JP2001034341A - 車両状態量推定装置及びその装置を用いた車両操舵制御装置 - Google Patents
車両状態量推定装置及びその装置を用いた車両操舵制御装置Info
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Abstract
定のチェックポイントにて状態量を観測する周期が長く
なっても、より正確な車両の状態量の推定ができるよう
な車両状態量推定装置を提供することである。 【解決手段】上記課題は、車両が走行路上に離散的に設
定されたチェックポイントに達するごとに、第一の状態
量を観測値として取得し、該観測値を用いて所定のアル
ゴリズムに従って車両の状態量の推定値を演算する第一
の推定演算手段と、所定周期ごとに自立的に検出される
第二の状態量を観測値として取得し、前回得られた推定
値を用いると共に該観測値を用いて所定のアルゴリズム
に従って車両の状態量の推定値を演算する第二の推定演
算手段とを備え、該第二の推定演算手段は、上記第一の
推定演算手段にて車両の状態量の推定値が得られるごと
に、前回の推定値に代えて上記第一の推定演算手段にて
得られた推定値を用いるように構成した車両状態量推定
装置にて達成される。
Description
動状態を表す状態量を推定する車両状態量推定装置に係
り、詳しくは、車両の運動状態をモデル化してその状態
量を演算することにより実際の車両の状態量を推定する
ようにした車両状態量推定装置に関する。また、本発明
は、その車両状態量推定装置を用いた車両操舵制御装置
に関する。
た道路上を運行させる車両運行システムが提案されてい
る。この車両運行システムでは、路面の車両走行軌道に
沿って所定間隔にてマーカ(磁気マーカ)が設置され、
車両が各マーカを通過するごとに車両に搭載したマーカ
センサから出力されるマーカと当該車両との相対的な位
置関係を反映した検出信号に基づいて当該車両の車両走
行軌道からの横変位を検出している。そして、このマー
カ通過ごとに検出される横変位に基づいて車両が車両走
行軌道から外れないように操舵制御を行っている。
り精度の高い操舵制御を実現するために、従来、カルマ
ンフィルタを用いて操舵制御に必要な車両のヨー運動及
び横運動の状態を表す状態量を推定する手法が提案され
ている(「LQ制御を用いた車両の自動追従走行の検
討」社団法人 自動車技術会学術講演前刷集972 1997-
5)。
ごとに得られる横変位の観測値を用いて車両のヨー運動
及び横運動を表す状態量として定義された4つの状態変
数(ヨーレート、ヨー角、横変位速度、横変位)の推定
値がカルマンフィルタによって演算される。このよう
に、カルマンフィルタを用いて横変位の観測値が得られ
るごとに車両の運動状態を表した状態量を繰り返し推定
すると、その推定値は、横変位を測定する系(マーカセ
ンサ等)に定常的に含まれてくる雑音(測定雑音)や車
両の制御系に定常的に含まれてくる雑音( システム雑
音) が除去された本来得られるべき車両の状態量に収束
してゆく。即ち、より正確な状態量を得ることができ
る。その結果、より精度の高い操舵制御を実現すること
ができる。
するマーカの間隔は、狭ければ狭いほど横変位の観測周
期が短くなって、より正確な状態量を推定することがで
き、結果としてより高い精度の操舵制御が可能となる。
しかし、マーカの設置間隔を狭くすると、路上に設置す
べきマーカの数が多くなり、その分コストがかさむ。即
ち、マーカの設置コストと、得られる推定量の正確性及
び操舵制御の精度とはトレードオフの関係にある。
は、マーカ通過の周期が短くなって、上記と同様に横変
位の観測周期が短くなる。この場合も、より正確な状態
量を推定でき、より高い精度での操舵制御が可能とな
る。しかし、例えば、コスト面を考慮してマーカの設置
間隔を比較的広くした場合、車両を低速にて走行させる
場合、あるいは、マーカの検出抜けが発生した場合で
は、マーカを通過してから次のマーカを通過するまでの
間も、操舵制御を行う必要性からある周期で車両の状態
量を推定して、その推定値を操舵制御に反映させる必要
がある。
を用いて車両の状態量を推定する手法では、車両のマー
カ通過時に観測された横変位に基づいて車両の状態量を
推定した後に、車両が次のマーカを通過するまでの間、
そのマーカ通過時に観測された横変位を固定的に用いて
車両の状態量を繰り返し推定している。このように、マ
ーカ通過時に測定された横変位をその通過後も固定的に
用いて車両の状態量をカルマンフィルタによって推定演
算すると、車両の実際の横変位と異なる横変位( 以前の
観測値) に基づいて車両の状態量が推定されるため、推
定される車両の状態量の正確性が低下する。このため、
車両のマーカ間での操舵制御の精度が劣化する。
カなどを設置した所定のチェックポイントにて状態量を
観測する周期が長くなっても、より正確な車両の状態量
の推定ができるような車両状態量推定装置を提供するこ
とである。また、本発明の第二の課題は、そのような車
両状態量推定装置を用いた車両操舵制御装置を提供する
ことである。
るため、本発明は、請求項1に記載されるように、車両
の運動状態を表す所定状態量を観測し、車両の運動状態
をモデル化して上記所定状態量を含む車両の状態量を当
該観測値を用いて推定する車両状態量推定装置におい
て、車両が走行路上に離散的に設定されたチェックポイ
ントに達するごとに、第一の状態量を観測値として取得
し、該観測値を用いて所定のアルゴリズムに従って車両
の状態量の推定値を演算する第一の推定演算手段と、所
定周期ごとに自立的に検出される第二の状態量を観測値
として取得し、前回得られた推定値を用いると共に該観
測値を用いて所定のアルゴリズムに従って車両の状態量
の推定値を演算する第二の推定演算手段とを備え、該第
二の推定演算手段は、上記第一の推定演算手段にて車両
の状態量の推定値が得られるごとに、前回の推定値に代
えて上記第一の推定演算手段にて得られた推定値を用い
るようにし、上記第二の推定演算手段にて得られた車両
の状態量の推定値を当該車両状態量推定装置の出力値と
するように構成される。
の推定演算手段は、チェックポイントに達するごとに、
第一の状態量の観測値を用いて所定のアルゴリズムに従
って車両の状態量の推定値を演算する。また、第二の推
定演算手段は、所定周期ごとに自律的に検出される第二
の状態量の観測値を用いると共に前回の推定値を所定の
アルゴリズムに従って車両の状態量の推定値を演算す
る。そして、第二の推定演算手段は、上記第一の推定演
算手段にて推定値が得られるごとに、その推定値を用い
て車両の状態量の新たな推定値を演算する。その結果、
第二の推定演算手段での推定値の演算周期を短くした場
合であっても、第一の推定演算手段にて推定値が得られ
るごとに、第二の推定演算手段にて前回得られた推定値
が当該第一の推定演算手段にて得られた推定値にリセッ
トされるので、第二の推定演算手段にて得られる推定値
の正確性は、各チェックポイントで第一の推定演算手段
にて得られる推定値の正確性に近いものに維持すること
ができる。即ち、各チェックポイント間においても、各
チェックポイントで得られる推定値と略同等の正確性を
有する推定値を得ることができる。
るアルゴリズム、及び第二の推定演算手段が推定値を演
算するアルゴリズムは特に限定されない。これらのアル
ゴリズムは、繰り返し演算することによって推定値が求
めるべき真の値に収束するものであることが好ましい。
また、上記チェックポイントの検出手法についても特に
限定されず、車両が何らかの手段にて検出しても( 例え
ば、走行距離) 、また、外部からの情報に基づいて検出
するようにしてもよい。
態量は、特に限定されないが、その状態量で制御しよう
とする制御対象に依存する。例えば、操舵角を制御対象
とした場合、その操舵角に影響を与える車両のヨー運動
や横運動を表す状態量(例えば、ヨー角、ヨーレート、
横変位速度、横位置)が推定すべき状態量となる。チェ
ックポイントの検出と第一の状態量の観測がまとめてで
きるという観点から、本発明は、請求項2に記載される
ように、第一の推定演算手段は、車両の走行すべき軌道
に沿って離散的に配列された被検出体が検出されたとき
をチェックポイントとして認識するようにし、該第一の
状態量は、車両と被検出体との車両横方向における相対
的位置関係に対応した状態量を含むように構成すること
ができる。
求項3に記載されるように、上記第二の状態量として車
両のヨーレートを用いるように構成することができる。
上記第一の推定演算手段及び第二の推定演算手段を容易
に構成できるという観点から、本発明は、請求項4に記
載されるように、上記各車両状態量推定装置において、
上記第一の推定演算手段及び第二の推定演算手段は、カ
ルマンフィルタにて構成することができる。
う観点から、本発明は、請求項5に記載されるように、
上記各車両状態量推定装置において、上記第一の推定演
算手段にて得られる車両の状態量の推定値が収束した値
であると見込まれるか否かを評価する評価手段を有し、
当該推定値が収束した値であると見込まれると当該評価
手段が評価した場合に、第二の推定演算手段が、第一の
推定演算手段にて得られた推定値を用いるように構成す
ることができる。
の推定手段にて得られた推定値が収束した値である見込
まれる一定の評価がえられたときに、その推定値が第二
の推定演算手段にて前回得られた推定値の代わりに用い
られる。上記評価がより簡単にできるという観点から、
本発明は、請求項6に記載されるように、上記車両状態
量推定装置において、上記評価手段は、連続した所定数
のチェックポイントにて第一の推定演算手段が推定値の
演算を行っているか否かに基づいて当該推定値が収束し
た値であると見込まれるか否かの評価を行うように構成
することができる。
られる推定値が収束すると見込まれる処理回数を予め調
べて決定することができる。上記第二の課題を解決する
ため、本発明係る車両操舵制御装置は、請求項7に記載
されるように、上記車両状態量推定装置と、該車両状態
量推定装置の第二の推定演算手段からの出力値に基づい
て操舵系における操舵アクチュエータに対する制御信号
を生成する制御信号生成手段とを備えるように構成され
る。
に得られる車両の状態量の推定値に基づいて制御信号が
生成され、当該周期にて該制御信号によって操舵アクチ
ュエータが駆動される。
に基づいて説明する。本発明の実施の一形態に係る車両
状態量推定装置は、カルマンフィルタを用いて車両の状
態量、特に、車両の横方向に係る運動状態(ヨー運動及
び横運動)を表す状態量を推定する。具体的には、この
車両の横方向に係る運動状態を表す状態量として、例え
ば、ヨーレート、ヨー角、横変位速度及び横位置( 横変
位) を推定している。
に説明する。図1において、車両100は、例えば、磁
気マーカが離散的に設置された軌道に沿って走行するよ
うに操舵制御される。車両100の横方向に係る運動状
態は、操舵角、車輪速度、道路曲率などの因子に影響さ
れる。その運動状態を表す状態量(ヨーレート、ヨー
角、横変位速度、横位置)のうち、ヨーレートがヨーレ
ートセンサからの検出信号に基づいて自律的に観測さ
れ、横位置がマーカセンサによって磁気マーカが検出さ
れるごとにその検出信号に基づいて観測される。
操舵角、車輪速度、道路曲率などの因子に影響される車
両100の運動状態をモデル化し、これらの因子及び上
記のように観測された横位置及びヨーレート、更に前回
の推定値を用いてヨーレート、ヨー角、横変位速度及び
横位置の推定値を演算する。実際に観測されるヨーレー
ト及び横位置には、ヨーレートセンサやマーカセンサの
雑音成分( 測定雑音)が定常的に含まれ、更に、車両1
00固有の雑音成分(システム雑音)も含まれる。これ
に対して、カルマンフィルタ200によって状態量(ヨ
ーレート、ヨー角、横変位速度及び横位置)の各推定値
を繰り返し演算することによって、当該状態量の各推定
値は上記雑音成分が除かれた真の値に収束してゆく。
両状態量推定装置を用いた車両の操舵制御装置は、例え
ば、図2に示すように構成される。図2において、車輪
速センサ11、舵角センサ12、ヨーレートセンサ13
及びマーカセンサ14が制御ユニット(ECU)50に
接続されている。車輪速センサ11は、走行する車両の
車輪の回転速度( 車両速度に対応) に応じたパルス信号
を検出信号として出力する。舵角センサ12は、操舵輪
(前輪)の操舵角度に応じた検出信号を出力する。ヨー
レートセンサ13は、走行中の車両のヨーレートに応じ
た検出信号を出力する。マーカセンサ14は、軌道に沿
って離散的に設置された各磁気マーカ( レーンマーカ)
上を車両が通過するごとに、その磁気マーカとの車両横
方向における相対的な位置関係に応じた検出信号を出力
する。
行する道路の形状(曲率、バンク角等)に係る地図情報
が予め格納されており、制御ユニット50は、メモリユ
ニット20からこの地図情報を必要に応じて読み出す。
制御ユニット50は、上述したようなカルマンフィルタ
の機能及び車両操舵制御の機能を有している。このカル
マンフィルタの機能により、車両の横方向に係る運動状
態を表す状態量(ヨーレート、ヨー角、横変位速度、横
位置)の推定演算が行われ、車両操舵制御の機能によ
り、推定演算された状態量に基づいて操舵角が演算さ
れ、その操舵角に応じた操舵制御信号が出力される。
る操舵制御信号は、駆動回路31に供給される。駆動回
路31は、この操舵制御信号に基づいて操舵系に設けら
れた操舵アクチュエータ32を駆動する。制御ユニット
50は、例えば、図3及び図4に示す手順での処理を並
列的に実行している。図3に示す手順での処理は、磁気
マーカが検出されるごとにカルマンフィルタの機能に従
って車両の状態量の推定値を演算している。以下、この
カルマンフィルタの機能を距離軸カルマンフィルタとい
う。また、図4に示す手順での処理は、所定周期ごとに
カルマンフィルタの機能に従って車両の状態量の推定値
を演算している。以下、このカルマンフィルタの機能を
時間軸カルマンフィルタという。
サ14からの出力に基づいて、磁気マーカ( レーンマー
カ) が検出されたか否かが判定される(S1)。車両が
磁気マーカ上を通過する際に磁気マーカが検出されたと
判定されると、マーカセンサ14からの検出信号に基づ
いて車両の横位置Dが演算される(S2)。また、ヨー
レートセンサ13からの検出信号に基づいた検出ヨーレ
ートγy が取得される(S3)。
ーレートγy を用いて距離軸カルマンフィルタにより車
両の状態量の推定値が演算される。この距離軸カルマン
フィルタは、 状態変数:xv (η、η’、θ、γ)-1 影響因子:uv (δ、k、α)-1 観測量:yv (D、γy )-1 システム雑音:wv (w1〜w7)-1 観測雑音:vv (v1、v2)-1 と定義したときに、次に示す連立方程式を解くことによ
り、車両の状態量としての状態変数xv を得る。具体的
には、車両の状態量としての横位置η、横変位速度
η’、ヨー角θ、ヨーレートγの推定値が得られる。
以下、同様) 。
うに定義される。なお、上記数式1における(dxv /
ds)は、状態変数xv の距離sでの微分を表す。 η:車両重心の横位置 η’:車両重心の横変位速度( 車両重心の横位置微分) θ:道路接線方向に対するヨー角 γ:ヨーレート δ:操舵角( 舵角センサ12により検出) k:道路曲率(地図情報より取得) α:バンク角( 地図情報から取得) D:横位置(観測値) γy :ヨーレート( 観測値) w1〜w7:状態量、入力のシステム雑音 v1:マーカセンサノイズ v2:ヨーレートセンサノイズ V:車速(車輪速センサ11により検出) g:重力加速度 A1=(−1/m)(Kf +Kr ) A2=(−1/m)(Kf ・lf −Kr ・lr ) A3=(−1/I)(Kf ・lf −Kr ・lr ) A4=(−1/I)(Kf ・lf2+Kr ・lr2) m:車両質量 I:ヨー慣性質量 Kf 、Kr :前・後輪のコーナリングパワー lf 、lr :重心と前・後輪との間の距離 上記各変数は、図5に示すような座標系において定義さ
れる。即ち、曲率kの軌道Rの接線ξと垂直な方向ηに
車両100( 二輪モデル) の重心Gが位置するように車
両100と軌道Rとの関係が設定される。そして、重心
Gを原点とした車両前後左右方向の座標系x−yにて重
心Gと前・後車輪との距離lf 、lr が定義される。ま
た、状態量としてのヨーレートγは、重心G回りのヨー
レートとして定義される。横位置Dは、上記方向ηにお
ける軌道Rからマーカセンサ( 車両先端に設置) までの
距離として定義される。状態量としてのヨー角θは、軌
道Rの接線方向ξと車両の前後方向xとのなす角度とし
て定義される。
り、車両の状態量(ヨー角θ、ヨーレートγ、横変位速
度η’、横位置η)の推定値が得られると、磁気マーカ
がいままで連続してN回読み落としなく検出できていた
か否かが判定される(S5)。ここで、磁気マーカが連
続してN回読み落としなく検出できていた場合、上記の
ように演算された車両の状態量の推定値が後述するよう
な時間軸カルマンフィルタでの処理に渡される(S
6)。以後、磁気マーカが検出されるごとに同様の処理
(S2〜S6)が繰り返し実行される。
て推定値を繰り返し演算する過程で、上記数式1に示す
微分方程式を解く際に前回得られた推定値が用いられ
る。一方、磁気マーカが連続してN回読み落としなく検
出でいていないと判定された場合(S5でNO)、推定
値は時間軸カルマンフィルタでの処理に渡されることな
く上述した処理(S1〜S4)が繰り返し実行される。
マンフィルタでの処理により得られた推定値が本来得ら
れるべき状態量に十分収束しているか否かを判定するも
のである。即ち、連続してN回磁気マーカが検出される
ことにより、距離軸カルマンフィルタでの処理が連続し
て繰り返しN回実行されれば、得られた状態量の推定値
は、本来得られるべき状態量に十分収束したとみなせ
る。この判定基準となるN回は、例えば、得られる推定
値の分散がセンサノイズ以下となるための処理回数に基
づいて予め定められる。例えば、磁気センサを2メート
ル間隔で設置し、車速を時速30キロメートルと想定し
た場合、十分収束したとみなせる推定値が得られるため
の距離軸カルマンフィルタでの連続繰り返し処理回数N
は、8回程度に定められる。
に、車輪速センサ11、舵角センサ12、ヨーレートセ
ンサ13、マーカセンサ14からの検出信号及びメモリ
ユニット20からの地図情報に基づいて車両の横運動を
表す状態量としてのヨー角θ、ヨーレートγ、横変位速
度η’及び横位置ηの推定値が距離カルマンフィルタに
よって演算さされる。
と並列的に、図4に示す手順に従って、時間軸カルマン
フィルタでの処理が実行される。図4において、所定時
間が経過したか否かが判定され(S11)、該所定時間
が経過したと判定されると、ヨーレートセンサ13から
の検出信号に基づいた検出ヨーレートγy が取得される
(S12)。この検出ヨーレートγy が取得されると、
前述した距離軸カルマンフィルタにて得られた状態量の
推定値が提供されたか否かが判定される(S13)。
れた推定値の提供がない場合、上記取得された検出ヨー
レートγy を用いると共に、前回の演算で得られた推定
値を用いて時間軸カルマンフィルタでの処理によって車
両の状態量の推定値が演算される(S14)。この時間
軸カルマンフィルタは、 状態変数:xv (η、η’、θ、γ)-1 影響因子:uv (δ、k、α)-1 観測量:y(γy ) システム雑音:wv (w1〜w7)-1 観測雑音:v と定義したときに、次に示す連立方程式を解くことによ
り、車両の状態量としての状態変数xv を得る。
たものと同様に定義される。なお、上記数式3における
(dxv /dt)は、状態変数xv の時間tでの微分を
表す。一方、前述した距離軸カルマンフィルタでの処理
にて得られた推定値の提供を受けた場合には(S13で
YES)、その推定値を上記数式3の微分方程式を解く
際に用いて上記連立方程式を解くことにより、状態量
(ヨー角θ、ヨーレートγ、横変位速度η’、横位置
η)の推定値が演算される(S15)。
での処理により状態量の推定値が演算されると、その推
定値を用いて制御すべき操舵角δが次式に従って演算さ
れる(S16)。
η’、Kθ、Kγは、定数、θtargetは目標ヨー角、γ
targetは目標ヨーレート、σf は、フィードフォワード
操舵角である。このフィードフォワード操舵角δf は、
車両モデル、道路曲率、バンク角、車速などに基づいて
決定される。この制御すべき操舵角δが演算されると、
その操舵角δに基づいた操舵制御信号が制御ユニット5
0から駆動回路31に出力される(S17)。そして、
駆動回路31は、この操舵制御信号に従って操舵アクチ
ュエータ32を駆動する。以後、上記処理(S11〜S
17)が繰り返し実行される。
けるステップS11にて判定される一定時間は、例え
ば、50ミリ秒程度に設定される。即ち、略50ミリ秒
ごとに時間軸カルマンフィルタでの処理が実行される。
上述した例において、例えば、磁気マーカが2メートル
ごとに設置され、車両100が時速30キロメートルに
て走行する場合を想定すると、図3に示す手順に従って
実行される距離軸カルマンフィルタでの処理は、約24
0ミリ秒ごとに実行される。また、図4に示す手順に従
って実行される時間軸カルマンフィルタでの処理が50
ミリ秒ごとに実行されると、時間軸カルマンフィルタで
の処理が約5回繰り返されるごとに、1回の割合で、距
離軸カルマンフィルタでの処理が行われる。
理により、各磁気マーカ位置での横位置η、ヨーレート
γ等の状態量の推定値は、順次本来得られるべき状態量
の値に収束していく。このような距離軸カルマンフィル
タでの処理により状態量の推定値が得られるごとに、そ
の推定値を時間軸カルマンフィルタでの処理における前
回得られた推定値として用いるようにしているため、検
出されるヨーレートを用いて操舵制御に最も影響を与え
る横位置を含む状態量を時間軸カルマンフィルタによっ
て推定したとしても、その状態量の推定値の正確性を維
持することができる。即ち、磁気マーク間での状態量の
推定値の正確性を維持することができる。その結果、よ
り高い精度での車両の操舵制御が可能となる。
プS4での処理が第一の推定演算手段に対応し、図4に
示すステップS14、S15での処理が第二の推定演算
手段に対応する。また、図3に示すステップS5での処
理が評価手段に対応する。
至6記載の発明によれば、第二の推定演算手段にて得ら
れる推定値の正確性は、各チェックポイントで第一の推
定演算手段にて得られる推定値の正確性に近いものに維
持することができ、各チェックポイント間においても、
各チェックポイントで得られる推定値と略同等の正確性
を有する推定値を得ることができる。そのため、磁気マ
ーカなどを設置した所定のチェックポイントにて状態量
を観測する周期が長くなっても、より正確な車両の状態
量の推定ができるような車両状態量推定装置を実現する
ことができる。
ような車両状態量推定装置を用いた車両操舵制御装置を
実現することができる。
のブロック図である。
置が適用される車両操舵制御装置の構成を示すブロック
図である。
示すフローチャートである。
示すフローチャートである。
び各変数の定義を示す図である。
Claims (7)
- 【請求項1】車両の運動状態を表す所定状態量を観測
し、車両の運動状態をモデル化して上記所定状態量を含
む車両の状態量を当該観測値を用いて推定する車両状態
量推定装置において、 車両が走行路上に離散的に設定されたチェックポイント
に達するごとに、第一の状態量を観測値として取得し、
該観測値を用いて所定のアルゴリズムに従って車両の状
態量の推定値を演算する第一の推定演算手段と、 所定周期ごとに自立的に検出される第二の状態量を観測
値として取得し、前回得られた推定値を用いると共に該
観測値を用いて所定のアルゴリズムに従って車両の状態
量の推定値を演算する第二の推定演算手段とを備え、 該第二の推定演算手段は、上記第一の推定演算手段にて
車両の状態量の推定値が得られるごとに、前回の推定値
に代えて上記第一の推定演算手段にて得られた推定値を
用いるようにし、 上記第二の推定演算手段にて得られた車両の状態量の推
定値を当該車両状態量推定装置の出力値とした車両状態
量推定装置。 - 【請求項2】請求項1記載の車両状態量推定装置におい
て、 上記第一の推定演算手段は、車両の走行すべき軌道に沿
って離散的に配列された被検出体が検出されたときをチ
ェックポイントとして認識するようにし、該第一の状態
量は、車両と被検出体との車両横方向における相対的位
置関係に対応した状態量を含む車両状態量推定装置。 - 【請求項3】請求項1または2記載の車両状態量推定装
置において、 上記第二の推定演算手段は、上記第二の状態量として車
両のヨーレートを用いた車両状態量推定装置。 - 【請求項4】請求項1乃至3いずれか記載の車両状態量
推定装置において、 上記第一の推定演算手段及び第二の推定演算手段は、カ
ルマンフィルタにて構成される車両状態量推定装置。 - 【請求項5】請求項1乃至4いずれか記載の車両状態量
推定装置において、 上記第一の推定演算手段にて得られる車両の状態量の推
定値が収束した値であると見込まれるか否かを評価する
評価手段を有し、 当該推定値が収束した値であると見込まれると当該評価
手段が評価した場合に、第二の推定演算手段が、第一の
推定演算手段にて得られた推定値を用いるようにした車
両状態量推定装置。 - 【請求項6】請求項5記載の車両状態量推定装置におい
て、 上記評価手段は、連続した所定数のチェックポイントに
て第一の推定演算手段が推定値の演算を行っているか否
かに基づいて当該推定値が収束した値であると見込まれ
るか否かの評価を行うようにした車両状態量推定装置。 - 【請求項7】請求項1記載乃至6いずれか記載の車両状
態量推定装置と、 該車両状態量推定装置の第二の推定演算手段からの出力
値に基づいて操舵系における操舵アクチュエータに対す
る制御信号を生成する制御信号生成手段とを備えた車両
操舵制御装置。
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---|---|---|---|
JP11205285A JP2001034341A (ja) | 1999-07-19 | 1999-07-19 | 車両状態量推定装置及びその装置を用いた車両操舵制御装置 |
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JP11205285A JP2001034341A (ja) | 1999-07-19 | 1999-07-19 | 車両状態量推定装置及びその装置を用いた車両操舵制御装置 |
Publications (1)
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---|---|
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Family Applications (1)
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