JP2019067493A - 有機電子デバイスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】保護フィルム付き封止部材の脱水工程における気泡発生を抑制するとともに、接着層から保護フィルムを剥離する際、接着層に剥離跡が生じくい、有機電子デバイスの製造方法を提供する。【解決手段】一実施形態に係る有機電子デバイスの製造方法は、基板41上に第1電極42と、有機層を含むデバイス機能部43と、第2電極44とが順に設けられたデバイス基材40を形成するデバイス基材形成工程と、封止基材21に接着層22が積層された封止部材20に接着層を介して保護フィルム30が積層された保護フィルム付き封止部材10を脱水する脱水工程と、脱水工程を経た保護フィルム付き封止部材から保護フィルムを剥離して、接着層を介して封止部材をデバイス基材に貼合する封止部材貼合工程と、を備え、脱保護フィルム付き封止部材における保護フィルムに対する接着層の剥離強度が0.06N/20mm〜0.3N/20mmである。【選択図】図1

Description

本発明は、有機電子デバイスの製造方法に関する。
有機電子デバイスは、第1電極、デバイス機能部(有機層含む)及び第2電極がこの順に基板に設けられたデバイス基材と、上記デバイス機能部を封止する封止部材とを有する。封止部材としては、例えば特許文献1に記載されているような封止基材(支持体)に接着層(樹脂組成物層)が積層されたものが知られている。このような封止部材は、接着層を介してデバイス基材に貼合される。特許文献1に記載の技術では、封止部材がデバイス基材に貼合されるまで、封止部材の接着層には保護フィルム(カバーフィルム)が設けられている。封止部材は、デバイス機能部が有する有機層の水分による劣化を防止するためのものであることから、封止部材自体も脱水されていることが好ましい。
国際公開第2016/152756号
保護フィルムが設けられた封止部材(保護フィルム付き封止部材)を脱水すると、例えば接着層からの水分放出に起因して気泡が発生する場合がある。また、保護フィルムを接着層から剥離する際に、接着層に剥離跡(例えば、表面の凹凸)が生じる場合がある。
そこで、本発明は、保護フィルム付き封止部材の脱水工程における気泡発生を抑制するとともに、接着層から保護フィルムを剥離する際、接着層に剥離跡が生じにくい、有機電子デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る有機電子デバイスの製造方法は、基板上に第1電極と、有機層を含むデバイス機能部と、第2電極とが順に設けられたデバイス基材を形成するデバイス基材形成工程と、封止基材に接着層が積層された封止部材に上記接着層を介して保護フィルムが積層された保護フィルム付き封止部材を脱水する脱水工程と、上記脱水工程を経た上記保護フィルム付き封止部材から上記保護フィルムを剥離して、上記接着層を介して上記封止部材を上記デバイス基材に貼合する封止部材貼合工程と、を備え、上記保護フィルム付き封止部材における上記保護フィルムに対する上記接着層の剥離強度が0.06N/20mm〜0.3N/20mmである。
上記保護フィルムに対する上記接着層の剥離強度が上記範囲であることにより、上記脱水工程での気泡発生を抑制できるとともに、封止部材貼合工程において接着層から保護フィルムを剥離する際、接着層に剥離跡が生じにくい。
上記脱水工程では、上記保護フィルム付き封止部材に赤外線を照射することによって上記保護フィルム付き封止部材を脱水してもよい。この場合、赤外線で水分を直接加熱できるため、効率的に脱水できる。
上記接着層は吸湿剤を含んでもよい。この場合、製造された有機電子デバイスにおいて、有機層への水分浸入を一層防止できる。
上記保護フィルムの厚さが50μm以下であってもよい。この場合、保護フィルム付き封止部材を効率的に脱水できる。
上記封止基材の材料の例は、アルミニウム又は銅を含む。封止基材の材料がアルミニウム又は銅を含む場合、脱水工程で気泡が生じた場合、気泡の影響や、剥離跡の影響で封止基材が変形しやすい。よって、前述のように気泡及び剥離跡が生じにくい本発明は、封止基材の材料がアルミニウム又は銅を含む場合により有効である。
本発明によれば、保護フィルム付き封止部材の脱水工程における気泡発生を抑制するとともに、接着層から保護フィルムを剥離する際、接着層に剥離跡が生じにくい、有機電子デバイスの製造方法を提供できる。
図1は、一実施形態に係る保護フィルム付き封止部材の側面図である。 図2は、図1に示した保護フィルム付き封止部材を用いた有機ELデバイス(有機電子デバイス)の製造方法を示すフローチャートである。 図3は、製造されるべき有機ELデバイスが有するデバイス基材の構成の一例を示す断面図である。 図4は、図2に示した準備工程を説明するための図面である。 図5は、有機ELデバイス(有機電子デバイス)の製造方法における封止部材貼合工程を説明するための図面である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
図1は、一実施形態に係る有機ELデバイス(有機電子デバイス)の製造に使用する保護フィルム付き封止部材10の側面図であり、保護フィルム付き封止部材10の構成を概略的に示している。保護フィルム付き封止部材10は、封止部材20と、保護フィルム30とを備える。保護フィルム付き封止部材10は、帯状でもよいし、枚葉状でもよい。以下、断らない限り、保護フィルム付き封止部材10は、帯状を呈する。
封止部材20は、有機ELデバイスに含まれる有機層の劣化を防止するための部材である。封止部材20は、封止基材21と、接着層22と、樹脂フィルム23とを有する。
封止基材21は、水分バリア機能を有する。封止基材21の水分透過率の例は、温度40℃、湿度90%RHの環境下で5×10−5g/(m・24hr)以下である。封止基材21は、ガスバリア機能を有してもよい。封止基材21の例としては、金属箔、透明なプラスチックフィルムの片面又はその両面にバリア機能層を形成したバリアフィルム、或いはフレキシブル性を有する薄膜ガラス、プラスチックフィルム上にバリア性を有する金属を積層させたフィルム等が挙げられる。封止基材21の厚さの例は、10μm〜300μmである。金属箔の材料としては、バリア性の観点から、銅、アルミニウム、又はステンレスを含むことが好ましく、銅又はアルミニウムを含むことがより好ましい。封止基材21が金属箔である場合、金属箔の厚さとしては、ピンホール抑制の観点から厚い程好ましいが、フレキシブル性の観点も考慮すると10μm〜50μmが好ましい。
接着層22は、封止基材21の一方の面に積層されている。接着層22とは、隣接する少なくとも2層を互いに接着するために配置される層である。接着層22は、有機ELデバイスにおける封止部材20で封止すべき部分を埋設可能な厚さを有していればよい。接着層22の厚さの例は、5μm〜100μmである。
接着層22の材料の例は感圧型接着剤を含む。すなわち、接着層22は粘着層であってもよい。接着層22の材料としては、例えば光硬化性又は熱硬化性のアクリレート樹脂、光硬化性又は熱硬化性のエポキシ樹脂等が挙げられる。その他一般に使用されるインパルスシーラーで融着可能な樹脂フィルム、例えばエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、ポリブタジエンフィルム等の熱融着性フィルムを接着層22として使用できる。熱可塑性樹脂も接着層22の材料に使用でき、例えば、オレフィン系エラストマーやスチレン系エラストマー、ブタジエン系エラストマー等が挙げられる。
接着層22は吸湿剤を含んでもよい。吸湿剤は、水分を吸収する剤である。吸湿剤は、水分の他に、酸素等を吸収してもよい。吸湿剤の例としては、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、酸化アルミニウム、酸化バリウム、五酸化ニリン、酸化リチウム、酸化ナトリウム等の金属酸化物等が挙げられる。また、金属酸化物の混合物または固溶物等を使用してもよい。金属酸化物の混合物または固溶物の例としては、焼成ドロマイト(酸化カルシウム及び酸化マグネシウムを含む混合物)、焼成ハイドロタルサイト(酸化カルシウムと酸化アルミニウムの固溶物)等が挙げられる。市販されている吸湿剤の例としては、例えば、焼成ドロマイト(吉澤石灰工業社製「KT」等)、酸化カルシウム(三共精粉社製「モイストップ#10」等)、酸化マグネシウム(協和化学工業社製「キョーワマグMF−150」、「キョーワマグMF−30」、タテホ化学工業社製「ピュアマグFNMG」等)、軽焼酸化マグネシウム(タテホ化学工業社製の「#500」、「#1000」、「#5000」等)、焼成ハイドロタルサイト(戸田工業社製「N41S」、協和化学工業社製「KW−2100」、「KW−2200」等)、半焼成ハイドロタルサイト(協和化学工業社製「DHT−4C」、「DHT−4A−2」等)等が挙げられる。
樹脂フィルム23は、封止基材21の他方の面(接着層22と接する面と反対側の面)に積層されている。樹脂フィルム23の材料としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)などが挙げられる。図1では、樹脂フィルム23を備えた封止部材20を例示しているが、封止部材20は、封止基材21と接着層22とを備えていれば、樹脂フィルム23を備えなくてもよい。
保護フィルム30は、接着層22のうち封止基材21と接する面と反対側の面に積層されている。すなわち、保護フィルム30は、接着層22を介して封止部材20に積層されている。保護フィルム30は、有機ELデバイスが製造されるまでに、接着層22へのゴミ付着の防止、及び、後述する搬送ロールRへの接着層22の付着を防止するための部材である。保護フィルム30は、接着層22から剥離可能な剥離フィルムであり得る。
保護フィルム30の材料の例としては、ポリエチレンナフタレート(PEN)、PET、PP、PE、PI、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー等が挙げられる。保護フィルム30の厚さは、50μm以下が好ましく、例えば、7μm〜50μmが挙げられる。
保護フィルム30のうち接着層22と接する面には、コーティング層が形成されてもよい。コーティング層の材料の例は、シリコーン樹脂系離型剤、フッ素系離型剤、アルキド系離型剤、アクリル系離型剤等である。
保護フィルム付き封止部材10において、保護フィルム30に対する接着層22の剥離強度は、0.06N/20mm〜0.3N/20mmである。上記剥離強度は、0.06N/20mm〜0.25N/20mmでもよく、更に、0.06N/20mm〜0.2N/20mmでもよい。上記剥離強度は、JIS Z0237に従って測定される180度剥離強度である。保護フィルム30に対する接着層22の剥離強度は、例えば、保護フィルム30の接着層22への貼合条件(温度、圧力など)を変更することで調整され得る。保護フィルム30のうち接着層22と接する面に上記コーティング層が形成されている実施形態では、剥離強度はコーティング層の材料構造を変えることによっても調整され得る。
次に、図1に示した保護フィルム付き封止部材10を用いた有機ELデバイスの製造方法の一例を説明する。図2に示したように、有機ELデバイスの製造方法は、デバイス基材形成工程S10と、保護フィルム付き封止部材10の準備工程S20と、封止部材貼合工程S30とを備える。断らない限り、製造すべき有機ELデバイスがボトムエミッション型の場合を説明するが、有機ELデバイスはトップエミッション型でもよい。
[デバイス基材形成工程]
デバイス基材形成工程S10では、図3に示したように、基板41上に、陽極(第1電極)42、有機EL部(有機層を含むデバイス機能部)43及び陰極(第2電極)44を順に積層することによってデバイス基材40を形成する。デバイス基材40を説明する。
[基板]
基板41は、製造する有機ELデバイスが出射する光(波長400nm〜800nmの可視光を含む)に対して透光性を有する。本実施形態において、有機ELデバイスの製造に使用する基板41は帯状を呈する。基板41の厚さの例は、30μm〜700μmである。
基板41は、可撓性を有する基板であることが好ましい。可撓性とは、基板に所定の力を加えても剪断したり破断したりすることがなく、基板を撓めることが可能な性質である。基板41の例はプラスチックフィルム又は高分子フィルムである。基板41は、水分バリア機能を有するバリア層を更に有してもよい。バリア層は、水分をバリアする機能に加えて、ガス(例えば酸素)をバリアする機能を有してもよい。
[陽極]
陽極42は、基板41上に設けられている。陽極42には、光透過性を示す電極が用いられる。光透過性を示す電極としては、電気伝導度の高い金属酸化物、金属硫化物及び金属等の薄膜を用いることができ、光透過率の高い薄膜が好適に用いられる。陽極42は、導電体(例えば金属)からなるネットワーク構造を有してもよい。陽極42の厚さは、光の透過性、電気伝導度等を考慮して決定され得る。陽極42の厚さは、通常、10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
陽極42の材料としては、例えば酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:略称ITO)、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide:略称IZO)、金、白金、銀、銅等が挙げられ、これらの中でもITO、IZO、又は酸化スズが好ましい。陽極42は、例示した材料からなる薄膜として形成され得る。陽極42の材料には、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体等の有機物を用いてもよい。この場合、陽極42は、透明導電膜として形成され得る。
陽極42は、ドライ成膜法、メッキ法、塗布法などにより形成され得る。ドライ成膜法としては、例えば真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、CVD法などが挙げられる。塗布法としては、例えばインクジェット印刷法、スリットコート法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法及びノズル印刷法等が挙げられ、これらの中でもインクジェット印刷法が好ましい。
[有機EL部]
有機EL部43は、陽極42及び陰極44に印加された電圧に応じて、電荷の移動及び電荷の再結合などの有機ELデバイスの発光に寄与する機能部であり、発光層等の有機層を有する。
発光層は、光(可視光を含む)を発する機能を有する機能層である。発光層は、通常、主として蛍光及びりん光の少なくとも一方を発光する有機物、又はこの有機物とこれを補助するドーパント材料とから構成される。従って、発光層は有機層である。ドーパント材料は、例えば発光効率の向上や、発光波長を変化させるために加えられる。上記有機物は、低分子化合物でも高分子化合物でもよい。発光層の厚さは、例えば約2nm〜200nmである。
主として蛍光及びりん光の少なくとも一方を発光する有機物としては、例えば以下の色素系材料、金属錯体系材料及び高分子系材料が挙げられる。
(色素系材料)
色素系材料としては、例えばシクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体などが挙げられる。
(金属錯体系材料)
金属錯体系材料としては、例えばTb、Eu、Dyなどの希土類金属、又はAl、Zn、Be、Ir、Ptなどを中心金属に有し、オキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造などを配位子に有する金属錯体が挙げられ、例えばイリジウム錯体、白金錯体などの三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミニウムキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、フェナントロリンユーロピウム錯体などが挙げられる。
(高分子系材料)
高分子系材料としては、例えばポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記色素系材料や金属錯体系発光材料を高分子化したものなどが挙げられる。
(ドーパント材料)
ドーパント材料としては、例えばペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾンなどが挙げられる。
発光層は、ドライ成膜法、塗布法などによって形成され得る。ドライ成膜法及び塗布法の例は、陽極42の場合と同様である。発光層は、好ましくは、インクジェット印刷法で形成される。
有機EL部43は、発光層の他、種々の機能層を有してもよい。陽極42と発光層との間に配置される機能層の例は、正孔注入層、正孔輸送層などである。陰極44と発光層との間に配置される機能層の例は、電子注入層、電子輸送層などである。電子注入層は、陰極44の一部であってもよい。これらの機能層は、有機物を含む有機層であってもよい。
有機EL部43の層構成の例を以下に示す。下記層構成の例では、陽極42と陰極44と各機能層の配置関係を示すために、陽極及び陰極も括弧書きで記載している。
(a)(陽極)/発光層/(陰極)
(b)(陽極)/正孔注入層/発光層/(陰極)
(c)(陽極)/正孔注入層/発光層/電子注入層/(陰極)
(d)(陽極)/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/(陰極)
(e)(陽極)/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/(陰極)
(f)(陽極)/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/(陰極)
(g)(陽極)/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/(陰極)
(h)(陽極)/発光層/電子注入層/(陰極)
(i)(陽極)/発光層/電子輸送層/電子注入層/(陰極)
記号「/」は、記号「/」の両側の層同士が接合していることを意味している。
ここで、正孔注入層は、陽極から発光層への正孔注入効率を向上させる機能を有する機能層である。正孔輸送層は、陽極、正孔注入層又は正孔輸送層のうち陽極により近い部分から発光層への正孔注入効率を向上させる機能を有する機能層である。電子輸送層は、陰極、電子注入層又は電子輸送層のうち陰極により近い部分から発光層への電子注入効率を向上させる機能を有する機能層である。電子注入層は、陰極から発光層への電子注入効率を向上させる機能を有する機能層である。
有機EL部43が有する発光層以外の機能層(例えば、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層など)の材料には公知の材料が用いられ得る。有機EL部43が有する機能層の厚さは、用いる材料によって最適値が異なり、電気伝導度、耐久性等を考慮して設定される。有機EL部43が有する発光層以外の機能層も発光層と同様の方法で形成され得る。
[陰極]
陰極44は、有機EL部43上に設けられている。陰極44の一部は、基板41上に設けられてもよい。陰極44の厚さは、用いる材料によって最適値が異なり、電気伝導度、耐久性等を考慮して設定される。陰極44の厚さは、通常、10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
有機EL部43からの光(具体的には、発光層からの光)が陰極44で反射して陽極42側に進むように、陰極44の材料は、有機EL部43が有する発光層からの光(特に可視光)に対して反射率の高い材料が好ましい。陰極44の材料としては、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属及び周期表の第13族金属等が挙げられる。陰極44として、導電性金属酸化物及び導電性有機物等からなる透明導電性電極を用いてもよい。
陰極44は、例えば陽極42の場合と同様の方法で形成され得る。陰極44は、金属薄膜を熱圧着するラミネート法で形成されてもよい。
デバイス基材形成工程S10では、帯状の基板41を、ロールツーロール方式で長手方向に搬送しながら、基板41上に仮想的に設定された複数のデバイス形成領域上に、それぞれ陽極42、有機EL部43及び陰極44を順次積層することによってデバイス基材40を形成する。各デバイス形成領域のサイズは、製造する有機ELデバイスの所望のサイズ(例えば製品サイズ)に設定され得る。陽極42、有機EL部43及び陰極44は、前述した方法で形成され得る。有機EL部43が多層構造を有する場合は、陽極42側から順に各層を形成すればよい。
[保護フィルム付き封止部材の準備工程]
保護フィルム付き封止部材10の準備工程S20(以下、準備工程S20と称する)では、ロールツーロール方式で、保護フィルム付き封止部材10を脱水する。図2に示したように、準備工程S20は、巻出し工程S21と、脱水工程S22と、巻取り工程S23とを有する。
図4は、保護フィルム付き封止部材の準備工程S20を説明する図面である。図4では、保護フィルム付き封止部材10を模式的に太い実線で示している。準備工程S20では、搬送ロールRで保護フィルム付き封止部材10をその長手方向に搬送しながら脱水を行う。本実施形態では、保護フィルム付き封止部材10を、保護フィルム30が搬送ロールRに接するように搬送するが、樹脂フィルム23が搬送ロールRに接してもよい。
(巻出し工程)
巻出し工程S21では、図4に示したように、巻出し室51内に配置された巻出し部61にロール状の保護フィルム付き封止部材10をセットした後、保護フィルム付き封止部材10を巻き出す。巻き出された保護フィルム付き封止部材10は、搬送ロールRで加熱室52に搬送される。巻出し室51と加熱室52とは連結部54で連結されていてもよいし、直接連結されていてもよい。
(脱水工程)
脱水工程S22では、巻出し室51から搬送されてきた保護フィルム付き封止部材10を搬送ロールRで搬送しながら脱水する。脱水方法は限定されないが、本実施形態では、断らない限り、赤外線を利用して保護フィルム付き封止部材10を加熱することで脱水(加熱脱水)する実施形態を説明する。具体的には、本実施形態の脱水工程S22では、保護フィルム付き封止部材10の搬送経路上に配置された赤外線照射部56から保護フィルム付き封止部材10に赤外線を照射して保護フィルム付き封止部材10を加熱脱水する。
赤外線照射部56は、加熱脱水に使用する赤外線を出力可能な構成を有していればよく、例えば赤外線ヒータである。赤外線照射部56は、例えば保護フィルム30側から保護フィルム付き封止部材10に赤外線を照射するように、保護フィルム付き封止部材10に対して配置され得る。
保護フィルム付き封止部材10に照射する赤外線は、保護フィルム付き封止部材10を効率的に加熱脱水するために水の吸収波長を含む中赤外線(波長1.8μm〜3.0μm)が好ましい。脱水工程S22時の加熱温度(保護フィルム付き封止部材10の表面温度)や加熱時間は、保護フィルム付き封止部材10に用いられている部材に応じて、調整される。
(巻取り工程)
巻取り工程S23では、加熱室52で加熱脱水された保護フィルム付き封止部材10を、加熱室52の後段に設けられた巻取り室53内の巻取り部62でロール状に巻き取る。巻取り室53内では、加熱室52から搬送されてきた保護フィルム付き封止部材10を搬送ロールRで巻取り部62に向けて搬送する。加熱室52と巻取り室53とは連結部55で連結されてもよいし、それらが直接連結されていてもよい。
[封止部材貼合工程]
封止部材貼合工程S30では、脱水工程S22を経た保護フィルム付き封止部材10から保護フィルム30を剥離し、図5に示したように、接着層22を介して封止部材20をデバイス基材40に貼合することによって、有機ELデバイスを得る。封止部材貼合工程S30は、保護フィルム付き封止部材10及びデバイス基材40をそれぞれ長手方向に搬送しながらロールツーロール方式で実施され得る。
具体的には、封止部材貼合工程S30用の保護フィルム付き封止部材10の巻出し室に配置された巻出し部に、加熱脱水されたロール状の保護フィルム付き封止部材10をセットする。その後、保護フィルム付き封止部材10を巻き出して、長手方向に搬送しながら連続的に保護フィルム付き封止部材10から保護フィルム30を剥離する。
次いで、保護フィルム付き封止部材10から保護フィルム30を剥離して得られた封止部材20を長手方向に搬送しながら、長手方向に搬送されているデバイス基材40に連続的に貼合する。具体的には、封止部材20の接着層22を、図5に示したように、デバイス基材40と対向させた状態で、封止部材20とデバイス基材40とをその厚さ方向に加圧及び加熱することによって、封止部材20をデバイス基材40に貼合する。
長手方向に搬送されているデバイス基材40は、デバイス基材形成工程S10における陰極44形成後に引き続いて連続的に搬送されてきたデバイス基材40であってもよいし、陰極44形成後に一旦ロール状に巻き取られたデバイス基材40を、デバイス基材40用の巻出し部にセットした後に、巻き出されたデバイス基材40であってもよい。
図3及び図5では、デバイス基材40を簡略化して模式的に図示しているが、陽極42及び陰極44のそれぞれは、陽極42及び陰極44に電圧を印加可能なように、封止部材20から陽極42及び陰極44それぞれの一部が引き出され得るように構成され得る。或いは、陽極42及び陰極44それぞれに対応して設けられているとともに、一部が封止部材20の外側に配置される電極部を基板41上に形成しておき、陽極42及び陰極44を、対応する電極部と電気的に接続するように形成しておいてもよい。
封止部材貼合工程S30を経ることで、デバイス形成領域毎に有機ELデバイスが形成されている。よって、有機ELデバイスの製造方法は、封止部材貼合工程S30を経た基板41をデバイス形成領域毎に個片化する個片化工程を備えてもよい。個片化工程で、基板41がデバイス形成領域毎に分割されることで、所望のサイズ(例えば製品サイズ)の有機ELデバイスが得られる。
上記有機ELデバイスの製造方法では、脱水工程S22を有することから、封止部材20の水分を除去して、デバイス基材40に封止部材20を貼合できる。そのため、良好な封止性能を実現可能であり、有機ELデバイス内の有機層の水分による劣化を抑制できる。
接着層22が吸湿剤を含む実施形態では、製造された有機ELデバイスにおいて、有機ELデバイス内の有機層への水分浸入を一層防止できる。
脱水工程S22において赤外線による加熱脱水を実施する実施形態では、赤外線を利用して保護フィルム付き封止部材10内、特に、接着層22内の水分を直接加熱できるので、保護フィルム付き封止部材10を効率的に脱水できる。更に、赤外線を利用することで、保護フィルム付き封止部材10を搬送しながら脱水工程S22を実施し易い。よって、脱水工程S22に要する時間を短縮でき、結果として、有機ELデバイスの生産性の向上を図れる。
本実施形態の有機ELデバイスの製造方法では、保護フィルム付き封止部材10を脱水していることから、保護フィルム付き封止部材10を搬送ロールRで搬送しながら準備工程S20を実施できる。更に、接着層22へのゴミなどの付着を防止しながら準備工程Sを実施できる。
保護フィルム30の厚さが50μm以下である実施形態では、脱水工程S22において、例えば接着層22から放出された水分が、保護フィルム30を通して保護フィルム付き封止部材10の外部に放出されやすい。そのため、保護フィルム30と接着層22との間における気泡の発生を抑制しながら効率的に保護フィルム付き封止部材10を脱水できる。保護フィルム30の厚さは、通常、7μm以上である。
本実施形態の有機ELデバイスの製造方法で使用する保護フィルム付き封止部材10において、保護フィルム30に対する接着層22の剥離強度は、0.06N/20mm〜0.3N/20mmである。
上記剥離強度が0.06N/20mm以上であれば、脱水工程S22中に、保護フィルム30と接着層22との間において、接着層22からの水分放出に起因した気泡が実質的に生じにくい。よって、気泡に起因した封止基材21の変形、保護フィルム30の剥離などの保護フィルム付き封止部材10の変形を防止できる。また、上記剥離強度が0.3N/20mm以下であれば、封止部材貼合工程S30において保護フィルム30を接着層22から剥離する際に、接着層22の表面(接着層22の保護フィルム30側の面)に剥離跡が実質的に生じず、剥離跡に起因した封止基材21の変形も生じない。
上記のように、保護フィルム30に対する接着層22の剥離強度が0.06N/20mm〜0.3N/20mmであることによって、気泡に起因した保護フィルム付き封止部材10の変形を防止できるとともに、保護フィルム30を接着層22から剥離する際の剥離跡も防止できる。そのため、封止部材20を所望の状態でデバイス基材40に貼合できるとともに、封止部材20とデバイス基材40との貼合部分への気泡の混入なども防止できる。その結果、製造された有機ELデバイスにおいて、例えば封止部材20から有機層への水分の浸入が抑制され、良好な封止性能が実現され得る。
封止基材21の材料がアルミニウムを含む実施形態では、仮に脱水工程S22で気泡が生じた場合、気泡の影響や、剥離跡の影響で封止基材21が変形しやすい。したがって、本実施形態で説明した有機ELデバイスの製造方法は、封止基材21の材料がアルミニウムである場合により有効である。
次に、保護フィルム30に対する接着層22の剥離強度に対する効果を検証した実験例1、実験例2、比較実験例1及び比較実験例2を説明する。重複する説明を省略するために、実験例及び比較実験例ともに、これまでの説明の構成要素に対応する構成要素には同様の符号を付す。
[実験例1]
実験例1では、10cm角に切り出した保護フィルム付き封止部材10を準備した。保護フィルム付き封止部材10は、封止基材21と、接着層22と、保護フィルム30とを備えていた。
封止基材21は、35μm厚の銅箔(福田金属箔粉工業株式会社製のCF−T8G−STD−35)であった。接着層22は、感圧型接着剤を用いた粘着層であった。接着層22の厚さは30μmであった。保護フィルム30の厚さは25μmであった。保護フィルム30の接着層22側の面には、シリコーン樹脂系離型剤を含むコーティング層が形成されていた。
保護フィルム付き封止部材10は、封止基材21に接着層22が積層された封止部材20を準備し、その後、接着層22において封止基材21と反対側の面に、保護フィルム30を貼合することで製造された。接着層22への保護フィルム30の貼合は、0.5MPaの真空環境下において、30秒間、接着層22及び保護フィルム30を80℃で加熱することで行った。
準備した保護フィルム付き封止部材10において、保護フィルム30に対する接着層22の剥離強度は0.18N/20mmであった。剥離強度は、準備した保護フィルム付き封止部材10と同じ構成を有し、かつ同じ製造条件で製造された幅20mmの試験片に対して、協和界面化学社製の軽荷重タイプ粘着・皮膜剥離解析装置 VPA−3Sを用いて、JIS Z0237に従って行った。剥離強度測定の際の剥離速度は50mm/minであった。
準備した上記保護フィルム付き封止部材10に、真空(1×10−5Pa)下で赤外線照射することによって、上記保護フィルム付き封止部材10を160℃で加熱脱水した。その結果、加熱脱水時に、保護フィルム30と接着層22との間に気泡は発生しなかった。
上記のように保護フィルム付き封止部材10を加熱脱水した後、保護フィルム30を接着層22から剥離した。保護フィルム30が剥離された接着層22の表面を目視観察した結果、剥離跡は生じていなかった。
[実験例2]
実験例2では、保護フィルム30に対する接着層22の剥離強度が0.06N/20mmである点以外は、実験例1と同じ構成の保護フィルム付き封止部材10を用いた。実験例2でもシリコーン樹脂系離型剤を含むコーティング層を用いた。剥離強度は、保護フィルム30の接着層22側の面に形成したシリコーン樹脂系離型剤を含むコーティング層の材料構造を変えることによって調整した。剥離強度は、実験例2で準備した保護フィルム付き封止部材10と同じ構成を有し、かつ同じ製造条件で製造された幅20mmの試験片を用いた点以外は、実験例1と同じ条件で測定した。
実験例2では、準備した保護フィルム付き封止部材10を、実験例1と同じ条件で加熱脱水した。その結果、実験例2においても加熱脱水時に、保護フィルム30と接着層22との間に気泡は発生しなかった。
上記のように保護フィルム付き封止部材10を加熱脱水した後、保護フィルム30を接着層22から剥離した。保護フィルム30が剥離された接着層22の表面を目視観察した結果、剥離跡は生じていなかった。
[比較実験例1]
比較実験例1では、保護フィルム30に対する接着層22の剥離強度が0.35N/20mmである点以外は、実験例1と同じ構成の保護フィルム付き封止部材10を用いた。比較実験例1でもシリコーン樹脂系離型剤を含むコーティング層を用いた。剥離強度は、保護フィルム30の接着層22側の面に形成したシリコーン樹脂系離型剤を含むコーティング層の材料構造を変えることによって調整した。剥離強度は、比較実験例1で準備した上記保護フィルム付き封止部材10と同じ構成を有し、かつ同じ製造条件で製造された幅20mmの試験片を用いた点以外は、実験例1と同様の条件で測定した。
比較実験例1では、準備した保護フィルム付き封止部材10を、実験例1と同じ条件で加熱脱水した。その結果、比較実験例1では、加熱脱水時に、保護フィルム30と接着層22との間に気泡は発生していなかった。
上記のように保護フィルム付き封止部材10を加熱脱水した後、保護フィルム30を接着層22から剥離した。保護フィルム30が剥離された接着層22の表面を目視観察した結果、剥離跡が生じていた。
[比較実験例2]
比較実験例2では、保護フィルム30に対する接着層22の剥離強度が0.02N/20mmである点以外は、実験例1と同じ構成の保護フィルム付き封止部材10を用いた。比較実験例2でもシリコーン樹脂系離型剤を含むコーティング層を用いた。剥離強度は、保護フィルム30の接着層22側の面に形成したシリコーン樹脂系離型剤を含むコーティング層の材料構造を変えることによって調整した。剥離強度は、比較実験例2で準備した保護フィルム付き封止部材10と同じ構成を有し、かつ同じ製造条件で製造された幅20mmの試験片を用いた点以外は、実験例1と同じ条件で測定した。
比較実験例2では、準備した保護フィルム付き封止部材10を、実験例1と同じ条件で加熱脱水した。その結果、比較実験例2では、加熱脱水時に、保護フィルム30と接着層22との間に気泡が発生していた。
上記のように保護フィルム付き封止部材10を加熱脱水した後、保護フィルム30を接着層22から剥離した。保護フィルム30が剥離された接着層22の表面を目視観察した結果、気泡痕による凹凸が生じていた。
上記実験例1、実験例2、比較実験例1及び比較実験例2における保護フィルム付き封止部材10の加熱脱水の実験結果より、保護フィルム30に対する接着層22の剥離強度が0.06N/20mm〜0.3N/20mmの範囲であれば、脱水時に気泡の発生を防止できるとともに、保護フィルム30を接着層22から剥離した際、剥離跡が生じないことが検証された。
以上、本発明の種々の実施形態を説明した。しかしながら、本発明は必ずしも上述した種々の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
保護フィルム付き封止部材が帯状である場合を説明したが、保護フィルム付き封止部材は、枚葉状であってもよい。同様に、デバイス基材(又はデバイス基材が有する基板)も枚葉状であってもよい。
巻出し工程及び巻取り工程を含む保護フィルム付き封止部材の準備工程を説明した。しかしながら、保護フィルム付き封止部材の準備工程は、巻出し工程及び巻取り工程の少なくとも一方を備えなくてもよい。
図2に示した脱水工程S22では、保護フィルム付き封止部材を赤外線で加熱脱水する場合について説明したが、保護フィルム付き封止部材を脱水する方法は、赤外線を用いる方法に限定されない。例えば、保護フィルム付き封止部材に熱風を当てて脱水する方法を実施してもよい。
有機ELデバイスの製造方法で製造される有機ELデバイスは、基板側から光を発する形態に限定されず、基板と反対側から光を発生する有機ELデバイスにも適用可能である。デバイス基材の第1電極及び第2電極が陽極及び陰極である形態を説明したが、第1電極が陰極で、第2電極が陽極であってもよい。本発明は、有機ELデバイス以外の有機電子デバイス、例えば、有機太陽電池、有機フォトディテクタ、有機トランジスタなどにも適用可能である。
10…保護フィルム付き封止部材、20…封止部材、21…封止基材、22…接着層、23…樹脂フィルム、30…保護フィルム、40…デバイス基材、41…基板、42…陽極(第1電極)、43…有機EL部(有機層を含むデバイス機能部)、44…陰極(第2電極)、56…赤外線照射部。

Claims (5)

  1. 基板上に第1電極と、有機層を含むデバイス機能部と、第2電極とが順に設けられたデバイス基材を形成するデバイス基材形成工程と、
    封止基材に接着層が積層された封止部材に前記接着層を介して保護フィルムが積層された保護フィルム付き封止部材を脱水する脱水工程と、
    前記脱水工程を経た前記保護フィルム付き封止部材から前記保護フィルムを剥離して、前記接着層を介して前記封止部材を前記デバイス基材に貼合する封止部材貼合工程と、
    を備え、
    前記保護フィルム付き封止部材における前記保護フィルムに対する前記接着層の剥離強度が0.06N/20mm〜0.3N/20mmである、
    有機電子デバイスの製造方法。
  2. 前記脱水工程では、前記保護フィルム付き封止部材に赤外線を照射することによって前記保護フィルム付き封止部材を脱水する、
    請求項1に記載の有機電子デバイスの製造方法。
  3. 前記接着層は吸湿剤を含む、
    請求項1又は2に記載の有機電子デバイスの製造方法。
  4. 前記保護フィルムの厚さが50μm以下である、
    請求項1〜3の何れか一項に記載の有機電子デバイスの製造方法。
  5. 前記封止基材の材料がアルミニウム又は銅を含む、
    請求項1〜4の何れか一項に記載の有機電子デバイスの製造方法。
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