JP2019064959A - 染毛料組成物及びその使用方法 - Google Patents

染毛料組成物及びその使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】染毛力、長期保存後の染毛色調安定性、及びオーバータイム時の染毛変色抑制効果に優れる直接染料を含有する染毛料組成物及びその使用方法を提供する。【解決手段】本発明の染毛料組成物は、下記(A)〜(E)成分を含有する。(A):Basic Blue 75等から選ばれる少なくとも1種の染料、(B):Basic Brown 16等から選ばれる少なくとも1種の染料、(C):N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロ−p−フェニレンジアミン等から選ばれる少なくとも1種の染料、(D):HC Blue No.2等から選ばれる少なくとも1種の染料、(E):HC Yellow No.4等から選ばれる少なくとも1種の染料である。【選択図】なし

Description

本発明は、直接染料を含有する染毛料組成物及びその使用方法に関する。
一般に、直接染料として例えば酸性染料、塩基性染料等を含有する染毛料組成物が知られている。一方、アルカリ剤の働きで酸化染料を毛髪のキューティクル内部に浸透させ、酸化剤でメラニン色素の分解と染料の発色を行わせる酸化染毛剤が知られている。直接染料を使用する染毛料組成物は、コルテックスのごく浅い部分に染料をイオン結合させて発色させる。そのため、毛髪及び頭皮へのダメージを酸化染毛剤に比べて抑制することができるというメリットがある一方、酸化染毛剤に比べて、染着性が劣り、地肌汚れが生じやすいという問題があった。
従来より、地肌汚れを抑制しながら、染毛力及び変色抑制効果、特にオーバータイム時における染毛変色抑制効果を向上させるために、特定の塩基性染料とHC染料を組み合わせて使用する染毛料組成物が知られている。例えば、特許文献1は、Basic Blue 124、Basic Brown 16又はBasic Brown 17、HC Blue No.2、及びHC Yellow No.4又はHC Yellow No.2を含有する染毛料組成物について開示する。
特開2017−61451号公報
ところが、従来の染毛料組成物は、依然として染毛力及びオーバータイム時の染毛変色抑制効果の点で劣るという問題があった。また、染毛力を向上させるために、他のHC染料をさらに配合すると、使用する染料の種類によっては安定性が低い場合があり、長期保存により染毛色調が変化することがあった。なお、「オーバータイム」とは、染毛料の処理時間が正規に規定された時間を超過してしまうことを言う。
本発明の目的は、染毛力、長期保存後の染毛色調安定性、及びオーバータイム時の染毛変色抑制効果に優れる直接染料を含有する染毛料組成物及びその使用方法を提供することにある。
本発明は、直接染料の種類を規定することにより、染毛力、長期保存後の染毛色調安定性、及びオーバータイム時の染毛変色抑制効果に優れる染毛料組成物が得られることを見出したことに基づくものである。尚、成分の含有量を示す質量%の数値は、水等の可溶化剤を使用する場合、それらも含めた剤型中における数値である。
上記目的を達成するために、本発明の一態様では、下記(A)〜(E)成分を含有することを特徴とする染毛料組成物が提供される。(A):Basic Blue 75、Basic Blue 124、HC Blue No.15、及びHC Blue No.16から選ばれる少なくとも1種の染料、(B):Basic Brown 16及びBasic Brown 17から選ばれる少なくとも1種の染料、(C):N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロ−p−フェニレンジアミン、HC Red No.10、HC Red No.11、HC Red No.13、及びHC Red No.7から選ばれる少なくとも1種の染料、(D):HC Blue No.2、HC Blue No.11、HC Blue No.12、及びHC Violet No.2から選ばれる少なくとも1種の染料、(E):HC Yellow No.4、HC Yellow No.2、HC Yellow No.13、及びヒドロキシエチル−2−ニトロ−p−トルイジンから選ばれる少なくとも1種の染料。
前記染毛料組成物のpHが3〜7であってもよい。前記(C)成分の含有量に対する(A),(B),(D),及び(E)成分の含有量の合計の質量比が0.5〜60であってもよい。洗髪後の毛髪に適用されてもよい。前記染毛料組成物は、カラーリンス又はカラートリートメントであってもよい。本発明の別の態様では、毛髪を洗髪する工程、洗髪した毛髪に前記染毛料組成物を塗布する工程、毛髪に付着した染毛料組成物を洗い流す工程を含む染毛料組成物の使用方法が提供される。
本発明によれば、染毛力、長期保存後の染毛色調安定性、及びオーバータイム時の染毛変色抑制効果の全てを向上できる。
以下、本発明の染毛料組成物を具体化した一実施形態を説明する。染毛料組成物は、直接染料として(A)〜(E)成分を含有する。
(A)成分は、Basic Blue 75、Basic Blue 124、HC Blue No.15、及びHC Blue No.16から選ばれる少なくとも1種の染料を示す。これらの具体例のうち、一種類のみを使用してもよいし、二種類以上を組み合わせて使用してもよい。(A)成分は、染毛力を向上させる。これらの具体例のうち、染毛力及びオーバータイム時の染毛変色抑制効果の向上効果に優れる観点から、Basic Blue 75及びBasic Blue 124が好ましい。
染毛料組成物中における(A)成分の含有量の下限は、適宜設定されるが、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、さらに好ましくは0.01質量%以上である。(A)成分の含有量が0.001質量%以上であると、染毛力をより向上させる。一方、染毛料組成物中における(A)成分の含有量の上限は、適宜設定されるが、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下、さらに好ましくは0.06質量%以下である。(A)成分の含有量が0.5質量%以下であると、オーバータイム時における染毛変色を抑制する。
(B)成分は、Basic Brown 16及びBasic Brown 17から選ばれる少なくとも1種の染料を示す。これらの具体例のうち、一種類のみを使用してもよいし、二種類を組み合わせて使用してもよい。(B)成分は、染毛力を向上させる。また、オーバータイム時における染毛変色を抑制する。
染毛料組成物中における(B)成分の含有量の下限は、適宜設定されるが、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上である。(B)成分の含有量が0.01質量%以上であると、染毛力をより向上させる。また、オーバータイム時における染毛変色を抑制する。一方、染毛料組成物中における(B)成分の含有量の上限は、適宜設定されるが、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下である。(B)成分の含有量が1質量%以下であると、染毛料組成物と酸化染毛剤との継続使用における染毛変色を抑制する。つまり、リカラー性を向上させる。
(C)成分は、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロ−p−フェニレンジアミン(N,N'-BIS(2-HYDROXYETHYL)-2-NITRO-p-PHENYLENEDIAMINE)、HC Red No.10、HC Red No.11、HC Red No.13、及びHC Red No.7から選ばれる少なくとも1種の染料を示す。これらの具体例のうち、一種類のみを使用してもよいし、二種類以上を組み合わせて使用してもよい。(C)成分は、染毛力を向上させる。これらの具体例のうち、染毛力及び長期保存後の染毛色調安定性の向上効果に優れる観点から、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロ−p−フェニレンジアミン、HC Red No.10、及びHC Red No.11から選ばれる少なくとも1種の染料が好ましい。
染毛料組成物中における(C)成分の含有量の下限は、適宜設定されるが、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上である。(C)成分の含有量が0.01質量%以上であると、染毛力をより向上させる。一方、染毛料組成物中における(C)成分の含有量の上限は、適宜設定されるが、好ましくは0.8質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.3質量%以下である。(C)成分の含有量が0.8質量%以下であると、オーバータイム時における染毛変色を抑制する。
また、(C)成分の含有量に対する(A),(B),(D),及び(E)成分の含有量の合計の質量比の下限は、適宜設定されるが、好ましくは0.5以上、より好ましくは1以上、さらに好ましくは4.5以上である。かかる質量比が0.5以上であると染毛力をより向上させる。一方、(C)成分の含有量に対する(A),(B),(D),及び(E)成分の含有量の合計の質量比の上限は、適宜設定されるが、好ましくは60以下、より好ましくは55以下、さらに好ましくは50以下である。かかる質量比が60以下であると、オーバータイム時における染毛変色を抑制する。
また、(A)〜(E)成分の含有量の合計に対する(C)成分の含有量の質量比の下限は、適宜設定されるが、好ましくは0.001以上、より好ましくは0.01以上、さらに好ましくは0.02以上である。かかる質量比が0.001以上であると染毛力をより向上させる。一方、(A)〜(E)成分の含有量の合計に対する(C)成分の含有量の質量比の上限は、適宜設定されるが、好ましくは0.6以下、より好ましくは0.5以下、さらに好ましくは0.45以下である。かかる質量比が0.6以下であると、オーバータイム時における染毛変色を抑制する。
(D)成分は、HC Blue No.2、HC Blue No.11、HC Blue No.12、及びHC Violet No.2から選ばれる少なくとも1種の染料である。これらの具体例のうち、一種類のみを使用してもよいし、二種類を組み合わせて使用してもよい。(D)成分は、染毛力を向上させる。また、オーバータイム時における染毛変色を抑制する。これらの具体例のうち、オーバータイム時における染毛変色を抑制する効果に優れる観点から、HC Blue No.2及びHC Blue No.12から選ばれる少なくとも一種の染料が好ましい。
染毛料組成物中における(D)成分の含有量の下限は、適宜設定されるが、好ましくは0.04質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.4質量%以上である。(D)成分の含有量が0.04質量%以上であると、染毛力をより向上させる。また、オーバータイム時における染毛変色を抑制する。一方、染毛料組成物中における(D)成分の含有量の上限は、適宜設定されるが、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.9質量%以下、さらに好ましくは0.8質量%以下である。(D)成分の含有量が1質量%以下であると、オーバータイム時における染毛変色を抑制する。
(E)成分は、HC Yellow No.4、HC Yellow No.2、HC Yellow No.13、及びヒドロキシエチル−2−ニトロ−p−トルイジン(HYDROXYETHYL-2-NITRO-P-TOLUIDINE)から選ばれる少なくとも1種の染料を示す。これらの具体例のうち、一種類のみを使用してもよいし、二種類以上を組み合わせて使用してもよい。(E)成分は、染毛力を向上させる。また、オーバータイム時における染毛変色を抑制する。これらの具体例のうち、染毛力の向上効果に優れる観点及びオーバータイム時における染毛変色を抑制効果に優れる観点から、HC Yellow No.4が好ましい。
染毛料組成物中における(E)成分の含有量の下限は、適宜設定されるが、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、さらに好ましくは0.01質量%以上である。(E)成分の含有量が0.001質量%以上であると、染毛力をより向上させる。また、オーバータイム時における染毛変色を抑制する。一方、染毛料組成物中における(E)成分の含有量の上限は、適宜設定されるが、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.4質量%以下、さらに好ましくは0.3質量%以下である。(E)成分の含有量が0.5質量%以下であると、オーバータイム時における染毛変色を抑制する。
染毛料組成物中における(A)〜(E)成分の含有量の合計の下限は、適宜設定されるが、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上である。(A)〜(E)成分の含有量の合計が0.05質量%以上であると、染毛力をより向上させる。染毛料組成物中における(A)〜(E)成分の含有量の合計の上限は、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下である。(A)〜(E)成分の含有量の合計が5質量%以下であると、オーバータイム時における染毛変色を抑制する。また、地肌汚れ防止効果を向上させる。
また、上述した(A)〜(E)の各直接染料は、それぞれ所定の条件下で染毛処理した際、以下に示す色調を示すことが好ましい。所定の条件下とは、一般的な白色ヤギ毛(例えば、LはL=77、a=1、b=16)を使用し、水に直接染料を0.5質量%配合し、pH5になるよう調整した染毛料組成物1gをドライな状態のヤギ毛1gに塗布し、30℃で10分放置した後、水洗後、色調を測定した値を示す。なお、色調は、色差計(例えば、分光測色計CM-600d(コニカミノルタ社製))を用いて測定することができる。
(A)成分は、青色系の色調を示し、具体的にはL=28〜53、a=−20〜2、b=−37〜−17の色調を示すことが好ましい。(B)成分は、茶色系の色調を示し、具体的にはL=48〜61、a=15〜18、b=17〜31の色調を示すことが好ましい。(C)成分は、赤色系の色調を示し、具体的にはL=36〜58、a=10〜28、b=−11〜9の色調を示すことが好ましい。(D)成分は、青色系の色調を示し、具体的にはL=42〜55、a=3〜11、b=−16〜−7の色調を示すことが好ましい。(E)成分は、黄色系の色調を示し、具体的にはL=63〜80、a=−6〜18、b=40〜68の色調を示すことが好ましい。
本発明の効果を阻害しない範囲内において、(A)〜(E)成分以外の直接染料を使用してもよい。一般に直接染料は、反応性がなく、それ自体で発色可能なものを示す。直接染料の具体例は、例えば、酸性染料、ニトロ染料、塩基性染料(カチオン染料)、分散染料等が挙げられる。
酸性染料の具体例は、例えば赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号の(1)、赤色105号の(1)、赤色106号、赤色201号、赤色227号、赤色230号の(1)、赤色230号の(2)、赤色231号、赤色232号、赤色401号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色506号、黄色4号、黄色5号、黄色202号の(1)、黄色202号の(2)、黄色203号、黄色402号、黄色403号の(1)、黄色406号、黄色407号、橙色205号、橙色207号、橙色402号、緑色3号、緑色204号、緑色205号、緑色401号、緑色402号、紫色401号、青色1号、青色2号、青色202号、青色203号、青色205号、褐色201号、黒色401号、アシッドブルー1、アシッドブルー3、アシッドブルー62、アシッドブラック52、アシッドブラウン13、アシッドグリーン50、アシッドオレンジ6、アシッドレッド14、アシッドレッド35、アシッドレッド73、アシッドレッド184、ブリリアントブラック1等が挙げられる。
ニトロ染料の具体例は、例えば4−ニトロ−o−フェニレンジアミン、2−ニトロ−p−フェニレンジアミン、2−アミノ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール、ピクラミン酸、ピクリン酸、及びそれらの塩、HC Blue No.4、HC Blue No.5、HC Blue No.6、HC Blue No.8、HC Blue No.9、HC Blue No.10、HC Blue No.13、HC Blue No.14、HC Brown No.1、HC Brown No.2、HC Green No.1、HC Orange No.1、HC Orange No.2、HC Orange No.3、HC Orange No.5、HC Red No.1、HC Red No.3、HC Red No.8、HC Red No.9、HC Red No.14、HC Violet No.1、HC Yellow No.5、HC Yellow No.6、HC Yellow No.7、HC Yellow No.8、HC Yellow No.9、HC Yellow No.10、HC Yellow No.11、HC Yellow No.12、HC Yellow No.14、HC Yellow No.15等が挙げられる。
塩基性染料(カチオン染料)の具体例は、例えば赤色213号、赤色214号、Basic Blue 3、Basic Blue 6、Basic Blue 7、Basic Blue 9、Basic Blue 26、Basic Blue 41、Basic Brown 1、Basic Brown 4、Basic Orange 1、Basic Orange 2、Basic Orange 31、Basic Red 1、Basic Red 2、Basic Red 22、Basic Red 46、Basic Red 51、Basic Red 76、Basic Red 118、Basic Violet 1、Basic Violet 2、Basic Violet 3、Basic Violet 4、Basic Violet 10、Basic Violet 11:1、Basic Violet 14、Basic Violet 16、Basic Yellow 11、Basic Yellow 28、Basic Yellow 57、Basic Yellow 87等が挙げられる。
分散染料の具体例は、例えばDisperse Black 9、Disperse Blue 1、Disperse Blue 3、Disperse Blue 7、Disperse Brown 4、Disperse Orange 3、Disperse Red 11、Disperse Red 15、Disperse Red 17、Disperse Violet 1、Disperse Violet 4、Disperse Violet 15等が挙げられる。
直接染料としては、1−アミノ−4−メチルアントラキノン、1,4−ジアミノアントラキノン、及びそれらの塩、並びに「医薬品等に使用することができるタール色素を定める省令」(昭和41年告示、厚生省)により定められた直接染料を用いてもよい。上記直接染料の具体例のうち、一種類のみを使用してもよいし、二種類以上を組み合わせて使用してもよい。
染毛料組成物中における(A)〜(E)成分以外の直接染料の含有量の合計の上限は、好ましくは15質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。(A)〜(E)成分以外の直接染料の含有量の合計が15質量%以下であると、長期保存後の染毛色調安定性を向上させる。染料の種類、特に赤色を呈する染料によっては、安定性が低い場合があるため、(A)〜(E)成分以外の直接染料は実質的に含まないことが最も好ましい。実質的に含まないとは、不可避的不純物として混入する前記直接染料以外の前記直接染料を含まない(前記直接染料の配合を除く)意である。
本実施形態の染毛料組成物は、必要に応じて、前述した成分以外の成分、例えば可溶化剤、水溶性ポリマー、無機物系高分子、油性成分、多価アルコール、界面活性剤、pH調整剤、糖、防腐剤、安定剤、動植物又は微生物の抽出物、生薬抽出物、ビタミン、香料、酸化防止剤、キレート化剤、アミノ酸、紫外線吸収剤等をさらに含有してもよい。
可溶化剤は、例えば、染毛料組成物を液状にする場合に配合される。使用される可溶化剤の例としては、例えば水及び有機溶媒(溶剤)が挙げられる。有機溶媒の具体例としては、例えばエタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、γ−フェニルプロピルアルコール、ケイ皮アルコール、アニスアルコール、p−メチルベンジルアルコール、α−ジメチルフェネチルアルコール、α−フェニルエタノール、フェノキシイソプロパノール、2−ベンジルオキシエタノール、N−アルキルピロリドン、炭酸アルキレン、アルキルエーテル等が挙げられる。これらの可溶化剤のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。これらの中で、染毛料組成物中のその他の成分を溶解する能力に優れることから水が好ましく適用される。溶媒として水が用いられる場合、染毛料組成物中における水の含有量(使用時の含有量)は、好ましくは40質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上である。
水溶性ポリマーは、染毛料組成物に適度な粘度を与える。そのため、染毛料組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲内において水溶性ポリマーを含有してもよい。水溶性ポリマーとしては、例えば天然高分子、半合成高分子、及び合成高分子が挙げられる。天然高分子の具体例としては、例えばデンプン、グアーガム、ローカストビーンガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、トラガカントガム、ペクチン、マンナン、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、ヒアルロン酸、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン、加水分解コラーゲン、デキストリン、トリグルコ多糖(プルラン)等が挙げられる。
半合成高分子の具体例としては、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガム、デンプンリン酸エステル、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸塩等が挙げられる。
合成高分子の具体例としては、例えばポリビニルカプロラクタム、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドン−酢酸ビニル(VP/VA)コポリマー、ポリビニルブチラール、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニル重合体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、エチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック共重合体、アクリル酸/アクリル酸アルキル共重合体、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム(ポリ塩化ジメチルジメチレンピロリジニウム)(ポリクオタニウム−6)(マーコート100:メルク社製)、イタコン酸とポリオキシエチレン(以下、「POE」という)アルキルエーテルとの半エステル、又はメタクリル酸とPOEアルキルエーテルとのエステルと、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらのアルキルエステルから選ばれる少なくとも一つの単量体と、からなる共重合体が挙げられる。これらのうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
無機物系高分子の具体例としては、例えばベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等が挙げられる。これらのうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
油性成分は、特に毛髪にうるおい感を付与する。そのため、染毛料組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲内において油性成分を含有してもよい。油性成分としては、例えば油脂、ロウ類、炭化水素、エステル油、高級アルコール、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、シリコーン等が挙げられる。
油脂の具体例としては、例えばアルガニアスピノサ核油、オリーブ油(オリブ油)、ツバキ油、シア脂、アーモンド油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、アボカド油、マカダミアナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油、月見草油、杏仁油、パーシック油、桃仁油、パーム油、卵黄油等が挙げられる。ロウ類の具体例としては、例えばラノリン、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油等が挙げられる。炭化水素の具体例としては、例えばパラフィン、オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ミネラルオイル、スクワラン、ポリブテン、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、流動パラフィン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、イソパラフィン、α−オレフィンオリゴマー、合成スクワラン等が挙げられる。
エステル油の具体例としては、例えばアジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸2−エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、10〜30の炭素数を有する脂肪酸コレステリル/ラノステリル、乳酸セチル、酢酸ラノリン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ジオクチル、2−エチルヘキサン酸セチル、イソステアリン酸硬化ヒマシ油等が挙げられる。
高級アルコールの具体例としては、例えばセチルアルコール(セタノール)、2−ヘキシルデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−オクチルドデカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、デシルテトラデカノール、ラノリンアルコール等が挙げられる。
高級脂肪酸の具体例としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。アルキルグリセリルエーテルの具体例としては、例えばバチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、イソステアリルグリセリルエーテル等が挙げられる。
シリコーンの具体例としては、例えばジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、末端水酸基変性ジメチルポリシロキサン、高重合シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン(例えば、(PEG/PPG/ブチレン/ジメチコン)コポリマー)、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等が挙げられる。これらの油性成分のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
多価アルコールとしては、例えばグリコール、グリセリン等が挙げられる。グリコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、高重合ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。グリセリンとしては、例えばグリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等が挙げられる。これらの多価アルコールのうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
界面活性剤は、乳化剤又は各成分を可溶化させるための成分として染毛料組成物を使用時に乳化又は可溶化させ、粘度を調整したり、粘度安定性を向上させたりする。界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤が挙げられる。
アニオン性界面活性剤の具体例としては、例えばアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α−スルホン脂肪酸塩、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、スルホコハク酸エステル、N−アルキロイルメチルタウリン塩、及びそれらの誘導体等が挙げられる。これらの界面活性剤のアニオン基の対イオンの具体例としては、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、トリエタノールアミン等が挙げられる。より具体的には、アルキルエーテル硫酸エステル塩としては、例えばPOEラウリルエーテル硫酸ナトリウムが挙げられる。アルキル硫酸塩の具体例として、例えばラウリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム等が挙げられる。アルキル硫酸塩の誘導体の具体例として、例えばPOEラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。スルホコハク酸エステルの具体例として、例えばスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム等が挙げられる。N−アルキロイルメチルタウリン塩の具体例として、例えばN−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば4級アンモニウム塩、3級アミン等が挙げられる。4級アンモニウム塩の具体例としては、例えば塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化トリ(ポリオキシエチレン)ステアリルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。3級アミンの具体例としては、例えばステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド等の酸中和型のアミドアミン等が挙げられる。これらの中でも塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウムに代表される4級アンモニウム塩、及びステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドに代表される3級アミンが染毛力及び感触の向上効果に優れる観点から好ましい。染毛料組成物中におけるカチオン性界面活性剤の含有量は、適宜設定されるが、好ましくは0.5〜5質量%、より好ましくは1〜3質量%である。かかる範囲内の場合、染毛力をより向上させる。
両性界面活性剤の具体例としては、例えばココベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤の具体例としては、例えばエーテル型非イオン性界面活性剤、エステル型非イオン性界面活性剤、アルキルグルコシド等が挙げられる。エーテル型非イオン性界面活性剤の具体例としては、例えばPOEセチルエーテル(セテス)、POEステアリルエーテル(ステアレス)、POEベヘニルエーテル(ベヘネス)、POEオレイルエーテル(オレス)、POEラウリルエーテル(ラウレス)、POEオクチルドデシルエーテル、POEヘキシルデシルエーテル、POEイソステアリルエーテル、POEノニルフェニルエーテル、POEオクチルフェニルエーテル、POEポリオキシプロピレンセチルエーテル、POEポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル等が挙げられる。
エステル型非イオン性界面活性剤の具体例としては、例えばモノオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、モノパルミチン酸POEソルビタン、モノラウリン酸POEソルビタン、トリオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEグリセリン、モノミリスチン酸POEグリセリン、テトラオレイン酸POEソルビット、ヘキサステアリン酸POEソルビット、モノラウリン酸POEソルビット、POEソルビットミツロウ、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、親油型モノオレイン酸グリセリン、親油型モノステアリン酸グリセリン、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ショ糖脂肪酸エステル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、POE還元ラノリン等が挙げられる。
アルキルグルコシドの具体例として、例えばアルキル(炭素数8〜16)グルコシド、POEメチルグルコシド、POEジオレイン酸メチルグルコシド等が挙げられる。これらの界面活性剤の具体例の内、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
pH調整剤は、染毛料組成物のpHを調整するために配合してもよい。pH調整剤としては、アルカリ剤の他、無機酸、有機酸、それらの塩等が挙げられる。アルカリ剤の具体例としては、例えばアンモニア、アルカノールアミン、ケイ酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、メタケイ酸塩、硫酸塩、塩化物、リン酸塩、有機アミン、塩基性アミノ酸、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物等が挙げられる。無機酸の具体例としては、例えばリン酸、塩酸、硝酸、硫酸、ホウ酸等が挙げられる。さらにリン酸の具体例としては、例えばオルトリン酸、ポリリン酸、ピロリン酸、メタリン酸等が含まれる。有機酸の具体例としては、例えばクエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、ピロリン酸、グルコン酸、グルクロン酸、安息香酸等が挙げられる。塩の具体例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。染毛料組成物中におけるpH調整剤の含有量は、染毛料組成物のpHが2〜8の範囲となる量が好ましく、pH3〜7の範囲となる量がより好ましい。染毛料組成物のpHが2以上の場合、染毛力をより向上させる。pHが8以下の場合、染毛力を向上させるとともに、長期保存後の染毛色調安定性をより向上させる。なお、染毛料組成物のpHは、染毛料組成物を水に10質量%の濃度で溶解した際の25℃におけるpHを測定するものとする。
糖の具体例としては、例えばグルコース、ガラクトース等の単糖、マルトース、スクロース、フルクトース、トレハロース等の二糖、糖アルコール等が挙げられる。防腐剤の具体例としては、例えばパラベン、メチルパラベン、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、エチレングリコールフェニルエーテル(フェノキシエタノール)等が挙げられる。安定剤の具体例としては、例えばフェナセチン、8−ヒドロキシキノリン、アセトアニリド、ピロリン酸ナトリウム、バルビツール酸、尿酸、タンニン酸等が挙げられる。動植物又は微生物の抽出物の具体例としては、例えばサピンヅストリホリアツス果実エキス、加水分解酵母エキス等が挙げられる。酸化防止剤の具体例としては、例えばアスコルビン酸類及び亜硫酸塩等が挙げられる。キレート化剤の具体例としては、例えばエデト酸(エチレンジアミン四酢酸(EDTA))、エデト酸二ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸及びその塩類、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸及びその塩類、並びにヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)及びその塩類等が挙げられる。アミノ酸の具体例としては、例えばトレオニン、アルギニン、テアニン、タウリン等が挙げられる。これらの成分のうち一種のみを使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
染毛料組成物の保存時の剤型は特に限定されず、具体例として、25℃における剤型が、例えば水溶液や乳液等の液状、ゲル状、クリーム状等が挙げられる。使用時の剤型も、特に限定されず、前記剤型の他、フォーム状等であってもよい。また、エアゾール、ノンエアゾール等とすることもでき、ノンエアゾールの場合、更にスクイズフォーマー式及びポンプフォーマー式等の種々の形態をとることができる。また、エアゾールの場合、公知の噴射剤及び発泡剤を適用することができる。噴射剤又は発泡剤の具体例としては、例えば液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)、窒素ガス、炭酸ガス等が挙げられる。また、保存安定性の向上の観点から、染毛料組成物を固形状成分と液状成分とに分けて保存し、使用直前にそれらを混合するように構成してもよい。
上記実施形態の染毛料組成物は、所定の酸性染料を含有する半永久染毛料組成物として構成される。染毛料組成物の製品形態は、特に限定されず、例えばヘアマニキュア、カラートリートメント、カラーリンス、酸性カラー、カラーシャンプー等であってもよい。なお、ヘアマニキュア又は酸性カラーは、一度の染毛作業により、所望する色調に染め上げる染毛料である。一方、カラートリートメント及びカラーリンスは、日常的なヘアケア等により毛髪に適用されることで、染毛処理が繰り返される結果、所望する色調へ徐々に染め上げる徐染性の染毛料である。
次に、本実施形態の染毛料組成物の使用方法を以下に説明する。
染毛料組成物が固形状成分と液状成分とに分けて保存されている場合は、混合物を調製した後、使用される。染毛料組成物が、例えばカラートリートメント及びカラーリンスとして構成される場合、染毛料組成物を毛髪に塗布する前にシャンプー組成物を用いて洗髪処理されることが好ましい。また、洗髪処理された後、通常のトリートメント又はリンスの施術方法に従い塗布される。混合物が毛髪に塗布された後、所定時間経過後、常法に従い毛髪に塗布した混合物を水ですすぐ工程が行われる。次に、好ましくは常法に従い毛髪を乾燥する工程が行われる。
染毛料組成物が、例えばヘアマニキュア又は酸性カラーとして構成される場合、通常のヘアマニキュア又は酸性カラーの施術方法に従い塗布される。混合物が毛髪に塗布された後、所定時間経過後、常法に従い毛髪に塗布した混合物を水ですすぐ工程が行われる。次に、好ましくは常法に従いシャンプー用組成物を使用して、毛髪を洗浄し、水で洗い流す工程が行われる。シャンプー用組成物は、毛髪の洗浄用に適用されるものであれば特に限定されず、公知のシャンプー用組成物を適用することができる。次に、好ましくは常法に従いリンス用組成物を使用して、毛髪をリンス処理し、水で洗い流す工程が行われる。リンス用組成物は、毛髪のリンス用に適用されるものであれば特に限定されず、公知のリンス用組成物を適用することができる。リンス用組成物を用いた処理工程は、公知のリンス用組成物を適用することができる。次に、好ましくは常法に従い毛髪を乾燥する工程が行われる。
本実施形態の染毛料組成物によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態の染毛料組成物では、(A)〜(E)成分を組み合わせて使用する。したがって、染毛力、長期保存時の染毛色調安定性、及びオーバータイム時の染毛変色抑制効果の全てを向上できる。
(2)本実施形態の染毛料組成物のpHが2〜8である場合、染毛力及び染毛色調安定性を向上させる。さらには、pHが3〜7である場合、染毛力及び染毛色調安定性をより向上させる。
(3)本実施形態において、(C)成分の含有量に対する(A),(B),(D),及び(E)成分の含有量の合計の質量比が0.5〜60である場合、染毛力をより向上させる。また、オーバータイム時の染毛変色をより抑制することができる。
(4)本実施形態の染毛料組成物が洗髪後の毛髪に使用される場合、染毛力をより向上させる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態の染毛料組成物では、染毛処理された毛髪に適用されても、染毛処理されていない毛髪に適用されてもいずれでもよい。染毛処理された毛髪に適用される場合、染毛処理の種類は特に限定されず、酸化染料を含有する酸化染毛剤により染毛処理された毛髪に適用してもよく、直接染料を含有する半永久染毛料組成物により染毛処理された毛髪に適用してもよい。かかる構成においては、本実施形態の染毛料組成物により、染毛料組成物と酸化染毛剤との継続使用における変色を抑制する(リカラー性を向上させる)。
・上記実施形態において、染毛料組成物を構成する各成分を全て配合する1剤式として構成した。しかしながら、各成分を分離して複数剤式に構成し、使用直前にそれらを混合するように構成してもよい。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態を更に具体的に説明する。尚、本発明は、実施例欄記載の構成に限定されるものではない。
表1,2に示す各成分を含有する、染毛料組成物をそれぞれ調製した。表1,2における各成分を示す欄中の数値は当該欄の成分の含有量を示し、その単位は質量%である。尚、表中「(A)」〜「(E)」の表記は、本願請求項記載の各(A)〜(E)成分に対応する化合物を示す。一方、表中「(c)」の表記は、本願請求項記載の成分(C)の対比化合物を示す。なお、実施例5は、(C)成分としてHC Red No.10及びHC Red No.11の混合物を使用し、含有率はHC Red No.10が50〜70質量%で、HC Red No.11が30〜50質量%である。各染毛料組成物のpHは、染毛料組成物を水に10質量%の濃度で溶解した際の25℃におけるpHを測定したものである。各例の染毛料組成物について、染毛力の評価として、1回の染毛処理における染毛力の評価、5回染毛処理を繰り返した際の徐染性の評価を行った。また、染毛時におけるオーバータイム時の染毛変色の抑制効果、長期保存後の染毛色調安定性、染毛料組成物と酸化染毛剤との継続使用における変色抑制効果(リカラー性)についてそれぞれ評価した。
(染毛力の評価1:1回の染毛処理)
最初にシャンプー(ホーユー社製:ビゲントリートメントシャンプー)にて白髪混じりの長さ10cmのビューラックス社製人毛毛束(以下、単に毛束という。)を洗髪処理した。次に、刷毛で各染毛料組成物を毛束1gに対して1g塗布し、30℃で10分放置した後、水で洗い流した。次いで乾燥させることにより染毛処理毛束を得た。パネラー10名が染毛処理後の各例の毛束を標準光源下で目視にて観察することにより、各例の染毛料組成物の染毛力が良いか否かを判断した。染毛力が良いと認められると応えたパネラーの人数が8名以上であった場合には「優れる:5」、6〜7人であった場合には「良好:4」、4〜5人であった場合には「可:3」、2〜3人であった場合には「やや不良:2」、1人以下であった場合には「不良:1」とする5段階の評価を下した。
(染毛力の評価2:徐染性)
最初にシャンプー(ホーユー社製:ビゲントリートメントシャンプー)にて白髪混じりの長さ10cmのビューラックス社製の毛束を洗髪処理した。次に、刷毛で各染毛料組成物を毛束1gに対して1g塗布し、30℃で10分放置した後、水で洗い流した。次いで乾燥させることにより一連の染毛処理を行った。かかる染毛処理を全部で5回繰り返し、徐染性の評価を行うための毛束を得た。
パネラー10名が徐染性の評価を行うための各例の毛束を標準光源下で目視にて観察することにより、各例の染毛料組成物の徐染性が良いか否かを判断した。徐染性が良いと認められると応えたパネラーの人数が8名以上であった場合には「優れる:5」、6〜7人であった場合には「良好:4」、4〜5人であった場合には「可:3」、2〜3人であった場合には「やや不良:2」、1人以下であった場合には「不良:1」とする5段階の評価を下した。
(オーバータイム時の染毛変色抑制効果)
最初にシャンプー(ホーユー社製:ビゲントリートメントシャンプー)にて白髪混じりの長さ10cmのビューラックス社製の毛束を洗髪処理した。次に、刷毛で各染毛料組成物を毛束1gに対して1g塗布し、30℃で30分放置した後、水で洗い流した。次いで乾燥させることによりオーバータイムの染毛処理を完了した。そして、パネラー10名が、各例の毛束の染毛色調について、上記の「染毛力の評価1」の評価において染毛処理を行った毛束との対比により、染毛変色の抑制が良好であるか否かを標準光源下で目視にて観察した。これらの毛束との対比観察の結果を総合して、オーバータイム時の染毛変色抑制効果を評価した。染毛変色抑制効果が良いと認められると応えたパネラーの人数が8名以上であった場合には「優れる:5」、6〜7人であった場合には「良好:4」、4〜5人であった場合には「可:3」、2〜3人であった場合には「やや不良:2」、1人以下であった場合には「不良:1」とする5段階の評価を下した。
(長期保存後の染毛色調安定性)
染毛料組成物の保存前後の染毛色調の変化の有無を評価することにより、長期保存後の染毛色調安定性について評価した。まず、各染毛料組成物をそれぞれポリエチレン製容器に入れ、50℃で1ヶ月放置した。その後、染毛力の評価1と同様に染毛処理を行った。そして、パネラー10名が、各例の毛束の染毛色調について、上記の「染毛力の評価1」の評価において染毛処理を行った毛束との対比により、染毛変色の抑制が良好であるか否かを標準光源下で目視にて観察した。これらの毛束との対比観察の結果を総合して、長期保存後の染毛色調安定性を評価した。長期保存後の染毛色調安定性が良いと認められると応えたパネラーの人数が8名以上であった場合には「優れる:5」、6〜7人であった場合には「良好:4」、4〜5人であった場合には「可:3」、2〜3人であった場合には「やや不良:2」、1人以下であった場合には「不良:1」とする5段階の評価を下した。
(リカラー性)
最初に染毛力の評価1欄と同様に染毛処理を行い各例の染毛処理毛束を得た。更に、一般的な酸化染毛剤(茶色系)である「シエロヘアカラーEXミルキー」(ホーユー社製)を用いて、常法に従い酸化染毛処理を行い、染毛料と酸化染毛剤の継続使用を行った。別途、白髪の毛束について、同じ酸化染毛剤を用いて酸化染毛処理を行った。
そして、パネラー10名が、酸化染毛処理を行った毛束の染毛色調について、予め染毛料組成物を用いて染毛処理を行った毛束と、染毛料組成物を用いて染毛処理を行っていない毛束との対比により、変色の抑制が良好であるか否かを標準光源下で目視にて観察した。これらの毛束との対比観察の結果を総合して、リカラー性を評価した。リカラー性が良いと認められると応えたパネラーの人数が8名以上であった場合には「優れる:5」、6〜7人であった場合には「良好:4」、4〜5人であった場合には「可:3」、2〜3人であった場合には「やや不良:2」、1人以下であった場合には「不良:1」とする5段階の評価を下した。
表1〜3に示されるように、各実施例は、各評価項目について可以上の結果であることが確認された。
表3に示されるように、(A)成分を含有しない比較例1は、各実施例に対して、染毛力1(1回の染毛処理による染毛力)及び染毛力2(徐染性)の評価が劣ることが確認された。(B)成分を含有しない比較例2は、各実施例に対して、染毛力1(1回の染毛処理による染毛力)、染毛力2(徐染性)及びオーバータイム時の染毛変色抑制効果の評価が劣ることが確認された。(C)成分を含有しない比較例3は、各実施例に対して、染毛力1(1回の染毛処理による染毛力)及び染毛力2(徐染性)の評価が劣ることが確認された。(C)成分の代わりにHC Red No.3を含有する比較例4は、各実施例に対して、特に長期保存後の染毛色調安定性の評価が劣ることが確認された。(C)成分を含有せず、(D)成分及び(E)成分の含有量を比較例3の構成よりも増加させた比較例5は、各実施例に対して、特に染毛力2(徐染性)の評価が劣ることが確認された。(D)成分を含有しない比較例6は、各実施例に対して、染毛力1(1回の染毛処理による染毛力)及び染毛力2(徐染性)、及びオーバータイム時の染毛変色抑制効果の評価が劣ることが確認された。(E)成分を含有しない比較例7は、各実施例に対して、特にオーバータイム時の染毛変色抑制効果の評価が劣ることが確認された。
<染毛料組成物の処方例>
下記表4に示される処方例1の染毛料組成物を調製した。実施例1と同様の処理方法において、毛髪処理を行った。その結果、各実施例と同等の評価が得られることを確認した。

Claims (6)

  1. 下記(A)〜(E)成分を含有することを特徴とする染毛料組成物。
    (A):Basic Blue 75、Basic Blue 124、HC Blue No.15、及びHC Blue No.16から選ばれる少なくとも1種の染料、
    (B):Basic Brown 16及びBasic Brown 17から選ばれる少なくとも1種の染料、
    (C):N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロ−p−フェニレンジアミン、HC Red No.10、HC Red No.11、HC Red No.13、及びHC Red No.7から選ばれる少なくとも1種の染料、
    (D):HC Blue No.2、HC Blue No.11、HC Blue No.12、及びHC Violet No.2から選ばれる少なくとも1種の染料、
    (E):HC Yellow No.4、HC Yellow No.2、HC Yellow No.13、及びヒドロキシエチル−2−ニトロ−p−トルイジンから選ばれる少なくとも1種の染料。
  2. 前記染毛料組成物のpHが3〜7である請求項1に記載の染毛料組成物。
  3. 前記(C)成分の含有量に対する(A),(B),(D),及び(E)成分の含有量の合計の質量比が0.5〜60である請求項1又は2に記載の染毛料組成物。
  4. 洗髪後の毛髪に適用される請求項1〜3のいずれか一項に記載の染毛料組成物。
  5. 前記染毛料組成物は、カラーリンス又はカラートリートメントである請求項1〜4のいずれか一項に記載の染毛料組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の染毛料組成物の使用方法であって、
    毛髪を洗髪する工程、洗髪した毛髪に前記染毛料組成物を塗布する工程、毛髪に付着した染毛料組成物を洗い流す工程を含む染毛料組成物の使用方法。
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