JP4191945B2 - 粘着体、それを用いた粘着シート並びにフレキシブル回路基板用積層材料 - Google Patents
粘着体、それを用いた粘着シート並びにフレキシブル回路基板用積層材料 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温下で用いても被着体との間に浮きの発生がなく、しかも剥離したときには糊残りのない粘着体、それを用いた粘着シート並びに該粘着シートを用いたフレキシブル回路基板用積層材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話を始めとして情報端末機器の小型・軽量化及び高速化に伴い、搭載されるフレキシブル回路基板の小型、軽量化及び回路の微細加工が強く求められてきている。このような要求に対して、従来使用されいた3層タイプ(銅箔/接着剤層/フィルム基材)のかわりに2層構造からなる無接着剤タイプ(導電層/フィルム基材。以下、単に2層タイプ基材とも言う)のCCLを用い、回路の微細加工を行うことが検討されている。
【0003】
2層タイプ基材は厚みが従来品と比べ著しく薄くなり、しかも従来用いられていた接着剤層を有さないため、腰が無くなり、基材の取扱い性が非常に悪くなるため従来の製造方法を用いるとシワ、折れスジが入り易くなる。これは製品歩留りが大幅に低下する原因となっている。このような歩留りの低下を防ぐため、薄く腰の無い2層タイプ基材のフィルム側に粘着フィルムとして耐熱性を有するフィルム基材上に粘着層を施した粘着フィルムを貼り合せ、回路形成などの工程を終了後、粘着フィルムを剥がすことが望まれているが、フレキシブル回路基板製造工程中のある一部の工程で検討されているものの、製造工程において最初の同面の洗浄工程から回路形成、カバーレイの貼り合せそしてメッキ工程まで一連して2層タイプ基材の支持フィルムとして用いられる補強用支持フィルムとしての粘着シートはいまだ提供されていないのが現状である。
【0004】
特に大きな支障となっているのは、ソルダーレジストインキ硬化工程中にかかる温度の影響が挙げられる。その温度は一般的には150〜160℃、最低でも130℃程度である。いままで検討されてきた粘着フィルムとしての粘着剤組成物は、メッキ工程用として紫外線硬化タイプの粘着組成物があるが、このものは、80℃以上の温度において粘着剤成分の一部が反応するため、紫外線を照射しても剥がすことができなくなる。また、紫外線硬化タイプの粘着フィルムは通常PETやオレフィンタイプの耐熱性に欠けるフィルム上に塗布されている。よって、紫外線硬化タイプの粘着剤の改良が行われた場合でも、150℃以上の耐熱性を有するフィルムは、紫外線を透過させないため、紫外線を照射し剥離させることができないものとなる。
【0005】
また、再剥離性を有する熱発泡タイプでは、カバーレイ工程の熱圧着時に、発泡剤が押し潰され、再剥離性が著しく低下したり、無機系発泡剤を使用した際には100℃以上にて徐々に発泡が開始されるため、次工程で本来の密着力を保持することができず、支持フィルムとしての効果を失うという問題がある。
さらに、室温において微粘着性を有する粘着フィルムも、150℃以上の高温下に曝された後、室温雰囲気に戻されると、剥離力が大きくなるため剥がしにくくなり、その結果製品歩留り性が低下するのを免れないものであった。
【0006】
加えて言えば、前述の従来技術の粘着フィルムに用いられている基材フィルムとしては、PET、塩化ビニル、オレフィンなどが主として用いられているが、これらの基材は150℃以上、特に170℃以上では基材フィルムが変形(基材フィルムの両側がワカメ状になり)し、カバーレイ工程の次に行われるメッキ工程にて、メッキ液が2層タイプ基材のフィルムと粘着層との間に入り込み支持フィルムとしての機能を果たさなくなるという問題がある。一般的にこれらの温度に耐えられ、かつ一般的に使用されているフィルムとしては、ポリイミド系などの耐熱フィルムが主であるが、これらの耐熱フィルムを支持フィルムとして検討した場合、製造コストを大幅に高めることになり、歩留りを向上させたとしても実用性に乏しいため、支持フィルム用との粘着フィルムの基材としては用いられていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、耐熱性フィルムと銅からなる2層タイプ基材を用い微細加工を要求されるフレキシブル回路基板やTABの製造工程において、特に110℃以上の熱がかかる工程においてもフレキシブル回路基板のベースフィルムとの間で浮きが生じることなく、メッキ工程にも影響を及ぼさず、製造工程終了時に被着体の2層基材から容易に剥離でき、かつ粘着フィルムの基材も加熱時に変形することなく回路を形成することができる支持フィルムに有用な粘着体、それを用いた粘着シートを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明によれば、以下に示す粘着体、粘着シート及びフレキシブル回路基板用積層材料が提供される。
(1)110℃〜170℃における剥離力が0.02〜0.12N/25mmである粘着体であって、該粘着体は、質量平均分子量が75万以上、酸価5以上のアクリル系粘着剤(C1)と質量平均分子量40万未満、酸価40以上のアクリル系粘着剤(C2)とからなる粘着剤成分とイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤の中から選ばれる少なくとも1種の架橋剤(D)との反応物であることを特徴とする粘着体。
(2)加熱後の剥離力(A)が0.5N/25mm以下であることを特徴とする前記(1)に記載の粘着体。
(3)該アクリル系粘着剤(C1)と該アクリル系粘着剤(C2)との配合割合(C1)/(C2)が、質量比で95/5〜60/40であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の粘着体。
(4)前記(1)ないし(3)のいずれかに記載の粘着体が基材上に積層されてなることを特徴とする粘着シート。
(5)金属層と樹脂層とを有する積層材料の該樹脂層面に前記(4)記載の該粘着シートの該粘着体側を貼り付け積層したことを特徴とするフレキシブル回路基板用積層材料。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の粘着体は、110℃〜170℃の高温雰囲気下における被着体の回路基板の基材フィルムに対する剥離力が0.02〜0.12N/25mmである。この剥離力が0.02N/25mm未満では、回路基板の基材フィルムとして主に用いられるポリイミド系フィルムの吸水率が高いため、回路基板製造工程中110℃以上に加熱されることによりポリイミドフィルム中に吸着された水分が蒸発する。このため粘着体と基材フィルムとの間に気泡が発生し、その結果として浮き発生する。この浮きのため回路形成におけるエッチング工程やソルダーレジストインキ硬化後のメッキ工程において、粘着体と基材フィルムとの間に各種処理液がしみ込みが発生する。また、剥離力が0.12N/25mmを超えると、ポリイミドからの水分の蒸発による気泡は見られないものの、粘着体と基材フィルムとの塗れ性が大きくなり、加熱後、室温下での剥離力が大きくなりため、再剥離性が低下したり、剥離時に凝集破壊や糊残りなどの発生を防ぐことが困難となる。
【0010】
本発明の粘着体は、加熱後の室温での剥離力(A)が0.5N/25mm以下であることが好ましい。剥離力(A)が0.5N/25mmを超えると、回路基板の基材フィルムから粘着体を剥がす際に剥離しにくくなるため、回路基板にカールや糊残りが発生したり、凝集破壊を招くことがある。また、剥離力(A)と加熱前の室温下での剥離力(B)との比を3以下とするのが好ましい。
【0011】
本発明の粘着体においては、上記物性の範囲内であれば従来から用いられている粘着剤や架橋剤を用いることができるが、本発明において、粘着剤としては、アクリル系粘着剤、特に2種以上のことなるアクリル系粘着剤が用いられる。2種以上のアクリル系粘着剤としては、加熱高温下での剥離力を維持する成分と加熱後室温で再剥離性を良好にするための成分とを用いることがよく、例えば、(C1)加熱高温下での剥離力を維持するためには分子量を高め、その凝集力にて剥離力を維持させるものと、(C2)比較的低分子量で高架橋可能な粘着剤により加熱後の剥離性をコントロールし、再剥離性を高めるものとを用いることが望ましい。
【0012】
前記(C1)のような特性を有するアクリル系粘着剤としては、質量平均分子量が75万以上でしかも酸価が5以上のものが用いられる。質量平均分子量が75万未満では加熱後室温下での剥離力が0.5N/25mmを超えるため、剥離しにくいものとなる。また、60万以下では前記剥離性の他、加熱時(170℃)において、気泡が発生し易くなるという問題がある。さらに、酸価(mgKOH/g)を有さないものを用いると、加熱後の剥離力が0.5N/25mmを超えるし、また酸価が5未満のものでは、加熱時において支持フィルムと回路基板の基材フィルムとの間に気泡が発生するため浮きが生じるので好ましくない。
また前記(C2)のような特性を有するアクリル系粘着剤としては、質量平均分子量40万未満で、酸価40以上の高架橋可能なアクリル系粘着剤が用いられる。酸価が40未満の場合、加熱時に粘着体の塗れ性が良くなりすぎ、加熱後の室温下での剥離力が高くなるため、回路基板の基材フィルムとの間で凝集破壊をおこし易くなる。さらに質量平均分子量が40万以上であると前記(C1)アクリル系粘着剤との併用においては加熱後の剥離力の低下に効果が少なく、その剥離力も0.5N/25mm以下になりにくい。
前記(C1)成分と(C2)成分との配合割合は、質量比で95/5〜60/40の範囲である。配合割合が95/5未満では、加熱時に気泡の発生は見られないものの凝集力が高くなりすぎ、室温下に戻した際、剥離力が高くなり、再剥離性を損なうものとなるし、60/40を超えると、加熱時における剥離力が小さくなり、気泡の発生が見られる。
【0013】
本発明の粘着体に用いられる架橋剤は、上記粘着剤のカルボルキシル基と反応する官能基を有する化合物を用いることができる。このようなものとしては、例えば、イソシアナト基含有化合物、エポキシ基又はグリシジル基含有化合物、メラミン系化合物、アジリジニル基含有化合物等が挙げられるが、中でも芳香族系イソシアネート、芳香族系又は脂環式エポキシ樹脂が好ましい。芳香族系イソシアネートとしては、例えばキシレンジイソシアネートやトルエンジイソシアネート及びそれらのアダクトタイプが、芳香族系又は脂環式エポキシ樹脂としては、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物、例えばビスフェノールAあるいはビスフェノールFのジグリシジルエーテル、エポキシノボラック、メタキシレンジアミンのテトラグリシジルエーテルやその水添化された1,3−ビシクロアミンのテトラグリシジルエーテルなどが挙げられる。これらの中でアクリル系粘着剤の架橋剤として最も好ましいエポキシ樹脂としては、分子内に架橋の際に促進剤として機能する3級アミンを有するメタキシレンジアミンテトラグリシジルエーテル及びその水添化物である。
【0014】
この架橋剤の配合割合は、前記(C1)及び(C2)の合計量100質量部に対し、2〜15質量部の範囲が好ましい。この範囲より架橋剤が多いと、加熱時において剥離力が小さくなり、気泡が発生し易くなるし、この範囲より少ないと加熱後室温における剥離力が大きくなり、再剥離性を損なうものとなる。
【0015】
本発明の粘着シートは、基材上に前記粘着体を設けることにより得ることができる。粘着シートに用いられる基材としては、耐熱性を有するものであり、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂の他、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステルエーテル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、フッ素樹脂等からなるフィルムが挙げられる。また、これらのフィルムのうち、特に好ましいものとしては170℃における熱収縮率がTD及びMD方向とも±0.5%以下で、そのMDとTDとの比が3以下で、しかもガラス転移温度が120℃以上のフィルムが好ましい。ガラス転移温度が120℃未満ではフィルムがゴム状状態となり150℃以上の温度においてフィルムが変形し易くなり、そのため粘着体と被着体との間で剥離が発生する。170℃での熱収縮率がMD、TD方向とも0.5%を超えると支持フィルムとしての寸法安定性が損なわれ、回路形成及びソルダーインキ硬化時に微細回路形成が損なわれるおそれがある。また、170℃におけるMDとTD方向の熱収縮率の比が3を超えると、製造されたフレキシブル回路基板に反りが生じ易くなり、回路基板にカールが発生するのを防止することができない。経済性と性能の面から特に好ましい基材としてはポリエチレンナフタレートである。
【0016】
本発明で用いられる基材の厚さは、被着体を保護し、かつ必要な強度で支持することが可能な厚さであれば従来から基材として用いられているものの厚さ、例えば10〜125μm程度の厚さのものが用いられる。
【0017】
基材表面に、所望により表面処理を行うことができる。この時の表面処理としては、例えば(1)コロナ放電処理やグロー放電処理などの放電処理、(2)プラズマ処理、(3)火炎処理、(4)オゾン処理、(5)紫外線処理や電子線、放射線処理等の電離活性線処理、(6)サンドマット処理やヘアライン処理などの粗面化処理、(7)化学薬品処理、(8)アンカー層形成等が挙げられる。前記アンカー層としては、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂などが用いられる。このアンカー層の厚さは、通常0.5〜1.5μmの範囲である。
【0018】
この基材上に粘着体を形成するには、前記した成分を適当な溶剤に溶解又は分散させて固形分濃度を10〜50質量%程度の粘着体形成塗工液を調製し、前記粘着体形成塗工液を基材又は所望により設けられた表面処理面に、常法に従って、塗布、乾燥することにより、粘着体を設ける。
この時の粘着体の厚さは、所定の剥離性能を有すれば特に規定はなく、一般的に、2〜50μm程度、好ましくは5〜20μm程度である。この厚みよりも薄いと、初期剥離力が小さくなると共に、加熱時における剥離力も0.02N/25mm以上を満たすことができず、その結果、気泡発生を招き、支持フィルムとしての役割を損ねる。また、この範囲を超えると、初期剥離力が高くなると共に、加熱後の剥離力も大きくなり、再剥離性に支障をきたすので好ましくない。
この粘着体形成塗工液には、従来慣用されている各種添加剤、例えば架橋促進剤、酸化防止剤、安定剤、粘度調整剤、粘着付与樹脂、有機又は無機質充填剤などを添加することができる。架橋促進剤としては、例えば、トリエチルアミン系、ナフテン酸コバルト系、スズ系のものが挙げられる。架橋剤がイソシアネート系架橋剤の場合、特に塩化第一スズ、テトラ−n−ブチルスズ、塩化第二スズ、トリメチルスズヒドロキシド、ジメチル2塩化スズ、ジ−n−ブチルスズラウリレートなどのスズ系促進剤を使用するのが好ましく、また、エポキシ樹脂を架橋剤として用いる場合には、商品名 TMP−30として知られている3級アミンを1分子中に3個含有したフェノール類が特に有効である。また、酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤を加えることができる。
このようにして選られた粘着シートは、被着体、例えば回路基板の基材フィルムと貼り合わされるまでは、粘着体表面に剥離可能なフィルム(以下、単に剥離フィルムと言う)が貼り合されている。この剥離フィルムは、公知の何れのものも使用することができるが、微細加工されたフレキシブル回路基板製造工程用として粘着シートを使用する場合は、シリコーン系かつその他汚染の原因となる処理を施された剥離フィルムの使用は好ましくないので、フレキシブル回路基板製造工程用に使用可能な剥離フィルムとしては、OPPやPEフィルム等が用いられる。これらのフィルムの厚みは、15〜200μm程度が好ましい。
本発明のフレキシブル回路基板用積層材料は、2層材料のフィルム基材面と本発明の粘着シートの粘着体とを積層したものである。
【0019】
【実施例】
次に、本発明を実施例よりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではない。
なお、各例中の物性は以下の方法により測定したものである。
(1)加熱前の剥離力(B)(N/25mm)
製造後加熱処理や紫外線照射処理を受けていない粘着シートを、23℃、65%RHの条件下で、幅25mm、長さ250mmに切断した試験片に、厚さ25μmのポリイミドフィルムを2Kgゴムローラを用いて300mm/minの速さで一往復させて圧着し、前記と同じ23℃、65%RHの条件下で20分間放置した試験片について、同条件下で引張試験機を用いて引張り速さ300mm/minで厚さ25μmのポリイミドフィルムを180度方向に引き剥がしたときの剥離力を測定した。なお、前記被着体として用いるポリイミドフィルムは、東レデュポンフィルム社製のポリイミドフィルム(商品名:カプトン100H)である。
(2)110℃、130℃及び170℃雰囲気下での剥離力(n/25mm)
前記処理剥離力と同様にしてポリイミドフィルムと粘着シートとを圧着し、20分間放置した試験片を各温度雰囲気下で前記初期剥離力と同様にして剥離力を測定した。
(3)加熱後の剥離力(A)(170℃)(N/25mm)
前記初期剥離力と同様にしてポリイミドフィルムと粘着シートとを圧着し、20分間放置した試験片を170℃の雰囲気下で0.5時間加熱し、23℃、65%RHの条件下で冷却後、前記初期剥離力と同様にして剥離力を測定した。
(4)気泡の発生
粘着シート養生後剥離フィルムを剥し、無接着タイプCCL(新日鉄化学製 エスパネックスSC12−25−00AE)に貼り合せ、130℃及び170℃にて0.5時間放置後、室温に戻し気泡発生の有無を目視により以下の基準で評価した。
×…気泡及び浮き等変化が見られる。
○…外見上変化が見られない。
【0020】
実施例1
アクリル酸ブチル及びアクリル酸よりなるアクリル系粘着剤(C1−1、質量平均分子量130万、ガラス転移温度−40.5℃、酸価8mgKOH/g)90質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸メチル及びアクリル酸の3元共重合からなる低分子量アクリル系粘着剤(C2−1、質量平均分子量30万、ガラス転移温度―6.7℃、酸価47mgKOH/g)10質量部に対し、架橋剤として脂環式エポキシ樹脂(D1、三菱ガス化学製 TETRAD−C)4質量部と、溶媒としてトルエン、メチルエチルケトンの混合溶剤400質量部とを混合・攪拌し、粘着剤溶液とした。
次に、これを耐熱性基材フィルム(50μm ポリエチレンナフタレート)に乾燥膜厚が7μm程度になるように塗布し、130℃にて3分乾燥させた後、40μmのOPPフィルムを貼り合せた後、室温にて養生し、再剥離粘着シートを得た。このものの物性を表1に示す。
【0021】
実施例2
実施例1において、架橋剤(D1)の配合部数を2質量部に変更したほかは、同様に再剥離粘着シートを得た。このものの物性を表1に示す。
【0022】
実施例3
実施例1において、粘着剤(C1−1)と粘着剤(C2−1)との質量部をそれぞれ75質量部及び25質量部に変更し、更に架橋剤の配合部数を6質量部に変更し、同様の再剥離粘着シートを得た。このものの物性を表1に示す。
【0023】
実施例4
実施例3において、架橋剤(D1)の配合部数を3質量部に変更した以外は、同様に再剥離粘着シートを作製した。
【0024】
実施例5
実施例2において、架橋剤を芳香族イソシアネート(D2、コロネートL)14.4質量部とした以外は、全て実施例2と同様にして再剥離粘着シートを作製した。このものの物性を表1及び2に示す。
【0025】
実施例6
実施例5において、粘着剤(C1−1)にかえ、アクリル酸ブチル−アクリル酸共重合体(C1−3、質量平均分子量85万、ガラス転移温度−43℃、酸価7mgKOH/g)にした以外は、すべて実施例5と同様にして再剥離性粘着シートを作製した。このものの物性を表2に示す。
【0026】
比較例1
実施例3において、架橋剤(D1)の配合部数を 1.5質量部とした以外は、全て実施例3と同様にして、再剥離粘着シートを作製した。このものの物性を表1に示す。
【0027】
比較例2
アクリル系粘着剤(C1−1)を100質量部、架橋剤(D2)13.5質量部、溶媒としてトルエン、メチルエチルケトンの混合溶剤400質量部とを混合・攪拌し、粘着剤溶液を用いた以外は全て実施例1と同様にして再剥離粘着シートを作製した。このものの物性を表1に示す。
【0028】
比較例3
比較例2において、アクリル系粘着剤(C1−1)にかえ、アクリル系粘着剤(C2−1)を用いた以外は、全て比較例2と同様して再剥離粘着シートを作製した。このものの物性を表1に示す。
【0029】
比較例4
2−エチルヘキシルアクリレートとヒドロキシルエチルメタクリレートと酢酸ビニルとからなる質量平均分子量が39万のアクリル粘着剤(C1−2)100質量部、架橋剤として脂肪族イソシアネート(D3、武田薬品工業 タケネートD−170N)3.2質量部、溶媒としてトルエン、メチルエチルケトンの混合溶剤400質量部とを混合・攪拌し、粘着剤溶液を用いた以外は全て実施例1と同様にして再剥離粘着シートを作製した。このものの物性を表1に示す。
【0030】
比較例5
実施例5において、アクリル系粘着剤(C1−1)にかえ、アクリル酸ブチルとアクリル酸との共重合体(C1−4、質量平均分子量53万、ガラス転移温度−43℃、酸価16mgKOH/g)を用いた以外は、全て実施例5と同様にして再剥離性粘着シートを作製した。このものの物性を表2に示す。
【0031】
比較例6
実施例5において、アクリル系粘着剤(C1−1)にかえ、アクリル酸ブチルとアクリル酸との共重合体(C1−5、質量平均分子量83万、ガラス転移温度−56℃、酸価4mgKOH/g)を用いた以外は、全て実施例5と同様にして再剥離性粘着シートを作製した。このものの物性を表2に示す。
【0032】
比較例7
実施例5において、アクリル系粘着剤(C1−1)にかえ、アクリル酸ブチルとアクリル酸との共重合体(C1−6、質量平均分子量84万、ガラス転移温度−23℃、酸価23mgKOH/g)を用いた以外は、全て実施例5と同様にして再剥離性粘着シートを作製した。このものの物性を表2に示す。
【0033】
比較例8
実施例5において、アクリル系粘着剤(C1−1)にかえ、アクリル酸ブチルとメタクリル酸ヒドロキシエチルとの共重合体(C1−7、質量平均分子量100万、ガラス転移温度−25℃、水酸基価15mgKOH/g)を用いた以外は、全て実施例5と同様にして再剥離性粘着シートを作製した。このものの物性を表2に示す。
【0034】
比較例9
実施例5において、アクリル系粘着剤(C2−1)にかえ、アクリル酸ヒドロキシエチルとアクリル酸ブチルとの共重合体(C2−2、質量平均分子量40万、ガラス転移温度−16℃、水酸基価20mgKOH/g)を用いた以外は、全て実施例5と同様にして再剥離性粘着シートを作製した。このものの物性を表2に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、110℃以上の加熱下においても、気泡の発生がなく、被着体との密着性にすぐれ、かつ加熱後に容易に剥離することができ、そして剥離後には糊残りを生じない高品質の粘着体が提供される。
また、本発明の粘着体を用いることにより、高品質の粘着シートを得ることができる。
さらに、この粘着シートを用いることにより、フレキシブル回路基板用積層材料を得ることができる。
Claims (5)
- 110℃〜170℃における剥離力が0.02〜0.12N/25mmである粘着体であって、該粘着体は、質量平均分子量が75万以上、酸価5以上のアクリル系粘着剤(C1)と質量平均分子量40万未満、酸価40以上のアクリル系粘着剤(C2)とからなる粘着剤成分とイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤の中から選ばれる少なくとも1種の架橋剤(D)との反応物であることを特徴とする粘着体。
- 加熱後の剥離力(A)が0.5N/25mm以下であることを特徴とする請求項1記載の粘着体。
- 該アクリル系粘着剤(C1)と該アクリル系粘着剤(C2)との配合割合(C1)/(C2)が、質量比で95/5〜60/40であることを特徴とする請求項1又は2に記載の粘着体。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の粘着体が基材上に積層されてなることを特徴とする粘着シート。
- 金属層と樹脂層とを有する積層材料の該樹脂層面に請求項4記載の該粘着シートの該粘着体側を貼り付け積層したことを特徴とするフレキシブル回路基板用積層材料。
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