JP2019057198A - 油圧システムのパラメータ推定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、油圧システムの動特性に影響を与える物理量をパラメータとして推定するパラメータ推定方法の適用範囲を広げることである。【解決手段】油圧システムのパラメータ推定方法は、油圧システムの動特性に影響を与える物理量を推定対象パラメータとして推定するものである。油圧システムのパラメータ推定方法は、油圧システムの状態量と推定対象パラメータとを含む状態ベクトルを設定する工程と、状態ベクトルを用いて、油圧システムの状態方程式を設定する工程と、ベイズ推定に基づく状態推定手法を状態方程式に適用して、状態ベクトルを推定することにより、推定対象パラメータを推定する工程とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、油圧システムの動特性に影響を与える物理量をパラメータとして推定する油圧システムのパラメータ推定方法に関する。
油圧システムの制御において、油圧システムの動特性を正確にモデル化することは重要である。油圧システムの動特性は、作動油の体積弾性率や粘度、レイノルズ数等の様々な物理量に大きく依存する。そして、これらの物理量には、油圧システムの稼働中に動的に変化するパラメータに依存するものがある。例えば、作動油の体積弾性率は、作動油への気泡混入率、作動油の温度や圧力等に依存する。そのため、油圧システムの動特性に影響を与える物理量については、その値をリアルタイムで取得することが望ましい。
例えば、作動油の体積弾性率をリアルタイムで取得する方法として、油圧システムの作動油の体積変化とそれに対する発生圧力を測定し、その比率(つまり、体積弾性率の定義そのもの)を計算することが考えられる。しかしながら、一般的な油圧システムにおいて、作動油の体積変化を正確に測定するためには、通常の作業を中断したり、作動油の体積変化とそれに対する発生圧力を測定するための回路を別途設ける必要がある。そのため、油圧システムの運用効率の低下や運用コストの増大を招いてしまう。
作動油の体積弾性率をリアルタイムで取得する他の方法として、体積弾性率を数学関数でモデル化し、その関数の変数である物理パラメータをセンサにて測定し、代入することが考えられる。しかしながら、作動油の体積弾性率が依存する作動油への気泡混入率は、センサによって直接測定することが難しく、そのため、全ての状態に対して十分な精度を保証する数学モデルを構築することは困難である。
そこで、作動油の体積弾性率をリアルタイムで取得する方法として、システム同定理論の適用が考えられる。システム同定理論を用いたパラメータ同定法として、例えば、最小二乗法がある。
下記特許文献1には、最小二乗法に基づくパラメータ同定法が開示されている。特許文献1に記載のパラメータ同定法では、鉛直多関節油圧マニピュレータの非線形モデルを表す状態空間方程式を定め、当該状態空間方程式に、従来の逐次同定法を修正した新たな逐次同定法を適用する。この逐次同定法では、各ステップにおいて、測定したパラメータ及び既知のパラメータを用いて、状態空間方程式に基づき、体積弾性率及び流量係数を含む未知のパラメータについての線形方程式を立てるが、当該線形方程式を用いた同定計算は行わない。各ステップの終了後に、未知のパラメータについての線形方程式を、全ステップを横断して2つの線形方程式に厳密に統合し、これらを各時刻に亘って連立することで2つの正規方程式を導く。そして、これら2つの正規方程式を解くことで、体積弾性率及び流量係数を含む未知のパラメータを同定する。
特開2015−77643号公報
しかしながら、特許文献1に記載のパラメータ同定法は、状態の全てが観測可能であるとともに状態方程式が同定パラメータに対して線形に変形できる場合にしか、適用できない。加えて、同定パラメータの数が増えると、計算コストが指数関数的に増加してしまい、リアルタイムでの推定が困難になる。したがって、パラメータ同定法の適用範囲が著しく限定される。
本発明の目的は、油圧システムの動特性に影響を与える物理量をパラメータとして推定するパラメータ推定方法の適用範囲を広げることである。
本願の発明者は、上記の目的を達成するために、推定対象の物理量を推定対象パラメータとして含む状態ベクトルを設定することに着目して検討を進めた。そして、当該状態ベクトルを用いた方程式に対して、ベイズ推定に基づく状態推定手法又は逐次推定手法を適用することにより、パラメータ推定手法の適用範囲を広げることができるという新たな知見を得るに至った。本発明は、このような知見に基づいて完成されたものである。
本発明の第1の態様による油圧システムのパラメータ推定方法は、油圧システムの動特性に影響を与える物理量を推定対象パラメータとして推定する油圧システムのパラメータ推定方法であって、前記油圧システムの状態量と前記推定対象パラメータとを含む状態ベクトルを設定する工程と、前記状態ベクトルを用いて、前記油圧システムの状態方程式を設定する工程と、ベイズ推定に基づく状態推定手法を前記状態方程式に適用して、前記状態ベクトルを推定することにより、前記推定対象パラメータを推定する工程とを備える。
上記第1の態様による油圧システムのパラメータ推定方法においては、ベイズ推定に基づく状態推定手法を適用するので、状態ベクトルに含まれる油圧システムの状態量の全てが観測可能でなくてもよい。その結果、パラメータ推定方法の適用範囲を広げることができる。
上記第1の態様による油圧システムのパラメータ推定方法において、好ましくは、前記推定対象パラメータは、前記油圧システムにおける作動油の体積弾性率である。この場合、油圧システムの動作を停止することなく、作動油の体積弾性率を得ることができる。
上記第1の態様による油圧システムのパラメータ推定方法において、前記状態方程式が非線形であってもよい。この場合、前記推定対象パラメータを推定する工程では、好ましくは、前記状態方程式に非線形の状態推定手法を適用して、前記状態ベクトルを推定することにより、前記推定対象パラメータを推定する。このような態様においては、状態方程式が非線形であっても、推定対象パラメータを推定することができるので、パラメータ推定方法の適用範囲を広げることができる。
上記第1の態様による油圧システムのパラメータ推定方法において、好ましくは、前記状態方程式が雑音項を含み、前記推定対象パラメータを推定する工程では、前記状態方程式にカルマンフィルタを適用して、前記状態ベクトルを推定することにより、前記推定対象パラメータを推定する。この場合、油圧システムが有する雑音等の影響を考慮して、推定対象パラメータを推定することができる。
本発明の第2の態様による油圧システムのパラメータ推定方法は、油圧システムの動特性に影響を与える物理量を推定対象パラメータとして推定する油圧システムのパラメータ推定方法であって、前記油圧システムの動特性を示す第1方程式を導出する工程と、前記推定対象パラメータを含む状態ベクトルを用いた第2方程式を前記第1方程式から導出する工程と、逐次推定手法を前記第2方程式に適用して、前記状態ベクトルを推定することにより、前記推定対象パラメータを推定する工程とを備える。
上記第2の態様による油圧システムのパラメータ推定方法においては、逐次推定手法を適用するので、推定対象パラメータを推定する際の計算コストの増加を抑制することができる。そのため、パラメータ推定手法の適用範囲を広げることができる。
上記第2の態様による油圧システムのパラメータ推定方法において、好ましくは、前記推定対象パラメータを推定する工程では、前記第2方程式に逐次最小二乗法を適用して、前記状態ベクトルを推定することにより、前記推定対象パラメータを推定する。この場合、あるタイムステップでの推定対象パラメータの推定値を、その前のタイムステップでの推定対象パラメータの推定値の関数として逐次的に(少ない計算コストで)導出することができる。
上記第2の態様による油圧システムのパラメータ推定方法は、好ましくは、さらに、前記油圧システムの状態量を測定する工程を備え、前記推定対象パラメータを推定する工程では、前記状態量の測定値に含まれるノイズに起因する前記推定対象パラメータの推定誤差を小さくするために、前記逐次最小二乗法を前記第2方程式に適用するに際して、前記状態量の測定値を補正する。この場合、補正した状態量の測定値を用いて、推定対象パラメータを推定することができるので、推定対象パラメータの推定精度を向上させることができる。
上記第2の態様による油圧システムのパラメータ推定方法において、前記推定対象パラメータを推定する工程では、前記状態量の測定値の絶対値が大きいほど、その重みを大きくするように、前記状態量の測定値を補正するようにしてもよい。この場合、状態量の測定値の絶対値の大きさに応じて、状態量の測定値が推定対象パラメータの推定誤差に与える影響を調整することができるため、推定対象パラメータの推定精度を向上させることができる。
上記第2の態様による油圧システムのパラメータ推定方法において、前記推定対象パラメータを推定する工程では、前記状態量の測定値の変化量が大きいほど、その重みを小さくするように、前記状態量の測定値を補正するようにしてもよい。この場合、状態量の測定値の変化量の大きさに応じて、状態量の測定値が推定対象パラメータの推定誤差に与える影響を調整することができるので、推定対象パラメータの推定精度を向上させることができる。
上記第2の態様による油圧システムのパラメータ推定方法において、前記推定対象パラメータを推定する工程では、前記ノイズをフィルタによって除去することにより、前記状態量の測定値を補正するようにしてもよい。この場合、状態量の測定値に含まれるノイズがフィルタによって除去されているので、推定対象パラメータの推定精度を向上させることができる。
上記第2の態様による油圧システムのパラメータ推定方法において、好ましくは、前記第2方程式が雑音項を含み、前記推定対象パラメータを推定する工程では、前記第2方程式にカルマンフィルタを適用して、前記状態ベクトルを推定することにより、前記推定対象パラメータを推定する。この場合、油圧システムが有する雑音等の影響を考慮して、推定対象パラメータを推定することができる。
上記第2の態様による油圧システムのパラメータ推定方法において、好ましくは、前記推定対象パラメータは、前記油圧システムにおける作動油の体積弾性率である。この場合、油圧システムの動作を停止しなくても、作動油の体積弾性率を得ることができる。
上記第2の態様による油圧システムのパラメータ推定方法において、好ましくは、前記推定対象パラメータは、前記油圧システムにおける作動油の体積弾性率と縮流係数である。この場合、作動油の体積弾性率だけでなく、縮流係数も推定することができる。
上記第2の態様による油圧システムのパラメータ推定方法において、好ましくは、前記推定対象パラメータは、前記油圧システムにおける作動油の体積弾性率の圧力依存性を示すものである。この場合、作動油の体積弾性率が作動油の圧力に依存する度合いを推定することができる。
本発明の油圧システムのパラメータ推定方法によれば、パラメータ推定手法の適用範囲を広げることができる。
本発明の第1の実施の形態による油圧システムのパラメータ推定方法を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態による油圧システムのパラメータ推定方法が適用される油圧システムを示す回路図である。 本発明の第1の実施の形態で用いるfhin(x)、fhout(x)、frin(x)及びfrout(x)を示すグラフである。 油圧システムへの入力としての方向流量制御弁のスプール位置を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態での推定結果を示すグラフであって、作動油の体積弾性率Kの推定を開始してからの時間変化を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態での推定結果を示すグラフであって、圧力Pの推定を開始してからの時間変化を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態での推定結果を示すグラフであって、圧力Pの推定を開始してからの時間変化を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態での推定結果を示すグラフであって、圧力Pの推定を開始してからの時間変化を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態での推定結果を示すグラフであって、スプール位置xの推定を開始してからの時間変化を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態での推定結果を示すグラフであって、スプール速度xの推定を開始してからの時間変化を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態による油圧システムのパラメータ推定方法を示すフローチャートである。 逐次最小二乗法によって作動油の体積弾性率Kを推定した結果を示すグラフである。 逐次最小二乗法によって作動油の体積弾性率Kを推定した結果を示すグラフである。 逐次最小二乗法によって縮流係数Cを推定した結果を示すグラフである。 重み付き逐次最小二乗法によって作動油の体積弾性率Kを推定した結果を示すグラフである。 重み付き逐次最小二乗法によって縮流係数Cを推定した結果を示すグラフである。 重み付き逐次最小二乗法によって作動油の体積弾性率Kを推定した結果を示すグラフである。 重み付き逐次最小二乗法によって縮流係数Cを推定した結果を示すグラフである。 周波数フィルタと逐次最小二乗法によって作動油の体積弾性率Kを推定した結果を示すグラフである。 周波数フィルタと逐次最小二乗法によって縮流係数Cを推定した結果を示すグラフである。 大気圧における体積弾性率K0の推定結果を示すグラフである。 比例係数Kpの推定結果を示すグラフである。 大気圧における体積弾性率K0の推定結果を示すグラフである。 比例係数Kpの推定結果を示すグラフである。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳述する。
[第1の実施の形態]
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態による油圧システムのパラメータ推定方法について説明する。図1は、第1の実施の形態による油圧システムのパラメータ推定方法を示すフローチャートである。
第1の実施の形態による油圧システムのパラメータ推定方法は、油圧システムの動特性に影響を与える物理量を推定対象パラメータとして推定するものである。第1の実施の形態による油圧システムのパラメータ推定方法は、油圧システムの動特性を示す方程式を設定する工程(ステップS10)と、油圧システムの状態量と推定対象パラメータとを含む状態ベクトルを設定する工程(ステップS11)と、状態ベクトルを用いて、油圧システムの状態方程式と観測方程式を設定する工程(ステップS12)と、ベイズ推定に基づく状態推定手法を状態方程式に適用して、状態ベクトルを推定することにより、推定対象パラメータを推定する工程(ステップS13)とを備える。
このようなパラメータ推定手法は、例えば、制御CPUやシミュレータによって実行される。制御CPUは、例えば、実機システムを制御する。
第1の実施の形態による油圧システムのパラメータ推定方法は、例えば、図2に示す油圧システム10に適用して、油圧システム10の作動油の体積弾性率Kを推定対象パラメータとして推定するために用いられる。なお、第1の実施の形態による油圧システムのパラメータ推定方法が適用される油圧システムは、図2に示す油圧システム10に限定されるものではない。また、第1の実施の形態による油圧システムのパラメータ推定方法によって推定される推定対象パラメータは、油圧システム10の作動油の体積弾性率Kに限定されない。
図2を参照して、第1の実施の形態による油圧システムのパラメータ推定方法が適用される油圧システム10について説明する。図2は、油圧システム10を示す回路図である。
油圧システム10は、スプール式の方向流量制御弁14のスプール変位xvを制御入力とし、油圧シリンダ16の動作を制御するものである。油圧システム10は、油圧ポンプ12と、方向流量制御弁14と、油圧シリンダ16と、作動油タンク18と、リリーフ弁20とを備える。
油圧ポンプ12は、作動油を吐出する。方向流量制御弁14は、油圧ポンプ12から油圧シリンダ16に供給される作動油の方向及び流量を変化させる。油圧シリンダ16は、油圧ポンプ12が吐出する作動油(つまり、油圧ポンプ12から供給される作動油)によって駆動される。作動油タンク18は、油圧ポンプ12から吐出される作動油を貯留する。リリーフ弁20は、油圧ポンプ12から吐出される作動油の圧力が所定の圧力を超えないように、開閉動作を行う。油圧ポンプ12と方向流量制御弁14とは、配管22によって接続されている。方向流量制御弁14と油圧シリンダ16のシリンダヘッド側の液室とは、配管24によって接続されている。油圧シリンダ16のロッド側の液室と方向流量制御弁14とは、配管26によって接続されている。
再び、図1を参照しながら、第1の実施の形態による油圧システムのパラメータ推定方法の各工程について説明する。
先ず、ステップS10において、油圧システム10の動特性を示す方程式を設定する。油圧システム10の動特性は、以下に示す方程式によって表される。
Figure 2019057198
ここで、mは油圧シリンダ16及び負荷対象の質量を示し、xはシリンダ位置(油圧シリンダ16内でのシリンダヘッドの位置)を示し、Aは油圧シリンダ16のシリンダヘッド側の液室161の断面積を示し、Aは油圧シリンダ16のロッド側の液室162の断面積を示し、Pは配管22内の圧力を示し、Pは配管24内の圧力を示し、Pは配管26内の圧力を示し、Pは作動油タンク18内の圧力を示し、Kは作動油の体積弾性率を示し、Vは配管22の容積を示し、Vは配管24の容積を示し、Vは配管26の容積を示し、lは油圧シリンダ16の全長を示す。Qは油圧ポンプ12から吐出される油量を示し、Qhinは方向流量制御弁14を通過して油圧シリンダ16の液室161へ流入する油量を示し、Qhoutは油圧シリンダ16の液室161から排出されて方向流量制御弁14を通過する油量を示し、Qrinは方向流量制御弁14を通過して油圧シリンダ16の液室162へ流入する油量を示し、Qroutは油圧シリンダ16の液室162から排出されて方向流量制御弁14を通過する油量を示し、QpRはリリーフ弁20を通過する油量を示す。
、Qhin、Qhout、Qrin、Qrout、QpRは、以下に示す方程式によって表される。
Figure 2019057198
ここで、fhin(x)はAhinとxとの関係を示す任意の関数であり、fhout(x)はAhoutとxとの関係を示す任意の関数であり、frin(x)はArinとxとの関係を示す任意の関数であり、frout(x)はAroutとxとの関係を示す任意の関数であり、fpR(P−P)は、ApRとP−Pとの関係を示す任意の関数である。また、Cは縮流係数を示し、ρは作動油の密度を示し、Ahinは方向流量制御弁14において作動油が液室161に向かって流れる流路での開口面積を示し、Ahoutは方向流量制御弁14において液室161からの作動油が流れる流路での開口面積を示し、Arinは方向流量制御弁14において作動油が液室162に向かって流れる流路での開口面積を示し、Aroutは方向流量制御弁14において液室162からの作動油が流れる流路での開口面積を示し、ApRはリリーフ弁20の開口面積を示し、xは方向流量制御弁14のスプール位置を示す。
油圧システム10の動特性を示す方程式を設定した後、ステップS11において、油圧システム10の状態量と推定対象パラメータとを含む状態ベクトルを設定する。
油圧システム10の状態量は、圧力P、圧力P、圧力P、スプール位置x及びスプール速度xである。また、前述のとおり、推定対象パラメータは、体積弾性率Kである。油圧システム10の状態ベクトルxは、以下のように表される。
Figure 2019057198
油圧システム10の状態ベクトルxを設定した後、ステップS12において、状態ベクトルxを用いて、油圧システム10の状態方程式と観測方程式を設定する。
油圧システム10の状態方程式は、非線形である。油圧システム10の状態方程式は、以下のように表される。
Figure 2019057198
つまり、油圧システム10の状態方程式は、1階の微分方程式の形で表される。
なお、上記状態方程式におけるv∈R6×1は、平均ベクトルが0∈R6×1であり、分散共分散行列がQ∈R6×6である白色雑音ベクトルを表す。つまり、上記状態方程式は、雑音項を含む。
ここで、圧力センサや位置センサにより、油圧システム10の状態量のうち、圧力P、圧力P、圧力P及びスプール位置xが観測可能であるとする。このとき、油圧システム10の観測方程式は、以下のように表される。
Figure 2019057198
なお、上記観測方程式におけるw∈R4×4は、平均ベクトルが0∈R4×4であり、分散共分散行列がR∈R4×4である白色雑音ベクトルを表す。
油圧システム10の状態方程式と観測方程式を設定した後、ステップS13において、ベイズ推定に基づく状態推定手法としてのUnscentedカルマンフィルタ(つまり、非線形の状態推定手法)を状態方程式に適用して、状態ベクトルxを推定することにより、推定対象パラメータとしての作動油の体積弾性率Kを推定する。
[第1の実施の形態での推定に用いる条件]
以下、本実施の形態での推定に用いる条件について説明する。また、当該条件を用いて推定した結果についても説明する。
本実施の形態で用いる物理定数を、以下の表1に示す。
Figure 2019057198
また、本実施の形態で用いるfhin(x)、fhout(x)、frin(x)及びfrout(x)を、図3に示す。fhin(x)とfrout(x)は、それぞれ、スプール位置xが負である場合は、開口面積がゼロであり、スプール位置xが正である場合は、スプール位置xが大きくなるに従って、開口面積が大きくなる。frin(x)とfhout(x)は、それぞれ、スプール位置xが負である場合は、スプール位置xの絶対値が小さくなるに従って、開口面積が小さくなり、スプール位置xが正である場合は、開口面積がゼロである。油圧システム10への入力として、方向流量制御弁14のスプール位置xを、図4に示すように与える。
作動油の体積弾性率Kの時間変化fは、ゼロであってもよいし、正の値(例えば、50)であってもよい。作動油の体積弾性率Kの時間変化fがゼロである場合、作動油の体積弾性率Kが定数であると仮定した推定が行われる。一方、作動油の体積弾性率Kの時間変化fが正の値である場合、作動油の体積弾性率Kは変動パラメータとなり、モデル化誤差を模擬することができる。なお、本実施の形態では、作動油の体積弾性率Kの時間変化fを50にしている。
このような条件の下で、作動油の体積弾性率Kを推定し、図5〜図10に示すような結果を得た。
図5に示すように、推定を開始してから0.1秒以内に、作動油の体積弾性率Kの推定値が、初期値(500MPa)から真値(1500MPa)付近に移動していることが確認できる。作動油の体積弾性率K及びシリンダ速度が直接計測されていないにも関わらず、これらの数値を推定できていることが判る。
また、図5に示すように、推定モデルでは考慮されていない真値の時間変化に対して、推定値が追従できていることも確認できる。これにより、状態方程式にモデル化誤差が含まれていても、雑音ベクトルvの分散共分散行列Qを適切に設定することで実用的な推定が実現されていることが判る。
また、本実施の形態では、推定値の標準偏差を指標として、推定の信頼度を評価することができる。図5では、油流の状態に応じて推定値の標準偏差が時々刻々変化しており、推定誤差を考慮に入れた制御器を設計する際の定量的な指標として利用できる。
また、図6〜図10に示すように、作動油の体積弾性率Kの推定のみならず、雑音ベクトルwの分散共分散行列Rを適切に設定することにより、雑音の入った測定値から状態ベクトルxの真値も推定できていることが確認できる。
[第1の実施の形態の応用例]
第1の実施の形態では、ベイズ推定に基づいた状態推定手法として、Unscentedカルマンフィルタを用いていたが、例えば、線形カルマンフィルタや拡張カルマンフィルタ、粒子フィルタ、アンサンブルカルマンフィルタ等を用いてもよい。なお、線形カルマンフィルタを用いる場合には、状態方程式は線形でなければならないが、例えば、動作範囲が限られた油圧システムであれば、その範囲内で非線形な状態方程式を線形な状態方程式に近似することにより、線形カルマンフィルタを適用することができる。また、限定的な仮定の下では、油圧システムの状態方程式を線形に表すこともできる。例えば、作動油の流れを層流であると仮定したり、油圧シリンダの代わりに、油圧モータを採用するのであれば、油圧システムの状態方程式を線形に表すことができる。
推定対象パラメータが動的に変化する場合、当該推定対象パラメータに関する既知の特性を状態方程式に反映させてもよい。例えば、作動油の体積弾性率Kは、等温条件において、圧力に比例するので、これを状態方程式に反映させてもよい。
状態方程式を第1原理モデリングではなく、ブラックボックスモデリングで導出し、その係数を推定するようにしてもよい。
第1の実施の形態による油圧システムのパラメータ推定方法によって得られる推定値は、油圧システムの制御に利用してもよいし、油圧システムのオペレータへ提示することにより、オペレータによる油圧システムの操作の支援及び/又はガイダンスを行うようにしてもよい。
[第2の実施の形態]
図11を参照しながら、本発明の第2の実施の形態による油圧システムのパラメータ推定方法について説明する。図11は、第2の実施の形態による油圧システムのパラメータ推定方法を示すフローチャートである。
第2の実施の形態による油圧システムのパラメータ推定方法は、第1の実施の形態による油圧システムのパラメータ推定方法と比べて、ベイズ推定に基づく状態推定手法の代わりに、逐次推定手法を用いている点で異なる。また、状態ベクトルが推定対象パラメータのみを含む場合もあり得る点で異なる。
第2の実施の形態による油圧システムのパラメータ推定方法は、油圧システムの動特性を示す第1方程式を設定する工程(ステップS20)と、推定対象パラメータを含む状態ベクトルを用いた第2方程式を第1方程式から導出する工程(ステップS21)と、逐次推定手法を第2方程式に適用して、状態ベクトルを推定することにより、推定対象パラメータを推定する工程(ステップS22)とを備える。
このようなパラメータ推定方法は、例えば、制御CPUやシミュレータによって実行される。制御CPUは、例えば、実機システムを制御する。
ここで、ステップS20の工程は、第1の実施の形態におけるステップS10の工程と同じであるから、その詳細な説明は省略する。ステップS21及びステップS22の工程の詳細については、後述する。
第2の実施の形態による油圧システムのパラメータ推定方法は、第1の実施の形態による油圧システムのパラメータ推定方法と同様に、例えば、図2に示す油圧システム10に適用して、油圧システム10の作動油の体積弾性率Kを推定するために用いられる。なお、第2の実施の形態による油圧システムのパラメータ推定方法が適用される油圧システムは、図2に示す油圧システム10に限定されるものではない。また、第2の実施の形態による油圧システムのパラメータ推定方法によって推定される推定対象パラメータは、油圧システム10の作動油の体積弾性率Kに限定されない。
逐次推定手法は、各タイムステップでの推定値がその前のタイムステップでの推定値の関数として導出できるものであれば、特に限定されない。逐次推定手法は、逐次最小二乗法やカルマンフィルタを含む。逐次推定手法を適用することにより、計算コストを少なくすることができる。
Figure 2019057198
表2は、本実施の形態にて採用される逐次推定手法と推定対象パラメータとの組み合わせを示す。例えば、(1)の組み合わせに係る態様は、逐次最小二乗法によって作動油の体積弾性率Kを推定する場合を示す。
以下、表2に示す(1)〜(8)の組み合わせに係る態様について説明する。なお、表2における空欄は、他の組み合わせに係る態様にて説明する逐次推定手法を適用することで実施できるため、その詳細な説明を省略していることを示しているだけであり、実施が不可能であることを意味しているのではない。例えば、(5)の組み合わせに係る態様にて説明する周波数フィルタ付の逐次最小二乗法を適用しても、作動油の体積弾性率Kを推定することができる。
また、以下では、表2に示す(1)〜(8)の組み合わせに係る態様の推定結果についても説明する。なお、推定に用いた条件は、第1の実施の形態での条件、つまり、表1、図3及び図4に示すものと同じであるから、その詳細な説明は省略する。
(1)の組み合わせに係る態様について
先ず、逐次最小二乗法によって作動油の体積弾性率Kを推定する場合について説明する。
この場合、ステップS21において、油圧システム10の動特性を表す方程式のうち、P、P及びPを微分したものについての方程式を推定対象パラメータとしての作動油の体積弾性率Kに対して線形な形で離散化する。
先ず、P、P及びPを微分したものについての方程式の右辺を、Kとそれ以外の項a、a、aの積として陽に表すと、以下のようになる。
Figure 2019057198
これらの式の左辺、つまり、P、P及びPを微分したものを時間区切りΔtで差分近似すると、以下のようになる。
Figure 2019057198
ここで、kは時間区切りΔtで離散化されたタイムステップを表す。K以外のパラメータは、観測可能であるとする。
各タイムステップnの時点での上記式の両辺の二乗誤差の総和は、以下のようになる。
Figure 2019057198
このような二乗誤差の総和を最小化するK(n)を逐次最小二乗法によって導出する。これにより、ステップS22が実行される。なお、上記式において、計算開始タイムステップaは、油圧システム10の特性に応じて調整するパラメータである。
図12は、作動油の体積弾性率Kの推定結果を示すグラフである。図12に示すように、時間が経過するに従って、推定値が真値に近づいており、推定の精度が向上していることが判る。なお、推定値が真値に一致していないのは、P、P及びPを微分したものを1次のオイラー法で差分近似したことで生じる近似誤差が原因である。
(2)の組み合わせに係る態様について
続いて、逐次最小二乗法によって作動油の体積弾性率Kと縮流係数Cを推定する場合について説明する。
この場合、ステップS21において、油圧システム10の動特性を表す方程式のうち、P、P及びPを微分したものについての方程式を推定対象パラメータとしてのK及びKCに対して線形な形で離散化する。
先ず、P、P及びPを微分したものについての方程式の右辺のうち、Kの項とKCの項とを陽に表すと、以下のようになる。
Figure 2019057198
これらの式の左辺、つまり、P、P及びPを微分したものを時間区切りΔtで差分近似すると、以下のようになる。
Figure 2019057198
ここで、kは時間区切りΔtで離散化されたタイムステップを表す。
左辺のベクトルをyLS(k)、右辺のベクトルをxLS、行列をA(k)とすると、上記式は、以下のようになる。
Figure 2019057198
ここで、xLS以外のパラメータは観測可能であるとする。
各タイムステップnの時点での上記式の両辺の二乗誤差の総和は、以下のようになる。
Figure 2019057198
このような二乗誤差の総和を最小化するxLS(n)を逐次最小二乗法によって導出する。その後、KCをKで除することにより、縮流係数Cを推定する。これにより、ステップS22が実行される。なお、上記式において、計算開始タイムステップaは、油圧システム10の特性に応じて調整するパラメータである。
図13は、作動油の体積弾性率Kの推定結果を示すグラフである。図14は、縮流係数Cの推定結果を示すグラフである。なお、図13及び図14では、計測値P、P、Pにノイズがない場合の推定結果だけでなく、計測値P、P、Pにノイズがある場合の推定結果も示している。ノイズは、計測値P、P、Pに対して平均がゼロで標準偏差が0.04[MPa]であるホワイトノイズが加わり、且つ、計測値xに対して平均がゼロで標準偏差が10[mm]のホワイトノイズが加わったものである。
図13に示すように、作動油の体積弾性率Kは、(1)の場合と同様に、時間が経過するに従って、推定値が真値に近づいており、推定の精度が向上していることが判る。縮流係数Cについても、図14に示すように、正しく推定されていることが確認できる。
これに対して、計測値にノイズがある場合は、K及びCの推定結果の精度が低下している。これは、計測値P、P、Pに含まれるノイズがQ、Qhin、Qhout、Qrin、Qrout、QpRについての方程式中の非線形関数(平方根)を通ることで、流量の平均値にずれを生み出すことが主な原因である。推定精度の低下は、油圧システム10の動特性を示す方程式の非線形性が大きくなるほど、また、計測データの真値に対するノイズの大きさが大きくなるほど、顕著になる。計測値にノイズがある油圧システムに対しては、単純に逐次最小二乗法を適用することが好ましくないことが判る。
(3)の組み合わせに係る態様について
続いて、計測値に含まれるノイズによる推定精度の低下を軽減するために、重み付き逐次最小二乗法によって作動油の体積弾性率Kと縮流係数Cを推定する場合について説明する。なお、この態様では、ステップS21の工程は、(2)の組み合わせに係る態様と同じである。
この態様では、以下に示す二乗誤差の重み付き総和を最小化するxLS(n)を導出する。その後、KCをKで除することにより、縮流係数Cを推定する。これにより、ステップS22が実行される。
Figure 2019057198
ここで、W(k)はタイムステップkにおける重み行列であり、計測値の信頼度等、既知の性質に応じて設定される。計測値の真値に対するノイズの大きさが大きくなるほど、推定の精度が顕著に低下することから、計測値の絶対値が大きいほど、重みを大きくして、その計測値に対する信頼度を上げるような推定を行う。W(k)は、例えば、以下のように設定される。
Figure 2019057198
ここで、α、α、αは、重みの大きさを調整するチューニングパラメータである。なお、W(k)の設定はこれに限定されない。
図15は、作動油の体積弾性率Kの推定結果を示すグラフである。図16は、縮流係数Cの推定結果を示すグラフである。図13及び図14と比べて、計測値にノイズが含まれているにも関わらず、推定精度が向上していることが判る。
(4)の組み合わせに係る態様について
続いて、計測値に含まれるノイズによる推定精度の低下を軽減するために、重み付き逐次最小二乗法によって作動油の体積弾性率Kと縮流係数Cを推定する場合について説明する。(4)の組み合わせに係る態様では、(3)の組み合わせに係る態様と比べて、重み行列W(k)が異なっている。この重み行列W(k)は、1タイムステップにおける圧力の変化が大きいほど、重みが小さくなるように、設定されている。つまり、圧力の変化が油圧システム10の動作として想定される値よりも大きい場合、その計測値をノイズとみなし、推定への寄与を低減させる。重み行列W(k)は、例えば、以下のように設定される。
Figure 2019057198
ここで、αは、想定変化量を調整するチューニングパラメータである。なお、W(k)の設定はこれに限定されない。
図17は、作動油の体積弾性率Kの推定結果を示すグラフである。図18は、縮流係数Cの推定結果を示すグラフである。図13及び図14と比べて、計測値にノイズが含まれているにも関わらず、推定精度が向上していることが判る。
(5)の組み合わせに係る態様について
続いて、計測値に含まれるノイズによる推定精度の低下を軽減するために、周波数フィルタと逐次最小二乗法によって作動油の体積弾性率Kと縮流係数Cを推定する場合について説明する。
この場合、圧力計測値の周波数成分のうち、油圧システム10の動作として想定される周波数成分以外をノイズとみなしてフィルタにより除去し、フィルタ処理後の計測値に対して逐次最小二乗法を適用する。使用する周波数フィルタは、以下のような移動平均フィルタである。
Figure 2019057198
ここで、Pfilteredはフィルタ適用後の圧力値であり、Pは圧力計測値(P、P、P)である。
なお、使用する周波数フィルタは、移動平均フィルタに限定されず、例えば、線形フィルタ、バターワースフィルタ、チェビシェフフィルタ等であってもよい。
図19は、作動油の体積弾性率Kの推定結果を示すグラフである。図20は、縮流係数Cの推定結果を示すグラフである。図19及び図20では、上記式においてN=21とした移動平均フィルタを用いた推定結果を示している。図13及び図14と比べて、計測値にノイズが含まれているにも関わらず、推定精度が向上していることが判る。
(6)の組み合わせに係る態様について
続いて、(6)の組み合わせに係る態様について説明する。この態様は、計測値に含まれるノイズによる推定精度の低下を軽減するために、Unscentedカルマンフィルタによって作動油の体積弾性率Kを推定する場合である。なお、Unscentedカルマンフィルタによって作動油の体積弾性率Kを推定する手法は、第1の実施の形態で説明したものと同様であるから、その詳細な説明は省略する。
この手法によれば、油圧システム10の状態量と推定対象パラメータ(作動油の体積弾性率K)を同時に推定することができるので、油圧システム10の状態量の全てを計測する必要がなくなる。また、ノイズの大きさ等、既知の特性を考慮した推定を行うので、推定精度に優れる。
(7)の組み合わせに係る態様について
続いて、(7)の組み合わせに係る態様について説明する。この態様は、逐次最小二乗法に基づく作動油の体積弾性率Kの圧力依存性を推定するものである。
作動油の体積弾性率Kは、作動油の圧力に応じて変化することが知られている。例えば、等温且つ低圧領域では、作動油の体積弾性率Kは、以下のように、圧力に比例する関数として近似することができる。
Figure 2019057198
ここで、Kは大気圧における体積弾性率であり、Kは比例係数であり、Pはゲージ圧(圧力計測値)である。K及びKは作動油の温度や作動油の気泡含有率等、動的に変化するパラメータに依存する。したがって、逐次推定手法によって推定する。
ステップS21において、油圧システム10の動特性を表す方程式のうち、P、P及びPを微分したものについての方程式を推定対象パラメータとしてのK及びKに対して線形な形で離散化する。
先ず、油圧システム10の動特性を表す方程式のうち、P、P及びPを微分したものについての方程式に対して、上記式を代入し、Kの項とKの項を陽に示すと、以下のようになる。
Figure 2019057198
左辺、つまり、P、P及びPを微分したものを時間区切りΔtで差分近似すると、以下のようになる。
Figure 2019057198
ここで、kは時間区切りΔtで離散化されたタイムステップを表す。
左辺のベクトルをyLS(k)、右辺のベクトルをxLS、行列をA(k)とすると、上記式は、以下のようになる。
Figure 2019057198
ここで、xLS以外のパラメータは観測可能であるとする。
各タイムステップnの時点での上記式の両辺の二乗誤差の総和は、以下のようになる。
Figure 2019057198
このような二乗誤差の総和を最小化するxLS(n)を逐次最小二乗法によって導出する。これにより、ステップS22が実行される。なお、上記式において、計算開始タイムステップaは、油圧システム10の特性に応じて調整するパラメータである。
図21は、大気圧における体積弾性率K0の推定結果を示すグラフである。図22は、比例係数Kpの推定結果を示すグラフである。なお、図21及び図22では、計測値P、P、Pにノイズがない場合の推定結果だけでなく、計測値P、P、Pにノイズがある場合の推定結果も示している。ノイズは、計測値P、P、Pに対して平均がゼロで標準偏差が0.02[MPa]であるホワイトノイズが加わり、且つ、計測値xに対して平均がゼロで標準偏差が10[mm]のホワイトノイズが加わったものである。
図21及び図22に示すように、ノイズがない場合は、十分な推定精度を確保できていることが判る。
これに対して、計測値にノイズがある場合は、K及びKの推定結果の精度が低下しており、単純に逐次最小二乗法を適用することが好ましくないことが判る。
(8)の組み合わせに係る態様について
続いて、(8)の組み合わせに係る態様について説明する。この態様は、(7)と同様に、作動油の体積弾性率Kの圧力依存性を推定するものであるが、逐次最小二乗法ではなく、Unscentedカルマンフィルタを適用する。
先ず、ステップS21において、油圧システム10の状態方程式及び観測方程式を設定する。具体的には、以下のとおりである。
油圧システム10の状態量(圧力P、圧力P、圧力P、シリンダ位置x、シリンダ速度xに推定対象パラメータであるK及びKを追加したものを、油圧システム10の状態ベクトルとして、以下のように設定する。
Figure 2019057198
このとき、油圧システム10の状態方程式は、以下のように表される。
Figure 2019057198
つまり、油圧システム10の状態方程式は、1階の微分方程式の形で表される。
なお、上記状態方程式におけるv∈R7×1は、平均ベクトルが0∈R7×1であり、分散共分散行列がQ∈R7×7である白色雑音ベクトルを表す。
ここで、Kの時間変化fK0及びKの時間変化fKpは、ゼロとする。
また、圧力センサや位置センサにより、油圧システム10の状態量のうち、圧力P、圧力P、圧力P及びスプール位置xが観測可能であるとする。このとき、油圧システム10の観測方程式は、以下のように表される。
Figure 2019057198
なお、上記観測方程式におけるw∈R4×4は、平均ベクトルが0∈R4×4であり、分散共分散行列がR∈R4×4である白色雑音ベクトルを表す。
油圧システム10の状態方程式と観測方程式を設定した後、ステップS22において、Unscentedカルマンフィルタを状態方程式に適用して、状態ベクトルxを推定することにより、油圧システム10の状態量及び推定対象パラメータを推定する。
図23は、大気圧における体積弾性率K0の推定結果を示すグラフである。図24は、比例係数Kpの推定結果を示すグラフである。図23及び図24では、計測値P、P、Pにノイズがない場合の推定結果だけでなく、計測値P、P、Pにノイズがある場合の推定結果も示している。ノイズは、計測値P、P、Pに対して平均がゼロで標準偏差が0.02[MPa]であるホワイトノイズが加わり、且つ、計測値xに対して平均がゼロで標準偏差が10[mm]のホワイトノイズが加わったものである。
図23及び図24では、図21及び図22と比べて、推定対象パラメータK、K及びシリンダ速度xが直接計測されていないにも関わらず、推定精度が向上していることが判る。
[第2の実施の形態の応用例]
第2の実施の形態では、過去の計測値への依存性を調整するパラメータとして、計算開始ステップaを用いたが、忘却係数を用いて指数関数的に過去の計測値の重みを減少させてもよい。
第2の実施の形態では、測定値の絶対値に応じた重みを設定したが、測定値の絶対値が所定の閾値よりも小さい場合に、その測定値を推定に用いないようにしてもよい。
第2の実施の形態では、作動油の体積弾性率を圧力に関して線形な関数で近似したが、圧力に関して非線形な関数で近似してもよい。
第2の実施の形態では、作動油の体積弾性率を圧力の関数としてモデル化したが、任意のパラメータの関数としてモデル化し、その係数を求めるようにしてもよい。例えば、作動油の体積弾性率を、温度の関数として、或いは、温度及び圧力の関数として、モデル化してもよい。
第2の実施の形態では、Unscentedカルマンフィルタを用いたが、例えば、線形カルマンフィルタや拡張カルマンフィルタ、粒子フィルタ等を用いてもよい。なお、線形カルマンフィルタを用いる場合には、状態方程式は線形でなければならないが、例えば、動作範囲が限られた油圧システムであれば、その範囲内で非線形な状態方程式を線形な状態方程式に近似することにより、線形カルマンフィルタを適用することができる。また、限定的な仮定の下では、油圧システムの状態方程式を線形に表すこともできる。例えば、作動油の流れを層流であると仮定したり、油圧シリンダの代わりに、油圧モータを採用するのであれば、油圧システムの状態方程式を線形に表すことができる。
状態方程式を第1原理モデリングではなく、ブラックボックスモデリングで導出し、その係数を推定するようにしてもよい。
第2の実施の形態による油圧システムのパラメータ推定方法によって得られる推定値は、油圧システムの制御に利用してもよいし、油圧システムのオペレータへ提示することにより、オペレータによる油圧システムの操作の支援及び/又はガイダンスを行うようにしてもよい。
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、上述の実施の形態の記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
10 油圧システム
12 油圧ポンプ
14 方向流量制御弁
16 油圧シリンダ
18 作動油タンク
20 リリーフ弁

Claims (14)

  1. 油圧システムの動特性に影響を与える物理量を推定対象パラメータとして推定する油圧システムのパラメータ推定方法であって、
    前記油圧システムの状態量と前記推定対象パラメータとを含む状態ベクトルを設定する工程と、
    前記状態ベクトルを用いて、前記油圧システムの状態方程式を設定する工程と、
    ベイズ推定に基づく状態推定手法を前記状態方程式に適用して、前記状態ベクトルを推定することにより、前記推定対象パラメータを推定する工程とを備える、油圧システムのパラメータ推定方法。
  2. 請求項1に記載の油圧システムのパラメータ推定方法であって、
    前記推定対象パラメータは、前記油圧システムにおける作動油の体積弾性率である、油圧システムのパラメータ推定方法。
  3. 請求項1又は2に記載の油圧システムのパラメータ推定方法であって、
    前記状態方程式が非線形であり、
    前記推定対象パラメータを推定する工程では、前記状態方程式に非線形の状態推定手法を適用して、前記状態ベクトルを推定することにより、前記推定対象パラメータを推定する、油圧システムのパラメータ推定方法。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の油圧システムのパラメータ推定方法であって、
    前記状態方程式が雑音項を含み、
    前記推定対象パラメータを推定する工程では、前記状態方程式にカルマンフィルタを適用して、前記状態ベクトルを推定することにより、前記推定対象パラメータを推定する、油圧システムのパラメータ推定方法。
  5. 油圧システムの動特性に影響を与える物理量を推定対象パラメータとして推定する油圧システムのパラメータ推定方法であって、
    前記油圧システムの動特性を示す第1方程式を導出する工程と、
    前記推定対象パラメータを含む状態ベクトルを用いた第2方程式を前記第1方程式から導出する工程と、
    逐次推定手法を前記第2方程式に適用して、前記状態ベクトルを推定することにより、前記推定対象パラメータを推定する工程とを備える、油圧システムのパラメータ推定方法。
  6. 請求項5に記載の油圧システムのパラメータ推定方法であって、
    前記推定対象パラメータを推定する工程では、前記第2方程式に逐次最小二乗法を適用して、前記状態ベクトルを推定することにより、前記推定対象パラメータを推定する、油圧システムのパラメータ推定方法。
  7. 請求項6に記載の油圧システムのパラメータ推定方法であって、さらに、
    前記油圧システムの状態量を測定する工程を備え、
    前記推定対象パラメータを推定する工程では、前記状態量の測定値に含まれるノイズに起因する前記推定対象パラメータの推定誤差を小さくするために、前記逐次最小二乗法を前記状態方程式に適用するに際して、前記状態量の測定値を補正する、油圧システムのパラメータ推定方法。
  8. 請求項7に記載の油圧システムのパラメータ推定方法であって、
    前記推定対象パラメータを推定する工程では、前記状態量の測定値の絶対値が大きいほど、その重みを大きくするように、前記状態量の測定値を補正する、油圧システムのパラメータ推定方法。
  9. 請求項7に記載の油圧システムのパラメータ推定方法であって、
    前記推定対象パラメータを推定する工程では、前記状態量の測定値の変化量が大きいほど、その重みを小さくするように、前記状態量の測定値を補正する、油圧システムのパラメータ推定方法。
  10. 請求項7に記載の油圧システムのパラメータ推定方法であって、
    前記推定対象パラメータを推定する工程では、前記ノイズをフィルタによって除去することにより、前記状態量の測定値を補正する、油圧システムのパラメータ推定方法。
  11. 請求項5に記載の油圧システムのパラメータ推定方法であって、
    前記第2方程式が雑音項を含み、
    前記推定対象パラメータを推定する工程では、前記第2方程式にカルマンフィルタを適用して、前記状態ベクトルを推定することにより、前記推定対象パラメータを推定する、油圧システムのパラメータ推定方法。
  12. 請求項5〜11の何れか1項に記載の油圧システムのパラメータ推定方法であって、
    前記推定対象パラメータは、前記油圧システムにおける作動油の体積弾性率である、油圧システムのパラメータ推定方法。
  13. 請求項5〜11の何れか1項に記載の油圧システムのパラメータ推定方法であって、
    前記推定対象パラメータは、前記油圧システムにおける作動油の体積弾性率と縮流係数である、油圧システムのパラメータ推定方法。
  14. 請求項5〜11の何れか1項に記載の油圧システムのパラメータ推定方法であって、
    前記推定対象パラメータは、前記油圧システムにおける作動油の体積弾性率の圧力依存性を示すものである、油圧システムのパラメータ推定方法。
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