JPH0550928U - 電気接続箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、自動車の電気部品として用いられ
る電気接続箱に関し、電気接続箱に電子ユニットを取り
付ける際の嵌合力を低減して、生産性の向上と信頼性の
高い電気接続箱を提供することを目的とする。 【構成】 箱本体１に電子ユニット６を接続してなる電
気接続箱Ａにおいて、箱本体１を構成する上ケース３に
係止部４ｃを有する側壁４ｂで囲まれた電子ユニット取
付部４を形成し、その中心から側壁４ｂに向かって複数
の箱本体側端子５を放射状に配置し、電子ユニット６の
収容ケース７の周壁７ａに係合部７ｂを設け、底壁７ｃ
には箱本体側端子５に相対する位置に電子ユニット側端
子９を配置し、電子ユニット取付部４に電子ユニット６
を嵌合して所定の角度回転することにより箱本体側端子
５と電子ユニット側端子９とを接触させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主として自動車の電気部品として用いられる電気接続箱に関し、箱 本体に電子ユニットを電気的、機械的に接続するようにしたものである。 ここで、電気接続箱とは、ヒューズボックスやリレーボックスおよびコネクタ ボックス等であって、外部に各種負荷、スイッチ類、コネクタ等の電装品と接続 するためのコネクタや端子を備えているものを言い、自動車の電気配線を軽量、 簡素化するため用いられる。

【０００２】

【従来の技術】

電気接続箱は、細幅の金属板からなる回路導体を多数組み込んだ箱本体に、た とえばワイパーコントロール、ルームランプコントロール、パワーウインドコン トロールなどの機能回路を備えた電子ユニットを電気的、機械的に接続して構成 しているものがある。この電子ユニットは、通常プリント配線板にＩＣ、トラン ジスタ、コンデンサ、抵抗などの所望の電子素子を搭載して機能回路を形成した ものである。

【０００３】 従来、このような電気接続箱に電子ユニットを取り付ける場合には、図６およ び図７に示すように、箱本体ａに電子ユニット取付け部ｂを形成して電子ユニッ トｃを取り付けるようにしている（実開平１−１０１１１２号公報）。この電子 ユニット取付け部ｂには、電子ユニットｃに電気的接続を行うコネクタ部ｄと電 子ユニットｃの係合部ｅと係合するロック部ｆとを備えており、電子ユニットｃ は、その係合部ｅを箱本体ａのロック部ｆに係合することにより箱本体と機械的 に結合されると共に、電子ユニットｃ内のコネクタ部ｇと箱本体ａのコネクタ部 ｄとが電気的に接続されるように形成されている。

【０００４】 このような電気接続箱においては、それぞれのコネクタ部ｄ、ｇの接続には通 常、図７に示すように、雌端子ｈに雄端子ｉを挿入する手段が用いられているが 、電子ユニットｃに配備する電気部品を増加した場合それに伴い接続に要する端 子の個数も増加するため、箱本体ａに電子ユニットｃを取り付ける際に、全ての 端子を嵌合するに要する嵌合力が増大し、取り付け作業が困難となり、接続不良 が発生し易くなるなどの問題点を有している。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記の問題点に着目し、電気接続箱に電子ユニットを取り付ける際 の嵌合力を低減して、取り付け作業の円滑化による生産性の向上と、接続不良の 発生を防止して信頼性の高い電気接続箱を提供することを課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記の課題を達成するため、本考案は、箱本体に電子ユニットを電気的、機械 的に接続してなる電気接続箱において、箱本体を構成する上ケースに係止部を有 する側壁で囲まれた電子ユニット取付部を形成し、該電子ユニット取付部の中心 から側壁に向かって複数の箱本体側端子を放射状に配置し、周壁に係合部を設け た電子ユニットの収容ケースの底壁には前記箱本体側端子に相対する位置に電子 ユニット側端子を配置し、該電子ユニット取付部に該電子ユニットを嵌合して側 壁の係止部に周壁の係合部を係合し、該電子ユニットを所定の角度回転して係止 することにより、該電子ユニット側端子と前記箱本体側端子とを接触させるよう にしたことを特徴とする。

【０００７】

【作用】

本考案は、電子ユニットの底部および箱本体の電子ユニット取付部に、それぞ れ中心から放射状に複数の端子を配置し、電子ユニットを箱本体の電子ユニット 取付部に嵌入してから所定の角度回転して係止するようにしているため、まず、 中心部の端子相互が接触し、順次、外側の端子に時間おくれを伴いながら相互の 接触が行われるので、電気的接続を行うための嵌合に要する力が分散され、多数 の端子を配置しても僅かな力で嵌合を行うことができる。

【０００８】

【実施例】

図１は、本考案の実施例を示す斜視図であり、電気接続箱Ａを構成する箱本体 １の電子ユニット取付部４から電子ユニット６を分離した状態を表している。 箱本体１は、下ケース２と上ケース３からなり、内部に回路導体である複数の ブスバー１１（図４参照）を配設し、上ケース３の外面に、間隙部４ａで互いに 隔離された３基の側壁４ｂで囲まれた電子ユニット取付部４を形成し、箱本体１ の内部に配設したブスバー１１群のタブ１２に嵌挿されて該ブスバーと導通する 複数の箱本体側端子５を電子ユニット取付部４の中心Ｏから放射状に配置し、上 ケース３に設けた端子導通孔３ａから露出するようにしている。各側壁４ｂには 、内面に係止部としてのガイドリブ４ｃを設けると共に該リブ４ｃの終端部にロ ック部４ｄとストップ壁４ｅが設けてあり、ガイドリブ４ｃと上ケース３の上面 との高さは時計回りに次第に低くなるように形成してある。なお、図１中、１５ は側壁４ｂの補強壁、１６は，１６′はコネクタ部を示す。

【０００９】 電子ユニット６は、合成樹脂材を円筒状に成形した収容ケース７と把持部８ａ を設けた上蓋８からなり、収容ケース７には、図４に示すように、ＩＣ、トラン ジスタ、コンデンサ、抵抗などの回路部品１３を組み込んだプリント配線板１４ を収容している。収容ケース７の周壁７ａには、電子ユニット取付部４の側壁４ ｂの係止部４ｃに対応して、３個所に係合部７ｂを突設してある。また、収容ケ ース７の底壁７ｃには、、図２に示すように、箱本体側端子５に相対する位置に 前記プリント配線板１４の回路導体（図示せず）と導通する電子ユニット側端子 ９を配置して底壁７ｃに形成した導通用孔７ｄから露出させ、箱本体側端子５に 接触するようにしている。

【００１０】 箱本体１の電子ユニット取付部４に電子ユニット６を係合するには、まず、電 子ユニット６の係合部７ｂを電子ユニット取付部４の間隙部４ａに合わせて側壁 ４ｂで囲まれた電子ユニット取付部４内に嵌入する。そして、電子ユニット６を 、側壁４ｂに突設したガイドリブ４ｃの係合部７ｂに対する案内作用により、中 心Ｏ′を軸に図３の矢印方向に回転して、係合部７ｂをガイドリブ４ｃに沿って スライドさせることにより、最初に中心部の箱本体側端子５と電子ユニット側端 子９が接触し、次に、中間部の端子５′と９′、さらに外側部の端子５″と９″ が順次接触し、両者の全ての相対する端子が接触した位置で係合部７ｂに設けた ロック爪７ｃがロック部４ｄにロックされて係合を完了するようにしている。な お、ガイドリブ４ｃと上ケース３の上面との高さは時計回りに次第に低くなるよ うに形成してあるから、回転当初には係合部７ｂがガイドリブ４ｃに当接せず、 回転終了時に当接して上記の如くロックされる。

【００１１】 図４は、電子ユニット取付部４に電子ユニット６を係合した状態の断面図であ り、箱本体側端子５と電子ユニット側端子９が接触した状態を示している。

【００１２】 次に、本考案の他の実施例として、図５に示すように、中心Ｏ（Ｏ′でも同様 ）から等距離にある箱本体側端子または電子ユニット側端子のいずれか一方、た とえば箱本体側端子に、電気接触部の接触面積を少しづつ大きくした端子１０、 １０ａ、１０ｂ、１０ｃを用い、各相手側端子すなわち電子ユニット側端子９と の接触開始位置に対して少しづつずらせて配置し、中心Ｏを軸として矢印方向に 回転することにより、まず端子１０ｃが電子ユニット側端子９と接触を開始し、 次いで１０ｂ、１０ａ、１０の順に接触が開始するようにすることもできる。こ のように端子１０，１０ａなどを配置することにより、端子相互の接触に要する 力をさらに分散させることが可能となり、電子ユニット６を嵌合する際の嵌合力 を著しく低減することができる。

【００１３】 以上は、電子ユニット取付部４を断続した３基の側壁４ｂで分割形成した例に ついて説明したが、連続した円形の壁であってもよく、要は電子ユニット６を嵌 め込んで所定角だけ回したときに係止、固定することができればよい。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は、箱本体の電子ユニット取付部に電子ユニットを嵌入してから所定の 角度電子ユニットを回転して端子相互の接触を行うようにしているため、まず、 中心部の端子相互が接触し、順次、外側の端子に時間おくれを伴いながら相互の 接触が行われるので、電気的接続を行うための嵌合に要する力が分散され、多数 の端子を配置しても僅かな力で嵌合を行うことができ、電気接続箱に電子ユニッ トを取り付ける際の嵌合力が著しく低減され、取り付け作業の円滑化による生産 性の向上と、接続不良の発生を防止して信頼性の高い電気接続箱が得られるなど の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す電気接続箱の箱本体から
電子ユニットを分離した状態の斜視図である。

【図２】図１の電子ユニットの斜視図である。

【図３】図１の箱本体側端子と電子ユニット側端子の接
触経過の説明図である。

【図４】図１の電子ユニット取付部に電子ユニットを係
合したときの要部の断面図である。

【図５】本考案の他の実施例における端子相互の接触状
態の説明図である

【図６】従来の電気接続箱の箱本体から電子ユニットを
分離した状態を示す斜視図である。

【図７】図５のコネクタ部の断面図である。

【符号の説明】

Ａ 電気接続箱 １ 箱本体 ３ 上ケース ４ 電子ユニット取付部 ４ｂ 側壁 ４ｃ 係止部 ５ 箱本体側端子 ６ 電子ユニット ７ 収納ケース ７ａ 周壁 ７ｂ ガイドリブ（係合部） ７ｃ 底壁 ９ 電子ユニット側端子

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 箱本体に電子ユニットを電気的、機械的
   に接続してなる電気接続箱において、箱本体を構成する
   上ケースに係止部を有する側壁で囲まれた電子ユニット
   取付部を形成し、該電子ユニット取付部の中心から側壁
   に向かって複数の箱本体側端子を放射状に配置し、周壁
   に係合部を設けた電子ユニットの収容ケースの底壁には
   前記箱本体側端子に相対する位置に電子ユニット側端子
   を配置し、該電子ユニット取付部に該電子ユニットを嵌
   合して側壁の係止部に周壁の係合部を係合し、該電子ユ
   ニットを所定の角度回転して係止することにより、該電
   子ユニット側端子と前記箱本体側端子とを接触させるよ
   うにしたことを特徴とする電気接続箱。