JP2019070189A - 高剛性Fe基合金 - Google Patents

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Abstract

【課題】乗用車用ターボチャージャのシャフト材等として用いるのに好適な、溶解、圧延法等の汎用的な製造方法で製造可能であり、高剛性であり、かつ耐力が高く、延性が良好なFe基合金を提供する。【解決手段】Cr:0〜37.5at%、Mo:0〜8.0at%、W:0〜3.5at%、Ti:0〜5.0at%、Si:0〜7.0at%、C:0〜4.0at%、B:0〜10.0at%、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、式(1):P1=0.2[%Cr]+0.75[%C]+1.5[%B]+2[%W]によって求められる合金指数P1が12.0〜20.5の範囲内であり、かつ式(2):P2=[%Mo]+2.5[%W]+0.5[%Si]+0.5[%Ti]によって求められる合金指数P2が6.5〜12.0の範囲内であることを特徴とするFe基合金。【選択図】なし

Description

本発明は、高剛性Fe基合金に関し、特に、乗用車用ターボチャージャのシャフト材等として用いるのに好適な、高剛性であり、かつ耐力が高く、延性が良好なFe基合金に関する。
近年、乗用車等に搭載されるターボチャージャなど回転運動を利用する機械では、性能向上のため、高速回転を可能とすることが求められている。そのため、例えばターボチャージャの場合には、タービンホイール、コンプレッサーホイールなどを取り付けるシャフト材の剛性向上が求められている。
シャフト材の剛性が向上すると、高速回転時の振れが小さくなるため、タービンホイールがハウジングと接触することが低減される。また、共振周波数が高くなるため、高速回転しても共振が抑制されるなどのメリットがある。
高剛性の材料を開発するための従来の試みとしては、例えば、以下の特許文献1および2が挙げられる。特許文献1では、鉄を主成分とするマトリックス相中に4A族(チタン族)元素のホウ化物を主成分とする強化相が分散しており、ヤング率が230GPa以上で耐力(0.2%耐力)が450MPa以上である鉄基複合材料からなる高剛性部をもつことを特徴とする回転軸部材が提案されている。また、特許文献2では、鉄または鉄合金よりなるマトリックスと、マトリックス中に分散保持された4A族元素のホウ化物と、を含む高剛性鋼において、マトリックスに分散される4A族元素のホウ化物および他のホウ素を含む化合物ならびに4A族元素を含む金属間化合物を調整することが提案されている。
特開第2001−234918号公報 特開第2001−59146号公報 特開第2014−202152号公報
シャフト材の剛性は、材料のヤング率によって表すことができ、このヤング率の値が高いことが最も重要な特性のひとつである。また、シャフト材に求められるその他の性能としては、例えば、以下の点が挙げられる:1)耐力が高いこと;回転速度が上がるとシャフトに負荷される応力も大きくなる。また、シャフトは弾性域で使用する必要がある。従って、より高速での回転に伴う負荷応力増加に対応するためには、シャフト材の耐力(即ち弾性応力域)が高い必要がある。2)ある程度の延性を有すること;製造中の切削加工性向上や製品の信頼性確保のため、一定の延性が必要である。3)溶解、圧延法等の汎用的な製造方法で製造できること;シャフトなどの対象製品は、一般に大量生産品であるため、粉末冶金などの高コストな製造方法によって製造した場合には製品コストが高くなり、商品の価格競争力が低下する。
しかしながら、特許文献1、2のような従来の高剛性材料では、剛性に優れる一方で、切削加工性に著しく劣るという問題点があった。この点は、特許文献3でも指摘されており、材料中のホウ化物の体積率が多過ぎることが原因であると考えられる。また、従来の高剛性材料の製造方法は粉末冶金法に限られていたため、製品コストが高くなり、シャフトなどの製品の価格競争力が低下することが懸念されていた。
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものである。即ち、本発明は、溶解、圧延法等の汎用的な製造方法で製造可能であり、高剛性であり、かつ耐力が高く、延性が良好なFe基合金を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明の一局面では、Cr:0〜37.5at%、Mo:0〜8.0at%、W:0〜3.5at%、Ti:0〜5.0at%、Si:0〜7.0at%、C:0〜4.0at%、B:0〜10.0at%、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、式(1):P=0.2[%Cr]+0.75[%C]+1.5[%B]+2[%W](式(1)中、[%Cr]、[%C]、[%B]、[%W]は、Cr、C、B、Wの配合比(at%)を意味する)によって求められる合金指数Pが12.0〜20.5の範囲内であり、かつ式(2):P=[%Mo]+2.5[%W]+0.5[%Si]+0.5[%Ti](式(2)中、[%Mo]、[%W]、[%Si]、[%Ti]は、Mo、W、Si、Tiの配合比(at%)を意味する)によって求められる合金指数Pが6.5〜12.0の範囲内であることを特徴とするFe基合金が提供される。
上記Fe基合金は、Cr、W、C、Bからなる群より選択される少なくとも2種の元素を含有することが好ましい。
また、上記Fe基合金は、Mo、W、Si、Tiからなる群より選択される少なくとも2種の元素を含有することが好ましい。
また、上記Fe基合金は、CrおよびBを必須元素として含有することが好ましい。
本発明によれば、溶解、圧延法等の汎用的な製造方法で製造可能であり、高剛性であり、かつ耐力が高く、延性が良好なFe基合金が提供される。
実施例で作製したインゴットの外観を示す写真。 実施例で作製した溝ロール圧延材の外観を示す写真。 実施例における室温引張試験用の試験片形状を示す模式図。 実施例におけるヤング率測定試験用の試験片形状を示す模式図。 合金番号1(発明合金)の溝ロール圧延材の反射電子像写真。
まず、本発明のFe基合金の組成およびその配合比について説明する。
本発明のFe基合金において、鉄(Fe)は基本的な構成元素である。
クロム(Cr)は、母相のヤング率を向上させ、Fe基合金の剛性を高める。合金作製時におけるCrの配合比は、0at%以上37.5at%以下が好ましい。Crの配合比が37.5at%を超えると、Fe基合金の延性が低下する場合がある。
好ましい実施形態において、本発明のFe基合金は、Crを必須元素として含有する。Crの配合比は、少なくとも0.1at%以上であることがより好ましく、12.0at%以上であることがさらにより好ましい。また、Crの配合比は、35.0at%以下であることがより好ましく、32.5at%以下であることがさらにより好ましく、30.0at%以下であることがさらに一層好ましく、25.0at%以下であることがなおさらに一層好ましい。
モリブデン(Mo)、タングステン(W)およびチタン(Ti)は、これらの元素を配合することにより析出物を生成させ、Fe基合金の強度を高める。合金作製時におけるMoの配合比は、0at%以上8.0at%以下が好ましい。合金作製時におけるWの配合比は、0at%以上3.5at%以下が好ましい。合金作製時におけるTiの配合比は、0at%以上5.0at%以下が好ましい。Mo、W、Tiの配合比がそれぞれ上記の値を超えると、Fe基合金の延性が低下する場合がある。
ケイ素(Si)は、母相の固溶強化に寄与する。合金作製時におけるSiの配合比は、0at%以上7.0at%が好ましい。Siの配合比が7.0at%を超えると、Fe基合金の延性が低下する場合がある。
炭素(C)およびホウ素(B)は、これらの元素を配合することによる析出物の生成により母相のヤング率を向上させ、Fe基合金の剛性を高める。合金作製時におけるCの配合比は、0at%以上4.0at%以下が好ましい。合金作製時におけるBの配合比は、0at%以上10.0at%以下が好ましい。C、Bの配合比がそれぞれ上記の値を超えると、Fe基合金の延性が低下する場合がある。
好ましい実施形態において、本発明のFe基合金は、Bを必須元素として含有する。Bの配合比は、少なくとも0.1at%以上であることがより好ましく、3.0at%以上であることがさらにより好ましい。
本発明のFe基合金は、上記の成分元素の単独での配合効果に加えて、合金作製時にこれらの元素を組み合わせて配合することにより、従来のFe基合金を上回る優れた特性を発揮するものである。即ち、本発明のFe基合金は、以下の式(1):
=0.2[%Cr]+0.75[%C]+1.5[%B]+2[%W] ・・(1)
(式(1)中、[%Cr]、[%C]、[%B]、[%W]は、Cr、C、B、Wの配合比(at%)を意味する)によって求められる合金指数Pが12.0〜20.5の範囲内であり、かつ
以下の式(2):
=[%Mo]+2.5[%W]+0.5[%Si]+0.5[%Ti] ・・(2)
(式(2)中、[%Mo]、[%W]、[%Si]、[%Ti]は、Mo、W、Si、Tiの配合比(at%)を意味する)によって求められる合金指数Pが6.5〜12.0の範囲内であることを特徴とする。
合金指数Pは、Fe基合金の剛性(ヤング率)向上のための指標である。Cr、Wはそれ自体が単体でFeより高いヤング率を有しており、また、C、Bはそれぞれ化合物を形成することでFeより高いヤング率を示す。本発明を完成させるにあたり、本発明者らは、これらの元素の配合比が単独で好ましい範囲内であっても、Fe基合金の剛性が従来の材料と同程度であったり、剛性向上効果が比較的小さかったりする場合があることを知見し、後述する実施例で作製した供試材を含む多数の組成について統計的手法を用いて種々検討した結果、各成分元素の配合比(at%)に特定の係数を設定した式(1)によって得られる値とFe基合金の剛性向上効果との相関関係を見出し、合金指数Pとして上記の範囲を設定するに至った。合金指数Pが12.0未満であると、Fe基合金の剛性向上効果が十分に得られない場合がある。合金指数Pが20.5を超えると、Fe基合金の延性が低下する場合がある。本発明のFe基合金において、合金指数Pが12.0〜20.5の範囲内であれば、Cr、W、C、Bは1種単独で配合されていてもよく、2種以上併用して配合されていてもよい。好ましい実施形態において、本発明のFe基合金は、Cr、W、C、Bからなる群より選択される少なくとも2種の元素を含有する。
合金指数Pは、Fe基合金の耐力(強度)向上のための指標である。Siは共有結合原子であり、固溶によるFe基合金の強度向上が期待できる。Tiは炭化物を形成しやすいため、Fe基合金の強度向上に寄与すると考えられる。また、MoおよびWはそれ自体が単体でFeより高い強度を示す。本発明を完成させるにあたり、本発明者らは、これらの元素の配合比が単独で好ましい範囲内であっても、Fe基合金の強度が従来の材料と同程度であったり、強度向上効果が比較的小さかったりする場合があることを知見し、後述する実施例で作製した供試材を含む多数の組成について統計的手法を用いて種々検討した結果、各成分元素の配合比(at%)に特定の係数を設定した式(2)によって得られる値とFe基合金の強度向上効果との相関関係を見出し、合金指数Pとして上記の範囲を設定するに至った。合金指数Pが6.5未満であると、Fe基合金の強度向上効果が十分に得られない場合がある。合金指数Pが12.0を超えると、Fe基合金の延性が低下する場合がある。本発明のFe基合金において、合金指数Pが6.5〜12.0の範囲内であれば、Mo、W、Si、Tiは1種単独で配合されていてもよく、2種以上併用して配合されていてもよい。好ましい実施形態において、本発明のFe基合金は、Mo、W、Si、Tiからなる群より選択される少なくとも2種の元素を含有する。
本発明のFe基合金は、上記の成分元素を所定の範囲で含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成であるため、乗用車用ターボチャージャのシャフト材等の製品を、溶解、圧延法等の汎用的な製造方法で製造可能である。
次に、本発明のFe基合金の特性とその基準値について説明する。
本発明のFe基合金は、共振法によるヤング率測定試験において230GPa以上のヤング率を示す。現在実用に供されているシャフト材のヤング率は、205GPa程度である。そのため、本発明では、従来の材料よりも優れた剛性を示す基準値として、230GPaを設定した。
本発明のFe基合金は、室温引張試験において700MPa以上の耐力を示す。実用に耐え得る材料とする観点からは、例えば特許文献1に記載されるように、設計上の要求等に従って450MPaを基準値とすることも可能である。本発明では、近年、より高い耐力を有するシャフト材が求められていることに鑑みて、従来の材料よりも優れた耐力を示す基準値として、700MPaを設定した。
本発明のFe基合金は、室温引張試験において1%以上の延性を示す。本発明では、従来の材料よりも優れた切削加工性を有する基準値として、また、使用時の安全性を確保するための目安として、1%を設定した。
以上のことを踏まえ、本発明のFe基合金の成分組成について好ましい形態を例示すると以下のとおりである。
<組成1>
Cr:15.0at%、Mo:3.5at%、W:0at%、Ti:2.5at%、Si:5.0at%、C:2.0at%、B:5.0at%、残部がFeおよび不可避的不純物からなるFe基合金。当該組成1では、合金指数Pは12.0であり、合金指数Pは7.25である。
<組成2>
Cr:15.0at%、Mo:5.0at%、W:0at%、Ti:2.5at%、Si:7.0at%、C:2.0at%、B:5.0at%、残部がFeおよび不可避的不純物からなるFe基合金。当該組成2では、合金指数Pは12.0であり、合金指数Pは9.75である。
<組成3>
Cr:15.0at%、Mo:6.0at%、W:0at%、Ti:3.0at%、Si:6.0at%、C:0at%、B:6.0at%、残部がFeおよび不可避的不純物からなるFe基合金。当該組成3では、合金指数Pは12.0であり、合金指数Pは10.5である。
<組成4>
Cr:15.0at%、Mo:5.0at%、W:0at%、Ti:0at%、Si:7.0at%、C:1.5at%、B:6.0at%、残部がFeおよび不可避的不純物からなるFe基合金。当該組成4では、合金指数Pは13.13であり、合金指数Pは8.5である。
<組成5>
Cr:25.0at%、Mo:4.0at%、W:0at%、Ti:2.5at%、Si:6.0at%、C:2.5at%、B:5.0at%、残部がFeおよび不可避的不純物からなるFe基合金。当該組成5では、合金指数Pは14.38であり、合金指数Pは8.25である。
<組成6>
Cr:15.0at%、Mo:4.2at%、W:0at%、Ti:4.0at%、Si:6.0at%、C:1.0at%、B:8.0at%、残部がFeおよび不可避的不純物からなるFe基合金。当該組成6では、合金指数Pは15.75であり、合金指数Pは9.2である。
<組成7>
Cr:22.5at%、Mo:7.5at%、W:0at%、Ti:4.0at%、Si:0at%、C:1.0at%、B:8.0at%、残部がFeおよび不可避的不純物からなるFe基合金。当該組成7では、合金指数Pは17.25であり、合金指数Pは9.5である。
<組成8>
Cr:12.5at%、Mo:0at%、W:3.0at%、Ti:0at%、Si:0at%、C:1.5at%、B:6.0at%、残部がFeおよび不可避的不純物からなるFe基合金。当該組成8では、合金指数Pは18.63であり、合金指数Pは7.5である。
<組成9>
Cr:15.0at%、Mo:0at%、W:3.0at%、Ti:0at%、Si:0at%、C:1.5at%、B:6.0at%、残部がFeおよび不可避的不純物からなるFe基合金。当該組成9では、合金指数Pは19.13であり、合金指数Pは7.5である。
<組成10>
Cr:20.0at%、Mo:3.5at%、W:0at%、Ti:4.0at%、Si:3.0at%、C:0.5at%、B:10.0at%、残部がFeおよび不可避的不純物からなるFe基合金。当該組成10では、合金指数Pは19.38であり、合金指数Pは7.0である。
<組成11>
Cr:20.0at%、Mo:0at%、W:1.5at%、Ti:4.5at%、Si:3.0at%、C:0.25at%、B:8.5at%、残部がFeおよび不可避的不純物からなるFe基合金。当該組成11では、合金指数Pは19.94であり、合金指数Pは7.5である。
<組成12>
Cr:12.5at%、Mo:0at%、W:3.0at%、Ti:0at%、Si:0at%、C:1.75at%、B:7.0at%、残部がFeおよび不可避的不純物からなるFe基合金。当該組成12では、合金指数Pは20.31であり、合金指数Pは7.5である。
<組成13>
Cr:20.0at%、Mo:4.2at%、W:0at%、Ti:5.0at%、Si:6.0at%、C:2.0at%、B:10.0at%、残部がFeおよび不可避的不純物からなるFe基合金。当該組成13では、合金指数Pは20.5であり、合金指数Pは9.7である。
上記の本発明のFe基合金は、各成分元素の原料を溶解、圧延法等の製法を用いて製造されたものであってよい。
以下、本発明の実施形態について、例示の実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
まず、本発明のFe基合金の作製手順および評価試験手順を説明する。
[手順1:インゴット作製]
図1は本実施例で作製したインゴットの外観を示す写真である。以下の表1−1、表1−2に示す組成を有するインゴットを、ジルコニアるつぼを用いた高周波溶解によって作製した。インゴットの原料としては、電解鉄、フェロクロム、Siの塊状原料、Mo、W、Cの粒状原料、TiB粉末、BC粉末を用い、合計重量は約1.2kgである。溶解雰囲気はアルゴンガス中である。鋳造は内径φ40mmの鋳鉄製鋳型に行い、切断は図1に点線で示した位置で押し湯切断し、下側(長さ約90mm)を溝ロール圧延に供した。
[手順2:溝ロール圧延]
押し湯切断して得たφ40mm×90mmのインゴットを、1100℃に加熱して溝ロール圧延を行った。溝の形状は正方形であり、サイズが異なる溝の間にインゴットを順番に通すことによって、徐々に断面積を細くする。また、およそ3回の圧延後に、再加熱を行う。加熱保持時間は約10分とする。以下に、溝ロール圧延工程の一例を、矢印記号を用いて示す(数字は溝の一辺の長さ(mm)である。):
<開始> →加熱保持 →38.2 →35.0 →31.7 →再加熱 →28.7 →25.9 →23.5 →再加熱 →21.3 →19.3 →17.5 →再加熱 →15.8 →14.3 →12.9 →<終了>
本実施例では、上記工程により、図2に示す溝ロール圧延材を得た。
[手順3:熱処理および組織観察]
溝ロール圧延材を熱処理した後、反射電子像による組織観察、およびEPMA(電子プローブマイクロアナライザ)による析出物含有成分の同定と析出物面積率の測定を行った。析出物面積率は、EPMAにより得られた元素マッピングデータをもとに画像処理を実施し算出した。
[手順4:特性評価]
熱処理後の溝ロール圧延材から、図3および図4に示す2種類の試験片を加工し、室温での引張試験、および共振法によるヤング率測定試験を行った。以下の表2−1、表2−2に、試験結果と、各特性の良否判断の基準値を示す。
表2−1、表2−2に示す特性評価の結果から、表1−1、表1−2に示す組成で作製した各インゴットの溝ロール圧延材について、以下のことが確認された。
合金番号1〜13の発明合金では、各成分元素の配合比が上述した所定の範囲内にあり、かつ合金指数Pおよび合金指数Pが所定の範囲内にあるので、ヤング率、耐力および延性がいずれも基準値を満たしている。
図5は、合金番号1の発明合金の溝ロール圧延材の反射電子像写真である。図5中に矢印で示したように、EPMAによる析出物含有成分の同定の結果、合金番号1の供試材においては、Mo−Fe−Cr−B系、Fe−Cr−C系、Fe−Cr−C−B系およびTi−C系の析出物が確認され、これらの析出物が生成されることにより、ヤング率の向上と高強度化がもたらされると共に、良好な延性を示すFe基合金が得られたと考えられる。
合金番号14〜23の比較合金では、合金指数Pが12.0未満であるので、ヤング率が基準値の230GPaに満たない。また、合金指数Pが6.5未満であるので、耐力が基準値の700MPaに満たない。
合金番号24〜38の比較合金では、合金指数Pが6.5未満であるので、耐力が基準値の700MPaに満たない。
合金番号39の比較合金では、合金指数Pが20.5を超えるので、延性が基準値の1%に満たない。
なお、上記の実施の形態は本発明を具体的に説明したものに過ぎず、上記の実施の形態をもって本発明を制限的に解釈すべきではない。本発明のFe基合金は、当業者にとって自明な範囲での組成元素の配合比の変更、例えば製造上必然的に含まれる許容範囲内での組成変更や原料組成物の調達価格の変動や供給状態の変動に応じた許容範囲内での組成変更を含むものである。
本発明のFe基合金は、高剛性であり、かつ耐力が高く、延性が良好であるので、乗用車用ターボチャージャのシャフト等として使用するのに好適である。さらに、本発明のFe基合金は、溶解、圧延法等の汎用的な製造方法で製造することができるので、シャフト等の製品の価格競争力を維持しつつ、実用に供することができる。

Claims (5)

  1. Cr:0〜37.5at%、Mo:0〜8.0at%、W:0〜3.5at%、Ti:0〜5.0at%、Si:0〜7.0at%、C:0〜4.0at%、B:0〜10.0at%、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
    以下の式(1):
    =0.2[%Cr]+0.75[%C]+1.5[%B]+2[%W] ・・(1)
    (式(1)中、[%Cr]、[%C]、[%B]、[%W]は、Cr、C、B、Wの配合比(at%)を意味する)によって求められる合金指数Pが12.0〜20.5の範囲内であり、かつ
    以下の式(2):
    =[%Mo]+2.5[%W]+0.5[%Si]+0.5[%Ti] ・・(2)
    (式(2)中、[%Mo]、[%W]、[%Si]、[%Ti]は、Mo、W、Si、Tiの配合比(at%)を意味する)によって求められる合金指数Pが6.5〜12.0の範囲内であることを特徴とするFe基合金。
  2. Cr、W、C、Bからなる群より選択される少なくとも2種の元素を含有することを特徴とする請求項1に記載のFe基合金。
  3. Mo、W、Si、Tiからなる群より選択される少なくとも2種の元素を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のFe基合金。
  4. CrおよびBを必須元素として含有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のFe基合金。
  5. 共振法によるヤング率測定試験において230GPa以上のヤング率を示し、室温引張試験において700MPa以上の耐力および1%以上の延性を示すことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のFe基合金。
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