以下に、本発明に係る電気配線ブロック接合体、電気接続箱及びワイヤハーネスの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
[実施形態]
本発明に係る電気配線ブロック接合体、電気接続箱及びワイヤハーネスの実施形態の1つを図1から図16に基づいて説明する。
図1から図6の符号1は、本実施形態の電気配線ブロック接合体を示す。また、図1の符号JBと符号WHは、各々、その電気配線ブロック接合体1を備えた本実施形態の電気接続箱と、この電気接続箱JBを備えた本実施形態のワイヤハーネスと、を示す。
電気配線ブロック接合体1とは、電子部品EPを収容する複数の電気配線ブロック(後述する第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20)が接合されたものである(図1から図6)。また、電気接続箱JBとは、筐体JBaに複数の電気配線ブロックが電子部品EPと共に収容されたものである(図1)。その筐体JBaには、少なくとも1つの電気配線ブロック接合体1が収容される。よって、この電気接続箱JBは、電気配線ブロック接合体1とは別の電気配線ブロック接合体や電気配線ブロックが筐体JBaに収容される場合もある。電気配線ブロック接合体1は、その筐体JBaに周知のロック機構(図示略)等を介して保持される。ワイヤハーネスWHとは、その電気接続箱JBの電子部品EPに対して電気的に接続された電線(電力供給線や信号線等)Weを筐体JBaの内方から外方に引き出したものである(図1)。尚、図中の筐体JBaは、フレームの外壁のみを示した概念図であり、このフレームの2つの開口を各々のカバーで塞いでいる。
電気接続箱JBは、電線Weと共にワイヤハーネスWHとして、例えば、車両(図示略)のエンジンコンパートメント等に設置される。この電気接続箱JBにおいては、車両に搭載された接続対象物(図示略)が電子部品EPに対して電線Weを介して電気的に接続されている。例えば、この電気接続箱JBにおいては、電子部品EPに対して少なくとも2本の電線Weを電気的に接続し、この電子部品EPを介して少なくとも2つの接続対象物の間を電気的に繋ぐ。電子部品EPとは、例えば、リレー、ヒューズ等の回路保護部品、コネクタ、端子金具などのことを指している。本実施形態では、回路基板、電子制御ユニット(いわゆるECU)等の電子機器についても、筐体JBaに収容される電子部品EPの一形態として考える。また、接続対象物とは、二次電池などの電源、電気機器(アクチュエータ等)などの負荷、センサなどのことを指している。
以下に、電気配線ブロック接合体1について具体的に説明する。
電気配線ブロック接合体1は、先に示したように、複数の電気配線ブロックが接合されたものである。電気配線ブロックとは、電子部品EPの他にバスバも収容し、その電子部品EPとバスバを内方で電気的に接続させるものである。本実施形態の電気配線ブロック接合体1においては、相互間での接合対象となる2つの電気配線ブロックの間でそれぞれのバスバを結合させることによって、その2つの電気配線ブロックを接合させる。この電気配線ブロック接合体1においては、接合対象となる2つの電気配線ブロックのバスバ同士を組み付けた後、そのバスバと共に2つの電気配線ブロックを互いの接合完了位置まで相対回転させる。この電気配線ブロック接合体1では、接合完了位置において、そのバスバ同士が結合され、かつ、その2つの電気配線ブロックが接合される。よって、この電気配線ブロック接合体1は、接合対象となる2つの電気配線ブロックを少なくとも互いの接合完了位置まで相対回転させることが可能な相対回転機構を備えている。それぞれの電気配線ブロックのバスバは、それぞれの電気配線ブロックを接合完了位置まで相対回転させた際に物理的且つ電気的な接続が完了する電気接続部を各々有している。接続対象となるそれぞれの電気接続部は、それぞれの電気配線ブロックを接合完了位置まで相対回転させた際に重ね合わせて互いに接触させる壁面を各々有している。この電気配線ブロック接合体1は、それぞれの電気配線ブロックを接合完了位置で互いに係止させる係止機構を備えており、それぞれの電気配線ブロック同士を接合完了位置で保持すると共に、それぞれの電気接続部を通電可能な状態に保持する。
ここでは、2つの電気配線ブロック(第1電気配線ブロック10、第2電気配線ブロック20)を備えた電気配線ブロック接合体1について例示する(図1から図6)。第1電気配線ブロック10(図1から図8)と第2電気配線ブロック20(図1から図6及び図9)は、各々、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。
第1電気配線ブロック10は、電子部品EPとして回路保護部品EP1を収容すると共に、バスバ30を収容する(図3及び図6から図8)。この第1電気配線ブロック10には、回路保護部品EP1を収容及び保持する第1収容室11(図7)と、バスバ30を収容及び保持する第2収容室12(図8)と、が形成されている。この第1電気配線ブロック10においては、6つの回路保護部品EP1を収容し、それぞれの回路保護部品EP1を1つのバスバ30を介して電気的に接続する。よって、この例示では、第1収容室11が格子状に6つ並べて配置されており、それぞれの第1収容室11に開口部11a(図7)を介して回路保護部品EP1が1つずつ収容される。また、それぞれの第1収容室11には、開口部12a(図8)を介して第2収容室12に収容したバスバ30の端子接続部31が各々挿入されている。従って、回路保護部品EP1は、第1収容室11に収容した際に、バスバ30に対して端子接続部31を介して物理的且つ電気的に接続される。
ここで、バスバ30は、金属等の導電性材料で成形する。この例示のバスバ30は、銅板等の金属板を母材にしてプレス成形された板状のものである(図6及び図7)。このバスバ30は、回路保護部品EP1毎の6つの端子接続部31を有している。この例示の端子接続部31は、所謂雄タブ型に形成されており、回路保護部品EP1の一方の雌型の端子接続部(図示略)に挿入され且つ嵌合される。このバスバ30は、同一平面上で略等間隔に並べられた3つの端子接続部31の組み合わせを2組有しており、それぞれの組み合わせを対向配置している。このバスバ30は、一方の組み合わせの3つの端子接続部31を同一平面上で連結させる矩形の第1連結部32と、他方の組み合わせの3つの端子接続部31を同一平面上で連結させる矩形の第2連結部33と、を有する。このバスバ30においては、それぞれの端子接続部31を第1連結部32と第2連結部33から同一方向に向けて突出させ且つ延在させており、その延在方向が回路保護部品EP1の端子接続部との挿抜方向になる。更に、このバスバ30は、第1連結部32と第2連結部33を端子接続部31とは逆側で連結させる矩形の第3連結部34を有する。このバスバ30においては、6つの端子接続部31と第1連結部32と第2連結部33と第3連結部34とで主体部分が形成されている。
この第1電気配線ブロック10においては、回路保護部品EP1の他方の雌型の端子接続部(図示略)に電線Weの端部が電気的に接続される。その電線Weは、端部に取り付けた例えば雄タブ型の端子金具を介して回路保護部品EP1に物理的且つ電気的に接続されている。この電線Weは、回路保護部品EP1毎に設けられている。
第2電気配線ブロック20は、電子部品EPとしてリレーEP2を収容すると共に、バスバ40を収容する(図6及び図9)。この第2電気配線ブロック20には、リレーEP2を収容及び保持する第1収容室21(図9)と、バスバ40を収容及び保持する第2収容室22(図2から図5)と、が形成されている。この第2電気配線ブロック20においては、10個のリレーEP2を収容し、それぞれのリレーEP2を1つのバスバ40を介して電気的に接続する。よって、この例示では、第1収容室21が格子状に10個並べて配置されており、それぞれの第1収容室21に開口部21a(図9)を介してリレーEP2が1つずつ収容される。また、それぞれの第1収容室21には、開口部22a(図2から図5)を介して第2収容室22に収容したバスバ40の端子接続部41が各々挿入されている。従って、リレーEP2は、第1収容室21に収容した際に、バスバ40に対して端子接続部41を介して物理的且つ電気的に接続される。
ここで、バスバ40は、金属等の導電性材料で成形する。この例示のバスバ40は、第1電気配線ブロック10のバスバ30と同じように、銅板等の金属板を母材にしてプレス成形された板状のものである(図6及び図9)。このバスバ40は、リレーEP2毎の10個の端子接続部41を有している。この例示の端子接続部41は、所謂音叉端子型に形成されており、リレーEP2の一方の雄タブ型の端子接続部EP2aが挿入されることで、このリレーEP2の端子接続部EP2aを挟み込む。このバスバ40は、同一平面上で略等間隔に並べられた5つの端子接続部41の組み合わせを2組有しており、それぞれの組み合わせを対向配置している。このバスバ40は、一方の組み合わせの5つの端子接続部41を同一平面上で連結させる矩形の第1連結部42と、他方の組み合わせの5つの端子接続部41を同一平面上で連結させる矩形の第2連結部43と、を有する。このバスバ40においては、それぞれの端子接続部41を第1連結部42と第2連結部43から同一方向に向けて突出させ且つ延在させており、その延在方向がリレーEP2の端子接続部EP2aとの挿抜方向になる。更に、このバスバ40は、第1連結部42と第2連結部43を端子接続部41とは逆側で連結させる矩形の第3連結部44を有する。このバスバ40においては、10個の端子接続部41と第1連結部42と第2連結部43と第3連結部44とで主体部分が形成されている。
この第2電気配線ブロック20においては、リレーEP2の他方の雄タブ型の端子接続部EP2bに電線Weの端部が電気的に接続される。その電線Weは、端部に取り付けた例えば音叉端子型の端子金具を介してリレーEP2に物理的且つ電気的に接続されている。この電線Weは、リレーEP2毎に設けられている。
ここで示した第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20は、先に示したように、それぞれのバスバ30,40を結合させることによって、互いに接合された電気配線ブロック接合体1を形成する。この電気配線ブロック接合体1の形成に際して、第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20は、それぞれのバスバ30,40と共に互いの接合完了位置まで相対回転させることによって、バスバ30,40同士を結合させる。この電気配線ブロック接合体1では、接合完了位置において、第1収容室11の開口部11a(回路保護部品EP1の挿入口)と第1収容室21の開口部21a(リレーEP2の挿入口)とが同じ向きに口を開け、かつ、第2収容室12の開口部12a(バスバ30の挿入口)と第2収容室22の開口部22a(バスバ40の挿入口)とが同じ向きに口を開けている。この電気配線ブロック接合体1は、その第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20とを少なくとも互いの接合完了位置まで相対回転させることが可能な相対回転機構50を備えている(図2、図3及び図6から図13)。それぞれのバスバ30,40は、第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20とを接合完了位置まで相対回転させた際に物理的且つ電気的な接続が完了する電気接続部35,45を各々有している。本実施形態では、それぞれの電気接続部35,45で相対回転機構50を構成する。
それぞれの電気接続部35,45は、第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20とを接合完了位置まで相対回転させた際に重ね合わせて互いに接触させる壁面(以下、「一方の壁面」という。)35a,45aを各々有する(図2、図3及び図6から図13)。この例示のそれぞれの電気接続部35,45は、その一方の壁面35a,45aと、この一方の壁面35a,45aに対向配置された壁面(以下、「他方の壁面」という。)35b,45bと、を有する板状に各々形成している。
バスバ30においては、主体部分(6つの端子接続部31と第1連結部32と第2連結部33と第3連結部34)から突出させた状態で電気接続部35を設ける。このバスバ30においては、第1連結部32の端部(一辺)から電気接続部35を突出させる。ここでは、第1連結部32において、3つの端子接続部31の配列方向における一方の端部に電気接続部35を設けている。この例示の電気接続部35は、矩形の板状に形成している(図3、図6から図8及び図10から図13)。第1連結部32と電気接続部35は、互いに直交してL字を成している。
バスバ40においては、主体部分(10個の端子接続部41と第1連結部42と第2連結部43と第3連結部44)から突出させた状態で電気接続部45を設ける。このバスバ40においては、第1連結部42の端部(一辺)から電気接続部45を突出させる。ここでは、第1連結部42において、5つの端子接続部41の配列方向における一方の端部に電気接続部45を設けている。この例示の電気接続部45は、矩形の板状に形成している(図2、図6及び図9から図13)。第1連結部42と電気接続部45は、互いに直交してL字を成している。
相対回転機構50は、それぞれの電気接続部35,45の内の一方に設けた円形の貫通孔51(図3、図6、図7、図8及び図10から図13)と、その内の他方に設け、この貫通孔51の内周壁に沿って相対移動が可能で且つ貫通孔51の周方向に等間隔で配置された2つのガイド部52(図2、図6及び図9から図13)と、を備える。ここでは、貫通孔51をバスバ30の電気接続部35に設け、2つのガイド部52をバスバ40の電気接続部45に設けている。
貫通孔51は、電気接続部35において、一方の壁面35aと他方の壁面35bとを連通させるように形成されている。ガイド部52は、電気接続部45において、一方の壁面45aから突出させるように形成されている。それぞれのガイド部52は、貫通孔51に挿入された際に、この貫通孔51の内周壁に対向配置される。よって、この貫通孔51と2つのガイド部52との間においては、その貫通孔51の軸線を回転軸とする相対回転を行うことができる。従って、それぞれのバスバ30,40は、貫通孔51の軸線を回転軸にして相対回転することができる。
ここで、貫通孔51が形成された電気接続部35は、貫通孔51の内周壁から径方向の外側に向けて形成され且つ貫通孔51の周方向に等間隔で配置された2つの切欠き部35cを有する(図3、図7、図8及び図11)。そして、この電気接続部35は、それぞれの切欠き部35c側を各々端部にして電気接続部45側とは逆向きに凸となる弧状に撓ませ且つ可撓性を持たせて形成する(図7及び図10から図15)。
これに対して、ガイド部52が形成された電気接続部45は、ガイド部52から貫通孔51の径方向の外側に向けて突出させ且つ切欠き部35cを介して電気接続部35における一方の壁面35a側から他方の壁面35b側に通り抜けることが可能な突出部45cを有している(図2、図9、図10及び図12)。その突出部45cは、ガイド部52毎に設ける。
それぞれの電気接続部35,45の間では、2つのガイド部52が貫通孔51に挿入され且つ2つの突出部45cが各々の切欠き部35cに挿通された際、一方の壁面35a,45a同士の間に、電気接続部35の弧状の撓みに応じた隙間ができる(図15)。そこで、突出部45cは、第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20とを接合完了位置に向けて相対回転させた際に、一方の電気接続部35における他方の壁面35b側の貫通孔51の周縁に沿って相対移動しながらその周縁を他方の電気接続部45側に押動し、一方の電気接続部35を弧状の撓みの解消方向へと変形させるように形成する(図16)。そして、この突出部45cは、第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20との接合が完了しているときに(つまり、接合完了位置で)、他方の壁面35b側の貫通孔51の周縁を他方の電気接続部45側に押動しつつ、一方の電気接続部35における一方の壁面35aを他方の電気接続部45における一方の壁面45aに接触させるように形成する(図16)。その電気接続部35の撓みと突出部45cによって、接合完了位置においては、それぞれの電気接続部35,45を結合させることができ、かつ、それぞれの電気接続部35,45の一方の壁面35a,45a同士を密着させることができる。その電気接続部35の撓みと突出部45cは、それぞれの電気接続部35,45の間の結合状態を保持させることが可能であると共に、それぞれの電気接続部35,45の間の接触面積を増加させることが可能である。よって、それぞれの電気接続部35,45の間では、通電性能と放熱性能とを高めることができる。
この電気配線ブロック接合体1においては、一方の電気接続部35が収容される第3収容室13を第1電気配線ブロック10に設け(図3、図7及び図8)、他方の電気接続部45が収容される第3収容室23を第2電気配線ブロック20に設けている(図2及び図9)。第3収容室13は、一方の壁面35aを露出させた状態で電気接続部35を収容する。第3収容室23は、一方の壁面45aを露出させた状態で電気接続部45を収容する。
この電気配線ブロック接合体1は、第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20とを接合完了位置で互いに係止させる係止機構60を備える(図1から図9)。係止機構60は、第1電気配線ブロック10に設けた第1係止部61と、第2電気配線ブロック20に設けた第2係止部62と、を備える。第1係止部61と第2係止部62は、接合完了位置で第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20とを係止させるように形成する。ここでは、貫通孔と、この貫通孔に挿入され且つ接合完了位置で嵌合される軸部と、で係止機構60を構成する。この例示では、第1係止部61を貫通孔として形成し、第2係止部62を軸部として形成する。この係止機構60においては、第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20とを接合完了位置に向けて相対回転させた際に、第2係止部62が第1係止部61に挿入される。そして、この係止機構60においては、第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20とを接合完了位置まで相対回転させた際に、第2係止部62が第1係止部61に嵌合される。係止機構60は、このようにして、第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20とを接合完了位置で保持すると共に、それぞれの電気接続部35,45を通電可能な状態で保持する。
以上示したように、本実施形態の電気配線ブロック接合体1は、2つのガイド部52を貫通孔51に挿入させると共に、2つの突出部45cを各々の切欠き部35cに挿通させる(図4、図5、図12、図13及び図15)。そして、この電気配線ブロック接合体1は、その貫通孔51の軸線の軸周りに第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20とを相対回転させることによって、それぞれのバスバ30,40を物理的且つ電気的に接続させることができ、かつ、第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20を接合させることができる(図1、図6及び図16)。つまり、この電気配線ブロック接合体1は、それぞれのバスバ30,40の結合、延いては第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20の接合のために、接続作業に手間のかかる従来のような別部品としての接続部材(螺子止め部材、端子、コネクタ、電線等)を必要としない簡便な構造を採っている。よって、本実施形態の電気配線ブロック接合体1は、接合対象の第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20の間の電気的な接続作業が簡便なものとなっている。従って、この電気配線ブロック接合体1は、原価の低減を図ることができる。また、この電気配線ブロック接合体1は、それぞれの電気接続部35,45の結合構造部分の小型化が可能なので、体格の小型化を図ることができる。更に、本実施形態の電気接続箱JB及びワイヤハーネスWHは、その電気配線ブロック接合体1を備えているので、この電気配線ブロック接合体1が奏する効果を同様に得ることができる。
[変形例]
図17から図22の符号2は、本変形例の電気配線ブロック接合体を示す。ここで図示しないが、この電気配線ブロック接合体2は、前述した実施形態と同じように、筐体JBaに収容することで電気接続箱JBを構成し、この電気接続箱JBに電線Weを繋げることでワイヤハーネスWHを構成する。また、実施形態と同一のものについては、本変形例の図中で符号と共に示していたとしても、説明を省略していることがある。
電気配線ブロック接合体2は、前述した実施形態と同じように、複数の電気配線ブロックが接合されたものである。この電気配線ブロック接合体2においては、接合対象となる2つの電気配線ブロックを組み付けた後、この2つの電気配線ブロックをバスバと共に互いの接合完了位置まで相対回転させる。この電気配線ブロック接合体2では、接合完了位置において、その2つの電気配線ブロックが接合され、これに伴い、それぞれのバスバ同士が物理的且つ電気的に接続される。よって、この電気配線ブロック接合体2は、接合対象となる2つの電気配線ブロックを少なくとも互いの接合完了位置まで相対回転させることが可能な相対回転機構を備えている。それぞれの電気配線ブロックのバスバは、それぞれの電気配線ブロックを接合完了位置まで相対回転させた際に物理的且つ電気的な接続が完了する電気接続部を各々有している。接続対象となるそれぞれの電気接続部は、それぞれの電気配線ブロックを接合完了位置まで相対回転させた際に重ね合わせて互いに接触させる壁面を各々有している。この電気配線ブロック接合体2は、それぞれの電気配線ブロックを接合完了位置で互いに係止させる係止機構を備えており、それぞれの電気配線ブロック同士を接合完了位置で保持すると共に、それぞれの電気接続部を通電可能な状態に保持する。
ここでは、2つの電気配線ブロック(第1電気配線ブロック110、第2電気配線ブロック120)を備えた電気配線ブロック接合体2について例示する(図17から図22)。第1電気配線ブロック110(図17から図24)と第2電気配線ブロック120(図17から図22、図25及び図26)は、各々、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。
第1電気配線ブロック110は、実施形態の第1電気配線ブロック10と同様のものであり、回路保護部品EP1とバスバ130を収容する(図19及び図21から図24)。この第1電気配線ブロック110には、回路保護部品EP1を収容及び保持する第1収容室111(図23)と、バスバ130を収容及び保持する第2収容室112(図24)と、が形成されている。回路保護部品EP1は、開口部111a(図23)を介して第1収容室111に収容される。バスバ130は、開口部112a(図24)を介して第2収容室112に収容される。この第1電気配線ブロック110においては、第1電気配線ブロック10と同様の数量と配置で第1収容室111と第2収容室112とが形成されている。
バスバ130は、実施形態のバスバ30と同様の形状に形成されたものであり、6つの端子接続部131と第1連結部132と第2連結部133と第3連結部134と電気接続部135とを有する(図22及び図23)。
第2電気配線ブロック120は、実施形態の第2電気配線ブロック20と同様のものであり、リレーEP2とバスバ140を収容する(図22、図25及び図26)。この第2電気配線ブロック120には、リレーEP2を収容及び保持する第1収容室121(図25)と、バスバ140を収容及び保持する第2収容室122(図26)と、が形成されている。リレーEP2は、開口部121a(図25)を介して第1収容室121に収容される。バスバ140は、開口部122a(図26)を介して第2収容室122に収容される。この第2電気配線ブロック120においては、第2電気配線ブロック20と同様の数量と配置で第1収容室121と第2収容室122とが形成されている。
バスバ140は、実施形態のバスバ40と同様の形状に形成されたものであり、10個の端子接続部141と第1連結部142と第2連結部143と第3連結部144と電気接続部145とを有する(図22、図25及び図26)。
第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120は、互いに組み付けた後、接合完了位置まで相対回転させることによって、互いに接合された電気配線ブロック接合体2を形成する。この電気配線ブロック接合体2では、接合完了位置において、第1収容室111の開口部111a(回路保護部品EP1の挿入口)と第1収容室121の開口部121a(リレーEP2の挿入口)とが同じ向きに口を開け、かつ、第2収容室112の開口部112a(バスバ130の挿入口)と第2収容室122の開口部122a(バスバ140の挿入口)とが同じ向きに口を開けている。接合完了位置では、それぞれのバスバ130,140の電気接続部135,145同士が物理的且つ電気的に接続されている。この電気配線ブロック接合体2は、その第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120とを少なくとも互いの接合完了位置まで相対回転させることが可能な相対回転機構150を備えている(図17から図26)。本実施形態では、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120で相対回転機構150を構成する。
それぞれの電気接続部135,145は、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120とを接合完了位置まで相対回転させた際に重ね合わせて互いに接触させる壁面(以下、「一方の壁面」という。)135a,145aを各々有する(図19及び図21から図28)。この例示のそれぞれの電気接続部135,145は、その一方の壁面135a,145aと、この一方の壁面135a,145aに対向配置された壁面(以下、「他方の壁面」という。)135b,145bと、を有する板状に各々形成している。
バスバ130においては、主体部分(6つの端子接続部131と第1連結部132と第2連結部133と第3連結部134)から突出させた状態で電気接続部135を設ける。このバスバ130においては、第1連結部132の端部(一辺)から電気接続部135を突出させる。ここでは、第1連結部132において、3つの端子接続部131の配列方向における一方の端部に電気接続部135を設けている。この例示の電気接続部135は、矩形の板状に形成している(図19、図22から図24、図27及び図28)。第1連結部132と電気接続部135は、互いに直交してL字を成している。
バスバ140においては、主体部分(10個の端子接続部141と第1連結部142と第2連結部143と第3連結部144)から突出させた状態で電気接続部145を設ける。このバスバ140においては、第1連結部142の端部(一辺)から電気接続部145を突出させる。ここでは、第1連結部142において、5つの端子接続部141の配列方向における一方の端部に電気接続部145を設けている。この例示の電気接続部145は、矩形の板状に形成している(図22及び図25から図28)。第1連結部142と電気接続部145は、互いに直交してL字を成している。
本変形例の相対回転機構150は、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120の内の一方に設けた第1回動軸部151(図17から図24)と、その内の他方に設け、第1回動軸部151と同軸上で第1回動軸部151に対して軸周りに相対回転可能な第2回動軸部152(図18、図19、図25及び図26)と、を備える。ここでは、第1回動軸部151を第1電気配線ブロック110に設け、第2回動軸部152を第2電気配線ブロック120に設けている。
第1回動軸部151は、第1電気配線ブロック110のバスバ130における電気接続部135の一方の壁面135aに沿うように配置する。また、第2回動軸部152は、第2電気配線ブロック120のバスバ140における電気接続部145の一方の壁面145aに沿うように配置する。第1回動軸部151は、円柱状に形成している。一方、第2回動軸部152は、その第1回動軸部151が同軸上で挿入される円柱状の内部空間を有するものとして形成する。この例示の第2回動軸部152は、例えば、円筒状に形成される。
この相対回転機構150においては、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120とを組み付ける際に、第1回動軸部151を第2回動軸部152の内部空間に挿入する。この相対回転機構150は、第1回動軸部151と第2回動軸部152とを軸周りに相対回転させることによって、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120とを相対回転させることができる。
ここで、それぞれの電気接続部135,145の内の一方は、一方の壁面135a,145a側に設けた空間部と、この空間部の周縁の一部を固定端とし且つ可撓性を持つ片持ちの片部と、を有するものとして形成する。その空間部は、例えば、貫通孔や切欠きとして形成する。また、片部は、一方の壁面135a,145aから突出させており、外力が加えられた際に空間部に入り込むことができるように形成する。
ここでは、電気接続部145に、空間部145cと片部145dとを設けている(図25、図26及び図28)。その空間部145cは、一方の壁面145a側と他方の壁面145b側とを連通させる矩形の貫通孔として形成している。片部145dは、空間部145cの周縁の一部(一辺)を固定端にして一方の壁面145aから突出させ且つ可撓性を持たせた片持ちの片体として形成している。この片部145dは、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120とを接合完了位置に向けて相対回転させた際に、電気接続部135の一方の壁面135aに当接し、その一方の壁面135aから外力が入力される。よって、この片部145dは、その一方の壁面135aに押動されて、弾性域で撓みながら空間部145cに入り込むように形成する。この片部145dは、その全体が空間部145cに完全に収容されるものであってもよく、一部が一方の壁面145aから突出しているものであってもよい。この片部145dに可撓性を持たせるべく、少なくともバスバ140については、全体に可撓性を持たせることが可能な板厚のものとして成形する。この例示では、バスバ130についても、全体に可撓性を持たせることが可能な板厚のものとして成形している。
片部145dは、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120の接合が完了しているときに(つまり、接合完了位置で)、その一方の壁面135aに撓み解消方向への弾発力を作用させつつ、空間部145cに収容されている。従って、それぞれの電気接続部135,145の間では、接合完了位置において、少なくとも一方の壁面135aと片部145dとが接触して物理的且つ電気的に接続されている。この電気配線ブロック接合体2は、そのような片部145dの弾性を利用してそれぞれのバスバ130,140同士を接触させるので、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120の設計公差を従来と比べて小さくせずとも、これらを接合完了位置で接合させることができる。従って、この電気配線ブロック接合体2は、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120の原価の高騰を抑えつつ、互いを接合させ、かつ、それぞれのバスバ130,140を電気的に接続させることができる。
ところで、それぞれの電気接続部135,145の間は、接合完了位置において、一方の壁面135aと片部145dとの間だけでなく、一方の壁面135a,145a同士についても互いに接触して物理的且つ電気的に接続させてもよい。但し、この場合には、一方の壁面135aと片部145dとの間だけで接触させる場合よりも、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120の設計公差を小さくする必要がある。このような設計公差の管理を避けるべく、それぞれのバスバ130,140は、全体に可撓性を持たせることが可能な板厚のものとして成形しておくことが望ましい。そして、この電気配線ブロック接合体2では、第1電気配線ブロック110と電気接続部135の他方の壁面135bとの間に隙間を設け、かつ、第2電気配線ブロック120と電気接続部145の他方の壁面145bとの間に隙間を設けておくことが望ましい。これにより、電気接続部135は、接合完了位置で一方の壁面135aに電気接続部145から押圧力が作用した際に、第1電気配線ブロック110に向けて撓むことができる。また、電気接続部145は、接合完了位置で一方の壁面145aに電気接続部135から押圧力が作用した際に、第2電気配線ブロック120に向けて撓むことができる。つまり、それぞれのバスバ130,140は、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120を接合完了位置へと相対回転させる際に、必要に応じて撓むことができる。よって、この電気配線ブロック接合体2においては、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120の設計公差を小さくせずとも、これらを接合完了位置で接合させることができる。従って、このような電気接続部135,145の間の接続形態であっても、電気配線ブロック接合体2は、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120の原価の高騰を抑えつつ、互いを接合させ、かつ、それぞれのバスバ130,140を電気的に接続させることができる。
この電気配線ブロック接合体2は、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120とを接合完了位置で互いに係止させる係止機構160を備える(図17から図26)。係止機構160は、第1電気配線ブロック110に設けた第1係止部161と、第2電気配線ブロック120に設けた第2係止部162と、を備える。第1係止部161と第2係止部162は、接合完了位置で第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120とを係止させるように形成する。この例示では、第2係止部162を挿通させることが可能な内部空間を有するものとして第1係止部161を形成し、かつ、挿通後に第1係止部161に引っ掛けることが可能な爪部として第2係止部162を形成する。この係止機構160においては、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120とを接合完了位置に向けて相対回転させた際に、第2係止部162が第1係止部161の内部空間に挿入される。そして、この係止機構160においては、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120とを接合完了位置まで相対回転させた際に、第2係止部162が第1係止部61を乗り越えて、この第1係止部61に第2係止部162が引っ掛かる。この係止機構160によって、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120においては、接合完了位置までの相対回転方向とは逆向きの動きが規制される。係止機構160は、このようにして、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120とを接合完了位置で保持すると共に、それぞれの電気接続部135,145を通電可能な状態で保持する。
ここで、この電気配線ブロック接合体2においては、第2係止部162が第1係止部61を乗り越えていくために、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120とを接合完了位置を越えて更に相対回転させることが望ましい。この例示では、先に示したように、それぞれのバスバ130,140に可撓性を持たせており、かつ、第1電気配線ブロック110と他方の壁面135bとの間に隙間を設けると共に、第2電気配線ブロック120と他方の壁面145bとの間に隙間を設けている。よって、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120は、接合完了位置を越えた更なる相対回転が可能である。従って、係止機構160においては、第2係止部162が第1係止部61を乗り越えることができるので、第1係止部61に第2係止部162を引っ掛けることができる。
以上示したように、本変形例の電気配線ブロック接合体2は、第1回動軸部151を第2回動軸部152の内部空間に挿入することで、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120とを相対回転前の仮の位置に組み付ける(図20、図21、図27及び図28)。そして、この電気配線ブロック接合体2は、その第1回動軸部151と第2回動軸部152の軸周りに第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120とを相対回転させることによって、それぞれのバスバ130,140を物理的且つ電気的に接続させることができ、かつ、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120を接合させることができる(図17及び図22)。つまり、この電気配線ブロック接合体2は、それぞれのバスバ130,140の結合、延いては第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120の接合のために、接続作業に手間のかかる従来のような別部品としての接続部材(螺子止め部材、端子、コネクタ、電線等)を必要としない簡便な構造を採っている。よって、本実施形態の電気配線ブロック接合体2は、接合対象の第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120の間の電気的な接続作業が簡便なものとなっている。従って、この電気配線ブロック接合体2は、原価の低減を図ることができる。また、この電気配線ブロック接合体2は、それぞれの電気接続部135,145の結合構造部分の小型化が可能なので、体格の小型化を図ることができる。更に、本変形例の電気接続箱JB及びワイヤハーネスWHは、その電気配線ブロック接合体2を備えているので、この電気配線ブロック接合体2が奏する効果を同様に得ることができる。