JP2019053293A - 偏光フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学的性質が良好な偏光フィルムを安定して製造することができる偏光フィルムの製造方法を提供する。【解決手段】偏光フィルムの前駆体に反応溶液中で架橋処理および/または補色処理を行わせることで偏光フィルムを形成することと、無機材料を含む固体酸と上記反応溶液の陽イオンとでイオン交換反応を行うこととを含む偏光フィルムの製造方法が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、偏光フィルムの製造方法に関し、かつ、特に、偏光フィルムの架橋槽のpH値を安定させる方法に関する。
偏光板は、液晶ディスプレイに幅広く応用される光学素子である。偏光板は一般的に、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol,PVA)の偏光フィルムにトリアセチルセルロース(triacetate cellulose,TAC)またはシクロオレフィンポリマー(cyclo−olefin polymer,COP)等の保護膜を接着して得られる(例えば、特許文献1)。
現在、例えば携帯電話やウェアラブルデバイスなど、液晶ディスプレイの応用がますます拡大しており、偏光板の品質に対する要求もますます高まっている。
偏光フィルムは、偏光板の最も主要な素子であり、偏光フィルムは一般的に、例えば、ヨウ素を二色性色素とするヨウ素系偏光フィルムのような、配向された二色性色素をポリビニルアルコールフィルムに吸着させて形成される。
特開2004−245925号公報
本発明の目的は、光学的性質が良好な偏光フィルムを安定して製造することができる偏光フィルムの製造方法を提供することにある。
本発明は、偏光フィルムの製造方法に関する。
本発明の一つの局面によれば、以下のステップを含む偏光フィルムの製造方法が提案される。偏光フィルムの前駆体に反応溶液中で架橋処理および/または補色処理を行わせることで偏光フィルムを形成するステップ。固体酸と反応溶液の陽イオンとでイオン交換反応を行うステップ。固体酸は無機材料を含む。
本発明の上記および他の局面がより良く理解されるように、下記で実施例を特に挙げるとともに、添付された図面を組み合わせて、次のように詳しく説明する。
光学的性質が良好な偏光フィルムを安定して製造することができる偏光フィルムの製造方法を提供することができる。
一つの実施例の概念に基づく偏光フィルムの製造プロセス設備の概略図を示している。 もう一つの実施例の概念に基づく偏光フィルムの製造プロセス設備の概略図を示している。
以下、添付された図面を組み合わせて本発明の実施例について詳述するが、注意しなければならないのは、以下の図面は比率に従って作製されておらず、事実上、本発明の特徴を明確に表現できるように、素子のサイズを任意に拡大または縮小することができ、明細書および図面において、同様の、もしくは類似した素子は、類似した符号で表される、という点である。
以下、多くの異なる実施方法または例を開示して本発明の異なる特徴を実行するが、以下、具体的な素子およびその配列の例を記述することで本発明について記述する。もちろん、これらは例であるに過ぎず、かつ、これによって本発明の範囲を限定してはならない。また、異なる実施例においては、重複する参照符号またはマークを使用することができ、これらの重複は、簡単かつ明確に本開示を記述するためであるに過ぎず、検討される異なる実施例および/または構造の間に特定の関係があることを示してはいない。
なお、理解しなければならないのは、方法を行う前、最中または後に追加的な操作ステップがある可能性があり、かつ、前記いくつかの操作ステップは、他のいくつかの実施例の方法において置換されるか、または削除され得るという点である。
偏光フィルムの形成ステップにおいては、大量の化学溶液と反応を行わなければならず、かつ、反応溶液のpH値は適当な範囲にコントロールされなければならない。一般的には、反応槽に酸性溶液を加えることで反応溶液のpH値を維持する。しかしながら、加えられた酸性溶液が解離して生じたイオン(例えば金属イオンや非金属イオン)が反応槽内に蓄積され、反応溶液中の特定のイオンの濃度を継続的に増加させ、ひいては、製造される偏光フィルムの品質に影響するおそれがある。
上記問題を解決するため、本発明が提供する偏光フィルムの製造方法は、偏光フィルムの架橋処理、補色処理、および延伸処理において、酸性溶液の添加の代わりに固体酸を使用する。このため、酸性溶液が解離して生じた特定のイオン(例えば金属イオンや非金属イオン)が反応溶液中に大量に蓄積され、ひいては、製造される偏光フィルムの品質を損なうのを回避することができる。
偏光フィルムの形成は通常、膨潤処理、染色処理、延伸処理、架橋処理、洗浄処理、および乾燥処理というステップを有する。偏光フィルム形成システムの処理設備は、膨潤槽、染色槽、架橋槽、補色槽、洗浄槽、および乾燥炉を備え得る。システム中のあらゆる処理設備はいずれも、選択的に増加させたり、減少させたり、重複配置したりするか、または他の調整を行うことができる。例を挙げると、一種のシステムにおいて、複数の染色槽を備えることができる。一種のシステムにおいて、複数の架橋槽を備えることができる。一種のシステムにおいて、補色槽を省略してもよい。
図1は、本発明によるいくつかの実施例における、偏光フィルムの製造プロセス設備の概略図を示している。図1に示すように、偏光フィルムの前駆体102は、搬送装置104により架橋槽106中の反応溶液108を通過し、これにより架橋処理を行うことで偏光フィルム110を得る。搬送装置104は、ローラを含むがそれに限定されない。一つの実施例においては、少なくとも一つの架橋槽と少なくとも一つの補色槽を同時に含むこともできるが、図1に限定されない。
偏光フィルムの前駆体102は、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol、PVA)フィルムであってよい。ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルを鹸化することにより形成され得る。
いくつかの実施例においては、ポリ酢酸ビニルは、酢酸ビニルのホモポリマーまたは酢酸ビニルおよび他のモノマーのコポリマー等であってよい。上記他のモノマーは、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、不飽和スルホン酸類またはビニルエーテル類等であってよい。
他のいくつかの実施例においては、ポリビニルアルコールは、改質されたポリビニルアルコールであってよく、例えば、アルデヒド類が改質されたポリビニルホルマール(polyvinyl formal)、ポリビニルアセタールまたはポリビニルブチラール(Polyvinyl butyral)等であってよい。
架橋処理は、偏光フィルムの前駆体102に対して耐水化処理を行うか、またはその色調を調整する。いくつかの実施例においては、架橋槽106中の反応溶液108は、ホウ酸、ヨウ化カリウム、ヨウ化亜鉛または上記の組み合わせを含むことができる。ホウ酸は架橋剤であり、ヨウ化カリウムおよびヨウ化亜鉛は光学的調整に用いられ、その濃度を変えることで偏光フィルム110の色相を調整することができる。
いくつかの実施例においては、架橋処理の反応溶液108は、1重量部〜10重量部のホウ酸および1重量部〜30重量部のヨウ化カリウムを含む水溶液であってよい。いくつかの実施例においては、架橋処理の温度は、10℃〜70℃または50℃〜65℃であってよく、架橋処理の時間は、1秒〜600秒または20秒〜300秒であってよい。
なお、架橋処理を行うとき、同時に、偏光フィルムの前駆体102を延伸処理することもできる。いくつかの実施例においては、延伸処理は、架橋槽106の入口および出口に設けられた搬送装置104の間の搬送速度の差異を発生させ、例えば、ローラの周速差を利用する方法によって行うことができる。
また、いくつかの実施例においては、架橋処理はpH2〜pH5で行うことができる。従来技術では、架橋処理で使用するホウ酸を除き、通常は、追加的な酸性溶液を架橋槽106に添加することで、架橋処理の反応溶液108のpH値を適当な範囲に維持する。しかしながら、加えられた酸性溶液が解離して生じたイオン(例えば金属イオンや非金属イオン)が架橋槽106の中に蓄積され、反応溶液108中の特定のイオンの濃度を継続的に増加させ、ひいては、製造される偏光フィルム110の品質に影響するおそれがある。
一方、本発明は、少なくとも部分的に、酸性溶液の添加の代わりに固体酸111を使用する。詳しく言えば、固体酸111により、架橋処理の反応溶液108の陽イオンとイオン交換反応を行い、すなわち、固体酸111により、架橋処理の反応溶液108が解離して生じた陽イオンを水素イオンに置換することで、架橋槽106の酸性源を提供するが、加えられた酸性溶液が解離して生じる、偏光フィルム110の品質に影響する可能性のあるイオンが生じることはない。
いくつかの実施例においては、固体酸111を使用して、架橋処理の反応溶液108中のヨウ化カリウムから生じるカリウムイオンを水素イオンに置換する。
いくつかの実施例においては、固体酸111で酸性溶液の添加に完全に置換することができ、すなわち、架橋処理で使用されるホウ酸を除き、架橋槽106中の反応溶液108は、例えば硫酸、酢酸またはグルコン酸などの、加えられた酸性溶液を実質的に(substantially)含まず、つまり、反応溶液108には、硫酸塩、酢酸塩、またはグルコン酸塩等の陰イオンが含まれていない。
他のいくつかの実施例においては、固体酸111で酸性溶液の添加に部分的に代替することができ、すなわち、架橋槽106中の反応溶液108は依然として、例えば硫酸、酢酸またはグルコン酸など、少量の加えられた酸性溶液を依然として含むことができる。
固体酸111を使用すれば、反応溶液108のpH値の変化量を安定した水準にすることができ、例えば、反応溶液108のpH値の変動範囲(ΔpH)の絶対値は1未満であり、つまり、−1<ΔpH<1である。反応溶液108は、架橋処理に必要なpH値の範囲に安定的に収まることができ、従って、所望の光学的性質の偏光フィルム110を得ることができる。
いくつかの実施例においては、架橋槽を経過した後に、偏光フィルムの前駆体102が、続いて搬送装置104を経由して補色槽(図示せず)に導かれることで、偏光フィルムの前駆体102に対して補色処理を行う。補色処理は、偏光フィルムの前駆体102をさらに調整することで、偏光フィルム110に必要な色相を達成する。補色槽中の槽液は、架橋槽106中の槽液と類似した構成を有していてよく、さらには、同じ構成を有していてもよい。いくつかの実施形態においては、補色処理の温度は10℃〜70℃であり、補色処理の時間は1秒〜15分である。本実施例では、固体酸111は、補色槽の中で使用されて、pH値を調整する効果を果たしてもよく、その機構は前記実施例と同じであり、無用な記述は繰り返さない。
図1を参照すると、いくつかの実施例においては、活性炭112を利用して、ホウ酸を含有する反応溶液108を濾過することができる。例を挙げると、架橋槽106および/または補色槽は、外側で連通した循環システム119である。循環システム119は、通路116、濾過装置114と通路118を備えることができる。ホウ酸を含有する反応溶液108は、通路116を経由して濾過装置114中の活性炭112に入って濾過を行い、しかるのちに通路118を経由して架橋槽106および/または補色槽中に戻って循環使用することができる。
図2は、本発明によるいくつかの実施例における、偏光フィルムの製造プロセス設備の概略図を示している。図2と図1の製造プロセス設備の間の差異は、架橋槽106および/または補色槽が、外側で連通した循環システム219であるところにある。循環システム219は、濾過装置221と濾過装置223を備えることができる。一つの実施例においては、固体酸111(図2中に図示せず)が濾過装置221の中に設けられ、活性炭112(図2中に図示せず)が濾過装置223の中に設けられる。もう一つの実施例においては、活性炭112が濾過装置221の中に設けられ、固体酸111が濾過装置223の中に設けられる。
比較例では、固体酸111を使用していないが、活性炭112と接触した反応溶液108はpH値が急速に上昇し、変化幅が大きく、架橋処理に必要なpH値の範囲を容易に超えることが分かっており、従って、反応溶液108の環境は安定しておらず、かつ、架橋反応に不利であり、偏光フィルム110の光学的性質に影響する。
一方、本発明は、固体酸111を使用しており、反応溶液108が活性炭112と接触した後でも、そのpH値の変化量が、安定した水準に依然として達し得るようにしており、例えば、反応溶液108のpH値の変動範囲(ΔpH)の絶対値は1未満であり、つまり、−1<ΔpH<1である。反応溶液108は、架橋処理に必要なpH値の範囲に安定的に収まることができ、従って、所望の光学的性質の偏光フィルム110を得ることができる。
固体酸111の酸性(すなわち、置換可能な水素イオンを提供する能力または量)は、NH−TPD法で測定表示することができ、固体酸111の表面に塩基性分子を吸着させ、物理的に吸着された分子を脱着した後、化学的に吸着された分子を定量すれば、固体酸111の表面の酸強度および酸量を得ることができる。一つの実施例においては、固体酸111のNH−TPD酸強度値は0.1〜2である。
固体酸111の比表面積が大きくなるほど、反応溶液108との、より大きな接触面積を提供することができ、反応性を高めることができる。例を挙げると、同じ重量の固体酸111については、粒子サイズが小さくなるほど細孔サイズが小さくなりかつ数量が多くなるとき、固体酸111の比表面積を大きくすることができる。一つの実施例においては、固体酸111は多孔質粒子構造を有しており、かつ、粒径は0.1μm〜100μmであってよい。
実施例においては、固体酸111は、例えばゼオライト等の無機材料を含む。ゼオライトは、ケイ素酸化物またはアルミニウム酸化物から形成された四面体であり、酸素原子によりケイ素またはアルミニウムを連結して中間が異なる環状面の骨格となり、中間の環状面の差異は、例えばA型、X型、およびY型の結晶構造に分けることができ、そのうちY型の結晶構造は環状面が12辺形である。
ゼオライト表面の水素イオンは、反応溶液108中の陽イオンと置換を生じることができる。ケイ素/アルミニウム比の高さがゼオライトの特性に影響し、ケイ素/アルミニウム比が低ければ、イオン交換能力およびゼオライトの酸性が強まり得る。表1にゼオライトのいくつかの性質を示す。
Figure 2019053293
実施例においては、反応溶液108に対する固体酸111の重量比(すなわち固体酸111の重量を反応溶液108の重量で除算したもの)は0.01〜0.5である。
偏光フィルム110の張力は、70N〜85Nの安定した範囲内にある。
いくつかの実施例においては、偏光フィルムの前駆体102は架橋槽106を通過する前に、まず、他の処理を行うことができる。例を挙げると、まず、膨潤処理を行うための膨潤槽を通過し、しかるのちに、染色処理を行うための染色槽を通過し、次いで、図1のような架橋槽106を通過してもよい。
いくつかの実施例においては、架橋槽106および/または補色槽を通過した後に形成された偏光フィルム110は、他の処理をさらに行うことができる。例を挙げると、偏光フィルム110に水洗槽を通過させることで、偏光フィルム110の表面に付着した反応溶液108を洗浄し、しかるのちに、乾燥炉により乾燥させる。ただし、本開示は、これに限定されない。
表2は、実施例1〜実施例5、および比較例1の実験条件と結果を示している。ΔpHは、反応溶液が所定の時間を経た後のpH値から、当初のpH値を減算したものであるので、正の値は、反応溶液が所定の時間を経た後にpH値が上昇したことを表しており、負の値は、pH値が低下したことを表しており、かつ、ΔpHの絶対値が高いほど、変化幅が大きいことを表している。
表2の結果から、ゼオライトを使用していない比較例1と比べると、ゼオライトを使用している実施例1〜実施例5は、反応溶液が、比較的小さいpH値の変化程度を有していることが分かり、pH値が比較的安定しており、かつ、得られる偏光フィルムの張力値は安定的な範囲にコントロール可能であり、フィルムが破れるリスクを低減することができるとともに、偏光フィルムの光学的性質が安定していることを示している。
Figure 2019053293
以上をまとめると、本発明が提供する偏光フィルムの製造方法は、偏光フィルムの架橋処理および/または補色処理において、酸性溶液の添加の代わりに固体酸を使用することで、架橋処理および/または補色処理の反応溶液のpH値を適当な範囲に維持する。これにより、加えられた酸性溶液が解離して生じた特定のイオン(例えば金属イオンや非金属イオン)が反応溶液中に大量に蓄積され、ひいては、製造される偏光フィルムの品質を損なうのを回避することができる。また、固体酸を使用すれば、反応溶液が活性炭と接触した後であっても、そのpH値の変化量が安定的な水準に依然として達するようにすることができる。従って、本発明は、安定した所望の光学的性質の偏光フィルムを得ることができる。
以上をまとめると、本発明は実施例で上記のように開示されているが、本発明を限定するために用いられるものではない。当業者は、本発明の趣旨と範囲から逸脱することなく、種々の変更や修飾を行うことができる。従って、本発明の保護範囲については、後に添付する特許請求の範囲で規定されているところに準ずるものとする。
102 偏光フィルムの前駆体、104 搬送装置、106 架橋槽、108 反応溶液、110 偏光フィルム、111 固体酸、112 活性炭、114,221,223 濾過装置、116,118 通路、119,219 循環システム。

Claims (10)

  1. 偏光フィルムの前駆体に反応溶液中で架橋処理および/または補色処理を行わせることで偏光フィルムを形成することと、
    無機材料を含む固体酸と前記反応溶液の陽イオンとでイオン交換反応を行うことと、
    を含む、偏光フィルムの製造方法。
  2. 前記固体酸は、ゼオライトを含む、請求項1に記載の偏光フィルムの製造方法。
  3. 前記反応溶液の前記陽イオンは、前記固体酸の水素イオンとイオン交換反応を行う、請求項1に記載の偏光フィルムの製造方法。
  4. 前記反応溶液に対する前記固体酸の重量比が0.01〜0.5である、請求項1に記載の偏光フィルムの製造方法。
  5. 前記固体酸は多孔質粒子構造を有しており、かつ、粒径は0.1μm〜100μmであり、および/または、前記固体酸のNH−TPD酸強度値は0.1〜2であり;および/または、前記固体酸はケイ素酸化物またはアルミニウム酸化物の四面体である、請求項1に記載の偏光フィルムの製造方法。
  6. 活性炭で前記反応溶液を濾過することをさらに含む、請求項1に記載の偏光フィルムの製造方法。
  7. 前記反応溶液のpH値の変動範囲(ΔpH)の絶対値は1未満である、請求項1に記載の偏光フィルムの製造方法。
  8. 前記反応溶液はヨウ化カリウムを含み、前記固体酸は前記ヨウ化カリウムのカリウムイオンを水素イオンに置換する、請求項1に記載の偏光フィルムの製造方法。
  9. 前記架橋処理および/または前記補色処理はpH2〜pH5で行われる、請求項1に記載の偏光フィルムの製造方法。
  10. 前記架橋処理が行われるとき、ポリビニルアルコールフィルムである前記偏光フィルムの前駆体を延伸処理することも含む、請求項1に記載の偏光フィルムの製造方法。
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