JP6684602B2 - 光走査装置 - Google Patents

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Description

本発明は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の光偏向器を備える光走査装置に関する。
MEMSの光偏向器と、蛍光体パネルとを備える車両前照灯が知られている(例:特許文献1)。該車両前照灯では、光偏向器からの出射光は、蛍光体を収納する蛍光体パネルの入射光面を走査し、入射光面とは反対側にある出射光面から出射する。光は、蛍光体パネルを通過する際、蛍光体パネル内の蛍光体により所望の周波数(色)に変更される。
特許第5577138号公報
蛍光体の蛍光寿命について、概略的に説明する。蛍光体は、レーザ光等の光を照射されると、蛍光分子の電子が励起されて、電子の振動レベルが直ちに基底状態から励起状態に遷移する。その後、電子の過剰なエネルギーが散逸し、電子の振動レベルは第1励起状態の最低次の振動レベルまで落ちる。そして、電子が、該最低次の振動レベルから基底状態のレベルまで戻る過程で、蛍光体から蛍光が発せられる。
蛍光寿命とは、蛍光体が励起光により励起開始された時刻から、該蛍光体が発する蛍光強度がピークを越え、さらに、1/e(ただし、1はピーク時の蛍光強度、eは自然対数の底。)になるまでの時間と定義される。蛍光寿命は、また、十分に多数のN個の蛍光分子から成る蛍光体が励起光により励起開始された時刻から、該N個の蛍光分子のうち、まだ励起状態に残っている蛍光分子の個数がN/eなるまでの時間であるとも、把握することができる。
蛍光体は、励起状態にある期間では、励起光を照射されても、励起されない。すなわち、蛍光体を励起するには、蛍光体が基底状態に戻るのを待たなければならない。したがって、励起状態にある蛍光体に励起光を照射することは、励起光のエネルギーが無駄に消費されていることになる。
従来の光走査装置では、蛍光体パネルの入射光面に光偏向器から入射する励起光が蛍光寿命との関係で管理、制御されておらず、蛍光体パネル内の蛍光体の照射時間が蛍光寿命の数倍以上に達している。この結果、光源の光エネルギーの相当量が無駄に消費されている。
本発明の目的は、蛍光体を効率良く発光させる光走査装置を提供することである。
本発明の光走査装置は、
光出射部を有し、該光出射部から光を出射する光源装置と、
蛍光体を収納する光透過部を入射光面及び出射光面の間に有する蛍光体パネルと、
前記蛍光体パネルの前記出射光面から出射されてくる光を調整して照射領域に投影する投影部と、
相互に直交する第1及び第2回転軸線の回りに往復回動自在となっているミラー部、及び前記ミラー部を前記第1及び第2回転軸線の回りに往復回動させるアクチュエータを有し、前記光源装置の前記光出射部から入射する入射光を前記ミラー部により反射させて、反射光を前記蛍光体パネルの前記入射光面において前記第1及び第2回転軸線の回りの前記ミラー部の往復回動方向に対応付けられる第1及び第2走査方向で走査させる光偏向器と、
前記第1回転軸線の回りの前記ミラー部の往復回動が前記ミラー部の固有振動の共振周波数で行われ、前記第2回転軸線の回りの前記ミラー部の往復回動が前記共振周波数とは異なる非共振周波数で行われるように、前記アクチュエータの駆動電圧を生成する駆動電圧生成部とを備える光走査装置であって、
前記光偏向器からの反射光により前記蛍光体パネルの前記入射光面上に生成されて前記光透過部の蛍光体を励起する励起光スポットについて相互に直角の2つの径方向のうち、長い方を長径方向、短い方を短径方向とそれぞれ定義し、前記光源装置の前記光出射部は、前記励起光スポットの短径方向が前記入射光面における前記励起光スポットの前記第1走査方向に沿う方向となるように、前記光出射部からの出射光の光軸回りの回転位置が設定され
前記共振周波数は、前記励起光スポットが、前記第1走査方向に走査するのに伴って、平均粒径の蛍光体の全体を連続照射する時間を全体連続照射時間とするとき、前記全体連続照射時間が蛍光寿命未満になる周波数に、設定されることを特徴とする。
本発明の光走査装置によれば、励起光スポットの短径方向が入射光面における励起光スポットの第1走査方向に沿う方向となるように、光軸回りの光源装置の光出射部の回転位置が設定される。これにより、蛍光体パネルの入射光面において、励起光スポットは、長径方向に多数の蛍光体を照射しつつ、各蛍光体を通過する時間が短縮されるので、蛍光体を効率良く発光させることができる。
本発明の光走査装置において、
前記光源装置と前記光偏向器とを別々に有し、前記蛍光体パネルと前記投影部とを共通とする第1及び第2照射系を含み、
前記第1及び前記第2照射系が励起光スポットの走査領域として前記入射光面にそれぞれ生成する第1及び第2走査領域に対し、
前記第1走査領域は、前記第2走査領域の内側になるように、設定され、
前記第1照射系の励起光スポットの径を前記第2照射系の励起光スポットよりも小さくする径縮小レンズ素子を備えることが好ましい。
この構成によれば、光走査装置は第1及び第2照射系を含み、共通の入射光面において小さい方の第1走査領域における第1照射系の励起光スポットは、大きい方の第2走査領域における第2照射系の励起光スポットより径を小さくされる。これにより、第1照射系の励起光スポットの全体連続照射時間が減少するので、第1照射系の励起光スポットの走査速度を第2照射系の励起光スポットの走査速度よりも大きく増大させることなく、蛍光体を効率良く発光させることができる。
好ましくは、本発明の光走査装置において、
前記第1及び前記第2走査領域は、前記励起光スポットが高速で走査する方の辺が低速で走査する方の辺より長い矩形に設定され、
前記第1及び前記第2走査領域の長辺は相互に等しく、
前記第1及び前記第2走査領域の短辺は前記第1走査領域の方が短くなるように、前記第1及び前記第2照射系の前記光偏向器の前記アクチュエータを介して前記光偏向器のミラー部を制御するミラー制御部を備える。
好ましくは、本発明の光走査装置は、
前記光源装置と前記光偏向器との間に配設され、前記励起光スポットの径を縮小する径縮小レンズ素子を備える。
好ましくは、本発明の光走査装置において、
前記入射光面は、該入射光面を含む平面において前記第1軸方向の前記励起光スポットの走査範囲の全体から、前記全体連続照射時間が蛍光寿命を超える両端範囲を切り落とした走査範囲である。
前照灯ユニットを対称面で2分割したときの一方の半部の斜視図 前照灯ユニットを対称面で切ったときの断面図。 光偏向器を斜め前方から見た斜視図 蛍光寿命の関連説明図であり、図4Aは蛍光体の電子の振動レベルの変化と振動エネルギーの吸収及び放出との関係についての説明図、図4B及び図4Cはそれぞれ蛍光体が励起されてからの蛍光強度の変化を、ピーク値を1とする相対値及びその自然対数値で示す図。 入射光面における光スポットの走査に関連する説明図であり、図5Aは蛍光体パネルの入射光面を内部アセンブリ側から見た図、図5Bは光偏向器の内側アクチュエータに供給する電圧としての第1駆動電圧の波形図、図5Cは光偏向器の外側アクチュエータに供給する電圧としての第2駆動電圧の波形図。 光スポットと蛍光体との関係についての説明図であり、図6Aは全体連続照射時間の説明図、図6Bは全体連続照射時間が長大であるときの蛍光強度の変化を示すグラフ、図6Cは第1回転軸線の回りのミラー部の2つの往復回動周波数について入射光面上に水平軸座標上の連続照射時間を示すグラフ。 レーザ光出射装置の出射光部と光スポットとの関係についての説明図であり、図7Aは細長の光スポットが生成される説明図、図7B及び図7Cは光軸回りのレーザ光出射装置の出射光部の各回転角度に対して入射光面上に生成される光スポットを示す図である。 光スポットについて全体連続照射時間の説明図であり、図8A及び図8Bはそれぞれ光スポットの長径方向及び短径方向が走査方向に揃えられたとき全体連続照射時間の説明図、図8Cは光スポットの短径方向を走査方向に揃えて光スポットSpを走査している時の説明図。 全体連続照射時間を減少させる別の実施形態に使用する入射光面を内部アセンブリ側から見た図。 縦長走査と幅狭の入射光面とを採用したときの効果について説明図であり、図10Aは、縦長走査と幅狭の入射光面とを採用して、全体連続照射時間の減少効果を示すグラフ、図10Bは入射光面上の光スポットの走査において全体連続照射時間<蛍光寿命が達成されることを示す図。 2つの前照灯ユニットが蛍光体パネルの入射光面に生成する光スポット走査領域を示す図。 図11の光スポット走査領域に対しレーザ光出射装置から出射するレーザ光の強度制御を付加して光スポット走査領域の水平軸方向の実質的な位置及び実質的な幅を変更した図であり、図12AはSPOTが標準位置にあるときを示す図、図12BはSPOTが一方の側に変位した位置にあるときを示す図。 別の前照灯ユニットの構成図。 1つの車両前照灯内の2つの前照灯ユニットが蛍光体パネルの入射光面に生成する光スポット走査領域を示す図。
図1は、前照灯ユニット1を対称面で2分割したときの一方の半部の斜視図であり、図2は、前照灯ユニット1を対称面で切ったときの断面図である。
この前照灯ユニット1は、車両の左右の車両前照灯(ヘッドライト)に2つずつ装備される。したがって、車両は、全体としては前照灯ユニット1を4つ装備する。各前照灯ユニット1は、後述するように2つの照射系13a,13bを装備する。したがって、車両全体としては、照射系は計8つ装備される。各照射系は照射領域を個々に設定することができる。計8つの照射系による照射領域間の関係については、所定の複数の照射領域が部分的に重なる場合、一の照射領域が他の照射領域の内側に含まれる場合、又は別の所定の複数の照射領域が一致する場合があり得るとする。
図1及び図2において、前照灯ユニット1は、図示しない車体の前部の設けられた車両前照灯の配設凹所に形成されたユニット取付孔の前端部に装着される前部アセンブリ2と、該ユニット取付孔の奥に装着される後部アセンブリ3とを含む。前部アセンブリ2と後部アセンブリ3とは、中心線をユニット取付孔の中心線に揃えて、配置される。
前部アセンブリ2は、レンズホルダ7、環状キャップ8及びレーザホルダ9を備える。環状キャップ8は、その内周部をレンズホルダ7の前端部の外周部に螺合させて、レンズホルダ7に組み付けられる。レーザホルダ9は、レンズホルダ7の後端部の外周部位に前端部の内周部位を螺合して、レンズホルダ7に組み付けられる。
前照灯ユニット1は、独立に照射領域を設定できる照射系13a,13bをそれぞれ上側及び下側の位置関係で有している。照射系13aは、レーザホルダ9の後端内周の上部に固定されたレーザ光出射装置14aと、レーザ光出射装置14aの出射部に装着された集光レンズ16aと、後部アセンブリ3の前面中央部の上側傾斜面に固定された光偏向器15aとを含む。照射系13bは、レーザホルダ9の後端内周の下部に固定されたレーザ光出射装置14bと、レーザ光出射装置14bの出射部に装着された集光レンズ16bと、後部アセンブリ3の前面中央部の下側傾斜面に固定された光偏向器15bとを含む。
投影レンズ19a〜19dは、レンズホルダ7の内周側に、中心線を揃えて前後方向一列に前から順番に配置される。投影レンズ19aは、その周縁を環状キャップ8によりレンズホルダ7の前端に固定されている。その他の投影レンズ19b〜19dは、レンズホルダ7の内周側の段部や嵌着リング等によりレンズホルダ7の中心線方向に位置決めされて、レンズホルダ7の内周側に固定されている。
蛍光体パネル20は、矩形の平板型に形成され、中心線を前部アセンブリ2の中心線に揃えて、周縁をレーザホルダ9の中心部の矩形開口部に装着されている。蛍光体パネル20は、厚み方向の両側の1対の透明板と、該1対の透明板の間に形成されて粒状の蛍光体を収納する光透過部とを備える。蛍光体パネル20の入射光面41(図5A)は、後部アセンブリ3に対峙する方の後ろ側の透明板に形成される。蛍光体パネル20の出射光面は、投影レンズ19dの後面に対峙する方の前側の透明板に形成される。
照射系13aにおいて、レーザ光出射装置14aから出射した光(例:青色の光)は、光路22aで光偏向器15aに入射する。光偏向器15aは、入射光を反射し、反射光は、光路23aで蛍光体パネル20の入射光面41(図5)に入射する。照射系13bにおいて、レーザ光出射装置14bから出射した光(レーザ光出射装置14aからの出射光と同一色)は、光路22bで光偏向器15bに入射する。光偏向器15bは、入射光を反射し、反射光は、光路23bで蛍光体パネル20の入射光面41に入射する。
投影レンズ19a〜19d及び蛍光体パネル20は、照射系13a,13bに共通の素子を構成する。蛍光体パネル20の前面としての出射光面から出射した光は、投影レンズ19a〜19dの配列を後ろ側から前側へ順番に通過し、投影レンズ19aの前面から車両の前方の所定の照射領域に向けて出射される。
以降、照射系13a,13bについて特に区別しないときは、「照射系13」と総称する。同様に、レーザ光出射装置14a,14bについて特に区別しないときは、「レーザ光出射装置14」と総称する。光偏向器15a,15bについて特に区別しないときは、「光偏向器15」と総称する。集光レンズ16a,16bについて特に区別しないときは、「集光レンズ16」と総称する。光路22a,22bについて特に区別しないときは、「光路22」と総称する。光路23a,23bについて特に区別しないときは、「光路23」と総称する。
レーザ光出射装置14は、例えば、レーザダイオード(Laser Diode)を光源とするものである。光路22の中心線は、レーザ光出射装置14から出射光の光軸となる。光路23の中心線は、光偏向器15からの出射光又は蛍光体パネル20への入射光の光軸となる。なお、出射光及び入射光は、同一の光が、出射する側の素子を基準にすれば、出射光となり、入射する側の素子を基準にすれば、入射光になる。例えば、光路22上の光は、レーザ光出射装置14を基準にすれば、出射光であり、光偏向器15を基準にすれば、入射光である。
図3は光偏向器15を斜め前方から見た斜視図である。MEMSデバイスとしての光偏向器15は、中心に回動自在に配置されるミラー部32、ミラー部32を外側から包囲する内側矩形枠33、及び内側矩形枠33を外側から包囲する外側矩形枠34を備えている。光偏向器15は、レーザ光出射装置14から光路22で入射してきた光をミラー部32のミラー面32aで反射し、ミラー面32aからの反射光を光路23で蛍光体パネル20へ向かって出射する。
ここで、光偏向器15の構成を説明する便宜のために、光偏向器15について、相互に直交する横方向X、縦方向Y及び厚み方向Zを定義する。横方向X及び縦方向Yは、それぞれ外側矩形枠34の長辺及び短辺に対して平行な方向とする。厚み方向Zは、外側矩形枠34の厚み方向とする。光偏向器15は、MEMS技術で製造されるので、積層構造を有する。光偏向器15の厚み方向Zは、光偏向器15の積層構造の積層方向に一致する。
光偏向器15の正面側とは、厚み方向Zにおいて、光偏向器15にレーザ光出射装置14からの入射光が入射する側(=蛍光体パネル20への反射光が出射する側)をいい、光偏向器15の背面側とは、厚み方向Zにおいて正面側とは反対側をいうものとする。横方向X及び縦方向Yの正の向きは、光偏向器15の正面視でそれぞれ右側及び上側とする。厚み方向Zの正の向きは、光偏向器15の背面側から正面側の向きとする。
1対のトーションバー(弾性梁)35a,35bは、縦方向Yにミラー部32の一側(光偏向器15の正面視で上側)及び他側(光偏向器15の正面視で下側)に配設され、ミラー部32と内側矩形枠33とを結合している。
内側アクチュエータ36a,36bは、縦方向Yにはミラー部32に対して共に一側に、また、横方向Xにはトーションバー35aに対してそれぞれ一側(光偏向器15の正面視で左側)及び他側(光偏向器15の正面視で右側)に配設されている。内側アクチュエータ36c,36dは、縦方向Yにはミラー部32に対して共に他側に、また、横方向Xにはトーションバー35bに対してそれぞれ一側及び他側に配設されている。
以下、トーションバー35a,35bについて特に区別しないときは、「トーションバー35」と総称する。内側アクチュエータ36a〜36dについて特に区別しないときは、「内側アクチュエータ36」と総称する。内側アクチュエータ36は、横方向Xに延在して、トーションバー35と内側矩形枠33とを結合している。内側アクチュエータ36は、ユニモルフカンチレバーとして構成されている圧電アクチュエータである。
外側アクチュエータ37a,37bは、横方向Xに内側矩形枠33に対して一側及び他側にそれぞれ配設されるとともに、内側矩形枠33と外側矩形枠34との間に介在して、内側矩形枠33と外側矩形枠34とを結合している。外側アクチュエータ37a,37bについて特に区別しないときは、「外側アクチュエータ37」と総称する。外側アクチュエータ37は、複数のユニモルフ圧電カンチレバーをミアンダライン(蛇腹状ライン)に沿って直列に結合したものとなっている。
複数の電極パッド38a,38bは、外側矩形枠34の横方向Xの一側及び他側の短辺部の表面にそれぞれ形成され、光偏向器15の表面に沿って形成された配線(図示せず)や光偏向器15内に埋め込まれている配線層(図示せず。典型的にはグランド配線)を介して内側アクチュエータ36等における電気構造部の電極に接続されている。電極パッド38a,38bは、また、光偏向器15の外において、内側アクチュエータ36及び外側アクチュエータ37の駆動電圧(アクチュエータが備える圧電膜への印加電圧)を生成する駆動電圧生成部(図示せず)に接続されている。以下、電極パッド38a,38bについて特に区別しないときは、「電極パッド38」と総称する。
レーザ光出射装置14から光偏向器15のミラー部32のミラー面32aへの入射光は、ミラー部32の回動角に関係なく、固定の光路22でミラー部32に入射する。ミラー部32は、内側アクチュエータ36の作動によりトーションバー35の軸線としての第1回転軸線50(図8C)の回りに往復回動自在となっている。ミラー部32は、外側アクチュエータ37の作動により、第1回転軸線50に直交しかつミラー部32のミラー面32aに対して平行な第2回転軸線51(図8C)の回りに往復回動自在になっている。ミラー部32が真正面を向いている時は、第1及び第2回転軸線50,51は、それぞれ縦方向Y及び横方向Xにほぼ平行となるとともに、ミラー面32aの法線が厚み方向Zに平行になる。
例えば、第1回転軸線50の回りのミラー部32の往復回動の周波数は16kHzであり、第2回転軸線51の回りのミラー部32の往復回動の周波数は60Hzである。高周波数での往復回動としての第1回転軸線50の回りのミラー部32の往復回動は、ミラー部32の固有振動の周波数としての共振周波数で駆動する共振駆動となる。共振駆動における内側アクチュエータ36への供給電圧としての第1駆動電圧(図5B)は、周波数がミラー部32の固有振動の周波数(共振周波数)で、かつ正弦波の波形に設定される。これにより、ミラー部32は、内側アクチュエータ36により駆動されて、第1回転軸線の回りに共振周波数で安定的に往復回動する。
これに対し、低周波数での往復回動としての第2回転軸線51の回りのミラー部32の往復回動は、ミラー部32の固有振動を利用しない非共振駆動になる。非共振駆動における内側アクチュエータ36への供給電圧としての第2駆動電圧(図5C)は、周波数がミラー部32の固有振動の周波数(共振周波数)とは異なる非共振周波数となり、例えば鋸波形になる。なお、内側アクチュエータ36への供給電圧としての第2駆動電圧の波形は、第2駆動電圧が1サイクル内に単調増加の範囲と単調減少の範囲とを1つずつ含むものであれば、任意の波形、例えば正弦波の波形や三角波の波形であってもよい。なお、第1回転軸線の回りのミラー部32の往復回動の共振周波数は、ミラー部32及びトーションバー35の寸法、重量、材質等により決まる。
光偏向器15から蛍光体パネル20の入射光面41(図5A)に入射した光は、入射光面41において水平軸Hの方向及び垂直軸Vの方向に走査する。入射光面41における入射光の水平軸H方向の走査には、光偏向器15における内側アクチュエータ36による第1回転軸線50(図8C)の回りのミラー部32の往復回動が対応付けられ、垂直軸V方向の走査には、光偏向器15における外側アクチュエータ37による第2回転軸線51(図8C)の回りのミラー部32の往復回動が対応付けられるように、光偏向器15の横方向X、縦方向Y及び厚み方向Z(図3)が入射光面41の水平軸H及び垂直軸Vに関連付けられて、光偏向器15は後部アセンブリ3に取付けられる。
蛍光体パネル20の入射光面41に入射した光は、蛍光体パネル20の蛍光体を収納する光透過部を経て、蛍光体パネル20の出射光面から出射する。そして、投影レンズ19a〜19dの配列を後ろ側から前側に進行し、入射光面41の光跡は投影レンズ19aから前照灯ユニット1の前方の所定の照射領域に投影される。
図4は蛍光寿命の関連説明図である。図4Aは、蛍光体の電子の振動レベルの変化と振動エネルギーの吸収及び放出との関係についての説明図である。蛍光体の電子の振動レベルについて、Sは基底状態、Sは第1励起状態、及びSは第2励起状態を示している。蛍光体の電子は、基底状態、第1励起状態及び第2励起状態のそれぞれにおいて3つの次数の振動レベルを有する。図4Aにおいて、「吸収」及び「放出(蛍光)」は、それぞれ蛍光体の電子が振動エネルギーの吸収及び放出していることを示す。蛍光体は、振動エネルギーの放出時に蛍光を発する。
蛍光体は、励起光を照射されると、その電子の振動レベルがSからS又はSに上昇する。このとき、励起光の励起エネルギーが蛍光体の振動エネルギーに変換される。蛍光体が励起光の励起エネルギーを吸収して、電子の振動レベルが基底状態から励起状態に遷移する所要時間は、わずかフェムト秒のオーダである。
その後、第1励起状態Sの最低次の振動レベルの蛍光体分子は、過剰なエネルギーを散逸して第1励起状態Sの最低次の振動レベルまで落ちる。この状態は、励起過程で最も安定であり,最低次の振動レベルでの滞在時間は数十から数ナノ秒である。そして、蛍光体の電子がSの最低次の振動レベルから基底状態の振動レベルに戻る過程で、蛍光体は、エネルギーを放出する。その時の放出エネルギーは、蛍光に変換される。一般に、該蛍光は、レーザ光出射装置14の出射光(例:青色)より波長の低い光(例:白色)である。
図4B及び図4Cは蛍光体が励起されてからの蛍光強度の変化を示している。図4B及び図4Cにおいて、横軸は共に時間tを示している。縦軸は、図4Bでは、蛍光強度を、ピーク値を1とする相対値で示し、図4Cでは、図4Bの相対値を自然対数値に変換したもので示している。「e」は、自然対数の底を意味する。
図4B及び図4Cによれば、t=0で、蛍光体に励起光を照射すると、蛍光強度は、急激にピーク値まで上昇し、その後、緩やかに下降する。蛍光強度が、t=0から、ピーク値に達し、さらに、t=taで1/eになる。蛍光寿命τはt=0からt=taまでの時間であると定義される。
蛍光寿命τは、また、十分に大きな数N個の蛍光体がt=0で励起開始されると、t=0から蛍光寿命τ経過後のt=taでは、蛍光体全体の蛍光体分子の総数Nのうちの約37%(1/e)の個数の蛍光体分子が励起状態であり、残りの約63%(1−1/e)の個数の蛍光体分子は基底状態に戻っていることを意味する。
図5は入射光面41における光スポットSpの走査に関連する説明図である。なお、図5及び図6は、光偏向器15について、光スポットSpの走査を蛍光体寿命とは無関係に実施したときの問題点を指摘するものであり、本発明の実施形態からは除外される。ただし、図5Bの第1駆動電圧及び図5Cの第2駆動電圧は本発明の実施形態にも適用される。
図5Aは蛍光体パネル20の入射光面41を後部アセンブリ3側から見た図である。入射光面41は矩形に設定されている。H及びVは、座標軸としての水平軸及び垂直軸を示している。入射光面41の長辺及び短辺は、それぞれ水平軸H及び垂直軸Vに平行に設定されている。入射光面41の長辺及び短辺は、光スポットSpが高速及び低速で走査する辺に相当する。
原点Oは、入射光面41の中心(矩形の入射光面41の対角線の交点)に設定されている。水平軸H及び垂直軸Vは原点Oにおいて直交している。原点Oは、水平軸H及び垂直軸Vの座標系の原点として基準位置(0,0)となる。入射光面41の長辺及び短辺の長さは、例えばそれぞれ19mm及び2.4mmである。
図5Aにおいて、Krは入射光面41上の光スポットSpのトラック(光跡)を示している。Spは、光偏向器15から入射光面41に入射する入射光が、入射光面41において生成する光スポットを示している。
トラックKrは、水平軸H方向の入射光面41の両端間を行き来しつつ、垂直軸V方向の入射光面41の一端から他端へ進んでいる。光スポットSpは、光偏向器15のミラー部32の第1及び第2回転軸線50,51の回りの往復回動に伴い、入射光面41上をトラックKrに沿って移動する。
光偏向器15からの入射光が入射光面41に照射されると、光の強度が、照射中心が最大で、照射中心から離れるに連れて、漸減し、最終的に0(ゼロ)になる照射領域が入射光面41上に生成される。
光スポットSpは、該照射領域の全部ではなく、該照射領域のうち、蛍光体パネル20の蛍光体を励起可能な光(励起光)として作用する照射領域部分を全部の照射領域から抜き出した部分として定義される。補足すると、光偏向器15からの入射光が入射光面41に照射されると、明るく光る照射領域が生じるが、光スポットSpは、該照射領域のうち蛍光体の励起光として作用する部分を指し、該照射領域のうち光スポットSpの外側の部分は、所定の照度(>0)を有するものの、蛍光体を励起することはできない。
光偏向器15のミラー部32の第1及び第2回転軸線50,51の回りの往復回動を引き起こす駆動電圧について図5B及び図5Cにおいて説明する。図5Bは光偏向器15外のミラー制御部(駆動電圧生成部を兼ねる)が光偏向器15の内側アクチュエータ36に出力する電圧としての第1駆動電圧の波形を示している。第1駆動電圧は正弦波形となっている。内側アクチュエータ36は、第1駆動電圧を受けて、ミラー部32を第1回転軸線50の回りに往復回動させる。第1駆動電圧は例えば16kHzである。第1駆動電圧の周波数は、第1回転軸線50の回りのミラー部32の固有振動の周波数としての共振周波数となるように、設定される。ミラー部32が、第1回転軸線の回りに往復回動するのに伴い、光スポットSpは、入射光面41において水平軸H方向に往復回動し、トラックKrの水平軸H方向の往復経路部分を形成する。
図5Cは光偏向器15の外側アクチュエータ37に供給する電圧としての第2駆動電圧の波形を示している。第2駆動電圧は鋸波形となっている。すなわち、第2駆動電圧は、時間経過と共に漸増し、ピークに達すると、一気に立ち下がり、これを例えば60Hzで繰り返す。
第1駆動電圧及び第2駆動電圧は、図示しないミラー制御部から内側アクチュエータ36及び外側アクチュエータ37に供給されるようになっている。該ミラー制御部は、電源装置を含み、一般的には前照灯ユニット1に内蔵される。しかしながら、ミラー制御部は、前照灯ユニット1の外付けのミラー制御部として設けられ、ミラー制御部の第1駆動電圧及び第2駆動電圧の出力端子と前照灯ユニット1の第1駆動電圧及び第2駆動電圧の入力端子とが配線で接続されるようになっていてもよい。
外側アクチュエータ37は、第2駆動電圧を受けて、ミラー部32を第2回転軸線51の回りに往復回動させる。ミラー部32が、第2回転軸線51の回りに往復回動するのに伴い、光スポットSpは、入射光面41において垂直軸V方向に徐々に下降し、入射光面41の下辺に達すると一気に上辺に上昇する。
図6は光スポットSpと蛍光体43との関係についての説明図である。図6Aは全体連続照射時間Tの説明図である。Hcは光スポットSpの走査方向を示している。走査方向Hcは、図6AのトラックKrに沿う水平軸H方向の±の2方向の光スポットSpの進行のうち、水平軸H方向(図5)の+方向のものを示している。
なお、光スポットSpは、入射光面41において垂直軸Vの方向(第2走査方向)にも走査するが、入射光面41における垂直軸V方向の走査周波数=60Hzに対し、水平軸H方向(第1走査方向)の走査周波数=16kHzと十分に高い。したがって、走査方向Hcは、わずかに垂直軸V方向の成分を有するものの、ほぼ水平軸Hに平行とみなすことができる。
Daは、走査方向Hcの光スポットSpの径を示す。Dbは走査方向Hcの蛍光体43の粒の平均粒径を示す。スポット径Da>粒径Dbとなる。後述の図8で説明するように、光スポットSpは詳細には細長の形状であるが、レーザホルダ9へのレーザ光出射装置14の取付位置を所定のものに設定しないと、Daは最大の400mmになることがある。一方、蛍光体43は、例えば、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)のce(セラミック)である。YAGの蛍光体43は、粒径Db=20μm、蛍光寿命τは60nsである。
スポット径Da>粒径Dbであるので、光スポットSpが入射光面41において走査方向Hcに走査するのに伴い、蛍光体43全体が光スポットSpの内側に含まれて連続照射される時間(以下、「全体連続照射時間」という)Tが存在する。
破線の光スポットSpは、その進行方向の前端が蛍光体43の前端に揃った時としてのt=0の時の入射光面41上での位置で示されている。実線の光スポットSpは、その進行方向の後端が蛍光体43の後端に揃った時としてのt=t1の時の入射光面41上での位置で示されている。したがって、全体連続照射時間T=T1(=t1−0)となる。
図6Bは、全体連続照射時間T=T1であるときの蛍光強度の変化を示している。2τ<T1<3τであることを想定している。前述したように、蛍光体は、励起光としての光スポットSpを照射されると、直ちに(フェムト秒のオーダの時間で)ピーク値の蛍光強度に達する一方、一旦励起状態になると、基底状態に戻るまで、蛍光体43は、励起光を照射され続けても、該励起光からエネルギーを吸収することができない。すなわち励起光を蛍光に変換することはできない。
図6Bの例では、蛍光体43からの蛍光の発光回数は3である。図6Bにおいて、蛍光体43は、3つの「励起」と記載されている時刻のみ、励起光からエネルギーを吸収する。したがって、光スポットSpが蛍光体43を照射している全体連続照射時間T1の光スポットSpの照射エネルギーのほとんどが無駄になっている。この無駄は、輝度消光と呼ばれている。また、蛍光体43は、光スポットSpを連続的に長く照射され続けると、温度が上昇し、蛍光の発光の変換効率が低下する。この変換効率の低下は、温度消光と呼ばれている。したがって、T1≧τであることは、輝度消光及び温度消光の発生の観点から望ましない。
図6Cは、スポット径Daを400μm及び粒径Dbを20μmにし、かつ第1回転軸線の回りのミラー部32の往復回動周波数を16kHz及び33kHzにしたときの入射光面41上の各位置における全体連続照射時間Tを示している。横軸の水平軸方向の座標位置は、−0.5mm〜9.5mmの範囲を示している。水平軸方向の座標位置=0は、図5Aの原点Oの位置に対応する。図6Cは、図5Aの入射光面41のほぼ右半部の全体連続照射時間Tを示している。入射光面41は、垂直軸Vに対して対称であるので、図5Aの入射光面41の左半部の全体連続照射時間Tは、水平軸方向の座標位置=0の直線に対して図6Cの特性線を折り返したものになる。なお、図6CにおいてA1,A2で示されている特性線は、共に、図7Aで定義する横長走査で光スポットSpを入射光面41上に走査したときの特性線である。
光スポットSpの走査速度は、水平軸H方向に原点の入射光面41の中心(図5A参照)、すなわち水平軸H座標=0において最大となり、水平軸H方向の入射光面41の両端において走査方向の向きの反転のために最小の0となる。したがって、全体連続照射時間Tは、水平軸H方向に入射光面41の中心において最小となり、水平軸H方向の入射光面41の両端において最大となる。
図6Cでは、全体連続照射時間T=60ns(YAGの蛍光体寿命)の直線を参考に示している。図6Cから、前照灯ユニット1のこのままの構造では、光偏向器15における第1回転軸線の回りのミラー部32の往復回動周波数を16kHzからそのほぼ2倍の33kHzにしても、入射光面41上の全ての箇所で全体連続照射時間T<60ns(YAGの蛍光体寿命)を達成できないことが分かる。なお、全体連続照射時間T<60nsにするために、第1回転軸線の回りのミラー部32の往復回動周波数を16kHzの3倍以上にすることは、光偏向器15の構造上、無理がある。
図7はレーザ光出射装置14の出射光部45と光スポットSpとの関係についての説明図である。図7及び図8は、本発明の実施形態における光スポットSpの横長走査の意義を説明するものである。
図7Aは細長の光スポットSpが生成される説明図である。レーザ光出射装置14は半導体レーザであるので、半導体レーザの出射光の断面(光軸方向に対して直角方向に切った断面)は円形でなく、細長の楕円形となる。したがって、レーザ光出射装置14の出射光部45は、出射光の細長の断面に合わせて横長に形成されている。
レーザ光出射装置14の出射光部45は、円形とは異なる特有の形状を有している。一方、集光レンズ16がレーザ光出射装置14と光偏向器15との間の光路22上に配設される。このため、入射光面41上の光スポットSpは、円形にならず、図7B及び図7Cに示すように、長径方向に400μm、短径方向に50μmの細長形状になる。
図7Aは、レーザ光出射装置14の出射光部45から集光レンズ16に向かって進行するに連れて出射光が光軸(出射光部45の中心線に一致する)に対して大きく広がっているが、図示の広がりは実際よりも誇張している。光軸の回りに出射光部45を回転、すなわちレーザ光出射装置14を回転することより、光軸回りの光スポットSpの回転位置も変化する。なお、図7Aにおいて、実線及び破線で示される光幅は、それぞれ光スポットSpの相互に直交する径方向のうち、短径方向及び長径方向に対応している。
図7Bは光軸回りのレーザ光出射装置14の出射光部45の回転角度を所定値αとしたときに入射光面41上に生成される光スポットSpを示す。この場合、水平の走査方向Hc、すなわち固有振動(共振振動)を利用する共振駆動による走査方向が細長形状の光スポットSpの長径方向に揃う。これに対し、光軸回りのレーザ光出射装置14の出射光部45の回転角度を図7Bの所定値αに対して90°回転させてα+90°にして、レーザ光出射装置14をレーザホルダ9に取り付けている。この結果、図7Cに示すように、水平の走査方向Hc、すなわち固有振動(共振振動)を利用する共振駆動による走査方向に細長形状の光スポットSpの短径方向を揃えることができる。
図8は光スポットSpについて全体連続照射時間Tの説明図である。図8A及び図8Bは、それぞれ光スポットSpの長径方向及び短径方向が走査方向Hcに揃えられたとき全体連続照射時間Tの説明図である。光スポットSpの長径及び短径については、図7の説明のとき同様に、それぞれ400μm及び50μmを想定する。また、蛍光体43の粒径は20μmを想定する。なお、以下、入射光面41等の蛍光体パネル20の入射光面において光スポットSpの長径方向及び短径方向が走査方向Hcに揃えて走査するときの走査方式をそれぞれ「横長走査」及び「縦長走査」と適宜呼ぶことにする。
図8A及び図8Bにおいて、光スポットSp1,Sp3は、その前端が走査方向Hcに蛍光体43の前端に揃った時の位置で示されている。光スポットSp2,Sp4は、その後端が走査方向Hcに蛍光体43の後端に揃った時の位置で示されている。図8Aにおいて、Co1,Co2はそれぞれ走査方向Hcに光スポットSp1,Sp2の中心を示している。
光スポットSpの横長走査のときの全体連続照射時間Tは、光スポットSpの中心が走査方向HcにCo1−Co2間の距離としての380μm移動する所要時間として計算される。これに対し、光スポットSpの短径方向が走査方向Hcに揃えられたときの全体連続照射時間Tは、光スポットSpの中心が走査方向Hcに光スポットSp3の中心位置−光スポットSp4の中心位置間の距離としての30μm移動する所要時間として計算される。この結果、図7Cで説明したように、出射光部45の回転位置をα+90°に設定して、入射光面41における光スポットSpを縦長走査とするときは、全体連続照射時間Tが減少し、全体連続照射時間T<蛍光寿命τとすることができることが理解できる。
図8Cは図8A及び図8Bの考察に基づいて入射光面41において光スポットSpの短径方向を走査方向Hc、すなわち固有振動(共振振動)を利用する共振駆動による走査方向走査方向に揃えて光スポットSpを走査している時の説明図である。光偏向器15において、ミラー部32は第1回転軸線50及び第2回転軸線51の回りに往復回動する。
光スポットSpは、第1回転軸線50の回りのミラー部32の往復回動に連動して、入射光面41において水平軸H方向に往復走査し、第2回転軸線51の回りのミラー部32の往復回動に連動して、入射光面41において垂直軸V方向に往復走査する。光スポットSpは、水平軸H方向及び垂直軸V方向の往復走査の総合として、走査方向Hc方向に走査する。したがって、光スポットSpの走査方向Hc方向の走査には、水平軸H方向の走査成分と垂直軸V方向の走査成分とを含む。しかしながら、第2回転軸線51の回りのミラー部32の往復回動の周波数は、第1回転軸線50の回りのミラー部32の往復回動の周波数より十分低いので、走査方向Hcは、ほぼ共振駆動による走査方向である水平軸H方向となる。
こうして、光スポットSpを縦長走査したときには、入射光面41上の少なくとも一部の走査領域部分では、光スポットSpによる全体連続照射時間T<蛍光寿命τの走査が実現され、蛍光体を効率良く発光させることができる。また、光スポットSpを縦長走査したときには、横長走査したときよりも垂直軸V方向に多数の蛍光体を励起することができる。
図9は全体連続照射時間Tを減少させる別の実施形態に使用する入射光面411を後部アセンブリ3側から見た図である。図9の入射光面411は図5Aの入射光面41に対して水平軸Hの両端範囲を約15%ずつ切り詰められている。なお、垂直軸V方向に、入射光面411の寸法は、入射光面41の寸法と等しくなっている。入射光面411の水平軸H方向の両端の原点Oから距離は、入射光面41の水平軸H方向の両端の原点Oから距離の9.5mmから8.0mmに短くされている。
一方、入射光面41に代えて、入射光面411の採用にもかかわらず、光偏向器15における第1回転軸線50の回りのミラー部32の往復回動は、光スポットSpを入射光面41において走査するときと同一のものになるように、前照灯ユニット1が装備される車両前照灯内の図示しないミラー制御部により光偏向器15の内側アクチュエータ36の第1駆動電圧が制御される。一方、光スポットSpが水平軸H方向に入射光面411の外に生成される期間、すなわち光スポットSpが入射光面41から切り落とされた入射光面41の両端範囲に生成される期間では、レーザ光出射装置14は光源制御部により消灯される。こうして、入射光面411は、その前面において光スポットSpが基準走査速度(後述の図10Aの境界線Lに対応する走査速度)より高い走査速度で走査されることになる。
図10は縦長走査と幅狭の入射光面411とを採用したときの効果について説明図である。図10Aは、縦長走査と幅狭の入射光面411とを採用して、全体連続照射時間Tの減少効果を示すグラフである。図10Aの横軸は、図6Cの横軸と同様に、原点O(図9)に対して水平軸H方向の座標位置を示す。なお、入射光面411は入射光面41の内側に含まれる範囲であるので、入射光面411に対する光スポットSpの縦長走査の全体連続照射時間Tは、入射光面41に対する光スポットSpの縦長走査の全体連続照射時間Tのうち、水平軸H方向の座標位置=8.0mmに箇所に引いた境界線Lより左側領域のグラフの全体連続照射時間Tとして示されることになる。
図10Aにおいて、B1〜B5(B3は除く)の「横長」及び「縦長」とは、それぞれ図8Aの光スポットSpの横長走査及び図8Bの光スポットSpの縦長走査を意味する。16kHz及び33kHzは、光偏向器15における第1回転軸線50の回りのミラー部32の往復回動周数を意味している。B3は、図6CのA3と同様に、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)のce(セラミック)のτに相当する全体連続照射時間Tである。なお、図10Aの特性線B4,B5は、光スポットSpを横長走査で入射光面41上を走査したときのものであり、図6Cの特性線A1,A2に一致する。
図6Cで前述したように、光スポットSpの水平軸H方向の走査範囲において、水平軸H方向の両端部分では、光スポットSpの走査方向の向きの反転のために、走査速度が急激に減少し、全体連続照射時間Tの増大原因となる。
そこで、図9の入射光面411のように、光スポットSpの水平軸H方向の走査速度が低下する入射光面41の両端範囲(入射光面41において図10Aの境界線Lより右側の水平軸H座標範囲)は切り落とした入射光面とされる。
図10Aにおいて、各特性線B1〜B5において水平軸H方向の各座標位置にける全体連続照射時間Tは光スポットSpの走査速度に対応する。図10Aから、縦長16kHz(B1)及び縦長33kHz(B2)における全体連続照射時間Tの特性は、境界線L(水平軸H方向の入射光面411の端)より内側の領域範囲における全体連続照射時間T(走査速度に対応する)は、蛍光寿命τ(60ns)未満になっている。この結果、特性線B4,B5において、境界線Lに対応する走査速度より高速の走査速度で光スポットSpを入射光面411に走査するようにすれば、図10Bに示すように、入射光面411上の光スポットSpの走査において全体連続照射時間T<蛍光寿命τが達成されることが分かる。
図11は2つの前照灯ユニット1が入射光面53に生成する光スポット走査領域55a〜55cを示している。入射光面53は、2つの前照灯ユニット1における入射光面411(図9)を合成した入射光面を想定している。これに対し、入射光面52は、2つの前照灯ユニット1における入射光面41(図9)を合成した入射光面を想定している。前述したように、前照灯ユニット1を搭載する車両は、左右に前照灯装置を1つずつ装備し、各前照灯装置は、前照灯ユニット1を2個ずつ装備する。
図11の光スポット走査領域55a〜55cは、左右一方の側の2つの前照灯ユニット1が全体で生成する光スポット走査領域に相当する。光スポット走査領域55a,55bは、左右一方の側の2つの前照灯ユニット1をそれぞれ第1及び第2前照灯ユニット1と名付けると、第1前照灯ユニット1の2つの照射系13はそれぞれ光スポット走査領域55a,55bを生成し、第2前照灯ユニット1の2つの照射系13は、光スポット走査領域55b,55cを生成する。
図11では、光スポット走査領域55a〜55cが1つの入射光面53に記載されているが、第1前照灯ユニット1の入射光面と、第2前照灯ユニット1の入射光面とを1つの入射光面53に統合し、該入射光面53上に光スポット走査領域55a〜55cをまとめて図示したものとなっている。水平軸H方向及び垂直軸V方向の寸法について、入射光面53は入射光面411と同一になっている。
光スポット走査領域55a〜55cには、対応の照射系13における光スポットSpa〜Spcがそれぞれ走査される。光スポット走査領域55a〜55cは、水平軸H方向の寸法を入射光面53の水平軸H方向の寸法と等しく設定されている。また、光スポット走査領域55a〜55cは、その順番に垂直軸V方向の寸法を増大されている。前照灯ユニット1を装備する車両前照灯からは光スポット走査領域55a〜55cに対応する走査光が出射され、それら走査光は、光スポット走査領域55a〜55cに対応しかつ図11の図示の光スポット走査領域55a〜55cのように重なった照射領域を走査する。光スポット走査領域55a〜55cに基づいて車両前照灯の前方に生成される照射領域は、それぞれスポット照射領域(SPOT)、中間照射領域(MID)及び広域照射領域(WIDE)に対応する。
入射光面53上に光スポット走査領域55a〜55cを生成するために、各照射系13の光偏向器15における第1回転軸線50の回りのミラー部32の回動について、その回動周波数及び回動角範囲は、照射系13に関係なく等しく設定される。これに対し、各照射系13の光偏向器15における第2回転軸線51の回りのミラー部32の回動については、回動周波数は、等しいものの、回動角範囲は光スポット走査領域55a〜55cの順番に大きく設定される。各照射系13の光偏向器15における第2回転軸線51の回りのミラー部32の回動角範囲は、第2駆動電圧(図5C)により調整される。回動角範囲を大きくするときほど、第2駆動電圧のピーク値は増大する。
車両用前照灯においては、車両前方の照射領域について、中心部の照度が高く、周辺部に向かうに連れて低下する照度分布が望ましい。すなわち、蛍光体パネル20の入射光面41に照射される励起光としての光スポットSpは、蛍光体パネル20の中心部付近を通過するとき強度を強められる。したがって、色度差の少ない照射光を生成するために、蛍光体パネル20の中心付近の蛍光体の変換効率を高く維持することが求められる。そして、蛍光体の変換効率を部分的に高く維持するためには、入射光面41において蛍光体の変換効率を高めたい領域部分を光スポットSpが通過する速度、すなわち走査速度を増大すればよい。
これに対し、第1回転軸線の回りのミラー部32の固有振動の周波数としての共振周波数は、一定であるため、すなわち、同一の走査周波数であれば、走査幅の大きいときには、走査速度を速める必要があるために、入射光面41における光スポットSpの水平軸H方向の走査、すなわち共振周波数による走査では、水平軸H方向の走査幅の広い方を、水平軸H座標=0付近における走査速度を増大させる。一方、光スポット走査領域55a,55bは、光スポット走査領域55cに対して、垂直軸V方向の走査幅は狭いものの、水平軸H方向の走査幅は同一に設定されている。こうして、光スポットSpa,Spbは、水平軸H座標=0付近において光スポットSpcと等しい高速の走査速度で走査して、入射光面41の中心部付近における蛍光体の変換効率を高く維持している。
なお、光スポット走査領域55a,55bの水平軸H方向の両端部においては、レーザ光出射装置14をオフ(消灯状態)にして、レーザ光出射装置14から光の出射を中止しても構わない。両端部では、中心部ほど、高い照度が求められないからである。また、変形例として、レーザ光出射装置14からの出射光の強度制御を実施すれば、水平軸H方向の光スポット走査領域55a,55bの位置や実質幅を変更する制御が実施可能となる。この制御については、後述の図12で詳説する。
図11に戻って、光スポット走査領域55a〜55cは、水平軸H方向の寸法が等しく、垂直軸V方向の寸法がその順番に増大しているので、照度は、光スポット走査領域55a〜55cの順番で減少する。光スポット走査領域55aは、光スポット走査領域55b,55cと重なるので、光スポット走査領域55aの範囲は照度が特に増大する。
以降、光スポット走査領域55a〜55cについて特に区別しないときは、「光スポット走査領域55」と総称する。入射光面411について説明したように、入射光面53においても、各光スポット走査領域55の光スポットSpは縦長走査する。さらに、好ましくは、入射光面53の水平軸H方向の両端は、各光スポットSpの走査方向Hcの走査速度に対応する全体連続照射時間Tが、全体連続照射時間T<蛍光寿命τとなる走査範囲の内側(図10の境界線L(図10Aでは左側の境界線Lは省略されている)より水平軸H方向に原点O側)になっている。したがって、蛍光体パネル20内の蛍光体43に対する光スポットSpの励起光エネルギーの無駄な消費を抑制することができる。
図12は、図11の光スポット走査領域55a〜55cに対し、レーザ光出射装置14から出射するレーザ光(出射光)の強度制御を付加して、光スポット走査領域55a,55bの水平軸H方向の実質的な位置及び実質的な幅を変更する制御の説明図である。図11の光スポット走査領域55a〜55cは、図12ではそれぞれSPOT、MID及びWIDEで示されている。図11では、光スポット走査領域55a,55b(SPOT及びMID)は、水平軸H方向に光スポット走査領域55c(WIDE)と同一の幅を有していたのに対し、図12では、水平軸H方向の幅について、MIDはWIDEより縮小され、SPOTはMIDよりさらに縮小されている。
図12において、SPOT及びMIDの境界線が実線の矩形枠で示されている。図11では、光スポット走査領域55a(SPOT)及び光スポット走査領域55b(MID)の水平軸H方向両端の境界線は、光スポット走査領域55c(WIDE)の境界線と一致しているのに対し、図12では、光スポットSpa,Spb(図11)は、水平軸H方向に図12の枠外を走査しているときは、対応のレーザ光出射装置14はオフ(消灯状態)とされ、対応の照射領域への走査光の照射が行われないようになっている。なお、対応のレーザ光出射装置14は、光スポットSpa,Spbが水平軸H方向に図12の枠外を走査することになる期間は、オフ(消灯状態)にされることなく、オン(点灯状態)に維持したまま、レーザ光出射装置14からの出射光の強度を枠内の走査期間より弱めるようにすることもできる。又は、逆に、水平軸H方向に図12の枠内を走査している期間は、枠外を走査している期間よりレーザ光出射装置14からの出射光の強度を強めて、実質的なSPOT及びMIDを生成することができる。
図12では、SPOTの変位を分かり易くするために、前照灯ユニット1による照射領域の存在物も示している。78は、前照灯ユニット1を装備する自車両が、現在走行しているカーブ道路81の自車レーン82の前方を先行している先行車両である。
図12AのSPOTは、その中心が自車両の左右方向中心線上に存在する標準位置で示されている。自車両が直進道路を走行しているときは、SPOTは標準位置にある。
図12BのSPOTは、その中心が自車両の左右方向中心線に対して、カーブ道路81の内側に所定量Kα、変位している。自車両は、カメラや操舵角センサー等を装備する。自車両に対する先行車両78の相対位置は、カメラの撮像画像に対する周知の解析処理を行って検出する。また、自車両がカーブ道路81を走行していることを、自車両の運転者により操作されたステアリングホィールの操舵角を検出する操舵角センサーからの検出信号等から検出することができる。
こうして、自車両がカーブ道路81を走行している期間では、SPOTの中心が自車両の左右方向中心からカーブ道路81の曲率に応じた変位量だけ水平軸H方向へカーブ道路81の内側(旋回側)の方へ変位する。この結果、図12Bに示されるように、先行車両78をSPOT内に維持して、カーブ道路81においても運転者が明確に視認できるようにしている。
なお、図12において、MIDについては、車両運転に関する状況に基づく変位制御は行われず、自車両の左右方向中心線に対する相対位置はWIDEと同様に固定されている。
図13は別の前照灯ユニットの構成図である。前照灯ユニットにおいて、前照灯ユニット1との相違点は、前照灯ユニットは、前照灯ユニット1に対し、光路22a,22bにそれぞれ径縮小レンズ素子としてのスポット径変更レンズ62a,62bが追加されていることである。以降、スポット径変更レンズ62a,62bについて特に区別しないときは、「スポット径変更レンズ62」と総称する。
図14は同一の車両前照灯内の2つの前照灯ユニットが該入射光面53に生成する光スポット走査領域65a〜65cを示している。入射光面53は、図11の入射光面53と同様に、2つの入射光面411(図9)を合成したことを意味する。
図14の光スポット走査領域65a〜65cは、左右一方の側の2つの前照灯ユニットが全体で生成する光スポット走査領域に相当する。左右一方の側の2つの前照灯ユニットをそれぞれ第1及び第2前照灯ユニットと名付けると、第1前照灯ユニットの2つの照射系13はそれぞれ光スポット走査領域65a,65bを生成し、第2前照灯ユニットの2つの照射系13は光スポット走査領域65b,65cを生成する。
図14では、光スポット走査領域65a〜65cが1つの入射光面53に記載されているが、第1前照灯ユニットの入射光面41(図5A)と、第2前照灯ユニットの入射光面41(図5A)とを1つの入射光面53に統合し、該入射光面53上に光スポット走査領域65a〜65cをまとめて図示したものとなっている。入射光面53の水平軸H方向及び垂直軸V方向の寸法は、入射光面411(図9)と同一になっている。なお、入射光面52は、図11のときと同様に、図9の入射光面41を統合したものを参考に示したものである。
光スポット走査領域65a〜65cには、対応の照射系13における光スポットSpa〜Spcが走査される。光スポット走査領域65a〜65cは、また、その順番に水平軸H方向及び垂直軸V方向の寸法を増大されている。光スポットSpa〜Spcは、いずれも縦長光スポットになっている。最大の光スポット走査領域65cは、水平軸H方向及び垂直軸V方向の寸法を入射光面53の水平軸H方向及び垂直軸V方向の寸法と等しく設定されている。
入射光面53上に光スポット走査領域65a〜65cを生成するために、各照射系13の光偏向器15における第1回転軸線50の回りのミラー部32の回動について、その回動周波数は照射系13に関係なく等しく設定されるが、回動角範囲は、光スポット走査領域65a〜65cの順番に増大される。また、各照射系13の光偏向器15における第2回転軸線51の回りのミラー部32の回動については、回動周波数は照射系13に関係なく等しいが、回動角範囲は光スポット走査領域65a〜65cの順番に大きく設定される。各照射系13の光偏向器15における第1回転軸線50及び第2回転軸線51の回りのミラー部32の回動角範囲は、第1駆動電圧(図5B)及び第2駆動電圧(図5C)により調整される。回動角範囲を大きくするときほど、第1及び第2駆動電圧のピークピーク値(Peak-to-peak value)は、増大する。
前照灯ユニットを装備する車両前照灯からは光スポット走査領域65a〜65cに対応する走査光が出射され、それら走査光は、光スポット走査領域65a〜65cに対応しかつ図14の図示の光スポット走査領域65a〜65cのように重なった照射領域を走査する。光スポット走査領域65a〜65cに基づいて車両前照灯の前方に生成される照射領域は、それぞれスポット照射領域、中間照射領域及び広域照射領域に対応する。
図14において、光スポットSpa〜Spcは、それぞれ光スポット走査領域65a〜65cを走査する光スポットSpである。以下、光スポットSpa〜Spcについて特に区別しないときは、「光スポットSp」と総称する。光スポット走査領域65a〜65cについて特に区別しないときは、「光スポット走査領域65」と総称する。
スポット径変更レンズ62(図13)は、それが配備されている照射系に設定される大きさ(径)の光スポットSpが対応の光スポット走査領域65に形成されるように(図14では、大きい光スポット走査領域65ほど、大きな光スポットSpが形成されている。)、レーザ光出射装置14からの光の絞り量を調整している。
径の小さい光スポットSpほど、全体連続照射時間Tが減少する。したがって、光スポットSpを、小さい光スポット走査領域65に対して程、小さくすることは、走査方向Hcに長さの短い光スポット走査領域に対して走査速度をさほど増大しなくても、蛍光体の変換効率を維持することができる。このため、光スポット走査領域65a〜65cの大きさに合わせて、各光スポットSpa〜Spcの順番に大きさが増大している。
光スポット走査領域65a,65bの水平軸H方向寸法と光スポットSpa,Spbの走査速度との関係について説明する。光スポット走査領域65aの水平軸H方向寸法と光スポットSpaの走査速度との関係は、光スポット走査領域65bの水平軸H方向寸法と光スポットSpbの走査速度との関係と同一であるので、前者の関係についてのみ説明する。
好ましくは、光スポット走査領域65aの水平軸H方向の両端は、光スポット走査領域65a用の光スポットSpa、入射光面411の場合の光スポットSpと同様に、走査方向Hcの走査速度に対応する全体連続照射時間Tが、全体連続照射時間T<蛍光寿命τとなる走査範囲内に含められる。したがって、光スポットSpaについて、蛍光体パネル20内の蛍光体43に対する光スポットSpの励起光エネルギーの無駄な消費を抑制することができる。このことは、光スポット走査領域65bと光スポットSpbとの関係や、光スポット走査領域65cと光スポットSpcとの関係についても言えることである。
本発明を実施形態について説明したが、本発明は、図示の実施形態に限定されることなく、要旨の範囲内で種々の変形形態を包含する。
実施形態では、前照灯ユニット1が光走査装置の一例として説明されている。本発明の光走査装置は、前照灯ユニット1に限定されることなく、屋外や屋内を照らす照明装置や、映像投影用スクリーン等の領域に画像を生成するプロジェクタ等にも適用することができる。
光出射部を有する光源装置として、実施形態では、出射光部45を有する青色のレーザ光出射装置14が備えられている。本発明の光源装置は、青色のレーザ光出射装置14以外に、青色以外のレーザ光出射装置、RGBレーザ又はLED(Light Emitting Diode)等、その他の光源装置を採用することができる。
実施形態では、蛍光体パネルの出射光面から出射されてくる光を調整して照射領域に投影する投影部として、照射領域としての照射領域に光を照射する投影レンズ19a〜19dが設けられている。本発明の投影部は、コリメータレンズであってもよい。また、投影部としての投影レンズの枚数や配置を状況に応じて変更することもできる。
実施形態では、蛍光体の励起源としての励起光スポットである光スポットSpは、線対称な形状となっている。本発明の励起光スポットは、長径方向と短径方向とを有すれば、線対称な形状でなくてもよい。
実施形態では、光源装置の点灯及び消灯を制御する光源制御部が、前照灯ユニット1,61内に配備されている。本発明の光源制御部は、前照灯ユニット1,61の外に配備されて、配線で前照灯ユニット1,61のレーザ光出射装置14に接続される外付け型の光源制御部であってもよい。
実施形態では、平均粒径の蛍光体の全体を連続照射する時間としての全体連続照射時間が、蛍光体の蛍光寿命に等しくなるときの基準走査速度として、図10Aの境界線Lに対応する走査速度として説明した。図10Aの境界線Lに対応する走査速度は、固定されず、光走査装置が配備される環境下の蛍光体の種類、レーザ光出射装置14の配置位置や出射光の種類等によっても種々に変化する。
実施形態では、光スポットSpの走査方向に沿う方向としての走査方向Hcがほぼ水平軸H方向となっている。本発明は、走査方向Hcが、水平軸Hに対して所定の傾斜角度の方向である場合や、垂直軸Vの方向である場合も含む。
実施形態では、励起光スポットの径を縮小する径縮小レンズ素子として、スポット径変更レンズ62(図13)が設けられている。本発明の径縮小レンズ素子は、光路22の途中ではなく、レーザ光出射装置14に装着して設けることもできる。
実施形態では、前照灯ユニット1,61は、第1及び第2照射系として照射系13a,13bを備えている。本発明の光走査装置は、照射系が1つのみや、3つ以上の照射系を含むこともできる。
実施形態では、蛍光体パネル20の入射光面41等は、矩形に形成されている。本発明の蛍光体パネルの入射光面は、矩形以外の形状(例:平行四辺形、正方形及びひし形)にも適用可能である。
実施形態では、アクチュエータとしての光偏向器15の内側アクチュエータ36及び外側アクチュエータ37、並びにレーザ光出射装置14の点灯及び消灯を制御する光源制御部は、別個として説明した。本発明の制御部は、光偏向器のミラー制御部と光源装置の光源制御部とを兼ねたものであってもよい。
実施形態では、光偏向器15の内側アクチュエータ36及び外側アクチュエータ37は、共に、圧電膜への印加電圧の制御により圧電膜を変形させて、圧電膜が固着されているカンチレバー本体の長手方向両端を相対変位させ、この相対変位により被作用対象を変位させる圧電式のアクチュエータになっている。本発明のアクチュエータは、相互に直交する第1及び第2回転軸線の回りにミラー部を往復回動させることができるものであれば、圧電式以外の駆動方式として、例えば電磁式や静電式のアクチュエータを採用することができる。
1・・・前照灯ユニット(光走査装置)、13・・・照射系、14・・・レーザ光出射装置(光源装置)、15・・・光偏向器、19・・・投影レンズ(投影部)、20・・・蛍光体パネル、22・・・光路、32・・・ミラー部、36・・・内側アクチュエータ(アクチュエータ)、37・・・外側アクチュエータ(アクチュエータ)、41・・・入射光面、43・・・蛍光体、45・・・出射光部(光出射部)、55・・・光スポット走査領域(走査領域)、61・・・前照灯ユニット、62・・・スポット径変更レンズ(径縮小レンズ素子)、63・・・入射光面、65・・・光スポット走査領域。

Claims (5)

  1. 光出射部を有し、該光出射部から光を出射する光源装置と、
    蛍光体を収納する光透過部を入射光面及び出射光面の間に有する蛍光体パネルと、
    前記蛍光体パネルの前記出射光面から出射されてくる光を調整して照射領域に投影する投影部と、
    相互に直交する第1及び第2回転軸線の回りに往復回動自在となっているミラー部、及び前記ミラー部を前記第1及び第2回転軸線の回りに往復回動させるアクチュエータを有し、前記光源装置の前記光出射部から入射する入射光を前記ミラー部により反射させて、反射光を前記蛍光体パネルの前記入射光面において前記第1及び第2回転軸線の回りの前記ミラー部の往復回動方向に対応付けられる第1及び第2走査方向で走査させる光偏向器と、
    前記第1回転軸線の回りの前記ミラー部の往復回動が前記ミラー部の固有振動の共振周波数で行われ、前記第2回転軸線の回りの前記ミラー部の往復回動が前記共振周波数とは異なる非共振周波数で行われるように、前記アクチュエータの駆動電圧を生成する駆動電圧生成部とを備える光走査装置であって、
    前記光偏向器からの反射光により前記蛍光体パネルの前記入射光面上に生成されて前記光透過部の蛍光体を励起する励起光スポットについて相互に直角の2つの径方向のうち、長い方を長径方向、短い方を短径方向とそれぞれ定義し、前記光源装置の前記光出射部は、前記励起光スポットの短径方向が前記入射光面における前記励起光スポットの前記第1走査方向に沿う方向となるように、前記光出射部からの出射光の光軸回りの回転位置が設定され
    前記共振周波数は、前記励起光スポットが、前記第1走査方向に走査するのに伴って、平均粒径の蛍光体の全体を連続照射する時間を全体連続照射時間とするとき、前記全体連続照射時間が蛍光寿命未満になる周波数に、設定されることを特徴とする光走査装置。
  2. 請求項1記載の光走査装置において、
    前記光源装置と前記光偏向器とは別々に有し、前記蛍光体パネルと前記投影部とは共通とする第1及び第2照射系を含み、
    前記第1及び前記第2照射系が励起光スポットの走査領域として前記入射光面にそれぞれ生成する第1及び第2走査領域に対し、
    前記第1走査領域は、前記第2走査領域の内側になるように、設定され、
    前記第1照射系の励起光スポットの径を前記第2照射系の励起光スポットよりも小さくする径縮小レンズ素子を備えることを特徴とする光走査装置。
  3. 請求項2記載の光走査装置において、
    前記第1及び前記第2走査領域は、前記励起光スポットが高速で走査する方の辺が低速で走査する方の辺より長い矩形に設定され、
    前記第1及び前記第2走査領域の長辺は相互に等しく、
    前記第1及び前記第2走査領域の短辺は前記第1走査領域の方が短くなるように、前記第1及び前記第2照射系の前記光偏向器の前記アクチュエータを介して前記光偏向器のミラー部を制御するミラー制御部を備えることを特徴とする光走査装置。
  4. 請求項1記載の光走査装置において、
    前記光源装置と前記光偏向器との間に配設され、前記励起光スポットの径を縮小する径縮小レンズ素子を備えることを特徴とする光走査装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光走査装置において、
    前記入射光面は、該入射光面を含む平面において前記第1軸方向の前記励起光スポットの走査範囲の全体から、前記全体連続照射時間が蛍光寿命を超える両端範囲を切り落とした走査範囲であることを特徴とする光走査装置。
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