JP2019069914A - 漢方医薬組成物、漢方製剤 - Google Patents

漢方医薬組成物、漢方製剤 Download PDF

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紀子 良知
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Abstract

【課題】 水や湯に分散させることが可能であり、経管投与が可能な漢方医薬組成物、漢方製剤を提供する。【解決手段】 漢方医薬組成物は、漢方原薬のエキスと、基剤とを含有し、前記基剤は、カラギーナン、カンテン、キサンタンガム、グァーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸ナトリウム、カルメロースナトリウム、ゼラチン、トラガント末、ヒプロメロース、ローカストビーンガム、デキストリン、澱粉類、及び単糖からオリゴ糖までの糖類からなる群より選ばれる少なくとも1種である。【選択図】 なし

Description

本発明は、経管投与が可能であり、かつ水や湯に分散させることが可能な漢方医薬組成物、及び服用性、簡便性、携帯性に優れる漢方製剤に関するものである。
従来、医療用及び一般用の医薬品とされる漢方製剤の剤形は、様々な服用シーンを考慮し、顆粒剤、錠剤、散剤、液剤、煎剤等とされる。しかし、漢方製剤の主薬である漢方原薬の一回の服用量は、数百ミリグラムから数グラム超に及び、このような主薬量の多さが各剤形に様々な問題をもたらしている。
例えば、顆粒剤、錠剤、散剤は、吸湿性の改善のために多量の賦形剤を添加する必要があるが、多量の賦形剤を添加した分、一回の服用量も過剰に多くなるので、一度に服用できない、非常に服用しづらい等の問題があった。
液剤、煎剤は、最も誤嚥を起こしやすいことから高齢者に敬遠され、また収容のための容器がサイズ過大で重いことから携帯性に劣るという問題があり、更にこうした容器の廃棄に係る問題もあった。
また、顆粒剤等や液剤等の他、漢方製剤の剤形としてゼリー剤が提供されている(特許文献1〜5参照)。このゼリー剤は、服用性改善の観点から、上述の顆粒剤等や液剤等に係る問題を解決する手段として有用である。
特開平05−043474号公報 特開2004−059503号公報 特開2001−114696号公報 特開2016−056154号公報 特開2016−056155号公報
日本東洋医学雑誌、54、645−650、2003、浜田ら 内服薬 経管投与ハンドブック、藤島ら、株式会社じほう、2015 簡易懸濁法マニュアル、倉田ら、株式会社じほう、2017
超高齢社会を迎えた近時は、嚥下障害を持つ患者や胃瘻設置者や経鼻経管栄養者が増えており、水や湯に分散させることで嚥下しやすく、経管投与しやすい剤形の漢方製剤が要請されている。しかし、嚥下障害を持つ患者や胃瘻設置者や経鼻経管栄養者が嚥下しやすく、またこうした者に対して経管投与しやすい漢方製剤については、これまで検討されたことがなかった。
例えば、顆粒剤等の固形剤は、粉砕することで水や湯への分散が可能に見えるが、沈殿物が生じるため、この沈殿物によって服用し難く、経管投与ができない。また、液剤、煎剤は、経管投与が可能であるが、上記したように最も誤嚥を起こしやすく、高齢者への投与は避けるべきである。そして、ゼリー剤は、水や湯に分散させることができず、固形物であるから管内で詰まってしまうため、経管投与が出来ないという問題がある。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、水や湯に分散させることが可能であり、経管投与が可能な漢方医薬組成物を提供することにある。加えて本発明の目的とするところは、前記漢方医薬組成物を使用して、服用性、簡便性、携帯性に優れる漢方製剤を提供することにある。
上記従来の問題点を解決する手段として、請求項1に記載の発明は、漢方原薬のエキスと、基剤とを含有し、前記基剤は、カラギーナン、カンテン、キサンタンガム、グァーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸ナトリウム、カルメロースナトリウム、ゼラチン、トラガント末、ヒプロメロース、ローカストビーンガム、デキストリン、澱粉類、及び単糖からオリゴ糖までの糖類からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記漢方原薬は、安中散、黄耆建中湯、黄連解毒湯、乙字湯、葛根湯、葛根湯加川▲きゅう▼辛夷、加味帰脾湯、加味逍遙散、甘麦大棗湯、桔梗湯、響声破笛丸、駆風解毒湯、桂枝加朮附湯、桂枝加竜骨牡蛎湯、桂枝茯苓丸、牛車腎気丸、呉茱萸湯、五淋散、五苓散、柴胡加竜骨牡蛎湯、柴胡桂枝湯、柴朴湯、柴苓湯、酸棗仁湯、芍薬甘草湯、十全大補湯、潤腸湯、小建中湯、小柴胡湯、小青竜湯、辛夷清肺湯、真武湯、清暑益気湯、清心蓮子飲、疎経活血湯、大黄甘草湯、大建中湯、大柴胡湯、竹▲じょ▼温胆湯、釣藤散、猪苓湯、桃核承気湯、当帰飲子、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、独活葛根湯、人参養栄湯、麦門冬湯、八味地黄丸、半夏厚朴湯、半夏瀉心湯、半夏白朮天麻湯、白虎加人参湯、防已黄耆湯、防風通聖散、補中益気湯、麻黄湯、麻子仁丸、抑肝散、六君子湯、及び苓桂朮甘湯からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記漢方原薬のエキスの含有率は、1〜80質量%であることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のうち何れか一項に記載の発明において、前記基剤として、カラギーナン0.05〜0.15質量%、カンテン0.1〜0.3質量%、キサンタンガム0.01〜0.1質量%、グァーガム0.01〜0.1質量%、及びローカストビーンガム0.01〜0.05質量%からなる群より選ばれる2種以上を含有することを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のうち何れか一項に記載の発明において、更に、甘味料が添加され、前記甘味料は、単糖からオリゴ糖までの糖類、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、及びスクラロースからなる群から選択される少なくとも1種であることを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のうち何れか一項に記載の発明において、更に、矯味剤が添加され、前記矯味剤は、エリスリトール、キシリトール、無水クエン酸、クエン酸ナトリウム水和物、及びl−メントールからなる群から選択される少なくとも1種であることを要旨とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6のうち何れか一項に記載の漢方医薬組成物を、ガスバリア性を有する包装容器に、1回服用量単位で充填包装して得られる漢方製剤であることを要旨とする。
〔作用〕
本発明の漢方医薬組成物によれば、基剤は、カラギーナン、カンテン末、キサンタンガム、グァーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸ナトリウム、カルメロースナトリウム、ゼラチン、トラガント末、ヒプロメロース、ローカストビーンガム、デキストリン、澱粉類、及び単糖からオリゴ糖までの糖類からなる群より選ばれる少なくとも1種である。これら基剤は、漢方医薬組成物に適度な粘性(以下、「とろみ」とも記載する)を付与することができ、とろみを付与された漢方医薬組成物は、ゆっくりとまとまって食道に流れやすくなるため、嚥下しやすく、誤嚥を抑制することができる。更に、前記基剤は、水溶性であるため、水や湯に分散させることができる。そして、漢方医薬組成物は、基剤によってとろみを付与されているが、ゼリー剤のような固形物ではなく、流動物であるから、経管投与が可能である。
また、漢方原薬は、安中散、黄耆建中湯、黄連解毒湯、乙字湯、葛根湯、葛根湯加川▲きゅう▼辛夷、加味帰脾湯、加味逍遙散、甘麦大棗湯、桔梗湯、響声破笛丸、駆風解毒湯、桂枝加朮附湯、桂枝加竜骨牡蛎湯、桂枝茯苓丸、牛車腎気丸、呉茱萸湯、五淋散、五苓散、柴胡加竜骨牡蛎湯、柴胡桂枝湯、柴朴湯、柴苓湯、酸棗仁湯、芍薬甘草湯、十全大補湯、潤腸湯、小建中湯、小柴胡湯、小青竜湯、辛夷清肺湯、真武湯、清暑益気湯、清心蓮子飲、疎経活血湯、大黄甘草湯、大建中湯、大柴胡湯、竹▲じょ▼温胆湯、釣藤散、猪苓湯、桃核承気湯、当帰飲子、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、独活葛根湯、人参養栄湯、麦門冬湯、八味地黄丸、半夏厚朴湯、半夏瀉心湯、半夏白朮天麻湯、白虎加人参湯、防已黄耆湯、防風通聖散、補中益気湯、麻黄湯、麻子仁丸、抑肝散、六君子湯、及び苓桂朮甘湯からなる群より選ばれる少なくとも1種の場合、多種の漢方原薬を使用することができる。
また、漢方原薬のエキスの含有率が1〜80質量%である場合、エキスの分散性を良好に保ちつつ、高濃度にすることができる。
また、基剤として、カラギーナン0.05〜0.15質量%、カンテン0.1〜0.3質量%、キサンタンガム0.01〜0.1質量%、グァーガム0.01〜0.1質量%、及びローカストビーンガム0.01〜0.05質量%からなる群より選ばれる2種以上を含有する場合、嚥下しやすい適度な粘度と、経管投与等のための流動性とのバランスを適度に保つことができる。
更に、甘味料又は矯味剤が添加される場合、漢方医薬組成物を服用しやすくすることができる。
また、前記漢方医薬組成物を、ガスバリア性を有する包装容器に、1回服用量単位で充填包装して得られる漢方製剤は、服用性、簡便性、携帯性に優れるものとすることができる。
〔効果〕
本発明によれば、水や湯に分散させることが可能であり、経管投与が可能な漢方医薬組成物を提供することができる。また、服用性、簡便性、携帯性に優れた漢方製剤を提供することができる。
本発明を具体化した実施形態について、以下に説明する。
漢方医薬組成物は、漢方原薬のエキスと、基剤とを含有している。
前記漢方原薬の処方は、特に限定されず、何れであっても使用することができる。処方の具体例として、安中散、黄耆建中湯、黄連解毒湯、乙字湯、葛根湯、葛根湯加川▲きゅう▼辛夷、加味帰脾湯、加味逍遙散、甘麦大棗湯、桔梗湯、響声破笛丸、駆風解毒湯、桂枝加朮附湯、桂枝加竜骨牡蛎湯、桂枝茯苓丸、牛車腎気丸、呉茱萸湯、五淋散、五苓散、柴胡加竜骨牡蛎湯、柴胡桂枝湯、柴朴湯、柴苓湯、酸棗仁湯、芍薬甘草湯、十全大補湯、潤腸湯、小建中湯、小柴胡湯、小青竜湯、辛夷清肺湯、真武湯、清暑益気湯、清心蓮子飲、疎経活血湯、大黄甘草湯、大建中湯、大柴胡湯、竹▲じょ▼温胆湯、釣藤散、猪苓湯、桃核承気湯、当帰飲子、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、独活葛根湯、人参養栄湯、麦門冬湯、八味地黄丸、半夏厚朴湯、半夏瀉心湯、半夏白朮天麻湯、白虎加人参湯、防已黄耆湯、防風通聖散、補中益気湯、麻黄湯、麻子仁丸、抑肝散、六君子湯、及び苓桂朮甘湯が挙げられる。漢方原薬には、これら処方の中から1種以上を選択して使用することができる。
前記エキスは、漢方原薬から抽出等の方法で得られた有効成分であり、液状、軟稠エキス状、乾燥エキス状の何れの形態でも使用することができる。
エキスを得る方法の具体例として、日本薬局方カンゾウエキスの製法に準じて、漢方原薬から有効成分を抽出した後に濃縮し、エタノール、水、又は含水エタノールを定量加えてろ過し、上澄みを濃縮する方法、水又は含水エタノールで低温抽出する方法、あるいは抽出液にキシリトールなどの糖類を適量溶かし入れた後に濃縮する方法が挙げられる。これらの中でもろ過によって上澄みを得る方法や、低温抽出する方法は、エキスの性状を悪くする成分を除いて、有効成分を好適に取り出すことができる望ましい方法である。また、抽出液に予め糖類を適量入れて濃縮する方法は、エキスの分散性を良好にするのでこれもまた望ましい方法である。
漢方医薬組成物中におけるエキスの含有率は、使用する漢方原薬の服用量によって異なり、特に限定されない。但し、エキスの含有率は、過剰に高い場合はエキスが凝集等することで漢方医薬組成物中での分散性が悪くなり、過剰に低い場合は服用量の増大を招くので、漢方医薬組成物中における分散性を良好に保ちつつ、高濃度にするという観点で、好ましくは1〜80質量%、より好ましくは3〜70質量%、さらに好ましくは5〜60質量%である。
前記基剤には、嚥下時にまとまることで誤嚥を抑制する、流動性を保つことで経管投与を可能にするとともに嚥下しやすくするという観点から、漢方医薬組成物にとろみを付与できるものが使用される。加えて、基剤には、水や湯に分散可能にするという観点から、親水性を有するものが使用される。
とろみを付与でき、親水性を有する基剤として、具体的には、カラギーナン、カンテン、キサンタンガム、グァーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸ナトリウム、カルメロースナトリウム、ゼラチン、トラガント末、ヒプロメロース等が挙げられ、他に直鎖状及び環状のデキストリン、バレイショデンプンなどの澱粉類、単糖からオリゴ糖までの糖類が挙げられ、これらの群より選ばれる少なくとも1種が使用される。
また、漢方医薬組成物に使用する基剤は、入手が容易で使い勝手が良いという観点から、親水性を有する多糖類が好ましく、人体に及ぼす影響がほぼ無いという観点から、植物由来のものが好ましく、適度な粘性(とろみ)を付与できるという観点から、分子量が10万以上のものが好ましい。これらの観点から、基剤としては、先に挙げた中でも、カラギーナン、カンテン、キサンタンガム、グァーガム、ローカストビーンガムが好ましい。
例えば、カラギーナンは、分子量が10万〜15万程度であり、力を加えると容易に流動し、静置すると粘性を回復してゲル状になる性質を有する。カンテンは、分子量が20万〜45万程度であり、低濃度でのゲル化が可能であり、温度変化に強いという性質を有する。キサンタンガムは、分子量が200万以上、通常は1300万から5000万と非常に高く、少量で適度なとろみを付与できるという性質を有する。グァーガムは、分子量が20万から30万で、食物繊維としても有用であり、粘性が高いことから粘度調整に使いやすいという性質を有する。
漢方医薬組成物中における基剤の含有率は、使用する基剤によって異なり、特に限定されない。但し、基剤の含有率は、過剰に低いととろみを付与することができずに流動性が過剰に高くなって誤嚥等を抑制することができず、過剰に高いととろみが過剰に付与されて経管投与が可能な程度の流動性を保つことができないため、とろみと流動性とのバランスを保つという観点から、好ましくは1質量%未満、より好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.005質量%以上で0.5質量%以下である。
特に、基剤にカラギーナン、カンテン、キサンタンガム、グァーガム、ローカストビーンガムが使用される場合、とろみと流動性とのバランスを保つという観点から、それぞれの含有率と合わせて、基剤として、カラギーナン0.05〜0.15質量%、カンテン0.1〜0.3質量%、キサンタンガム0.01〜0.1質量%、グァーガム0.01〜0.1質量%、及びローカストビーンガム0.01〜0.05質量%からなる群より選ばれる2種以上を漢方医薬組成物中に含有することがより好ましい。
漢方医薬組成物は、基剤によってとろみを付与することで、半固形とすることが好ましい。この半固形とは、所定量の漢方医薬組成物を、鉄板や樹脂板等の平坦な板の表面に静置した後、この板を所定角度(例えば30度)に傾けた際、例えば液剤等のように形状を保持できずにほぼ瞬時に流れ落ちようとするのではなく、また固形剤のように形状を保持し続けてその場にとどまるか転がり落ちるものではなく、液剤と固形剤との中間の形態、つまりは時間経過とともに形状が崩れつつ、流動性を有することで、ゆっくりとまとまりながら流れる形態をいう。
具体的に、とろみを付与、あるいは半固形とされた漢方医薬組成物は、20℃〜25℃における粘度が1mPa・sを超えるように設定される。この粘度は、好ましくは1mPa・sを超えて100,000mPa・s以下、より好ましくは5,000mPa・s以上で100,000mPa・s以下、さらに好ましくは10,000mPa・s以上で30,000mPa・s以下である。
漢方医薬組成物には、甘みをつけることで服用感の向上を図るという観点から、更に甘味料を添加することができる。
前記甘味剤としては、水アメ、粉末還元麦芽糖水アメ、ブドウ糖などの単糖からオリゴ糖までの糖類、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロースなどの高甘味度甘味料が挙げられ、これらの群から選択される少なくとも1種が使用される。
漢方医薬組成物には、前記漢方原薬による苦味やえぐみなどの嫌な味を和らげることで服用感の向上を図るという観点から、更に矯味剤を添加することができる。
前記矯味剤としては、エリスリトール、キシリトール、トレハロース等の糖類、無水クエン酸、クエン酸水和物、l−メントール、矯味の目的で添加される香料などの添加物などが挙げられ、これらの群から選択される少なくとも1種が使用される。
上記した漢方原薬のエキス、基剤、甘味料、矯味剤は、何れも工業的に生産されたものを利用することができる。
また、漢方医薬組成物には、上記した漢方原薬のエキス、基剤、甘味料、矯味剤の他に、医薬品の基準に定める範囲内で、保存料、防腐剤、香料、賦形剤などを添加することができる。
漢方製剤は、上記した漢方医薬組成物を、ガスバリア性を有する包装容器に、1回服用量単位で充填包装して得られる。
包装容器は、ガスバリア性を有し、漢方医薬組成物を収容可能なものであれば、形状は特に限定されない。また、包装容器は、通常の取扱い、運搬または保存状態で固形又は液状の異物が侵入せず、収容された漢方医薬組成物の損失、風解、潮解または蒸発を防ぐことができる材質からなるものが好ましい。このような材質のものとして、多層フィルムが挙げられ、特に包装容器には、アルミラミネートを施すことで遮光性を付与した多層フィルムを袋状に形成して為るアルミラミネート包材を使用することが好ましい。
漢方医薬組成物の充填量は、漢方原薬の服用量によって異なり、特に限定されないが、例えば包装容器1つにつき、1回あたりの投与量1〜20gを充填するものとすれば、使用者に正しい服用量で服用させることができる。
次に本発明の実施例をあげて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔試料の調製〕
表1に示す処方の漢方原薬のエキスを用い、表1に示す量及び率となるように各成分を加えた後、精製水を適量加えて、20gの漢方医薬組成物を調製し、実施例1〜4の試料を得た。
また、表2に示す処方の漢方原薬のエキスを用い、表2に示す量及び率となるように各成分を加えた後、精製水を適量加えて、20gの漢方医薬組成物を調製し、参考例1〜4の試料を得た。
Figure 2019069914
Figure 2019069914
〔性状比較試験〕
実施例1〜4及び参考例1〜4の試料について、それぞれを10gずつアルミラミネート包材に封入した後、分散性、管通過性、服用感、及び使用性の4つの性状について測定し、評価した。その評価結果を表3に示す。
なお、各性状についての測定方法及び評価基準は、以下の通りとした。
〈分散性〉
透明なコップの中にアルミラミネート包材から試料の全量を手指で押し出した後、100mlの水を注ぎ、スプーンでコップの中をかき混ぜた後、1分間静置して、水中での試料の分散の様子を目視で観察して評価した。
「○」均質に分散する
「△」分散するが不均質
「×」全く分散しない
〈管通過性〉
ディスペンサーのピストン部分を抜き取り、開封したアルミラミネート包材1個をディスペンサー内に入れてピストンを戻した後、ディスペンサーを栄養カテーテル(太さ:8Fr.(内径2.67mm)、長さ:120cm)に接続し、ピストンを手指で押して、栄養カテーテル内へ試料を送り込むとともに、この栄養カテーテルを介してアルミラミネート包材内の試料の全量が押し出されるまで、試料が栄養カテーテルを通過する様子を目視で観察するとともに、ピストンを押す際の抵抗の感触を評価した。
「○」抵抗が小さく、栄養カテーテルを完全に通過する
「△」栄養カテーテルを通過するが詰まりによって流れが悪くなる、または抵抗が大きくなる
「×」抵抗が強くピストンが押せない、または栄養カテーテルを完全に詰まらせる
〈服用感〉
アルミラミネート包材を開封し、そのまま口腔内へアルミラミネート包材から試料の全量を手指で押し出し、口腔内での感触を評価した。
「○」口腔内にまとまるようにしてとどまり、むせずに飲み込みやすい
「×」口腔内に直ぐに広がりむせやすい、またはべたついて飲み込みにくい
〈使用性〉
アルミラミネート包材を開封し、その時の様子を目視で観察した後、アルミラミネート包材から試料の全量を手指で押し出し、手指に加わる感触を観察するとともに、試料を押し出した後のアルミラミネート包材の内部を目視で観察して、評価した。
「○」包材を開けても直ぐにこぼれないが、押し出しやすく残りにくい
「×」包材を開けると直ぐにこぼれる、または押し出しにくく付着が多い
Figure 2019069914
表3の結果から、実施例1〜4は、分散性、管通過性、服用感、及び使用性の4つの性状全てで、評価が○であり、これら性状に優れるものであることが示された。
参考例1〜4の試料については、分散性及び管通過性で△の評価のものが一部あった。また、服用感及び使用性については、×の評価のものが一部あった。よって、基剤の組み合わせと含有率次第では、服用感と使用性に劣るものになることが示された。
本発明によれば、水や湯に分散させることが可能であり、経管投与が可能な漢方医薬組成物、漢方製剤を提供することができるので、産業上利用可能である。

Claims (7)

  1. 漢方原薬のエキスと、基剤とを含有し、
    前記基剤は、カラギーナン、カンテン、キサンタンガム、グァーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸ナトリウム、カルメロースナトリウム、ゼラチン、トラガント末、ヒプロメロース、ローカストビーンガム、デキストリン、澱粉類、及び単糖からオリゴ糖までの糖類からなる群より選ばれる少なくとも1種である
    ことを特徴とする漢方医薬組成物。
  2. 前記漢方原薬は、安中散、黄耆建中湯、黄連解毒湯、乙字湯、葛根湯、葛根湯加川▲きゅう▼辛夷、加味帰脾湯、加味逍遙散、甘麦大棗湯、桔梗湯、響声破笛丸、駆風解毒湯、桂枝加朮附湯、桂枝加竜骨牡蛎湯、桂枝茯苓丸、牛車腎気丸、呉茱萸湯、五淋散、五苓散、柴胡加竜骨牡蛎湯、柴胡桂枝湯、柴朴湯、柴苓湯、酸棗仁湯、芍薬甘草湯、十全大補湯、潤腸湯、小建中湯、小柴胡湯、小青竜湯、辛夷清肺湯、真武湯、清暑益気湯、清心蓮子飲、疎経活血湯、大黄甘草湯、大建中湯、大柴胡湯、竹▲じょ▼温胆湯、釣藤散、猪苓湯、桃核承気湯、当帰飲子、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、独活葛根湯、人参養栄湯、麦門冬湯、八味地黄丸、半夏厚朴湯、半夏瀉心湯、半夏白朮天麻湯、白虎加人参湯、防已黄耆湯、防風通聖散、補中益気湯、麻黄湯、麻子仁丸、抑肝散、六君子湯、及び苓桂朮甘湯からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の漢方医薬組成物。
  3. 前記漢方原薬のエキスの含有率は、1〜80質量%である請求項1又は請求項2に記載の漢方医薬組成物。
  4. 前記基剤として、カラギーナン0.05〜0.15質量%、カンテン0.1〜0.3質量%、キサンタンガム0.01〜0.1質量%、グァーガム0.01〜0.1質量%、及びローカストビーンガム0.01〜0.05質量%からなる群より選ばれる2種以上を含有する請求項1から請求項3のうち何れか一項に記載の漢方医薬組成物。
  5. 更に、甘味料が添加され、
    前記甘味料は、単糖からオリゴ糖までの糖類、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、及びスクラロースからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1から請求項4のうち何れか一項に記載の漢方医薬組成物。
  6. 更に、矯味剤が添加され、
    前記矯味剤は、エリスリトール、キシリトール、無水クエン酸、クエン酸ナトリウム水和物、及びl−メントールからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1から請求項5のうち何れか一項に記載の漢方医薬組成物。
  7. 請求項1から請求項6のうち何れか一項に記載の漢方医薬組成物を、ガスバリア性を有する包装容器に、1回服用量単位で充填包装して得られることを特徴とする漢方製剤。
JP2017196064A 2017-10-06 2017-10-06 漢方医薬組成物、漢方製剤 Pending JP2019069914A (ja)

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