JP6938419B2 - 注出容器 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば分離液状ドレッシング等の、分離する2種類の液体を含む分離液状の内容物を収容するとともに注出可能な容器に関する。
例えば調味液と油とを含む分離液状ドレッシング等の、分離する2種類の液体を含む分離液状の内容物を収容する容器として、従来、口部、胴部及び底部を有するボトル形状をなして容器の外殻を構成するとともに口部に外気導入口が設けられた外層体と、分離液状の内容物の収容空間を備えるとともに減容変形可能に外層体に収容された内層体と、収容空間に収容された分離液状の内容物を注出するための注出口を備えて口部に装着された注出キャップと、第1流通口と第2流通口とを備えて注出キャップの内側に装着されて口部の開口を覆う中栓と、第1流通口に接続されて収容空間の内部で底部に向かって延在し、収容空間に収容されている内容物を第1流通口に向けて通過させるパイプと、第1流通口に設けられてパイプから第1流通口を通って注出口へと向かう内容物の流れを許容し、注出口から第1流通口を通ってパイプへと向かう内容物の流れを阻止する第1逆止弁と、第2流通口に設けられて収容空間から第2流通口を通って注出口へと向かう内容物の流れを許容し、注出口から第2流通口を通って収容空間へと向かう内容物の流れを阻止する第2逆止弁と、を有するものが知られている(例えば特許文献1参照)。
このような構成の注出容器によれば、内部に収容された分離液状の内容物を注出する際に、容器を手で振って内容物を撹拌させることなく、注出口が下方を向くように容器を傾倒させて胴部をスクイズ(圧搾)するだけの簡単な操作で、分離した2種類の液体を所期した比率で混合させた状態で注出することができる。
特開2017−132531号公報
上記従来の注出容器では、容器内に充填される分離液状の内容物の2種類の液体のうち、比重の小さいものの充填比率が比重の大きいものに比べて極端に小さい場合には、注出口が下方を向くように容器を傾倒させて胴部をスクイズしたときに、パイプから比重の大きい方の液体が吸引されてしまうのを防止するために、パイプの下端を底部に近付けて配置した構成とする必要がある。
しかし、このような構成では、注出口が下方を向くように容器を傾倒させて内容物を注出する際、その容器の傾斜角度によっては、内層体の内部に含まれる空気中にパイプの下端が露出してしまい、注出される内容物の混合比率が不安定になる虞があるという問題点があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、分離液状の内容物の2種類の液体の充填比率が相違する場合であっても、所期した混合比率で内容物を注出可能な注出容器を提供することにある。
本発明の注出容器は、口部、胴部及び底部を有するボトル形状をなし、容器の外殻を構成するとともに外気導入口が設けられた外層体と、分離液状の内容物の収容空間を備えるとともに減容変形可能に前記外層体に収容された内層体と、前記収容空間に収容された分離液状の内容物を注出するための注出口を備え、前記口部に装着された注出キャップと、第1流通口と第2流通口とを備え、前記注出キャップの内側に装着されて前記口部の開口を覆う中栓と、前記第1流通口に接続され、前記収容空間の内部で前記底部に向かって延在し、該収容空間に収容されている内容物を前記第1流通口に向けて通過させるパイプと、を有し、前記第1流通口及び前記第2流通口には、前記収容空間の側から前記注出口の側へ向かう内容物の流れを許容し、前記注出口の側から前記収容空間の側へと向かう内容物の流れを阻止する逆止弁が設けられており、前記胴部が、横断面の面積が他の部分よりも小さい狭小部分を備え、前記狭小部分の内側に前記パイプの下端が配置されていることを特徴とする。
本発明の注出容器は、上記構成において、円筒状の前記胴部の一部に、該胴部の内側に向けて凹む凹み部分が設けられることにより、前記狭小部分が形成されているのが好ましい。
本発明の注出容器は、上記構成において、前記胴部が、前記狭小部分と前記底部との間に、前記狭小部分よりも横断面の面積が大きい拡大部分を備えるのが好ましい。
本発明の注出容器は、上記構成において、前記外気導入口が前記口部に設けられ、前記注出キャップに設けた外気を導入するための連通孔と前記外気導入口とを連通する空気の流路が前記注出キャップの内側に設けられ、前記連通孔から前記外気導入口に向けた空気の流れを許容し、前記外気導入口から前記連通孔へ向けた空気の流れを阻止する吸気用逆止弁が前記注出キャップに設けられているのが好ましい。
本発明によれば、分離液状の内容物の2種類の液体の充填比率が相違する場合であっても、所期した混合比率で内容物を注出可能な注出容器を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る注出容器の縦断面図ある。 図1に示す注出容器の注出キャップの部分を拡大して示す拡大断面図である。 図1に示す注出容器から内容物を注出する様子を示す説明図である。 図3に示す状態から、さらに内容物を注出させた状態を示す説明図である。 図4に示す状態から、さらに内容物を注出させた状態を示す説明図である。 胴部にピンチオフ部を設けることにより狭小部分を形成するようにした変形例の注出容器の縦断面図である。 狭小部分を括れ形状に形成するようにした変形例の注出容器の縦断面図である。 外気導入口を二重容器の底部に設けた場合を示す断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明をより具体的に例示説明する。
図1に示すように、本発明の一実施の形態である注出容器1は、この注出容器1の外殻を構成する外層体2と、外層体2の内側に収容された減容変形可能な内層体3とを有する二重容器4と、外層体2の口部5に装着されるキャップ組立体6と、を備えている。
ここで、本明細書及び特許請求の範囲においては、「上」及び「下」は、図1に示すように注出容器1を口部5が上方を向く正立姿勢としたときにおける「上」及び「下」を意味するものとする。
外層体2の口部5は断面円形の筒状に形成されており、この口部5の下端には胴部7が一体に連なり、胴部7の下端には底部8が一体に連なっている。これにより、外層体2はボトル形状をなしている。
図2に示すように、口部5の外周面には雄ねじ部5aが設けられており、キャップ組立体6が螺着可能となっている。
口部5には、外層体2と内層体3との間に外気を導入するための一対の外気導入口5bが設けられている。外気導入口5bは、それぞれ口部5を径方向に貫通し、外層体2と内層体3との間に連通している。また、口部5の外面の一対の外気導入口5bに対応する位置には、空気の流路の一部をなす一対の縦溝5cが雄ねじ部5aを切り欠いて形成されている。
なお、外気導入口5bは、外層体2を貫通して外層体2と内層体3との間に連通するものであれば、位置、形状、数等は特に限定されるものではなく、例えば、胴部7や底部8に設けることもできる。
図1に示すように、胴部7は口部5と同軸の略円筒状となっており、可撓性を有してスクイズ(圧搾)可能であるとともに元の形状への復元性を有している。なお、胴部7は略円筒状に限定されず、例えば、多角筒状や楕円筒状等の種々の形状とすることも可能である。
底部8の中央には、ブロー成形の割り金型による食い切りによって形成された直線状のピンチオフ部9が形成されている。本実施の形態では、ピンチオフ部9は底部8の径方向に延在する直線状をなしており、底部8のパーティングライン上に設けられている。
ピンチオフ部9においては、割り金型により、外層体2が内層体3を挟み込んで扁平に押し潰されている。これにより、ピンチオフ部9において内層体3は外層体2に固定されている。これにより、底部8において内層体3の底部分を外層体2に保持させて、内容物の吐出に伴う内層体3の減容変形の方向を規制することができ、吐出不良を防止することができる。
なお、本実施形態では、外層体2と内層体3との間に、外層体2及び内層体3に対して接着性を有する合成樹脂にて形成される帯状の接着層、すなわち接着帯が設けられていないが、1本または複数本の接着帯を設けることも可能である。接着帯は、外層体2と内層体3の間に、例えば胴部7から底部8に亘ってパーティングラインに沿って配置され、これら外層体2及び内層体3を互いに接合する。また接着帯は、例えば、パーティングラインを挟むように、両側に2本ずつ設けてもよい。
内層体3は、その内側に内容物を収容する収容空間Mを有するとともに、減容変形可能に構成され、外層体2の内面に剥離可能に積層されている。ここで、上記接着帯を設けた場合には、内層体3は、接着帯によって外層体2の胴部7から底部8にわたって接合、保持されるので、内容物の吐出が進んでも、内層体3の内面同士が部分的に接触して収容空間Mの一部を閉塞してしまうことがない。
本実施形態の二重容器4は、例えば以下の方法により形成することが可能な積層剥離容器(デラミ容器)である。すなわち、先ず、相溶性の低い外層体2用の合成樹脂と内層体3用の合成樹脂とを共押出して積層パリソンを形成し、この積層パリソンを、金型を用いてブロー成形することにより、外層体2の内面に内層体3が剥離可能に密着した積層構造に形成される。そしてブロー成形の後、吸引等により内層体3を一度収縮させてその全体を外層体2から剥離させ、次いで、内層体3の内部(収容空間M)に空気を送り込むこと等により内層体3の形状を復元させる。
このように、ブロー成形の後、吸引等により内層体3を一度収縮させてその全体を外層体2から剥離させることにより、内容物の注出時に、内層体3を外層体2から剥離し易くすることができる。
この内層体3の剥離処理の後、本実施の形態では、例えば、水と油とを含む分離液状ドレッシング等の食品調味料や、化粧料など、分離液状の内容物(以下、単に「内容物」と称する場合がある)が内層体3の収容空間Mに充填され、キャップ組立体6が装着される。本実施の形態では、分離した2種類の液体である第1液(例えば油)L1及び第2液(例えば調味液)L2からなる内容物が収容空間Mに収容され、注出容器1が正立姿勢において、比重の軽い第1液L1が、比重の重い第2液L2の上方に位置するようになっている。また、比重の小さい第1液L1の充填比率は、比重の大きい第2液L2に比べて極端に小さくされている。すなわち、収容空間Mに充填される第1液L1の体積は、収容空間Mに充填される第2液L2の体積に比べて少なくなっている。
キャップ組立体6は、注出キャップ11と、中栓12と、弁部材13と、蓋体14とを備えている。
図2に示すように、注出キャップ11は、口部5を取り囲む外周壁15と、外周壁15の上端を覆う天壁16とを備えている。外周壁15の内面には、雄ねじ部5aに係合する雌ねじ部15aが設けられ、注出キャップ11は、中栓12及び弁部材13を内側に保持した状態で口部5に着脱可能に螺着により固定されている。なお、注出キャップ11は、口部5に対してアンダーカット係合により固定される構成とすることもできる。
注出キャップ11には注出筒17が設けられている。注出筒17は、天壁16の上面から上方に向かって突出するとともに基端において注出キャップ11の内側空間に連なっており、その上端は、収容空間Mに収容された分離液状の内容物(第1液L1と第2液L2とが混合されたもの)を注出するための注出口17aとなっている。
図2に示すように、注出キャップ11の天壁16には、天壁16を貫通し、上記した外気導入口5bに外気を導くための連通孔16aが設けられている。
図2に示すように、中栓12は、口部5の上端開口を覆う隔壁18と、隔壁18から垂下して口部5の内周面に当接するシール筒19と、隔壁18の外縁から上方に向けて突出し、外周壁15に嵌合保持される環状壁20と、を備えている。中栓12は注出キャップ11の内側に装着され、注出キャップ11とともに口部5に装着されて口部5の開口を覆っている。
隔壁18には第1流通口21と第2流通口22とが設けられている。第1流通口21と第2流通口22は、それぞれ隔壁18を貫通しており、収容空間Mに収容されている分離液状の内容物を注出筒17に向けて流通させることができる。また、隔壁18の外縁部(環状壁20の下部)には、連通孔16aから外気導入口5bへ向かう外気を通過させる貫通孔18aが形成されている。
第1流通口21には、パイプ23が接続されるとともに第1逆止弁24が設けられている。
第1逆止弁24は、隔壁18に一体に設けられて隔壁18の下面から底部8の側に向けて突出する筒状体25と筒状体25の内部に配置される弁体26とを有している。筒状体25は、内径が一定の本体部25aと、本体部25aの下端に下方に向けて縮径する部分を介して一体に連なる本体部25aよりも小径の縮径部25bとを備えた略円筒状に形成されており、その上端は第1流通口21の開口に連ねられている。
弁体26は、例えば鋼材や樹脂材料等により、本体部25aの内径より小径で縮径部25bの内径よりも大径の球状(球形)に形成されており、本体部25aの内側に配置されて、縮径部25bの上端に当接する閉位置と縮径部25bから離れた開位置との間で本体部25aの軸方向に沿って移動自在となっている。なお、弁体26が開位置にあるときには、本体部25aの内周面と弁体26の外周面との間に隙間が生じ、当該隙間を通して内容物が流通可能となる。
例えば合成樹脂製とされるパイプ23は、本体部25aの外径と同等の外径を有するとともに縮径部25bの外径と同等の内径を有する円筒状となっており、その上端側部分において縮径部25bの外周面に嵌合固定され、第1逆止弁24を介して第1流通口21に接続されている。
図1に示すように、パイプ23は、第1逆止弁24を介して第1流通口21に接続された上端部分から、収容空間Mの内部を外層体2の中心軸Oに沿って真っ直ぐに底部8に向かって延び、その下端23aは収容空間Mの内部の底部8の側で開口している。また、パイプ23の下端位置は、この注出容器1を、注出筒17の注出口17aが下方を向くように倒立姿勢としたときにパイプ23の下端23aが収容空間Mに収容される第1液L1の内部に位置するように設定されている。したがって、収容空間Mの内部に収容される分離液状の内容物のうち、注出容器1を、注出筒17の注出口17aが下方を向くように倒立姿勢としたときに、底部8の側に分離して収容されることとなる第1液L1をパイプ23の下端23aから取り込み、当該パイプ23を通して第1流通口21に向けて案内することができる。すなわち、第1流通口21にパイプ23を接続した構成とすることにより、注出容器1を、注出筒17の注出口17aが下方を向くように倒立姿勢として分離液状の内容物を注出筒17から注出させる際に、収容空間Mの底部8の側に収容されている第1液L1をパイプ23及び第1流通口21を通して注出筒17に流通させることができる。
図2に示すように、パイプ23は、下端23aにガード部材23bが装着された構成とすることもできる。ガード部材23bは、パイプ23の下端23aに嵌合固定される円筒状となっており、その外周壁に複数のスリット23cが設けられている。パイプ23の下端23aにガード部材23bが装着されることにより、減容変形した内層体3によってパイプ23の下端23aが密閉されることが防止される。
図2に示すように、第2流通口22は、筒状体25の外側に隣接して隔壁18に設けられており、注出容器1を、注出筒17の注出口17aが下方を向くように倒立姿勢として分離液状の内容物を注出筒17から注出させる際に、収容空間Mの口部5の側に収容されている第2液L2を注出筒17に向けて流通させることができる。
前述の第1逆止弁24は、パイプ23から第1流通口21を通って注出筒17に向かう内容物の流れに対しては弁体26が閉位置から開位置に移動してこれを許容し、注出筒17から第1流通口21を通ってパイプ23へと向かう内容物の流れに対しては弁体26が開位置から閉位置に移動してこれを阻止するように作動する。また、第1逆止弁24は、内容物を注出した後、注出容器1が正立姿勢に戻されたときに、弁体26が自重により縮径部25bに当接する下端位置にまで移動することで、注出筒17の内部に残留した内容物を収容空間Mの側に向けて吸引することができる。このような第1逆止弁24のサックバック機能により、内容物が注出筒17の注出口17aから垂れ落ちることを抑制することができる。なお、後述するように、第1流通口21は、第2逆止弁28によっても、注出筒17の側から収容空間Mの側へ向けた内容物の逆流が規制される構成となっているので、弁体26が設けられない構成とすることもできる。また、弁体26を設けた構成とした場合には、第2逆止弁28によっては、第1流通口21において注出筒17の側から収容空間Mの側へ向けた内容物の逆流が規制されない構成とすることもできる。
図2に示すように、弁部材13は、円筒状の保持部27と、保持部27の内側に設けた第2逆止弁28と、保持部27の外側に設けた吸気用逆止弁29とが一体に成形されたものである。なお、第2逆止弁28及び吸気用逆止弁29はそれぞれ別の部材として形成してもよい。
保持部27は、中栓12の隔壁18と、注出キャップ11の天壁16の間に嵌合保持されている。保持部27の内側は、第1流通口21及び第2流通口22を介して流入した内容物が通過可能な空間となっており、保持部27の外側は、連通孔16aから外気導入口5bへ向けた空気の通過が可能な空気流路となっている。
第2逆止弁28は、第1流通口21の開口と第2流通口22の開口とに跨って配置されて第1流通口21の開口と第2流通口22の開口とを開閉するものであり、収容空間Mから第1流通口21ないし第2流通口22を通って注出筒17へと向かう内容物の流れを許容し、注出筒17から第1流通口21ないし第2流通口22を通って収容空間Mへと向かう内容物の流れ(逆流)を阻止するように作動する。本実施の形態においては、薄い板状とされた第2逆止弁28は、収容空間Mの側から注出筒17へ向けた内容物の圧力に応じて軸方向に上下動する三点弁(保持部27の内周面に、3本の弾性変形可能な脚部で連結された弁)として構成され、内容物の注出の際にのみ第1流通口21及び第2流通口22を開放するようになっている。なお、第2逆止弁28は、三点弁に限定されず、保持部27の内周面に対して2本以下の脚部で連結された弁や4本以上の脚部で連結された弁で構成してもよい。
吸気用逆止弁29は、保持部27の外周面から径方向外側に延びる環状片で構成され、その外縁が連通孔16aよりも外周側において天壁16の下面に弾性当接している。このように、吸気用逆止弁29は連通孔16aと外気導入口5bとを連通する空気流路に設けられ、連通孔16aから外気導入口5bに向けた空気の流れを許容し、外気導入口5bから連通孔16aに向けた空気の流れ(逆流)を阻止するように構成されている。
蓋体14は、ヒンジ14aを介して注出キャップ11の外周壁15に連結されており、ヒンジ14aを中心として揺動することで注出口17aを開閉する。
図1に示すように、胴部7の下端側には狭小部分30が設けられ、パイプ23の下端23aは狭小部分30の内側に配置されている。狭小部分30は、胴部7の、その横断面の面積が他の部分よりも小さくなっている部分である。なお、胴部7の横断面とは、胴部7の中心軸Oに垂直な断面のことである。
本実施の形態においては、胴部7は、口部5に連なるとともに下方に向けて徐々に拡径する略ドーム状の肩部分7aと、肩部分7aの下端に連なるとともに肩部分7aと底部8との間で略一定の外径となる円筒部7bとを有している。そして、胴部7の、横断面の面積が上下方向で略同一となる円筒部7bの下端側の一部に、一対の凹み部分31が設けられることによって、横断面の面積が他の部分よりも小さい狭小部分30が形成されている。
凹み部分31は、それぞれ胴部7の円筒部7bの外周面に対して胴部7の内側に向けて凹むとともに上下方向(外層体2の中心軸Oに沿う方向)に所定の範囲で延びており、外層体2の中心軸Oを挟んで互いに対応して配置されている。したがって、狭小部分30も上下方向に所定の範囲で延びて設けられている。狭小部分30は、上下方向に延びる範囲で、その横断面の面積が一定となっている。
また、本実施の形態においては、狭小部分30は底部8にまでは達しておらず、これにより、胴部7の狭小部分30と底部8との間には、狭小部分30よりも横断面の面積が大きい拡大部分32が設けられている。拡大部分32は円筒部7bの凹み部分31が設けられていない部分における外径よりも僅かに大径となっている。
上記構成の注出容器1から内容物を注出する際には、まず、蓋体14を開いて注出口17aを開放する。次に、図3に示すように、注出容器1を、注出筒17の注出口17aが下方を向くように倒立姿勢とする。注出容器1を、注出筒17の注出口17aが下方を向く倒立姿勢とすると、比重の軽い第1液L1が底部8の側、比重の重い第2液L2が口部5の側に位置する。
ここで、本実施の形態の注出容器1では、胴部7の下端側に狭小部分30が設けられているので、注出容器1を倒立姿勢とすることで底部8の側に位置する第1液L1は、狭小部分30の内側に収容されることになる。狭小部分30は胴部7の円筒部7bの他の部分よりも横断面の面積が小さくなっているので、狭小部分30の内側に収容された第1液L1が底部8の側において収容空間Mの内部で占める上下方向の範囲ないし厚みは、第1液L1を胴部7の狭小部分30以外の部分に収容する場合よりも大きくなる。そして、パイプ23の下端23aは、第1液L1が上下方向に所定の範囲で収容される狭小部分30の内側に配置されている。
したがって、比重の小さい第1液L1の収容空間Mへの充填比率が比重の大きい第2液L2に比べて極端に小さい場合であっても、少量の第1液L1を狭小部分30において上下方向の広い範囲に収容させて、パイプ23の下端23aが第1液L1の内部に確実に配置されるようにすることができる。
この状態で胴部7がスクイズされると、内層体3が加圧され、収容空間Mの底部8の側にある第1液L1はパイプ23の下端23aからパイプ23に取り込まれて第1流通口21に向けて流れる。第1液L1が第1流通口21に向けて流れると、その液圧により弁体26が閉位置から開位置に移動して第1逆止弁24が開かれ、第1液L1は第1流通口21を通って注出筒17に向けて流通する。また、内層体3が加圧されることにより、第2逆止弁28が開き、収容空間Mの口部5の側にある第2液L2が第2流通口22を通って注出筒17に向けて流通する。
第1流通口21から注出筒17に向かって流れる第1液L1と、第2流通口22から注出筒17に向かって流れる第2液L2は、互いに注出筒17の内部で混合される。このようにして所期した混合比率で混合された第1液L1と第2液L2とからなる内容物が注出筒17を通って注出口17aから外部に向けて注出される。
このとき、パイプ23の下端23aは第1液L1の内部に確実に配置され、収容空間Mの内部に含まれるヘッドスペースの空気Aにパイプ23の下端23aが露出することが確実に抑制されるので、第1液L1と第2液L2とを所期した混合比率で注出筒17の注出口17aから外部に注出させることができる。
したがって、本発明の注出容器1によれば、手振り操作を必要とせず、注出容器1を、注出筒17の注出口17aが下方を向くように傾倒させて胴部7をスクイズするだけの簡単な操作で、分離液状の内容物を、所期した混合比率で注出することができる。
胴部7のスクイズを解除して外層体2が元の形状に復元すると、内層体3と外層体2の間の空間が負圧状態となるのに伴い、連通孔16a及び外気導入口5bを介して内層体3と外層体2の間に外気が導入される。また、この間、第1逆止弁24及び第2逆止弁28によって第1流通口21及び第2流通口22が閉塞されるため、収容空間Mの内部に注出筒17を通して外気が入り込むことがない。これにより、収容空間Mに外気を導入させることなく、内層体3を減容変形させたまま外層体2を元の形状に復元させることができる。したがって、内容物の注出に伴い、収容空間Mに外気が導入されることを防止して、内容物の変質や劣化等を抑制することができる。
上述のように、第1液L1と第2液L2を所期した混合比率で注出することができ、また、収容空間Mの内部には空気が入り込まないので、胴部7のスクイズを繰り返し行なって内容物の注出が進んで残量が減少しても、図4に示すように、内層体3が外層体2から剥離して減容変形することで、収容空間Mの内部には、常に一定の体積比率で第1液L1と第2液L2が存在することとなる。また、内容物が減少しても、パイプ23の下端23aは常に狭小部分30の内側において、第1液L1の内部に配置されるので、内容物の残量が減少した際にも所期した混合比率で安定的に内容物を注出し続けることができる。
また、胴部7の狭小部分30と底部8との間に拡大部分32を設けるようにしたので、注出容器1を、注出筒17の注出口17aが下方を向くように倒立姿勢としたときに、ヘッドスペースの空気Aを拡大部分32の内側の領域に収容させることができる。これにより、収容空間Mがヘッドスペースの空気Aを含んでいても、注出容器1を倒立姿勢としたときに、狭小部分30の内側に占める第1液L1の割合を大きくして、パイプ23の下端23aが第1液L1の内部により確実に配置されるようにすることができる。したがって、注出容器1を倒立姿勢として内容物を注出する際、収容空間Mの内部に含まれるヘッドスペースの空気Aにパイプ23の下端23aが露出することをさらに確実に抑制して、第1液L1と第2液L2とを所期した混合比率で注出筒17の注出口17aから外部に注出させることができる。
さらに、胴部7の狭小部分30と底部8との間に拡大部分32を設けるようにしたので、内層体3を拡大部分32において外層体2から剥離し難くすることができる。したがって、口部5に外気導入口5bが設けられた構成において、内層体3が口部5の側から順に外層体2から剥離され、図5に示すように、内容物がさらに減少した場合に、内層体3を狭小部分30が設けられた部分において最後に外層体2から剥離されるようにすることができる。これにより、内容物の残量が減った際にも、収容空間Mの内部に含まれるヘッドスペースの空気Aにパイプ23の下端23aが露出することを確実に抑制して、第1液L1と第2液L2とを、最後まで、所期した混合比率で注出筒17の注出口17aから外部に注出させることができる。
なお、第1液L1と第2液L2の混合比率は、第1流通口21及び第2流通口22の大きさ、パイプ23の内径、本体部25aと弁体26との隙間、第2逆止弁28の開度等を種々変更することにより所望の混合比率に設定することができる。
図6は胴部7にピンチオフ部分33を設けることにより狭小部分30を形成するようにした変形例の注出容器1の縦断面図であり、図7は狭小部分30を括れ形状に形成するようにした変形例の注出容器1の縦断面図である。なお、図6、図7においては、前述した部材に対応する部材に、同一の符号を付してある。
図6に示すように、狭小部分30は、胴部7の一部に一対のピンチオフ部分33を設けることによって形成されたものとすることもできる。一対のピンチオフ部分33は、それぞれ胴部7の一部がブロー成形時に割り金型の間に挟み込まれることで板状に形成されており、外層体2の中心軸Oを挟んで互いに対応して配置されている。このように、胴部7の一部にピンチオフ部分33を設けることによっても、胴部7に、その横断面の面積が他の部分よりも小さい狭小部分30を設けることができる。
また、図7に示すように、狭小部分30は、ブロー成形用の金型の内面形状に沿って胴部7を全周に亘って凹んだ形状に成形することで、括れ形状に形成されたものとすることもできる。狭小部分30を括れ形状とすることにより、注出容器1の胴部7を手で持ち易くして、内容物の注出操作をより容易に行い得るようにすることができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施の形態においては、狭小部分30は、胴部7の円筒部7bに一対の凹み部分31ないしピンチオフ部分33が設けられることで形成されているが、これに限らず、胴部7の円筒部7bに、3以上の凹み部分31ないしピンチオフ部分33を設けることで狭小部分30を形成するなど、他の部分よりも横断面の面積が小さい構成であれば、狭小部分30の形態は種々変更可能である。
また、前記実施の形態においては、外気導入口5bを口部5に設けるようにしているが、これに限らず、例えば、図8に示すように、底部8のピンチオフ部9にスリット状に開口する外気導入口9aを設けた構成とすることもできる。この場合、口部5に外気導入口5bが設けられていなくてもよいが、口部5にも外気導入口5bを設けるようにしてもよい。ピンチオフ部9の長手方向の両端側部分に凹凸嵌合部を設け、これによりスリット状の外気導入口9aの開口面積を狭く設定し、胴部7がスクイズされたときに外層体2と内層体3との間の空気がスリット状の外気導入口9aから漏れ出し難くすることで、胴部7のスクイズ時のエアー漏れを抑制して内容物の注出が可能な構成とすることができる。なお、底部8に袴状のカバーを密封状に装着し、当該カバーに設けた開閉弁でスリット状の外気導入口9aからのエアー漏れを防止する構成とすることもできる。
さらに、前記実施の形態においては、第1逆止弁24を筒状体25と弁体26とを有する構成とし、第2逆止弁28を内容物の圧力に応じて軸方向に上下動する三点弁に構成するようにしているが、これに限らず、それぞれの逆止弁24、28として種々の構成のものを用いることができる。
さらに、二重容器4はブロー成形によって形成されるものとしたが、必ずしもそのような構成に限らず、例えば、外層体(外容器)の内部に、外層体とは別に形成された内層体(内容器)を組み込んだ構成としてもよい。
1 注出容器
2 外層体
3 内層体
4 二重容器
5 口部
5a 雄ねじ部
5b 外気導入口
5c 縦溝
6 キャップ組立体
7 胴部
7a 肩部分
7b 円筒部
8 底部
9 ピンチオフ部
9a 外気導入口
11 注出キャップ
12 中栓
13 弁部材
14 蓋体
14a ヒンジ
15 外周壁
15a 雌ねじ部
16 天壁
16a 連通孔
17 注出筒
17a 注出口
18 隔壁
18a 貫通孔
19 シール筒
20 環状壁
21 第1流通口
22 第2流通口
23 パイプ
23a 下端
23b ガード部材
23c スリット
24 第1逆止弁
25 筒状体
25a 本体部
25b 縮径部
26 弁体
27 保持部
28 第2逆止弁
29 吸気用逆止弁
30 狭小部分
31 凹み部分
32 拡大部分
33 ピンチオフ部分
M 収容空間
L1 第1液
L2 第2液
A 空気

Claims (4)

  1. 口部、胴部及び底部を有するボトル形状をなし、容器の外殻を構成するとともに外気導入口が設けられた外層体と、
    分離液状の内容物の収容空間を備えるとともに減容変形可能に前記外層体に収容された内層体と、
    前記収容空間に収容された分離液状の内容物を注出するための注出口を備え、前記口部に装着された注出キャップと、
    第1流通口と第2流通口とを備え、前記注出キャップの内側に装着されて前記口部の開口を覆う中栓と、
    前記第1流通口に接続され、前記収容空間の内部で前記底部に向かって延在し、該収容空間に収容されている内容物を前記第1流通口に向けて通過させるパイプと、を有し、
    前記第1流通口及び前記第2流通口には、前記収容空間の側から前記注出口の側へ向かう内容物の流れを許容し、前記注出口の側から前記収容空間の側へと向かう内容物の流れを阻止する逆止弁が設けられており、
    前記胴部が、横断面の面積が他の部分よりも小さい狭小部分を備え、
    前記狭小部分の内側に前記パイプの下端が配置されていることを特徴とする注出容器。
  2. 円筒状の前記胴部の一部に、該胴部の内側に向けて凹む凹み部分が設けられることにより、前記狭小部分が形成されている、請求項1に記載の注出容器。
  3. 前記胴部が、前記狭小部分と前記底部との間に、前記狭小部分よりも横断面の面積が大きい拡大部分を備える、請求項1または2に記載の注出容器。
  4. 前記外気導入口が前記口部に設けられ、
    前記注出キャップに設けた外気を導入するための連通孔と前記外気導入口とを連通する空気の流路が前記注出キャップの内側に設けられ、
    前記連通孔から前記外気導入口に向けた空気の流れを許容し、前記外気導入口から前記連通孔へ向けた空気の流れを阻止する吸気用逆止弁が前記注出キャップに設けられている、請求項1〜3の何れか1項に記載の注出容器。
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