JP2005015372A - 液晶化合物の精製方法及び液晶組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便な操作により液晶化合物中の不純物を除去することによって比抵抗を向上させる事ができ、且つ精密な計測を行う装置等の用途にも好適に用いることができる均一の細かい結晶粒子が得られる精製方法を提供すること、またそれによって得られた液晶化合物を構成成分として使用する比抵抗の高い液晶組成物を提供すること。
【解決手段】標準沸点が150℃未満の不純物(a)が残留する液晶化合物の粗精製物(I)を、溶融状態で減圧する工程を経由した後、融点〜(融点−20)℃の範囲で攪拌しながら晶析させることを特徴とする液晶化合物の精製方法、および該精製方法で得られた液晶化合物を含有することを特徴とする液晶組成物。
【選択図】 なし。
【解決手段】標準沸点が150℃未満の不純物(a)が残留する液晶化合物の粗精製物(I)を、溶融状態で減圧する工程を経由した後、融点〜(融点−20)℃の範囲で攪拌しながら晶析させることを特徴とする液晶化合物の精製方法、および該精製方法で得られた液晶化合物を含有することを特徴とする液晶組成物。
【選択図】 なし。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気光学表示用液晶材料として好適に用いることができる液晶化合物の精製方法と、その液晶化合物を含む液晶組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子は、時計、電卓をはじめとして、各種測定機器、自動車用パネル、ワープロ、電子手帳、プリンター、コンピューター、テレビ等に用いられている。これらに用いられる液晶材料としては、これまでに非常に多種類の化合物が合成されており、その用途に応じて液晶組成物の構成成分として使用されている。液晶組成物の物性〔例えば、ネマチック相温度範囲、屈折率異方性(Δn)、誘電率異方性(Δε)、粘度、弾性定数等〕や電気光学的特性(例えば、応答時間、閾値電圧、V−T曲線の急峻性等)は目的とする液晶素子の表示方式や駆動方式に応じて種々の値が要求されているが、とりわけアクティブマトリックス駆動方式の場合には電圧保持率が充分に高いことが必要であり、そのためには比抵抗を充分に高くすることが必須となる。即ち、液晶組成物の電圧保持率を高めるためには、該組成物を構成する個々の液晶化合物のそれぞれについて高い比抵抗が達成されている必要がある。
【0003】
しかしながら、一般に液晶化合物を得る合成反応等で生じる除去しにくい微量不純物の存在のために比抵抗の向上が困難な場合も存在する。こうした不純物を除去するために、従来、再結晶、抽出、カラム処理(クロマトグラフィー、吸着、イオン交換)、蒸留等の操作の1種類以上を組み合わせて精製を行っているが、一般にはその組み合わせの最後に再結晶を行い、実用上の精密な計測等に適する比較的均一な粒径の結晶として目的物を得ている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
しかし再結晶には溶媒の使用が必須であり、結晶中には溶媒が残留する。この残留溶媒も液晶組成物の比抵抗を下げる要因となり除去が必要であるが、その方法としては減圧下で乾燥することが一般的である。この時、結晶形状の維持のため、かつ熱履歴等による品質悪化を回避するために、低い温度で乾燥を行うと多大な時間をかけても溶媒が充分に除去しきれないことがしばしばあり問題が生じる。また、減圧乾燥の際、加熱をすれば溶媒の除去が多少容易となるものの、結晶形状を維持したままの加熱では結晶中に取り込まれている溶媒を十分除去することができず、さらに加熱温度を上げて溶融状態にすれば上記の問題は解消するが、溶融状態から固化した目的物を、品質を損ねることなく均一の細かい粒子にすることは困難であり、精密な計測機器等に用いられる液晶組成物の構成材料としてはふさわしくない。
【0005】
【特許文献1】
特許第2674853号公報(第7−9頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記実情を鑑み、本発明が解決しようとする課題は、簡便な操作により液晶化合物中の不純物を除去することによって比抵抗を向上させる事ができ、且つ精密な計測機器用途にも好適に用いることができる均一の細かい結晶粒子が得られる精製方法を提供することであり、またそれによって得られた液晶化合物を構成成分として使用する比抵抗の高い液晶組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、液晶化合物の精製方法において、従来の精製方法を組み合わせて得られる標準沸点が150℃未満の不純物(例えば、溶媒等)が残留する該液晶化合物の粗精製物を、溶融状態で減圧下に処理することにより該不純物を除去した後、次いで融点より低い温度範囲に保ちつつ撹拌下で晶析させることにより該不純物を含まない結晶を得ることができ、かつ、得られる結晶が高い比抵抗のレベルで、細かい均一な形状となる事を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち本発明は、標準沸点が150℃未満の不純物(a)が残留する液晶化合物の粗精製物(I)を、溶融状態で減圧する工程を経由した後、融点〜(融点−20)℃の範囲で撹拌下に晶析させることを特徴とする液晶化合物の精製方法、及び該精製方法によって得られた液晶化合物を含有することを特徴とする液晶組成物を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の精製方法は、▲1▼液晶化合物の粗精製物(I)を溶融状態で減圧し、引き続き、▲2▼融点〜(融点−20)℃において晶析させることを特徴とするものである。
【0010】
ここで用いることができる前記液晶化合物の粗精製物(I)としては、不純物として標準沸点(1気圧における沸点)が150℃未満のもののみを含み、その形態として特に限定されるものではないが、例えば、従来の精製方法の再結晶、抽出、カラム処理等を行って得られる結晶状、破砕状又は塊状の固体、及び溶融状または溶液状の液体等が挙げられる。
【0011】
これらの中でも、前記不純物(a)を効率よく除去でき、かつ減圧下での溶融操作が容易である点から、後述する前記不純物(a)の1種以上を溶媒として再結晶を行って得られる濾過物、溶融状または溶液状の液体、及び/又は不純物(a)の1種以上を溶媒とするカラム処理を行い、必要に応じてその後濃縮処理を行って得られる溶融状または溶液状の液体や固体であることが好ましい。
【0012】
前記不純物(a)としては、標準沸点が150℃未満の化合物又は混合物であり、その構造が特に限定されるものではない。液晶化合物に含まれる不純物が標準沸点150℃以上の化合物の場合は、本発明の精製方法による該不純物の除去は困難である。
【0013】
前記不純物(a)としては、目的とする液晶化合物の合成及び精製工程で用いる溶剤が挙げられ、炭素原子数6以内のジアルキルケトン、炭素原子数5以内のアルコール、炭素原子数8以内のエーテル、炭素原子数6以内の酢酸アルキルエステル、炭素原子数8以内のアルカン類、1〜2個のメチル基又はエチル基により置換されていてもよいベンゼン、少なくとも一つの塩素原子により置換されているメタン又はエタン、水であることが好ましく、例えば、ジアルキルケトンとしてはアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、アルコールとしてはメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノール等が挙げられ、エーテルとしては、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等が挙げられ、酢酸アルキルエステルとしては酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸tert−ブチル等が挙げられ、アルカン類としては、n−ペンタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等が挙げられ、ベンゼン類としてはベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、o−キシレン、p−キシレン、m−キシレン等が挙げられ、塩素化メタン、エタンとしてはクロロメタン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン等が挙げられ、これらは1種でも、2種以上の混合物として含有されていても良い。
【0014】
これらの中でも、不純物(I)がアセトン、メタノール、エタノール、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、水及びこれらの混合物の場合は本発明の精製方法によって液晶化合物から効率よく除去することができる。
【0015】
また前記不純物(a)の含有量としては、特に限定されるものではないが、前記粗精製物(I)中1000ppm以下であることが好ましい。これ以上の場合は、予め減圧蒸留(単蒸留)等の他の精製方法によって不純物含有量を低減しておくことが好ましい。
【0016】
次に精製の操作について説明する。
先ず、第1段階である粗精製物(I)を溶融状態で減圧する工程においては、該粗精製物(I)を溶融してから減圧を開始しても、減圧を開始してから粗精製物(I)を溶融しても良く、その順番において限定されるものではない。
【0017】
これらの工程の開始にあたり、大気中の酸素の品質への悪影響を防止する点から、予め窒素、ヘリウム等の不活性ガスで系内を置換しておくことが好ましい。
【0018】
前記減圧の程度としては、標準沸点が150℃未満の不純物(a)が除去できるものであれば特に制限されるものではないが、20kPa以下であることが好ましく、0.001Pa〜10kPaであることが特に好ましい。また減圧下での処理時間としては1〜10時間であることが好ましい。減圧下で処理する際の撹拌の有無は特に限定されないが、前記不純物(a)を効率よく除去でき、かつ工業的に安全であることから撹拌を行うことが好ましい。
【0019】
前記溶融状態にする際の温度としても特に限定されるものではないが、目的とする液晶化合物の熱履歴による品質劣化を防止でき、かつ引き続き行う晶析操作への移行が速やかに行える点から、融点を超える温度から(融点+25)℃の範囲であることが好ましく、前記不純物(a)を効率よく除去することと、液晶化合物の品質の保持とのバランスに優れる点から(融点+5)℃〜(融点+15)℃であることが特に好ましい。
【0020】
この工程に用いることができる装置の形状としても特に制限されるものではなく、粗精製物(I)に対して材質上問題なく、所望の圧力が保持でき、粗精製物(I)を所望の温度まで加熱できればよいが、さらに攪拌機能を備えていることが好ましい。またカラム後処理後の溶液の濃縮を同一装置で行うために、単蒸留に必要な付帯設備を備えていてもよい。また、撹拌時の液だまりが生じにくく、減圧操作が安全に行える点から撹拌翼と装置内壁との間のクリアランスが少ないものが好ましい。
【0021】
次に第2段階の晶析工程について説明する。
本発明の精製方法における晶析は液晶化合物の融点〜(融点−20)℃の範囲で撹拌下に行うことを必須とし、これ以外には何等制限されるものではない。
【0022】
この晶析工程における温度としては、晶析装置内の内容物の温度が目的とする液晶化合物の融点以下の温度で過融解状態を形成しうる温度範囲、具体的には融点〜(融点−20)℃の温度範囲である事を必須とし、(融点−2)〜(融点−15)℃にすることが好ましい。融点を超える温度では、液晶化合物の結晶の析出が起こらず、(融点−20)℃以下では冷却時の伝熱不良の原因となる装置伝熱面への液晶化合物の付着が起こり、また結晶と同時に塊状物が形成されやすくなるため好ましくない。
【0023】
また、晶析工程における圧力条件は、減圧下、常圧下若しくは加圧下のいずれでもよい。加圧下または減圧下で晶析を行う場合には、晶析工程を開始する前に加圧または減圧を開始しても良く、さらに減圧の場合には晶析工程に入る前の溶融工程で行った減圧を維持したままでも良い。この時、減圧の程度としては、前工程の溶融の場合と同様の20kPa以下の範囲にすることが好ましく、0.001Pa〜10kPaの範囲で設定することが特に好ましい。
【0024】
加圧下または常圧下で晶析を行う場合には、第1段階の溶融工程の場合と同様に予め系内を窒素、ヘリウム等、不活性ガスで置換しておくことが好ましいが、必ずしも限定するものではない。
【0025】
また、晶析工程における攪拌条件としては、晶析装置のタイプ・サイズ・形状、液晶化合物の種類・処理量、晶析温度条件により適宜設定することができるが、析出した結晶が均一に流動しうる全体循環混合とすることが好ましい。
【0026】
また、晶析を行うための装置としては、粗精製物(I)に対して材質上問題なく、所望の圧力・温度で制御可能であり、攪拌装置が付されているもの、特に攪拌が全体循環混合になる装置であることが好ましい。さらに、装置の洗浄が容易で、攪拌のデッドスペースのより少ない構造のもの、例えば攪拌翼と装置内壁のクリアランスが少ないものが特に好ましい。
【0027】
尚、本発明の精製工程である第1段階の溶融処理で用いる装置と第2段階で用いる晶析装置は必ずしも個別に設ける必要はなく、一つの装置であっても良い。
【0028】
晶析工程終了後の処理方法としては特に限定されるものではないが、適宜冷却し、次いで常圧に復圧して目的の液晶化合物を取り出す方法が好ましい。ここで減圧下で晶析させた場合に復圧する際に用いる気体としては窒素、ヘリウム等の不活性ガスを用いることが好ましいが、必ずしも限定するものではない。
【0029】
上述の工程によって得られる精製した液晶化合物に含まれる不純物(a)の残留濃度としては、該化合物の比抵抗値が満足できるレベルになる点から、ケトン類、アルコール類においては1ppm以下に、アルカン、ベンゼン類の場合は10ppm以下に、水の場合は15ppm以下にすることが好ましい。
【0030】
本発明で精製することができる液晶化合物は、液晶組成物として液晶材料の構成成分に用いられる化合物であり、該液晶化合物が単体では液晶相を示さないものであっても良い。
【0031】
前記液晶化合物としては、下記一般式(1)
【化2】
(式中、Rは炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、またこれら基中の水素原子の一部がハロゲン原子で置換されていても良い。Zは炭素原子数1〜16のアルキル基、アルコキシ基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、これら基中の水素原子の一部がハロゲン原子で置換されていても良い。さらにZは水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、3,3,3−トリフルオロエトキシ基、シアノ基、シアナト基、水酸基、カルボキシル基でも良い。m及びnはそれぞれ独立に0〜2の整数を表すがm+n≦3である。存在するL及びMは同一でも異なっていてもよい−CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−CH=CF−、フッ素以外のハロゲン化されていても良い−CH=CH−、−C≡C−、−O(CH2)3−、−(CH2)3O−、−(CH2)4−若しくは単結合を表し、存在する環A、環B及び環Sは同一でも異なっていてもよく、基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基が−O−及び又は−S−に置き換えられても良いトランス−1,4−シクロへキシレン基、基中に存在する1個のCH基又は隣接していない2個以上のCH基が−N=に置き換えられてもよい1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、トランス−デカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基若しくは1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表し、さらに環A、環B及び環Sはシアノ基、ハロゲン原子で置換されていても良い。)
で表される液晶化合物を挙げることができる。
【0032】
前記一般式(1)で表される液晶化合物の具体的な例としては、下記構造式(1−1)〜(1−20)で表されるものを挙げることができる。
【0033】
【化3】
【0034】
【化4】
【0035】
【化5】
【0036】
これらの中でも、前記一般式(1)中の環A、環B及び環Sがハロゲン原子で置換されていても良いトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基またはトランス−デカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基であり、L、Mが単結合である液晶化合物であることが、本発明の精製方法によって不純物を効率よく除去でき、且つ精製後に得られる該液晶化合物の比抵抗値が高まる点から好ましい。
【0037】
前記構造式の中では、(1−1)〜(1−4)、(1−7)〜(1−10)、(1−19)〜(1−21)で表される液晶化合物であることが最も好ましい。
【0038】
本発明の液晶組成物としては、前述の手法によって精製された液晶化合物を少なくとも1種含むものであり、特に前述の手法によって精製された前記一般式(1)で表される液晶化合物を1種以上含むものであることが好ましい。
【0039】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例における液晶化合物の組成分析はガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー及びカールフィシャー水分計により分析を行い、液晶化合物の比抵抗は川口電機株式会社製のユニバーサル・エレクトロメーターMMAII−17Bを用いて測定した。また、実施例において、ガスクロマトグラフィー純度及び高速液体クロマトグラフィー純度は標準沸点が150℃以下の物質(a)を除外して計算される純度を表す。また実施例中における圧力は絶対圧力を表し、「部」「%」は特に断りの無い限り重量基準である。
【0040】
実施例1[構造式(1−1)で表される液晶化合物の合成及び精製]
t−ブチルメチルエーテル280リットル中に乾燥したメトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロリド46kgを入れて混合し、さらに不活性ガス下−15℃でカリウムt−ブチレート31kgを加え、得られた混合物を−5℃で30分攪拌する。次に−5℃にて、予めt−ブチルメチルエーテル255リットル中に混合したトランス−4’−(3,4−ジフルオロフェニル)−[1,1’−ビシクロヘキシル]−4−オン26.2kgを1時間以内で滴下する。反応混合物を室温で更に90分反応させた後、ろ過して得られた溶液を濃縮する。ヘキサン/酢酸エチル(容量比で99:1)を用いてシリカゲル上で残留物をクロマトグラフィー精製して、トランス−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4’−(メトキシメチリデン)−[1,1’−ビシクロヘキシル]16.9kgを得る。
【0041】
テトラヒドロフラン85リットル、3N塩酸21リットル及びトランス−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4’−(メトキシメチリデン)−[1,1’−ビシクロヘキシル]16.9kgを仕込み、90℃で30分反応させる。次に反応混合物を室温に冷却し、水850リットルに注ぎ、これを塩化メチレンで抽出する。有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、ろ過して濃縮することにより、無色の結晶としてシス/トランス比27:72の4’−(3,4−ジフルオロフェニル)−[1,1’−ビシクロヘキシル]−4−カルボキサルデヒド16.1kgを得る。
【0042】
0.1Nメタノール性水酸化カリウム溶液90リットルを5℃に冷却し、攪拌しながら、メタノール80リットルに溶解した4’−(3,4−ジフルオロフェニル)−[1,1’−ビシクロヘキシル]−4−カルボキサルデヒドのシス/トランス混合物16.1kgを加え、5℃で30分攪拌し、次に氷/水600リットルに注ぎ、ジエチルエーテルで抽出する。有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥した後、ろ過して濃縮する。残留物をメタノールから2回再結晶して無色の結晶として4’−(3,4−ジフルオロフェニル)−[1,1’−ビシクロヘキシル]−トランス−4−カルボキサルデヒド6.1kgを得る。
【0043】
t−ブチルメチルエーテル150リットルに乾燥したメチルトリフェニルホスホニウムブロミド13.4kgを加えて混合し、不活性ガス下、室温でカリウムブチレート4.2kgを加え、1時間攪拌する。次に混合物を0〜5℃に冷却し、予めt−ブチルメチルエーテル150リットルに溶解した4’−(3,4−ジフルオロフェニル)−[1,1’−ビシクロヘキシル]−トランス−4−カルボキサルデヒド6.12kgを15分以内で滴下する。反応混合物を0〜5℃で更に45分攪拌して濃縮する。得られた液体をヘプタンを用いたシリカカラムクロマトグラフィー精製を行い、これを濃縮したものをエタノールから再結晶を行って、ガスクロマトグラフィー純度99.9%以上、かつ高速液体クロマトグラフィー純度99.9%以上の融点が45.8℃の液晶化合物である1−[トランス−4−(トランス−4−ビニルシクロヘキシル)シクロヘキシル]−3,4−ジフルオロベンゼンの粗精製物(I−1)2.3kgを得た。
【0044】
得られた粗精製物(I−1)1.00kgを浅田鉄工株式会社製のプラネタリーミキサー(容量5リットル)に仕込み、6.5kPaの減圧下、60℃にて攪拌(撹拌速度40rpm)しながら120分間の溶融処理を行い、その後、内部温度を40℃まで下げ、6.5kPaの減圧下、40分間さらに攪拌(撹拌速度40rpm)続け、晶析を行った。次いで内部温度を室温まで冷却し、圧力を窒素ガスを用いて大気圧まで復圧し、均一な粒子径(メジアン径70μm)を有する結晶状態の該液晶化合物(1)0.99kgを得た。
【0045】
比較例1
実施例1で得られた液晶化合物の粗精製物(I−1)1.0kgを用いて、棚段式乾燥機にて0.2kPaの減圧下、30℃にて72時間静置することにより乾燥を行い、該液晶化合物を得た。
【0046】
試験例1、比較試験例1
実施例1、及び比較例1で得られた精製後の液晶化合物を用いて、残留溶媒をガスクロマトグラフィ−を用いて測定した(検出限界0.2ppm)。また60℃における比抵抗を測定し、結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
実施例2[構造式(1−3)で表される液晶化合物の合成及び精製]
実施例1において、トランス−4’−(3,4−ジフルオロフェニル)−[1,1’−ビシクロヘキシル]−4−オン 26.2kgの代わりに、トランス−4’−(4−メチルフェニル)−[1,1’−ビシクロヘキシル]−4−オン 24.2kgを用いる以外は実施例1と同様にして、ガスクロマトグラフィー純度99.9%以上、高速液体クロマトグラフィー純度99.9%以上の融点が65.5℃の1−[トランス―4−(トランス―4−ビニルシクロヘキシル)シクロヘキシル]−4−メチルベンゼンの粗精製物(I−2)2.6kgを得た。
【0049】
得られた粗精製物(I−2)1.0kgを用いる以外は実施例1と同様にして、均一な粒子径(メジアン径120μm)を有する結晶状態の該液晶化合物(2)0.98kgを得た。
【0050】
比較例2
実施例2で得られた液晶化合物の粗精製物(I−2)1.0kgを用いて、棚段式乾燥機にて0.2kPaの減圧下、30℃にて72時間静置することにより乾燥を行い、該液晶化合物を得た。
【0051】
試験例2、比較試験例2
実施例2、及び比較例2で得られた精製後の液晶化合物を用いて、残留溶媒をガスクロマトグラフィ−を用いて測定した(検出限界0.2ppm)。また70℃における比抵抗を測定し、結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】
本発明の精製方法を行った実施例1及び2で得られた液晶化合物は、何れの場合も残留溶媒の含有量が少なく、比抵抗値において格段に優れるものであることを確認した。しかしながら、特許文献1に記載の従来の精製方法である減圧乾燥では、結晶中に含まれる微量な溶剤を除去することができず、その比抵抗値も低いことが判明した。
【0054】
【発明の効果】
本発明のよれば、簡便な操作により液晶化合物中の不純物を除去することによって比抵抗を向上させる事ができ、且つ精密な計測機器等の用途にも好適に用いることができる均一の細かい結晶粒子が得られる精製方法を提供でき、またそれによって得られた液晶化合物を含む、比抵抗の高い液晶組成物を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は電気光学表示用液晶材料として好適に用いることができる液晶化合物の精製方法と、その液晶化合物を含む液晶組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子は、時計、電卓をはじめとして、各種測定機器、自動車用パネル、ワープロ、電子手帳、プリンター、コンピューター、テレビ等に用いられている。これらに用いられる液晶材料としては、これまでに非常に多種類の化合物が合成されており、その用途に応じて液晶組成物の構成成分として使用されている。液晶組成物の物性〔例えば、ネマチック相温度範囲、屈折率異方性(Δn)、誘電率異方性(Δε)、粘度、弾性定数等〕や電気光学的特性(例えば、応答時間、閾値電圧、V−T曲線の急峻性等)は目的とする液晶素子の表示方式や駆動方式に応じて種々の値が要求されているが、とりわけアクティブマトリックス駆動方式の場合には電圧保持率が充分に高いことが必要であり、そのためには比抵抗を充分に高くすることが必須となる。即ち、液晶組成物の電圧保持率を高めるためには、該組成物を構成する個々の液晶化合物のそれぞれについて高い比抵抗が達成されている必要がある。
【0003】
しかしながら、一般に液晶化合物を得る合成反応等で生じる除去しにくい微量不純物の存在のために比抵抗の向上が困難な場合も存在する。こうした不純物を除去するために、従来、再結晶、抽出、カラム処理(クロマトグラフィー、吸着、イオン交換)、蒸留等の操作の1種類以上を組み合わせて精製を行っているが、一般にはその組み合わせの最後に再結晶を行い、実用上の精密な計測等に適する比較的均一な粒径の結晶として目的物を得ている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
しかし再結晶には溶媒の使用が必須であり、結晶中には溶媒が残留する。この残留溶媒も液晶組成物の比抵抗を下げる要因となり除去が必要であるが、その方法としては減圧下で乾燥することが一般的である。この時、結晶形状の維持のため、かつ熱履歴等による品質悪化を回避するために、低い温度で乾燥を行うと多大な時間をかけても溶媒が充分に除去しきれないことがしばしばあり問題が生じる。また、減圧乾燥の際、加熱をすれば溶媒の除去が多少容易となるものの、結晶形状を維持したままの加熱では結晶中に取り込まれている溶媒を十分除去することができず、さらに加熱温度を上げて溶融状態にすれば上記の問題は解消するが、溶融状態から固化した目的物を、品質を損ねることなく均一の細かい粒子にすることは困難であり、精密な計測機器等に用いられる液晶組成物の構成材料としてはふさわしくない。
【0005】
【特許文献1】
特許第2674853号公報(第7−9頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記実情を鑑み、本発明が解決しようとする課題は、簡便な操作により液晶化合物中の不純物を除去することによって比抵抗を向上させる事ができ、且つ精密な計測機器用途にも好適に用いることができる均一の細かい結晶粒子が得られる精製方法を提供することであり、またそれによって得られた液晶化合物を構成成分として使用する比抵抗の高い液晶組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、液晶化合物の精製方法において、従来の精製方法を組み合わせて得られる標準沸点が150℃未満の不純物(例えば、溶媒等)が残留する該液晶化合物の粗精製物を、溶融状態で減圧下に処理することにより該不純物を除去した後、次いで融点より低い温度範囲に保ちつつ撹拌下で晶析させることにより該不純物を含まない結晶を得ることができ、かつ、得られる結晶が高い比抵抗のレベルで、細かい均一な形状となる事を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち本発明は、標準沸点が150℃未満の不純物(a)が残留する液晶化合物の粗精製物(I)を、溶融状態で減圧する工程を経由した後、融点〜(融点−20)℃の範囲で撹拌下に晶析させることを特徴とする液晶化合物の精製方法、及び該精製方法によって得られた液晶化合物を含有することを特徴とする液晶組成物を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の精製方法は、▲1▼液晶化合物の粗精製物(I)を溶融状態で減圧し、引き続き、▲2▼融点〜(融点−20)℃において晶析させることを特徴とするものである。
【0010】
ここで用いることができる前記液晶化合物の粗精製物(I)としては、不純物として標準沸点(1気圧における沸点)が150℃未満のもののみを含み、その形態として特に限定されるものではないが、例えば、従来の精製方法の再結晶、抽出、カラム処理等を行って得られる結晶状、破砕状又は塊状の固体、及び溶融状または溶液状の液体等が挙げられる。
【0011】
これらの中でも、前記不純物(a)を効率よく除去でき、かつ減圧下での溶融操作が容易である点から、後述する前記不純物(a)の1種以上を溶媒として再結晶を行って得られる濾過物、溶融状または溶液状の液体、及び/又は不純物(a)の1種以上を溶媒とするカラム処理を行い、必要に応じてその後濃縮処理を行って得られる溶融状または溶液状の液体や固体であることが好ましい。
【0012】
前記不純物(a)としては、標準沸点が150℃未満の化合物又は混合物であり、その構造が特に限定されるものではない。液晶化合物に含まれる不純物が標準沸点150℃以上の化合物の場合は、本発明の精製方法による該不純物の除去は困難である。
【0013】
前記不純物(a)としては、目的とする液晶化合物の合成及び精製工程で用いる溶剤が挙げられ、炭素原子数6以内のジアルキルケトン、炭素原子数5以内のアルコール、炭素原子数8以内のエーテル、炭素原子数6以内の酢酸アルキルエステル、炭素原子数8以内のアルカン類、1〜2個のメチル基又はエチル基により置換されていてもよいベンゼン、少なくとも一つの塩素原子により置換されているメタン又はエタン、水であることが好ましく、例えば、ジアルキルケトンとしてはアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、アルコールとしてはメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノール等が挙げられ、エーテルとしては、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等が挙げられ、酢酸アルキルエステルとしては酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸tert−ブチル等が挙げられ、アルカン類としては、n−ペンタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等が挙げられ、ベンゼン類としてはベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、o−キシレン、p−キシレン、m−キシレン等が挙げられ、塩素化メタン、エタンとしてはクロロメタン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン等が挙げられ、これらは1種でも、2種以上の混合物として含有されていても良い。
【0014】
これらの中でも、不純物(I)がアセトン、メタノール、エタノール、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、水及びこれらの混合物の場合は本発明の精製方法によって液晶化合物から効率よく除去することができる。
【0015】
また前記不純物(a)の含有量としては、特に限定されるものではないが、前記粗精製物(I)中1000ppm以下であることが好ましい。これ以上の場合は、予め減圧蒸留(単蒸留)等の他の精製方法によって不純物含有量を低減しておくことが好ましい。
【0016】
次に精製の操作について説明する。
先ず、第1段階である粗精製物(I)を溶融状態で減圧する工程においては、該粗精製物(I)を溶融してから減圧を開始しても、減圧を開始してから粗精製物(I)を溶融しても良く、その順番において限定されるものではない。
【0017】
これらの工程の開始にあたり、大気中の酸素の品質への悪影響を防止する点から、予め窒素、ヘリウム等の不活性ガスで系内を置換しておくことが好ましい。
【0018】
前記減圧の程度としては、標準沸点が150℃未満の不純物(a)が除去できるものであれば特に制限されるものではないが、20kPa以下であることが好ましく、0.001Pa〜10kPaであることが特に好ましい。また減圧下での処理時間としては1〜10時間であることが好ましい。減圧下で処理する際の撹拌の有無は特に限定されないが、前記不純物(a)を効率よく除去でき、かつ工業的に安全であることから撹拌を行うことが好ましい。
【0019】
前記溶融状態にする際の温度としても特に限定されるものではないが、目的とする液晶化合物の熱履歴による品質劣化を防止でき、かつ引き続き行う晶析操作への移行が速やかに行える点から、融点を超える温度から(融点+25)℃の範囲であることが好ましく、前記不純物(a)を効率よく除去することと、液晶化合物の品質の保持とのバランスに優れる点から(融点+5)℃〜(融点+15)℃であることが特に好ましい。
【0020】
この工程に用いることができる装置の形状としても特に制限されるものではなく、粗精製物(I)に対して材質上問題なく、所望の圧力が保持でき、粗精製物(I)を所望の温度まで加熱できればよいが、さらに攪拌機能を備えていることが好ましい。またカラム後処理後の溶液の濃縮を同一装置で行うために、単蒸留に必要な付帯設備を備えていてもよい。また、撹拌時の液だまりが生じにくく、減圧操作が安全に行える点から撹拌翼と装置内壁との間のクリアランスが少ないものが好ましい。
【0021】
次に第2段階の晶析工程について説明する。
本発明の精製方法における晶析は液晶化合物の融点〜(融点−20)℃の範囲で撹拌下に行うことを必須とし、これ以外には何等制限されるものではない。
【0022】
この晶析工程における温度としては、晶析装置内の内容物の温度が目的とする液晶化合物の融点以下の温度で過融解状態を形成しうる温度範囲、具体的には融点〜(融点−20)℃の温度範囲である事を必須とし、(融点−2)〜(融点−15)℃にすることが好ましい。融点を超える温度では、液晶化合物の結晶の析出が起こらず、(融点−20)℃以下では冷却時の伝熱不良の原因となる装置伝熱面への液晶化合物の付着が起こり、また結晶と同時に塊状物が形成されやすくなるため好ましくない。
【0023】
また、晶析工程における圧力条件は、減圧下、常圧下若しくは加圧下のいずれでもよい。加圧下または減圧下で晶析を行う場合には、晶析工程を開始する前に加圧または減圧を開始しても良く、さらに減圧の場合には晶析工程に入る前の溶融工程で行った減圧を維持したままでも良い。この時、減圧の程度としては、前工程の溶融の場合と同様の20kPa以下の範囲にすることが好ましく、0.001Pa〜10kPaの範囲で設定することが特に好ましい。
【0024】
加圧下または常圧下で晶析を行う場合には、第1段階の溶融工程の場合と同様に予め系内を窒素、ヘリウム等、不活性ガスで置換しておくことが好ましいが、必ずしも限定するものではない。
【0025】
また、晶析工程における攪拌条件としては、晶析装置のタイプ・サイズ・形状、液晶化合物の種類・処理量、晶析温度条件により適宜設定することができるが、析出した結晶が均一に流動しうる全体循環混合とすることが好ましい。
【0026】
また、晶析を行うための装置としては、粗精製物(I)に対して材質上問題なく、所望の圧力・温度で制御可能であり、攪拌装置が付されているもの、特に攪拌が全体循環混合になる装置であることが好ましい。さらに、装置の洗浄が容易で、攪拌のデッドスペースのより少ない構造のもの、例えば攪拌翼と装置内壁のクリアランスが少ないものが特に好ましい。
【0027】
尚、本発明の精製工程である第1段階の溶融処理で用いる装置と第2段階で用いる晶析装置は必ずしも個別に設ける必要はなく、一つの装置であっても良い。
【0028】
晶析工程終了後の処理方法としては特に限定されるものではないが、適宜冷却し、次いで常圧に復圧して目的の液晶化合物を取り出す方法が好ましい。ここで減圧下で晶析させた場合に復圧する際に用いる気体としては窒素、ヘリウム等の不活性ガスを用いることが好ましいが、必ずしも限定するものではない。
【0029】
上述の工程によって得られる精製した液晶化合物に含まれる不純物(a)の残留濃度としては、該化合物の比抵抗値が満足できるレベルになる点から、ケトン類、アルコール類においては1ppm以下に、アルカン、ベンゼン類の場合は10ppm以下に、水の場合は15ppm以下にすることが好ましい。
【0030】
本発明で精製することができる液晶化合物は、液晶組成物として液晶材料の構成成分に用いられる化合物であり、該液晶化合物が単体では液晶相を示さないものであっても良い。
【0031】
前記液晶化合物としては、下記一般式(1)
【化2】
(式中、Rは炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、またこれら基中の水素原子の一部がハロゲン原子で置換されていても良い。Zは炭素原子数1〜16のアルキル基、アルコキシ基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、これら基中の水素原子の一部がハロゲン原子で置換されていても良い。さらにZは水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、3,3,3−トリフルオロエトキシ基、シアノ基、シアナト基、水酸基、カルボキシル基でも良い。m及びnはそれぞれ独立に0〜2の整数を表すがm+n≦3である。存在するL及びMは同一でも異なっていてもよい−CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−CH=CF−、フッ素以外のハロゲン化されていても良い−CH=CH−、−C≡C−、−O(CH2)3−、−(CH2)3O−、−(CH2)4−若しくは単結合を表し、存在する環A、環B及び環Sは同一でも異なっていてもよく、基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基が−O−及び又は−S−に置き換えられても良いトランス−1,4−シクロへキシレン基、基中に存在する1個のCH基又は隣接していない2個以上のCH基が−N=に置き換えられてもよい1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、トランス−デカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基若しくは1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表し、さらに環A、環B及び環Sはシアノ基、ハロゲン原子で置換されていても良い。)
で表される液晶化合物を挙げることができる。
【0032】
前記一般式(1)で表される液晶化合物の具体的な例としては、下記構造式(1−1)〜(1−20)で表されるものを挙げることができる。
【0033】
【化3】
【0034】
【化4】
【0035】
【化5】
【0036】
これらの中でも、前記一般式(1)中の環A、環B及び環Sがハロゲン原子で置換されていても良いトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基またはトランス−デカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基であり、L、Mが単結合である液晶化合物であることが、本発明の精製方法によって不純物を効率よく除去でき、且つ精製後に得られる該液晶化合物の比抵抗値が高まる点から好ましい。
【0037】
前記構造式の中では、(1−1)〜(1−4)、(1−7)〜(1−10)、(1−19)〜(1−21)で表される液晶化合物であることが最も好ましい。
【0038】
本発明の液晶組成物としては、前述の手法によって精製された液晶化合物を少なくとも1種含むものであり、特に前述の手法によって精製された前記一般式(1)で表される液晶化合物を1種以上含むものであることが好ましい。
【0039】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例における液晶化合物の組成分析はガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー及びカールフィシャー水分計により分析を行い、液晶化合物の比抵抗は川口電機株式会社製のユニバーサル・エレクトロメーターMMAII−17Bを用いて測定した。また、実施例において、ガスクロマトグラフィー純度及び高速液体クロマトグラフィー純度は標準沸点が150℃以下の物質(a)を除外して計算される純度を表す。また実施例中における圧力は絶対圧力を表し、「部」「%」は特に断りの無い限り重量基準である。
【0040】
実施例1[構造式(1−1)で表される液晶化合物の合成及び精製]
t−ブチルメチルエーテル280リットル中に乾燥したメトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロリド46kgを入れて混合し、さらに不活性ガス下−15℃でカリウムt−ブチレート31kgを加え、得られた混合物を−5℃で30分攪拌する。次に−5℃にて、予めt−ブチルメチルエーテル255リットル中に混合したトランス−4’−(3,4−ジフルオロフェニル)−[1,1’−ビシクロヘキシル]−4−オン26.2kgを1時間以内で滴下する。反応混合物を室温で更に90分反応させた後、ろ過して得られた溶液を濃縮する。ヘキサン/酢酸エチル(容量比で99:1)を用いてシリカゲル上で残留物をクロマトグラフィー精製して、トランス−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4’−(メトキシメチリデン)−[1,1’−ビシクロヘキシル]16.9kgを得る。
【0041】
テトラヒドロフラン85リットル、3N塩酸21リットル及びトランス−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4’−(メトキシメチリデン)−[1,1’−ビシクロヘキシル]16.9kgを仕込み、90℃で30分反応させる。次に反応混合物を室温に冷却し、水850リットルに注ぎ、これを塩化メチレンで抽出する。有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、ろ過して濃縮することにより、無色の結晶としてシス/トランス比27:72の4’−(3,4−ジフルオロフェニル)−[1,1’−ビシクロヘキシル]−4−カルボキサルデヒド16.1kgを得る。
【0042】
0.1Nメタノール性水酸化カリウム溶液90リットルを5℃に冷却し、攪拌しながら、メタノール80リットルに溶解した4’−(3,4−ジフルオロフェニル)−[1,1’−ビシクロヘキシル]−4−カルボキサルデヒドのシス/トランス混合物16.1kgを加え、5℃で30分攪拌し、次に氷/水600リットルに注ぎ、ジエチルエーテルで抽出する。有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥した後、ろ過して濃縮する。残留物をメタノールから2回再結晶して無色の結晶として4’−(3,4−ジフルオロフェニル)−[1,1’−ビシクロヘキシル]−トランス−4−カルボキサルデヒド6.1kgを得る。
【0043】
t−ブチルメチルエーテル150リットルに乾燥したメチルトリフェニルホスホニウムブロミド13.4kgを加えて混合し、不活性ガス下、室温でカリウムブチレート4.2kgを加え、1時間攪拌する。次に混合物を0〜5℃に冷却し、予めt−ブチルメチルエーテル150リットルに溶解した4’−(3,4−ジフルオロフェニル)−[1,1’−ビシクロヘキシル]−トランス−4−カルボキサルデヒド6.12kgを15分以内で滴下する。反応混合物を0〜5℃で更に45分攪拌して濃縮する。得られた液体をヘプタンを用いたシリカカラムクロマトグラフィー精製を行い、これを濃縮したものをエタノールから再結晶を行って、ガスクロマトグラフィー純度99.9%以上、かつ高速液体クロマトグラフィー純度99.9%以上の融点が45.8℃の液晶化合物である1−[トランス−4−(トランス−4−ビニルシクロヘキシル)シクロヘキシル]−3,4−ジフルオロベンゼンの粗精製物(I−1)2.3kgを得た。
【0044】
得られた粗精製物(I−1)1.00kgを浅田鉄工株式会社製のプラネタリーミキサー(容量5リットル)に仕込み、6.5kPaの減圧下、60℃にて攪拌(撹拌速度40rpm)しながら120分間の溶融処理を行い、その後、内部温度を40℃まで下げ、6.5kPaの減圧下、40分間さらに攪拌(撹拌速度40rpm)続け、晶析を行った。次いで内部温度を室温まで冷却し、圧力を窒素ガスを用いて大気圧まで復圧し、均一な粒子径(メジアン径70μm)を有する結晶状態の該液晶化合物(1)0.99kgを得た。
【0045】
比較例1
実施例1で得られた液晶化合物の粗精製物(I−1)1.0kgを用いて、棚段式乾燥機にて0.2kPaの減圧下、30℃にて72時間静置することにより乾燥を行い、該液晶化合物を得た。
【0046】
試験例1、比較試験例1
実施例1、及び比較例1で得られた精製後の液晶化合物を用いて、残留溶媒をガスクロマトグラフィ−を用いて測定した(検出限界0.2ppm)。また60℃における比抵抗を測定し、結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
実施例2[構造式(1−3)で表される液晶化合物の合成及び精製]
実施例1において、トランス−4’−(3,4−ジフルオロフェニル)−[1,1’−ビシクロヘキシル]−4−オン 26.2kgの代わりに、トランス−4’−(4−メチルフェニル)−[1,1’−ビシクロヘキシル]−4−オン 24.2kgを用いる以外は実施例1と同様にして、ガスクロマトグラフィー純度99.9%以上、高速液体クロマトグラフィー純度99.9%以上の融点が65.5℃の1−[トランス―4−(トランス―4−ビニルシクロヘキシル)シクロヘキシル]−4−メチルベンゼンの粗精製物(I−2)2.6kgを得た。
【0049】
得られた粗精製物(I−2)1.0kgを用いる以外は実施例1と同様にして、均一な粒子径(メジアン径120μm)を有する結晶状態の該液晶化合物(2)0.98kgを得た。
【0050】
比較例2
実施例2で得られた液晶化合物の粗精製物(I−2)1.0kgを用いて、棚段式乾燥機にて0.2kPaの減圧下、30℃にて72時間静置することにより乾燥を行い、該液晶化合物を得た。
【0051】
試験例2、比較試験例2
実施例2、及び比較例2で得られた精製後の液晶化合物を用いて、残留溶媒をガスクロマトグラフィ−を用いて測定した(検出限界0.2ppm)。また70℃における比抵抗を測定し、結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】
本発明の精製方法を行った実施例1及び2で得られた液晶化合物は、何れの場合も残留溶媒の含有量が少なく、比抵抗値において格段に優れるものであることを確認した。しかしながら、特許文献1に記載の従来の精製方法である減圧乾燥では、結晶中に含まれる微量な溶剤を除去することができず、その比抵抗値も低いことが判明した。
【0054】
【発明の効果】
本発明のよれば、簡便な操作により液晶化合物中の不純物を除去することによって比抵抗を向上させる事ができ、且つ精密な計測機器等の用途にも好適に用いることができる均一の細かい結晶粒子が得られる精製方法を提供でき、またそれによって得られた液晶化合物を含む、比抵抗の高い液晶組成物を提供することができる。
Claims (11)
- 標準沸点が150℃未満の不純物(a)が残留する液晶化合物の粗精製物(I)を、溶融状態で減圧する工程を経由した後、融点〜(融点−20)℃の範囲で攪拌しながら晶析させることを特徴とする液晶化合物の精製方法。
- 溶融状態で減圧する際の圧力が20kPa以下である請求項1記載の精製方法。
- 溶融状態で減圧する時間が1〜10時間である請求項2記載の精製方法。
- 晶析時の攪拌が全体循環混合である請求項3記載の精製方法。
- 前記粗精製物(I)が、再結晶及び/又はカラム処理により精製されて得られるものである請求項1〜4の何れか1項記載の液晶化合物の精製方法。
- 前記不純物(a)が、炭素原子数6以内のジアルキルケトン、炭素原子数5以内のアルコール、炭素原子数8以内のエーテル、炭素原子数6以内の酢酸アルキルエステル、炭素原子数8以内のアルカン、1〜2個のメチル基又はエチル基により置換されていても良いベンゼン、少なくとも一つの塩素原子により置換されているメタン又はエタン及び水からなる群から選ばれる1種以上の化合物又は混合物である請求項1〜4の何れか1項記載の液晶化合物の精製方法。
- 前記粗精製物(I)中における前記不純物(a)の含有量が1000ppm以下である請求項6記載の液晶化合物の精製方法。
- 前記不純物(a)が、アセトン、メタノール、エタノール、ヘキサン、ヘプタン、トルエン及び水からなる群から選ばれる1種以上の化合物又は混合物である請求項7記載の液晶化合物の精製方法。
- 液晶化合物が下記一般式(1)
で表される液晶化合物(A)である請求項1〜7のいずれか1項記載の液晶化合物の精製方法。 - 前記一般式(1)中の環A、環B及び環Sがハロゲン原子で置換されていても良いトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基またはトランス−デカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基であり、L、Mが単結合である請求項9記載の液晶化合物の精製方法。
- 請求項1〜10のいずれか1項記載の精製方法によって精製された液晶化合物を含有することを特徴とする液晶組成物。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010525009A (ja) * | 2007-05-02 | 2010-07-22 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア | 2−(4−N,N−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)−安息香酸n−ヘキシルエステルの結晶化方法 |
JPWO2009028576A1 (ja) * | 2007-08-31 | 2010-12-02 | 旭硝子株式会社 | ポリマー液晶、光学異方性膜、および光学素子 |
JP2011084478A (ja) * | 2009-10-13 | 2011-04-28 | Dic Corp | フェノールの製造方法 |
JP2019056069A (ja) * | 2017-09-21 | 2019-04-11 | 日本ゼオン株式会社 | 重合性液晶材料、重合性液晶組成物、高分子、光学フィルム、光学異方体、偏光板、反射防止フィルム、表示装置、並びに、重合性液晶組成物の製造方法 |
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2003
- 2003-06-25 JP JP2003180966A patent/JP2005015372A/ja not_active Withdrawn
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KR101486606B1 (ko) | 2007-05-02 | 2015-01-27 | 바스프 에스이 | n-헥실 2-(4-N,N-디에틸아미노-2-히드록시벤조일)벤조에이트의 결정화 방법 |
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