JP2019052469A - 吊収納及び吊収納設置方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】一対の側板を横壁に当接することができなくても、容易に一対の側板を平行に配置する吊収納及び吊収納設置方法を提供する。【解決手段】建物の背壁W1に固定される受桟2と、受桟2に載せられて建物の第一横壁W2に当接される第一側板3と、受桟2に載せられて第一側板3と対向配置される第二側板4と、受桟2における第二側板4の位置決めを行う位置決め部10と、を備える。この吊収納1では、位置決め部10により受桟2における第二側板4の位置決めが行われることで、第二側板4の下部の左右方向の位置が規定される。このため、容易に第一側板3と第二側板4とを平行に配置することができる。【選択図】図3

Description

本発明は、吊収納及び吊収納設置方法に関する。
特許文献1には、背壁に支持部材を固定し、左右一対の側板と上下一対の横板とにより矩形枠状の基本本体を組み立て、この基本本体の下側の横板を支持材に固定した吊収納が記載されている。この吊収納では、地板を設けずに収納空間を下方に開放しているため、吊収納の下方に背の高い収納物を収納することができる。
特開2016−199893号公報
特許文献1に記載された吊収納では、地板を設けずに収納空間を下方に開放しているが、左右一対の側板と上下一対の横板とにより矩形枠状の基本本体を組み立てることで、一方の側板に対して他方の側板の位置を平行に配置することを可能としている。ここで、地板を設けずに収納空間を下方に開放するために、横板を設けない構造、又は、吊収納の上部に天板等の横板を一枚のみ設ける構造とすることが考えられる。しかしながら、このような構造だと、特許文献1に記載された吊収納のような矩形枠状の基本本体を構築できない。このため、左右一対の側板を横壁に当接できる場合は、左右一対の側板を平行に配置することができるが、一方の側板しか横壁に当接できない場合は、左右一対の側板を平行に配置することが難しい。
そこで、本発明は、地板を設けずに収納空間を下方に開放する吊収納において、対向する一対の側板のうち一方の側板しか横壁に当接することができない場合でも、容易に一対の側板を平行に配置することができる吊収納及び吊収納設置方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、地板を設けずに収納空間を下方に開放する場合、側板の上部は、天壁や天板(横板)に固定することができるが、側板の下部は、天壁や天板(横板)に固定することができないため、側板の下部の位置決めを行うことで、容易に一対の側板を平行に配置することができるとの知見を得た。本発明は、このような知見に基づきなされたものである。
すなわち、本発明に係る吊収納は、建物の背壁に固定される受桟と、受桟に載せられて建物の第一横壁に当接される第一側板と、受桟に載せられて第一側板と対向配置される第二側板と、受桟における第二側板の位置決めを行う位置決め部と、を備え、第一側板と第二側板との間に形成される少なくとも一部の収納空間が下方に開放されている。
この吊収納では、第一側板及び第二側板が受桟に載せられることで、背壁に吊り下げられ、第一側板が第一横壁に当接されることで、第一側板の左右方向の位置が規定され、第一側板と第二側板との間に形成される少なくとも一部の収納空間が下方に開放されているため、吊収納の下方に背の高い収納物を収納することができる。そして、位置決め部により受桟における第二側板の位置決めが行われることで、第二側板の下部の左右方向の位置が規定される。このため、例えば、第二側板を横壁に当接することができない場合に、下方に開放された空間を広くとるために、横板を設けない構造、又は、吊収納の上部に天板等の横板を一枚のみ設ける構造としても、容易に第一側板と第二側板とを平行に配置することができる。
位置決め部は、第一側板に対する第二側板の位置決めを行ってもよい。この吊収納では、位置決め部が第一側板に対する第二側板の位置決めを行うため、高精度に第一側板と第二側板とを平行に配置することができる。
位置決め部は、受桟に設けられていてもよい。この吊収納では、位置決め部が受桟に設けられているため、受桟における第二側板の位置決めを容易に行うことができるとともに、第一側板に対する第二側板の位置決めを容易に行うことができる。当該構成によれば、例えば、精度よく位置決め部が設けられた受桟を施工現場に供給することで、現場での位置決め作業が不要となり簡易且つ精度のよい施工ができる。
第一側板及び第二側板の上部において第一側板及び第二側板に連結される横板を更に備えてもよい。この吊収納では、第一側板及び第二側板の上部において第一側板及び第二側板に連結される横板を備えるため、第一側板及び第二側板の上部の位置決めを容易に行うことができる。なお、第一側板及び第二側板の上部とは、第一側板及び第二側板の上下方向における中央部よりも上の部分をいう。
第一横壁と対向する建物の第二横壁と第二側板との間に配置される間口調整部材を更に備えてもよい。第一横壁及び第二横壁の幅よりも第一側板及び第二側板の幅が狭い場合、第二横壁と第二側板との間に隙間が生じるが、この吊収納では、第二横壁と第二側板との間に間口調整部材を配置するため、第一横壁及び第二横壁の幅よりも第一側板及び第二側板の幅が狭い場合に、第二横壁と第二側板との間に生じる隙間を塞ぐことができる。
第二横壁に固定される横桟を更に備え、第二側板は、横桟に固定されてもよい。第二側板と第二横壁とが離間している場合、第二側板を第二横壁に固定するためには長い固定部材が必要になり、固定部材の長さが長くなるほど、固定部材の固定強度が低下する傾向にある。この吊収納では、第二側板が第二横壁に固定される横桟に固定されるため、第二側板が横桟を介さずに第二横壁に固定される場合に比べて、第二側板を第二横壁に固定するビスなどの固定部材の長さを短くして第二横壁に対する第二側板の固定強度を向上させることができる。
間口調整部材は、第二側板の前端面に当接される前板部を有し、横桟は、前板部の後面に当接されてもよい。この吊収納では、間口調整部材の前板部が第二側板の前端面に当接されるため、吊収納の前方から見た場合に、第二横壁と第二側板との間の隙間を塞ぐことができる。しかも、横桟が前板部の後面に当接されるため、前板部が内側に倒れ込むのを防止することができる。
間口調整部材は、第二側板の下端面に当接される下板部を有し、横桟は、下板部の上面に当接されてもよい。この吊収納では、間口調整部材の下板部が第二側板の下端面に当接されるため、吊収納の下方から見た場合に、第二横壁と第二側板との間の隙間を塞ぐことができる。しかも、横桟が下板部の上面に当接されるため、下板部が内側に倒れ込むのを防止することができる。
本発明に係る吊収納設置方法は、建物の背壁に吊収納を設置する吊収納設置方法であって、建物の背壁に受桟を固定し、吊収納の第一側板を受桟に載せて、当該第一側板を建物の第一横壁に当接し、第一側板と対向配置される第二側板を受桟に載せ、第一側板と第二側板との間に形成される少なくとも一部の収納空間を下方に開放し、受桟及び第二側板の少なくとも一方に、受桟に対する第二側板の位置決めを行う位置決め部を設けて、位置決め部により受桟に対する第二側板の位置決めを行う。
この吊収納設置方法では、第一側板及び第二側板を受桟に載せることで、吊収納が背壁に吊り下げられ、第一側板を第一横壁に当接することで、第一側板の左右方向の位置が規定され、第一側板と第二側板との間に形成される少なくとも一部の収納空間を下方に開放することで、吊収納の下方に背の高い収納物を収納することができる。そして、位置決め部により受桟における第二側板の位置決めを行うことで、第二側板の下部の左右方向の位置が規定される。このため、例えば、第二側板を横壁に当接することができない場合に、下方に開放された空間を広くとるために、横板を設けない構造、又は、吊収納の上部に天板等の横板を一枚のみ設ける構造としても、容易に第一側板と第二側板とを平行に配置することができる。
本発明によれば、一対の側板を横壁に当接することができなくても、容易に一対の側板を平行に配置することができる。
実施形態の吊収納の平面図である。 実施形態の吊収納の正面図である。 図1に示すIII−III線における断面図である。 図2に示すIV−IV線における断面図である。 図2に示すV−V線における断面図である。 図2に示すVI−VI線における断面図である。 実施形態の吊収納の斜視図である。 図3における位置決め部材の周囲を示す縦断面図である。 図6における位置決め部材の周囲を示す断面図である。 位置決め部材の周囲を示す斜視図である。 受桟及び横桟を組み付けた状態を示す図である。 第一側板、仕切板、固定棚及び天板を組み付けた状態を示す図である。 第二側板に間口調整部材を組み付ける状態を示す図である。 第二側板及び間口調整部材を組み付ける前の状態を示す図である。 第二側板及び間口調整部材を組み付けた状態を示す図である。 吊収納の変形例を示す断面図である。 吊収納の変形例を示す斜視図である。 図17に示す吊収納において受桟に第二側板を組み付ける前の状態を示す図である。 吊収納の変形例を示す断面図である。 吊収納の変形例を示す断面図である。
以下、図面を参照して、実施形態の吊収納及び吊収納設置方法について詳細に説明する。本実施形態は、本発明の吊収納及び吊収納設置方法を、建物の、背壁と互いに対向する第一横壁及び第二横壁とに囲まれる設置空間に設置する吊収納及び吊収納設置方法に適用したものである。なお、全図中、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1〜図7に示すように、本実施形態の吊収納1は、建物の、背壁W1と互いに対向する第一横壁W2及び第二横壁W3とに囲まれる設置空間Aに設置される。背壁W1、第一横壁W2及び第二横壁W3は、コ字状に配置されており、第一横壁W2及び第二横壁W3と背壁W1とは、直角に接続されている。設置空間Aは、平面視において矩形に形成されており、背壁W1とは反対側に、設置空間Aと外部空間とを連通する開口Bが形成されている。以下の説明において、左右、上下、前後等の方向は、開口Bを手前側として吊収納1を正面から見た方向を示す。なお、前後方向は、奥行き方向ともいい、左右方向は、幅方向ともいう。
吊収納1は、背壁W1に吊り下げられる吊収納であって、吊収納の下方に背の高い収納物を収納することができるように、地板を設けずに収納空間の少なくとも一部が下方に開放された吊収納である。吊収納1は、受桟2と、第一側板3と、第二側板4と、仕切板5と、天板6と、固定棚7と、間口調整部材8と、第一横桟9Aと、第二横桟9Bと、を備える。なお、吊収納1を構成する各部材は、木材により形成されていることが好ましいが、樹脂等の木材以外の素材により形成されていてもよい。
受桟2は、吊収納1を背壁W1に吊り下げるための部材である。吊収納1を吊り下げるとは、吊収納1を床から離れた位置に固定することをいう。受桟2は、細長い矩形板状に形成されている。受桟2は、建物の床と平行に配置されるように、背壁W1に固定される。背壁W1に対する受桟2の固定は、例えば、接着剤による接着、木ダボによる接合、ビス止め、これらの併用等により行うことができる。
第一側板3は、吊収納1の右側(一方側)の側板を構成する部材である。第一側板3は、矩形板状に形成されている。第一側板3は、一枚の板材で構成されていてもよく、複数枚の板材で構成されていてもよい。本実施形態では、第一側板3は、上下二枚の板材で構成されており、第一側板3の上側の板材を第一側板3A、第一側板3の下側の板材を第一側板3Bという。
第一側板3は、受桟2に載せられて、背壁W1に当接される。具体的には、第一側板3の後端部且つ下端部となる角部に切り欠きが形成されており、この切り欠きを受桟2に掛けることで、第一側板3が背壁W1に当接された状態で受桟2に載せられる。このため、上下方向における第一側板3の位置は、受桟2により規定される。また、第一側板3は、背壁W1の右側(一方側)に位置する第一横壁W2に当接される。具体的には、第一側板3の第一横壁W2側の面が、第一横壁W2に当接される。このため、左右方向における第一側板3の位置は、第一横壁W2により規定される。また、第一側板3は、受桟2及び天板6に固定される。受桟2に対する第一側板3の固定は、例えば、接着剤による接着、木ダボによる接合、L字金具を用いたビス止め、これらの併用等により行うことができる。天板6に対する第一側板3の固定は、例えば、接着剤による接着、木ダボによる接合、ノックダウン金具(ハーフェレ社製のラフィックス20)を用いた連結、これらの併用等により行うことができる。
第二側板4は、第一側板3と対向配置されて、吊収納1の左側(他方側)の側板を構成する部材である。第二側板4は、矩形板状に形成されている。第二側板4は、一枚の板材で構成されていてもよく、複数枚の板材で構成されていてもよい。本実施形態では、第二側板4は、一枚の板材で構成されている。
第二側板4は、受桟2に載せられて、背壁W1に当接される。具体的には、第二側板4の後端部且つ下端部となる角部に切り欠きが形成されており、この切り欠きを受桟2に掛けることで、第二側板4が背壁W1に当接された状態で受桟2に載せられる。このため、上下方向における第二側板4の位置は、受桟2により規定される。また、第二側板4は、受桟2及び天板6に固定される。受桟2に対する第二側板4の固定は、例えば、接着剤による接着、木ダボによる接合、L字金具を用いたビス止め、これらの併用等により行うことができる。天板6に対する第二側板4の固定は、例えば、接着剤による接着、木ダボによる接合、ノックダウン金具を用いた連結、これらの併用等により行うことができる。また、第二側板4は、間口調整部材8、第一横桟9A及び第二横桟9Bを介して背壁W1の左側(他方側)に位置する第二横壁W3に固定される。
仕切板5は、第一側板3と第二側板4との間の収納空間を左右に仕切るための部材である。仕切板5は、矩形板状に形成されている。仕切板5は、一枚の板材で構成されていてもよく、複数枚の板材で構成されていてもよい。本実施形態では、仕切板5は、上下二枚の板材で構成されており、仕切板5の上側の板材を仕切板5A、仕切板5の下側の板材を仕切板5Bという。
仕切板5は、受桟2に載せられて、背壁W1に当接される。具体的には、仕切板5の後端部且つ下端部となる角部に切り欠きが形成されており、この切り欠きを受桟2に掛けることで、仕切板5が背壁W1に当接された状態で受桟2に載せられる。また、仕切板5は、受桟2及び天板6に固定される。このため、左右方向における仕切板5の上端部の位置は、天板6により規定される。受桟2に対する仕切板5の固定は、例えば、接着剤による接着、木ダボによる接合、L字金具を用いたビス止め、これらの併用等により行うことができる。天板6に対する仕切板5の固定は、例えば、接着剤による接着、木ダボによる接合、ノックダウン金具を用いた連結、これらの併用等により行うことができる。
天板6は、吊収納1の天板を構成する部材であり、横板ともいう。天板6は、第一横壁W2から第二横壁W3に至る矩形板状に形成されている。天板6は、一枚の板材で構成されていてもよく、複数枚の板材で構成されていてもよい。本実施形態では、天板6は、一枚の板材で構成されている。天板6の下面には、第一側板3、第二側板4及び仕切板5の固定位置を示す位置決め部が設けられており、第一側板3、第二側板4及び仕切板5のそれぞれは、この位置決め部において天板6に固定される。天板6に設けられる位置決め部としては、例えば、木ダボを挿入するためのダボ穴、ノックダウン金具等が用いられる。なお、第一側板3、第二側板4及び仕切板5は、天板6の下面に固定されるが、第一側板3及び第二側板4は、天板6の端面に固定されてもよく、天板6が複数の板材で構成されている場合は、仕切板5は、天板6を構成する各板材の端面に固定されてもよい。
固定棚7は、第一側板3と仕切板5との間の空間を上下に仕切るための部材であり、横板ともいう。固定棚7は、第一側板3から仕切板5に至る矩形板状に形成されている。固定棚7の左右方向における両端部は、第一側板3及び仕切板5に固定される。これにより、第一側板3、仕切板5、天板6、及び固定棚7は、互いに矩形枠状に固定された状態となるため、第一側板3と仕切板5とは、互いに平行な状態となる。第一側板3及び仕切板5に対する固定棚7の固定は、例えば、接着剤による接着、木ダボによる接合、これらの併用等により行うことができる。より具体的には、例えば、第一側板3Aと第一側板3Bとで固定棚7を挟み、第一側板3A及び第一側板3Bの端面と固定棚7の上下面とを、接着剤で接着するとともに木ダボで接合する。同様に、例えば、仕切板5Aと仕切板5Bとで固定棚7を挟み、仕切板5A及び仕切板5Bの端面と固定棚7の上下面とを、接着剤で接着するとともに木ダボで接合する。
そして、吊収納1は、第一側板3と第二側板4との間に形成される少なくとも一部の収納空間が下方に開放されている。具体的には、第一側板3の下端部と第二側板4の下端部とに接続される地板が設けられておらず、第一側板3と仕切板5との間に形成される収納空間と、仕切板5と第二側板4との間に形成される収納空間とが、下方に開放されている。
ここで、第一側板3、第二側板4及び仕切板5には、複数のダボ穴11が形成されており、任意のダボ穴11にピンダボ(不図示)を挿入して可動棚(不図示)を載置することが可能となっている。この可動棚の左右方向の幅は決められており、第一側板3と仕切板5との間隔、及び仕切板5と第二側板4との間隔は一定となる。このため、吊収納1を設置する設置空間Aの左右方向の幅が、吊収納1の左右方向の幅よりも大きい場合は、設置空間Aの第一横壁W2及び第二横壁W3と吊収納1との間に隙間が生じる。そこで、本実施形態では、第一横壁W2に第一側板3を当接させ、第二横壁W3と第二側板4との間に間口調整部材8を配置することで、第一横壁W2及び第二横壁W3と吊収納1との間の隙間を塞ぐ。
間口調整部材8は、第二横壁W3と第二側板4との間に配置される部材である。間口調整部材8は、前板部8Aと、下板部8Bと、を備える。
前板部8Aは、吊収納1の前端部において、第二横壁W3と第二側板4との間の隙間を塞ぐための部材である。前板部8Aは、第二側板4から第二横壁W3に至る矩形板状に形成されている。なお、前板部8Aは、十分な幅を有する矩形板状に形成されており、第二横壁W3と第二側板4との間の隙間の幅に応じて切断されることで、その幅を調整するものである。前板部8Aは、第二側板4の前端面と、天板6の下端面と、第二横壁W3とに当接される。前板部8Aは、第二側板4、天板6、及び第二横壁W3の少なくとも一つに固定されていればよい。本実施形態では、前板部8Aは、第二側板4にのみ固定される。第二側板4に対する前板部8Aの固定は、例えば、接着剤による接着、木ダボによる接合、これらの併用等により行うことができる。
下板部8Bは、吊収納1の下端部において、第二横壁W3と第二側板4との間の隙間を塞ぐための部材である。下板部8Bは、第二側板4から第二横壁W3に至る矩形板状に形成されている。なお、下板部8Bは、十分な幅を有する矩形板状に形成されており、第二横壁W3と第二側板4との間の隙間の幅に応じて切断されることで、その幅を調整するものである。下板部8Bは、第二側板4の下端面と、前板部8Aの後端面と、背壁W1と、第二横壁W3と、に当接される。下板部8Bは、第二側板4、前板部8A、背壁W1、及び第二横壁W3の少なくとも一つに固定されていればよい。本実施形態では、下板部8Bは、第二側板4にのみ固定される。第二側板4に対する下板部8Bの固定は、例えば、接着剤による接着、木ダボによる接合、これらの併用等により行うことができる。
第一横桟9Aは、第二横壁W3に固定されて、第二側板4が固定される部材である。第一横桟9Aは、細長い矩形板状に形成されている。第一横桟9Aは、建物の床と平行に配置されるように、第二横壁W3に固定される。第二横壁W3に対する第一横桟9Aの固定は、例えば、接着剤による接着、木ダボによる接合、ビス止め、これらの併用等により行うことができる。第一横桟9Aは、吊収納1の下部に配置されて、前板部8Aの後面及び下板部8Bの上面に当接される。
第二横桟9Bは、第二横壁W3に固定されて、第二側板4が固定される部材である。第二横桟9Bは、細長い矩形板状に形成されている。第二横桟9Bは、第一横桟9Aよりも上方において、建物の床と平行に配置されるように、第二横壁W3に固定される。第二横壁W3に対する第二横桟9Bの固定は、例えば、接着剤による接着、木ダボによる接合、ビス止め、これらの併用等により行うことができる。第二横桟9Bは、吊収納1の上部に配置されて、前板部8Aの後面及び天板6の下面に当接される。
そして、第二側板4は、第一横桟9A及び第二横桟9Bに固定されることで、第二横壁W3に固定される。第一横桟9A及び第二横桟9Bに対する第二側板4の固定は、例えば、ビス止めにより行うことができる。より具体的には、例えば、第二側板4の下部において第二側板4を貫通させたビスを第一横桟9Aにねじ込むとともに、第二側板4の上部において第二側板4を貫通させたビスを第二横桟9Bにねじ込む。これにより、第二側板4は、第一横桟9A及び第二横桟9Bを介して第二横壁W3に固定される。なお、このビスは、第一横桟9A及び第二横桟9Bのみにねじ込んでもよく、第二横壁W3までねじ込んでもよい。
図1〜図10に示すように、位置決め部10は、受桟2における第二側板4の位置決めを行う部材である。上述したように、第一側板3は、第一横壁W2に固定されるため、左右方向における第一側板3の位置は、第一横壁W2により規定される。しかしながら、第二側板4は、間口調整部材8を介して第二横壁W3に固定される。このため、間口調整部材8を組み付ける前に第二側板4を組み付けると、左右方向における第二側板4の上部の位置は天板6により規定されるものの、左右方向における第二側板4の下部の位置は規定されない。そこで、本実施形態の吊収納1は、位置決め部10により、左右方向における第二側板4の下部の位置を規定する。
具体的に説明すると、位置決め部10は、第一側板3と第二側板4との間隔が一定となるように、第一側板3に対する第二側板4の位置決めを行う。より具体的には、位置決め部10は、受桟2に設けられるとともに、受桟2から突出して第二側板4が当接される凸部である。このため、位置決め部10である凸部に第二側板4を当接することで、第一側板3に対する第二側板4の位置決めを行うことができる。この凸部としては、例えば、木ダボを用いることができる。また、位置決め部10である凸部は、第二側板4の第一側板3とは反対側の位置、つまり、第二側板4の間口調整部材8側(第二横壁W3)の位置に設けられている。このため、間口調整部材8を組み付けることで、位置決め部10である凸部を間口調整部材8で隠すことができる。
次に、上述した吊収納1を背壁W1に設置する吊収納設置方法について説明する。
まず、事前準備として、受桟2に位置決め部10を設けておく。そして、図11に示すように、背壁W1に受桟2を固定するとともに、第二横壁W3に第一横桟9A及び第二横桟9Bを固定する。位置決め部10は、予め受桟2に設けておかずに、背壁W1に受桟2を固定した後に受桟2に設けてもよい。
次に、図12に示すように、第一側板3Aを受桟2に載せて、第一側板3Aを背壁W1及び第一横壁W2に当接する。これにより、上下方向、前後方向、及び左右方向における第一側板3Aの位置が規定される。そして、第一側板3Aを受桟2及び第一横壁W2に固定する。次に、第一側板3Aと第一側板3Bとで固定棚7を挟み、固定棚7を第一側板3A及び第一側板3Bに固定するとともに、第一側板3Bを第一横壁W2に固定する。次に、仕切板5Aを受桟2に載せて、仕切板5Aと仕切板5Bとで固定棚7を挟み、仕切板5Aを受桟2に固定するとともに、固定棚7を仕切板5A及び仕切板5Bに固定する。次に、第一側板3B、仕切板5B及び第二横桟9Bの上に天板6を載せて、第一側板3B及び仕切板5Bに天板6を固定する。これにより、第一側板3(第一側板3A及び第一側板3B)、仕切板5(仕切板5A及び仕切板5B)、天板6、及び固定棚7が互いに矩形枠状に固定された状態となって、第一側板3と仕切板5とが互いに平行な状態に保持される。
次に、図13に示すように、第二横壁W3と第二側板4との間の隙間の幅に応じて前板部8A及び下板部8Bを切断し、第二側板4の前端面に前板部8Aを固定するとともに、第二側板4の下端面に下板部8Bを固定する。
次に、図14及び図15に示すように、前板部8A及び下板部8Bが固定された第二側板4を受桟2に載せて、第二側板4を背壁W1に当接する。これにより、上下方向及び前後方向における第二側板4の位置が規定される。また、前板部8A及び下板部8Bを第一横桟9A及び第二横桟9Bに当接するとともに、第二側板4を位置決め部10に当接する。これにより、左右方向における第一側板3Aの下端部の位置が規定される。また、第二側板4を天板6に固定する。これにより、左右方向における第一側板3Aの上端部の位置が規定される。そして、第二側板4を第一横桟9A及び第二横桟9Bに固定するとともに、第二側板4を受桟2に固定する。これにより、吊収納1の背壁W1への設置が終了する。
以上説明したように、本実施形態では、第一側板3及び第二側板4が受桟2に載せられることで、背壁W1に吊り下げられ、第一側板3が第一横壁W2に当接されることで、第一側板3の左右方向の位置が規定され、仕切板5と第二側板4との間に形成される収納空間が下方に開放されているため、吊収納1の下方に背の高い収納物を収納することができる。そして、位置決め部10により受桟2における第二側板4の位置決めが行われることで、第二側板4の下部の左右方向の位置が規定される。このため、一対の側板を横壁に当接することができない場合に、下方に開放された空間を広くとるために、吊収納1の上部に横板として天板6を一枚のみ設ける構造としても、容易に第一側板3と第二側板4とを平行に配置することができる。
また、位置決め部10が第一側板3に対する第二側板4の位置決めを行うため、高精度に第一側板と第二側板4とを平行に配置することができる。
また、位置決め部10が受桟2に設けられているため、受桟2における第二側板4の位置決めを容易に行うことができるとともに、第一側板3に対する第二側板4の位置決めを容易に行うことができる。当該構成によれば、精度よく位置決め部10が設けられた受桟2を施工現場に供給できるため、現場での位置決め作業が不要となり簡易且つ精度のよい施工ができる。
また、位置決め部10が受桟2から突出する凸部であるため、この凸部に第二側板4を当接することで、受桟2における第二側板4の位置決めを容易に行うことができる。
また、第一側板3及び第二側板4の上部において第一側板3及び第二側板4に連結される天板6を備えるため、第一側板3及び第二側板4の上部の位置決めを容易に行うことができる。
また、第一横壁W2及び第二横壁W3の幅よりも第一側板3及び第二側板4の幅が狭い場合、第二横壁W3と第二側板4との間に隙間が生じるが、第二横壁W3と第二側板4との間に間口調整部材8を配置するため、第一横壁W2及び第二横壁W3の幅よりも第一側板3及び第二側板4の幅が狭い場合に、第二横壁W3と第二側板4との間に生じる隙間を塞ぐことができる。
また、第二側板4が第二横壁W3に固定される第一横桟9A及び第二横桟9Bに固定されるため、第二側板4が第一横桟9A及び第二横桟9Bを介さずに第二横壁W3に固定される場合に比べて、第二側板4を第二横壁W3に固定するビス等の固定部材の長さを短くして第二横壁W3に対する第二側板4の固定強度を向上させることができる。
また、間口調整部材8の前板部8Aが第二側板4の前端面に当接されるため、吊収納1の前方から見た場合に、第二横壁W3と第二側板4との間の隙間を塞ぐことができる。しかも、第一横桟9A及び第二横桟9Bが前板部8Aの後面に当接されるため、前板部8Aが内側に倒れ込むのを防止することができる。
また、間口調整部材の下板部8Bが第二側板4の下端面に当接されるため、吊収納1の下方から見た場合に、第二横壁W3と第二側板4との間の隙間を塞ぐことができる。しかも、第一横桟9Aが下板部8Bの上面に当接されるため、下板部8Bが内側に倒れ込むのを防止することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
例えば、上記実施形態では、第一側板3と第二側板4との間に仕切板5及び固定棚7が配置されているものとして説明したが、図16に示す吊収納1Aのように、第一側板3と第二側板4との間に仕切板及び固定棚が配置されていないものとしてもよい。この場合、第一側板3及び第二側板4のダボ穴に木ダボを挿入することで、第一側板3及び第二側板4との間に可動棚を載置することができる。
また、上記実施形態では、位置決め部10が受桟2から突出して第二側板4が当接される凸部であるものとして説明したが、図17及び図18に示す吊収納1Bのように、位置決め部10Bは、受桟2Bに形成されて第二側板4が挿入される凹部であってもよい。この吊収納1Bでは、位置決め部10Bが受桟2Bに形成される凹部であるため、この凹部に第二側板4を挿入することで、受桟2における第二側板4の位置決めを容易に行うことができる。
また、上記実施形態では、位置決め部10は、第一側板3に対する第二側板4の位置決めを行うものとして説明したが、図19に示す吊収納1Cのように、位置決め部10Cは、第二横壁W3に対する第二側板4の位置決めを行うものとしてもよい。この場合、位置決め部10Cは、第二側板4から第二横壁W3側に突出する凸部とすることができる。この吊収納1Cでは、位置決め部10Cにより第二横壁W3に対する第二側板4の位置決めを行うことで、間接的に、第一側板3に対する第二側板4の位置決めを行って、第一側板3と第二側板4とを平行に配置することができる。
また、上記実施形態では、第一側板3と第二側板4の間に形成される収納空間の全てが下方に開放されているものとして説明したが、図20に示す吊収納1Dのように、第一側板3と仕切板5との間に地板12Dが設けられて、仕切板5と第二側板4との間に形成される収納空間のみが下方に開放されていてもよい。
また、上記実施形態では、第一側板3及び第二側板4の上部において第一側板3及び第二側板4に連結される横板として、天板6を備えるものとして説明したが、第一側板3及び第二側板4を天壁等に固定することにより第一側板3及び第二側板4の上部の位置決めを行うことができれば、このような横板を備えない構成であってもよい。また、このような横板として、棚板等の天板以外の横板を備えてもよい。なお、第一側板3及び第二側板4の上部とは、第一側板3及び第二側板4の上下方向における中央部よりも上の部分をいう。
また、上記実施形態では、第一側板3の奥行き方向の長さが第一横壁W2の奥行き方向の長さより短いものとして説明したが、第一側板3の奥行き方向の長さが第一横壁W2の奥行き方向の長さより長い態様であってもよい。この場合、第一横壁W2の奥行き方向の長さに対して第一側板3の奥行き方向の長さは2倍以下程度とすることが好ましい。また、この場合、第二側板4の奥行き方向の長さは第二横壁W3の奥行き方向の長さよりも短いことが好ましい。
第一側板3と第二側板4及び間口調整部材8とは、左右入替可能部材とすることで、施工現場の状況や施主の要望に応じて、左右いずれを第一側板3とするか第二側板4とするかを適宜調整できる。特に両側壁の一方の奥行き方向の長さが、側板の奥行き方向の長さよりも短い場合等に好適に対応できる。
1,1A,1B,1C,1D…吊収納、2,2B…受桟、3,3A,3B…第一側板、4…第二側板、5,5A,5B…仕切板、6…天板(横板)、7…固定棚、8…間口調整部材、8A…前板部、8B…下板部、9A…第一横桟(横桟)、9B…第二横桟(横桟)、10,10B,10C…位置決め部、11…ダボ穴、12D…地板、A…設置空間、B…開口、W1…背壁、W2…第一横壁、W3…第二横壁。

Claims (9)

  1. 建物の背壁に固定される受桟と、
    前記受桟に載せられて前記建物の第一横壁に当接される第一側板と、
    前記受桟に載せられて前記第一側板と対向配置される第二側板と、
    前記受桟における前記第二側板の位置決めを行う位置決め部と、を備え、
    前記第一側板と前記第二側板との間に形成される収納空間の少なくとも一部が下方に開放されている、
    吊収納。
  2. 前記位置決め部は、前記第一側板に対する前記第二側板の位置決めを行う、
    請求項1に記載の吊収納。
  3. 前記位置決め部は、前記受桟に設けられている、
    請求項1又は2に記載の吊収納。
  4. 前記第一側板及び前記第二側板の上部において、前記第一側板及び前記第二側板に連結される横板を更に備える、
    請求項1〜3の何れか一項に記載の吊収納。
  5. 前記第一横壁と対向する前記建物の第二横壁と前記第二側板との間に配置される間口調整部材を更に備える、
    請求項1〜4の何れか一項に記載の吊収納。
  6. 前記第二横壁に固定される横桟を更に備え、
    前記第二側板は、前記横桟に固定される、
    請求項5に記載の吊収納。
  7. 前記間口調整部材は、前記第二側板の前端面に当接される前板部を有し、
    前記横桟は、前記前板部の後面に当接される、
    請求項6に記載の吊収納。
  8. 前記間口調整部材は、前記第二側板の下端面に当接される下板部を有し、
    前記横桟は、前記下板部の上面に当接される、
    請求項6又は7に記載の吊収納。
  9. 建物の背壁に吊収納を設置する吊収納設置方法であって、
    建物の背壁に受桟を固定し、
    前記吊収納の第一側板を前記受桟に載せて、当該第一側板を建物の第一横壁に当接し、
    前記第一側板と対向配置される第二側板を前記受桟に載せ、
    前記第一側板と前記第二側板との間に形成される少なくとも一部の収納空間を下方に開放し、
    前記受桟及び前記第二側板の少なくとも一方に、前記受桟に対する前記第二側板の位置決めを行う位置決め部を設けて、前記位置決め部により受桟に対する第二側板の位置決めを行う、
    吊収納設置方法。
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