JP2019052050A - ガラス部材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面にシャープな像が設置されたガラス部材およびその製造方法。【解決手段】ガラス基板を有するガラス部材であって、前記ガラス基板は、第1の表面を有し、該第1の表面には、少なくとも一部にインクが設置されており、前記第1の表面は、最大高さ粗さRzが50nm以上であり、算術平均粗さRaが1nm以上である、ガラス部材。【選択図】図1

Description

本発明は、表面に像が配置されたガラス部材およびその製造方法に関する。
装飾および案内掲示等の目的のため、しばしば、ガラス基板の表面に、インクで構成された文字および記号、イラスト、ならびに図等の像を配置することが要望される場合がある。
しかしながら、通常のガラス基板の表面にそのような像を配置した場合、インクが滲んだり、ぼやけたりして、シャープで鮮明な像が得られないことがしばしば認められる。そのため、表面に像が配置されたガラス部材の実際の適用例は、鮮明な像が要求されない、一部の分野に制限されている。ガラス部材の表面に、シャープで鮮明な像を容易に配置することができれば、そのようなガラス部材の適用範囲は、飛躍的に広がることが予想される。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、表面にシャープな像が設置されたガラス部材を提供することを目的とする。また、本発明では、そのようなガラス部材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明では、ガラス基板を有するガラス部材であって、
前記ガラス基板は、第1の表面を有し、該第1の表面には、少なくとも一部にインクが設置されており、
前記第1の表面は、最大高さ粗さRzが50nm以上であり、算術平均粗さRaが1nm以上である、ガラス部材が提供される。
また、本発明では、ガラス基板を有するガラス部材の製造方法であって、
(1)第1の表面を有するガラス基板を準備する工程と、
(2)50nm以上の最大高さ粗さRz、および1nm以上の算術平均粗さRaが得られるように、前記ガラス基板の前記第1の表面を処理する工程と、
(3)前記表面を処理されたガラス基板の前記第1の表面にインクを設置する工程と、
を有する、製造方法が提供される。
本発明では、表面にシャープな像が設置されたガラス部材を提供することができる。また、本発明では、そのようなガラス部材の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態によるガラス部材の模式的な斜視図である。 本発明の一実施形態によるガラス部材に適用されるガラス基板の断面の一例を模式的に示した拡大図である。 第1のガラス部材の製造方法の一例を模式的に示したフロー図である。 例1に係るガラス部材サンプルの写真である。 例2に係るガラス部材サンプルの写真である。 例3に係るガラス部材サンプルの写真である。 例4に係るガラス部材サンプルの写真である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
(本発明の一実施形態によるガラス部材)
図1には、本発明の一実施形態によるガラス部材の模式的な斜視図を示す。
図1に示すように、本発明の一実施形態によるガラス部材(以下、「第1のガラス部材」と称する)100は、第1の表面112および第2の表面114を有するガラス基板110を有する。ガラス基板110の第1の表面112には、インクを印刷することにより形成された像160が配置されている。
なお、図1に示した例では、ガラス基板110は、略矩形状である。しかしながら、これは単なる一例であって、ガラス基板110の形態は、特に限られない。
また、図1に示した例では、ガラス基板110の第1の表面112に配置された像160は、黒色の一つの文字「A」である。しかしながら、これは単なる一例であって、像160は、一文字に限られず、複数の文字であっても良い。さらに、像160は、文字の他、記号、デザイン柄、イラスト、および図等、ならびにこれらの組み合わせであっても良い。また、像160は、単色であっても、複数の色で構成されてもよい。
通常、ガラス基板の表面にインクを設置すると、像が滲んだり、ぼやけたりするため、鮮明な像を配置することは難しい。
これに対して、第1のガラス部材100では、ガラス基板110の第1の表面112は、ナノメートルオーダの多数の凹凸を有する。特に、ガラス基板110の第1の表面112は、最大高さ粗さRzが50nm以上となり、算術平均粗さRaが1nm以上となるように調製されている。
ここで、本願において、表面の最大高さ粗さRzおよび算術平均粗さRaは、2001 JIS B0601に基づいて測定された値を意味する。
このようなナノメートルオーダの凹凸形態のため、第1の表面112上にインクを設置した場合、ガラス基板110の第1の表面112の所定の位置に、インクを留めることが可能になる。従って、この場合、インクで構成された像160が第1の表面112上で、不本意に広がったり、ずれたりする現象を有意に抑制することができる。
その結果、第1のガラス部材100では、ガラス基板110の第1の表面112上に、像160をシャープな輪郭かつ鮮明な状態で設置することができる。換言すれば、第1のガラス部材100は、ガラス基板110の第1の表面112上に、シャープな輪郭で配置された鮮明な像を有する。
なお、ガラス基板110の第1の表面112は、「特異凸状部」を有しても良い。
以下、図2を参照して、より詳しく説明する。
図2には、第1のガラス部材100に適用されるガラス基板110の断面の一例を模式的に示す。
図2に示すように、このガラス基板110は、ナノメートルオーダーの多数の凸状部150を有する第1の表面112を有する。そして、これらの凸状部150の中には、「特異凸状部」が含まれても良い。「特異凸状部」とは、凸状部150のうち、根元部分の少なくとも一部が、先端部分に比べて内方にくびれている形状を意味する。
例えば、図2に示した例では、2つの特異凸状部151、152が認められる。このうち特異凸状部151は、根元部分の一方の側(右側)が内方にくびれている。一方、特異凸状部152は、根元部分の両方の側が内方にくびれており、いわゆるネック部153を有する。ネック部153とは、第1の表面112に形成された凸状部150において、上部に比べて断面が小さくなっている下側部分、いわゆる狭窄部を意味する。
このような特異凸状部151、152を有する第1の表面112は、例えば、ガラス基板10を高温のフッ化水素(HF)ガスでエッチング処理することにより、形成することができる。
このような特異凸状部151、152を有する第1の表面112上にインクを設置した場合、アンカー効果により、ガラス基板110の第1の表面112の所定の位置に、インクをより確実に保持することが可能になる。従って、この場合、第1の表面112に、よりいっそう鮮明な像160を得ることができる。
以上説明したように、第1のガラス部材100では、ガラス基板110の第1の表面112上に、シャープな輪郭で鮮明な像を設置することができる。
従って、第1のガラス部材100は、表面に、文字および記号、デザイン柄、イラスト、および図などを自由に配置して、利用することが可能になる。特に、第1のガラス部材100では、像160が高精細なものであっても、ガラス基板110の第1の表面112に、イメージ通りの像160を配置することができる。
(ガラス部材の各構成要素)
次に、図1に示したような第1のガラス部材100を構成する各要素について、詳しく説明する。
(ガラス基板110)
前述のように、ガラス基板110の形状は、特に限られない。ガラス基板110は、例えば、矩形状、ディスク状、ブロック状、およびロッド状等であっても良い。
ガラス基板110の寸法および組成等は、特に限られない。ガラス基板110は、例えば、0.05mm〜10mmの厚さを有しても良い。
また、ガラス基板110は、例えば、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ホウケイ酸ガラス、および無アルカリガラス等で構成されても良い。
前述のように、ガラス基板110の第1の表面112は、多数の微細な凹凸を有する。より具体的には、ガラス基板110の第1の表面112において、最大高さ粗さRzは50nm以上である。例えば、最大高さ粗さRzは、50nm〜5000nmの範囲であり、例えば、60nm〜2000nmの範囲であっても良い。
また、算術平均粗さRaは、5nm以上であることが好ましい。例えば、算術平均粗さRaは、5nm〜200nmの範囲であり、5nm〜150nmの範囲であっても良い。
また、前述のように、ガラス基板110の第1の表面112は、特異凸状部151、152を有しても良い。
このような第1の表面112を有するガラス基板110は、例えば、高温のガラス基板110の第1の表面112を、フッ化水素(HF)ガスでエッチング処理することにより製造することができる。エッチング処理に用いるHFガスは、窒素ガスやアルゴンガスで希釈してもよい。また、反応性を制御する目的で水蒸気(HO)を加えてもよい。
なお、ガラス基板110をHFガスでエッチング処理した際に、第1の表面112に結晶物が生成される場合がある。
なお、ガラス基板110は、表面に圧縮応力層を有するガラス、例えば化学強化されたガラスでもよい。通常の場合、化学強化処理は、ガラス基板110に、前述のような特徴を有する第1の表面112を形成した後に実施されることが好ましい。
ここで、「化学強化処理(法)」とは、アルカリ金属を含む溶融塩中にガラス基板を浸漬させ、ガラス基板の最表面に存在する原子径の小さなアルカリ金属(イオン)を、溶融塩中に存在する原子径の大きなアルカリ金属(イオン)と置換する技術の総称を言う。「化学強化処理(法)」では、処理されたガラス基板の表面には、処理前の元の原子よりも原子径の大きなアルカリ金属(イオン)が配置される。このため、ガラス基板の表面に圧縮応力層を形成することができ、これによりガラス基板の強度が向上する。
例えば、ガラス基板がナトリウム(Na)を含む場合、化学強化処理の際、このナトリウムは、溶融塩(例えば硝酸塩)中で、例えばカリウム(K)と置換される。あるいは、例えば、ガラス基板がリチウム(Li)を含む場合、化学強化処理の際、このリチウムは、溶融塩(例えば硝酸塩)中で、例えばナトリウム(Na)および/またはカリウム(K)と置換されても良い。
また、ガラス基板110の表面にインクが設置されていない領域は、1%以下のヘイズ、例えば、0.9%以下のヘイズを有しても良い。この場合、第1のガラス部材100のインクが設置されていない領域の透明性が向上し、ガラス部材100の外観(質感)が良好になる。
(像160)
ガラス基板110の第1の表面112に配置される像160は、インクで構成される。像160は、例えば、インクペンを用いてフリーハンドで像を描くことにより設置されても良い。あるいは、像160は、例えば、インクを印刷することにより設置されても良い。
インクの印刷方法は、特に限られない。インクは、例えば、インクジェット印刷法およびスクリーン印刷法等を用いて印刷されても良い。微細な像を形成しやすい点では、インクジェット法が好ましい。
インクの種類は、特に限られない。インクは、例えば、染料系インク、顔料系インク、UV硬化インクなどが適宜使用できる。インクに含まれる色材は染料でも顔料でもよく、分散性向上等の目的で表面処理されたものでもよい。インクに含まれる分散媒としては、水、有機溶媒、油、樹脂などが適宜選択できる。さらに必要に応じて界面活性剤、pH調整剤、重合開始剤、導電性化合物等を含んでも良い。
インクの厚さは、特に限られない。インクの厚さは、例えば、0.5μm〜100μmの範囲であっても良い。ここで、厚さは基板表面の凹部を基準とする。
なお、前述のように、像160の形態は、特に限られない。像160は、例えば、1または2以上の文字および記号、デザイン柄、イラスト、および図等、ならびにこれらの組み合わせ等であっても良い。また、像160は、黒色であっても、その他の色であっても良く、複数の色で構成されても良い。
(本発明の一実施形態によるガラス部材の製造方法)
次に、本発明の一実施形態によるガラス部材の製造方法の一例について説明する。なお、ここでは、一例として、図1に示したような第1のガラス部材100を例に、その製造方法について説明する。従って、各素子および部分を参照する際には、図1および図2に示した参照符号を使用する。
図3には、本発明の一実施形態によるガラス部材の製造方法(以下、「第1の製造方法」と称する)のフローを模式的に示す。
図3に示すように、第1の製造方法は、
(1)第1の表面を有するガラス基板を準備するステップ(ステップS110)と、
(2)50nm以上の最大高さ粗さRz、および1nm以上の算術平均粗さRaが得られるように、前記ガラス基板の前記第1の表面を処理するステップ(ステップS120)と、
(3)前記ガラス基板を化学強化処理するステップ(ステップS130)と、
(4)前記ガラス基板の前記第1の表面に、インクを設置するステップ(S140)と、
を有する。
なお、ステップS130は、必須の工程ではなく、省略しても良い。
以下、各工程について説明する。
(ステップS110)
まず、第1のガラス部材100の元となるガラス基板110が準備される。
前述のように、ガラス基板110の組成は、特に限られない。また、ガラス基板110の寸法および形状は、特に限られない。例えば、ガラス基板110は、矩形状であり、ガラス基板110の厚さは、0.05mm〜10mmの範囲であっても良い。
(ステップS120)
次に、ステップS110で準備したガラス基板110の第1の表面112が処理され、該表面112に、ナノオーダーの微細な凹凸が形成される。より具体的には、第1の表面112は、50nm以上の最大高さ粗さRz、および1nm以上の算術平均粗さRaが得られるように処理される。
前述のように、第1の表面112は、特異凸状部151、152を有するように処理されてもよい。
第1の表面112の処理方法は、特に限られない。例えば、ガラス基板110を高温のHFガスでエッチング処理することにより、前述のような特徴を有する第1の表面112を形成しても良い。
特に、HFガスによるエッチング処理の場合、例えば、HFガス濃度(例えば0.1vol%〜10vol%)、エッチング時のガラス基板110の温度(以下、エッチング温度と称する)(例えば400℃〜800℃)、およびエッチング時間(例えば1秒〜数分)などのエッチング条件を変化させることにより、ナノメートルオーダーの凹凸の寸法および形態などを制御することが可能になる。
(ステップS130)
次に、ガラス基板110が化学強化処理される。これにより、ガラス基板110の強度が向上する。ただし、この工程は、必須の工程ではなく、省略しても良い。また、この工程は、ステップS120の前に実施しても良い。
化学強化処理の条件は、特に限られず、一般的な化学強化処理条件を適用しても良い。
化学強化処理に使用される溶融塩の種類としては、例えば、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、および塩化カリウム等の、アルカリ金属硝酸塩、アルカリ金属硫酸塩、およびアルカリ金属塩化物塩などが挙げられる。これらの溶融塩は、単独で用いても、複数種を組み合わせて用いても良い。
化学強化処理温度(溶融塩の温度)は、使用される溶融塩の種類によっても異なるが、例えば、350℃〜550℃の範囲であっても良い。
化学強化処理は、例えば、350℃〜550℃の溶融硝酸カリウム塩中に、ガラス基板110を2分〜20時間程度浸漬することにより、実施しても良い。経済的かつ実用的な観点からは、350〜500℃、1〜10時間で実施されることが好ましい。
(ステップS140)
次に、ガラス基板110の第1の表面112に、像160用のインクが設置される。
インクの設置方法は、特に限られない。インクは、インクペンを用いて人の手書きにより設置されても良い。あるいは、インクは、インクジェットプリンタのような印刷機を使用してインクを印刷することにより、設置されても良い。
インクの種類は特に限られない。
以上の工程により、図1に示したような第1のガラス部材100を製造することができる。
このような第1の製造方法では、従来のような、インクが滲んだりぼやけたりすることが有意に抑制され、ガラス基板110の第1の表面112に、シャープな輪郭の鮮明な像160を設置することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。例4は比較例である。
(例1)
以下の方法により、ガラス基板の表面にインクが設置されたガラス部材を作製した。
ガラス基板としては、縦50mm×横50mm×厚さ0.7mmの無アルカリガラス基板を使用した。
このガラス基板の一方の主表面(第1の表面)に対して、高温のHFガスによるエッチング処理を行った。エッチング処理の温度は、580℃とし、エッチングガスとして、窒素+1.9vol%HFの混合ガスを使用した。エッチング時間は、10秒とした。
これにより、第1の表面がエッチング処理されたガラス基板(以下、「凹凸基板A」という)が得られた。
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて凹凸基板Aの第1の表面を観察したところ、凹凸基板Aの第1の表面には、多数の微細な凹凸が形成されていた。
得られた凹凸基板Aにおいて、第1の表面の表面粗さ(算術平均粗さRaおよび最大高さ粗さRz)を測定した。表面粗さRaおよびRzの測定には、走査型プローブ顕微鏡(SPI3800N:エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)を使用し、JIS B0601(2001年)に基づいて実施した。測定の結果、算術平均粗さRaは9nmであり、最大高さ粗さRzは77nmであった。
ヘイズメータ(HZ−2:スガ試験機社製)を用いて、凹凸基板Aのヘイズ(濁り度)を測定した。ヘイズの測定は、JIS K7361−1に基づいて実施した。光源には、C光源を使用した。測定の結果、凹凸基板Aにおけるヘイズは、0.2%であった。
次に、凹凸基板Aの第1の表面に、インクを印刷した。インクの印刷には、インクジェットプリンタ(PX−7V:エプソン社製)を使用した。インクには、顔料系黒色インク(ICBK66)を使用した。印刷する像は、アルファベットの文字「C」とした。
これにより、表面に文字が印刷されたガラス部材(以下、「サンプルA」と称する)が得られた。
図4には、サンプルAの形態を撮影した写真を示す。
図4に示すように、サンプルAでは、表面にシャープで鮮明な印刷像(文字C)が得られていることがわかる。
(例2)
例1の場合と同様の方法により、表面に文字が印刷されたガラス部材(以下、「サンプルB」と称する)を作製した。
ただし、この例2では、エッチングガスとして、窒素+2.9vol%HFの混合ガスを使用した。
これにより、第1の表面がエッチング処理されたガラス基板(以下、「凹凸基板B」という)が得られた。
表面粗さの測定の結果、凹凸基板Bの第1の表面における算術平均粗さRaは、24nmであり、最大高さ粗さRzは、105nmであった。
また、ヘイズメータによる測定の結果、サンプルBのヘイズは、0.2%であった。
図5には、サンプルBの形態を撮影した写真を示す。
図5に示すように、サンプルBでは、表面にシャープで鮮明な印刷像(文字C)が得られていることがわかる。
(例3)
例1の場合と同様の方法により、表面に文字が印刷されたガラス部材(以下、「サンプルC」と称する)を作製した。
ただし、この例3では、エッチングガスとして、窒素+7.0vol%HFの混合ガスを使用し、エッチング時間は20秒とした。
これにより、第1の表面がエッチング処理されたガラス基板(以下、「凹凸基板C」という)が得られた。
表面粗さの測定の結果、凹凸基板Cの第1の表面における算術平均粗さRaは、103nmであり、最大高さ粗さRzは、1008nmであった。
また、ヘイズメータによる測定の結果、サンプルCのヘイズは、0.9%であった。
図6には、サンプルCの形態を撮影した写真を示す。
図6に示すように、サンプルCでは、表面にシャープで鮮明な印刷像(文字C)が得られていることがわかる。
(例4)
例1の場合と同様の方法により、表面に文字が印刷されたガラス部材(以下、「サンプルD」と称する)を作製した。
ただし、この例4では、ガラス基板に対してエッチング処理を実施せず、ガラス基板の上に、そのままインクを印刷した。
表面粗さの測定の結果、ガラス基板の第1の表面(インクが印刷される表面)における算術平均粗さRaは、0.2nmであり、最大高さ粗さRzは、3nmであった。
また、ヘイズメータによる測定の結果、サンプルDのヘイズは、0.2%であった。
図7には、サンプルDの形態を撮影した写真を示す。
図7に示すように、サンプルDでは、文字Cの輪郭が滲んでおり、像が不鮮明となっていることがわかる。このように、サンプルDでは、表面にシャープで鮮明な印刷像(文字C)を得ることはできなかった。
100 第1のガラス部材
110 ガラス基板
112 第1の表面
114 第2の表面
150 凸状部
151 特異凸状部
152 特異凸状部
153 ネック部
160 像

Claims (8)

  1. ガラス基板を有するガラス部材であって、
    前記ガラス基板は、第1の表面を有し、該第1の表面には、少なくとも一部にインクが設置されており、
    前記第1の表面は、最大高さ粗さRzが50nm以上であり、算術平均粗さRaが1nm以上である、ガラス部材。
  2. 前記ガラス基板は、前記第1の表面におけるインクが設置されていない領域のヘイズ値が1%以下である、請求項1に記載のガラス部材。
  3. 前記第1の表面は、根元部分の少なくとも一部が先端部分に比べて内方にくびれた凸状部を有する、請求項1または2に記載のガラス部材。
  4. 前記インクは、印刷により設置されたものである、請求項1乃至3のいずれか一つに記載のガラス部材。
  5. ガラス基板を有するガラス部材の製造方法であって、
    (1)第1の表面を有するガラス基板を準備する工程と、
    (2)50nm以上の最大高さ粗さRz、および1nm以上の算術平均粗さRaが得られるように、前記ガラス基板の前記第1の表面を処理する工程と、
    (3)前記表面を処理されたガラス基板の前記第1の表面にインクを設置する工程と、
    を有する、製造方法。
  6. 前記表面を処理されたガラス基板のヘイズ値が1%以下である、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記インクは、インクジェットプリンタにより、前記ガラス基板の前記第1の表面に設置される、請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記(2)の工程は、前記第1の表面に、根元部分の少なくとも一部が先端部分に比べて内方にくびれた凸状部が得られるように実施される、請求項5乃至7のいずれか一つに記載の製造方法。
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