JP2019053356A - 制御システム、異常検知方法、および異常検知プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】従来検知できなかった製造プロセスにおける異常を検知できる技術を提供すること。【解決手段】制御システム(100)は、製造プロセスにおけるプロセスパラメータを測定して複数のセンサ値を出力するセンサ(120)と、プロセスパラメータを調節するための調節装置(140)と、センサ値が予め定められた目標値に一致するように調節装置を制御するための制御信号を出力する制御装置(130)と、センサ値の変動がない場合に制御システムの異常を検知する異常検知部(132)とを備える。【選択図】図1
Description
この開示は、制御システムに関し、より特定的には、製造プロセスを制御する制御システムに関する。
通常、工業製品を生産する場合、工業製品の品質を一定に保つために各種製造プロセスにおいてプロセス制御が行なわれている。プロセス制御は、温度、圧力、流量などのプロセスパラメータ(プロセス状態量とも言う)を制御することである。
このような工業製品の生産には、プロセスパラメータを監視し、製造プロセスに異常が発生した場合に早急に対処することが要求される。
製造プロセスにおける異常を検知する技術に関し、例えば、国際公開第96/26539号(特許文献1)は、工業製品の製造ラインにおいて発生した異常を自動的に検知する技術を開示している。より具体的には、この技術は、ファイルデータベースから製造データおよび検査データを読み出し、予め収録された異常検知方法を読み出されたデータに適用して異常を検知する(「要約」参照)。
製造プロセスを管理する制御システムは、一般的に、監視対象のプロセスパラメータが予め定められた範囲から外れた場合に、製造プロセスに異常が生じていることを検知する。しかしながら、このような制御では製造プロセスにおける異常を検知できない場合があった。したがって、従来検知できなかった製造プロセスにおける異常を検知するための技術が必要とされている。
本開示は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、従来検知できなかった製造プロセスにおける異常を検知できる制御システム、異常検知方法、および異常検知プログラムに関する。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
ある実施形態に従う制御システムは、製造プロセスにおけるプロセスパラメータを測定して複数のセンサ値を出力するセンサと、プロセスパラメータを調節するための調節装置と、センサ値が予め定められた目標値に一致するように調節装置を制御するための制御信号を出力する制御装置と、センサ値の変動がない場合に制御システムの異常を検知する異常検知部とを備える。
ある実施形態に従う制御システムは、従来検知できなかった製造プロセスの異常を検知できる。そのため、この制御システムは、従来の制御システムに比べて歩留りを高め得る。
以下、この技術的思想の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される各実施の形態および各変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
[技術思想]
まず、図1〜図5を参照しながら、本開示の技術思想を説明する。図1は、ある実施形態に従う制御システムの概要を説明する図である。図1を参照して、制御システム100は、監視対象110と、センサ120と、制御装置130と、調節装置140とを備える。
まず、図1〜図5を参照しながら、本開示の技術思想を説明する。図1は、ある実施形態に従う制御システムの概要を説明する図である。図1を参照して、制御システム100は、監視対象110と、センサ120と、制御装置130と、調節装置140とを備える。
監視対象110は、製造プロセスにおけるワーク(加工対象物)、またはワークの周囲の環境(例えば、ワークに接する物体(気体、液体、固体))である。センサ120は、監視対象110の物理量をプロセスパラメータとして測定する。プロセスパラメータは、例えば、温度、湿度、圧力、流量、電気的特性(電流、電圧、抵抗)値、速度等を含む。センサ120は、測定結果(以下、「センサ値」とも言う)を制御装置130に出力する。
制御装置130は、入力されるセンサ値が予め定められた目標値に一致するように調節装置140を制御するための制御信号を調節装置140に出力する。調節装置140は、制御装置130から入力される制御信号に従い、監視対象110のプロセスパラメータを調節する。例えば、プロセスパラメータが温度である場合、調節装置140はヒータであり得る。
制御装置130は、異常検知部132を含む。異常検知部132は、製造プロセスの異常および制御システム100の異常を検知する。異常検知部132の詳細は後述する。
図2は、制御装置130がプロセスパラメータを制御する処理を表す図である。ある局面において、制御装置130は、センサ120から入力されるセンサ値が目標値より小さい場合に、プロセスパラメータが大きくなるような制御信号を生成して、当該信号を調節装置140に出力する。一方、制御装置130は、センサ120から入力されるセンサ値が目標値より大きい場合に、プロセスパラメータが小さくなるような制御信号を生成し、当該信号を調節装置140に出力する。これにより、プロセスパラメータが目標値付近で安定する。
異常検知部132は、センサ120から入力されるセンサ値が、目標値を基準として設定される予め定められた範囲(図2における下限値から上限値までの範囲)に収まっているかを監視する。換言すれば、異常検知部132は、センサ値のバラつきが許容範囲内であるか否かを監視する。異常検知部132は、センサ値が予め定められた範囲から外れた場合に、製造プロセスに異常が生じていることを検知する。
異常検知部132はさらに、センサ値に変動がないと判断した場合にも異常を検知する。上記のように、制御装置130はセンサ値を目標値付近で安定するように制御する。そのため、センサ値は目標値付近で僅かに変動する。また、通常、外因の影響により、センサ値は僅かに変動する。そのため、センサ値に変動がない場合、センサ120および制御装置130の少なくとも一方で何らかの不具合が生じた可能性が高い。以下、図3および図4を用いて不具合の例を説明する。
図3は、制御装置130における不具合の一例を表す図である。センサ120は、レジスタ122を有する。レジスタ122は、センサ120が測定して得られたセンサ値を所定個数(図3では5個)保持するように構成されている。センサ120は、レジスタ122に保持されるセンサ値を所定の通信タイミングでネットワーク310を介して制御装置130に出力する。
制御装置130は、通信モジュール134と、マザーボード136とを含む。通信モジュール134は、センサ120と通信可能に構成され、センサ120から入力されるセンサ値を一時的に保持するためのレジスタ135を含む。通信モジュール134は、レジスタ135に保持されるセンサ値を所定の通信タイミングでネットワーク320を介してマザーボード136に出力する。マザーボード136は、通信モジュール134から入力されるセンサ値を一時的に保持するためのレジスタ137を含む。
制御装置130に含まれる異常検知部132は、マザーボード136のレジスタ137に保持されるセンサ値に基づいて、制御システム100または製造プロセスに異常が生じていることを検知する。
図3に示される例において、ネットワーク320が切断されている。係る場合、センサ120により測定して得られたセンサ値は、通信モジュール134に出力されるものの、マザーボード136に出力されない。そのため、図3において、センサ120のレジスタ122と通信モジュール134のレジスタ135とは同期しているものの、レジスタ122とマザーボード136のレジスタ137とは同期していない。
このようにネットワーク320が切断されると、レジスタ137に保持されるセンサ値は更新されない。
図4は、センサ120における不具合の一例を表す図である。図3の例ではネットワーク320が切断された例について説明したが、図4の例ではネットワーク310が切断されている。
係る場合、センサ120により測定して得られたセンサ値は、通信モジュール134に出力されない。そのため、通信モジュール134のレジスタ135に保持されるセンサ値は更新されない。その結果、マザーボード136のレジスタ137に保持されるセンサ値も更新されない。
図3および図4に示されるように、ネットワーク310または320が切断されると、マザーボード136のレジスタ137に保持されるセンサ値は更新されない。
図5は、ネットワーク310または320が切断された場合に起こる不具合の一例を説明する図である。図5に示される例において、時刻T1においてネットワーク310または320の切断が生じたとする。ネットワーク310または320の切断に伴い、マザーボード136のレジスタ137に保持される最新のセンサ値は、センサ値M1で固定される。そのため、時刻T1以降のセンサ値は、ライン510に示されるようにセンサ値M1で固定される。
時刻T1におけるセンサ値M1は、目標値よりやや高い値である。そのため、制御装置130は、時刻T1以降において、センサ値が小さくなるような制御信号を生成して、調節装置140に出力し続ける。その結果、実際のプロセスパラメータの値は、ライン520に示されるように下がっていき、バラつきの許容範囲外となってしまう。
仮に、異常検知部132がセンサ値のバラつき度合いだけをモニタする構成である場合、センサ値M1はバラつきの許容範囲内であるため、異常検知部132は製造プロセスにおける異常(実際のプロセスパラメータの値が許容範囲外であること)を検出できない。その結果、不良品が製造され続け、製造者は莫大な不利益を被り得る。
そこで、実施形態に従う異常検知部132は、センサ値の変動の有無を監視し、センサ値の変動がない場合に制御システム100に異常が生じていることを検知する。これにより、実施形態に従う制御システム100は、不良品が製造され続けることを抑制できる。
また、一般的に製造プロセスの異常を検知する制御システム100は、センサ120の製造元が提供するソフトウェアを含む。このソフトウェア上でネットワーク310または320の切断を検知することも考えられる。しかしながら、一般的に制御システムは複数のプロセスパラメータを監視するために、複数のセンサと複数のソフトウェアとを含む。係る場合、複数のソフトウェアの各々が、上記のネットワーク切断を検知するように構成される必要がある。これに対し、実施形態に従う制御システム100は、センサ120の製造元が提供するソフトウェアの仕様によらず、センサ値の変動があるか否かを判断するだけで、ネットワーク切断を含む制御システム100の異常を検知できる。以下、具体的な制御システムの構成および制御について説明する。
[制御システム600]
図6は、実施形態に従う制御システム600の構成を表す図である。制御システム600は、半導体製造ライン(半導体製造装置)として機能する。制御システム600は、ワークであるウェハ610に対して各種の半導体製造プロセス620−1〜620−Nを実行するための製造装置630−1〜630−Nを有する。製造装置630−1〜630−Nは、PC(Personal Computer)640−1〜640−Nにそれぞれ接続されている。以下、半導体製造プロセス620−1〜620−N、製造装置630−1〜630−N、PC640−1〜640−Nをそれぞれ総称して製造プロセス620、製造装置630、PC640とも言う。
図6は、実施形態に従う制御システム600の構成を表す図である。制御システム600は、半導体製造ライン(半導体製造装置)として機能する。制御システム600は、ワークであるウェハ610に対して各種の半導体製造プロセス620−1〜620−Nを実行するための製造装置630−1〜630−Nを有する。製造装置630−1〜630−Nは、PC(Personal Computer)640−1〜640−Nにそれぞれ接続されている。以下、半導体製造プロセス620−1〜620−N、製造装置630−1〜630−N、PC640−1〜640−Nをそれぞれ総称して製造プロセス620、製造装置630、PC640とも言う。
例えば、リソグラフィプロセスに対しては塗布装置,現像装置,露光装置等が使用される。酸化・高温CVD(Chemical Vapor Deposition)膜形成プロセスおよびアニールプロセスに対しては熱処理炉装置,ランプアニール装置等が使用される。洗浄プロセスに対しては洗浄装置が使用される。ドーピングプロセスに対してはイオン注入装置が使用される。エッチングプロセスに対してはRIE(Reactive Ion Etching)装置等が使用される。薄膜形成プロセスに対してはP−CVD(plasma CVD)装置,エピタキシャル装置等が使用される。配線(メタル形成)プロセスに対してはスパッタ装置,メッキ装置等が使用される。配線(層間膜形成)プロセスに対してはCVD装置,塗布装置等が使用される。CMP(Chemical Mechanical Polishing)プロセスに対してはCMP装置が使用される。
なお、図5に示される例において、制御システム600は、1つの製造プロセス620に1つの製造装置630およびPC640が配置されるように構成されているが、他の局面において、1つの製造プロセス620に対して2つ以上の製造装置630およびPC640が配置されるように構成されてもよい。
製造装置630は、後述するようにプロセスパラメータを監視するためのセンサを有する。センサは測定結果であるセンサ値をPC640に出力する。PC640は、センサから入力されたセンサ値をサーバ650に出力する。
サーバ650は、通信I/F(インターフェイス)660と、プロセッサ670と、記憶装置680と、ディスプレイ692と、スピーカ694とを含む。
通信I/F660は、例えば、ケーブルやコネクタなどを介して、各PC640に接続可能に構成されている。通信I/F660は、ハードウェアと、各PC640と所定の通信プロトコルで通信を行なうためのソフトウェアと、が組み合わされて構成されている。なお、他の局面において、通信I/F660は、無線LAN(Local Area Network)カードなどであって、LANまたはWAN(Wide Area Network)に接続された各PC640と通信可能に構成されてもよい。
記憶装置680は、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、磁気記憶装置(ハードディスクドライブ、磁気テープなど)、光ディスク、等により実現される。記憶装置680は、サーバ650の動作に必要な設定、および制御プログラム682を格納している。
プロセッサ670は、記憶装置680に格納されている制御プログラム682を実行することにより、サーバ650の動作を制御する。また、プロセッサ670は、制御プログラム682を実行することにより、異常検知部672としても機能する。
異常検知部672は、制御システム600(の製造プロセス620)の異常を検知する。より具体的には、異常検知部672は、製造プロセス620におけるプロセスパラメータに対応するセンサ値を監視し、センサ値の変動がない場合に制御システム600に異常が生じていることを検知する。
ある局面において、異常検知部672は、異常を検知した場合、その旨をディスプレイ692に表示する。例えば、異常検知部672は、異常を検知したプロセスパラメータと、当該プロセスパラメータに対応する製造プロセスとを含むメッセージ(例えば、「エッチングプロセスにおける温度に変動がありません。」)をディスプレイ692に表示する。
他の局面において、異常検知部672は、異常を検知した場合、その旨をスピーカ694から出力する。例えば、異常検知部672は、異常を検知したプロセスパラメータと、当該プロセスパラメータに対応する製造プロセスとを含むメッセージ(警告)をスピーカ694から出力する。
さらに他の局面において、異常検知部672は、異常を検知した場合、その旨を外部のコンピュータ、携帯端末等に出力するように構成されてもよい。次に、具体的な半導体製造プロセスについての異常検知処理について説明する。
[エッチングプロセス]
図7は、エッチング装置630−Aの構成を表す図である。エッチング装置630−Aは、複数の半導体製造プロセス620のうちのエッチングプロセスを実行するための製造装置630である。エッチング装置630−Aは、チャンバ702と、可変電源706と、電極708と、電極712と、ヒータ716と、温度センサ718と、温度コントローラ720と、ガスMFC(Mass Flow Controller)722と、ガス源723と、ポンプ724と、圧力制御バルブ726と、圧力センサ727と、圧力コントローラ728とを備える。
図7は、エッチング装置630−Aの構成を表す図である。エッチング装置630−Aは、複数の半導体製造プロセス620のうちのエッチングプロセスを実行するための製造装置630である。エッチング装置630−Aは、チャンバ702と、可変電源706と、電極708と、電極712と、ヒータ716と、温度センサ718と、温度コントローラ720と、ガスMFC(Mass Flow Controller)722と、ガス源723と、ポンプ724と、圧力制御バルブ726と、圧力センサ727と、圧力コントローラ728とを備える。
可変電源706は、電極708に接続されている。電極708に対向するように電極712が配置されている。電極712は接地されており、ワークであるウェハ610を支持する。電極712内にはヒータ716が配置されている。
温度センサ718は、ウェハ610を支持する電極712の温度をエッチングプロセスにおけるプロセスパラメータとして測定し、得られたセンサ値(温度)を温度コントローラ720に出力する。
温度コントローラ720は、入力されたセンサ値(温度)が目標値(例えば、300℃)になるように制御信号を生成して、当該制御信号をヒータ716に出力する。具体的には、センサ値と目標値との差分を算出し、その差分を打ち消すような制御信号を生成する。例えば、温度コントローラ720は、公知の比例制御(P制御)、比例積分制御(PI制御)、または比例積分微分制御(PID制御)に従い制御信号を生成する。
ガスMFC722は、ガス源723からガスをチャンバ702に供給する。ガス源723として、フロンや塩素系の反応性ガスが用いられる。一例として、六フッ化硫黄がガス源723として用いられる。ポンプ724は、チャンバ702に含まれるガスその他の物質を外部へ排出する。その際、チャンバ702内の圧力が目標値となるように、圧力制御バルブ726の開度が調節される。
より具体的には、圧力センサ727は、チャンバ702内の圧力をエッチングプロセスにおけるプロセスパラメータとして測定し、得られたセンサ値(圧力)を圧力コントローラ728に出力する。
圧力コントローラ728は、入力されたセンサ値(圧力)が目標値になるように制御信号を生成して、当該制御信号を圧力制御バルブ726に出力する。より具体的には、圧力コントローラ728は、センサ値と目標値との差分を算出し、その差分を打ち消すような制御信号を生成する。例えば、圧力コントローラ728は、公知の比例制御(P制御)、比例積分制御(PI制御)、または比例積分微分制御(PID制御)に従い制御信号を生成する。
圧力制御バルブ726は、圧力コントローラ728から入力される制御信号に従い、開度を調節する。
上記のようにプロセスパラメータ(ウェハ610を支持する電極712の温度、ウェハ610を含む空間の圧力)が制御されている状況で、エッチング装置630−Aはエッチングプロセスを実行する。具体的には、エッチング装置630−Aは、可変電源206から電極208に高周波電力を供給し、ガスをイオン化する。エッチング装置630−Aは、真空下でイオン化されたガス化合物(プラズマ)にウェハ610を曝すことにより、エッチングプロセスを実行する。
次に、エッチングプロセスにおける異常の検出について説明する。温度コントローラ720は、温度センサ718から入力されたセンサ値(温度)をエッチング装置630−Aに対応するPC640−Aに出力する。PC640−Aは、入力されたセンサ値をサーバ650に出力する。
サーバ650の異常検知部672は、入力されたセンサ値(温度)の変動の有無を監視する。異常検知部672は、センサ値(温度)の変動がないと判断した場合、制御システム600(のエッチングプロセス620−A)に異常が生じていることを検知する。
また、圧力コントローラ728は、圧力センサ727から入力されたセンサ値(圧力)をPC640−Aに出力する。PC640−Aは、入力されたセンサ値(圧力)をサーバ650に出力する。
サーバ650の異常検知部672は、入力されたセンサ値(圧力)の変動の有無を監視する。異常検知部672は、センサ値(圧力)の変動がないと判断した場合、制御システム600のエッチングプロセス620−Aに異常が生じていることを検知する。
ある局面において、異常検知部672は、エッチングプロセス620−Aの異常を検知すると、異常検知信号をPC640−Aに送信する。エッチング装置630−Aがエッチングプロセスの実行中にPC640−Aが異常検知信号を受信した場合、PC640−Aは、当該実行中のエッチングプロセスを中止しない。
その理由は、仮に実行中のエッチングプロセスを途中で止めてしまった場合、ウェハ610のうち不良と判断される領域が多くなってしまうためである。実施形態に従うエッチング装置630−Aは、仮に異常が検出された場合であっても、実行中のエッチングプロセスは最後まで実行することにより、ウェハ610の不良と判断される領域が多くなることを抑制する。
ある局面において、エッチング装置630−Aがエッチングプロセスの実行中にPC640−Aが異常検知信号を受信した場合、PC640−Aは、現在加工中の第1のウェハ610に続く第2のウェハ610に対するエッチングプロセスの実行を中止するように、エッチング装置630−Aを制御する。
これにより、実施形態に従う制御システム600は、プロセスパラメータが適切に制御されていない環境下でウェハ610に対する製造プロセスが実行されることを抑制する。その結果、制御システム600は、不良と判断されるウェハ610が製造されることを抑制できる。
ある局面において、異常検知部672は、エッチングプロセス620−Aの異常を検知すると、異常検知信号をエッチングプロセス620−Aの次の製造プロセス620(例えば、薄膜形成プロセス)のPC640に出力する。このPC640は異常検知信号の入力に応じて、対応する製造装置630(例えば、P−CVD装置)に対し、異常を検知したウェハ610に対する製造プロセスの実行を中止する命令を出力する。
その理由は、異常が検知されたウェハ610に対し所定の修復作業(リワーク作業)が施されることにより、当該ウェハ610の不良と判断される領域が削減され得るためである。
他の局面において、異常検知部672は、異常が生じていることを検知したタイミングにおけるエッチングプロセスの進行度合いに応じて、異常検知信号をエッチングプロセス620−Aの次の製造プロセス620(例えば、薄膜形成プロセス)のPC640に出力しないように構成されてもよい。例えば、エッチングプロセスの終了直前に異常を検知した場合、プロセスパラメータの実際の値が予め定めれたバラつき許容範囲内に収まったまま当該プロセスを終了することもあり得るためである。
[メッキプロセス]
次に、図8を用いてメッキプロセスにおける異常検知について説明する。図8は、メッキ装置630−Bの構成を表す図である。メッキ装置630−Bは、複数の半導体製造プロセス620のうちのメッキプロセスを実行するための製造装置630である。メッキ装置630−Bは、タンク810と、ポンプ820と、フィルタ830と、流量センサ840と、メッキカップ850と、流量コントローラ860とを備える。
次に、図8を用いてメッキプロセスにおける異常検知について説明する。図8は、メッキ装置630−Bの構成を表す図である。メッキ装置630−Bは、複数の半導体製造プロセス620のうちのメッキプロセスを実行するための製造装置630である。メッキ装置630−Bは、タンク810と、ポンプ820と、フィルタ830と、流量センサ840と、メッキカップ850と、流量コントローラ860とを備える。
タンク810には約200リットル程度のメッキ液が格納されている。メッキ液は、例えば、銅系のメッキ液または金系のメッキ液であり得る。ポンプ820は、タンク810に格納されているメッキ液をメッキカップ750に送り込む。フィルタ730は、ポンプ820から吐出されるメッキ液に含まれる不純物(例えば、メッキカップ850から排出された未溶解異物)を除去する。
流量センサ840は、例えば羽根車式センサによって構成され、メッキカップ850に流れるメッキ液の流量を検出する。流量センサ840は、検出結果であるセンサ値を流量コントローラ860に出力する。
流量コントローラ860は、入力されたセンサ値(流量)が目標値(例えば、5リットル/分)になるように制御信号を生成してポンプ820に出力する。具体的には、流量コントローラ860は、センサ値と目標値との差分を算出し、その差分を打ち消すような制御信号を生成する。例えば、流量コントローラ860は、公知の比例制御(P制御)、比例積分制御(PI制御)、または比例積分微分制御(PID制御)に従い制御信号を生成する。ポンプ820は、流量コントローラ860から入力される制御信号に従い、内部のモータに供給する電力を決定する。これにより、メッキカップ850には略目標値の流量のメッキ液が供給される。
メッキカップ850は、図示されない対向電極を有し、アノード側の電極に対向するようにカソード側の電極にウェハ610が支持される。また、カソード電極(およびカソード電極に指示されるウェハ610)は回転可能に構成される。また、メッキカップ850は、メッキ液を約50℃〜60℃の間で調整可能に構成される。メッキ装置630−Bは、メッキカップ850に導入されるメッキ液の流量が制御されている状態で、ウェハ610に対してメッキプロセス(メッキ処理)を実行する。
次に、メッキプロセスにおける異常の検出処理について説明する。流量コントローラ860は、流量センサ840から入力されたセンサ値(流量)をメッキ装置630−Bに対応するPC640−Bに出力する。PC640−Bは、入力されたセンサ値をサーバ650に出力する。
サーバ650の異常検知部672は、入力されたセンサ値(流量)の変動の有無を監視する。異常検知部672は、センサ値(流量)の変動がないと判断した場合、制御システム600(のメッキプロセス620−B)に異常が生じていることを検知する。メッキプロセスにおいて異常を検出した後の制御システム600の動作は、エッチングプロセスにおいて異常を検出した後の制御システム600の動作と略同じであるため、その説明は繰り返さない。
[制御構造]
次に、図9〜図11を用いて実施形態に従う異常検知処理の制御構造について説明する。図9は、異常検知部672が制御システム600に異常が生じていることを検知する処理を表すフローチャートである。図9に示される処理は、制御システム600の制御装置として機能するプロセッサ670が制御プログラム682を実行して異常検知部672として機能することにより実現される。プロセッサ670は、制御システム600における複数のプロセスパラメータ(例えば、エッチングプロセスにおける温度並びに圧力、およびメッキプロセスにおける流量)の各々について図9に示される処理を実行する。
次に、図9〜図11を用いて実施形態に従う異常検知処理の制御構造について説明する。図9は、異常検知部672が制御システム600に異常が生じていることを検知する処理を表すフローチャートである。図9に示される処理は、制御システム600の制御装置として機能するプロセッサ670が制御プログラム682を実行して異常検知部672として機能することにより実現される。プロセッサ670は、制御システム600における複数のプロセスパラメータ(例えば、エッチングプロセスにおける温度並びに圧力、およびメッキプロセスにおける流量)の各々について図9に示される処理を実行する。
ステップS910において、プロセッサ670は、PC640から半導体製造プロセスにおけるプロセスパラメータを表すセンサ値の入力を受け付ける。
ステップS920において、プロセッサ670は、入力されたセンサ値が予め定められた範囲であるか否かを判断する。当該範囲は、プロセスパラメータごとに予めオペレータによって設定される。プロセッサ670は、入力されたセンサ値が予め定められた範囲内であると判断した場合(ステップS920でYES)、ステップS930の処理を実行する。そうでない場合(ステップS920でNO)、プロセッサ670はステップS940の処理を実行する。
ステップS930において、プロセッサ670は、センサ値に変動がないか否かを判断する。プロセッサ670は、PC640から入力されるセンサ値を記憶装置680に格納し、過去のセンサ値を利用して上記の判断を行なう。プロセッサ670は、センサ値に変動がないと判断した場合(ステップS930でYES)、制御システム600(のセンサ値に対応する半導体製造プロセス)に異常が生じていることを検知する(ステップS940)。一方、プロセッサ670は、センサ値に変動があると判断した場合(ステップS930でNO)、ステップS910の処理を再び実行する。図10および図11を用いてセンサ値の有無の判断方法について説明する。
図10は、ある実施形態に従うセンサ値の変動の有無を判断する処理を表すフローチャートである。ステップS1010において、プロセッサ670は、単位時間におけるセンサ値の最大値と最小値とを検出する。この単位時間は、プロセスパラメータごとに設定される。また、この単位時間は、プロセスパラメータを測定するセンサのサンプリング時間よりも長い時間に設定される。例えば、エッチングプロセスにおけるプロセスパラメータの場合、この単位時間は1分間に設定され得る。
ステップS1020において、プロセッサ670は、検出した最大値と最小値とが同じ値であるか否かを判断する。より具体的には、プロセッサ670は、最大値から最小値を差し引いた値が0であるか否かを判断する。プロセッサ670は、検出した最大値と最小値とが同じ値であると判断した場合(ステップS1020でYES)、制御システム600の異常を検出する(ステップS940)。そうでない場合(ステップS1020でNO)、プロセッサ670は、ステップS910の処理を再び実行する。
図11は、他の実施形態に従うセンサ値の変動の有無を判断する処理を表すフローチャートである。ステップS1110において、プロセッサ670は、ステップS910で入力されたセンサ値(今回値)と、当該センサ値の直前に入力されたセンサ値(前回値)との差分を算出する。プロセッサ670は、算出された差分を記憶装置680に格納する。
ステップS1120において、プロセッサ670は、今回値と前回値との差分が所定回数(例えば、20回)連続して0であるか否かを判断する。プロセッサ670は、差分が所定回数連続して0であると判断した場合(ステップS1120でYES)、制御システム600の異常を検出する(ステップS940)。そうでない場合(ステップS1020でNO)、プロセッサ670は、ステップS910の処理を再び実行する。
図9を再び参照して、ステップS950において、プロセッサ670は、異常を検知した製造プロセスにおいて使用される製造装置630に対し、次のウェハ610(ワーク)に対する製造プロセスの実行を停止する命令を、当該製造装置630に対応するPC640を介して出力する。
ステップS960において、プロセッサ670は、異常を検知した製造プロセスの次の製造プロセスにおいて使用される製造装置630に対し、異常を検知したウェハ610(ワーク)に対する製造プロセスの実行を停止する命令を、当該製造装置630に対応するPC640を介して出力する。
上記によれば、実施形態に従う制御システム600(半導体製造装置)は、センサ値の変動の有無を監視することで、従来検知できなかった異常(プロセスパラメータを測定するセンサ、および当該センサからプロセッサ670に至るまでのネットワークにおける不具合)を検知できる。その結果、制御システム600は、不良と判断されるウェハが製造されることを抑制し得る。換言すれば、制御システム600は、従来に比して歩留りを高め得る。
また、制御システム600は、各センサの製造元が提供するソフトウェアの仕様によらず、センサ値の変動の有無を監視するだけで、ネットワーク切断を含む制御システム600に異常が生じていることを検知できる。
[他の構成]
制御システム600は、サーバ650で制御システム600の異常を集中管理するように構成されているが、他の局面において、各PC640が対応する製造プロセスにおける異常を検知するように構成されてもよい。
制御システム600は、サーバ650で制御システム600の異常を集中管理するように構成されているが、他の局面において、各PC640が対応する製造プロセスにおける異常を検知するように構成されてもよい。
上記の例において、半導体製造プロセスにおけるプロセスパラメータの変動の有無に基づいて異常を検知する処理を説明したが、この異常検知処理方法は、半導体製造プロセスに限定されるものではない。
例えば、制御システムは、樹脂成型プロセス(射出成型プロセス)における樹脂の温度または金型の温度を監視するように構成されてもよい。他の例として、制御システムは、化学薬品の製造プロセス(例えば撹拌プロセス)における、ワークまたはワークを含む空間の温度または湿度を監視するように構成されてもよい。
上記説明した各種処理は、1つのプロセッサ670によって実現されるものとしてあるが、これに限られない。これらの各種機能は、少なくとも1つのプロセッサのような半導体集積回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのDSP(Digital Signal Processor)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)、および/またはその他の演算機能を有する回路によって実装され得る。
これらの回路は、有形の読取可能な少なくとも1つの媒体から、1以上の命令を読み出すことにより上記の各種処理を実行し得る。
このような媒体は、磁気媒体(たとえば、ハードディスク)、光学媒体(例えば、コンパクトディスク(CD)、DVD)、揮発性メモリ、不揮発性メモリの任意のタイプのメモリなどの形態をとるが、これらの形態に限定されるものではない。
揮発性メモリはDRAM(Dynamic Random Access Memory)およびSRAM(Static Random Access Memory)を含み得る。不揮発性メモリは、ROM、NVRAMを含み得る。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
100,600 制御システム、110 監視対象、120 センサ、122,135,137 レジスタ、130 制御装置、132,672 異常検知部、134 通信モジュール、136 マザーボード、140 調節装置、206,706 可変電源、208,708,712 電極、310,320 ネットワーク、510 ライン、610 ウェハ、620 半導体製造プロセス、620−A エッチングプロセス、620−B メッキプロセス、630 製造装置、630−A エッチング装置、630−B メッキ装置、650 サーバ、670 プロセッサ、680 記憶装置、682 制御プログラム、692 ディスプレイ、694 スピーカ、702 チャンバ、716 ヒータ、718 温度センサ、720 温度コントローラ、723 ガス源、724,820 ポンプ、726 圧力制御バルブ、727 圧力センサ、728 圧力コントローラ、730,830 フィルタ、750,850 メッキカップ、810 タンク、840 流量センサ、860 流量コントローラ。
Claims (10)
- 制御システムであって、
製造プロセスにおけるプロセスパラメータを測定して複数のセンサ値を出力するセンサと、
前記プロセスパラメータを調節するための調節装置と、
前記センサ値が予め定められた目標値に一致するように前記調節装置を制御するための制御信号を出力する制御装置と、
前記センサ値の変動がない場合に前記制御システムの異常を検知する異常検知部とを備える、制御システム。 - 前記異常検知部は、
単位時間当たりにおける前記センサ値の最大値と最小値とを検出し、
前記最大値と前記最小値とが等しい場合に前記制御システムの異常を検知する、請求項1に記載の制御システム。 - 前記異常検知部は、
第1のセンサ値と、前記第1のセンサ値に続く第2のセンサ値との差分を算出し、
予め定められた回数連続して前記差分が0であった場合に前記制御システムの異常を検知する、請求項1に記載の制御システム。 - 前記製造プロセスを実行する製造装置をさらに備え、
前記製造装置は、前記製造プロセスの途中で前記異常検知部が異常を検知した場合に、実行中の製造プロセスを中止しないように構成される、請求項1に記載の制御システム。 - 前記製造装置は、
第1のワークに対する前記製造プロセスの実行中に前記異常検知部が異常を検知した場合に、前記第1のワークに続く第2のワークに対する製造プロセスを中止するように構成される、請求項4に記載の制御システム。 - 前記製造プロセスは、半導体製造プロセスを含む、請求項1に記載の制御システム。
- 制御システムの異常を検知するための異常検知方法であって、
製造プロセスにおけるプロセスパラメータを測定して複数のセンサ値を取得するステップと、
前記センサ値が目標値に一致するように、前記プロセスパラメータを調節するステップと、
前記センサ値の変動があるか否かを判断するステップと、
予め定められた期間にわたり前記センサ値の変動がないと判断された場合に前記制御システムの異常を検知するステップとを備える、異常検知方法。 - 前記製造プロセスは、半導体製造プロセスを含む、請求項7に記載の異常検知方法。
- 制御システムの異常を検知するための異常検知プログラムであって、
前記異常検知プログラムは前記制御システムのコンピュータに、
製造プロセスにおけるプロセスパラメータを測定して複数のセンサ値を取得するステップと、
前記センサ値が目標値に一致するように、前記プロセスパラメータを調節するステップと、
前記センサ値の変動があるか否かを判断するステップと、
予め定められた期間にわたり前記センサ値の変動がないと判断された場合に前記制御システムの異常を検知するステップとを実行させる、異常検知プログラム。 - 前記製造プロセスは、半導体製造プロセスを含む、請求項9に記載の異常検知プログラム。
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CN114622265A (zh) * | 2020-12-14 | 2022-06-14 | 京东方科技集团股份有限公司 | 一种电化学沉积预分析方法、装置、设备以及介质 |
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