JP2019064644A - ガスバリア性容器 - Google Patents
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Abstract
Description
また、ガスバリア性の観点では、熱可塑性樹脂フィルム又はシートの形態であれば、窒化珪素膜(SiN膜)が優れていることが知られている。
フィルムやシートの場合であれば、成膜時の成膜箇所の形状が略平面であり、回り込み蒸着性が高くなくとも均等蒸着でき、また蒸着膜面上に他のフィルムや層を重ねるため、使用時に変形してもガスバリア性の劣化は緩和される。しかしながら、ボトル形状にSiN膜を成膜する場合は、略円筒状胴部や、首部、肩部、底部とボトル全体に曲率を有しており、また場合により加飾性や強度向上のために局所的に凹凸を有する形状であるので、成膜追従性が低いSiN膜ではボトル全面の均等蒸着が困難である。また、ボトルの場合は蒸着膜を保護するための被覆層が無いので、可撓性が不十分なSiN膜では、ボトルの膨張収縮や使用における変形によって、ガスバリア性の劣化が発生し易い。更に、SiN膜由来の濃い黒褐色を示すという欠点がある。
基材である熱可塑性樹脂容器の上にガスバリア膜を備えるガスバリア性容器において、前記ガスバリア膜が珪素(Si)、酸素(O)、窒素(N)、及び炭素(C)を含むガスバリア層を少なくとも1層有し、前記ガスバリア層のSiの元素組成比を1.0としたとき、前記ガスバリア層のNの元素組成比が0.01以上1.5以下であることを特徴とする、ガスバリア性容器、である。
ガスバリア性容器1は基材である熱可塑性樹脂容器2の上にガスバリア膜3を備える。図1にガスバリア性容器1の外観図の例を示した。また、図2に図1のIIで示した箇所の断面拡大図を示した。
ガスバリア性容器1は図1に示したように略円筒状の形状をしており、口部11、肩部12、胴部13及び底部14を有している。ただし、本発明のガスバリア性容器の形状はこれに限定されず、目的の用途に合わせて適宜形成することができる。また、後述するようにガスバリア膜3の成膜追従性、可撓性が良いことから、容器にリブ、加飾、耐圧向上のための細かい凹凸部を付すこともできる。
なお、ガスバリア性容器1を封止する蓋、キャップ、封止材も、その形状、構成を工夫して、内容物に対するガスバリア性を保つ形状とすることが望まれる。
熱可塑性樹脂容器2はガスバリア性容器1の形状の基本となるものであり、熱可塑性樹脂を主原料としている。ここで、「主原料」とは全体に対して90%以上の割合で含まれている原料を意味する。
ガスバリア膜3はガスバリア性容器1にガスバリア性を付与するための膜であり、熱可塑性樹脂容器2の上に備えられている。好ましくは、図2に示したように、熱可塑性樹脂容器2の表面にガスバリア膜3が形成された形態である。熱可塑性樹脂容器2の表面には外側表面(外部環境側表面)及び内側表面(内容物側表面)があるが、ガスバリア膜3はこれらのうち少なくとも一方に形成されていればよく、両方に形成されていてもよい。好ましくは、図2に示したように内側表面にガスバリア膜3が形成されることである。
また、内側表面にガスバリア膜を備えることにより、熱可塑性樹脂容器2中の微量成分や水分が内容物側へ移行することを抑制できる。
ガスバリア膜3は珪素(Si)、酸素(O)、窒素(N)、及び炭素(C)を含むガスバリア層を少なくとも1層有しており、ガスバリア層のSiの元素組成比を1.0としたとき、Nの元素組成比が0.01以上1.5以下であることを特徴としている。
Nの元素組成比が0.01以上であると、ガスバリア膜3のガスバリア性を向上することができる。また、1.5以下であると、ガスバリア膜3の着色が抑制される。よって、ガスバリア膜3は上記ガスバリア層を有することにより、透明性及び高いガスバリア性を備えることができる。
なお、以下においてもガスバリア層の元素組成比について説明するが、これらの元素組成比も上記と同様に、Siの元素組成比を1.0として算出している。
なお、ガスバリア層には水素(H)が含まれているが、XPS装置ではHのピークが検出できないため、元素組成比の記述には加えていない。
ガスバリア膜3は、該ガスバリア膜3が有する少なくとも1層のガスバリア層のうち、少なくとも1層のO、N、及びCのいずれかの元素組成比が以下の範囲であることが好ましい。言い換えると、ガスバリア膜3がガスバリア層を1層のみ有する場合は、ガスバリア層のO、N、及びCのいずれかの元素組成比が以下の範囲であることが好ましい形態であり、2層以上有する場合は、少なくとも1層のO、N、及びCのいずれかの元素組成比が以下の範囲であることが好ましい形態である。さらに言い換えると、2層以上有する場合は、1つの層のO、N、及びCのいずれかの元素組成比が以下の範囲であり、その他の層は任意のガスバリア層である形態も好ましい形態に含まれる。
ガスバリア膜3がガスバリア層を少なくとも2層有する場合、少なくとも2層のガスバリア層のうち、少なくとも1層がA層であり、少なくとも1層がB層であることが好ましい。すなわち、ガスバリア膜3がガスバリア層を2層有する場合は、一方のガスバリア層がA層であり、他方のガスバリア層がB層である形態が好ましく、3層以上有する場合は、少なくとも1層がA層であり、少なくとも1層がB層である形態が好ましい。さらに言い換えると、3層以上有する場合は、1つの層がA層であり、もう1つの層がB層であり、その他の層が任意のガスバリア層である形態も好ましい形態に含まれる。
B層はNの元素組成比が0.1以上1.5以下であることを特徴としており、Nの元素組成比が0.1以上であるとガスバリア膜3のガスバリア性が高まる。
よって、A層は透明性に秀でたガスバリア層と言え、B層はよりガスバリア性の高いガスバリア層と言える。
Oの元素組成比は、下限は1.6以上が好ましく、1.7以上が更に好ましい。上限は2.1以下がより好ましい。
Nの元素組成比は0以上1.0以下であることが好ましく、下限は0.01以上がより好ましく、0.02以上が更に好ましい。上限は0.5以下がより好ましく、0.3以下が更に好ましい。透明性に秀でたガスバリア層A層を形成する観点で、Nの元素組成比が1.0以下であると、ガスバリア膜3の着色が抑制され、かつ適度な硬度となる。
Cの元素組成比は0.01以上1.0以下であることが好ましく、下限は0.02以上がより好ましく、0.03以上が更に好ましい。上限は0.5以下がより好ましく、0.3以下が更に好ましい。Cの元素組成比が0.01以上であることにより、ガスバリア性を阻害しない程度で可撓性を付与することができ、1.0以下であることにより、着色が抑制される。
Oの元素組成比は0.1以上2.0以下であることが好ましく、下限は0.2以上がより好ましい。上限は1.9以下がより好ましい。より高度なガスバリア性を有するガスバリア層B層を形成する観点で、Si、O、N、Cを含むガスバリア層においてOの元素組成比が2.0以下であると好適であり、且つ適度な可撓性も付与される。
Nの元素組成比は、下限は0.2以上がより好ましく、0.3以上が更に好ましい。上限は1.3以下がより好ましい。
Cの元素組成比は0.01以上2.0以下であることが好ましく、下限は0.2以上がより好ましい。上限は1.7以下がより好ましく、1.6以下が更に好ましい。
よって、ガスバリア膜3はA層とB層とを少なくとも1層ずつ備えることで、透明性及び高いガスバリア性を兼備することが容易となる。
(1)A/B
(2)B/A
(3)A/B/A
(4)B/A/B
(5)A/B/A/B
(6)B/A/B/A
(7)A/A/B
(8)A/B/B
(9)A/A/B/B
(10)B/B/A/A
よって、熱可塑性樹脂容器2側にA層を配置することで、基材容器への密着性、膜全体の柔軟性が向上し、熱可塑性樹脂容器2とは反対側(図1、2における容器の内容物側)にB層を配置することでガスバリア性が向上する。
詳しくは次のとおりである。
なお、成膜後に外気に曝されるガスバリア膜3の最表面は、酸化が生じて酸素原子比率が高くなる。そこで、本願ではこれを考慮して、最表層の分析値を除いた分析値を用いる。また、層界面付近も正確な値を示さないため、分析値から除外する(接する層同士が混じり合うため。)。
なお、A層及びB層を有する場合は、A層の膜厚は5nm以上150nm以下、B層の膜厚は5nm以上100nm以下が好ましい。
また、本容器断面の超薄切片を作製し透過型電子顕微鏡で観察すると、層の境界の判別に有効であり、各層の膜厚計測にも用いることができる。
膜密度が大きいと膜が緻密であり、ガスバリア性が良好となる。なお、本願のガスバリア膜3は膜密度が大きくとも、可撓性に優れることが特徴であり、内容物の充填加工や、保管及び搬送時に多少の外圧が加わってもガスバリア性の劣化が起き難い。
膜の密度を高めるには、炭素組成比の低減や、プラズマ反応したガス分子が容器基材へ密集して緻密に堆積することにより為される。
また、膜密度の測定方法は、例えば、X線反射率測定から解析する方法、容器基材を溶剤で十分溶解させて膜を単離させ比重法で測定する方法等が挙げられる。
ガスバリア性容器1は、内容物の視認性、容器美観性、衛生的印象の点から、無色透明であることが好ましい。一般に、熱可塑性樹脂容器は無色透明に成形されたものが用いられるので、ガスバリア性容器1の透明性や色目は、ガスバリア膜3の透明性や色目(色味)が大きく影響する。
イエローインデックスYI値が小さいほど色目が薄く無色性が高い。また、同様に、b*が小さいほど色目が薄く無色性が高い。
ガスバリア性容器1の温度23℃、相対湿度50%における酸素透過率(OTR:Oxygen Transmission Rate)は0.02cc/pkg/24h/atm・air以下が好ましい。より好ましくは0.015cc/pkg/24h/atm・air以下であり、さらに好ましくは0.010cc/pkg/24h/atm・air以下である。例えば、炭酸飲料やアルコール飲料等の用途にはより低い酸素透過率、すなわちより高いガスバリア性が適している。
ガスバリア性容器1の酸素透過率が0.02cc/pkg/24h/atm・air以下であることにより、内容物の酸化、腐食、及び腐敗、内容物の炭酸ガス抜け、並びに香味抜けの抑制に有効である。
ガスバリア性容器1は上記のとおり、ガスバリア性、透明性が良いので、酸化防止、腐食防止、香味維持、炭酸ガス抜け防止、変色防止と、内容物の視認性などを必要とする、食品用、飲料用、調味料用、医薬用、工業部品用に適している。中でも、飲料用及び調味料用などに好適に用いることができる。例えば、炭酸飲料、ワイン、日本酒など、内容物の色目が品質や消費者に与える影響の大きいものに好適である。
次に、ガスバリア性容器1の製造方法について説明する。
国際公開第2006/126677号パンフレットには、水素含有SiNx膜をはじめ水素含有DLC膜、水素含有SiOx膜、水素含有SiCxNy膜をプラスチック容器に成膜する製法が開示されている。しかしながら、当該開示されている方法は熱触媒体を用いて化学蒸着する製法であり、汎用の高周波プラズマやマイクロ波プラズマを用いた装置ではなく熱触媒体を備えた新たな設備が必要であった。
一方で、本発明のガスバリア膜3は、DLC蒸着、及び酸化珪素蒸着を行う際に使用する公知の高周波電源やマイクロ波電源を用いて成膜することができることを特徴としている。よって、新たに熱触媒体を有する設備を用意する必要がないため、本願の製造方法によれば、簡易にガスバリア膜3を成膜することができる。
以下に詳しく説明する。
なお、以下においては、プラズマ化学蒸着法によりガスバリア膜3を成膜する方法を例示して説明する。
まず、Si、O、N、及びCを含むガスバリア層を形成するガスについて説明する。
原料ガス、または原料ガス及び添加ガスをプラズマ化学蒸着へ導入し、これらのガスがプラズマ下で反応して、容器基材の上に堆積することでガスバリア膜3が成膜される。
アミノシランは、1分子中に複数のSi−N結合を有するので、Siに対するNの結合価数および元素組成比が高く、ガスバリア膜3のガスバリア性を向上させ易い。また、ガスバリア性と色目の観点から、ガスバリア膜3のCの元素組成比を低減させることが好ましい。ここで、アミノシランのN−C結合の結合解離エネルギーと有機シラザンのSi−C結合の結合解離エネルギーとを比較すると、一般的にアミノシランのN−C結合の結合解離エネルギーの方が小さく解離し易い。よって、アミノシランを用いることでSiに対するCの結合価数および元素組成比が低減するため、プラズマ中の化学反応や成膜後の膜処理に有利である。そのため、アミノシランガスを用いることにより、より低い反応エネルギーで望ましい元素組成比のガスバリア膜3を形成できる。また、基材である熱可塑性樹脂容器2を加温せずとも、好適な窒素含有珪素系膜を成膜し易いので、ガスバリア性容器1の熱変形等の不具合を防ぐことができる。さらにアミノシランガスを用いることにより、プラズマ化学反応において緻密な、すなわち密度の高い、優れたガスバリア性を有するガスバリア膜3を形成できる。
なお、原料ガスは何れか1つを単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。
反応ガスは、原料ガスと反応して、ガスバリア膜3に適する元素組成のガスを生成させる目的で使用する。
反応ガスとしては、酸素、オゾン、一酸化窒素、二酸化窒素、亜酸化窒素、水素、アンモニア、アミン、炭化水素、水蒸気、空気などが挙げられる(本発明では、真空チャンバー中に残存している水蒸気、酸素、空気等や、基材に付着及び/又は含有している水分等も反応に関係することが考えられる。)。
中でも、酸素、窒素、水素が好ましく、原料ガス成分に対してプラズマ下で酸化、窒化、水素化、脱炭素化の反応を行い、ガスバリア性と無色化を両立させるための膜組成と為すことができる。反応ガスは、何れか1つを単独で用いても良いし、2種以上を同時に用いても良い。
例えば、酸化度の高い膜を形成するには酸素、窒化度の高い膜を形成するには窒素、水素、アンモニアを用いると好ましい。
当該方法は、公知の高周波電源又はマイクロ波電源を用いたプラズマ化学蒸着(CVD:Chemical Vapor Deposition)装置を用いて行うことができる。装置の真空チャンバーに熱可塑性樹脂容器2を装填し減圧真空引きし、原料ガス、又は原料ガス及び添加ガスを導入して、高周波又はマイクロ波によりこれらのガスをプラズマ化及び反応させ、熱可塑性樹脂容器2の上にガスバリア膜3を堆積させる。
電極の表面積における高周波電源の供給出力は0.5〜2.5W/cm2が好ましい。
(ブロー成形)
ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET、一般ボトルグレード、極限粘度0.83dl/g、融点240℃、結晶化温度172℃)製の有底円筒状のパリソンを用い、2ステップブロー成形法(コールドパリソン法)で、ガスバリア膜を成膜するための未成膜容器(基材容器)を成形した。基材容器の形状は、平らな円形底を有する略円筒状、全高109mm、胴部外径62mm、口部外径53mm、胴部厚み0.3mmであり、容積240mlであった。
図3で概略的に示すように、基材容器の形状に合わせた外部電極と、ボトル口部上方のチャンバー壁に排気口を有するプラズマ化学蒸着(CVD)装置に、得られた基材容器を装填し、先端部に細孔を設けてガス供給管を兼ねたφ10mmの内部電極をボトル内部の全高約50%の位置に配設して、真空チャンバー圧力0.1Pa未満まで真空排気した後に、気化させたトリス(ジメチルアミノ)シラン(3DMAS)を導入し、13.56MHz高周波電力を印加し、基材容器の内面にガスバリア膜をプラズマ化学蒸着した。このとき、各例の条件のとおり、添加ガスとして水素(H2)、窒素(N2)、酸素(O2)を導入した。添加ガスを導入していない例については、真空チャンバー中の残存空気や残存水蒸気等や基材に付着及び/又は含有していた水分等が反応に関与した可能性が考えられる。
2層目を蒸着する場合は、1層目を蒸着した後、チャンバー内のガスを十分に排気し、次いで2層目を蒸着させるためのガスをチャンバー内に導入し、13.56MHz高周波電力を印加してプラズマ化学蒸着した。成膜条件は表1に示した。なお、比較例1に係るガスバリア性容器にはガスバリア膜を成膜しておらず、基材容器のままである。また、比較例2は、基材容器を窒素雰囲気下で60℃24時間保管して予め乾燥させた後にガスバリア膜を成膜した。
以上により、実施例1〜12、及び比較例1〜2に係るガスバリア性容器を作製した。
(ブロー成形)
実施例1と同様にして未成膜容器(基材容器)を成形した。基材容器の形状は、略半球状に内容物側へ窪んでいる底部、円筒状の胴部、胴部から徐々に縮径した肩部、首部を有し、全高280mm、胴部外径70mm、口部外径28mm、胴部厚み0.35mmであり、容積720mlであった。
(ガスバリア膜の成膜)
実施例1と同様にして成膜した。なお、比較例3はガスバリア膜を成膜しておらず、基材容器のままである。
サーモフィッシャーサイエンティフィック社製XPS(X線光電子分光スペクトル)装置K−Alpha(X線源:Al Kαモノクロ線)を用い、C1s、N1s、O1s、Si2pの各ナロースペクトル分析を行った。深さ方向分析は、アルゴンガスを用いてエッチングを行い、上記のスペクトル分析を行った。
次いで、装置付属の解析ソフトにより、各スペクトルの感度係数補正、バックグラウンド除去を行い、ピーク面積比から各元素の原子%を解析した。
なお、表2ではガスバリア層のSiの原子%に対するO、N、及びCの原子%の比率、すなわち、Siを1.00としたときのO、N、及びCの元素組成比を示した。
ガスバリア性容器の全高50%の高さ位置から小片を切り出して、容器断面の超薄切片を作製し、透過型電子顕微鏡で観察し、膜厚を計測した。
MOCON社製OX−TRAN2/61機を用い、各例で得られたガスバリア容器の開口部に当該装置用のアダプターヘッドを装着して、23℃相対湿度50%条件下で、容器当たりの酸素透過率を測定した。
また、未蒸着の比較例1のOTRに対する各試験例のOTRの比率(BIF)を算出し評価した。
また、実施例2,3,5,7の容器について、全高50%の高さ位置の胴部において、外側(外部環境側)から直径10mmの面で水平方向に容器の中心側(内容物側)へ向けて、対角線上の2方向から2mmずつ20回押し込んだ後に、酸素透過率を測定した。また、未蒸着の比較例1のOTRに対する比率(BIF)を評価し、表3に示した。
容器の全高50%の高さ位置から約2cm角の小片を切り出し、スガ試験機社製測色計SC−Tを用い透過法で、光線透過率とYI値をJIS K7373:2006に準じて測定し、また、b*をJIS Z8781−4:2013に準じて測定した。
YI値は、表2において、4.0未満を「a」、4.0以上6.0未満を「b」、6.0以上8.0未満を「c」、8.0以上を「d」と示した。
なお、b*及び光線透過率は、比較例1、実施例10、11のみ測定している。
また、実施例2、3、5、7の胴部を押し込み試験した後のOTRは、押し込み前よりも幾分大きくなったが、未蒸着の比較例1よりもガスバリア性は高かった。
2 熱可塑性樹脂容器
3 ガスバリア膜
11 口部
12 肩部
13 胴部
14 底部
Claims (8)
- 基材である熱可塑性樹脂容器の上にガスバリア膜を備えるガスバリア性容器において、
前記ガスバリア膜が珪素(Si)、酸素(O)、窒素(N)、及び炭素(C)を含むガスバリア層を少なくとも1層有し、
前記ガスバリア層のSiの元素組成比を1.0としたとき、
前記ガスバリア層のNの元素組成比が0.01以上1.5以下であることを特徴とする、ガスバリア性容器。 - 少なくとも1層の前記ガスバリア層のうち、少なくとも1層の元素組成比が、Oが0.1以上2.2以下であり、Nが0.01以上1.5以下であり、且つCが0.05以上3.0以下である、請求項1に記載のガスバリア性容器。
- 少なくとも1層の前記ガスバリア層のうち、少なくとも1層のOの元素組成比が1.5以上2.2以下である、請求項1又は2に記載のガスバリア性容器。
- 少なくとも1層の前記ガスバリア層のうち、少なくとも1層のNの元素組成比が0.1以上1.5以下である、請求項1又は2に記載のガスバリア性容器。
- 前記ガスバリア膜が前記ガスバリア層を少なくとも2層有し、
少なくとも2層の前記ガスバリア層のうち、少なくとも1層がA層であり、少なくとも1層がB層であり、
前記A層のOの元素組成比が1.5以上2.2以下であり、
前記B層のNの元素組成比が0.1以上1.5以下である、請求項1〜4のいずれかに記載のガスバリア性容器。 - 前記基材上に、前記基材側から前記A層と前記B層とをこの順に有する請求項5に記載のガスバリア性容器。
- 酸素透過率(23℃相対湿度50%)が0.02cc/pkg/24h/atm・air以下である、請求項1〜6のいずれかに記載のガスバリア性容器。
- イエローインデックス(JIS K7373:2006)が8.0未満である請求項1〜7のいずれかに記載のガスバリア性容器。
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