JP2019054497A - 受信装置、送信装置、及び通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】実施形態は、有線通信を高速化できる受信装置、送信装置、及び通信システムを提供することを目的とする。【解決手段】実施形態によれば、受信ノードと第1の周波数変換回路と第2の周波数変換回路と第1加算回路と第2加算回路と第1の補正回路と第2の補正回路を有する受信装置が提供される。第1の周波数変換回路は、受信ノードと電気的に接続されている。第2の周波数変換回路は、受信ノードと電気的に接続されている。第1加算回路は、第1の周波数変換回路と電気的に接続されている。第2加算回路は、第2の周波数変換回路と電気的に接続されている。第1の補正回路は、第1の周波数変換回路と第2加算回路との間に電気的に接続されている。第2の補正回路は、第2の周波数変換回路と第1加算回路との間に電気的に接続されている。第1の補正回路は、逆相増幅器及び第1の容量素子を含む。第2の補正回路は、正相増幅器及び第2の容量素子を含む。【選択図】図3

Description

本実施形態は、受信装置、送信装置、及び通信システムに関する。
通信システムでは、送信装置と受信装置との間を有線通信路で接続して、有線通信を行うことがある。このとき、有線通信を高速化することが望まれる。
特許第2892361号公報 特許第5724622号公報 特許第4843685号公報
一つの実施形態は、有線通信を高速化できる受信装置、送信装置、及び通信システムを提供することを目的とする。
一つの実施形態によれば、受信ノードと第1の周波数変換回路と第2の周波数変換回路と第1加算回路と第2加算回路と第1の補正回路と第2の補正回路とを有する受信装置が提供される。受信ノードは、有線通信路に接続可能である。第1の周波数変換回路は、受信ノードと電気的に接続されている。第2の周波数変換回路は、受信ノードと電気的に接続されている。第1加算回路は、第1の周波数変換回路と電気的に接続されている。第2加算回路は、第2の周波数変換回路と電気的に接続されている。第1の補正回路は、第1の周波数変換回路と第2加算回路との間に電気的に接続されている。第2の補正回路は、第2の周波数変換回路と第1加算回路との間に電気的に接続されている。第1の補正回路は、逆相増幅器及び第1の容量素子を含む。第2の補正回路は、正相増幅器及び第2の容量素子を含む。
図1は、第1の実施形態に係る通信システムの構成を示す図である。 図2は、第1の実施形態における有線通信路の周波数特性を示す図である。 図3は、第1の実施形態における送信装置及び受信装置の構成を示すブロック図である。 図4は、第1の実施形態における信号(I成分)の伝達手順を示す図である。 図5は、第1の実施形態における補正回路の補償フィルタ特性及び補償損失を示す図である。 図6は、第1の実施形態における受信装置の構成を示す回路図である。 図7は、第1の実施形態における通信システムの動作を示す図である。 図8は、第1の実施形態の変形例における受信装置の回路構成を示す図である。 図9は、第1の実施形態の他の変形例における受信装置の回路構成を示す図である。 図10は、第2の実施形態における送信装置及び受信装置のブロック構成を示す図である。 図11は、第2の実施形態における補正回路の構成例を示す回路図である。 図12は、第2の実施形態における補正回路の他の構成例(変換テーブル)を示す図である。 図13は、第2の実施形態における通信システムの動作を示す図である。 図14は、第2の実施形態における通信システムの動作を示す図である。 図15は、第2の実施形態の変形例における送信装置及び受信装置のブロック構成を示す図である。
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかる通信システムを詳細に説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
(第1の実施形態)
第1の実施形態にかかる通信システム1について図1を用いて説明する。図1は、通信システム1の構成を示す図である。
通信システム1は、送信装置10、受信装置20、及び有線通信路30を有する。送信装置10及び受信装置20は、有線通信路30を介して通信可能に接続されている。送信装置10は、所定のデータを有線通信路30経由で受信装置20へ送信する。受信装置20は、そのデータを有線通信路30経由で送信装置10から受信する。
送信装置10から受信装置20への有線通信で扱うデータが大容量化するに伴い、有線通信の通信速度(データ転送レート)の高速化も要求されている。有線通信に用いるデータの変調方式として振幅変調(ASK,BPSKなど)に代えて直交変調(QPSKなど)を適用できれば、同一周波数の2つの搬送波で2信号を多重して伝送できるので、有線通信の通信速度の高速化が期待できる。有線通信のデータ変調方式に直交変調を用いた場合、振幅変調を用いた場合に比べて、周波数(帯域)利用効率を高めることができるが、信号帯域の拡大が困難になることがある。
例えば、有線通信のデータ変調方式に振幅変調(例えば、ASK)を用いる場合、送信装置10は、数式1で示されるベースバンド信号TXBBを数式2で示されるローカル信号TXLOで周波数変換して有線通信路30経由で受信装置20へ送信する。
このとき、有線通信路30におけるゲインの周波数特性が図2(a)、図2(b)に示すようになる。有線通信路30は、1次のチャネル、2次のチャネル、及び3次のチャネルを含むことができる。図2(a)は、有線通信路30におけるゲインの周波数特性を示す図である。図2(a)では、1次のチャネルの周波数特性を実線で示し、2次のチャネルの周波数特性を破線で示し、3次のチャネルの周波数特性を一点鎖線で示している。図2(b)は、図2(a)のゲインの周波数特性を近似的に示す図である。図2(a)に示すように、有線通信路30は、ローカル信号の周波数fLOの左右で非対称なゲインの周波数特性を有する。近似的に見た場合、図2(b)に示すように、有線通信路30は、周波数fLOの左側(低周波数側)でゲインβを示すのに対し、周波数fLOの右側(高周波数側)でゲインα(<β)を示すものとみなせる。
受信装置20は、有線通信路30経由で受信された信号を数式3で示されるローカル信号RXLOで周波数変換して数式4に示すベースバンド信号RXBBを得る。
ベースバンド信号RXBBには有線通信路30の周波数非対称性(利得偏差)を示す因子α,βが含まれている。有線通信路30の周波数非対称性を示す因子α,βは、ベースバンド信号RXBBを等化(イコライズ)することでキャンセルできる。
例えば、数式4において、α=1−ε、β=1+εとおくと、数式4は次の数式5のように変形され、有線通信路30の周波数非対称性を示す因子がキャンセルされ得る。
一方、有線通信のデータ変調方式に直交変調(例えば、QPSK)を用いる場合、送信装置10は、例えば図3に示すように構成される。図3は、送信装置10及び受信装置20の構成を示すブロック図である。送信装置10は、信号に対する直交変調をアナログ的に行うように構成されている。送信装置10は、信号処理回路11、ローパスフィルタ(LPF)12i,12q、周波数変換回路13i,13q、発振器14、90°移相器15、加算器16を有する。信号処理回路11は、処理部11a及びDA変換部11i,11qを有する。処理部11aは、送信すべきデータのデジタル信号処理を行い、処理後のデジタル信号をDA変換部11i,11qへそれぞれ供給する。
DA変換部11iは、デジタル信号をDA変換して、数式6で示されるようなI成分(同相成分)用のベースバンド信号TXBB(アナログ信号)を生成しLPF12iへ供給する。
LPF12iは、I成分用のベースバンド信号TXBBにおける高周波ノイズを除去して周波数変換回路13iへ供給する。周波数変換回路13iは、数式7で示されるようなローカル信号TXLOを発振器14から受け、I成分のベースバンド信号TXBBをローカル信号TXLOで周波数変換しI成分の信号を生成する。
同様に、DA変換部11qは、デジタル信号をDA変換して、数式8で示されるようなQ成分(直交成分)のベースバンド信号TXBBを生成しLPF12qへ供給する。
LPF12qは、Q成分用のベースバンド信号TXBBにおける高周波ノイズを除去して周波数変換回路13qへ供給する。周波数変換回路13qは、数式9で示されるようなローカル信号TXLOを発振器14から90°移相器15経由で受け、Q成分のベースバンド信号TXBBをローカル信号TXLOで周波数変換しQ成分の信号を生成する。
すなわち、周波数変換回路13iで用いるローカル信号TXLOの位相と周波数変換回路13qで用いるローカル信号TXLOの位相とが90°ずれているので、周波数変換後のI成分の信号及びQ成分の信号は直交変調がかけられた信号となる。加算器(送信ノード)16は、I成分の信号及びQ成分の信号を加算して通信信号を生成し、通信信号を有線通信路30経由で受信装置20へ送信する。
受信装置20は、通信信号を有線通信路30経由で送信装置10から受信する。受信装置20は、信号(通信信号)に対する直交復調をアナログ的に行うように構成されている。受信装置20は、分配器26、発振器24、90°移相器25、周波数変換回路23i,23q、ローパスフィルタ(LPF)22i,22q、及び信号処理回路21を有する。
分配器(受信ノード)26は、通信信号を有線通信路30経由で送信装置10から受信し、受信された通信信号をI成分用及びQ成分用の2つの信号に分配し、2つの信号の一方(I成分用の信号)を周波数変換回路23iへ供給する。周波数変換回路13iは、数式10で示されるローカル信号RXLOを発振器24から受ける。
周波数変換回路23iは、I成分用の信号をローカル信号RXLOで周波数変換して数式11に示すベースバンド信号RXBBを生成しLPF22iへ供給する。等価的に、周波数変換回路23iは、分配器26で受信された信号からI成分のベースバンド信号RXBBを抽出する。
LPF22iは、I成分用のベースバンド信号RXBBにおける高周波ノイズを除去する。
分配器26は、2つの信号の他方(Q成分用の信号)を周波数変換回路23qへ供給する。周波数変換回路23qは、数式12で示されるローカル信号RXLOを発振器24から90°移相器25経由で受ける。
周波数変換回路23qは、Q成分用の信号をローカル信号RXLOで周波数変換して数式13に示すベースバンド信号RXBBを得る。等価的に、周波数変換回路23qは、分配器26で受信された信号からQ成分のベースバンド信号RXBBを抽出する。
LPF22qは、Q成分用のベースバンド信号RXBBにおける高周波ノイズを除去する。
信号処理回路21は、処理部21a及びAD変換部21i,21qを有する。AD変換部21iは、LPF22i側から供給された信号をAD変換してデジタル信号を生成し処理部21aへ供給する。AD変換部21qは、LPF22q側から供給された信号をAD変換してデジタル信号を生成し処理部21aへ供給する。処理部21aは、I成分用及びQ成分用のそれぞれのデジタル信号に対してデジタル信号処理を行う。このデジタル信号処理には、例えば、デジタル信号を等化(イコライズ)する処理も含まれる。
数式11で示されるベースバンド信号RXBBは、I成分に関連する項とQ成分に関連する項とを含み、両者の項のそれぞれに有線通信路30の周波数非対称性(利得偏差)を示す因子α,βが含まれている。有線通信路30の周波数非対称性を示す因子α、βは、ベースバンド信号RXBBを等化(イコライズ)すると、I成分に関連する項ではキャンセルできるが、Q成分に関連する項ではキャンセルされずに残り得る。
例えば、数式11において、α=1−ε、β=1+εとおくと、数式11は次の数式14のように変形され、有線通信路30の周波数非対称性を示す因子がキャンセルされずに残り得る。
数式14に示すように、等化後のベースバンド信号RXBBでは、α、βがキャンセルされたI成分に関連する項が所望波の成分となるのに対し、α、βがキャンセルされずに残り得るQ成分に関連する項がノイズとなり得る。
同様に、数式13で示されるベースバンド信号RXBBは、I成分に関連する項とQ成分に関連する項とを含み、両者の項のそれぞれに有線通信路30の周波数非対称性(利得偏差)を示す因子α、βが含まれている。有線通信路30の周波数非対称性を示す因子α、βは、ベースバンド信号RXBBを等化(イコライズ)すると、Q成分に関連する項ではキャンセルできるが、I成分に関連する項ではキャンセルされずに残り得る。
例えば、数式13において、α=1−ε、β=1+εとおくと、数式13は次の数式15のように変形され、有線通信路30の周波数非対称性を示す因子がキャンセルされずに残り得る。
数式15に示すように、等化後のベースバンド信号RXBBでは、α、βがキャンセルされたQ成分に関連する項が所望波の成分となるのに対し、α、βがキャンセルされずに残り得るI成分に関連する項がノイズとなり得る。
すなわち、数式14に示されるノイズは、I成分のベースバンド信号RXBBへのQ成分による干渉に起因したノイズと見なすことができ、数式15に示されるノイズは、Q成分のベースバンド信号RXBBへのI成分による干渉に起因したノイズと見なすことができる。本明細書では、これらの干渉ノイズを、I成分及びQ成分の間における干渉に起因したノイズであることを表すため、IQ干渉ノイズと呼ぶことにする。
無線通信のデータ変調方式に直交変調(QPSK)を用いる場合には、利用周波数帯域が無線通信規格で制限されているため、IQ干渉ノイズが無視できるほど小さいかデジタル信号処理により容易に除去可能なレベルに留まる。
有線通信のデータ変調方式に直交変調(QPSK)を用いる場合、無線通信に比べて広い周波数帯域(例えば、無線通信より高速な帯域)が利用可能であるが、数式14及び数式15に示されるように、広帯域利用時にIQ干渉ノイズが顕著に発生し、IQ干渉ノイズがデジタル信号処理により除去可能なレベルを超える可能性がある。有線通信の通信速度(データ転送レート)の高速化の要求を満たすためには、広帯域利用時におけるIQ干渉ノイズを除去することが望まれる。
そこで、本実施形態では、I成分及びQ成分間の干渉ノイズ(IQ干渉ノイズ)をアナログ的に補償するように受信装置20を構成することで、広帯域利用時におけるIQ干渉ノイズの除去を図る。
具体的には、受信装置20は、図3に示すように、補正回路27i、補正回路27q、加算回路28i、加算回路28qをさらに有する。図3は、受信装置20の機能的な構成を示すブロック図である。
補正回路27qは、周波数変換回路23qの出力側と加算回路28iとの間に電気的に挿入されており、LPF22qと加算回路28iとの間に電気的に挿入されている。
補正回路27iは、周波数変換回路23iの出力側と加算回路28qとの間に電気的に挿入されており、LPF22iと加算回路28qとの間に電気的に挿入されている。
加算回路28iは、周波数変換回路23iの出力側に電気的に接続されており、LPF22iと信号処理回路21との間に電気的に挿入されている。
加算回路28qは、周波数変換回路23qの出力側に電気的に接続されており、LPF22qと信号処理回路21との間に電気的に挿入されている。
次に、信号(I成分)の伝達手順における補正回路27q及び加算回路28iの動作について図4を用いて説明する。図4は、信号(I成分)の伝達手順を示す図である。
例えば、送信装置10で生成されるI成分のベースバンド信号TXBBについて周波数と電圧振幅との関係を示すと図4(a)のようになる。図4(a)では、周波数ω〜ωごとに電圧振幅a〜aが示されている。送信装置10の周波数変換回路13iにおいて、このベースバンド信号TXBBを、図4(b)に示す周波数ωのローカル信号TXLOで周波数変換すると、生成されるI成分の信号は図4(c)に示すようになる。周波数ωは、図2(a)、図2(b)における周波数fLOに対応する周波数(キャリア周波数)である。図4(c)に示すI成分の信号では、図4(a)に示すベースバンド信号TXBBが周波数ωで全体的にシフトされるとともに周波数ωを中心として折り返された波形になっている。すなわち、周波数と電圧振幅との関係で見た場合に、周波数ωの左右で略線対称な波形になっている。図4(c)に示すI成分の信号は、図4(d)〜図4(f)に示すように、送信装置10の加算器16から有線通信路30経由で受信装置20の分配器26へ伝達される過程で有線通信路30の周波数非対称性の影響を受ける。I成分について周波数及び電圧振幅の関係を示す波形は、図4(e)に示すような周波数ωの左右で非対称な波形になる。図4(e)では、この非対称性を周波数ωに対して左側の係数cl1〜clNと右側の係数cu1〜cuNとが異なることとして示している。このI成分の信号を周波数変換回路23iにより図4(g)に示す周波数ωのローカル信号RXLOで周波数変換すると、抽出されるベースバンド信号RXBBは、数式16で示されるように、非対称性を示す因子(係数cl1〜clN,cu1〜cuN)を含んだ信号となる。
数式16は、Σを使ってまとめると、数式17のように表せる。
数式17に示すように、I成分のベースバンド信号RXBBでは、I成分に関連する項が所望波の成分となるのに対し、破線で囲って示されたQ成分に関連する項がノイズとなり得る。
同様にして、Q成分のベースバンド信号RXBBは、数式18のように表せる。
数式18に示すように、Q成分のベースバンド信号RXBBでは、Q成分に関連する項が所望波の成分となるのに対し、破線で囲って示されたI成分に関連する項がノイズとなり得る。
I成分の信号とQ成分の信号とのそれぞれにおいて、S/N比は、数式19で表されるように顕著に劣化し得る。
ここで、数式17におけるQ成分に関連する項と数式18におけるQ成分に関連する項とを比較すると、sin及びconの違いを除けば係数が非常に似ていることが分かる。その点に着目し、本実施形態では、図3、図4(h)に示す補正回路27qにおいて、数式20に示すようにQ成分のベースバンド信号RXBBを微分した結果dRXBB/dtに対して、符号を反転させるとともに数式21に示す補償フィルタHcompを乗算する。
その乗算結果を、加算回路28iにより、数式17に示すI成分のベースバンド信号RXBBに加算すると、数式22に示すようにノイズがキャンセルされ得る。
これにより、図4(i)に示すように、送信側と同様の波形を有するI成分のベースバンド信号を得ることができる。加算回路28iは、加算結果(I成分のベースバンド信号)を信号処理回路21へ供給する。
同様に、数式17におけるI成分に関連する項と数式18におけるI成分に関連する項とを比較すると、sin及びconの違いを除けば係数が非常に似ていることが分かる。その点に着目し、本実施形態では、図3、図4(h)に示す補正回路27iにおいて、数式23に示すようにI成分のベースバンド信号RXBBを微分した結果dRXBB/dtに、上記の数式21に示す補償フィルタHcompを乗算する。
その乗算結果を、加算回路28qにより、数式18に示すQ成分のベースバンド信号RXBBに加算すると、数式24に示すようにノイズがキャンセルされ得る。
これにより、送信側と同様の波形を有するQ成分のベースバンド信号を得ることができる。加算回路28qは、加算結果(Q成分のベースバンド信号)を信号処理回路21へ供給する。
なお、数式21に示す補償フィルタHcompは、図5(a)に示すように、ほぼ平坦な補償フィルタ特性を示し、アナログ的な実装が容易である。図5(a)は、補正回路27i,27qの補償フィルタ特性を示す図であり、1次のチャネルの補償フィルタ特性を実線で示し、2次のチャネルの補償フィルタ特性を破線で示し、3次のチャネルの補償フィルタ特性を一点鎖線で示している。また、補償フィルタHcompによる主信号の損失を表す補償損失は、図5(b)に示すように、広い周波数帯域において、ほぼ0にすることができる。図5(b)は、補正回路27i,27qの補償損失を示す図であり、1次のチャネルの補償損失を実線で示し、2次のチャネルの補償損失を破線で示し、3次のチャネルの補償損失を一点鎖線で示している。
IQ干渉ノイズを補償する機能をアナログ回路で構成すると、例えば図6に示すようになる。図6は、受信装置20の構成を示す回路図である。
補正回路27iは、逆相増幅器27i1及び容量素子27i2を含む。逆相増幅器27i1は、入力側がLPF22iの出力ノードに接続され、出力側が容量素子27i2の一端に接続されている。容量素子27i2は、一端が逆相増幅器27i1の出力ノードに接続され、他端が加算回路28qに接続されている。逆相増幅器27i1のゲインと容量素子27i2の容量値とは、数式18のRXBBを微分して数式20のdRXBB/dtを求める演算と数式20のdRXBB/dtに数式21のHcompを乗算する演算とを行うように、予め実験的に調整され得る。
なお、補正回路27iに逆相増幅器27i1を設けたことに伴い、回路的にバランスを取るために、逆相増幅器27i1とゲインの符号を反転させたものと等価な特性を有する正相増幅器29iがLPF22iと加算回路28iとの間に電気的に挿入されてもよい。
補正回路27qは、正相増幅器27q1及び容量素子27q2を含む。正相増幅器27q1は、入力側がLPF22qの出力ノードに接続され、出力側が容量素子27q2の一端に接続されている。容量素子27q2は、一端が正相増幅器27q1の出力ノードに接続され、他端が加算回路28iに接続されている。正相増幅器27q1のゲインと容量素子27q2の容量値とは、数式17のRXBBを微分して数式23のdRXBB/dtを求める演算と数式23のdRXBB/dtに数式21のHcompを乗算する演算とを行うように、予め実験的に調整され得る。
なお、補正回路27qに正相増幅器27q1を設けたことに伴い、回路的にバランスを取るために、正相増幅器27q1と等価な特性を有する正相増幅器29qがLPF22qと加算回路28qとの間に電気的に挿入されてもよい。
以上のように、第1の実施形態では、受信装置20において、周波数変換回路23qの出力側と加算回路28iとの間に、逆相増幅器27i1及び容量素子27i2を含む補正回路27iを電気的に挿入する。周波数変換回路23iの出力側と加算回路28qとの間に、正相増幅器27q1及び容量素子27q2を含む補正回路27qを電気的に挿入する。このとき、逆相増幅器27i1のゲインと容量素子27i2の容量値とは、数式18のRXBBを微分して数式20のdRXBB/dtを求め符号を反転させる演算と数式20のdRXBB/dtに数式21のHcompを乗算する演算とを行うように、予め実験的に調整され得る。正相増幅器27q1のゲインと容量素子27q2の容量値とは、数式17のRXBBを微分して数式23のdRXBB/dtを求める演算と数式23のdRXBB/dtに数式21のHcompを乗算する演算とを行うように、予め実験的に調整され得る。これにより、IQ干渉ノイズをアナログ的に補償でき、広帯域利用時におけるIQ干渉ノイズを除去できる。
例えば、図7(a)、図7(b)に示すように、IQ干渉ノイズに由来する波形のジッタを低減できる。例えば、補正前の図7(a)に示されるジッタ時間幅t1に対して補正後の図7(b)に示されるジッタ時間幅t2の減少割合を計算すると、約65%低減できることが分かる。図7(a)は、補正前における信号の電圧振幅の時間変化を示す波形であり、図7(b)は、補正後における信号の電圧振幅の時間変化を示す波形である。
したがって、有線通信のデータ変調方式に直交変調(例えば、QPSK)を用いた場合に、広帯域利用時におけるIQ干渉ノイズを除去でき、利用可能な信号帯域を拡大できるので、マルチキャリア通信を広い帯域で利用できることなどにより、有線通信の通信速度を容易に向上できる。
なお、図8に示すように、受信装置120において、補正回路127iは、逆相可変増幅器127i1及び可変容量素子127i2を含んでいてもよく、補正回路127qは、正相可変増幅器127q1及び可変容量素子127q2を含んでいてもよい。逆相可変増幅器127i1及び正相可変増幅器127q1は、それぞれ、ゲインが可変である。可変容量素子127i2及び可変容量素子127q2は、それぞれ、容量値が可変である。この場合、逆相可変増幅器127i1のゲインと可変容量素子127q2の容量値とは、数式18のRXBBを微分して数式20のdRXBB/dtを求める演算と数式20のdRXBB/dtに数式21のHcompを乗算する演算とを適切に行うように、動的に変更され得る。正相可変増幅器127q1のゲインと可変容量素子127q2の容量値とは、数式17のRXBBを微分して数式23のdRXBB/dtを求める演算と数式23のdRXBB/dtに数式21のHcompを乗算する演算とを適切に行うように、動的に変更され得る。
例えば、逆相可変増幅器127i1のゲインと可変容量素子127qiの容量値とは、受信装置120の環境温度の変化など環境条件の変化に応じて(例えば環境条件と変更すべき値とが対応付けられたテーブルを用いたフィードフォワード制御により)動的に変更され得る。正相可変増幅器127q1のゲインと可変容量素子127q2の容量値とは、受信装置120の環境温度の変化など環境条件の変化に応じて(例えば環境条件と変更すべき値とが対応付けられたテーブルを用いたフィードフォワード制御により)動的に変更され得る。このとき、環境条件を検知するセンサ(例えば温度センサ)が追加で設けられてもよい。
あるいは、図9に示すように、受信装置220において、逆相可変増幅器127i1及び正相可変増幅器127q1のゲインと可変容量素子127i2及び可変容量素子127q2の容量値とが適応的に制御されてもよい。すなわち、受信装置220は、品質検出部232i,232qをさらに有する。
品質検出部232iは、加算回路28iから信号処理回路21へ転送される信号の電力等を検出ノード231iで検出し、予め設定された信号の目標電力と比較することなどにより信号のS/N比を評価する。品質検出部232iは、その評価結果に応じて(例えば、信号のS/N比が目標値に近づくように)、正相可変増幅器127q1のゲインと可変容量素子127q2の容量値とを決定して制御信号を正相可変増幅器127q1と可変容量素子127q2とにそれぞれ供給する。これにより、正相可変増幅器127q1は、そのゲインの値を制御信号に応じた値に変更し、可変容量素子127q2は、その容量値を制御信号に応じた値に変更する。
同様に、品質検出部232qは、加算回路28qから信号処理回路21へ転送される信号の電力等を検出ノード231qで検出し、予め設定された信号の目標電力と比較することなどにより信号のS/N比を評価する。品質検出部232qは、その評価結果に応じて(例えば、信号のS/N比が目標値に近づくように)、逆相可変増幅器127i1のゲインと可変容量素子127i2の容量値とを決定して制御信号を逆相可変増幅器127i1と可変容量素子127i2とにそれぞれ供給する。これにより、逆相可変増幅器127i1は、そのゲインの値を制御信号に応じた値に変更し、可変容量素子127i2は、その容量値を制御信号に応じた値に変更する。
このように、逆相可変増幅器127i1のゲインと可変容量素子127q2の容量値とは、受信信号の品質に応じて、適応的に変更され得る。正相可変増幅器127q1のゲインと可変容量素子127q2の容量値とは、受信信号の品質に応じて、適応的に変更され得る。
したがって、このような構成によって、有線通信のデータ変調方式に直交変調(例えば、QPSK)を用いた場合に、広帯域利用時におけるIQ干渉ノイズを除去でき、利用可能な信号帯域を拡大できるので、マルチキャリア通信を広い帯域で利用できることなどにより、有線通信の通信速度を容易に向上できる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る通信システム301について図10を用いて説明する。図10は、通信システム301の構成を示す図である。以下では、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
第1の実施形態では、IQ干渉ノイズの補償を通信システム1における受信装置20側で行っているが、第2の実施形態では、IQ干渉ノイズの補償を通信システム301における送信装置310側で行う。
通信システム301は、送信装置310、有線通信路30、及び受信装置320を有する。送信装置310は、信号に対する直交変調をデジタル的に行うように構成されている。送信装置310は、信号処理回路311、補正回路318、DA変換回路(DAC)317i,317q、周波数変換回路313i,313q、発振器314、加算器316を有する。信号処理回路311は、処理部311a及びデジタル変調部311bを有する。
受信装置320は、信号に対する直交復調をデジタル的に行うように構成されている。受信装置320は、分配器326、発振器324、周波数変換回路323i,323q、及び信号処理回路321を有する。信号処理回路321は、処理部321a、デジタル復調部321b及びAD変換部321i,321qを有する。
送信装置310において、信号処理回路311は、I成分(同相成分)のベースバンド信号TXBBをライン319i経由で補正回路318へ供給し、Q成分(直交成分)のベースバンド信号TXBBをライン319q経由で補正回路318へ供給する。
補正回路318は、ベースバンド信号TXBB(第2の値)を用いてIQ干渉ノイズを補償するようにベースバンド信号TXBB(第1の値)を補正して、補正後のベースバンド信号TXBB(第3の値)を生成する。それとともに、補正回路318は、ベースバンド信号TXBB(第1の値)を用いてIQ干渉ノイズを補償するようにベースバンド信号TXBB(第2の値)を補正して、補正後のベースバンド信号TXBB(第4の値)を生成する。
例えば、補正回路318は、図11に示すようなFIR(Finite Impulse Response)フィルタで実現可能である。図11は、補正回路318の構成例を示す回路図である。補正回路318は、複数の遅延素子318a〜318d、複数の乗算器318e〜318l、及び複数の加算器318m〜318rを有する。
例えば、ベースバンド信号TXBBの異なるサンプルタイミングにおける値に区別するためにn番目にサンプルされた信号をベースバンド信号TXBB(n)と表すことにする。
乗算器318eは、ベースバンド信号TXBB(n)に重み係数Wを乗算して信号W×TXBB(n)を生成して加算器318mへ供給する。乗算器318fは、遅延素子318aで遅延された1サンプル前のベースバンド信号TXBB(n−1)に重み係数Wを乗算して信号W×TXBB(n−1)を生成して加算器318mへ供給する。加算器318mは、信号W×TXBB(n)と信号W×TXBB(n−1)とを加算して信号W×TXBB(n)+W×TXBB(n−1)を加算器318oへ供給する。
乗算器318kは、ベースバンド信号TXBB(n)に重み係数Wを乗算して信号W×TXBB(n)を生成して加算器318nへ供給する。乗算器318lは、遅延素子318cで遅延された1サンプル前のベースバンド信号TXBB(n−1)に重み係数Wを乗算して信号W×TXBB(n−1)を生成して加算器318nへ供給する。加算器318nは、信号W×TXBB(n)と信号W×TXBB(n−1)とを加算して信号W×TXBB(n)+W×TXBB(n−1)を加算器318oへ供給する。
加算器318oは、信号W×TXBB(n)+W×TXBB(n−1)と信号W×TXBB(n)+W×TXBB(n−1)とを加算して、加算結果W×TXBB(n)+W×TXBB(n−1)+W×TXBB(n)+W×TXBB(n−1)を補正後の(IQ干渉ノイズが補償された)ベースバンド信号TXBBとして得る。
ここで、I成分におけるIQ干渉ノイズの補償に用いられる係数W,W,W,Wは、受信装置320側における数式18のRXBBを微分して数式20のdRXBB/dtを求める演算と数式20のdRXBB/dtに数式21のHcompを乗算する演算に相当する演算を送信装置310側で行うように、予め実験的に調整され得る。すなわち、ベースバンド信号TXBB(第2の値)を用いてIQ干渉ノイズを補償するようにベースバンド信号TXBB(第1の値)を補正して補正後のベースバンド信号TXBB(第3の値)を生成するFIRフィルタ(第1のフィルタ回路)は、1個以上の係数(W,W,W,W)と1個以上の遅延素子と1個以上の加算器とを組み合わせて構成され得る。
同様に、乗算器318iは、ベースバンド信号TXBB(n)に重み係数Wを乗算して信号W×TXBB(n)を生成して加算器318pへ供給する。乗算器318jは、遅延素子318dで遅延された1サンプル前のベースバンド信号TXBB(n−1)に重み係数Wを乗算して信号W×TXBB(n−1)を生成して加算器318pへ供給する。加算器318pは、信号W×TXBB(n)と信号W×TXBB(n−1)とを加算して信号W×TXBB(n)+W×TXBB(n−1)を加算器318rへ供給する。
乗算器318gは、ベースバンド信号TXBB(n)に重み係数Wを乗算して信号W×TXBB(n)を生成して加算器318qへ供給する。乗算器318hは、遅延素子318bで遅延された1サンプル前のベースバンド信号TXBB(n−1)に重み係数Wを乗算して信号W×TXBB(n−1)を生成して加算器318qへ供給する。加算器318qは、信号W×TXBB(n)と信号W×TXBB(n−1)とを加算して信号W×TXBB(n)+W×TXBB(n−1)を加算器318rへ供給する。
加算器318rは、信号W×TXBB(n)+W×TXBB(n−1)と信号W×TXBB(n)+W×TXBB(n−1)とを加算して、加算結果W×TXBB(n)+W×TXBB(n−1)+W×TXBB(n)+W×TXBB(n−1)を補正後の(IQ干渉ノイズが補償された)ベースバンド信号TXBBとして得る。
ここで、Q成分におけるIQ干渉ノイズの補償に用いられる係数W,W,W,Wは、受信装置320側における数式17のRXBBを微分して数式23のdRXBB/dtを求める演算と数式23のdRXBB/dtに数式21のHcompを乗算する演算に相当する演算を送信装置310側で行うように、予め実験的に調整され得る。すなわち、ベースバンド信号TXBB(第1の値)を用いてIQ干渉ノイズを補償するようにベースバンド信号TXBB(第2の値)を補正して補正後のベースバンド信号TXBB(第4の値)を生成するFIRフィルタ(第2のフィルタ回路)は、1個以上の係数(W,W,W,W)と1個以上の遅延素子と1個以上の加算器とを組み合わせて構成され得る。
あるいは、例えば、補正回路318は、図12に示すようなテーブル3181を用いた補正を行うことで実現可能である。図12は、補正回路318の他の構成例を示す図である。テーブル3181は、入力I成分欄3181a、入力Q成分欄3181b、出力I成分欄3181c、出力Q成分欄3181dを有する。入力I成分欄3181aには、補正回路318に入力される候補となるベースバンド信号TXBBの値TIin1,TIin2,・・・が記録されている。入力Q成分欄3181bには、補正回路318に入力される候補となるベースバンド信号TXBBの値TQin1,TQin2,・・・が記録されている。出力I成分欄3181cには、入力されるベースバンド信号TXBB及びベースバンド信号TXBBの組み合わせに対して置き換えるべきベースバンド信号TXBBの値TIout1,TIout2,・・・が記録されている。出力Q成分欄3181dには、入力されるベースバンド信号TXBB及びベースバンド信号TXBBの組み合わせに対して置き換えるべきベースバンド信号TXBBの値TQout1,TQout2,・・・が記録されている。
補正回路318は、テーブル3181を参照し、信号処理回路311から受けたベースバンド信号TXBB及びベースバンド信号TXBBの組み合わせに応じて、ベースバンド信号TXBBを補正後の(IQ干渉ノイズが補償された)ベースバンド信号TXBBに置き換えるとともに、ベースバンド信号TXBBを補正後の(IQ干渉ノイズが補償された)ベースバンド信号TXBBに置き換える。
図10に示す補正回路318は、補正後のベースバンド信号TXBBをDAC317iへ供給し、補正後のベースバンド信号TXBBをDAC317qへ供給する。DAC317iは、ベースバンド信号TXBBをDA変換して周波数変換回路313iへ供給する。DAC317qは、ベースバンド信号TXBBをDA変換して周波数変換回路313qへ供給する。周波数変換回路313iは、発振器314から受けたローカル信号TXLOでベースバンド信号TXBBを周波数変換して加算器316へ供給する。周波数変換回路313qは、発振器314から受けたローカル信号TXLOでベースバンド信号TXBBを周波数変換して加算器316へ供給する。加算器316は、周波数変換回路313iから受けた信号と周波数変換回路313qから受けた信号とを加算して通信信号を生成し有線通信路30経由で受信装置320へ送信する。
受信装置320において、分配器(受信ノード)326は、通信信号を有線通信路30経由で送信装置310から受信し、受信された通信信号をI成分用及びQ成分用の2つの信号に分配し、I成分用の信号を周波数変換回路323iへ供給し、Q成分用の信号を周波数変換回路323qへ供給する。周波数変換回路323iは、発振器324から受けたローカル信号RXLOでI成分用の信号を周波数変換してベースバンド信号RXBBを生成し信号処理回路321へ供給する。周波数変換回路323qは、発振器324から受けたローカル信号RXLOでQ成分用の信号を周波数変換してベースバンド信号RXBBを生成し信号処理回路321へ供給する。
信号処理回路321において、AD変換部321iは、周波数変換回路323iから供給された信号をAD変換してデジタル信号を生成し処理部321aへ供給する。AD変換部321qは、周波数変換回路323qから供給された信号をAD変換してデジタル信号を生成し処理部321aへ供給する。処理部321aは、I成分用及びQ成分用のそれぞれのデジタル信号に対してデジタル信号処理を行いデジタル復調部321bへ供給する。デジタル復調部321bは、デジタル信号に対してデジタル直交復調処理を行い、所望の信号を得る。
以上のように、第2の実施形態では、送信装置310において、補正回路318が、ベースバンド信号TXBB(第2の値)を用いてIQ干渉ノイズを補償するようにベースバンド信号TXBB(第1の値)を補正して、補正後のベースバンド信号TXBB(第3の値)を生成する。それとともに、補正回路318は、ベースバンド信号TXBB(第1の値)を用いてIQ干渉ノイズを補償するようにベースバンド信号TXBB(第2の値)を補正して、補正後のベースバンド信号TXBB(第4の値)を生成する。これにより、IQ干渉ノイズをデジタル的に補償でき、広帯域利用時におけるIQ干渉ノイズを除去できる。
例えば、図13(a)、図13(b)に示すように、IQ干渉ノイズに由来する波形のジッタを低減できる。図13(a)は、補正前における信号の電圧振幅の時間変化を示す波形であり、図13(b)は、補正後における信号の電圧振幅の時間変化を示す波形である。また、図13(c)、図13(d)に示すように、IQ干渉ノイズに由来する各シンボルレベルのばらつきも低減できる。図13(c)は、補正前における各シンボルのレベルを示すIQ平面図であり、図13(d)は、補正後における各シンボルのレベルを示すIQ平面図である。
したがって、有線通信のデータ変調方式に直交変調(例えば、QPSK)を用いた場合に、広帯域利用時におけるIQ干渉ノイズを除去でき、利用可能な信号帯域を拡大できるので、マルチキャリア通信を広い帯域で利用できることなどにより、有線通信の通信速度を容易に向上できる。
なお、補正回路318は、IQ干渉ノイズの補償だけでなく、IQミスマッチの補償やシンボル間干渉の補償に用いられてもよい。例えば、図11に示す各係数W〜Wを実験的に調整して決定することで、図14(a)、図14(b)に示すようにシンボル間干渉の補償を実現可能である。あるいは、例えば、図11に示す各係数W〜Wを実験的に調整して決定することで、図14(c)、図14(d)に示すようにIQミスマッチを実現可能である。例えば、図14(c)に示すように4つのシンボルがIQ平面上で平行四辺形状に分布している状態から、図14(d)に示すように4つのシンボルがIQ平面上で矩形状に分布している状態へ補正できる。
なお、図11に示す各係数W〜Wの調整(係数更新)は、動的に行われてもよい。例えば、事前のキャリブレーション(例えば起動時やデータフレーム先頭)で、既知のトレーニング信号を使い、受信信号と理想値との差が小さくなるように、LMS(Least Mean Square)アルゴリズムなどを使って送信装置310に設けた補正回路(複素FIRフィルタ)318の係数を調整する。そして、使用時(データ送受信中)は係数を固定するように構成することができる。
例えば、図15に示すように、受信装置420に品質検出部427及び係数算出部428を追加する。送信装置310における補正回路318は、図11に示すようなFIRフィルタで実現されているものとする。品質検出部427は、周波数変換回路323i,323qと信号処理回路321との間に電気的に挿入される。品質検出部427は、周波数変換回路323iから信号処理回路321へベースバンド信号RXBBを転送するとともにベースバンド信号RXBBの品質を評価する。品質検出部427は、周波数変換回路323qから信号処理回路321へベースバンド信号RXBBを転送するとともにベースバンド信号RXBBの品質を評価する。
品質検出部427は、予め設定された信号の目標電力と比較することなどにより信号のS/N比を評価する。品質検出部427は、その評価結果を係数算出部428へ供給する。係数算出部428は、品質検出部427による評価結果に応じて(例えば、信号のS/N比が目標値に近づくように)、各係数W〜Wを算出する。
例えば、各係数W〜Wを数式25に示す行列Wで表すことができる。
この場合、数式26に示すような演算を行うことで、各係数W〜Wを更新できる。
数式26において、ベースバンド信号RXBB,RXBBの異なるサンプルタイミングにおける値を区別するためにn番目にサンプルされた信号をそれぞれI,Qと表している。数式26において、λは、ステップ係数と呼ばれ、係数更新のステップ量を規定する。λより右側の部分は、誤差の時間的な変化の割合及び方向を表す。数式26に示す演算により、誤差が減少する方向にλで規定されたステップ量に応じて各係数W〜Wを更新できる。すなわち、ベースバンド信号RXBB,RXBBの値が目標値に収束するように、各係数W〜Wを更新できる。
係数算出部428は、算出された各係数W〜Wを送信装置310における補正回路318へ供給する。これにより、補正回路318は、その係数W〜Wを更新する。
また、係数算出部428は、品質検出部427による評価結果に応じて、ベースバンド信号RXBB,RXBBの値が目標値に収束したと判断できる場合に、係数W〜Wの更新を停止して係数W〜Wを固定化してもよい。また、送信装置310は、固定された係数W〜Wをテーブルとして保持し、周期的に又は送信装置310の起動時にそのテーブルを参照して補正回路(複素FIRフィルタ)318の係数を調整するように構成されていてもよい。これにより、動的な送受信環境の変化に対応して補正回路318(例えば、FIRフィルタ)の係数更新を行うことができる。
したがって、このような構成によっても、有線通信のデータ変調方式に直交変調(例えば、QPSK)を用いた場合に、広帯域利用時におけるIQ干渉ノイズを除去でき、利用可能な信号帯域を拡大できるので、マルチキャリア通信を広い帯域で利用できることなどにより、有線通信の通信速度を容易に向上できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 通信システム、10,310 送信装置、20,120,220,320,420 受信装置。

Claims (13)

  1. 有線通信路に接続可能である受信ノードと、
    前記受信ノードと電気的に接続された第1の周波数変換回路と、
    前記受信ノードと電気的に接続された第2の周波数変換回路と、
    前記第1の周波数変換回路と電気的に接続された第1加算回路と、
    前記第2の周波数変換回路と電気的に接続された第2加算回路と、
    前記第1の周波数変換回路と前記第2加算回路との間に電気的に接続された第1の補正回路と、
    前記第2の周波数変換回路と前記第1加算回路との間に電気的に接続された第2の補正回路と、
    を備え、
    前記第1の補正回路は、逆相増幅器及び第1の容量素子を含み、
    前記第2の補正回路は、正相増幅器及び第2の容量素子を含む
    受信装置。
  2. 前記第1の周波数変換回路と前記第1の補正回路との間に電気的に接続された第1のローパスフィルタと、
    前記第2の周波数変換回路と前記第2の補正回路との間に電気的に接続された第2のローパスフィルタと、
    をさらに備えた
    請求項1に記載の受信装置。
  3. 前記第1の周波数変換回路は、前記受信ノードの受信信号を第1のローカル信号で周波数変換して第1の成分を抽出し、
    前記第2の周波数変換回路は、前記受信ノードの受信信号を前記第1のローカル信号に対して位相が略90度異なる第2のローカル信号で周波数変換して第2の成分を抽出し、
    前記逆相増幅器のゲインと前記第1の容量素子の容量値とは、前記第1の補正回路が前記第2の成分を微分するとともに前記第1の成分に対する前記第2の成分の干渉を補償して第1の補正値を生成するように調整されており、
    前記正相増幅器のゲインと前記第2の容量素子の容量値とは、前記第2の補正回路が前記第1の成分を微分するとともに前記第2の成分に対する前記第1の成分の干渉を補償して第2の補正値を生成するように調整されており、
    前記第1加算回路は、前記抽出された第1の成分と前記第1の補正値とを加算し、
    前記第2加算回路は、前記抽出された第2の成分と前記第2の補正値とを加算する
    請求項1又は2に記載の受信装置。
  4. 前記逆相増幅器は、ゲインが可変であり、
    前記第1の容量素子は、容量値が可変であり、
    前記正相増幅器は、ゲインが可変であり、
    前記第2の容量素子は、容量値が可変である
    請求項1から3のいずれか1項に記載の受信装置。
  5. 前記第1加算回路の加算結果を用いて、前記第1の成分の信号品質を検出する第1の検出部と、
    前記第2加算回路の加算結果を用いて、前記第2の成分の信号品質を検出する第2の検出部と、
    をさらに備え、
    前記逆相増幅器は、前記第2の検出部の検出結果に応じて、ゲインを変更し、
    前記第1の容量素子は、前記第2の検出部の検出結果に応じて、容量値を変更し、
    前記正相増幅器は、前記第1の検出部の検出結果に応じて、ゲインを変更し、
    前記第2の容量素子は、前記第1の検出部の検出結果に応じて、容量値を変更する
    請求項4に記載の受信装置。
  6. 第2の値を用いて第1の値を補正して第3の値を生成するとともに前記第1の値を用いて前記第2の値を補正して第4の値を生成する補正回路と、
    前記第3の値を第1のローカル信号で周波数変換して第1の信号を生成する第1の周波数変換回路と、
    前記第4の値を前記第1のローカル信号に対して位相が略90度異なる第2のローカル信号で周波数変換して第2の信号を生成する第2の周波数変換回路と、
    有線通信路に接続可能であり、前記第1の信号と前記第2の信号とを合成して送信信号を生成する送信ノードと、
    を備えた送信装置。
  7. 前記補正回路は、
    1個以上の第1の係数と1個以上の第1の遅延素子と1個以上の第1の加算器とを組み合わせて構成される第1のフィルタ回路と、
    1個以上の第2の係数と1個以上の第2の遅延素子と1個以上の第2の加算器とを組み合わせて構成される第2のフィルタ回路と、
    を含む
    請求項6に記載の送信装置。
  8. 前記補正回路は、前記第1の値と前記第2の値との組み合わせに応じて、前記第1の値を前記第3の値に置き換えるとともに前記第2の値を前記第4の値に置き換えるためのテーブルを含む
    請求項6に記載の送信装置。
  9. 前記送信ノードは、前記有線通信路を介して受信装置に接続可能であり、
    前記第1の係数、前記第2の係数、前記第3の係数、前記第4の係数は、それぞれ、前記受信装置で受信された信号における前記第1の成分の信号品質と前記第2の成分の信号品質とに応じて調整される
    請求項7に記載の送信装置。
  10. 送信装置と、
    前記有線通信路を介して前記送信装置に接続された請求項1から5のいずれか1項に記載の受信装置と、
    を備えた通信システム。
  11. 請求項6から9のいずれか1項に記載の送信装置と、
    前記有線通信路を介して前記送信装置に接続された受信装置と、
    を備えた通信システム。
  12. 前記受信装置は、
    前記受信装置で受信された信号における前記第1の成分の信号品質を検出する第1の検出部と、
    前記検出された前記第1の成分の信号品質に応じて、前記第1の成分を第3の成分に補正することに用いる第1の係数を調整する第1の調整部と、
    前記受信装置で受信された信号における前記第2の成分の信号品質を検出する第2の検出部と、
    前記検出された前記第2の成分の信号品質に応じて、前記第2の成分を第4の成分に補正することに用いる第2の係数を調整する第2の調整部と、
    を有する
    請求項11に記載の通信システム。
  13. 請求項6から9のいずれか1項に記載の送信装置と、
    前記有線通信路を介して前記送信装置に接続された請求項1から5のいずれか1項に記載の受信装置と、
    を備えた通信システム。
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