流方向のみを除き、前記複数列のコンベアの平面に対して垂直方向に移動自在に結合されたものである。前記上下動移動子は、各々のワークを止めるのに1個づつとしてもよいし、両側に2個1対としてもよい。また、仮想面に対して垂直方向に移動自在とした上下動移動子は、必ずしも正確な直角を意味するものでなく、概略、複数のコンベア列が描く仮想面に対して垂直となっておればよい。そして、上記上下動移動子は、下側に配設したが、当然、上側に配設してもよい。
更に、上記ストッパーは、前記ワークの下面を支承する前記コンベアの前記ワークが搬送される最下流端部のみ、前記上下動移動子をなくして常に前記ワークの下面を支承した状態で停止させるストッパーである。
更にまた、上記回動垂直変換機構は、前記上下動移動子の前記ワークの搬送方向間で回動自在に軸支されており、また、前記シーソー機構の長さ方向に移動自在として、上下動移動子の上下動を自在としたものである。例えば、上記回動垂直変換機構は、上下動移動子のワークの搬送方向間で、回動自在に軸支された基準レバー及び補助レバー、シーソー機構等のレバーは、基準レバー、補助レバー、シーソー機構等のレバーが支軸の長さ方向に移動自在な円柱部材及びそれを嵌合するU字状連結部によって、回転を直線運動に変換するものである。
加えて、上記基準レバーは、一端が前記回動自在な回転軸に堅固に取付けられて、軸支され、他端にベアリングが配設され、前記ワークの存在を前記ワークの底面が前記ベアリングと接触するか否かにより、連結した前記上下動移動子の上昇または下降を決定するものである。即ち、ベアリングに押圧力が加わっているか否かを判断している。
また、上記一端が前記回動自在な回転軸に軸支された基準レバーは、他端にベアリングを配設し、前記ワークの存在を前記ベアリングの前記ワークの底面に接触、非接触により前記ワークの取出し、持上げの有無を判断するものである。
そして、上記補助レバーは、前記ワークが搬送される最下流方向の前記上下動移動子と嵌合または係合して回動自在としたものである。
加えて、本発明のワーク切り出し装置は、前記基準レバーと前記補助レバーとの調節にスプリングの弾性力を与えるものである。
ここで、前記上下動移動子にスプリングの弾性力の付与は、ワークの荷重によって確実に補助レバーのベアリングが沈むように設定できるものであればよく、前記基準レバーと前記補助レバーとの重心位置、即ち、荷重位置の調節、また、前記基準レバーと前記補助レバーとのレバーの長さを調節してもよい。
また、前記回動垂直変換機構は、前記上下動移動子のワークの搬送方向間で、回動自在に軸支された基準レバー及び補助レバー、シーソー機構からなる各レバーは、基準レバー、補助レバー、シーソー機構からなる各種レバーが支軸の長さ方向に移動自在な円柱部材及びそれを把持するU字状の切り欠きによって、回転を直線運動に変換する構成としたものである。
請求項1の発明のワーク切り出し装置は、複数のコンベア列が形成する仮想面に対して垂直方向に移動自在な上下動移動子と、前記ワークの下面を支承する前記コンベアに前記ワークが搬送され、最下流ワーク位置の前記上下動移動子をなくして常に前記ワーク位置で停止させるストッパーと、前記上下動移動子の前記ワークの搬送方向間で、回動自在に軸支されたレバーを有し、かつ、前記レバーの長さ方向に移動自在な回動垂直変換機構と、前記ワークが搬送される最下流ワーク位置の前記上下動移動子が垂直方向に移動自在に結合され、かつ、回動自在に固着された回転軸に軸支した基準レバーと、一端が前記回動自在な回転軸に軸支された基準レバーに取付けられ、他端にベアリングを配設し、前記ワークの存在を前記ベアリングの前記ワークの底面とに接触、非接触により先頭ワークの存在、非存在を判断するものである。
したがって、人手またはロボットのマジックハンドで最下流ワーク位置からワークが運ばれたこと、持上げられたことを検出すると、基準レバーはそれに応じて前記上下動移動子の上昇または下降を決定する。前記ワークの搬送方向の上流側ワーク位置の前記上下動移動子の偶数側と奇数側を逆に上下動させるから、最下流ワーク位置からワークを取り除くと、前記ワークの存在が前記ベアリングの非接触から判断し、しかも、最下流ワーク位置からワークを取り除くと、前記基準レバーに配設されたベアリングが上昇し、それによって、最下流ワーク位置の前記上下動移動子の下降となる。このとき、補助レバーが基準レバーよりも質量が大きく、両者の長さは補助レバーが基準レバーよりも若干長く形成されている。したがって、ワークが最下流ワーク位置にないとき、ベアリングが上昇し、それに伴い補助レバーのベアリングが上昇する。すると、基準レバーに接続されている上下動移動子が下降し、次の川上(ワークの搬送方向の逆)にある上下動移動子が上昇し、その次の川上にある上下動移動子が下降する。
上下動移動子が上昇すると、ワークがそれ以上進行しないように停止させ、上下動移動子が下昇すると、前記ワークが進行し、川下(ワークの搬送方向)にある上下動移動子に衝突して停止する。
即ち、上下動移動子が上昇したとき、到来するワークと衝突し、ワークの移動を停止させる。しかし、上下動移動子が下降したとき、ワークの移動を許容し、ワークの移動を上下動移動子で停止させるまで進行する。ワークは基準レバーのベアリングに支承されているから、最下流ワーク位置にワークが存在していないとき、基準レバーのベアリングがベアリング列で形成する仮想面から突出し、ワーク移動を自在とすべく、上下動移動子が下降する。
したがって、基準レバーのベアリングがベアリング列で形成する平面から突出し、ワークの下面で規制されるものがないから、基準レバーが上方に回動し、最下流(これを第1)とする及び奇数の上下動移動子が下降し、奇数番目の上下動移動子が下降しワークの移動を許容する。
加えて、基準レバーと補助レバーとの重心位置調節には限界があるから、スプリングの弾性力を上下動移動子に与え、ワークの荷重によって確実に基準レバーのベアリングが沈むように設定し、前記基準レバーと前記補助レバーとの重心位置、即ち、荷重の調節、或いは前記基準レバーと前記補助レバーとのレバーの長さを用いてもよい。しかし、スプリングの弾性力を変更すると、ワークの荷重に従って、スプリングの強さを変化させれば、ワークの荷重に対応した装置となる。
また、前記回動垂直変換機構は、前記上下動移動子のワークの搬送方向間で、回動自在に軸支された基準レバー及び補助レバー、シーソー機構等からなるレバーは、基準レバー、補助レバー、シーソー機構等からなるレバーが支軸の長さ方向に移動自在な円柱部材のU字状連結部に対する嵌合によって、回転を前記上下動移動子の直線運動に変換している。
図1は本発明の実施の形態のワーク切り出し装置の全体斜視図である。
図2は本発明の実施の形態のワーク切り出し装置の要部斜視図である。
図3は本発明の実施の形態のワーク切り出し装置のワークの搬送を示す斜視図である。
図4は図2の切断線A−Aによる要部断面図である。
図5は本発明の実施の形態のワーク切り出し装置の基準レバーと補助レバーを示す拡大要部断面図である。
図6は本発明の実施の形態のワーク切り出し装置の最下流ワークの無い状態を示す要部断面図である。
図7は本発明の実施の形態のワーク切り出し装置の最下流ワークの正面図である。
図8は本発明の実施の形態のワーク切り出し装置のスプリングの配設状態を示す要部正面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態において、図示の同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここではその重複する説明を省略する。
[実施の形態]
まず、本発明の実施の形態についてワーク切り出し装置の図1乃至図8を参照して構成について説明する。
搬送するワークW0,W1,W2,W3は、合成樹脂で形成された箱で、上面が開口しており、底面の段差との嵌合によって山積できるものである。ワークW0,W1,W2,W3の内部には、機械部品、電子部品等が収容されている。ワークW0,W1,W2,W3は、機械部品、電子部品自体とすることもできる。本実施の形態のワークW0,W1,W2,W3は合成樹脂で形成されているが、木箱、ダンボール箱等でもよい。
また、本実施の形態のワーク切り出し装置は、2台併設し、ワークW0の停止タイミングで両者を同期させているものである。
左右のコンベア列6a,6bは、そのコンベアの外周の最上部が仮想面を形成するもので、両側の左コンベア列6aと右コンベア列6bは、その周囲の高さが形成する面を同一面としている。ワークW0,W1,W2,W3は、左右のコンベア列6a,6bの上を搬送する。また、左右の案内板7a,7bは、ワークW0,W1,W2,W3が左右のコンベア列6a,6bで形成された軌道を逸脱しないようにガイドするものである。本実施の形態の左右コンベア列6a,6bで形成した列は、ワークワークW0,W1,W2,W3の下面を支承する玉軸受またはころ軸受等からなるコンベアで形成している。
ストッパー10a,10bは、左右のコンベア列6a,6bの端部に、左右のコンベア列6a,6bの面に対して垂直に形成されたもので、左右のコンベア列6a,6bの面から、常に離脱しないようになっている。即ち、ワークW0,W1,W2,W3の下面を支承するコンベア列6a,6bのワークW0,W1,W2,W3が搬送される最下流ワーク位置21には上下動移動子11,12,13を割り振ることなく、常に特定のワークW 0 位置で停止させるストッパー10a,10bを配設している。
複数列のコンベア列6a,6bの上面に対して垂直方向に移動して結合自在とした上下動移動子11,12,13は、複数のコンベア列6a,6bの間に配設され、ワークW0,W1,W2,W3が搬送される最下流ワーク位置21を除き、上下動移動子11,12,13は内部ピストン11a,12a,13aが、コンベア列6a,6bの高さ以上に移動したとき、本体フレーム9に取付けたシリンダ11b,12b,13b内を上下動するようになっている。なお、本体フレーム9は本体の形状を特定するものである。
シリンダ11b,12b,13bは、コンベア列6a,6b相互間に接続した支持フレーム11c,12c,13cに接続されている。即ち、上下動移動子11,12,13はコンベア列6a,6bの複数の列間に配設され、ワークW0,W1,W2,W3が搬送される複数列のコンベア列6a,6bが形成する仮想面に対して垂直方向(略垂直方向)に移動して結合自在としている。
ストッパー10a,10bと複数のコンベアからなるコンベア列6a,6b間で支承され、支持フレーム11cに配設した上下動移動子11とで最下流ワーク位置21を構成している。また、コンベア列6a,6b間で支承し、支持フレーム11c及び支持フレーム12cに配設した上下動移動子11及び上下動移動子12とでワーク位置22を構成している。そして、コンベア列6a,6b間で支承し、支持フレーム12c及び支持フレーム13cに配設したワーク位置23を構成している。コンベア列6a,6b間で支承し、上下動移動子13及び図示しない上下動移動子14とでワーク位置24を構成している。
なお、複数のコンベアからなるコンベア列6a,6bは、上流側を高く、下流側を低くし、ワークW0,W1,W2,W3が自然に搬送されるようにポテンシャルエネルギを得ている。
ここで最下流ワーク位置21が、ワーク位置22、ワーク位置23よりも容積が大きいのは、作業員Mの人手またはロボットのマジックハンドでワークW0が持上げられるか、移動されるものであるから、ワークW0,W1,W2,W3の用途を特定することのない汎用性を高くしたものである。
最下流ワーク位置21の下部に配設した回転軸31は、両端を軸受31a,31bで回動自在に軸支している。回転軸31に対して基準レバー2及び補助レバー3が一体に、堅固に配設されている。即ち、回転軸31に対して基準レバー2及び補助レバー3の基部が回動しないように堅固に、かつ、一体に固着されている。
基準レバー2の自由端は、玉軸受またはころ軸受等からなるベアリング2aの何れかが配設されており、基準レバー2のベアリング2aから回転軸31までの長さがL1とし、その重心の位置にGR[kg]が加わっているとする。
また、補助レバー3のU字状の切り欠きの自由端は、上下動移動子11の内部ピストン11aの下部に圧入係合させた円柱部材3cが固着されたものが、補助レバー3のU字状連結部3bに嵌合している。基準レバー2及び補助レバー3の回動は、上下動移動子11の内部ピストン11aの下部の円柱部材3cが補助レバー3の端部のU字状連結部3bを移動しながら回動する。これにより、基準レバー2及び補助レバー3のシーソ運動等の回動は上下動移動子11の内部ピストン11aの上下運動になる。上下動移動子11は上下運動を、補助レバー3は回動するから、円柱部材3cが補助レバー3の端部のU字状連結部3bを往復道することになる。補助レバー3の自由端は、このU字状の端部、即ち、U字状連結部3bとなっている。補助レバー3の端部の円柱部材3cから回転軸31までの長さがL2であり、その重心の位置にGL[kg]が加わっている。
したがって、基準レバー2及び補助レバー3の重心には、GR×L1/2よりもGL×L2/2が大であり、形式的には、GL×L1/2>GR×L2/2で現される。
GL×L1/2がGR×L2/2よりも大きいから、補助レバー3が下がり、基準レバー2の自由端に配設されているベアリング2aが上昇し、ワークW 0 の存在があれば両者が当接し、また、ワークW 0 の存在がないときには、基準レバー2の自由端に配設されたベアリング2aが最上昇する。
したがって、基準レバー2及び補助レバー3の重心で調節するとき、「GR×L1/2」と「GL×L2/2」では、「GR」が「GL」の2倍であるとき、レバーの長さの違いを、前者が2分の1の「L1/2」とすることができる。
ワーク位置22の下部に配設した回転軸32は、両端を回動自在に配設した軸受32a,32bで回動自在に軸支している。回転軸32に対してはシーソー機構4が一体に配設されている。即ち、回転軸32に対してシーソー機構4の基部が回動しないように堅固に、かつ、一体に固着されている。シーソー機構4の両端は、U字状連結部4a,4bの端部となっており、上下動移動子11を構成する内部ピストン11aの下部の円柱部材3cと嵌合している。回転軸32はシーソー機構4の中心位置に配設しており、U字状連結部4aとU字状連結部4bとの距離は、均衡が取れるように長さL2を設定している。
シーソー機構4のU字状連結部4aは、上下動移動子11の内部ピストン11aの下部の円柱部材3cと嵌合し、また、U字状連結部4bは上下動移動子12の内部ピストン12aの下部のU字状連結部4aと嵌合している。
また、ワーク位置23の下部に配設した回転軸33は、両端を回動自在に配設した軸受33a,33bで回動自在に軸支している。回転軸33に対してはシーソー機構5が一体に配設されている。即ち、回転軸33に対してシーソー機構5の基部が回動しないように堅固に、かつ、一体に固着されている。シーソー機構5の両端は、U字状連結部5a,5bとなっており、上下動移動子12の内部ピストン12aの下部の円柱部材4cと嵌合している。回転軸33はシーソー機構5の中心位置に配設しており、U字状連結部5aとU字状連結部5bまでの距離は、均衡が取れるように長さを設定している。
シーソー機構5のU字状連結部5aは、上下動移動子12の内部ピストン12aの下部の円柱部材5cと嵌合し、また、U字状連結部5bは上下動移動子13の内部ピストン13aの下部の円柱部材5cと嵌合している。
このように、上下動移動子11,12,13のワークW0,W1,W2,W3の搬送方向の間で、回動自在に軸支された基準レバー2及び補助レバー3、シーソー機構4,5のレバーは、基準レバー2、補助レバー3、シーソー機構4,5のレバーが回転軸31,32,33の長さ方向に移動自在な円柱部材3c,4c,5c及びU字状連結部3b,4b,5bによって、回転を直線運動に変換する回動垂直変換機構を構成している。
また、シーソー機構4,5は、上下動移動子11,12,13の設定条件によって均一距離としているが、基準レバー2と補助レバー3の重心位置によっては、シーソー機構4,5と同一比率としてもよいし、逆に、特定の比率に設定してもよい。
基準レバー2と補助レバー3の一体化は、基準レバー2が回動角度αに設定している。この回動角度αは任意に設定できるが、通常、10〜60度程度に設定される。
補助レバー3は、ワークW0,W1,W2,W3が搬送される最下流ワーク位置21の上下動移動子11が垂直方向に移動自在に結合され、かつ、回動自在に固着された回転軸31の回転軸に軸支したものである。このワークW0,W1,W2,W3は、通常、同一規格化された形状のものを搬送するものであるから、複数のスプリングを用意しておき、ワークW0,W1,W2,W3の荷重に応じて、上下動移動子11及び上下動移動子13に対して下方に荷重をかけてもよい。勿論、変位させる距離が少ないから、図8のスプリング52のように、回動自在としても大きな誤差が生じないので使用上のトラブルは生じない。
また、基準レバー2は、一端が回動自在な回転軸31に軸支された補助レバー3に取付けられ、他端にベアリング2aを配設し、ワークW0,W1,W2,W3の存在をベアリングのワークW0,W1,W2,W3の底面に接触、非接触の判断をするものであるこれにより、上下動移動子11,12,13の上昇または下降を決定している。
このように、本実施の形態のワーク切り出し装置は、ワークW0,W1,W2,W3の搬送に対して、ワークW0,W1,W2,W3の下面を支承する玉軸受またはころ軸受等からなるコンベアと、複数のコンベア列6a,6b間に配設され、ワークW0,W1,W2,W3が搬送される最下流ワーク位置21を除き、複数列のコンベア面に対して垂直方向に移動して結合自在とした上下動移動子11,12,13と、ワークW0,W1,W2,W3の下面を支承するコンベアのワークW0,W1,W2,W3が搬送される最下流ワーク位置21を上下動移動子11,12,13をなくして常に特定のワークW0,W1,W2,W3の位置で停止させるストッパー10a,10bと、上下動移動子11,12,13のワークW0,W1,W2,W3の搬送方向の間で、回動自在に軸支された基準レバー2及び補助レバー3、シーソー機構4,5等のレバー有し、かつ、基準レバー2及び補助レバー3、シーソー機構4,5等のレバーの長さ方向に移動自在な回動垂直変換機構と、ワークW0,W1,W2,W3が搬送される最下流ワーク位置21の上下動移動子11,12,13が垂直方向に移動自在に結合され、かつ、回動自在に固着された回転軸に軸支した基準レバーと、一端が前記回動自在な回転軸に軸支された補助レバー3に取付けられ、他端にベアリング2aを配設し、ワークW0,W1,W2,W3の存在を前記ベアリングのワークW0,W1,W2,W3の底面に接触、非接触することにより、上下動移動子11,12,13の上昇または下降を決定する基準レバー2を具備するものである。
したがって、本実施の形態のワーク切り出し装置に、ワークW0,W1,W2,W3が載せられていない状態では、図1に示すように、本体フレーム9の上部に位置する複数のコンベア列6a,6bの外周のトップで形成する平面に、ワークW0,W1,W2,W3が載せられるように最下流ワーク位置21を最下部位置とし、ワーク位置22、ワーク位置23、ワーク位置24と特定の傾斜で配設されている。故に、上下動移動子11,12,13が配設されていなければ、ワークW0,W1,W2,W3は、図1の左側から右側に搬送される。また、ストッパー10a,10b側には、ロボットまたは作業員Mの人間が配置される。次の工程に合わせて、その高さ調節等がなされる。
図3に示すように、上下動移動子11,12,13が配設されていると、上下動移動子11,13が上昇しているとき、上下動移動子12が下降する。逆に、上下動移動子11,13が下降しているとき、上下動移動子12が上昇する。通常、各ワークW0,W1,W2,W3の長さは、上下動移動子11,12,13の配設間隔よりも長く形成されている。したがって、上下動移動子11,12,13が同時にワークW0,W1,W2,W3を停止させるのは、ストッパー10a,10bがワークW0、上下動移動子11がワークW1、上下動移動子13がワークW2を各々停止させる。このとき、上下動移動子12は下降しており、ワークW1の底面と接触している。
したがって、ベアリング2aがワークW0,W1,W2,W3の底面と衝突しているとき、上下動移動子11,13によるワークW0,W1の移動が停止されている。
ここで、最下流ワーク位置21の空間からワークW0,W1,W2,W3を取り上げると、コンベア列6a,6bの平面からベアリング2aが突出し、コンベア列6a,6bの平面よりもベアリング2aが高い位置となり、補助レバー3はその上下動移動子11側を左回転方向に回動する。これによって、上下動移動子11は垂直方向を下方向に移動させ、上下動移動子11に止められているワークW1を解放し、ワークW1が最下流ワーク位置21側に移動する。このとき、基準レバー2の上下動移動子11は、上下動移動子12と同様、円柱部材3cがU字状連結部4aとの間の嵌合で、摺動自在の状態となっている。
なお、上下動移動子12の上昇はワークW1の移動が同時に行われるから支障になるまで変化していない。しかし、上下動移動子12の上昇は上下動移動子13の下降により、ワークW2の移動が行われるとき、衝突によって、ワークW2の移動止めとなり、ワークW2の移動停止となる。
上下動移動子11が最下流ワーク位置21の領域に搬送すると、ワークW1が上下動移動子11を越えて搬送され、ワークW1の先端が基準レバー2のベアリング2aを押し下げる。この押し下げは、上下動移動子11の内部ピストン11aの上昇となる。上下動移動子11の内部ピストン11aの上昇により、ワークW2の移動がそれによって停止され、ワークW0,W1,W2,W3が1段づつ移動したことになる。
したがって、先頭のワークW 0 と続くワークW1の分離は物理的に、基準レバー2のベアリング2aに検出させ、それによって、ワークW0,W1,W2,W3の停止位置を上下動移動子11,13で定め、しかも、先頭のワークW0まで傾斜下り坂の位置で使用できる装置することができる。
本実施の形態のように、最下流ワーク位置21の領域に先頭のワークW0の有無を判断し、最下流ワーク位置21の領域に先頭のワークW0がないときのみ、ワークW0,W1,W2,W3が1段づつ降下するものであるから、最下流ワーク位置21の領域に先頭のワークW0が存在するときには、搬送されないので、信頼性の高い装置となる。
本実施の形態のワーク切り出し装置は、基準レバー2と補助レバー3との重心位置の設定に代えて、上下動移動子11,12,13の内部ピストン11a,12a,13aとシリンダ11b,12b,13bとの間に、図8のスプリングボックス50のように、直接スプリング52を介在させることができ、内部ピストン11a,12a,13aとシリンダ11b,12b,13bとの間に、弾性力を付与することができる。
殊に、図8に示すように、回転軸32に弾性付与アーム51を配設して本体フレーム9と一体に取付けた固定金具54との間に、調整ねじ53を介してスプリング52が配設されている。したがって、上下動移動子11,12,13と基準レバー2とのトータル荷重を測定し、上下動移動子11,12,13が上下動する荷重のバランスを調整し、基準レバー2のベアリング2aの上昇する力の調節を行うことができる。
上記実施の形態のワーク切り出し装置は、複数列の玉軸受またはころ軸受等からなるコンベアが形成されてなるコンベア列6a,6bの仮想面に対して垂直方向に移動自在な上下動移動子11,12,13と、ワークW0,W1,W2,W3の下面を支承するコンベアにワークW0,W1,W2,W3が搬送され、最下流ワーク位置21の上下動移動子11,12,13をなくして常にワークW0,W1,W2,W3の位置で停止させるストッパー10a,10bと、上下動移動子11,12,13のワークW0,W1,W2,W3の搬送方向間で、回動自在に軸支された基準レバー2及び補助レバー3、シーソー機構4,5等のレバーを有し、かつ、基準レバー2及び補助レバー3、シーソー機構4,5等のレバーの長さ方向に移動自在な回動垂直変換機構と、ワークW0,W1,W2,W3が搬送される最下流ワーク位置21の上下動移動子11,12,13が垂直方向に移動自在に結合され、かつ、回動自在に固着された回転軸31に軸支した基準レバー2と、一端が回動自在な回転軸に軸支された基準レバー3の他端にベアリング2aを配設し、ワークW0,W1,W2,W3の存在をベアリング2aのワークW0,W1,W2,W3の底面とにベアリング2aが接触、非接触により判断するワーク判別機構とを具備するものである。
作業員Mの人手またはロボットのマジックハンドでワークW0,W1,W2,W3が持上げられたことを検出すると、補助レバー2は上下動移動子11,12,13の上昇または下降を決定する。ワークW0,W1,W2,W3の搬送方向の上流側ワーク位置22,23,24の上下動移動子11,12,13の偶数側と奇数側を逆に上下動させるから、最下流ワーク位置21からワークW0,W1,W2,W3を取り除くと、ワークW0,W1,W2,W3の存在がベアリング2aの非接触から判断し、しかも、最下流ワーク位置21からワークW0,W1,W2,W3を取り除くと、補助レバー3のベアリングが上昇し、それによって、最下流ワーク位置21の上下動移動子11,12,13の下降となる。このとき、基準レバー2が補助レバー3よりも質量が大きく、両者の長さは基準レバー2が補助レバー3よりも若干長く形成されている。したがって、ワークW0,W1,W2,W3が最下流ワーク位置21にないとき、ベアリング2aが上昇し、それに伴いベアリング2aが上昇する。すると、基準レバー2に接続されている上下動移動子が下降し、次の川上にある上下動移動子11,12,13が上昇し、次の川上にある上下動移動子11,12,13が下降する。
上下動移動子11,12,13が上昇すると、ワークW0,W1,W2,W3がそれ以上進行しないように停止させ、上下動移動子11,12,13が下降すると、ワーク位置が進行し、川下にある上下動移動子11,12,13に衝突して停止する。
即ち、上下動移動子11,12,13が上昇したとき、到来するワークW0,W1,W2,W3と衝突し、ワークW0,W1,W2,W3の移動を停止させる。しかし、上下動移動子11,12,13が下降したとき、ワークW0,W1,W2,W3の移動を許容し、ワークW0,W1,W2,W3の移動を上下動移動子11,12,13で停止させるまで進行する。
ワークW0,W1,W2,W3は基準レバー2のベアリング2aに支承されているから、最下流ワーク位置21にワークW0,W1,W2,W3が存在していないとき、基準レバー2のベアリング2aが複数のコンベア列6a,6bで形成する平面から突出し、最下流ワーク位置21の移動を自在とすべく、上下動移動子11,12,13が下降する。
したがって、基準レバー2のベアリング2aが複数のコンベア列6a,6bで形成する平面から突出し、ワークW0,W1,W2,W3の下面で規制されるものがないから、基準レバー2が上方に回動し、奇数の上下動移動子11,12,13が下降し、奇数番目の上下動移動子11,12,13が下降し、ワークW0,W1,W2,W3の移動を許容する。
上記実施の形態のワーク切り出し装置は、基準レバー2と補助レバー3との重心位置の設定に代えて、上下動移動子11,12,13にスプリングの弾性力を与えるものであるから、基準レバー2と補助レバー3との重心位置の設定を荷重のみで行うには限界があるが、スプリングの弾性力を上下動移動子11,12,13に与え、ワークW0,W1,W2,W3の荷重によって確実に基準レバー2のベアリング2aが沈むように設定できる。
また、本体フレーム9の複数のコンベア列6a,6bは、本実施の形態においては、図7の角度θが、0〜30度での使用が好適である。但し、本実施の形態において、コンベア列6a,6bが0〜10度の場合には、コンベア列6a,6bに駆動用ローラを配設し、それによる駆動源が存在していることを意味する。
本実施の形態のコンベア列6a,6bは、電気的な制御を行う場合にも、基準レバー2のベアリング2aの揺動をマイクロスイッチ等のスイッチング信号とすれば、電気的制御にも使用することができる。また、ワークW0の制御として、作業員Mが上記実施の形態のワーク切り出し装置から人為的に取り出す工程を前提として説明したが、本発明を実施する場合には、ワークW0の検出からロボットに処理させることもできる。
また、本実施の形態のコンベア列6a,6bの外側に、左右の案内板7a,7bを取付けているが、本発明を実施する場合には、必ずしも必要とするものではない。
そして、本実施の形態のワーク切り出し装置は、上下動移動子11,13と上下動移動子12とがコンビで移動するものワークW0,W1,W2,W3としては、ワークW0,W1,W2,W3の搬送方向の長さ変化が、0.2〜1.8倍程度に大きさが変化しても、それを処理することができる。結果、このとき、ワークW0,W1,W2,W3の大きさは、最下流ワーク位置21の大きさに左右されるので、最下流ワーク位置21の大きさを1.8倍程度に設定するのが望ましい。
M 作業員
W0,W1,W2,W3 ワーク
2 基準レバー
3 補助レバー
4,5 シーソー機構
3b U字状連結部
4a,4b U字状連結部
5a,5b U字状連結部
6a,6b コンベア列
9 本体フレーム
10a,10b ストッパー
11,12,13 上下動移動子
11a,12a,13a 内部ピストン
11b,12b,13b シリンダ
11c,12c,13c 支持フレーム
21 最下流ワーク位置
22,23,24 ワーク位置
31,32,33 回転軸
50 スプリングボックス
本発明は、列状の複数のワークから1個のワークを順次切り出すワーク切り出し装置に関するものである。特に、複数台のワーク切り出し装置のパラレル運転等を可能としたワーク切り出し装置に関するものである。
従来から、コンベアやベルトコンベア等によって搬送されてくるダンボール箱、合成樹脂箱、組み付け部品等のワークを、コンベアの終端でロボット、人手等にワークを渡し、把持したとき、必要に応じて、搬送の形態を変更している。ロボットハンドまたは人手によって、ワークを把持するには、ロボットハンドの把持用の爪等がワークの底部に入るスペースが必要となる。しかし、ワークが互いに近接、密着している部分に爪が入らなかったり、把持できなかったりすると、ワークを破損する可能性がある。故に、先頭にあるワークの1個だけを切り離し、それを持ち出す切り出し操作が必要不可欠となる。
このようなワークの切り出しを行う装置として、下流のローラほど回転速かが速くなるようにし、ローラ上を搬送されるワークに速度差を与え、ワーク間に自動的に間隔が空くようにしたワーク相互間の間隔を空けて確実に切り出すコンベアが特許文献1で公知である。
そこで、上記問題点を解消するものとして、簡単な構成により、確実にワークを切り出すことができ、かつ、下流の工程との連携を容易に実現できるワーク切り出し装置を特許文献2として公知である。
即ち、特定のワークを順次個別に次工程に供給する複数のワークの列から、先頭のワークを分離して切り出すワーク切り出し装置にあって、ワークを載置すると共に駆動力によってワークを移動させる駆動部を複数配設したコンベアと、前記コンベアの途中に配置され、前記コンベア上のワークの通過と停止とを切り替えるために開閉されるゲートと、前記駆動部の駆動動作と前記ゲートの開閉動作とを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記ゲートを開き、先頭ワークの下の駆動部を駆動して当該先頭のワークのみを前方に移動させ、該ワークが前記ゲートを通過した後に該ストッパーを閉じることによりワークを切り出す技術を開示している。
特許文献2によれば、例えば、他のワークの形態や、ワークサイズの混入によりワークに変化があったり、ワークの1個の切り出しに失敗して2個切り出しとなったりした場合等に、距離の測定結果に基づいてその失敗を検知することができ、例えば、ロボットハンドによるワーク把持等の動作を停止させて、ロボットハンドの破損を防止したり、異品種の混合等の不具合を防止したりすることができる。
また、特許文献2は、ワークがコンベアで搬送可能であれば、特に、個々のワークに分離できるものであれば、箱状のワークに限らず、任意形状のワークを対象とすることができる。
特開平7−149413号公報
特開2011−111256号公報
このように、特許文献1に示されるようなワーク切り出し装置においては、コンベア上の複数のワーク間に速度差が設定されているから、下流におけるワークに対する個別処理との連携調整が難しくなる。また、複数台を複数並行運転するには、調和に欠くから困難性が高い。
そして、特許文献2に示されるようなワーク切り出し装置においては、先頭のワークの駆動部を駆動して、当該先頭のワークのみを前方に移動させるので、簡単な構成により、確実にワークを切り出すことができ、かつ、下流工程との連携を容易に実現でき、例えば、複数のワークが切り出しのために連続的に移動しているのでないので、次の工程による切り出し要求に従ってワークの切り出しを行うことになる。しかし、当該先頭のワークのみを前方に移動させるという選択事項が、言葉では明確に説明できても、2番手を停止したまま、または、動かしながら、当該先頭のワークのみを前方に移動させることは容易ではない。
特に、上流位置にあるワークを先頭のワークに対して互いに反対方向の回転を付与するものであるからワークを毀損したり、先頭のワークまで傾斜した下り坂の位置であるときには、この技術が使用できなくなる。
そこで、本発明は、かかる従来の問題点を解消し、先頭のワークと続くワークとの分離を容易にし、しかも、先頭のワークまで傾斜した下り坂の位置で使用でき、他の装置と同期が取り易いワーク切り出し装置の提供を課題とするものである。
請求項1の発明にかかるワーク切り出し装置は、複数のコンベア列でワークの下面を支承したコンベアはワークを搬送し、前記ワークが搬送される最下流ワーク位置を除き、前記複数のコンベア列が形成する仮想面に対して垂直方向に移動自在とした上下動移動子と、前記コンベアの前記ワークが搬送される前記最下流ワーク位置は、前記上下動移動子を使用することなく、常に特定のワーク位置で停止させるストッパーとする。また、前記ワークの搬送方向で、かつ、前記上下動移動子相互間には、回動自在に軸支されたシーソー機構を有し、しかも、前記シーソー機構の長さ方向に嵌合し、回動自在とした回動垂直変換機構と、一端が前記回動自在な回転軸に軸支され、他端にベアリングが配設され、前記ワークの存在を前記ワークの底面が前記ベアリングと接触するか否かにより、前記上下動移動子の上昇または下降を決定する基準レバーと、前記ワークが搬送される最下流方向の前記上下動移動子と係合回動自在とした補助レバーとを具備し、前記基準レバーと前記補助レバーとの重心位置の設定に代えて、前記上下動移動子の内部ピストンとシリンダとの間に、スプリングを介在させ、前記内部ピストンと前記シリンダとの間に、調整ねじを介して前記スプリングの弾性力を付与する。
ここで、上記コンベアは、複数のコンベア列で前記ワークの下面を支承し、ワークを搬送するもので、複数のコンベア列は1列でも、2列でも、3列以上でもよい。勿論、玉軸受またはころ軸受等のベアリングの使用が可能である。ここでコンベア列はワークの搬送方向を左右するもので、コンベアはワークの搬送方向を左右しないものであり、実質的に両者は区別しなくてもよい。
また、上記上下動移動子は、前記複数のコンベア列間に配設し、前記ワークが搬送される最下流方向のみを除き、前記複数列のコンベアの平面に対して垂直方向に移動自在に結合されたものである。前記上下動移動子は、各々のワークを止めるのに1個づつとしてもよいし、両側に2個1対としてもよい。また、仮想面に対して垂直方向に移動自在とした上下動移動子は、必ずしも正確な直角を意味するものでなく、概略、複数のコンベア列が描く仮想面に対して垂直となっておればよい。そして、上記上下動移動子は、下側に配設したが、当然、上側に配設してもよい。
更に、上記ストッパーは、前記ワークの下面を支承する前記コンベアの前記ワークが搬送される最下流端部のみ、前記上下動移動子をなくして常に前記ワークの下面を支承した状態で停止させるストッパーである。
更にまた、上記回動垂直変換機構は、前記上下動移動子の前記ワークの搬送方向間で回動自在に軸支されており、また、前記シーソー機構の長さ方向に移動自在として、上下動移動子の上下動を自在としたものである。例えば、上記回動垂直変換機構は、上下動移動子のワークの搬送方向間で、回動自在に軸支された基準レバー及び補助レバー、シーソー機構等のレバーは、基準レバー、補助レバー、シーソー機構等のレバーが支軸の長さ方向に移動自在な円柱部材及びそれを嵌合するU字状連結部によって、回転を直線運動に変換するものである。
加えて、上記基準レバーは、一端が前記回動自在な回転軸に堅固に取付けられて、軸支され、他端にベアリングが配設され、前記ワークの存在を前記ワークの底面が前記ベアリングと接触するか否かにより、連結した前記上下動移動子の上昇または下降を決定するものである。即ち、ベアリングに押圧力が加わっているか否かを判断している。
また、上記一端が前記回動自在な回転軸に軸支された基準レバーは、他端にベアリングを配設し、前記ワークの存在を前記ベアリングの前記ワークの底面に接触、非接触により前記ワークの取出し、持上げの有無を判断するものである。
そして、上記補助レバーは、前記ワークが搬送される最下流方向の前記上下動移動子と嵌合または係合して回動自在としたものである。
加えて、本発明のワーク切り出し装置は、前記基準レバーと前記補助レバーとの調節にスプリングの弾性力を与えるものである。
ここで、前記上下動移動子にスプリングの弾性力の付与は、ワークの荷重によって確実に補助レバーのベアリングが沈むように設定できるものであればよく、前記基準レバーと前記補助レバーとの重心位置、即ち、荷重位置の調節、また、前記基準レバーと前記補助レバーとのレバーの長さを調節してもよい。
また、前記回動垂直変換機構は、前記上下動移動子のワークの搬送方向間で、回動自在に軸支された基準レバー及び補助レバー、シーソー機構からなる各レバーは、基準レバー、補助レバー、シーソー機構からなる各種レバーが支軸の長さ方向に移動自在な円柱部材及びそれを把持するU字状の切り欠きによって、回転を直線運動に変換する構成としたものである。
請求項1の発明のワーク切り出し装置は、複数のコンベア列が形成する仮想面に対して垂直方向に移動自在な上下動移動子と、前記ワークの下面を支承する前記コンベアに前記ワークが搬送され、最下流ワーク位置の前記上下動移動子をなくして常に前記ワーク位置で停止させるストッパーと、前記上下動移動子の前記ワークの搬送方向間で、回動自在に軸支されたレバーを有し、かつ、前記レバーの長さ方向に移動自在な回動垂直変換機構と、前記ワークが搬送される最下流ワーク位置の前記上下動移動子が垂直方向に移動自在に結合され、かつ、回動自在に固着された回転軸に軸支した基準レバーと、一端が前記回動自在な回転軸に軸支された基準レバーに取付けられ、他端にベアリングを配設し、前記ワークの存在を前記ベアリングの前記ワークの底面とに接触、非接触により先頭ワークの存在、非存在を判断するものである。
したがって、人手またはロボットのマジックハンドで最下流ワーク位置からワークが運ばれたこと、持上げられたことを検出すると、基準レバーはそれに応じて前記上下動移動子の上昇または下降を決定する。前記ワークの搬送方向の上流側ワーク位置の前記上下動移動子の偶数側と奇数側を逆に上下動させるから、最下流ワーク位置からワークを取り除くと、前記ワークの存在が前記ベアリングの非接触から判断し、しかも、最下流ワーク位置からワークを取り除くと、前記基準レバーに配設されたベアリングが上昇し、それによって、最下流ワーク位置の前記上下動移動子の下降となる。このとき、補助レバーが基準レバーよりも質量が大きく、両者の長さは補助レバーが基準レバーよりも若干長く形成されている。したがって、ワークが最下流ワーク位置にないとき、ベアリングが上昇し、それに伴い補助レバーのベアリングが上昇する。すると、基準レバーに接続されている上下動移動子が下降し、次の川上(ワークの搬送方向の逆)にある上下動移動子が上昇し、その次の川上にある上下動移動子が下降する。
上下動移動子が上昇すると、ワークがそれ以上進行しないように停止させ、上下動移動子が下昇すると、前記ワークが進行し、川下(ワークの搬送方向)にある上下動移動子に衝突して停止する。
即ち、上下動移動子が上昇したとき、到来するワークと衝突し、ワークの移動を停止させる。しかし、上下動移動子が下降したとき、ワークの移動を許容し、ワークの移動を上下動移動子で停止させるまで進行する。ワークは基準レバーのベアリングに支承されているから、最下流ワーク位置にワークが存在していないとき、基準レバーのベアリングがベアリング列で形成する仮想面から突出し、ワーク移動を自在とすべく、上下動移動子が下降する。
したがって、基準レバーのベアリングがベアリング列で形成する平面から突出し、ワークの下面で規制されるものがないから、基準レバーが上方に回動し、最下流(これを第1)とする及び奇数の上下動移動子が下降し、奇数番目の上下動移動子が下降しワークの移動を許容する。
加えて、基準レバーと補助レバーとの重心位置調節には限界があるから、スプリングの弾性力を上下動移動子に与え、ワークの荷重によって確実に基準レバーのベアリングが沈むように設定し、前記基準レバーと前記補助レバーとの重心位置、即ち、荷重の調節、或いは前記基準レバーと前記補助レバーとのレバーの長さを用いてもよい。しかし、スプリングの弾性力を変更すると、ワークの荷重に従って、スプリングの強さを変化させれば、ワークの荷重に対応した装置となる。
また、前記回動垂直変換機構は、前記上下動移動子のワークの搬送方向間で、回動自在に軸支された基準レバー及び補助レバー、シーソー機構等からなるレバーは、基準レバー、補助レバー、シーソー機構等からなるレバーが支軸の長さ方向に移動自在な円柱部材のU字状連結部に対する嵌合によって、回転を前記上下動移動子の直線運動に変換している。
図1は本発明の実施の形態のワーク切り出し装置の全体斜視図である。
図2は本発明の実施の形態のワーク切り出し装置の要部斜視図である。
図3は本発明の実施の形態のワーク切り出し装置のワークの搬送を示す斜視図である。
図4は図2の切断線A−Aによる要部断面図である。
図5は本発明の実施の形態のワーク切り出し装置の基準レバーと補助レバーを示す拡大要部断面図である。
図6は本発明の実施の形態のワーク切り出し装置の最下流ワークの無い状態を示す要部断面図である。
図7は本発明の実施の形態のワーク切り出し装置の最下流ワークの正面図である。
図8は本発明の実施の形態のワーク切り出し装置のスプリングの配設状態を示す要部正面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態において、図示の同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここではその重複する説明を省略する。
[実施の形態]
まず、本発明の実施の形態についてワーク切り出し装置の図1乃至図8を参照して構成について説明する。
搬送するワークW0,W1,W2,W3は、合成樹脂で形成された箱で、上面が開口しており、底面の段差との嵌合によって山積できるものである。ワークW0,W1,W2,W3の内部には、機械部品、電子部品等が収容されている。ワークW0,W1,W2,W3は、機械部品、電子部品自体とすることもできる。本実施の形態のワークW0,W1,W2,W3は合成樹脂で形成されているが、木箱、ダンボール箱等でもよい。
また、本実施の形態のワーク切り出し装置は、2台併設し、ワークW0の停止タイミングで両者を同期させているものである。
左右のコンベア列6a,6bは、そのコンベアの外周の最上部が仮想面を形成するもので、両側の左コンベア列6aと右コンベア列6bは、その周囲の高さが形成する面を同一面としている。ワークW0,W1,W2,W3は、左右のコンベア列6a,6bの上を搬送する。また、左右の案内板7a,7bは、ワークW0,W1,W2,W3が左右のコンベア列6a,6bで形成された軌道を逸脱しないようにガイドするものである。本実施の形態の左右コンベア列6a,6bで形成した列は、ワークW0,W1,W2,W3の下面を支承する玉軸受またはころ軸受等からなるコンベアで形成している。
ストッパー10a,10bは、左右のコンベア列6a,6bの端部に、左右のコンベア列6a,6bの面に対して垂直に形成されたもので、左右のコンベア列6a,6bの面から、常に離脱しないようになっている。即ち、ワークW0,W1,W2,W3の下面を支承するコンベア列6a,6bのワークW0,W1,W2,W3が搬送される最下流ワーク位置21には上下動移動子11,12,13を割り振ることなく、常に特定のワークW0位置で停止させるストッパー10a,10bを配設している。
複数列のコンベア列6a,6bの上面に対して垂直方向に移動して結合自在とした上下動移動子11,12,13は、複数のコンベア列6a,6bの間に配設され、ワークW0,W1,W2,W3が搬送される最下流ワーク位置21を除き、上下動移動子11,12,13は内部ピストン11a,12a,13aが、コンベア列6a,6bの高さ以上に移動したとき、本体フレーム9に取付けたシリンダ11b,12b,13b内を上下動するようになっている。なお、本体フレーム9は本体の形状を特定するものである。
シリンダ11b,12b,13bは、コンベア列6a,6b相互間に接続した支持フレーム11c,12c,13cに接続されている。即ち、上下動移動子11,12,13はコンベア列6a,6bの複数の列間に配設され、ワークW0,W1,W2,W3が搬送される複数列のコンベア列6a,6bが形成する仮想面に対して垂直方向(略垂直方向)に移動して結合自在としている。
ストッパー10a,10bと複数のコンベアからなるコンベア列6a,6b間で支承され、支持フレーム11cに配設した上下動移動子11とで最下流ワーク位置21を構成している。また、コンベア列6a,6b間で支承し、支持フレーム11c及び支持フレーム12cに配設した上下動移動子11及び上下動移動子12とでワーク位置22を構成している。そして、コンベア列6a,6b間で支承し、支持フレーム12c及び支持フレーム13cに配設したワーク位置23を構成している。コンベア列6a,6b間で支承し、上下動移動子13及び図示しない上下動移動子14とでワーク位置24を構成している。
なお、複数のコンベアからなるコンベア列6a,6bは、上流側を高く、下流側を低くし、ワークW0,W1,W2,W3が自然に搬送されるようにポテンシャルエネルギを得ている。
ここで最下流ワーク位置21が、ワーク位置22、ワーク位置23よりも容積が大きいのは、作業員Mの人手またはロボットのマジックハンドでワークW0が持上げられるか、移動されるものであるから、ワークW0,W1,W2,W3の用途を特定することのない汎用性を高くしたものである。
最下流ワーク位置21の下部に配設した回転軸31は、両端を軸受31a,31bで回動自在に軸支している。回転軸31に対して基準レバー2及び補助レバー3が一体に、堅固に配設されている。即ち、回転軸31に対して基準レバー2及び補助レバー3の基部が回動しないように堅固に、かつ、一体に固着されている。
基準レバー2の自由端は、玉軸受またはころ軸受等からなるベアリング2aの何れかが配設されており、基準レバー2のベアリング2aから回転軸31までの長さがL1とし、その重心の位置にGR[kg]が加わっているとする。
また、補助レバー3のU字状の切り欠きの自由端は、上下動移動子11の内部ピストン11aの下部に圧入係合させた円柱部材3cが固着されたものが、補助レバー3のU字状連結部3bに嵌合している。基準レバー2及び補助レバー3の回動は、上下動移動子11の内部ピストン11aの下部の円柱部材3cが補助レバー3の端部のU字状連結部3bを移動しながら回動する。これにより、基準レバー2及び補助レバー3のシーソ運動等の回動は上下動移動子11の内部ピストン11aの上下運動になる。上下動移動子11は上下運動を、補助レバー3は回動するから、円柱部材3cが補助レバー3の端部のU字状連結部3bを往復道することになる。補助レバー3の自由端は、このU字状の端部、即ち、U字状連結部3bとなっている。補助レバー3の端部の円柱部材3cから回転軸31までの長さがL2であり、その重心の位置にGL[kg]が加わっている。
したがって、基準レバー2及び補助レバー3の重心には、GR×L1/2よりもGL×L2/2が大であり、形式的には、GL×L1/2>GR×L2/2で現される。
GL×L1/2がGR×L2/2よりも大きいから、補助レバー3が下がり、基準レバー2の自由端に配設されているベアリング2aが上昇し、ワークW0の存在があれば両者が当接し、また、ワークW0の存在がないときには、基準レバー2の自由端に配設されたベアリング2aが最上昇する。
したがって、基準レバー2及び補助レバー3の重心で調節するとき、「GR×L1/2」と「GL×L2/2」では、「GR」が「GL」の2倍であるとき、レバーの長さの違いを、前者が2分の1の「L1/2」とすることができる。
ワーク位置22の下部に配設した回転軸32は、両端を回動自在に配設した軸受32a,32bで回動自在に軸支している。回転軸32に対してはシーソー機構4が一体に配設されている。即ち、回転軸32に対してシーソー機構4の基部が回動しないように堅固に、かつ、一体に固着されている。シーソー機構4の両端は、U字状連結部4a,4bの端部となっており、上下動移動子11を構成する内部ピストン11aの下部の円柱部材3cと嵌合している。回転軸32はシーソー機構4の中心位置に配設しており、U字状連結部4aとU字状連結部4bとの距離は、均衡が取れるように長さL2を設定している。
シーソー機構4のU字状連結部4aは、上下動移動子11の内部ピストン11aの下部の円柱部材3cと嵌合し、また、U字状連結部4bは上下動移動子12の内部ピストン12aの下部のU字状連結部4aと嵌合している。
また、ワーク位置23の下部に配設した回転軸33は、両端を回動自在に配設した軸受33a,33bで回動自在に軸支している。回転軸33に対してはシーソー機構5が一体に配設されている。即ち、回転軸33に対してシーソー機構5の基部が回動しないように堅固に、かつ、一体に固着されている。シーソー機構5の両端は、U字状連結部5a,5bとなっており、上下動移動子12の内部ピストン12aの下部の円柱部材4cと嵌合している。回転軸33はシーソー機構5の中心位置に配設しており、U字状連結部5aとU字状連結部5bまでの距離は、均衡が取れるように長さを設定している。
シーソー機構5のU字状連結部5aは、上下動移動子12の内部ピストン12aの下部の円柱部材5cと嵌合し、また、U字状連結部5bは上下動移動子13の内部ピストン13aの下部の円柱部材5cと嵌合している。
このように、上下動移動子11,12,13のワークW0,W1,W2,W3の搬送方向の間で、回動自在に軸支された基準レバー2及び補助レバー3、シーソー機構4,5のレバーは、基準レバー2、補助レバー3、シーソー機構4,5のレバーが回転軸31,32,33の長さ方向に移動自在な円柱部材3c,4c,5c及びU字状連結部3b,4b,5bによって、回転を直線運動に変換する回動垂直変換機構を構成している。
また、シーソー機構4,5は、上下動移動子11,12,13の設定条件によって均一距離としているが、基準レバー2と補助レバー3の重心位置によっては、シーソー機構4,5と同一比率としてもよいし、逆に、特定の比率に設定してもよい。
基準レバー2と補助レバー3の一体化は、基準レバー2が回動角度αに設定している。この回動角度αは任意に設定できるが、通常、10〜60度程度に設定される。
補助レバー3は、ワークW0,W1,W2,W3が搬送される最下流ワーク位置21の上下動移動子11が垂直方向に移動自在に結合され、かつ、回動自在に固着された回転軸31の回転軸に軸支したものである。このワークW0,W1,W2,W3は、通常、同一規格化された形状のものを搬送するものであるから、複数のスプリングを用意しておき、ワークW0,W1,W2,W3の荷重に応じて、上下動移動子11及び上下動移動子13に対して下方に荷重をかけてもよい。勿論、変位させる距離が少ないから、図8のスプリング52のように、回動自在としても大きな誤差が生じないので使用上のトラブルは生じない。
また、基準レバー2は、一端が回動自在な回転軸31に軸支された補助レバー3に取付けられ、他端にベアリング2aを配設し、ワークW0,W1,W2,W3の存在をベアリングのワークW0,W1,W2,W3の底面に接触、非接触の判断をするものであるこれにより、上下動移動子11,12,13の上昇または下降を決定している。
このように、本実施の形態のワーク切り出し装置は、ワークW0,W1,W2,W3の搬送に対して、ワークW0,W1,W2,W3の下面を支承する玉軸受またはころ軸受等からなるコンベアと、複数のコンベア列6a,6b間に配設され、ワークW0,W1,W2,W3が搬送される最下流ワーク位置21を除き、複数列のコンベア面に対して垂直方向に移動して結合自在とした上下動移動子11,12,13と、ワークW0,W1,W2,W3の下面を支承するコンベアのワークW0,W1,W2,W3が搬送される最下流ワーク位置21を上下動移動子11,12,13をなくして常に特定のワークW0,W1,W2,W3の位置で停止させるストッパー10a,10bと、上下動移動子11,12,13のワークW0,W1,W2,W3の搬送方向の間で、回動自在に軸支された基準レバー2及び補助レバー3、シーソー機構4,5等のレバー有し、かつ、基準レバー2及び補助レバー3、シーソー機構4,5等のレバーの長さ方向に移動自在な回動垂直変換機構と、ワークW0,W1,W2,W3が搬送される最下流ワーク位置21の上下動移動子11,12,13が垂直方向に移動自在に結合され、かつ、回動自在に固着された回転軸に軸支した基準レバーと、一端が前記回動自在な回転軸に軸支された補助レバー3に取付けられ、他端にベアリング2aを配設し、ワークW0,W1,W2,W3の存在を前記ベアリングのワークW0,W1,W2,W3の底面に接触、非接触することにより、上下動移動子11,12,13の上昇または下降を決定する基準レバー2を具備するものである。
したがって、本実施の形態のワーク切り出し装置に、ワークW0,W1,W2,W3が載せられていない状態では、図1に示すように、本体フレーム9の上部に位置する複数のコンベア列6a,6bの外周のトップで形成する平面に、ワークW0,W1,W2,W3が載せられるように最下流ワーク位置21を最下部位置とし、ワーク位置22、ワーク位置23、ワーク位置24と特定の傾斜で配設されている。故に、上下動移動子11,12,13が配設されていなければ、ワークW0,W1,W2,W3は、図1の左側から右側に搬送される。また、ストッパー10a,10b側には、ロボットまたは作業員Mの人間が配置される。次の工程に合わせて、その高さ調節等がなされる。
図3に示すように、上下動移動子11,12,13が配設されていると、上下動移動子11,13が上昇しているとき、上下動移動子12が下降する。逆に、上下動移動子11,13が下降しているとき、上下動移動子12が上昇する。通常、各ワークW0,W1,W2,W3の長さは、上下動移動子11,12,13の配設間隔よりも長く形成されている。したがって、上下動移動子11,12,13が同時にワークW0,W1,W2,W3を停止させるのは、ストッパー10a,10bがワークW0、上下動移動子11がワークW1、上下動移動子13がワークW2を各々停止させる。このとき、上下動移動子12は下降しており、ワークW1の底面と接触している。
したがって、ベアリング2aがワークW0,W1,W2,W3の底面と衝突しているとき、上下動移動子11,13によるワークW0,W1の移動が停止されている。
ここで、最下流ワーク位置21の空間からワークW0,W1,W2,W3を取り上げると、コンベア列6a,6bの平面からベアリング2aが突出し、コンベア列6a,6bの平面よりもベアリング2aが高い位置となり、補助レバー3はその上下動移動子11側を左回転方向に回動する。これによって、上下動移動子11は垂直方向を下方向に移動させ、上下動移動子11に止められているワークW1を解放し、ワークW1が最下流ワーク位置21側に移動する。このとき、基準レバー2の上下動移動子11は、上下動移動子12と同様、円柱部材3cがU字状連結部4aとの間の嵌合で、摺動自在の状態となっている。
なお、上下動移動子12の上昇はワークW1の移動が同時に行われるから支障になるまで変化していない。しかし、上下動移動子12の上昇は上下動移動子13の下降により、ワークW2の移動が行われるとき、衝突によって、ワークW2の移動止めとなり、ワークW2の移動停止となる。
上下動移動子11が最下流ワーク位置21の領域に搬送すると、ワークW1が上下動移動子11を越えて搬送され、ワークW1の先端が基準レバー2のベアリング2aを押し下げる。この押し下げは、上下動移動子11の内部ピストン11aの上昇となる。上下動移動子11の内部ピストン11aの上昇により、ワークW2の移動がそれによって停止され、ワークW0,W1,W2,W3が1段づつ移動したことになる。
したがって、先頭のワークW0と続くワークW1の分離は物理的に、基準レバー2のベアリング2aに検出させ、それによって、ワークW0,W1,W2,W3の停止位置を上下動移動子11,13で定め、しかも、先頭のワークW0まで傾斜下り坂の位置で使用できる装置することができる。
本実施の形態のように、最下流ワーク位置21の領域に先頭のワークW0の有無を判断し、最下流ワーク位置21の領域に先頭のワークW0がないときのみ、ワークW0,W1,W2,W3が1段づつ降下するものであるから、最下流ワーク位置21の領域に先頭のワークW0が存在するときには、搬送されないので、信頼性の高い装置となる。
本実施の形態のワーク切り出し装置は、基準レバー2と補助レバー3との重心位置の設定に代えて、上下動移動子11,12,13の内部ピストン11a,12a,13aとシリンダ11b,12b,13bとの間に、図8のスプリングボックス50のように、直接スプリング52を介在させることができ、内部ピストン11a,12a,13aとシリンダ11b,12b,13bとの間に、弾性力を付与することができる。
殊に、図8に示すように、回転軸32に弾性付与アーム51を配設して本体フレーム9と一体に取付けた固定金具54との間に、調整ねじ53を介してスプリング52が配設されている。したがって、上下動移動子11,12,13と基準レバー2とのトータル荷重を測定し、上下動移動子11,12,13が上下動する荷重のバランスを調整し、基準レバー2のベアリング2aの上昇する力の調節を行うことができる。
上記実施の形態のワーク切り出し装置は、複数列の玉軸受またはころ軸受等からなるコンベアが形成されてなるコンベア列6a,6bの仮想面に対して垂直方向に移動自在な上下動移動子11,12,13と、ワークW0,W1,W2,W3の下面を支承するコンベアにワークW0,W1,W2,W3が搬送され、最下流ワーク位置21の上下動移動子11,12,13をなくして常にワークW0,W1,W2,W3の位置で停止させるストッパー10a,10bと、上下動移動子11,12,13のワークW0,W1,W2,W3の搬送方向間で、回動自在に軸支された基準レバー2及び補助レバー3、シーソー機構4,5等のレバーを有し、かつ、基準レバー2及び補助レバー3、シーソー機構4,5等のレバーの長さ方向に移動自在な回動垂直変換機構と、ワークW0,W1,W2,W3が搬送される最下流ワーク位置21の上下動移動子11,12,13が垂直方向に移動自在に結合され、かつ、回動自在に固着された回転軸31に軸支した基準レバー2と、一端が回動自在な回転軸に軸支された基準レバー3の他端にベアリング2aを配設し、ワークW0,W1,W2,W3の存在をベアリング2aのワークW0,W1,W2,W3の底面とにベアリング2aが接触、非接触により判断するワーク判別機構とを具備するものである。
作業員Mの人手またはロボットのマジックハンドでワークW0,W1,W2,W3が持上げられたことを検出すると、補助レバー2は上下動移動子11,12,13の上昇または下降を決定する。ワークW0,W1,W2,W3の搬送方向の上流側ワーク位置22,23,24の上下動移動子11,12,13の偶数側と奇数側を逆に上下動させるから、最下流ワーク位置21からワークW0,W1,W2,W3を取り除くと、ワークW0,W1,W2,W3の存在がベアリング2aの非接触から判断し、しかも、最下流ワーク位置21からワークW0,W1,W2,W3を取り除くと、補助レバー3のベアリングが上昇し、それによって、最下流ワーク位置21の上下動移動子11,12,13の下降となる。このとき、基準レバー2が補助レバー3よりも質量が大きく、両者の長さは基準レバー2が補助レバー3よりも若干長く形成されている。したがって、ワークW0,W1,W2,W3が最下流ワーク位置21にないとき、ベアリング2aが上昇し、それに伴いベアリング2aが上昇する。すると、基準レバー2に接続されている上下動移動子が下降し、次の川上にある上下動移動子11,12,13が上昇し、次の川上にある上下動移動子11,12,13が下降する。
上下動移動子11,12,13が上昇すると、ワークW0,W1,W2,W3がそれ以上進行しないように停止させ、上下動移動子11,12,13が下降すると、ワーク位置が進行し、川下にある上下動移動子11,12,13に衝突して停止する。
即ち、上下動移動子11,12,13が上昇したとき、到来するワークW0,W1,W2,W3と衝突し、ワークW0,W1,W2,W3の移動を停止させる。しかし、上下動移動子11,12,13が下降したとき、ワークW0,W1,W2,W3の移動を許容し、ワークW0,W1,W2,W3の移動を上下動移動子11,12,13で停止させるまで進行する。
ワークW0,W1,W2,W3は基準レバー2のベアリング2aに支承されているから、最下流ワーク位置21にワークW0,W1,W2,W3が存在していないとき、基準レバー2のベアリング2aが複数のコンベア列6a,6bで形成する平面から突出し、最下流ワーク位置21の移動を自在とすべく、上下動移動子11,12,13が下降する。
したがって、基準レバー2のベアリング2aが複数のコンベア列6a,6bで形成する平面から突出し、ワークW0,W1,W2,W3の下面で規制されるものがないから、基準レバー2が上方に回動し、奇数の上下動移動子11,12,13が下降し、奇数番目の上下動移動子11,12,13が下降し、ワークW0,W1,W2,W3の移動を許容する。
上記実施の形態のワーク切り出し装置は、基準レバー2と補助レバー3との重心位置の設定に代えて、上下動移動子11,12,13にスプリングの弾性力を与えるものであるから、基準レバー2と補助レバー3との重心位置の設定を荷重のみで行うには限界があるが、スプリングの弾性力を上下動移動子11,12,13に与え、ワークW0,W1,W2,W3の荷重によって確実に基準レバー2のベアリング2aが沈むように設定できる。
また、本体フレーム9の複数のコンベア列6a,6bは、本実施の形態においては、図7の角度θが、0〜30度での使用が好適である。但し、本実施の形態において、コンベア列6a,6bが0〜10度の場合には、コンベア列6a,6bに駆動用ローラを配設し、それによる駆動源が存在していることを意味する。
本実施の形態のコンベア列6a,6bは、電気的な制御を行う場合にも、基準レバー2のベアリング2aの揺動をマイクロスイッチ等のスイッチング信号とすれば、電気的制御にも使用することができる。また、ワークW0の制御として、作業員Mが上記実施の形態のワーク切り出し装置から人為的に取り出す工程を前提として説明したが、本発明を実施する場合には、ワークW0の検出からロボットに処理させることもできる。
また、本実施の形態のコンベア列6a,6bの外側に、左右の案内板7a,7bを取付けているが、本発明を実施する場合には、必ずしも必要とするものではない。
そして、本実施の形態のワーク切り出し装置は、上下動移動子11,13と上下動移動子12とがコンビで移動するものワークW0,W1,W2,W3としては、ワークW0,W1,W2,W3の搬送方向の長さ変化が、0.2〜1.8倍程度に大きさが変化しても、それを処理することができる。結果、このとき、ワークW0,W1,W2,W3の大きさは、最下流ワーク位置21の大きさに左右されるので、最下流ワーク位置21の大きさを1.8倍程度に設定するのが望ましい。
M 作業員
W0,W1,W2,W3 ワーク
2 基準レバー
3 補助レバー
4,5 シーソー機構
3b U字状連結部
4a,4b U字状連結部
5a,5b U字状連結部
6a,6b コンベア列
9 本体フレーム
10a,10b ストッパー
11,12,13 上下動移動子
11a,12a,13a 内部ピストン
11b,12b,13b シリンダ
11c,12c,13c 支持フレーム
21 最下流ワーク位置
22,23,24 ワーク位置
31,32,33 回転軸
50 スプリングボックス