JP2019047063A - プリント配線板およびその製造方法 - Google Patents

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克敏 伊藤
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Shunsuke Sakai
俊輔 酒井
輝幸 石原
Teruyuki Ishihara
輝幸 石原
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Abstract

【課題】信頼性の高いキャビティ付きプリント配線板の提供。【解決手段】実施形態のプリント配線板は、第1面5Fおよび第2面5Sを備える絶縁板5と、絶縁板5の第1面5Fに形成されている第1導体層11と、絶縁板5の第2面5Sに形成されている第2導体層12と、絶縁板5を貫通するスルーホール導体6と、絶縁板5の第1面5Fおよび第1導体層11上に設けられている第1絶縁層21と、第1絶縁層21上に形成されていて部品実装パッド130を含む第3導体層13と、第1絶縁層21および第3導体層13の上に積層されていて少なくとも一組の絶縁層および導体層によって構成されるビルドアップ層10と、絶縁板5および第1絶縁層21を貫通し、部品実装パッド130を露出させるキャビティ7と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明はプリント配線板およびその製造方法に関する。
特許文献1には、第1回路基板と第2回路基板とが積層されたプリント配線板が開示されている。第1回路基板には、第1回路基板を貫通し、第2回路基板の電子部品実装エリアを露出させる開口(キャビティ)が形成されている。第1回路基板は、プリント配線板の製造時に出発基板として用意され、エポキシ樹脂などと補強部材とで構成されている。第2回路基板は、第1回路基板の表面上で交互に積層された導体層および樹脂絶縁層からなるビルドアップ層で形成されている。
特開2016−86024号公報
特許文献1のプリント配線板では、キャビティの内壁と底面の間のコーナー部は、第1回路基板と第2回路基板との界面付近に位置している。このコーナー部には、周囲の温度変化による熱応力や、電子部品の実装時に部品マウンタから加わり得るキャビティの底面を押し込む力が集中的に作用し易いと考えられる。従って、第1回路基板と第2回路基板との界面では、キャビティのコーナー部を起点とするクラックや剥離の発生が懸念される。
本発明のプリント配線板は、第1面および前記第1面と反対側の第2面を備える絶縁板と、前記絶縁板の第1面に形成されている第1導体層と、前記絶縁板の第2面に形成されている第2導体層と、前記絶縁板を貫通するスルーホール導体と、前記絶縁板の第1面および前記第1導体層上に設けられている第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に形成されていて部品実装パッドを含む第3導体層と、前記第1絶縁層および前記第3導体層の上に積層されていて少なくとも一組の絶縁層および導体層によって構成されるビルドアップ層と、前記絶縁板および前記第1絶縁層を貫通し、前記部品実装パッドを露出させるキャビティと、を備える。
本発明のプリント配線板の製造方法はキャビティを備えるプリント配線板の製造方法であって、前記製造方法は、第1導体層を備える第1面および前記第1面の反対面である第2面を有する絶縁板と、少なくとも一組の絶縁層および導体層を含むビルドアップ層と、前記絶縁板の一部と前記ビルドアップ層との剥離を容易にする剥離膜と、前記剥離膜を内包している貫通孔を備えていて前記絶縁板の第1面と前記ビルドアップ層との間に介在する第1絶縁層と、を少なくとも含む積層体を用意することと、前記剥離膜の全周に前記剥離膜の周縁に沿って前記絶縁板を貫通する溝を前記第2面側から形成すると共に、前記第1導体層の一部を前記溝に露出させることと、前記第1導体層における前記溝に露出している部分を除去することと、前記絶縁板における前記溝に囲まれている部分を前記剥離膜と共に除去することによって前記キャビティを形成することと、を含んでいる。
本発明の実施形態によれば、キャビティのコーナー部でのクラックや剥離の少ない、信頼性の高いプリント配線板を提供することができる。
本発明の一実施形態のプリント配線板の一例を示す断面図。 図1のプリント配線板の平面図。 図1のIIIA部の拡大図。 図1のIIIA部の他の例を示す拡大図。 図1のIIIA部の他の例を示す拡大図。 図1のIIID部の他の例を示す拡大図。 一実施形態のプリント配線板の他の例を示す断面図。 本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の他の例を示す図。 本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の他の実施形態のプリント配線板の一例を示す断面図。 本発明の他の実施形態のプリント配線板の他の例を示す拡大図 本発明の他の実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の他の実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の他の実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の他の実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の他の実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の他の実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の他の実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の他の実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の他の実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の他の実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の他の実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。
つぎに、本発明の一実施形態のプリント配線板が図面を参照しながら説明される。図1には、一実施形態のプリント配線板の一例であるプリント配線板1(以下、プリント配線板は、単に「配線板」とも称される)の断面図が示され、図2には配線板1の平面図が示されている(図1は図2のI−I線での断面図である)。図1および図2に示されるように、プリント配線板1は、第1面5Fおよび第1面5Fと反対側の第2面5Sを備える絶縁板5と、絶縁板5の第1面5Fに形成されている第1導体層11と、絶縁板5の第2面5Sに形成されている第2導体層12と、絶縁板5を貫通するスルーホール導体6と、を備えている。プリント配線板1は、さらに、絶縁板5の第1面5Fおよび第1導体層11上に設けられている第1絶縁層21と、第1絶縁層21上に形成されている第3導体層13と、第1絶縁層21および第3導体層13の上に積層されているビルドアップ層10と、を備えている。第3導体層13は部品実装パッド130を含んでいる。そして、プリント配線板1は、絶縁板5および第1絶縁層21を貫通し、部品実装パッド130を露出させるキャビティ7を備えている。キャビティ7は、部品実装パッド130の一面130aを露出させている。
キャビティ7には、プリント配線板1に実装される、半導体装置などの外部の電子部品(図示せず)が収容される。部品実装パッド130には、このような外部の電子部品の端子が、はんだなどの接合材を介して、または直接、接続される。図1の例では、キャビティ7の底面7aは、第1絶縁層21と、第3導体層13および第3絶縁層23との界面と、略面一である。キャビティ7の底面7aは、部品実装パッド130の一面130aと、第3絶縁層23のキャビティ7への露出面23aとを含んでいる。
キャビティ7は、前述のように、絶縁板5だけでなく、絶縁板5の第1面5F上(図1では、第1面5Fの下側)に設けられている第1絶縁層21をも貫通している。そのため、キャビティ7の底面7aと壁面との間のコーナー部Cは、第1絶縁層21と絶縁板5との界面ではなく、主にビルドアップ層10と第1絶縁層21との界面において形成されている。第1絶縁層21は、後述の製造方法で説明される通り、絶縁板5の上にプリプレグの状態で供給され、絶縁板5の上で加熱されることによって本硬化される。すなわち、第1絶縁層21は、コア基板などの上にビルドアップ工法を用いて形成される絶縁層と同様の硬化プロセスを用いて形成され得る。従って、第1絶縁層21は、本実施形態におけるビルドアップ層10内の各絶縁層と同様の硬化プロセスで形成され得る。そのため、同じ組成の絶縁性樹脂などが、ビルドアップ層10内の各絶縁層および第1絶縁層21それぞれの材料として支障なく選択され得る。そのため、第1絶縁層21とビルドアップ層10内の各絶縁層とは強固に密着し得ると考えられる。従って、本実施形態のプリント配線板1では、熱応力などがキャビティ7のコーナー部Cに集中しても、クラックや層間剥離などが生じ難いと考えられる。このように、本実施形態によれば、信頼性の高いプリント配線板1を得ることができる。
ビルドアップ層10は、少なくとも一組の絶縁層および導体層(図1の例では、第3絶縁層23および第5導体層15、ならびに第4絶縁層24および第6導体層16)によって構成されている。図1の例では、プリント配線板1は、絶縁板5の第2面5Sおよび第2導体層12上に設けられている第2絶縁層22と、第2絶縁層22上に形成されている第4導体層14と、をさらに含んでいる。絶縁板5の第1面5F側と第2面5S側との間の導体層および絶縁層の層数の違いが少なくされ、プリント配線板1の反りなどが抑制されると共に、より複雑な電気回路がプリント配線板1の中に形成され得ると考えられる。
ビルドアップ層10の第6導体層16は下側接続パッド16aを含んでいる。下側接続パッド16aは、たとえば、プリント配線板1が用いられる電子機器のマザーボードや、積層構造を有する半導体装置のパッケージ基板などとの接続に用いられ得る。また、第4導体層14は、絶縁板5の第2面5S側に配置される電子部品や外部の配線板(図示せず)との接続に用いられ得る上側接続パッド14aを含んでいる。上側接続パッド14aに接続されるこれらの配線板や電子部品は、たとえば、キャビティ7を跨ぐように、第4導体層14上に配置され得る。
図1の例では、プリント配線板1は、さらに、第6導体層16および第4絶縁層24の表面上に形成されたソルダーレジスト層41と、第4導体層14および第2絶縁層22の表面上に形成されたソルダーレジスト層42とを備えている。ソルダーレジスト層41、42は、たとえば、感光性のポリイミド樹脂やエポキシ樹脂を用いて形成されている。ソルダーレジスト層41は、下側接続パッド16aを露出させる開口41aを備え、ソルダーレジスト層42は、上側接続パッド14aを露出させる開口42aを有している。図示されていないが、キャビティ7の底面7a上にも、ソルダーレジストが形成されていてもよい。
図1および図2の例では、キャビティ7は、プリント配線板1の中央部に設けられ、四角形の開口形状を有している。3行3列のマトリクス状に配列された部品実装パッド130がキャビティ7に露出している。また、ビルドアップ層10におけるキャビティ7側の最表層の絶縁層である第3絶縁層23もキャビティ7に露出している。上側接続パッド14aは、キャビティ7の周囲全周において二列にわたって配置されている。下側接続パッド16a(図1参照)は、図2に示されているプリント配線板1の上面と反対側の下面に、たとえばマトリクス状の配列や、上側接続パッド14aと同様の周回状の配列で配置され得る。
図示されていないが、部品実装パッド130、ならびに、上側および下側の接続パッド14a、16aの露出面には、保護膜が形成されていてもよい。このような保護膜は、たとえば、Ni/Au、Ni/Pd/Au、またはSnなどの複数または単一の金属めっき膜であってよく、また、OSP膜であってもよい。なお、キャビティ7の開口形状やプリント配線板1内での形成位置、ならびに、部品実装パッド130や上側および下側の各接続パッド14a、16aの数や配列パターンは、図1および図2に示される例に限定されない。
第1〜第6の導体層11〜16は、銅やニッケルなどの、適切な導電性を備えている任意の材料を用いて形成され得る。第1〜第6の導体層11〜16は、好ましくは、銅箔、電解銅めっき膜、もしくは無電解銅めっき膜、またはこれらの組み合わせによって形成されている。図1の例では、第1導体層11および第3導体層13は、一層だけで構成されている。第1導体層11は金属箔によって形成されており、第3導体層13は電解めっき膜によって形成されている。第2導体層12および第4〜第6の導体層14〜16は三層構造を有しており、それぞれ、絶縁板5に近い側から順に、金属箔層121、金属膜層122、電解めっき膜層123を有している(図1において、符号121〜123は、第2導体層12だけに付され、第4〜第6の導体層14〜16に対するこれらの符号は省略されている)。
金属箔で形成される第1導体層11の厚さと、第2導体層12における金属箔層121の厚さは、図1の例のように、略同じであってもよい。従って、第1導体層11の厚さと第2導体層12の厚さは互いに異なっていてもよい。具体的には、図1の例のように、第2導体層12が第1導体層11よりも厚くてもよい。図1の例では、絶縁板5の第1面5F側に、第2面5S側よりも多くの導体層が形成されている。従って、第2導体層12が第1導体層11よりも厚いと、プリント配線板1の反りの抑制に有利なことがある。しかし、各導体層の構成は、図1に例示される単層構造または多層構造に限定されない。たとえば、第2導体層12が金属箔層121だけで構成されていてもよい。
スルーホール導体6は、前述のように、絶縁板5を貫通し、さらに、第1絶縁層21および第1導体層11を貫通している。スルーホール導体6は、少なくとも第3導体層13と第2導体層12とを相互に電気的に接続している。図1の例では、スルーホール導体6は、第1、第2および第3の導体層11、12、13全てを相互に電気的に接続している。しかし、第1導体層11と接していないスルーホール導体6が設けられていてもよい。第1導体層11においてスルーホール導体6と交差する位置に導体パターンが設けられない場合、第3導体層13と第2導体層12だけを電気的に接続するスルーホール導体6が形成される。本実施形態では、図1の例のように、絶縁板5、第1絶縁層21、第2および第3の導体層12、13ならびに好ましくは第1導体層11が、互いに直接接しているだけでなく、スルーホール導体6を介しても接続されている。そのため、各層間での剥離がいっそう抑制されると考えられる。
スルーホール導体6は、第3導体層13に向って縮径するテーパー形状を有している。そのため、第3導体層13に設けられるべきスルーホール用パッドは、小さくてよい。そして、第3導体層13は、後述のように、ファインピッチパターンの形成に有利な、エッチングレスの工法で形成され得る。従って、スルーホール導体6は、第3導体層13を他の導体層に接続する層間接続体として好ましいことがある。なお、便宜上、「縮径」という文言が用いられているが、スルーホール導体6および後述の各ビア導体の開口形状は、必ずしも円形に限定されない。「縮径」は、単に、水平断面におけるスルーホール導体6および各ビア導体の外周上の最長の2点間の距離が小さくなることを意味している。絶縁板5の第2面5F(第2導体層12との接触面)におけるスルーホール導体6の幅(たとえば直径)W1は、好ましくは、60μm以上、120μm以下である。また、第3導体層13との接触面におけるスルーホール導体6の幅(たとえば直径)W2は、好ましくは、40μm以上、100μm以下である。スルーホール導体6がこのような幅を有していると、各導体層においてスルーホール導体6との接続用のスペースを過剰に要することなく、かつ、確実に各導体層とスルーホール導体6とを接続することができると考えられる。
第2絶縁層22には、第4導体層14と第2導体層12とを接続するビア導体32が形成されている。また、ビルドアップ層10内の第3絶縁層23および第4絶縁層24には、それぞれ、第5導体層15と第3導体層13とを接続するビア導体33、第6導体層16と第5導体層とを接続するビア導体34が形成されている。各ビア導体は、絶縁板5に向って縮径するテーパー形状を有している。
スルーホール導体6およびビア導体32〜34は、好ましくは、無電解銅めっき膜と電解銅めっき膜とで形成される。図1に示されるように、スルーホール導体6は、第2導体層12を構成している金属膜層122および電解めっき膜層123と一体的に形成され得る。同様に、ビア導体32、33、34も、それぞれ、第4、第5および第6の導体層14、15、16を構成している無電解めっき膜および電解めっき膜と一体的に形成され得る。
絶縁板5は、任意の絶縁性樹脂を用いて形成されている。図1に示されるように、絶縁板5は、好ましくは、絶縁性樹脂を含浸された芯材51を含んでいる。絶縁板5に用いられる樹脂としては、エポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂(BT樹脂)、フェノール樹脂などが例示される。芯材51としては、ガラス繊維やアラミド繊維が例示される。絶縁板5は、シリカなどの無機フィラーを含んでいてもよい。
第1および第2の絶縁層21、22ならびにビルドアップ層10内の各絶縁層(図1の例では第3および第4の絶縁層23、24)も、エポキシ樹脂などの任意の絶縁性樹脂を用いて形成され得る。図1に示されるように、第1および第2の絶縁層21、22は、それぞれ、ガラス繊維やアラミド繊維などの芯材を含んでいてもよい。また、ビルドアップ層10を構成する全ての絶縁層が、ガラス繊維やアラミド繊維などの芯材を含んでいてもよい。各絶縁層が芯材を含むことによって、プリント配線板1の機械的強度が向上する。キャビティ7のコーナー部Cでのクラックや剥離の防止という観点からは、少なくとも、第1絶縁層21とビルドアップ層10内の各絶縁層は、好ましくは同一の材料を用いて形成される。なお、第1および第2の絶縁層21、22ならびにビルドアップ層10内の各絶縁層は、シリカなどの無機フィラーを含んでいてもよい。
図3Aには、図1のIIIA部の拡大図が示されている。図3Aに示されるように、第1絶縁層21は、キャビティ7に露出する絶縁板5の端面5aよりもキャビティ7の内方にはみ出ている突出部21aを有している。そして、突出部21aによる段差が、キャビティ7の底面7aの周縁部に形成されている(図2参照)。また、キャビティ7に露出する第1絶縁層21の端面21bに、絶縁板5の端面5aよりもキャビティ7の外方に凹んでいる凹部21cが形成されている。前述のように、キャビティ7のコーナー部には熱応力が集中することがある。たとえば、キャビティ7の内部に、図示されない電子部品を覆う保護樹脂などが充填される場合、そのような保護樹脂の熱膨張率と絶縁板5の熱膨張率との違いにより生じる応力が、キャビティ7のコーナー部に集中することがある。しかし、図1および図3Aの例では、第1絶縁層21の突出部21aによる段差や凹部21cが形成されているため、コーナー部C(図1参照)に集中しがちな応力は、これらの段差や凹部21cそれぞれが有するコーナーC1〜C4にも分散されると考えられる。従って、キャビティ7のコーナー部Cでのクラックや剥離の発生がいっそう抑制されると考えられる。
図1および図3Aに示されるように、第1絶縁層21は、第1絶縁層21の厚さ方向におけるビルドアップ層10側に突出部21aを有している。一方、凹部21cは、第1絶縁層21の厚さ方向における突出部21a以外の領域、すなわち、絶縁板5側に形成されている。そして、突出部21aの絶縁板5側を向く上面と、凹部21cのビルドアップ層10側の内壁面とが面一である。突出部21aにおける絶縁板5の端面5aからの突出長さL1は、好ましくは、10μm以上、160μm以下である。また、凹部21cの深さL2は、好ましくは、10μm以上、160μm以下である。突出部21aおよび凹部21cが、このような突出長さL1または深さL2を有していると、キャビティ7の外縁付近のスペースが多く奪われることなく応力の分散作用が得られると考えられる。
突出部21aおよび凹部21cは、図1および図3Aの例のように、必ずしも両方が形成されていなくてもよい。たとえば、図3Bに例示されるように、凹部21cだけが形成されていてもよい。図3Bの例においても、コーナー部Cに集中しがちな応力は、コーナーC1〜C4に分散し得ると考えられる。また、図3Cに例示されるように、突出部21aだけが形成されていてもよい。図3Cの例においても、コーナー部Cに集中しがちな応力は、コーナーC1およびC2に分散し得ると考えられる。突出部21aおよび凹部21cは、後述のように、キャビティ7の形成に用いられるレーザー光の照射位置に応じて形成され得る。
図3Dには、図1のIIID部に相当する部分の変形例が示されている。キャビティ7は、図1の例では、絶縁板5や各導体層および各絶縁層に対して略垂直な壁面を有している。しかし、キャビティ7の壁面は、図3Dに例示されるように、底面7aに向ってキャビティ7の開口形状が小さくなるようなテーパー面であってもよい。キャビティ7の壁面が図3Dに示されるようなテーパー面である場合、底面7a側よりも開口部側(第2絶縁層22側)においてキャビティ7の開口面積が大きい。従って、キャビティ7への外部の電子部品(図示せず)の配置作業が容易である。図3Dに示されるようなキャビティ7の壁面は、後述のように、キャビティ7の形成時に用いるレーザー光を適宜調整することによって形成され得る。
図4には、本実施形態のプリント配線板1の他の例が示されている。図4の例では、第3導体層13における絶縁板5側を向く面が、ビルドアップ層10を構成している第3絶縁層23における絶縁板5側を向く面よりも凹んでいる。また、キャビティ7の内部では、キャビティ7に露出する部品実装パッド130の一面130aが、第3絶縁層23におけるキャビティ7への露出面23aよりも凹んでいる。部品実装パッド130の一面130aは、第3絶縁層23の露出面23aよりもキャビティ7側と反対側に凹んでいる。
このように、部品実装パッド130の一面130aが、その周囲の第3絶縁層23の露出面23aよりも凹んでいると、部品実装パッド130上に供されるはんだなどの接合材の濡れ広がりが抑制される。従って、近接する部品実装パッド130同士や、部品実装パッド130と隣接する導体パターンとの間でショート不良が発生し難いと考えられる。部品実装パッド130上に、良好な品質で電子部品などが接続されると考えられる。部品実装パッド130の一面130aは、好ましくは、第3絶縁層23の露出面23aから、1μm以上、6μm以下の深さで凹んでいる。このような深さで凹んでいると、効果的にショート不良の抑制作用が得られると考えられる。また、後述されるように、この凹みがエッチングで形成される際に過剰に長い時間を要しないと考えられる。図4の例は、第3導体層13の絶縁板5側の面のこの凹みを除いて図1の例と同じであるため、図4において、図1に示される主要な構成要素と同一の構成要素には図1と同じ符号が付され、その更なる説明は省略される。
つぎに、図1に示されるプリント配線板1を例に、一実施形態の、キャビティを備えるプリント配線板の製造方法が図5A〜5Pを参照して以下に説明される。
本実施形態のプリント配線板の製造方法は、導体層と絶縁層との積層体2(図5J参照)を用意することを含んでいる。また、本実施形態のプリント配線板の製造方法は、積層体2に含まれる剥離膜8の全周に剥離膜8の周縁に沿って絶縁板5を貫通する溝71を形成すると共に、第1導体層11の一部を溝71に露出させることを含んでいる(図5M参照)。さらに、本実施形態のプリント配線板の製造方法は、第1導体層11における溝71に露出している部分を除去することと、絶縁板5における溝71に囲まれている部分を剥離膜8と共に除去することによってキャビティ7(図5P参照)を形成することと、を含んでいる。まず、積層体2の形成方法が説明される。
まず、図5Aおよび図5Bに示されるように、ベース板90上に部品実装パッド130を含む第3導体層13が形成される。図5Aに示されるように、コア材93およびその表面に金属箔91を有するベース板90が用意される。金属箔91は一面に接着されたキャリア金属箔92を備えており、キャリア金属箔92とコア材90とが熱圧着などにより接合されている。金属箔91とキャリア金属箔92とは、たとえば、熱可塑性接着剤などの分離可能な接着剤で接着されるか、縁部だけで固着されている。コア材93には、たとえばガラスエポキシ基板が用いられる。両面銅張積層板が、キャリア金属箔92を備えたコア材90として用いられてもよい。金属箔91およびキャリア金属箔92は好ましくは銅箔である。なお、図5A〜5Pにおいて各構成要素の厚さの正確な比率を示すことは意図されていない。
図5Bに示されるように、ベース板90上に第3導体層13が形成される。たとえば、図示されないめっきレジストが金属箔91上に形成される。めっきレジストには、第3導体層13が有するべき部品実装パッド130などの導体パターンに応じた開口が設けられる。そして、めっきレジストの開口部に、金属箔91をシード層とする電解めっきにより電解銅めっき膜が形成され、その後、めっきレジストが除去される。それにより、部品実装パッド130などの所望の導体パターンを含む第3導体層13が形成される。エッチングを用いないので、ファインピッチで部品実装パッド130などの導体パターンを形成することができる。第3導体層13は、無電解めっきなどの他の方法で形成されてもよい。なお、図5B〜5Dと異なり、ベース板90の片方の面だけが、第3導体層13などの形成に用いられてもよい。図5Cおよび図5Dでは、各図面上、ベース板90の上側の構成要素についての符号は適宜省略される。
図5C〜5Eに示されるように、ベース板90上および第3導体層13上に絶縁層および導体層が積層され、それにより第3導体層13を覆う絶縁層(第3絶縁層23)を含むビルドアップ層10が形成される。その後、ベース板90が除去される。一般的なビルドアップ配線板の製造方法が用いられ得る。図5Cに示されるように、第3絶縁層23が、たとえば、第3導体層13および金属箔91の露出部分上へのフィルム状のエポキシ樹脂などの熱圧着によって形成される。つぎのステップで形成される第5導体層15の一部を構成する金属箔が第3絶縁層23上に積層されてもよい。第3絶縁層23は、部品実装パッド130を含む第3導体層13を、金属箔91側の一面を除いて被覆するように形成される。その後、ビア導体33の形成場所に対応する位置の第3絶縁層23に、たとえばCO2レーザー光の照射によって導通用孔33aが形成される。そして、導通用孔33a内および第3絶縁層23(またはその上に積層された金属箔)の表面上に、無電解銅めっきなどによって金属膜が形成される。さらに、この金属膜をシード層として用いて、パターンめっき法を用いて銅などからなる電解めっき膜が形成される。その後、パターンめっきに用いられたレジストが除去され、その除去により露出する金属膜(および金属箔)が除去される。その結果、所望の導体パターンを含む第5導体層15が形成される。また、導通用孔33a内にビア導体33が形成される。
図5Dに示されるように、第3絶縁層23、第5導体層15およびビア導体33の形成方法と同様の方法で、第4絶縁層24、第6導体層16およびビア導体34が形成される。その結果、ビルドアップ層10が、ベース板90上に形成される。
その後、ベース板90が除去される。具体的には、キャリア金属箔92と金属箔91とが分離され、それにより露出する金属箔91が、たとえばエッチングによって除去される。金属箔91とキャリア金属箔92との分離は、たとえば、両者を接着している熱可塑性接着剤を加熱により軟化させることや、両者を縁部において固着している接合部の切除によって行われ得る。ベース板90の除去によって、図5Eに示されるように、第3導体層13およびビルドアップ層10の一面が露出する。金属箔91を除去するエッチングは、第3導体層13内の個々の導体パターン同士が確実に分離されるように、金属箔91の消失後も継続され得る。その場合、金属箔91の消失後に露出する第3導体層13の露出面は、エッチングされることによって第3絶縁層23の露出面よりも凹み得る。その場合、前述の図4の例のように、絶縁板5側を向く面において、第3絶縁層23よりも凹んでいる第3導体層13が形成され得る。
ベース板90の除去によって露出するビルドアップ層10および第3導体層13の露出面に、図5Fに示されるように、剥離膜8が設けられる。剥離膜8は、第3導体層13およびビルドアップ層10と強固に接着せず、しかし、これらと密着し得る材料を少なくとも用いて設けられる。すなわち、剥離膜8と第3導体層13およびビルドアップ層10との界面へのプリプレグ210(図5H参照)の構成材料などの浸透が、剥離膜8の密着性によって防がれる。しかし、剥離膜8とビルドアップ層10および第3導体層13とは、比較的弱い力で容易に分離され得る。後述のように、後工程においてビルドアップ層10の上に剥離膜8を介して絶縁板5(図5H参照)が積層され、その後、絶縁板5におけるキャビティ7(図5P参照)の形成領域の部分が除去される。剥離膜8は、この絶縁板5の一部とビルドアップ層10との剥離を容易にする。なお、図5F以降の工程は、前述のベース板90とは別のベース板(図示せず)上で行われてもよい。
図5Fの例では、剥離膜8は、ビルドアップ層10側の粘着層81と、粘着層81に積層された接合層82とを有している。粘着層81は、前述のように、第3導体層13およびビルドアップ層10と強固に接着せず、しかし、これらと密着し得る材料で形成される。粘着層81には、たとえばアクリル樹脂が用いられる。一方、接合層82は、少なくとも銅などの金属との間で、好ましくは、銅およびエポキシ樹脂などとの間で、十分な接着性を発現し得る材料で形成される。接合層82には、たとえばポリイミド樹脂が用いられる。
たとえば、第3導体層13およびビルドアップ層10の露出面の全面に粘着層81および接合層82が設けられる。その後、粘着層81および接合層82におけるキャビティ7の形成領域A以外の部分を除去することによって、キャビティ7の開口形状に基づく平面形状を有している剥離膜8が形成され得る。また、キャビティ7の開口形状に基づく形状に事前に成形された剥離膜8が、ビルドアップ層10および第3導体層13上に載置されてもよい。
剥離膜8は、キャビティ7の形成領域Aのうちの略全域におよぶように設けられる。図1の例のプリント配線板1では、前述のように、キャビティ7は四角形の開口形状を有しているため、好ましくは、四角形の平面形状の剥離膜8が設けられる。剥離膜8のX方向およびY方向(図2参照)の長さが適切に選択されることによって、前述の好ましい突出長さを有する第1絶縁層21の突出部21a(図3A参照)が形成され得る。また、剥離膜8の厚さは、後工程でビルドアップ層10に積層されるプリプレグ210(図5H参照)の厚さに基づいて選択される。剥離膜8は、粘着層81だけで構成されてもよく、粘着層81と接合層82との間に中間層を含む三層構造を有していてもよい。たとえば、中間層の厚さを調節することによって剥離膜8の厚さが所望の厚さに調整されてもよい。
なお、前述の図4の例のように、絶縁板5側を向く面(剥離膜8が設けられる面)において、第3導体層13が第3絶縁層23よりも凹んでいる場合は、図5Gに示されるように、粘着層81の一部が第3導体層13の凹みによる凹部に入り込んでもよい。剥離膜8と第3導体層13との界面へのプリプレグ210(図5H参照)の浸入が、より確実に防止される。
図5Hに示されるように、第1面5Fおよび第1面5Fの反対面である第2面5Sを有し、第1面5Fに第1導体層11を備えると共に、第2面5Sに第2導体層12を備える絶縁板5が用意される。たとえば、エポキシ樹脂、BT樹脂、フェノール樹脂などの任意の絶縁性樹脂を用いて形成された絶縁板5が用意される。好ましくは、絶縁板5はガラス繊維やアラミド繊維などで構成される芯材51を含んでいる。第1導体層11および第2導体層12は、任意の金属箔を用いて形成されており、好ましくは、第1導体層11および第2導体層12は銅箔からなる。第1導体層11および第2導体層12には、たとえばエッチングによって、所望の導体パターンが形成されている。たとえば、両面銅張積層板の両面の銅箔をパターニングすることによって、第1および第2の導体層11、12を備える絶縁板5が用意され得る。なお、図5Hおよび図5Iに示される第2導体層12は、前述の図1に示される金属箔層121だけで構成されている。後述の図5Jの工程において、金属膜層122、電解めっき膜層123を有する最終的な形態の第2導体層12が形成される。
第1導体層11には、キャビティ7(図5P参照)の形成領域Aよりも少し大きなベタパターンからなるダミーパターン111が設けられている。ダミーパターン111は、後述の溝71(図5Mおよび図5N参照)の形成の際に、たとえばレーザー光のストッパとして機能し得る。ダミーパターン111は、キャビティ7の形成領域Aの外縁に沿って枠状に設けられてもよい。
また、絶縁板5が用意される際には、第1導体層11に、後工程で形成されるスルーホール導体6(図5J参照)の断面に基づく大きさの開口11aが形成される。図5Hの例のように、第2導体層12にも、スルーホール導体6の断面に基づく大きさの開口12aが形成されてもよい。開口11a、12aは、スルーホール導体6の形成位置に対応する部分の導体を除去することによって形成される。開口11a、12aによって、スルーホール導体6の形成が容易化される。また、第1導体層11に形成される開口11aの大きさは、第2導体層12に形成される開口12aの大きさよりも小さくてもよい。前述のように、第3導体層13に向ってテーパーする形状のスルーホール導体6が形成される場合、第1導体層11および第2導体層12の両方を適切にスルーホール導体6に接触させることができる。
さらに、本実施形態では、図5Hに示されるように、剥離膜8の平面形状に基づく開口211を有するプリプレグ210が用意される。プリプレグ210は、ガラス繊維やアラミド繊維などの芯材、および、芯材に含浸されたエポキシ樹脂などの絶縁性樹脂によって主に構成される。開口211は、金型加工などによって形成され得る。剥離膜8が四角形の平面形状を有し、それに応じて四角形の形状の開口211が形成される場合、開口211のX方向およびY方向(図2参照)の長さは、それぞれ、剥離膜8のX方向およびY方向の長さよりも短くてもよい。プリプレグ210は硬化時に収縮することがあるため、剥離膜8を開口211に過度の隙間なく適切に収め得るという点で、平面視において剥離膜8よりも小さい開口211が好ましいことがある。
また、プリプレグ210の厚さは、プリプレグ210によって形成される第1絶縁層21(図5I参照)の厚さに基づいて選択される。また、前述のように、剥離膜8の厚さは、プリプレグ210の厚さに基づいて選択される。剥離膜8の厚さは、たとえば、15μm以上、50μm以下である。
図5Hに示されるように、ビルドアップ層10の表面上にプリプレグ210が積層される。プリプレグ210は、その硬化後に、開口211の内部に剥離膜8が収まるように、開口211と剥離膜8とを対向させて積層される。さらに、絶縁板5が、第1面5Fをプリプレグ210に向けて、プリプレグ210上に積層される。そして、プリプレグ210が、加熱および加圧されることによって硬化し、その硬化物として第1絶縁層21(図5I参照)が形成される。また、ビルドアップ層10と絶縁板5とが第1絶縁層21を介して接合される。
図5Iおよび図5Jに示されるように、絶縁板5、第1絶縁層21および第1導体層11を貫通し、第1導体層11、第2導体層12および第3導体層13を相互に接続するスルーホール導体6が形成される。まず、図5Iに示されるように、スルーホール導体6の形成位置に導通用孔6aが、第2導体層12側からの、CO2レーザー光などの照射によって形成される。レーザー光は、好ましくは、第2導体層12に形成された開口12aに向けて照射される。第1導体層11においても、開口12aの真下の位置に開口11aが設けられており、そのため、容易に、第3導体層13を露出する導通用孔6aが形成され得る。導通用孔6aは、第1〜第3の導体層11、12、13、絶縁板5、および第1絶縁層21を貫通し、第3導体層13に向って縮径している。
その後、導通用孔6aの内壁および第2導体層12上の全面に金属膜が無電解めっきやスパッタリングによって形成される。その金属膜の上に、少なくとも導通用孔6aを露出する開口を有するめっきレジストが形成され、導通用孔6a内に金属膜をシード層として用いて電解めっき膜が形成される。好ましくは、導通用孔6a内の電解めっき膜の析出が他の部分よりも促進されるように、めっき液への添加剤が調整される。その後、めっきレジストが除去され、それにより露出する金属膜が除去される。さらに、第2導体層12における、金属膜の除去によって露出する部分が除去される。図5Jに示されるように、導通用孔6aの内部が電解めっき膜で充填され、導通用孔6a内にスルーホール導体6が形成される。なお、図5Jの例と異なり、第2導体層12と第3導体層13だけを相互に接続するスルーホール導体6が形成されてもよい。
また、図5Jの工程を経ることによって、図5Hおよび図5Iに単層の第2導体層12として示されていた金属箔層121と、その上に形成された二層の膜(122、123)とによって最終的な形態の第2導体層12が形成されている。図5Jは、金属箔層121と、シード層として用いられた金属膜の残存部分である金属膜層122と、電解めっき膜層123とを含む三層構造の第2導体層12の例である。第2導体層12は、その後、必要に応じて、化学機械研磨やエッチングによって、その厚さを調整されてもよい。なお、図5Jの例では、キャビティ7(図5P参照)の形成領域Aの第2導体層12は、全て除去されている。少なくとも、キャビティ7の形成領域Aの縁部付近には、第2導体層12の導体パターンを設けないことが好ましい。キャビティ7の形成時にレーザー光の照射などによる溝の形成が阻害されないからである。
以上の工程を経ることによって、積層体2が用意される。積層体2は、絶縁板5と、少なくとも一組の絶縁層および導体層を含むビルドアップ層10と、剥離膜8と、剥離膜8を内包している貫通孔211を備えていて絶縁板5の第1面5Fとビルドアップ層10との間に介在する第1絶縁層21と、を少なくとも含んでいる。
その後、積層体2の両面に、任意の層数の絶縁層および導体層が、必要に応じて形成される。図1に示されるプリント配線板1が製造される場合は、図5Kに示されるように、絶縁板5の第2面5Sおよび第2導体層12上に第2絶縁層22が形成され、第2絶縁層22上に第4導体層14が形成されると共に、ビア導体32が形成される。第2絶縁層22、第4導体層14およびビア導体32は、前述の第3絶縁層23、第5導体層15およびビア導体33の形成方法と同様の方法で形成され得る。
なお、前述の図5Hに示される絶縁板5とビルドアップ層10との接合後、ビルドアップ層10の露出面(第6導体層16および第4絶縁層24)は、たとえばPETフィルムなどを用いて適宜保護される。
また、図1に示されるプリント配線板1が製造される場合は、図5Lに示されるように、ソルダーレジスト層41、42が形成される。たとえば、第6導体層16および第4絶縁層24の表面上、ならびに、第4導体層14および第2絶縁層22の表面上への感光性のエポキシ樹脂やポリイミド樹脂層の形成によって、ソルダーレジスト層41、42が、それぞれ形成される。そして、フォトリソグラフィ技術を用いて、開口41a、42aがそれぞれ形成される。
つぎに、図5Mおよび図5Nに示されるように、剥離膜8の周縁に沿って、絶縁板5を貫通する溝71が絶縁板5の第2面5S側から形成される。溝71は、絶縁板5の第1面5F側に底面を有し、その底面に第1導体層11の一部を露出させている。溝71は、絶縁板5の第2面5S側に向って開口しており、図5Mの例では、第2絶縁層22およびソルダーレジスト層42も貫通している。溝71は、剥離膜8の周囲全周に渡って、キャビティ7(図5P参照)の形成領域Aを囲むように形成される。たとえば、レーザー光Bが、キャビティ7の形成領域Aを囲む軌跡で、第2面5S側から絶縁板5に照射される。図5Mの例では、ソルダーレジスト層42にレーザー光Bが照射される。レーザー光Bの種類としては、炭酸ガスレーザー、YAGレーザーなどが例示されるが、レーザー光Bはこれらに限定されない。また、溝71は、ドリル加工などの切削加工によって形成されてもよい。
溝71は、好ましくは、剥離膜8の外縁8aが、平面視で溝71に重なるように形成される。すなわち、溝71は、図5Nに示されるように、剥離膜8の外縁8aが、平面視で、溝71の対向する2つの内壁の間に位置するように形成される。換言すると、溝71は、その幅方向において剥離膜8の外縁8aを跨ぎ得るような位置および幅で形成される。そのように好ましい幅を有する溝71が形成されるように、レーザー光の照射やドリル加工が、剥離膜8の周縁において、照射位置をずらしながら複数回にわたって周回されてもよい。このように溝71を形成することによって、剥離膜8の外縁8a上の部分の第1導体層11を溝71に露出させることができ、キャビティ7の形成の前に、この部分の第1導体層11を略確実に除去することができる。
第1導体層11のダミーパターン111は、溝71の形成時に、レーザー光やドリル刃のストッパとして機能し得る。意図されない深さの溝71の形成や、第1絶縁層21などへのダメージが防がれる。従って、たとえばレーザー光Bは、ダミーパターン111の外縁111aよりも内側に照射されることが好ましい。なお、溝71が、その外側の内壁が剥離膜8の外縁8aと平面視で重なるように形成されると、前述の図3Bに示されるような第1絶縁層21が形成される。また、溝71の外側の内壁がダミーパターン111の外縁111aと平面視で重なるように溝71が形成されると、前述の図3Cに示されるような第1絶縁層21が形成される。また、前述のように、レーザー光Bのスポット径が、その先端側ほど小さくなるように、レーザー光Bを集光することによって、前述の図3Dに示されるような、内壁にテーパー面を有するキャビティ7が形成され得る。
図5Oに示されるように、第1導体層11における溝71に露出している部分が除去される。図5Oの例では、ダミーパターン111の露出部分がエッチングなどによって除去される。その結果、絶縁板5などにおいて溝71に囲まれている部分(以下、溝71に囲まれている部分は除去部分Rとも称される)は、剥離膜8の介在部分を除いて、ビルドアップ層10や絶縁板5などの周囲の構成要素から独立する。なお、エッチングの進行に伴って、第1導体層11では、溝71への露出部分だけでなく、その近傍の部分も除去される。図5Oの例では、ダミーパターン111における溝71への露出部分よりも外側の部分全てが除去されている。キャビティ7(図5P参照)の内部における不要な導電体の残留および露出が防がれ得る。
図5Pに示されるように、除去部分Rが剥離膜8と共に除去される。図5Pの例では、絶縁板5に加えて、第2絶縁層22およびソルダーレジスト層42における溝71(図5O参照)に囲まれている部分も剥離膜8と共に除去される。その結果、部品実装パッド130を底面に露出するキャビティ7が形成される。前述のように、除去部分Rは、剥離膜8の介在部分を除いて、ビルドアップ層10などから独立している。また、剥離膜8の粘着層81は、ビルドアップ層10などと強固に接着せずに単にその粘着性によって付着しているだけである。従って、除去部分Rを任意の方法で容易に除去することができる。たとえば、除去部分Rは、治工具などに吸着され、ビルドアップ層10と反対側に引き上げられることにより除去され得る。
キャビティ7の形成後、好ましくは、キャビティ7内に残り得る剥離膜8や絶縁板5などの残渣が酸素プラズマや溶剤を用いて除去される。また、部品実装パッド130ならびに上側および下側の接続パッド14a、16aに、保護膜が形成されてもよい。たとえば、Ni/Au、Ni/Pd/Au、またはSnなどからなる保護膜がめっきにより形成され得る。液状の有機材内への浸漬や有機材の吹付けなどによりOSPが形成されてもよい。以上の工程を経ることによって、図1に示される本実施形態の一例であるプリント配線板1が完成する。
つぎに、本発明の他の実施形態のプリント配線板が図面を参照しながら説明される。図6には、本実施形態のプリント配線板の一例であるプリント配線板1aの断面図が示されている。プリント配線板1aは、前述の一実施形態のプリント配線板1と同様に、絶縁板5と、第1導体層11と、第2導体層12と、スルーホール導体6と、第1絶縁層21と、部品実装パッド130を含む第3導体層13と、ビルドアップ層10と、キャビティ7と、を備えている。キャビティ7は、絶縁板5および第1絶縁層21を貫通し、部品実装パッド130を底面7aに露出させている。
一方、本実施形態のプリント配線板1aでは、スルーホール導体6は、図1のプリント配線板1と異なり、第1絶縁層21を貫通していない。従って、スルーホール導体6は、第3導体層13を、第2導体層12および第1導体11のいずれとも接続していない。第3導体層13は、キャビティ7に露出している部分を除いて、多層構造(図6の例では三層構造)を有している。また、キャビティ7の底面7aは、第1絶縁層21と、第3導体層13および第3絶縁層23との界面よりも、キャビティ7の深さが深まる側に位置している。これらの点を除いて、図6に示される本実施形態のプリント配線板1aは、図1に示されるプリント配線板1と同様の構造を有している。図1のプリント配線板1と同様の構成要素には、図6中に同じ符号が付され、更なる説明は省略される。なお、図6は、第2絶縁層22および第4導体層14上にソルダーレジスト層が設けられない例を示しているが、図1のプリント配線板1と同様に、第2絶縁層22などの上にソルダーレジスト層が設けられてもよい。また、キャビティ7の底面7a上にもソルダーレジスト(図示せず)が形成されてもよい。
プリント配線板1aのスルーホール導体6は、前述の様に第1絶縁層21を貫通せず、第1導体層11および第2導体層12だけを互いに接続している。スルーホール導体6は、絶縁板5の厚さ方向の中央部を境に第1面5F側および第2面5S側それぞれにおいて、絶縁板5の厚さ方向の中央部に向って縮径するテーパー形状を有している。
プリント配線板1aでは、第3導体層13においてキャビティ7に露出していない部分、すなわち、第1絶縁層21に覆われている部分は、第2導体層12と同様に三層構造を有している。図6の例では、この部分において第3導体層13は、第1絶縁層21側から順に、金属箔層131、金属膜層132、電解めっき膜層133を有している。しかし、第3導体層13におけるキャビティ7に露出している部分は電解めっき膜層133だけで構成されている。従って、第3導体層13に形成されていてキャビティ7に露出している部品実装パッド130は、電解めっき膜層133だけで構成された単層構造を有している。後述のように、電解めっき膜層133内の導体パターンは、エッチングを用いたパターニングを経ずに形成され得る。従って、ファインピッチで配列された部品実装パッド130を得ることができる。なお、本実施形態における第3導体層13は、第1絶縁層21に覆われている部分において、金属膜層132および電解めっき膜層133だけで構成される二層構造を有していてもよい。
また、プリント配線板1aでは、第3絶縁層23におけるキャビティ7への露出面23aは、第1絶縁層21に覆われている面23bよりも、プリント配線板1aの厚さ方向において絶縁板5から離れた位置に位置している。この露出面23aと部品実装パッド130の露出面130aとによって、キャビティ7の底面7aが構成されている。図6の例では、第3絶縁層23の露出面23aと面23bとの段差は、金属箔層131と金属膜層132との合計の厚さに略等しい。
また、図6の例では、スルーホール導体6に代わって第1導体層11と第3導体層13とを接続するビア導体31が、第1絶縁層21に形成されている。第1導体層11と第3導体層13は、スルーホール導体6を介することなく接続され得る。従って、第1導体層11と第3導体層13との接続位置に影響されずに、第2導体層12に導体パターンを設けることができる。第2導体層12の設計自由度が高いと考えられる。なお、ビア導体31はビア導体33、34と同様の構造を有し得る。
図7には、本実施形態における部品実装パッド130の他の例の拡大図が示されている。図7に示されるように、本実施形態においても、キャビティ7に露出する部品実装パッド130の一面130aは、第3絶縁層23のキャビティ7への露出面23aよりも凹んでいてもよい。第3絶縁層23の露出面23aは、第1絶縁層21と第3導体層13との界面よりも、キャビティ7の深さが深まる側に位置している。この露出面23aよりも、さらに、部品実装パッド130の一面130aは、キャビティ7と反対側に凹んでいる。なお、図7に示される例においても、第1絶縁層21に覆われている部分では、図6の例と同様に、絶縁板5側を向く面に関して、第3絶縁層23と第3導体層13とは面一であり得る。
つぎに、図6に示されるプリント配線板1aを例に、他の実施形態の、キャビティを備えるプリント配線板の製造方法が図8A〜8Kを参照して以下に説明される。なお、以下の説明において、前述の図5A〜5Pを参照して説明された方法に用いられた構成要素と同様の構成要素が用いられる場合は、それらに対して同じ符号が用いられ、その材料などについての更なる説明は適宜省略される。
先に説明された方法と同様に、本実施形態のプリント配線板の製造方法においても、導体層と絶縁層との積層体2(図8G参照)を用意することと、溝71(図8I参照)を形成することと、絶縁板5における溝71に囲まれている部分を剥離膜8(図8K参照)と共に除去することと、を含んでいる。まず、積層体2の形成方法が説明される。
図8Aに示されるように、第1面5Fおよび第1面5Fの反対面である第2面5Sを有し、第1面5Fに第1導体層11を備え、第2面5Sに第2導体層12を備える絶縁板5が用意される。たとえば、第1面5Fおよび第2面5Sに銅箔を熱圧着された絶縁板5が用意され、スルーホール導体6の形成箇所に、第1面5F側および第2面5S側の両方からの炭酸ガスレーザー光などの照射によって導通用孔6aが形成される。そして、サブトラクティブ法やセミアディティブ法を用いて、所望の導体パターンを有する第1導体層11および第2導体層12が、それぞれ形成される。なお、フルアディティブ法によって、絶縁板5に直接、各導体層が形成されてもよい。なお、第1導体層11には、キャビティ7(図8K参照)の形成領域Aよりも少し大きなベタパターンからなるダミーパターン111が設けられる。
図8Bに示されるように、キャビティ7の開口形状に基づく平面形状を有する剥離膜8が第1導体層11上に設けられる。図5Fを参照して説明された剥離膜8が用いられ得る。剥離膜8は粘着層81と、接合層82を有している。本実施形態では、剥離膜8は、接合層82側を第1導体層11に向けて設けられる。剥離膜8は、キャビティ7の形成領域Aのうちの略全域におよぶように設けられる。たとえば第1導体層11および絶縁板5の第1面5Fの露出部分の全面に接合層82および粘着層81が設けられ、それらにおけるキャビティ7の形成領域A以外の部分が除去される。
図8Cに示されるように、剥離膜8の平面形状に基づく形状の開口211を有するプリプレグ210が用意される。前述の図5Hを参照して説明されたプリプレグ210が図5Hを参照して説明された方法と同様の方法で用意され得る。
さらに、少なくとも一方の表面に第1金属箔141aを備える支持板95が用意される。図8Cの例では、支持板95は、その両面にキャリア金属箔97を介して第1金属箔141aを備えている。支持板95は、たとえば、前述の図5Aを参照して説明されたコア材93と同様の材料を用いて形成され得る。第1金属箔141aは、好ましくは銅箔である。図8Cの例では、支持板95は、第1金属箔141aの側面だけにおいて第1金属箔141aと熱圧着などによって接合されている。一方、第1金属箔141aと、キャリア金属箔97とは直接接合されていない。
図8Cに示されるように、絶縁板5が、第2面5Sを支持板95に向けて、かつ、第2絶縁層22を介して第1金属箔141a上に積層される。第2絶縁層22は任意の絶縁性樹脂を用いて形成されており、好ましくはエポキシ樹脂によって形成されている。第2絶縁層22は芯材を含んでいてもよい。第2絶縁層22は、半硬化状態で、第1金属箔141aと絶縁板5に間に配置される。
さらに、プリプレグ210が、第1導体層11および絶縁板5の第1面5Fの露出面の上に積層される。プリプレグ210は、剥離膜8が開口211に収まるように、開口211と剥離膜8とを対向させて積層される。さらに、第2金属箔131aがプリプレグ210および剥離膜8の上に積層される。第2金属箔131aは、好ましくは、銅箔である。そして、プリプレグ210および第2絶縁層22が、加熱および加圧されることによって本硬化する。その結果、第1金属箔141aと絶縁板5が、第2絶縁層22を介して接合される。また、プリプレグ210の硬化物として第1絶縁層21(図8D参照)が形成され、絶縁板5と第2金属箔131aとが第1絶縁層21を介して接合される。なお、図8Cでは、支持板95の両側に絶縁板5などが積層されているが、支持板95の一方の面だけが用いられてもよい。図8D〜8Fでは、各図面上、支持板95の下側に設けられる各構成要素に符号が付され、上側に設けられる要素についての符号は適宜省略される。
つぎに、第2金属箔131aを含み、所定の導体パターンを有する第3導層13(図8E参照)が形成される。第3導体層13は、基本的に、前述の図5Cを参照して説明された第5導体層15の形成方法と同様の方法で形成される。しかし、少し異なる部分があるので、その手順が説明される。図8Dに示されるように、第2金属箔131a上に、第3導体層13が有するべき導体パターンと略同じパターンでめっき膜133aが形成される。めっき膜層133aは部品実装パッド130となる導体パターンも含んでいる。めっき膜133aは、図8Dでは、金属膜132aを介して第2金属箔131a上に形成されている。めっき膜133aは、たとえば、金属膜132aを電解めっき時のシード層として用いるパターンめっき法によって形成され得る。金属膜132aは、第1絶縁層21への導通用孔31aの形成後、第2金属箔131a上および導通用孔31a内にたとえば無電解めっきによって形成され得る。なお、導通用孔31a内には、ビア導体31が形成されている。めっき膜133aの形成後、めっき膜133aおよび第2金属箔131aにおける剥離膜8の上の部分を覆うレジスト膜99が形成される。
そして、図8Eに示されるように、第2金属箔131aおよびめっき膜133aにおける剥離膜8上の部分をレジスト膜99で覆った状態で、金属膜132aの露出部分が除去される。続いて、第2金属箔131aの露出部が除去される。たとえばウエットエッチングまたはドライエッチングなどによって、金属膜132aおよび第2金属箔131aの露出部分が除去される。その後、レジスト膜99が除去される。剥離膜8上の金属膜132aおよび第2金属箔131aは除去されずに残存する。すなわち、複数の部品実装パッド130は、互いに完全には分離されずに、第2金属箔131aおよび金属膜132aによって接続されている。一方、剥離膜8上ではない領域では、第2金属箔131aおよび金属膜132aにおけるめっき膜133aに覆われていない部分は除去されており、第3導体層13が所定のパターンにパターニングされている。剥離膜8上の金属膜132aおよび第2金属箔131aにおけるめっき膜133aに覆われていない部分は、後工程で除去される。
図8Fに示されるように、第3導体層13および第1絶縁層21上に絶縁層および導体層を積層することによってビルドアップ層10が形成される。ビルドアップ層10を構成する各絶縁層および各導体層ならびに各ビア導体は、それぞれ、前述の図5Cを参照して説明された方法と同様の方法で形成され得る。図6に示されるプリント配線板1aが形成される場合は、まず、第3絶縁層23、第5導体層15およびビア導体33が形成される。さらに、第4絶縁層24が形成され、第6導体層16(図8G参照)の一部を構成する第3金属箔161aが、第4絶縁層24上に積層される。
本実施形態のプリント配線板の製造方法では、ビルドアップ層10の形成において最後に形成される導体層に含まれる金属箔のパターニングの前に支持板95が除去される。図6に示されるプリント配線板1aが形成される場合は、第6導体層16が、ビルドアップ層10の形成において最後に形成される導体層である。従って、図8Fに示される工程の後、第3金属箔161aのパターニングの前に支持板95が除去される。支持板95の除去は、たとえば、図8Fに矢印CLで示されるように第1金属箔141aの側面よりも少し内側の位置で、支持板95上に積層された全ての構成要素を切断することによって行われ得る。第1金属箔141aと支持板95との接合部分が切除されるため、支持板95と第1金属箔141aとが容易に分離され得る。そして、支持板95の除去によって第1金属箔141aが露出する。
図8Gに示されるように、所望の導体パターンを有する第4導体層14および第6導体層16がそれぞれ形成される。また、第2絶縁層22内にビア導体32が形成され、第4絶縁層24内にビア導体34が形成される。第4および第6の導体層14、16ならびにビア導体32、34の形成には、前述の図5Cを参照して説明された方法と同様に、パターンめっき法が用いられ得る。第4導体層14および第6導体層16の形成において、第1金属箔141aおよび第3金属箔161aが、その不要部分をエッチングなどで除去されることによってパターニングされる。第1金属箔141aの残存部分を含む第4導体層14、および、第3金属箔161aの残存部分を含む第6導体層16が形成される。以上の工程を経ることによって、積層体2が用意される。
図6に示されるプリント配線板1aが製造される場合は、図8Hに示されるように、開口41aを有するソルダーレジスト層41が、たとえば、感光性のエポキシ樹脂などの塗布、ならびに、露光および現像によって形成される。
図8Iに示されるように、剥離膜8の周縁に沿って、絶縁板5を貫通する溝71が第2面5S側から形成され、図8Jに示されるように、第1導体層11における溝71に露出している部分(図8Jの例ではダミーパターン111の露出部分)が除去される。溝71は、図5Mおよび図5Nを参照して説明された方法と同様の方法で形成され得る。また、第1導体層11の露出部分は、図5Oを参照して説明された方法と同様の方法で除去され得る。図8Iには、溝71が剥離膜8の外縁8aよりも外側の領域だけに形成される例が示されている。前述のように、第1導体層11の露出部分を除去するために行われるエッチングでは、第1導体層11において、溝71への露出部分だけでなく、その近傍の部分も除去され得る。従って、図8Iの例のように溝71が形成されても、図8Jに示されるように、除去部分Rが、剥離膜8の介在部分を除いて、ビルドアップ層10や絶縁板5などの周囲の構成要素から独立し得る。
図8Kに示されるように、除去部分Rが剥離膜8と共に除去され、キャビティ7が形成される。除去部分Rは、図5Pを参照して説明された方法と同様の方法で除去され得る。
除去部分Rおよび剥離膜8の除去によって、キャビティ7の底面に第2金属箔131aが露出する。本実施形態では、キャビティ7の形成後、キャビティ7内に露出する第2金属箔131aがエッチングなどによって除去される。さらに、この第2金属箔131aの除去によって露出する金属膜132aが除去される。それにより、キャビティ7内に露出する部品実装パッド130などの各導体パターンが互いに分離される。所定の導体パターンを有する第3導体層13を得ることができる。その後、好ましくは、キャビティ7内に残り得る剥離膜8などの残渣が除去される。また、部品実装パッド130などに、保護膜が形成されてもよい。以上の工程を経ることによって、図6に示されるプリント配線板1aが完成する。プリント配線板1aの完成状態では、第3導体層13におけるキャビティ7の内部の導体パターンは、図8Dの工程でパターンめっきによって形成されためっき膜133aだけで構成される。めっき膜133aはエッチングを用いずに形成されるため、部品実装パッド130をファインピッチで設けることができる。
キャビティ7の形成後に行われる金属膜132aなどの除去において、部品実装パッド130などが互いに確実に分離するように、好ましくは、金属膜132aの消失後もエッチングが継続される。それにより、金属膜132aの消失後に露出する、部品実装パッド130などの各導体パターンの表面が、周囲の第3絶縁層23におけるキャビティ7への露出面23aよりも凹み得る。その場合、図7に例示される部品実装パッド130が形成され得る。
なお、以上の説明において、第1絶縁層21および第3導体層13は、ビルドアップ層10と別個に定義されているが、第1絶縁層21および第3導体層13が、ビルドアップ工法によって形成された絶縁層および導体層であってもよい。また、実施形態のプリント配線板は、各図面に例示される構造や、本明細書において例示された構造や材料を備えるものに限定されない。たとえば、ビルドアップ層10は任意の数の導体層および絶縁層を有していてもよい。絶縁板5の第2面5S側に、任意の数の導体層と絶縁層とが積層されていてもよい。たとえば、第2面5S側に、第2ビルドアップ層が形成されていてもよい。スルーホール導体および各ビア導体は、必ずしもテーパー形状を有していなくてもよい。第1絶縁層21は、突出部21aと凹部21cのいずれをも備えていなくてもよい。また、実施形態のプリント配線板の製造方法は、各図面を参照して説明された方法に限定されず、その条件や順序などは適宜変更されてよい。現に製造されるプリント配線板の構造に応じて、一部の工程が省略されてもよく、別の工程が追加されてもよい。
1、1a プリント配線板
2 積層体
5 絶縁板
5F 第1面
5S 第2面
6 スルーホール導体
7 キャビティ
7a 底面
71 溝
8 剥離膜
81 粘着層
82 接合層
10 ビルドアップ層
11 第1導体層
12 第2導体層
13 第3導体層
130 部品実装パッド
130a 一面
14 第4導体層
141a 第1金属箔
15 第5導体層
16 第6導体層
161a 第3金属箔
21 第1絶縁層
21a 突出部
21c 凹部
210 プリプレグ
211 開口(貫通孔)
22 第2絶縁層
23 第3絶縁層
23a 露出面
24 第4絶縁層
95 支持板
99 レジスト膜
A キャビティの形成領域
C コーナー部
R 除去部分

Claims (18)

  1. 第1面および前記第1面と反対側の第2面を備える絶縁板と、
    前記絶縁板の第1面に形成されている第1導体層と、
    前記絶縁板の第2面に形成されている第2導体層と、
    前記絶縁板を貫通するスルーホール導体と、
    前記絶縁板の第1面および前記第1導体層上に設けられている第1絶縁層と、
    前記第1絶縁層上に形成されていて部品実装パッドを含む第3導体層と、
    前記第1絶縁層および前記第3導体層の上に積層されていて少なくとも一組の絶縁層および導体層によって構成されるビルドアップ層と、
    前記絶縁板および前記第1絶縁層を貫通し、前記部品実装パッドを露出させるキャビティと、を備えるプリント配線板。
  2. 請求項1記載のプリント配線板であって、
    前記第1絶縁層は、前記キャビティに露出する前記絶縁板の端面よりも前記キャビティの内方にはみ出ている突出部を有し、
    前記突出部による段差が前記キャビティの底面の周縁部に形成されている。
  3. 請求項1記載のプリント配線板であって、
    前記キャビティに露出する前記第1絶縁層の端面に、前記キャビティに露出する前記絶縁板の端面よりも前記キャビティの外方に凹んでいる凹部が形成されている。
  4. 請求項3記載のプリント配線板であって、
    前記第1絶縁層は、前記キャビティに露出する前記絶縁板の端面よりも前記キャビティの内方にはみ出ている突出部を前記第1絶縁層の厚さ方向における前記ビルドアップ層側に有し、
    前記凹部は、前記第1絶縁層の厚さ方向における前記絶縁板側に形成されている。
  5. 請求項1記載のプリント配線板であって、前記第1絶縁層が芯材を含んでいる。
  6. 請求項1記載のプリント配線板であって、前記ビルドアップ層を構成する全ての絶縁層が芯材を含んでいる。
  7. 請求項1記載のプリント配線板であって、
    前記絶縁板の第2面および前記第2導体層上に設けられている第2絶縁層と、
    前記第2絶縁層上に形成されている第4導体層と、をさらに含んでいる。
  8. 請求項1記載のプリント配線板であって、前記スルーホール導体は、前記第1絶縁層および前記第1導体層を貫通し、少なくとも前記第3導体層と前記第2導体層とを相互に電気的に接続している。
  9. 請求項8記載のプリント配線板であって、前記スルーホール導体は、前記第3導体層に向って縮径するテーパー形状を有している。
  10. 請求項1記載のプリント配線板であって、前記キャビティに露出する前記部品実装パッドの一面は、前記ビルドアップ層を構成する絶縁層における前記キャビティへの露出面よりも凹んでいる。
  11. 請求項1記載のプリント配線板であって、前記第1導体層の厚さと前記第2導体層の厚さが互いに異なっている。
  12. 請求項1記載のプリント配線板であって、前記部品実装パッドは単層構造を有し、前記第3導体層において前記第1絶縁層に覆われている部分は、二層構造または三層構造を有している。
  13. キャビティを備えるプリント配線板の製造方法であって、前記製造方法は、
    第1導体層を備える第1面および前記第1面の反対面である第2面を有する絶縁板と、少なくとも一組の絶縁層および導体層を含むビルドアップ層と、前記絶縁板の一部と前記ビルドアップ層との剥離を容易にする剥離膜と、前記剥離膜を内包している貫通孔を備えていて前記絶縁板の第1面と前記ビルドアップ層との間に介在する第1絶縁層と、を少なくとも含む積層体を用意することと、
    前記剥離膜の全周に前記剥離膜の周縁に沿って前記絶縁板を貫通する溝を前記第2面側から形成すると共に、前記第1導体層の一部を前記溝に露出させることと、
    前記第1導体層における前記溝に露出している部分を除去することと、
    前記絶縁板における前記溝に囲まれている部分を前記剥離膜と共に除去することによって前記キャビティを形成することと、を含んでいる。
  14. 請求項13記載のプリント配線板の製造方法であって、
    前記溝は、前記剥離膜の外縁が平面視で前記溝に重なるように形成される。
  15. 請求項13記載のプリント配線板の製造方法であって、
    前記積層体を用意することは、
    ベース板上に部品実装パッドを含む第3導体層を形成することと、
    前記ベース板上および前記第3導体層上に絶縁層および導体層を積層することによって前記第3導体層を覆う絶縁層を含む前記ビルドアップ層を形成し、前記ベース板を除去することと、
    前記ベース板の除去によって露出する前記ビルドアップ層および前記第3導体層の露出面に、前記キャビティの開口形状に基づく平面形状を有する前記剥離膜を設けることと、
    前記第1導体層および前記第2面に第2導体層を備える前記絶縁板、ならびに前記剥離膜の平面形状に基づく開口を有するプリプレグを用意することと、
    前記開口の内部に前記剥離膜が収まるように前記ビルドアップ層の前記表面上に前記プリプレグを積層し、さらに、前記第1面を前記プリプレグに向けて前記絶縁板を前記プリプレグ上に積層することと、
    前記プリプレグを硬化させ、前記ビルドアップ層と前記絶縁板とを前記プリプレグの硬化物である前記第1絶縁層を介して接合することと、
    前記絶縁板、前記第1絶縁層および前記第1導体層を貫通し、少なくとも前記第2導体層と前記第3導体層とを接続するスルーホール導体を形成することと、を含んでいる。
  16. 請求項15記載のプリント配線板の製造方法であって
    前記絶縁板を用意することは、前記スルーホール導体の形成位置に対応する部分の導体を除去することによって、前記スルーホール導体の断面に基づく大きさの開口を前記第1導体層に形成することを含んでいる。
  17. 請求項13記載のプリント配線板の製造方法であって、
    前記積層体を用意することは、
    前記第1導体層および前記第2面に第2導体層を備える前記絶縁板と、前記剥離膜の平面形状に基づく形状の開口を有するプリプレグと、少なくとも一方の表面に第1金属箔を備える支持板とを用意することと、
    前記キャビティの開口形状に基づく平面形状を有する前記剥離膜を前記第1導体層上に設けることと、
    前記絶縁板を、前記第2面を前記支持板に向けて、かつ、第2絶縁層を介して前記第1金属箔上に積層することと、
    前記剥離膜が前記開口に収まるように前記プリプレグを前記絶縁板の第1面および前記第1導体層の上に積層し、さらに、第2金属箔を前記プリプレグおよび前記剥離膜の上に積層することと、
    前記第1金属箔と前記絶縁板とを前記第2絶縁層を介して接合すると共に、前記絶縁板と前記第2金属箔とを前記プリプレグの硬化物である前記第1絶縁層を介して接合することと、
    前記第2金属箔を含み、所定の導体パターンを有する第3導体層を形成することと、
    前記第3導体層および前記第1絶縁層上に絶縁層および導体層を積層することによって前記ビルドアップ層を形成することと、
    前記ビルドアップ層の形成において最後に形成される導体層に含まれる第3金属箔のパターニングの前に前記支持板を除去することと、
    前記第1金属箔および前記第3金属箔をパターニングすることと、を含んでいる。
  18. 請求項17記載のプリント配線板の製造方法であって
    前記第3導体層を形成することは、
    前記第2金属箔上に、前記第3導体層が有するべき導体パターンと略同じパターンでめっき膜を形成することと、
    前記第2金属箔および前記めっき膜における前記剥離膜上の部分をレジスト膜で覆った状態で前記第2金属箔の露出部を除去し、前記レジスト膜を除去することと、を含んでおり、
    前記製造方法は、前記キャビティの形成後に、前記キャビティ内に露出する前記第2金属箔を除去することをさらに含んでいる。
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