JP2019056069A - 重合性液晶材料、重合性液晶組成物、高分子、光学フィルム、光学異方体、偏光板、反射防止フィルム、表示装置、並びに、重合性液晶組成物の製造方法 - Google Patents

重合性液晶材料、重合性液晶組成物、高分子、光学フィルム、光学異方体、偏光板、反射防止フィルム、表示装置、並びに、重合性液晶組成物の製造方法 Download PDF

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Shumpei Nakajima
俊平 中島
坂本 圭
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Abstract

【課題】ゲル化が起こり難い(即ち、ゲル化時間が長い)重合性液晶組成物を提供する。【解決手段】所定の重合性液晶化合物を含む重合性液晶材料であって、式(I)で表される塩の含有量が、重合性液晶化合物100質量部当たり0.01質量部未満であり、且つ、式(II)で表される窒素含有化合物の含有量が、重合性液晶化合物100質量部当たり0.01質量部以下である、重合性液晶材料。【選択図】なし

Description

本発明は、重合性液晶材料、重合性液晶組成物、高分子、光学フィルム、光学異方体、偏光板、反射防止フィルム、表示装置、並びに、重合性液晶組成物の製造方法に関するものである。
近年、モバイルパソコン、携帯電話等携帯型の情報端末の高機能化および普及に伴い、フラットパネル表示装置の厚みを極力薄く抑えることが求められてきている。その結果、フラットパネル表示装置の構成部材である位相差板の薄層化も求められている。
ここで、位相差板の薄層化の方法としては、重合性液晶化合物を含有する重合性液晶組成物をフィルム基材に塗布して光学フィルムを形成することにより位相差板を作製する方法が、近年では最も有効な方法とされている。
しかし、重合性液晶化合物を有機溶媒に溶解してなる重合性液晶組成物は、安定性に乏しく、経時的にゲル化することがあった(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−158671号公報
そのため、ゲル化が起こり難い(即ち、ゲル化時間が長い)重合性液晶組成物が求められていた。
本発明者は、上記課題を解決することを目的として鋭意検討を行った。そして、本発明者は、所定の重合性液晶化合物を含む重合性液晶組成物では、重合性液晶化合物の調製時などに混入した所定の化合物(不純物)によってゲル化が起こり易くなっていることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明によれば、以下の重合性液晶材料、重合性液晶組成物、高分子、光学フィルム、光学異方体、偏光板、反射防止フィルム、表示装置、並びに、重合性液晶組成物の製造方法が提供される。
〔1〕重合性液晶化合物を含む重合性液晶材料であって、
下記式(I):
Figure 2019056069
〔式(I)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1以上7以下のアルキル基であり、Xは、F、Br、Cl、I、HSO 、1/2(HPO 2−)、HPO 、R−C(=O)−O、1/2(O−(C=O)−R’−(C=O)−O)またはR−SO であり、Rは、水素原子または1価の炭化水素基を表し、R’は、単結合または2価の炭化水素基を表す。〕
で表される塩の含有量が、前記重合性液晶化合物100質量部当たり0.01質量部未満であり、且つ、
下記式(II):
Figure 2019056069
〔式(II)中、Rは、水素原子または炭素数1以上7以下のアルキル基であり、RおよびRは、水素原子である。〕
で表される窒素含有化合物の含有量が、前記重合性液晶化合物100質量部当たり0.01質量部以下であり、
前記重合性液晶化合物が下記式(III)または(IV):
Figure 2019056069
Figure 2019056069
〔式(III)および式(IV)中、
は、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の2価の有機基であり、
は、化学的な単結合、−O−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−S−、−S−C(=O)−、−NR11−C(=O)−、−C(=O)−NR11−、−O−C(=O)−NR11−、−NR11−C(=O)−O−、−S−、−N=N−、または、−C≡C−を表し、R11は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
FxおよびFxは、それぞれ独立して、芳香族炭化水素環および芳香族複素環の少なくとも一方を有する有機基を表し、
Qは、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表し、
〜RIVは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、−OCF、−C(=O)−O−R、または、−O−C(=O)−Rを表し、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素環基を表し、
は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、−OCF、−C(=O)−O−R、または、−O−C(=O)−Rを表し、Rは、前記と同じ意味を表し、
pは、0〜3の整数を表し、p1は、0〜4の整数を表し、p2は、0または1を表し、
〜Yは、それぞれ独立して、化学的な単結合、−O−、−O−CH−、−CH−O−、−O−CH−CH−、−CH−CH−O−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−S−、−S−C(=O)−、−NR13−C(=O)−、−C(=O)−NR13−、−CF−O−、−O−CF−、−CH−CH−、−CF−CF−、−O−CH−CH−O−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−、−CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH−、−CH−O−C(=O)−、−C(=O)−O−CH−、−CH−CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH−CH−、−CH−CH−O−C(=O)−、−C(=O)−O−CH−CH−、−CH=CH−、−N=CH−、−CH=N−、−N=C(CH)−、−C(CH)=N−、−N=N−、または、−C≡C−を表し、R13は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
、A、BおよびBは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい環状脂肪族基、または、置換基を有していてもよい芳香族基を表し、
およびGは、それぞれ独立して、炭素数1〜30の2価の脂肪族炭化水素基、および、炭素数3〜30の2価の脂肪族炭化水素基に含まれる−CH−の少なくとも一つが、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR14−C(=O)−、−C(=O)−NR14−、−NR14−、または、−C(=O)−に置換された基のいずれかの有機基であり(但し、−O−または−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く)、R14は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、GおよびGの前記有機基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、シアノ基、または、ハロゲン原子に置換されていてもよく、
およびPは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数2〜10のアルケニル基を表し、
nおよびmは、それぞれ独立して、0または1を表す。〕
で表される、重合性液晶材料。
〔2〕上記〔1〕に記載の重合性液晶材料と、有機溶媒とを含有する、重合性液晶組成物。
〔3〕界面活性剤および重合開始剤の少なくとも一方を更に含有する、上記〔2〕に記載の重合性液晶組成物。
〔4〕上記〔1〕に記載の重合性液晶材料を重合してなる、高分子。
〔5〕上記〔4〕に記載の高分子を構成材料とする、光学フィルム。
〔6〕上記〔4〕に記載の高分子を構成材料とする、光学異方体。
〔7〕上記〔6〕に記載の光学異方体および偏光フィルムを含む、偏光板。
〔8〕上記〔7〕に記載の偏光板を備える、表示装置。
〔9〕上記〔7〕に記載の偏光板を含む、反射防止フィルム。
〔10〕重合性液晶化合物を含む重合性液晶材料について、下記式(I):
Figure 2019056069
〔式(I)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1以上7以下のアルキル基であり、Xは、F、Br、Cl、I、HSO 、1/2(HPO 2−)、HPO 、R−C(=O)−O、1/2(O−(C=O)−R’−(C=O)−O)またはR−SO であり、Rは、水素原子または1価の炭化水素基を表し、R’は、単結合または2価の炭化水素基を表す。〕
で表される塩の含有量が前記重合性液晶化合物100質量部当たり0.01質量部未満であること、および、下記式(II):
Figure 2019056069
〔式(II)中、Rは、水素原子または炭素数1以上7以下のアルキル基であり、RおよびRは、水素原子である。〕
で表される窒素含有化合物の含有量が前記重合性液晶化合物100質量部当たり0.01質量部以下であることを確認する第一工程と、
前記第一工程の後に、前記重合性液晶材料と有機溶媒とを混合する第二工程と、
を含み、
前記重合性液晶化合物が下記式(III)または(IV):
Figure 2019056069
Figure 2019056069
〔式(III)および式(IV)中、
は、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の2価の有機基であり、
は、化学的な単結合、−O−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−S−、−S−C(=O)−、−NR11−C(=O)−、−C(=O)−NR11−、−O−C(=O)−NR11−、−NR11−C(=O)−O−、−S−、−N=N−、または、−C≡C−を表し、R11は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
FxおよびFxは、それぞれ独立して、芳香族炭化水素環および芳香族複素環の少なくとも一方を有する有機基を表し、
Qは、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表し、
〜RIVは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、−OCF、−C(=O)−O−R、または、−O−C(=O)−Rを表し、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素環基を表し、
は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、−OCF、−C(=O)−O−R、または、−O−C(=O)−Rを表し、Rは、前記と同じ意味を表し、
pは、0〜3の整数を表し、p1は、0〜4の整数を表し、p2は、0または1を表し、
〜Yは、それぞれ独立して、化学的な単結合、−O−、−O−CH−、−CH−O−、−O−CH−CH−、−CH−CH−O−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−S−、−S−C(=O)−、−NR13−C(=O)−、−C(=O)−NR13−、−CF−O−、−O−CF−、−CH−CH−、−CF−CF−、−O−CH−CH−O−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−、−CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH−、−CH−O−C(=O)−、−C(=O)−O−CH−、−CH−CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH−CH−、−CH−CH−O−C(=O)−、−C(=O)−O−CH−CH−、−CH=CH−、−N=CH−、−CH=N−、−N=C(CH)−、−C(CH)=N−、−N=N−、または、−C≡C−を表し、R13は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
、A、BおよびBは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい環状脂肪族基、または、置換基を有していてもよい芳香族基を表し、
およびGは、それぞれ独立して、炭素数1〜30の2価の脂肪族炭化水素基、および、炭素数3〜30の2価の脂肪族炭化水素基に含まれる−CH−の少なくとも一つが、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR14−C(=O)−、−C(=O)−NR14−、−NR14−、または、−C(=O)−に置換された基のいずれかの有機基であり(但し、−O−または−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く)、R14は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、GおよびGの前記有機基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、シアノ基、または、ハロゲン原子に置換されていてもよく、
およびPは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数2〜10のアルケニル基を表し、
nおよびmは、それぞれ独立して、0または1を表す。〕
で表される化合物である、重合性液晶組成物の製造方法。
本発明によれば、ゲル化が起こり難い(即ち、ゲル化時間が長い)重合性液晶組成物および当該重合性液晶組成物を調製可能な重合性液晶材料を提供することができる。
また、本発明によれば、当該重合性液晶材料を重合してなる高分子、当該高分子を用いた光学フィルムおよび光学異方体、並びに、当該光学異方体を用いた偏光板、反射防止フィルムおよび表示装置を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において、「置換基を有していてもよい」とは、「無置換の、または、置換基を有する」の意味である。また、一般式中に含まれるアルキル基や芳香族炭化水素環基等の有機基が置換基を有する場合、当該置換基を有する有機基の炭素数には、置換基の炭素数を含まないものとする。例えば、炭素数6〜20の芳香族炭化水素環基が置換基を有する場合、炭素数6〜20の芳香族炭化水素環基の炭素数には、このような置換基の炭素数を含まないものとする。さらに、本発明において、「アルキル基」とは、鎖状(直鎖状または分岐状)の飽和炭化水素基を意味し、「アルキル基」には、環状の飽和炭化水素基である、「シクロアルキル基」は含まれないものとする。
ここで、本発明の重合性液晶材料および重合性液晶組成物は、特に限定されることなく、例えば本発明の高分子を調製する際に用いることができる。
そして、本発明の高分子は、特に限定されることなく、例えば本発明の光学フィルムの構成材料および本発明の光学異方体が有する層の構成材料として用いることができる。また、本発明の光学異方体は、特に限定されることなく、例えば本発明の偏光板に用いることができる。更に、本発明の偏光板は、特に限定されることなく、例えば本発明の表示装置および反射防止フィルムに用いることができる。
また、本発明の重合性液晶組成物は、特に限定されることなく、例えば、本発明の重合性液晶組成物の製造方法を用いて製造することができる。
(1)重合性液晶材料
本発明の重合性液晶材料は、重合性液晶化合物を含み、任意に、重合性液晶化合物の調製時などに混入した不純物を更に含有する。また、本発明の重合性液晶材料は、下記式(I)で示される塩の含有量が、重合性液晶化合物100質量部当たり0質量部以上0.01質量部未満であり、且つ、下記式(II)で示される窒素含有化合物の含有量が、重合性液晶化合物100質量部当たり0質量部以上0.01質量部以下である。
なお、本発明において、「式(I)で示される塩の含有量」および「式(II)で示される窒素含有化合物の含有量」は、イオンクロマトグラフィーを用いて測定することができる。具体的には、「式(I)で示される塩の含有量」および「式(II)で示される窒素含有化合物の含有量」は、例えば実施例に記載の測定法に従って測定することができる。また、式(I)で示される塩が複数種含まれている場合には、「式(I)で示される塩の含有量」とは、式(I)で示される塩の合計含有量を指し、式(II)で示される窒素含有化合物が複数種含まれている場合には、「式(II)で示される窒素含有化合物の含有量」とは、式(II)で示される窒素含有化合物の合計含有量を指す。
Figure 2019056069
〔式(I)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1以上7以下のアルキル基であり、Xは、F、Br、Cl、I、HSO 、1/2(HPO 2−)、HPO 、R−C(=O)−O、1/2(O−(C=O)−R’−(C=O)−O)またはR−SO であり、Rは、水素原子または1価の炭化水素基を表し、R’は、単結合または2価の炭化水素基を表す。〕
Figure 2019056069
〔式(II)中、Rは、水素原子または炭素数1以上7以下のアルキル基であり、RおよびRは、水素原子である。〕
ここで、本発明の重合性液晶材料は、所定の重合性液晶化合物を含む重合性液晶組成物のゲル化について、重合性液晶化合物の調製時などに混入し得る不純物が影響していること、および、重合性液晶化合物の調製時などに混入し得る様々な不純物のうち、上記式(I)で示される塩および上記式(II)で表される窒素含有化合物が特にゲル化に影響していることを新たに見出してなされたものである。そして、本発明の重合性液晶材料は、上記式(I)で示される塩の含有量および上記式(II)で表される窒素含有化合物の含有量が上記範囲内であるので、式(I)で示される塩の含有量および式(II)で表される窒素含有化合物の含有量が上記範囲外の重合性液晶材料と比較し、ゲル化が起こり難い。従って、本発明の重合性液晶材料を使用すれば、ゲル化時間が長く、長期に亘って貯蔵が可能な重合性液晶組成物を得ることができる。
(1−1)重合性液晶化合物
重合性液晶化合物は、光学フィルムおよび光学異方体(以下、「光学フィルム等」と称することがある。)の構成材料として使用される高分子の調製に使用し得る。中でも、重合性液晶化合物としては、「逆波長分散性を有する重合性液晶化合物」と称されることもある、逆波長分散性を有する光学フィルム等の構成材料として使用される高分子を調製可能な重合性液晶化合物が好ましい。
そして、重合性液晶化合物としては、下記式(III)または式(IV)で表される化合物を用いる。
Figure 2019056069
ここで、式(III)および(IV)中、Gは、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の2価の有機基を表し、置換基を有していてもよい炭素数3〜30の2価の有機基であることが好ましい。
の前記2価の有機基が有する置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜5のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基;シアノ基;フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子が挙げられる。
の好ましい例としては、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の2価の脂肪族炭化水素基、および、置換基を有していてもよい炭素数3〜30の2価の脂肪族炭化水素基に含まれる−CH−の少なくとも一つが、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR12−C(=O)−、−C(=O)−NR12−、−NR12−、または、−C(=O)−に置換された基のいずれかの有機基である。ただし、−O−または−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除き、R12は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す
なお、Gに関し、前記「2価の脂肪族炭化水素基」は、2価の鎖状の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、アルキレン基であることがより好ましい。
ここで、Gの炭素数が3以上の場合、Gの両末端は−CH−であること(Gaの両末端が置換されていないこと)が好ましい。また、「炭素数3〜30の2価の脂肪族炭化水素基に含まれる−CH−の少なくとも一つが−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR12−C(=O)−、−C(=O)−NR12−、−NR12−、または、−C(=O)−に置換された基」において、−O−および−S−は、脂肪族炭化水素基中の連続した−CH−を置換しない(すなわち、−O−O−および−S−S−の構造を形成しない)ことが好ましく(つまり、−O−または−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除くことが好ましく)、また、−C(=O)−は、脂肪族炭化水素基中の連続した−CH−を置換しない(すなわち、−C(=O)−C(=O)−の構造を形成しない)ことが好ましい。
の2価の脂肪族炭化水素基が有する置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜5のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基;シアノ基;フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子が挙げられる。
また、式(III)および(IV)中、Yは、化学的な単結合、−O−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−S−、−S−C(=O)−、−NR11−C(=O)−、−C(=O)−NR11−、−O−C(=O)−NR11−、−NR11−C(=O)−O−、−S−、−N=N−、または、−C≡C−を表す。ここで、R11は、水素原子、または、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基を表す。中でも、Yとしては、−O−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−が好ましく、−O−、−O−C(=O)−*がより好ましい。ここで、*は、FX、或いは、FXと結合する位置を表す。
更に、式(III)および(IV)中、FxおよびFxは、それぞれ独立して、芳香族炭化水素環および芳香族複素環の少なくとも一方を有する有機基を表す。
ここで、FxおよびFxの有機基の炭素数は、2以上30以下であることが好ましく、7以上であることが好ましく、8以上であることが更に好ましく、10以上であることが特に好ましい。
なお、FxおよびFxの芳香族炭化水素環および芳香族複素環の少なくとも一方を有する有機基の「炭素数」は、置換基の炭素原子を含まない、芳香族炭化水素環および芳香族複素環の少なくとも一方を有する有機基自体の炭素数(有機基が有する芳香族炭化水素環および芳香族複素環を構成する炭素の数を含む炭素数)を意味する。
FxおよびFxの有機基は、少なくとも一つの水素原子が芳香族炭化水素環および芳香族複素環の少なくとも一方を有する環含有基で置換された炭素数1〜18のアルキル基、或いは、芳香族炭化水素環および芳香族複素環の少なくとも一方を有する炭素数2〜20の環状基であることが好ましい。なお、環含有基で置換された炭素数1〜18のアルキル基は、前記環含有基以外の置換基を有していてもよく、また、炭素数2〜20の環状基も、置換基を有していてもよい。なお、環含有基で置換された炭素数1〜18のアルキル基および炭素数2〜20の環状基が複数の置換基を有する場合、複数の置換基は互いに同一でも、相異なっていてもよい。また、FxおよびFxが、複数の芳香族炭化水素環および/または複数の芳香族複素環を有する場合、それらは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
ここで、上記環含有基および環状基の芳香族炭化水素環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、フルオレン環等の炭素数6〜30の芳香族炭化水素環が挙げられる。
また、上記環含有基および環状基の芳香族複素環の具体例としては、1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン環、1−ベンゾフラン環、2−ベンゾフラン環、アクリジン環、イソキノリン環、イミダゾール環、インドール環、オキサジアゾール環、オキサゾール環、オキサゾロピラジン環、オキサゾロピリジン環、オキサゾロピリダジル環、オキサゾロピリミジン環、キナゾリン環、キノキサリン環、キノリン環、シンノリン環、チアジアゾール環、チアゾール環、チアゾロピラジン環、チアゾロピリジン環、チアゾロピリダジン環、チアゾロピリミジン環、チオフェン環、トリアジン環、トリアゾール環、ナフチリジン環、ピラジン環、ピラゾール環、ピラノン環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピロール環、フェナントリジン環、フタラジン環、フラン環、ベンゾ[c]チオフェン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾオキサジアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾトリアジン環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾピラゾール環、ペンゾピラノン環等の炭素数2〜30の芳香複素環が挙げられる。
ここで、環含有基で置換された炭素数1〜18のアルキル基および炭素数2〜20の環状基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;シアノ基;メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基、アリル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等の炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基;ジメチルアミノ基等の炭素数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;ニトロ基;−OCF;−C(=O)−R;−C(=O)−O−R;−O−C(=O)−R等が挙げられる。そして、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素環基を表す。
なお、FxおよびFxは、上述した置換基から選ばれる複数の置換基を有していてもよい。FxおよびFxが複数の置換基を有する場合、置換基は同一でも相異なっていてもよい。
環含有基で置換された炭素数1〜18のアルキル基の炭素数1〜18のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などが挙げられる。
なお、環含有基が有する芳香族炭化水素環および/または芳香族複素環は、炭素数1〜18のアルキル基の炭素原子に直接結合していてもよいし、−S−、−O−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−S−、−S−C(=O)−、−NR11−C(=O)−、−C(=O)−NR11などの連結基を介して炭素数1〜18のアルキル基の炭素原子に結合していてもよい。ここで、R11は、水素原子、または、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基を表す。
即ち、上記環含有基は、置換されていてもよい芳香族炭化水素環基および/または置換されていてもよい芳香族複素環基であってもよいし、置換されていてもよい、連結基を有する芳香族炭化水素環よりなる基、および/または、置換されていてもよい、連結基を有する芳香族複素環よるなる基であってもよい。
ここで、上述した環含有基の具体例である芳香族炭化水素環基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ピレニル基、および、フルオレニル基等が挙げられる。
また、上述した環含有基の具体例である芳香族複素環基としては、フタルイミド基、1−ベンゾフラニル基、2−ベンゾフラニル基、アクリジニル基、イソキノリニル基、イミダゾリル基、インドリニル基、フラザニル基、オキサゾリル基、オキサゾロピラジニル基、オキサゾロピリジニル基、オキサゾロピリダジニル基、オキサゾロピリミジニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、キノリル基、シンノリニル基、チアジアゾリル基、チアゾリル基、チアゾロピラジニル基、チアゾロピリジル基、チアゾロピリダジニル基、チアゾロピリミジニル基、チエニル基、トリアジニル基、トリアゾリル基、ナフチリジニル基、ピラジニル基、ピラゾリル基、ピラノンニル基、ピラニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピロリル基、フェナントリジニル基、フタラジニル基、フラニル基、ベンゾ[c]チエニル基、ベンゾイソオキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾトリアジニル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾピラゾリル基、ペンゾピラノンニル基等が挙げられる。
更に、環含有基の具体例である、連結基を有する芳香族炭化水素環よりなる基および/または連結基を有する芳香族複素環よりなる基としては、フェニルチオ基、ナフチルチオ基、アントラセニルチオ基、フェナントレニルチオ基、ピレニルチオ基、フルオレニルチオ基、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、アントラセニルオキシ基、フェナントレニルオキシ基、ピレニルオキシ基、フルオレニルオキシ基、ベンゾイソオキサゾリルチオ基、ベンゾイソチアゾリルチオ基、ベンゾオキサジアゾリルチオ基、ベンゾオキサゾリルチオ基、ベンゾチアジアゾリルチオ基、ベンゾチアゾリルチオ基、ベンゾチエニルチオ基、ベンゾイソオキサゾリルオキシ基、ベンゾイソチアゾリルオキシ基、ベンゾオキサジアゾリルオキシ基、ベンゾオキサゾリルオキシ基、ベンゾチアジアゾリルオキシ基、ベンゾチアゾリルオキシ基、ベンゾチエニルオキシ基等が挙げられる。
そして、環含有基の「芳香族炭化水素環基」が有し得る置換基、環含有基の「芳香族複素環基」が有し得る置換基、並びに、環含有基の「連結基を有する芳香族炭化水素環よりなる基」および「連結基を有する芳香族複素環よりなる基」が有し得る置換基は、上記FxおよびFxの環含有基で置換された炭素数1〜18のアルキル基および炭素数2〜20の環状基が有し得る置換基と同じものが挙げられる。
「少なくとも一つの水素原子が芳香族炭化水素環および芳香族複素環の少なくとも一方を有する環含有基で置換された炭素数1〜18のアルキル基」の好ましい具体例としては、下記式(1−1)〜(1−10)で表される構造が挙げられる。但し、本発明は以下に示すものに限定されるものではない。なお、下記式中、「*」は、Yとの結合手を表す。なお、下記式(1−1)〜(1−10)で表される基は、上述した置換基を有していてもよい。
Figure 2019056069
また、「芳香族炭化水素環および芳香族複素環の少なくとも一方を有する炭素数2〜20の環状基」としては、
1)少なくとも一つの炭素数6〜18の芳香族炭化水素環を有する炭素数6〜20の炭化水素環基、
2)炭素数6〜18の芳香族炭化水素環および炭素数2〜18の芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する炭素数2〜20の複素環基、
が挙げられる。これらの基は、上述した置換基を有していてもよい。
なお、本発明において、「芳香環」とは、Huckel則に従う広義の芳香族性を有する環状構造、すなわち、π電子を(4n+2)個有する環状共役構造、および、チオフェン、フラン、ベンゾチアゾール等に代表される、硫黄、酸素、窒素等のヘテロ原子の孤立電子対がπ電子系に関与して芳香族性を示す環状構造を意味する。
上記1)の炭化水素環基としては、例えば、炭素数6〜18の芳香族炭化水素環基(フェニル基(炭素数6)、ナフチル基(炭素数10)、アントラセニル基(炭素数14)、フェナントレニル基(炭素数14)、ピレニル基(炭素数16)、フルオレニル基(炭素数13)等)、インダニル基(炭素数9)、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル基(炭素数10)、1,4−ジヒドロナフチル基(炭素数10)などが挙げられる。
1)の炭化水素環基の具体例としては、下記式(2−1)〜(2−21)で表される構造が挙げられる。下記式(2−1)〜(2−21)で表される基は、上述した置換基を有していてもよい。
Figure 2019056069
上記2)の複素環基の例としては、例えば、炭素数2〜18の芳香族複素環基(フタルイミド基、1−ベンゾフラニル基、2−ベンゾフラニル基、アクリジニル基、イソキノリニル基、イミダゾリル基、インドリニル基、フラザニル基、オキサゾリル基、オキサゾロピラジニル基、オキサゾロピリジニル基、オキサゾロピリダジニル基、オキサゾロピリミジニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、キノリル基、シンノリニル基、チアジアゾリル基、チアゾリル基、チアゾロピラジニル基、チアゾロピリジニル基、チアゾロピリダジニル基、チアゾロピリミジニル基、チエニル基、トリアジニル基、トリアゾリル基、ナフチリジニル基、ピラジニル基、ピラゾリル基、ピラノンニル基、ピラニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピロリル基、フェナントリジニル基、フタラジニル基、フラニル基、ベンゾ[c]チエニル基、ベンゾイソオキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾトリアジニル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾピラゾリル基、ペンゾピラノンニル基等)、キサンテニル基、2,3−ジヒドロインドーリル基、9,10−ジヒドロアクリジニル基、1,2,3,4−テトラヒドロキノリル基、ジヒドロピラニル基、テトラヒドロピラニル基、ジヒドロフラニル基、および、テトラヒドロフラニル基などが挙げられる。
2)の複素環基の具体例としては、下記式(3−1)〜(3−51)で表される構造等が挙げられる。下記式(3−1)〜(3−51)で表される基は、上述した置換基を有していてもよい。
Figure 2019056069
〔各式中、Xは、−CH−、−NR−、酸素原子、硫黄原子、−SO−または−SO−を表し、
YおよびZは、それぞれ独立して、−NR−、酸素原子、硫黄原子、−SO−または−SO−を表し、
Eは、−NR−、酸素原子または硫黄原子を表す。
ここで、Rは、水素原子、または、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基を表す。(但し、各式中において酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO−は、それぞれ隣接しないものとする。)〕
なお、Fx中の環構造に含まれるπ電子の総数は、8以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、20以下であることが好ましく、18以下であることがより好ましい。
また、Fx中の環構造に含まれるπ電子の総数は、4以上であることが好ましく、6以上であることがより好ましく、20以下であることが好ましく、18以下であることがより好ましい。
そして、Fxは、下記式(i−1)〜(i−9)のいずれかであることが好ましく、Fxは、下記(i−1)〜(i−11)のいずれかであることが好ましい。なお、下記式(i−1)〜(i−11)で表される基は、上述した置換基を有していてもよい。
Figure 2019056069
〔式中、Yは、上記と同じ意味を表す。〕
更に、式(III)および(IV)中、Qは、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。ここで、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基の炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基およびイソプロピル基等が挙げられ、置換基としては、フェニル基およびナフタレン基等の、炭素数6〜12の芳香族炭化水素環基が挙げられる。中でも、Qとしては、水素原子、無置換の炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基がより好ましい。
また、式(III)および(IV)中、R〜RIVは、ぞれぞれ独立して、水素原子;フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基;シアノ基;ニトロ基;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等の炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;−OCF;−C(=O)−O−R;または、−O−C(=O)−Rを表す。また、Rは、前記と同じ意味を表し、その好適例も前記と同じである。
なお、R〜RIVは、すべて同一であっても、相異なっていてもよく、環を構成する少なくとも1つのC−R〜C−RIVは、窒素原子に置き換えられていてもよい。ここで、C−R〜C−RIVのうちの少なくとも1つが窒素原子に置き換えられた基の具体例を下記に示す。但し、C−R〜C−RIVのうちの少なくとも1つが窒素原子に置き換えられた基はこれらに限定されるものではない。
Figure 2019056069
更に、式(III)および(IV)中、Rは、塩素原子、フッ素原子などのハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基;シアノ基;ニトロ基;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等の炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;−OCF;−C(=O)−O−R;または−O−C(=O)−Rを表す。ここで、Rは、前記と同じ意味を表し、その好適例も前記と同じである。なお、Rが複数の場合は、複数のRは互いに同一でも異なっていてもよい。
なお、式(III)および(IV)中、pは0〜3の整数を表し、p1は0〜4の整数を表し、p2は0または1を表す。そして、p、p1およびp2は、いずれも0であることが好ましい。
また、式(III)および(IV)中、Y〜Y8は、それぞれ独立して、化学的な単結合、−O−、−O−CH−、−CH−O−、−O−CH−CH−、−CH−CH−O−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−S−、−S−C(=O)−、−NR13−C(=O)−、−C(=O)−NR13−、−CF−O−、−O−CF−、−CH−CH−、−CF−CF−、−O−CH−CH−O−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−、−CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH−、−CH−O−C(=O)−、−C(=O)−O−CH−、−CH−CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH−CH−、−CH−CH−O−C(=O)−、−C(=O)−O−CH−CH−、−CH=CH−、−N=CH−、−CH=N−、−N=C(CH)−、−C(CH)=N−、−N=N−、または、−C≡C−を表す。ここで、R13は、水素原子、または、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基を表す。
更に、式(III)および(IV)中、AおよびA並びにBおよびBは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい環状脂肪族基、または、置換基を有していてもよい芳香族基を表す。そして、AおよびA並びにBおよびBは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数5〜20の環状脂肪族基、または、置換基を有していてもよい炭素数2〜20の芳香族基であることが好ましい。
ここで、AおよびA並びにBおよびBの環状脂肪族基の具体例としては、シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロヘプタン−1,4−ジイル基、シクロオクタン−1,5−ジイル基等の炭素数5〜20のシクロアルカンジイル基;デカヒドロナフタレン−1,5−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基等の炭素数5〜20のビシクロアルカンジイル基等が挙げられる。中でも、AおよびA並びにBおよびBの環状脂肪族基としては、シクロヘキサン−1,4−ジイル基が好ましい。環状脂肪族基は、トランス体であっても、シス体であっても、或いは、シス体とトランス体との混合物であってもよいが、トランス体であることが好ましい。
また、AおよびA並びにBおよびBの芳香族基の具体例としては、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基、4,4’−ビフェニレン基等の炭素数6〜20の芳香族炭化水素環基;フラン−2,5−ジイル基、チオフェン−2,5−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基等の炭素数2〜20の芳香族複素環基;等が挙げられる。中でも、AおよびA並びにBおよびBの芳香族基としては、1,4−フェニレン基、2,6−ナフチレン基が好ましく、1,4−フェニレン基がより好ましい。
およびA並びにBおよびBの環状脂肪族基および芳香族基の置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基;ニトロ基;シアノ基等が挙げられる。前記環状脂肪族基および芳香族基は、上述した置換基から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。なお、前記環状脂肪族基および芳香族基が置換基を複数有する場合は、各置換基は同一でも相異なっていてもよい。
そして、nおよびmが1の場合、AおよびA並びにBおよびBの組み合わせとしては、AおよびAが環状脂肪族基であり、BおよびBが芳香族基である組み合わせが好ましく、AおよびAがシクロヘキサン−1,4−ジイル基であり、BおよびBが1,4−フェニレン基である組み合わせがより好ましく、AおよびAがトランス(シクロヘキサン−1,4−ジイル)基であり、BおよびBが1,4−フェニレン基である組み合わせが特に好ましい。
また、式(III)および(IV)中、GおよびGは、それぞれ独立して、炭素数1〜30の2価の脂肪族炭化水素基、および、炭素数3〜30の2価の脂肪族炭化水素基に含まれる−CH−の少なくとも一つが、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR14−C(=O)−、−C(=O)−NR14−、−NR14−、または、−C(=O)−に置換された基のいずれかの有機基を表す。但し、−O−または−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除くものとする。ここで、R14は、水素原子、または、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基を表す。
およびGが、それぞれ独立して、炭素数が3以上の場合、GおよびGの両末端は−CH−であること(GおよびGの両末端が置換されていないこと)が好ましい。
また、「炭素数3〜30の2価の脂肪族炭化水素基に含まれる−CH−の少なくとも一つが、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR14−C(=O)−、−C(=O)−NR14−、−NR14−、または、−C(=O)−に置換された基」において、−O−および−S−は、脂肪族炭化水素基中の連続した−CH−を置換しない(すなわち、−O−O−および−S−S−の構造を形成しない)ことが好ましく(つまり、−O−または−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除くことが好ましく)、−C(=O)−は、脂肪族炭化水素基中の連続した−CH−を置換しない(すなわち、−C(=O)−C(=O)−の構造を形成しない)ことが好ましい。なお、R14は、前記と同じである。
およびGは、それぞれ独立して、(i)「炭素数1〜18の2価の脂肪族炭化水素基、および、炭素数3〜18の2価の脂肪族炭化水素基に含まれる−CH−の少なくとも一つが、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR14−C(=O)−、−C(=O)−NR14−、−NR14−、または、−C(=O)−(好ましくは、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、または、−C(=O)−)に置換された基のいずれかの有機基であること」が好ましく、
(ii)「置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルキレン基であること」がより好ましい。なお、R14は、前記と同じである。
およびGの前記有機基に含まれる水素原子は、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜5のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基;シアノ基;または、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子に置換されていてもよい。
また、GおよびGの炭素数1〜18のアルキレン基の置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜5のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基;シアノ基;または、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子が挙げられる。
更に、式(III)および(IV)中、PおよびPは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数2〜10のアルケニル基を表す。
ここで、PおよびPの炭素数2〜10のアルケニル基が有し得る置換基としては、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子、または、メチル基、エチル基などのアルキル基が挙げられる。これらの置換基の中でも、塩素原子またはメチル基が好ましい。
また、置換基を有していてもよい炭素数2〜10のアルケニル基の炭素数2〜10のアルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基等が挙げられる。中でも、ビニル基が好ましい。
そして、式(III)および(IV)中、nおよびmは、それぞれ独立して、0または1であり、1がより好ましい。
なお、nおよびmの両方が1である場合、前述した式(III)および(IV)中のBおよびBは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい環状脂肪族基であることが好ましく、置換基を有していてもよい炭素数5〜20の環状脂肪族基であることがより好ましい。
なお、上述した重合性液晶化合物は、既知の合成反応を組み合わせて合成することができる。即ち、様々な文献(例えば、国際公開第2014/10325号、国際公開第2012/147904号、特開2010−31223号公報、特開2008−273925号公報、特開2009−179563号公報)等に記載の方法を参照して合成できる。
また、固形分換算で、重合性液晶材料中に占める重合性液晶化合物の割合は、通常、70質量%以上100質量%未満であり、例えば80質量%以上99質量%以下とすることができる。
(1−2)塩
式(I)で示される塩は、R〜Rが全て水素原子であるアンモニウム塩、R〜Rの少なくとも一つが炭素数1以上7以下のアルキル基であるアルキルアミン塩、または、それらの混合物である。
ここで、R〜Rの炭素数1以上7以下のアルキル基としては、−CHまたは−(CHCH(但し、nは1以上6以下の整数)が好ましく、メチル基(−CH)またはエチル基(−CHCH)がより好ましい。
また、式(I)のXは、F、Br、Cl、I、HSO 、1/2(HPO 2−)、HPO 、R−C(=O)−O、1/2(O−(C=O)−R’−(C=O)−O)またはR−SO である。そして、Rは、水素原子または1価の炭化水素基を表し、R’は、単結合または2価の炭化水素基を表す。
そして、式(I)のRの1価の炭化水素基としては、特に限定されることなく、例えば、メチル基、フェニル基、ベンジル基、オルトトリル基、メタトリル基、パラトリル基が挙げられる。中でも、Rの1価の炭化水素基は、メチル基、フェニル基またはパラトリル基であることが好ましい。
また、式(I)のR’の2価の炭化水素基としては、特に限定されることなく、例えば、メチレン基、オルトフェニレン基、メタフェニレン基、パラフェニレン基が挙げられる。中でも、R’の2価の炭化水素基は、メチレン基またはパラフェニレン基であることが好ましい。
そして、Xは、F、BrまたはClであることが好ましく、BrまたはClであることがより好ましい。
上述した中でも、式(I)で示される塩は、塩化アンモニウム、メチルアミン塩酸塩、エチルアミン塩酸塩、ジメチルアミン塩酸塩、ジエチルアミン塩酸塩、トリメチルアミン塩酸塩、トリエチルアミン塩酸塩、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、または、それらの混合物であることが好ましい。
なお、ゲル化を十分に抑制する観点からは、重合性液晶化合物100質量部当たりの式(I)で示される塩の含有量は、0質量部以上0.01質量部未満であれば特に限定はされないが、0.008質量部以下であることが好ましく、0.003質量部以下であることがより好ましく、ICS−1500(DIONEX社製イオンクロマトグラフ)の定量下限値未満であることが更に好ましい。
ここで、式(I)で示される塩は、重合性液晶化合物を調製する際に使用する塩基などに起因して重合性液晶材料中に混入し得る。そのため、重合性液晶材料中における式(I)で示される塩の含有量は、特に限定されることなく、例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いた重合性液晶化合物の精製などの既知の精製方法を用いて調整することができる。
なお、精製等の操作の負担を軽減する観点からは、重合性液晶材料には式(I)で示される塩が上記範囲内で含まれていてもよく、例えば、重合性液晶化合物100質量部当たりの式(I)で示される塩の含有量は、0.003質量部以上であってもよい。
(1−3)窒素含有化合物
式(II)で示される窒素含有化合物は、R〜Rが全て水素原子であるアンモニア、Rが炭素数1以上7以下のアルキル基である第1級アルキルアミン、または、それらの混合物である。
なお、本発明の重合性液晶材料には、第2級アルキルアミン、第3級アルキルアミン等が含まれていてもよい。そして、重合性液晶材料中の第2級アルキルアミンおよび第3級アルキルアミンの合計含有量は、特に制限はないが、通常、重合性液晶化合物100質量部当たり10質量部以下である。
ここで、Rの炭素数1以上7以下のアルキル基としては、−CHまたは−(CHCH(但し、nは1以上6以下の整数)が好ましく、メチル基(−CH)またはエチル基(−CHCH)がより好ましい。
上述した中でも、式(II)で示される窒素含有化合物は、第1級アルキルアミンであることが好ましく、メチルアミンまたはエチルアミンであることがより好ましい。
なお、ゲル化を十分に抑制する観点からは、重合性液晶化合物100質量部当たりの式(II)で示される窒素含有化合物の含有量は、0質量部以上0.01質量部以下であれば特に限定はされない。
ここで、式(II)で示される窒素含有化合物は、重合性液晶化合物を調製する際に使用する塩基などに起因して重合性液晶材料中に混入し得る。そのため、重合性液晶材料中における式(II)で示される窒素含有化合物の含有量は、特に限定されることなく、例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いた重合性液晶化合物の精製などの既知の精製方法を用いて調整することができる。
なお、精製等の操作の負担を軽減する観点からは、重合性液晶材料には式(II)で示される窒素含有化合物が上記範囲内で含まれていてもよく、例えば、重合性液晶化合物100質量部当たりの式(II)で示される窒素含有化合物の含有量は、0.003質量部以上であってもよい。
(1−4)その他の不純物
重合性液晶材料は、上記式(I)で示される塩および式(II)で表される窒素含有化合物以外に、その他の不純物を含んでいてもよい。
(2)重合性液晶組成物
本発明の重合性液晶組成物は、重合性液晶材料と、有機溶媒とを含有し、任意に、界面活性剤および重合開始剤の少なくとも一方を更に含有する。また、重合性液晶組成物は、上述した成分以外の成分を更に含んでいてもよい。
なお、上記重合性液晶組成物は、後述するように、本発明の高分子、光学フィルム、光学異方体の製造原料として有用である。そして、本発明の重合性液晶組成物は、上述した重合性液晶材料を用いているので、ゲル化時間が長く、貯蔵性に優れている。
(2−1)重合性液晶材料
重合性液晶材料としては、上述した重合性液晶化合物を含む上記重合性液晶材料を用いることができる。
(2−2)有機溶媒
有機溶媒としては、特に限定されることなく、例えば、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸ブチル、酢酸アミル等の酢酸エステル類;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン等のエーテル類;等が挙げられる。
(2−3)界面活性剤
また、上記重合性液晶組成物には、表面張力を調整するために、界面活性剤を配合するのが好ましい。当該界面活性剤としては、特に限定はないが、通常、ノニオン系界面活性剤が好ましい。当該ノニオン系界面活性剤としては、市販品を用いればよく、例えば、含フッ素基、親水性基、および親油性基含有オリゴマーであるノニオン系界面活性剤、例えば、AGCセイミケミカル社製のサーフロンシリーズ(S242、S243、S386、S420、S611、S651など)、DIC社製のメガファックシリーズ(F251、F554、F556、F562、RS−75、RS−76−Eなど)、ネオス社製のフタージェントシリーズ(FTX601AD、FTX602A、FTX601ADH2、FTX650Aなど)等が挙げられる。また、これらの界面活性剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
ここで、上記重合性液晶組成物において、界面活性剤の配合割合は、重合性液晶組成物に含まれる重合性液晶化合物100質量部に対し、通常、0.01〜10質量部、好ましくは0.01〜2質量部である。
(2−4)重合開始剤
重合開始剤は、重合性液晶組成物に含まれている重合性液晶化合物の重合反応をより効率的に行う観点から配合される。
そして、用いる重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤、アニオン重合開始剤、カチオン重合開始剤等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤としては、加熱することにより、重合性液晶化合物の重合を開始し得る活性種が発生する化合物である熱ラジカル発生剤;や、可視光線、紫外線(i線など)、遠紫外線、電子線、X線等の露光光の露光により、重合性液晶化合物の重合を開始しえる活性種が発生する化合物である光ラジカル発生剤;のいずれも使用可能であるが、光ラジカル発生剤を使用するのが好適である。
光ラジカル発生剤としては、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、O−アシルオキシム系化合物、オニウム塩系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、キサントン系化合物、ジアゾ系化合物、イミドスルホナート系化合物等を挙げることができる。これらの化合物は、露光によって活性ラジカルまたは活性酸、あるいは活性ラジカルと活性酸の両方を発生する成分である。光ラジカル発生剤は、一種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
アセトフェノン系化合物の具体例としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシル・フェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1,2−オクタンジオン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4’−モルフォリノブチロフェノン等を挙げることができる。
ビイミダゾール系化合物の具体例としては、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等を挙げることができる。
なお、本発明においては、光重合開始剤(光ラジカル発生剤)としてビイミダゾール系化合物を用いる場合、水素供与体を併用することが、感度をさらに改良することができる点で好ましい。
ここで、「水素供与体」とは、露光によりビイミダゾール系化合物から発生したラジカルに対して、水素原子を供与することができる化合物を意味する。水素供与体としては、下記で定義するメルカプタン系化合物、アミン系化合物等が好ましい。
メルカプタン系化合物の具体例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−2,5−ジメチルアミノピリジン等を挙げることができる。アミン系化合物としては、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノベンゾニトリル等を挙げることができる。
トリアジン系化合物の具体例としては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−n−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル基を有するトリアジン系化合物を挙げることができる。
O−アシルオキシム系化合物の具体例としては、1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−ヘプタン−1,2−ジオン2−(O−ベンゾイルオキシム)、1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−オクタン−1,2−ジオン2−(O−ベンゾイルオキシム)、1−〔4−(ベンゾイル)フェニル〕−オクタン−1,2−ジオン2−(O−ベンゾイルオキシム)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−エタノン1−(O−アセチルオキシム)、1−[9−エチル−6−(3−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−エタノン1−(O−アセチルオキシム)、1−(9−エチル−6−ベンゾイル−9H−カルバゾール−3−イル)−エタノン1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロピラニルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロフラニルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロピラニルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)ベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロピラニルメトキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロピラニルメトキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)等を挙げることができる。
また、光ラジカル発生剤として、市販品をそのまま用いることもできる。具体例としては、BASF社製の、商品名:Irgacure907、商品名:Irgacure184、商品名:Irgacure369、商品名:Irgacure651、商品名:Irgacure819、商品名:Irgacure907、および、商品名:IrgacureOXE02、商品名:IrgacureOXE04、並びに、ADEKA社製の、商品名:アデカアークルズN1919T等が挙げられる。
前記アニオン重合開始剤としては、アルキルリチウム化合物;ビフェニル、ナフタレン、ピレン等の、モノリチウム塩またはモノナトリウム塩;ジリチウム塩やトリリチウム塩等の多官能性開始剤;等が挙げられる。
また、前記カチオン重合開始剤としては、硫酸、リン酸、過塩素酸、トリフルオロメタンスルホン酸等のプロトン酸;三フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、四塩化チタン、四塩化スズのようなルイス酸;芳香族オニウム塩または芳香族オニウム塩と、還元剤との併用系;が挙げられる。
これらの重合開始剤は一種単独で、または二種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、上記重合性液晶組成物において、重合開始剤の配合割合は、重合性液晶組成物に含まれる重合性液晶化合物100質量部に対し、通常、0.1〜30質量部、好ましくは0.5〜10質量部である。
(2−5)その他の成分
更に、上記重合性液晶組成物には、重合性液晶化合物、有機溶媒、重合開始剤、界面活性剤の他、本発明の効果に影響が出ない範囲で、他の成分が更に含まれていてもよい。他の成分としては、金属、金属錯体、染料、顔料、蛍光材料、燐光材料、レベリング剤、チキソ剤、ゲル化剤、多糖類、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗酸化剤、イオン交換樹脂、酸化チタン等の金属酸化物等が挙げられる。
また、他の成分としては、他の共重合可能な単量体も挙げられる。具体的には、特に限定されるものではなく、例えば、4−(2−メタクリロイルオキシエチルオキシ)安息香酸−4’−メトキシフェニル、4−(6−メタクリロイルオキシヘキシルオキシ)安息香酸ビフェニル、4−(2−アクリロイルオキシエチルオキシ)安息香酸−4’−シアノビフェニル、4−(2−メタクリロリルオキシエチルオキシ)安息香酸−4’−シアノビフェニル、4−(2−メタクリロリルオキシエチルオキシ)安息香酸−3’,4’−ジフルオロフェニル、4−(2−メタクリロイルオキシエチルオキシ)安息香酸ナフチル、4−アクリロイルオキシ−4’−デシルビフェニル、4−アクリロイルオキシ−4’−シアノビフェニル、4−(2−アクリロイルオキシエチルオキシ)−4’−シアノビフェニル、4−(2−メタクリロイルオキシエチルオキシ)−4’−メトキシビフェニル、4−(2−メタクリロイルオキシエチルオキシ)−4’−(4”−フルオロベンジルオキシ)−ビフェニル、4−アクリロイルオキシ−4’−プロピルシクロヘキシルフェニル、4−メタクリロイル−4’−ブチルビシクロヘキシル、4−アクリロイル−4’−アミルトラン、4−アクリロイル−4’−(3,4−ジフルオロフェニル)ビシクロヘキシル、4−(2−アクリロイルオキシエチル)安息香酸(4−アミルフェニル)、4−(2−アクリロイルオキシエチル)安息香酸(4−(4’−プロピルシクロヘキシル)フェニル)、商品名「LC−242」(BASF社製)、トランス−1,4−ビス[4−[6−(アクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ]フェニル]シクロヘキサンジカルボキシレート、並びに、特開2007−002208号公報、特開2009−173893号公報、特開2009−274984号公報、特開2010−030979号公報、特開2010−031223号公報、特開2011−006360号公報、特開2010−24438号公報、国際公開第2012/141245号、国際公開第2012/147904号、国際公開第2012/169424号、国際公開第2012/76679号、国際公開第2013/180217号、国際公開第2014/010325号、国際公開第2014/061709号、国際公開第2014/065176号、国際公開第2014/126113号、国際公開第2015/025793号、国際公開第2015/064698号、国際公開第2015/122384号および国際公開第2015/122385号に開示されている化合物等の共重合可能な単量体が挙げられる。
これらの他の成分の配合割合は、重合性液晶組成物に含まれる重合性液晶化合物100質量部に対し、通常、0.005〜50質量部である。
(2−6)式(I)で示される塩および式(II)で表される窒素含有化合物
なお、ゲル化を十分に抑制する観点からは、重合性液晶組成物中に含まれている式(I)で示される塩の量は、重合性液晶化合物100質量部当たり、0質量部以上0.01質量部未満であることが好ましく、0.008質量部以下であることがより好ましく、0.003質量部以下であることが更に好ましく、ICS−1500(DIONEX社製イオンクロマトグラフ)の定量下限値未満であることが特に好ましい。
また、ゲル化を十分に抑制する観点からは、重合性液晶組成物中に含まれている式(II)で示される窒素含有化合物の量は、重合性液晶化合物100質量部当たり、0質量部以上0.01質量部以下であることが好ましい。
即ち、重合性液晶化合物および有機溶媒を含み、任意に界面活性剤、重合開始剤およびその他の成分の少なくとも一つを更に含有する本発明の重合性液晶組成物は、重合性液晶化合物100質量部当たりの式(I)で示される塩の含有量が0.01質量部未満であり、且つ、重合性液晶化合物100質量部当たりの式(II)で示される窒素含有化合物の含有量が0.01質量部以下であることが好ましい。
(2−7)重合性液晶組成物の製造方法
上記重合性液晶組成物は、通常、重合性液晶材料と、所望により配合される重合開始剤、界面活性剤およびその他の成分等との所定量を、適当な有機溶媒に混合・溶解させることにより、調製することができる。
なお、ゲル化時間の長い重合性液晶組成物を確実に得る観点からは、重合性液晶組成物を調製する際には、上述した重合性液晶材料と有機溶媒とを混合する工程(第二工程)の前に、重合性液晶材料中の式(I)で示される塩の量および式(II)で示される窒素含有化合物の量を確認する工程(第一工程)を実施することが好ましい。即ち、重合性液晶組成物を調製する際には、上述した重合性液晶化合物100質量部当たりの式(I)で示される塩の含有量が0.01質量部未満、好ましくは0.008質量部以下、より好ましくは0.003質量部以下、更に好ましくはICS−1500(DIONEX社製イオンクロマトグラフ)の定量下限値未満であり、且つ、上述した重合性液晶化合物100質量部当たりの式(II)で示される窒素含有化合物の含有量が0.01質量部以下であることを確認した後に、重合性液晶材料と有機溶媒とを混合することが好ましい。
なお、第一工程において式(I)で示される塩の量および式(II)で示される窒素含有化合物の量を確認した結果、上述した重合性液晶化合物100質量部当たりの式(I)で示される塩の含有量が0.01質量部以上、および/または、上述した重合性液晶化合物100質量部当たりの式(II)で示される窒素含有化合物の含有量が0.01質量部超であった場合には、重合性液晶材料は、式(I)で示される塩の量および式(II)で示される窒素含有化合物の量が上記範囲内となるように精製した後に有機溶媒と混合してもよい。
ここで、式(I)で示される塩の量および式(II)で示される窒素含有化合物の量の確認は、特に限定されることなく、例えば元素分析装置、核磁気共鳴(NMR)装置またはイオンクロマトグラフなどの分析装置を用いて式(I)で示される塩の量および式(II)で示される窒素含有化合物の量を定量することにより行うことができる。
なお、式(I)で示される塩の量および式(II)で示される窒素含有化合物の量の確認は、重合性液晶材料の調製条件と、当該調製条件で重合性液晶材料を調製した際に調製される重合性液晶材料中に含まれる式(I)で示される塩の量および式(II)で示される窒素含有化合物の量との関係を予備実験等により予め求めておき、当該関係と実際に採用した重合性液晶材料の調製条件とに基づいて行ってもよい。
(3)高分子
本発明の高分子は、上述した重合性液晶材料または上述した重合性液晶組成物を重合して得られるものである。
ここで、「重合」とは、通常の重合反応のほか、架橋反応を含む広い意味での化学反応を意味するものとする。
そして、本発明の高分子は、通常、重合性液晶化合物に由来する単量体単位を有している。
なお、本発明の高分子は、光学フィルム等の構成材料として良好に用いることができる。
また、本発明の高分子は、特に限定されることなく、フィルム状、粉体状、粉体が集合した層状などの用途に応じた任意の形状にして使用することができる。
具体的には、高分子のフィルムは、後述する光学フィルムおよび光学異方体の構成材料として良好に用いることができ、高分子の粉は、塗料、偽造防止物品、セキュリティ物品等に利用することができ、高分子の粉よりなる層は、光学異方体の構成材料として良好に用いることができる。
そして、本発明の高分子は、具体的には、(α)適当な有機溶媒の存在下、上述した重合性液晶材料、または、上述した重合性液晶組成物の重合反応を行った後、目的とする高分子を単離し、得られる高分子を適当な有機溶媒に溶解して溶液を調製し、この溶液を適当な基板上に塗工して得られた塗膜を乾燥後、所望により加熱することにより得る方法、(β)上述した重合性液晶組成物を、公知の塗工法により基板上に塗布した後、脱溶媒し、次いで加熱または活性エネルギー線を照射することにより重合反応を行う方法等により好適に製造することができる。なお、上述した重合性液晶材料を単独で重合してもよい。
なお、上述した方法により高分子を調製する際に用いる有機溶媒、基板、塗工法、乾燥法および重合条件としては、特に限定されることなく、例えば特許第6055569号公報に記載されているもの等、重合性液晶化合物を用いた高分子の製造の分野において用いられ得る任意の物、方法および条件を採用し得る。
そして、上述のようにして得られた高分子は、基板から転写して使用することも、基板から剥離して単体で使用することも、基板から剥離せずにそのまま光学フィルム等の構成材料等として使用することもできる。
また、基板から剥離した高分子は、既知の方法で粉砕して粉体状にしてから使用することもできる。
以上のようにして得られる本発明の高分子の数平均分子量は、好ましくは500〜500,000、更に好ましくは5,000〜300,000である。該数平均分子量がかかる範囲にあれば、高い硬度が得られ、取り扱い性にも優れるため望ましい。高分子の数平均分子量は、単分散のポリスチレンを標準試料とし、テトラヒドロフランを溶離液としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
(4)光学フィルム
本発明の光学フィルムは、本発明の高分子および/または重合性液晶材料を用いて形成され、光学的な機能を有する層を含む。光学的な機能とは、単なる透過、反射、屈折、複屈折などを意味する。そして、本発明の光学フィルムは、本発明の高分子を光学的な機能を有する層の主たる構成材料とする光学フィルムであるか、或いは、光学的な機能を有する層が本発明の重合性液晶材料を含有する光学フィルムでありうる。好ましくは、本発明の高分子を構成材料とする光学フィルムは、光学的な機能を有する層の全構成成分を100質量%とした場合に本発明の高分子の占有割合が50質量%超である。また、好ましくは、本発明の重合性液晶材料を含む光学フィルムは、光学的な機能を有する層の全構成成分を100質量%とした場合に、本発明の重合性液晶材料を0.01質量%以上含有する。
ここで、本発明の光学フィルムは、配向膜を有していてもよい配向基板上に形成されたままの形態(配向基板/(配向膜)/光学フィルム)、配向基板とは異なる透明基板フィルム等に光学フィルムを転写した形態(透明基板フィルム/光学フィルム)、または、光学フィルムに自己支持性がある場合には光学フィルム単層形態(光学フィルム)のいずれの形態であってもよい。
なお、配向膜および配向基板としては、後述する光学異方体と同じ基板および配向膜を用いることができる。
そして、本発明の光学フィルムは、(A)本発明の重合性液晶組成物を配向基板上に塗布し、得られた塗膜を乾燥し、熱処理(液晶の配向)、並びに、光照射および/または加熱処理(重合)を行う方法や、(B)本発明の重合性液晶材料、または重合性液晶組成物を重合して得られる液晶性高分子の溶液を配向基板上に塗布し、任意に得られた塗膜を乾燥する方法や、(C)本発明の重合性液晶材料および樹脂を含む溶液を配向基板上に塗布し、得られた塗膜を乾燥する方法により製造することができる。
本発明の光学フィルムは、光学異方体、液晶表示素子用配向膜、カラーフィルター、ローパスフィルター、光偏光プリズム、各種光フィルター等に用いることができる。
なお、本発明の光学フィルムは、Mueller Matrix Polarimeter Axoscanで測定した波長400nm〜800nmにおける位相差から求められる、下記α値およびβ値が所定の範囲内にあることが好ましい。具体的には、α値は、0.70〜0.99であることが好ましく、0.75〜0.90であることがより好ましい。また、β値は、1.00〜1.20であることが好ましく、1.01〜1.20であることがより好ましい。
α=(450nmにおける位相差)/(550nmにおける位相差)
β=(650nmにおける位相差)/(550nmにおける位相差)
(5)光学異方体
本発明の光学異方体は、本発明の高分子を構成材料とする層を有する。
本発明の光学異方体は、例えば、基板上に配向膜を形成し、該配向膜上に、さらに、本発明の高分子からなる層(液晶層)を形成することによって、得ることができる。なお、本発明の光学異方体は、基板上に本発明の高分子からなる層(液晶層)を直接形成したものであってもよいし、本発明の高分子からなる層(液晶層)のみからなるものであってもよい。
なお、高分子からなる層は、フィルム状の高分子からなるものであってもよいし、粉体状の高分子の集合体であってもよい。
ここで、配向膜は、重合性液晶化合物を面内で一方向に配向規制するために基板の表面に形成される。
配向膜は、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のポリマーを含有する溶液(配向膜用組成物)を基板上に膜状に塗布し、乾燥させ、そして一方向にラビング処理等することで、得ることができる。また、ラビング処理する方法以外に、配向膜の表面に偏光紫外線を照射する方法によっても、面内で一方向に配向規制する機能を持たせることができる。
配向膜を形成する基板としては、ガラス基板、合成樹脂フィルムからなる基板等が挙げられる。前記合成樹脂としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、および、脂環式オレフィンポリマーなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。
脂環式オレフィンポリマーとしては、特開平05−310845号公報、米国特許第5179171号明細書に記載されている環状オレフィンランダム多元共重合体、特開平05−97978号公報、米国特許第5202388号明細書に記載されている水素添加重合体、特開平11−124429号公報(国際公開99/20676号)に記載されている熱可塑性ジシクロペンタジエン系開環重合体およびその水素添加物等が挙げられる。
本発明において、配向膜上に本発明の高分子からなる液晶層を形成する方法としては、前記本発明の高分子の項で記載したのと同じ方法(前記(α)および(β))が挙げられる。
得られる液晶層の厚みは、特に制限はないが、通常1〜10μmである。
なお、本発明の光学異方体の一種としては、特に限定されることなく、位相差板、視野角拡大板等が挙げられる。
なお、本発明の光学異方体は、Mueller Matrix Polarimeter Axoscanで測定した波長400nm〜800nmにおける位相差から求められる。下記α値およびβ値が所定の範囲内にあることが好ましい。具体的には、α値は、0.70〜0.99であることが好ましく、0.75〜0.90であることがより好ましい。また、β値は、1.00〜1.20であることが好ましく、1.01〜1.20であることがより好ましい。
α=(450nmにおける位相差)/(550nmにおける位相差)
β=(650nmにおける位相差)/(550nmにおける位相差)
(6)偏光板
本発明の偏光板は、本発明の光学異方体および偏光フィルムを含むものである。
本発明の偏光板の具体例としては、偏光フィルム上に、直接またはその他の層(ガラス板等)を介して、本発明の光学異方体が積層されてなるものが挙げられる。
本発明の偏光板においては、偏光フィルムと本発明の光学異方体とが、接着剤(粘着剤を含む)からなる接着層を介して接していてもよい。接着層の平均厚みは、通常0.01μm〜30μm、好ましくは0.1μm〜15μmである。前記接着層は、JIS K7113による引張破壊強度が40MPa以下となる層であることが好ましい。
なお、上述した偏光フィルムおよび接着剤としては、特に限定されることなく、例えば特許第6055569号公報に記載されているもの等、偏光板の分野において用いられ得る任意のものを採用し得る。
(7)表示装置
本発明の表示装置は、本発明の偏光板を備えるものである。
表示装置としては、液晶パネル、有機エレクトロルミネッセンスパネルなどのパネルを備える表示装置が挙げられる。具体的には、表示装置としては、偏光板と液晶パネルとを備えるフラットパネル表示装置、偏光板と有機エレクトロルミネッセンスパネルとを備える有機エレクトロルミネッセンス表示装置が挙げられる。
(8)反射防止フィルム
本発明の反射防止フィルムは、本発明の偏光板を含むものである。
反射防止フィルムは、特に限定されることなく、例えばフラットパネル表示装置の反射防止用などに用いることができる。
以下、本発明を、実施例によりさらに詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施例により何ら制限されるものではない。
なお、塩および窒素含有化合物の含有量の測定、並びに、重合性液晶組成物の経時安定性の評価は、それぞれ以下の方法を使用して測定および評価した。
<塩および窒素含有化合物の含有量の測定>
重合性液晶材料中の塩および窒素含有化合物の量はイオンクロマトグラフィーを用いて測定した。
具体的には、安定剤としてエタノール(1質量%)を含むクロロホルム10質量部に重合性液晶材料0.5質量部を溶解させた。そして、得られた溶液に超純水15質量部を添加し、2分間振とうした後、2時間静置した。静置後の溶液から水層のみをシリンジで採取し、試料溶液とした。
また、別途、測定対象の塩および窒素含有化合物について、濃度既知の標準液(濃度:1質量ppm、10質量ppm、100質量ppm、1000質量ppm)を用いて予め検量線を作成しておいた。
そして、イオンクロマトグラフィーを用いて以下の分析条件で試料溶液を分析し、塩および窒素含有化合物の含有量を測定した。
[分析条件]
装置:ICS−1500(DIONEX社製)
カラム:CS17+CG17
溶離液:6mMメタンスルホン酸
流速:1.2mL/分
カラム温度:40℃
検出器:電気伝導度検出器
<重合性液晶組成物の経時安定性の評価>
調製した重合性液晶組成物を温度45℃の環境下で保管し、目視にて異物(ゲル)の発生の有無を確認した。そして、以下の基準に従って経時安定性を評価した。異物が発生するまでの時間(ゲル化時間)が長い程、経時安定性に優れていることを示す。
○:240時間以上異物が発生しない
△:96時間以上240時間未満の時点で異物が発生
×:0時間以上96時間未満の時点で異物が発生
(実施例1および比較例1〜2)
重合性液晶化合物として下記の化合物aを準備した。
Figure 2019056069
また、式(I)で表される塩として、ジメチルアミン塩酸塩を準備した。
化合物aと表1に示す塩とを表1に示す割合で添加して重合性液晶材料を得た。そして、重合性液晶材料中の塩および窒素含有化合物の含有量を測定した。結果を表1に示す。
また、重合性液晶材料と、有機溶媒としてのシクロペンタノンおよび1,3−ジオキソランとを、化合物a100質量部に対する量がシクロペンタノン141.8質量部、1,3−ジオキソラン212.7質量部となるように混合して重合性液晶組成物を得た。そして、重合性液晶組成物の経時安定性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例2〜3および比較例3〜6)
重合性液晶化合物として、化合物aに替えて以下の化合物b、或いは、化合物cを使用し、式(I)で表される塩としてジメチルアミン塩酸塩を表1に示す割合で添加した以外は実施例1と同様にして、重合性液晶材料および重合性液晶組成物を調製した。そして、実施例1と同様にして測定および評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2019056069
Figure 2019056069
(実施例4〜15および比較例7〜24)
重合性液晶化合物として下記の化合物dを準備した。
Figure 2019056069
また、式(I)で表される塩として、塩化アンモニウム、メチルアミン塩酸塩、エチルアミン塩酸塩、ジメチルアミン塩酸塩、ジエチルアミン塩酸塩、トリメチルアミン塩酸塩、トリエチルアミン塩酸塩、塩化テトラメチルアンモニウムおよび塩化テトラエチルアンモニウムを準備した。
重合性液晶化合物として、化合物aに替えて化合物dを使用し、化合物dと表2に示す塩とを表2に示す割合で添加した以外は実施例1と同様にして、重合性液晶材料および重合性液晶組成物を調製した。そして、実施例1と同様にして測定および評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例16〜19および比較例25〜26)
式(I)で表される塩に替えて式(II)で表される窒素含有化合物としてメチルアミンまたはエチルアミンを表3に示す割合で添加した以外は実施例7と同様にして、重合性液晶材料および重合性液晶組成物を調製した。そして、実施例7と同様にして測定および評価を行った。結果を表3に示す。
(参考例1〜12)
式(I)で表される塩に替えて式(II)で表される窒素含有化合物としてジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミンまたはトリエチルアミンを表4に示す割合で添加した以外は実施例7と同様にして、重合性液晶材料および重合性液晶組成物を調製した。そして、実施例7と同様にして測定および評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 2019056069
Figure 2019056069
Figure 2019056069
Figure 2019056069
表1〜3より、実施例1〜19では、比較例1〜26と比較し、ゲル化を十分に抑制でき、ゲル化時間の長い重合性液晶組成物が得られることが分かる。
なお、表4の参考例1〜12より、第2級アルキルアミンまたは第3級アルキルアミンが含まれていてもゲル化の問題が起こらないことが分かる。
本発明によれば、ゲル化が起こり難い(即ち、ゲル化時間が長い)重合性液晶組成物および当該重合性液晶組成物を調製可能な重合性液晶材料を提供することができる。
また、本発明によれば、当該重合性液晶材料を重合してなる高分子、当該高分子を用いた光学フィルムおよび光学異方体、並びに、当該光学異方体を用いた偏光板、反射防止フィルムおよび表示装置を提供することができる。

Claims (10)

  1. 重合性液晶化合物を含む重合性液晶材料であって、
    下記式(I):
    Figure 2019056069
    〔式(I)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1以上7以下のアルキル基であり、Xは、F、Br、Cl、I、HSO 、1/2(HPO 2−)、HPO 、R−C(=O)−O、1/2(O−(C=O)−R’−(C=O)−O)またはR−SO であり、Rは、水素原子または1価の炭化水素基を表し、R’は、単結合または2価の炭化水素基を表す。〕
    で表される塩の含有量が、前記重合性液晶化合物100質量部当たり0.01質量部未満であり、且つ、
    下記式(II):
    Figure 2019056069
    〔式(II)中、Rは、水素原子または炭素数1以上7以下のアルキル基であり、RおよびRは、水素原子である。〕
    で表される窒素含有化合物の含有量が、前記重合性液晶化合物100質量部当たり0.01質量部以下であり、
    前記重合性液晶化合物が下記式(III)または(IV):
    Figure 2019056069
    Figure 2019056069
    〔式(III)および式(IV)中、
    は、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の2価の有機基であり、
    は、化学的な単結合、−O−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−S−、−S−C(=O)−、−NR11−C(=O)−、−C(=O)−NR11−、−O−C(=O)−NR11−、−NR11−C(=O)−O−、−S−、−N=N−、または、−C≡C−を表し、R11は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
    FxおよびFxは、それぞれ独立して、芳香族炭化水素環および芳香族複素環の少なくとも一方を有する有機基を表し、
    Qは、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表し、
    〜RIVは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、−OCF、−C(=O)−O−R、または、−O−C(=O)−Rを表し、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素環基を表し、
    は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、−OCF、−C(=O)−O−R、または、−O−C(=O)−Rを表し、Rは、前記と同じ意味を表し、
    pは、0〜3の整数を表し、p1は、0〜4の整数を表し、p2は、0または1を表し、
    〜Yは、それぞれ独立して、化学的な単結合、−O−、−O−CH−、−CH−O−、−O−CH−CH−、−CH−CH−O−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−S−、−S−C(=O)−、−NR13−C(=O)−、−C(=O)−NR13−、−CF−O−、−O−CF−、−CH−CH−、−CF−CF−、−O−CH−CH−O−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−、−CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH−、−CH−O−C(=O)−、−C(=O)−O−CH−、−CH−CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH−CH−、−CH−CH−O−C(=O)−、−C(=O)−O−CH−CH−、−CH=CH−、−N=CH−、−CH=N−、−N=C(CH)−、−C(CH)=N−、−N=N−、または、−C≡C−を表し、R13は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
    、A、BおよびBは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい環状脂肪族基、または、置換基を有していてもよい芳香族基を表し、
    およびGは、それぞれ独立して、炭素数1〜30の2価の脂肪族炭化水素基、および、炭素数3〜30の2価の脂肪族炭化水素基に含まれる−CH−の少なくとも一つが、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR14−C(=O)−、−C(=O)−NR14−、−NR14−、または、−C(=O)−に置換された基のいずれかの有機基であり(但し、−O−または−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く)、R14は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、GおよびGの前記有機基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、シアノ基、または、ハロゲン原子に置換されていてもよく、
    およびPは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数2〜10のアルケニル基を表し、
    nおよびmは、それぞれ独立して、0または1を表す。〕
    で表される、重合性液晶材料。
  2. 請求項1に記載の重合性液晶材料と、有機溶媒とを含有する、重合性液晶組成物。
  3. 界面活性剤および重合開始剤の少なくとも一方を更に含有する、請求項2に記載の重合性液晶組成物。
  4. 請求項1に記載の重合性液晶材料を重合してなる、高分子。
  5. 請求項4に記載の高分子を構成材料とする、光学フィルム。
  6. 請求項4に記載の高分子を構成材料とする、光学異方体。
  7. 請求項6に記載の光学異方体および偏光フィルムを含む、偏光板。
  8. 請求項7に記載の偏光板を備える、表示装置。
  9. 請求項7に記載の偏光板を含む、反射防止フィルム。
  10. 重合性液晶化合物を含む重合性液晶材料について、下記式(I):
    Figure 2019056069
    〔式(I)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1以上7以下のアルキル基であり、Xは、F、Br、Cl、I、HSO 、1/2(HPO 2−)、HPO 、R−C(=O)−O、1/2(O−(C=O)−R’−(C=O)−O)またはR−SO であり、Rは、水素原子または1価の炭化水素基を表し、R’は、単結合または2価の炭化水素基を表す。〕
    で表される塩の含有量が前記重合性液晶化合物100質量部当たり0.01質量部未満であること、および、下記式(II):
    Figure 2019056069
    〔式(II)中、Rは、水素原子または炭素数1以上7以下のアルキル基であり、RおよびRは、水素原子である。〕
    で表される窒素含有化合物の含有量が前記重合性液晶化合物100質量部当たり0.01質量部以下であることを確認する第一工程と、
    前記第一工程の後に、前記重合性液晶材料と有機溶媒とを混合する第二工程と、
    を含み、
    前記重合性液晶化合物が下記式(III)または(IV):
    Figure 2019056069
    Figure 2019056069
    〔式(III)および式(IV)中、
    は、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の2価の有機基であり、
    は、化学的な単結合、−O−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−S−、−S−C(=O)−、−NR11−C(=O)−、−C(=O)−NR11−、−O−C(=O)−NR11−、−NR11−C(=O)−O−、−S−、−N=N−、または、−C≡C−を表し、R11は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
    FxおよびFxは、それぞれ独立して、芳香族炭化水素環および芳香族複素環の少なくとも一方を有する有機基を表し、
    Qは、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表し、
    〜RIVは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、−OCF、−C(=O)−O−R、または、−O−C(=O)−Rを表し、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素環基を表し、
    は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、−OCF、−C(=O)−O−R、または、−O−C(=O)−Rを表し、Rは、前記と同じ意味を表し、
    pは、0〜3の整数を表し、p1は、0〜4の整数を表し、p2は、0または1を表し、
    〜Yは、それぞれ独立して、化学的な単結合、−O−、−O−CH−、−CH−O−、−O−CH−CH−、−CH−CH−O−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−S−、−S−C(=O)−、−NR13−C(=O)−、−C(=O)−NR13−、−CF−O−、−O−CF−、−CH−CH−、−CF−CF−、−O−CH−CH−O−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−、−CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH−、−CH−O−C(=O)−、−C(=O)−O−CH−、−CH−CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH−CH−、−CH−CH−O−C(=O)−、−C(=O)−O−CH−CH−、−CH=CH−、−N=CH−、−CH=N−、−N=C(CH)−、−C(CH)=N−、−N=N−、または、−C≡C−を表し、R13は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
    、A、BおよびBは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい環状脂肪族基、または、置換基を有していてもよい芳香族基を表し、
    およびGは、それぞれ独立して、炭素数1〜30の2価の脂肪族炭化水素基、および、炭素数3〜30の2価の脂肪族炭化水素基に含まれる−CH−の少なくとも一つが、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR14−C(=O)−、−C(=O)−NR14−、−NR14−、または、−C(=O)−に置換された基のいずれかの有機基であり(但し、−O−または−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く)、R14は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、GおよびGの前記有機基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、シアノ基、または、ハロゲン原子に置換されていてもよく、
    およびPは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数2〜10のアルケニル基を表し、
    nおよびmは、それぞれ独立して、0または1を表す。〕
    で表される化合物である、重合性液晶組成物の製造方法。
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