図1は、プリンター1(印刷装置)の正面側を示す概略斜視図である。
図1において、X方向は、キャリッジ22が走査する走査方向を示し、また、プリンター1の幅方向を示す。X方向のうち+X方向は、プリンター1を正面視した場合の左方向を示し、−X方向は、プリンター1を正面視した場合の右方向を示す。また、図1において、Y方向は、プリンター1の前後方向を示す。Y方向のうち+Y方向は、プリンター1の前方向を示し、Y方向のうち−Y方向は、プリンター1の後方向を示す。さらに、+Y方向は、メディアMに対して印刷が実行される際のメディアMの搬送方向を示し、−Y方向は、メディアMに対して印刷が実行される際のメディアMの搬送方向とは逆の方向を示す。また、図1において、Z方向は、プリンター1の上下方向を示す。Z方向のうち+Z方向は、プリンター1を設置した際の重力方向に対しての上方向を示し、Z方向のうち−Z方向は、プリンター1を設置した際の重力方向に対しての下方向を示す。
プリンター1は、ホストコンピューター等の外部装置から受信する画像データに基づいて、インクをインクジェット式で吐出することにより文字や画像等を印刷する装置である。特に、本実施形態のプリンター1は、比較的大型のメディアMに対して印刷を実行するラージフォーマットプリンター(LFP)である。
メディアMとしては、例えば、上質紙や、キャスト紙、アート紙、コート紙、合成紙、PET(Polyethylene terephthalate)やPP(Polypropylene)等から成るフィルム、布帛等の印刷媒体を採用できる。また、メディアMとしては、例えば最大73インチの幅を有する印刷媒体を採用できる。
図1に示すように、プリンター1は、プリンター本体2と、脚部3とを備える。プリンター1は、プリンター本体2に対して脚部3が取り付けられる。なお、脚部3は、プリンター本体2に対して取り外し可能に構成されてもよい。
脚部3は、移動用のコロ31を有する2本の支持柱32を備える。なお、脚部3は、この2本の支持柱32の間に掛け渡される補強棒(不図示)も備えていてもよい。支持柱32の上側には、プリンター本体2がネジ等の固定部材により固定される。支持柱32の間には、例えば排紙口40(後述)から排紙されるメディアMを受ける装置が配置可能に所定のスペースが設けられる。
プリンター本体2は、上側本体2aと下側本体2bとを備える。プリンター1の全面には、上側本体2aと下側本体2bとの間にX方向に沿って延びる排紙口40が形成される。排紙口40からは、メディアMを指示するプラテン41が前方に突出している。排紙口40は、プリンター1により文字や画像等が印刷されたメディアMをプラテン41で支持しつつ、プリンター1の外部に排紙する。
プリンター本体2のうち上側本体2aは、内部に、印刷部20を備える。図1に示すように、印刷部20は、インクジェットヘッド21、キャリッジ22、及び、ガイド軸23を備える。
キャリッジ22は、インクを吐出するインクジェットヘッド21を搭載し、ガイド軸23が延びる方向(すなわち走査方向)に案内されて往復移動する。インクジェットヘッド21は、図示せぬインク貯留部が貯留するインクを吐出可能な、複数のノズルを有する。インクジェットヘッド21は、例えばシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及び、ブラック(K)の各色のインクを、インク貯留部から供給され、搬送方向に搬送されるメディアMの印刷面に吐出する。
プリンター本体2の上側本体2aは、上蓋50を備える。上蓋50は、印刷部20に対して前方側に設けられており、インクジェットヘッド21や、キャリッジ22等が露出しないように印刷部20を覆うように構成される。例えば、上蓋50は、プリンター1の上方向に押し上げられることにより開状態となり、プリンター1の下方向に押し下げられることにより閉状態になる。
プリンター本体2の上側本体2aは、プリンター1の前方向に向かうにつれて下り傾斜する傾斜部60を備える。傾斜部60の右側上方であって、且つ、上蓋50でない箇所には、ユーザーの操作を受け付けるタッチパネル70が設けられる。
図2は、プリンター1の構成を示す図である。
図2に示すように、プリンター1は、制御部100と、記憶部101と、通信部102と、ユーザーインターフェース部103と、印刷部20と、駆動部104と、搬送部105と、加熱部106と、電源部107と、画像処理部108と、吐出データ処理部109とを備える。
制御部100は、CPU(プロセッサー)や、ROM、RAM、ASIC、信号処理回路等を備え、プリンター1の各部を制御する。制御部100は、例えばCPUが、ROMや後述する記憶部101等に記憶されたプログラムをRAMに読み出して処理を実行し、また、例えばASICに実装された機能により処理を実行し、また、例えば信号処理回路で信号処理を行って処理を実行する等、ハードウェア及びソフトウェアにより処理を実行する。制御部100は、後述するPC基板204に実装される。
記憶部101は、ハードディスクや、EEPROM、SSD(Solid State Drive)等の不揮発性メモリーを備え、各種データを書き換え可能に記憶する。記憶部101は、後述するPC基板204に実装される。
通信部102は、制御部100の制御で所定の通信規格に従って、ホストコンピューター等の外部装置と通信する。通信部102は、後述するPC基板204に実装される。
ユーザーインターフェース部103は、プリンター1に設けられたタッチパネル70と、ユーザーがプリンター1を操作するための操作スイッチ71とを備える。ユーザーインターフェース部103は、タッチパネル70、及び、操作スイッチ71に対するユーザーの操作を検出し、制御部100に出力する。制御部100は、ユーザーインターフェース部103からの入力に基づいて、タッチパネル70、及び、操作スイッチ71に対するユーザーの操作に対応する処理を実行する。ユーザーインターフェース部103は、後述するユーザーインターフェース基板202に実装される。
印刷部20は、上述したキャリッジ22や、キャリッジ22に搭載されるインクジェットヘッド21、インクジェットヘッド21を駆動する駆動回路(不図示)、キャリッジ22を走査方向に走査させるキャリッジ駆動モーター114、キャリッジ制御基板307(後述)、ヘッドコントロール基板308(後述)、その他のメディアMへの印刷に関する構成を備える。印刷部20は、制御部100の制御で、メディアMに文字や画像等を印刷する。
駆動部104は、メカ機構制御基板301(後述)や、モーター制御基板304(後述)等のメカを駆動させる機構を備え、制御部100の制御に従って、メカを駆動させる。特に、駆動部104は、キャリッジ駆動モーター114、及び、搬送モーター125を駆動させる。
搬送部105は、メディアMを搬送するためのローラーを回転駆動させる搬送モーター125、メカ中継基板302(後述)、メカ中継基板303(後述)、その他のメディアMの搬送に関する構成を備える。搬送部105は、制御部100の制御で、少なくともメディアMを搬送方向に搬送する。
加熱部106は、例えばプラテン41を加熱するプラテンヒーター等のメディアMの加熱に関する構成を備え、制御部100の制御で、搬送されるメディアMを加熱する。
電源部107は、商用交流電源DK(図3参照)と接続し、整流、平滑、及び、電圧変換を実行して、直流の電力をプリンター1の各部に供給する。電源部107は、電圧変換基板200(後述)と、電力分配基板201(電源基板)(後述)とを備える。
画像処理部108は、CPU(プロセッサー)や、ROM、RAM、ASIC、信号処理回路等を備え、外部装置から受信し記憶部101に記憶された画像データに対して、解像度変換処理や、色変換処理、ハーフトーン処理等の各種処理を実行する。画像処理部108は、後述する画像処理基板305に実装される。以下の説明では、画像処理部108が画像データに基づいて各種処理を実行する対象のデータも、印刷データと表現する。
解像度変換処理は、記憶部101から読み出した画像データを、設定された解像度の印刷データに変換する処理である。例えば、印刷データの解像度が600×600dpiに設定されている場合、画像処理部108は、ベクター形式の画像データを600×600dpiの解像度のビットマップ形式の印刷データに変換する。解像度変換処理後の印刷データは、マトリクス状に配置された画素を示す画素データから構成される。各画素データは、RGB色空間の例えば256階調の階調値を有するデータである。
色変換処理は、例えば、RGB色空間の印刷データをCMYK色空間の印刷データに変換する処理である。CMYK色とは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)であり、CMYK色空間の印刷データは、プリンター1が有するインクの色に対応したデータである。従って、例えば、プリンター1がCMYK色系の4種類のインクを使用する場合に、画像処理部108は、RGB色空間の印刷データに基づいて、CMYK色系の4次元空間の印刷データを生成する。この色変換処理は、RGB色空間における階調値とCMYK色空間における階調値とを対応づけたテーブル(いわゆる、ルックアップテーブル(LUT))に基づいて実行される。なお、色変換処理後の印刷データは、CMYK色空間により表現される印刷データである。
ハーフトーン処理は、高階調数(256階調)の印刷データを、プリンター1が形成可能な階調数の印刷データに変換する処理である。このハーフトーン処理により、256階調を示す印刷データは、例えば、2階調(ドット有り、無し)を示す1ビットの印刷データや、4階調(ドット無し、小ドット、中ドット、大ドット)を示す2ビットの印刷データ等に変換される。具体的には、階調値(0〜255)とドット生成率とが対応したドット生成率テーブルから、階調値に対応するドットの生成率(例えば、4階調の場合は、ドット無し、小ドット、中ドット、大ドットのそれぞれの生成率)を求め、得られた生成率において、ディザ法・誤差拡散法等のアルゴリズムに基づいて、ドットが分散して形成されるように印刷データが作成される。
なお、画像処理部108は、これら各種処理を全て実行する構成に限定されず、例えば、外部装置が色変換処理まで実行した画像データを送信した場合、色変換処理後の処理のみを当該画像データに実行する構成でもよい。
吐出データ処理部109は、例えばCPU(プロセッサー)や、ROM、RAM、ASIC、信号処理回路等を備え、ハーフトーン処理が完了した印刷データに対して、ラスタライズ処理や、コマンド付加処理等を実行し、印刷データを生成する。吐出データ処理部109は、後述する吐出データ処理基板306に実装される。
ラスタライズ処理は、マトリクス状に並ぶ画素データ(例えば、上記のように1ビットや2ビットのデータ)を、印刷時のドット形成順序に従って並べ替える処理である。マトリクス状に並ぶ画素データは、印刷画像を構成する各ラスタラインを形成する実際のノズルに割り付けられる。
コマンド付加処理は、ラスタライズ処理された印刷データに、プリンター1の印刷の動作に応じたコマンドを付加する処理である。コマンドとしては、例えば、メディアMの搬送(搬送方向への移動量や速度等)を指示するコマンド等が挙げられる。
また、吐出データ処理部109は、上記の各種処理を実行した印刷データに基づいて、印刷部20に対して、インクを吐出するノズルの選択や、吐出する量、吐出するタイミング等を制御する制御信号を出力する。また、吐出データ処理部109は、上記の各種処理を実行した印刷データに基づいてキャリッジ22が走査する方向や、走査量、走査速度等を制御する制御信号を駆動部104に対して出力する。また、吐出データ処理部109は、上記の各種処理を実行した印刷データに基づいて、メディアMを搬送する搬送量や、搬送速度等を制御する制御信号を駆動部104に対して出力する。
また、吐出データ処理部109は、インクジェットヘッド21にインクを供給するインクタンク(不図示)が貯留するインク量を管理するチップ(不図示)(所定の記憶領域)に対して、例えば、使用したインク量の書き込みを実行する。
以上の構成により、プリンター1は、ガイド軸23に沿ってキャリッジ22を走査方向に走査させながらインクジェットヘッド21からインクを吐出する動作と、搬送部105によりメディアMを搬送方向に搬送する動作とを繰り返して、メディアMに文字や画像等を印刷する。
次に、プリンター1が備える各基板の接続態様について説明する。
図3は、プリンター1が備える各基板の接続態様を模式的に示す図である。特に、図3は、電力供給に係る接続態様について模式的に示す図である。
図3に示すように、プリンター1は、電圧変換基板200と、電力分配基板201と、ユーザーインターフェース基板202と、印刷制御基板203(制御基板)と、PC基板204とを備える。
電圧変換基板200は、商用交流電源DKに接続し、商用交流電源DKから供給された電力に対して、整流、平滑、及び、電圧変換し、変換した電圧を示す電力を電力分配基板201に供給する基板である。電圧変換基板200は、例えばプリンター1の下側本体2bの内部に配置される。本実施形態の電圧変換基板200は、第1変換回路200aと、第2変換回路200bと、第3変換回路200cとを備える。第1変換回路200aは、例えば100ボルト(V)の交流電力を42ボルト(V)の直流電力に変換し、変換した42ボルト(V)の電力を電力分配基板201の電力供給ラインDL1に供給する。第2変換回路200bは、例えば100ボルト(V)の交流電力を24ボルト(V)の直流電力に変換し、変換した24ボルト(V)の電力を電力分配基板201の電力供給ラインDL1に供給する。第3変換回路200cは、例えば100ボルト(V)の交流電力を12ボルト(V)の直流電力に変換し、変換した12ボルト(V)の電力を電力分配基板201の電力供給ラインDL2に供給する。
次に、電力分配基板201の前に、ユーザーインターフェース基板202と、印刷制御基板203と、PC基板204とについて説明する。
ユーザーインターフェース基板202は、図2に示すユーザーインターフェース部103に係る回路を実装する。ユーザーインターフェース基板202は、ユーザーの操作を検出する操作検出回路202a(検出回路)を実装する(有する)。操作検出回路202aは、例えばタッチパネル70のタッチセンサーに相当し、ユーザーのタッチ操作を検出する。また、操作検出回路202aは、操作スイッチ71に対するユーザーの操作を検出する。また、ユーザーインターフェース基板202は、PC基板204(後述)から、各動作制御基板(後述)の状態を取得する状態取得回路202bを実装する(有する)。動作制御基板の状態としては、起動状態や、停止状態、エラー状態等が挙げられる。状態取得回路202bは、各動作制御基板の状態に応じた信号を電力分配基板201の分配基板制御IC(Integrated Circuit)211(電源切替回路)に出力する。この信号を出力することは、ユーザーインターフェース基板202からの指示に相当する。状態取得回路202bは、印刷制御基板203が備える各動作制御基板と接続し、各動作制御基板について、動作制御基板の状態を監視する。例えば、状態取得回路202bは、各動作制御基板に所定の信号を送信し、送信した信号に対する応答の有無等により動作制御基板の状態を監視する。なお、状態取得回路202bの監視方法については、いずれの方法を採用できる。
ユーザーインターフェース基板202は、例えばプリンター1の上側本体2aの内部において、右側上方に配置される。ユーザーインターフェース基板202は、電力分配基板201の分配基板制御IC211と接続し、操作検出回路202aの検出結果を分配基板制御IC211に出力する。検出結果を出力することも、ユーザーインターフェース基板202からの指示に相当する。
印刷制御基板203は、印刷に係る動作を制御する動作制御基板を複数集合した総称を示し、動作制御基板として、メカ機構制御基板301、メカ中継基板302、メカ中継基板303、モーター制御基板304、画像処理基板305、吐出データ処理基板306、キャリッジ制御基板307、及び、ヘッドコントロール基板308を含む。
メカ機構制御基板301は、メディアMを搬送する搬送モーター125の駆動制御や、キャリッジ駆動モーター114の駆動制御、プリンター1の内部を照らす照明LEDの点灯及び消灯の制御、キャリッジ22のHOME側及びFULL側における位置するか否かを検出するセンサーの駆動制御等を実行する基板である。メカ機構制御基板301は、例えばプリンター1の下側本体2bの内部に配置される。HOME側とは、キャリッジ22の走査方向において、例えばクリーニング等のインクジェットヘッド21に対してメンテナンスを実行するメンテナンス機構が設けられる側であり、本実施形態ではプリンター1の右側(−X側)に相当する。FULL側とは、キャリッジ22の走査方向においてHOME側と逆の側を示し、本実施形態ではプリンター1の左側(+X側)を示す。
なお、本実施形態では、メカ機構制御基板301は、搬送モーター125、及び、キャリッジ駆動モーター114を制御する場合、モーター制御基板304を介して制御する。
メカ中継基板302は、メカ機構制御基板301と、HOME側に配置されるメカとの中継基板である。メカ中継基板302は、例えばプリンター1の上側本体2aの右側に配置される。HOME側に配置されるメカとしては、インクジェットヘッド21に対してクリーニングを実行するクリーニングボックスや、メディアMをプラテン41上に搬送するペーパーフィード用のモーター等が挙げられる。メカ中継基板302は、例えば、クリーニングボックスによるクリーニングを駆動制御し、また、ペーパーフィードに際し当該モーターを駆動制御する。なお、メカ中継基板302は、ペーパーフィード用のモーターを駆動制御する場合、図2に示すように搬送部105に含まれる。
メカ中継基板303は、メカ機構制御基板301と、FULL側に配置されるメカとの中継基板である。メカ中継基板302は、例えばプリンター1の上側本体2aの左側に配置される。FULL側に配置されるメカとしては、メディアMをプラテン41上に搬送するペーパーフィード用のモーター等が挙げられる。なお、メカ中継基板303は、ペーパーフィード用のモーターを駆動制御する場合、図2に示すように搬送部105に含まれる。
モーター制御基板304は、メカ機構制御基板301の制御に従って、キャリッジ駆動モーター114、及び、搬送モーター125を駆動制御する基板である。モーター制御基板304は、例えばプリンター1の上側本体2aの右側に配置される。キャリッジ駆動モーター114は、モーター制御基板304の制御に従って駆動し、キャリッジ22を走査方向に走査させる。搬送モーター125は、モーター制御基板304の制御に従って駆動し、メディアMを少なくとも搬送方向に搬送させる。
画像処理基板305は、画像処理部108に係る回路を実装し、外部装置から受信した画像データに対して、解像度変換処理や、色変換処理、ハーフトーン処理等の各種処理を実行する基板である。画像処理基板305は、例えばプリンター1の上側本体2aの内部において、右側上方に配置される。
吐出データ処理基板306は、吐出データ処理部109に係る回路を実装し、画像処理基板305が処理した印刷データに対して、ラスタライズ処理や、コマンド付加処理等を実行する基板である。また、吐出データ処理基板306は、生成した印刷データに基づいて、インクを吐出するノズルの選択や、吐出する量、吐出するタイミング、キャリッジ22が走査する方向、キャリッジ22の走査量、キャリッジ22の走査速度等を制御する制御信号を出力する。また、吐出データ処理基板306は、上記の各種処理を実行した印刷データに基づいて、搬送部105に対して、メディアMを搬送する搬送量や、メディアMを搬送する搬送速度等を制御する制御信号を出力する。また、吐出データ処理基板306は、上述したチップに対して使用したインク量を書き込む。吐出データ処理基板306は、例えばプリンター1の上側本体2aの内部において、右側上方に配置される。
キャリッジ制御基板307は、キャリッジ22上に配置される基板であり、例えばSOC(System-on-Chip)を実装し、キャリッジ22の各部を制御する基板である。キャリッジ制御基板307は、例えば、吐出データ処理基板306から入力された制御信号をヘッドコントロール基板308に入力する。
ヘッドコントロール基板308は、キャリッジ22上に配置される基板であり、インクジェットヘッド21によるインクの吐出を制御する基板である。ヘッドコントロール基板308は、キャリッジ制御基板307から入力される制御信号に基づいて、インクジェットヘッド21にインクを吐出させるデータ(例えば2ビットのデータ)を出力し、インクジェットヘッド21に対してインク吐出を制御する。
本実施形態の動作制御基板は、メカ制御基板とデータ処理基板とに大別される。
メカ制御基板とは、搬送モーター125や、キャリッジ駆動モーター114、キャリッジ22、インクジェットヘッド21、HOME側及びFULL側に配置されるセンサー、クリーニングボックス等の印刷に係るメカを制御する動作制御基板を示す。本実施形態においてメカ制御基板に相当する動作制御基板は、メカ機構制御基板301、メカ中継基板302、メカ中継基板303、モーター制御基板304、及び、ヘッドコントロール基板308である。
データ処理基板とは、印刷に係るデータを処理する動作制御基板を示す。本実施形態においてデータ処理基板は、画像処理基板305、吐出データ処理基板306、及び、キャリッジ制御基板307である。
PC基板204は、制御部100に係る回路、記憶部101に係る回路、通信部102に係る回路を実装する基板であり、例えばプリンター1の上側本体2aにおいて、右側上方に配置される。
電力分配基板201は、分配基板制御IC211と、電力供給異常検出回路212とを備える。分配基板制御IC211は、例えば集積回路により構成され、電力分配基板201の各部を制御する。分配基板制御IC211は、分配基板制御回路211aと、分配基板記憶回路211b(記憶回路)とを備える。
分配基板制御回路211aは、例えばCPU(プロセッサー)を備え、電力分配基板201の各部を制御する。
分配基板記憶回路211bは、EEPROM等の不揮発性メモリーを備え、各種データを書き換え可能に記憶する。また、分配基板記憶回路211bは、順序DB211cを記憶する。順序DB211cについては、後述する。
電力供給異常検出回路212は、電源状態ラインDJL(後述)を介して、電圧変換基板200と接続し、電圧変換基板200から出力される信号に基づいて、電圧変換基板200からの電力供給状態の異常を検出する。電圧変換基板200からの電力供給状態の異常とは、本実施形態において、電圧変換基板200と商用交流電源DKとの接続が遮断され、電圧変換基板200からの電力供給が停止したことを示す。
図3に示すように、電力分配基板201は、スイッチ回路SW1〜スイッチ回路SW11と、電力供給ラインDL1と、電力供給ラインDL2と、状態切替ラインJKLと、電源状態ラインDJLと、電源投入ラインDTLとを備える。電力供給ラインDL1は、前述した通り、42ボルト(V)の電力、及び、24ボルト(V)の電力を供給するラインである。電力供給ラインDL2は、前述した通り、12ボルト(V)の電力を供給するラインである。状態切替ラインJKLは、分配基板制御IC211とスイッチ回路SW2〜スイッチ回路SW11のそれぞれとの間に設けられ、スイッチ回路SW2〜スイッチ回路SW11のそれぞれの状態を切り替える信号が分配基板制御IC211から入力されるラインである。電源状態ラインDJLは、商用交流電源DKの状態を示す信号が電圧変換基板200から入力されるラインである。電源投入ラインDTLは、プリンター1に対する電源投入を示す信号が電圧変換基板200から入力されるラインである。
スイッチ回路SW1は、電源投入ラインDTLと、電力供給ラインDL1と、ユーザーインターフェース基板202とに接続する。スイッチ回路SW1は、電源投入ラインDTLを介した電源投入を示す信号の入力の有無に応じて、ユーザーインターフェース基板202の状態を、電力供給を停止する状態(以下、「停止状態」と表現する)から、電力を供給する状態(以下、「供給状態」と表現する)に切り替える。スイッチ回路SW2が供給状態である場合、ユーザーインターフェース基板202には、電力供給ラインDL1からスイッチ回路SW1を介して24ボルト(V)の電力が供給される。
スイッチ回路SW2は、状態切替ラインJKLと、電力供給ラインDL1と、メカ機構制御基板301とに接続する。スイッチ回路SW2は、状態切替ラインJKLを介して分配基板制御IC211から状態を切り替える信号が入力された場合、当該信号に基づいて、メカ機構制御基板301の状態を、停止状態、又は、供給状態に切り替える。スイッチ回路SW2が供給状態である場合、メカ機構制御基板301には、電力供給ラインDL1からスイッチ回路SW2を介して42ボルト(V)の電力が供給される。
スイッチ回路SW3は、状態切替ラインJKLと、電力供給ラインDL1と、メカ機構制御基板301とに接続する。スイッチ回路SW3は、状態切替ラインJKLを介して分配基板制御IC211から状態を切り替える信号が入力された場合、当該信号に基づいて、メカ機構制御基板301の状態を、停止状態、又は、供給状態に切り替える。スイッチ回路SW3が供給状態である場合、メカ機構制御基板301には、電力供給ラインDL1からスイッチ回路SW2を介して24ボルト(V)の電力が供給される。
スイッチ回路SW4は、状態切替ラインJKLと、電力供給ラインDL1と、メカ中継基板302とに接続する。スイッチ回路SW4は、状態切替ラインJKLを介して分配基板制御IC211から状態を切り替える信号が入力された場合、当該信号に基づいて、メカ中継基板302の状態を、停止状態、又は、供給状態に切り替える。スイッチ回路SW4が供給状態である場合、メカ中継基板302には、電力供給ラインDL1からスイッチ回路SW4を介して24ボルト(V)の電力が供給される。
スイッチ回路SW5は、状態切替ラインJKLと、電力供給ラインDL1と、メカ中継基板303とに接続する。スイッチ回路SW5は、状態切替ラインJKLを介して分配基板制御IC211から状態を切り替える信号が入力された場合、当該信号に基づいて、メカ中継基板303の状態を、停止状態、又は、供給状態に切り替える。スイッチ回路SW5が供給状態である場合、メカ中継基板303には、電力供給ラインDL1からスイッチ回路SW5を介して24ボルト(V)の電力が供給される。
スイッチ回路SW6は、状態切替ラインJKLと、電力供給ラインDL1と、モーター制御基板304とに接続する。スイッチ回路SW6は、状態切替ラインJKLを介して分配基板制御IC211から状態を切り替える信号が入力された場合、当該信号に基づいて、モーター制御基板304の状態を、停止状態、又は、供給状態に切り替える。スイッチ回路SW6が供給状態である場合、モーター制御基板304には、電力供給ラインDL1からスイッチ回路SW6を介して42ボルト(V)の電力が供給される。
スイッチ回路SW7は、状態切替ラインJKLと、電力供給ラインDL1と、画像処理基板305とに接続する。スイッチ回路SW7は、状態切替ラインJKLを介して分配基板制御IC211から状態を切り替える信号が入力された場合、当該信号に基づいて、画像処理基板305の状態を、停止状態、又は、供給状態に切り替える。スイッチ回路SW7が供給状態である場合、画像処理基板305には、電力供給ラインDL1からスイッチ回路SW7を介して42ボルト(V)の電力が供給される。
スイッチ回路SW8は、状態切替ラインJKLと、電力供給ラインDL1と、吐出データ処理基板306と、に接続する。スイッチ回路SW8は、状態切替ラインJKLを介して分配基板制御IC211から状態を切り替える信号が入力された場合、当該信号に基づいて、吐出データ処理基板306の状態を、停止状態、又は、供給状態に切り替える。スイッチ回路SW8が供給状態である場合、吐出データ処理基板306には、電力供給ラインDL1からスイッチ回路SW7を介して24ボルト(V)の電力が供給される。
スイッチ回路SW9は、状態切替ラインJKLと、電力供給ラインDL1と、ヘッドコントロール基板308とに接続する。スイッチ回路SW9は、状態切替ラインJKLを介して分配基板制御IC211から状態を切り替える信号が入力された場合、当該信号に基づいて、ヘッドコントロール基板308の状態を、停止状態、又は、供給状態に切り替える。スイッチ回路SW9が供給状態である場合、キャリッジ制御基板307には、ヘッドコントロール基板308を介して、電力供給ラインDL1からスイッチ回路SW9を介して24ボルト(V)の電力が供給される。
スイッチ回路SW10は、状態切替ラインJKLと、電力供給ラインDL1と、ヘッドコントロール基板308とに接続する。スイッチ回路SW10は、状態切替ラインJKLを介して分配基板制御IC211から状態を切り替える信号が入力された場合、当該信号に基づいて、ヘッドコントロール基板308の状態を、停止状態、又は、供給状態に切り替える。スイッチ回路SW10が供給状態である場合、ヘッドコントロール基板308には、電力供給ラインDL1からスイッチ回路SW9を介して42ボルト(V)の電力が供給される。
スイッチ回路SW11は、状態切替ラインJKLと、電力供給ラインDL2と、PC基板204とに接続する。スイッチ回路SW11は、状態切替ラインJKLを介して分配基板制御IC211から状態を切り替える信号が入力された場合、当該信号に基づいて、PC基板204の状態を、停止状態、又は、供給状態に切り替える。スイッチ回路SW11が供給状態である場合、PC基板204には、電力供給ラインDL2からスイッチ回路SW11を介して12ボルト(V)の電力が供給される。
電源状態ラインDJLは、電圧変換基板200と、電力供給異常検出回路212と、ユーザーインターフェース基板202、メカ機構制御基板301、モーター制御基板304、画像処理基板305、及び、吐出データ処理基板306のそれぞれとに接続する。メカ機構制御基板301に対し電源状態ラインDJLから入力された信号は、メカ機構制御基板301を介してメカ中継基板302、及び、メカ中継基板303に入力される。また、吐出データ処理基板306に対し電源状態ラインDJLから入力された信号は、吐出データ処理基板306を介してキャリッジ制御基板307に入力される。
以上のように、本実施形態のプリンター1は、複数の動作制御基板を備える。プリンター1は、複数の動作制御基板に、動作停止や、動作実行、動作停止に伴うデータの書き込み等の所定の動作を実行させるため、複数の動作制御基板に対して電力供給を制御する。
ここで、複数の動作制御基板に対して同時に電力供給を制御する構成が考えられるが、この構成では、例えば複数の動作制御基板に動作を実行させる際に電力不足が発生する可能性があり、プリンター1は、正常に複数の動作制御基板に動作を実行させることができない虞がある。
そこで、プリンター1には、同時に電力供給を制御することなく、順番に複数の動作制御基板のそれぞれに対して電力供給する構成が考えられる。しかしながら、この構成では、電力供給の順番が適切でないと、動作停止時に書き込むべきデータを書き込めなかったり動作開始時にメカが誤動作してしまったりし、複雑な電力供給の制御が要する可能性がある。
そこで、本実施形態のプリンター1は、以下に示す動作を実行し、複雑な制御を要することなく動作制御基板に電力を供給し、容易に複数の動作制御基板を動作させるようにする。
以下、複数の電力供給態様を例示して、本実施形態のプリンター1の動作を説明する。
<電源投入時>
まず、電源投入時における本実施形態のプリンター1の動作について説明する。
図4は、プリンター1の動作を示すフローチャートである。
図4のフローチャートの開始時点では、スイッチ回路SW1〜スイッチ回路SW11の状態が停止状態であるとする。
図4に示すように、ユーザーによりスイッチの操作や商用交流電源DKに対するケーブルの差し込み等によって、プリンター1への電源投入が指示されると(ステップS1)、電圧変換基板200は、電力分配基板201の電源投入ラインDTLに、電源が投入されたことを示す電源投入信号を入力する(ステップSA1)。
電源投入信号が入力されるとスイッチ回路SW1の状態が供給状態となり、電力分配基板201は、ユーザーインターフェース基板202に42ボルト(V)の電力を供給する(ステップSA2)。
ユーザーインターフェース基板202は、電力分配基板201から電力が供給されると、動作を開始し、電力分配基板201の分配基板制御IC211に電力が供給されたことを示す信号を出力する(ステップSA3)。この信号の出力は、ユーザーインターフェース基板202からの指示に相当する。
分配基板制御IC211の分配基板制御回路211aは、ユーザーインターフェース基板202から当該信号が入力されると、分配基板記憶回路211bが記憶する順序DB211cの順序データJDに基づいて、スイッチ回路SW2〜スイッチ回路SW11のそれぞれの状態を切り替えることで、複数の動作制御基板、及び、PC基板204への電力供給状態を切り替えていく(ステップSA4)。
順序DB211cは、電力供給状態の切り替えの順序に係るデータである順序データJDを複数格納するデータベースである。本実施形態の順序DB211cは、電力供給状態を停止状態から供給状態に切り替える際の順序に係る順序データJD1と、電力供給状態を供給状態から停止状態に切り替える際の順序に係る順序データJD2とを格納する。
図5Aは、順序データJD1の一例を示す図である。
順序データJD1は、電力供給状態を切り替える順序を示す順序情報を格納する順序フィールドF1と、電力供給状態を切り替える対象の基板を示す基板情報を格納する基板フィールドF2と、電力供給状態の切り替えるために切り替え対象となるスイッチ回路を示すスイッチ回路情報をスイッチ回路フィールドF3と、電力供給状態を切り替えるタイミングを示すタイミング情報を格納するタイミングフィールドF4とが対応付く。
図5Aに示す順序データJD1では、順序フィールドF1に「1」を格納するレコードR1は、基板フィールドF2に「キャリッジ制御基板」を示す基板情報を格納し、スイッチ回路フィールドF3に「スイッチ回路SW9」を示すスイッチ回路情報を格納し、タイミングフィールドF4に「t1」を示すタイミング情報を格納する。
また、図5Aに示す順序データJD1では、順序フィールドF1に「2」を格納するレコードR2は、基板フィールドF2に「画像処理基板」を示す基板情報を格納し、スイッチ回路フィールドF3に「スイッチ回路SW7」を示すスイッチ回路情報を格納し、タイミングフィールドF4に「t2」を示すタイミング情報を格納する。
図5Aに示す順序データJD1では、順序フィールドF1に「3」を格納するレコードR3は、基板フィールドF2に「吐出データ処理基板」を示す基板情報を格納し、スイッチ回路フィールドF3に「スイッチ回路SW8」を示すスイッチ回路情報を格納し、タイミングフィールドF4に「t3」を示すタイミング情報を格納する。
図5Aに示す順序データJD1では、順序フィールドF1に「4」を格納するレコードR4は、基板フィールドF2に「メカ機構制御基板」を示す基板情報を格納し、スイッチ回路フィールドF3に「スイッチ回路SW2」と「スイッチ回路SW3」を示すスイッチ回路情報を格納し、タイミングフィールドF4に「t4」を示すタイミング情報を格納する。
図5Aに示す順序データJD1では、順序フィールドF1に「5」を格納するレコードR5は、基板フィールドF2に「モーター制御基板」を示す基板情報を格納し、スイッチ回路フィールドF3に「スイッチ回路SW6」を示すスイッチ回路情報を格納し、タイミングフィールドF4に「t5」を示すタイミング情報を格納する。
図5Aに示す順序データJD1では、順序フィールドF1に「6」を格納するレコードR6は、基板フィールドF2に「メカ中継基板」を示す基板情報を格納し、スイッチ回路フィールドF3に「スイッチ回路SW4」を示すスイッチ回路情報を格納し、タイミングフィールドF4に「t6」を示すタイミング情報を格納する。
図5Aに示す順序データJD1では、順序フィールドF1に「7」を格納するレコードR7は、基板フィールドF2に「メカ中継基板」を示す基板情報を格納し、スイッチ回路フィールドF3に「スイッチ回路SW5」を示すスイッチ回路情報を格納し、タイミングフィールドF4に「t7」を示すタイミング情報を格納する。
図5Aに示す順序データJD1では、順序フィールドF1に「8」を格納するレコードR8は、基板フィールドF2に「ヘッドコントロール基板」を示す基板情報を格納し、スイッチ回路フィールドF3に「スイッチ回路SW10」を示すスイッチ回路情報を格納し、タイミングフィールドF4に「t8」を示すタイミング情報を格納する。
図5Aに示す順序データJD1では、順序フィールドF1に「9」を格納するレコードR9は、基板フィールドF2に「PC基板」を示す基板情報を格納し、スイッチ回路フィールドF3に「スイッチ回路SW11」を示すスイッチ回路情報を格納し、タイミングフィールドF4に「t9」を示すタイミング情報を格納する。
このように、図5Aに示す順序データJD1は、キャリッジ制御基板307、画像処理基板305、吐出データ処理基板306、メカ機構制御基板301、モーター制御基板304、メカ中継基板302、メカ中継基板303、ヘッドコントロール基板308、PC基板204の順で電力供給状態を切り替えるデータを格納する。
なお、タイミングフィールドF4が格納するタイミング情報は、分配基板制御ICが電力供給状態を切り替えるトリガーを受信してから電力供給状態の切り替えを開始するまでの期間を示し、順序が大きくなればなるほど大きい格納されるタイミングは大きい値となる。したがって、図5Aに示すタイミング情報は、t1、t2、t3、t4、t5、t6、t7、t8、t9の順で大きい値となる。
図5Bは、順序データJD2の一例を示す図である。
順序データJD2は、順序フィールドF1と、基板フィールドF2と、スイッチ回路フィールドF3と、タイミングフィールドF4とが対応付く。
図5Aと図5Bとを比較して明らかな通り、電力供給状態を停止状態にする際の順序データJD2は、順序データJD1と逆の順序でレコードを格納している。すなわち、順序データJD2は、PC基板204、ヘッドコントロール基板308、メカ中継基板303、メカ中継基板302、モーター制御基板304、メカ機構制御基板301、吐出データ処理基板306、画像処理基板305、キャリッジ制御基板307の順で電力供給状態を切り替えるデータを格納する。
なお、順序データJD1と同様、タイミングフィールドF4が格納するタイミング情報は、分配基板制御ICが電力供給状態を切り替えるトリガーを受信してから電力供給状態の切り替えを開始するまでの期間を示し、順序が大きくなればなるほど大きい格納されるタイミングは大きい値となる。したがって、図5Bに示すタイミング情報は、ta、tb、tc、td、te、tf、tg、th、tiの順で大きい値となる。
図6は、動作制御基板、及び、PC基板204に対する電力供給状態の切り替えを示すタイミングチャートである。特に、図6に示すタイミングチャートは、図5Aに示す順序データJD1に従って電力供給状態を供給状態に切り替る際のタイミングチャートである。
図6に示すタイミングチャートAは、キャリッジ制御基板307に対する電力供給状態の切り替えを示すタイミングチャートである。また、タイミングチャートBは、画像処理基板305に対する電力供給状態の切り替えを示すタイミングチャートである。また、タイミングチャートCは、吐出データ処理基板306に対する電力供給状態の切り替えを示すタイミングチャートである。また、タイミングチャートDは、メカ機構制御基板301に対する電力供給状態の切り替えを示すタイミングチャートである。また、タイミングチャートEは、モーター制御基板304に対する電力供給状態の切り替えを示すタイミングチャートである。また、タイミングチャートFは、メカ中継基板302に対する電力供給状態の切り替えを示すタイミングチャートである。また、タイミングチャートGは、メカ中継基板303に対する電力供給状態の切り替えを示すタイミングチャートである。また、タイミングチャートHは、ヘッドコントロール基板308に対する電力供給状態の切り替えを示すタイミングチャートである。また、タイミングチャートIは、PC基板204に対する電力供給状態の切り替えを示すタイミングチャートである。
タイミングt0において、分配基板制御IC211に、ユーザーインターフェース基板202から電力が供給されたことを示す信号が入力されたとする。分配基板制御IC211は、当該信号の入力をトリガーとして、電力供給状態の切り替えを開始する。
タイミングt0から期間が経過しタイミングt1に至ると、図6のタイミングチャートAに示すように、分配基板制御IC211は、状態切替ラインJKLを介してスイッチ回路SW9の状態を供給状態にし、キャリッジ制御基板307への電力供給状態を停止状態から供給状態に切り替える。キャリッジ制御基板307は、電力が供給されると、タイミングt1以降、動作を開始する。
さらに期間が経過しタイミングt2に至ると、図6のタイミングチャートBに示すように、分配基板制御IC211は、状態切替ラインJKLを介してスイッチ回路SW7の状態を供給状態にし、画像処理基板305への電力供給状態を停止状態から供給状態に切り替える。画像処理基板305は、電力分配基板201から電力が供給されると動作を開始し、タイミングt2以降、CPUの初期化やRAM等の不揮発性メモリーの初期化等の起動処理を開始する。
さらに期間が経過しタイミングt3に至ると、図6のタイミングチャートCに示すように、分配基板制御IC211は、状態切替ラインJKLを介してスイッチ回路SW8の状態を供給状態にし、吐出データ処理基板306への電力供給状態を停止状態から供給状態に切り替える。吐出データ処理基板306は、電力が供給されると、タイミングt3以降、動作を開始する。
このように、分配基板制御IC211は、電源投入時、複数の動作制御基板への電力供給を開始する際、メカ制御基板より先に、データ処理基板の電力供給状態を供給状態に切り替える。すなわち、分配基板制御IC211は、複数の動作制御基板への電力供給を開始する際、メカ機構制御基板301、モーター制御基板304、メカ中継基板303、メカ中継基板302、及び、ヘッドコントロール基板308より先に、キャリッジ制御基板307、画像処理基板305、及び、吐出データ処理基板306への電力供給状態を供給状態に切り替える。
メカ制御基板は、データ処理基板が処理するデータに基づいて、各メカを制御している。そのため、メカ制御基板は、データ処理基板より先に電力が供給されてしまうと、各メカを制御する値(例えばステッピング数)が定まっていないことに起因して、対応するメカを誤制御する虞がある。そこで、分配基板制御IC211は、複数の動作制御基板への電力供給を開始する際、メカ制御基板より先に、データ処理基板の電力供給状態を供給状態に切り替えることで、メカ制御基板の誤制御の発生を防止できる。
さらに期間が経過しタイミングt4に至ると、図6のタイミングチャートDに示すように、分配基板制御IC211は、状態切替ラインJKLを介してスイッチ回路SW2、及び、スイッチ回路SW3の状態を供給状態にし、メカ機構制御基板301への電力供給状態を停止状態から供給状態に切り替える。メカ機構制御基板301は、電力が供給されると動作を開始し、タイミングt3以降、キャリッジ22の位置合わせや、メディアMのたるみ取り等の起動処理を実行する。この起動処理を実行することにより、プリンター1は、最適な状態で印刷を開始可能に構成されている。
さらに期間が経過しタイミングt5に至ると、図6のタイミングチャートEに示すように、分配基板制御IC211は、状態切替ラインJKLを介してスイッチ回路SW6の状態を供給状態にし、モーター制御基板304への電力供給状態を停止状態から供給状態に切り替える。モーター制御基板304は、電力が供給されると動作を開始する。
このように、分配基板制御IC211は、複数の動作制御基板に電力供給を開始する際、モーター制御基板304より先に、メカ機構制御基板301への電力供給状態を供給状態に切り替える。前述した通り、モーター制御基板304は、搬送モーター125、及び、キャリッジ駆動モーター114を制御する基板であり、メカ機構制御基板301の制御の下、動作する。ここで、メカ機構制御基板301より先にモーター制御基板304に電力が供給されると、搬送モーター125、及び、キャリッジ駆動モーター114を制御する値が定まっていないため、これらモーターを誤制御する虞がある。これらモーターの誤制御が発生すると、不必要にキャリッジ22が走査方向に移動したりメディアMが搬送方向に搬送されたりする。そこで、分配基板制御IC211は、複数の動作制御基板への電力供給を開始する際、モーター制御基板304より先に、メカ機構制御基板301の電力供給状態を供給状態に切り替えることで、モーター制御基板304の誤制御の発生を防止し、搬送モーター125、及び、キャリッジ駆動モーター114の誤動作を防止できる。
さらに期間が経過しタイミングt6に至ると、図6のタイミングチャートFに示すように、分配基板制御IC211は、状態切替ラインJKLを介してスイッチ回路SW4の状態を供給状態にし、メカ中継基板302への電力供給状態を停止状態から供給状態に切り替える。タイミングt6からさらに期間が経過しタイミングt7に至ると、図6のタイミングチャートGに示すように、分配基板制御IC211は、状態切替ラインJKLを介してスイッチ回路SW5の状態を供給状態にし、メカ中継基板303への電力供給状態を停止状態から供給状態に切り替える。
このように、分配基板制御IC211は、複数の動作制御基板に電力供給を開始する際、メカ中継基板302、及び、メカ中継基板303より先に、メカ機構制御基板301への電力供給状態を供給状態に切り替える。メカ中継基板302、及び、メカ中継基板303は、モーター制御基板304と同様、メカ機構制御基板301の制御で動作し、対応するメカを制御する。ここで、メカ機構制御基板301より先にメカ中継基板302、及び、メカ中継基板303に電力が供給されると、ペーパーフィード用のモーターや、クリーニングボックス等を制御する値が定まっていないため、これらメカを誤制御する虞がある。そこで、分配基板制御IC211は、複数の動作制御基板への電力供給を開始する際、メカ中継基板302、及び、メカ中継基板303より先に、メカ機構制御基板301の電力供給状態を供給状態に切り替えることで、メカ中継基板302、及び、メカ中継基板303の誤制御の発生を防止できる。特に、本実施形態では、タイミングt6、すなわち、メカ中継基板302、及び、メカ中継基板303に対する電力供給を開始するタイミングでは、メカ機構制御基板301の起動動作が終了しているものとする。したがって、上記の順序、且つ、タイミングで電力供給状態を供給状態に切り替えることで、メカ機構制御基板301が起動動作を実行している際に、メカ中継基板302、及び、メカ中継基板303が、ペーパーフィードを実行したり、クリーニングを実行したりすることがない。これにより、メカ機構制御基板301は、より確実に、最適な状態でプリンター1が印刷を開始可能なように起動動作を実行できる。
さらに期間が経過しタイミングt8に至ると、図6のタイミングチャートHに示すように、分配基板制御IC211は、状態切替ラインJKLを介してスイッチ回路SW10の状態を供給状態にし、ヘッドコントロール基板308への電力供給状態を停止状態から供給状態に切り替える。
このように、分配基板制御IC211は、複数の動作制御基板に電力供給を開始する際、ヘッドコントロール基板308より先に、キャリッジ制御基板307への電力供給状態を供給状態に切り替える。ヘッドコントロール基板308は、キャリッジ制御基板307から入力された制御信号の制御で動作し、インクジェットヘッド21のインク吐出のを制御する。ここで、キャリッジ制御基板307より先にヘッドコントロール基板308に電力が供給されると、インク吐出を制御する値が定まっていないため、インクジェットヘッド21を誤制御する虞がある。これでは、インクジェットヘッド21が誤動作し、不必要にインクが吐出されてしまう虞がある。そこで、分配基板制御IC211は、複数の動作制御基板への電力供給を開始する際、ヘッドコントロール基板308より先に、キャリッジ制御基板307の電力供給状態を供給状態に切り替えることで、ヘッドコントロール基板308の誤制御の発生を防止できる。
さらに期間が経過しタイミングt9に至ると、図6のタイミングチャートIに示すように、分配基板制御IC211は、状態切替ラインJKLを介してスイッチ回路SW10の状態を供給状態にし、PC基板204への電力供給状態を停止状態から供給状態に切り替える。
このように、分配基板制御IC211は、複数の動作制御基板に電力供給を開始する際、画像処理基板305、及び、吐出データ処理基板306の後に、PC基板204への電力供給状態を供給状態に切り替える。前述した通り、PC基板204は、制御部100に係る回路、通信部102に係る回路、記憶部101に係る回路を実装する基板である。そのため、画像処理基板305、及び、吐出データ処理基板306より先にPC基板204に電力が供給されると、PC基板204は、画像処理基板305、及び、吐出データ処理基板306に電力が供給されていないにも関わらず、外部装置から画像データを受信し、画像処理基板305、及び、吐出データ処理基板306により印刷データを生成させようと動作する虞がある。この場合、画像処理基板305、及び、吐出データ処理基板306には電力が供給されておらず動作が実行できないため、PC基板204は、エラーが発生したと判別し、エラー発生時における処理(エラーの発生の報知等)を実行する可能性がある。これでは、ユーザーにエラーが発生したと誤解を招いてしまう。そこで、分配基板制御IC211は、複数の動作制御基板への電力供給を開始する際、画像処理基板305、及び、吐出データ処理基板306の後に、PC基板204の電力供給状態を供給状態に切り替えることで、上述したエラーの発生を防止できる。特に、本実施形態では、タイミングt9、すなわち、PC基板204に対する電力供給を開始するタイミングでは、画像処理基板305の起動動作が終了しているものとする。したがって、PC基板204は、画像処理基板305が起動処理を実行している最中に、外部装置から受信した画像データに対して処理を実行させ、適切に画像処理ができないといった事態の発生を防止できる。
<省電力モードへの移行時>
次に、省電力モードへの移行時における本実施形態のプリンター1の動作について説明する。省電力モードとは、プリンター1の動作モードであって、消費電力を抑制する動作モードである。
図7は、プリンター1の動作を示すフローチャートである。
図7のフローチャートの開始時点では、スイッチ回路SW1〜スイッチ回路SW11の状態が供給状態であるとする。
図7に示すように、ユーザーにより操作スイッチ71やタッチパネル70等の操作によって、プリンター1の省電力モードへの移行が指示されると(ステップS2)、ユーザーインターフェース基板202は、操作検出回路202aにより当該指示の操作を検出し、電力分配基板201の分配基板制御IC211に、省電力モードへの移行を示す移行信号(検出結果)を出力する(ステップSB1)。この移行信号の出力は、ユーザーインターフェース基板202からの指示に相当する。
分配基板制御IC211の分配基板制御回路211aは、ユーザーインターフェース基板202から移行信号が入力されると、分配基板記憶回路211bが記憶する順序DB211cの順序データJD2に基づいて、スイッチ回路SW2〜スイッチ回路SW11のそれぞれの状態を停止状態に切り替えることで、複数の動作制御基板、及び、PC基板204への電力供給状態を停止状態に切り替えていく(ステップSB2)。
図8は、動作制御基板、及び、PC基板204に対する電力供給状態の切り替えを示すタイミングチャートである。特に、図8に示すタイミングチャートは、図5Bに示す順序データJD2に従って電力供給状態を供給状態に切り替る際のタイミングチャートである。
図8に示すタイミングチャートJは、PC基板204に対する電力供給状態の切り替えを示すタイミングチャートである。また、タイミングチャートKは、ヘッドコントロール基板308に対する電力供給状態の切り替えを示すタイミングチャートである。また、タイミングチャートLは、メカ中継基板303に対する電力供給状態の切り替えを示すタイミングチャートである。また、タイミングチャートMは、メカ中継基板302に対する電力供給状態の切り替えを示すタイミングチャートである。また、タイミングチャートNは、モーター制御基板304に対する電力供給状態の切り替えを示すタイミングチャートである。また、タイミングチャートOは、メカ機構制御基板301に対する電力供給状態の切り替えを示すタイミングチャートである。また、タイミングチャートPは、吐出データ処理基板306に対する電力供給状態の切り替えを示すタイミングチャートである。また、タイミングチャートQは、画像処理基板305に対する電力供給状態の切り替えを示すタイミングチャートである。また、タイミングチャートRは、キャリッジ制御基板307に対する電力供給状態の切り替えを示すタイミングチャートである。
タイミングtzにおいて、分配基板制御IC211に、ユーザーインターフェース基板202から移行信号が入力されたとする。分配基板制御IC211は、移行信号の入力をトリガーとして、電力供給状態の切り替えを開始する。
タイミングtzから期間が経過しタイミングtaに至ると、図8のタイミングチャートJに示すように、分配基板制御IC211は、状態切替ラインJKLを介してスイッチ回路SW11の状態を供給状態にし、PC基板204への電力供給状態を供給状態から停止状態に切り替える。PC基板204は、電力が停止されると、タイミングta以降、動作を停止する。
このように、複数の動作制御基板、及び、PC基板204のうち、最初にPC基板204への電力供給状態を停止状態に切り替えることで、プリンター1は、省電力モードへの移行時に外部装置から画像データを受信することがない。これにより、省電力モード移行時に印刷を実行することなく、確実に省電力モードへ移行できる。
さらに期間が経過しタイミングtbに至ると、図8のタイミングチャートKに示すように、分配基板制御IC211は、状態切替ラインJKLを介してスイッチ回路SW10の状態を停止状態にし、ヘッドコントロール基板308への電力供給状態を供給状態から停止状態に切り替える。ヘッドコントロール基板308は、電力が停止されると、タイミングtb以降、動作を停止する。
このように、複数の動作制御基板への電力供給を停止する際、キャリッジ制御基板307より先にヘッドコントロール基板308への電力供給状態を停止状態にするため、省電力モード移行時に、キャリッジ制御基板307の制御の下で動作を停止できるため、ヘッドコントロール基板308がインクジェットヘッド21を誤制御することがない。したがって、インクジェットヘッド21は、省電力モードへの移行時に、誤動作でインクを吐出することがない。
さらに期間が経過しタイミングtcに至ると、図8のタイミングチャートLに示すように、分配基板制御IC211は、状態切替ラインJKLを介してスイッチ回路SW5の状態を停止状態にし、メカ中継基板302への電力供給状態を供給状態から停止状態に切り替える。また、さらに期間が経過しタイミングtdに至ると、図8のタイミングチャートMに示すように、分配基板制御IC211は、状態切替ラインJKLを介してスイッチ回路SW4の状態を停止状態にし、メカ中継基板303への電力供給状態を供給状態から停止状態に切り替える。メカ中継基板302、及び、メカ中継基板303は、電力供給が停止されると、動作を停止する。
このように、複数の動作制御基板への電力供給を停止する際、メカ機構制御基板301より先にメカ中継基板302、及び、メカ中継基板303への電力供給状態を停止状態にする。これにより、省電力モードへの移行時に、メカ機構制御基板301の制御の下で動作を停止できるため、メカ中継基板302、及び、メカ中継基板303は、省電力モードへの移行時に、例えばペーパーフィード用のモーターやクリーニングボックス等を誤制御することがない。
さらに期間が経過しタイミングteに至ると、図8のタイミングチャートNに示すように、分配基板制御IC211は、状態切替ラインJKLを介してスイッチ回路SW6の状態を停止状態にし、モーター制御基板304への電力供給状態を供給状態から停止状態に切り替える。モーター制御基板304は、電力供給が停止されると、動作を停止する。
このように、複数の動作制御基板への電力供給を停止する際、メカ機構制御基板301より先にモーター制御基板304への電力供給状態を停止状態にする。これにより、省電力モードへの移行時に、メカ機構制御基板301の制御の下で動作を停止できるため、モーター制御基板304は、搬送モーター125やキャリッジ駆動モーター114等を誤制御することがない。
さらに期間が経過しタイミングtfに至ると、図8のタイミングチャートOに示すように、分配基板制御IC211は、状態切替ラインJKLを介してスイッチ回路SW2、及び、スイッチ回路SW3の状態を停止状態にし、メカ機構制御基板301への電力供給状態を供給状態から停止状態に切り替える。メカ機構制御基板301は、電力供給が停止されると、動作を停止する。
このように、分配基板制御IC211は、省電力モード移行時、複数の動作制御基板への電力供給を停止する際、データ処理基板より先に、メカ制御基板の電力供給状態を停止状態に切り替える。すなわち、分配基板制御IC211は、省電力モードへの移行時、複数の動作制御基板への電力供給を停止する際、キャリッジ制御基板307、画像処理基板305、及び、吐出データ処理基板306より先に、メカ機構制御基板301、モーター制御基板304、メカ中継基板303、メカ中継基板302、ヘッドコントロール基板308、及び、PC基板204への電力供給状態を供給状態に切り替える。
メカ制御基板は、データ処理基板が処理するデータに基づいて、対応するメカを制御しているため、データ処理基板が先に動作を停止すると、メカを制御する値が定まらなくなり、メカを誤制御する虞がある。そこで、分配基板制御IC211は、複数の動作制御基板への電力供給を停止する際、データ処理基板より先に、メカ制御基板の電力供給状態を停止状態に切り替えることで、省電力モードへの移行時における、メカ制御基板の誤制御の発生を防止できる。
さらに期間が経過しタイミングtgに至ると、図8のタイミングチャートPに示すように、分配基板制御IC211は、状態切替ラインJKLを介してスイッチ回路SW8の状態を停止状態にし、吐出データ処理基板306への電力供給状態を供給状態から停止状態に切り替える。
さらに期間が経過しタイミングthに至ると、図8のタイミングチャートQに示すように、分配基板制御IC211は、状態切替ラインJKLを介してスイッチ回路SW7の状態を供給状態にし、画像処理基板305への電力供給状態を供給状態から停止状態に切り替える。
さらに期間が経過しタイミングtiに至ると、図8のタイミングチャートRに示すように、分配基板制御IC211は、状態切替ラインJKLを介してスイッチ回路SW9の状態を供給状態にし、キャリッジ制御基板307への電力供給状態を供給状態から停止状態に切り替える。
このように、プリンター1が省電力モードへ移行する際、予め設定された適切な順序で、動作制御基板への電力供給状態を停止状態に切り替えるため、複雑な制御を要することなく容易に動作制御基板を停止させることができる。
なお、プリンター1が省電力モードである場合、ユーザーインターフェース基板202には、電力が供給されている。このことの効果については、後述する。ユーザーインターフェース基板202は、プリンター1が省電力モードである場合、自身の動作モードを省電力モードに移行させる。ユーザーインターフェース基板202の省電力モードとは、ユーザーの操作を操作検出回路202aにより検出可能である一方、表示パネルのバックライトの消灯等により情報の表示が行われない動作モードを示す。
<省電力モードからの復帰時>
次に、省電力モードからの復帰時における本実施形態のプリンター1の動作について説明する。
図9は、プリンター1の動作を示すフローチャートである。
図9のフローチャートの開始時点では、プリンター1の動作モードが省電力モードであり、スイッチ回路SW1が供給状態であり、スイッチ回路SW2〜スイッチ回路SW11の状態が停止状態であるとする。また、ユーザーインターフェース基板202の動作モードも、省電力モードであるとする。
図9に示すように、ユーザーにより操作スイッチ71やタッチパネル70等の操作によって、プリンター1の省電力モードからの復帰が指示されると(ステップS3)、ユーザーインターフェース基板202は、操作検出回路202aにより当該指示を示す操作を検出し、電力分配基板201の分配基板制御IC211に、省電力モードからの復帰を示す復帰信号(検出結果)を出力する(ステップSC1)。
分配基板制御IC211の分配基板制御回路211aは、ユーザーインターフェース基板202から復帰信号が入力されると、分配基板記憶回路211bが記憶する順序DB211cの順序データJD1に基づいて、スイッチ回路SW2〜スイッチ回路SW11のそれぞれの状態を供給状態に切り替えることで、複数の動作制御基板、及び、PC基板204への電力供給状態を供給状態に切り替えていく(ステップSC2)。
ステップSC2では、図6に示すような順序、及び、タイミングで、分配基板制御IC211の分配基板制御回路211aは、複数の動作制御基板、及び、PC基板204への電力供給状態を供給状態に切り替えていく。これにより、省電力モードから復帰する際においても、上述した電源投入時における効果と同様の効果を奏する。
次いで、ユーザーインターフェース基板202の状態取得回路202bは、各動作制御基板の状態を取得する(ステップSC3)。次いで、ユーザーインターフェース基板202は、状態取得回路202bの取得に基づいて、全ての動作制御基板の状態が起動状態となったか否かを判別する(ステップSC4)。
全ての動作制御基板の状態が起動状態になっていないと判別した場合(ステップSC4:NO)、ユーザーインターフェース基板202は、所定期間(例えば、0.5秒)待機し(ステップSC5)、再度、ステップSC4の処理を実行する。一方で、全ての動作制御基板の状態が起動状態になったと判別した場合(ステップSC4:YES)、ユーザーインターフェース基板202は、自身の動作モードを省電力モードから復帰させ、通常モードに移行させる(ステップSC6)。ここで、ユーザーインターフェース基板202の通常モードとは、ユーザーの操作を操作検出回路202aにより検出可能であり、且つ、表示パネルのバックライトの点灯等により情報の表示が行われる動作モードを示す。
また、プリンター1が省電力モードから復帰する際、予め設定された適切な順序で、動作制御基板への電力供給状態を停止状態に切り替えるため、複雑な制御を要することなく容易に動作制御基板を動作開始させることができる。すなわち、プリンター1は、容易に省電力モードから復帰できる。
また、ユーザーインターフェース基板202は、プリンター1の動作モードが省電力モードであっても、電力が供給される。上述した通り、プリンター1の省電力モードからの復帰は、ユーザーインターフェース基板202により実行される。そのため、省電力モード中、ユーザーインターフェース基板202のみ動作させておくことで、ユーザーは、操作スイッチ71やタッチパネル70を操作することで容易に、プリンター1を復帰させることができる。また、ユーザーインターフェース基板202からの出力をトリガーとして省電力モードから復帰するため、プリンター1は、ユーザーの操作を介入せず誤って省電力モードから復帰してしまうことを防止できる。これに伴って、ユーザーの意図しないタイミングで、不必要に電力が消費されることを防止できる。
<電力供給遮断時>
次に、電力供給遮断時における本実施形態のプリンター1の動作について説明する。電力供給遮断の態様としては、例えば、コンセントが突如抜かれた等により、商用交流電源DKと電圧変換基板200との接続が遮断された場合を例示する。
図10は、プリンター1の動作を示すフローチャートである。
図10のフローチャートの開始時点では、スイッチ回路SW1〜スイッチ回路SW11の状態が供給状態であるとする。
ユーザーインターフェース基板202の状態取得回路202bは、各動作制御基板の状態を取得する(ステップSD1)。ユーザーインターフェース基板202は、状態取得回路202bが取得した各動作制御基板の状態を示す情報を、電力分配基板201の分配基板制御IC211に出力する。
次いで、分配基板制御IC211の分配基板制御回路211aは、各動作制御基板の状態を示す情報に基づいて、電源停止信号(後述)が入力された際において、電力供給状態を供給状態から停止状態に切り替える際の順序に係る順序データを生成する(ステップSD2)。例えば、画像処理基板305の状態が動作を停止している状態であって、吐出データ処理基板306の状態が起動状態であることを想定する。この場合、分配基板制御回路211aは、画像処理基板305について、電力供給状態が停止状態に移行する際、吐出データ処理基板より先に電力供給状態を停止状態にさせる順序データを生成する。このような順序データを生成することで、吐出データ処理基板306は、限られた電力においてより確実に書き込むべきデータを書き込めるようになる。
分配基板制御回路211aは、ステップSD2で生成した順序データが示す順序と、分配基板記憶回路211bが記憶する順序DB211cのうち、既に記憶されている電源停止信号が入力された際の順序データが示す順序と一致するか判別する(ステップSD3)。なお、ステップSD3の処理において、分配基板記憶回路211bが記憶する順序DB211cに、電源停止信号が入力された際の順序データがない場合、分配基板制御回路211aは、電力停止する際の順序データD2が示す順序と比較する。
一致しないと判別した場合(ステップSD3:NO)、分配基板制御回路211aは、ステップSD2において生成した順序データを、電源停止信号が入力された際の順序データとして、分配基板記憶回路211bに記憶させる(ステップSD4)。
一方で、一致した判別した場合(ステップSD3:YES)、電力分配基板201の電力供給異常検出回路212は、電圧変換基板200から電源停止信号が入力されたか否かを判別する(ステップSD5)
商用交流電源DKと電圧変換基板200との接続が遮断されると、電圧変換基板200からみた商用交流電源DKの状態は、電力供給停止の状態である。電圧変換基板200は、商用交流電源DKの状態が電力供給停止の状態になると、電力分配基板201の電源状態ラインDJLに、商用交流電源DKの状態が電力供給停止の状態になったことを示す電源停止信号を入力するよう構成される。例えば、電圧変換基板200は、当該信号として電圧レベルが「Low」レベルの信号を、電源状態ラインDJLに入力する。
電力分配基板201の電力供給異常検出回路212は、電源停止信号が入力されると、電圧変換基板200からの電力供給状態に異常が発生したと検出し、電圧変換基板200から入力された電源停止信号を、ユーザーインターフェース基板202、及び、動作制御基板に電源状態ラインDJLを介して入力する(ステップSD6)。
ユーザーインターフェース基板202、及び、動作制御基板のそれぞれは、電力分配基板201を介して電源停止信号が入力されると、電源停止信号の入力に対応する処理を実行する(ステップSD7)。
ここで、ステップSD7について説明する。
ユーザーインターフェース基板202は、電源停止信号が入力されると、電力分配基板201の分配基板制御IC211に電源停止信号が入力されたことを示す信号を出力する。この信号の出力は、ユーザーインターフェース基板202からの指示に相当する。
メカ機構制御基板301、メカ中継基板302、メカ中継基板303、及び、モーター制御基板304は、制御対象のメカの動作を停止させて自身の動作を停止する。例えば、メカ機構制御基板301は、例えば、キャリッジ22がHOME側及びFULL側において位置するか否かを検出するセンサーの駆動を停止させ、自身の動作を停止する。また、例えば、メカ中継基板302、及び、メカ中継基板303は、ペーパーフィード用のモーターを駆動していた場合、当該モーターを停止させ、自身の動作を停止する。また、例えば、モーター制御基板304は、搬送モーター125、又は、キャリッジ駆動モーター114が駆動していた場合、これらモーターを停止させ、自身の動作を停止する。
画像処理基板305は、電源停止信号が入力されると、記憶部101に書き込むべきデータの書き込みを実行する。例えば、画像処理基板305が画像データに対して画像処理を実行していた場合、画像処理基板305は、どこまで画像データに対して画像処理を実行したかを示すデータを記憶部101に書き込む。これにより、再度、電力が供給された場合に、画像処理基板305は、中断した画像処理から画像データに対して画像処理を実行できる。
吐出データ処理基板306は、電源停止信号が入力されると、画像処理基板305と同様に記憶部101に書き込むべきデータの書き込みを実行する。例えば、吐出データ処理基板306は、生成した印刷データに基づいてキャリッジ制御基板307に制御信号を出力していた場合、キャリッジ制御基板307に対して出力すべき制御信号のうち、どこまで制御信号を出力したかを記憶部101に書き込む。また、吐出データ処理基板306は、電源停止信号が入力されるまでに使用したインク量を上述したチップに書き込む。
図10に示すフローチャートの説明に戻り、分配基板制御IC211の分配基板制御回路211aは、ユーザーインターフェース基板202から電源停止信号が入力されたことを示す信号が入力されると、順序DB211cが有する順序データのうち、電源停止信号が入力された際の順序データに基づいて、スイッチ回路SW2〜スイッチ回路SW11のそれぞれの状態を停止状態に切り替えることで、複数の動作制御基板、及び、PC基板204への電力供給状態を停止状態に切り替えていく(ステップSD8)。
ステップSD8では、電源停止信号が入力された際の順序データが図5Bに示す順序データD2である場合、図8に示すような順序、及び、タイミングで、分配基板制御IC211の分配基板制御回路211aは、複数の動作制御基板、及び、PC基板204への電力供給状態を停止状態に切り替えていく。すなわち、分配基板制御IC211は、メカ制御基板、データ処理基板の順で電力供給状態を停止状態に切り替える。電源遮断時は、商用交流電源DKからの電力供給が遮断される。そのため、プリンター1は、電荷を蓄積するコンデンサーが設けられる場合、電源遮断時では、このコンデンサーに蓄えられた電力でデータ処理基板にデータの書き込みを実行させる必要がある。ここで、メカ制御基板に電力が供給されていると、データ処理基板がデータの書き込みを実行するために必要な電力を、コンデンサーで賄えない可能性がある。そこで、メカ制御基板への電力供給状態の切り替えをデータ処理基板より先に実行することで、商用交流電源DKから電力供給がない場合でも、限られた電力で適切にデータ処理基板にデータを書き込ませることができる。
また、例えば、電源停止信号が入力された際の順序データが、画像処理基板305の状態が動作を停止している状態であって、吐出データ処理基板306の状態が起動状態であることを想定した上記の順序データである場合、分配基板制御IC211は、吐出データ処理基板306より先に画像処理基板305の電力供給状態を停止状態にする。これにより、吐出データ処理基板306は、限られた電力においてより確実に書き込むべきデータを書き込めるようになる。このように、電源停止信号が入力された際の順序データが、各動作制御基板の状態に応じた順序データとすることができ、プリンター1は、各動作制御基板の状態を加味して、適切な順序で動作制御基板への電力供給を制御できる。
なお、データ処理基板のそれぞれは、データの書き込みを実行すると、コンデンサーからの電荷の供給が終了次第、電力供給が停止され、これに伴って動作を停止する。
以上、説明したように、プリンター1(印刷装置)は、ユーザーの操作を検出する操作検出回路202a(検出回路)を有するユーザーインターフェース基板202と、印刷に係る動作を制御する動作制御基板を複数有する印刷制御基板203(制御基板)と、動作制御基板に電力を供給する電力分配基板201(電源基板)と、電力分配基板201に搭載され、ユーザーインターフェース基板202に接続され、ユーザーインターフェース基板202により動作制御基板への電力供給状態を切り替える分配基板制御IC211(電源切替回路)と、を備える。分配基板制御IC211は、ユーザーインターフェース基板202と接続し、ユーザーインターフェース基板202からの指示に基づいて、複数の動作制御基板への電力供給状態を、予め定められた順位に従って切り替える。動作制御基板は、電力分配基板201からの電力供給状態の変化に応じて所定の動作(動作停止や、動作開始、動作停止に伴うデータの書き込み等)を実行する。また、ユーザーインターフェース基板202は、ユーザーが、印刷の一時停止や、印刷再開、印刷中断、画像を指定しての印刷指示等を指示することより、動作制御基板を制御するようにしてもよい。
この構成によれば、ユーザーインターフェース基板202からの指示に基づいて、適切な順序で、分配基板制御IC211が動作制御基板への電力供給状態を切り替えることができ、複雑な制御を要することなく容易に複数の動作制御基板への電力供給を制御できる。
また、ユーザーインターフェース基板202は、動作制御基板の状態を取得する状態取得回路202bを有する。分配基板制御IC211は、状態取得回路202bが取得した動作制御基板の状態に応じたユーザーインターフェース基板202からの指示に基づいて、動作制御基板への電力供給状態を切り替える。すなわち、分配基板制御IC211は、動作制御基板の状態に応じた順序データを生成して、生成した順序データが示す順序で電力供給状態を切り替える。
この構成によれば、プリンター1は、動作制御基板の状態に応じたユーザーインターフェース基板202からの指示に基づいて、動作制御基板への電力供給状態を切り替えることで、電力供給に際し動作制御基板の状態を加味でき、複数の動作制御基板への電力供給を適切に制御できる。
また、電力分配基板201は、電力供給状態の異常を検出する電力供給異常検出回路212を有する。ユーザーインターフェース基板202は、電力供給状態が異常である際の電力供給状態の切り替え順(電源停止信号が入力された際の順序データが示す順序)を分配基板記憶回路211b(記憶回路)に記憶させる。分配基板制御IC211は、電力供給異常検出回路212が電力供給状態の異常を検出した場合、分配基板記憶回路211bに記憶された順序データが示す順序(切り替え順)に従って、電力供給状態を切り替える。
この構成によれば、プリンター1は、電力供給状態が異常な状態になった場合、分配基板記憶回路211bに記憶された電源停止信号が入力された際の順序データが示す順序に従って電力供給状態を切り替えるため、電力供給状態が異常な状態になった場合でも、複数の動作制御基板への電力供給を適切な順序で制御できる。
また、印刷制御基板203は、動作制御基板として、メカを制御するメカ制御基板と、データを処理するデータ処理基板とを含む。分配基板制御IC211は、メカ制御基板、及び、データ処理基板への電力供給状態を、予め定められた順位で切り替える。
この構成によれば、分配基板制御IC211がメカ制御基板とデータ処理基板との電力供給状態を切り替えることで、適切な順序でメカ制御基板とデータ処理基板とに所定の動作を実行させることができるため、複雑な制御を要することなく容易にメカ制御基板とデータ処理基板とを動作させることができる。
また、分配基板制御IC211は、メカ制御基板、及び、データ処理基板への電力供給を停止する際、メカ制御基板、データ処理基板の順で、電力供給状態を停止状態に切り替える。また、分配基板制御IC211は、メカ制御基板、及び、データ処理基板への電力供給を開始する際、データ処理基板、メカ制御基板の順で、電力供給状態を供給状態に切り替える。
この構成によれば、メカ制御基板、データ処理基板の順で電力供給状態を停止状態に切り替え、データ処理基板、メカ制御基板の順で電力供給状態を供給状態に切り替えることで、電力供給の停止と開始とにおいて、適切な順序でメカ制御基板とデータ処理基板とを動作させることができる。
また、操作検出回路202aは、プリンター1の動作モードについて、省電力モードへの移行と省電力モードからの復帰とのいずれかの操作を検出可能に構成される。ユーザーインターフェース基板202は、操作検出回路202aの検出結果(省電力モードへの移行を示す移行信号、又は、省電力モーターからの復帰を示す復帰信号)を分配基板制御IC211に入力する。分配基板制御IC211は、入力された検出結果が省電力モードへの移行を示す場合、メカ制御基板、データ処理基板の順で、電力供給状態を停止状態に切り替る。また、分配基板制御IC211は、入力された検出結果が省電力モードへの復帰を示す場合、データ処理基板、メカ制御基板の順で、電力供給状態を供給状態に切り替える。
この構成によれば、省電力モードへの移行と省電力モードからの復帰とのいずれかの操作に応じて、適切な順序でメカ制御基板とデータ処理基板との電力供給状態を切り替える。そのため、プリンター1は、省電力モードへ移行する際、及び、省電力モードから復帰する際に、容易にメカ制御基板とデータ処理基板とを動作させることができる。
また、電力分配基板201は、ユーザーインターフェース基板202に対して電力供給可能に構成される。電力分配基板201は、プリンター1の動作モードが省電力モードである場合でも、ユーザーインターフェース基板202に電力を供給する。
上述した通り、プリンター1の省電力モードからの復帰は、ユーザーインターフェース基板202により実行される。そのため、省電力モード中、ユーザーインターフェース基板202のみ動作させておくことで、ユーザーが、操作スイッチ71やタッチパネル70を操作することで速やかに、プリンター1を省電力モードから復帰させることができる。さらに、省電力モード中は、ユーザーインターフェース基板202のみ電力供給するだけでよいため、不必要な電力消費を大幅に抑えることができる。また、ユーザーインターフェース基板202からの出力をトリガーとして省電力モードから復帰するため、プリンター1は、ユーザーの操作を介入せず誤って省電力モードから復帰してしまうことを防止できる。これに伴って、ユーザーの意図しないタイミングで、不必要に電力が消費されることを防止できる。
また、電力分配基板201は、商用交流電源DKに基づきメカ制御基板、及び、データ処理基板に電力を供給可能に構成される。メカ制御基板は、商用交流電源DKの状態が電力供給停止の状態になった場合、メカの動作を停止させて、動作を停止する。データ処理基板は、商用交流電源DKの状態が電力供給停止の状態になった場合、記憶部101、又は、上述したチップに書き込むべきデータの書き込みを実行した後に、動作を停止する。
この構成によれば、商用交流電源DKの状態が電力供給停止の状態になった場合、メカ制御基板の動作を停止させ、データ処理基板に書き込むべきデータの書き込みを実行させる。そのため、プリンター1は、商用交流電源DKから電力供給が停止した場合でも限られた電力で、適切にデータ処理基板を動作させることができる。
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形及び応用が可能である。
例えば、図5A及び図5Bに示す順序データJDは、一例であって、電力供給状態を切り替える順序は、図5A及び図5Bに示す順序データJDに限定されない。プリンター1の備える基板の種類に応じて異なっていてもよい。また、順序データJDは、ユーザーが変更可能に構成されてもよい。これにより、ユーザーの所望する順序で動作制御基板、及び、PC基板204を動作させることができる。但し、メカ制御基板とデータ処理基板との電力供給の順序は、上述した効果を奏する観点から上述した順序であることが好ましい。
また、例えば、上述した実施形態では、電力供給状態を切り替える態様として、電源投入時、省電力モードへの移行時、省電力モードへの復帰時、及び、電力供給遮断時を例示したが、当該態様は、これらに限定されない。
また、例えば、上述した実施形態では、ユーザーインターフェース基板202が、各動作制御基板の状態を監視し、各動作制御基板の状態を取得する構成を説明したが、PC基板204が各動作制御基板を監視する構成でもよい。この場合、ユーザーインターフェース基板202の状態取得回路202bは、PC基板204から各動作制御基板の状態を取得する。PC基板204が各動作制御基板の状態を取得する構成でも、上述した効果と同様の効果を奏する。
また、例えば、図4、図7、図9、及び、図10の処理単位は、プリンター1の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。プリンター1の処理は、処理内容に応じて、されに多くの処理単位に分割してもよい。また、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。
また、図2に示した各機能部は機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態は特に限定されない。つまり、必ずしも各機能部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上述した実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアとしてもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、プリンター1の他の各部の具体的な細部構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。