JPH0824763A - 塗装装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗料タンクの塗料をブラシないしローラに供
給する手段を備えた塗装装置に関し、塗料の粘度に係わ
らず適量の塗料を供給でき、色替え作業を円滑に行うこ
とができる塗装装置を提供することを目的としている。 【構成】 ブラシ２ないしローラを備えた本体１の上面
には塗料タンク５が着脱可能に設けられている。塗料タ
ンク５からブラシないしローラに連なる管路３の途中で
塗料の流量を調節する絞り装置４が設けられており、こ
の絞り装置４は塗料を強制的に送る手段６を備えてい
る。絞り装置４は、トリガ６５等の操作手段を備えたピ
ストン６を有するシリンダで構成できる。塗料の粘度が
小さいときはピストン６を常時管路３を絞る位置に位置
させ、粘度が大きいときは管路３を開放する位置に位置
させる。ピストン６を往復動させて塗料を強制的に送
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、塗料タンクの塗料を
ブラシないしローラに供給する手段を備えた塗装装置に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】供給手段を持つ塗装装置としては、実開
昭６３−１６７６号公報に開示されたものがある。この
装置は、内蔵された手動のポンプでブラシに塗料を供給
するようになっている。この装置は、ポンプを操作して
ブラシに適量の塗料を供給したあと塗装作業を行い、塗
装作業中に塗料が不足したときは、再びポンプを操作し
て塗料をブラシに送り込むものである。

【０００３】上記装置における塗料の色替えは、塗料タ
ンクに残った塗料をペンキ罐へ戻し、ポンプを分解洗浄
したあと組み立て、新しい塗料を塗料タンクに入れるこ
とによって行う。しかし色替えごとにポンプを分解洗浄
するのは面倒であるから、従来は、少量で多色の塗装を
するような用途の場合には、はけやローラを使って塗装
していた。

【０００４】そこで、本願出願人は、先の出願（実願平
５−７３３８３号）で色替え時にポンプを分解洗浄する
必要がない塗装装置を提唱した。この装置は、ペンキ罐
の上部に気密構造でポンプを添設し、一端がペンキ罐内
の塗料に浸漬し他端がブラシに接続されたチューブを設
け、ポンプでペンキ罐内に圧縮空気を送って塗料に圧力
を加えてチューブを介してブラシに塗料を供給するもの
である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、塗料の粘度
は、メーカーや塗料の使用目的、原材料などで異なって
おり、上記のような塗装装置は、粘度の高い塗料（例え
ば油性塗料）を使用する場合は好都合であるが、粘度の
低い塗料（例えば水性塗料）を使用する場合にはブラシ
への塗料供給量が過剰になってしまうという問題があ
る。

【０００６】本発明は、塗料の粘度に係わらずブラシや
ローラに適量の塗料を供給することができ、色替え作業
を円滑に行うことができる塗装装置を提供することを目
的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の塗装装置は、ブ
ラシ２ないしローラ２ａを備えた本体１，１ａを有して
いる。この本体１，１ａの上面には塗料タンク５が着脱
可能に設けられており、塗料タンク５と本体１，１ａと
は本体の上面に設けられた取付口４０を介して連通して
いる。本体１，１ａには、前記取付口からブラシないし
ローラに連なる管路３，３ａ，４１と、この管路３，３
ａ，４１の途中で塗料の流量を調節する絞り装置４とが
内蔵されている。この絞り装置４は、塗料を強制的に送
る手段６を備えている。

【０００８】前記絞り装置４は、トリガ６５で操作され
るピストン６を有するシリンダで構成できる。ピストン
６をシリンダの塗料流入口４１を開放する位置に位置さ
せるバネ６７を設けて塗料を自重で流動させ、トリガ６
５を押してピストン６を前進位置で保持することにより
塗料の流量を絞り、トリガ６５を繰り返し押してピスト
ン６を前後させることにより塗料をブラシ２に強制的に
供給する。

【０００９】また前記絞り装置４は、摘み６８で操作さ
れるピストン６を有するシリンダで構成できる。ピスト
ン６をシリンダの塗料流入口４１を閉鎖する位置に位置
させるバネ４４を設けて塗料の流量を絞り、摘み６８を
引いてピストン６を後退位置で保持することにより管路
３ａ，４１を開放して塗料を自重で流動させ、摘み６８
を繰り返し引いてピストン６を前後させることにより塗
料をローラ２ａに強制的に供給する。

【００１０】

【作用】上記構成の塗装装置は、ブラシないしローラ
２，２ａに供給する塗料の粘度が中程度ないし低いと
き、即ち塗料が自重でブラシないしローラ２，２ａ側に
流動するときは、絞り装置４を操作してシリンダの塗料
流入口４１を絞り、適量の塗料が常時供給されるように
する。塗料粘度が高くて塗料が自重でブラシないしロー
ラ２，２ａに供給されないときは、絞り装置４がポンプ
の機能を発揮して塗料を強制的に送る。従って塗料の粘
度に係わらず、適量の塗料をブラシやローラに供給する
ことができる。

【００１１】水性塗料を使用したときの色替えや使用後
の洗浄は、装置を天地逆にして塗料を戻し、塗料タンク
５を外す。塗料タンクが装着されていた塗装装置の取付
口４０にアタッチメント５１を設置し、その先端に水道
ホース５４を止着して水道水を送ってシリンダ４や管路
３，３ａ，４１を洗浄する。また、油性塗料を使用した
ときの色替えや使用後の洗浄は、塗料のうすめ液を供給
することにより油性塗料の洗浄も可能である。

【００１２】

【実施例】図１はこの発明の第１実施例を示したもので
ある。本実施例の塗装装置は、ブラシ式塗装装置であ
り、拳銃型の本体１を有している。本体１の先端（銃口
付近）にブラシ２が植設されており、ブラシの根元付近
に塗料を供給するチューブ管３の一端３０が本体１から
突出した状態で開口している。チューブ管３０の他端３
１は、本体１の中心部に設けられているシリンダ４のノ
ズル３６に連結されている。シリンダ４の上面中央には
本体１の上面に設けられた取付口４０に連通する塗料流
入口４１が設けられており、取付口４０の上部に設けた
雌ネジ４２に塗料供給口の雄ネジ５２を螺合して、塗料
タンク５を本体１に着脱自在に装着している。５０は塗
料タンクの上面に設けられた通気孔である。

【００１３】シリンダ４に内蔵されたピストン６には反
ノズル側に延びるロッド６０が連結されており、その先
端に設けた連結ピン６１が本体１に支点ピン６２で支持
されたシーソリンク６３の上端に長孔６４を介して連結
されている。シーソリンク６３の他端は本体１の下部
（把手）に摺動自在に設けられたトリガ６５の軸６６に
枢着されている。本体とシーソリンクとの間には引張バ
ネ６７が介装されており、常にピストン６を後退方向
（トリガの突出方向）に引っ張っている。後退位置では
ピストン６は塗料タンクに連通する塗料流入口４１を閉
鎖しておらず、引張バネに抗してトリガ６５を押すと、
ピストン６は塗料流入口４１を完全に塞ぐ位置（図１の
想像線）まで進出する。

【００１４】本実施例の装置において、粘度の低い塗料
を使用する場合にはトリガ６５を少し引いた状態、即ち
ピストン６が塗料流入口４１の一部を閉鎖する位置でト
リガを保持しながら塗装作業を行う。この場合、ピスト
ンは流量調整弁の作用をなし、ブラシ２に過剰の塗料が
供給されることを防止する。塗料の粘度が中程度である
場合は、トリガ６５を離して塗装作業を行う。このと
き、塗料はその粘性によって適量がブラシ２の根元へ供
給される。塗料の粘度が高いときは、トリガ６５を繰り
返して押しながら塗装作業を行う。トリガ６５を引く力
がシーソリンク６３及びピストン６を介してシリンダ４
に伝達され、シリンダ内の塗料に圧力をかけるので塗料
が強制的にブラシ２の根元に供給される。ピストン６が
戻る時にシリンダ４に設けられた塗料流入口４１から塗
料が補充される。以上のように、本実施例の装置は、塗
料の粘度にかかわらず、常にブラシ２に適量の塗料を供
給できる。

【００１５】図２は本発明の第２実施例を示したもので
ある。本実施例の装置は、ローラ式の塗装装置であり、
塗料タンク５を着脱自在に設けた太いパイプ状の本体１
ａを有している。本体１ａの先端には、軸方向に延び、
一旦右側に９０度屈曲して一定の距離延びたあとに下方
に９０度屈曲し、後述するローラ２ａの半径より大きな
距離だけ延びたあと、左に９０度屈曲して水平に延びる
中空パイプ３ａが設けられている。

【００１６】図３に示すように、中空パイプ３ａの先端
はキャップ３２により閉鎖されており、キャップの近傍
及び先端側の屈曲部付近に軸受３３が設けられている。
軸受３３、３３の間の中空パイプ３ａには多数の分配孔
３４が穿設されている。軸受３３の外輪にはパンチング
メタルで製作されたパイプ軸３５が固着されており、そ
の外周面にスポンジ製のローラ２ａが固着されている。

【００１７】本体１ａには第１実施例と同様な構造のシ
リンダ４が内蔵されている。シリンダのピストン６に連
結されたロッド６０は、中空パイプ３ａと反対側に延び
て本体の外に突出し、その先端にリング状の摘み６８が
設けられている。ピストン６とシリンダ４のロッド側側
壁４３との間には、圧縮バネ４４が嵌め込まれている。
圧縮バネ４４は、塗料タンクに連なる塗料流入口４１を
完全に塞ぐ位置にピストン６を位置させている。

【００１８】本実施例の装置において、粘度の高い塗料
を使用するときは、ロッド６０を引っ張って離すという
操作を繰り返してピストン６を往復動させ、塗料をロー
ラ２ａに強制的に供給する。塗料の粘度が低いとき又は
中程度のときは、ロッド６０を少し引いた状態、即ちピ
ストン６で塗料流入口が一部開放された状態で塗料を供
給する。

【００１９】なお、第１、第２実施例において色替えを
行うときは、塗料タンク５の通気孔５０を塞いだ後に、
装置を天地逆にして塗料タンク５を外す。次に図４に示
すようなアタッチメント５１を塗装装置の取付口の雌ネ
ジ４２に螺合する。アタッチメント５１をその鍔５３が
取付口に当接するまで螺進して固定し、他端に水道の蛇
口に連通するホース５４の先端を止着する。ホース５４
を介して水道水を送り、前色が付着したシリンダ４やチ
ューブ管３、中空パイプ３ａの中を洗浄する。

【００２０】また、扱う塗料が油性塗料の場合、前記し
た方法は使えないが、塗料のうすめ液を取付口４０から
圧力をかけて供給することにより、油性塗料の洗浄も可
能である。塗料タンクは、塗料別に複数個分を用意して
おけば、塗料タンクの清掃作業をしなくてよい。

【００２１】このようにして清掃したのちに、新しい塗
料タンクを装着する。塗料タンクの通気孔５０に予め粘
着テープないしキャップを貼付しておき、塗料タンクに
新しい塗料を入れ、本体を天地逆にしてその取付口を塗
料タンクの注ぎ口に螺合する。本体を正しい姿勢に直し
て粘着テープないしキャップを取り外す。

【００２２】なお、一般に市販されているペンキ罐の注
ぎ口を閉鎖している蓋がネジ蓋で、その寸法が本体の取
付口の雌ネジ４２と噛み合うような場合は、ペンキ罐の
底面に工具などで通気孔を設けることによって、ペンキ
罐自体を塗料タンクとして使用する事が出来る。

【００２３】

【発明の効果】以上説明した本発明によれば、塗料の粘
度にかかわらず適量の塗料をブラシやローラに供給する
ことができる。また、色替えや使用後の洗浄の際に装置
を分解する必要がなく、簡単に清掃することができ、作
業者の負担が大幅に軽減される。本体の塗料タンク取付
口を市販のペンキ罐の注ぎ口と螺合する寸法にしてやれ
ば、市販のペンキ罐をそのまま塗料タンクとして使用す
ることができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例の断面図

【図２】本発明の第２実施例の斜視図

【図３】本発明の第２実施例のローラの断面図

【図４】本発明の装置の清掃用器具の一例の断面図

【符号の説明】

1,1a 本体 2,2a ブラシないしローラ 3,3a,41 管路 ４ シリンダ ５ 塗料タンク ６ ピストン 40 取付口 41 塗料流入口 44 渦巻きバネ 65 トリガ 67 引張りバネ 68 摘み

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ブラシ(2) ないしローラ(2a)を備えた本
   体(1,1a)を有しており、この本体(1,1a)の上面には塗料
   タンク(5) が着脱可能に設けられており、塗料タンク
   (5) と本体(1,1a)とは本体の上面に設けられた取付口(4
   0)を介して連通しており、本体(1,1a)には前記取付口か
   らブラシないしローラに連なる管路(3,3a,41) とこの管
   路(3,3a,41) の途中で塗料の流量を調節する絞り装置
   (4) とが設けられており、この絞り装置(4) は塗料を強
   制的に送る手段(6) を備えていることを特徴とする、塗
   装装置。
2. 【請求項２】 絞り装置がトリガ(65)で操作されるピス
   トン(6) を有するシリンダ(4) であり、ピストン(6) を
   シリンダの塗料流入口(41)を開放する位置に位置させる
   バネ(67)を設けて塗料を自重で流動させ、トリガ(65)を
   押してピストン(6) を前進位置で保持することにより塗
   料の流量を絞り、トリガ(65)を繰り返し押してピストン
   (6) を前後させることにより塗料をブラシ(2) に強制的
   に供給することを特徴とする、請求項１記載の塗装装
   置。
3. 【請求項３】 絞り装置が摘み(68)で操作されるピスト
   ン(6) を有するシリンダ(4) であり、ピストン(6) をシ
   リンダの塗料流入口(41)を閉鎖する位置に位置させるバ
   ネ(44)を設けて塗料の流量を絞り、摘み(68)を引いてピ
   ストン(6) を後退位置で保持することにより管路(3a,4
   1) を開放して塗料を自重で流動させ、摘み(68)を繰り
   返し引いてピストン(6) を前後させることにより塗料を
   ローラ(2a)に強制的に供給することを特徴とする、請求
   項１記載の塗装装置。