JP2019047114A - 圧電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い圧電特性を有する圧電素子を提供する。【解決手段】圧電素子10は、Pt/Ti積層膜からなる下部電極と、下部電極上に形成されたPLTシード層と、PLTシード層上に形成されたPZT圧電体膜と、PZT圧電体膜上に形成された上部電極とを含んでいる。曲線Q1は、Pt/Ti積層膜形成時の基板設定温度毎のPt(111)ピーク強度に対するPLT(100)ピーク強度を表す点をプロットし、これらの複数の点を通るように描かれた曲線である。Pt(111)ピーク強度に対するPLT(100)ピーク強度の関係が、曲線Q1におけるPLT(100)ピーク強度が最大となるピーク点PからPLT(100)ピーク強度が5%低下するまでの範囲内にあり、かつ前記シード層を構成するPLTの(100)配向率が85%以上である。【選択図】図4

Description

この発明は、基板上に配置された下部電極と、下部電極上に形成されたシード層と、シード層上に形成された圧電体膜とを含む、圧電素子に関する。
基板上に配置された下部電極と、下部電極上に形成された圧電体膜と、圧電体膜上に形成された上部電極とを含む圧電素子が知られている。代表的な圧電体膜として、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT:PbZrTi1−x)がある。PZTは、ベロブスカイト型の強誘電体であり、優れた圧電特性を有している。このような圧電体膜は、スパッタ法、ゾルゲル法等によって形成される。このような圧電素子では、PZTが(111)方向に配向するよりも、(100)方向に配向している方が、圧電特性が高くなることが知られている。
特開2013−229510号公報
前述したような圧電素子では、下部電極としては、高温での安定性および高い導電性を有する白金(Pt)が用いられることが多い。Ptは(111)方向に自己配向しやすい特性を有している。PZTからなる圧電体膜は、(100)配向となるときに圧電特性が高くなるが、圧電体膜はその下地のPtの影響を受けるため、(111)配向のPt上には、PZTは(100)配向で形成されにくい。圧電体膜が(111)配向で形成されると、その圧電特性が低下する。
この発明の目的は、高い圧電特性を有する圧電素子を提供することである。
この発明による第1の圧電素子は、基板上に配置された下部電極と、前記下部電極上に形成され、PLTを主成分とするスパッタ膜からなるシード層と、前記シード層上に形成され、PZTまたはPLZTを主成分とする圧電体膜とを含み、前記下部電極は、前記基板側のTi膜と、前記Ti膜上に積層されたPt膜との積層膜からなる。そして、前記Pt膜を構成するPtの(111)配向のピーク強度をPt(111)ピーク強度として横軸にとり、前記シード層を構成するPLTの(100)配向のピーク強度をPLT(100)ピーク強度として縦軸にとり、前記下部電極形成時の基板設定温度別のPt(111)ピーク強度に対するPLT(100)ピーク強度の点を結んだ曲線をピーク特性曲線とすると、前記Pt(111)ピーク強度と前記PLT(100)ピーク強度との関係が、前記ピーク特性曲線における前記PLT(100)ピーク強度が最大となるピーク点から前記PLT(100)ピーク強度が5%低下するまでの範囲内にあり、かつ前記シード層を構成するPLTの(100)配向率が85%以上である。
この構成では、Pt膜上に形成されるシード層を構成するPLTの結晶性および(100)配向性が良好な圧電素子が得られる。これにより、シード層上に形成される圧電体膜を構成するPZTまたはPLZTの(100)配向性を高くできるので、高い圧電特性を有する圧電素子が得られる。
この発明による第2の圧電素子は、基板上に配置された下部電極と、前記下部電極上に形成され、PLTを主成分とするスパッタ膜からなるシード層と、前記シード層上に形成され、PZTまたはPLZTを主成分とする圧電体膜とを含み、前記下部電極は、前記基板側のTi膜と、前記Ti膜上に積層されたPt膜との積層膜からなる。そして、前記Pt膜を構成するPtの(111)配向のピーク強度が17×10000 counts〜35×10000 countsであり、かつ前記シード層を構成するPLTの(100))配向率が85%以上である。
この構成では、Pt膜上に形成されるシード層を構成するPLTの(100)配向性を向上させることができる。これにより、シード層上に形成される圧電体膜を構成するPZTまたはPLZTの(100)配向性を高くできるので、高い圧電特性を有する圧電素子が得られる。
この発明の一実施形態では、前記シード層の膜厚が20nm〜100nmであり、前記Pt膜の膜厚が50nm〜200mmであり、前記Ti膜の膜厚が10nm以下である。
この発明の一実施形態では、前記圧電体膜が、ゾルゲル法によって形成された圧電体膜である。
この発明の一実施形態では、前記シード層は、前記下部電極側寄りに、Pb濃度の高いPbリッチ層を有する。
この発明の一実施形態では、圧電体膜上に形成された上部電極をさらに含む。
この発明の一実施形態では、前記基板と前記下部電極との間に、SiOからなる絶縁膜が介在している。
この発明の一実施形態では、前記絶縁膜と前記下部電極との間に、Alからなる鉛バリア膜が介在している。
この発明の一実施形態では、前記絶縁膜の膜厚は、300nm〜2000nmである。
この発明の一実施形態では、前記絶縁膜の膜厚は、300nm〜2000nmであり、前記鉛バリア膜の膜厚は、50nm〜100nmである。
図1は、この発明の一実施形態に係る圧電素子の模式的な断面図である。 図2は、圧電素子の製造工程を示すフローチャートである。 図3は、Pt/Ti積層膜形成時の基板設定温度に対する、Pt(111)ピーク強度、PLT(100)ピーク強度およびPLT(100)配向率を示すグラフである。 図4は、Pt(111)ピーク強度に対する、PLT(100)ピーク強度およびPLT(100)配向率の関係を示すグラフである。 図5Aは、図1の圧電素子が用いられたインクジェットプリントヘッドの主要部の構成を説明するための図解的な平面図である。 図5Bは、図5Aのインクジェットプリントヘッドの主要部の図解的な平面図であって、保護基板が省略された平面図である。 図6は、図5AのVI-VI線に沿う図解的な断面図である。 図7は、図5AのVII-VII線に沿った切断面のうちの一部を図解的に示す拡大断面図である。 図8は、図5Aのインクジェットプリントヘッドの下部電極および圧電体膜のパターン例を示す図解的な平面図である。 図9は、図5Aのインクジェットプリントヘッドの絶縁膜のパターン例を示す図解的な平面図である。 図10は、図5Aのインクジェットプリントヘッドのパッシベーション膜のパターン例を示す図解的な平面図である。 図11は、図5Aのインクジェットプリントヘッドのアクチュエータ基板側から見た保護基板の主要部の底面図である。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る圧電素子の模式的な断面図である。
圧電素子10は、この実施形態では、基板1上に形成された鉛バリア膜3の表面に接して形成されている。より具体的には、基板1の表面には、絶縁膜2が形成されており、この絶縁膜2の表面に鉛バリア膜3が形成されている。
基板1は、この実施形態では、シリコン基板からなる。シリコン基板1の厚さは、100μm〜1000μm程度である。絶縁膜2は、酸化シリコン膜(SiO)からなる。絶縁膜2の膜厚は、300nm〜2000nm程度である。鉛バリア膜3は、アルミナ(Al)からなる。鉛バリア膜3の膜厚は、50nm〜100nm程度である。
圧電素子10は、鉛バリア膜3上に形成された下部電極11と、下部電極11上に形成されたシード層12と、シード層12上に形成された圧電体膜13と、圧電体膜13上に形成された上部電極14とを含んでいる。
下部電極11は、鉛バリア膜3上に形成されたTi(チタン)膜21と、Ti膜21上に形成されたPt(白金)膜22との積層膜(Pt/Ti積層膜)からなる。Ti膜21は、鉛バリア膜3とPt膜22との密着性を向上させるために形成されている。Pt膜22は、自己配向性を有しており、基板1に対して(111)方向に配向している。Ti膜21の厚さは数nm〜10nm程度であり、Pt膜22の厚さは50nm〜200nm程度である。この実施形態では、Ti膜21の厚さは5nmであり、Pt膜22の厚さは200nmである。Ti膜21の厚さは10nm以下であることが好ましい。Ti膜21およびPt膜22は、スパッタ法によって形成されている。
シード層12は、シード層12上に形成される圧電体膜13の結晶配向性を向上させるために設けられた層である。シード層12は、この実施形態では、ベロブスカイト型のチタン酸ランタン鉛(PLT:PbLaO)から構成されている。PLTは、基板1の面(積層面)に平行な(100)方向に配向している。シード層12の厚さは、20nm〜100nm程度である。この実施形態では、シード層12の厚さは、50nm程度である。シード層12は、スパッタ法によって形成されている。シード層12内における下部電極11側寄りには、Pb濃度の高いPbリッチ層が20nm程度形成されている。
シード層12は、PLTに、Mn(マンガン),Mg(マグネシウム),Nb(ニオブ),Co(コバルト),Fe(鉄),Ni(ニッケル),Zr(ジルコニウム),Zn(亜鉛),Al(アルミニウム),Ta(タンタル),W(タングステン),Ti(チタン)等が添加されたものであってもよい。つまり、シード層12は、PLTを主成分とする材料から構成されていればよい。
圧電体膜13は、この実施形態では、ベロブスカイト型のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT:PbZrTi1−x)から構成されている。圧電体膜13の厚さは、1000nm〜3000nm程度である。この実施形態では、圧電体膜13は、ゾルゲル法によって形成されている。
圧電体膜13は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)における鉛の一部をランタンで置換したチタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)から構成されていてもよい。また、圧電体膜13は、PZTまたはPLZTに、Mn(マンガン),Mg(マグネシウム),Nb(ニオブ),Co(コバルト),Fe(鉄),Ni(ニッケル),Zr(ジルコニウム),Zn(亜鉛),Al(アルミニウム),Ta(タンタル),W(タングステン),Ti(チタン)等が添加されたものであってもよい。つまり、圧電体膜13は、PZTを主成分とする材料またはPLZTを主成分とする材料から構成されていればよい。
上部電極14は、この実施形態では、圧電体膜13上に形成されたIrO(酸化イリジウム)膜31と、IrO膜31上に形成されたIr(イリジウム)膜32との積層膜(Ir/IrO積層膜)からなる。上部電極14の厚さは、50nm〜200nm程度である。IrO膜31およびIr膜32は、スパッタ法によって形成されている。なお、上部電極14は、Pt(白金)の単膜から構成されていてもよい。
図2は、圧電素子の製造工程を示すフローチャートである。
表面に、絶縁膜2を介して鉛バリア膜3が形成されたシリコン基板1が準備される(ステップS1)。このようなシリコン基板1は、次のようにして得られる。すなわち、まず、熱酸化法によって、シリコン基板1上に、熱酸化膜(SiO)からなる絶縁膜2が形成される。続いて、絶縁膜2上に、スパッタ法によって、鉛バリア膜3が形成される。
次に、鉛バリア膜3上に、下部電極11が形成される(ステップS2)。具体的には、まず、鉛バリア膜3上に、スパッタ法によって、Ti膜21(たとえば5nm)が形成される。続いて、Ti膜21上に、スパッタ法によって、Pt膜22(たとえば200nm)が形成される。Pt/Ti積層膜をスパッタ法で形成する際の、基板1の温度は、515℃〜575℃であることが好ましい。この理由については後述する。Pt膜22を構成するPtは、自己配向性を有するため、基板1に対して(111)方向に配向する。
次に、下部電極11(Pt膜22)上に、スパッタ法によって、PLTからなるシード層12が形成される(ステップS3)。この際、酸素分圧が低いほど、また、スパッタガス圧が低いほど、Arイオンのエネルギーの増大によるPb(鉛)のスパッタ率が上昇する。このため、シード層12における下部電極11側寄りには、Pb濃度の高いPbリッチ層が形成される。
次に、シード層12上に、ゾルゲル法によって、PZTからなる圧電体膜13が形成される(ステップS4)。
最後に、圧電体膜13上に、上部電極14が形成される(ステップS5)。具体的には、まず、圧電体膜13上に、スパッタ法によって、IrO膜31が形成される。続いて、IrO膜31上に、スパッタ法によって、Ir膜32が形成される。これにより、下部電極11、シード層12、圧電体膜13および上部電極14からなる圧電素子10が得られる。
Ti膜21上にPt膜22をスパッタ法で形成する際には、Ti膜21中のTiがPt膜22内に拡散する。Pt膜22におけるTi膜21とは反対側の表面にTiが拡散すると、Pt膜22の当該表面に一酸化チタン(TiO)が生成される。Pt膜22の前記表面にTiOが生成されると、Ti膜21上にシード層12をスパッタ法によって形成する際に、TiOがPLTのPbと結合して、PbTiO3が形成され、PLT結晶の核となって、PLTが結晶成長すると考えられる。したがって、Ti膜21の前記表面にTiOを適正な密度で形成することができれば、PLTの結晶性が向上し、シード層12を構成するPLTの(100)配向性を高くできると考えられる。
本実施形態では、Pt/Ti積層膜(下部電極11)をスパッタ法で形成する際のシリコン基板1の温度を適切な温度に設定することにより、Ti膜21の表面にTiOを適正な密度で形成し、Pt膜22上に形成されるPLTの(100)配向性を高くしている。これにより、シード層12上に形成される圧電体膜13を構成するPZTの(100)配向性を高くできるので、高い圧電特性を有する圧電素子が得られる。Pt/Ti積層膜(下部電極11)をスパッタ法で形成する際のシリコン基板1の適正な温度範囲等については、後述する。
図3は、Pt/Ti積層膜形成時の基板設定温度に対する、Pt(111)ピーク強度、PLTピーク強度およびPLT(100)配向率を示すグラフである。
図3のグラフは、次のようにして作成されている。下部電極形成時の基板設定温度を変えて、下部電極11およびシード層12からなる複数のサンプルを作成した。各サンプルは、シリコン基板1に絶縁膜2を介して形成された鉛バリア膜3上に形成される。そして、各サンプルについて、XRD( X-ray diffraction ;X線回析)の2θ/θ測定を行い、Pt(111)ピーク強度[counts]、PLT(100)ピーク強度[counts]、PLT(111)ピーク強度[counts]およびPLT(100)配向率[%]を測定した。
Pt(111)ピーク強度は、下部電極11内のPt膜22を構成するPtの(111)配向を示すピーク強度である。
PLT(100)ピーク強度は、シード層12を構成するPLTの(100)配向を示すピーク強度である。
PLT(111)ピーク強度は、シード層12を構成するPLTの(111)配向を示すピーク強度である。
PLT(100)配向率Dは、シード層12を構成するPLTの(100)配向性を表す値であり、次式(1)に基づいて、算出される。
D={ PLT(100)ピーク強度/(PLT(100)ピーク強度+PLT(111)ピーク強度)}×100
…(1)
図3から、PLT(100)の結晶性および配向率の良好な範囲は、PLT(100)配向率Dが85%以上でありかつPLT(100)ピーク強度がその最大ピークから例えば5%低下するまでの範囲内にある範囲であると考えることができる。図3のPLT(100)ピーク強度曲線の例では、PLT(100)ピーク強度の最大ピークからPLT(100)ピーク強度が5%低下したところのピーク強度は、70×1000countsであるとする。
したがって、Pt/Ti積層膜形成時の基板設定温度は、515℃〜575℃に設定することが好ましい。言い換えれば、図3の例では、Pt(111)ピーク強度が、17×10000counts〜35×10000countsであり、かつPLT(100)ピーク強度が70×1000counts以上であり、かつPLT(100)配向率が85%以上であることが好ましい。
図4は、Pt(111)ピーク強度に対する、PLT(100)ピーク強度およびPLT(100)配向率の関係を示すグラフである。
図4のグラフは、図3で説明したようなPt/Ti積層膜形成時の基板設定温度が異なる複数のサンプルから得られたデータに基づいて作成されている。各サンプルから得られるデータは、Pt(111)ピーク、PLT(100)ピーク強度、PLT(111)ピーク強度およびPLT(100)配向率である。
図4において、曲線Q1は、Pt/Ti積層膜形成時の基板設定温度毎(サンプル毎)のPt(111)ピーク強度に対するPLT(100)ピーク強度を表す点をプロットし、これらの複数の点を通るように描かれた曲線(ピーク特性曲線)である。
図4において、曲線Q2は、Pt/Ti積層膜形成時の基板設定温度毎(サンプル毎)のPt(111)ピーク強度に対するPLT(100)配向率を表す点をプロットし、これらの複数の点を通るように描かれた曲線である。
曲線Q1は、Pt(111)ピーク強度がほぼ24×10000 countsであるときに、PLT(100)ピーク強度が最大となるピーク点(極大点)Pを有している。曲線Q1において、Pt(111)ピーク強度が80×10000 countsから24×10000 countsまでの区間を第1区間といい、Pt(111)ピーク強度が24×10000 counts以下の区間を第2区間ということにする。
第1区間においては、矢印Aで示すように、Pt(111)ピーク強度が小さくなるにしたがって、PLT(100)ピーク強度は増加している。この理由について説明する。Pt/Ti積層膜形成時の基板設定温度が高いほど、Pt膜22に拡散されるTiの拡散量が大きくなるから、Pt(111)ピーク強度は小さくなる。したがって、Pt(111)ピーク強度が80×10000 countsから小さくなるにつれて、Pt膜22表面に形成される一酸化チタン(TiO)の密度が高くなり、PLTシード層12のPLTの結晶性が高くなっていく。このため、第1区間では、PLT(100)ピーク強度は、Pt(111)ピーク強度が小さくなるにつれて増加する。
第2区間においては、矢印Bで示すように、Pt(111)ピーク強度が小さくなるにしたがって、PLT(100)ピーク強度は急激に減少している。この理由について説明する。Pt/Ti積層膜形成時の基板設定温度が高いほど、Pt膜に拡散されるTiの拡散量は大きくなる。しかしながら、Pt膜22表面に拡散されるTi量がある一定量を超えると、Pt膜22の表面に、PLT結晶の核とはならない二酸化チタン(TiO)が生成され、TiOによってPLTの結晶成長が阻害されると考えられる。このため、第2区間においては、PLT(100)ピーク強度は、Pt(111)ピーク強度が小さくなるにつれて、急激に減少する。以下において、曲線Q1におけるPLT(100)ピーク強度が最大となる点を、ピーク点Pということにする。
図4から、PLT(100)の結晶性および配向率の良好な範囲は、PLT(100)配向率が高くかつTiOによるPLTの結晶成長阻害によるPLT(100)ピーク強度の急激低下の影響の小さい範囲であると考えることができる。
PLT(100)ピーク強度の急激低下の影響の小さい範囲は、図4から、Pt(111)ピーク強度に対するPLT(100)ピーク強度の関係が、曲線Q1のピーク点PからPLT(100)ピーク強度が5%低下するまでの範囲内(図4の例では、70×1000 counts以上の範囲内)の範囲である。そして、この範囲のうち、PLT(100)配向率が85%以上の範囲を、PLT(100)の結晶性および配向率の良好な範囲であると考えることができる。したがって、図4において、Pt(111)ピーク強度がα〜βの範囲(図4の例では、17×10000 counts〜35×10000 countsの範囲)が、PLT(100)の結晶性および配向率の良好な範囲となる。言い換えれば、Pt(111)ピーク強度が図4のα〜βの範囲内になるように、Pt/Ti積層膜形成時の基板設定温度を設定することが好ましい。
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明はさらに他の実施形態で実施することもできる。たとえば、前述の実施形態では、絶縁膜2上に鉛バリア膜3が形成され、鉛バリア膜3の表面に接するように圧電素子10が形成されている。しかし、絶縁膜2上に鉛バリア膜3は形成されていなくてもよい。つまり、絶縁膜2の表面に接するように圧電素子10が形成されてもよい。
前述の実施形態では、圧電体膜13は、ゾルゲル法によって形成されているが、スパッタ法によって形成されてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
次に、図5A、図5B、図6〜図11を参照して、図1の圧電素子10の応用例について説明する。
図5Aは、図1の圧電素子10が用いられたインクジェットプリントヘッドの主要部の構成を説明するための図解的な平面図である。図5Bは、図5Aのインクジェットプリントヘッドの主要部の図解的な平面図であって、保護基板が省略された平面図である。図6は、図5AのVI- VI線に沿う図解的な断面図である。図7は、図5AのVII-VII線に沿った切断面のうちの一部を図解的に示す拡大断面図である。図8は、図5Aのインクジェットプリントヘッドの下部電極および圧電体膜のパターン例を示す図解的な平面図である。
図6を参照して、インクジェットプリントヘッド101の構成を概略的に説明する。
インクジェットプリントヘッド101は、アクチュエータ基板102と、ノズル基板103と、保護基板104とを備えている。アクチュエータ基板102の表面には、可動膜形成層110が積層されている。アクチュエータ基板102は、図1の基板1に相当し、可動膜形成層110は図1の絶縁膜2に相当する。
アクチュエータ基板102には、インク流路(インク溜まり)105が形成されている。インク流路105は、この応用例では、アクチュエータ基板102を貫通して形成されている。インク流路105は、図6に矢印で示すインク流通方向141に沿って細長く延びて形成されている。インク流路105は、インク流通方向141の上流側端部(図6では左端部)のインク流入部106と、インク流入部106に連通する圧力室107(キャビティ)とから構成されている。図6において、インク流入部106と圧力室107との境界を二点鎖線で示すことにする。
ノズル基板103は、たとえばシリコン基板からなる。ノズル基板103は、アクチュエータ基板102の裏面102bに張り合わされている。ノズル基板103は、アクチュエータ基板102および可動膜形成層110とともにインク流路105を区画している。より具体的には、ノズル基板103は、インク流路105の底面部を区画している。ノズル基板103は、圧力室107に臨む凹部103aを有し、凹部103aの底面にインク吐出通路103bが形成されている。インク吐出通路103bは、ノズル基板103を貫通しており、圧力室107とは反対側に吐出口103cを有している。したがって、圧力室107の容積変化が生じると、圧力室107に溜められたインクは、インク吐出通路103bを通り、吐出口103cから吐出される。
可動膜形成層110における圧力室107の天壁部分は、可動膜110Aを構成している。可動膜110A(可動膜形成層110)は、たとえば、アクチュエータ基板102上に形成された酸化シリコン(SiO)膜からなる。可動膜110A(可動膜形成層110)は、たとえば、アクチュエータ基板102上に形成されるシリコン(Si)膜と、シリコン膜上に形成される酸化シリコン(SiO)膜と、酸化シリコン膜上に形成される窒化シリコン(SiN)膜との積層膜から構成されていてもよい。
この明細書において、可動膜110Aとは、可動膜形成層110のうち圧力室107の天面部を区画している天壁部を意味している。したがって、可動膜形成層110のうち、圧力室107の天壁部以外の部分は、可動膜110Aを構成していない。
可動膜110Aの厚さは、たとえば、0.4μm〜2μmである。可動膜110Aが酸化シリコン膜から構成される場合は、酸化シリコン膜の厚さは1.2μm程度であってもよい。可動膜110Aが、シリコン膜と酸化シリコン膜と窒化シリコン膜との積層膜から構成される場合には、シリコン膜、酸化シリコン膜および窒化シリコン膜の厚さは、それぞれ0.4μm程度であってもよい。
圧力室107は、可動膜110Aと、アクチュエータ基板102と、ノズル基板103とによって区画されており、この応用例では、略直方体状に形成されている。圧力室107の長さはたとえば800μm程度、その幅は55μm程度であってもよい。インク流入部106は、圧力室107の長手方向一端部に連通している。
可動膜110Aの表面には、圧電素子10が配置されている。圧電素子10は、可動膜形成層110上に形成された下部電極11と、下部電極11上に形成されたシード層(図示略)と、シード層上に形成された圧電体膜13と、圧電体膜13上に形成された上部電極14とを備えている。
下部電極11上に形成されたシード層は、図1のシード層12に相当するものであるが、応用例においては図示が省略されている。この応用例では、可動膜110Aの表面には、図1の鉛バリア膜3に相当するバリア膜は形成されていないが、図1の鉛バリア膜3に相当するバリア膜化が形成されていてもよい。
上部電極14は、圧電体膜13上に形成されたIrO(酸化イリジウム)膜と、IrO膜31上に形成されたIr(イリジウム)膜との積層膜(Ir/IrO積層膜)からなる。上部電極14の厚さは、たとえば、0.2μm程度であってもよい。
圧電体膜13としては、例えば、ゾルゲル法またはスパッタ法によって形成されたPZT(PbZrTi1−x:チタン酸ジルコン酸鉛)膜が用いられている。このような圧電体膜13は、金属酸化物結晶の焼結体からなる。圧電体膜13は、上部電極14の下面に接した能動部13Aと、能動部13Aの側部の全周囲から可動膜形成層110の表面に沿って延びた非能動部13Bとを含む。能動部13Aは、上部電極14と平面視で同形状に形成されている。
能動部13Aの厚さは、1μm程度である。非能動部13Bの厚さは、能動部13Aの厚さよりも薄い。非能動部13Bの厚さは、能動部13Aの厚さの1/20以上1/10以下であることが好ましい。可動膜110Aの全体の厚さは、能動部13Aの厚さと同程度か、能動部13Aの厚さの2/3程度とすることが好ましい。
下部電極11上に形成されたシード層(図示略)は、シード層上に形成される圧電体膜13の結晶配向性を向上させるために設けられた層である。シード層は、圧電体膜13と平面視で同形状に形成されている。シード層は、この実施形態では、ベロブスカイト型のチタン酸ランタン鉛(PLT:PbLaO)から構成されている。
下部電極11は、可動膜形成層110上に形成されたTi(チタン)膜21と、Ti膜21上に形成されたPt(白金)膜22との積層膜(Pt/Ti積層膜)からなる。下部電極11は、圧電体膜13の能動部13Aの下面に対向する主電極部11Aと、主電極部11Aの全周囲から可動膜形成層110の表面に沿って延びた延長部11Bとを有している。下部電極11の厚さは、たとえば、0.2μm程度であってもよい。
圧電体膜13の非能動部13B上および圧電素子10上には、水素バリア膜114が形成されている。水素バリア膜114は、たとえば、Al(アルミナ)からなる。水素バリア膜114の厚さは、50nm〜100nm程度である。水素バリア膜114は、圧電体膜13の水素還元による特性劣化を防止するために設けられている。
水素バリア膜114上に、絶縁膜115が積層されている。絶縁膜115は、たとえば、SiO、低水素のSiN等からなる。絶縁膜115の厚さは、500nm程度である。絶縁膜115上には、上部配線117、下部配線118およびダミー配線119が形成されている。これらの配線117,118,119は、Al(アルミニウム)を含む金属材料からなっていてもよい。これらの配線117,118,119の厚さは、たとえば、1000nm(1μm)程度である。
上部配線117の一端部は、上部電極14の一端部(インク流通方向141の下流側端部)の上方に配置されている。上部配線117と上部電極14との間において、水素バリア膜114および絶縁膜115を連続して貫通するコンタクト孔133が形成されている。上部配線117の一端部は、コンタクト孔133に入り込み、コンタクト孔133内で上部電極14に接続されている。上部配線117は、上部電極14の上方から、圧力室107の外縁を横切って圧力室107の外方に延びている。
下部配線118は、インク流路105のインク流入部106に対して圧力室107とは反対側において、下部電極11の延長部11Bの上方に配置されている。下部配線118と下部電極11の延長部11Bとの間において、シード層(図示略)、圧電体膜13の非能動部13B、水素バリア膜114および絶縁膜115を連続して貫通する複数のコンタクト孔134が形成されている。下部配線118は、コンタクト孔134に入り込み、コンタクト孔134内で下部電極11の延長部11Bに接続されている。
ダミー配線119は、上部配線117および下部配線118のいずれにも、電気的に接続されておらず、電気的に絶縁された配線である。ダミー配線119は、上部配線117および下部配線118を形成する工程と同じ工程で形成される。
絶縁膜115上には、配線117,118,119および絶縁膜115を覆うパッシベーション膜121が形成されている。パッシベーション膜121は、たとえば、SiN(窒化シリコン)からなる。パッシベーション膜121の厚さは、たとえば、800nm程度であってもよい。
パッシベーション膜121には、上部配線117の一部を露出させるパッド開口135が形成されている。パッド開口135は、圧力室107の外方領域に形成されており、たとえば、上部配線117の先端部(上部電極14へのコンタクト部の反対側端部)に形成されている。パッシベーション膜121上には、パッド開口135を覆うパッド142が形成されている。パッド142は、パッド開口135に入り込み、パッド開口135内で上部配線117に接続されている。
インク流路105におけるインク流入部106側の端部に対応する位置に、パッシベーション膜121、絶縁膜115、水素バリア膜114、非能動部13B、シード層(図示略)、下部電極11および可動膜形成層110を貫通するインク供給用貫通孔122が形成されている。非能動部13B、シード層および下部電極11には、インク供給用貫通孔122を含み、インク供給用貫通孔122よりも大きな貫通孔123が形成されている。非能動部13B、シード層および下部電極11の貫通孔123とインク供給用貫通孔122との隙間には、水素バリア膜114が入り込んでいる。インク供給用貫通孔122は、インク流入部106に連通している。
保護基板104は、たとえば、シリコン基板からなる。保護基板104は、圧電素子10を覆うようにアクチュエータ基板102上に配置されている。保護基板104は、パッシベーション膜121に、接着剤150を介して接合されている。保護基板104は、アクチュエータ基板102の表面102aに対向する対向面151に収容凹所152を有している。収容凹所152内に圧電素子10が収容されている。さらに、保護基板104には、インク供給用貫通孔122に連通するインク供給路153が形成されている。インク供給路153は、保護基板104を貫通している。保護基板104上には、インクを貯留したインクタンク(図示略)が配置されている。
圧電素子10は、可動膜110Aを挟んで圧力室107に対向する位置に形成されている。すなわち、圧電素子10は、可動膜110Aの圧力室107とは反対側の表面に接するように形成されている。インクタンクからインク供給路153、インク供給用貫通孔122、インク流入部106を通って圧力室107にインクが供給されることによって、圧力室107にインクが充填される。可動膜110Aは、圧力室107の天面部を区画していて、圧力室107に臨んでいる。可動膜110Aは、アクチュエータ基板102における圧力室107の周囲の部分によって支持されており、圧力室107に対向する方向(換言すれば可動膜110Aの厚さ方向)に変形可能な可撓性を有している。
上部配線117および下部配線118は、駆動回路(図示略)に接続されている。具体的には、上部配線117のパッド142と駆動回路とは、接続金属部材(図示略)を介して接続されている。後述するように下部配線118にはパッド143(図5A参照)が接続されている。下部配線118のパッド143と駆動回路とは、接続金属部材(図示せず)を介して接続されている。駆動回路から圧電素子10に駆動電圧が印加されると、逆圧電効果によって、圧電体膜13の能動部13Aが変形する。これにより、圧電素子10とともに可動膜110Aが変形し、それによって、圧力室107の容積変化がもたらされ、圧力室107内のインクが加圧される。加圧されたインクは、インク吐出通路103bを通って、吐出口103cから微小液滴となって吐出される。
図5A〜図8を参照して、インクジェットプリントヘッド101の構成についてさらに詳しく説明する。
アクチュエータ基板102には、複数のインク流路105(圧力室107)が互いに平行に延びてストライプ状に形成されている。複数のインク流路105毎に、圧電素子10が配置されている。インク供給用貫通孔122は、複数のインク流路105毎に設けられている。保護基板104の収容凹所152およびインク供給路153は、複数のインク流路105毎に設けられている。
複数のインク流路105は、それらの幅方向に微小な間隔(たとえば30μm〜350μm程度)を開けて等間隔で形成されている。各インク流路105は、インク流通方向141に沿って細長く延びている。インク流路105は、インク供給用貫通孔122に連通するインク流入部106とインク流入部106に連通する圧力室107とからなる。
圧力室107は、平面視において、インク流通方向141に沿って細長く延びた長方形形状を有している。つまり、圧力室107の天面部は、インク流通方向141に沿う2つの側縁と、インク流通方向141に直交する方向に沿う2つの端縁とを有している。
インク流入部106は、平面視で圧力室107とほぼ同じ幅を有している。インク流入部106における圧力室107とは反対側の端部の内面は、平面視で半円形に形成されている。インク供給用貫通孔122は、平面視において、円形状である(特に図5B参照)。
圧電素子10は、平面視において、圧力室107(可動膜110A)の長手方向に長い矩形形状を有している。圧電素子10の長手方向の長さは、圧力室107(可動膜110A)の長手方向の長さよりも短い。図5Bに示すように、圧電素子10の短手方向に沿う両端縁は、可動膜110Aの対応する両端縁に対して、それぞれ所定間隔を開けて内側に配置されている。また、圧電素子10の短手方向の幅は、可動膜110Aの短手方向の幅よりも狭い。圧電素子10の長手方向に沿う両側縁は、可動膜110Aの対応する両側縁に対して、所定間隔を開けて内側に配置されている。
下部電極11は、可動膜形成層110の表面のほぼ全域に形成されている(特に図8参照)。下部電極11は、複数の圧電素子10に対して共用される共通電極である。下部電極11は、圧電素子10を構成する平面視矩形状の主電極部11Aと、主電極部11Aから可動膜形成層110の表面に沿う方向に引き出され、圧力室107の天面部の周縁の外方に延びた延長部11Bとを含んでいる。
主電極部11Aの長手方向の長さは、可動膜110Aの長手方向の長さよりも短い。主電極部11Aの両端縁は、可動膜110Aの対応する両端縁に対して、それぞれ、所定間隔を開けて内側に配置されている。また、主電極部11Aの短手方向の幅は、可動膜110Aの短手方向の幅よりも狭い。主電極部11Aの両側縁は、可動膜110Aの対応する両側縁に対して、所定間隔を開けて内側に配置されている。延長部11Bは、下部電極11の全領域のうち主電極部11Aを除いた領域である。
上部電極14は、平面視において、下部電極11の主電極部11Aと同じパターンの矩形状に形成されている。すなわち、上部電極14の長手方向の長さは、可動膜110Aの長手方向の長さよりも短い。上部電極14の両端縁は、可動膜110Aの対応する両端縁に対して、それぞれ、所定間隔を開けて内側に配置されている。また、上部電極14の短手方向の幅は、可動膜110Aの短手方向の幅よりも狭い。上部電極14の両側縁は、可動膜110Aの対応する両側縁に対して、所定間隔を開けて内側に配置されている。
圧電体膜13は、平面視において、下部電極11と同じパターンに形成されている(図9参照)。つまり、圧電体膜13は、可動膜形成層110の表面のほぼ全域に形成されている。圧電体膜13は、前述したように、能動部13Aと非能動部13Bとを含む。能動部13Aは、平面視において、上部電極14と同じパターンの矩形状に形成されている。すなわち、能動部13Aの長手方向の長さは、可動膜110Aの長手方向の長さよりも短い。能動部13Aの両端縁は、可動膜110Aの対応する両端縁に対して、それぞれ、所定間隔を開けて内側に配置されている。また、能動部13Aの短手方向の幅は、可動膜110Aの短手方向の幅よりも狭い。能動部13Aの両側縁は、可動膜110Aの対応する両側縁に対して、所定間隔を開けて内側に配置されている。能動部13Aの下面は下部電極11の主電極部11Aの上面に接しており、能動部13Aの上面は上部電極14の下面に接している。
非能動部13Bは、平面視において、下部電極11の延長部11Bと同じパターンに形成されている。非能動部13Bは、能動部13Aの側壁の全周囲から圧力室107の周縁を超えて外側に延びている。非能動部13Bの上面は、水素バリア膜114によって覆われている。
下部電極11上に形成されたシード層は、平面視において、圧電体膜13と同じパターンに形成されている。
この応用例では、圧電体膜13は、能動部13Aの側部の全周囲から、可動膜形成層110の表面に沿う方向に引き出され、能動部13Aよりも厚さが薄い非能動部13Bを含んでいる。このため、圧電体膜13の外表面に沿って上部電極14と下部電極11とを連絡する経路の長さは、圧電体膜13が非能動部13Bを含んでいない場合に比べて、長くなる。このため、圧電体膜13をエッチングによってパターニングする際に、圧電体膜13の外表面に金属薄膜が形成されたとしても、リークパスが長くなるため、リーク電流の増加を抑制できる。また、圧電体膜13をエッチングによってパターニングする際に、能動部13Aの側面および非能動部13Bの側面に比べて、非能動部13Bの上面には金属薄膜が形成されにくいので、リーク電流の増加を抑制できる。
可動膜110Aにおける可動膜110Aの周縁と圧電素子10の周縁との間の環状領域は、圧電素子10または圧力室107の周囲壁によって拘束されていない領域であり、大きな変形が生じる領域である。つまり、可動膜110Aの周縁部は、大きな変形が生じる領域である。
このため、圧電素子10が駆動されると、可動膜110Aの周縁部の内周縁側が圧力室107の厚さ方向(この応用例では下方)に変位するように可動膜110Aの周縁部が屈曲し、これにより可動膜110Aの周縁部に囲まれた中央部全体が圧力室107の厚さ方向(この応用例では下方)に変位する。このように、可動膜110Aの周縁部は、大きな変形が生じる領域であるため、クラックが生じやすい。
この応用例では、平面視において、非能動部13Bは、能動部13Aの側面の全周囲から可動膜110Aの周縁を跨いで外方に延びている。つまり、可動膜110Aの周縁部上には、圧電体膜13の非能動部13Bが介在している。このため、可動膜110Aの周縁部にクラックが生じるのを抑制できる。
上部配線117は、圧電素子10の一端部の上面からそれに連なる圧電素子10の端面に沿って延び、さらに圧電体膜13の非能動部13Bの表面に沿って、インク流通方向141に沿う方向に延びている。上部配線117の先端部は、保護基板104のインク流通方向141の下流側端よりも下流側に配置されている。
パッシベーション膜121には、上部配線117の先端部表面の中央部を露出させるパッド開口135が形成されている。パッシベーション膜121に、パッド開口135を覆うようにパッド142が設けられている。パッド142は、パッド開口135内で上部配線117に接続されている。
下部配線118は、平面視において、インク流通方向141と直交する方向に長い矩形状の主配線部118Aと、主配線部118Aの一端部からインク流通方向141に沿って延びたリード部118Bとを有している。リード部118Bの先端部は、保護基板104のインク流通方向141の下流側端よりも下流側に配置されている。
下部配線118は、複数のコンタクト孔134に入り込み、コンタクト孔134内で下部電極11の延長部11Bに接続されている。パッシベーション膜121には、リード部118Bの先端部表面の中央部を露出させるパッド開口136が形成されている。パッシベーション膜121上に、パッド開口136を覆うようにパッド143が設けられている。パッド143は、パッド開口136内でリード部118Bに接続されている。
図11は、前記インクジェットプリントヘッドのアクチュエータ基板側から見た保護基板の主要部の底面図である。
図5A、図7および図11に示すように、保護基板104の対向面151には、複数の収容凹所152が、インク流通方向141と直交する方向に間隔をおいて平行に形成されている。複数の収容凹所152は、平面視において、複数の圧力室107に対向する位置に配置されている。各収容凹所152に対してインク流通方向141の上流側にインク供給路153が配置されている。各収容凹所152は、平面視において、対応する圧電素子10の上部電極14のパターンよりも少し大きな矩形状に形成されている。そして、各収容凹所152に、対応する圧電素子10が収容されている。
保護基板104のインク供給路153は、平面視において、アクチュエータ基板102側のインク供給用貫通孔122と同じパターンの円形状である。インク供給路153は、平面視でインク供給用貫通孔122に整合している。
ダミー配線119は、平面視において、インク供給路153(インク供給用貫通孔122)を取り囲む円形環状の第1ダミー配線119Aを含んでいる。第1ダミー配線119Aは、アクチュエータ基板102上において、保護基板104の対向面151のインク供給路153の周囲領域に対向する領域に配置されている。第1ダミー配線119Aの幅(第1ダミー配線119Aの内径と外径との差)は、インク供給路153の直径の1/3以上であることが好ましい。第1ダミー配線119Aの上面は平坦である。第1ダミー配線119Aは、保護基板104を支持するとともに保護基板104の対向面との接着性を高める台座120を構成している。
ダミー配線119は、さらに、隣接する圧力室107の間領域の幅中央部と、複数の圧力室群の両外側の圧力室107の外側方とに形成され、インク流通方向141に沿う方向に延びた細長矩形の第2ダミー配線119Bを含む。第2ダミー配線119Bの上面は平坦である。第2ダミー配線119Bは、保護基板104を支持するとともに保護基板104の対向面との接着性を高める台座を構成している。
アクチュエータ基板102に保護基板104を接合する際には、アクチュエータ基板102と保護基板104との接合部に接着剤150が塗布された状態で、保護基板104がアクチュエータ基板102に押圧される。この際、保護基板104の対向面151は、上面が平坦な台座である第1ダミー配線119Aおよび第2ダミー配線119Bに、パッシベーション膜121を介して押し付けられる。
このため、保護基板104の対向面151は、第1ダミー配線119Aおよび第2ダミー配線119Bの上面に、パッシベーション膜121および接着剤150を介して、強固に接合される。つまり、保護基板104の対向面151とアクチュエータ基板102との接合部に接着不良が生じにくくなる。
この応用例では、アクチュエータ基板102側にインク供給路153(インク供給用貫通孔122)を取り囲む円形環状の第1ダミー配線119A(台座120)が設けられているので、保護基板104における収容凹所152とインク供給路153との間の壁部下面とアクチュエータ基板102との間に接合不良が生じるのを抑制できる。これにより、インク供給路153から収容凹所152内へのインク漏れを抑制できる。
図9は、前記インクジェットプリントヘッドの絶縁膜のパターン例を示す図解的な平面図である。図10は、前記インクジェットプリントヘッドのパッシベーション膜のパターン例を示す図解的な平面図である。
この応用例では、絶縁膜115およびパッシベーション膜121は、アクチュエータ基板102上において、平面視で保護基板104の収容凹所152の外側領域のほぼ全域に形成されている。ただし、この領域において、絶縁膜115には、インク供給用貫通孔122およびコンタクト孔134が形成されている。この領域において、パッシベーション膜121には、インク供給用貫通孔122およびパッド開口135,136が形成されている。
保護基板104の収容凹所152の内側領域においては、絶縁膜115およびパッシベーション膜121は、上部配線117が存在する一端部(上部配線領域)にのみ形成されている。この領域において、パッシベーション膜121は、絶縁膜115上の上部配線117の上面および側面を覆うように形成されている。換言すれば、絶縁膜115およびパッシベーション膜121には、平面視で収容凹所152の内側領域のうち、上部配線領域を除いた領域に、開口137が形成されている。絶縁膜115には、さらに、コンタクト孔133が形成されている。
この応用例では、平面視で圧力室107の周縁の内側領域において、絶縁膜115およびパッシベーション膜121は、上部配線117の存在する上部配線領域のみに形成されている。したがって、圧電素子10の側面および上面の大部分は絶縁膜115およびパッシベーション膜121によって覆われていない。これにより、圧電素子10の側面および上面の全域が絶縁膜およびパッシベーション膜によって覆われている場合に比べて、可動膜110Aの変位を大きくすることができる。
1 基板
2 絶縁膜
3 鉛バリア膜
10 圧電素子
11 下部電極
12 シード層
13 圧電体膜
14 上部電極
21 Ti膜
22 Pt膜
31 IrO
32 Ir膜

Claims (10)

  1. 基板上に配置された下部電極と、前記下部電極上に形成され、PLTを主成分とするスパッタ膜からなるシード層と、前記シード層上に形成され、PZTまたはPLZTを主成分とする圧電体膜とを含み、前記下部電極は、前記基板側のTi膜と、前記Ti膜上に積層されたPt膜との積層膜からなる圧電素子であって、
    前記Pt膜を構成するPtの(111)配向のピーク強度をPt(111)ピーク強度として横軸にとり、前記シード層を構成するPLTの(100)配向のピーク強度をPLT(100)ピーク強度として縦軸にとり、前記下部電極形成時の基板設定温度別のPt(111)ピーク強度に対するPLT(100)ピーク強度の点を結んだ曲線をピーク特性曲線とすると、前記Pt(111)ピーク強度と前記PLT(100)ピーク強度との関係が、前記ピーク特性曲線における前記PLT(100)ピーク強度が最大となるピーク点から前記PLT(100)ピーク強度が5%低下するまでの範囲内にあり、かつ前記シード層を構成するPLTの(100)配向率が85%以上である、圧電素子。
  2. 基板上に配置された下部電極と、前記下部電極上に形成され、PLTを主成分とするスパッタ膜からなるシード層と、前記シード層上に形成され、PZTまたはPLZTを主成分とする圧電体膜とを含み、前記下部電極は、前記基板側のTi膜と、前記Ti膜上に積層されたPt膜との積層膜からなる圧電素子であって、
    前記Pt膜を構成するPtの(111)配向のピーク強度が17×10000 counts〜35×10000 countsであり、かつ前記シード層を構成するPLTの(100)配向のピーク強度が70×1000 counts以上である、圧電素子。
  3. 前記シード層の膜厚が20nm〜100nmであり、
    前記Pt膜の膜厚が50nm〜200mmであり、
    前記Ti膜の膜厚が10nm以下である、請求項1または2に記載の圧電素子。
  4. 前記圧電体膜が、ゾルゲル法によって形成された圧電体膜である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧電素子。
  5. 前記シード層は、前記下部電極側寄りに、Pb濃度の高いPbリッチ層を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の圧電素子。
  6. 圧電体膜上に形成された上部電極をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の圧電素子。
  7. 前記基板と前記下部電極との間に、SiOからなる絶縁膜が介在している、請求項1〜6のいずれか一項に記載の圧電素子。
  8. 前記絶縁膜と前記下部電極との間に、Alからなる鉛バリア膜が介在している、請求項7に記載の圧電素子。
  9. 前記絶縁膜の膜厚は、300nm〜2000nmである、請求項7に記載の圧電素子。
  10. 前記絶縁膜の膜厚は、300nm〜2000nmあり、前記鉛バリア膜の膜厚は、50nm〜100nmである、請求項8に記載の圧電素子。
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