JP7223611B2 - ガスバリア性容器およびガスバリア性容器の製造方法 - Google Patents

ガスバリア性容器およびガスバリア性容器の製造方法 Download PDF

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Description

本願は、ガスバリア性容器およびガスバリア性容器の製造方法に関する。
ペットボトル等のプラスチックボトルは、成形が容易であること、軽量であることなどの点から、飲料等の容器として、現在広く普及している。しかし、プラスチックボトルは、ガスバリア性に劣るという課題を抱えている。
プラスチックボトルにガスバリア性を付与することを目的として、プラスチックボトルの表面に、酸化珪素膜(SiO膜)、炭素含有ケイ素酸化物薄膜(SiOC膜)といったガスバリア膜を成膜する技術が開発されている(特許文献1、2)。
また、容器ではなく、フィルム又はシートの形態ではあるが、酸化窒化珪素薄膜(SiON膜)を形成したガスバリアフィルムが開発されている(特許文献3)。
特開2004-168325号公報 特開2005-271959号公報 特開2007-237702号公報
しかしながら、特許文献1に記載のSiOC膜を有するガスバリア性プラスチック容器では、SiOC膜と樹脂層との密着性を向上させることを課題としているが、肩部や首部を有する細長い容器形状では、ガスバリア性、密着性が不十分になる懸念がある。また、特許文献2に記載のSiO膜を有するプラスチック製容器は、膜質が柔軟性や可撓性に欠けるためにガスバリア性が損なわれる虞がある。また、特許文献3に記載のSiON膜のように窒化成分を含む膜は、SiO膜よりも可撓性に欠ける硬質な膜質として知られている。
上記の懸念点に対して、密着性、可撓性が不十分な膜質の場合でも、基材への密着性を向上させ、基材の曲率や変形に追従してガスバリア性を維持させる技術として、コロナ処理、プラズマ処理や、アンカーコート層の配設等が知られているが、コロナ処理、プラズマ処理の場合は基材表層樹脂の微粉末が発生する懸念があり、また、アンカーコート処理の場合はガスバリア膜を通して容器内部へ溶出する懸念がある。
また、ガスバリア膜を形成したボトルに、内容物である飲料などの液体を収容して長時間保存すると、ガスバリア膜の劣化、および、基材との密着性の低下が生じることが懸念されている。
以上より、本願は、透明性に優れ、複雑な形状を有する容器の全体においてガスバリア膜の密着性が良好で、優れたガスバリア性を有し、特に、飲料等の内容物を充填し、所定の期間保管した後も良好なガスバリア性(以下、保管後ガスバリア性という場合がある。)を維持できるガスバリア性容器、および、該ガスバリア性容器の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、基材上にガスバリア層(a)を備えるガスバリア性容器であって、該ガスバリア層(a)が、Si、O、N、および、Cを含む基材に隣接した層であり、該ガスバリア層(a)が容器全体において所定の組成を有し、かつ、容器全体において所定の厚みを有することで、高い透明性、ガスバリア層の密着性、ガスバリア性、および、保管後ガスバリア性を実現できること、ならびに、該ガスバリア性容器の製造方法を見出し、以下を完成させた。
本願は、第1の形態として、熱可塑性樹脂容器からなる基材上にガスバリア層(a)を備えるガスバリア性容器であって、
前記ガスバリア層(a)が、珪素(Si)、酸素(O)、窒素(N)、および炭素(C)を含む基材に隣接した層であり、前記ガスバリア性容器の首部、胴部および底部のいずれの箇所においても、前記ガスバリア層(a)のSiの元素組成比を1.0とした場合のNの元素組成比が0.10未満、Cの元素組成比が0.01以上0.50以下であり、
前記ガスバリア性容器の首部、胴部および底部のいずれの箇所においても、前記ガスバリア層(a)の厚みが20nm以上であることを特徴とするガスバリア性容器を開示する。
第1の形態において、前記ガスバリア性容器が首部を有し、胴部直径に対する容器全高の比が1.5以上5.0以下であることが好ましい。
第1の形態において、前記ガスバリア層(a)のSiの元素組成比を1.0とした場合のCの元素組成比の容器の胴部中央部に対する首部及び/又は底部の比が1.0以上6.0以下であることが好ましく、
前記ガスバリア層(a)の厚みの胴部中央部に対する首部及び/又は底部の比が0.2以上2.0以下であることが好ましい。
第1の形態において、前記基材に対する前記ガスバリア層(a)の密着性試験値が2.0以下であることが好ましい。
第1の形態において、前記ガスバリア層(a)の表面にガスバリア層(b)を備えることが好ましい。
第1の形態において、前記ガスバリア性容器にワインを充填後、23℃下で6時間保管後の酸素透過率が0.01cc/pkg/day/atm・air以下であることが好ましい。
本願は、第2の形態として、ガス供給管を、熱可塑性樹脂容器からなる基材の内部に挿入して、該ガス供給管からガスを導入して、熱可塑性樹脂容器からなる基材の内側に、化学蒸着により基材に隣接したガスバリア層(a)を形成する工程を含む、ガスバリア性容器の製造方法であって、
ガスバリア層(a)が、珪素(Si)、酸素(O)、窒素(N)、および炭素(C)を含む層であり、
前記ガス供給管が、ガス供給孔をガス供給管の垂直方向に複数有し、
該複数のガス供給孔からガスを噴出することにより、ガスバリア層(a)を形成することを特徴とする、ガスバリア性容器の製造方法を開示する。
第2の形態において、前記ガス供給管が、側面に形成されたガス供給孔を有し、該ガス供給孔から水平方向にガスを噴出することが好ましい。
第2の形態において、前記水平方向が、前後二方向であることが好ましい。
第2の形態において、前記水平方向が、前後二方向と左右二方向であり、前後二方向にガスを噴出するガス供給孔と、左右二方向にガスを噴出するガス供給孔とが、垂直方向に交互に形成されていることが好ましい。
第2の形態において、前記ガス供給管が、さらに下端に形成されたガス供給孔を有し、該ガス供給孔から下方向にガスを噴出することが好ましい。
本願のガスバリア性容器は、透明性に優れ、複雑な形状を有する容器の全体においてガスバリア層(a)の密着性が良好で、優れたガスバリア性、および、保管後ガスバリア性を有する。
また、本願のガスバリア性容器の製造方法によれば、上記性能のガスバリア膜を容器内部に形成することができる。
ガスバリア性容器100の外観を示した図である。 図1にIIで示した箇所の断面拡大図である。 図1にIIで示した箇所の、別の実施形態の断面拡大図である。 実施例1におけるガスバリア層の製膜での、ガス供給管50の様子(ガス供給孔の位置)、および、ガスバリア層の原子組成比の分析位置を示す模式図である。 実施例における、プラズマ化学蒸着の装置(ガス供給管側面のガス供給孔は省略している。)を示した図である。
以下、本開示のガスバリア性容器およびガスバリア性容器の製造方法について、実施形態を参照しつつ説明するが、本開示のガスバリア性容器およびガスバリア性容器の製造方法は、これら実施形態に限定されるものではない。
<ガスバリア性容器100>
本開示のガスバリア性容器100は、熱可塑性樹脂容器からなる基材20上にガスバリア層(a)30を備える。図1に本開示のガスバリア性容器100の一実施形態の正面図を示す。図2に、図1のIIで示した箇所の断面拡大図を示す。
(ガスバリア性容器100の形状)
ガスバリア性容器100は、例えば、図1に示したようなボトル形状をしており、開口部72、首部74、肩部75、胴部76、底部78を有している。ただし、本開示のガスバリア性容器100の形状はこれに限定されず、目的の用途に合わせて適宜形成することができる。また、後述するようにガスバリア層(a)30の成膜追従性、可撓性が良いことから、容器にリブ、加飾、耐圧向上のための細かい凹凸部を付すこともできる。
なお、ガスバリア性容器100を封止する蓋、キャップ、封止材も、その形状、構成を工夫して、内容物に対するガスバリア性を保つ形状とすることが望まれる。
中でも、ガスバリア性容器100は、首部74を有し、胴部76の直径に対する容器100の全高の比が、1.5以上5.0以下であることが好ましく、上限は4.5以下がより好ましく、4.0以下が更に好ましい。本願によれば、このような形状の容器であっても、ガスバリア性に優れた容器とすることができる。
(熱可塑性樹脂容器からなる基材20)
熱可塑性樹脂容器からなる基材20は、ガスバリア層(a)が形成される容器形状の基材であり、熱可塑性樹脂を主成分としてなる。ここで、「主成分」とは、容器全体を基準(100質量%)として、好ましくは90質量%以上の割合で該成分を含んでいることを意味し、公知の添加剤などを含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加工助剤、着色剤、無機又は有機充填剤、難燃剤等を挙げることができる。
熱可塑性樹脂の種類は特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン系樹脂;環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリビニルアルコール樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合体等のポリビニルアルコール系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリビニルブチラート樹脂;ポリアリレート樹脂;エチレン-四フッ化エチレン共重合体、三フッ化塩化エチレン、四フッ化エチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、パーフルオロ-パーフルオロプロピレン-パーフルオロビニルエーテル共重合体等のフッ素系樹脂;ポリ酢酸ビニル系樹脂;アセタール系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン2,6-ナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂;ポリアミド6、ポリアミド12、ポリアミド共重合体等のポリアミド系樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリサルホン樹脂;ポリエーテルサルホン樹脂;ポリエーテルエーテルケトン樹脂等を用いることができる。中でも、汎用性、強度、透明性、美観性、成形性、膜密着性の点からPETが好ましい。
熱可塑性樹脂容器からなる基材20の厚さは用途に応じて適宜設定できるが、0.2mm以上1.5mm以下であることが好ましい。一般に、容器の基材が厚いとガスバリア性が向上するが、本開示のガスバリア性容器100はガスバリア層を有するので、所要のガスバリア性を有する容器として容器の基材厚さは薄くすることができる。例えば、容量1L以下の容器の場合は、基材20の厚さは、胴部は0.20mm以上0.60mm以下が好ましく、首部、肩部の厚みは特に限定されないが、首部は0.30mm以上0.70mm以下、肩部は0.20mm以上0.60mm以下が好ましい。プラスチックボトルの軽量化の観点で、所要の強度を満足できる範囲で薄い方が望ましい。
(ガスバリア層(a)30)
本開示のガスバリア性容器100は、熱可塑性樹脂容器からなる基材20上に、ガスバリア層(a)30を備え、これにより、ガスバリア性を有する。ガスバリア性を有することにより、外気が容器の内容物側へ透過したり、内容物中の炭酸ガスや香味成分が容器外へ移行したりすることを防ぐことができる。
ガスバリア層(a)30は、図2に示すように、基材20の内側(内容物側)に形成してもよいし、基材20の外側(内容物側とは反対側)に形成してもよいし、または、内側と外側の両方に形成してもよい。内側にガスバリア層(a)30を形成した場合は、熱可塑性樹脂容器からなる基材20中の微量成分や水分が内容物へ移行することが抑制できるので、その点から、基材20の内側に、ガスバリア層(a)を形成することが好ましい。
ガスバリア層(a)30は、珪素(Si)、酸素(O)、窒素(N)、および炭素(C)を含む基材20に隣接した層である。
「基材20に隣接した層」とは、ガスバリア層(a)30と基材20との間に、他の層を介在させずに、ガスバリア層(a)30が直接基材20上に形成されていることを意味する。
ガスバリア層(a)30は、ガスバリア性容器100の首部74、胴部76および底部78のいずれの箇所においても、ガスバリア層(a)のSiの元素組成比を1.0とした場合のNの元素組成比が0.10未満、Cの元素組成比が0.01以上0.50以下である。
ガスバリア層(a)の組成を、ガスバリア性容器100全体において、上記所定の範囲とすることにより、ガスバリア性容器100全体において、ガスバリア層(a)30と基材20との密着性を向上させることができ、ガスバリア性容器100のガスバリア性を良好にできる、また、保管後ガスバリア性も良好に維持することができる。
なお、ガスバリア層(a)や、以下において説明するガスバリア層(b)には、水素(H)が含まれているが、XPS装置ではHが分析されないため、元素組成比の記述には加えていない。
なお、以下において説明するガスバリア層(a)や、ガスバリア層(b)の元素組成比は、上記と同様にSiの元素組成比を1.0として算出している。
上記ガスバリア層(a)のNの元素組成比は、前記ガスバリア性容器100の首部74、胴部76および底部78のいずれの箇所においても、下限は0.005以上が好ましく、0.008以上が更に好ましい。上限は0.07未満がより好ましく、0.05未満が更に好ましい。Nの元素組成比の下限を、好ましい範囲とすることによって、ガスバリア性容器100により高いガスバリア性を付与することができる。また、Nの元素組成比の上限を、上記好ましい範囲とすることにより、ガスバリア層(a)30の着色を抑制し、また、ガスバリア層(a)を適度な硬度とすることができ、適度な可撓性を付与することで、ガスバリア性をより向上できる。
上記ガスバリア層(a)のCの元素組成比は、前記ガスバリア性容器100の首部74、胴部76および底部78のいずれの箇所においても、下限は0.015以上がより好ましい。上限は0.25以下がより好ましく、0.10以下が更に好ましい。Cの元素組成比の下限を、好ましい範囲にすることによって、ガスバリア性を阻害しない程度で可撓性を付与することができる。また、Cの元素組成比の上限を、好ましい範囲にすることによって、着色が抑制される。
ガスバリア層(a)のCの元素組成比の容器の胴部76の中央部に対する首部74及び/又は底部78の比は、1.0以上6.0以下であることが好ましい。ここで、「胴部76の中央部」とは、胴部76が広範囲であるので、元素組成比を測定する位置をある程度特定する趣旨であり、厳密な意味での中央部を意味するものではなく、具体的には、胴部76の垂直方向高さ全体を100%として、胴部上方および胴部下方のそれぞれ30%の範囲を除外した中央部40%の範囲を意味する。
上記ように、Cの元素組成比を容器100全体において、所定の範囲内に均一化することにより、ガスバリア層(a)30の可撓性を容器全体において均一なものとして、容器100全体においてガスバリア層(a)30の密着性を良好にし、高いガスバリア性および保管後ガスバリア性を付与できる。また、容器の一部が着色するのを防止できる。
なお、上記ガスバリア層(a)のCの元素組成比の容器の胴部76の中央部に対する首部74及び/又は底部78の比は、5以下であることがより好ましく、4以下であることがさらに好ましく、3以下であることが特に好ましい。
また、ガスバリア層(a)において、上記したNの元素組成比とCの元素組成比以外に、Oの元素組成比についても、前記ガスバリア性容器100の首部74、胴部76および底部78のいずれの箇所においても、所定の範囲内とすることが好ましい。ガスバリア層(a)のOの元素組成比は、下限は1.5以上が好ましく、1.6以上がより好ましい。上限は、2.2以下が好ましく、2.0以下がより好ましい。Oの元素組成比の下限を好ましい範囲にすることで、ガスバリア層(a)30に透明性を付与することができる。Oの元素組成比の上限を好ましい範囲とすることで、ガスバリア性を維持することができる。
(ガスバリア層(b)40)
ガスバリア性容器100は、基材20に隣接して形成されたガスバリア層(a)30の表面上に、別のガスバリア層(b)40を備えていてもよく、複数のガスバリア層を有する形態であってもよい。ガスバリア層(a)およびガスバリア層(b)を有するガスバリア性容器100の拡大断面図を図3に示す。ガスバリア層(b)を有することにより、ガスバリア性、および、保管後ガスバリア性をさらに向上させることができる。
ここで、ガスバリア層(a)30の表面とは、ガスバリア層(a)の基材20と隣接している側とは反対側の表面を意味する。
ガスバリア層(b)も、Si、O、N、および、Cを有するガスバリア層であって、以下に示すように、Nの元素組成比、Cの元素組成比、Oの元素組成比を、ガスバリア性容器100の首部74、胴部76および底部78のいずれの箇所においても、所定の範囲内とすることが好ましい。
Nの元素組成比は、下限は0.1以上が好ましく、0.2以上がより好ましく、0.3以上がさらに好ましい。上限は、1.5以下が好ましく、1.3以下がより好ましい。Nの元素組成比を0.1以上とすることで、ガスバリア膜のガスバリア性が高まる。
Oの元素組成比は0.1以上2.0以下であることが好ましく、下限は0.2以上がより好ましい。上限は1.9以下がより好ましい。より高度なガスバリア性を有するガスバリア層(b)を形成する観点で、Si、O、N、Cを含むガスバリア層においてOの元素組成比が2.0以下であると好適であり、且つ適度な可撓性も付与される。
Cの元素組成比は0.01以上2.0以下であることが好ましく、下限は0.2以上がより好ましい。上限は1.7以下がより好ましく、1.6以下が更に好ましい。
上記したように、ガスバリア層(a)では、Nの元素組成比が低く設定されており、これにより、ガスバリア層(a)を適度な硬度とすることができ、適度な可撓性を付与することで、密着性を良好にできる。また、ガスバリア層(b)は、Nの元素組成比が比較的高く設定されているので、層自体のガスバリア性が高い。
よって、ガスバリア層(a)を備えることで、基材20との密着性が向上して、ガスバリア性、特に、保管後ガスバリア性が向上する。また、さらに、ガスバリア層(b)を備えることで、さらに高いガスバリア性を付与できる。
(ガスバリア層30、40の積層構成)
ガスバリア層は、上記したように、基材20に隣接してガスバリア層(a)30のみを有していてもよいし、さらに、ガスバリア層(a)の表面上にガスバリア層(b)40を有していてもよい。また各ガスバリア層は、互に組成が異なる複数の層から構成されていてもよい。以下、ガスバリア層(a)をa、ガスバリア層(b)をbと省略記載する。
ガスバリア層の積層構成としては、例えば、以下が挙げられる。
(1)a
(2)a/a
(3)a/a・・・
(4)a/b
(5)a/a/b
(6)a/b/b
(7)a/a/b/b
(8)a/a・・・/b/b・・・
また、ガスバリア層(a)/ガスバリア層(b)の上に、さらに別のガスバリア層を形成してもよく、例えば以下のような積層構成とすることも可能である。
(9)a/b/a
(10)a/b/a/b
(1)~(10)において、左側が熱可塑性樹脂容器からなる基材20側を表しており、「/」が層間の境界を表している。また、同じ層が連続している例を挙げているが、これは同じ層(元素組成比は同じであってもよく、異なっていてもよい。)が複数回積層されたことを意味する。これらの複数の層は、一度に続けて成膜されてもよいし、複数回に分けて成膜されてもよく、各回の成膜装置や方法が異なってもよい。また、「・・・」は、特に層の数を限定しない複数層の意味であり、例えば、「a/a・・・」は、3層、4層、5層、と所定の組成の範囲内にて、種々のガスバリア層(a)を複数層積層して形成した場合を意味する。
また、ガスバリア層(a)が所定の組成の範囲内にて、連続的に組成が変化している形態も、上記した所定の組成の範囲内である限り、1層のガスバリア層(a)として把握される。なお、この場合は、ガスバリア層(a)の層さ方向中央部の値を該層の組成とする。
上記の積層形態のうち、熱可塑性樹脂容器20に隣接して、ガスバリア層(a)のみが配置される形態(上記(1)~(3))、または、基材20側から、ガスバリア層(a)、ガスバリア層(b)が順に配置された形態(上記(4)~(8))が好ましい。
(ガスバリア層30、40の元素組成比の測定方法)
ガスバリア層30、40の元素組成比は、X線光電子分光分析(XPS:X-ray Photoelectron Spectroscopy)装置を用いて測定することができる。
詳しくは次のとおりである。
XPS装置を用い、ガスバリア層のSi2pスペクトル、O1sスペクトル、N1sスペクトル、C1sスペクトルを分析し、得られたピーク面積を解析することで元素組成比が得られる。また、エッチング分析により、膜深さ方向の元素組成比を測定することもできる。
なお、成膜後に外気に曝されるガスバリア層の最表面は、酸化が生じて酸素原子比率が高くなる。そこで、本願ではこれを考慮して、最表層の分析値を除いた分析値を用いる。また、層界面付近も正確な値を示さないため、分析値から除外する(接する層同士が混じり合うため。)。
また、ガスバリア層がガスバリア性及び透明性を備える観点から、Si-N結合が多く、Si-C結合が少ないことが好ましいと考えられ、それらは、フーリエ変換赤外線吸収分析(FT-IR)や飛行時間型2次イオン質量分析(TOF-SIMS)によって分析できる。例えば、FT-IRで熱可塑性樹脂容器からなる基材20由来のスペクトルを差し引いた差スペクトル分析を行い、Si-N伸縮振動ピーク(900cm-1付近)、Si-C伸縮振動ピーク(1000cm-1付近)、N-H伸縮振動ピーク(3400cm-1)、Si-H伸縮振動ピーク(2200cm-1)等のピーク強度比から解析することができる。
(ガスバリア層(a)30の厚み)
ガスバリア層(a)30の厚みは、前記ガスバリア性容器100の首部74、胴部76および底部78のいずれの箇所においても20nm以上である必要がある。これにより、ガスバリア層(a)30の密着性を良好にすることができ、保管後ガスバリア性を良好にすることができる。
ガスバリア層(a)30の膜厚の上限は、透明性、及び色目を良好にできれば特に限定されないが、前記ガスバリア性容器100の首部74、胴部76および底部78のいずれの箇所においても、300nm以下であることが好ましく、200nm以下がより好ましく、150nm以下がさらに好ましい。密着性、保管後ガスバリア性を両立できれば、容器の何れの箇所においてもより薄い厚みであることが好ましい。
なお、ガスバリア層(a)30及びガスバリア層(b)40を有する場合は、ガスバリア層(a)30の膜厚は10nm以上150nm以下、ガスバリア層(b)の膜厚は10nm以上100nm以下が好ましい。
また、本開示のガスバリア性容器100の断面の超薄切片を作製し透過型電子顕微鏡で観察すると、層の境界の判別に有効であり、各層の膜厚計測にも用いることができる。
また、ガスバリア層30(a)の厚みは、容器開口部72から底面部78までの成膜面全体に亘って均等であることがガスバリア性及び透明性の観点から好ましく、前記ガスバリア層(a)30の厚みの胴部76中央部に対する首部74及び/又は底部78の比は、0.2以上2.0以下であることが好ましい。該比率の下限は、0.25以上がより好ましく、上限は、1.5以下であることがより好ましく、1.3以下であることが更に好ましい。
膜厚分布は、容器形状を考慮して、以下に示すように、所定のガス供給孔を有するガス供給管を用いてガス導入位置を調整することにより上記の好ましい形態に調整することが可能である。また、補足的に、ガス流量、電極位置、プラズマ印加電力などを調整して、均等化を図ることもできる。なお、胴部76中央部の解釈は、上記したガスバリア層(a)のCの元素組成比の比率における場合と同様である。
ガスバリア層(a)30の膜密度は、1.50g/cm以上が好ましく、1.60g/cm以上がより好ましく、2.00g/cm以上がさらに好ましい。
膜密度が大きいと膜が緻密であり、ガスバリア性が良好となる。なお、本願のガスバリア層(a)30は、膜密度が大きくとも、可撓性に優れることが特徴であり、内容物の充填加工や、保管及び搬送時に多少の外圧が加わってもガスバリア性の劣化が起き難い。
膜の密度を高めるには、炭素組成比の低減や、プラズマ反応したガス分子が基材20へ密集して緻密に堆積することにより為される。
また、膜密度の測定方法は、例えば、X線反射率測定から解析する方法、ガスバリア性容器100を溶剤で十分溶解させて膜を単離させ比重法で測定する方法等が挙げられる。
(ガスバリア性容器100の透明性、色目)
ガスバリア性容器100は、内容物の視認性、容器美観性、衛生的印象の点から、無色透明であることが好ましい。一般に、熱可塑性樹脂容器からなる基材20は無色透明に成形されたものが用いられるので、ガスバリア性容器100の透明性や色目は、ガスバリア層(a)30の透明性や色目(色味)が大きく影響する。
一般にガスバリア性の高い窒素含有珪素膜は黒褐色を帯びるが、本願のガスバリア層(a)30は、透明で、無色~極薄褐色であることが特徴である。ガスバリア層(a)30の透明性、色目の測定は、簡便的に、無色透明な樹脂容器基材に成膜した状態で行うことが出来る。
ガスバリア性容器100の光線透過率は80%以上が好ましく、85%以上がより好ましく、88%以上が更に好ましい。光線透過率が80%以上であると透明であるといえる。
ガスバリア性容器100の色目は、茶褐色や黒褐色の色目が付かず、内容物の変色といった誤解を与えないよう、無色に近いほど好ましい。イエローインデックスYI値(JIS K7373:2006)は8.0未満が好ましく、6.0未満がより好ましく、4.0未満がさらに好ましい。b*(JIS Z8781-4:2013)は5以下が好ましく、4以下がより好ましく、3以下が更に好ましい。
イエローインデックスYI値が小さいほど色目が薄く無色性が高い。また、同様に、b*が小さいほど色目が薄く無色性が高い。
(ガスバリア性容器100のガスバリア性)
ガスバリア性容器100の温度23℃、相対湿度50%における酸素透過率(OTR:Oxygen Transmission Rate)は、0.010cc/pkg/24h/atm・air以下が好ましい。より好ましくは0.008cc/pkg/24h/atm・air以下であり、さらに好ましくは0.005cc/pkg/24h/atm・air以下である。例えば、炭酸飲料やアルコール飲料等の用途には、より低い酸素透過率、すなわちより高いガスバリア性が適している。
ガスバリア性容器100の酸素透過率が0.010cc/pkg/24h/atm・air以下であることにより、内容物の酸化、腐食、及び腐敗、内容物の炭酸ガス抜け、並びに香味抜けの抑制に有効である。
本願のガスバリア性容器100の容器当たりのガスバリア性の良さは、ガスバリア層(a)30を成膜しない容器のOTRと比較することで分かる。すなわち、膜形成しない容器に対する、ガスバリア層(a)30を形成したガスバリア性容器100の酸素透過率の比(BIF:Barrier Improvement Factor)を検討することで分かる。BIFが1.0より高いとガスバリア性が向上したことを意味する。BIFは、3.0超が好ましく、5.0以上がより好ましく、7.0以上がさらに好ましく、10.0以上が特に好ましい。
(内容物を充填して所定期間保管後のガスバリア性(保管後ガスバリア性))
また、本開示のガスバリア性容器100では、特に、飲料等の内容物を充填し、所定期間保管後した後のガスバリア性(保管後ガスバリア性)を良好に維持できる。例えば、ガスバリア性容器100にワインを液温50℃充填圧力70kPaの条件で充填後、23℃下で6時間静置保管した後にガスバリア性容器100からワインを注ぎ出し、次いでガスバリア性容器100の内部をイオン交換水で濯ぎ洗いを2回行って乾燥させた後に、ガスバリア性容器100の温度23℃、相対湿度50%におけるOTR(以下、「保管後OTR」という場合がある。)は、0.010cc/pkg/24h/atm・air以下が好ましい。保管後OTRは、より好ましくは0.008cc/pkg/24h/atm・air以下であり、さらに好ましくは0.006cc/pkg/24h/atm・air以下である。すなわち、一般に、充填時の加温加圧および充填後の温度低下により、熱可塑性樹脂容器およびガスバリア層はその内圧変化を受け、ガスバリア層の損傷や密着性低下が起き易くなるところ、本開示のガスバリア性容器は膜密着性が強いため、良好なガスバリア性を維持できるものである。
また、保管後OTRのBIFは、3.0超が好ましく、5.0以上がより好ましく、7.0以上がさらに好ましく、10.0以上が特に好ましい。
ガスバリア性容器100が、飲料等の内容物を充填し、所定期間保管した後においても、ガスバリア性をどの程度維持できているかは、飲料の充填前のOTR(充填前OTR)と飲料充填し、所定期間保管後のOTR(保管後OTR)とを比較すれば分かる。
また、充填前OTRに対する保管後OTRの比率(保管後OTR/充填前OTR)は、基材20に対するガスバリア層(a)30の密着性の評価基準(密着性試験値)となり得る。すなわち、保管後OTR/充填前OTRが1.0に近いほど、ガスバリア層(a)30が基材20に密着していたことを示し、他方、当該値が大きいほど密着性が悪かったことの表れである。また、肉眼で観察できない微小な密着性も、当該値により判別し得る。該密着性基準値は、2.0以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましく、1.0以下であることがさらに好ましい。
<ガスバリア性容器100の製造方法>
次に、ガスバリア性容器100の製造方法について説明する。
国際公開第2006/126677号パンフレットには、水素含有SiNx膜をはじめ水素含有DLC膜、水素含有SiOx膜、水素含有SiCxNy膜をプラスチック容器に成膜する製法が開示されている。しかしながら、当該開示されている方法は熱触媒体を用いて化学蒸着する製法であり、汎用の高周波プラズマやマイクロ波プラズマを用いた装置ではなく熱触媒体を備えた新たな設備が必要であった。
一方で、本開示のガスバリア層(a)およびガスバリア層(b)は、DLC蒸着、及び酸化珪素蒸着を行う際に使用する公知の高周波電源やマイクロ波電源を用いて成膜することができることを特徴としている。よって、新たに熱触媒体を有する設備を用意する必要がないため、本願の製造方法によれば、簡易にガスバリア層を成膜することができる。
本開示のガスバリア性容器100の製造方法においては、熱可塑性樹脂容器からなる基材20の内側(内容物側)に、化学蒸着により、基材20に隣接したガスバリア層(a)30が成膜される。ガスバリア層(a)は、珪素(Si)、酸素(O)、窒素(N)、および、炭素(C)を含む層である。
なお、化学蒸着は、プラズマ化学蒸着であることが好ましい。
本開示のガスバリア性容器100の製造方法は、容器100の内側に形成するガスバリア層(a)30の基材20への密着性を、容器全体100において向上させるべく、所定の位置にガス供給孔52を有するガス供給管50を使用することを特徴とする。図4に、容器100の開口部からガス供給管50を挿入した状態の模式図を示す。
本開示の方法で使用するガス供給管50は、ガス供給孔52を、ガス供給管50の垂直方向に複数有しており、該複数のガス供給孔52から、ガスを噴出することによりガスバリア層(a)30を形成する。これにより、ガスを容器100内部に均一に導入することが可能となり、ガスバリア層(a)30の組成が容器全体で均一となり、また、ガスバリア層(a)30の厚みが容器100全体で均一となる。
ガス供給管50は、側面にガス供給孔52を、垂直方向に複数有していることが好ましく、該ガス供給孔52から、水平方向にガスを噴出することが好ましい。また、該水平方向は、垂直方向に複数形成されたガス供給孔52のいずれにおいても、前後2方向であることが好ましい。
ここで、「前後2方向」とは、図4に示した状態での前後2方向という意味であり、ガス供給管50の垂直方向において、孔の向きが前後2方向に揃っているという意味である。また、方向は、見る角度によっては、前後ではなく、左右や斜めにもなり得るが、ある一方向からみて前後2方向であればよい。
また、より好ましい形態は、該水平方向が前後2方向と左右2方向の組み合わせであり、前後2方向にガスを噴出するガス供給孔と、左右2方向にガスを噴出するガス供給孔とが垂直方向に交互に形成されている形態である。ここで、「左右2方向」とは、図4に示した状態での左右2方向という意味であり、図4に示した前後2方向へガスを噴出するガス供給孔と、図4に示した左右2方向にガスを噴出するガス供給孔とが、交互に形成されていることを意味する。
このような形態とすることで、容器100内部へのガスの供給がより均一となる。
また、ガス供給管50は、さらに、下端にガス供給孔52を有していることが好ましく、該下端のガス供給孔52から、下方向にガスを供給することが好ましい。これにより、下方向、つまり、容器100の底面にも、ガスを行き渡らせ、容器100内部へのガス供給がさらに均一となる。
ガス供給管50に形成するガス供給孔52の孔径は、ガス供給管50の径や、所望のガス流量によって、適宜調整されるものであるが、側面に形成されたガス供給孔52は、孔径(直径)が0.2から1.2mmであることが好ましく、0.4~1.0mmであることがより好ましい。
また、下端に形成されたガス供給孔52は、孔径(直径)が、2~6mmであることが好ましく、3~5mmであることがより好ましい。
孔径を上記のように調整することで、容器内部にガスをより均一に行き渡らせることができる。
側面に形成するガス供給孔52は、少なくとも側面の一つの高さ位置(2方向)に形成することが好ましく、側面に二つの高さ位置(各2方向)に形成することがより好ましく、側面に三つの高さ位置(各2方向、図4に示した形態)に形成することがさらに好ましい。
また、側面に形成したガス供給孔52同士は、所定の間隔を隔てて形成されることが好ましく、容器の全長を100%とした場合、10%~25%の長さを隔てて形成することが好ましく、12%~20%の長さを隔てて形成されることがより好ましい。
ガス供給管50は、管状体であることが好ましく、該管状体の内径は、2~6mmが好ましく、3~5mmがより好ましい。外径は特に限定されないが、強度および容器100開口部への挿入性の観点から、5~7mmが好ましい。
以下、プラズマ化学蒸着法によりガスバリア層(a)30を成膜する方法について、具体的に説明する。
熱可塑性樹脂容器からなる基材20は、上記した熱可塑性樹脂を用いて目的の形状に合わせて公知の方法により成形することができ、好ましくは延伸ブロー成形で成形することである。延伸ブロー成形で熱可塑性樹脂容器からなる基材20を成形することにより、ガスバリア層(a)30の成膜性、引いてはガスバリア性が向上する。
(ガスバリア層(a)30の成膜工程)
まず、Si、O、N、及びCを含むガスバリア層(a)30を形成するガスについて説明する。
原料ガス、または原料ガス及び添加ガスをプラズマ化学蒸着装置へ導入し、これらのガスがプラズマ下で反応して、基材20の上に堆積することでガスバリア層(a)30が成膜される。
原料ガスとしては、有機シランガスを用いる。有機シランガスとしては有機シラザンガス及びアミノシランガスが好ましい。有機シラザンガスとしては、ヘキサメチルジシラザン等が挙げられる。アミノシランは、1分子中に複数のSi-N結合を有するので、Siに対するNの結合価数および元素組成比が高く、ガスバリア性を向上させ易く、例えば基材20との密着性に優れたガスバリア層(a)30の表面に、よりガスバリア性の優れたガスバリア層(b)40を形成させるためにアミノシランを用いる場合は、ガスバリア層(a)30にも同じアミノシランを用いNの組成比率が少なくなるように成膜すれば、ガス種の切り替えを行わずに済み、成膜効率の点で好ましい。
また、ガスバリア性と色目の観点から、ガスバリア層(a)30のCの元素組成比を低減させることが好ましい。ここで、アミノシランのN-C結合の結合解離エネルギーと有機シラザンのSi-C結合の結合解離エネルギーとを比較すると、一般的にアミノシランのN-C結合の結合解離エネルギーの方が小さく解離し易い。よって、アミノシランを用いることでSiに対するCの結合価数および元素組成比が低減するため、プラズマ中の化学反応や成膜後の膜処理に有利である。そのため、アミノシランガスを用いることにより、より低い反応エネルギーで望ましい元素組成比のガスバリア層(a)30を形成できる。また、熱可塑性樹脂容器からなる基材20を加温せずとも、好適な窒素含有珪素系膜を成膜し易いので、ガスバリア性容器100の熱変形等の不具合を防ぐことができる。さらにアミノシランガスを用いることにより、プラズマ化学反応において緻密な、すなわち密度の高い、優れたガスバリア性を有するガスバリア層(a)30を形成できる。
アミノシランの具体例としては、テトラキス(ジメチルアミノ)シラン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、テトラキス(ジエチルアミノ)シラン、トリス(ジエチルアミノ)シラン、ビス(ジエチルアミノ)シラン、テトラキス(エチルメチルアミノ)シラン、トリス(エチルメチルアミノ)シラン、ビス(エチルメチルアミノ)シラン、ジメチルアミノシラン等が挙げられる。中でも、テトラキス(ジメチルアミノ)シラン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、ビス(ジエチルアミノ)シランが好ましい。
各化合物中のSi-N結合解離エネルギーとN-C結合解離エネルギーとのバランス、及びプラズマ化学蒸着条件との相対関係が、ガスバリア層(a)30の元素組成比に影響すると考えられるため、その観点で原料ガスを選択し、目的のガスバリア層(a)30を成膜するとよい。
なお、原料ガスは何れか1つを単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。
また、沸点の高い原料を用いて原料ガスを発生させる場合は、公知の方法で原料液体を気化させて成膜装置へ導入する。例えば、常温液体のアミノシランの場合、80℃~120℃加熱で気化させると良く、その場合、気化室から真空チャンバー(蒸着室)までの配管を80℃~120℃の加温状態で保持して気化させたガスを流入させるとよい。
次に反応ガスと希釈ガス(以下、添加ガスと総称する)について説明する。
反応ガスは、原料ガスと反応して、ガスバリア層に適する元素組成のガスを生成させる目的で使用する。
反応ガスとしては、酸素、オゾン、一酸化窒素、二酸化窒素、亜酸化窒素、水素、アンモニア、アミン、炭化水素、水蒸気、空気などが挙げられる(本願の方法では、真空チャンバー中に残存している水蒸気、酸素、空気等や、基材に付着及び/又は含有している水分等も反応に関係することが考えられる。)。
中でも、酸素、窒素、水素が好ましく、原料ガス成分に対してプラズマ下で酸化、窒化、水素化、脱炭素化の反応を行い、ガスバリア性と無色化を両立させるための膜組成と為すことができる。反応ガスは、何れか1つを単独で用いても良いし、2種以上を同時に用いても良い。
例えば、酸化度の高い膜を形成するには酸素、窒化度の高い膜を形成するには窒素、水素、アンモニアを用いると好ましい。
希釈ガスは、例えばプラズマ化学反応や成膜の均質化、均等化などの目的で使用する。希釈ガスとしては、アルゴンなどの不活性ガスを挙げることができる。
また、原料ガスにアミノシランを用い、添加ガスに酸素を用いた場合は、原料ガスと添加ガスの総和ガス流量に対する原料ガス流量の比率は、20%以下が好ましく、15%以下がより好ましい。原料ガスにアミノシランを用い、添加ガスに窒素及び/又は水素を用いた場合は、原料ガスと添加ガスの総和ガス流量に対する原料ガス流量の比率は、2%以下が好ましく、1%以下がより好ましい。
このような原料ガスと添加ガスの総和ガス流量に対する原料ガス流量の比率にすることによって、少量ずつ緻密な膜を形成できる。また、原料ガスに対して多量の添加ガスを用いることによって、反応率を高くすることができる。
次にSi、O、N、及びCを含むガスを用いて熱可塑性樹脂容器からなる基材20の上にガスバリア層(a)30を成膜する方法について説明する。
当該方法は、公知の高周波電源又はマイクロ波電源を用いたプラズマ化学蒸着(CVD:Chemical Vapor Deposition)装置を用いて行うことができる。装置の真空チャンバーに熱可塑性樹脂容器からなる基材20を装填し減圧真空引きし、原料ガス、又は原料ガス及び添加ガスを導入して、高周波又はマイクロ波によりこれらのガスをプラズマ化及び反応させ、熱可塑性樹脂容器からなる基材20の上にガスバリア層(a)30を堆積させる。
真空チャンバーの真空度は、ガスをプラズマ化できる真空度であれば良く限定されないが、例えば1Pa以上350Pa以下が好ましく、5Pa以上100Pa以下がより好ましく、10Pa以上50Pa以下が更に好ましい。
高周波の印加は、数~数10MHz、好ましくは5~15MHzの高周波を、熱可塑性樹脂容器からなる基材20の容量やガス流量と適合させた電力を印加することが好ましい。例えば数10W~数1000Wを印加することが好ましい。
電極の表面積における高周波電源の供給出力は0.5~2.5W/cmが好ましい。
また、異なる元素組成比の層を2層以上有するガスバリア層(a)30を成膜する場合や、ガスバリア層(a)30の表面にガスバリア層(b)40を成膜する場合は、真空引きを継続したまま、原料ガス及び添加ガスの種類やガス流量を変えて行うことで成膜することができる。例えば、原料ガスを一定流量で流し、添加ガスの流量や種類を切り替えることなどが挙げられる。
このように、真空引きを継続したまま元素組成比の異なるガスを堆積させ、多層のガスバリア層(a)30やガスバリア層(b)40を成膜することにより、層間の密着性を高くすることができ、これによりガスバリア層のガスバリア性及び透明性を向上させることができる。
また、原料ガスの種類や添加ガスの種類を切り替える場合は、先に使用していたガスの導入を停止させ、一定時間経過させて真空チャンバー中の残存ガスを十分排気させてから、次に使用するガスの導入を行うことで、各層の元素組成比を制御し易くなり、また各層の機能を効果的に発揮させることができる。
熱可塑性樹脂容器からなる基材20の水分含有率や容器表面に付着した水分を低減、排除すると良好なガスバリア膜を得易いことから、成膜する前に、容器を減圧下で数分から数時間おいたり、熱可塑性樹脂容器からなる基材20が熱変形しない温度範囲で加温したり、乾燥ガスを流したり、アルゴンなどの不活性ガスで容器表面を真空エッチングしたりする等を行っても良い。熱可塑性樹脂容器からなる基材20を加温する温度は80℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましく、常温がさらに好ましい。
また、熱可塑性樹脂容器からなる基材20とガスバリア層(a)30の密着性や緻密成膜のために、予め熱可塑性樹脂容器からなる基材20の表面に公知のプラズマ処理、コロナ処理、コート処理などの表面処理を施しても良い。
以下実施例について説明するが、本開示のガスバリア性容器およびガスバリア性容器の製造方法はこれに限定されない。
<実施例1>
(熱可塑性樹脂容器からなる基材の作製)
ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET、一般ボトルグレード、極限粘度0.83dl/g、融点240℃、結晶化温度172℃)製の有底円筒状のパリソンを用い、2ステップブロー成形法(コールドパリソン法)で、図1に示すような形状を有する、ガスバリア層を成膜するための未成膜容器(基材)を成形した。基材の形状は、略半球状に内容物側へ窪んでいる底部、円筒状の胴部、胴部から徐々に縮径した肩部、首部を有し、全高280mm、胴部外径70mm、口部外径28mm、胴部厚み0.35mmであり、容積720mlであった。
(ガスバリア層の成膜)
図5で概略的に示すように、基材の形状に合わせた外部電極と、ボトル口部上方のチャンバー壁に排気口を有するプラズマ化学蒸着(CVD)装置に、得られた基材を装填し、ガス供給管(側面のガス供給孔は省略している。)を兼ねた内径4.0mm、外径6.4mmの内部電極をボトル内部に配設した。
ガス供給管50は、先端部および側面にガス供給孔を有しており、それぞれのガス供給孔52の位置を、図4に示すように設定した。つまり、容器100の上端部を0%、容器100の下端部を100%として、79%の高さ位置にガス供給管50の先端部のガス供給孔52が位置しており、側面のガス供給孔52は、それぞれ、43%、57%、および、71%の三箇所の高さ位置に設けられている。側面のガス供給孔52は、それぞれの高さ位置において、図示前後二箇所に設けられている。よって、ガス供給孔52は、下端に一つ、側面に6つで、全体で7つ形成されている。
ガス供給孔の孔径は、43%の高さ位置は0.6mm、57%の高さ位置は0.6mm、71%の高さ位置は0.8mm、先端部の79%の高さ位置は4.0mmである。
その後、真空チャンバー圧力0.1Pa未満まで真空排気した後に、気化させたトリス(ジメチルアミノ)シラン(3DMAS)を導入し、13.56MHz高周波電力を印加し、基材20の内面にガスバリア層(a)をプラズマ化学蒸着して、ガスバリア性容器100を作製した。なお、添加ガスとして、水素(H)、窒素(N)、酸素(O)を導入した。
表1にガス供給孔の向き、位置、孔径を示す。
<実施例2>
実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂容器からなる基材を作製した。ガスバリア層(a)の成膜においては、ガス供給管の57%の高さ位置におけるガス供給孔の形成位置を、図示左右方向に変更した以外は、実施例1と同様にして、ガスバリア層を形成し、ガスバリア性容器を作製した。
表1にガス供給孔の向き、位置、孔径を示す。
<比較例1>
比較例1では、実施例1と同様の基材を用いて、ガスバリア層を成膜せずに、ガスバリア性容器とした。
<比較例2>
実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂容器からなる基材を作製した。ガスバリア層の成膜においては、側面にガス供給孔を有さず、下端のみにガス供給孔を有するガス供給管を使用し、該下端のガス供給孔が高さ位置50%となるように設置して、ガスバリア性容器を作製した。
表1にガス供給孔の向き、位置、孔径を示す。
<評価>
上記により作製したガスバリア性容器に対して以下の評価を行った。結果を表1、2に示す。
(元素組成比)
サーモフィッシャーサイエンティフィック社製XPS(X線光電子分光スペクトル)装置K-Alpha(X線源:Al Kαモノクロ線、エッチング:Ar)を用い、C1s、N1s、O1s、Si2pの各ナロースペクトル深さ分析を行った。
次いで、装置付属の解析ソフトにより、各スペクトルの感度係数補正、バックグラウンド除去を行い、ピーク面積比から各元素の原子%を解析した。
元素組成比の分析は、図4で分析位置として示したように、18%(首部)、43%(胴部上方)、61%(胴部中央)、75%(胴部下方)、96%(底部)の位置にてそれぞれ行った。表2に、ガスバリア層の厚さ方向(深さ方向)の中央部における元素組成SiOxNyCzについて、Siの原子%に対するO、N、及びCの原子%の比率、すなわち、Siを1.00としたときのO、N、及びCの元素組成比を示す。
また、表2に、胴部中央のC(z)に対するそれぞれの位置のC(z)の比率(分布度(C(z)))を併せて示す。
(ガスバリア層の厚さ)
図4で分析位置として示したように、18%(首部)、43%(胴部上方)、61%(胴部中央)、75%(胴部下方)、96%(底部)の位置にてそれぞれの高さ位置から小片を切り出して、容器断面の超薄切片を作製し、透過型電子顕微鏡で観察し、層厚を計測した。結果を表2に示す。
また、表2に、胴部中央の層厚に対するそれぞれの位置の層厚の比率(分布度(層厚))を併せて示す。
(酸素透過率(OTR))
MOCON社製OX-TRAN2/61機を用い、各例で得られたガスバリア容器の開口部に当該装置用のアダプターヘッドを装着して、23℃相対湿度50%条件下で、容器個体当たりの酸素透過率を測定した。
結果を、表1に示す。
(ワイン充填して保管後の酸素透過率(保管後OTR))
各例で得られたガスバリア性容器に、赤ワイン720mLを液温50℃充填圧力70kPaの条件で充填し、23℃下で6時間静置保管した後にガスバリア性容器からワインを注ぎ出し、次いでガスバリア性容器の内部をイオン交換水で濯ぎ洗いを2回行って乾燥させた。保管後のガスバリア性容器について、上記と同様の条件にて、OTRを測定した。
また、未蒸着の比較例1のOTRに対する各試験例の保管後OTRの比率(BIF)を算出した。
結果をそれぞれ表1に示す。
また、充填前のOTRに対する保管後のOTRの比率も表1に示す。
(膜剥離・割れ)
作製した各ガスバリア性容器の、底からの高さ、0mm、60mm、110mm、160mm、230mmの5箇所の位置から小片を切り出して、該小片を透過型電子顕微鏡で観察し、ガスバリア層の剥がれや割れの有無を確認し、以下の基準により評価した。
○:剥がれ、割れのいずれも無し、
×:剥がれ、割れのいずれか有り、
(膜透明性)
作製した各ガスバリア性容器について、目視により、ガスバリア層の透明性について評価した。
(膜密着総合評価)
各バスバリア性容器におけるガスバリア層の密着性を、充填前OTRに対する保管後OTRの比率により、以下の基準にて評価した。
◎:1以下、
○:1超1.5以下、
△:1.5超2.0以下、
×:2.0超、
Figure 0007223611000001
Figure 0007223611000002
ガスバリア層が形成されていない比較例1の容器では、ガスバリア性を備えておらず、OTRは高い値を示した。比較例2では、側面にガス供給孔を有さず、下端のみにガス供給孔を有するガス供給管を使用してガスバリア層を形成した。このため、形成されたガスバリア層は、NとCの元素組成比が、容器全体で所定の範囲内ではなく、首部、胴部上部、底部において、所定の範囲から外れていた。また、膜厚についても、容器全体で所定値以上ではなく、首部、胴部上部、底部において所定値未満であった。このため、得られたガスバリア性容器は、ワイン充填前はOTRが低い値を示したが、ワインを充填し、所定期間保管後においては、OTRが所望の値を超えて高くなった。また、部分的に着色が見られ、ガスバリア層の一部に剥離・割れが見られた。
これに対して、本開示のガスバリア性容器は、透明性に優れ、ワイン充填前のOTRが良好であり、かつ、ワインを充填し所定期間保管後のOTRについても良好な値を維持していた。
100:ガスバリア性容器、
72:開口部、
74:首部、
75:肩部、
76:胴部、
78:底部、
20:熱可塑性樹脂容器からなる基材、
30:ガスバリア層(a)、
40:ガスバリア層(b)、
50:ガス供給管、
52:ガス供給孔、

Claims (11)

  1. 熱可塑性樹脂容器からなる基材上にガスバリア層(a)を備えるガスバリア性容器であって、
    前記ガスバリア層(a)が、珪素(Si)、酸素(O)、窒素(N)、および炭素(C)を含む基材に隣接した層であり、前記ガスバリア性容器の首部、胴部および底部のいずれの箇所においても、前記ガスバリア層(a)のSiの元素組成比を1.0とした場合のNの元素組成比が0.005以上0.10未満、Cの元素組成比が0.01以上0.50以下であり、
    前記ガスバリア性容器の首部、胴部および底部のいずれの箇所においても、前記ガスバリア層(a)の厚みが20nm以上であることを特徴とするガスバリア性容器。
  2. 前記ガスバリア性容器が首部を有し、胴部直径に対する容器全高の比が1.5以上5.0以下である、請求項1に記載のガスバリア性容器。
  3. 前記ガスバリア層(a)のSiの元素組成比を1.0とした場合のCの元素組成比の容器の胴部中央部に対する首部及び/又は底部の比が1.0以上6.0以下であり、
    前記ガスバリア層(a)の厚みの胴部中央部に対する首部及び/又は底部の比が0.2以上2.0以下である、請求項1または2に記載のガスバリア性容器。
  4. 前記基材に対する前記ガスバリア層(a)の密着性試験値が2.0以下である、請求項1~3のいずれかに記載のガスバリア性容器。
  5. 前記ガスバリア層(a)の表面にガスバリア層(b)を備える、請求項1~4のいずれかに記載のガスバリア性容器。
  6. 前記ガスバリア性容器にワインを充填後、23℃下で6時間保管後の酸素透過率が0.01cc/pkg/day/atm・air以下である、請求項1~5のいずれかに記載のガスバリア性容器。
  7. ガス供給管を、熱可塑性樹脂容器からなる基材の内部に挿入して、該ガス供給管からガスを導入して、前記熱可塑性樹脂容器からなる基材の内側に、化学蒸着により前記基材に隣接したガスバリア層(a)を形成する工程を含む、ガスバリア性容器の製造方法であって、
    前記ガスバリア層(a)が、珪素(Si)、酸素(O)、窒素(N)、および炭素(C)を含む層であり、
    前記ガス供給管が、ガス供給孔をガス供給管の垂直方向に複数有し、
    該複数のガス供給孔からガスを噴出することにより、前記ガスバリア層(a)を形成することを特徴とし、
    前記ガスバリア性容器の首部、胴部および底部のいずれの箇所においても、前記ガスバリア層(a)のSiの元素組成比を1.0とした場合のNの元素組成比が0.005以上0.10未満、Cの元素組成比が0.01以上0.50以下であり、
    前記ガスバリア性容器の首部、胴部および底部のいずれの箇所においても、前記ガスバリア層(a)の厚みが20nm以上であることを特徴とする、
    ガスバリア性容器の製造方法。
  8. 前記ガス供給管が、側面に形成されたガス供給孔を有し、該ガス供給孔から水平方向にガスを噴出する、請求項7に記載のガスバリア性容器の製造方法。
  9. 前記水平方向が、前記ガス供給管が垂直方向となる面から見た前後二方向である、請求項8に記載のガスバリア性容器の製造方法。
  10. 前記水平方向が、前記ガス供給管が垂直方向となる面から見た前後二方向と該同面から見た左右二方向の組み合わせであり、前記前後二方向にガスを噴出するガス供給孔と、前記左右二方向にガスを噴出するガス供給孔とが、垂直方向に交互に形成されている、請求項8に記載のガスバリア性容器の製造方法。
  11. 前記ガス供給管が、さらに下端に形成されたガス供給孔を有し、該ガス供給孔から下方向にガスを噴出する、請求項7~10のいずれかに記載のガスバリア性容器の製造方法。
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