JP2019064611A - 注出容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】容器の手振り作業を必要とせずに、分離液状の内容物を所期した混合比率で注出可能な注出容器を提供する。【解決手段】分離液状の内容物を収容する注出容器1であって、外気導入用の貫通孔5bが形成された外層体2と、外層体2に収容された減容変形可能な内層体3と、外層体2の口部5に装着された注出キャップ11と、第1流通口21と第2流通口22とを備え、注出キャップ11の内側に装着されて口部5の開口を覆う中栓12と、第1流通口21に接続されたパイプ24と、第1流通口21及び第2流通口22を同時に閉塞する閉塞位置と、第1流通口21及び第2流通口22を同時に開放する開放位置との間で移動自在の弁体25bを備えた注出用逆止弁25と、を有することを特徴とする注出容器1。【選択図】図2

Description

本発明は、互いに分離した複数種類の液体を含む分離液状の内容物を収容する用途に用いられる注出容器に関する。
従来、例えば分離液状ドレッシング等の食品調味料や化粧料などの、互いに分離した複数種類の液体を含む分離液状の内容物を収容する容器として、ボトル状の容器本体の口部に注出口を備えた注出キャップを装着した構成のものが知られている(例えば特許文献1参照)。
このような容器では、その内部に収容された分離液状の内容物を注出する際には、手で容器を振って内容物を撹拌してから注出することで、分離した複数種類の液体を適度に混合された状態で注出させるようにしている。
特開2015−145258号公報
しかしながら、上記従来の容器では、注出する直前に容器を手で振ることを忘れてしまった場合には混合された内容物を注出することができない。また、注出前に容器を手で振って内容物を撹拌した場合でも、注出していく過程で再び液体の分離が進行してしまい、継続的に所期した混合比率の内容物を注出することが難しいという問題があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、容器の手振り作業を必要とせずに、分離液状の内容物を所期した混合比率で注出可能な注出容器を提供することにある。
本発明の注出容器は、分離液状の内容物を収容する注出容器であって、容器の外殻を構成するとともに外気導入用の貫通孔が形成された外層体と、内容物の充填空間を備えるとともに前記外層体に収容された減容変形可能な内層体と、前記充填空間に収容された内容物を注出するための注出口を備え、前記外層体の口部に装着された注出キャップと、第1流通口と第2流通口とを備え、前記注出キャップの内側に装着されて前記口部の開口を覆う中栓と、前記第1流通口に接続され、前記充填空間の内部で前記注出容器の底部に向かって延在し、該充填空間内の内容物を前記第1流通口に向けて通過させるパイプと、前記第1流通口及び前記第2流通口を同時に閉塞して前記注出口から前記第1流通口を通って前記パイプへと向かう内容物の流れ及び前記注出口から前記第2流通口を通って前記充填空間へと向かう内容物の流れを阻止する閉塞位置と、前記第1流通口及び前記第2流通口を同時に開放して前記パイプから前記第1流通口を通って前記注出口へと向かう内容物の流れ及び前記充填空間から前記第2流通口を通って前記注出口へと向かう内容物の流れを許容する開放位置との間で移動自在の弁体を備えた注出用逆止弁と、を有することを特徴とする。
本発明の注出容器は、上記構成において、前記注出用逆止弁が、前記第1流通口及び前記第2流通口を覆う板状の前記弁体と、前記弁体の外周を囲う筒状に形成されて前記中栓に装着された保持部と、前記弁体と前記保持部とを接続する弾性変形自在の脚部とを備えているのが好ましい。
本発明の注出容器は、上記構成において、前記弁体と前記保持部との間に、複数の前記脚部が周方向に等間隔に並べて設けられているのが好ましい。
本発明の注出容器は、上記構成において、下端側に縮径部を備えた円筒状に形成されて前記中栓の下面に前記第1流通口に連ねて設けられた筒状体を備え、前記パイプが前記縮径部に嵌合固定されているのが好ましい。
本発明の注出容器は、上記構成において、前記注出キャップに設けた外気を導入するための連通孔と前記貫通孔とを連通する空気の流路に設けられ、前記連通孔から前記貫通孔に向けた空気の流れを許容し、前記貫通孔から前記連通孔へ向けた空気の流れを阻止する吸気用逆止弁を有するのが好ましい。
本発明の注出容器は、上記構成において、前記吸気用逆止弁が前記注出用逆止弁に一体に設けられているのが好ましい。
本発明によれば、容器の手振り作業を必要とせずに、分離液状の内容物を所期した混合比率で注出可能な注出容器を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る注出容器の断面図ある。 図1に示す注出容器の要部を拡大して示す断面図である。 図1に示す注出容器の内容物を注出している状態の断面図である。 図1に示す注出容器の変形例の断面図である。
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に例示説明する。
図1に示す本発明の一実施の形態である注出容器1は、例えば分離液状ドレッシング等の食品調味料や化粧料などの、互いに分離した複数種類の液体を含む分離液状の内容物(以下、単に「内容物」と称する場合がある)を収容する用途に用いられるものである。この注出容器1は、当該注出容器1の外殻を構成する外層体2及び外層体2の内側に収容された減容変形可能な内層体3で構成される二重容器4と、外層体2の口部5に装着されるキャップ組立体6と、を備えている。
外層体2は、断面円形の筒状に形成された口部5と、この口部5に一体に連なる断面円形の胴部7と、この胴部7に一体に連なる底部8を有するボトル形状となっている。
図2に示すように、口部5の外周面には雄ねじ部5aが設けられており、キャップ組立体6を螺着可能としている。また、外層体2と内層体3の間に外気を導入するために、口部5には外層体2を貫通する一対の貫通孔5bが形成されている。一対の外気導入用の貫通孔5bは、外層体2を貫通するものであれば、位置、形状、数等は特に限定されるものではなく、例えば、胴部7や底部8に設けることも可能である。また、口部5の外面の一対の貫通孔5bに対応する位置には、空気の流路の一部をなす一対の縦溝5cが形成されている。
胴部7は可撓性を有し、圧搾(スクイズ)可能であるとともに元の形状への復元性を有している。なお、胴部7の断面形状は円形に限定されず、例えば、多角形や楕円形等とすることも可能である。
図1に示すように、底部8は胴部7の下端を閉塞する部分であり、その中央には、押出しブロー成形の割り金型による食い切りによって形成された直線状のピンチオフ部9が形成されている。本実施形態では、ピンチオフ部9は底部8の径方向に延在する直線状をなしている。なお、口部5に設けた貫通孔5bに替えて、ピンチオフ部9にスリット状となる外気導入用の貫通孔を形成することも可能である。
割り金型によって外層体2とともに内層体3を挟み込んで扁平に押し潰すことにより、ピンチオフ部9において内層体3を外層体2に固定した構成とすることも可能である。この場合、底部8において内層体3の底部分を外層体2に保持させることができるので、内容物の吐出に伴う内層体3のつぶれ変形の方向を規制することができ、吐出不良を防止することができる。
なお、本実施形態では、外層体2と内層体3の間に、外層体2及び内層体3に対して接着性を有する合成樹脂にて形成される帯状の接着層、すなわち接着帯が設けられていないが、1本または複数本の接着帯を設けることも可能である。接着帯は、外層体2と内層体3の間に、例えば胴部7から底部8に亘ってパーティングラインに沿って配置され、これら外層体2及び内層体3を互いに接合する。また接着帯は、例えば、パーティングラインを挟むように、両側に2本ずつ設けてもよい。
内層体3は、例えばナイロン樹脂やEVOH樹脂(エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂)などの合成樹脂材料により薄い袋状に形成され、その内側に内容物を収容する充填空間Sを備えるとともに減容変形可能に構成されている。ここで、上記接着帯を設けた場合には、内層体3は、接着帯によって外層体2の胴部7から底部8にわたって接合、保持されるので、内容物の吐出が進んでも、内層体3の内面同士が部分的に接触して充填空間Sの一部を閉塞してしまうことがない。
本実施の形態の二重容器4は、例えば以下の方法(押出しブロー成形)により形成することが可能な積層剥離容器とすることができる。すなわち、先ず、相溶性の低い外層用の合成樹脂材料と内層用の合成樹脂材料とを共押出して積層パリソンを形成し、この積層パリソンを、金型を用いてブロー成形することにより、外層体2の内面に内層体3が剥離可能に密着した積層構造の容器を形成する。そして、押出しブロー成形の後、吸引等により内層体3を一度収縮させてその全体を外層体2から剥離させ、次いで、内層体3の内部(充填空間S)に空気を送り込むこと等により内層体3の形状を復元させる。
このように、ブロー成形の後、吸引等により内層体3を一度収縮させてその全体を外層体2から剥離させることにより、内容物の注出時に、内層体3を外層体2から剥離し易くすることができる。
この内層体3の剥離処理の後、例えば分離液状ドレッシング等の食品調味料や化粧料などの分離液状の内容物が内層体3の充填空間Sに収容され、口部5にキャップ組立体6が装着される。本実施の形態では、分離した2種類の液体である第1液L1及び第2液L2からなる内容物が充填空間Sに収容され、注出容器1が正立状態において、比重の軽い第1液L1が、比重の重い第2液L2の上方に位置するようになっている。
図2に示すように、キャップ組立体6は、注出キャップ11と、中栓12と、弁部材13と、蓋体14とを備えている。
注出キャップ11は、口部5を取り囲む外周壁15と、外周壁15の上端を覆う天壁16と、天壁16から立設する注出筒17と、を有する。注出筒17は天壁16を貫通して注出キャップ11の内側空間に連なっており、その先端は、充填空間Sに収容された内容物を注出するための注出口17aとなっている。また、天壁16には、天壁16を貫通し、上記貫通孔5bに外気を導くための連通孔16aが設けられている。
外周壁15の内面には、雄ねじ部5aに係合する雌ねじ部15aが設けられており、注出キャップ11は、中栓12及び弁部材13を内側に保持した状態で口部5に着脱可能にねじ止めされることで当該口部5に装着されている。なお、注出キャップ11は、口部5に対してアンダーカット係合により装着される構成としてもよい。
中栓12は、口部5の開口を覆う隔壁18と、隔壁18から垂下して口部5の内周面に当接するシール筒19と、隔壁18の外縁から立設し、外周壁15に嵌合保持される環状壁20と、を備えている。中栓12は注出キャップ11の内側に装着されて口部5の開口を覆っている。
隔壁18には第1流通口21と第2流通口22とが設けられている。第1流通口21と第2流通口22は、それぞれ個別に隔壁18を上下に貫通しており、充填空間Sに収容されている内容物を注出口17aの側に向けて流通させることができる。第1流通口21と第2流通口22は、隔壁18の上面の平坦な部分に互いに隣接して開口している。また、隔壁18の外縁部(環状壁20の下部)には、連通孔16aから貫通孔5bへ向かう空気を通過させる貫通孔18aが形成されている。
中栓12の隔壁18の下面には、円筒状に形成されて第1流通口21に連なる筒状体23が一体に形成されている。筒状体23は、その下端側に縮径部23aを備えており、縮径部23aにはパイプ24が嵌合固定されている。
パイプ24は、例えば合成樹脂材料により、縮径部23aの外径と同等の内径を有する円筒状に形成され、その上端において縮径部23aの外周面に嵌合固定されることで第1流通口21に接続されている。図1に示すように、パイプ24は、充填空間Sの内部で第1流通口21から底部8に向かって真っ直ぐに延在し、その下端に設けられた流入口24aは底部8の近傍で開口している。したがって、パイプ24は、充填空間Sの内部に収容される分離液状の内容物のうち、注出容器1を倒立姿勢としたときに底部8の側に分離して収容されることとなる第1液L1を流入口24aから当該パイプ24に取り込んで第1流通口21に向けて案内することができる。つまり、第1流通口21にパイプ24を接続した構成とすることにより、注出容器1を倒立姿勢として分離液状の内容物を注出口17aから注出させる際に、充填空間Sの底部8の側となる第1液L1をパイプ24及び第1流通口21を通して注出口17aに流通させることができる。
なお、パイプ24の流入口24aの位置は、この注出容器1を倒立姿勢としたときに充填空間Sに収容される第1液L1の内部に位置するように設定されていればよいが、より確実に流入口24aを第1液L1の内部に位置させるために、流入口24aを底部8の近傍に配置するのが好ましい。
一方、第2流通口22は、筒状体23に隣接して隔壁18に設けられており、注出容器1を倒立姿勢として分離液状の内容物を注出口17aから注出させる際に、充填空間Sの口部5の側となる第2液L2を注出口17aに向けて流通させることができる。
このように、注出容器1は、この注出容器1を倒立姿勢とした状態で注出を行うにあたり、充填空間Sの内部に収容されている分離液状の内容物のうち、一方の液(第1液L1)を底部8の側から注出口17aに向けて流通させるとともに他方の液(第2液L2)を口部5の側から注出口17aに向けて流通させ、これらを混合させて外部に注出させるようになっている。
図2に示すように、弁部材13は、注出用逆止弁25と吸気用逆止弁26とが一体に形成されたものである。なお、注出用逆止弁25と吸気用逆止弁26とを、それぞれ別の部材として形成してもよい。
注出用逆止弁25は、円筒状の保持部25aと、保持部25aの内側に設けた弁体25bと、弁体25bと保持部25aとを接続する脚部25cとを備えている。図2においては、1つの脚部25cのみを示すが、弁体25bと保持部25aとの間には3本の脚部25cが周方向に等間隔に並べて設けられている。
弁体25bは板状(円板状)に形成されており、中栓12の隔壁18の上面に当接して第1流通口21及び第2流通口22を覆っている。
保持部25aは弁体25bの外周を所定の間隔を空けて囲う円筒状に形成されており、その下端が隔壁18に嵌合固定された状態となって中栓12に装着されている。また、保持部25aの上端は注出キャップ11の天壁16に嵌合固定され、これにより、キャップ組立体6の内部には第1流通口21及び第2流通口22と注出口17aとを連通する注出流路P1が区画形成されている。また、キャップ組立体6の内部における保持部25aの外側の空間は、連通孔16aと貫通孔5bとの間で空気の通過が可能な空気流路P2となっている。
3本の脚部25cは、弁体25bとの接続部分が保持部25aとの接続部分に対して周方向にずれるクランク形状に形成されており、それぞれ弁体25bと保持部25aとの間で上下方向に弾性変形自在となっている。それぞれの脚部25cが上下方向に弾性変形することにより、弁体25bは、第1流通口21及び第2流通口22を同時に閉塞する閉塞位置と、第1流通口21及び第2流通口22を同時に開放する開放位置との間で移動自在となっている。
弁体25bが閉塞位置にあるときには、注出口17aから第1流通口21及びパイプ24を通って充填空間Sへと向かう内容物の流れ及び注出口17aから第2流通口22を通って直接充填空間Sへと向かう内容物の流れの両方が阻止される。一方、弁体25bが開放位置となると、充填空間Sからパイプ24及び第1流通口21を通って注出口17aへと向かう内容物の流れ及び充填空間Sから直接第2流通口22を通って注出口17aへと向かう内容物の流れの両方が許容される。すなわち、注出用逆止弁25は、充填空間Sからパイプ24及び第1流通口21を通って注出口17aへと向かう内容物の流れ及び充填空間Sから第2流通口22を通って直接注出口17aへと向かう内容物の流れを同時に許容し、注出口17aから第1流通口21及びパイプ24を通って充填空間Sへと向かう内容物の流れ及び注出口17aから第2流通口22を通って直接充填空間Sへと向かう内容物の流れを同時に阻止するように作動する。
本実施形態においては、注出用逆止弁25を、保持部25aに対して弁体25bが3本の脚部25cで連結された3点弁として構成するようにしているが、注出用逆止弁25は、3点弁に限らず、例えば弁体25bを保持部25aに2本以下の脚部25cで連結した2点弁や1点弁として構成してもよく、あるいは弁体25bを保持部25aに4本以上の脚部25cで連結した構成としてもよい。
吸気用逆止弁26は注出用逆止弁25に一体に設けられている。より具体的には、吸気用逆止弁26は、保持部25aの外周面から径方向外側に向けて延びる環状の膜状に形成されており、その外縁が連通孔16aよりも外周側において天壁16の下面に弾性的に当接するようになっている。吸気用逆止弁26は、キャップ組立体6の内部の空気流路P2に設けられ、連通孔16aから貫通孔5bに向けた空気の流れを許容し、貫通孔5bから連通孔16aに向けた空気の流れを阻止するように作動する。
本実施の形態の注出容器1では、吸気用逆止弁26を注出用逆止弁25と一体に設けるようにしたので、吸気用逆止弁26を注出用逆止弁25とは別に設ける場合に比べて部品点数を減少させて、この注出容器1の製造コストを低減することができる。
蓋体14は、ヒンジ30を介して注出キャップ11の外周壁15に連結された周壁31と、周壁31の上部を覆う頂壁32と、頂壁32から垂下して注出筒17の先端の注出口17aを開閉自在に閉塞(封止)するシール筒33とを備えている。なお、ヒンジ30を設けずに、蓋体14を注出キャップ11にねじ結合により装着する構成としてもよい。
上記構成の注出容器1では、図3に示すように、蓋体14を開いて注出容器1を傾倒或いは倒立姿勢とし、胴部7をスクイズ(押圧)することで内容物を注出させることができる。
すなわち、注出容器1を傾倒或いは倒立姿勢とした状態では、第2液L2よりも比重の軽い第1液L1が二重容器4の底部8の側に位置し、第1液L1よりも比重の重い第2液L2が口部5の側に位置しており、外層体2の胴部7がスクイズされて内層体3が加圧されると、充填空間Sの底部8の側にある第1液L1が流入口24aからパイプ24に取り込まれて第1流通口21に向けて流れるとともに充填空間Sの口部5の側にある第2液L2が第2流通口22に向けて流れる。そして、これらの内容物の液圧により弁体25bが閉塞位置から開放位置に移動して注出用逆止弁25が開かれ、第1液L1が第1流通口21を通って注出口17aに向けて流通するとともに第2液L2が第2流通口22を通って注出口17aに向けて流通し、所期した混合比率で混合された第1液L1と第2液L2とからなる内容物が注出筒17を通って注出口17aから外部に向けて注出される。
このように、本実施の形態の注出容器1によれば、中栓12に第1流通口21と第2流通口22とを設けるとともに第1流通口21にパイプ24を接続した構成とすることで注出容器1の底部8の側と口部5の側の2箇所から内容物を導入するようにしたので、内容物として分離液状の内容物を収容した場合でも、当該注出容器1を手振り操作することなく、胴部7をスクイズするだけの簡単な操作で、分離液状の内容物を所期した混合比率で注出口17aから外部に注出することができる。
なお、第1液L1と第2液L2の混合比率は、第1流通口21及び第2流通口22の大きさ、パイプ24の内径等を種々変更することにより所望の混合比率に設定することができる。
また、本実施の形態の注出容器1では、注出用逆止弁25を第1流通口21と第2流通口22とを同時に閉塞する弁体25bを備えた構成としたので、第1流通口21から注出口17aに向かって流れる第1液L1と第2流通口22から注出口17aに向かって流れる第2液L2とを、それぞれ弁体25bの部分で互いにぶつかりあって撹拌されるようにして、均一に混合された状態で注出口17aに向かって流れるようにすることができる。これにより、注出容器1を手振り操作したり撹拌用の部材を設けたりすることなく、所期した混合比率の分離液状の内容物を、第1液L1と第2液L2とが均一に混合された状態として注出することができる。
さらに、本実施の形態の注出容器1では、注出用逆止弁25を、保持部25aに対して弁体25bが複数の脚部25cで連結された構成し、充填空間Sの側から注出口17aへ向けた内容物の圧力に応じて弁体25bが上下動して逆止弁として機能するようにしているので、弁体25bによって第1流通口21と第2流通口22とを同時に均等な開度で開閉させることができる。したがって、充填空間Sから第1流通口21及び第2流通口22を通じて常に一定の割合で第1液L1及び第2液L2を注出させることを可能として、分離液状の内容物をさらに正確に所期した混合比率で注出させることができる。
さらに、本実施の形態の注出容器1では、注出用逆止弁25を、保持部25aに対して弁体25bが複数の脚部25cで連結された構成したので、弁体25bをその全周において均一の開度で開閉させることができる。これにより、第1流通口21から流出する第1液L1と第2流通口22から流出する第2液L2とを弁体25bの部分においてより均等に混合されるようにして、分離液状の内容物をさらに正確に所期した混合比率で注出させることができる。
さらに、本実施の形態の注出容器1では、注出用逆止弁25を第1流通口21と第2流通口22とを同時に閉塞する弁体25bを備えた構成としたので、第1流通口21と第2流通口22とにそれぞれ別々に逆止弁を設ける場合に比べて部品点数を削減して、この注出容器1の製造コストを低減することができる。
内容物の注出が完了した後、胴部7のスクイズが解除されると、外層体2が元の形状に復元しようとし、これにより内容物の注出によって減容変形した内層体3と外層体2との間の空間が負圧状態となる。このとき、当該負圧により、連通孔16a、貫通孔18a、縦溝5c及び貫通孔5bを介して内層体3と外層体2の間に空気が導入されることになるので、内層体3を減容変形させたまま外層体2のみを元の形状に復元させることができる。また、胴部7のスクイズが解除されると、弁体25bが脚部25cの弾性力によって閉塞位置に復帰し、第1流通口21及び第2流通口22が弁体25bによって液密に閉塞されるため、充填空間S内に空気が入り込むことがない。
上述のように、第1液L1と第2液L2を所期した混合比率で注出することができ、また、内容物を注出させても充填空間Sの内部には空気が入り込まない構成となっているので、内容物の注出が進んで残量が減少した場合においても充填空間Sの内部には、常に一定の体積比率で第1液L1及び第2液L2のみが存在することになる。したがって、注出容器1を傾倒姿勢或いは倒立姿勢とした状態においては、パイプ24の下端の流入口24aは常に第1液L1の内部に位置することになり、内容物の残量が減少した際にも所期した混合比率で安定的に内容物を注出し続けることができる。
さらに、本実施の形態の注出容器1では、キャップ組立体6の空気流路P2に吸気用逆止弁26を設けるようにしているので、内容物を注出した後、さらに胴部7をスクイズして内容物を注出する際に、外層体2と内層体3との間の空間の空気が外部に流出することを吸気用逆止弁26により阻止することができる。これにより、外層体2をスクイズしたときに、外層体2と内層体3との間の空間の空気を介して内層体3を効果的に押圧することを可能として、注出容器1からの内容物の注出操作を容易にすることができる。
図4は、図1に示す注出容器の変形例の断面図である。なお、図4においては前述した部材に対応する部材には同一の符号を付してある。
図4に示す変形例の注出容器1は、図1に示すものに対し、注出筒17を天壁16からより大きく突出する内径が一定の細長いノズル形状とし、蓋体14を注出筒17の先端にねじ結合により装着するようにした点で相違する。このような構成とすることで、注出容器1を傾倒姿勢或いは倒立姿勢として内容物を注出する際に、細長いノズル形状の注出筒17の先端から所望の位置に向けてより正確に内容物を注出させることができる。
また、図4に示す変形例の構成においては、注出キャップ11に設けられた注出筒17を計量部として機能するようにして注出容器1を起立姿勢のまま胴部7をスクイズして内容物を注出させる構成とすることもできる。
この場合、注出筒17の内側は、所定の容量の計量室Rとされ、注出筒17の内周面には、例えば計量室Rの内部における所定量の容量を示す目盛(不図示)が設けられる。使用者は、注出容器1を起立姿勢のまま胴部7をスクイズすることで内容物を注出させることができる。注出容器1が起立姿勢においては、第2液L2よりも比重の軽い第1液L1が二重容器4の口部5の側に位置し、第1液L1よりも比重の重い第2液L2が底部8の側に位置しているので、胴部7がスクイズされ、内容物の液圧により弁体25bが閉塞位置から開放位置に移動して注出用逆止弁25が開かれると、第2液L2がパイプ24及び第1流通口21を通って注出口17aに向けて流通するとともに第1液L1が第2流通口22を通って注出口17aに向けて流通し、所期した混合比率で混合された第1液L1と第2液L2とからなる内容物が注出筒17に供給されることになる。そして、注出筒17に供給された内容物が、その内側に設けられた目盛に一致する所定量となるまで計量室Rに供給されたときに胴部7のスクイズを解除することで、内容物を所定量に計量することができる。当該計量後、胴部7のスクイズを解除しても、弁体25bが閉塞位置となって計量室Rの内部の内容物の量は維持される。そして、注出容器1を傾倒させることで、計量室Rの内部の計量された内容物を注出口17aから注出させることができる。
この場合、注出キャップ11を、例えば透明ないし半透明の合成樹脂材料を用いて形成して注出筒17を透過性の有る構成とするのが好ましい。これにより、計量室Rの内部の内容物の量を外部から視認し易くして、その計量作業をより容易に行うことが可能となる。注出筒17は、透過性を有する材質により注出キャップ11とは別体に形成されて注出キャップ11に固定される構成とすることもできる。
なお、蓋体14は、周壁31の内周面に雌ねじ31aを備えた構成とされ、注出筒17の外周面に設けられた雄ねじ17bにねじ結合する構成である。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施の形態においては、二重容器4として、押出しブロー成形により形成された積層剥離容器を用いるようにしているが、これに限らず、例えば、予め積層構造を有する略試験管形状に形成されたプリフォームを二軸延伸ブロー成形して形成された積層剥離容器を用いるようにしてもよく、あるいは個別に形成された外層体(外容器)と内層体(内容器)とを組み合わせた構成のものを用いるようにしてもよい。
また、注出用逆止弁25としては、保持部25a、弁体25b及び脚部25cを備えた構成のものに限らず、第1流通口21及び第2流通口22を同時に開閉することができるものであれば、種々の構成のものを用いることができる。
さらに、縦溝5cの配設は必須ではなく、キャップ組立体6の外周壁15の内面に形成された雌ねじ部15aと雄ねじ部5aとの間に螺旋状の隙間を設けて、該隙間を通じて空気を導入するようにしてもよい。なお、空気の流路の抵抗を低減する観点からは、図示のような縦溝5cを設けるのが好ましい。
1 注出容器
2 外層体
3 内層体
4 二重容器
5 口部
5a 雄ねじ部
5b 貫通孔
5c 縦溝
6 キャップ組立体
7 胴部
8 底部
9 ピンチオフ部
11 注出キャップ
12 中栓
13 弁部材
14 蓋体
15 外周壁
15a 雌ねじ部
16 天壁
16a 連通孔
17 注出筒
17a 注出口
17b 雄ねじ
18 隔壁
18a 貫通孔
19 シール筒
20 環状壁
21 第1流通口
22 第2流通口
23 筒状体
23a 縮径部
24 パイプ
24a 流入口
25 注出用逆止弁
25a 保持部
25b 弁体
25c 脚部
26 吸気用逆止弁
30 ヒンジ
31 周壁
31a 雌ねじ
32 頂壁
33 シール筒
34 撹拌部
S 充填空間
L1 第1液
L2 第2液
P1 注出流路
P2 空気流路
R 計量室

Claims (6)

  1. 分離液状の内容物を収容する注出容器であって、
    容器の外殻を構成するとともに外気導入用の貫通孔が形成された外層体と、
    内容物の充填空間を備えるとともに前記外層体に収容された減容変形可能な内層体と、
    前記充填空間に収容された内容物を注出するための注出口を備え、前記外層体の口部に装着された注出キャップと、
    第1流通口と第2流通口とを備え、前記注出キャップの内側に装着されて前記口部の開口を覆う中栓と、
    前記第1流通口に接続され、前記充填空間の内部で前記注出容器の底部に向かって延在し、該充填空間内の内容物を前記第1流通口に向けて通過させるパイプと、
    前記第1流通口及び前記第2流通口を同時に閉塞して前記注出口から前記第1流通口を通って前記パイプへと向かう内容物の流れ及び前記注出口から前記第2流通口を通って前記充填空間へと向かう内容物の流れを阻止する閉塞位置と、前記第1流通口及び前記第2流通口を同時に開放して前記パイプから前記第1流通口を通って前記注出口へと向かう内容物の流れ及び前記充填空間から前記第2流通口を通って前記注出口へと向かう内容物の流れを許容する開放位置との間で移動自在の弁体を備えた注出用逆止弁と、を有することを特徴とする注出容器。
  2. 前記注出用逆止弁が、前記第1流通口及び前記第2流通口を覆う板状の前記弁体と、前記弁体の外周を囲う筒状に形成されて前記中栓に装着された保持部と、前記弁体と前記保持部とを接続する弾性変形自在の脚部とを備えている、請求項1に記載の注出容器。
  3. 前記弁体と前記保持部との間に、複数の前記脚部が周方向に等間隔に並べて設けられている、請求項2に記載の注出容器。
  4. 下端側に縮径部を備えた円筒状に形成されて前記中栓の下面に前記第1流通口に連ねて設けられた筒状体を備え、前記パイプが前記縮径部に嵌合固定されている、請求項1〜3の何れか1項に記載の注出容器。
  5. 前記注出キャップに設けた外気を導入するための連通孔と前記貫通孔とを連通する空気の流路に設けられ、前記連通孔から前記貫通孔に向けた空気の流れを許容し、前記貫通孔から前記連通孔へ向けた空気の流れを阻止する吸気用逆止弁を有する、請求項1〜4の何れか1項に記載の注出容器。
  6. 前記吸気用逆止弁が前記注出用逆止弁に一体に設けられている、請求項5に記載の注出容器。
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