JP2019056251A - 衛生洗浄装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】紫外線照射部を効率よく使用することで、ノズルの吐水孔から人体局部へ向けて吐水される洗浄水の除菌率は維持した状態で、紫外線照射部の寿命を伸ばすことで交換に要する手間を軽減させることができる衛生洗浄装置を提供することを目的としている。【解決手段】本発明における衛生洗浄装置は、給水源から供給された洗浄水をノズルに導く導水部と、導水部上に設けられ、洗浄水を加熱する発熱体を有する瞬間式の熱交換器と、導水部上において、熱交換器の下流側且つノズルの上流側に設けられ、導水部を流れる洗浄水に紫外線を照射する紫外線照射部と、発熱体への通電量および紫外線照射部からの前記紫外線の照射強度を制御する制御部と、を備え、制御部は、発熱体への通電量が小さい場合より発熱体への通電量が大きい場合のほうが、紫外線の照射強度が低くなるよう紫外線照射部の駆動を制御する。【選択図】図8

Description

本発明は、ノズルの吐水孔から人体局部へ向けて洗浄水を吐水する衛生洗浄装置に関する。
従来、衛生洗浄装置の洗浄水として使用される水道水では、病気や腐敗を起こす可能性のある菌(微生物)を塩素によって死滅又は不活性化させることにより、菌を減らすことが行われている。しかしながら、塩素の混入のみで水道水中に含まれる菌を完全に取り除けるわけではない。
このため、衛生洗浄装置では、洗浄水に紫外線を照射する紫外線照射部を設置し、洗浄水に含まれる菌をより低減させることが提案されている。(例えば、特許文献1)
このような、特許文献1に示した紫外線照射部からの紫外線の照射は、洗浄水中の菌の量によらず一定の照射強度で行われていた。
特開2016−186176号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、紫外線照射部の寿命は、除菌率を維持するために洗浄水中の菌の量によらず一定の照射強度が必要であったため、必要以上の紫外線照射による光源の劣化が激しく、衛生洗浄装置の寿命がより短かった。そのため、紫外線照射部を衛生洗浄装置に設けた場合、衛生洗浄装置自体の交換タイミングより短い周期で紫外線照射部だけを交換するといった手間が発生する。
この対策として、紫外線照射部の寿命を伸ばすため単に紫外線の照射強度を下げる制御を行ってしまうと、洗浄水中の菌に対する除菌率が下がってしまう課題があった。
本発明者は、鋭意研究の結果、熱交換器が有する発熱体により洗浄水を加熱する際の発熱量により、発熱体付近は高温となるため洗浄水中の菌が低減することに気づいた。
そこで、紫外線照射部からの紫外線の照射を、洗浄水中の菌の低減量により変更することに思い至った。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、紫外線照射部を効率よく使用することで、ノズルの吐水孔から人体局部へ向けて吐水される洗浄水の除菌率は維持した状態で、紫外線照射部の寿命を伸ばすことで交換に要する手間を軽減させることができる衛生洗浄装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明においては、ノズルの吐水孔から人体局部へ向けて洗浄水を吐水する衛生洗浄装置であって、給水源から供給された洗浄水を前記ノズルに導く導水部と、前記導水部上に設けられ、洗浄水を加熱する発熱体を有する瞬間式の熱交換器と、前記導水部上において、前記熱交換器の下流側且つ前記ノズルの上流側に設けられ、前記導水部を流れる洗浄水に紫外線を照射する紫外線照射部と、前記発熱体への通電量および前記紫外線照射部からの前記紫外線の照射強度を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記発熱体への通電量が小さい場合より前記発熱体への通電量が大きい場合のほうが、前記紫外線の照射強度が低くなるよう前記紫外線照射部の駆動を制御することを特徴とする。
このように、発熱体への通電量が小さい場合より大きい場合のほうが、発熱体からの発熱量が大きくなる。
つまり、発熱体は瞬間的に洗浄水を加熱する方式であるため、発熱体付近は高温となり、発熱体付近の洗浄水は高い温度に接することになるので、洗浄水中に含まれる菌を低減させることができ、菌を除菌するために要する紫外線照射部からの紫外線の照射強度を下げることに繋がる。
従って、除菌のために求められる紫外線の照射強度以上の照射強度を抑制することができ、効率よく紫外線の照射が行え、ノズルの吐水孔から人体局部へ向けて吐水される洗浄水の除菌率は維持した状態で、紫外線照射部の劣化を防ぎ、紫外線照射部の寿命が伸びるため、紫外線照射部の交換頻度を減らせ交換に要する手間を軽減させることができる。
本発明において、好ましくは、前記制御部は、前記発熱体への通電量が大きくなるにつれて、前記紫外線の照射強度が徐々に低くなるよう前記紫外線照射部の駆動を制御することを特徴とする。
このように、発熱体への通電量が大きくなるにつれて、換言すると、発熱体からの発熱量が大きくなるにつれて、紫外線照射部からの紫外線の照射強度を徐々に低くなるように制御する。
従って、さらに効率よく紫外線の照射強度を低下させることができ、より紫外線照射部の寿命が伸びるため、紫外線照射部の交換頻度を減らせ交換に要する手間を軽減させることができる。
また、本発明において、好ましくは、前記制御部は、前記熱交換器を通過する単位時間当たりの洗浄水の流速が速い場合より前記熱交換器を通過する単位時間当たりの洗浄水の流速が遅い場合のほうが、前記紫外線の照射強度が低くなるよう前記紫外線照射部の駆動を制御することを特徴とする。
このように、熱交換器を通過する単位時間当たりの洗浄水の流速が遅くなった際には、洗浄水が発熱体付近に滞在している時間が長くなり、洗浄水中の菌の低減量が増加する。
従って、洗浄水の流速が遅い場合は、さらに紫外線の照射強度を低下させることができ、より紫外線照射部の寿命が伸びるため、紫外線照射部の交換頻度を減らせ交換に要する手間を軽減させることができる。
また、本発明において、好ましくは、前記制御部は、前記発熱体への通電を開始してから、前記紫外線の照射強度が一定となるように前記紫外線照射部の駆動を制御し、その後、前記発熱体からの発熱量に応じて、前記紫外線の照射強度が低くなるよう前記紫外線照射部の駆動を制御することを特徴としている。
このように、発熱体への通電を開始してから、換言すると、発熱体からの発熱が開始してから、その後、前記発熱体からの発熱量に応じて紫外線の照射強度を一定値から低くなるように制御する。
従って、発熱体への通電開始時、制御部は発熱体への通電量によらず、紫外線の照射強度を一定値に制御することで、発熱体からの発熱量が安定しておらず発熱体付近が高温になっていない状態、つまり、洗浄水中の菌の低減量が減少している状態で、ノズルの吐水孔から人体局部へ向けて吐水がされてしまうことを抑制することができる。
本発明によれば、除菌のために求められる紫外線の照射強度以上の照射強度を抑制することができ、効率よく紫外線の照射が行え、ノズルの吐水孔から人体局部へ向けて吐水される洗浄水の除菌率は維持した状態で、紫外線照射部の劣化を防ぎ、紫外線照射部の寿命が伸びるため、紫外線照射部の交換頻度を減らせ交換に要する手間を軽減させることができる。
本発明の実施形態における衛生洗浄装置を備えたトイレ装置を表す斜視模式図である。 本発明の実施形態における衛生洗浄装置の要部構成を表すブロック図である。 本発明の実施形態における熱交換器を例示する模式的断面図である。 本発明の実施形態における熱交換器で用いられる発熱体を例示する模式的斜視図である。 本発明の実施形態における水の温度と水の除菌率の関係図である。 本発明の実施形態における衛生洗浄装置の動作の具体例を例示するタイミングチャートである。 本発明の実施形態における制御部が実行する発熱体への投入電力に対する紫外線照射部への投入電力の制御を表したグラフである。 本発明の実施形態における制御部が実行する発熱体への投入電力と発熱体を通過する流量の関係に対する紫外線照射部への投入電力の制御を表したグラフである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施形態における衛生洗浄装置を備えたトイレ装置を表す斜視模式図である。
図1に表したように、トイレ装置は、洋式腰掛便器(以下説明の便宜上、単に「便器」と称する)800と、その上に設けられた衛生洗浄装置100と、を備える。衛生洗浄装置100は、ケーシング400と、便座200と、便蓋300と、を有する。便座200と便蓋300とは、ケーシング400に対して開閉自在にそれぞれ軸支されている。
ケーシング400の内部には、便座200に座った使用者の「おしり」などの洗浄を実現する身体洗浄機能部などが内蔵されている。また、例えばケーシング400には、使用者が便座200に座ったことを検知する着座検知センサ404が設けられている。着座検知センサ404が便座200に座った使用者を検知している場合において、使用者が例えばリモコンなどの操作部500を操作すると、洗浄ノズル(以下説明の便宜上、単に「ノズル」と称する)473を便器800のボウル801内に進出させることができる。なお、図1に表した衛生洗浄装置100では、ノズル473がボウル801内に進出した状態を表している。
ノズル473は、人体局部に向けて水を吐出し、人体局部の洗浄を行う。ノズル473の先端部には、ビデ洗浄吐水口474a及びおしり洗浄吐水口474bが設けられている。ノズル473は、その先端に設けられたビデ洗浄吐水口474aから水を噴射して、便座200に座った女性の女性局部を洗浄することができる。あるいは、ノズル473は、その先端に設けられたおしり洗浄吐水口474bから水(洗浄水)を噴射して、便座200に座った使用者の「おしり」を洗浄することができる。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。
「おしり」を洗浄するモードのなかには、例えば、「おしり洗浄」と、「おしり洗浄」よりもソフトな水流で優しく洗浄する「やわらか洗浄」と、が含まれる。ノズル473は、例えば、「ビデ洗浄」と、「おしり洗浄」と、「やわらか洗浄」と、を実行することができる。
なお、図1に表したノズル473では、ビデ洗浄吐水口474aがおしり洗浄吐水口474bよりもノズル473の先端側に設けられているが、ビデ洗浄吐水口474aおよびおしり洗浄吐水口474bの設置位置は、これだけに限定されるわけではない。ビデ洗浄吐水口474aは、おしり洗浄吐水口474bよりもノズル473の後端側に設けられていてもよい。また、図1に表したノズル473では、2つの吐水口が設けられているが、3つ以上の吐水口が設けられていてもよい。
図2は、本発明の実施形態における衛生洗浄装置の要部構成を表すブロック図である。
図2では、水路系と電気系の要部構成を併せて表している。
図2に表したように、衛生洗浄装置100は、水道や貯水タンクなどの給水源10からノズル473に至る導水部20を有する。つまり、導水部20は、給水源10から供給された水をノズル473に導く。導水部20は、例えば、以下に説明する電磁弁431、熱交換器440、流路切替部472などの各部と、これらの各部を接続する複数の配管と、によって形成される。
導水部20の上流側には、電磁弁431が設けられている。電磁弁431は、開閉可能な電磁バルブであり、ケーシング400の内部に設けられた制御部405からの指令に基づいて水の供給を制御する。電磁弁431を開状態にすることにより、給水源10から供給された水が、電磁弁431より下流側の導水部20に流れる。
電磁弁431の下流には、調圧弁432が設けられている。調圧弁432は、給水圧が
高い場合に、導水部20内の圧力を所定の圧力範囲に調整する。調圧弁432の下流には、逆止弁433が設けられている。逆止弁433は、導水部20内の圧力が低下した場合などに、逆止弁433よりも上流側への水の逆流を抑制する。
逆止弁433の下流には、熱交換器440が設けられている。熱交換器440は、給水源10から供給された水を加熱して例えば規定の温度まで昇温する。すなわち、熱交換器440は、温水を生成する。
本実施形態の熱交換器440は、例えばセラミックヒータなどを用いた瞬間加熱式(瞬間式)の熱交換器であり、貯湯タンクを用いた貯湯加熱式熱交換器と比較すると、短い時間(瞬間的)で水を規定の温度まで昇温させることができる。
熱交換器440は、制御部405と接続されている。制御部405は、例えば、使用者による操作部500の操作に応じて熱交換器440を制御することにより、操作部500で設定された温度に水を昇温する。
熱交換器440の下流には、流量センサ442が設けられている。流量センサ442は、熱交換器440から吐出された水の流量を検知する。すなわち、流量センサ442は、導水部20内を流れる水の流量を検知する。流量センサ442は、制御部405に接続されている。流量センサ442は、流量の検知結果を制御部405に入力する。
流量センサ442の下流には、電解槽ユニット450が設けられている。電解槽ユニット450は、内部を流れる水道水を電気分解することにより、水道水から次亜塩素酸を含む液(機能水)を生成する。電解槽ユニット450は、制御部405に接続されている。電解槽ユニット450は、制御部405による制御に基づいて、機能水の生成を行う。
電解槽ユニット450の下流には、バキュームブレーカ(VB)452が設けられている。バキュームブレーカ452は、例えば、水を流すための流路と、流路内に空気を取り込むための吸気口と、吸気口を開閉する弁機構と、を有する。弁機構は、例えば、流路に水が流れている時に吸気口を塞ぎ、水の流れの停止とともに吸気口を開放して流路内に空気を取り込む。すなわち、バキュームブレーカ452は、導水部20に水の流れが無い時に、導水部20内に空気を取り込む。弁機構には、例えば、フロート弁が用いられる。
バキュームブレーカ452の下流には、圧力変調装置454が設けられている。圧力変調装置454は、導水部20内の水の流れに脈動または加速を与え、ノズル473のビデ洗浄吐水口474a及びおしり洗浄吐水口474bやノズル洗浄室478の吐水部から吐水される水に脈動を与える。圧力変調装置454は、制御部405に接続されている。圧力変調装置454は、制御部405による制御に基づいて、水の流動状態を変動させる。
圧力変調装置454の下流には、紫外線照射部460が設けられている。紫外線照射部460は、導水部20内を流れる水に紫外線を照射する。紫外線照射部460は、紫外線の照射により、導水部20内を流れる水に含まれる菌の少なくとも一部を死滅又は不活性化させる。これにより、紫外線照射部460は、導水部20内を流れる水に含まれる生きた菌を減らす。つまり、紫外線照射部460は、紫外線の照射により、洗浄水を除菌する。紫外線照射部460は、制御部405に接続されている。紫外線照射部460は、制御部405による制御に基づいて、紫外線の照射を行う。
紫外線照射部460は、発光素子(図示せず)を有する。発光素子は、導水部20を流れる水に紫外線を照射する。発光素子の照射する紫外線の波長は、例えば、200nm以上400nm以下である。好ましくは、250nmである。これにより、導水部20を流れる水に含まれる菌を適切に減らすことができる。発光素子は、LED(Light Emitting Diode)である。発光素子は、LEDに限ることなく、例えば、LD(Laser Diode)やOLED(Organic Light Emitting Diode)などでもよい。
紫外線照射部460の下流には、流量調整部471が設けられている。流量調整部471は、水勢(流量)の調整を行う。水勢(流量)の調整は、例えば、使用者の操作部500への水勢変更操作により制御部405にて制御され、ノズル473から吐水される水の流量は、例えば、270mL/min、350mL/min、450mL/minの三段階に切り替えることができる。
流量調整部471の下流には、流路切替部472が設けられている。流路切替部472は、ノズル473やノズル洗浄室478への給水の開閉や切替を行う。流量調整部471及び流路切替部472は、1つのユニットとして設けてもよい。流量調整部471及び流路切替部472は、制御部405に接続されている。流量調整部471及び流路切替部472の動作は、制御部405によって制御される。
流路切替部472の下流には、ノズル473、ノズル洗浄室478、及び噴霧ノズル479が設けられている。ノズル473は、ノズルモータ476からの駆動力を受け、便器800のボウル801内に進出したり後退したりする。つまり、ノズルモータ476は、制御部405からの指令に基づいてノズル473を進退させる。
ノズル洗浄室478は、その内部に設けられた吐水部から機能水あるいは水を噴射することにより、ノズル473の外周表面(胴体)を洗浄する。噴霧ノズル479は、洗浄水や機能水をミスト状にしてボウル801に噴霧する。この例では、人体を洗浄するためのノズル473とは別に噴霧ノズル479を設けている。これに限ることなく、ミスト状の液体をボウル801に噴霧するための吐水口をノズル473に設けてもよい。
導水部20は、流路として、給水路20aと、おしり洗浄流路21と、やわらか洗浄流路22と、ビデ洗浄流路23と、表面洗浄流路24と、噴霧用流路25と、を有しており、流路切替部472より上流側には給水路20aが、流路切替部472より下流側にはおしり洗浄流路21と、やわらか洗浄流路22と、ビデ洗浄流路23と、表面洗浄流路24と、噴霧用流路25と、が設けられている。
おしり洗浄流路21及びやわらか洗浄流路22は、給水路20aを介して給水源10から供給された水や電解槽ユニット450において生成された機能水をおしり洗浄吐水口474bへ導く。ビデ洗浄流路23は、給水路20aを介して給水源10から供給された水や電解槽ユニット450において生成された機能水をビデ洗浄吐水口474aへ導く。
表面洗浄流路24は、給水路20aを介して給水源10から供給された水や電解槽ユニット450において生成された機能水をノズル洗浄室478の吐水部へ導く。噴霧用流路25は、給水路20aを介して給水源10から供給される水や電解槽ユニット450において生成された機能水を噴霧ノズル479に導く。
制御部405は、流路切替部472を制御することにより、おしり洗浄流路21、やわらか洗浄流路22、ビデ洗浄流路23、表面洗浄流路24と、及び噴霧用流路25の各流路の開閉を切り替える。このように、流路切替部472は、ビデ洗浄吐水口474a、おしり洗浄吐水口474b、ノズル洗浄室478、及び噴霧ノズル479などの複数の吐水口のそれぞれについて、給水路20aに連通させた状態と、給水路20aに連通させない状態と、を切り替える。
制御部405は、電源回路401から電力を供給され、人体検知センサ403や、着座検知センサ404や、流量センサ442や、操作部500などからの信号に基づいて、電磁弁431や、熱交換器440や、電解槽ユニット450や、圧力変調装置454や、紫外線照射部460や、流量調整部471や、流路切替部472や、ノズルモータ476などの動作を制御する。
人体検知センサ403は、図1に表したように、ケーシング400の上面に形成された凹設部409に埋め込まれるように設けられ、便座200に近づいた使用者(人体)を検知する。また、便蓋300の後部には透過窓310が設けられている。そのため、便蓋300が閉じた状態において、人体検知センサ403は、透過窓310を介して使用者の存在を検知することができる。
次に、本発明の実施形態における熱交換器の構造について図3乃至図4に示す。
図3は、本発明の実施形態における熱交換器を例示する模式的断面図である。図4は、本発明の実施形態における熱交換器で用いられる発熱体を例示する模式的斜視図である。図5は、本発明の実施形態における水の温度と水の除菌率の関係図である。
図3に表したように、本実施の形態に係る熱交換器440は、発熱体447と、ケース
部448と、を備えている。
発熱体447は、筒形状部4471を有する。筒形状部4471には、ヒータパターン441が設けられている。本実施形態において、ヒータパターン441は、筒形状部4471の周側面に沿って互いに並行に繰り返し折り返して引き回されており、このヒータパターン441に通電させることによって、発熱体447が加熱する。この時、ヒータパターン441への投入電力(通電量)が、大きいほど、発熱体447からの発熱量が増加する。
発熱体447は、例えばセラミックスによって成形されている。筒形状部4471の他端4471bの側は、ケース部448内に挿入されている。これにより、筒形状部4471の周囲に、発熱体447によって加熱される水の流路448a、448bが形成される。また、筒形状部4471には、フランジ部4472が付設され設けられている。筒形状部の一端4471aの側は、フランジ部4472からケース部448の外側に延出している。
発熱体447は、フランジ部4472で、例えば、ねじによって、ケース部448に固定されている。フランジ部4472とケース部448との間にはOリングR1が設けられ、フランジ部4472とケース部448との間の密閉性を確保している。
図4に表したように、ヒータパターン441は、筒形状部4471の他端4471bの側に、筒形状に沿って設けられている。ヒータパターンは、例えば筒形状部4471の肉厚内に組み込まれている。より具体的には、ヒータパターン441は、2層の絶縁体の間に挟持されている。
図4に表したように、ケース部448は、ケース部本体4481と、蓋部4482と、を有する。ケース部本体4481には、発熱体447の筒形状部4471を収納する空間Sが設けられている。ケース部本体の一端4481aには、発熱体447のフランジ部4472が取り付けられる。ケース部本体4481の他端4481bには、蓋部4482が、例えば、ねじによって固定される。蓋部4482とケース部本体4481の他端4481bとの間には、OリングR2が設けられ、蓋部4482とケース部本体4481との間の密閉性を確保している。
ケース部本体4481の空間Sは、発熱体447の筒形状部4471よりも大きい。この空間Sにおいて、ケース部本体4481及び蓋部4482と、発熱体447の筒形状部4471との隙間に、水の流路448aが形成される。
熱交換器440では、水が流路448aを流れる間に、ヒータパターン441への通電によって加熱された発熱体447から溝に熱を伝え、所定温度の温水を生成する。
その際、発熱体447は瞬間的に水を加熱する方式であるため、発熱体447付近は高温となり、発熱体447付近の水は高い温度に接することになるので、流路448aを通過する水に含まれる菌を低減させることができる。 また、発熱体447からの発熱量が大きいほど、より発熱体447は高温となり、流路448aを通過する水が高温になるため、その水に含まれる菌を低減させることができる。つまり、図5に表すように、流路448aを流れる水の温度が高くなるほど、水の除菌率が高くなる。なお、本実施形態において、発熱体447によって温められる前の水の温度は5℃である。
次に、本発明の実施形態における衛生洗浄装置の動作の具体例について、図面を参照しつつ説明する。
図6は、本発明の実施形態における衛生洗浄装置の動作の具体例を例示するタイミングチャートである。
図6に表したように、着座検知センサ404が使用者を検知する前の待機状態では、ノズル473は、ケーシング400に収納されている(タイミングt0〜t1)。
人体検知センサ403がトイレ室に入室した使用者を検知すると、制御部405は、電磁弁431を開くとともに、噴霧ノズル479のみを給水路20aに連通させるように流路切替部472を駆動することにより、水をボウル801の表面に噴霧する(タイミングt1)。水が噴霧される時間は、例えば約4秒間程度である(タイミングt1〜t2)。このように、使用者が便器800を使用する前に、ボウル801の表面を濡らすことで、ボウル801の表面に付着する汚物を軽減させることができる。
制御部405は、使用者の操作に応じて操作部500から人体洗浄の指示が入力されると、電磁弁431を開くとともに、ビデ洗浄吐水口474a及びおしり洗浄吐水口474bのみを給水路20aに連通させるように流路切替部472を駆動する(タイミングt3)。
これにより、制御部405は、ノズル473を収納した状態で、給水源10からビデ洗浄吐水口474a及びおしり洗浄吐水口474bへと至る導水部20上の経路を洗浄する。
また、制御部405は、このタイミングで熱交換器440を動作させることにより、温水の生成を開始するとともに、紫外線照射部460の発光素子を点灯させ、給水路20aを流れる水に対する紫外線の照射を開始する。これにより、給水路20aを流れる水に含まれる菌を減らし、安全な洗浄水をノズル473に供給することができる。さらに、紫外線照射部460からの紫外線の照射強度は、紫外線照射部460への投入電力を一定に制御することで一定値に制御する。
補足すると紫外線照射部460からの紫外線の照射強度は、紫外線照射部460への投入電力に比例しており、該投入電力が大きくなればなるほど、大きくなる。
制御部405は、所定時間洗浄を行った後、ノズル洗浄室478のみを給水路20aに連通させるように流路切替部472を駆動するとともに、ノズルモータ476を駆動することにより、ノズル473の胴体洗浄を行いながらノズル473をボウル801内に進出させる(タイミングt4)。
この時、制御部405は、発熱体447への投入電力に応じて、すなわち発熱体447からの発熱量に応じて、紫外線照射部460からの紫外線の照射強度が低くなるように制御する。
具体的には、制御部405は、発熱体447に設けられたヒータパターン441への投入電力と発熱体447を通過する流量の関係から紫外線照射部460への投入電力を算出し、制御する。
このように、発熱体447への通電開始時、制御部405は、発熱体447への通電量によらず、紫外線の照射強度を一定値に制御することで、発熱体447からの発熱量が安定しておらず発熱体447付近が高温になっていない状態、つまり、導水部20内の水に含まれる菌の低減量が減少しており、除菌率が維持できていない状態で、ビデ洗浄吐水口474aやおしり洗浄吐水口474bから人体局部へ向けて吐水がされてしまうことを抑制することができる。また、ノズル473の胴体洗浄の際、除菌率を維持した水でノズル473を洗浄することができる。
制御部405は、ノズル473をボウル801内に進出させた後、ビデ洗浄吐水口474a及びおしり洗浄吐水口474bのいずれか一方のみを給水路20aに連通させるように流路切替部472を駆動することにより、人体洗浄を開始する(タイミングt5)。
制御部405は、操作部500から人体洗浄の停止が指示されると、ノズル洗浄室478のみを給水路20aに連通させるように流路切替部472を駆動するとともに、ノズルモータ476を駆動することにより、ノズル473の胴体洗浄を行いながらノズル473をケーシング400内に収納する(タイミングt6)。
制御部405は、ノズル473の収納を完了させた後、ビデ洗浄吐水口474a及びおしり洗浄吐水口474bのみを給水路20aに連通させるように流路切替部472を駆動することにより、給水源10からノズル473へと至る導水部20上の経路を洗浄する(タイミングt7)。
制御部405は、所定時間洗浄を行った後、電磁弁431を閉じるとともに、熱交換器440及び紫外線照射部460の動作を停止させる(タイミングt8)。
制御部405は、人体検知センサ403による使用者の検知の解除から所定時間経過した後、ビデ洗浄吐水口474a、おしり洗浄吐水口474b、ノズル洗浄室478、及び噴霧ノズル479のそれぞれを給水路20aと連通させるように流路切替部472を駆動することにより、ノズル473内に溜まった水の水抜き動作を行う(タイミングt9)。この時、バキュームブレーカ452内の水が減ると、バキュームブレーカ452の吸気口が開き、給水路20a内に空気が取り込まれる。これにより、バキュームブレーカ452よりも下流の部分の水抜きが促進される。
制御部405は、所定時間水抜きを行った後、流路切替部472を駆動し、ビデ洗浄吐水口474a、おしり洗浄吐水口474b、ノズル洗浄室478、及び噴霧ノズル479のそれぞれと給水路20aとの連通を閉じる(タイミングt10)。
制御部405は、水抜き動作からさらに所定時間経過した後、電磁弁431を開くとともに、ビデ洗浄吐水口474a及びおしり洗浄吐水口474bのみを給水路20aに連通させるように流路切替部472を駆動する(タイミングt11)。また、制御部405は、電解槽ユニット450を動作させる。これにより、制御部405は、ノズル473を収納した状態で、給水源10からビデ洗浄吐水口474a及びおしり洗浄吐水口474bへと至る導水部20上の経路を機能水で洗浄する。制御部405は、例えば、電解槽ユニット450とノズル473との間の経路を導水部20上の機能水で除菌する。
制御部405は、所定時間洗浄を行った後、ノズル洗浄室478のみを給水路20aに連通させるように流路切替部472を駆動するとともに、ノズルモータ476を駆動することにより、ノズル473を進退させ、ノズル473の胴体を機能水で洗浄する(タイミングt11〜t12)。例えば、ノズル473の胴体を機能水で除菌する。
制御部405は、ノズル473の胴体を洗浄した後、電解槽ユニット450とノズル473との間の導水部20上の経路を再び機能水で洗浄し、電磁弁431を閉じるとともに、電解槽ユニット450の動作を停止させる(タイミングt13〜t14)。
制御部405は、ノズル473の除菌を行った後、再び水抜き動作を行う(タイミングt15)。この時、制御部405は、ノズルモータ476を駆動し、ノズル473を進退させる(タイミングt16〜t17)。これにより、例えば、バキュームブレーカ452と各吐水口474a、474bとの間の高低差が大きくなり、バキュームブレーカ452よりも下流の部分の水抜きをより確実に行うことができる。
次に、制御部405が実行する発熱体447への投入電力(通電量)に対する紫外線照射部460への投入電力の制御を図7乃至図8に示す。
図7は、本発明の実施形態における制御部が実行する発熱体への投入電力に対する紫外線照射部への投入電力の制御を表したグラフである。
図7に示すように、制御部405は、熱交換器440のケース部内の流路448aを通過する水の単位時間当たりの流量が一定である場合、発熱体447への投入電力が大きくなるにつれ、紫外線照射部460への投入電力を下げるように制御している。
つまり、制御部405は、発熱体447への投入電力が大きくなるにつれて、徐々に紫外線照射部460への投入電力に依存する紫外線照射部460からの紫外線の照射強度が低くなるように紫外線照射部460の駆動を制御している。
このように、熱交換器440のケース部内の流路448aを通過する水を発熱体447からの発熱量により除菌することで、給水路20a内の水に含まれる菌を除菌するために要する紫外線照射部460からの紫外線の照射強度を下げることに繋がる。
従って、除菌のために求められる紫外線の照射強度以上の照射強度を抑制することができ、効率よく紫外線の照射が行え、ビデ洗浄吐水口474aやおしり洗浄吐水口474b(ノズル473の吐水孔)から人体局部へ向けて吐水される水の除菌率は維持した状態で、紫外線照射部460の劣化を防ぎ、紫外線照射部460の寿命が伸びるため、紫外線照射部460の交換頻度を減らせ交換に要する手間を軽減させることができる。
図8は、本発明の実施形態における制御部が実行する発熱体への投入電力と発熱体を通過する流量の関係に対する紫外線照射部への投入電力の制御を表したグラフである。
図8に示すように、制御部405は、ケース部内の流路448aを通過する単位時間当たりの水の流量が少ないほど、発熱体447への投入電力が大きくなるにつれ紫外線照射部460への投入電力を下げるように制御している。
なお、ケース部内の流路448aを通過する単位時間当たりの水の流量の算出方法は、例えば、流量センサ442から制御部405へ送られるデータであっても良いし、流量調整部471から制御部405へ送られるデータを利用しても良い。
このように制御しているのは、導水部20内の水がケース部内の流路448aを通過する際、単位時間当たりの水の流量が少ないほど、単位時間当たりの水の流速が遅くなり、ケース部内の流路448aを通過する水が発熱体447付近に滞在している時間が長くなるため、ケース部内の流路448aを通過する水が発熱体447からの発熱量の影響を長く受けることで、水に含まれる菌の低減量が増加するためである。
従って、水の流速が遅い場合は、さらに紫外線の照射強度を低下させることができ、より紫外線照射部460の寿命が伸びるため、紫外線照射部460の交換頻度を減らせ交換に要する手間を軽減させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、熱交換器440への通電開始タイミングや、流量センサ442の設置位置は、例示したものに限定されるわけではなく、除菌率を維持した状態で紫外線照射部460からの紫外線の照射強度を下げることができればよく、適宜変更することができる。
10 給水源
20 導水部
20a 給水路
21 おしり洗浄流路
22 やわらか洗浄流路
23 ビデ洗浄流路
100 衛生洗浄装置
200 便座
300 便蓋
310 透過窓
400 ケーシング
401 電源回路
403 人体検知センサ
404 着座検知センサ
405 制御部
409 凹設部
431 電磁弁
432 調圧弁
433 逆止弁
440 熱交換器
441 ヒータパターン
447 発熱体
4471 筒形状部
4471a 筒形状部の一端
4471b 筒形状部の他端
4472 フランジ部
448 ケース部
448a、448b ケース部内の流路
4481 ケース部本体
4482 蓋部
442 流量センサ
450 電解槽ユニット
452 バキュームブレーカ
454 圧力変調装置
460 紫外線照射部
471 流量調整部
472 流路切替部
473 ノズル
474a ビデ洗浄吐水口
474b おしり洗浄吐水口
476 ノズルモータ
478 ノズル洗浄室
479 噴霧ノズル
500 操作部
800 便器
801 ボウル
S ケース部本体の空間

Claims (4)

  1. ノズルの吐水孔から人体局部へ向けて洗浄水を吐水する衛生洗浄装置であって、
    給水源から供給された洗浄水を前記ノズルに導く導水部と、
    前記導水部上に設けられ、洗浄水を加熱する発熱体を有する瞬間式の熱交換器と、
    前記導水部上において、前記熱交換器の下流側且つ前記ノズルの上流側に設けられ、前記導水部を流れる洗浄水に紫外線を照射する紫外線照射部と、
    前記発熱体への通電量および前記紫外線照射部からの前記紫外線の照射強度を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記発熱体への通電量が小さい場合より前記発熱体への通電量が大きい場合のほうが、前記紫外線の照射強度が低くなるよう前記紫外線照射部の駆動を制御することを特徴とする衛生洗浄装置。
  2. 前記制御部は、前記発熱体への通電量が大きくなるにつれて、前記紫外線の照射強度が徐々に低くなるよう前記紫外線照射部の駆動を制御することを特徴とする請求項1記載の衛生洗浄装置。
  3. 前記制御部は、前記熱交換器を通過する単位時間当たりの洗浄水の流速が速い場合より前記熱交換器を通過する単位時間当たりの洗浄水の流速が遅い場合のほうが、前記紫外線の照射強度が低くなるよう前記紫外線照射部の駆動を制御することを特徴とする請求項2記載の衛生洗浄装置。
  4. 前記制御部は、前記発熱体への通電を開始してから、前記紫外線の照射強度が一定となるように前記紫外線照射部の駆動を制御し、
    その後、前記発熱体からの発熱量に応じて、前記紫外線の照射強度が低くなるよう前記紫外線照射部の駆動を制御することを特徴とする請求項3記載の衛生洗浄装置。
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