JP2019056742A - 光源装置および投光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】波長変換部材にレーザ光が斜め方向から入射する場合に、波長変換部材上におけるレーザ光の走査軌跡の湾曲を抑制することが可能な光源装置および投光装置を提供する。【解決手段】光偏向器は、反射面321を回動軸について回動させる回動機構、および反射面321に対してレーザ光の入射側に配置され印加電圧に応じて反射面321に向かうレーザ光の進行方向を少なくともy軸方向に変化させる基板310を備え、反射面321を回動軸について回動させることにより、レーザ光を波長変換部材の入射面上において走査させる。電圧設定回路304は、基板310に対する印加電圧を設定する。反射面321により反射されたレーザ光は、波長変換部材の入射面に斜め方向から入射する。電圧設定回路304は、反射面321の回動に応じて印加電圧を変化させて、波長変換部材の入射面におけるレーザ光の走査軌跡を直線状に補正する。【選択図】図6

Description

本発明は、光を発する光源装置およびそれを用いた投光装置に関する。
従来、レーザ光源から出射された光を波長変換部材に照射することにより所定波長の光を生成する光源装置が知られている。この光源装置では、たとえば、波長変換部材により波長変換されて拡散された光と、波長変換部材により波長変換されずに拡散された光とが合成されて、白色光等、所定の色の光が生成される。このような光源装置が、たとえば、車両用前照灯の光源装置として利用されている。
以下の特許文献1には、固体光源からの励起光を蛍光体(波長変換部材)に向けて反射する反射手段を備え、該反射手段の向きを制御することで、反射手段によって反射される励起光の方向を変化させる照明装置が記載されている。このような構成を用いることにより、光学系(レンズ系)を含めた装置全体を機械的に駆動する機構を用いることなく、配光を変化させることができる。
特許第5530171号公報
しかしながら、上記特許文献1の構成によれば、蛍光体(波長変換部材)に対して励起光が斜め方向から入射するため、反射手段の回動に伴い、反射手段と蛍光体(波長変換部材)との間の相対角度および相対距離が変化し、これにより、蛍光体(波長変換部材)上における光の走査軌跡が湾曲するとの課題が生じる。蛍光体(波長変換部材)からの光を投射光学系で目標領域に投射する場合、走査軌跡の湾曲は、投射光学系によってさらに拡大される。このため、上記のように蛍光体(波長変換部材)上の走査軌跡が湾曲すると、目標領域における配光の軌跡が大きく湾曲することとなってしまう。
かかる課題に鑑み、本発明は、波長変換部材の入射面上においてレーザ光の走査軌跡が湾曲することを抑制し、波長変換部材上における光の走査軌跡を直線に近づけることが可能な光源装置およびそれを用いた投光装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、光源装置に関する。第1の態様に係る光源装置は、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光の波長を他の波長に変換するとともに波長変換された前記レーザ光を拡散させる波長変換部材と、前記レーザ光が入射する反射面、前記反射面を回動軸について回動させる回動機構、および前記反射面に対して前記レーザ光の入射側に配置され印加電圧に応じて前記反射面に向かう前記レーザ光の進行方向を少なくとも前記回動軸に平行な方向に変化させる調整部材を備え、前記反射面を前記回動軸について回動させることにより、前記レーザ光を前記波長変換部材の入射面上において走査させる光偏向器と、前記調整部材に対する前記印加電圧を設定する電圧設定部と、を備える。前記反射面により反射された前記レーザ光が、前記波長変換部材の入射面に斜め方向から入射する。前記電圧設定部は、前記反射面の回動に応じて前記印加電圧を変化させて、前記波長変換部材の前記入射面における前記レーザ光の走査軌跡を直線状に補正する。
本態様に係る光源装置によれば、反射面の回動に応じて、反射面に向かうレーザ光の進行方向が少なくとも回動軸に平行な方向に変化する。これにより、波長変換部材の入射面におけるレーザ光の入射位置が、レーザ光の走査方向に垂直な方向に補正される。よって、波長変換部材の入射面におけるレーザ光の走査軌跡の湾曲を抑制でき、走査軌跡を直線に近づけることができる。
本発明の第2の態様は、投光装置に関する。第2の態様に係る投光装置は、第1の態様に係る光源装置と、前記波長変換部材により拡散された光を投射する投射光学系と、を備える。
本態様に係る投光装置によれば、第1の態様と同様の効果が奏され得る。
以上のとおり、本発明に係る光源装置および投光装置によれば、波長変換部材に対してレーザ光が斜め方向から入射する場合に、波長変換部材の入射面においてレーザ光の走査軌跡が湾曲することを抑制でき、波長変換部材上における光の走査軌跡を直線に近づけることができる。
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
図1は、実施形態1に係る投光装置の構成を示す斜視図である。 図2は、実施形態1に係る投光装置の構成を示す断面図である。 図3(a)、(b)は、それぞれ、実施形態1に係る光偏向器の構成を示す斜視図および断面図である。 図4(a)は、実施形態1に係る波長変換部材の構成を模式的に示す側面図である。図4(b)は、実施形態1に係る波長変換部材の構成を模式的に示す平面図である。 図5は、実施形態1に係る光源装置の主たる回路構成を示す回路ブロック図である。 図6(a)は、実施形態1に係るミラーが中立位置にあるときのレーザ光の光路を説明するための図である。図6(b)は、実施形態1に係るミラーが境界位置にあるときのレーザ光の光路を説明するための図である。 図7(a)は、比較例1に係るミラーおよび波長変換部材をZ軸負方向に見たときの模式図である。図7(b)は、実施形態1に係るミラーおよび波長変換部材をZ軸負方向に見たときの模式図である。 図8(a)は、比較例1に係るミラーおよび波長変換部材をX軸負方向に見たときの模式図である。図8(b)は、実施形態1に係るミラーおよび波長変換部材をX軸負方向に見たときの模式図である。 図9は、実施形態1に係るミラーの回動角に応じて基板に印加する電圧およびコイルに印加する電流を示す図である。 図10は、実施形態2に係る光偏向器の構成を示す斜視図である。 図11(a)、(b)は、それぞれ、実施形態2に係る光偏向器の構成を示す断面図である。 図12(a)は、比較例2に係るミラーおよび波長変換部材をZ軸負方向に見たときの模式図である。図12(b)は、実施形態2に係るミラーおよび波長変換部材をZ軸負方向に見たときの模式図である。 図13(a)は、変更例に係るミラーおよび支持部をy軸負方向に見たときの模式図である。図13(b)は、変更例に係るミラーおよび支持部をy軸負方向に見たときの模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。便宜上、各図には互いに直交するX、Y、Z軸が付記されている。X軸方向およびY軸方向は、それぞれ、投光装置の幅方向および奥行き方向であり、Z軸方向は投光装置の高さ方向である。Z軸正方向が、投光装置における光の投射方向である。
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る投光装置1の構成を示す斜視図である。図2は、実施形態1に係る投光装置1の構成を示す断面図である。図2には、Y−Z平面に平行な平面で投光装置1をX軸方向の中央位置において切断した断面図が示されている。
図1および図2を参照して、投光装置1は、光を生成する光源装置2と、光源装置2により生成された光を投射するための投射光学系3とを備えている。投射光学系3は、2つのレンズ3a、3bを備え、これらレンズ3a、3bによって光源装置2からの光を集光して目標領域へと投射する。なお、投射光学系3は、必ずしも2つのレンズ3a、3bのみから構成されなくともよく、たとえば、他のレンズやミラーを備えていてもよい。また、投射光学系3は、凹面ミラーによって光源装置2からの光を集光する構成であってもよい。
光源装置2は、ベース11に、各種部材が設置された構成となっている。具体的には、投射用の光を生成するための構成として、レーザ光源12と、コリメータレンズ13と、光偏向器14と、波長変換部材15がベース11に設置されている。コリメータレンズ13は、ホルダ16を介してベース11に設置されている。
レーザ光源12は、青色波長帯(たとえば、450nm)のレーザ光をZ軸正方向に出射する。レーザ光源12は、たとえば、半導体レーザからなっている。レーザ光源12から出射されるレーザ光の波長は、適宜変更可能である。また、レーザ光源12は、必ずしも単一波長帯のレーザ光を出射するものでなくともよく、たとえば、1基板に複数の発光素子がマウントされたマルチ発光の半導体レーザであってもよい。
コリメータレンズ13は、レーザ光源12から出射されたレーザ光を平行光に変換する。コリメータレンズ13は、レーザ光源12から出射されたレーザ光を収束させ得るように、光軸方向の位置が調整されてもよい。また、コリメータレンズ13は、波長変換部材15の入射面においてレーザ光がY軸方向に細長い線状のビームスポットに集光されるよう、X軸方向の収束パワーとY軸方向の収束パワーが調整されていてもよい。
光偏向器14は、ミラー17を備え、ミラー17を回動軸L1について回動させることにより、コリメータレンズ13を通過したレーザ光の進行方向を変化させる。ミラー17は、後述する中立位置において、X−Z平面に平行な面に対して、Y−Z平面に平行な方向に所定角度だけ傾くように配置される。ミラー17の回動軸L1は、Y−Z平面に平行で、且つ、Z軸方向に対して所定角度だけ傾いている。光偏向器14の構成は、追って、図3(a)、(b)を参照して説明する。ミラー17の構成は、追って、図6(a)、(b)を参照して説明する。
波長変換部材15は、ミラー17によって反射されたレーザ光が入射する位置に配置されている。ミラー17によって反射されたレーザ光は、斜め方向から波長変換部材15に入射する。波長変換部材15は、長方形形状の板状の部材であり、入射面がX−Y平面に平行となり、且つ、長手方向がX軸に平行となるように、ベース11に設置されている。上記のように、ミラー17が回動軸L1について回動することにより、波長変換部材15は、レーザ光によって長手方向に走査される。
波長変換部材15は、入射したレーザ光の一部を、青色波長帯とは異なる波長に変換して、Z軸方向に拡散させる。波長変換されなかった他のレーザ光は、波長変換部材15によってZ軸方向に拡散される。こうして拡散された2種類の波長の光が合成されて、所定の色の光が生成される。各波長の光は、投射光学系3に取り込まれて、目標領域に投射される。
実施形態1では、波長変換部材15によって、レーザ光の一部が、黄色波長帯の光に変換される。波長変換後の黄色波長帯の拡散光と、波長変換されなかった青色波長帯の散乱光とが合成されて、白色の光が生成される。なお、波長変換後の波長は黄色波長帯でなくてもよく、生成される光の色は、白以外の色であってもよい。波長変換部材15の構成は、追って、図4(a)、(b)を参照して説明する。
ベース11の下面には、回路基板18が設置されている。この回路基板18に、レーザ光源12および光偏向器14を制御するための回路が実装されている。図1に示すように、回路基板18の端子部が、ベース11のY軸正側において、外部に露出している。
図3(a)、(b)は、それぞれ、光偏向器14の構成を示す斜視図および断面図である。図3(b)には、x−z平面に平行な平面で、図3(a)の光偏向器14をy軸方向の中央位置において切断したA−A’断面図が示されている。
なお、便宜上、図3(a)、(b)には、光偏向器14の構成を説明するために、新たにx、y、z軸が示されている。このうち、x軸は、図1および図2に示したX軸と同一方向である。x、y、z軸は、図1および図2に示したX、Y、Z軸を、X軸周りに、所定の角度だけ回転させたものである。y軸は、光偏向器14の短手方向に対応し、z軸は、光偏向器14の高さ方向に対応する。ここでは、便宜上、z軸負側を光偏向器14の上側と定義する。
図3(a)、(b)を参照して、光偏向器14は、電磁力を利用してミラー17を駆動する構成となっている。ハウジング101に、電磁駆動のための構成部材が設置されている。
ハウジング101は、x軸方向に長い直方体形状を有する。ハウジング101の上面には、平面視において長方形の凹部101aが形成されている。また、ハウジング101には、x軸正負の縁の上面に、それぞれ、ボス101bが形成されている。2つのボス101bは、ハウジング101のy軸方向の中間位置に配置されている。ハウジング101は、剛性が高い金属材料からなっている。
ハウジング101の上面に、枠状の板バネ102が設置される。板バネ102は、枠部102aと、支持部102bと、2つの梁部102cと、2つの孔102dとを有する。
x軸方向の中間位置において、枠部102aからy軸方向に平行に延びるように、2つの梁部102cが形成され、これら梁部102cによって、枠部102aと支持部102bとが連結されている。支持部102bは、平面視において長方形であり、支持部102bのx軸方向の中間位置において、2つの梁部102cが支持部102bに繋がっている。x軸正側の孔102dは、ボス101bと同様、平面視において円形で、x軸負側の孔102dは、平面視においてx軸方向に長い形状である。板バネ102は、y軸方向に対称な形状であり、また、2つの孔102dを除いてx軸方向に対称な形状である。板バネ102は、可撓性の金属材料により一体形成されている。
2つの孔102dは、それぞれ、2つのボス101bに対応する位置に設けられている。孔102dにボス101bが嵌められた状態で、4つのネジ103により、板バネ102がハウジング101の上面に固定される。支持部102bの上面にミラー17が接着剤等によって固定される。ミラー17は、平面視において略正方形である。2つの梁部102cを繋いだ軸が、ミラー17および支持部102bの回動軸L1となる。すなわち、2つの梁部102cは、回動軸L1に沿うように設けられている。一対の梁部102cは、回動軸L1に沿ってy軸方向の両側から支持部102bおよびミラー17を弾性支持している。
なお、レーザ光源12からのレーザ光は、ミラー17に対して斜め方向から入射する。このとき、回動軸L1に対してレーザ光の中心軸が交差するように、レーザ光源12からのレーザ光がミラー17の上面(入射面)に入射する。
支持部102bの下面にコイル104が装着される。コイル104は、平面視において長方形の角が丸められた形状に周回している。コイル104は、長辺の中間位置が回動軸L1に一致するように、支持部102bの下面に設置される。コイル104、支持部102bおよびミラー17が、光偏向器14の可動部を構成する。
コイル104のx軸正側およびx軸負側の部分をそれぞれx軸方向に挟むように、磁石105および磁石106の組が2つ配置される。磁石105と磁石106は、ヨーク107に設置され、ヨーク107が、ハウジング101の凹部101aの底面に設置されている。磁石105、106は、磁極面における磁束密度が略均一の永久磁石である。
x軸正側の磁石105、106によって生じる磁界の向きと、x軸負側の磁石105、106によって生じる磁界の向きは、同じである。たとえば、x軸正側の磁石105は、N極がコイル104に対向し、x軸負側の磁石105は、S極がコイル104に対向する。また、x軸正側の磁石106は、S極がコイル104に対向し、x軸負側の磁石106は、N極がコイル104に対向する。このように磁極(磁界の向き)を調整することにより、コイル104に駆動信号(電流)が印加されると、回動軸L1周りの駆動力がコイル104に励起される。これにより、ミラー17が、回動軸L1を軸として回動する。このとき、板バネ102の一対の梁部102cが弾性変形する。
図4(a)は、波長変換部材15の構成を模式的に示す側面図である。
波長変換部材15は、基板201の上面に、反射膜202と、蛍光体層203とを積層した構成となっている。
基板201は、たとえば、シリコンや窒化アルミニウムセラミックなどからなっている。
反射膜202は、第1の反射膜202aと第2の反射膜202bとが積層されて構成されている。第1の反射膜202aは、たとえば、Ag、Ag合金、Alなどの金属膜である。第2の反射膜202bは、反射とともに第1の反射膜202aを酸化などから保護する機能をも有し、たとえば、SiO、ZnO、ZrO、Nb、Al、TiO、SiN、AlNなど誘電体の1つまたは複数の層からなっている。反射膜202は、必ずしも、第1の反射膜202aおよび第2の反射膜202bから構成されなくともよく、単層または3つ以上の層が積層された構成であってもよい。
蛍光体層203は、蛍光体粒子203aをバインダ203bで固定することにより形成される。蛍光体粒子203aは、レーザ光源12から出射された青色波長帯のレーザ光が照射されることによって黄色波長帯の蛍光を発する。蛍光体粒子203aとして、たとえば、平均粒子径が1μm〜30μmの(YnGd1−n)3(AlmGa1−m)5O12:Ce(0.5≦n≦1、0.5≦m≦1)が用いられる。また、バインダ203bとして、ポリメチルシルセスキオキサンなどのシルセスキオキサンを主に含む透明材料が用いられる。
蛍光体層203には、さらに、第2粒子として、平均粒子径が0.1〜10μmで熱伝導率30W/(m・K)のAlの微粒子が混合されるとよい。この場合、第2粒子は、蛍光体粒子203aに対して10vol%以上、90vol%以下の比率で混合される。たとえば、第2粒子として、バインダ203bの材料であるシルセスキオキサン(屈折率1.5)と屈折率差が大きいAl(屈折率1.8)が用いられる。この構成により、蛍光体層203の内部での光散乱性が向上するとともに、蛍光体層203の熱伝導率を高くすることができる。
さらに、蛍光体層203の内部に、ボイド203cを設けることが好ましい。実施形態1では、蛍光体層203の中央付近に形成されたボイド203cと、反射膜202との界面付近に形成されたボイド203cが蛍光体層203に設けられる。
ここで、蛍光体層203の内部に形成されたボイド203cは、反射膜202に近いほど密度が高くなるように構成される。この構成により、内部に侵入したレーザ光をより効率的に散乱させて、光源装置2から取り出すことができる。また、反射膜202との界面付近に形成されたボイド203cは、誘電体である第2の反射膜202bと接するため、金属表面によるエネルギーロスを低減しつつ、効果的にレーザ光と蛍光を散乱させることができる。
上記のようなボイド203cの配置は、YAG:Ceからなる蛍光体粒子203aと、ポリシルセスキオキサンからなるバインダ203bとを混合した、蛍光体ペーストを用いて波長変換部材15を構成することで容易に形成できる。具体的には、蛍光体粒子203aと第2粒子とを、ポリシルセスキオキサンを有機溶剤に溶かしたバインダ203bに混合した蛍光体ペーストを用いて基板201(反射膜202)上に成膜し、その後、200℃程度の高温アニールを行うことで、ペースト中の有機溶剤を気化させる。このとき、波長変換部材15の基板201に近い部分から気化した有機溶剤は保持されやすいため、基板201に近い部分では、ボイド203cが容易に形成され得る。このような製造方法により、容易に反射膜202の近傍に高い密度のボイド203cを形成することができる。
なお、蛍光体層203には、さらに、強度および耐熱性を高めるためのフィラー203dが含まれる。フィラー203dとバインダ203bとの屈折率差も、蛍光体粒子203aとバインダ203bとの屈折率差と同様、大きく設定される。
レーザ光源12から出射されたレーザ光は、図4(a)に示す励起領域R1に照射され、蛍光体層203の表面または内部で、散乱、吸収される。このとき、レーザ光の一部は、蛍光体粒子203aにより黄色波長帯の光に変換されて、蛍光体層203から放射される。また、レーザ光の他の一部は、黄色波長帯の光に変換されずに散乱されて青色波長帯の光のまま蛍光体層203から放射される。このとき、各波長帯の光は、蛍光体層203内を伝搬しながら散乱されるため、励起領域R1よりも広い発光領域R2から放射される。
なお、上記のようにバインダ203bと蛍光体粒子203aの屈折率差、および、バインダ203bとフィラー203dの屈折率差が何れも大きくなるように蛍光体層203が構成されることにより、光を散乱し易くでき、また、光の蛍光体層203内部での伝搬を抑制することができる。この結果、励起領域R1よりも微小に広い発光領域R2から光を放射させることができる。また、実施形態1では、さらに、蛍光体層203にボイド203cを配置して、光の散乱を増強させている。この結果、さらに励起領域R1と発光領域R2とを近づけることができる。
図4(b)は、波長変換部材15の構成を模式的に示す平面図である。
波長変換部材15は、平面視において、X軸方向に長い長方形の形状を有する。波長変換部材15は、光偏向器14のミラー17が回動されることにより、レーザ光でX軸方向に走査される。図4(b)において、B1は、レーザ光のビームスポットを示している。ビームスポットB1は、波長変換部材15の入射面15aを幅W1において往復移動する。
たとえば、コイル104に、ゼロレベルを振幅中心とする三角波状の駆動信号(電流)が印加される。この駆動信号によりコイル104に励起される駆動力によって、支持部102bとともにミラー17が中立位置を中心に所定の回動幅で回動する。これにより、ミラー17で反射されたレーザ光(ビームスポットB1)が、波長変換部材15の入射面15aを幅W1において往復移動する。
入射面15a上におけるビームスポットB1の領域は、図4(a)の励起領域R1に対応する。波長変換部材15の入射面15aをビームスポットB1が移動する間に、ビームスポットB1の領域よりもやや広い発光領域R2から青色波長帯の拡散光と黄色波長帯の拡散光がZ軸正方向に放射される。
こうして放射された2つの波長帯の光が、図1、2に示した投射光学系3により取り込まれ、目標領域に投射される。これにより、青色波長帯の光と黄色波長帯の光が合成された白色の光が、投光装置1から目標領域に投射される。
図5は、光源装置2の主たる回路構成を示す回路ブロック図である。
光源装置2は、回路部の構成として、コントローラ301と、レーザ駆動回路302と、コイル駆動回路303と、電圧設定回路304と、インタフェース305と、を備えている。これらの回路は、図1、2に示した回路基板18に実装されている。回路基板18には、さらにレーザ光源12も設置されている。なお、上記各回路の一部または全部が回路基板18とは別の回路基板に実装され、回路基板18側の回路とケーブルで接続された構成であってもよい。
コントローラ301は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理回路と、メモリとを備え、所定の制御プログラムに従って各部を制御する。レーザ駆動回路302は、コントローラ301からの制御信号に従って、レーザ光源12を駆動する。コイル駆動回路303は、コントローラ301からの制御信号に従って、ミラー17が回動するようコイル104に電流を印加する。電圧設定回路304は、コントローラ301からの制御信号に従って、ミラー17の基板310に配された電極330に対する印加電圧を設定する。基板310および電極330については、追って詳細に説明する。
ところで、図1、2に示したように、波長変換部材15の入射面15aに対してレーザ光が斜めから入射する場合、ミラー17の回動に伴い、ミラー17の反射面と波長変換部材15の入射面15aとの間の相対角度が変化する。このとき、ミラー17の回動に伴い、ミラー17におけるレーザ光の反射位置と波長変換部材15におけるレーザ光の入射位置との間の相対距離が変化し、これにより、波長変換部材15の入射面15aにおけるレーザ光(ビームスポットB1)の走査軌跡は、走査軌跡の中央から両端に向かってY軸負方向に徐々にシフトするように湾曲する。このような走査軌跡の湾曲は、投射光学系3によってさらに拡大される。このため、目標領域における配光の軌跡が大きく湾曲してしまう。
そこで、本実施形態1では、波長変換部材15の入射面15a上においてレーザ光の走査軌跡が湾曲することを抑制するための構成が、光偏向器14に設けられている。具体的には、光偏向器14は、レーザ光が入射する反射面に対してレーザ光の入射側に配置され、印加電圧に応じて反射面に向かうレーザ光の進行方向を少なくとも回動軸L1に平行な方向に変化させる調整部材を備える。そして、光源装置2には、反射面の回動に応じて調整部材に印加する印加電圧を変化させる電圧設定部が設けられる。これにより、波長変換部材15の入射面15aにおけるレーザ光の走査軌跡が直線状に補正される。
実施形態1では、調整部材として、印加電圧に応じて屈折率が変化する部材が用いられる。具体的には、ミラー17の基板310が調整部材となっている。また、電圧設定部として、図5に示した電圧設定回路304が用いられる。
以下、基板310の構成、および、基板310を用いて走査軌跡が直線状に補正されることについて順に説明する。
図6(a)、(b)は、ミラー17の構成を示す模式図である。
ミラー17は、基板310と反射膜320を備える。基板310は、所定の厚みを有する板状の透光性部材であり、印加される電圧に応じて屈折率が変化する電気光学効果を有する材料により構成される。
電気光学効果とは、外部から電場を加えることにより材料の屈折率が変化する現象であり、ポッケルス効果とカー効果が挙げられる。基板310は、ポッケルス効果とカー効果のいずれの効果を生じる材料により構成されてもよい。ミラー17がポッケルス効果を生じる材料により構成される場合、たとえば、KDP(KHPO)、ADP(NHPO)、LiNbO、LiTaO、BSO(Bi12SiO20)、PLZT(チタン酸ジルコン酸鉛)により構成される。
反射膜320は、基板310の一方の面に形成されており、誘電体多層膜により構成される。これにより、コリメータレンズ13を通過し基板310に入射した光を高反射率で反射させ得る。
基板310のz軸負側の面は、レーザ光が入射する入射面311である。反射膜320のz軸負側の面は、入射面311から入射したレーザ光が反射される反射面321である。コリメータレンズ13を通過したレーザ光は、入射面311から基板310内に入り、反射面321で反射された後、再び基板310を通って入射面311から出射される。
基板310のy軸正側およびy軸負側の側面には、一対の電極330が設置されている。電圧設定回路304は、一対の電極330を介して基板310に電圧を印加し、基板310の屈折率を変化させる。
次に、ミラー17によるレーザ光の反射について説明する。
図6(a)は、ミラー17が中立位置にあるときのレーザ光の光路を示している。図6(b)は、ミラー17が境界位置にあるときのレーザ光の光路を示している。図6(a)、(b)は、いずれも、x軸負方向にミラー17を見た場合の模式図である。
なお、「中立位置」とは、コイル104に駆動信号(電流)が印加されていない場合のミラー17および支持部102bの位置のことであり、図3(a)のように、ミラー17および支持部102bが、回動軸L1について何れの方向にも回動しておらず、x−y平面に平行な状態にある状態をいう。また、「境界位置」とは、回動範囲において中立位置からの回動角が最も大きい場合のミラー17および支持部102bの位置のことである。
図6(a)に示すように、ミラ−17が中立位置にあるとき、基板310には電圧が印加されず、基板310の屈折率はn1となる。このとき、入射面311に対するレーザ光の入射角をθ1、空気の屈折率を1とすると、入射面311に対するレーザ光の屈折角θ2は、スネルの法則に従って以下の式(1)により表される。
sinθ2=(sinθ1)/n1 …(1)
また、図6(a)において、入射面311にレーザ光が入射する位置(以下、「入射位置P1」と称する)と、入射面311からレーザ光が出射される位置(以下、「出射位置P2」と称する)との距離はd1である。
続いて、図6(b)に示すように、ミラー17が境界位置にあるとき、基板310には所定の電圧が印加され、基板310の屈折率がn1よりも大きいn2に設定される。このとき、入射面311に対するレーザ光の屈折角θ3は、上記式と同様、スネルの法則に従って以下の式(2)により表される。
sinθ3=(sinθ1)/n2 …(2)
したがって、上記式(1)、(2)およびn1<n2に基づけば、θ3<θ2である。よって、図6(b)において、入射位置P1と出射位置P2との距離d2は、図6(a)に示す距離d1よりも小さくなる。このように、実施形態1では、ミラー17が境界位置まで回動すると、入射位置P1と出射位置P2との距離は、ミラー17が中立位置にある場合に比べて小さくなる。言い換えれば、出射位置P2が入射位置P1に近づけられる。
次に、走査軌跡が直線状に補正されることについて説明する。
図7(a)は、比較例1に係るミラー17および波長変換部材15をZ軸負方向に見たときの模式図である。図7(b)は、実施形態1に係るミラー17および波長変換部材15をZ軸負方向に見たときの模式図である。図7(a)、(b)には、波長変換部材15の入射面15a上におけるレーザ光の走査軌跡SLが模式的に示されている。
図7(a)、(b)は、ミラー17(反射面321)が中立位置にある状態を示している。図7(a)、(b)において、反射面321が回動軸L1まわりに回動されることにより、破線矢印で示すように、反射面321で反射されたレーザ光の進行方向が変化する。これにより、波長変換部材15の入射面15aにおいて、ビームスポットB1の位置が変化する。図7(a)、(b)は、ミラー17の回動範囲における一方の境界位置から他方の境界位置までミラー17(反射面321)が回動したときの、ビームスポットB1の位置変化を示している。ミラー17(反射面321)は、回動範囲において繰り返し回動される。
比較例1では、基板310の屈折率がn1から変化されない。このため、比較例1では、ミラー17が回動軸L1まわりに回動したとしても、出射位置P2(図6(a)参照)は、ほぼ変わらない。したがって、図7(a)に示すように、波長変換部材15の入射面15aにおけるレーザ光(ビームスポットB1)の走査軌跡SLが、走査軌跡SLの中央から両端に向かってY軸負方向に徐々にシフトするように湾曲する。この場合、走査軌跡SLには、走査軌跡SLの中央と両端との間に、距離ΔDのシフト(歪み)が生じる。
これに対し、実施形態1では、ミラー17の回動に応じて、基板310の屈折率が変化される。具体的には、ミラー17の中立位置からの回動角に応じて、基板310の屈折率が高められる。これにより、図6(b)に示したように、入射位置P1と出射位置P2との距離が、中立位置の場合に比べて小さくなる。よって、図7(b)に示すように、中立位置に対してミラー17が回動したときのビームスポットB1の位置が、比較例1と比べて、レーザ光の走査方向に垂直な方向、すなわち、Y軸正側に移動され、距離ΔDのシフトが抑制される。
図8(a)は、比較例1に係るミラー17および波長変換部材15をX軸負方向に見たときの模式図である。図8(b)は、実施形態1に係るミラー17および波長変換部材15をX軸負方向に見たときの模式図である。
図8(a)において、位置P3は、基板310の屈折率がn1のときに、境界位置にあるミラー17からの反射光が入射する入射面15a上の位置である。図8(b)において、位置P4は、基板310の屈折率がn2のときに、境界位置にあるミラー17からの反射光が入射する入射面15a上の位置である。便宜上、図8(b)には、図8(a)に示した比較例1の場合の位置P3が示されている。
図8(a)、(b)に示すように、比較例1と実施形態1では、反射面321で反射されたレーザ光が入射面311を通る出射位置P2が異なる。図6(a)、(b)を参照して説明したように、基板310の屈折率が高められると、出射位置P2が入射位置P1に近づけられる。したがって、実施形態1のように、ミラー17が境界位置にあるときに、基板310の屈折率が高められると、反射面321によって反射された反射光が、X軸負方向に見て位置P3よりも距離d3だけY軸正側に変位した位置、すなわち位置P4に入射する。
実施形態1のように、ミラー17の回動角に応じて波長変換部材15に入射する反射光の位置がY軸正側に変位させられると、図7(a)に示した距離ΔDを抑制して、走査軌跡SLを図7(b)に示すように直線状に補正できる。
図9は、ミラー17の回動角に応じて、基板310に印加する電圧と、コイル104に印加する電流とを示す図である。
上段左端、中央、および右端の模式図に示すようにミラー17の回動角が0のとき、中段のグラフに示すように、コントローラ301は、基板310に印加される電圧が0となるよう電圧設定回路304を制御する。これにより、基板310の屈折率が最小のn1となる。また、このとき、下段のグラフに示すように、コントローラ301は、コイル104に印加される電流が0となるようコイル駆動回路303を制御する。これにより、コイル104から支持部102bに加えられる力は0となる。
上段左から2番目および左から4番目の模式図に示すようにミラー17の回動角が最大となるとき、中段のグラフに示すように、コントローラ301は、基板310に印加される電圧が最大となるよう電圧設定回路304を制御する。これにより、基板310の屈折率が最大のn2となる。このとき、基板310に印加される電圧は、レーザ光の走査軌跡SLが直線状に補正される値に設定される。また、このとき、下段のグラフに示すように、コントローラ301は、コイル104に印加される電流が、最大または最小となるように、コイル駆動回路303を制御する。これにより、コイル104から支持部102bに加えられる力が最大となり、ミラー17が回動する。
<実施形態1の効果>
実施形態1によれば、以下の効果が奏される。
基板310は、反射面321に対してレーザ光の入射側に配置されており、印加電圧に応じて反射面321に向かうレーザ光の進行方向を少なくとも回動軸L1に平行な方向(y軸方向)に変化させる。そして、電圧設定回路304は、反射面321の回動に応じて、図9に示したように基板310に対する印加電圧を変化させ、基板310の屈折率を変化させる。電圧設定回路304は、反射面321が中立位置から回動するに伴い、基板310の屈折率が大きくなるように基板310に対する印加電圧を変化させ、中立位置に対する反射面321の回動角が最大となるときに、基板310の屈折率が最大となるように基板310に対する印加電圧を設定する。
このように基板310の屈折率が変化すると、反射面321の回動角に応じて入射位置P1と出射位置P2との距離が変化させられ、出射位置P2が入射位置P1に近づけられる。このとき、反射面321の回動角が最大となるときに、入射位置P1と出射位置P2との距離が最も小さくなるように屈折率が設定される。出射位置P2が入射位置P1に近づくことにより、波長変換部材15の入射面15a上におけるレーザ光の入射位置が、レーザ光の走査方向に垂直な方向に変位する。これにより、図7(b)に示したように、波長変換部材15の入射面15a上においてレーザ光の走査軌跡SLが湾曲することを抑制でき、走査軌跡SLを直線状に補正できる。
また、このように走査軌跡SLが直線状に補正されると、波長変換部材15によって生じた光を投射光学系3によって目標領域に投射した場合に、目標領域における配光軌跡が湾曲することを抑制できる。よって、目標領域に直線状の配光軌跡で光を投射できる。
また、基板310の入射面311と反対側の面に反射膜320が形成されることにより、反射面321が形成されている。これにより、基板310が反射面321の基板に共用されるため、部品点数を削減でき、且つ、光偏向器14の構成を簡素化できる。
<実施形態2>
上記実施形態1では、光偏向器14が、支持部102bを1軸で回動させる構成であった。これに対し、実施形態2では、ミラー17が互いに直交する2つの回動軸について回動可能なように、光偏向器14が構成されている。
実施形態2では、ミラー17が2軸駆動可能であるため、波長変換部材15の入射面15aにおけるレーザ光の走査軌跡が実施形態1と異なっている。実施形態2では、後述のように、波長変換部材15の入射面15aに複数の走査軌跡が設定されている。投光装置1および光源装置2のその他の構成は、上記実施形態1と同様である。
図10は、実施形態2に係る光偏向器14の構成を示す斜視図である。また、図11(a)、(b)は、それぞれ、実施形態2に係る光偏向器14の構成を示す断面図である。図10および図11(a)、(b)には、図3(a)、(b)と同様のx、y、z軸が示されている。図11(a)には、x−z平面に平行な平面で図10の光偏向器14をy軸方向の中央位置において切断したB−B’断面図が示され、図11(b)には、y−z平面に平行な平面で図10の光偏向器14をx軸方向の中央位置において切断したC−C’断面図が示されている。
図10および図11(a)、(b)を参照して、ハウジング111は、x軸方向に長い直方体形状を有する。ハウジング111の上面には、平面視において長方形の凹部111aが形成されている。ハウジング111は、剛性が高い金属材料からなっている。
ハウジング111の上面に、枠状の板バネ112が設置される。板バネ112は、外枠部112aと、内枠部112bと、2つの梁部112cと、支持部112dと、2つの梁部112eとを有する。y軸方向の中間位置において、外枠部112aからx軸方向に平行に延びるように、2つの梁部112cが形成され、これら梁部112cによって、外枠部112aと内枠部112bとが連結されている。また、x軸方向の中間位置において、内枠部112bからy軸方向に平行に延びるように、2つの梁部112eが形成され、これら梁部112eによって、内枠部112bと支持部112dとが連結されている。
内枠部112bは、平面視において長方形の角が丸められた輪郭を有し、内枠部112bのy軸方向の中間位置において、2つの梁部112cが内枠部112bに繋がっている。また、支持部112dは、平面視において長方形の輪郭を有し、支持部112dのx軸方向の中間位置において、2つの梁部112eが支持部112dに繋がっている。板バネ112は、x軸方向およびy軸方向に対称な形状である。板バネ112は、可撓性の金属材料により一体形成されている。
外枠部112aをハウジング111の上面に載せた状態で、4つのネジ113により、板バネ112がハウジング111の上面に固定される。支持部112dの上面にミラー17が接着剤等によって固定される。実施形態2のミラー17は、実施形態1と同様に構成される。
2つの梁部112eを繋いだ軸が、上記実施形態1と同様、レーザ光を波長変換部材15の長手方向に走査させるための、ミラー17の回動軸L1となる。また、2つの梁部112cを繋いだ軸が、波長変換部材15におけるレーザ光の走査ラインを変更するための、ミラー17の回動軸L2となる。
なお、上記実施形態1と同様、レーザ光源12からのレーザ光は、ミラー17に対して斜め方向から入射する。このとき、回動軸L1、L2が交わる位置にレーザ光の中心軸が交差するように、レーザ光源12からのレーザ光がミラー17の上面(入射面)に入射する。
支持部112dの下面にコイル114が装着される。コイル114は、平面視において長方形の角が丸められた形状に周回している。コイル114は、長辺の中間位置が回動軸L1に一致するように、支持部112dの下面に設置される。コイル114、支持部112dおよびミラー17が、光偏向器14の第1の可動部を構成する。
コイル114をx軸方向に挟むように、磁石115および磁石116の組が2つ配置される。磁石115と磁石116は、ヨーク117に設置され、ヨーク117が、ハウジング111の凹部111aの底面に設置されている。各組の磁石115および磁石116の磁極の調整方法は、図3(a)、(b)に示した磁石105および磁石106と同様である。
さらに、内枠部112bの下面にコイル118が装着される。コイル118は、平面視において内枠部112bと同様の形状である。コイル118は、短辺の中間位置が回動軸L2に一致するように、内枠部112bの下面に設置される。コイル118および内枠部112bが、光偏向器14の第2の可動部を構成する。
コイル118に対して、y軸正側とy軸負側に、それぞれ、磁石119が配置される。これら磁石119は、ヨーク117に設置されている。また、これら2つの磁石119は、コイル118に対向する磁極が互いに異なるように、ヨーク117に設置されている。磁石119は、磁極面における磁束密度が略均一の永久磁石である。
このように2つの磁石119の磁極を調整することにより、コイル118に駆動信号(電流)が印加されると、回動軸L2について内枠部112bが回動し、駆動信号の大きさに応じた角度だけ、内枠部112bが傾く。すなわち、内枠部112bは、梁部112cに生じる弾性復帰力とコイル118に励起された電磁力とが釣り合う角度だけ図10に示した中立位置から傾く。このとき、内枠部112bの回動に伴って、支持部112dとともにミラー17が回動する。
支持部112dは、図3(a)、(b)の構成と同様、コイル114に駆動信号(電流)を印加することにより、回動軸L1を軸として回動する。支持部112dの回動に伴い、ミラー17が回動軸L1を軸として回動する。このように、実施形態2の光偏向器14によれば、コイル114、118にそれぞれ独立して駆動信号(電流)を印加することにより、ミラー17を、回動軸L1、L2について個別に回動させることができる。
実施形態2では、波長変換部材15の入射面15aに、たとえば、所定のピッチで3つの走査軌跡が設定される。すなわち、回動軸L2周りの内枠部112bの回動角を3段階に変化させるように、コイル118に駆動信号(電流)が印加される。そして、内枠部112bが所定の各回動角に固定された状態で、支持部112dが回動軸L1周りに回動するように、コイル114に駆動信号(電流)が印加される。
実施形態2においても、上記実施形態1と同様、回動軸L1まわりの回動に応じて、基板310の屈折率が変化させられるため、上記3つの走査軌跡における湾曲が抑制され、各走査軌跡が直線状に補正される。
図12(a)は、比較例2に係るミラー17および波長変換部材15をZ軸負方向に見たときの模式図である。図12(b)は、実施形態2に係るミラー17および波長変換部材15をZ軸負方向に見たときの模式図である。図12(a)、(b)には、波長変換部材15の入射面15a上におけるレーザ光(ビームスポットB2)の走査軌跡SLが模式的に示されている。
比較例2では、比較例1と同様、基板310の屈折率がn1から変化されない。このため、比較例2では、ミラー17が回動軸L1まわりに回動したとしても、出射位置P2(図6(a)参照)は、ほぼ変わらない。これに対し、実施形態2では、実施形態1と同様、回動軸L1に対するミラー17の中立位置からの回動角に応じて、基板310の屈折率が高められ、入射位置P1と出射位置P2との距離が、中立位置の場合に比べて小さくなる。
比較例2の構成によれば、比較例1と同様、ミラー17を回動軸L1まわりに回動したとしても、出射位置P2がほぼ変化しないため、図12(a)に示すように、3つの走査軌跡SLは、いずれも中央から端に向かうにつれてY軸負方向にシフトするように湾曲する。これに対し、実施形態2の構成によれば、実施形態1と同様、ミラー17の回動に応じて、出射位置P2が入射位置P1に近づけられる。このため、実施形態2の構成によれば、図12(b)に示すように、3つの走査軌跡SLは、いずれも湾曲が抑制されて直線に近づくようになる。
このように、実施形態2の構成によれば、実施形態1と同様、基板310の屈折率が変化されることにより、波長変換部材15の入射面15a上においてレーザ光の走査軌跡SLが湾曲することを抑制でき、複数の走査軌跡をそれぞれ直線に近づけることができる。
<変更例>
以上、本発明の実施形態および変更例について説明したが、本発明は上記実施形態および変更例に何らの制限を受けるものではない。
たとえば、上記実施の形態では、光源装置2が、反射型の波長変換部材15を用いる構成であったが、光源装置2は、透過型の波長変換部材15を用いる構成であってもよい。
また、ミラー17の反射面321で反射されたレーザ光が、ミラー17と波長変換部材15との間にさらに配置されたミラーを経由した後、波長変換部材15に対して斜め方向から入射してもよい。
また、ミラー17の形状は、必ずしも、平面視において正方形でなくともよく、平面視において長方形または円形であってもよい。支持部102b、112dの形状も、適宜変更可能である。
また、ミラー17の反射面321、すなわち基板310の入射面311と反対側の面は、必ずしも、平面でなくてもよく、レーザ光に収束作用を付与し得る凹面形状であってもよい。あるいは、基板310の入射面311と反対側の面に、波長変換部材15の入射面15a上のビームスポットB1、B2の形状を所定の形状に成形するためのレンズパターンが形成されてもよい。
また、基板310が反射面321の基板に共用されたが、これに限らず、図13(a)に示すように、反射面321に対して基板341が別途設けられてもよい。この場合、基板341は、屈折率を変更することができない一般的な透明部材により構成される。反射膜320は、基板341のz軸正側に形成される。そして、基板341と反射膜320によりミラー340が構成される。このようなミラー340が、上記実施形態と同様の基板310と支持部102bとの間に設置される。この場合も、基板310の屈折率を変化させることにより、入射面311における入射位置P1と出射位置P2との距離を変化させることができるため、走査軌跡SLを直線状に補正できる。
なお、図13(a)に示す変更例において、基板310とミラー340との間に、さらに透明部材が配置されてもよい。
また、上記実施形態1、2では、反射膜320が形成された基板310が支持部102bに設置されたが、これに限らず、図13(b)に示すように、反射膜350が形成された支持部102bに基板310が設置されてもよい。この場合、反射膜350が形成された支持部102bのz軸負側の面に、直接的に基板310が設置され、基板310のz軸正側の面に、反射膜は形成されない。そして、反射膜350のz軸負側の反射面351によりレーザ光が反射される。
また、基板310の入射面311に、屈折率を変更することができない一般的な透明部材がさらに設置されてもよい。
また、印加電圧に応じて反射面321に向かうレーザ光の進行方向を少なくとも回動軸L1に平行な方向に変化させるための調整部材として、上記実施形態1、2では基板310が用いられた。しかしながら、これに限らず、調整部材は、上記のようにレーザ光の進行方向を変化させることができれば、他の構成であってもよい。
また、波長変換部材15の蛍光体層203に含まれる蛍光体粒子203aの種類は、必ずしも1種類でなくてもよく、たとえば、レーザ光源12からのレーザ光によって互いに異なる波長の蛍光を生じる複数種類の蛍光体粒子203aが蛍光体層203に含まれてもよい。この場合、各種類の蛍光体粒子203aから生じた蛍光の拡散光と、これら蛍光体粒子203aによって波長変換されなかったレーザ光の拡散光とによって、所定の色の光が生成される。
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
1 … 投光装置
2 … 光源装置
3 … 投射光学系
12 … レーザ光源
14 … 光偏向器
15 … 波長変換部材
15a … 入射面
102b、112d … 支持部(回動機構)
104 … コイル(回動機構)
105、106 … 磁石(回動機構)
304 … 電圧設定回路(電圧設定部)
310 … 基板(調整部材)
311 … 入射面
320、350 … 反射膜
321、351 … 反射面
L1 … 回動軸
P1 … 入射位置(第1位置)
P2 … 出射位置(第2位置)
SL … 走査軌跡

Claims (7)

  1. レーザ光を出射するレーザ光源と、
    前記レーザ光の波長を他の波長に変換するとともに波長変換された前記レーザ光を拡散させる波長変換部材と、
    前記レーザ光が入射する反射面、前記反射面を回動軸について回動させる回動機構、および前記反射面に対して前記レーザ光の入射側に配置され印加電圧に応じて前記反射面に向かう前記レーザ光の進行方向を少なくとも前記回動軸に平行な方向に変化させる調整部材を備え、前記反射面を前記回動軸について回動させることにより、前記レーザ光を前記波長変換部材の入射面上において走査させる光偏向器と、
    前記調整部材に対する前記印加電圧を設定する電圧設定部と、を備え、
    前記反射面により反射された前記レーザ光が、前記波長変換部材の入射面に斜め方向から入射し、
    前記電圧設定部は、前記反射面の回動に応じて前記印加電圧を変化させて、前記波長変換部材の前記入射面における前記レーザ光の走査軌跡を直線状に補正する、
    ことを特徴とする光源装置。
  2. 請求項1に記載の光源装置において、
    前記調整部材は、前記印加電圧に応じて屈折率が変化する部材である、
    ことを特徴とする光源装置。
  3. 請求項2に記載の光源装置において、
    前記電圧設定部は、前記反射面が中立位置から回動するに伴い前記調整部材の屈折率が大きくなるように前記印加電圧を変化させ、前記中立位置に対する前記反射面の回動角が最大となるときに前記調整部材の屈折率を最大となるように前記印加電圧を設定する、
    ことを特徴とする光源装置。
  4. 請求項2または3に記載の光源装置において、
    前記電圧設定部は、前記反射面の回動に応じて前記印加電圧を変化させて前記調整部材の屈折率を変化させることにより、前記レーザ光が前記調整部材の入射面に入射する第1位置と、前記反射面により反射された前記レーザ光が前記調整部材の前記入射面から出射される第2位置との距離を変化させて、前記レーザ光の前記走査軌跡を直線状に補正する、
    ことを特徴とする光源装置。
  5. 請求項4に記載の光源装置において、
    前記電圧設定部は、前記反射面の回動角が最大となるときに、前記第1位置と前記第2位置との前記距離を最も小さくさせて、前記レーザ光の前記走査軌跡を直線状に補正する、
    ことを特徴とする光源装置。
  6. 請求項1ないし5の何れか一項に記載の光源装置において、
    前記調整部材の入射面と反対側の面に反射膜を形成することにより、前記反射面が形成されている、
    ことを特徴とする光源装置。
  7. 請求項1ないし6の何れか一項に記載の光源装置と、
    前記波長変換部材により拡散された光を投射する投射光学系と、を備える、
    ことを特徴とする投光装置。
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