JP6868445B2 - 計量容器 - Google Patents
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また、注入管を備える前記従来の計量容器では、計量容器を傾倒させて注入管の下端部が内容物の液面から浮き上がると、容器本体をスクイズ変形させても内容物を注入管に進入させることができなくなるが、本発明では、内容器の減容変形による内容物の計量部材への導入は計量容器の姿勢に関わらず実施できるので、例えば計量容器を傾倒させた状態で外容器をスクイズ変形させて、計量部材を通して内容器内の内容物を連続的に吐出することも可能である。
以下、本発明に係る計量容器の第1実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
図1に示すように、本実施形態の計量容器1は、内容物が収容されるとともに内容物の減少に伴い減容変形(しぼみ変形)する可撓性に富む内容器2、および内容器2が内装されるとともに弾性変形可能な外容器3を有する容器本体4と、容器本体4の口部4aに装着された筒状の計量部材5と、内容器2の内部から計量部材5の内部に向けた内容物の流通を許容し、かつその逆方向の流通を遮断する吐出弁9と、を備える。
ブロー成形としては、例えば押出成形等によって二重(内外)に組み合わされた積層パリソンを形成し、この積層パリソンをブロー成形することで容器本体4を形成してもよい(押出ブロー成形)。また、射出成形等によって外容器用のプリフォーム、および内容器用のプリフォームを各別に形成しておき、これらを二重(内外)に組み合わせて一体に二軸延伸ブロー成形することで容器本体4を形成してもよい。
なお、外容器用のプリフォームを先に二軸延伸ブロー成形して外容器3を形成した後、内容器用のプリフォームを外容器3の内部に配置し、その後、内容器用のプリフォームを二軸延伸ブロー成形することで容器本体4を形成してもよい。
なお、容器本体4を構成する外容器3はスクイズ変形可能とされ、この外容器3をスクイズ変形させることで内容器2は減容変形する。よって、外容器3のうち少なくとも胴部4cに位置する部分は、径方向内側(容器内側)に向けて弾性変形可能とされている。
内容器2の口部2aの上端部には、径方向外側に突出する環状の折り返し部が形成され、この折り返し部が外容器3の口部3aの上端開口縁に配置されている。そのため、外容器3の口部3aは、内容器2によって閉塞されている。外容器3の口部3aには、外容器3と内容器2との間に、後述する通気孔23を経由して空気を吸入する吸気孔6が複数形成されている。なお、吸気孔6は、外容器3のうち、口部3a以外の胴部若しくは底部等に形成されてもよい。
外容器3の口部3aの外周面には、後述する装着筒21を螺着するための雄ネジ部3bが形成されており、雄ネジ部3bには、この雄ネジ部3bを上下方向の全域にわたって周方向に分断する凹部3cが形成されている。
中栓8は、容器本体4の口部4aの上端開口縁に配置された環状の外ベース部8aと、外ベース部8aよりも径方向内側に位置する内ベース部8bと、上下方向に延び、外ベース部8aにおける径方向の内端部と内ベース部8bにおける径方向の外端部とを連結する連結筒部8cと、外ベース部8aの外周縁部から上方に向けて延び、計量部材5を計量部材5の下方から支持する支持筒部8dと、を備えている。外ベース部8a、内ベース部8b、連結筒部8c、および支持筒部8dは、容器軸Oと同軸に配設されている。内ベース部8bは外ベース部8aよりも上方に位置している。
内ベース部8bは、平面視円形の板状に形成されている。内ベース部8bには、上下方向に貫く流通孔16が形成され、流通孔16は容器軸Oと同軸に配置されている。
支持筒部8dは、容器本体4の口部4aと計量部材5の間の上下方向の隙間に配置され、計量部材5の下面に当接している。このため、口部4aに装着された計量部材5の下面と口部4aの上端開口縁との間隔は、計量部材5の下面と口部4aの上端開口縁とによって挟持された中栓8によって規定されている。
本実施形態において、天壁部51と上側周壁部53とは、一体に形成されて有頂筒状の上筒部55となっており、下側周壁部54と底壁部52とは、一体に形成されて有底筒状の下筒部56となっている。
下側周壁部54のうち、上端部54aの外径は、他の部分の外径よりも小さく、上端部54aの外周面と前記他の部分の外周面とは、上方を向き周方向に延びる環状面54bを介して互いに連結されている。上端部54aの内径は、前記他の部分の内径と同等である。
下筒部56の下端部と装着筒21との連結部分には、径方向に貫通し、装着筒21の外部と内部とを互いに連通させる通気孔23が形成されている。このため、計量容器1の外気を、通気孔23、中栓8の溝部8e、並びに外容器3の凹部3cおよび吸気孔6を通して、外容器3と内容器2との間に吸入可能となっている。通気孔23は、例えば、射出成形における食い切り、すなわち射出成形時にキャビティ金型とコア金型とを部分的に接触させ、この部分に溶融樹脂を進入させないことで形成されている。
なお、弾性アーム91の数は3つに限定されるものではない。また、吐出弁9としては、内容器2内の内容物が流通孔16を通過する際に、流通孔16を開放できればよく、上記構成以外の弁構造としてもよい。
外筒53aは、下側周壁部54の上端部54aにアンダーカット嵌合されている。外筒53aの下端開口縁は周方向に延びており、この下端開口縁は、下側周壁部54の環状面54bに環状面54bの上方から当接している。このため、計量部材5を径方向外側から視認したときの上側周壁部53と下側周壁部54との境界線は、周方向に延びている。前記したように、下側周壁部54は透明または半透明となっており、上側周壁部53および下側周壁部54の色が互いに異なっているので、上側周壁部53と下側周壁部54との境界線を、計量部材5内で内容物を計量するときの目盛として使用することができる。
内筒53bの下端開口縁は、周方向に延びるとともに、外筒53aの下端開口縁と上下方向で同等の位置に配置されている。
吐出筒57は、天壁部51の上面から上方に向けて延びる下筒57bと、下筒57bの上端部に連結されるとともに下筒57bと同軸に配設された上筒57cと、を有している。下筒57bの内径は、上下方向の全域にわたって同等であり、下筒57bの外径は、上方に向かうに従い漸次小さくなっている。上筒57cの内径および外径は、上方に向かうに従い漸次大きくなっている。
蓋部材59は、天壁部51の上方に位置する頂壁部61と、頂壁部61の外周縁部から下方に向けて延びるとともに、下端部が天壁部51の突部51bに離脱可能に係止されている蓋周壁部62と、を有している。蓋周壁部62の外径は、上側周壁部53の外径と同等となっている。
頂壁部61の下面には、下方に向けて突出し、天壁部51の吐出孔57a内に離脱可能に嵌合された栓筒部(第1閉塞部)61aが形成されている。すなわち、栓筒部61aは、吐出孔57aを開放可能に閉塞している。また、頂壁部61の下面には、下方に向けて突出し、天壁部51の外気導入孔58aを開放可能に閉塞する閉塞突部(第2閉塞部)61bが形成されている。
計量後、外容器3のスクイズ変形を停止して内容器2の内圧の上昇を停止させると、吐出弁9が弾性アーム91の復元変形によって元の位置に戻り、内ベース部8bの上面に着座する。これにより、流通孔16が再び閉塞され、内容器2の内部と計量部材5の内部との連通が遮断される。このため、内容器2内から計量部材5内への内容物の導入が停止される。続いて外容器3のスクイズ変形を解除すると、計量部材5の通気孔23から外容器3の吸気孔6を通して外容器3と内容器2との間に外気が吸入され、外容器3は復元変形する。その一方で、吐出弁9は閉弁されているので計量部材5内から内容器2内への内容物や空気の逆流が防止され、よって内容器2の減容変形は維持される。
その後、計量部材5内の内容物を、例えば計量容器1を傾倒させることで吐出孔57aを通して外部に吐出させる。
なお、本実施形態に係る計量容器1では、内容器2の減容変形による内容物の計量部材5への導入は計量容器1の姿勢に関わらず実施できるので、例えば計量容器1を傾倒させた状態で外容器3をスクイズ変形させて、計量部材5の内部および吐出筒57の吐出孔57aを通して内容器2内の内容物を連続的に吐出させてもよい。この連続吐出においては、外容器3をスクイズ変形させる押圧力によって内容器2内の内容物が中栓8の流通孔16を通して吐出孔57aに順次導入されるので、計量部材5内が負圧になることを抑制でき、よって天壁部51の外気導入孔58aを通した計量部材5内への外気導入がなくても、吐出孔57aから内容物を適切に連続吐出させることができる。また、このような連続吐出は吐出筒57の吐出孔57aを通して行われるので、内容物を安定して吐出させることができる。
次に、本発明に係る計量容器の第2実施形態について説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
容器本体4における口部4aは、内容器2の口部2aと外容器3の口部3aとが積層された構成とされ、その上端部と下端部との間の中間部分が径方向内側にくびれている。具体的に、口部4aは、第1直筒41、第1傾斜筒42、第2傾斜筒43、および第2直筒44が下側から上側に向けてこの順に連設された筒状に形成されている。第1直筒41、第1傾斜筒42、第2傾斜筒43、および第2直筒44は、容器軸Oと同軸に配置されている。
第1傾斜筒42は、第1直筒41の上端部に連結されており、上方に向かうに従い漸次縮径している。第2傾斜筒43は、第1傾斜筒42の上端部に連結されており、上方に向かうに従い漸次拡径している。第2傾斜筒43の上端開口部の外径は、第1傾斜筒42の下端開口部の外径より小さい。容器本体4の口部4aにおいて最も縮径した部分の内側、すなわち第1傾斜筒42と第2傾斜筒43との連結部分の内側が、内容器2の内部と計量部材5の内部とを連通する流通孔16aとされている。第2傾斜筒43の内周面(内容器2の口部2aのうちの第2傾斜筒43を構成する部分の内周面)は、後述する吐出弁90の弁座として機能する。
第2直筒44は、第2傾斜筒43の上端部に連結されており、その径は上下方向の全域にわたって同等となっている。第2直筒44は、計量部材5の底壁部52を底壁部52の下方から支持している。
本実施形態の吐出弁90は、有底円筒状に形成されており、複数の弾性アーム91は、吐出弁90の外周面における上端部と嵌合筒部52aの内周面とを一体に連結している。吐出弁90の底壁部は、下方に向かうに従い漸次縮径する円錐状に形成されており、その下面(円錐面)が、第2傾斜筒43の内周面に離反可能に載置されている。すなわち、吐出弁90は、流通孔16aを開放可能に閉塞している。
計量部材5の天壁部51における吐出孔57aの内径は、計量部材5の上側周壁部53および容器本体4の口部4aにおける流通孔16aの各内径より小さく、吐出孔57aは、内容物を線状に吐出可能とされている。
また、計量部材5の通気孔23から外容器3の吸気孔6までの外気吸入経路の途中に、外部から外容器3と内容器2との間に向けた外気の流通を許容し、かつその逆方向への流通を遮断する空気弁を設けてもよい。吸気孔が外容器の胴部や底部に形成される場合にも、同様の空気弁を設けてよい。
また、計量部材5は容器本体4の口部4aの上方に配置されているが、計量部材5が口部4aの径方向内側に配置される構成であってもよい。
また、吐出筒57の内側が内容物を吐出可能な吐出孔57aとされているが、例えば、吐出筒がその内部を上方から覆う頂壁部を有し、この吐出筒の頂壁部や周壁部に、内容物を吐出可能な吐出孔が形成されてもよい。
また、外気導入孔58aは天壁部51に設けられているが、外気導入孔が計量部材5の周壁部(例えば上側周壁部53)に形成されてもよい。
また、頂壁部61の下面に配設された閉塞突部61bが、外気導入筒58の外気導入孔58aを閉塞しているが、頂壁部61の下面に、上方に向けて窪む凹部を形成したり、下方に向けて突出する嵌合筒を配設したりするとともに、これら凹部内や嵌合筒内に外気導入筒58の上端部が嵌合されることで、外気導入孔58aを閉塞する構成であってもよい。さらに、頂壁部61の下面自体が外気導入孔58aを閉塞する構成であってもよい。
また、上側周壁部53と下側周壁部54との境界線を内容物の計量目盛として用いているが、この境界線に代えて、またはこの境界線とともに、内容部を計量するための目盛や内容物の貯留量を示す数値等を計量部材5の周壁部に設けてもよい。計量部材5の周壁部に目盛や数値等を表示する方法としては、例えば計量部材5を射出成形によって形成する場合に、成形金型の成形面に設けられた目盛等の形状を転写する方法を用いることができる。あるいは、計量部材5の成形後に、目盛等を計量部材5に刻印若しくは印刷してもよい。
また、上側周壁部53の外筒53aと内筒53bとの各下端の上下方向の位置は互いに同等とされているが、外筒53aおよび内筒53bの一方の下端が、他方の下端よりも下方に位置してもよい。この場合、前記一方の下端と下側周壁部54との境界線が、内容物の計量目盛となる。
また、上側周壁部53および下側周壁部54の色を互いに異ならせているが、たとえ色が同等であってもこれら周壁部53、54の表面性状を互いに異ならせることで、それらの間の境界線を明確にしてもよい。表面性状の変更の態様としては、例えば、周壁部の表面における粗面化処理や、細かな凹凸または格子等の意匠の形成等が考えられる。このような表面性状の変更も、本発明の色の変更に含まれる。
また、上側周壁部53および下側周壁部54を、透明または半透明かつ同等の色の材料を用いて成形した上で、それらの間の境界線を内容物の計量目盛として用いてもよい。このような場合でも、上側周壁部53における外筒53aの下端が下側周壁部54の環状面54bに当接した部分を境界線として示すことができる。また、上側周壁部53と下側周壁部54の径方向の板厚は互いに異なるので、計量部材5の径方向外側から視認したときの上側周壁部53および下側周壁部54の色の見え方を互いに異ならせることも可能である。
また、上側周壁部53の外筒53aと内筒53bとの間の径方向の隙間に、下側周壁部54の上端部54aが嵌合されているが、下側周壁部54の上端部を二重筒構造とし、この二重筒の径方向の隙間に、上側周壁部53の下端部を嵌合させてもよい。この場合、上筒部55、すなわち上側周壁部53を透明または半透明にして、計量部材5の内部を径方向外側または上方から視認可能とすることも可能である。
2 内容器
3 外容器
4 容器本体
4a 口部
5 計量部材
51 天壁部
53 上側周壁部
54 下側周壁部
57a 吐出孔
58a 外気導入孔
59 蓋部材
61a 栓筒部(第1閉塞部)
61b 閉塞突部(第2閉塞部)
6 吸気孔
9、90 吐出弁
Claims (5)
- 内容物の減少に伴い減容変形する内容器、および前記内容器が内装されるとともに弾性変形可能な外容器を備える容器本体と、
前記容器本体の口部に装着され、天壁部を有する有頂筒状に形成されるとともに、内部を視認可能な計量部材と、
前記内容器の内部から前記計量部材の内部に向けた内容物の流通を許容し、かつその逆方向への流通を遮断する吐出弁と、を備え、
前記外容器に、前記内容器との間に外気を吸入可能な吸気孔が形成され、
内容物を吐出可能な吐出孔と、前記計量部材内に外気を導入可能な外気導入孔と、が前記天壁部の上面から上方に向けて形成され、
前記外気導入孔の上下方向位置が、前記吐出孔の上下方向位置よりも高いことを特徴とする計量容器。 - 前記天壁部には、上方に向けて突出するとともに、前記吐出孔を有する吐出筒が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の計量容器。
- 前記計量部材には、前記天壁部を開放可能に覆う蓋部材が配設され、
前記蓋部材には、前記吐出孔を閉塞する第1閉塞部と、前記外気導入孔を閉塞する第2閉塞部と、が配設されていることを特徴とする請求項2に記載の計量容器。 - 前記計量部材は、前記容器本体の前記口部に装着された下側周壁部と、前記下側周壁部に装着された上側周壁部と、を有し、
前記下側周壁部および前記上側周壁部の少なくとも一方が、透明または半透明であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の計量容器。 - 前記下側周壁部および前記上側周壁部の色が、互いに異なっていることを特徴とする請求項4に記載の計量容器。
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