JP2020158464A - 漢方半固形医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】粘度が所定の範囲に保たれることで、安定した品質で半固形医薬組成物を提供する。【解決手段】漢方医薬組成物は、漢方エキスと、増粘剤と、を含み、JIS K7117−1に準拠してブルックフィールド形回転粘度計により測定した粘度が60〜1600mPa・sであるとともに、増粘剤は好ましくはグアーガムであり、漢方半固形医薬組成物の全量を100質量%とした場合の増粘剤の含有率は好ましくは0.4〜0.8質量%である。【選択図】なし

Description

本発明は、所定の粘度を有することで漢方エキスを患部にとどめることが可能な漢方半固形医薬組成物に関するものである。
口内炎、口の中の炎症、咽喉痛、扁桃炎、扁桃周囲炎、しわがれ声、歯痛などに用いられる漢方薬は、用法に「口に含んでゆっくり飲む」、「うがいしながら、少しずつゆっくり飲む」などとあるように、主剤として含まれる漢方エキスが患部に直接的に作用することで効能を発揮する。よって、こうした漢方薬は、漢方エキスが患部にとどまるように、剤形を工夫する必要がある。
一般的な漢方薬の剤形としては、顆粒剤、細粒剤、内服用錠剤、煎剤、液剤、トローチ剤等が挙げられる。これら剤形のうち顆粒剤、細粒剤、内服用錠剤は、その用法が水と一緒に呑みこむ、つまりは嚥下することであるから、漢方エキスを患部にとどめることが困難であるという不具合があった。煎剤、液剤は、漢方エキスを患部にとどめることは可能であるが、一旦冷まさなければならない、用法に応じて分割保管するのに手間を要する等のように利便性に欠けるという不具合があった。トローチ剤は、その用法が口中でゆっくり溶かしながら服用することであるから、漢方エキスを患部にとどめることが可能である。しかし、漢方エキスの多くは、十分な効能を発揮するために必要とする1日の服用量が大量であり、特に1日の服用量が5gを超える場合には、1回の服用で数粒のトローチ剤を口内に含まなければならず、製剤設計上無理があるという不具合があった。
上述の不具合を解消するべく、さまざまな剤形の検討がなされ、そうした検討の中で特許文献1の半固形医薬組成物は、漢方エキスを患部に直接的に作用させる剤形として有用であると考えられた。すなわち、特許文献1の半固形医薬組成物は、漢方エキスを主薬とし、カラギーナンとカンテン末若しくは糖類により適度に増粘されており、患部に高濃度の漢方エキスをとどめることができるように構成されている。
特開2018−131412号公報
しかし、上記半固形医薬組成物において、増粘に使用したカラギーナンは、金属イオンと反応してゲル化するため、漢方エキスに含まれる金属イオンの量によっては、カラギーナンがゲル化することで粘度が安定しなくなる場合がある。その結果、患部に漢方エキスをとどまらせる性能が低下する、服用感が低下する等のように、品質が一定しない可能性があるという問題があった。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、安定した品質とすることができる半固形医薬組成物を提供することにある。
上記従来の問題点を解決する手段として、請求項1に記載の発明は、漢方エキスと、増粘剤と、を含み、JIS K7117−1に準拠してブルックフィールド形回転粘度計により測定した粘度が60〜1600mPa・sであることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記漢方エキスは、茵▲ちん▼蒿湯、黄連解毒湯、黄連湯、加減涼膈散(浅田)、加減涼膈散(キョウ廷賢)、葛根黄連黄▲ごん▼湯、甘草湯、甘露飲、桔梗湯、響声破笛丸、駆風解毒湯、梔子▲し▼湯、小柴胡湯加桔梗石膏、清熱補気湯、清熱補血湯、排膿散及湯、排膿散、排膿湯、麦門冬湯、半夏厚朴湯、半夏散及湯、半夏瀉心湯、甘草瀉心湯、白虎湯、白虎加桂枝湯、白虎加人参湯、茯苓飲合半夏厚朴湯、補肺湯、立効散からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、上記増粘剤は、グアーガムであることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のうち何れか一項に記載の発明において、更に、増粘助剤として、アラビアガム、キサンタンガム、及びカラギーナンの群より選ばれる少なくとも1種を含むことを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のうち何れか一項に記載の発明において、上記増粘剤は、漢方半固形医薬組成物の全量を100質量%とした場合の含有率が、0.4〜0.8質量%であることを要旨とする。2
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のうち何れか一項に記載の発明において、更に、矯味剤及び甘味剤の群より選ばれる少なくとも1種を含むことを要旨とする。
〔作用〕
本発明の漢方半固形医薬組成物によれば、漢方エキスと、増粘剤と、を含み、粘度が60〜1600mPa・sの範囲に保たれることで、患部に漢方エキスをとどまらせる性能や服用感を好適に維持することができ、安定した品質とすることができる。
また、漢方エキスは、茵▲ちん▼蒿湯、黄連解毒湯、黄連湯、加減涼膈散(浅田)、加減涼膈散(キョウ廷賢)、葛根黄連黄▲ごん▼湯、甘草湯、甘露飲、桔梗湯、響声破笛丸、駆風解毒湯、梔子▲し▼湯、小柴胡湯加桔梗石膏、清熱補気湯、清熱補血湯、排膿散及湯、排膿散、排膿湯、麦門冬湯、半夏厚朴湯、半夏散及湯、半夏瀉心湯、甘草瀉心湯、白虎湯、白虎加桂枝湯、白虎加人参湯、茯苓飲合半夏厚朴湯、補肺湯、立効散からなる群より選ばれる少なくとも1種である場合、これらは患部に直接的に作用することで効能を発揮するものであるため、本願の漢方半固形医薬組成物に含まれる漢方エキスとして有用である。
また、増粘剤は、グアーガムである場合、漢方エキスに含まれる金属イオンの量に影響されることなく、粘度を安定して付与することができる。
また、増粘助剤として、アラビアガム、キサンタンガム、及びカラギーナンの群より選ばれる少なくとも1種を含む場合、好適な粘度に維持することができる。
また、増粘剤は、漢方半固形医薬組成物の全量を100質量%とした場合の含有率が、0.4〜0.8質量%である場合、患部に漢方エキスをとどまらせるのに好適な粘度とすることができる。
また、矯味剤及び甘味剤の群より選ばれる少なくとも1種を含む場合、服用感の向上を図ることができる。
〔効果〕
本発明によれば、粘度が所定の範囲に保たれることで、安定した品質で半固形医薬組成物を提供することができる。
本発明を具体化した実施形態について、以下に説明する。
本願の漢方半固形医薬組成物は、漢方エキスと、増粘剤と、を含んでいる。
すなわち、漢方半固形医薬組成物は、主剤として漢方エキスを含み、更に増粘剤を含むことによって所定の粘度を付与されている。
漢方エキスは、漢方原薬から所定の方法で得られた有効成分である。
漢方エキスを漢方原薬から得る方法については特に限定されない。具体例として、日本薬局方カンゾウエキスの製法に準じて、漢方原薬から有効成分を抽出した後に濃縮し、エタノール、水、又は含水エタノールを定量加えてろ過し、上澄みを濃縮する方法、水又は含水エタノールで低温抽出する方法、あるいは抽出液にキシリトールなどの糖類を適量溶かし入れた後に濃縮する方法が挙げられる。
これらの中でもろ過によって上澄みを得る方法や、低温抽出する方法は、エキスの性状を悪くする成分を除いて、有効成分を好適に取り出すことができる望ましい方法である。また、抽出液に予め糖類を適量入れて濃縮する方法は、エキスの分散性を良好にするのでこれもまた望ましい方法である。
具体的な漢方エキスの種類(処方)は、特に限定されず、何れも使用することができるが、所定の粘度とされた漢方半固形医薬組成物は、患部にとどまらせることができるという観点から、患部に直接的に作用することで効能を発揮するものが好ましい。
患部に直接的に作用することで効能を発揮する漢方エキスの処方の具体例として、茵▲ちん▼蒿湯、黄連解毒湯、黄連湯、加減涼膈散(浅田)、加減涼膈散(キョウ廷賢)、葛根黄連黄▲ごん▼湯、甘草湯、甘露飲、桔梗湯、響声破笛丸、駆風解毒湯、梔子▲し▼湯、小柴胡湯加桔梗石膏、清熱補気湯、清熱補血湯、排膿散及湯、排膿散、排膿湯、麦門冬湯、半夏厚朴湯、半夏散及湯、半夏瀉心湯、甘草瀉心湯、白虎湯、白虎加桂枝湯、白虎加人参湯、茯苓飲合半夏厚朴湯、補肺湯、立効散が挙げられる。
漢方エキスには、上述した処方の群より選ばれる少なくとも1種を選択して使用することができる。
漢方エキスの中でも、響声破笛丸は、声の出しすぎや歌いすぎ等によるしわがれ声、のどの不快感などのような、のどの不調に対して高い効能を発揮し、服用時には患部であるのどにとどまらせることで、極めて高い治療効果を期待できるという観点から、漢方半固形医薬組成物の漢方エキスとして有用である。
また、白虎加人参湯は、のどの渇きやのどのほてりなどのような、のどの不調に対して高い効能を発揮し、服用時には患部であるのどにとどまらせることで、極めて高い治療効果を期待できるという観点から、漢方半固形医薬組成物の漢方エキスとして有用である。
漢方エキスの形態は、特に限定されず、液状、軟稠エキス状、乾燥エキス状の何れの形態でも使用することができる。
漢方エキスの含有率は、処方毎の服用量によって異なり、特に特に限定されないが、凝集を抑制することで分散性の向上を図る、有効成分濃度を高めることで服用量の増大を抑制するという観点から、漢方半固形医薬組成物の全量を100質量%とした場合の含有率で、好ましくは1〜70質量%、より好ましくは10〜40質量%、さらに好ましくは10〜30質量%である。
増粘剤は、漢方半固形医薬組成物に所定の粘度を付与するためのものである。この粘度は、言い換えると「とろみ」とも表現することができる。
粘度(とろみ)を付与された漢方半固形医薬組成物は、まとまりつつも流動性を保持しており、服用時には患部の表面に一定量を接触させながら極めてゆっくりと流動することにより、患部にとどまって漢方エキスを直接的に作用させることができる。
また、粘度(とろみ)を付与された漢方半固形医薬組成物は、まとまることで嚥下しやすくなるため、服用感に優れており、更に誤嚥を抑制することもできる。
増粘剤は、粘度(とろみ)を付与可能なものであれば特に限定されないが、漢方エキスに含まれる金属イオンが粘度へ影響を及ぼすことを抑制できるという観点から、中性多糖類が好ましい。
中性多糖類の具体例としては、グアーガム、タマリンドシードガム、ローカストビーンガム、澱粉、プルラン等を挙げることができる。
中性多糖類の中でもグアーガムは、食物繊維としても有用であり、分子量が20万から30万であるため粘度が高く、低濃度で粘度調整を行うことができることから、漢方半固形医薬組成物中における有効成分である漢方エキスの含有率を高く維持できるため、好ましい増粘剤である。
増粘剤の含有率は、漢方エキスが十分な効能を発揮するために必要とされる1日の服用量によって異なり、特に限定されないが、漢方半固形医薬組成物にその流動性を保ちつつ好適な粘度(とろみ)を付与するという観点から、漢方半固形医薬組成物の全量を100質量%とした場合の含有率で、好ましくは0.4〜0.8質量%、より好ましくは0.4〜0.7質量%、さらに好ましくは0.5〜0.7質量%である。
増粘剤の漢方エキスに対する配合比は、漢方エキスの種類(処方)によって異なり、特に限定されないが、漢方エキスに含まれる金属イオン等による影響を抑制できる、服用量の増大を抑えることができる等の観点から、漢方エキスの全量を100質量部とした場合の配合比で、好ましくは1.5〜10質量部、より好ましくは3〜6質量部、さらに好ましくは3.5〜5.5質量部である。
なお、増粘剤は、添加された対象に粘性や接着性を付与する増粘安定剤の一種であり、この増粘安定剤には、増粘剤の他に、安定剤(結着剤)や、ゲル化剤が含まれるが、本願の漢方半固形医薬組成物において、増粘剤に代えて安定剤(結着剤)やゲル化剤を使用した場合には、不具合が生じる。
すなわち、安定剤(結着剤)は、添加された対象を接着して形が崩れないようにするものであり、例えばリン酸塩やカゼインナトリウムなどが挙げられる。この安定剤(結着剤)を増粘剤に代えて使用した場合、粘度(とろみ)ではなく、粘着性が付与されてしまうことで、服用時の漢方半固形医薬組成物が患部に限らずあらゆる箇所に貼り付き、服用感の低下を招く等の不具合が生じる。
また、ゲル化剤は、対象をゲル化するものであり、例えばカラギーナン、寒天などが挙げられる。このゲル化剤を増粘剤に代えて使用した場合、漢方エキスに含まれる金属イオン等の影響で品質が不安定になる、あるいは粘度(とろみ)ではなく粘弾性が付与されてしまうことで、流動性を保つことが困難になり、患部にとどまることができなくなる等の不具合が生じる。
漢方半固形医薬組成物は、漢方エキスと、増粘剤と、を含むことにより、粘度(とろみ)が付与されることで、半固形状とされている。
この半固形状とは、所定量の漢方半固形医薬組成物を平面に静置した際、例えば液剤等のように形状を保持できずにまとまりなく広がるのではなく、また固形剤のように形状を保持し続けるのではなく、液剤と固形剤との中間の形態、つまりは流動性を有することで、ゆっくりとまとまりつつ広がり、時間経過とともに形状が崩れる形態をいう。
すなわち、漢方半固形医薬組成物は、粘度(とろみ)を有することで、患部に漢方エキスをとどまらせる性能(以下、「滞留性」と称する)と、まとまることで嚥下しやすい(飲み込みやすい)という服用感と、を好適に発揮することができる。
漢方半固形医薬組成物の粘度は、滞留性及び服用感を好適に発揮できるような安定した品質を保つという観点から、JIS K7117−1に準拠してブルックフィールド形回転粘度計により測定した粘度で、60〜1600mPa・sである。また、漢方半固形医薬組成物の粘度は、より好ましくは、150〜1300mPa・s、さらに好ましくは160〜1200mPa・s、特に好ましくは290〜800mPa・sである。
漢方半固形医薬組成物には、増粘剤による粘度(とろみ)の付与を補助する観点から、増粘助剤を添加することができる。
増粘助剤としては、多くの漢方エキスが酸性であり、酸性条件下で粘度を好適に維持するという観点から、官能基としてカルボキシル基等を有する酸性多糖類が好ましい。
酸性多糖類は、具体例として、アラビアガム、キサンタンガム、カラギーナン等が挙げられ、これらの群より選ばれる少なくとも1種を使用することができる。
増粘助剤の含有率は、増粘剤の含有率によって異なり、特に限定されないが、増粘剤を好適に補助するという観点から、漢方半固形医薬組成物の全量を100質量%とした場合の含有率で、好ましくは0.05〜0.5質量%、より好ましくは0.05〜0.4質量%、さらに好ましくは0.05〜0.3質量%である。
漢方半固形医薬組成物には、風解や潮解等を抑制して製剤を安定させる観点から、製剤安定剤を添加することができる。
製剤安定剤の具体例としては、粉あめ、マルトデキストリン、デキストリン、環状デキストリン等のデキストリン類が挙げられ、これらの群から選択される少なくとも1種が使用される。
製剤安定剤の含有率は、漢方エキスの種類(処方)や増粘剤の含有率によって異なり、特に限定されないが、製剤を好適に安定させる観点から、漢方半固形医薬組成物の全量を100質量%とした場合の含有率で、好ましくは1〜25質量%、より好ましくは1〜15質量%、さらに好ましくは5〜15質量%である。
漢方半固形医薬組成物には、服用感の向上を図るという観点から、矯味剤及び甘味剤の群より選ばれる少なくとも1種を添加することができる。
矯味剤は、漢方エキスによる苦味やえぐみなどの嫌な味を和らげるものである。矯味剤の具体例としては、エリスリトール、キシリトール、トレハロース等の糖類、無水クエン酸、クエン酸水和物、l−メントール、矯味の目的で添加される香料などの添加物などが挙げられ、これらの群から選択される少なくとも1種が使用される。
矯味剤の含有率は、漢方エキスの種類(処方)によって異なり、特に限定されないが、服用感を好適なものにすることができるという観点から、漢方半固形医薬組成物の全量を100質量%とした場合の含有率で、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.05〜3質量%である。
甘味剤は、漢方半固形医薬組成物に甘みをつけるものである。甘味剤としては、水アメ、粉末還元麦芽糖水アメ、ブドウ糖などの単糖からオリゴ糖までの糖類、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロースなどの高甘味度甘味料が挙げられ、これらの群から選択される少なくとも1種が使用される。
甘味剤の含有率は、漢方エキスの種類(処方)によって異なり、特に限定されないが、服用感を好適なものにすることができるという観点から、漢方半固形医薬組成物の全量を100質量%とした場合の含有率で、好ましくは0.01〜15質量%、より好ましくは0.05〜10質量%、さらに好ましくは0.1〜3質量%である。
上記の漢方エキス、増粘剤、増粘助剤、製剤安定剤、矯味剤、甘味料は、何れも工業的に生産されたものを利用することができる。
また、漢方半固形医薬組成物には、上記した漢方エキス、増粘剤、増粘助剤、製剤安定剤、矯味剤、甘味料の他に、医薬品の基準に定める範囲内で、保存料、防腐剤、香料、賦形剤などを添加することができる。
漢方半固形医薬組成物は、ガスバリア性を有する包装容器に、1回服用量単位で充填包装することにより、漢方製剤とすることができる。
包装容器は、ガスバリア性を有し、漢方半固形医薬組成物を収容可能なものであれば、形状は特に限定されない。
また、包装容器は、通常の取扱い、運搬または保存状態で固形又は液状の異物が侵入せず、収容された漢方半固形医薬組成物の損失、風解、潮解または蒸発を防ぐことができる材質からなるものが好ましい。このような材質のものとして、多層フィルムが挙げられ、特に包装容器には、アルミラミネートを施すことで遮光性を付与した多層フィルムを袋状に形成して為るアルミラミネート包材を使用することが好ましい。
漢方半固形医薬組成物の充填量は、漢方エキスの服用量によって異なり、特に限定されないが、例えば包装容器1つにつき、1回あたりの投与量1〜20gを充填するものとすれば、使用者に正しい服用量で服用させることができる。
次に本発明の実施例をあげて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔試料の調製〕
漢方エキスとして、響声破笛丸又は白虎加人参湯を用いた。
表1〜表4に示す組成となるように、熱湯に増粘剤を溶解させた後で、漢方エキスと各成分を加えて撹拌し、精製水を適量加えて、響声破笛丸又は白虎加人参湯の1日分の服用量である30g(30000mg)になるように漢方半固形医薬組成物を調製し、実施例1〜6及び比較例1〜4の試料を得た。
Figure 2020158464
Figure 2020158464
Figure 2020158464
Figure 2020158464
〔粘度の測定〕
各試料について、JIS K7117−1に準拠し、ブルックフィールド形回転粘度計(ジャスコインタナショナル株式会社製の装置名「回転粘度計V−Pad Type−L」、通称「B型粘度計」)を使用して、粘度を測定した。
B型粘度計のローターは、TL5、TL6またはTL7を粘度に応じて使用し、回転速度:30rpm、測定温度:30℃の条件で、回転開始から1分後の粘度を測定した。
測定結果を表5に示す。
なお、使用したB型粘度計は、上記の測定条件で測定可能な粘度の最低値が15mPa・sであることから、粘度の測定値が最低値であった、又は最低値よりも低かった試料については、表5中の粘度の欄を「15以下」とした。
〔服用感の評価〕
各試料から、1回分の服用量である10gを取り分け、これを測定者が口腔内に含み、口腔内での性状から服用感の評価を行った。
服用感の評価は、○:服用感が非常に良い、△:服用感が良い、×:服用感が悪い、の3段階で評価した。
評価結果を表5に示す。
〔滞留性の評価〕
各試料から、1回分の服用量である10gを取り分け、これを測定者が口腔内に含み、口腔内での感触から滞留性の評価を行った。
滞留性の評価は、○:滞留性が非常に良い、△:滞留性が良い、×:滞留性が悪い、の3段階で評価した。
評価結果を表5に示す。
Figure 2020158464
表5の結果から、実施例2〜4及び実施例6は、粘度が60〜1600mPa・sの範囲内であり、服用感及び滞留性の両方で評価が○であり、品質に優れるものであることが示された。
実施例1は、粘度が154mPa・sであり、60〜1600mPa・sの範囲内であった。この実施例1は、実施例2〜4に比べると、若干、のどの奥へ流れやすく感じられ、服用感及び滞留性の評価が△であった。
実施例5は、粘度が1226mPa・sであり、60〜1600mPa・sの範囲内であった。この実施例5は、実施例2〜4に比べると、若干、飲み込みにくく感じられ、服用感の評価が△であった。
比較例1,4は、増粘剤を含んでおらず、粘度が15mPa・s以下であって、その外観は完全に液状であり、口腔内に留まらずに全量が一度に嚥下されてしまい、服用感及び滞留性の評価が×であった。
比較例2は、粘度が52mPa・sであり、60〜1600mPa・sの範囲外であった。この比較例2は、粘度が低すぎることから、口腔内に留まりにくく、極僅かな量を残して大半が一度に嚥下されてしまい、服用感の評価が×、滞留性の評価が△であった。
比較例3は、粘度が1677mPa・sであり、60〜1600mPa・sの範囲外であった。この比較例3は、粘度が高すぎることから、口腔内には留まるものの、飲み込むのに力が必要となり、服用感の評価が×、滞留性の評価が○であった。
以上から、粘度を60〜1600mPa・sの範囲内とすることにより、服用感及び滞留性がよい、安定した品質の漢方半固形医薬組成物を得られることが示された。
本発明によれば、所定の粘度を有することで漢方エキスを患部にとどめることが可能な漢方半固形医薬組成物を安定した品質で提供することができるので、産業上利用可能である。

Claims (6)

  1. 漢方エキスと、増粘剤と、を含み、
    JIS K7117−1に準拠してブルックフィールド形回転粘度計により測定した粘度が60〜1600mPa・sであることを特徴とする漢方半固形医薬組成物。
  2. 上記漢方エキスは、茵▲ちん▼蒿湯、黄連解毒湯、黄連湯、加減涼膈散(浅田)、加減涼膈散(キョウ廷賢)、葛根黄連黄▲ごん▼湯、甘草湯、甘露飲、桔梗湯、響声破笛丸、駆風解毒湯、梔子▲し▼湯、小柴胡湯加桔梗石膏、清熱補気湯、清熱補血湯、排膿散及湯、排膿散、排膿湯、麦門冬湯、半夏厚朴湯、半夏散及湯、半夏瀉心湯、甘草瀉心湯、白虎湯、白虎加桂枝湯、白虎加人参湯、茯苓飲合半夏厚朴湯、補肺湯、立効散からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の漢方半固形医薬組成物。
  3. 上記増粘剤は、グアーガムである請求項1又は請求項2に記載の漢方半固形医薬組成物。
  4. 更に、増粘助剤として、アラビアガム、キサンタンガム、及びカラギーナンの群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項1から請求項3のうち何れか一項に記載の漢方半固形医薬組成物。
  5. 上記増粘剤は、漢方半固形医薬組成物の全量を100質量%とした場合の含有率が、0.4〜0.8質量%である請求項1から請求項4のうち何れか一項に記載の漢方半固形医薬組成物。
  6. 更に、矯味剤及び甘味剤の群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項1から請求項5のうち何れか一項に記載の漢方半固形医薬組成物。
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