以下、本発明の実施形態を図1〜図11を用いて説明する。尚、本実施形態の説明では、複合機100(画像形成装置に相当)を例に挙げる。但し、本実施の形態に記載される構成、配置等の各要素は発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
(複合機100の概略構成)
まず、図1に基づき、実施形態に係る複合機100の概略を説明する。図1は、複合機100の一例を示す模型的正面断面図である。
本実施形態の複合機100は、上部に、原稿搬送部1aと画像読取部1bを含む読取部1を有する。原稿搬送部1aは、原稿トレイ12に積載された原稿を1枚ずつ画像読取部1bの読取位置(送り読取用コンタクトガラス16)に搬送する。原稿トレイ12には、コピーやスキャンを行う原稿が複数載置される。尚、原稿トレイ12には、原稿が載置されていることを検知するための原稿載置検知センサー13が設けられる。原稿載置検知センサー13は、例えば、光センサーであり、原稿載置時と原稿が載置されていないときで出力が変化する。
又、原稿搬送部1aは、紙面奥側に設けられた支点(不図示)により、上方に持ち上げて開けることができる。そして、原稿搬送部1aを持ち上げることにより、例えば書籍等の原稿を画像読取部1bの上面の載置読取用コンタクトガラス14に載せることができる。尚、図1に破線で示すように、原稿搬送部1aが開いているか、閉じられているかを検知するための開閉検知センサー15が設けられる(画像読取部1b側に設けられても良い)。例えば、開閉検知センサー15は、原稿搬送部1aの下面と接するインターロック式のスイッチでもよいし、反射式の光センサーでもよく、開閉状態を検知できればよい。
次に、図1に破線で示すように、正面上方にコピー等の印刷の設定入力を受け付け、各種情報を表示する操作パネル2(設定入力部に相当)が設けられる。図1に破線で示すように、操作パネル2は複合機100の正面上方に設けられる。そして、操作パネル2は、タッチパネル式の液晶表示部21を含む。液晶表示部21は、複合機100でのエラー等の状態表示を行う他、用紙サイズや、拡大縮小、濃度設定等の複合機100で実行するジョブの機能設定用のキー、ボタンを含む各種設定用の画面を表示する。タッチパネル等により押されたキーやボタンが、操作パネル2で認識される。
又、操作パネル2には、数字等の入力用のテンキー部22や、ジョブの実行開始を指示するスタートキー23等のハードキーが設けられる。又、ハードキーとして、複合機100の主電源のON/OFFを指示するための電源キーや、複合機100を省電力モードに移行させる指示を行うための節電キーなどが設けられても良い。これら液晶表示部21や各種ハードキーにより、使用者は、複合機100の設定を行う。
そして、複合機100の筐体内に、画像読取部1b、給紙部3a、搬送路3b、画像形成部4a、定着部4b等が設けられる。
画像読取部1bは、原稿を読み取り画像データを生成する。そして、画像読取部1bの上面にコンタクトガラス(送り読取用コンタクトガラス16と載置読取用コンタクトガラス14の2種)が設けられ、その内部には、水平方向(図1で言えば、左右方向)で移動する移動枠(露光ランプ、ミラー等を具備)、レンズ、イメージセンサー(例えば、CCD)等の光学系部材(いずれも不図示)が設けられる。例えば、原稿搬送部1aで連続的に搬送される原稿を読み取る場合、送り読取用コンタクトガラス16の下方に移動枠を固定し、原稿の反射光をレンズ、イメージセンサーに導く。又、載置読取用コンタクトガラス14に載置された原稿を読み取る場合には、移動枠を水平方向に移動させて、原稿の反射光をレンズ、イメージセンサーに導く。
そして、画像読取部1bは、これら光学系部材を用い、原稿に光を照射し、その原稿の反射光を受けたイメージセンサーの各画素の出力値をA/D変換し、画像データを生成する。そして、複合機100は読取られた画像データに基づく印刷(コピー機能)や、得られた画像データの送信等(スキャン機能、FAX機能)を行う。
画像形成用の用紙を収容、供給する給紙部3aとして、2つの給紙カセット31a、31bが、計2つ垂直方向に積まれる。給紙部3aは、各種(例えば、普通紙、コピー用紙、再生紙等)、各サイズ(例えば、A4、A3、B4、B5、レターサイズ等)の用紙を複数(例えば、500〜1000枚程度)積載して収容する。
各給紙カセット31a、31bには、回転駆動し、用紙を1枚ずつ搬送路3bに送り出す給紙ローラー32が、それぞれ設けられる。又、各給紙カセット31は、用紙補給のため挿脱可能である。そして、各給紙カセット31a、31bが、取り付け、取り外しを検知するため、それぞれ挿脱検知センサー33が設けられる。例えば、挿脱検知センサー33は、給紙カセット31a、31bの一面と接するインターロック式のスイッチでもよいし、反射式の光センサーでもよく、挿脱の状態を検知できればよい。
次に、搬送路3bは、装置内で用紙を搬送する通路である。そして、搬送路3bには、用紙搬送時に回転駆動する複数の搬送ローラー対34(図1では、上流側から34a〜34fの計6つを図示)や、搬送される用紙を画像形成部4aの手前で待機させ、トナー像形成に合わせて用紙を送り出すレジストローラー対35等が設けられる。
尚、用紙の詰まりや、メンテナンスのため、本実施形態の複合機100の正面のカバー(不図示)は、開閉可能である。この正面カバーの開閉検知のため、カバー開閉検知センサー36が設けられる。カバー開閉検知センサー36は、正面カバーの一部と接するインターロック式のスイッチでもよいし、光センサーでもよく正面カバーの開閉を検知できればよい。
画像形成部4aは、画像データに基づき給紙部3aから給紙された用紙に画像(トナー像)を形成し、搬送される用紙にトナー像を転写する。尚、画像データには、画像読取部1bで取得された原稿の画像データや、複合機100に接続されるコンピューター200(図2参照)等から送信された画像データが利用される。
そして、画像形成部4aは、図1中に示す矢印方向に回転駆動可能に支持された感光体ドラム41や、その周囲に配設された帯電装置42、露光装置43、現像装置44、転写ローラー45、クリーニング装置46等を備える。トナー像形成及び転写プロセスを説明すると、感光体ドラム41は、画像形成部4aの略中心に設けられ、所定方向に回転駆動する。帯電装置42は、感光体ドラム41を所定電位に帯電させる。露光装置43は、画像データに基づき、レーザ光Lを出力し、感光体ドラム41表面を走査露光して画像データに応じた静電潜像を形成する。
又、現像装置44は、感光体ドラム41に形成された静電潜像にトナーを供給して現像する。転写ローラー45は感光体ドラム41に圧接し、ニップを形成する。そして、レジストローラー対35がタイミングを図り用紙をニップに進入させる。用紙とトナー像のニップ進入時、転写ローラー45には所定の電圧が印加され、用紙に感光体ドラム41上のトナー像が転写される。クリーニング装置46は、転写後に感光体ドラム41に残留するトナー等を除去する。
定着部4bは、用紙に転写されたトナー像を定着させる。本実施形態における定着部4bは、主として発熱体を内蔵する加熱ローラー47と加圧ローラー48で構成される。加熱ローラー47と加圧ローラー48は圧接しニップを形成する。そして、用紙が、このニップを通過すると、トナーが溶融・加熱され、トナー像が用紙に定着する。トナー定着後の用紙は排出トレイ37に排出される。向けて送られる。
(複合機100のハードウェア構成)
次に、図2に基づき、実施形態に係る複合機100のハードウェア構成を説明する。図2は、複合機100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施形態の複合機100は複数のデバイスを組み合わせたものと捉えることができる。以下の説明では、便宜上、主制御部5、読取部1、印刷エンジン部4、操作パネル2、通信部6(設定入力部に相当)などをデバイスの一単位として扱う。そして、各デバイスには、デバイスを制御するための制御部が各種、設けられる。デバイスに対する電力供給の開始に伴い、各デバイス内の制御部や回路、素子に電力が供給され、デバイス内の制御部が起動し、デバイス内の制御部は、初期化、各種ウォームアップを行って、デバイスを利用できる状態とする。
尚、本実施形態の説明では、主制御部5、読取部1、印刷エンジン部4、操作パネル2、通信部6などをデバイスとして扱うが、この捉え方は一例にすぎず、どの部分をデバイスの一単位と捉えるかは、適宜定めることができる。例えば、主制御部5、読取部1、印刷エンジン部4、操作パネル2、通信部6に含まれる部分(例えば、CPUや各種制御部)を1つのデバイスとして扱い、主制御部5、読取部1、印刷エンジン部4、操作パネル2、通信部6が複数のデバイスからなると捉えることもできる。
まず、主制御部5は、各種素子、回路等を組み合わせ基板として構成される。主制御部5は、複合機100の動作制御を司る部分である。例えば、主制御部5は、演算や処理を行う部分としてメインCPU51や記憶部52や画像処理部53や計時部54などを含む。メインCPU51は、主制御部5の演算処理装置であり、記憶部52に記憶されるデータ、プログラムに基づき、各種処理、演算、制御を行う。記憶部52は、例えば、不揮発性の記憶装置(フラッシュROMやHDD)と、揮発性の記憶装置(例えば、RAM)とを組み合わせて構成される。記憶部52は、ジョブ実行等、各種制御に要するデータ、プログラムや、画像データなどを記憶する。尚、記憶部52は、主制御部5外に設けられてもよい。
画像処理部53は、画像読取部1bで生成された画像データや、外部から入力された画像データに対し画像処理を施す。例えば、画像処理部53は、画像処理専用のASICや画像処理メモリーを含む。画像処理後の画像データを、印刷のため露光装置43に送ることもできるし(コピー機能、プリンタ機能)、記憶部52に記憶することもできるし(スキャナ機能)、後述の通信部6から外部(コンピューター200、FAX装置300等)に送信することもできる(スキャナ機能、FAX機能)。尚、画像処理部53は、メインCPU51や記憶部52により機能的に実現されてもよい。又、画像処理部53が行える画像処理は、拡大・縮小処理や、濃度変更等、多岐にわたるので、公知の画像処理を実行できるとして詳細は割愛する。
計時部54は、制御に必要な時間を計る回路である。例えば、計時部54は、省電力モード移行までの時間を計時する。尚、メインCPU51の計時機能を用いて、時間を計るようにしても良い。
読取部1(デバイスに相当)は、画像読取部1bと原稿搬送部1aを含む。そして、画像読取部1bには、画像読取部1bに含まれる部品、回路を制御する読取制御部10bが設けられる。読取制御部10bは、例えば、CPUや画像読取部1bの制御に要するプログラムやデータを含むメモリーを含む基板や回路として設けられる。そして、読取制御部10bは、主制御部5の原稿の読取実行指示を受けると、イメージセンサーやランプ等の制御や生成した画像データの主制御部5等への送信等、画像読取部1bを実際に制御する。
又、原稿搬送部1aでも同様に、原稿搬送部1aに含まれる部品、回路を制御する原稿搬送制御部10aが設けられる。原稿搬送制御部10aも、例えば、CPUや画像読取部1bの制御に要するプログラムやデータを含むメモリーを含む基板や回路として設けられる。そして、原稿搬送制御部10aは、主制御部5の原稿搬送の実行指示を受けると、各種回転体を制御し、原稿を1枚ずつ読み取り位置に向けて搬送する。
又、複合機100での印刷に関し、印刷エンジン部4(デバイスに相当)が設けられる。印刷エンジン部4には、上述の給紙部3a、搬送路3b、画像形成部4a、定着部4b等が含まれる。そして、印刷エンジン部4内には、主制御部5の指示を受け、実際に印刷エンジン部4の動作を制御するエンジン制御部40が設けられる。エンジン制御部40は、例えば、CPUや印刷の際に用いるプログラムやデータを記憶するメモリーなどを含む。そして、エンジン制御部40は、給紙、搬送、トナー像形成、定着部4bの温度制御など、印刷エンジン部4に含まれる部材の制御を行う。
次に、複合機100での設定入力の受け付けや表示に関し、操作パネル2(デバイスに相当)が設けられる。この操作パネル2内には、主制御部5の指示を受け、実際に操作パネル2を制御するパネル制御部20が設けられる。パネル制御部20は、例えば、CPUや各種プログラムや表示用の画像データや入力受付用データを記憶するメモリーなどを含む。そして、パネル制御部20は、液晶表示部21での表示制御や、タッチパネルの出力から押された座標を求めて液晶表示部21で押されたキーの認識処理や、各種ハードキーの押下の認識等、操作パネル2に含まれる部材の制御を行う。
又、複合機100には、デバイスの一種として通信部6が設けられる。通信部6は、外部のコンピューター200等との通信を行う通信制御部8の他、各デバイスに対する電力供給のON/OFFの制御を行う電源管理部7を含む。又、通信部6は、通信部6で用いるプログラムやデータを記憶するメモリー71や、各デバイスへの電力供給の開始や停止の間隔、タイミングを図るためのタイマー72とクロック発生部73を含む。又、操作検知部からの信号(検知信号)を受け、省電力モードから通常モードへの復帰条件が満たされたことを検知するための信号I/F部74(信号受信部に相当)を含む。
尚、本実施形態では、外部のコンピューター200等からのデータを受信できるように、通信部6は省電力モードでも動作させるので、通信部6に、通信機能と、各デバイスに対する電力供給のON/OFFの制御を行う機能を持たせる例を説明する。しかし、各デバイスに対する電力供給のON/OFFの制御を行う機能(電源管理機能)を分離して、別途設けても良い。
通信部6は、例えば、通信制御部8を含む。通信制御部8は、通信用の回路や、通信用のコネクタ等を含み、外部のコンピューター200(例えば、パーソナルコンピューターやサーバー)やFAX装置300とネットワーク、回線、ケーブル等を通じて実際に通信を行う。例えば、通信部6が受信したデータは、主制御部5に引き渡される。この通信部6を介した通信により、外部のコンピューター200やFAX装置300から印刷用のデータを受信することができ、外部のコンピューター200やFAX装置300に画像データを送信することができる。
(通常モードと省電力モード)
次に、図3、図4を用いて、実施形態に係る複合機100での通常モードと省電力モードを説明する。図3は、電力供給系統の一例を示すブロック図である。図4は、操作検知部を説明するためのブロック図である。
まず、図3に示すように、複合機100には、商用電源と接続され、各種電圧を生成し、複合機100を構成する各部分に適切な電圧で電力を供給する電源装置9が設けられる。例えば、電源装置9は、整流回路、昇圧回路、降圧回路等を含む電力変換回路91を複数有する。そして、電源装置9は、複合機100の動作に要する複数種の電圧を各電力変換回路91が生成する(例えば、モーター駆動用のDC24Vや各種制御部やメモリー駆動用のDC5VやDC3.3VやDC1.8V等を生成)。
尚、電源装置9と商用電源との接続のON/OFFを行うため、メインスイッチ92を設けても良い。例えば、メインスイッチ92は、ロッカースイッチである。例えば、メインスイッチ92は、複合機100の側面などに設けられる。使用者は、メインスイッチ92によって、複合機100の主電源のON/OFFの切り替えを行える。
そして、図3に示すように、通信部6は、電源管理部7を含む。電源管理部7は、例えば、マイコンである。そして、電源管理部7は、電源装置9から各デバイスへの電力供給経路に設けられたスイッチS(例えば、FET等の半導体スイッチ、図5参照)の開閉を行って、各デバイスへの電力供給のON/OFFを行う。言い換えると、電源管理部7は、主制御部5、読取部1、印刷エンジン部4、操作パネル2等やその内部のCPUや各種制御部といった各デバイスへの通電、遮断を切り替え、電源を管理する。尚、本実施形態の複合機100では、電源管理のため、主電源ONの間、モードを問わず、電源管理部7(通信部6)、メモリー71、タイマー72、クロック発生部73、信号I/F部74等、通信部6の一部への電力供給は続けられる。
そして、メインスイッチ92のONにより、複合機100の主電源が投入されると、複合機100のモードは、通常モードで開始される。通常モードでは、図3に実線で示すように、電源管理部7は、主制御部5、読取部1、印刷エンジン部4、操作パネル2、通信部6等の部分に電源装置9から電力を供給する。そして、通常モードの間、電源装置9は、複合機100の状態をジョブ実行可能な状態で保つ。
例えば、省電力モードへの移行条件は、通常モードとなってから操作検知部(詳細は後述)に対する操作、入力が無いまま、あるいは、ジョブ実行完了から、操作検知部に対する操作、入力が無いまま、予め定められた移行時間(例えば、数分〜数十分)の経過したこととされる。言い換えると、予め定められた移行時間の待機状態の継続が、省電力モードへの移行条件とされる。又、操作パネル2の液晶表示部21の所定の操作や節電キーの押下が、省電力モードへの移行指示が移行条件とされてもよい。
複合機100内に複数の操作検知部を設けることができる。そして、通常モードでは各操作検知部の出力は、例えば、主制御部5に伝達される。主制御部5は、各操作検知部の出力に基づき、操作検知部に対する操作、入力が無いまま予め定められた移行時間が経過したか否かを認識する。そして、通常モードのとき、操作検知部により複合機100への操作、入力を認識すると、主制御部5は、移行時間のカウントをリセットする。
例えば、図4に示すように、操作検知部としては、通信部6がある。通信部6の通信制御部8が外部のコンピューター200から印刷用の画像データや印刷設定データを受信したとき、主制御部5は、複合機100に対する操作、入力がなされたと認識する。又、例えば、操作パネル2が操作検知部として用いられる。例えば、液晶表示部21や各種ハードキー(スタートキー23等)が押されると、主制御部5は、操作パネル2に対する操作、入力がなされたと認識する。
又、印刷エンジン部4に関しては、給紙カセット31a、31bの挿脱を検知する挿脱検知センサー33や、カバーの開閉を検知するカバー開閉検知センサー36を操作検知部として用いることができる。挿脱検知センサー33やカバー開閉検知センサー36の出力に基づき、主制御部5は、印刷エンジン部4への操作、入力を認識する。又、読取部1に関しては、例えば、原稿搬送部1aの上げ下げ(開閉)を検知する開閉検知センサー15を操作検知部として用いることもできる。又、例えば、原稿搬送部1aへの原稿載置を検知する原稿載置検知センサー13を操作検知部として用いることもできる。原稿載置検知センサー13や開閉検知センサー15の出力に基づき、主制御部5は、読取部1への操作、入力を認識する。
各操作検知部に対する操作、入力がないまま移行時間が経過すると、主制御部5は、電源装置9に対し、省電力モードへの移行を指示する。これにより、電源装置9の電力供給モードが省電力モードとなり、省電力モードでも電力を供給する部分に必要な電圧のみを生成させる。又、主制御部5の指示を受け、電源管理部7は、複合機100のモードを省電力モードに移行させる。このとき、電源管理部7は電源装置9から各デバイス(主制御部5、読取部1、操作パネル2、印刷エンジン部4、通信制御部8等)への電力供給を停止させる。又、電源管理部7は、通信制御部8への電力供給を停止させる。そして、外部から複合機100へのデータ送信を認識するため、電源管理部7は、信号I/F部74に受信機能の一部を代行させる。これらの電力供給停止により、省電力モードでは、待機中の消費電力が減る。尚、図3に破線で示すように、電源装置9は、通常モードへの復帰のため、省電力モードでも各操作検知部に対しては、電力供給を行う。
省電力モードとなると、コピー、スキャン、送信等の機能は利用できない。従って、使用者が複合機100を利用するには、電源装置9の電力供給モードを省電力モードから通常モードに復帰させる必要がある。
通信部6に設けられる信号I/F部74が、省電力モードから通常モードへの復帰のトリガとして、各操作検知部からの検知信号(出力)を受ける。電源管理部7は、この検知信号を、復帰条件を満たす信号と扱う。電源管理部7は、検知信号があると、各デバイス(主制御部5、読取部1、操作パネル2、印刷エンジン部4、通信制御部8等)への電力供給を予め定められた順番で再開し、複合機100を省電力モードから通常モードに復帰させる。
省電力モードで、コンピューター200等から複合機100に向けて画像データ等を送る旨の要求(通信要求)があったとき(検知信号A)、通信部6の信号I/F部74は、その旨を電源管理部7に伝える。そして、電源管理部7は、復帰条件が満たされたと認識する。
又、操作パネル2の液晶表示部21やハードキーに対する使用者のタッチ動作により、検知信号を発生し、信号I/F部74に入力するようにしてもよい(図4における検知信号B)。又、挿脱検知センサー33は、用紙補給や交換による取り外しと取り付けを検知すると、検知信号を発生し、信号I/F部74に入力するようにしてもよい(図4における検知信号C)。又、カバー開閉検知センサー36は、メンテナンスや消耗品交換や紙詰まり処理のため、筐体のカバーの操作(開閉)を検知すると、検知信号を発生し、信号I/F部74に入力するようにしてもよい(図4における検知信号D)。
又、原稿トレイ12への用紙の載置を検知する原稿載置検知センサー13が、コピー等のため、原稿トレイ12への原稿載置を検知すると、検知信号を発生し、信号I/F部74に入力するようにしてもよい(図4における検知信号E)。又、コピー等のため、原稿搬送部1aへの操作(原稿載置や上げ下げ)を検知すると、原稿搬送部1aの上げ下げを検知する開閉検知センサー15が、検知信号を発生し、信号I/F部74に入力するようにしてもよい(図4における検知信号F)。
(各デバイスへの電源供給開始の順序と間隔の制御)
次に、図5〜図8を用いて、各デバイスへの電源供給開始の順序と間隔の制御の一例を説明する。図5は、電源管理部7による各デバイスへの電源供給開始の順序と間隔の制御を説明するためのブロック図である。図6は、各デバイスへの電源供給開始に用いるテーブルの内容の一例を示す説明図である。図7、図8は、各デバイスへの電力供給とリセット指示の一例を示すタイミングチャートである。
複合機100のプログラムの内容により、各デバイスの起動順序が定められることもある。又、電源装置9の能力(例えば、電流や消費電力の許容範囲)を考慮して、各デバイスの起動順序が定められることもある。又、例えば、電力が供給されている部分(各種制御部やCPU等)から電力未供給のデバイス(各種制御部やCPU等)に信号が入らないように、各デバイスの起動順序が定められることもある。そして、本実施形態の複合機100では、主電源投入時や省電力モードから通常モードへの復帰時、電源管理部7が、各デバイスに対し、順番に、予め定められた間隔で、電力供給を行う。
図5に示すように、本実施形態の複合機100では、例えば、電源装置9から各デバイスへの電力供給ラインPL1〜PL5に、それぞれスイッチS(図5では、スイッチS1〜スイッチS5を例示)が設けられる。尚、図5では、電源装置9から各デバイスへの電力供給ラインPL1〜PL5を単線で図示している。しかし、デバイスに要する電圧の種類(例えば、モーター駆動用と制御部駆動用など)に応じて電源装置9から各デバイスへの電力供給ラインPL1〜PL5は、複数本でもよい。
そして、電源管理部7は、各スイッチSのON状態とOFF状態を切り替えて、各デバイスへの電力供給と停止(電源装置9との導通と非導通)を制御する。尚、以下の説明では、主制御部5への電力供給ラインPL1を制御するため、電源管理部7が発する信号を、供給制御信号PW1と称する。又、操作パネル2への電力供給ラインPL2を制御するため、電源管理部7が発する信号を、供給制御信号PW2と称する。又、読取部1への電力供給ラインPL3を制御するため、電源管理部7が発する信号を、供給制御信号PW3と称する。又、印刷エンジン部4への電力供給ラインPL4を制御するため、電源管理部7が発する信号を、供給制御信号PW4と称する。又、通信制御部8への電力供給ラインPL5を制御するため、電源管理部7が発する信号を、供給制御信号PW5と称する。
又、電源管理部7と各デバイス(主制御部5、操作パネル2、読取部1、印刷エンジン部4、通信制御部8等)間に、リセットを指示するためのリセット信号線RL1〜RL5が設けられる。言い換えると、電源管理部7と各デバイスは、リセット信号線RL1〜RL5で接続される。そして、電源管理部7は、リセット信号線RL1〜RL5の状態を変化させ、リセットの指示を各デバイスに与えることができる。
尚、以下の説明では、主制御部5へのリセット指示のため電源管理部7が発する信号をリセット信号RS1と称する。又、操作パネル2へのリセット指示のため電源管理部7が発する信号をリセット信号RS2と称する。又、読取部1へのリセット指示のため電源管理部7が発する信号をリセット信号RS3と称する。又、印刷エンジン部4へのリセット指示のため電源管理部7が発する信号をリセット信号RS4と称する。又、通信制御部8へのリセット指示のため電源管理部7が発する信号をリセット信号RS5と称する。
そして、各デバイス(主制御部5、操作パネル2、読取部1、印刷エンジン部4、通信制御部8等)に電力供給を開始する順序と間隔を予め定めたテーブルが通信部6内に設けられたメモリー71に記憶される。電源管理部7は、主電源投入時や省電力モードから通常モードへの復帰時、メモリー71のテーブルを参照して、各デバイスへの電力供給を順番に行う。
又、テーブルには、デバイスに電力供給開始してから、次のデバイスに電力供給を開始するまでの間隔を示すデータが含まれる。そして、間隔を正確に測るため、通信部6にはタイマー72が設けられる。タイマー72は、コンデンサの充電に要する時間に基づき時間を計るのではなく、通信部6内に設けられるクロック発生部73が生成する一定周期のクロック信号をカウントし時間を計る。尚、クロック発生部73を通信部6外に設け、通信部6には外部からクロック信号が供給されてもよい。
ここで、図6を用いて、テーブルの一例を説明する。図6に示すテーブルには、主制御部5を1番目、通信制御部8を2番目、操作パネル2を3番目、読取部1を4番目、印刷エンジン部4を5番目とするデータが含まれる。例えば、主制御部5は、全体の制御を司るので1番目とされる。しかし、各デバイスの電力供給順序は、適宜定めることができる。
例えば、主電源投入時では、複合機100の全体に電力が供給される。そして、主制御部5への電力供給時点を基点として、各デバイスの電力の供給を開始する時点が定められる。又、あるデバイスの電力供給を開始してから、次のデバイスに対して電力を供給する間隔(前の順番のデバイスから次の順番までの待ち時間)は、演算により求めることができるが、図6に示すように、テーブルに予め定めておいてもよい。
そして、図7は、主電源投入時など、複合機100全体に電力供給を開始する時のタイミングチャートである。電源管理部7は、テーブルを参照し、各デバイス(主制御部5、操作パネル2、読取部1、印刷エンジン部4、通信制御部8等)の電力供給順序やデバイス間での電力を供給する間隔を認識する。
そして、例えば、図7に示すように、電源管理部7は、主制御部5(0の時点で供給制御信号PW1を立ち上げ)→通信制御部8(T1の時点で供給制御信号PW2を立ち上げ)→操作パネル2(T2の時点で供給制御信号PW3を立ち上げ)→読取部1(T3の時点で供給制御信号PW4を立ち上げ)→印刷エンジン部4(T4の時点で供給制御信号PW5を立ち上げ)の順に電力を供給する。又、主制御部5への電力供給開始時をゼロ(起点)として、T1、T2―T1、T3―T2、T4―T3の予め定められた間隔で、順番にデバイスへの電力供給を開始する。これにより、各デバイスに含まれる制御部等に電圧が印加される。尚、電力供給開始と停止の論理(本実施形態ではHighが電力供給)は、逆でもよい。
各デバイスに対して、リセットの指示を行う時点(リセット信号RS1〜リセット信号RS5の状態を変化させる時点)を示すデータをテーブルに含むようにしても良い。例えば、各デバイスの制御部間の通信を考慮すると、各デバイス(各デバイスの制御部)に対するリセットの指示は同時に行うことが望ましい場合もある。そこで、本実施形態では、電源管理部7は、同時に各デバイス(各デバイスの制御部)リセットを指示する(例えば、図7に示すように、R1の時点で同時にリセット信号RS1〜リセット信号RS5の立ち上げ)。これにより、各デバイスやその制御部の起動、初期化、ウォームアップが実行される。
一方、同時に各デバイスにリセット指示を行う例を図7に示すが、リセットの時点をデバイスごとに変えるようにしてもよい。例えば、図6では、主制御部5への電力供給開始からリセット指示を行うまでの時間をR1、R2、R3と差を設けることができる例を示している。この場合、デバイスごとに、リセットを行う時点や、リセットの間隔を示すデータがテーブルに含められる。
このように、テーブルに各デバイスに電力を供給する時点や間隔を定めるだけで、各デバイスに対し、任意の順番、任意の間隔で電力の供給を開始することができる。又、任意の時点でデバイスのリセットを行うことができる。そのため、各デバイスへの電力供給開始時や電力供給を行うか否か等を容易に設定することができる。
例えば、図6に示すように、省電力モードから通常モードへの復帰時、信号I/F部74に入力される検知信号に応じて、電力供給を再開するデバイスと再開しないデバイスを定めることができる。例えば、検知信号Aは、省電力モード中に信号I/F部74が自機あての印刷用データやFAXデータを受信したときの検知信号である。このような場合、印刷の設定内容を示すデータや画像データは、受信するデータに含まれるので、操作パネル2や読取部1を起動させなくても、受信したデータに基づき、ジョブを実行できる。
そこで、検知信号Aの発生により通常モードに復帰するとき、電源管理部7は、主制御部5と、画像データ等の受信を継続させるために通信制御部8と、受信したデータに基づく印刷のために印刷エンジン部4の順に電力供給を再開する。一方、電源管理部7は、操作パネル2や読取部1に対して、電力供給を再開しない。言い換えると、電源管理部7は、操作パネル2や読取部1に対する電力供給再開をスキップする。又、図6において、電力供給を再開しないデバイスを「−」の記号で示す)。そして、テーブルには、検知信号の種類に応じ、電力供給を再開するデバイスとしないデバイスや、デバイスに電力供給を再開するタイミング(間隔)が定義される。
そして、図8は、検知信号Aにより通常モードに復帰する時のタイミングチャートである。電源管理部7は、信号I/F部74に入力された検知信号と、テーブルを参照し、各デバイス(主制御部5、操作パネル2、読取部1、印刷エンジン部4、通信制御部8等)の電力供給順序や電力供給の間隔を認識する。
例えば、図8に示すように、電源管理部7は、主制御部5(0の時点で供給制御信号PW1を立ち上げ)→通信制御部8(T1の時点で供給制御信号PW2を立ち上げ)→印刷エンジン部4(T5の時点で供給制御信号PW5を立ち上げ)の順に電力を供給する。一方、電源管理部7は、操作パネル2(供給制御信号PW3は立ち下げたまま)、読取部1(供給制御信号PW4は立ち上げたまま)への電力供給は停止したままで保つ。又、主制御部5への電力供給開始時をゼロ(起点)として、T1、T5―T1の予め定められた間隔で、順番にデバイスへの電力供給を開始する。
又、本実施形態では、電源管理部7は、通常モードへの復帰に伴い、電力供給を再開した各デバイスに対して同時にリセットを指示する(例えば、図8に示すように、R2の時点で同時にリセット信号RS1、リセット信号RS2、リセット信号RS5の立ち上げ)。これにより、各デバイスや各デバイスの制御部での初期化、立ち上げが実行される。
又、図6では、操作パネル2からの検知信号Cが発生したとき、コピーを行うか、スキャンのみを行うかの判別ができないので、とりあえず、全てのデバイスに対して電力供給を再開するように設定されたテーブルを例示している。又、図6では、印刷エンジン部4からの検知信号C、Dが発生したとき、印刷等を行わず、用紙残量の確認や用紙補給や印刷エンジン部4の状態を確認できれば済む場合もあるので、とりあえず、主制御部5と、印刷エンジン部4に対して電力供給を再開するように設定されたテーブルを例示している。又、図6では、読取部1からの検知信号E、Fが発生したとき、印刷を行わず、スキャンだけで終わる場合もあるので、主制御部5と、操作パネル2と読取部1に対して電力供給を再開するように設定されたテーブルを例示している。尚、図6のテーブルは例示に過ぎず、検知信号に応じてどの部分をどのような順序、どれくらいの間隔で順番にデバイスに電力供給を再開するかを定めることができる。又、検知信号Bが生じたときの電力供給再開でのタイミングチャートは、図6と同様でよく、説明、図示を省略する。又、検知信号C〜検知信号Fについて、考え方は、検知信号Aの場合と同様でよい。
ここで、省電力モードから通常モードへの復帰したとき、一部のデバイスに対しては、電力供給が再開されない場合がある。通常モードへの復帰時、電源管理部7は、電力供給が再開されないデバイスに対しては、必要になったときに電力供給を再開してもよい。
このように、通常モードに復帰しても、例えば、一部のデバイス対して電力供給が再開されていない場合が生じ得る。この場合、電力供給がなされていないデバイスへの操作が操作検知部で検知されたときや、操作パネル2で電力供給がなされていないデバイスを用いる機能の設定がなされたとき、電源管理部7は、操作されたデバイスへの電力供給を再開すればよい。他のデバイスには電力供給がなされ、一部のデバイスに対してのみの電力供給の再開となり、使用者の待ち時間は抑えられる。
(各デバイスへの電源供給開始の制御の流れ)
次に、図9を用いて、実施形態に係る各デバイスへの電源供給開始の制御の流れの一例を説明する。図9は、各デバイスへの電源供給開始の制御の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、図9のスタートは、主電源が切られているときや、省電力モードとなっていて、各デバイス(主制御部5、操作パネル2、読取部1、印刷エンジン部4、通信制御部8等)に対する電力供給が停止されている状態で、メインスイッチ92のONがなされたり、検知信号が通信部6の信号I/F部74に入力された時点である。
まず、電源管理部7は、通信部6のメモリー71に記憶されるテーブルを参照する(ステップ♯1)。そして、電源管理部7は、電力供給を行うデバイスと、電力供給を行う順番と、電力供給を行う間隔と、各デバイスに対してリセット指示を行う時点を確認し、実行すべき電力供給の内容を認識する(ステップ♯2)。
そして、電源管理部7は、未供給のデバイスのうち最も早い順番のデバイスへの電力供給を行う(開始する)(ステップ♯3)。次に、電源管理部7は、電力供給対象のデバイスの全てに電力供給を行ったか否かを確認する(ステップ♯4)。
もし、完了していなければ(ステップ♯4のNo)、電源管理部7は、テーブルとタイマー72の計時結果(計測結果)に基づき、直前のデバイスへの電力供給時点から次のデバイスに電力供給を行うまでの予め定められた間隔(時間)が経過したか否かを確認する(ステップ♯5)。そして、電源管理部7は、予め定められた間隔が経過するまで確認を続け(ステップ♯5のNo→ステップ♯5)、予め定められた間隔が経過すると(ステップ♯5のYes)、フローは、ステップ♯3に戻る。
一方、完了していれば(ステップ♯4のYes)、電源管理部7は、電力供給を行っている各デバイス(主制御部5、操作パネル2、読取部1、印刷エンジン部4、通信制御部8等)に対し、テーブルに定められた時点に、リセット信号RSを発する(ステップ♯6)。そして、デバイスへの電力供給開始時の制御は完了する(エンド)。
(各デバイスへの電源供給停止の順序と間隔の制御)
次に、図6、図10を用いて、各デバイスへの電源供給停止の順序と間隔の制御の一例を説明する。図10は、各デバイスへの電力供給停止の一例を示すタイミングチャートである。
本実施形態の複合機100では、通常モードから省電力モードに移行するときや、主電源の遮断があったとき、電源管理部7が、順番に、予め定められた間隔で、各デバイスの電力供給を停止する。電力供給停止では、例えば、各制御部内に設けられるメモリーへのバックアップを行うための時間を設ける必要や、好ましい各デバイスの電力供給の停止順序がある場合がある。
本実施形態では、電源管理部7が、電力供給を行うときと同様に、各デバイスへの電力供給停止タイミングを制御する。図5に示すように、電源管理部7は、各デバイス(主制御部5、操作パネル2、読取部1、印刷エンジン部4、通信制御部8等)への電力供給ラインPL1〜PL5に設けられた各スイッチS(図5では、スイッチS1〜スイッチS5を例示)を開けて電力供給を停止する(供給制御信号PW1〜供給制御信号PW5)。
そして、各デバイスの電力供給を停止する順序と間隔が、通信部6内のメモリー71が記憶するテーブルに定められる。電源管理部7は、省電力モードへの移行時等、メモリー71のテーブルを参照し、各デバイスへの電力供給を予め定められた順番で停止させる。そして、タイマー72は、クロック信号をカウントして時間を計り、電源管理部7は、タイマー72の計時に基づき、電力供給を順次停止させてゆく。
ここで、図6を用いて、テーブルの一例を説明する。例えば、テーブルでは、図6に示すように、各デバイスについて、電力供給を停止する順序が定められる。図6では、電力供給開始時とは反対に、印刷エンジン部4を1番目、通信制御部8を2番目、操作パネル2を3番目、通信制御部8を4番目、主制御部5を5番目に停止する例としている。各デバイスの電力供給停止順序は、適宜定めることができる。
そして、図10は、省電力モードへの移行等により、デバイスに対して電力供給を停止するときのタイミングチャートの一例を示す。図10の例は、例えば、外部のコンピューター200から送信された画像データに基づき印刷を行うために省電力モードから通常モードに復帰し(検知信号Aのような場合)、通常モードで、読取部1と操作パネル2に電力供給が停止中であり、印刷ジョブ完了後、読取部1と操作パネル2に電力供給を再開することなく再び省電力モードに移行する場合を示している。
例えば、図10に示すように、電源管理部7は、印刷エンジン部4(T10の時点で供給制御信号PW5を立ち下げ)→通信制御部8(T13の時点で供給制御信号PW2を立ち下げ)→主制御部5(T14の時点で供給制御信号PW1を立ち下げ)の順に電力供給を停止する。尚、通常モードへの復帰に伴い、電力供給を再開した各デバイスに対して同時にリセットを指示するため、電源管理部7は、各リセット信号RS1〜リセット信号RS5の状態を電力供給停止時の状態に変化させる。尚、図10では、通常モードで一部のデバイスへの電力供給が停止している例を説明したが、通常モードで複合機100全体に電力供給がなされているとき、電源管理部7は、テーブルに定められた順序及び間隔で主制御部5等への電力供給を停止してゆけばよい。
(各デバイスへの電源供給停止の制御の流れ)
次に、図11を用いて、実施形態に係る各デバイスへの電源供給停止の制御の流れの一例を説明する。図11は、省電力モードへの移行時の各デバイスへの電源供給停止の制御の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、図11のスタートは、主電源投入や省電力モードからの復帰により、通常モードとなり、各デバイス(主制御部5、操作パネル2、読取部1、印刷エンジン部4、通信制御部8等)の全て又は一部に対する電力供給がなされている状態で、省電力モードへの移行条件が満たされた時点である。
まず、電源管理部7は、通信部6のメモリー71に記憶されるテーブルを参照する(ステップ♯11)。そして、電源管理部7は、電力供給の停止を行う順番と、電力供給停止を行う間隔を確認し、実行すべき電力供給停止処理の内容を認識する(ステップ♯12)。そして、電源管理部7は、電力供給未停止のデバイスのうち最も早い順番のデバイスへの電力供給を停止する(ステップ♯13)。そして、電源管理部7は、全てのデバイスの全ての電力供給停止を行ったか否かを確認する(ステップ♯14)。
もし、完了していなければ(ステップ♯14のNo)、電源管理部7は、テーブルとタイマー72の計時結果(計測結果)に基づき、直前のデバイスへの電力供給停止から次のデバイスに電力供給停止までの予め定められた間隔(時間)が経過したか否かを確認する(ステップ♯15)。そして、電源管理部7は、予め定められた間隔が経過するまで確認を続け(ステップ♯15のNo→ステップ♯15)、予め定められた間隔が経過すると(ステップ♯15のYes)、フローは、ステップ♯13に戻る。
一方、完了していれば(ステップ♯14のYes)、電源管理部7は、電力供給を行っている各デバイス(主制御部5、操作パネル2、読取部1、印刷エンジン部4、通信制御部8等)に向けてのリセット信号RSの状態を変化させ、省電力モードから通常モードへの復帰に備える(ステップ♯16)。そして、デバイスへの電力供給停止処理は完了する(エンド)。
(テーブルの変更)
次に、図12を用いて、本実施形態でのテーブルの変更の一例を説明する。図12は、テーブルの変更の流れを説明するためのフローチャートである。
上述のように、本実施形態の通信部6のメモリー71は、テーブルを記憶する。そして、テーブルは、電力供給の順序や間隔、電力供給停止を行う順序や間隔を示すデータを含む。又、テーブルは、通常モードへの復帰時、電力供給を行うデバイスと行わないデバイスの区別を示すデータを含む。ここで、記憶部52に記憶されるプログラムの変更や使用者の便宜等の観点から、テーブルの内容を更新、変更したい場合がある。そこで、本実施形態の複合機100では、所望の電力供給や電力供給停止の処理の手順とできるように、テーブルの内容を変更することができる。これにより、例えば、通常モードへの復帰時、検知信号に応じて、電力供給を再開するデバイスと再開しないデバイスを使用者の意志に応じて設定することができる。
複合機100には操作パネル2が設けられる。そこで、操作パネル2の液晶表示部21への入力等により、テーブルの内容の変更が受け付けられるようにしてもよい。又、外部のコンピューター200から変更後のテーブルを示すデータを通信部6に送信し、通信部6が受信したデータに基づき、テーブルの変更がなされてもよい。又、例えば、USBメモリーのような外部メモリーを接続する接続部を設け、外部メモリーに変更後のテーブルを示すデータを格納しておき、接続部に接続された外部メモリーから変更後のテーブルを示すデータを複合機100に入力できるようにしてもよい。
そして、図12に基づき、テーブルの変更の流れを説明する。図12のスタートは、テーブルの変更処理を行おうとする時点である。テーブルの変更処理を行うとき、操作パネル2や通信部6などの設定入力部に、変更後のテーブルを示すデータが入力される(ステップ♯21)。
次に、変更後のテーブルを示すデータは、通信部6に送られる(ステップ♯22)。そして、通信部6のメモリー71は、変更後のテーブルを示すデータに基づき、元のテーブルを更新して、新たなテーブルを記憶する(ステップ♯23)。これにより、テーブルの更新処理が完了する(エンド)。
このようにして、本実施形態の画像形成装置(例えば、複合機100)は、画像形成装置の一部を構成し、処理を実行する複数のデバイス(主制御部5、読取部1、印刷エンジン部4、操作パネル2等やその内部のCPUや各種制御部)と、時間を計るタイマー72と、各デバイスへの電力供給と停止を制御し、各デバイスへの省電力モード移行条件が満たされると各デバイスへの電力供給を停止し、解除条件が満たされると各デバイスへの電力供給を行う電源管理部7と、解除条件が満たされたことを示す検知信号を受信する信号受信部(信号I/F部74)と、を含み、電源管理部7は、解除条件が満たされると、タイマー72の計時に基づき予め定められた間隔、かつ、予め定められた順序で、各デバイスの電力供給を行い、省電力モード移行条件が満たされると、タイマー72の計時に基づき予め定められた間隔、かつ、予め定められた順序で、各デバイスへの電力供給を停止する。
これにより、正確な順序で各デバイス(主制御部5、読取部1、印刷エンジン部4、操作パネル2等やその内部のCPUや各種制御部)への電力供給の開始や停止を行うことができる。また、タイマー72の計時結果に基づいて処理がなされるので、予め定められた間隔で時間的なブレがなく、順番に電力供給の開始、停止がなされる。そして、電源回路の出力上昇までの時間のばらつきやコンデンサの容量のばらつきに依存せず、電力供給を開始する間隔にマージンを持たせる必要がないので、電力供給停止中の各デバイスに対して、待ち時間無しに迅速に電力供給を再開することができる。尚、「予め定められた間隔」は、あるデバイスへの電力供給開始を起点として、マージンを持たせず、各デバイスの電力供給開始で問題が生じない最短の時間間隔とすることができる。
又、電源管理部7から各デバイス(主制御部5、読取部1、印刷エンジン部4、操作パネル2等やその内部のCPUや各種制御部)へのリセット信号(リセット信号RS1〜リセット信号RS5)を伝達するためのリセット信号線RL1〜RL5が設けられ、電源管理部7は、各デバイスへの電力供給開始に伴い、タイマー72の計時に基づき予め定められた間隔、かつ、予め定められた順序で各デバイスにリセットを行わせる。これにより、コンデンサを用いたリセットIC(リセット回路)ではなく、タイマー72の計時に基づき各デバイスのリセットかなされるので、コンデンサの容量のばらつきを考慮してリセットの指示を与える間隔にマージンを持たせる必要が無い。従って、待ち時間を設けず、最短の時間で、各デバイスにリセットの指示を与え、起動(初期化)や通信開始を開始させることができる。尚、「予め定められた間隔」は、各デバイスの電力供給開始との兼ね合いを考慮しつつ、マージンを持たせず、例えば、あるデバイスへの電力供給開始や、あるデバイスへのリセット指示を起点として、リセット指示を与えても問題が生じない最短の時間間隔とすることができる。
又、本実施形態に係る画像形成装置(例えば、複合機100)は、電力供給を行うときの間隔と順序、及び、電力供給を停止するときの間隔と順序を示すデータを含むテーブルを記憶するメモリー71を有し、電源管理部7は、解除条件が満たされると、テーブルに基づき、順番に各デバイス(主制御部5、読取部1、印刷エンジン部4、操作パネル2等やその内部のCPUや各種制御部)の電力供給を行い、省電力モード移行条件が満たされると、テーブルに基づき、順番に各デバイスへの電力供給を停止する。これにより、テーブルを用いて、各デバイスに対する電力供給開始や停止の順番や間隔を設定することができる。従って、簡易、柔軟に、各デバイスに対する電力供給開始と停止のシーケンスを定めることができる。
又、テーブルは、各デバイス(主制御部5、読取部1、印刷エンジン部4、操作パネル2等やその内部のCPUや各種制御部)のリセットを行う間隔及び順番を示すデータを含み、電源管理部7は、テーブルに基づき、各デバイスのリセットを行う。これにより、テーブルを用いて、各デバイスに対する電力供給開始に伴うリセット指示の順番や間隔を設定することができる。従って、簡易、柔軟に、電力供給開始に伴う各デバイスのリセットや初期化のシーケンスを定めることができる。
又、本実施形態に係る画像形成装置(例えば、複合機100)は、テーブルを設定するための設定入力部(例えば、操作パネル2や通信部6)を含み、メモリー71は、設定入力部によって設定されたテーブルを記憶する。これにより、各デバイス(主制御部5、読取部1、印刷エンジン部4、操作パネル2等やその内部のCPUや各種制御部)に対する電力供給開始や停止の順番や間隔など、各デバイスへの電力供給や停止におけるシーケンスの設定変更や最適化を、所望する時に行うことができる。従って、各デバイスへの電力供給や停止におけるシーケンスの設定での柔軟性、自由度を高めることができる。
又、デバイス(主制御部5、読取部1、印刷エンジン部4、操作パネル2等やその内部のCPUや各種制御部)は、画像データを処理する画像処理部53、原稿を読み取る読取部1、印刷を行う印刷エンジン部4のうちいずれか1つ、又は、複数を含む。これにより、画像形成装置を構成する各部分の起動に要する時間の最短化を図ることができる。又、好適、正確な順序、間隔で各部分に対する電力供給が停止させることができ、問題なく画像形成装置を低消費電力の状態に移行させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
例えば、上記の説明では、デバイスとして、主制御部、操作パネル、読取部、印刷エンジン部、通信制御部等を例に挙げたが、デバイスはこれらに限られない。例えば、後処理装置等のオプション装置がデバイスとして扱われてもよい。又、デバイスは、1つのチップ、回路、基板であってもよい。
又、上記の説明では、例示したデバイス単位で電力供給のON/OFFを行う例を説明したが、デバイスに対し複数種の電圧が供給される場合、電圧の種類を1つの単位として、1つのデバイスを複数段階に分けて、順番に、予め定められた間隔で、電力供給と供給停止を制御しても良い。