以下に、本願の開示する判定システム、判定方法および判定プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る判定システム1の構成の一例について説明するための図である。判定システム1は、ユーザが業務遂行のために使用する情報処理装置の操作情報に基づいて、各ユーザが所定時間帯に所定業務を遂行しているか否かを判定する。たとえば、判定システム1は、各ユーザが所定時間帯に会議中であったか否かを判定する。
判定システム1は、複数の情報処理装置10とサーバ20とを備える。複数の情報処理装置10とサーバ20とは、ネットワーク30により通信可能に接続される。図1においては、複数の情報処理装置各々を10A,10B,10C…10Nの参照符号で示すが、実施形態の説明において特に限定する必要がない場合は複数の情報処理装置を集合的に参照符号10で表記する。
複数の情報処理装置10は、ユーザが業務遂行のために使用する端末である。情報処理装置10はたとえば、パーソナルコンピュータ(PC)、ノート型コンピュータ、タブレットコンピュータ等である。複数の情報処理装置10は、ユーザに対して1対1対応で割り当てられるものとしてもよい。また、ユーザは複数の情報処理装置10の任意の一つにユーザID等を用いてログインして業務を遂行するものとしてもよい。いずれの場合も、サーバ20は、情報処理装置10と通信する際に情報処理装置10を利用しているユーザをユーザID、MACアドレス等によって特定することができる。
サーバ20は、ユーザの業務を管理する情報処理装置である。サーバ20の具体的な構成は特に限定されない。サーバ20は、管理対象であるユーザおよびユーザが使用する情報処理装置10の情報を保持することができる処理能力と記憶容量を有する。サーバ20は、仮想的に構築されても物理的に一つのサーバから構築されてもよい。
ネットワーク30は、複数の情報処理装置10とサーバ20との間の通信を実現する。ネットワーク30は有線ネットワークでも無線ネットワークでも両者の組み合わせでもよい。また、ネットワーク30はインターネット、広域ネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはそれらの組み合わせであってよい。また、ネットワーク30の一部または全部が仮想的に構築されてもよい。
(サーバ20の構成の一例)
サーバ20は、制御部100と、記憶部110と、入力部120と、出力部130と、通信部140と、を有する。
制御部100は、サーバ20の動作および機能を制御する。制御部100としてたとえば、各種の集積回路や電子回路を採用できる。また、制御部100に含まれる機能部の一部を別の集積回路や電子回路とすることもできる。例えば、集積回路としては、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)が挙げられる。また、電子回路としては、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などが挙げられる。
記憶部110は、サーバ20における処理に使用される情報および処理の結果生成される情報を記憶する。記憶部110はたとえば、半導体メモリ素子や記憶装置である。半導体メモリ素子としては、VRAM(Video Random Access Memory)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ(flash memory)などが挙げられる。また、記憶装置としては、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置が挙げられる。
入力部120は、サーバ20への外部からの指示入力を受け付ける。入力部120はたとえば、キーボード、マウス、ジョイスティック、タッチパネル等である。
出力部130は、サーバ20から外部への情報の出力を実現する。出力部130はたとえば、モニタ、プリンタ、スピーカ等である。
通信部140は、サーバ20と外部装置との間の通信を実現する。通信部140はたとえば、情報処理装置10から操作情報を受信し、記憶部110に送信して記憶させる。通信部140はたとえば、モデム、ルータ、スイッチ等を含む。
(記憶部110に記憶される情報の構成の一例)
記憶部110は、ユーザ記憶部111と操作記憶部112と条件記憶部113とを有する。
ユーザ記憶部111は、情報処理装置10を使用して業務を遂行するユーザの情報を記憶する。図2は、第1の実施形態に係る判定システム1に記憶されるユーザ情報の構成の一例について説明するための図である。
図2中、「ユーザID」に対応付けて、「氏名」、「所属」、「更新年月日」、「第1プロジェクト」、「第2プロジェクト」、「第3プロジェクト」、「装置ID」が記憶される。「ユーザID」は判定システム1の管理対象であるユーザを各々一意に特定する識別子(Identifier)である。「氏名」はユーザIDに対応づけて記憶されるユーザの氏名である。「所属」は当該ユーザの所属を示す。「更新年月日」は、対応するユーザの情報が更新された年月日を示す。「第1プロジェクト」、「第2プロジェクト」、「第3プロジェクト」はそれぞれ、対応するユーザが参加中の業務のプロジェクト名を示す。図2では3つのプロジェクトを記憶できるものとするが、ユーザ記憶部111に記憶するプロジェクトの数は3つに限定されない。「装置ID」は、当該ユーザに割り当てられている情報処理装置10を一意に特定する識別子である。なお、「装置ID」は、予めユーザに割り当てられ当該ユーザの使用が認められている情報処理装置10の識別子である。ただし、「装置ID」は、ユーザがその都度ログインして使用する任意の情報処理装置10の識別子であってもよい。この場合、「装置ID」に記憶される情報はリアルタイムで更新される。いずれの場合も「装置ID」はユーザが業務遂行に利用する情報処理装置10の識別子である。
図2中、「ユーザID,U007」に対応付けて「氏名、山田太郎」、「所属、総務課」、「更新年月日、2017/6/12」、「第1プロジェクト、プロジェクトA」、「第2プロジェクト、プロジェクトC」が記憶される。また、「ユーザID,U007」に対応付けて「装置ID、ABCDE」が記憶される。これは、ユーザID「U007」で一意に特定されるユーザの氏名は「山田太郎」であることを示す。また、山田太郎の所属は「総務課」であることを示す。また、ユーザ記憶部111に記憶されている山田太郎のユーザ情報は2017年6月12日に更新されたことを示す。また、山田太郎が参加している業務として「プロジェクトA」「プロジェクトC」があることを示す。また、山田太郎は装置ID「ABCDE」で特定される情報処理装置10を業務に使用中であることを示す。
操作記憶部112は、各ユーザによる情報処理装置10の操作情報を記憶する。操作記憶部112はたとえば、各情報処理装置10に対する入力の有無や、各情報処理装置10の稼働状態等を記憶する。操作記憶部112はたとえば、情報処理装置10が操作されていることを示す「操作あり」、情報処理装置10が操作されていないことを示す「無操作」を操作情報として記憶する。
図3は、第1の実施形態に係る判定システム1に記憶される操作情報の構成の一例について説明するための図である。図3中、「ユーザID」と「装置ID」に対応付けて、所定の年月日の各時間帯におけるユーザによる情報処理装置10の操作情報が記憶される。たとえば、「ユーザID,U007」のユーザについて「年月日、2017年8月15日」の「8時」から「24時」までの情報処理装置10の操作についての情報が記憶される。図3の例では、「ユーザID,U007」と「装置ID、ABCDE」に対応付けて「2017年8月15日」の「8時45分」から「11時」までに矢印が記憶されている。図3の例において矢印は「操作あり」の時間帯を示す。したがって、図3の例は、ユーザID「U007」のユーザは、2017年8月15日の8時45分から11時まで装置ID「ABCDE」で特定される情報処理装置10を操作していたことを示す。なお、操作情報として記憶する内容は、情報処理装置10に対する操作の有無以外の情報を含んでもよい。たとえば、操作情報は、マウス入力、キーボード入力、ネットワークへのログイン、ログアウト、メールの送信など、情報処理装置10上で操作が行われたことを示す情報であれば、任意の情報を含んでよい。
条件記憶部113は、サーバ20が各ユーザが所定時間帯に所定業務を遂行しているか否かを判定するために用いる条件を記憶する。条件記憶部113はたとえば、共同で業務を遂行している可能性があるユーザを抽出するための条件を記憶する。また、条件記憶部113は、共同で業務を遂行しているとみなすための最低時間の長さを閾値TH1として記憶する。また、条件記憶部113は、所定の条件を満たすユーザ集団のうちどの程度の割合のユーザが情報処理装置10を同様に操作していればまたは操作していなければ共同で業務を遂行しているとみなすかを記憶する。
図4は、第1の実施形態に係る判定システム1に記憶される条件情報の構成の一例について説明するための図である。図4中、「ユーザ条件」、「時間帯条件」、「ユーザ割合」が、「パターン1」、「パターン2」に対応づけて条件情報として記憶される。「ユーザ条件」は、共同で業務を遂行している可能性があるユーザの条件である。たとえば、同じプロジェクトに参加しているユーザは共同で業務を遂行している可能性がある。また、同じ部課に所属しているユーザは共同で業務を遂行している可能性がある。「時間帯条件」は、業務遂行とみなしうる最低の時間の長さを示す。「ユーザ割合」は、共同での業務遂行とみなすために要求される所定集団中のユーザの割合を示す。たとえば、同じプロジェクトに参加しているユーザのうち、2割が共同して業務していても当該プロジェクトの業務とは考えにくい。しかし、同じプロジェクトに参加しているユーザのうち9割が共同して業務している場合当該プロジェクトの業務と考えられる。
図4の例では、「パターン1」に対応づけて、「ユーザ条件、プロジェクト共通」、「時間帯条件、無操作TH1(30分)」、「ユーザ割合、7割以上」が記憶される。これは、共通するプロジェクトに参加しているユーザのうち7割以上が同じ時間帯に閾値TH1すなわち30分以上情報処理装置10を操作していない場合、これらのユーザは共同で業務遂行中であるとみなすことを示す。条件情報は、プロジェクトや部課の業務の性質に応じて予め設定する。また、条件情報は、所定期間ごとに更新されるように設定してもよい。
(制御部100の機能および構成)
図1に戻り、制御部100は操作取得部101と、ユーザ特定部102と、操作抽出部103と、判定部109と、を有する。
操作取得部101は、情報処理装置10の操作情報を取得する。操作取得部101が情報処理装置10の操作情報を取得する具体的な手法については特に限定されない。操作取得部101はたとえば、定期的に情報処理装置10からログを取得して記憶部110に記憶するように構成してもよい。また、情報処理装置10が定期的にサーバ20に操作情報を送信するように構成してもよい。また、操作取得部101は、サーバ20において判定処理を実行するときに、処理を開始する指示入力等に応じて、各情報処理装置10に記憶されるログを取得するものとしてもよい。
ユーザ特定部102は、所定のトリガに応じて、共同して業務遂行にあたる可能性のある複数のユーザを特定する。ユーザ特定部102は、たとえば入力部120を介して入力される情報に応じて、共同して業務遂行にあたる可能性のある複数のユーザを特定する。たとえば、ユーザ特定部102は、指示入力によって指定されたユーザ条件を満たすユーザを特定する。たとえば、ユーザ特定部102は、指示入力によって指定されたプロジェクトに参加するユーザを特定する。ユーザ特定部102はたとえば、ユーザ記憶部111を参照し、「第1プロジェクト」〜「第3プロジェクト」のいずれかに「プロジェクトA」が記憶されるユーザを特定する。
操作抽出部103は、ユーザ特定部102が特定したユーザのユーザIDに対応付けて操作記憶部112に記憶される操作情報を抽出する。
判定部109は、操作抽出部103が抽出した操作情報を参照し、ユーザ特定部102が特定したユーザのうち所定割合以上のユーザの操作情報が「無操作」である時間帯があるか否かを判定する。判定部109はすなわち、指示入力により指定されたユーザ条件に対応付けて条件記憶部113に記憶されるユーザ割合以上のユーザの操作情報が「無操作」である時間帯があるか否かを判定する。そして、所定割合以上のユーザの操作情報が「無操作」の時間帯がない場合、各ユーザは個別に業務を遂行していたと判定する。他方、所定割合以上のユーザの操作情報が「無操作」である時間帯があると判定した場合、判定部109はさらに、「無操作」の時間帯が所定の閾値TH1よりも長いか否かを判定する。すなわち、判定部109は、指示入力により指定されたユーザ条件に対応付けて条件記憶部113に記憶される「時間帯条件」によって指定される閾値TH1よりも、「無操作」の時間帯が長いか否かを判定する。そして、閾値TH1以下であると判定した場合、判定部109は、当該「無操作」の時間帯は各ユーザが休憩等のため情報処理装置10を操作していなかったと判定する。他方閾値TH1より長いと判定した場合、判定部109はさらに、当該「無操作」の時間帯の後、当該操作情報に対応するユーザが略同一時刻に操作を開始しているか否かを判定する。そして、略同一時刻に操作を開始していると判定した場合、判定部109は、当該「無操作」の時間帯は、当該操作情報に対応するユーザが会議等、共同で業務を遂行していた時間帯であると判定する。他方、略同一時刻に操作を開始していると判定しなかった場合、判定部109は、当該「無操作」の時間帯は、各ユーザが個別に業務を遂行していた時間帯であると判定する。
なお、判定部109の判定対象とする期間やユーザの範囲は任意に設定できる。また、判定部109の判定結果は、出力部130を介して外部に出力することができる。
(第1の実施形態に係る判定システム1における処理の流れの一例)
図5は、第1の実施形態に係る判定システム1における処理の流れの一例について説明するためのフローチャートである。
判定システム1における処理は、たとえば入力部120を介して判定処理の実行を指示する指示入力を受け付けることで開始する(ステップS41)。たとえば、判定システム1の運用者が入力部120を介して指示を入力することにより判定処理が開始する。またたとえば、判定システム1のサーバ20に予め判定処理を実行するタイミングを設定しておき、当該タイミングになると自動的にサーバ20が判定処理を実行するように構成してもよい。
判定処理実行の指示入力は、処理の対象とするユーザ条件たとえばプロジェクトおよび期間の指定を含む。以下の実施形態の説明においては、ユーザ条件としてプロジェクトが指定されるものとして説明する。ユーザ特定部102は、指示入力に基づき、指定されたプロジェクトに対応づけて記憶されるユーザすなわち当該プロジェクトのメンバー(第1の条件)をユーザ記憶部111から特定する(ステップS42)。操作抽出部103は、ユーザ特定部102が特定したユーザに対応付けて操作記憶部112に記憶される操作情報のうち、指示入力により指定された期間に対応する操作情報を抽出する(ステップS43)。
判定部109は、操作抽出部103が抽出した操作情報を参照し、ユーザ特定部102が特定したユーザのうち所定割合すなわち条件記憶部113に記憶されるユーザ割合以上のユーザが「無操作」の時間帯があるか否かを判定する(ステップS44)。所定割合以上のユーザが「無操作」の時間帯がないと判定した場合(ステップS44、No)、判定部109は、当該期間においてユーザ特定部102が特定したユーザは各々個別に業務を遂行していたと判定する(ステップS45)。他方、所定割合以上のユーザが「無操作」の時間帯があると判定した場合(ステップS44、Yes)、判定部109は次に、「無操作」の時間帯が閾値TH1以下か否か(第2の条件)を判定する(ステップS46)。閾値TH1以下と判定した場合(ステップS46、No)、判定部109は、当該時間帯中、各ユーザは休憩等により情報処理装置10を操作していなかったと判定する(ステップS47)。他方、「無操作」の時間帯が閾値TH1より長いと判定した場合(ステップS46、Yes)、判定部109は次に、「無操作」の時間帯後、各ユーザが略同一時刻に操作を開始しているか否かを判定する(ステップS48)。略同一時刻に操作を開始していないと判定した場合(ステップS48、No)、判定部109は、当該「無操作」の時間帯は各ユーザが個別に情報処理装置10を使用せずに業務を遂行していたと判定する(ステップS49)。他方、略同一時刻に操作を開始したと判定した場合(ステップS48、Yes)、判定部109は、当該「無操作」の時間帯は各ユーザが共同して業務を遂行していたと判定する(ステップS50)。たとえば、判定部109は、当該「無操作」の時間帯はユーザが集まって会議をしていたと判定する。
そして、判定部109は、指示入力において指定されたすべてのプロジェクトについて判定したか否かを判定する(ステップS51)。判定部109が全てのプロジェクトについて判定していないと判定した場合(ステップS51、No)、判定部109は未処理プロジェクトを選択し(ステップS52)、ステップS42の処理へ戻る。他方、判定部109が全てのプロジェクトについて判定したと判定した場合(ステップS51、Yes)、処理は終了する。
なお、ステップS44において、操作抽出部103は、予め設定された範囲内で無操作の時間帯の開始時点および終了時点のずれを許容するよう設定される。たとえば、情報処理装置10Aが無操作の時間帯が12時50分から15時15分である場合に、情報処理装置10Bが無操作の時間帯が13時から15時10分であるとする。この場合、操作抽出部103は、予め10分以内のずれは許容範囲と設定されていれば、情報処理装置10Aと情報処理装置10Bの無操作の時間帯が一致すると判定する。ずれの許容範囲は、たとえば、5分から10分程度に設定すればよい。なお、この場合、ステップS46において判定対象とする無操作の時間帯の長さは、情報処理装置10Aが無操作の時間帯と情報処理装置10Bが無操作の時間帯の平均値であってよい。また、複数の情報処理装置10のうち最も短い無操作の時間帯をステップS46の判定対象としてもよい。
なお、ステップS44において使用する「所定割合」は条件記憶部113に記憶されるユーザ割合である。「所定割合」はプロジェクトに参加しているユーザ全員が共同して業務にあたるとは限らないことを考慮して設定する。「所定割合」はプロジェクトごとに異なる値に設定してもよい。また、「所定割合」は、同じプロジェクトに参加していても病気等で共同して業務にあたることができないユーザが存在しうることを考慮して、70%〜80%等任意の割合に設定すればよい。
また、ステップS46において閾値TH1は、通常共同して業務にあたる場合に予想される時間の長さに基づき設定する。たとえば、組織ごとに会議の長さの平均値等に基づいて設定すればよい。
(第1の実施形態の効果)
このように、第1の実施形態に係る判定システムは、取得部(操作取得部101)と、特定部(ユーザ特定部102)と、抽出部(操作抽出部103)と、判定部(判定部109)と、を備える。取得部は複数の情報処理装置から操作情報を取得する。特定部は、
記憶部に記憶される複数のユーザのうち、第1の条件を満足するユーザを特定する。抽出部は、特定部が特定したユーザに対応する情報処理装置の操作情報のうち、第1の所定割合以上の情報処理装置の操作情報が無操作である時間帯を抽出する。判定部は、抽出部が抽出した時間帯が第2の条件を満足する場合、当該時間帯を第1の所定割合以上の情報処理装置のユーザが所定業務を遂行していた時間帯であると判定する。このように、判定システムは、まず、第1の条件を満たすユーザを特定する。そして判定システムは、特定したユーザが操作する情報処理装置が操作されていない時間帯が第2の条件を満たすか否かに応じて、当該時間帯のユーザの勤務状態を判定する。このため、判定システムは多様な条件づけに応じてユーザが操作する情報処理装置が操作されていない時間帯のユーザの勤務状態を判定することができる。たとえば、判定システムは、同じプロジェクトに参加しているユーザを特定した上で、当該ユーザの情報処理装置が無操作の時間帯が所定時間以上か否かに応じて判定を行うことができる。このため、判定システムは、情報処理装置から得られる情報に基づき、容易にユーザの勤務状態を判定することができる。たとえば、判定システムは、所定の時間帯はユーザが所定業務を遂行していた時間帯か否かを容易に判定することができる。
また、第1の実施形態に係る判定システムにおいて、判定部は、抽出部が抽出した時間帯が所定時間以上の場合のみ、当該時間帯を第1の所定割合以上の情報処理装置のユーザが所定業務を遂行していた時間帯であると判定する。このため、判定システムは、たまたま複数のユーザが同じ時間帯に休憩をとって情報処理装置を操作していなかった場合等を除外して、ユーザが共同で業務遂行していた時間を特定できる。また、所定時間の長さを業務ごとに変動させれば、判定システムは業務の内容の違い等を加味して詳細な判定を行うことができる。
また、第1の実施形態に係る判定システムにおいて、抽出部は、無操作である時間帯に加えて、第1の所定割合以上の情報処理装置の操作情報が無操作となった後に操作が再開する時刻を抽出する。そして、判定部は、操作が再開する時刻が略同一の情報処理装置が第2の所定割合以上である場合に、当該時間帯を第2の所定割合以上の情報処理装置のユーザが所定業務を遂行していた時間帯であると判定する。このように判定システムは各ユーザが情報処理装置の使用を再開する時点を加味して業務の内容を判定するため、ユーザが共同で業務を遂行している時間帯を正確に判定することができる。
第1の実施形態では、判定システムは、情報処理装置10が無操作の時間帯が重複する場合に、当該時間帯が個別での業務遂行時間帯か共同での業務遂行時間帯かを判定する。ここで、共同での業務遂行時間帯とは、ユーザが情報処理装置10を用いずに共同して業務を遂行している時間帯である。ユーザが情報処理装置10を用いずに共同して業務を遂行している状況とは、たとえば、ユーザが会議に参加している時間帯である。しかし、判定システムは、会議に限らずビジネスランチや所定部署の見学など、様々な場面を考慮して、無操作時間帯が個別での業務遂行時間帯か共同での業務遂行時間帯かを判定することができる。このため、操作情報自体は同じ「無操作」であっても当該無操作時間帯のユーザの業務状態を詳細に判定することができる。また、場面に応じて詳細な判定を実現するために図5のステップS44の「所定割合」やステップS46のTH1等の値は適宜修正することができる。
なお、判定処理において、終日無操作のユーザについては予め判定対象から除外する等の前処理をすることでさらに判定精度を高めることが可能である。
(第2の実施形態)
第1の実施形態に係る判定システム1は、同一のプロジェクトに参加しているユーザが略同一時間帯に情報処理装置を操作していない場合、共同して業務遂行している、たとえば、会議をしていると判定した。第2の実施形態に係る判定システム1Aはさらに、予め登録されているスケジュールを参照して判定を実行する。
図6は、第2の実施形態に係る判定システム1Aの構成の一例について説明するための図である。図6に示す判定システム1Aにおいて、第1の実施形態の判定システム1と共通の機能および構成については、以下適宜説明を省略する。
図6に示す判定システム1Aは、複数の情報処理装置10とサーバ20Aとを備える。複数の情報処理装置10とサーバ20Aとは、ネットワーク30により通信可能に接続される。
図6に示す複数の情報処理装置10は、図1に示す複数の情報処理装置10と同様の機能および構成を有する。
図6に示すサーバ20Aは、制御部100Aと、記憶部110Aと、入力部120と、出力部130と、通信部140と、を有する。図6に示す入力部120、出力部130、通信部140の構成および機能は、図1に示す入力部120、出力部130、通信部140の構成および機能と同様である。
記憶部110Aは、ユーザ記憶部111Aと、操作記憶部112Aと、条件記憶部113Aと、スケジュール記憶部114Aと、を有する。第2の実施形態のサーバ20Aが有する記憶部110Aは、スケジュール記憶部114Aを有する点が第1の実施形態のサーバ20が有する記憶部110と異なる。ユーザ記憶部111A、操作記憶部112Aおよび条件記憶部113Aに記憶される情報は、第1の実施形態のユーザ記憶部111、操作記憶部112および条件記憶部113に記憶される情報と同様である。
スケジュール記憶部114Aは、判定システム1Aの管理対象であるユーザのスケジュールに関する情報を記憶する。図7は、第2の実施形態に係る判定システム1Aに記憶されるスケジュール情報の構成の一例について説明するための図である。なお、スケジュールを記憶するための手法は特に限定されない。たとえば、ユーザが情報処理装置10上で所定のウェブサイトにアクセスし入力をすることによって所定のデータベースにスケジュールを登録するように構成してもよい。そして、サーバ20Aは別途当該データベースにアクセスしてスケジュールを取得し記憶するように構成してもよい。また、ユーザが判定システム1の外部にある任意の情報処理装置からネットワーク30を介してサーバ20Aにスケジュールを登録するように判定システム1Aを構成してもよい。
図7に示すスケジュール情報は、「ユーザID」と、「装置ID」と、「年月日」と、「時刻」と、を含む。「ユーザID」は図2および図3に示したユーザIDと同様である。「年月日」は、スケジュールを登録する対象となる年月日である。また、「時刻」は、スケジュールを登録する対象となる時刻である。
たとえば図7中、「ユーザID,U007」に対応づけて、「年月日、2017年8月15日」、「時刻、8時〜24時」が記憶される。また、「時刻、9時〜11時」に対応づけて「会議301」が記憶される。これは、ユーザID「U007」で特定されるユーザは、2017年8月15日の予定として、9時から11時まで2時間の会議が予定されていることを示す。また、当該会議は「301」号室で行われる予定であることを示す。
制御部100Aは、操作取得部101Aと、ユーザ特定部102Aと、操作抽出部103Aと、スケジュール抽出部104Aと、判定部109Aと、を有する。操作取得部101A、ユーザ特定部102A、操作抽出部103Aの構成および機能は、第1の実施形態のサーバ20が備える操作取得部101、ユーザ特定部102、操作抽出部103の構成および機能と同様である。第2の実施形態の判定システム1Aが備えるサーバ20Aは、スケジュール抽出部104Aを有する点、およびスケジュール抽出部104Aの処理結果を加味して判定部109Aが判定を実行する点が第1の実施形態と異なる。
スケジュール抽出部104Aは、ユーザ特定部102Aが特定したユーザについて操作抽出部103Aが抽出した操作情報に、所定割合以上のユーザが無操作の時間帯が含まれていた場合に処理を実行する。スケジュール抽出部104Aは、スケジュール記憶部114Aに記憶されるスケジュールから、ユーザ特定部102Aが特定したユーザのスケジュールを抽出する。
判定部109Aは、操作抽出部103Aが抽出した操作情報において所定割合以上のユーザが無操作となっている時間帯について、スケジュール抽出部104Aが抽出したスケジュールに共通の予定が登録されているか否かを判定する。そして、判定部109Aは、所定割合以上のユーザについて共通の予定が登録されている場合、当該時間帯において当該ユーザは共同して業務を遂行していたと判定する。たとえば、判定部109Aは、ユーザは会議中であったと判定する。
(第2の実施形態の処理の流れの一例)
図8は、第2の実施形態に係る判定システム1Aにおける処理の流れの一例について説明するためのフローチャートである。図8に示すステップS701〜ステップS704の処理は、図5に示すステップS41〜ステップS44の処理と同様である。図8のステップS705以降の処理は図5の処理と異なる。以下、図5と異なる処理について説明する。
図8のステップS704において判定部109Aが所定割合以上のユーザが無操作となる時間帯はないと判定した場合(ステップS704、No)、判定部109Aは、判定対象期間中ユーザは個別に業務を遂行していたと判定する(ステップS708)。他方、所定割合以上のユーザが無操作となる時間帯があると判定した場合(ステップ704、Yes)、判定部109Aは、スケジュール抽出部104Aに無操作時間帯のユーザのスケジュールを抽出するよう指示する。スケジュール抽出部104Aは、指示に応じて該当するユーザの無操作時間帯のスケジュールを抽出する(ステップS705)。
判定部109Aは、抽出されたスケジュールを参照し、同じ時間帯に無操作となるユーザのうち所定割合以上のユーザについて、無操作時間帯に同じスケジュールの登録があるか否かを判定する(ステップS706)。判定部109Aは、所定割合以上のユーザについて無操作時間帯に同じスケジュールの登録がないと判定した場合(ステップS706、No)、ユーザは個別に業務を遂行していたと判定する(ステップS708)。他方、判定部109Aは、所定割合以上のユーザについて無操作時間帯に同じスケジュールの登録があると判定した場合(ステップS706、Yes)、無操作時間はユーザが共同して所定業務を遂行していた時間帯であると判定する(ステップS707)。たとえば、判定部109Aは、無操作時間帯はユーザが会議していた時間帯であると判定する。そして、判定部109Aは、指示入力において指定されたすべてのプロジェクトについて判定をしたか否かを判定する(ステップS709)。全てのプロジェクトについて判定を終えていないと判定した場合(ステップS709、No)、判定部109Aは未処理のプロジェクトを選択し(ステップS710)、処理はステップS702に戻る。他方、判定部109Aが全てのプロジェクトについて判定を終えたと判定した場合(ステップS709、Yes)、処理は終了する。
なお、図8に示す処理は、図5のステップS46、S48と同様の判断ステップを含めるように変形してもよい。
(第2の実施形態の効果)
このように、上記第2の実施形態に係る判定システムにおいては、判定部は、特定部が特定したユーザに対応づけて抽出部が抽出した時間帯に所定のスケジュールが記憶されている場合に、時間帯を特定したユーザが所定業務を遂行していた時間帯であると判定する。このため、判定システムは予め登録されたスケジュールを加味して正確な判定を行うことができる。
また、上記第2の実施形態に係る判定システムにおいて、特定部は、記憶部に記憶される複数のユーザのうち、同一プロジェクトに対応付けて記憶されているユーザを特定する。このため、判定システムは、共同して業務を遂行する可能性が低いユーザを予め除外して効率的に判定を実行することができる。
(変形例)
上記第2の実施形態に係る判定システム1Aは、同じプロジェクトに参加している等、共同して業務を遂行する可能性があるユーザの情報処理装置10が同一時間帯に無操作となっている場合、スケジュールを参照して、当該時間帯の業務遂行状況を判定した。判定システム1Aは、情報処理装置10が同一時間帯に無操作となるユーザのうち所定割合のユーザのスケジュールに同じ予定が登録されていれば、同一時間帯に情報処理装置10が無操作となっているユーザは共同して業務を遂行していると判定した。ここで、判定システム1Aは、同一時間帯に無操作となっていないユーザであっても会議に参加している可能性を加味して判定を行うように構成してもよい。かかる例について変形例として説明する。
図9は、第2の実施形態に係る判定システム1Aにおける処理の変形例の流れの一例について説明するためのフローチャートである。変形例に係る判定システムの構成は、図6の第2の実施形態に係る判定システム1Aの構成と同様である。
図9の変形例の処理中、ステップS801〜S804の処理は、図8の第2の実施形態の処理中ステップS701〜S704の処理と同様である。図9の処理においては、ステップS804以降が図8の処理と異なる。以下、図8の処理との相違点について説明する。
まず、指示入力(ステップS801)において指定されたプロジェクトについて、ユーザ特定部102Aがユーザを特定する(ステップS802)。そして、操作抽出部103Aが特定されたユーザの操作情報を抽出する(ステップS803)。判定部109Aは、特定されたユーザ中所定割合以上のユーザが無操作の時間帯があるか否かを判定する(ステップS804)。次に、無操作の時間帯がないと判定した場合(ステップS804、No)、判定部109Aは、判定対象期間中ユーザは個別に業務を遂行していたと判定する(ステップS807)。他方、無操作の時間帯があると判定した場合(ステップS804、Yes)、判定部109Aは、ユーザ特定部102Aが特定したユーザのうち、無操作時間帯中の操作情報が「操作あり」を示しているユーザが少なくとも一人いるか判定する(ステップS805)。そして、「操作あり」のユーザがいないと判定した場合(ステップS805、No)、判定部109Aは、ユーザが個別に業務を遂行していたと判定する(ステップS807)。他方、「操作あり」のユーザがいると判定した場合(ステップS805、Yes)、判定部109Aは、無操作時間帯は「操作あり」のユーザも含めて当該プロジェクトのユーザが共同で業務を遂行中であったと判定する(ステップS806)。これで処理が終了する。
判定システムが上記のように判定するのは、共同で業務を遂行する場合たとえば会議を行う場合には通常少なくとも一人が議事録を記録するために情報処理装置10を利用するからである。この場合議事録をとっているユーザの情報処理装置10の操作情報は「無操作」にならない。そこで、変形例の判定システムでは、無操作時間帯に情報処理装置10の操作をおこなっているユーザも、共同で業務を遂行していたものとみなす。このように判定しても、当該ユーザはいずれにせよ業務で情報処理装置10を操作しているため、勤務状況の判定結果が実情と大きくずれることはない。また、業務上、かならず議事録を作成する要請がある場合、変形例のように判定システムを構成することで判定精度を高めることができる。
なお、図9の例は、スケジュールを参照する判定(図8のステップS705〜S708)を含まない。しかしこれに限らず、変形例の判定システムは、ステップS804の後にステップS705〜706の処理を実行し、ステップS706でYesの場合ステップS805を実行するように構成してもよい。
(第3の実施形態)
第1および第2の実施形態に係る判定システムにおいては、予めサーバの記憶部に記憶されたユーザが情報処理装置10を操作していない時間帯に、当該ユーザが共同で業務遂行中であるか否かを判定した。しかし、実際に勤務者が業務を遂行する場合には、たとえば会社の外部の業者と打ち合わせを行ったり顧客と商談を行ったりするなど自分の組織外の人間と共同して業務を遂行する場面がある。そこで、第3の実施形態においては、ユーザが情報処理装置を操作していない時間帯が、予め判定システムに登録されていない人物との共同業務を遂行する時間帯か否かを判定できるよう判定システムを構成する。
図10は、第3の実施形態に係る判定システム1Bの構成の一例について説明するための図である。図10に示す判定システム1Bにおいて、第2の実施形態の判定システム1Aと共通の機能および構成については、以下適宜説明を省略する。
図10に示す判定システム1Bは、複数の情報処理装置10とサーバ20Bとを備える。複数の情報処理装置10とサーバ20Bとは、ネットワーク30により通信可能に接続される。
図10に示す複数の情報処理装置10は、図6に示す複数の情報処理装置10と同様の機能および構成を有する。
図10に示すサーバ20Bは、制御部100Bと、記憶部110Bと、入力部120と、出力部130と、通信部140と、を有する。図10に示す入力部120、出力部130、通信部140の構成および機能は、図6に示す入力部120、出力部130、通信部140の構成および機能と同様である。
記憶部110Bは、ユーザ記憶部111Bと、操作記憶部112Bと、条件記憶部113Bと、スケジュール記憶部114Bと、ダミーユーザ記憶部115Bと、を有する。第3の実施形態のサーバ20Bが有する記憶部110Bは、ダミーユーザ記憶部115Bを有する点が第2の実施形態のサーバ20Aが有する記憶部110Aと異なる。ユーザ記憶部111Bに記憶される情報は、第2の実施形態のユーザ記憶部111Aに記憶される情報と同様である。また、操作記憶部112B、条件記憶部113Bおよびスケジュール記憶部114Bに記憶される情報は、第2の実施形態の操作記憶部112A、条件記憶部113Aおよびスケジュール記憶部114Aに記憶される情報と同様である。
ダミーユーザ記憶部115Bに記憶される情報の構成は、図2に示す第1の実施形態においてユーザ記憶部111に記憶されるユーザ情報の構成と同様である。ただし、ダミーユーザ記憶部115Bに記憶されるダミーユーザの情報は、実際に存在するユーザの情報ではなく、判定システム1Bの処理において生成される架空のユーザの情報である。ダミーユーザの情報は、ユーザ情報とは異なり、氏名や装置IDは含まなくてよい。ダミーユーザの情報はユーザIDと少なくとも一つのユーザ条件(図4参照)ここではプロジェクト名とを含む。
ダミーユーザ記憶部115Bに記憶されるダミーユーザの情報は所定のタイミングで生成される。たとえば、スケジュール記憶部114Bに、新しい予定が登録された場合に、ダミーユーザの情報が生成される。ダミーユーザの情報の生成および登録の処理については後述する。
制御部100Bは、操作取得部101Bと、ユーザ特定部102Bと、操作抽出部103Bと、スケジュール抽出部104Bと、スケジュール受付部105Bと、ダミー登録部106Bと、判定部109Bと、を有する。操作取得部101B、ユーザ特定部102Bの構成および機能は、第2の実施形態の操作取得部101A、ユーザ特定部102Aの構成および機能と同様である。ただし、ユーザ特定部102Bは、ユーザ記憶部111Bだけでなくダミーユーザ記憶部115Bも参照してユーザを特定する。また、操作抽出部103Bおよびスケジュール抽出部104Bの構成および機能も、第2の実施形態の操作抽出部103Aおよびスケジュール抽出部104Aの構成および機能と同様である。第3の実施形態のサーバ20Bは、スケジュール受付部105Bおよびダミー登録部106Bを有する点が、第2の実施形態のサーバ20Aと異なる。また、判定部109Bにおける処理が第2の実施形態の判定部109Aと異なる。
スケジュール受付部105Bは、ユーザによるスケジュールの登録を受け付ける。ユーザは、情報処理装置10またはサーバ20Bに接続される任意の情報処理端末を介してスケジュール記憶部114Bに記憶されるスケジュールに予定を登録することができる。たとえば、ユーザは、日時、場所、用件、参加者等を特定してスケジュールに予定を登録することができる。スケジュール受付部105Bは、情報処理装置10等から送信されるスケジュールの登録要求を受信すると、当該要求に含まれるユーザID、日時、場所、用件、参加者等を抽出し、スケジュール記憶部114Bに登録する。たとえば、スケジュール受付部105Bは、2017年8月1日の13時から14時まで会議室「505」でユーザID「U020、U025,U325」のユーザが会議する旨の予定の登録を受け付ける。スケジュール受付部105Bは、登録要求に含まれる参加者各々のユーザIDに対応づけてスケジュール記憶部114Bの該当年月日に予定を登録する。
スケジュール受付部105Bは、登録要求から抽出される「参加者」のユーザIDの数が条件記憶部113Bに記憶されるユーザ割合(所定割合)を満足しない場合、ダミー登録部106Bに通知する。
ダミー登録部106Bは、スケジュール受付部105Bからの通知を受信すると、スケジュール受付部105Bが受け付けた予定に対応づけて自動的に所定割合を満足する数のダミーユーザを生成する。そして、ダミー登録部106Bは生成したダミーユーザを、ダミーユーザ記憶部115Bに記憶する。このとき、ダミー登録部106Bはまた、スケジュール受付部105Bが受け付けた予定に対応づけて新しいプロジェクト名を生成する。そして、ダミー登録部106Bは、参加者のユーザIDとダミーユーザのユーザID各々に対応づけてユーザ記憶部111Bおよびダミーユーザ記憶部115Bに生成したプロジェクト名を記憶する。また、ダミー登録部106Bは、ダミーユーザに対応するスケジュールを生成してスケジュール記憶部114Bに記憶する。
たとえば、図7に示すようなスケジュールがスケジュール記憶部114Bに登録されているとする。このとき、たとえばユーザID「U007」のユーザが、2017年8月15日の18時から20時まで、ユーザ記憶部111Bに記憶されていない外部の人間と業務上の打ち合わせを行う旨予定を登録する。ユーザID「U007」のユーザは、情報処理装置10を用いて、登録要求をサーバ20Bに送信する。サーバ20Bのスケジュール受付部105Bは、登録要求からユーザID「U007」と、年月日「2017年8月15日」と、時刻「18時から20時まで」と、用件「来客対応」と、を抽出する。また、スケジュール受付部105Bは、参加者のユーザIDとして「U007」を抽出する。スケジュール受付部105Bは、受け付けた予定の参加者として抽出したユーザIDが一つであるため所定割合を満足しないと判定し、ダミー登録部106Bに通知を送信する。そして、スケジュール登録部105Bは、スケジュール記憶部114Bに、ユーザID「U007」に対応付けて、2017年8月15日の18時から20時までの「来客対応」を登録する。
ダミー登録部106Bは、スケジュール受付部105Bからの通知を受信すると、所定割合を満足する数だけダミーユーザを生成する。ダミー登録部106Bは、ダミーユーザを生成する際、少なくともユーザIDとプロジェクト名とを生成する。なお、ダミー登録部106Bが一つの通知に対応して生成するダミーユーザの数は条件記憶部113Bに記憶される「ユーザ割合」に依存する。たとえば、同じプロジェクトに参加している人のうち、7割が同時間帯に60分以上情報処理装置10を無操作である場合に、共同業務遂行中と判定するよう条件記憶部113Bに記憶されているとする。この場合に、ユーザID「U007」のユーザが外部参加者5名との会議をスケジュール登録する。ユーザID「U007」のユーザについてのみスケジュールを登録すると、共通するプロジェクトに参加中のユーザのうち、ユーザID「U007」のユーザだけが会議の間、情報処理装置10無操作となる。すると、判定システム1Bは、ユーザID「U007」のユーザが共同業務遂行中であると判定しない。そこで、ダミー登録部106Bは、ユーザID「U007」のユーザのスケジュールに対応付けて、ユーザ割合を満足する数のダミーユーザを生成することで共同業務遂行中と判定できるようにする。
ダミー登録部106Bは、生成したダミーユーザのユーザIDとプロジェクト名とをダミーユーザ記憶部115Bに記憶する。またダミー登録部106Bは、新しく生成したプロジェクト名を登録要求から抽出されたユーザIDに対応づけてユーザ記憶部111Bに記憶する。さらに、ダミー登録部106Bは、スケジュール記憶部114BにダミーユーザのユーザIDに対応づけたスケジュールを記憶する。そして、ダミー登録部106Bは、登録要求から抽出された内容(日時、場所、用件)と同じ内容のスケジュールをダミーユーザのユーザIDに対応づけてスケジュール記憶部114Bに記憶する。さらに、ダミー登録部106Bは、ダミーユーザのユーザIDに対応づけて操作記憶部112Bに操作情報を記憶する。ダミーユーザは情報処理装置10を使用しないため、操作記憶部112Bはダミーユーザに対応する操作情報として常時「無操作」を記憶することになる。
判定部109Bは、ユーザ特定部102Bが特定したユーザのうち、当該ユーザに対応する情報処理装置10が同一時間帯に無操作となるユーザが単独で業務遂行中か、共同して業務遂行中かを判定する。たとえば、判定部109Bは、第2の実施形態のように特定されたユーザのうち所定割合以上のユーザが無操作の時間帯があるか否か等を判定し、業務遂行の態様を判定する。
第3の実施形態では、予定の内部参加者の数が所定割合を満足しない場合、ダミー登録部106Bが自動的にプロジェクト名とダミーユーザとを所定割合を満足する数だけ生成して登録する。このため、ユーザ特定部102Bは、同じプロジェクトに参加するユーザとしてダミーユーザも含めた複数名のユーザを特定する。そして、操作抽出部103Bは、特定されたユーザに対応する操作情報を操作記憶部112Bから抽出する。このとき、上記のようにダミー登録部106Bは、参加ユーザが一人の用件についても、ダミーユーザを生成してユーザ記憶部111B、操作記憶部112Bおよびスケジュール記憶部114Bにダミーユーザに対応する情報を記憶させている。このため、判定部109Bは、予定を登録したユーザが外部者と会議し情報処理装置10を操作していない場合でも、当該予定のプロジェクト参加者として特定された複数名全員の情報処理装置10が無操作である時間帯を特定することができる。このため、判定部109Bは、外部者との会議で情報処理装置10が無操作となる場合でも無操作時間帯を直ちに個別に業務を遂行する時間帯と判定することなく、複数名が共同して業務遂行する時間帯を正確に判定することができる。
(第3の実施形態における処理の流れの一例)
図11は、第3の実施形態に係る判定システム1Bにおけるダミー登録処理の流れの一例について説明するためのフローチャートである。図11に示すように、第3の実施形態では、スケジュール受付部105Bが情報処理装置10等を介してユーザからスケジュールの登録要求を受け付ける(ステップS1001)。そして、スケジュール受付部105Bは、受け付けた登録要求からユーザID等を抽出する。スケジュール受付部105Bは、抽出したユーザIDの数が共同業務であると判定するために必要な人数より多いか否かを判定する。すなわち、スケジュール受付部105Bは、内部参加者の数が、条件記憶部113Bに記憶されるユーザ割合を満足するかを判定する(ステップS1002)。スケジュール受付部105Bは、ユーザ割合を満足しないと判定した場合(ステップS1002、Yes)、ダミー登録部106Bに通知する。そして、ダミー登録部106Bは、ダミー登録処理を実行する(ステップS1003)。ダミー登録処理では、ダミー登録部106Bは、登録要求の対象である予定に対応づけてダミーユーザとプロジェクト名とを生成する。そして、ダミー登録部106Bは、ダミーユーザの操作情報を操作記憶部112Bに記憶する。また、ダミー登録部106Bは、スケジュール記憶部114Bにダミーユーザのスケジュールを記憶する。また、ダミー登録部106Bは、ダミーユーザ記憶部115Bにダミーユーザの情報(ユーザID、プロジェクト名)を記憶する。ダミー登録部106Bはまた、ユーザ記憶部111Bに、抽出したユーザIDに対応付けて、生成したプロジェクト名を記憶する。他方、ユーザ割合を満足すると判定した場合(ステップS1002、No)、スケジュール受付部105Bは、ダミー登録部106Bに通知することなく処理を終了する。これでダミー登録処理が終了する。
図12は、第3の実施形態に係る判定システム1Bにおける処理の流れの一例について説明するためのフローチャートである。図12の処理中、ステップS1101〜S1104は、図8のステップS701〜S704(第2の実施形態)と同様である。ただし、図12の場合には、判定システム1Bはユーザの情報だけでなくダミーユーザの情報も判定対象に含める。
まず、判定システム1Bにおいて、入力部120を介して判定処理の実行を指示する指示入力が受け付けられる(ステップS1101)。そして、ユーザ特定部102Bは、指示入力に含まれるプロジェクトに対応づけて記憶されているユーザおよびダミーユーザを特定する(ステップS1102)。操作抽出部103Bは、ユーザ特定部102Bが特定したユーザおよびダミーユーザの操作情報を取得する(ステップS1103)。ここで、ダミーユーザは情報処理装置10を操作しないため、ダミーユーザの操作情報は常時「無操作」である。判定部109Bは、所定割合以上のユーザおよびダミーユーザが無操作の時間帯があるか否かを判定する(ステップS1104)。そして、判定部109Bは、無操作時間帯がないと判定した場合(ステップS1104、No)には、ユーザが個別に業務を遂行していると判定する(ステップS1106)。他方、無操作時間帯があると判定した場合(ステップS1104、Yes)には、判定部109Bは、当該無操作時間帯はユーザが共同して業務を遂行していた時間帯であると判定する(ステップS1105)。これで処理が終了する。
第3の実施形態では、判定システム1Bは、業務を共同で実行するユーザの数が少なくユーザ割合を満足しない場合や、ユーザが外部者と共同で業務遂行する予定の場合にはダミーユーザを生成して複数名で業務遂行しているか否かを判定するものとした。ここで、第3の実施形態における判定部109Bの判定処理は、第1、第2の実施形態の判定処理と組み合わせてもよい。たとえば、ダミーユーザを生成する場合は、ダミーユーザの操作情報として予定終了時間に「操作開始」を操作記憶部112Bに記憶しておく。こうすれば、図5のステップS48の処理を適切に実行することができる。
また、第3の実施形態においても、変形例のようにプロジェクトの参加者のうち1人が「操作あり」であれば会議であると判定するように判定システムを構成してもよい。このように構成すれば、ユーザがタブレット端末等を情報処理装置10として携帯して会議の議事録作成に使用する場合に、個別の業務遂行との誤判定を回避することができる。
なお、第3の実施形態では参加するユーザの数がユーザ割合を満足しない予定が登録されるとダミーユーザを生成するものとした。このように構成すると、ユーザが積極的に1人で業務を遂行したい場合にもダミーユーザが生成されるが、1人で業務を遂行する場合は通常情報処理装置10を利用すると予想される。このため、仮にダミーユーザが登録されていても、無操作時間帯とはならないため処理上の問題は生じない。また、ユーザが積極的に1人で業務を遂行したい場合であって情報処理装置10を利用しない場面が想定される場合は、登録要求において用件の種類をユーザが特定するように構成してもよい。そして、スケジュール受付部105Bが特定種類の用件の場合のみ、ダミー登録部106Bに通知を行うよう構成してもよい。
(第3の実施形態の効果)
このように、第3の実施形態に係る判定システムは、受付部(スケジュール受付部105B)と、登録部(ダミー登録部106B)とをさらに備える。そして、受付部は、記憶部に記憶される複数のユーザからのスケジュール登録を受け付ける。登録部は、受付部が受け付けたスケジュールの参加者のうち、第1の条件を満足するユーザが第1の所定割合未満である場合、受け付けたスケジュールと同じ内容のスケジュールをダミーユーザのスケジュールに登録する。特定部は、記憶部に記憶される複数のユーザおよびダミーユーザのうち、第1の条件を満足するユーザを特定する。このため、判定システムは、内部参加者が一人の予定についても共同で業務を遂行するのか否かを正確に判定することができる。
なお、上記実施形態においては、判定システムは、無操作時間帯においてユーザが共同で業務を遂行するのか、個別に業務を遂行するのかを判定した。ここで、判定システムは、無操作時間帯においてユーザが会議中であるか、否かを判定するように構成してもよい。そして、会議時間をプロジェクトごとまたはユーザごとに集計して出力したり、プロジェクト間で会議時間の長短をグラフ化して出力したりするように判定システムを構成してもよい。このように構成することで、判定システムは、組織における会議時間を視覚化してユーザが容易に把握できるように呈示することができる。
(その他の実施形態)
これまで開示の装置に関する実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
[クラウドコンピューティングによる実装]
開示の判定プログラムは、クラウドシステムを構成するサーバに実装し、クラウドシステムを介して、様々な場所に存在する在宅勤務者および社内勤務者の勤務時間および情報処理端末の操作状態を管理するために使用することができる。このようにすれば、広範な地域に散らばる会社施設での勤務者の勤務状態および各在宅勤務者の自宅における勤務状態を一括して管理することができ、効率的な労働管理を実現することができる。
[分散および統合]
図示した各装置の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
[判定プログラム]
また、上記の実施例で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをサーバ等のコンピュータからタブレット端末やノート型コンピュータ等のコンピュータに配布し、サーバとコンピュータとが処理を協働して実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図13を用いて、上記の実施例と同様の機能を有する判定プログラムを実行するコンピュータの一例について説明する。
図13は、第1〜3の実施形態に係る判定プログラムを実行するコンピュータの一例について説明するための図である。図13に示すように、コンピュータ1000は、操作部1100と、ディスプレイ1200と、通信部1300とを有する。さらに、このコンピュータ1000は、CPU(Central Processing Unit)1400と、ROM(Read Only Memory)1500と、RAM(Random Access Memory)1600と、HDD(Hard Disk Drive)1700とを有する。これら1100〜1700の各部はバス1800を介して接続される。
HDD1700には、図13に示すように、上記の第1〜3の実施形態で示した各部と同様の機能を発揮するモジュールを実装することができる判定プログラム1700aが予め記憶される。この判定プログラム1700aについては、図1,5,9に示した各々の各構成要素と同様、適宜統合または分離してもよい。すなわち、HDD1700に記憶される各データは、常に全てのデータがHDD1700に記憶される必要はなく、処理に必要なデータのみがHDD1700に記憶されればよい。
そして、CPU1400が、判定プログラム1700aの各モジュールをHDD1700から読み出してRAM1600に展開する。これによって、図13に示すように、判定プログラム1700aは、判定プロセス1600aとして機能する。この判定プロセス1600aは、HDD1700から読み出した各種データを適宜RAM1600上の自身に割り当てられた領域に展開し、この展開した各種データに基づいて各種処理を実行する。なお、判定プロセス1600aは、図1,5,9に示した各処理部にて実行される処理を含む。また、CPU1400上で仮想的に実現される各処理部は、常に全ての処理部がCPU1400上で動作する必要はなく、必要な処理部のみが仮想的に実現されればよい。
なお、上記の判定プログラム1700aについては、必ずしも最初からHDD1700やROM1500に記憶させておく必要はない。たとえば、コンピュータ1000に挿入されるフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの「可搬用の物理媒体」に各プログラムを記憶させる。または、DVD(Digital Versatile Disc)ディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に各プログラムを記憶させる。そして、コンピュータ1000がこれらの可搬用の物理媒体から各プログラムを取得して実行するようにしてもよい。また、公衆回線、インターネット、LAN、WAN(Wide Area Network)などを介してコンピュータ1000に接続される他のコンピュータまたはサーバ装置などに各プログラムを記憶させておいてもよい。そして、コンピュータ1000がこれらから各プログラムを取得して実行するようにしてもよい。